JP2016539078A - 酢酸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

反応媒体を、フラッシュ容器内において、液体再循環流と、酢酸、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び水を含む蒸気生成物流とに分離する酢酸の製造方法が開示される。蒸気生成物流を、酢酸が富化された液体流に凝縮し、この液体流を更に蒸留カラムに送って酢酸を回収する。この方法は、再循環する酢酸の量を減少させながら、酢酸製造の能力を有利に向上させる。【選択図】図1

Description

[0001]本出願は、2014年10月2日出願の米国仮出願62/058,936(その開示事項は参照として完全に本明細書中に包含する)に対する優先権を主張する。
[0002]現在用いられている酢酸の合成方法の中で商業的に最も有用なものの1つは、米国特許3,769,329(その全部を参照として本明細書中に包含する)において教示されている一酸化炭素によるメタノールの接触カルボニル化である。カルボニル化触媒は、液体反応媒体中に溶解しているか又は他の形態で分散しているか、或いは不活性の固体上に担持されているロジウムのような金属触媒を、ヨウ化メチルによって例示されるハロゲン含有触媒促進剤と共に含む。最も通常的且つ有用には、反応は、一酸化炭素ガスを、触媒がその中に溶解している液体反応媒体を通して連続的にバブリングすることによって行う。
[0003]メタノール及び一酸化炭素を供給材料として反応器に供給する。反応媒体の一部を連続的に排出してフラッシャーに供給し、ここで生成物をフラッシングして、蒸気として精製系列に送る。精製系列は、「軽質」又は低沸点の成分をオーバーヘッド流として取り出して更なる精製のための側流を与えるライトエンドカラムを含む。精製系列には、側流を脱水するか、又は側流からプロピオン酸のような「重質」又は高沸点の成分を取り出すためのカラムを更に含ませることができる。酢酸を製造するためのカルボニル化プロセスにおいては、蒸留操作の数を最小にして、プロセスにおけるエネルギー使用量を最小にすることが望ましい。米国特許5,416,237においては、メタノールを、ロジウム触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化物塩安定剤の存在下でカルボニル化することによって酢酸を製造するプロセスが開示されている。‘237特許による改良点は、液体反応組成物中において約10重量%以下の水の限定濃度及び少なくとも2重量%の酢酸メチル濃度を維持し、液体反応組成物をフラッシュ区域に通して蒸気フラクションを生成させ、これを単式蒸留カラムへ送って、それから酢酸生成物を取り出すことによって酢酸生成物を回収することにある。蒸留段階を取り除くことの欠点は、生成物の純度のレベルが悪化することである。特に、蒸留カラムは高沸点のヨウ化物及びアルデヒド汚染生成物を除去するのに役立つ。これらの不純物は両方とも、最終生成物の商業的な望ましさに不利な影響を与える。
[0004]米国特許6,657,078においては、メタノールをカルボニル化することによって酢酸を製造するための低エネルギープロセスが開示されている。このプロセスは、2つ以下の蒸留カラムを用いて約14重量%未満の水で運転されるロジウム触媒システムを含む。
[0005]米国公開2013/0116470においては、反応器;フラッシャー;及び蒸留カラムを含むプラント内において、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1つの構成成分を、ロジウム触媒、ヨウ化物塩、及びヨウ化メチルを含む触媒系中で、酢酸及び水の存在下において一酸化炭素と連続的に反応させる反応工程を含み;気化流の一部を熱交換器中に導入する酢酸の製造方法が開示されている。気化流から凝縮される液体部分は、冷却目的のために反応器に戻される。反応器を冷却する必要性の結果として、米国公開2013/0116470において開示されているプロセスは酢酸の再循環を増加させ、これにより一酸化炭素効率を減少させる。
[0006]酢酸ユニットの精製セクションにおける頻繁な製造制限は、ライトエンドカラムである。通常の酢酸メタノールカルボニル化プロセスにおいては、反応器からの高温高圧の液体を、バルブを通して減圧し、より低圧のフラッシャー容器内でフラッシングする。この工程から放出される蒸気を、ライトエンドカラムの底部付近に供給する。凝縮された酢酸に富む液体を、供給口の上方の液体側流から取り出して更なる精製のために前方に送り、一方、塔オーバーヘッドから排出される蒸気は、凝縮して液−液デカンターに供給する。デカンターからの軽質相は塔に還流し、重質相は反応器供給口に再循環する。而して、ライトエンドカラムは、フラッシャーからの高温の蒸気生成物流を受容し、生成物流を水除去のために前方に送る前に流れから酢酸メチル及びヨウ化メチルの大部分を除去するように運転される。米国特許8,173,076においては、オーバーヘッド蒸気を凝縮してライトエンドカラムへの還流を与え、且つライトエンドカラムの中央部からの蒸気を凝縮して能力を増大させることを含む、酢酸を製造する改良された装置及び方法が記載されている。
米国特許3,769,329 米国特許5,416,237 米国特許6,657,078 米国公開2013/0116470 米国特許8,173,076
[0007]而して、酢酸の増加した再循環をもたらさず、ライトエンドカラムの運転を向上させる酢酸製造プロセスに対する改良が必要とされている。
[0008]第1の態様においては、本発明は、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、酢酸メチル、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の反応物質を、0.1〜14重量%の水、金属触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化物塩の存在下でカルボニル化して反応媒体を形成し;そして、反応媒体を、液体再循環流と、酢酸、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び水を含む蒸気生成物流とに分離する;ことを含む、酢酸の製造方法に関する。この方法は、蒸気生成物流の第1の部分、即ち1〜50%を凝縮して液体流及び蒸気流を形成し;蒸気生成物流の第2の部分、即ち50〜99%を第1のカラムに供給し;液体流の一部又は全部、好ましくは少なくとも10%を第1のカラムに供給し;そして、酢酸生成物を含む側流を第1のカラムから排出する;ことを更に含む。一態様においては、この方法は、側流を第2のカラムに供給して酢酸精製生成物を得ることを含む。液体流の一部は、第2のカラム中に導入することができる。液体流は、蒸気流の第2の部分と比べて酢酸を富化することができ、65〜95重量%の酢酸を含む。一態様においては、液体流は反応器に戻さず、反応器はポンプアラウンドループのような冷却ユニットを有する。本発明方法は、反応器における一酸化炭素効率を有利に維持し、90%より高く維持する。
[0009]第2の態様においては、本発明は、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、酢酸メチル、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の反応物質を、0.1〜14重量%の水、金属触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化物塩の存在下でカルボニル化して反応媒体を形成し;そして、反応媒体を、場合によっては上部スクラビングセクションを有するフラッシュ容器内で、液体再循環流と、酢酸、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び水を含む蒸気生成物流とに分離する;ことを含む、酢酸の製造方法に関する。この方法は、蒸気生成物流の第1の部分、例えば1〜50%を凝縮して液体生成物流及び蒸気流を形成し;蒸気生成物流の第2の部分、例えば50〜99%を第1のカラムに供給し;酢酸生成物を含む側流を第1のカラムから第2のカラムに排出し;液体生成物流の一部又は全部、好ましくは少なくとも10%を第2のカラムに供給し;そして、第2のカラムから酢酸精製生成物を得る;ことを更に含む。一態様においては、液体流の一部を第1のカラム中に導入することができる。液体流は酢酸を富化させることができ、65〜95重量%の酢酸を含む。一態様においては、液体流は、側流中と同等又はそれより多い量、例えば90%より多い酢酸を含む。一態様においては、液体流は反応器に戻さず、反応器はポンプアラウンドループのような冷却ユニットを有する。本発明方法は、反応器における一酸化炭素効率を有利に維持し、90%より高く維持する。
[0010]本発明は、添付の非限定的な図面を考慮すればより良好に理解されるであろう。
[0011]図1は、ここに開示する方法の幾つかの態様にしたがって蒸気生成物流を凝縮して液体流を生成させ、これを第1のカラムに導入することの概要図である。 [0012]図2は、ここに開示する他の態様にしたがって蒸気生成物流を凝縮して液体流を生成させ、これを第2のカラムに導入することの概要図である。
序論:
[0013]始めに、任意のかかる実際の態様の開発においては、1つの実施態様と他のものとで変化するシステム関連及びビジネス関連の制限との適合性のように、開発者の具体的な目標を達成するために、数多くの実施−具体的な決定を行わなければならないことを留意すべきである。更に、当業者に明らかなように、ここで開示する方法にはまた、挙げられているか又は具体的に言及されているもの以外の構成要素を含ませることもできる。
[0014]概説及びこの詳細な説明において、それぞれの数値は、一旦は(既に明らかにそのように修飾されていない限りにおいて)用語「約」によって修飾されているように読み、次に文脈において他に示されていない限りにおいて、そのように修飾されていないように再び読むべきである。また、概説及びこの詳細な説明において、有用、好適などとしてリスト又は記載されている濃度範囲は、端点を含むその範囲内のありとあらゆる濃度が示されているとみなすべきであると意図されることを理解すべきである。例えば、「1〜10」の範囲は、約1と約10の間の連続体に沿ったありとあらゆる可能な数を示すものとして読むべきである。而して、この範囲内の具体的なデータ点が明確に特定されているか又は僅かな具体的なデータ点のみに関する場合、或いはこの範囲内のデータ点が明確に特定されていないか又は僅かな具体的なデータ点のみに関していない場合であっても、本発明者らはこの範囲内のありとあらゆるデータ点が特定されていたとみなすべきであると認識且つ理解し、且つ本発明者らはこの範囲内の全範囲及び全ての点の知識を有していたことを理解すべきである。
[0015]特許請求の範囲を含む明細書全体にわたって、以下の用語は他に示さない限りにおいて示されている意味を有する。
