JP2017006590A - ミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】上糸及び下糸の残端を短くする。【解決手段】縫い針11が挿入される針穴161が形成された針板16と、針上下動機構30と、釜機構50と、針板と釜機構との間に設けられ、動メス81の切断動作により上糸Uを切断する糸切り装置80と、糸切り装置と釜機構の間に設けられ、上糸の縫い開始端部を保持する上糸保持装置130を備え、一針目の針落ち後であって二針目の針落ち前に上糸の縫い開始端部の保持動作を行うように上糸保持装置を制御し、二針目の針落ち後に上糸の縫い開始端部を切断するように、糸切り装置を制御する制御装置120を備えている。【選択図】図14

Description

本発明は、上糸の縫い開始端部の処理を行うミシンに関する。
従来のミシンは、上糸の縫い開始端部を挟持する挟持手段を有する上糸保持装置を針板と釜との間に設け、第一針目の針落ちの際に上糸の縫い開始端部を挟持して、結節が形成されない第一針目の針落ち後の天秤による引き上げの際に、布地や縫い針の目穴から上糸の縫い開始端部が引き抜かれることを防止していた。
また、この上糸保持装置が上糸の縫い開始端部の引き抜きを防止するので、予め、縫い針の目穴に通す上糸の縫い開始端部の長さを必要最小限の長さとすることができ、縫製後の布地から垂れ下がる上糸の縫い開始端部の長さを短くすることができるようになっていた。
また、この上糸保持装置は、縫い開始から複数針の縫いが行われるまで縫い開始端部を挟持し続けてから解放しており、挟持している間、上糸の縫い開始端部を、順次形成される縫い目に縫い込ませることで、上糸保持装置から解放された後に縫い開始端部が長く垂れ下がることを防止していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−187858号公報
しかしながら、上記のように、上糸の縫い開始端部を順次形成される縫い目に縫い込ませる方法では、縫い混んだ縫い開始端部により縫い目が乱れて縫い開始位置周辺の縫い目の外観が損なわれ、縫い品質を低下させることが問題となっていた。
本発明は、縫い品質の向上を図ることをその目的とする。
請求項1記載の発明は、ミシンにおいて、
縫い針が挿入される針穴が形成された針板と、
前記縫い針の上下動動作を行う針上下動機構と、
前記針板の下側で前記縫い針から上糸を捕捉して下糸を絡める釜機構と、
前記針板と前記釜機構との間に設けられ、動メスの切断動作により上糸を切断する糸切り装置と、
前記糸切り装置と前記釜機構の間に設けられ、前記上糸の縫い開始端部を保持する上糸保持装置を備え、
を備えるミシンにおいて、
一針目の針落ち後であって二針目の針落ち前に前記上糸の縫い開始端部の保持動作を行うように前記上糸保持装置を制御し、
二針目の針落ち後に前記上糸の縫い開始端部を切断するように、前記糸切り装置を制御する制御装置を備えることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のミシンにおいて、
前記糸切り装置は、前進と後退からなる往復動作を行う動メスと、当該動メスとの協働により上糸及び下糸の縫い終わり端部を切断する固定メスと、前記動メスに往復動作を付与するアクチュエーターと備え、
前記動メスは、前進時に上糸の切断部分及び下糸と上糸の非切断部分とを仕分ける糸捌き部と、後退時に切断を行う刃部とを有し、
前記制御装置は、一針目の針落ち前に、前記動メスの刃部を前記針穴よりも前進方向下流側に待機させ、二針目の針落ち後に前記動メスの刃部を前記固定メスまで後退移動させるように前記アクチュエーターを制御することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載のミシンにおいて、
前記動メスは、前記刃部が開口縁部に形成された貫通孔を有し、
前記制御装置は、一針目の針落ち前に、前記貫通孔と前記針穴とが重合する位置で前記動メスを待機させるように前記アクチュエーターを制御することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載記載のミシンにおいて、
前記針板の上面に沿って被縫製物を移動させる移動機構と、
前記針板又はその周囲に設けられ、前記被縫製物から垂下する上糸の端部を切除する残端切除機構とを備え、
前記制御装置は、前記被縫製物の前記上糸の縫い開始端部又は前記上糸の縫い終わり端部を前記残端切除機構に移動させると共に、前記残端切除機構による切除動作を実行させる制御を行うことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載記載のミシンにおいて、
被縫製物から切断された上糸の縫い開始端部を回収する吸引機構を備えることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載記載のミシンにおいて、
前記上糸保持装置は、
下降時の前記縫い針が遊挿され当該下降時の前記縫い針の周囲を取り囲むための枠状に形成された糸捕捉部を備え、
前記糸捕捉部は、前記縫い針の上下動経路に開口部を向けたコ字状部と、このコ字状部の開口部を開閉可能な開閉体とにより前記縫い針の周囲を取り囲むための枠状をなしており、
前記糸捕捉部は、前記コ字状部の内側で前記開閉体が前記上糸の縫い開始端部の保持を行い、
前記制御装置は、前記糸切り装置により前記上糸の縫い開始端部を切断した後に、前記開閉体により閉塞されている前記コ字状部の開口を開放するように、前記上糸保持装置を制御することを特徴とする。
本発明は、上糸保持装置が一針目の針落ちの際に上糸の縫い開始端部を保持し、糸切り装置が二針目の針落ち後に上糸の縫い開始端部を切断するので、切断後の短くなった上糸の縫い開始端部が被縫製物における一針目の針落ち位置から抜けてしまうことを回避しつつ、被縫製物に生じる上糸の縫い開始端部を短くすることが可能となる。そして、これにより、縫い品質の向上を図ることが可能となる。
また、上糸の縫い開始端部を二針目の針落ち後に切断してしまうので、上糸の縫い開始端部が縫い目に縫い込まれることを回避でき、縫い品質の向上を図ることが可能となる。
本発明の実施形態であるミシンの概略構成図である。 ミシンの斜視図である。 ミシンの制御系のブロック図である。 糸切り装置の底面図である。 上糸保持装置を示す分解斜視図である。 上糸保持装置を下から見た斜視図である。 挟持手段、駆動手段、検出手段構成する各部材の「初期位置」を説明するための(A)平面図(B)側面図である。 挟持手段の「初期位置」を説明するための斜視図である。 挟持手段、駆動手段、検出手段構成する各部材の「中間保持位置」を説明するための(A)平面図(B)側面図である。 挟持手段、駆動手段、検出手段構成する各部材の「上糸保持位置」を説明するための(A)平面図(B)側面図である。 挟持手段の「上糸保持位置」を説明するための斜視図である。 針板の下側の構成の一針目の直前の状態を示す断面図である。 針板の下側の構成の二針目の直前の状態を示す断面図である。 針板の下側の構成の二針目の直後の状態を示す断面図である。 縫製時の糸切り動作のフローチャートである。 上糸保持装置の他の例における要部の分解斜視図である。 上糸保持装置の他の例における上板の斜視図であって、図17(A)は開閉板が閉じた状態、図17(B)は開閉板が開いた状態を示す。 上糸保持装置の他の例における上板の底面図であって、図18(A)は開閉板が閉じた状態、図18(B)は開閉板が開いた状態を示す。
