実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
なお、本明細書で説明する各図において、各構成の大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。
なお、本明細書等における「第1」、「第2」等の序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様のタッチパネルの構成例について説明する。以下では特に、本発明の一態様のタッチパネルとして、静電容量方式のタッチセンサを適用した場合の例について説明する。
静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。投影型静電容量方式としては、自己容量方式、相互容量方式などがある。相互容量方式を用いると、同時多点検出が可能となるため好ましい。
本発明の一態様のタッチパネルに適用できるタッチセンサは、一対の導電層を備える。一対の導電層の間には容量結合が生じている。一対の導電層に被検知体が触れる、または近接することにより一対の導電層間の容量値の大きさが変化することを利用して、検知を行うことができる。
本発明の一態様のタッチパネルは、マトリクス状に配置された画素と、複数の信号線と、複数の走査線と、を有する。画素は画素電極を有している。信号線と走査線とは互いに交差する向きに延在して設けられている。ここで信号線が延在する方向を第1の方向またはX方向と呼ぶこととし、走査線が延在する方向を第2の方向またはY方向と呼ぶこととする。第1の方向と第2の方向とは交差する方向であればよいが、直交することがより好ましい。
さらに本発明の一態様のタッチパネルは、第1の方向に延在する複数の第1の配線と、第2の方向に延在する複数の第2の配線と、を有する。第1の配線及び第2の配線の一部は、それぞれタッチセンサを構成する一対の電極として機能する。すなわち、第1の配線と第2の配線の間には容量結合が生じている。
ここで、本明細書等において、層、配線、その他構造物等がある方向に延在する、とは、当該方向に延びるように当該層、配線、その他構造物等が配置されていることを意味する。なお、当該層、配線、その他構造物等を俯瞰して見たときに、当該方向に長く延びた形状を有していればよく、当該層、配線、その他構造物等が部分的に、当該方向とは異なる方向に延びた部分を有していてもよい。
また、第1の配線及び第2の配線は、それぞれ平面視において、隣接する2つの画素電極間に位置するように配置することができる。なおこのとき、第1の配線及び第2の配線の一部が、画素電極と重なる部分を有していてもよい。
またこのとき、タッチセンサを構成する一対の配線が、表示素子からの光の光路を避けて配置されているため、原理的にモアレが生じないという効果を奏する。ここでモアレとは、2以上の周期性を有するパターンを重ねたときに生じる干渉縞のことをいう。そのため、極めて表示品位の高いタッチパネルを実現することができる。
また、タッチセンサを構成する一対の配線よりも表示面側に、遮光層、または円偏光板を備える構成とすることが好ましい。こうすることで、当該一対の配線による外光の反射を抑制する、または防ぐことができ、当該一対の配線が使用者に視認されてしまうことを防止することができる。
第1の配線及び第2の配線の一つの例としては、それぞれ第1の方向または第2の方向にストライプ状に延在した形状を有する構成とすることができる。このとき、複数の第1の配線のうちのいくつかが、画像を表示する表示部よりも外側の領域で電気的に接続され、グループを構成することができる。同様に複数の第2の配線のうちのいくつかが表示部よりも外側の領域で電気的に接続され、グループを構成することができる。このような構成とすることで、第1の配線及び第2の配線における検出に寄与する面積を増大し、検出感度を高めることができる。
第1の配線及び第2の配線の他の例としては、それぞれが第1の方向及び第2の方向に平行な部分を有するメッシュ状の形状とすることができる。このとき、平面視においてメッシュの開口に一以上の画素電極が含まれる構成とすることができる。第1の配線及び第2の配線をメッシュ状の形状とすることで、これらの延在方向に対する導電性を高めることができるため、信号の遅延が抑制され、検出感度を高めることができる。
ここで、第1の配線及び第2の配線は、タッチパネルの画素や表示素子、駆動回路等を構成する配線、電極、半導体、などと同一の膜を加工して形成されていることが好ましい。こうすることで、タッチセンサとしての機能を付加するための特別な工程を増やすことなく、タッチパネルを作製することができるため、製造コストを低減することができる。
代表的には、例えば第1の配線及び第2の配線を、上述したようなストライプ状の形状とする場合には、第1の配線を信号線と同一の導電膜を加工して形成し、第2の配線を走査線と同一の導電膜を加工して形成することができる。こうすることで、第1の配線と第2の配線とは、異なる絶縁層上に形成することが可能なため、特別な工夫をすることなく、第1の配線と第2の配線とを交差させることが可能となる。またこのとき、第1の配線と走査線とは異なる絶縁層上に形成され、第2の配線と信号線とは異なる絶縁層上に形成されるため、第1の配線と走査線、また第2の配線と信号線は、特別な工夫をすることなくこれらを交差させることができる。
また、例えば第1の配線及び第2の配線を、上述したメッシュ状の形状とする場合には、これらの第1の方向に平行な部分には信号線と同一の導電膜を加工して形成し、第2の方向に平行な部分には、走査線と同一の導電膜を加工して形成し、これら2つの部分を導通させることによりメッシュ状の形状を形成することができる。こうすることで、第1の配線、第2の配線、信号線、及び走査線のうちの任意の2つを、特別な工夫をすることなく交差させることができる。
なお、第1の配線及び第2の配線の構成はこれに限られない。他の例については、後述する。
第1の配線及び第2の配線を、タッチパネルの画素や表示素子、駆動回路等を構成する配線、電極、半導体層などと同一の膜を加工して形成する場合、第1の配線及び第2の配線が形成される基板(第1の基板、素子基板ともいう)側をタッチ面とすると、第1の配線及び第2の配線とタッチ面との距離を近くでき、より高い感度を得られるため好ましい。このとき、タッチパネルの第1の基板側が表示面となる。例えば表示素子として透過型の液晶表示装置を用いた場合、第1の基板と対向して設けられ、液晶を封止する基板(第2の基板、対向基板ともいう)よりも外側に、偏光板及びバックライトを配置し、第1の基板よりも外側に偏光板を配置した構成とすることができる。また、例えば表示素子としてボトムエミッション(下面発光)型の発光素子を用いることができる。
以下では、本発明の一態様のより具体的な構成例について、図面を参照して説明する。
[構成例]
図1(A)は、本発明の一態様のタッチパネルモジュール10の斜視概略図である。タッチパネルモジュール10は、基板21と、基板31とが貼り合わされた構成を有する。
図1(B)は、基板21の構成を示し、基板31を破線で示している。基板21には複数の画素回路を有する表示部32と、回路34と、配線35等が設けられている。また基板31上にIC43と、FPC42が実装されている例を示している。
図1(B)には、表示部32の一部の拡大図を示している。表示部32には、X方向に延在する複数の信号線51と、Y方向に延在する複数の走査線52と、X方向及びY方向にマトリクス状に配列した複数の画素電極36と、を有する。また、表示部32には、X方向に延在する複数の配線23と、Y方向に延在する複数の配線24が設けられている。配線23は信号線51と平行な部分を有し、配線24は走査線52と平行な部分を有する。
配線23と配線24は、それぞれタッチセンサを構成する一対の電極としての機能を有する。
このように、本発明の一態様のタッチパネルモジュール10は、タッチセンサの電極として機能する一対の配線を、画素電極36や信号線51、走査線52などと同一の基板上に設けた構成を有する。したがって画像の表示に関わる画素電極36や信号線51、走査線52などと共通の工程を経てタッチセンサの一対の配線を形成できるため製造コストを低減できる。