[0016]明細書及び特許請求の範囲において用いる「付近」は「における」を包含する。「及び/又は」という用語は、包含的な「及び」の場合、及び排他的な「又は」の場合の両方を指し、本明細書において簡潔さのために用いられる。例えば、酢酸及び/又は酢酸メチルを含む混合物は、酢酸単独、酢酸メチル単独、又は酢酸と酢酸メチルの両方を含んでいてよい。
[0017]全てのパーセントは、他に示していない限りにおいて、存在する特定の流れ又は組成物の全重量を基準とする重量パーセント(重量%)として表される。他に示していない限りにおいて、室温は25℃であり、大気圧は101.325kPaである。
[0018]本発明における目的のためには、
酢酸は「AcOH」と略称することがあり;
アセトアルデヒドは「AcH」と略称することがあり;
酢酸メチルは「MeAc」と略称することがあり;
メタノールは「MeOH」と略称することがあり;
ヨウ化メチルは「MeI」と略称することがあり;
ヨウ化水素は「HI」と略称することがあり;
一酸化炭素は「CO]と略称することがあり;そして
HIは、分子状ヨウ化水素、或いは極性媒体、通常は少なくとも若干の水を含む媒体中で少なくとも部分的にイオン化されている場合には解離ヨウ化水素酸のいずれかを指す。他に特定されていない限りにおいて、この2つは互換的に言及される。他に特定されていない限りにおいて、HI濃度は、酸−塩基滴定によって電位差滴定終点を用いて求められる。特に、HI濃度は、標準的な酢酸リチウム溶液を用いて電位差滴定終点まで滴定することによって求められる。本発明における目的のためには、HIの濃度は、腐食金属又は他の非Hカチオンの測定に関係すると推定されるヨウ化物の濃度を、試料中に存在する全イオン性ヨウ化物から減じることによっては求めないことを理解すべきである。
[0019]HI濃度はヨウ化物イオン濃度を指すものではないことを理解すべきである。HI濃度は、具体的には電位差滴定によって求められるHI濃度を指す。
[0020]この減算法は、全ての非Hカチオン(例えば、Fe、Ni、Cr、Moのカチオン)が専らヨウ化物アニオンのみと会合すると仮定していることのために、比較的低いHI濃度(例えば約5重量%未満)を求めるためには信頼性に欠ける不正確な方法である。実際には、このプロセスにおいては、金属カチオンの相当部分がアセテートアニオンと会合する可能性がある。更に、これらの金属カチオンの多くは多原子価状態を有し、これによってこれらの金属と会合する可能性があるヨウ化物アニオンの量に関する推定に更により多い非信頼性が加えられる。最終的には、この方法は、特にHI濃度を直接表す単純な滴定を行う能力を考慮すると、実際のHI濃度の信頼性に欠ける測定値を生じさせる。
[0021]本発明における目的のためには、蒸留カラムの「オーバーヘッド」又は「留出物」は、蒸留カラムの頂部又はその付近(例えば頂部の隣接位置)において排出される少なくとも1つのより低沸点の凝縮性フラクション、及び/又はその流れ又は組成物の凝縮形態を指す。明らかに、これも本発明における目的のためには、全てのフラクションは最終的には凝縮させることができ、凝縮性のフラクションは、当業者に容易に理解されるようにプロセス中に存在する条件下において凝縮させることができる。非凝縮性フラクションの例としては、窒素、水素などを挙げることができる。更に、オーバーヘッド流は蒸留カラムの最も上部の出口の直下において回収することができ、例えばここで最も低い沸点のフラクションは、当業者に容易に理解されるように非凝縮性の流れであるか或いは僅少な流れを表す。
[0022]蒸留カラムの「塔底流」又は「残渣」とは、蒸留カラムの底部又はその付近において排出される(本発明においてはカラムの底部液溜まりから流出するとも言う)1以上の最も高い沸点のフラクションを指す。残渣は蒸留カラムの最も底部の出口の直上から回収することができ、例えばここでカラムによって産出される最も底部のフラクションは、当業者に容易に理解されるように、塩、使用できないタール、固体廃棄物、又は僅少な流れである。
[0023]本発明における目的のためには、蒸留カラムは蒸留区域及び底部液溜まり区域を含む。蒸留区域は、底部液溜まり区域の上方、即ち底部液溜まり区域とカラムの頂部との間の全てを含む。本発明における目的のためには、底部液溜まり区域とは、より高沸点の成分の液体貯留槽がその中に存在し、塔底流又は残渣流がカラムから排出される際にそれから流出する蒸留カラムの下部部分(例えば蒸留カラムの底部)を指す。底部液溜まり区域には、リボイラー、制御装置などを含ませることができる。
[0024]蒸留カラムの内部部品に関する「通路」、「流路」、「流動導管」などの用語は、それを通して配置されており、及び/又は、液体及び/又は蒸気が内部部品の一方の側から内部部品の他方の側へ移動するための流路を与える、孔、管、溝、スリット、ドレンなどを指すように互換的に用いられる。蒸留カラムの液体分配器のような構造体を通して配置される流路の例としては、構造体を通して液体を一方の側から他の側へ流動させることを可能にするドレン孔、ドレン管、ドレンスリットなどが挙げられる。
[0025]平均滞留時間は、蒸留区域内の所定の相に関する全液体保持体積の総計を、蒸留区域を通過するその相の平均流量で割った値として定義される。所定の相に関する保持体積には、回収器、分配器などをはじめとするカラムの種々の内部部品内に含まれる液体の体積、並びにトレー上、降下管内、及び/又は規則若しくは不規則充填床セクション内に含まれる液体を含めることができる。
[0026]本発明は、酢酸を製造し、且つ反応器への酢酸の再循環を減少させる方法に関する。この方法は、反応器に戻す前に蒸気生成物流の凝縮された部分、即ち液体流から酢酸を取り出す方法を提供する。液体流は蒸気生成物流と比べて酢酸が富化されており、したがって液体流の一部又は全部を第1のカラム及び/又は第2のカラムに供給することによって酢酸を回収することがより有利である。幾つかの態様においては、液体流の一部を反応器に戻すことができる。有利には、富化された酢酸液体流を第1のカラム及び/又は第2のカラム中に導入することによって、これらのカラムの運転を向上させることができる。特に、側流の組成を大きく変化させることなく、第1のカラムを非ボトルネック化することができる。
[0027]幾つかの態様においては、凝縮された蒸気生成物流からの液体流を第1のカラムに供給する。本発明の第1の態様による酢酸の製造方法は、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、酢酸メチル、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の反応物質を、0.1〜14重量%の水、金属触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化物塩の存在下でカルボニル化して反応媒体を形成し;反応媒体を、液体再循環流と、酢酸、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び水を含む蒸気生成物流とに分離し;蒸気生成物流の第1の部分を凝縮して液体流及び蒸気流を形成し;蒸気生成物流の第2の部分を第1のカラムに供給し;液体流の一部又は全部を第1のカラムに供給し;そして、酢酸生成物を含む側流を第1のカラムから排出する;ことを含む。理論には縛られないが、側流を取り出すと、上記の第1のカラムにおける液圧負荷を減少させることができる。有利なことに、これによってプロセスの生産速度が増加する。
[0028]幾つかの態様においては、凝縮された蒸気生成物流からの液体流は、第1のカラムに通さずに第2のカラムに供給する。而して、第1のカラムにおける負荷を減少させることができ、第2のカラムにおいて酢酸を回収することができる。幾つかの態様による酢酸の製造方法は、反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、酢酸メチル、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の反応物質を、0.1〜14重量%の水、金属触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化物塩の存在下でカルボニル化して反応媒体を形成し;反応媒体を、場合によっては上部スクラビングセクションを有するフラッシュ容器内で、液体再循環流と、酢酸、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び水を含む蒸気生成物流とに分離し;蒸気生成物流の第1の部分を凝縮して液体生成物流及び蒸気流を形成し;蒸気生成物流の第2の部分を第1のカラムに供給し;酢酸生成物を含む側流を第1のカラムから第2のカラムに排出し;液体生成物流の一部又は全部を第2のカラムに供給し;そして、第2のカラムから酢酸精製生成物を得る;ことを含む。場合によっては、触媒及び他の腐食金属が同伴するために、フラッシャーにスクラバーセクションを与えることができる。有利なことに、これによってプロセスの生産速度が増加する。
[0029]他の態様においては、第1及び第2の態様の組み合わせが存在する可能性があり、液体流を分割して第1及び第2のカラムの両方に供給することができる。好ましくは、分割する液体流の量は、存在する場合には反応器に再循環する液体流の量よりも多い。
[0030]フラッシャーからの蒸気生成物流は、酢酸、ヨウ化メチル、酢酸メチル、水、並びに、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、より高級のアセテート、及び有機ヨウ化物のような他の不純物を含む。蒸気生成物流中の酢酸の濃度は、30〜70重量%、例えば40〜60重量%、又は45〜55重量%の範囲にすることができる。通常は、蒸気生成物流によって反応の潜熱が第1のカラムに移動されて、側流中の酢酸が回収される。反応の潜熱は第1のカラムのエネルギー必要量を超過する可能性があり、而して、本発明の幾つかの態様においては、有利には、蒸気生成物流の第1の部分を凝縮して、酢酸が負荷された液体流を回収する。蒸気生成物の残りの部分、即ち第2の部分は、第1のカラムに導入して、不純物及び反応媒体成分を更に取り出す。凝縮される蒸気生成物流の量は、第1のカラムのエネルギー必要量に影響を与えないのに十分な量であってよい。蒸気生成物流の凝縮においては、液体流は、蒸気生成物流と比べて酢酸を富化させることができる。一態様においては、蒸気生成物流中における酢酸の組成に対する液体流中における酢酸の組成は、少なくとも5%、例えば少なくとも10%、又は少なくとも15%富化される。液体流中における酢酸の組成は、65〜95重量%の酢酸、例えば70〜90重量%の酢酸、又は80〜90重量%の酢酸にすることができる。
[0031]液体流を濃縮することによって、蒸気流中の反応物質成分及び不純物を除去することができる。蒸気流は、スクラバー又は不純物除去カラムに送って、反応物質成分、特にヨウ化メチル及び酢酸メチルを回収することができる。他の態様においては、蒸気流又はその一部は、必要に応じてパージすることができる。
