JP3478394B2 - シリカゾル及びシリカ粉末 - Google Patents

シリカゾル及びシリカ粉末

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリカゾル及びシリカ粉
末に関し、詳しくはNaの少ないシリカゾルおよびその
シリカゾルから得られたシリカ粉末に関する。そのシリ
カゾルはセラミックスや触媒の分野の用途に有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、珪酸ソーダ水溶液はシリカゾルの
原料としては最も安価なシリカ源であって、通常のシリ
カゾルはほとんど全て珪酸ソーダ水溶液を原料として製
造されており、Na+ がその性質上不可避的に存在して
いる。しかしながら、多くの場合、特にセラミックや触
媒の分野では、シリカゾル中のNa成分は物性の劣化を
もたらすことから、好ましくない。
【0003】シリカゾルを乾燥すると多孔質のシリカに
なり、この多孔質シリカはゾル中のシリカ粒子の粒径か
ら換算した比表面積とほとんど同じ比表面積を有してい
る。この多孔質シリカはNaが存在すると、500℃以
上の温度で結晶化、ガラス化し比表面積は1000℃近
くでは激減してゼロに近づく。多孔質シリカはNaの含
有量が多いほど低温で比表面積の低下が起こり、セラミ
ックスや触媒の分野に用いた場合、セラミックの収縮や
歪み、クラックの発生、触媒能の低下等が生じる。
【0004】一方、アルカリで安定化したシリカゾル
は、SiO重量に対してNa2Oを1wt%含有して
おり、アルカリを除去した酸性のシリカゾルやアンモニ
アに置換したシリカゾルではNa2Oを0.1wt%含
有している。例えば、平均粒子径13nmのシリカゾル
を乾燥した多孔質シリカは約200m/gのBET比
表面積を有するが、1wt%のNa2Oが存在すると8
00℃のBET比表面積は1m/gになり、0.1w
t%のNa2Oが存在すると1000℃のBET比表面
積は1m/gになる。
【0005】したがって、セラミックスや触媒の分野で
は、Naの少ないシリカゾルを製造する試みが従来より
数多く行われてきた。基本的な方法としては、特公昭5
5−10535号公報に記載されているように、Naで
安定化したシリカゾルからイオン交換によりNaを除去
する方法がある。
【0006】また、特開昭61−158810号公報の
様に、粒子の成長にアルカリイオンとしてアンモニウム
イオンや第4級アンモニウムイオンを使用する方法が挙
げられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
様なNaの少ないシリカゾルを製造する方法として、特
公昭55−10535号公報に記載されているように、
Naで安定化したシリカゾルからイオン交換によりNa
を除去する方法では、製造されたシリカゾルはSiO2
重量に対してNa2Oを0.1wt%以上含有してお
り、このようなシリカゾルは加熱焼成すると比表面積の
低下が著しく実用的ではない。
【0008】シリカゾルのシリカ粒子径は一般に10〜
20nmであって、粒子の成長のためにはアルカリイオ
ンを必要とし、通常はNaOHが使用され、最終製品に
もコロイドの安定化剤としてNaOHが残存している。
粒子の成長工程でNaイオンの一部はシリカ粒子内部に
取り込まれる。取り込まれたNaはイオン交換などの処
理では除くことが不可能である。
【0009】また、特開昭61−158810号公報の
ように、シリカの粒子の成長にアルカリイオンとしてア
ンモニウムイオンを使用すればNaの含有量を少なくす
ることが出来るが、この場合には粒子径は5nm以下ま
でしか成長しない。そして、粒子径が5nmのシリカゾ
ルはSiO濃度10wt%までしか濃縮できず、市販
品のような20wt%以上のシリカゾルが得られない。
また、第4級アンモニウム水酸化物を使用することはで
きるが、高価なことと高温でアミン類の有害ガスが発生
することが実用上の障害となり、多用されていない。
【0010】このように、珪酸ソーダを原料としてNa
の少ないシリカゾルを製造することは非常に難しいこと
から、特開昭60−127216号公報のように珪酸ソ
ーダ以外の原料に頼らなくてはならないのが現状であ
る。
【0011】本発明は、この様な従来技術の欠点を改善
するためになされたものであり、Naの少ないシリカゾ
ルおよびシリカ粉末を提供することを目的とするもので
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明が提供しよ
うとするものは、珪酸ソーダ水溶液から得られた珪酸溶
液に水酸化リチウムを添加して生成したシリカゾルであ
って、ゾル中のシリカ粒子の粒子径が10〜20nm
で、かつNaおよびLi成分の含有量がSiO2に対し
Na2Oとして0.01wt%以下、Li2Oとして0.