配線23と配線24には容量結合が生じる。例えば投影型相互容量方式の駆動方法を用いる場合には、配線23と配線24のうち一方を送信側の配線(電極)として、他方を受信側の配線(電極)として用いることができる。一方、投影型自己容量方式の駆動方法を用いる場合には、配線23と配線24がそれぞれ、送信用の配線と受信用の配線の両方の機能を兼ねる構成とすることができる。
配線23及び配線24は、例えば信号線51、走査線52、画素電極36、または表示部32に設けられる他の配線、電極、半導体などと、同一の膜を加工して形成することが好ましい。
また、配線23及び配線24に用いることのできる材料として、例えば、抵抗値が低いものが望ましい。一例として、銀、銅、アルミニウムなどの金属を用いてもよい。さらに、非常に細くした(例えば、直径が数ナノメートル)多数の導電体を用いて構成されるような金属ナノワイヤを用いてもよい。一例としては、Agナノワイヤ、Cuナノワイヤ、Alナノワイヤなどを用いてもよい。Agナノワイヤの場合、例えば光透過率は89%以上、シート抵抗値は40Ω/□以上100Ω/□以下を実現することができる。なお、このような金属ナノワイヤは透過率が高いため、表示素子に用いる電極、例えば、画素電極や共通電極に、当該金属ナノワイヤを用いてもよい。
または、配線23及び配線24のうち、少なくとも一つに導電性酸化物を用いることもできる。例えば酸化インジウム、酸化錫または酸化亜鉛を含む導電性材料を用いてもよい。また、配線23または配線24に可視光を透過する材料を用いた場合、当該配線と表示素子とが重なるように配置し、表示素子からの光が当該配線を介して射出される構成としてもよい。すなわち、可視光を透過する材料を用いた場合では、当該配線は画素電極36と重ねて配置されていてもよい。
表示部32には、画素電極36を電極として用いた表示素子を適用することができる。ここで、表示素子としては透過型の液晶表示素子や、有機EL素子などの発光素子を好適に用いることができる。
なお、表示素子はこれに限られず、様々な素子を適用することができる。例えば反射型または半透過型の液晶素子、電気泳動方式や電子粉流体(登録商標)方式などにより表示を行う表示素子(電子インクともいう)、シャッター方式のMEMS表示素子、光干渉方式のMEMS表示素子等が挙げられる。また表示部32に含まれる画素は、表示素子に加えて画素回路を有していてもよい。画素回路は、例えばトランジスタや容量素子、及びこれらを電気的に接続する配線などを有していてもよい。
[断面構成例1]
図2(A)は、表示部32の一部の断面概略図である。図2(A)には、1つの画素と、配線23及び配線24の例を示している。ここでは、画素に設けられる表示素子として、液晶素子を適用した場合の例を示している。
なおここでは図示しないが、タッチパネルモジュール10は、基板21と基板31とが周辺部において接着層等で貼り合わされている。また基板21と基板31との間に液晶37が封止されている。
表示部32において、基板21上にはトランジスタ70、画素電極36、配線23及び配線24等が設けられている。また基板31の基板21と対向する面側には、着色層65、遮光層66、及び共通電極38等が設けられている。
トランジスタ70は、ゲートとして機能する導電層71、半導体層72、ゲート絶縁層として機能する絶縁層73、ソース又はドレインの一方として機能する導電層74a、ソース又はドレインの他方として機能する導電層74b等を有する。
ここで一例としては、導電層74aは信号線51の一部であり、導電層71は走査線52の一部である。
またトランジスタ70を覆って絶縁層81が設けられ、絶縁層81上に画素電極36が設けられている。画素電極36は、絶縁層81の開口を介して導電層74bと電気的に接続している。画素電極36、共通電極38、及びこれらに挟持された液晶37により、液晶素子60が構成されている。図2(A)では、液晶素子60はVA(Vertical Alignment)モードが適用された透過型の液晶素子である。
ここでは、液晶素子60として、タッチパネルモジュール10の厚さ方向に一対の電極を配置し、液晶37に対して厚さ方向に電界をかける方式を示している。なお電極の配置方法としてはこれに限られず、厚さ方向に垂直な方向に電界をかける方式を適用してもよい。
タッチパネルモジュール10にノーマリーブラック型の液晶表示装置、例えば垂直配向(VA)モードを採用した透過型の液晶表示装置を適用することができる。垂直配向モードとしては、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASV(Advanced Super View)モードなどを用いることができる。
また、液晶素子60には、様々なモードが適用された液晶素子を用いることができる。例えばVAモードのほかに、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード等が適用された液晶素子を用いることができる。
なお、液晶素子は、液晶の光学的変調作用によって光の透過または非透過を制御する素子である。なお、液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界又は斜め方向の電界を含む)によって制御される。なお、液晶素子に用いる液晶としては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
また、液晶材料としては、ポジ型の液晶、またはネガ型の液晶のいずれを用いてもよく、適用するモードや設計に応じて最適な液晶材料を用いればよい。
図2(A)では、配線24と導電層71とが同一の導電膜を加工して形成され、同一面上に配置された例を示している。また配線23、導電層74a及び導電層74bが同一の導電膜を加工して形成され、これらが同一面上に配置された例を示している。ここで配線23は絶縁層73上に形成され、配線24は絶縁性の基板21上に形成されている。配線23と配線24の間に絶縁層73が設けられているため、特別な工夫をすることなく、これらを交差させることができる。
図2(A)に示すように配線23と配線24との間に容量結合が生じる。例えば投影型静電容量方式の駆動方法を用いる場合には、配線23と配線24のうち一方を送信側の電極として、他方を受信側の電極として用いることができる。
基板21及び基板31を挟むように、偏光板61と偏光板62が設けられている。また偏光板62よりも外側に、バックライト63が設けられている。したがって図2(A)に示す矢印の向きにバックライトからの光が進むため、基板21側が表示面側となる。
バックライト63としては、直下型のバックライトであってもよいし、エッジライト型のバックライトであってもよい。LED(Light Emitting Diode)を備える直下型のバックライトを用いると、ローカルディミングが容易となり、コントラストを高めることができるため好ましい。また、エッジライト型のバックライトを用いると、バックライトを含めたタッチパネルモジュールの厚さを低減できるため好ましい。
ここで、表示面側に位置する偏光板61として直線偏光板を用いてもよいが、円偏光板を用いることもできる。円偏光板としては、例えば直線偏光板と1/4波長位相差板を積層したものを用いることができる。特に図2に示すように、基板21側にタッチセンサを構成する配線23及び配線24を配置した場合、当該配線が外光を反射し、その反射光が視認されてしまう場合がある。このとき、偏光板61に円偏光板を用いることで、反射を抑制することができる。
なお、偏光板61として円偏光板を用いた場合、偏光板62にも円偏光板を用いてもよいし、通常の直線偏光板を用いることもできる。偏光板61、偏光板62に適用する偏光板の種類に応じて、液晶素子60のセルギャップ、配向、駆動電圧等を調整することで、所望のコントラストが実現されるようにすればよい。