[0032]冷却したら、液体流の少なくとも10%を第1のカラム及び/又は第2のカラムに供給することができる。1つの好ましい態様においては、液体流の少なくとも25%、例えば少なくとも50%、少なくとも75%、又は少なくとも90%を、第1のカラム及び/又は第2のカラムに供給することができる。第1のカラムに導入する際には、液体流は、蒸気生成物流の第2の部分の供給口の上方、幾つかの態様においては側流の上方で導入することができる。第2のカラムに導入する際には、液体流は、側流供給口によって、又は第2のカラムの上部部分において導入することができる。位置は特に限定されないが、液体流は、カラムの動力学を混乱させない位置で第1及び/又は第2のカラム中に導入することが好ましい。より多くの液体流を第1のカラム及び/又は第2のカラムに送るにつれて、より少ない酢酸が反応器に再循環される。米国公開2013/0116470に記載されているように、液体流は冷却目的のために反応器に供給する。これの欠点は、酢酸が再循環され、液体流の再循環は、主として一酸化炭素を含む溶解及び同伴ガスを含む反応器からフラッシャーへの流れの流量の増加をもたらすので、一酸化炭素効率が低下することである。溶解及び同伴ガスは、その後、精製系列の排出流中で失われる。また、酢酸を含む大量の液体流を戻すことによって、液体流は、反応器に供給することができるように圧力を上昇させることが必要になる。酢酸を再循環させると反応器への再循環流が増加し、更なるポンプ移送が必要になり、これは装置コスト及び運転コストの両方に不利な影響を与える。これにより、反応器のための冷却剤として液体流を用いることが更に制限される。一態様においては、液体流の全部を第1及び/又は第2のカラムのいずれかに供給し、液体流は反応器には戻さない。かかる態様においては、反応器に別の冷却システムを与えることができ、反応器を冷却するための再循環工程を与える必要はない。液体流を反応器に再循環する必要性を排除することによって、幾つかの態様においては、この方法により一酸化炭素効率を、酢酸に転化される一酸化炭素供給物質の量として規定して90%より高く維持することができる。
[0033]ここで、図面を参照して幾つかの態様を詳細に説明する。図1及び2に示す態様は、金属触媒、ヨウ化メチル、水、及びヨウ化物塩の存在下でメタノール反応物質を連続的にカルボニル化反応させることによって生成する液体媒体から精製酢酸生成物を製造する方法を示す。
反応工程:
[0034]図1及び2において、代表的な反応及び酢酸回収システム100を示す。示されているように、メタノール含有供給流101及び一酸化炭素含有供給流102を液相カルボニル化反応器105に送って、そこでカルボニル化反応を行って酢酸を形成する。
[0035]メタノール含有供給流101には、メタノール、ジメチルエーテル、及び酢酸メチルからなる群から選択される少なくとも1種類の構成成分を含ませることができる。メタノール含有供給流101は、一部を新しい供給流から誘導することができ、或いはシステムから再循環することができる。メタノール及び/又はその反応性誘導体の少なくとも一部は、反応媒体中において、酢酸とのエステル化反応によって酢酸メチルに転化して、したがって酢酸メチルとして存在する。
[0036]カルボニル化のための通常の反応温度は150〜250℃であり、180〜225℃の温度範囲が好ましい範囲である。反応器内の一酸化炭素分圧は広範囲に変化させることができるが、通常は2〜30気圧、例えば3〜10気圧である。反応器内の水素分圧は、通常は0.05〜2気圧、例えば1〜1.9気圧である。副生成物の分圧及び含まれている液体の蒸気圧のために、全反応器圧力は15〜40気圧の範囲になる。酢酸の生産速度は、5〜50モル/L・時、例えば10〜40モル/L・時、好ましくは約15〜35モル/L・時にすることができる。
[0037]カルボニル化反応器105は、好ましくは撹拌容器、或いは撹拌装置を有するか又は有しないバブルカラムタイプの容器のいずれかであり、これらの中で反応液又はスラリー内容物を好ましくは自動的に所定のレベルに維持し、これを好ましくは通常運転中において実質的に一定に維持する。反応媒体中における好適な濃度を維持するために必要な場合には、カルボニル化反応器105中に、新しいメタノール、一酸化炭素、及び十分な水を連続的に導入する。
[0038]金属触媒には第VIII族金属を含ませることができる。好適な第VIII族触媒としては、ロジウム及び/又はイリジウム触媒が挙げられる。ロジウム触媒を用いる場合には、ロジウム触媒は、当該技術において周知なように、ロジウムが触媒溶液中に[Rh(CO)アニオンを含む平衡混合物として存在するような任意の好適な形態で加えることができる。本明細書に記載するプロセスの反応混合物中に場合によって保持されるヨウ化物塩は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の可溶性塩、第4級アンモニウム、ホスホニウム塩、或いはこれらの混合物の形態であってよい。幾つかの態様においては、触媒共促進剤は、ヨウ化リチウム、酢酸リチウム、又はこれらの混合物である。塩共促進剤は、ヨウ化物塩を生成させる非ヨウ化物塩として加えることができる。ヨウ化物触媒安定剤は、反応システム中に直接導入することができる。或いは、反応システムの運転条件下においては、広範囲の非ヨウ化物塩前駆体が反応媒体中のヨウ化メチル又はヨウ化水素酸と反応して対応する共促進剤ヨウ化物塩安定剤を生成させるので、ヨウ化物塩をin-situで生成させることができる。ロジウム触媒反応及びヨウ化物塩の生成に関する更なる詳細に関しては、米国特許5,001,259;5,026,908;5,144,068;及び7,005,541(これらの全部を参照として本明細書中に包含する)を参照。イリジウム触媒を用いるメタノールのカルボニル化は周知であり、米国特許5,942,460;5,932,764;5,883,295;5,877,348;5,877,347;及び5,696,284;(これらの全部を参照として本明細書中に包含する)において概説されている。
[0039]触媒系のハロゲン含有触媒促進剤は、有機ハロゲン化物を含むハロゲン化合物から構成される。而して、アルキル、アリール、及び置換アルキル又はアリールハロゲン化物を用いることができる。好ましくは、ハロゲン含有触媒促進剤はアルキルハロゲン化物の形態で存在する。更により好ましくは、ハロゲン含有触媒促進剤は、アルキル基がカルボニル化する供給アルコールのアルキル基に対応しているアルキルハロゲン化物の形態で存在する。而して、メタノールの酢酸へのカルボニル化において、ハロゲン化物促進剤としては、ハロゲン化メチル、より好ましくはヨウ化メチルが挙げられる。
[0040]反応媒体の成分は、酢酸の十分な生産を確保するために規定限界内に維持する。反応媒体は、200〜3000wppm、例えば800〜3000wppm、又は900〜1500wppmの量の濃度の金属触媒、例えばロジウム触媒を含む。反応媒体中の水の濃度は、14重量%以下、例えば0.1重量%〜14重量%、0.2重量%〜10重量%、又は0.25重量%〜5重量%になるように維持する。好ましくは、反応は低水条件下で行い、反応媒体は0.1〜4.1重量%、例えば0.1〜3.1重量%、又は0.5〜2.8重量%の水を含む。反応媒体中のヨウ化メチルの濃度は、1〜25重量%、例えば5〜20重量%、4〜13.9重量%になるように維持する。反応媒体中のヨウ化物塩、例えばヨウ化リチウムの濃度は、1〜25重量%、例えば2〜20重量%、3〜20重量%になるように維持する。反応媒体中の酢酸メチルの濃度は、0.5〜30重量%、例えば0.3〜20重量%、0.6〜4.1重量%になるように維持する。上記の量は反応媒体の全重量を基準とするものである。本出願において開示されている範囲は、端点、下位範囲、及び個々の値を包含する。
[0041]反応媒体中の酢酸の濃度は、概して30重量%より多く、例えば40重量%より多く、又は50重量%より多い。
[0042]幾つかの態様においては、反応媒体中に、所望のカルボン酸とアルコール、望ましくはカルボニル化において用いるアルコールとのエステル、並びにヨウ化水素として存在するヨウ化物イオンの他に更なるヨウ化物イオンを保持することによって、低い水濃度においても所望の反応速度が得られる。所望のエステルは酢酸メチルである。更なるヨウ化物イオンは望ましくはヨウ化物塩であり、ヨウ化リチウム(LiI)が好ましい。米国特許5,001,259に記載されているように、低い水濃度下においては、酢酸メチル及びヨウ化リチウムは、比較的高い濃度のこれらの成分のそれぞれが存在している場合にのみ速度促進剤として機能し、これらの成分の両方が同時に存在している場合に促進がより高いことが分かっている。
[0043]メタノールの酢酸生成物へのカルボニル化反応は、メタノール供給流を、カルボニル化生成物を形成するのに好適な温度及び圧力の条件において、ロジウム触媒、ヨウ化メチル促進剤、酢酸メチル、及び更なる可溶性ヨウ化物塩を含む酢酸溶媒反応媒体を通してバブリングさせている気体状一酸化炭素と接触させることによって行うことができる。一般に、重要なのはヨウ化物と会合するカチオンではなく、触媒系中のヨウ化物イオンの濃度であり、ヨウ化物の所定のモル濃度においては、カチオンの性質はヨウ化物濃度の効果ほどは重要ではないと認識される。塩がヨウ化物の所望のレベルを与えるのに十分に反応媒体中に可溶であるならば、任意の金属ヨウ化物塩、又は任意の有機カチオンの任意のヨウ化物塩、或いはアミン若しくはホスフィン化合物をベースとするもののような他のカチオン(場合によっては第3級又は第4級カチオン)を反応媒体中に保持することができる。ヨウ化物が金属塩である場合には、好ましくはこれは、"Handbook of Chemistry and Physics", CRC Press刊, Cleveland, Ohio, 2002-03(83版)に示されているような周期律表第IA族及び第IIA族の金属からなる群の元素のヨウ化物塩である。特に、アルカリ金属ヨウ化物が有用であり、ヨウ化リチウムが特に好適である。低水カルボニル化プロセスにおいては、ヨウ化水素として存在するヨウ化物イオンに加えて更なるヨウ化物イオンを、概して、全ヨウ化物イオン濃度が1〜25重量%であり、酢酸メチルが概して0.5〜30重量%の量で存在し、ヨウ化メチルが概して1〜25重量%の量で存在するような量で触媒溶液中に存在させる。ロジウム触媒は、概して200〜3000wppmの量で存在する。
[0044]発熱性のカルボニル化反応を制御するために、反応器に十分な冷却システムを与えることができる。これにより、反応器のために必要な冷却を与えるために液体流を再循環する必要性が減少する。一態様においては、反応器を冷却するためのポンプアラウンドループ103を存在させることができる。ポンプアラウンドループ103は、冷却剤と間接的に接触させることによって反応媒体を冷却するように運転する。好適なポンプアラウンドループは、米国特許8,530,696(その全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されている。一態様においては、反応熱は、ポンプアラウンド反応器103において水蒸気発生器によって回収することができる。