[第一の実施形態:本縫いミシンの全体的な概略構成]
以下、図1乃至図15に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本実施形態たるミシン10の概略構成図、図2は斜視図、図3は制御系のブロック図である。
ミシン10は、いわゆる電子サイクル縫いミシンであって、ミシンフレーム20と、縫い針11を保持する針棒12を上下動させる針上下動機構30と、ミシンフレーム20のミシンベッド部21の針落ち位置に設けられた針板16と、針板16の下側で縫い針11の上糸Uを下糸Dに絡める釜機構50と、被縫製物である布地Kを縫い針11に対してX−Y平面に沿って任意に移動させる移動機構としての送り機構60と、上糸Uの縫い開始端部U0を保持する上糸保持装置130と、最終針の針落ち後に上糸U及び下糸Dを切断する糸切り装置80と、糸切り装置80による切断後の被縫製物の上糸U及び下糸Dの残端を切除する残端切除機構100と、上糸保持装置130の下方から吸引を行う吸引機構110と、上記各構成の動作制御を行う制御装置120とを備えている。
なお、糸調子装置、天秤及び中押さえ機構等についてはミシンに搭載されている周知の機構であるため図示及び詳細な説明は省略する。
以下、上記各構成について順番に説明する。
[ミシンフレーム]
ミシンフレーム20は、下部に位置するミシンベッド部21と、ミシンベッド部21の一端部から上方に立ち上げられたミシン立胴部22と、ミシン立胴部22の上部からミシンベッド部21に沿うように延設されたミシンアーム部23とからなる。
ここで、ミシン10の構成を説明するにあたって、後述する針棒12の上下動方向をZ軸方向とし、これと直交する方向であってミシンベッド部21及びミシンアーム部23の長手方向に平行な方向をY軸方向とし、Z軸方向及びY軸方向の双方に直交する方向をX軸方向とする。なお、ミシン10を水平面上に設置した場合に、Z軸方向は鉛直上下方向となり、X軸方向及びY軸方向は水平方向となる。
ミシンアーム部23の上部の一端部側(前側とする)には、水平な作業台14が設けられており、その針落ち位置には針穴161が形成された針板16が設けられている。
ミシンアーム部23の内側では、その長手方向(Y軸方向)に平行に向けられた主軸32が回転可能に支持されている。
また、ミシンベッド部21の内側では、その長手方向(Y軸方向)に平行に向けられた下軸51が回転可能に支持されている。
主軸32と下軸51には、それぞれにスプロケット33,52が固定装備され、歯付きベルト53を介して主軸32から下軸51にトルク伝達が行われている。
[針上下動機構]
針上下動機構30は、図1に示すように、ミシン立胴部22の上部に設けられたサーボモーターからなるミシンモーター31と、このミシンモーター31の出力軸に接続されて回転を行う主軸32と、当該主軸32のミシン面部側の端部に固定装備された針棒クランク34と、針棒クランク34において主軸32による回転中心から偏心した位置に一端部が連結されたクランクロッド35と、針棒抱き36を介してクランクロッド35の他端部に連結された針棒12とを備えている。
針棒12は、その下端部に縫い針11を保持すると共に、Z軸方向に沿った往復上下動が可能となるようにミシンアーム部23に支持されている。
ミシンモーター31はサーボモーターであり、エンコーダー37を備えている(図2参照)。そして、制御装置120がエンコーダー37からミシンモーター31の回転速度、主軸角度等の検出を行い、ミシンモーター31に対する動作制御を実施するようになっている。
なお、針棒クランク34、クランクロッド35、針棒抱き36等の構成は、周知のものと同じであるため詳細な説明は省略する。
[送り機構]
送り機構60は、図1及び図2に示すように、水平な針板16の上面に沿って布地Kを移動させて、縫い針11に対して任意に移動位置決めを行う。
このため、送り機構60は、ミシンベッド部21の上面において、X軸方向及びY軸方向に沿って移動可能に支持された下板61及び土台62と、土台62により昇降可能に支持され、下板61の上から布地Kの保持を行う布押さえ63と、布押さえ63を昇降させる昇降用モーター64と、土台62を介して布押さえ63をX軸方向に沿って移動させるための駆動源となるX軸モーター65と、土台62を介して布押さえ63をY軸方向に沿って移動させるための駆動源となるY軸モーター66とを備えている。
下板61はX−Y平面に沿って設けられた長尺な平板であり、その前端部は矩形の枠状を呈しており、中央部が広く開口している。
土台62は下板61の上面後端側に立設されており、土台62と下板61は、布押さえ63と共にX−Y平面に沿って移動を行う。
そして、下板61の前端部の上側には、土台62に支持された布押さえ63が配置されている。この布押さえ63は、矩形の枠状であって、土台62の前端部に形成された長穴に沿って昇降可能に支持されている。土台62には、昇降用モーター64により先端部が上下に揺動を行う図示しない昇降レバーが装備されており、布押さえ63は、昇降レバーの先端部に係合して昇降動作が付与される。
X軸モーター65及びY軸モーター66は、いずれも、制御装置120によりその動作量が制御されるステッピングモーターである。ミシンベッド部21には、X軸モーター65及びY軸モーター66のトルクをそれぞれX軸方向及びY軸方向の直動動作に変換する周知の伝達機構が内蔵されており、X軸モーター65及びY軸モーター66から土台62及び下板61にX軸方向及びY軸方向の直動動作が伝達される。
[釜機構]
釜機構50は、水平釜を有し、内側に下糸Dを巻いたボビンを格納する内釜と、内釜の外周で回転して縫い針11から上糸Uを捕捉する外釜と、外釜に回転力を付与する釜軸と、下軸51から釜軸にトルクを伝える歯車機構と、釜土台とを備えている。
釜軸は、Z軸回りに回転可能に釜土台に支持されており、下軸51から二倍速で回転が伝達されている。つまり、釜機構50の外釜は主軸32の二倍速で回転を行っている。
[糸切り装置]
図3に糸切り装置80の底面図を示す。
この糸切り装置80は、Z軸回りに回動を行う動メス81と、動メス81と協働して上糸U及び下糸Dを切断する固定メス82と、動メス81の回動動作の駆動源となるアクチュエーターとしての糸切りモーター83と、糸切りモーター83から動メス81に往復回動を伝達する複数のリンク体83〜85とを備えている。
動メス81は、前進と後退による往復回動により上糸U及び下糸Dの縫い終わり端部の切断を行う。また、この動メス81は、後述する動作制御によって上糸Uについて、縫い開始端部の切断も行う。
ここで、まず、動メス81の構造と上糸U及び下糸Dの縫い終わり端部の切断動作とについて説明する。
動メス81は、非使用時にはポジションP1に待機しており、ポジションP1からポジションP2,P3を通過してポジションP4まで前進回動を行った後に、ポジションP4からポジションP2,P3を通過してポジションP1まで後退回動を行って、上糸U及び下糸Dの縫い終わり端部の切断を行う。
なお、縫製の終了時における最終針の針落ち後には、針板16の針穴161から上糸Uと下糸Dとが垂下した状態となっている。このとき、上糸Uは、水平釜によってループ状に引き出されることから、針穴161の下では、上糸Uの縫い針11側の部分と布地側の部分とが垂下した状態となる。