01〜0.03wt%であることを特徴とするシリカゾ
ルに係わる。また、本発明は、珪酸ソーダ水溶液から得
られた珪酸溶液に水酸化リチウムを添加して生成したシ
リカゾルであって、ゾル中のシリカ粒子の粒子径が10
〜20nmで、かつNaおよびLi成分の含有量がSi
2 に対しNa 2 Oとして0.01wt%以下、Li 2
として0.01〜0.03wt%で、Al成分の含有量
がSiO 2 に対しAl 2 3 として0.05〜2wt%で
あることを特徴とするシリカゾルに係わる。
【0013】また、本発明は、珪酸ソーダ水溶液から得
られた珪酸溶液に水酸化リチウムを添加して生成したシ
リカ粒子の粒子径が10〜20nmのシリカゾルを乾燥
して得られたシリカ粉末であって、NaおよびLi成分
の含有量がSiO2に対しNa2Oとして0.01wt%
以下、Li2Oとして0.01〜0.03wt%である
ことを特徴とするシリカ粉末に係わる。
【0014】また、本発明は、珪酸ソーダ水溶液から得
られた珪酸溶液に水酸化リチウムを添加して生成したシ
リカ粒子の粒子径が10〜20nmのシリカゾルを乾燥
して得られたシリカ粉末であって、NaおよびLi成分
の含有量がSiO 2 に対しNa Oとして0.01wt
%以下、Li 2 Oとして0.01〜0.03wt%で、
Al成分の含有量がSiO 2 に対しAl 2 3 として0.
05〜2wt%であることを特徴とするシリカ粉末に係
わる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
シリカゾルのシリカ粒子径は一般に10〜20nmであ
って、粒子の成長のためにはアルカリイオンを必要と
し、通常はNaOHが使用されるが、LiやKのような
アルカリ金属でも良いが、LiやKを使用することは通
常は行われていない。しかしながら、本発明者らは粒子
の成長工程でNaイオンの一部はシリカ粒子内部に取り
込まれるが、NaOHの代わりにLiOHを使用する
と、Liイオンはシリカ粒子内部に取り込まれにくいこ
とを見出した。これはLiの水和イオン径が大きいため
と推定される。従って、LiOHで粒子成長させたシリ
カゾルはイオン交換処理で大半のLiを除去することが
でき、Na2OとLi2Oのアルカリ成分の含有量が極め
て少ない、実質的に含有しないシリカゾルとすることが
できる。
【0016】本発明のシリカゾルは、シリカゾル中のア
ルカリ成分がSiO2 に対しNa2Oとして0.01w
t%以下であり、Li2Oとして0.03wt%以下、
好ましくは0.02wt%以下であり、Na2O+Li2
Oの合計量が0.05wt%以下であり、アルカリ成分
を実質的に含有しないシリカゾルである。
【0017】また、本発明のシリカゾルを粉末化したと
き、次式(1)
【0018】
【数3】
【0019】(式中、S1 は150℃、3時間処理した
乾燥粉末及びS2 はその粉末を1000℃、3時間処理
した焼成粉末のそれぞれのBET比表面積(m2 /g)
を表わす。但し、粉末は粒子径100〜500μmの範
囲のものである。)で示される比表面積変化率(R)が
50%以下、好ましくは40%以下であることが望まし
い。
【0020】本発明のシリカゾルの濃度は、通常20〜
50wt%、好ましくは30〜40wt%である。ま
た、本発明のアルカリ成分が実質的に含有しないシリカ
ゾルは、耐熱性を付与するために、アルミナ成分がSi
2 に対しAl23 として多くとも2wt%、好まし
くは0.05〜1.0wt%含有するものが好ましい。