[0045]通常のカルボニル化プロセスにおいては、一酸化炭素をカルボニル化反応器中の望ましくは撹拌装置(内容物を撹拌するために用いることができる)の下方に連続的に導入する。気体供給流は、好ましくは、この撹拌手段によって反応液体を通して十分に分散される。望ましくは気体パージ流106を反応器105から排出して、気体状副生成物の蓄積を阻止し、所定の全反応器圧力において設定一酸化炭素分圧を維持する。反応器の温度は制御することができ、一酸化炭素供給流は、所望の全反応器圧力を維持するのに十分な速度で導入する。液体反応媒体を含む流れ113が反応器105から排出される。
[0046]酢酸製造システムは、好ましくは、酢酸を回収し、金属触媒、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び他のシステム成分をプロセス内で再循環するのに用いる分離システム108を含む。1以上の再循環流を、反応器中に導入する前に混合することができる。分離システムはまた、好ましくは、カルボニル化反応器内及びシステム全体にわたる水及び酢酸の含量を制御し、過マンガン酸塩還元性化合物(PRC)の除去を促進する。PRCとしては、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、及びこれらのアルドール縮合生成物を挙げることができる。
[0047]反応媒体を、カルボニル化反応器105から、その中の一定のレベルを維持するのに十分な速度で引き抜き、流れ113を通してフラッシャー110に供給する。フラッシュ分離は、80℃〜200℃の温度において、1〜10気圧の絶対圧下で行うことができる。反応媒体をフラッシュ分離工程で分離して、酢酸を含む蒸気生成物流112、及び触媒含有溶液を含む液体再循環流111を得る。触媒含有溶液は、主として、ロジウム及びヨウ化物塩を、より少量の酢酸メチル、ヨウ化メチル、及び水と共に含む酢酸であってよく、これは上記で議論したように反応器に再循環する。液体再循環流を反応器に戻す前に、米国特許5,731,252(その全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されているように、スリップ流をイオン交換床のような腐食金属除去床に通して、同伴腐食金属を除去することができる。また、米国特許8,697,908(その全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されているように、腐食金属除去床を用いてアミンのような窒素化合物を除去することができる。
[0048]酢酸に加えて、蒸気生成物流112はまた、ヨウ化メチル、酢酸メチル、水、PRC、及び他のヨウ化物化合物も含む。反応器105から排出されてフラッシャー110に導入される溶解ガスは、一酸化炭素の一部を含み、またメタン、水素、及び二酸化炭素のような気体副生成物も含む可能性がある。かかる溶解ガスは、蒸気生成物流112の一部としてフラッシャー110から排出される。一態様においては、気体パージ流106中の一酸化炭素をフラッシャー110の基部に供給して、ロジウムの安定性を向上させることができる。
蒸気生成物流の凝縮:
[0049]図1及び2において示されるように、蒸気生成物流112は第1の部分140及び第2の部分141に分割する。これらの部分は、蒸気生成物流のアリコートである。第1の部分140は、熱交換器142によって凝縮して、液体流143及び蒸気流144を形成する。
[0050]一態様においては、第1の部分140として凝縮される蒸気生成物流112は、蒸気生成物流112の1〜50%、例えば好ましくは5〜40%、又はより好ましくは10〜35%であってよい。第1の部分140は、熱交換器142によって、20℃〜100℃、例えば20℃〜70℃、又はより好ましくは20℃〜50℃の温度に冷却する。
[0051]凝縮されず、第2の部分141として第1のカラム120に供給される蒸気生成物流112は、蒸気生成物流の50〜99%、例えば好ましくは60〜95%、又はより好ましくは65〜90%であってよい。
[0052]図1に示されるように、冷却したら、第1の流れ143の少なくとも10%を第1のカラム120に供給することができる。1つの好ましい態様においては、少なくとも25%、例えば少なくとも50%、少なくとも75%、又は少なくとも90%を第1のカラム120に供給することができる。第1のカラム120に供給されない液体流143の残りの部分は、随意的なライン145を通して、好ましくは第2のカラム125に供給することができ、或いはあまり好ましくないが反応器105に供給することができる。酢酸を反応器105に再循環することを回避するために、反応器105に戻すよりも多い液体流143からの酢酸を、第1のカラム120及び/又は第2のカラム125に供給することができる。より好ましくは、第1のカラム120に対する液圧負荷を低下させるために、液体流143の全部を、第2の部分141の供給口の上方で第1のカラム120に導入する。図1に示されるように、幾つかの態様においては、液体流143は、液体流143中に存在する成分が側流124中に同伴されるのを阻止するために、141の上方であるが、好ましくは側流124よりも下方の位置で第1のカラム120に供給する。特に、側流124を第1のカラム120から取り出すレベルの下方に液体流143を配することによって、蒸気生成物流112中に同伴されるロジウム触媒が側流124中に同伴されるのを阻止する。
[0053]他の態様においては、図2に示されるように、冷却したら、液体流143の少なくとも10%を第2のカラム125に供給することができる。1つの好ましい態様においては、少なくとも25%、例えば少なくとも50%、少なくとも75%、又は少なくとも90%を、第2のカラム125に供給することができる。蒸気生成物流112中には低いレベルの同伴触媒が存在する可能性があるので、且つ第1のカラム120は省略される可能性があるので、蒸気生成物流112をフラッシャー110から排出する前に同伴触媒を取り除くことが望ましい。図2においては、同伴金属触媒が第2のカラム125に送られるのを回避するために、フラッシャー110の上部部分にスクラバーセクション150を与えている。洗浄剤151をスクラバーセクション150に加えて、同伴金属を除去することができる。幾つかの態様においては、洗浄剤151には、流れ133、136、及び高沸点残渣流121の1以上を含ませることができる。したがって、幾つかの態様においては、この方法は、蒸気生成物流中に同伴される触媒の少なくとも一部を除去するのに十分な量の、第1のカラムからの塔底流、第2のカラムからの塔底流、第2のカラムからのオーバーヘッド流、又はこれらの組合せを、上部スクラバーセクション中に送ることを更に含む。幾つかの態様においては、蒸気生成物流中に同伴される触媒の少なくとも一部を除去するのに十分な洗浄剤流151は、蒸気生成物流112の1重量%〜50重量%である。
[0054]第2のカラム125に供給されない液体流143の残りの部分は、随意的なライン145を通して、好ましくは第1のカラム120に供給することができ、又はあまり好ましくはないが反応器105に供給することができる。重要なことは、幾つかの態様においては、液体流143の残りの部分は、オーバーヘッドデカンター又は流れ133に関連する他の容器には供給しない。流れ143は相当量の酢酸を含む。ここに記載するように、流れ133は、更なる精製及びPRCの除去を行う前に、軽質水相及び重質ヨウ化メチル相に二相分離することができる。流れ143中に存在する酢酸は、流れ133の相分離に影響を与え、したがってプロセスに対して悪影響を与える可能性がある。
酢酸の回収:
[0055]酢酸の蒸留及び回収は、本発明の目的のためには特に制限されない。蒸気生成物流から酢酸を回収する従来の方法とは異なり、本明細書に開示される方法は、蒸気生成物流、及び酢酸が富化された蒸気生成物流から凝縮される液体流の両方から酢酸を回収する。
[0056]図1に示されるように、蒸気生成物流112の第2の部分141は、液体流143の一部又は全部と一緒に、ライトエンドカラムとも呼ぶ第1のカラム120に送る。蒸留によって、低沸点のオーバーヘッド蒸気流122、好ましくは側流124によって取り出される精製された酢酸生成物、及び高沸点の残渣流121が生成する。一態様においては、低沸点のオーバーヘッド蒸気流122は、40〜80重量%の量の水、酢酸メチル、ヨウ化メチル、及びカルボニル不純物を含む可能性がある。側流124は、90〜98重量%の酢酸、1〜2.5重量%の水、0.1〜5重量%のヨウ化メチル、及び0.1〜5重量%の酢酸メチルを含む可能性がある。側流124によって取り出される酢酸は、好ましくは、乾燥カラムとも呼ぶ第2のカラム125などにおける更なる精製にかけて、側流124を、主として水を含むオーバーヘッド流126、及び主として酢酸を含む塔底流127に分離する。オーバーヘッド流126は、50〜75重量%の量の水を含む可能性がある。また、酢酸メチル及びヨウ化メチルも側流から取り出されて、オーバーヘッド流中に濃縮される。乾燥カラム塔底流127は、好ましくは酢酸を含むか又はこれから実質的に構成される。好ましい態様においては、乾燥カラム塔底流127は、90重量%より多く、例えば95重量%より多く、又は98重量%より多い量の酢酸を含む。乾燥カラム塔底流127は、商業的利用のために貯蔵又は輸送する前に、例えばイオン交換樹脂に通すことによって更に処理することができる。
[0057]図2に示されるように、蒸気生成物流112の第2の部分141は、第1のカラム120に送る。この態様においては、第1のカラム120は蒸気供給流のみを受容する。蒸留によって、低沸点のオーバーヘッド流122、酢酸を含む側流124、及び高沸点の残渣流121が生成する。側流124は、液体流143の一部又は全部と一緒に、第2のカラム125内で更なる精製にかける。第2のカラム125は、側流124及び液体流143を、主として水を含むオーバーヘッド流126、及び主として酢酸を含む塔底流127に分離するように運転する。一態様においては、蒸気生成物流112と比べて富化された液体流143の酢酸濃度のために、液体流143は、カラム動力学を混乱させずに第2のカラム内で分離することができる。有利なことに、液体流143を第2のカラム125に供給する場合に、同等の純度を有する酢酸生成物を回収することができる。
[0058]幾つかの態様においては、蒸気生成物流112は、酢酸、ヨウ化メチル、酢酸メチル、水、アセトアルデヒド、及びヨウ化水素を含む。幾つかの態様においては、蒸気生成物流112は、蒸気生成物流の全重量を基準として45〜75重量%の量の酢酸、20〜50重量%の量のヨウ化メチル、9重量%以下の量の酢酸メチル、及び15重量%以下の量の水を含む。他の態様においては、蒸気生成物流112は、蒸気生成物流の全重量を基準として45〜75重量%の量の酢酸、24乃至36重量%未満の量のヨウ化メチル、9重量%以下の量の酢酸メチル、及び15重量%以下の量の水を含む。幾つかの態様においては、蒸気生成物流112は、55〜75重量%の量の酢酸、24〜35重量%の量のヨウ化メチル、0.5〜8重量%の量の酢酸メチル、及び0.5〜14重量%の量の水を含む。更に他の態様においては、蒸気生成物流112は、60〜70重量%の量の酢酸、25〜35重量%の量のヨウ化メチル、0.5〜6.5重量%の量の酢酸メチル、及び1〜8重量%の量の水を含む。蒸気生成物流中のアセトアルデヒド濃度は、蒸気生成物流の全重量を基準として0.005〜1重量%、例えば0.01〜0.8重量%、又は0.01〜0.7重量%の量にすることができる。幾つかの態様においては、アセトアルデヒドは0.01重量%以下の量で存在していてよい。蒸気生成物流112は、蒸気生成物流の全重量を基準として1重量%以下、例えば0.5重量%以下、又は0.1重量%以下の量のヨウ化水素を含むようにすることができる。蒸気生成物流112は、好ましくはプロピオン酸を実質的に含まず、即ち蒸気生成物流の全重量を基準として0.0001重量%以下のプロピオン酸を含む。