糸切り装置80は、上糸Uの縫い針11側の部分と布地側の部分の内の布地側の部分のみと下糸Dとを切断する必要があるので、動メス81の前進回動時には、上糸Uの縫い針11側の部分(非切断部分)と、上糸Uの布地側の部分(切断部分)及び下糸Dとに選り分ける糸捌き作業を行い、後退回動時に上糸Uの布地側の部分及び下糸Dを切断する。
このため、動メス81は、前進方向下流側(前側とする)の側縁部に、上糸Uの縫い針側となる部分と布地側となる部分及び下糸Dとに選り分ける糸捌き部811を備え、後退方向下流側(後側とする)の側縁部に、上糸Uの布地側の部分及び下糸Dとを捕捉して固定メス82まで運ぶ凹状の捕捉部813を備えている。
さらに、糸捌き部811と捕捉部813との間であって前側寄りの位置には、貫通孔814が形成され、当該貫通孔814の前側内縁部に刃部812が形成されている。
上記糸捌き部811は前進方向に向かって尖鋭な形状に形成されており、動メス81の回動時に針穴161の真下を通過する位置に形成されている。この糸捌き部811の先端部が、針穴161から垂下する上糸Uの縫い針11側の部分と布地側の部分と下糸Dの内、上糸Uの縫い針11側の部分を半径方向内側に、上糸Uの布地側の部分と下糸Dとを半径方向に外側に選り分ける。
糸捌き部811によって半径方向に外側に選り分けられた上糸Uの布地側の部分と下糸Dとは、動メス81の外縁部を辿って後退方向下流側の捕捉部813まで回り込み、当該捕捉部813に捕捉される。
そして、動メス81の後退回動時において、捕捉部813が固定メスの刃先821を通過すると、動メス81の上面と固定メス82の下面との間に上糸Uの布地側の部分と下糸Dとが挟まれた状態となる。
そして、動メス81がさらに後退回動を続けると、動メス81の上面と固定メス82の下面とに挟まれた上糸Uの布地側の部分と下糸Dとが押し込まれるようにして貫通孔814に入り込み、刃部812と固定メス82の刃先とがすれ違う際に、上糸Uの布地側の部分と下糸Dとが切断される。
次に、動メス81の構造と上糸Uの縫い開始端部の切断動作とについて説明する。
この糸切り装置80は、一針目の針落ちの際に上糸Uの縫い開始端部を捕捉して、二針目の針落ち後に切断を行う。
動メス81は、前述したように貫通孔814が形成されているが、この貫通孔814は長穴状であって、動メス81の回動により貫通孔814が針穴161に対して重合する配置となっている。なお、貫通孔814は、回動による円周方向に沿った長穴状であって針穴161の直径よりも幾分幅広になっている。
動メス81は、縫製開始時において、一針目の針落ち前に予めポジションP3に位置決めされる。このポジションP3は、貫通孔814が針穴161と重合しており、縫い針11は貫通孔814の内側に一針目の針落ちを行う。一針目の針落ちの際には、上糸Uは水平釜によって縫い開始端部が布地Kの下側に引き出されてしまうので、ループ及び下糸Dとの結節も形成されず、糸端が貫通孔814を通って下方に垂下した状態となる。
そして、動メス81は、二針目の針落ちを行う縫い針11との干渉を避けるために、後退方向に回動してポジションP2に移動する。このポジションP2は、動メス81全体が針穴161よりも後側となり、なお且つ、貫通孔814の前端部に位置する刃部812が固定メス82の刃先821よりも幾分前に位置した状態である。
このポジションP2は、動メス81と縫い針11の干渉を回避しつつ、貫通孔814内の上糸Uの縫い開始端部が切断されない状態を維持するための位置である。
そして、二針目の針落ち後の縫い針11が針板16より上方にまで上昇すると、動メス81は後退回動によりポジションP1まで回動し、貫通孔814に通された上糸Uの縫い開始端部を切断する。
このように、動メス81は、四つのポジションP1〜P4に位置決めする必要があるので、その回動動作の駆動源となる糸切りモーター83としては、動作量を制御可能なモーター、例えば、ステッピングモーターが使用される。
[上糸保持装置]
上糸保持装置130は、図5〜図11に示されるように、上糸の端部を保持面と挟持面との間で挟持(保持)する保持状態と、挟持(保持)した上糸の端部を開放する解放状態とを切り替え可能な挟持手段としての糸掴みAと、糸掴みAを相対的に移動させて保持状態と解放状態とを切り替える駆動手段Bと、駆動手段Bの動作位置を検出する検出手段Cとにより構成されている。
糸掴みAは、保持面1316を有する保持部材としての下板131と、保持面1316に対向して配置される挟持面1325を備える上板144とを備えている。
下板131は、図5に示されるように、一定方向に長い略平板状の部材であり、駆動手段Bに支持された状態でその長手方向がY軸方向と平行とされる。下板131の前端部1311には長方形状の貫通孔1312が下板131の長手方向に沿って形成され、貫通孔1312の四角形に相当する四つの内周面のうち、最も先端側となる内面が保持面1316となる。かかる保持面1316は、下板131が駆動手段Bに支持された状態において、X−Z平面に平行となっている。さらに、下板131の後端側には下板131の長手方向に沿ったスリット状の孔部1313が形成されている。また、下板131には、その下面から下方に突出する前ピン1314と、前ピン1314のやや左後方で下方に突出する左ピン1315とがそれぞれ設けられている。
なお、保持面1316は、挟持面1325との間に上糸Uを挟み込むための保持面として機能する。
上板144は、図5に示されるように、挟持面1325を有する先端部材132と、前端部1331に先端部材132を連結して保持する上板本体133とにより構成されている。
先端部材132は、先端部材本体1321の前端側において図5における下方に延出する挟持部1322と、挟持部1322の下端から図5における前方に突出する突起部1323とを有しており、先端部材本体1321の後端側には連結孔1324が形成されている。挟持部1322の前側の面は、保持面1316との間に上糸Uを挟み込むための挟持面1325として機能する。かかる挟持面1325は、先端部材132(上板144)が駆動手段Bに支持された状態において、X−Z平面に平行となる。
上板本体133は、下板131よりもやや短い略平板状の部材である。上板本体133の前端部1331の下部には下方に突出する連結突起1332が設けられている。また、上板144には、その下面から下方に突出する後ピン1333と、後ピン1333のやや右前方で下方に突出する右ピン1334とがそれぞれ設けられている。
そして、先端部材132の連結孔1324と、上板本体133の連結突起1332とを嵌合して連結することにより、先端部材132と上板本体133とが一体に組み付けられ、上板144となる。
糸掴みAにおいて、上板144における先端部材132の挟持部1322及び突起部1323が、下板131の貫通孔1312に挿通されるとともに、上板144の後ピン1333が下板131の孔部1313に挿通されるように、上板144と下板131は重ねられ、上板144と下板131とはその長手方向に相対的に移動自在となっている。
そして、下板131の前ピン1314と、上板144の後ピン1333は、後述するガイド137の中孔部1372を挿通し、そのガイド137の下方で、コイルばね139を介し、接続されている。