【0021】次に、本発明のシリカゾルの製造方法につ
いて説明する。本発明のシリカゾルを製造する始めの工
程は、希釈した珪酸ソーダ水溶液をイオン交換してNa
を除いた活性な珪酸溶液を得る工程であるが、工業的な
製造スケールでは、この工程ではNaは完全には抜けき
らず、SiO2 に対してNa2Oが0.04wt%程度
残存する。LiOHで粒子成長させたシリカゾルはイオ
ン交換処理でこのNaの含有量を1/3程度まで除去す
ることが出来る。
【0022】即ち、本発明は、シリカゾル製造工程に於
ける粒子成長工程でLiOHを使用し、粒子成長後のシ
リカゾルからイオン交換によってLiを除去する方法で
あり、NaやLiのアルカリ成分の少ないシリカゾルを
製造する方法である。
【0023】本発明のシリカゾルの製造方法は、 珪酸ソーダ水溶液をイオン交換により脱Na+ して大
部分のNaを除いた活性な珪酸溶液を得る第1工程、 第1工程で得た珪酸溶液に水酸化リチウムを添加しア
ルカリ性とした後、加熱熟成して活性珪酸をコロイド状
に形成する第2工程、 次いで該コロイド液を再びイオン交換により脱カチオ
ン処理を施し、必要に応じて限外瀘過により固形分の濃
縮を行い、あるいはNH3 成分を添加する第3工程 の各工程よりなる。
【0024】この方法によって製造されたシリカゾル
は、SiO2 に対してNa2Oが0.01wt%以下で
あり、Li2Oは0.03wt%以下の含有量に低減す
ることができる。
【0025】第1工程で得られた活性珪酸にAl塩を添
加して第2工程及び第3工程を行うと、得られるシリカ
の耐熱性を向上させることができる。また、第2工程で
得られたコロイド状の活性珪酸にAl塩を添加して第3
工程を行うことによってもシリカの耐熱性を向上させる
ことができる。Al塩にアルミン酸ソーダを使用すると
これに基因したNaが入るため、Alを添加する方法に
よって製造したシリカゾルではSiO2 に対してNa2
Oが0.05wt%以下である。即ち、Al塩を添加す
る方法によって製造したシリカゾルは、SiO2 に対し
てNa2Oが0.05wt%以下で、Li2Oが0.03
wt%以下含有し、かつAl23 が0.2wt%以上
で多くとも2wt%含有する。以上の方法によって製造
したシリカゾルの乾燥粉末は、150℃、3時間乾燥し
たものは100m2 /g以上の比表面積を有し、かつ1
000℃での比表面積変化率(R)が50%以下である
ことが特徴である。
【0026】原料の珪酸ソーダには、特に限定はなく市
販品のいずれでもよいが、通常は3号珪酸ソーダを用い
ることができる。第1工程では、珪酸ソーダ水溶液をイ
オン交換により脱Na+ して大部分のNaを除去する
が、イオン交換は、通常、H+ 型にしたカチオン交換樹
脂を充填したカラム中に希釈した珪酸ソーダ水溶液を通
過させることにより行なう。
【0027】第2工程では、第1工程で得た珪酸溶液に
水酸化リチウムを添加しアルカリ性とした後、加熱熟成
して活性珪酸をコロイド状に形成する。水酸化リチウム
にはLiOH・H2 O粉末をそのまま使用しても、10
wt%程度の水溶液で使用してもよい。
【0028】第1工程,第2工程の後に添加するAl塩
としてはアルミン酸ソーダ溶液、塩化アルミニウムなど
が工業薬品グレードで使用できるが、周知のようにシリ
カのゲルの発生を防止するために希薄水溶液の形で添加
する方がよい。塩化アルミニウムを添加する時期は第1
工程の後がよく、アルミン酸ソーダ溶液の添加時期は第