[0059]しかしながら、上記で議論したように、蒸気流112はまた、フラッシャー110内でのフラッシュ蒸発中における同伴によって相当量のロジウム触媒も含む可能性がある。触媒の同伴は、ロジウム触媒に関する費用のために相当なコストを示す。更に、ロジウムの同伴は、下流におけるファウリング及び他の問題を引き起こし、且つ最終酢酸生成物中におけるロジウムの測定しうる濃度をもたらす可能性がある。したがって、スクラバー150、及び/又は液体流143を蒸気流141及び側流124に対して適切に配置することによって、当該技術において予期しなかった改良が与えられる。
[0060]液体再循環流111は、酢酸、金属触媒、腐食金属、並びに他の種々の化合物を含む。一態様においては、液体再循環流は、60〜90重量%の量の酢酸;0.01〜0.5重量%の量の金属触媒;10〜2500wppmの合計量の腐食金属(例えば、ニッケル、鉄、及びクロム);5〜20重量%の量のヨウ化リチウム;0.5〜5重量%の量のヨウ化メチル;0.1〜5重量%の量の酢酸メチル;0.1〜8重量%の量の水;1重量%以下の量のアセトアルデヒド(例えば0.0001〜1重量%のアセトアルデヒド);及び0.5重量%以下の量のヨウ化水素(例えば0.0001〜0.5重量%のヨウ化水素);を含む。
[0061]第1のカラム120から分離される低沸点のオーバーヘッド蒸気流122は、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び水のような反応成分を含み、これらの反応成分はプロセス内に保持することが好ましい。低沸点のオーバーヘッド蒸気流122は熱交換器によって流れ133に凝縮し、これは反応器105に再循環、及び/又は第1のカラム120に還流することができる。オフガス成分は、ライン132を通して、凝縮された低沸点のオーバーヘッド蒸気流124から排出することができる。更に、酢酸生成物の品質を悪化させるアセトアルデヒドのようなカルボニル不純物を除去するプロセスを配することができ、これらは、米国特許6,143,930;6,339,171;7,223,883;7,223,886;7,884,237;7,855,306;並びに米国公開2006/0011462及び2011/0288333;(これらはその全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されているような好適な不純物除去カラム、抽出装置、及び吸収装置内で除去することができる。アセトアルデヒドのようなカルボニル不純物は、ヨウ化物触媒促進剤と反応してアルキルヨウ化物、例えばヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチル、ヨウ化ペンチル、ヨウ化ヘキシル等を形成する可能性がある。また、多くの不純物はアセトアルデヒドに由来するので、流れを反応器に戻す前に、流れ133中の凝縮された低沸点のオーバーヘッド蒸気流からアセトアルデヒドを除去することが望ましい。これらの不純物も、本発明においては、ここに記載するPRCと呼ぶことができる。
[0062]示されてはいないが、流れ133の一部は、凝縮し、軽質水性液相及び/又は主としてヨウ化メチルを含む重質液相に二相分離して、次にアセトアルデヒド又はPRC除去システムに送って、アセトアルデヒドを除去しながらヨウ化メチル及び酢酸メチルを回収することができる。表1及び2において示されるように、流れ133から分離される軽質液相及び/又は重質液相はそれぞれPRCを含み、本方法には、酢酸生成物の品質を低下させるアセトアルデヒドのようなカルボニル不純物を除去することを含ませることができ、これらは、米国特許6,143,930;6,339,171;7,223,883;7,223,886;7,855,306;7,884,237;8,889,904;及び米国公開2006/0011462;(これらの全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されているような好適な不純物除去カラム及び吸収装置で除去することができる。アセトアルデヒドのようなカルボニル不純物は、ヨウ化物触媒促進剤と反応してアルキルヨウ化物、例えばヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチル、ヨウ化ペンチル、ヨウ化ヘキシル等を形成する可能性がある。また、多くの不純物はアセトアルデヒドに由来するので、液体軽質相からカルボニル不純物を除去することが望ましい。
[0063]流れ133の部分、即ちアセトアルデヒド又はPRC除去システムに供給される軽質水相及び/又は重質液相は、軽質液相及び/又は重質液相のいずれかの質量流量の1%〜99%、例えば1〜50%、2〜45%、5〜40%、5〜30%、又は5〜20%で変化させることができる。また幾つかの態様においては、軽質液相及び重質液相の両方の一部をアセトアルデヒド又はPRC除去システムに供給することができる。アセトアルデヒド又はPRC除去システムに供給されない軽質液相の部分は、本明細書に記載するように第1のカラム120に還流するか又は反応器105に再循環することができる。アセトアルデヒド又はPRC除去システムに供給されない重質液相の部分は、反応器105に再循環することができる。重質液相の一部を第1のカラムに還流することができるが、ヨウ化メチルが富化されている重質液相を反応器に戻すことがより望ましい。
[0064]軽質液相の具体的な組成は広く変化する可能性があるが、幾つかの代表的な組成を下表1に与える。
Figure 2016539078
[0065]幾つかの態様においては、第1のカラム120からのオーバーヘッドデカンターは、低い界面レベルを維持してヨウ化メチルの過剰の保持を防ぐように配置及び構成する。重質液相の具体的な組成は広く変化する可能性があるが、幾つかの代表的な組成を下表2に与える。
Figure 2016539078
[0066]用いるのに好適な蒸留カラム及び他の容器としては、通常の蒸留カラム、例えば棚段塔、充填塔などが挙げられる。棚段塔としては、多孔板カラム、バブルキャップカラム、キッテルトレーカラム、ユニフラックストレー、又はリップルトレーカラムを挙げることができる。蒸留カラムの材料は限定されず、ガラス、金属、セラミックを挙げることができ、或いは他の好適な材料を用いることができる。棚段塔に関しては、理論段数は特に限定されず、分離する成分の種類によって左右し、分離する成分によって変化させることができ、50、80段以下、例えば2〜80段、5〜60段、5〜50段、又はより好ましくは7〜35段を含ませることができる。蒸留カラムには、異なる蒸留装置の組合せを含ませることができる。例えば、バブルキャップカラムと多孔板カラムの組合せ、並びに多孔板カラムと充填カラムの組合せを用いることができる。
[0067]蒸留システムにおける蒸留温度及び圧力は、好適には、対象のカルボン酸の種類、及び蒸留カラムの種類、或いは供給流の組成にしたがってより低沸点の不純物及びより高沸点の不純物から選択される除去目標のような条件に応じて選択することができる。例えば、酢酸の精製を蒸留カラムによって行う場合には、蒸留カラムの内部圧力(通常はカラム頂部の圧力)は、ゲージ圧で0.01〜1MPa、例えば0.02〜0.7MPa、より好ましくは0.05〜0.5MPaであってよい。更に、蒸留カラムに関する蒸留温度、即ちカラム頂部の温度におけるカラムの内部温度は、カラムの内部圧力を調節することによって制御することができ、例えば20〜200℃、例えば50〜180℃、より好ましくは約100〜160℃であってよい。
[0068]それぞれ蒸留システムに連絡しているカラム、バルブ、凝縮器、受容器、ポンプ、リボイラー、及び内部部品、並びに種々のラインなどの蒸留システムに関係するそれぞれの部材又はユニットの材料は、ガラス、金属、セラミック、又はこれらの組み合わせのような好適な材料であってよく、具体的なものに特に限定されない。幾つかの態様においては、上記の蒸留システム及び種々のラインの材料は、鉄合金、例えばステンレススチール、ニッケル又はニッケル合金、ジルコニウム又はそのジルコニウム合金、チタン又はそのチタン合金、或いはアルミニウム合金のような遷移金属又は遷移金属ベースの合金である。好適な鉄ベースの合金としては、主成分として鉄を含む任意の合金、例えばステンレススチール(これは、クロム、ニッケル、モリブデンなども含む)が挙げられる。好適なニッケルベースの合金としては、主成分としてニッケル、及びクロム、鉄、コバルト、モリブデン、タングステン、マンガンなどの1以上を含むもの、例えばHASTELLOY(登録商標)及びINCONEL(登録商標)が挙げられる。耐腐食性の金属は、蒸留システム及び種々のラインのための材料として特に好適である可能性がある。
[0069]一態様においては、軽質液相及び/又は重質液相の一部を、そのオーバーヘッドをアセトアルデヒド及びヨウ化メチルを有するように富化するところの蒸留カラムに供給する。構成に応じて、2つの別々の蒸留カラムを存在させることができ、第2のカラムのオーバーヘッドをアセトアルデヒド及びヨウ化メチルで富化させることができる。in-situで形成される可能性があるジメチルエーテルも、オーバーヘッド中に存在する可能性がある。オーバーヘッドは1以上の抽出段階にかけて、ヨウ化メチルが富化されたラフィネート及び抽出剤を除去することができる。ラフィネートの一部は、蒸留カラム、第1のカラム、オーバーヘッドデカンター、及び/又は反応器に戻すことができる。例えば、重質液相をPRC除去システム内で処理する場合には、ラフィネートの一部を蒸留カラム又は反応器のいずれかに戻すことが望ましい可能性がある。また、例えば軽質液相をPRC除去システム内で処理する場合には、ラフィネートの一部を、第1のカラム、オーバーヘッドデカンター、又は反応器のいずれかに戻すことが望ましい可能性がある。幾つかの態様においては、抽出剤は更に蒸留して水を除去することができ、これは1以上の抽出段階に戻す。軽質液相よりも多くの酢酸メチル及びヨウ化メチルを含むものも、反応器105に再循環、及び/又は第1のカラム120に還流することができる。
[0070]したがって、流れ133中の凝縮された低沸点のオーバーヘッド蒸気流は水相及び有機相に分離することができ、これらの相は、反応媒体中における濃度を維持するために必要な場合には再循環又は還流することができる。また、これらの相からカルボニル不純物を除去することができる。