このコイルばね139が最も縮んだ状態において、下板131の前ピン1314と上板144の後ピン1333とは最も接近するとともに、下板131の左ピン1315と、上板144の右ピン1334とも最も接近する。つまり、この状態において、左ピン1315と右ピン1334とは、下板131(上板144)をはさみ、下板131(上板144)の長手方向に垂直な方向に配置されている。
さらに、コイルばね139は引っ張りばねであり、常時前ピン1314と後ピン1333を互いに接近する方向に付勢しており、これにより下板131の保持面1316と、上板144の挟持面1325とは外力を加えない限り、常時当接した状態を維持する。
駆動手段Bは、上糸保持装置130の駆動源であり、糸掴みAの状態切り替えを行うアクチュエーターとしての保持用モーター134と、保持用モーター134の回動軸1341に固定装備された揺動リンク140と、揺動リンク140の揺動端部1402にその一端部が接続され他端部が後述するカム板リンク136を介し糸掴みAに接続される連結部材135と、カム板リンク136に接続される糸掴みAを保持するとともに、その移動動作をガイドするガイド137と、ガイド137に保持される糸掴みAを覆うガイド蓋138とを備えている。
保持用モーター134は、制御装置120の動作指令信号に従って、所定の角度ずつ回転するステッピングモーターであって、エンコーダー37が出力した主軸32の角度に基づくパルス信号に応じて規定の主軸角度で駆動する。
連結部材135は、図中Y方向に沿って配置され、その一端部には孔部1351が形成されており、また他端部には孔部1352が形成されている。連結部材135は、揺動リンク140の揺動端部1402におけるY方向変位をカム板リンク136を介して糸掴みAに伝達する。
カム板リンク136は、下板131(上板144)に交差するように配置される、その長手方向を図中X軸方向に沿わせて配置される。カム板リンク136には、その下面から下方に突出するカム板ピン1361が設けられている。よって、カム板リンク136はカム板ピン1361を中心に揺動可能である。また、カム板リンク136は、その長手方向の一端部に左孔部1362、他端部に右孔部1363が形成されている。左孔部1362、右孔部1363にはそれぞれ下板131の左ピン1315と、上板144の右ピン1334とが連結されている。また、カム板リンク136の左端部には、後述するコロ142の外周面に対応するようにやや湾曲したカム形状部1364が設けられている。
ガイド137は、ミシンベッド部21の内側に固定されている。
ガイド137は、その中央部に所定幅を有する溝部1371が前後方向に沿って形成され、さらに溝部1371には、中孔部1372が前後方向に沿って形成されている。また、ガイド137の溝部1371の左右両側には、スリット状の左孔部1373及び右孔部1374が前後方向に沿ってそれぞれ形成されている。ここで、これら左孔部1373及び右孔部1374は、互いに平行に形成されているが、左孔部1373及び右孔部1374は互いに前後方向においてややずれた位置関係となっており、相対的に左孔部1373は前側に、右孔部1374は後側に形成されている。また、ガイド137の左縁の下部には、ねじ1375により、コロ142が取り付けられている。
なお、溝部1371の幅は、下板131及び上板144の幅と略同一である。
ガイド蓋138は、略平板状の部材であって、四つのねじ1381により前側及び後側のそれぞれ二箇所の位置でガイド137に固定されている。これにより、上述した下板131及び上板144は、ガイド137及びガイド蓋138との間に挟まれ、ガイド137の溝部1371に案内されて、下板131及び上板144のがたつきを防止する。
駆動手段Bにおいて、保持用モーター134の回動軸1341には、揺動リンク140の一端部である軸部1401が固定されている。そして、連結部材135の一端部に形成された孔部1351内を摺動自在となるように挿通された段ねじ141により揺動リンク140の揺動端部1402に連結部材135は連結されている。また、連結部材135の他端部に形成された孔部1352には、カム板リンク136をカム板ピン1361により軸支した状態で取り付けられる。このような構成により、保持用モーター134の回動軸1341の所定の角度範囲での回動に伴う揺動リンク140の揺動により、連結部材135はY軸方向に沿って前後動する。そして、連結部材135の前後動は、カム板リンク136に伝動される。
また、ガイド137の左孔部1373と右孔部1374には、それぞれ下板131の左ピン1315と、上板144の右ピン1334とが挿通されており、左ピン1315と右ピン1334とはそれぞれカム板リンク136の左孔部1362と右孔部1363において摺動可能にストッパ143,143により取り付けられている。
よって、保持用モーター134の回動軸1341の回動に伴う駆動力は、カム板リンク136を介して左ピン1315と右ピン1334に伝動される。そして、左ピン1315と右ピン1334とはそれぞれ左孔部1373と右孔部1374とにより前後に移動自在に配置されているので、その駆動力は、下板131と上板144(糸掴みA)を前後に相対的に移動するように伝動される。
検出手段Cは、連結部材135に固定されたスリット板150と、ミシンベッド部21の内側に固定され、連結部材135とともに移動するスリット板150の有無を検出する第1のセンサ151と第2のセンサ152とを備えている。
スリット板150は、連結部材135に固定されており、連結部材135とともに前後動する部材である。スリット板150は、第1のセンサ151に対応した位置を出入し、第1のセンサ151によりその有無が検出される第1被検出部1501と、第2のセンサ152に対応した位置を出入し、第2のセンサ152によりその有無が検出される第2被検出部1502とを備えている。
第1のセンサ151及び第2のセンサ152は、それぞれ発光素子1511、1521と受光素子1512、1522とを備え、例えば、発光素子としてはLED、受光素子としてはフォトセンサが使用される。以下、発光素子が出力する発光光を受光素子が受光する場合オフ状態、発光素子が出力する発光光を受光素子が受光しない場合オン状態と定義して説明する。
具体的には、スリット板150の前後動に伴い、第1被検出部1501が第1のセンサ151の発光光を遮蔽するとき、第1のセンサ151は第1被検出部1501を検出しオン状態となり、遮蔽しないとき第1のセンサ151はオフ状態となる。そして、第1のセンサ151は、そのオン状態かオフ状態かを示す検出信号を制御装置120に出力する。
同様に、第2被検出部1502が第2のセンサ152の発光光を遮蔽するとき、第2のセンサ152は第2被検出部1502を検出しオン状態となり、遮蔽しないとき第2のセンサ152はオフ状態となる。そして、第2のセンサ152は、そのオン状態かオフ状態かを示す検出信号を制御装置120に出力する。
なお、図7、図9、図10においては、発光素子が出力した発光光が受光素子へ向かう光路155を(A)平面図では点線で、(B)側面図ではドットで示している。
なお、検出手段Cは、発光素子と受光素子の組合せによる位置検出の他に、保持用モーター134にエンコーダーを設け、エンコーダーの角度検出により位置検出を行っても良い。
次に、上糸保持装置130の動作を説明する。
まず、図5を参照して、縫製開始前から縫製開始直後にかけての動作を説明する。