着色層65は、カラーフィルタとも呼ぶことができ、バックライト63の光を特定の色を呈する光に変換する。例えば、着色層として画素(副画素)ごとに赤色、緑色、青色に対応した着色層65を適用することにより、フルカラーの表示を行うことができる。なおこれら3色に加えて黄色、白色などの色に対応した画素(副画素)を設けると、消費電力を低減できるため好ましい。
液晶素子60として透過型の液晶素子を適用する場合には、画素電極36及び共通電極38に透光性を有する導電膜を用いることができる。また反射型の液晶素子とする場合には、画素電極36または共通電極38に光反射性を有する材料を用いることができる。
図2(A)における液晶素子60において、画素電極36及び共通電極38は可視光を透過する機能を有する。このような構成により、液晶素子60を透過型の液晶素子とすることができる。例えばバックライト63を基板31側に配置した場合、偏光板62により偏光されたバックライト63からの光は、基板31、共通電極38、液晶37、画素電極36、基板21等を透過し偏光板61に達する。このとき、画素電極36と共通電極38の間に与える電圧によって液晶37の配向を制御し、光の光学変調を制御することができる。すなわち、偏光板61を介して射出される光の強度を制御することができる。また入射される光は着色層65によって特定の波長領域以外の光が吸収されることにより、取り出される光は特定の波長領域にピークを有する光となる。例えば偏光板61を介して射出される光は、赤色、緑色、または青色を呈する光となる。
図2(A)に示すように、トランジスタ70は遮光層66と重ねて配置されていることが好ましい。そうすることで、バックライト63からの光がトランジスタ70の半導体層72に照射されることが抑制できるため、信頼性を高めることができる。また、配線23、及び配線24は遮光層66と重ねて配置されていることが好ましい。そうすることで、配線23や配線24によりバックライト63からの光が乱反射することが抑制できるため、表示される画像や映像のコントラストを向上させることができる。
図2(B)は、配線23及び配線24の両方を、導電層74aや導電層74bと同一の導電膜を加工して形成した例である。このとき、配線23と配線24の交差部では、導電層71や画素電極36等と同一の導電膜を加工した導電層を用いて、ブリッジ構造を形成してこれらを交差させればよい。例えば、当該導電層を配線23及び配線24の一方と重ねて配置し、且つ配線23及び配線24の他方と電気的に接続すればよい。
図2(C)では、配線23及び配線24の両方を、導電層71と同一の導電膜を加工して形成した例である。このとき、配線23と配線24の交差部では、導電層74a、または画素電極36等と同一の導電膜を加工した導電層を用いて、上記と同様にブリッジ構造を形成すればよい。
なお図2(A)、(B)、(C)では、トランジスタ70としてボトムゲート構造のトランジスタを適用したが、トップゲート構造のトランジスタを適用してもよい。
図3(A)は、トランジスタ70にトップゲート構造のトランジスタを適用した例を示している。
図3(A)に示すトランジスタ70は、半導体層72と、半導体層72を覆う絶縁層73と、半導体層72の一部と重なる導電層71と、を有する。また半導体層72は、チャネルが形成される領域(導電層71と重なる領域)を挟む一対の低抵抗領域75を有する。低抵抗領域75の一方はソースとして機能し、他方がドレインとして機能する。導電層74a及び導電層74bはそれぞれ、絶縁層81に設けられた開口を介して低抵抗領域75のいずれか一方と電気的に接続する。
また図3(A)において、導電層74a及び導電層74bを覆って絶縁層82が設けられ、絶縁層82上に画素電極36が設けられている。画素電極36は、絶縁層82に設けられた開口を介して導電層74bと電気的に接続している。
図3(A)は、配線23を導電層74a及び導電層74bと同一の導電膜を加工して形成し、配線24を導電層71と同一の導電膜を加工して形成した例である。配線23は絶縁層81上に位置し、配線24は絶縁層73上に位置している。
図3(B)は、配線23と配線24の両方を導電層71と同一の導電膜を加工して形成した場合の例を示している。また図3(C)は、配線23と配線24の両方を導電層74a及び導電層74bと同一の導電膜を加工して形成した場合の例を示している。
なお図2及び図3の各図において、基板21側を表示面側とする例を示しているが、基板31側を表示面側とすることもできる。その場合、バックライト63を偏光板61よりも外側に配置すればよい。またこのとき、表示面側に位置する偏光板61に円偏光板を用いる、または偏光板61に加えて円偏光板を設けてもよい。
ここでは、基板31よりも外側にバックライト63を配置し、基板21側をタッチパネルの表示面及びタッチ面として用いる場合の例を示している。特に配線23及び配線24が支持される基板21側をタッチパネルのタッチ面とすることで、被検知体と配線23または配線24との物理的な距離を小さくできるため、タッチセンサの検知感度を高めることができる。ただし、本発明の一態様はこれに限られず、バックライト63を基板21よりも外側に配置して基板31側をタッチパネルの表示面及びタッチ面とすることもできる。
以上が断面構成例1についての説明である。
[断面構成例2]
以下では、画素に設けられる表示素子として、ボトムエミッション型の有機EL素子を適用した場合の例を示す。なお、上記と重複する部分は説明を省略する場合がある。
図4(A)は、表示部32の一部の断面概略図である。図4(A)には、1つの画素と、配線23及び配線24の例を示している。表示部32において、基板21側が表示面側となる。
タッチパネルモジュール10は、基板21と基板31とが接着層68で貼り合わされている。
またトランジスタ70を覆って絶縁層81が設けられ、絶縁層81上に画素電極36が設けられている。画素電極36は、絶縁層81の開口を介して導電層74bと電気的に接続している。また絶縁層81上に絶縁層83が設けられている。絶縁層83は画素電極36と重なる開口を有する。絶縁層83の一部は画素電極36の端部を覆って設けられている。絶縁層83及び画素電極36上に、EL層47、共通電極48が順に積層されている。画素電極36、共通電極48及びこれらに挟持されたEL層47により、発光素子40が構成されている。
図4(A)に示す発光素子40は、発光素子40が支持される基板21側に光を発するボトムエミッション型の発光素子である。したがって、発光素子40が有する一対の電極のうち、基板21側に設けられる画素電極36は可視光を透過する機能を有し、基板31側に設けられる共通電極48は可視光を反射する機能を有する。
また図4(A)に示す構成では、発光素子40よりも基板21側に着色層65が設けられている。
着色層65は、発光素子40からの光を特定の色を呈する光に変換する。例えば、発光素子40に白色光を呈する発光素子を適用した場合、着色層として画素(副画素)ごとに赤色、緑色、青色に対応した着色層65を適用することにより、フルカラーの表示を行うことができる。なおこれら3色に加えて黄色、白色などの色に対応した画素(副画素)を設けると、消費電力を低減できるため好ましい。
なお発光素子40の構成はこれに限られず、トップエミッション(上面発光)型の発光素子、またはデュアルエミッション(両面発光)型の発光素子を適用することもできる。また、発光素子40のEL層47を画素(副画素)ごとに作り分けることにより、異なる色の発光を呈する発光素子40を画素(副画素)ごとに作り分けてもよい。その場合には、着色層65を設けなくてもよい。
ここで図4(A)では基板21よりも外側、すなわち表示面側に偏光板61を設ける例を示している。偏光板61としては、円偏光板を好適に用いることができる。偏光板61に円偏光板を用いることで、配線23や配線24等の反射を抑制することができる。
図4(B)は、配線23及び配線24の両方を、導電層74aや導電層74bと同一の導電膜を加工して形成した例である。また図4(C)では、配線23及び配線24の両方を、導電層71と同一の導電膜を加工して形成した例である。