[0071]同様に、第2のカラム125からのオーバーヘッド流126は、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び水のような反応成分を含み、これらの反応成分はプロセス内に保持することが好ましい。オーバーヘッド流126は熱交換器によって流れ136に凝縮し、これは反応器105に再循環、及び/又は第2のカラム125に還流する。オフガス成分は、ライン135を通して、凝縮された低沸点のオーバーヘッド蒸気流126から排出することができる。流れ133中の凝縮された低沸点のオーバーヘッド蒸気流と同様に、流れ136中の凝縮されたオーバーヘッド流も水相及び有機相に分離することができ、これらの相は、反応媒体中における濃度を維持するために必要な場合には再循環又は還流することができる。
[0072]排出流、特にライン106、132、135、及び144から成分、特に反応成分を回収するために、これらのラインを、冷却したメタノール及び/又は酢酸を用いて運転されるスクラバーに供給して、酢酸メチル及びヨウ化メチルを回収することができ、これらは反応器に直接又は間接的に再循環することができる。好適なスクラバーは、米国特許8,318,977(その全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されている。
[0073]本発明による蒸留カラムは、通常の蒸留カラム、例えば棚段塔、充填塔などであってよい。蒸留カラムの材料は限定されず、ガラス、金属、セラミックを挙げることができ、或いは他の好適な材料を用いることができる。棚段塔に関しては、理論段数は分離する成分によって変化させることができ、50段以下、例えば5〜50段、又は7〜35段を含ませることができる。
保護床:
[0074]ハロゲン化物及び/又は腐食金属で汚染されているカルボン酸流、例えば酢酸流は、広範囲の運転条件下で本発明のイオン交換樹脂組成物と接触させることができる。好ましくは、イオン交換樹脂組成物は保護床内で与える。汚染されているカルボン酸流を精製するために保護床を用いることは、当該技術において、例えば米国特許4,615,806;5,653,853;5,731,252;及び6,225,498(これらの全部を参照として本明細書中に包含する)において十分に文書で記載されている。一般に、汚染されている液体カルボン酸流を、好ましくは保護床内に配置されているイオン交換樹脂組成物と接触させる。ハロゲン化物汚染物質、例えばヨウ化物汚染物質は金属と反応して金属ヨウ化物を形成する。幾つかの態様においては、ヨウ化物と会合することができる炭化水素基、例えばメチル基によってカルボン酸がエステル化される可能性がある。例えば、ヨウ化メチルで汚染されている酢酸の場合には、ヨウ化物除去の副生成物として酢酸メチルが生成する。このエステル化生成物の形成は、通常は処理されたカルボン酸流に対して有害な影響を与えない。
[0075]接触工程中の圧力は、樹脂の物理的強度のみによって制限される。一態様においては、接触は、0.1MPa〜1MPa、例えば0.1MPa〜0.8MPa、又は0.1MPa〜0.5MPaの範囲の圧力において行う。しかしながら、便宜上の理由で圧力及び温度の両方を、好ましくは汚染されているカルボン酸流が液体として処理されるように定めることができる。而して、例えば経済学的考察に基づいて一般に好ましい大気圧において運転する場合には、温度は、17℃(酢酸の凝固点)乃至118℃(酢酸の沸点)の範囲にすることができる。他のカルボン酸化合物を含む生成物流に関して同様の範囲を定めることは当業者の理解しうる範囲内である。接触工程の温度は、好ましくは樹脂の分解を最小にするように比較的低く維持する。一態様においては、接触は、25℃〜120℃、例えば25℃〜100℃、又は50℃〜100℃の範囲の温度において行う。幾つかのカチオン巨大網状樹脂は、通常は、150℃の温度において(酸触媒芳香族脱スルホン化のメカニズムによって)分解し始める。5個以下の炭素原子、例えば3個以下の炭素原子を有するカルボン酸は、これらの温度において液体状態を維持する。而して、接触中の温度は、用いる樹脂の分解温度より低く維持しなければならない。幾つかの態様においては、運転温度は、液相運転及びハロゲン化物除去に関して所望の反応速度論と合致する樹脂の温度限界より低く維持する。
[0076]酢酸精製系列内の保護床の構成は広く変化させることができる。例えば、保護床は乾燥カラムの後に配することができる。更には又は或いは、保護床は、重質留分除去カラム又は仕上げカラムの後に配することができる。好ましくは、保護床は、酢酸生成物流の温度が低く、例えば120℃未満、又は100℃未満である位置に配する。上記で議論した有利性に加えて、より低い温度における運転によって、より高い温度における運転と比べて腐食がより少なくなる。より低い温度における運転によって、腐食金属汚染物質(これは上記で議論したように全体的な樹脂の寿命を減少させる可能性がある)の形成がより少なくなる。また、より低い運転温度によって腐食がより少なくなるので、有利なことに高価な耐腐食性金属で容器を形成する必要がなく、より低いグレードの金属、例えば標準的なステンレススチールを用いることができる。
[0077]一態様においては、保護床を通る流量は、0.1床体積/時(BV/時)〜50BV/時、例えば1BV/時〜20BV/時、又は6BV/時〜10BV/時の範囲である。有機媒体の床体積は、樹脂床によって占められる体積に等しい媒体の体積である。1BV/時の流量は、樹脂床によって占められる体積に等しい量の有機液体が1時間の間で樹脂床を通過することを意味する。
[0078]全ヨウ化物濃度が高い精製された酢酸生成物によって樹脂が使い尽くされることを回避するために、一態様においては、精製された酢酸生成物の全ヨウ化物濃度が1wppm未満である場合に、塔底流127中の精製された酢酸生成物を保護床と接触させる。全ヨウ化物濃度には、有機源物質のC〜C14アルキルヨウ化物、及びヨウ化水素のような無機源物質の両方からのヨウ化物が含まれる。保護床処理の結果として、精製された酢酸組成物が得られる。精製された酢酸組成物は、一態様においては、100wppb未満、例えば90wppb未満、50wppb未満、又は25wppb未満のヨウ化物を含む。一態様においては、精製された酢酸組成物は、1000wppb未満、例えば750wppb未満、500wppb未満、又は250wppb未満の腐食金属を含む。範囲に関しては、精製された酢酸組成物は、0〜100wppb、例えば1〜50wppbのヨウ化物;及び/又は0〜1000wppb、例えば1〜500wppbの腐食金属;を含むようにすることができる。他の態様においては、保護床によって、粗酢酸生成物からヨウ化物の少なくとも25重量%、例えば少なくとも50重量%、又は少なくとも75重量%を除去する。一態様においては、保護床によって、粗酢酸生成物から腐食金属の少なくとも25重量%、例えば少なくとも50重量%、又は少なくとも75重量%を除去する。
[0079]幾つかの態様においては、酢酸を製造する方法は、反応器中にリチウム化合物を導入して、反応媒体中において0.3〜0.7重量%の量の酢酸リチウムの濃度を維持することを更に含む。幾つかの態様においては、特定量のリチウム化合物を反応器中に導入して、反応媒体中において0.1〜1.3重量%の量のヨウ化水素の濃度を維持する。幾つかの態様においては、カルボニル化反応器内に存在する反応媒体の全重量を基準として、ロジウム触媒の濃度は反応媒体中において300〜3000wppmの量に維持し、水の濃度は反応媒体中において0.1〜4.1重量%の量に維持し、酢酸メチルの濃度は反応媒体中において0.6〜4.1重量%に維持する。
[0080]幾つかの態様においては、反応器中に導入するリチウム化合物は、酢酸リチウム、カルボン酸リチウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、他の有機リチウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される。幾つかの態様においては、リチウム化合物は反応媒体中に可溶である。一態様においては、リチウム化合物の源物質として酢酸リチウム二水和物を用いることができる。
[0081]酢酸リチウムは、次の平衡反応(I):
Figure 2016539078
にしたがってヨウ化水素と反応して、ヨウ化リチウム及び酢酸を形成する。
[0082]酢酸リチウムは、反応媒体中に存在する酢酸メチルのような他のアセテートに対してヨウ化水素濃度の改良された制御を与えると考えられる。理論には縛られないが、酢酸リチウムは酢酸の共役塩基であり、したがって酸−塩基反応によってヨウ化水素に対して反応性である。この特性は、酢酸メチルとヨウ化水素の対応する平衡によって生成するものを上回って反応生成物を有利に生成する反応(I)の平衡をもたらすと考えられる。この改良された平衡は、反応媒体中の4.1重量%未満の水の濃度によって推進される。更に、酢酸メチルと比べて比較的低い酢酸リチウムの揮発性によって、酢酸リチウムを、揮発損失及び蒸気粗生成物中への少量の同伴を除いて反応媒体中に保持することが可能になる。これに対して、酢酸メチルの比較的高い揮発性により、材料が精製系列中に留出して、酢酸メチルを制御するのがより困難になる。酢酸リチウムは、ヨウ化水素の安定して低い濃度において、プロセス中に保持及び制御するのが遙かにより容易である。したがって、反応媒体中のヨウ化水素濃度を制御するのに必要な酢酸メチルの量と比べて比較的少量の酢酸リチウムを用いることができる。更に、酢酸リチウムはロジウム[I]錯体へのヨウ化メチルの酸化的付加を促進するのに酢酸メチルよりも少なくとも3倍有効であることが見出された。
[0083]幾つかの態様においては、反応媒体中の酢酸リチウムの濃度は、電位差滴定終点までの過塩素酸滴定によって測定して、0.3重量%以上、又は0.35重量%以上、又は0.4重量%以上、又は0.45重量%以上、或いは0.5重量%以上に維持し、及び/又は幾つかの態様においては、反応媒体中の酢酸リチウムの濃度は、0.7重量%以下、又は0.65重量%以下、又は0.6重量%以下、或いは0.55重量%以下に維持する。
[0084]反応媒体中の過剰の酢酸リチウムは、反応媒体中の他の化合物に悪影響を与えて生産性を減少させる可能性があることが見出された。これとは逆に、約0.3重量%より低い反応媒体中の酢酸リチウム濃度は、反応媒体中のヨウ化水素濃度に対する制御の欠落をもたらすことが見出された。
[0085]幾つかの態様においては、リチウム化合物は反応媒体中に連続的又は断続的に導入することができる。幾つかの態様においては、リチウム化合物は反応器の始動中に導入する。幾つかの態様においては、リチウム化合物は同伴損失を補償するために断続的に導入する。
[0086]カルボニル化反応器内の酢酸リチウムの促進効果を示すため、及びロジウム錯体:Li[RhI(CO)]へのヨウ化メチルの酸化的付加に対する酢酸リチウムの効果を求めるために行った一連の実験によって、反応速度に対する酢酸リチウムの促進効果が確認された。酢酸リチウム濃度の増加に相関する反応速度の直線的増加が観察された。この相関は、ヨウ化メチルとLi[RhI(CO)]との間の反応の一次促進効果を示した。これらの実験によってゼロでない阻害が更に示され、これにより、酢酸リチウムはMeI−Rh(I)の反応を起こすためには必須ではないが、酢酸リチウムは低い濃度においても相当な促進効果を与えることが確認された。