制御装置120からの初期位置信号に基づき、保持用モーター134は回動軸1341を図中反時計回りに所定の角度に回動する。回動軸1341の回動に伴い、揺動リンク140は、軸部1401を支点として揺動する(図7(A)中矢印L0参照)。また、段ねじ141により揺動リンク140に摺動可能に取り付けられた連結部材135は、揺動リンク140の揺動に伴い、前側に移動(前移動)する(図7(A)中矢印M0参照)。
連結部材135に軸支されているカム板リンク136は、連結部材135の前移動に伴い全体として前移動する。
カム板リンク136の右孔部1363と結合している上板144の右ピン1334は、カム板リンク136の前移動に伴い、ガイド137の右孔部1374に沿って前移動して右孔部1374の前壁にぶつかり(当接し)、右ピン1334の前移動が規制された状態となる。この際、右ピン1334と一体の上板144も前移動し、上板144は最前位置に位置する。
同様に、カム板リンク136の左孔部1362と結合している下板131の左ピン1315は、カム板リンク136の前移動に伴い、ガイド137の左孔部1373に沿って前移動する。この際、ガイド137の左孔部1373と右孔部1374とでは、相対的に左孔部1373の方が右孔部1374よりやや前方に形成されているので、上板144の右ピン1334が右孔部1374の前壁にぶつかった(当接した状態)後も、下板131の左ピン1315は、上板144の右ピン1334を支点とするようにガイド137の左孔部1373に沿って前移動する。そして、左ピン1315の前移動、すなわち下板131の前移動は、下板131の貫通孔1312が針板16の針穴161の直下の所定の最前位置に到達するまで続けられ、所定の最前位置に到達した時点で、制御装置120が保持用モーター134を停止させることにより停止する。なお、ガイド137の左孔部1373の前方向の長さは、左ピン1315が前記最前位置到達した後も左孔部1373の前壁とぶつからないように余裕を持った長さに形成され、保持用モーター134の脱調を防いでいる。
下板131及び上板144が最前位置に位置するとき、下板131の前ピン1314と上板144の後ピン1333は、互いにコイルばね139の付勢力に抗してY軸方向について離間した状態となる。なお、この場合、コイルばね139の付勢力により下板131の前ピン1314と上板144の後ピン1333とが前後方向に互いに近づくように付勢されているが、コイルばね139の付勢力よりも保持用モーター134の駆動力のほうが大きいので、下板131は、コイルばね139の付勢力に抗して、最前位置に位置することができる。
また、下板131及び上板144が最前位置に位置するとき、下板131の貫通孔1312における保持面1316と、上板144の前端部1331に取り付けられた先端部材132の挟持面1325及び突起部1323との前端とはY軸方向に離間しており、貫通孔1312が開いた状態となる。このとき、貫通孔1312と針板16の針穴161とが上下に重なった状態となっており、縫製開始後の第一針目の縫い針11がこれら貫通孔1312及び針板16の針穴161を貫通して上下動できるようになる。このように、糸掴みAが縫い針11の上下動経路上に位置する位置を、以下の説明では「初期位置」とする。この初期位置において、糸掴みAは上糸を保持又は挟持しない「解放状態」となる。
そして、この「初期位置」において、検出手段Cのスリット板150は、連結部材135の前移動とともに前移動しており、スリット板150の第1被検出部1501及び第2の被検出部1502は、それぞれ第1のセンサ151と第2のセンサ152において非検出位置にあり、オフ状態である。
そして、糸掴みAが「初期位置」に位置すると、上糸Uの縫い開始側の端部U0が挿通されている第一針目の縫い針11が、針穴161及び貫通孔1312を貫通するように上下動する。なお、上糸Uの端部U0は、縫い針11が下降したとき釜機構の水平釜の剣先によって下方に引き出され、その後、縫い針11が上昇したときには、図8に示すように、貫通孔1312に上糸Uの端部U0が挿通された状態で垂れ下がった状態となる。
次に、図9を参照して、縫製開始後(第一針目の縫い針11の上下動後)における上糸保持装置130の動作を説明する。
制御装置120からの中間保持位置信号に基づき、保持用モーター134は回動軸1341を図中時計回りに所定の角度に回動する。回動軸1341の回動に伴い、揺動リンク140は、軸部1401を支点として揺動する(図9(A)中矢印L1参照)。また、段ねじ141により揺動リンク140に摺動可能に固定された連結部材135は、揺動リンク140の揺動に伴い、後側に移動(後移動)する(図9(A)中矢印M1参照)。
連結部材135に軸支されているカム板リンク136は、連結部材135の後移動に伴い全体として後移動する。
カム板リンク136が後移動を始めると、まず、コイルばね139の付勢力によって、上板144の後ピン1333が下板131の前ピン1314の方向に引っ張られているので、上板144の右ピン1334がガイド137の右孔部1374の前壁と当接したままの状態で、下板131のみが後移動を開始する。そして、下板131が所定量の移動を行って停止すると、下板131の保持面1316が上板144の突起部1323の先端より後方に位置し、貫通孔1312が閉じられた「中間保持位置」となる。
なお、この「中間保持位置」は、下板131のみが後移動している状態であり、カム板リンク136のカム板ピン1361と、上板144の右ピン1334と、下板131の左ピン1315とが、糸掴みA(下板131、上板144)の長手方向にほぼ垂直な向きに一列に配置されるまでの間の配置のことである。この間、保持用モーター134が「中間保持位置」に対応した所定の角度の回動を行っている。
そして、この「中間保持位置」において、検出手段Cのスリット板150は、連結部材135の後移動とともに後移動しており、スリット板150の第1被検出部1501は第1のセンサ151において検出位置にあり、オン状態である。また、第2の被検出部1502は第2のセンサ152において非検出位置にあり、オフ状態である。
この「初期位置」から「中間保持位置」への下板131の移動は、天秤の上昇が開始されるまでに完了し、この「中間保持位置」においては、下板131の保持面1316と上板144の挟持面1325とは当接しておらず、上糸を挟持又は保持していない。この状態により、天秤が上方へ引き上げる上糸Uを屈曲させ、その上糸Uの引き上げに対する抵抗を付与している。
このような抵抗を付与することによって、天秤により引き上げられる上糸Uが慣性力によってたるんでしまうことを防ぐとともに、糸掴みAから抜けてしまうことを防ぐことができ、また、縫い針11の目穴からの上糸Uの縫い開始の端部U0までの長さを一定に保つことができる。
次に、図10を参照して、「中間保持位置」後、糸掴みAが上糸Uを挟持、保持する前後の上糸保持装置130の動作を説明する。
前述の「中間保持位置」から保持用モーター134は図中時計回りの回動を行い揺動リンク140を揺動し、その揺動リンク140の揺動に伴う連結部材135の後移動により、カム板ピン1361と、右ピン1334と、左ピン1315とが、糸掴みAの長手方向に垂直な向きに一列に配置される。この状態においては、コイルばね139の付勢力により下板131の前ピン1314と上板144の後ピン1333とが前後方向に互いに最も近づくように付勢されている。それに伴い、下板131の保持面1316と上板144の挟持面1325とが当接(実際には上糸Uが介在するので完全に接触しないで当接に近い状態となる)し、図11に示すように、糸掴みAが上糸Uを挟持する「上糸挟持位置」となる。この上糸挟持位置において糸掴みAは「挟持状態」となる。