図5(A)は、トランジスタ70にトップゲート構造のトランジスタを適用した例を示している。図5(B)は、配線23と配線24の両方を導電層74a及び導電層74bと同一の導電膜を加工して形成した場合の例を示している。また図5(C)は、配線23と配線24の両方を導電層71と同一の導電膜を加工して形成した場合の例を示している。
ここでは、発光素子40としてボトムエミッション型の発光素子を適用し、基板21側をタッチパネルの表示面及びタッチ面として用いる場合の例を示している。特に配線23及び配線24が支持される基板21側をタッチパネルのタッチ面とすることで、被検知体と配線23または配線24との物理的な距離を小さくできるため、タッチセンサの検知感度を高めることができる。ただし、本発明の一態様はこれに限られず、発光素子40としてトップエミッション型の発光素子、またはデュアルエミッション型の発光素子を適用し、基板31側をタッチパネルの表示面及びタッチ面とすることもできる。
[配線の形状について]
〔配線形状例1〕
図6(A)は、配線23及び配線24の上面形状の例を示している。配線23はX方向に延在し、配線24はY方向に延在している。配線23の一つは、表示部32と重なる領域において、X方向に延びる複数のストライプ状の部分を有し、このストライプ状の部分が、表示部32よりも外側の領域で接続されている。
このような構成とすることで、表示部32と重なる部分において、配線23はX方向に、配線24はY方向にそれぞれ概略平行な部分のみで構成することができる。またこのとき、配線23をX方向に延在する信号線51(図示しない)と交差しないように配置することができるため、これらを同一の導電膜を加工して同時に形成することが可能となる。同様に、配線24をY方向に延在する走査線52(図示しない)と交差しないように配置し、これらを同一の導電膜で形成することが可能となる。
ここで、図6(B)に示すように、隣接する配線23の間に、X方向に延在する導電層26aを設けてもよい。同様に、配線24の間に、Y方向に延在する導電層26bを設けてもよい。導電層26a及び導電層26bは、例えば電気的にフローティングとすることもできるし、所定の定電位を供給してもよい。またこのとき、配線23と導電層26aを同一の導電膜を加工して形成し、配線24と導電層26bを同一の導電膜を加工して形成することが好ましい。こうすることで、表示部32の内部において、配線23や配線24が配置された領域から、これらが配置されない領域にかけて、レイアウトの周期性を保つことができる。そのため、配線23や配線24に近い画素と、これらから遠い画素との間で、画素を構成する積層構造の厚さの違いなどに起因する輝度のムラの発生を抑制することができる。
なお図6等では、表示部32の短辺方向をX方向、長辺方向をY方向として示したが、これに限られず短辺方向をY方向、長辺方向をX方向としてもよい。
〔配線形状例2〕
図7(A)は、図6(A)とは異なる形状を有する配線23及び配線24の例を示している。
配線23及び配線24は、それぞれX方向に平行な部分と、Y方向に平行な部分を有し、この2つの部分によってメッシュ状の上面形状を有している。このとき、平面視において、メッシュの開口部には、1以上の画素電極36(図示しない)が含まれるように、配線23及び配線24を配置することで、これらが表示素子からの光を遮らないように配置することができる。
また、図7(B)に示すように、配線23と配線24の隙間を埋めるように、導電層26を配置してもよい。このとき、導電層26も配線23や配線24と同様に、X方向に平行な部分と、Y方向に平行な部分とを有する構成とすることが好ましい。また導電層26の一部はメッシュ状の形状を有していることが好ましい。
配線23と配線24を、それぞれ異なる絶縁層上の異なる導電膜を加工して形成することにより、特別な工夫をすることなく、配線23と配線24とを交差させることができる。または、例えば配線24を、配線23と同一の導電膜を加工して形成した島状の部分と、配線23とは異なる絶縁層上の導電膜を加工して形成した島状の部分とを、連結した構成として、配線23と配線24を交差させる構成としてもよい。または、配線23をこのような2種類の島状の部分を連結した構成としてもよい。または、配線23及び配線24の少なくとも一方が、X方向に平行な部分と、Y方向に平行な部分とで、異なる絶縁層上の異なる導電膜を加工して形成し、2種類の部分を連結した構成とすることで、配線23と配線24とを電気的に短絡することなく交差させる構成としてもよい。
以上が配線形状の例についての説明である。
[配線の構成例1]
以下では、表示部32に液晶素子を適用した場合の、より具体的な配線の構成の例を説明する。なお以下で示す図面において、説明を容易にするため同一の導電膜を加工して得られる層、配線等には同じハッチングパターンを付して説明する。
〔構成例1−1〕
図8には、表示部32における信号線51、走査線52、配線23、配線24、画素電極36等の配置方法(レイアウト)の例を示している。また、図8は、図6(A)または図7(A)における領域Aの拡大図に相当する。
信号線51と配線23は、X方向に平行に配置されている。また走査線52と配線24はY方向に平行に配置されている。また信号線51と配線23とは同一の導電膜を加工して形成され、走査線52と配線24とは同一の導電膜を加工して形成されている。そのため、配線23や配線24を、工程を増やすことなく形成することができる。
またこのような構成とすることにより、配線23と配線24、信号線51と配線24、及び走査線52と配線23を、それぞれ特別な工夫を要することなく交差させることができる。
図8には、トランジスタ70及び画素電極36を有する画素回路80を示している。画素回路80はX方向及びY方向にマトリクス状に配置されている。画素回路80は、表示部32が有する1つの副画素に対応する。
画素回路80において、走査線52の一部はゲート電極として機能する。また信号線51の一部はソース電極またはドレイン電極として機能する。図8に示すように、走査線52の突出した一部と重ねて半導体層72が配置され、半導体層72の一部と重ねて信号線51の突出した部分が配置されている。また、半導体層72の信号線51とは反対側には導電層74bが設けられている。導電層74bは、画素電極36と電気的に接続している。
配線23は、Y方向に隣接する2つの画素回路80の間に配置されている。また、Y方向に隣接する2つの画素電極36の間、2つの信号線51の間、2つの半導体層72の間、または2つの導電層74b等の間に配置されているとも言うことができる。
一方配線24は、X方向に隣接する2つの画素回路80の間に配置されている。また、X方向に隣接する2つの画素電極36の間、2つの走査線52の間、2つの半導体層72の間、または2つの導電層74b等の間に配置されているとも言うことができる。
ここで、図8では、配線23の幅よりも配線24の幅の方が大きい例を示している。例えば配線24に、配線23よりも導電率の低い材料を用いる場合や、配線24を表示部の長辺方向に沿って配置する場合などでは、電気抵抗を下げるために、このように配線24の幅を配線23よりも大きくすることが好ましい。または、配線24の電気抵抗を下げるために、配線23よりも配線24の厚さを厚く形成してもよい。なお、配線23と配線24の幅についてはこれに限られず、配線24よりも配線23の幅を大きくしてもよいし、配線23と配線24とを同程度の幅に設定してもよい。例えば、配線23と配線24の時定数を同程度にする、若しくは配線23と配線24のうち、検出側の配線として用いるほうの時定数を他方よりも小さくするように、配線23と配線24の幅や厚さ、材料などを適切に設定することができる。
〔構成例1−2〕
図9(A)には、図8に対して配線24の構成が異なる場合の例を示している。図9(A)に示す配線24は、信号線51と同一の導電膜を加工して形成された部分と、走査線52と同一の導電膜を加工して形成された部分と、が交互に配列した構成を有している。また2つの部分は互いに重なる領域を有し、この領域において、これらの間に位置する絶縁層に設けられた開口を介して電気的に接続している。