[0087]幾つかの態様においては、この方法には、生成物酢酸から酢酸ブチルを直接除去することなく、酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を10wppm以下に維持することを更に含ませることができる。幾つかの態様においては、最終酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度は、反応媒体からアセトアルデヒドを除去すること、例えば反応媒体から誘導される流れからアセトアルデヒドを除去することにより、及び/又は、反応温度、及び/又は水素分圧、及び/又は反応媒体中の金属触媒濃度を制御することによって、10ppmより低く維持することができる。幾つかの態様においては、150℃〜250℃のカルボニル化反応温度、0.3〜2気圧のカルボニル化反応器内の水素分圧、反応媒体の全重量を基準として100〜3000wppmの反応媒体中のロジウム金属触媒濃度、及び/又は1500ppm以下の反応媒体中のアセトアルデヒド濃度の1以上を制御することによって、最終酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を維持する。
[0088]幾つかの態様においては、ここに開示する方法の幾つかの態様にしたがって形成される酢酸生成物は、酢酸生成物の全重量を基準として10wppm以下、又は9wppm以下、又は8wppm以下、又は6wppm以下、或いは2wppm以下の酢酸ブチル濃度を有する。幾つかの態様においては、酢酸生成物は、酢酸ブチルを実質的に含まず、即ち0.05wppm未満の酢酸ブチル濃度であるか、或いは当該技術において公知の検出手段によって検出不能である。幾つかの態様においては、酢酸生成物はまた、250wppm未満、又は225wppm未満、或いは200wppm未満のプロピオン酸濃度を有することができる。
[0089]幾つかの態様においては、酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度は、反応媒体中のアセトアルデヒドの濃度を制御することによって制御することができる。理論に縛られることは望まないが、酢酸ブチルはアセトアルデヒドのアルドール縮合に起因する副生成物であると考えられる。本出願人は、反応媒体中のアセトアルデヒド濃度を1500wppm未満に維持することによって、最終酢酸生成物中の酢酸ブチルの濃度を10wppmより低く制御することができることを見出した。幾つかの態様においては、反応媒体中のアセトアルデヒド濃度は、反応媒体の全重量を基準として1500wppm以下、又は900wppm以下、又は500wppm以下、或いは400wppm以下に維持する。
[0090]幾つかの態様においては、酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度は、カルボニル化反応器の反応温度を150℃又は180℃以上で、250℃又は225℃以下に制御することによって制御することができ、及び/又は、カルボニル化反応器中の水素分圧は、0.3気圧、又は0.35気圧、又は0.4気圧、或いは0.5気圧以上で、2気圧、又は1.5気圧、或いは1気圧以下に制御することができる。
[0091]比較的高い水素分圧によって向上した反応速度、選択性、向上した触媒活性、及び低下した温度がもたらされるが、本出願人は、水素分圧が上昇するにつれて、酢酸ブチルなどの不純物の生成も増加することを見出した。
[0092]幾つかの態様においては、水素分圧は、一酸化炭素源物質中に存在する水素の量を変化させ、及び/又は反応器排出流を増加又は減少させてカルボニル化反応器内の所望の水素分圧を得ることによって制御することができる。
[0093]最終酢酸生成物中の酢酸ブチルの濃度に対する水素分圧及び反応媒体中のアセトアルデヒド濃度の効果を示すために、一連の実験を行った。これらの実験により、最終酢酸生成物中の減少した酢酸ブチル濃度と、反応媒体中の比較的低いアセトアルデヒド濃度、及び/又はカルボニル化反応器内の比較的低い水素分圧の間の相関が確認された。反応器内のアセトアルデヒド濃度を1500ppmより低く維持し、反応器水素分圧を0.6気圧より低く維持した実験によって、最終酢酸生成物中において10wppmより低い酢酸ブチルレベルが得られた。他の実験によって、1500wppmより低い反応器内のアセトアルデヒド濃度、及び0.46気圧の反応器水素分圧によって、最終酢酸生成物中において8wppm未満の酢酸ブチル濃度が得られたことが示された。水素分圧が0.30気圧であった同様の条件によって6wppmより低い酢酸ブチルレベルが得られ、0.60気圧の水素分圧によって最終酢酸生成物中において0.2wppmより低い酢酸ブチル濃度が得られた。しかしながら、水素分圧がそれぞれ0.4及び0.3であったが、アルデヒド除去システムが存在しておらず、反応器内のアセトアルデヒド濃度が1500wppmより高かった比較実験では、それぞれ13wppm及び16wppmの酢酸ブチルレベルを有する最終酢酸生成物が得られた。
[0094]本出願人は、最終酢酸生成物中のプロピオン酸の濃度は、酢酸生成物中の酢酸ブチルの濃度によって影響を受ける可能性があることを更に見出した。したがって、最終酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を10wppm以下に制御することによって、最終酢酸生成物中のプロピオン酸の濃度を、250wppm未満、又は225wppm未満、或いは200wppm未満に制御することができる。更に、メタノール源物質中に不純物として存在する可能性がある反応器供給流中のエタノールの含量を制御することによって、最終酢酸生成物中のプロピオン酸及び酢酸ブチル濃度を制御することもできる。幾つかの態様においては、カルボニル化反応器に供給されるメタノール中のエタノールの濃度は、150wppm以下に制御する。幾つかの態様においては、存在する場合には、反応器へのメタノール供給流中のエタノール濃度は、100wppm、又は50wppm、或いは25wppm以下である。
[0095]本出願人は、ヨウ化エチルの形成は、反応媒体中のアセトアルデヒド、酢酸エチル、酢酸メチル、及びヨウ化メチルの濃度などの数多くの変数によって影響を受ける可能性があることを更に見出した。更に、メタノール源物質中のエタノール含量、一酸化炭素源物質中の水素分圧及び水素含量は、反応媒体中のヨウ化エチル濃度、及びその結果として最終酢酸生成物中のプロピオン酸濃度に影響を与えることが見出された。
[0096]幾つかの態様においては、反応媒体中のヨウ化エチルの濃度は、750wppm以下、又は650wppm以下、又は550wppm以下、又は450wppm以下、或いは350wppm以下になるように維持/制御する。別の態様においては、反応媒体中のヨウ化エチルの濃度は、1wppm、又は5wppm、又は10wppm、又は20wppm、或いは25wppm以上で、650wppm、又は550wppm、又は450wppm、或いは350wppm以下に維持/制御する。
[0097]幾つかの態様においては、酢酸生成物中のプロピオン酸濃度は、更に、反応媒体中のヨウ化エチル濃度を750wppm以下に維持することによって、酢酸生成物からプロピオン酸を除去することなく、250wppmより低く維持することができる。
[0098]幾つかの態様においては、反応媒体中のヨウ化エチル濃度と酢酸生成物中のプロピオン酸は、3:1〜1:2、又は5:2〜1:2、或いは2:1〜1:2の重量比で存在していてよい。幾つかの態様においては、反応媒体中のアセトアルデヒド:ヨウ化エチル濃度は、2:1〜20:1、又は15:1〜2:1、或いは9:1〜2:1の重量比に維持する。
[0099]幾つかの態様においては、反応媒体中のヨウ化エチル濃度は、水素分圧、反応媒体中の酢酸メチル濃度、ヨウ化メチル濃度、及び/又はアセトアルデヒド濃度の少なくとも1つを制御することによって維持することができる。
[00100]エチルの形成に対するアセトアルデヒド及び他の反応条件の効果を求めるために行った一連の実験によって、反応媒体中のアセトアルデヒド濃度とヨウ化エチル濃度との間の関係、及びヨウ化エチルの反応器濃度と最終酢酸生成物中のプロピオン酸の濃度との間の関係が示された。一般に、反応媒体中において750wppm未満のヨウ化エチル濃度及び1500wppm未満のアセトアルデヒド濃度によって、酢酸生成物中における250wppm未満のプロピオン酸濃度が得られた。
[0001]図面及び上記に示した明細書から明らかなように、種々の態様が意図される。
E1.反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、酢酸メチル、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の反応物質を、0.1〜14重量%の水、金属触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化物塩の存在下でカルボニル化して反応媒体を形成し;
反応媒体を、液体再循環流と、酢酸、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び水を含む蒸気生成物流とに分離し;
蒸気生成物流の第1の部分を凝縮して液体流を形成し;蒸気生成物流の第2の部分を第1のカラムに供給し;
液体流の少なくとも一部を第1のカラムに供給し;そして
酢酸生成物を含む側流を第1のカラムから排出する;
ことを含む、酢酸の製造方法。
E2.蒸気生成物流の1〜50重量%を凝縮して液体流を形成し、蒸気生成物流の50〜99重量%を第1のカラムに供給する、態様1の方法。
E3.液体流の少なくとも10重量%を第1のカラムに供給する、態様E1又はE2の方法。
E4.酢酸生成物を含む側流を第2のカラムに供給して、酢酸精製生成物を得る;
ことを更に含む、態様E1〜E3のいずれかの方法。
E5.液体流の少なくとも一部を第2のカラム中に導入する、態様E4の方法。
E6.反応媒体を、1〜25重量%のヨウ化物塩、1〜25重量%のヨウ化メチル、0.5〜30重量%の酢酸メチル、及び0.1〜14重量%の水の濃度に維持しながら反応を行う、態様E1〜E5のいずれかの方法。
E7.反応器が冷却ユニットを更に含む、態様E1〜E6のいずれかの方法。
E8.液体流が65〜95重量%の酢酸を含む、態様E1〜E7のいずれかの方法。
E9.液体流が、蒸気生成物流の第2の部分と比べて酢酸が富化されている、態様E1〜E8のいずれかの方法。
E10.液体流を、蒸気生成物流の第2の部分の供給口よりも上方で第1のカラムに供給する、態様E1〜E9のいずれかの方法。
E11.液体流を、酢酸生成物を含む側流を第1のカラムから排出する位置よりも下方で第1のカラムに供給する、態様E1〜E10のいずれかの方法。
E12.反応器における一酸化炭素効率を90%より高く維持する、態様E1〜E11のいずれかの方法。