この上糸保持位置において、制御装置120は、前述した糸切り装置80による上糸Uの縫い開始端部の切断を実行する。
「上糸挟持位置」となった後、制御装置120からの退避位置信号に基づき、保持用モーター134は回動軸1341を図中時計回りに所定の角度に引き続き回動する。回動軸1341の回動に伴い、揺動リンク140は、軸部1401を支点として揺動する(図10(A)中矢印L2参照)。また、段ねじ141により揺動リンク140に摺動可能に固定された連結部材135は、揺動リンク140の揺動に伴い、後側に移動(後移動)する(図10(A)中矢印M2参照)。
次に、制御装置120からの解放位置信号に基づき、保持用モーター134は回動軸1341を図中時計回りに所定の角度に回動する。回動軸1341の回動に伴い、カム板リンク136は後方に移動する。
この時、カム板リンク136の左ピン1315は、カム板リンク136の後移動に伴い、ガイド137の左孔部1373に沿って後移動して左孔部1373の後壁に当接し、左ピン1315の後移動が規制された状態となる。
同様に、右ピン1334は、ガイド137の右孔部1374に沿って後移動し、左ピン1315が左孔部1373の後壁に当接した後も、右ピン1334のみが移動して、下板131及び上板144が前後に離間した状態となり、貫通孔1312が開いた状態となる。このとき、貫通孔1312は針板16の針穴161よりも後方となる。
そして、貫通孔1312が開いて糸掴みAは解放状態となる。この糸掴みAが開放状態となる位置を「解放位置」とする。前述したように、上糸保持位置において、制御装置120は、上糸Uの縫い開始端部の切断を行っているので、糸掴みAは、切除された上糸Uの縫い開始端部U1を保持した状態にあるが、解放状態となることにより、切除された上糸Uの縫い開始端部U1を解放して糸掴みAから取り除くことが可能となる。
このように、上糸保持装置130は、前後の移動動作により、上糸Uの縫い開始の端部U0の挟持状態と解放状態とを切り換えることができるようになっている。
[吸引機構]
吸引機構110は、ミシンベッド部21内において、解放位置にある上糸保持装置130の糸掴みAの下方に配置された図示しない吸引ノズルと、吸引ノズル内を負圧にするための吸引ポンプ114(図3参照)と、吸引ノズルから吸引された切除後の上糸Uの縫い開始端部を捕集する集塵トラップとを備えている。
かかる構成により、上糸Uの縫い開始端部を切除後、解放位置に移動した糸掴みAから切除された上糸Uの縫い開始端部U1を吸引し、集塵トラップに回収することができる。
[残端切除機構]
残端切除機構100は、図2に示すように、作業台14における二箇所の開口部に設けられている。各残端切除機構100は、糸切り装置80により上糸Uの縫い開始端部の切断並びに上糸U及び下糸Dの縫い終わり端部の切断後において、布地の裏面に残端が残った場合に、これをより短く切除するためのものである。
それぞれの残端切除機構100は、作業台14の開口部内において、動メス及び固定メスを昇降可能に配置し、動メス及び固定メスを昇降させる昇降用エアシリンダー102(図3参照)と、動メスによる切断動作を実行させる糸切除用エアシリンダー103(図3参照)とを備えている。
そして、残端切除機構100は、通常時は、縫製の妨げとならないように作業台14の上面よりも低い位置に待機しており、残端の切除の際には、送り機構60が布地の縫い開始端部又は縫い終わり端部を開口部まで搬送し、動メス及び固定メスを作業台14の上面近くまで上昇させて残端の切除を行うことができる。
なお、残端切除機構100は、針落ち位置の両側に二基設けられているので、制御装置120は、最終針における布地の縫い開始端部又は縫い終わり端部が近い方の残端切除機構100を選択して搬送し、残端処理を行う。
[ミシンの制御系]
図3に示すように、制御装置120は、制御用の各種プログラムが記憶、格納されたROM122と、これらの各種プログラムに従って各種演算処理を行うCPU121と、各種処理におけるワークメモリとして使用されるRAM123と、各種の縫製データ及び設定データを格納したEEPROM124とで概略構成されている。
そして、制御装置120には、図示しないシステムバス、インターフェイス及び駆動回路等を介して、針上下動機構30のミシンモーター31及びエンコーダー37、送り機構60のX軸モーター65、Y軸モーター66及び昇降用モーター64、糸切り装置80の糸切りモーター83、残端切除機構100の昇降用エアシリンダー102及び糸切除用エアシリンダー103、吸引機構110の吸引ポンプ114、上糸保持装置130の保持用モーター134、第1のセンサ151及び第2のセンサ152等が接続されている。
なお、昇降用エアシリンダー102及び糸切除用エアシリンダー103は、実際には、これらを作動させる電磁弁に対して制御装置120は制御を行うが、ここでは各電磁弁の図示を省略する。
また、制御装置120には、縫製に関する各種の設定を入力するための操作入力部125と縫製の実行等の信号入力手段としてのペダル126とが接続されている。
操作入力部125では、例えば、縫製パターンデータ中の針数、針落ち位置、残端処理の実行の有無等の各種のコマンドの設定を行う。
ペダル126は、踏み込みにより縫製の開始を指示入力する。
[縫製時における糸切断制御]
縫製時に制御装置120が行う糸切断制御について、図12〜図14の動作説明図及び図15のフローチャートに基づいて説明する。
ミシン10の縫製動作は、縫製パターンデータを読み込むと共に、一針ごとに布押さえ63を縫製パターンに応じた針落ち位置に移動して所定の縫製パターンに従う縫い目を形成する動作制御が行われる。
ここでは、上記縫製の開始から終了までの間に実行される上糸U及び下糸Dの切断動作の制御について主に説明する。
まず、ペダル126により、縫製の開始指示が入力されると、CPU121は、糸切りモーター83を駆動させて動メス81をポジションP3に位置決めし(ステップS1)、保持用モーター134を駆動させて糸掴みAを初期位置に移動させる(ステップS3、図12)。
これにより、動メス81は、貫通孔814が針穴161の下方となり、当該貫通孔814に一針目の針落ちを行わせることが可能となる。
また、糸掴みAは開口状態で針穴161の下方に位置し、貫通孔1312への一針目の針落ちを行わせることが可能となる。
そして、ミシンモーター31の駆動が開始され(ステップS5)、一針目の針落ちが動メス81の貫通孔814及び糸掴みAの貫通孔1312に対して行われる。さらに、縫い針11は布地Kの下側において、一時的に上糸Uのループを形成するが、水平釜の剣先に捕捉されると、上糸Uの縫い開始端部の先端部が動メス81の貫通孔814及び糸掴みAの貫通孔1312を通って、布地Kの下側に引き出されて垂下した状態となる。従って、上糸Uのループが消滅し、一針目の針落ち位置では下糸Dとの結節が形成されない。
次いで、CPU121は、エンコーダー37の出力から主軸角度を求めて、一針目の針落ちを行った縫い針11が針板16よりも上まで上昇したか否かを判定する(ステップS7)。例えば、縫い針11が上死点にあるときの主軸角度0°とした場合に主軸角度が270°に到達したか否かを判定する。