1工程または第2工程の後がよい。Al塩の添加量はS
iO2 に対してAl23 が0.2wt%以上がよく、
0.2wt%未満では顕著な耐熱性の向上がみられな
い。
【0029】第3工程ではLiとNaの除去のためカチ
オン交換を行う。カチオン交換は如何なる方法でも良い
が、H+ 型にしたカチオン交換樹脂を充填したカラム中
にシリカゾルを通過させる方法が一般的である。カチオ
ン交換樹脂はポリスチレン−DVB共重合体のスルホン
基型強酸性樹脂が一般的に用いられるが、特にこれらに
限定するものではない。不純物のアニオンを除去するた
めに、OH- 型にしたアニオン交換樹脂によってアニオ
ン交換を行っても良く、アニオン交換後に再度カチオン
交換を行ってもよい。
【0030】カチオンを除去したシリカゾルは限外ロ過
法などの常法によって目的濃度まで濃縮する。得られる
シリカゾルはPH2〜5の酸性であって、用途目的によ
ってはこのままでもよく、アルカリ性が好ましい場合に
はアンモニア、アミン、4級アンモニウムなどの揮発性
のアルカリ剤を添加すればよい。
【0031】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0032】実施例1および比較例1 市販の3号珪酸ソーダ(SiO2 =29.0wt%、N
2O=9.5wt%)を水で希釈してSiO2 =4.
0wt%の希釈珪酸ソーダを調製した。あらかじめ希硫
酸でH+ 型にしたカチオン交換樹脂を充填したカラム中
に希釈珪酸ソーダを通して、SiO2 =3.3wt%の
活性珪酸液を回収した。交換樹脂はポリスチレン−DV
B共重合体のスルホン基型強酸性樹脂を使用した。この
活性珪酸液1.12kgに、撹拌下LiOH・H2 O粉
末を1.295g添加し溶解してPH8.0とし、10
0℃に加熱して15分間保持した。液温を100℃に保
持したまま活性珪酸液を22g/分で6.5kg添加し
た。途中LiOH・H2 O粉末を2.30g添加して液
のPHを8〜10に保った。放冷後このシリカゾルは限
外ロ過によりSiO2 =30wt%に濃縮し、分析と比
表面積の測定を行った。シリカゾルの組成、BET比表
面積を表1に比較例1として示す。
【0033】上記と同じ操作でLiで安定化したシリカ
ゾルを作成し、H+ 型のカチオン交換樹脂(ポリスチレ
ン−DVB共重合体のスルホン基型強酸性樹脂)を充填
したカラム中にシリカゾルを通してカチオンを除去し、
限外ロ過によりSiO2 =31wt%に濃縮後、28w
t%アンモニア水を添加してPHを9.4とした。これ
を正確にSiO2 =30wt%に調整し、分析と比表面
積の測定を行った。シリカゾルの組成、BET比表面積
を表1に実施例1として示す。
【0034】比較例2 LiOH・H2 Oの代わりに10wt%NaOH水溶液
を使用した以外は実施例1と同様にして、Naで安定化
したSiO2 =30wt%のシリカゾルを作成した。シ
リカゾルの組成、BET比表面積を表1に比較例2とし
て示す。
【0035】比較例3 比較例2と同じ操作でNaで安定化したシリカゾルを作
成し、H+ 型のカチオン交換樹脂を充填したカラム中に
シリカゾルを通してカチオンを除去し、限外ロ過により
SiO2 =30wt%に濃縮後、分析とBET比表面積
の測定を行った。シリカゾルの組成、BET比表面積を
表1に比較例3として示す。
【0036】参考例1および比較例4 市販の3号珪酸ソーダ(SiO2 =29.0wt%、N
2O=9.5wt%)を水で希釈してSiO2 =4.