E13.反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、酢酸メチル、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の反応物質を、0.1〜14重量%の水、金属触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化物塩の存在下でカルボニル化して反応媒体を形成し;
反応媒体を、場合によっては上部スクラビングセクションを有するフラッシュ容器内で、液体再循環流と、酢酸、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び水を含む蒸気生成物流とに分離し;
蒸気生成物流の第1の部分を凝縮して液体生成物流を形成し;蒸気生成物流の第2の部分を第1のカラムに供給し;
酢酸生成物を含む側流を第1のカラムから排出し;
側流を第2のカラムに供給し;
液体生成物流の少なくとも一部を第2のカラムに供給し;そして
第2のカラムから酢酸精製生成物を得る;
ことを含む、酢酸の製造方法。
E14.蒸気生成物流の1〜50重量%を凝縮して液体流を形成し、蒸気生成物流の50〜99重量%を第2の部分として第1のカラムに供給する、態様E13の方法。
E15.液体流の少なくとも10重量%を第2のカラムに供給する、態様E13又はE14の方法。
E16.液体流の少なくとも一部を第1のカラム中に導入する、態様E13〜E15のいずれかの方法。
E17.第1のカラムからの塔底流、第2のカラムからの塔底流、第2のカラムからのオーバーヘッド流、又はこれらの組み合わせを、蒸気生成物流中に同伴されている触媒の少なくとも一部を除去するのに十分な量で上部スクラバーセクション中に送ることを更に含む、態様E13〜E16のいずれかの方法。
E18.液体流が65〜95重量%の酢酸を含む、態様E13〜E17のいずれかの方法。
E19.液体流が、側流中の量に等しいか又はそれよりも多い量の酢酸を含む、態様E13〜E18のいずれかの方法。
E20.液体流を、側流の供給口よりも上方で第2のカラムに供給する、態様E13〜E19のいずれかの方法。
E21.反応媒体中の水濃度を、存在する反応媒体の全量を基準として0.1〜5重量%に制御する、態様E1〜E20のいずれかの方法。
E22.酢酸リチウム、カルボン酸リチウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、及びこれらの混合物からなる群から選択されるリチウム化合物を反応器中に導入して、反応媒体中において0.3〜0.7重量%の酢酸リチウムの濃度を維持することを更に含む、態様E1〜E21のいずれかの方法。
E23.反応媒体中において0.1〜1.3重量%のヨウ化水素濃度を維持し;
反応媒体中において300〜3000wppmのロジウム触媒濃度を維持し;
反応媒体中において0.1〜4.1重量%の水濃度を維持し;
反応媒体中において0.6〜4.1重量%の酢酸メチル濃度を維持し;
或いはこれらの組合せを行う;
ことを更に含む、態様E22の方法。
E24.酢酸生成物から酢酸ブチルを直接除去することなく、酢酸生成物中の酢酸ブチル濃度を10wppm以下に制御することを更に含む、態様E1〜E23のいずれかの方法。
E25.反応媒体中において1500ppm以下のアセトアルデヒド濃度を維持することによって酢酸ブチル濃度を制御する、態様E24の方法。
E26.反応器内の温度を150℃〜250℃に制御することによって酢酸ブチル濃度を制御する、態様E24又はE25の方法。
E27.反応器内の水素分圧を0.3〜2気圧に制御することによって酢酸ブチル濃度を制御する、態様E25〜E26のいずれかの方法。
E28.反応媒体中において100〜3000wppmのロジウム触媒濃度を制御することによって酢酸ブチル濃度を制御する、態様E24〜E27のいずれかの方法。
E29.反応媒体中のヨウ化エチル濃度を750wppm以下に制御することを更に含む、態様E1〜E28のいずれかの方法。
E30.生成物酢酸からプロピオン酸を直接除去することなく、生成物酢酸中のプロピオン酸濃度が250wppm未満である、態様E29の方法。
E31.反応媒体中のヨウ化エチルと酢酸生成物中のプロピオン酸が3:1〜1:2の重量比で存在する、態様E29又はE30の方法。
E32.アセトアルデヒドとヨウ化エチルが、2:1〜20:1の重量比で反応媒体中に存在する、態様E29〜E31のいずれかの方法。
E33.反応器中へのメタノール供給流中のエタノールの濃度が150wppm未満、或いはこれらの組み合わせである、態様E29〜E32のいずれかの方法。
E34.カルボニル化反応器中の水素分圧、反応媒体中の酢酸メチル濃度、及び反応媒体中のヨウ化メチル濃度の少なくとも1つを調節することによって、反応媒体中のヨウ化エチル濃度を制御する、態様E29〜E33のいずれかの方法。
[00101]本発明を詳細に記載したが、発明の精神及び範囲内の修正は当業者に容易に明らかになるであろう。上記の議論、当該技術における関連する知識、並びに背景及び詳細な説明に関連して上記で議論した参照文献(これらの開示事項は全て参照として本明細書中に包含する)を考慮すると。更に、下記及び/又は添付の特許請求の範囲において示されている本発明の複数の形態並びに種々の態様及び種々の特徴の複数の部分を、完全か又は部分的に結合又は交換することができることを理解すべきである。当業者に認められるように、種々の態様の上記の記載においては他の態様を示すこれらの態様を他の態様と適当に組み合わせることができる。更に、当業者であれば、上記の記載は例示のみの目的であり、本発明を限定することは意図しないことを認識するであろう。

Claims (20)

  1. 酢酸の製造方法であって、
    反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、酢酸メチル、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の反応物質を、0.1〜14重量%の水、金属触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化物塩の存在下でカルボニル化して反応媒体を形成し;
    該反応媒体を、液体再循環流と、酢酸、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び水を含む蒸気生成物流とに分離し;
    該蒸気生成物流の第1の部分を凝縮して液体流を形成し;該蒸気生成物流の第2の部分を第1のカラムに供給し;
    該液体流の少なくとも一部を該第1のカラムに供給し;そして
    酢酸生成物を含む側流を該第1のカラムから排出する;
    ことを含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、該蒸気生成物流の1〜50重量%を凝縮して該液体流を形成し、該蒸気生成物流の50〜99重量%を該第1のカラムに供給する方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、該液体流の少なくとも10重量%を該第1のカラムに供給する方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、該酢酸生成物を含む該側流を第2のカラムに供給して、酢酸精製生成物を得ることを更に含む方法。
  5. 請求項4に記載の方法であって、該液体流の少なくとも一部を該第2のカラム中に導入する方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、該反応媒体を、1〜25重量%のヨウ化物塩、1〜25重量%のヨウ化メチル、0.5〜30重量%の酢酸メチル、及び0.1〜14重量%の水の濃度に維持しながら該反応を行う方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、該反応器が冷却ユニットを更に含む方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、該液体流が65〜95重量%の酢酸を含む方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、該液体流が、該蒸気生成物流の該第2の部分と比べて酢酸が富化されている方法。
  10. 請求項1に記載の方法であって、該液体流を、該蒸気生成物流の該第2の部分の供給口よりも上方で該第1のカラムに供給する方法。
  11. 請求項10に記載の方法であって、該液体流を、該酢酸生成物を含む該側流が該第1のカラムから排出される位置よりも下方で該第1のカラムに供給する方法。
  12. 請求項1に記載の方法であって、該反応器における一酸化炭素効率を90%より高く維持する方法。
  13. 酢酸の製造方法であって、
    反応器内において、メタノール、ジメチルエーテル、酢酸メチル、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種類の反応物質を、0.1〜14重量%の水、金属触媒、ヨウ化メチル、及びヨウ化物塩の存在下でカルボニル化して反応媒体を形成し;
    該反応媒体を、場合によっては上部スクラビングセクションを有するフラッシュ容器内で、液体再循環流と、酢酸、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び水を含む蒸気生成物流とに分離し;
    該蒸気生成物流の第1の部分を凝縮して液体生成物流を形成し;該蒸気生成物流の第2の部分を第1のカラムに供給し;
    酢酸生成物を含む側流を該第1のカラムから排出し;
    該側流を第2のカラムに供給し;
    該液体生成物流の少なくとも一部を該第2のカラムに供給し;そして
    該第2のカラムから酢酸精製生成物を得る;
    ことを含む方法。
  14. 請求項13に記載の方法であって、該蒸気生成物流の1〜50重量%を凝縮して該液体流を形成し、該蒸気生成物流の50〜99重量%を該第2の部分として該第1のカラムに供給する方法。
  15. 請求項13に記載の方法であって、該液体流の少なくとも10重量%を該第2のカラムに供給する方法。
  16. 請求項13に記載の方法であって、該液体流の少なくとも一部を該第1のカラム中に導入する方法。
  17. 請求項13に記載の方法であって、該第1のカラムからの塔底流、該第2のカラムからの塔底流、該第2のカラムからのオーバーヘッド流、又はこれらの組み合わせを、該蒸気生成物流中に同伴されている触媒の少なくとも一部を除去するのに十分な量で該上部スクラバーセクション中に送ることを更に含む方法。
  18. 請求項13に記載の方法であって、該液体流が65〜95重量%の酢酸を含む方法。
  19. 請求項13に記載の方法であって、該液体流が、該側流中の量に等しいか又はそれよりも多い量の酢酸を含む方法。
  20. 請求項13に記載の方法であって、該液体流を、該側流の供給口よりも上方で該第2のカラムに供給する方法。
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