CPU102は、上記主軸角度に到達するまで監視を継続し、到達すると、保持用モーター134の駆動により糸掴みAを中間保持位置に移動させる(ステップS9)。
これにより、上糸Uは糸掴みAに緩やかに保持され、天秤の引き上げに対して摺動抵抗が付与される。
また、送り機構60は布押さえ63を次の針落ち位置に移動させ、CPU121は、二針目の針落ちが動メス81の貫通孔814に対して行われないように、なお且つ、縫い針11が動メス81に干渉しないように、当該動メス81をポジションP2に移動させる(ステップS11、図13)。これにより、上糸Uの縫い開始端部は、針穴161から動メス81の貫通孔814を通って糸掴みAに緩やかに保持された状態となる。
さらに、CPU121は、天秤上死点となる主軸角度で糸掴みAを上糸挟持位置に移動させる(ステップS13)。これにより、上糸Uの縫い開始端部は、糸掴みAに挟持された状態となる。
次いで、CPU121は、二針目の針落ちを行った縫い針11が針板16よりも上まで上昇したか否かを判定する(ステップS15)。そして、CPU102は、縫い針11が針板16よりも上となる主軸角度に到達するまで監視を継続し、到達すると、動メス81をポジションP1に移動させる(ステップS17、図14)。
これにより、動メス81の貫通孔814に挿通されていた上糸Uの縫い開始端部は固定メス82との協働により切断される。
そして、CPU121は、糸掴みAを解放位置に移動させる(ステップS19)。これにより、糸掴みAは貫通孔1312が大きく開かれ、切除された上糸Uの縫い開始端部U1が保持状態から解放される。
そして、CPU121は、吸引機構110の吸引ポンプ114を作動させて、切除された上糸Uの縫い開始端部U1をノズルから吸引し、回収する(ステップS21)。
その後、ミシン10は、縫製パターンデータに従って縫製パターンを形成する。そして、CPU121は、縫製パターンデータに定められた最終針の針落ちが完了し、縫い針11が針板16より上となる主軸角度に到達したか否かを判定する(ステップS23)。
そして、主軸角度が所定位置に到達すると、CPU121は、ポジションP1に位置する動メス81をポジションP4まで前進回動させてから再び後退回動によりポジションP1に戻す動作を行う(ステップS25)。
これにより、針穴161から垂下する上糸Uの縫い終わり端部の布地側の部分と下糸Dの縫い終わり端部とが選別され、切断される。
そして、CPU121は、ミシンモーター31の駆動を停止させる(ステップS27)。
さらに、縫製パターンデータ中に、残端切除を実行する設定となっているか否かを判定し(ステップS29)、実行が設定されていない場合には、そのまま縫製を終了する。
一方、残端切除の実行が設定されている場合には、送り機構60により、布地Kの縫い開始位置と縫い終わり位置とを順番に残端切除機構100の真上に移動させると共に、昇降用エアシリンダー102と糸切除用エアシリンダー103を作動させて、縫い開始位置における上糸Uの残端の切除と縫い終わり位置における上糸U及び下糸Dの残端の切除を実行する(ステップS31)。
そして、縫製を終了する。
[発明の実施形態の技術的効果]
ミシン10は、制御装置120が、一針目の針落ち後であって二針目の針落ち前に上糸Uの縫い開始端部の保持動作を行うように上糸保持装置130を制御し、二針目の針落ち後に上糸Uの縫い開始端部を切断するように、糸切り装置80を制御するので、切断後の短くなった上糸Uの縫い開始端部が布地Kにおける一針目の針落ち位置から抜けてしまうことを回避しつつ、布地Kに生じる上糸Uの縫い開始端部を短くすることが可能となる。そして、これにより、縫い品質の向上を図ることが可能となる。
また、上糸Uの縫い開始端部を二針目の針落ち後に切断してしまうので、上糸Uの縫い開始端部が縫い目に縫い込まれることを回避でき、縫い品質の向上を図ることが可能となる。
また、ミシン10では、糸切り装置80が、前進と後退からなる往復動作を行う動メス81と、当該動メス81との協働により上糸U及び下糸Dの縫い終わり端部を切断する固定メス82と、動メス81に往復動作を付与する糸切りモーター83と備え、動メス81は、前進時に上糸Uの布地側の部分及び下糸Dと上糸の縫い針側となる部分とを仕分ける糸捌き部811と、後退時に切断を行う刃部812とを有し、制御装置120は、一針目の針落ち前に、動メス81の刃部812を針穴161よりも前進方向下流側(ポジションP3)に待機させ、二針目の針落ち後に動メス81の刃部812を固定メス82まで後退移動(ポジションP2に移動)させるように糸切りモーター83を制御している。
これにより、上糸U及び下糸Dの縫い終わり端部を切断するための糸切り装置80によって上糸の縫い開始端部の切断も行うことができ、装置の構成を低減することができ、ミシンの製造コストの低減を図ることが可能となる。
また、既存のミシンの糸切り装置をそのまま或いは最小限の改造により上糸の縫い開始端部の切断に利用することが可能となる。
また、糸切り装置80の動メス81が、刃部812が開口縁部に形成された貫通孔814を有し、制御装置120は、一針目の針落ち前に、貫通孔814と針穴161とが重合するポジションP3の位置で動メス81を待機させるように糸切りモーター83を制御するので、予め上糸Uの縫い開始端部を貫通孔814の内側に保持することができ、より確実に縫い開始端部を切断することが可能となる。
また、ミシン10は、針板16の上面に沿って布地Kを移動させる送り機構60と、針板16の周囲に設けられ、布地Kから垂下する上糸U及び下糸Dの端部を切除する残端切除機構100とを備えているので、縫製後に送り機構60により布地Kを残端切除機構100まで搬送し、糸切り装置80の切断によって短くなった上糸Uの縫い開始端部をさらに切除することができ、上糸の縫い開始端部をさらに短くすることが可能となる。
また、ミシン10は、布地Kから切断された上糸Uの縫い開始端部を回収する吸引機構110を備えているので、切除された上糸Uの縫い開始端部U1の処理作業を不要とし、縫製作業の高効率化を図ることができる。
[上糸保持装置の他の例]
上糸保持装置の他の例を図16〜図18に示す。この上糸保持装置130Aは前述した上糸保持装置130と比べて下板131の先端部分の構造のみが異なっており、他の部分及び他の部材については上糸保持装置130と同一であることから、同一部分については同符号を付して説明を省略し、異なる部分のみについて説明を行う。
この上糸保持装置130Aの下板131Aは、その前端部にY軸方向に沿った長方形状の貫通孔1312に替えて、前方(針上下動経路側)に向かって開放されたコ字状部1312Aが形成されており、さらに、下板131Aの前端部には、コ字状部1312Aの開放端を閉塞可能な開閉体としての開閉板171Aが装備されている。なお、下板131Aにおけるこれら以外の構造については下板131と同一である。
上記開閉板171Aは、開口部を左方に向けた略U字状の回動部材であり、その右後端部で段ネジ172AによりZ軸回りに回動可能に下板131Aに支持されている。開閉板171Aは、その前端部に左方に延出された開閉腕1711Aが、その後端部には左方に延出された入力腕1712Aがそれぞれ設けられている。
開閉腕1711Aと入力腕1712Aとは、いずれも段ネジ172Aを中心として一体的に前後に回動可能であり、入力腕1712Aの回動端部には、下糸131Aとの間で張設されたバネ173Aの張力により、後方への回動力が入力されている。従って、開閉腕1711Aにも同時に後方への回動力が入力される。