配線24における走査線52と同一の導電膜を加工して得られた部分は、それぞれ信号線51及び配線23の少なくとも一方と交差している。
〔構成例1−3〕
図9(B)には、図8に対して配線23の構成が異なる場合の例を示している。図9(B)に示す配線23は、信号線51と同一の導電膜を加工して形成された部分と、走査線52と同一の導電膜を加工して形成された部分と、が交互に配列した構成を有している。また2つの部分は互いに重なる領域を有し、この領域において、これらの間に位置する絶縁層に設けられた開口を介して電気的に接続している。
配線23における信号線51と同一の導電膜を加工して得られた部分は、それぞれ走査線52及び配線24の少なくとも一方と交差している。
ここで、構成例1−1乃至1−3は、例えば上記配線形状例1(図6等)で例示したように、配線23及び配線24が表示部32と重なる部分においてストライプ状の形状を有する場合に、好適に適用することができる。
〔構成例2−1〕
図10(A)では、配線23がX方向に平行な部分と、Y方向に平行な部分の両方を有する場合の例を示している。図10(B)では、配線24がX方向に平行な部分と、Y方向に平行な部分の両方を有する場合の例を示している。また、図10(A)は、図7(A)における領域Bの拡大図に相当し、図10(B)は、図7(A)における領域Cの拡大図に相当する。なお、ここでは配線23を例に挙げて説明するが、配線24や、上述した導電層26、導電層26a、導電層26b等も同様の形状とすることができる。
配線23におけるX方向に平行な部分は、信号線51と同一の導電膜を加工して形成されている。一方、Y方向に平行な部分は、走査線52と同一の導電膜を加工して形成されている。また、配線23は、X方向に平行な部分と、Y方向に平行な部分とが、これらが交差する部分において、これらの間に位置する絶縁膜に設けられた開口を介して電気的に接続されている。このような構成とすることで、配線23をメッシュ状の形状とすることができる。
ここで、配線23は、X方向に平行で且つ隣り合う2つの部分と、Y方向に平行で且つ隣り合う2つの部分に囲まれた、1つの開口部を有するとも言える。図10では、当該開口部に3つの画素電極36が含まれる構成としたが、これに限られず1以上の画素電極36を含む構成とすることができる。配線23を密なメッシュ形状とすることで、配線23の抵抗を下げることができる。また配線23を疎なメッシュ形状とすることで、配線23の寄生容量を低減することができる。
また、図10では配線23のX方向に平行で且つ隣り合う2つの部分の間隔と、Y方向に平行で且つ隣り合う2つの部分の間隔とが同程度になるように配置しているが、これを異ならせてもよい。例えばY方向に平行で且つ隣り合う2つの部分が、2画素分の間隔(例えばRGBの3種類の副画素を有する場合には、6個の副画素分の間隔)を空けて配置され、X方向に平行で且つ隣り合う2つの部分が、1画素分の間隔を空けて配置されてもよい。このとき配線23は、その開口部がY方向に長い長方形形状を有するメッシュ形状となる。
〔構成例2−2〕
図11(A)には、図10に対して配線23の構成が異なる場合の例を示している。図11(A)に示す構成では、配線23のX方向に平行な部分が信号線51と同一の導電膜を加工して形成されている。一方、配線23のY方向に平行な部分は、信号線51と同一の導電膜を加工して得られた部分(導電層)と、走査線52と同一の導電膜を加工して得られた部分(導電層)とが交互に配列した構成を有している。またY方向に平行な部分において、2つの異なる導電層が互いに重なる領域を有し、この領域において、これらの間に位置する絶縁層に設けられた開口を介して電気的に接続している。
配線23のY方向に平行な部分において、走査線52と同一の導電膜を加工して得られた部分は、信号線51と交差している。
〔構成例2−3〕
図11(B)には、図10及び図11(A)に対して配線23の構成が異なる場合の例を示している。図11(B)に示す構成では、配線23のY方向に平行な部分が走査線52と同一の導電膜を加工して形成されている。一方、配線23のX方向に平行な部分は、走査線52と同一の導電膜を加工して得られた部分(導電層)と、信号線51と同一の導電膜を加工して得られた部分(導電層)とが交互に配列した構成を有している。またX方向に平行な部分において、2つの異なる導電層が互いに重なる領域を有し、この領域において、これらの間に位置する絶縁層に設けられた開口を介して電気的に接続している。
配線23のX方向に平行な部分において、信号線と同一の導電膜を加工して得られた部分は、走査線52と交差している。
ここで、構成例2−1乃至2−3は、例えば上記配線形状例2(図7等)で例示したように、配線23及び配線24がメッシュ状の形状を有する場合に、好適に適用することができる。
〔構成例3−1〕
上記では配線23及び配線24を信号線51や走査線52と同一の導電膜を加工して形成する場合の例を示したが、配線23及び配線24の一方、または両方を、信号線51や走査線52とは異なる導電膜を加工して形成してもよい。
図12(A)には、図8で例示した例に対して、配線23を信号線51とは異なる導電膜を加工して形成した場合の例を示している。
ここで、配線23は、信号線51及び走査線52よりも上側に位置していてもよいし、走査線52と信号線51との間に位置していてもよいし、信号線51及び走査線52よりも下側(基板21側)に位置していてもよい。このとき、配線23、信号線51、及び走査線52は、それぞれ異なる絶縁層上に設けられていることが好ましい。
配線23は、例えば画素電極36と同一の導電膜を加工して形成してもよい。その場合、画素電極36と同一工程により配線23を形成することができる。
ここで、配線23と配線24とを、これらの間に重なる絶縁層に設けられた開口を介して電気的に接続することで、メッシュ状の形状を形成することもできる。
また、配線23と信号線51とが、異なる絶縁層上に設けられている場合、図12(B)に示すように、これらを重ねて配置することができる。こうすることで、Y方向において配線23を配置するスペースが不要となるため、より精細度を高めること、または開口率を高めることが可能となる。
なお、図12(B)では、平面視において信号線51の直線部分が配線23に包含されるように配置した場合を示したがこれに限られない。例えば、信号線51の幅より配線23の幅を小さくし、平面視において配線23が信号線51に包含されるようにこれらを配置してもよい。また、信号線51の一部が配線23と重なり、他の一部が配線23と重ならないように配置してもよい。こうすることで信号線51と配線23の間の寄生容量を低減することができる。
図13には、図8で例示した例に対して、配線24を走査線52とは異なる導電膜を加工して形成した場合の例を示している。
図13で示した配線24は、配線23及び信号線51よりも基板21側に位置する場合の例を示している。ただし、これに限られず、配線24は信号線51、走査線52、及び配線23等とは異なる絶縁層上に設けられていればよい。また配線24を画素電極36と同一の導電膜を加工して形成してもよい。
〔構成例3−2〕
図14(A)は、配線23、配線24、信号線51、及び走査線52を、それぞれ全て異なる導電膜を加工して形成した場合の例を示している。ここで、配線23、配線24、信号線51、及び走査線52は、それぞれ全て異なる絶縁層上に設けられていてもよい。
図14(A)では、配線24が少なくとも配線23、信号線51、及び走査線52よりも上側に位置し、配線23が少なくとも走査線52よりも上側に位置する場合の例を示している。
また図14(B)では、配線24が少なくとも信号線51よりも下側に位置し、配線23が少なくとも配線24及び走査線52よりも下側に位置する場合の例を示している。
なお、配線23、配線24、信号線51、及び走査線52のそれぞれの高さ方向の位置はこれに限られず、様々な積層構造を取ることができる。
また、ここでは示さないが、図14(A)、(B)に示す構成では、配線23と信号線51の少なくとも一部が重なるように配置してもよいし、配線24と走査線52の少なくとも一部が重なるように配置してもよい。