0wt%の希釈珪酸ソーダを調製した。あらかじめ希硫
酸でH+ 型にしたカチオン交換樹脂を充填したカラム中
に希釈珪酸ソーダを通して、SiO2 =3.3wt%の
活性珪酸液を回収した。交換樹脂はポリスチレン−DV
B共重合体のスルホン基型強酸性樹脂を使用した。この
活性珪酸液1.12kgに撹拌下LiOH・H2 O粉末
を1.295g添加し、溶解してPH8.0とし、10
0℃に加熱して15分間保持した。液温を100℃に保
持したまま活性珪酸液を22g/分で6.5kg添加し
た。途中LiOH・H2 O粉末を2.30g添加して液
のPHを8〜10に保った。活性珪酸液の添加後、アル
ミン酸ソーダ水溶液(Al23 =20wt%、Na2
O=19wt%)9.5gを水160gで希釈して添加
した。放冷後、このシリカゾルは限外ロ過によりSiO
2 =30wt%に濃縮し、分析とBET比表面積の測定
を行った。シリカゾルの組成、BET比表面積を表1に
比較例4として示す。
【0037】上記と同じ操作でAlを添加したLi安定
化シリカゾルを作成し、H+ 型のカチオン交換樹脂(ポ
リスチレン−DVB共重合体のスルホン基型強酸性樹
脂)を充填したカラム中にシリカゾルを通してカチオン
を除去し、限外ロ過によりSiO2 =30wt%濃縮
後、分析とBET比表面積の測定を行った。シリカゾル
の組成、BET比表面積を表1に参考例1として示す。
【0038】実施例2 市販の3号珪酸ソーダ(SiO2 =29.0wt%、N
2O=9.5wt%)を水で希釈してSiO2 =4.
0wt%の希釈珪酸ソーダを調製した。あらかじめ希硫
酸でH+ 型にしたカチオン交換樹脂を充填したカラム中
に希釈珪酸ソーダを通して、SiO2 =3.3wt%の
活性珪酸液を回収した。交換樹脂はポリスチレン−DV
B共重合体のスルホン基型強酸性樹脂を使用した。1.
0gのAlCl3 ・6H2 Oを水100gに溶解し、活
性珪酸液7.62kgに撹拌下添加した。このAlを添
加した活性珪酸液1.12kgに撹拌下LiOH・H2
O粉末を1.5g添加し溶解してPH8.5とし、10
0℃に加熱して15分間保持した。液温を100℃に保
持したままAlを添加した活性珪酸液を22g/分で
6.5kg添加した。途中LiOH・H2 O粉末を2.