開閉腕1711Aは、コ字状部1312Aの開放された前側部分を塞げるように配置されており、糸掴みAが初期位置にあるときに、バネ173Aの張力を受けてコ字状部1312Aを塞いだ位置が維持される。そして、糸掴みAが初期位置にあるときには、下板131Aのコ字状部1312Aと開閉板171Aの開閉腕1711Aとが、下降時(下死点)の縫い針11の周囲を取り囲む矩形の枠状をなす。即ち、コ字状部1312Aと開閉体171Aとにより、糸捕捉部を構成する。
また、上記開閉腕1711Aは、糸掴みAが初期位置のときには、開閉腕1711Aの後端面が先端部材132の挟持面1325から大きく離れており、中間保持位置では開閉腕1711Aの後端面は先端部材132の挟持面1325に対して若干の隙間を介した状態で近接する。つまり、この状態では、天秤が上方へ引き上げる上糸Uを屈曲させ、その上糸Uの引き上げに対する抵抗を付与する。
さらに、開閉腕1711Aは、糸掴みAが上糸挟持位置のときには、開閉腕1711Aの後端面が先端部材132の挟持面1325に当接又はより近接状態となり、上糸Uを挟持可能な状態となる。
また、開閉板171Aの入力腕1712Aには、糸掴みAが上糸挟持位置から解放位置となるときに、下板131Aの後退移動によりガイド137の前端部に当接する突起部1713Aが設けられており、この突起部1713Aの当接により開閉板171Aの開閉腕1711A及び入力腕1712Aが前方に回動させられる(図17,図18参照)。
これにより、下板131Aのコ字状部1312Aを塞いでいた開閉板171Aの開閉腕1711Aは、コ字状部1312Aを開放する。
なお、制御装置120による上糸保持装置130Aへの動作制御は、前述した上糸保持装置130への動作制御と同じである。つまり、各センサ151,152の検出に基づいて同じ条件で同じタイミングで保持用モーター134を同じように制御する。
このように、上糸保持装置130Aは、下板131Aに貫通孔1312に替えてコ字状部1312Aを形成し、開閉板171Aで塞いで枠状とし、解放時には開閉板171Aを前方に回動させてコ字状部1312Aの前方を開放する制御を行っている。
貫通孔1312を有する下板131は、貫通孔1312の前側部分に上糸Uが絡みついた場合に、貫通孔1312の周囲が連続しているため、切除された上糸Uの縫い開始端部U1が吸引時に絡みついたままとれなくなるおそれがあったが、この上糸保持装置130Aは、下板131Aにコ字状部1312Aから開閉板171Aが離れて開放状態となるので、絡みついた上糸Uの縫い開始端部U1が開閉腕1711Aから容易に外れ、切除された上糸Uの縫い開始端部U1をより確実に吸引することが可能となる。
[その他]
本実施形態では電子サイクル縫いミシンを例示したが、これに限らず、糸切り装置を備える他の形式のミシンにも、上糸Uの縫い開始端部を切断する制御を適用することは可能である。
また、釜機構50として、水平釜を備えるものを例示したが、釜の種類は他のいかなるものであっても良い。
また、糸切り装置80は、動メス81が垂直軸回りに回動するものを例示したが、これに限らず、直動式の動メスや水平軸回りに回動する動メスを備える糸切り装置であっても上糸Uの縫い開始端部を切断する制御を適用することは可能である。
10 ミシン
11 縫い針
12 針棒
131A 下板
1312A コ字状部
171A 開閉体
1711A 開閉腕
1713A 突起部
14 作業台
16 針板
161 針穴
20 ミシンフレーム
30 針上下動機構
31 ミシンモーター
50 釜機構
60 送り機構
63 布押さえ
80 糸切り装置
81 動メス
811 糸捌き部
812 刃部
813 捕捉部
814 貫通孔
82 固定メス
83 糸切りモーター(アクチュエーター)
100 残端切除機構
110 吸引機構
120 制御装置
130 上糸保持装置
K 布地(被縫製物)
D 下糸
P1〜P4 ポジション
U 上糸

Claims (6)

  1. 縫い針が挿入される針穴が形成された針板と、
    前記縫い針の上下動動作を行う針上下動機構と、
    前記針板の下側で前記縫い針から上糸を捕捉して下糸を絡める釜機構と、
    前記針板と前記釜機構との間に設けられ、動メスの切断動作により上糸を切断する糸切り装置と、
    前記糸切り装置と前記釜機構の間に設けられ、前記上糸の縫い開始端部を保持する上糸保持装置と、
    を備えるミシンにおいて、
    一針目の針落ち後であって二針目の針落ち前に前記上糸の縫い開始端部の保持動作を行うように前記上糸保持装置を制御し、
    二針目の針落ち後に前記上糸の縫い開始端部を切断するように、前記糸切り装置を制御する制御装置を備えることを特徴とするミシン。
  2. 前記糸切り装置は、前進と後退からなる往復動作を行う動メスと、当該動メスとの協働により上糸及び下糸の縫い終わり端部を切断する固定メスと、前記動メスに往復動作を付与するアクチュエーターと備え、
    前記動メスは、前進時に上糸の切断部分及び下糸と上糸の非切断部分とを仕分ける糸捌き部と、後退時に切断を行う刃部とを有し、
    前記制御装置は、一針目の針落ち前に、前記動メスの刃部を前記針穴よりも前進方向下流側に待機させ、二針目の針落ち後に前記動メスの刃部を前記固定メスまで後退移動させるように前記アクチュエーターを制御することを特徴とする請求項1記載のミシン。
  3. 前記動メスは、前記刃部が開口縁部に形成された貫通孔を有し、
    前記制御装置は、一針目の針落ち前に、前記貫通孔と前記針穴とが重合する位置で前記動メスを待機させるように前記アクチュエーターを制御することを特徴とする請求項2記載のミシン。
  4. 前記針板の上面に沿って被縫製物を移動させる移動機構と、
    前記針板又はその周囲に設けられ、前記被縫製物から垂下する上糸の端部を切除する残端切除機構とを備え、
    前記制御装置は、前記被縫製物の前記上糸の縫い開始端部又は前記上糸の縫い終わり端部を前記残端切除機構に移動させると共に、前記残端切除機構による切除動作を実行させる制御を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のミシン。
  5. 被縫製物から切断された上糸の縫い開始端部を回収する吸引機構を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のミシン。
  6. 前記上糸保持装置は、
    下降時の前記縫い針が遊挿され当該下降時の前記縫い針の周囲を取り囲むための枠状に形成された糸捕捉部を備え、
    前記糸捕捉部は、前記縫い針の上下動経路に開口部を向けたコ字状部と、このコ字状部の開口部を開閉可能な開閉体とにより前記縫い針の周囲を取り囲むための枠状をなしており、
    前記糸捕捉部は、前記コ字状部の内側で前記開閉体が前記上糸の縫い開始端部の保持を行い、
    前記制御装置は、前記糸切り装置により前記上糸の縫い開始端部を切断した後に、前記開閉体により閉塞されている前記コ字状部の開口を開放するように、前記上糸保持装置を制御することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のミシン。
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