〔構成例3−3〕
図15(A)では、メッシュ形状の配線23を、画素電極36と同一の導電膜を加工して形成した場合の例を示している。
また、図15(B)では、メッシュ形状の配線23を、信号線51、走査線52、及び画素電極36とは異なる導電膜で形成した例を示している。図15(B)では、配線23が少なくとも走査線52よりも上側に位置し、且つ信号線51よりも下側に位置する場合の例を示している。
なお、配線23の高さ方向の位置はこれに限られず、配線23は、信号線51、走査線52及び画素電極36とは異なる絶縁層上に設けられていればよい。また配線23は、信号線51、走査線52及び画素電極36よりも下側、または上側、若しくは信号線51、走査線52及び画素電極36のうちの2つの間に位置していてもよい。
なお、ここでは配線23について説明したが、配線24(導電層26a、26b、及び導電層26)についても同様の構成とすることができる。
以上が配線の構成例1についての説明である。
[画素の構成例]
以下では、表示部32に設けられ、液晶素子が適用された画素のより具体的な例について、図面を参照して説明する。
〔画素構成例1〕
図16は、VAモードが適用された液晶素子に適用可能な画素回路80の構成の例を示している。
図16に示す画素回路80は、トランジスタ70、容量素子85、画素電極36等を有する。また1つの画素回路80には、信号線51、走査線52に加えて、容量線53が接続されている。
容量線53は、その一部が画素回路80に配置される容量素子85の一方の電極として機能する。容量線53には、例えば共通電位、接地電位、基準電位などの固定電位を供給することができるが、駆動方法に応じてパルス電位などが供給されてもよい。
図16では、容量素子85が導電層74bの一部と、容量線53の一部と、これらの間に位置する絶縁層(図示しない)によって構成されている例を示している。
図16では、容量線53が走査線52と平行な方向(Y方向)に延在するように配置された例を示している。なお、これに限られず信号線51と平行な方向(X方向)に延在するように配置されていてもよいし、両方向に格子状に配置されていてもよい。
また、図16では容量線53が走査線52と同一の導電膜を加工して形成した例を示しているが、信号線51や画素電極36等と同一の導電膜を加工して形成してもよいし、これらとは異なる導電膜を加工して形成してもよい。
図16では、配線23と配線24の例として、上記構成例1−1で例示した構成を適用した場合を示している。すなわち、X方向に伸びた配線23は信号線51と同一の導電膜を加工して形成され、Y方向に伸びた配線24は走査線52と同一の導電膜を加工して形成されている例を示している。なお、配線23と配線24の構成としては、上記で例示した各構成に置き換えることができる。
〔画素構成例2〕
図17は、FFSモードが適用された液晶素子に適用可能な画素回路80の構成の例を示している。
図17に示す画素回路80は、トランジスタ70、画素電極36、及び共通電極38を有する。また画素回路80には、信号線51、走査線52、及び共通配線54が接続されている。
共通配線54は、共通電極38に供給する電位が供給される配線である。共通配線54には、例えば共通電位、接地電位、基準電位などの固定電位を供給することができるが、駆動方法に応じてパルス電位などが供給されてもよい。
画素回路80において、共通電極38は画素電極36と重ねて配置されている。また画素電極36はくし状の上面形状を有する。共通電極38は少なくとも画素電極36の2つの突出した部分の間の領域と重なるように配置されている。
また、図17に示すように、画素電極36の突出した部分の辺が、X方向やY方向に対して斜めになるようにすることが好ましい。また図17では、画素電極36の斜め方向に突出した部分がY方向に対して対称に配置されている。このように、画素電極36には、X方向またはY方向に対称な2種類の突出部を設けることが好ましい。このような画素電極36を用いることで、表示部32の視野角を広げることができる。
また、画素回路80において、画素電極36、共通電極38及びこの間に位置する絶縁層(図示しない)によって容量素子を形成することができる。したがって、容量線や容量素子を形成するためのスペースが不要なため、開口率または精細度を高めることが容易となる。
また、共通電極38は、Y方向に延在している。また、共通電極38はX方向に平行に延伸する共通配線54に電気的に接続している。これにより、Y方向に隣接する複数の画素回路80及びX方向に隣接する複数の画素回路80に配置される共通電極38同士を電気的に接続することができる。
また図17に示すように、共通電極38と信号線51と重なる部分において、共通電極38のX方向の幅を細くすると、共通電極38と信号線51との間の寄生容量を減らすことができるため好ましい。
なおここでは、くし状の上面形状を有する画素電極36を共通電極38よりも上側に配置した例を示しているが、この上下関係を逆にすることもできる。その場合には、共通電極38がくし状の上面形状を有する構成とし、共通電極38の2つの突出部の間と重なるように画素電極36を配置する構成とすればよい。
また図17では、共通配線54が信号線51と同一の導電膜を加工して形成した例を示しているが、走査線52、共通電極38、画素電極36等と同一の導電膜を加工して形成してもよいし、これらとは異なる導電膜を加工して形成してもよい。
図17では、配線23と配線24の例として、上記構成例1−1で例示した構成を適用した場合を示している。すなわち、X方向に伸びた配線23は信号線51と同一の導電膜を加工して形成され、Y方向に伸びた配線24は走査線52と同一の導電膜を加工して形成されている例を示している。なお、配線23と配線24の構成としては、上記で例示した各構成に置き換えることができる。
〔変形例〕
以下では、上記画素回路80に適用可能な他の画素回路の構成の例について説明する。
図18(A)は、主に画素電極36の形状が異なる点で、図17で例示した構成と異なる。画素電極36は1以上の開口部(スリット)が設けられた上面形状を有する。
またこのとき、図18(A)に示すように、画素電極36のスリットの形状を長方形ではなく、長方形の一部が屈曲したくの字(V字)形状とすることが好ましい。こうすることで、表示部32の視野角を広げることができる。
図18(A)では、図17と同様に、隣接する画素回路80の間で共通電極38と信号線51とが交差する面積を小さくするように、共通電極38の一部がくびれた形状を有する場合の例を示している。このような構成とすることで、信号線51の寄生容量を低減することができる。
図18(B)は図18(A)における共通電極38の形状を異ならせた場合の例を示している。共通電極38は、トランジスタ70及び導電層74bと画素電極36のコンタクト部と重なる開口を有している。また図18(B)では、当該開口が1つの画素回路に1つ設けられている。また共通電極38はX方向及びY方向に延在して設けられている。また共通電極38は、信号線51の一部と重なる領域、及び走査線52の一部と重なる領域を有する。このような構成とすることで、共通電極38のX方向及びY方向の電気抵抗を低くすることができる。
図19は、共通電極38を画素電極36よりも上側に配置した場合の例を示している。またここでは、下側に配置される画素電極36もくし状の上面形状を有している。画素電極36と共通電極38は、平面視において互いに噛み合うように配置されている。
図19では、画素電極36の突出部の辺と、共通電極38の突出部の辺とが、平面視において概略一致するように配置した例を示している。なお、これに限られず、平面視において2つの突出部の一部が重なるように画素電極36と共通電極38を配置してもよい。または、平面視において2つの突出部が離間するように画素電極36と共通電極38を配置してもよい。