1g添加して液のPHを8〜10に保った。放冷後H+
型のカチオン交換樹脂(ポリスチレン−DVB共重合体
のスルホン基型強酸性樹脂)を充填したカラム中にシリ
カゾルを通してカチオンを除去し、限外ロ過によりSi
2 =30wt%に濃縮後、このシリカゾルの分析とB
ET比表面積の測定を行った。シリカゾルの組成、BE
T比表面積を表1に実施例2として示す。
【0039】
【表1】
【0040】(注) (1)BET比表面積の測定は、シリカゾルを150℃
で乾燥し乳鉢で粉砕したもの、及び電気炉中で所定温度
で3時間加熱した後、同じく粉砕したもの(いずれも粒
子径100〜500μmの範囲にあるもの)につき、フ
ローソープ2300型(島津製作所社製)を用いて測定
した。測定前の脱気条件は150℃、3時間である。 (2)%はwt%を示す。(3)粒径の「Nm」はnm(ナノメートル)を示す。
【0041】表1において、比較例1のNa2O成分の
含有量0.036wt%は初めのイオン交換で珪酸ソー
ダから抜けきらなかったNa2Oである。実施例1のよ
うにLiを使用して粒子成長工程を行ったものは、2回
目のイオン交換時にもNaが除去され、Na2O成分の
含有量は0.0093wt%になる。
【0042】比較例3のようにNaを使用して粒子成長
工程を行ったものは、Naを大量に使用しているので、
当然2回目のイオン交換後にもNa2O成分の含有量は
0.092wt%になる。比較例2を2回目のイオン交
換したものが比較例3に相当するがNaの残存率は8
%、比較例1を2回目のイオン交換したものが実施例1
に相当するがLiの残存率は5%であり、Liはシリカ
ゾル粒子内部に侵入しにくいため除去し安いと考えられ
る。この様にLiを使用して粒子成長工程を行ったもの
は、2回目のイオン交換時にもNaが除去され、Liの
残存率も低いため耐熱性に優れたシリカゾルが得られ
た。
【0043】参考例1と実施例2にはAl成分の導入に
よる耐熱性の向上が示されている。参考例1と実施例2
はLi成分が殆ど同量であるにもかかわらず、Al導入
原料の違いでアルミン酸ソーダを使用した参考例1は原
料からのNa成分の混入で耐熱性は低い。
【0044】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明のシリカゾル
は、アルカリ成分がSiO2 に対しNa2Oとして0.
01wt%以下、Li2Oとして0.03wt%以下で
実質的に含有しないために、150℃および1000℃
で処理した焼成粉末の比表面積変化率(R)が50%以
下となり、セラミックや触媒などの分野に用いるシリカ
ゾルとしての性能を一段と向上させることが可能にな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−123807(JP,A) 特開 昭62−3011(JP,A) 特開 平1−294515(JP,A) 特開 平1−317115(JP,A) 特開 平4−65314(JP,A) 特公 昭30−3527(JP,B1) 欧州特許出願公開464289(EP,A 1) 米国特許2680721(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 33/00 - 39/54

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪酸ソーダ水溶液から得られた珪酸溶液
    に水酸化リチウムを添加して生成したシリカゾルであっ
    て、ゾル中のシリカ粒子の粒子径が10〜20nmで、
    かつNaおよびLi成分の含有量がSiO2に対しNa2
    Oとして0.01wt%以下、Li2Oとして0.01
    0.03wt%であることを特徴とするシリカゾル。
  2. 【請求項2】 珪酸ソーダ水溶液から得られた珪酸溶液
    に水酸化リチウムを添加して生成したシリカゾルであっ
    て、ゾル中のシリカ粒子の粒子径が10〜20nmで、
    かつNaおよびLi成分の含有量がSiO 2 に対しNa 2
    Oとして0.01wt%以下、Li 2 Oとして0.01
    〜0.03wt%で、Al成分の含有量がSiO 2 に対
    しAl 2 3 として0.05〜2wt%であることを特徴
    とするシリカゾル。
  3. 【請求項3】 珪酸ソーダ水溶液から得られた珪酸溶液
    に水酸化リチウムを添加して生成したシリカ粒子の粒子
    径が10〜20nmのシリカゾルを乾燥して得られたシ
    リカ粉末であって、NaおよびLi成分の含有量がSi
    2に対しNa2Oとして0.01wt%以下、Li2
    として0.01〜0.03wt%であることを特徴とす
    るシリカ粉末。
  4. 【請求項4】 珪酸ソーダ水溶液から得られた珪酸溶液
    に水酸化リチウムを添加して生成したシリカ粒子の粒子
    径が10〜20nmのシリカゾルを乾燥して得られたシ
    リカ粉末であって、NaおよびLi成分の含有量がSi
    2 に対しNa 2 Oとして0.01wt%以下、Li 2
    として0.01〜0.03wt%で、Al成分の含有量
    がSiO 2 に対しAl 2 3 として0.05〜2wt%で
    あることを特徴とするシリカ粉末。
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