また図19に示すように、信号線51は、走査線52や共通電極38などと重なる部分の幅を小さくし、それ以外の部分は幅が広くなるように、一部がくびれた上面形状を有する。このような形状とすることで、信号線51と他の配線や電極との寄生容量を低減しつつ、信号線自体の抵抗を下げることができる。同様に、走査線52も信号線51と重なる面積が小さくなるようにくびれた上面形状を有している。
図20に示す例では、X方向及びY方向にそれぞれ2つの画素回路80を有する構成を示している。図20では、1つの画素回路80をX方向及びY方向に対称に配置することで、4つの画素回路80を含む1つのユニットを形成している。
図20では、共通電極38がX方向に延伸する部分と、Y方向に延伸する部分と、を有している。また、図19では、Y方向に隣接する画素回路80が有する共通電極38同士を接続する部分、及びX方向に隣接する画素回路80が有する共通電極38同士を接続する部分が、1つの副画素毎に配置されている。一方、図20に示す構成において、Y方向に隣接する画素回路80が有する共通電極38同士を接続する部分は、X方向に延びた形状を有し、且つY方向に隣接する2つの画素回路80の間に配置されている。また、X方向に隣接する画素回路80が有する共通電極38同士を接続する部分は、Y方向に延びた形状を有し、X方向に隣接する2つの画素回路80の間に配置されている。これにより、隣接する画素回路80の共通電極38同士を接続する部分の占有面積を低減できるため、開口率または精細度を高めることができる。
以上が画素の構成例についての説明である。
[配線の構成例2]
以下では、表示部32に有機EL素子を適用した場合の、より具体的な配線の構成の例を説明する。なお以下で示す図面において、説明を容易にするため同一の導電膜を加工して得られる層、配線等には同じハッチングパターンを付して説明する。また、上記配線の構成例1と重複する部分については、説明を省略する場合がある。
〔構成例4−1〕
図21には、表示部32における信号線51、走査線52、電源線55、配線23、配線24、画素電極36等の配置方法(レイアウト)の例を示している。
信号線51と配線23は、X方向に平行に配置されている。また走査線52と配線24はY方向に平行に配置されている。また信号線51と配線23とは同一の導電膜を加工して形成され、走査線52と配線24とは同一の導電膜を加工して形成されている。そのため、配線23や配線24を、工程を増やすことなく形成することができる。
また電源線55は、画素回路80の容量素子85の一方の電極に、電位または信号を供給する機能を有する。ここでは電源線55を信号線51と平行に配置した例を示している。なお、電源線55は、走査線52と平行に配置してもよい。その場合には、走査線52と同一の導電膜を加工して形成すると、特別な工夫を要することなく、電源線55と信号線51、及び電源線55と配線23とを交差させることができる。
図21に示す画素回路80は、トランジスタ70a、トランジスタ70b、容量素子85、及び画素電極36を有する。画素回路80はX方向及びY方向にマトリクス状に配置されている。画素回路80は、表示部32が有する1つの副画素に対応する。
画素回路80において、走査線52の一部はトランジスタ70aのゲート電極として機能する。また信号線51の一部はトランジスタ70aのソース電極またはドレイン電極として機能する。図21に示すように、走査線52の一部と重ねて半導体層72が配置され、半導体層72の一部と重ねて信号線51が配置されている。また、半導体層72の信号線51とは反対側にはトランジスタ70aのソース又はドレインの他方として機能する導電層74bが設けられている。導電層74bは、導電層76と電気的に接続している。導電層76はその一部がトランジスタ70bのゲート電極として機能する。また導電層76と電源線55とが重ねて配置され、容量素子85が形成されている。すなわち、導電層76の他の一部は容量素子85の一方の電極として機能する。また、電源線55の一部は、容量素子85の他方の電極として機能し、他の一部はトランジスタ70bのソース又はドレインの一方として機能する。またトランジスタ70bのソース又はドレインの他方は、画素電極36と電気的に接続している。
〔構成例4−2〕
図22(A)には、図21に対して配線24の構成が異なる場合の例を示している。図22(A)に示す配線24は、構成例1−2と同様に、信号線51と同一の導電膜を加工して形成された部分と、走査線52と同一の導電膜を加工して形成された部分と、が交互に配列した構成を有している。また2つの部分は互いに重なる領域を有し、この領域において、これらの間に位置する絶縁層に設けられた開口を介して電気的に接続している。
配線24における走査線52と同一の導電膜を加工して得られた部分は、それぞれ信号線51、電源線55、及び配線23の少なくとも一と交差している。
〔構成例4−3〕
図22(B)には、図21に対して配線23の構成が異なる場合の例を示している。図22(B)に示す配線23は、構成例1−3と同様に、信号線51と同一の導電膜を加工して形成された部分と、走査線52と同一の導電膜を加工して形成された部分と、が交互に配列した構成を有している。また2つの部分は互いに重なる領域を有し、この領域において、これらの間に位置する絶縁層に設けられた開口を介して電気的に接続している。
〔構成例5−1〕
図23では、構成例2−1と同様に、配線23がX方向に平行な部分と、Y方向に平行な部分の両方を有する場合の例を示している。なお、ここでは配線23を例に挙げて説明するが、配線24や、導電層26、導電層26a、導電層26b等も同様の形状とすることができる。
〔構成例5−2〕
図24(A)には、図23に対して配線23の構成が異なる場合の例を示している。図24(A)に示す構成では、構成例2−2と同様に、配線23のX方向に平行な部分が信号線51と同一の導電膜を加工して形成されている。一方配線23のY方向に平行な部分は、信号線51と同一の導電膜を加工して得られた部分(導電層)と、走査線52と同一の導電膜を加工して得られた部分(導電層)とが交互に配列した構成を有している。またY方向に平行な部分において、2つの異なる導電層が互いに重なる領域を有し、この領域において、これらの間に位置する絶縁層に設けられた開口を介して電気的に接続している。
配線23のY方向に平行な部分において、走査線52と同一の導電膜を加工して得られた部分は、信号線51及び電源線55の少なくとも一と交差している。
〔構成例5−3〕
図24(B)には、図23及び図24(A)に対して配線23の構成が異なる場合の例を示している。図24(B)に示す構成では、構成例2−3と同様に、配線23のY方向に平行な部分が走査線52と同一の導電膜を加工して形成されている。一方配線23のX方向に平行な部分は、走査線52と同一の導電膜を加工して得られた部分(導電層)と、信号線51と同一の導電膜を加工して得られた部分(導電層)とが交互に配列した構成を有している。またX方向に平行な部分において、2つの異なる導電層が互いに重なる領域を有し、この領域において、これらの間に位置する絶縁層に設けられた開口を介して電気的に接続している。
〔構成例6−1〕
上記では配線23及び配線24を信号線51や走査線52と同一の導電膜を加工して形成する場合の例を示したが、構成例3−1等と同様に、配線23及び配線24の一方、または両方を、信号線51や走査線52とは異なる導電膜を加工して形成してもよい。
図25(A)、図25(B)には、図21で例示した例に対して、配線23を信号線51とは異なる導電膜を加工して形成した場合の例を示している。
また図26には、図21で例示した例に対して、配線24を走査線52とは異なる導電膜を加工して形成した場合の例を示している。
〔構成例6−2〕
図27(A)は、構成例3−2と同様に、配線23、配線24、信号線51、及び走査線52を、それぞれ全て異なる導電膜を加工して形成した場合の例を示している。ここで、配線23、配線24、信号線51、及び走査線52は、それぞれ全て異なる絶縁層上に設けられていてもよい。
図27(A)では、配線24が少なくとも配線23、信号線51、及び走査線52よりも上側に位置し、配線23が少なくとも走査線52よりも上側に位置する場合の例を示している。
また図27(B)では、配線24が少なくとも信号線51よりも下側に位置し、配線23が少なくとも配線24及び走査線52よりも下側に位置する場合の例を示している。
〔構成例6−3〕
図28(A)では、構成例3−3と同様に、メッシュ形状の配線23を、画素電極36と同一の導電膜を加工して形成した場合の例を示している。
また、図28(B)では、メッシュ形状の配線23を、信号線51、走査線52、及び画素電極36とは異なる導電膜で形成した例を示している。図28(B)では、配線23が少なくとも走査線52よりも上側に位置し、且つ信号線51よりも下側に位置する場合の例を示している。
以上が配線の構成例2についての説明である。
[回路構成例]
図29は、本発明の一態様のタッチパネルの回路図の一例を示している。図29では、タッチセンサを構成する2種類の配線を、それぞれストライプ状に配置した場合の、表示部の一部を示している。例えば図29に示す例は、図6等で示した例と対応する。
マトリクス状に配置された画素90は、トランジスタ70と、回路91を有する。回路91は少なくとも一の表示素子を有する。当該表示素子としては、様々な表示素子を適用することができる。代表的には上述した液晶素子60や、発光素子40を適用することが好ましい。
配線23a及び配線23bは、信号線51と平行な方向(X方向)に延在する複数の部分を有する。また配線24a及び配線24bは、走査線52と平行な方向(Y方向)に延在する複数の部分を有する。配線23a、配線23b、配線24a、及び配線24bは、表示部よりも外側の領域で複数の部分が電気的に接続されている。なお以下では、配線23aと配線23bを総称して配線23、配線24aと配線24bを総称して配線24として説明する場合がある。
図29に示すように、配線23と配線24によって容量素子が形成される。すなわち、当該容量素子がマトリクス状に配置され、タッチセンサが構成されている。タッチセンサは、被検知体が近づくことによる当該容量素子の容量の大きさの変化を利用して、検知を行うことができる。当該容量は、例えば配線23と配線24とが重畳する部分の第1の容量成分と、配線23と配線24が近接して配置されることにより形成される第2の容量成分と、を含む。主に上記第2の容量成分が、被検知体が近づくことにより変化する。
なおここでは説明を容易にするため、4つの配線(配線23a、配線23b、配線24a、及び配線24b)を有する場合の例を示している。またX方向に延在する配線(配線23a、配線23b)が2つのX方向に平行な部分を有し、Y方向に延在する配線(配線24a、配線24b)が2つのY方向に平行な部分を有する場合の例を示したが、これに限られず、それぞれ3以上の部分を有していてもよい。1つの配線の2つの直線部分の間に設けられる画素90の数も、図29の例に限られず、1以上の画素90が含まれればよい。
図30では、タッチセンサを構成する2種類の配線を、それぞれメッシュ状の形状とした場合の、表示部の一部を示している。例えば図30に示す例は、図7等で示した例と対応する。図30には、メッシュ状の配線23と配線24が交差する部分を示している。
図30に示す例でも同様に、配線23と配線24によって容量素子が形成される。当該容量素子の容量の大きさの変化を利用して、検知を行うことができる。
以上が回路構成例についての説明である。
[断面構成例3]
以下では、表示素子に液晶素子を適用した場合の、本発明の一態様のタッチパネルモジュールのより詳細な断面構成の例について説明する。
〔断面構成例3−1〕
図31は、タッチパネルモジュール10の断面概略図である。図31では、図1(A)におけるFPC42を含む領域、回路34を含む領域、表示部32を含む領域などの断面の一例を示している。
基板21と、基板31とは、接着層141によって貼り合わされている。また基板21、基板31、及び接着層141に囲まれた領域に、液晶112が封止されている。また、基板31の外側の面には偏光板130aを有する。また基板21の外側の面には偏光板130bを有する。
また図示しないが、偏光板130aよりも外側、または偏光板130bよりも外側に、バックライトを設けることができる。
基板21には、配線23及び配線24を含むタッチセンサ22、液晶素子60の画素電極111、トランジスタ201、トランジスタ202、容量素子203、接続部204、配線35等が設けられている。トランジスタ201は、例えば上述したトランジスタ70と対応する。
基板31には、着色層131、遮光層132、絶縁層123、及び液晶素子60の共通電極113、スペーサ124等が設けられている。
基板21上には、絶縁層211、絶縁層212、絶縁層213、絶縁層214等の絶縁層が設けられている。絶縁層211は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能し、また他の一部は容量素子203の誘電体としての機能を有する。絶縁層212、絶縁層213、及び絶縁層214は、各トランジスタや容量素子203等を覆って設けられている。絶縁層214は、平坦化層としての機能を有する。なお、ここではトランジスタ等を覆う絶縁層として、絶縁層212、絶縁層213、絶縁層214の3層を有する場合を示しているが、これに限られず4層以上であってもいいし、単層、または2層であってもよい。また平坦化層として機能する絶縁層214は、不要であれば設けなくてもよい。
また、トランジスタ201及びトランジスタ202は、一部がゲートとして機能する導電層221、一部がソース電極またはドレイン電極として機能する導電層222、半導体層231を有する。ここでは、同一の導電膜を加工して得られる複数の層に同じハッチングパターンを付している。
ここで、トランジスタ202の一対の導電層222のうち、画素電極111と電気的に接続されていない方の導電層222は、信号線の一部として機能する。またトランジスタ202のゲート電極として機能する導電層221は、走査線の一部として機能する。
図31では、配線23が導電層222と同一の導電膜を加工して形成され、配線24が導電層221と同一の導電膜を加工して形成されている例を示している。
また図31では、表示部32の例として、1つの副画素の断面を示している。例えば副画素は、トランジスタ202と、容量素子203と、液晶素子60と、着色層131と、を有する。例えば、着色層131を選択的に形成して赤色を呈する副画素、緑色を呈する副画素、青色を呈する副画素を配列することで、フルカラーの表示を行うことができる。ここで、トランジスタ202、容量素子203、画素電極111、及び配線等により画素回路(副画素回路)が構成されている。
図31では、回路34の例としてトランジスタ201が設けられている例を示している。
図31では、トランジスタ201及びトランジスタ202の例として、1つのゲート電極を設ける構成の例を示したが、チャネルが形成される半導体層231を2つのゲート電極で挟持する構成を適用してもよい。このような構成とすることで、トランジスタのしきい値電圧を制御することができる。このとき、2つのゲート電極を接続しこれらに同一の信号を供給することによりトランジスタを駆動してもよい。このようなトランジスタは他のトランジスタと比較して電界効果移動度を高めることが可能であり、オン電流を増大させることができる。その結果、高速動作が可能な回路を作製することができる。さらには回路部の占有面積を縮小することが可能となる。オン電流の大きなトランジスタを適用することで、表示パネルまたはタッチパネルを大型化、または高精細化したときに配線数が増大したとしても、各配線における信号遅延を低減することが可能であり、表示ムラを抑制することが可能である。
なお、回路34が有するトランジスタと、表示部32が有するトランジスタは、同じ構造であってもよい。また回路34が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合わせて用いてもよい。また、表示部32が有する複数のトランジスタは、全て同じ構造であってもよいし、異なる構造のトランジスタを組み合せて用いてもよい。
各トランジスタを覆う絶縁層212、絶縁層213のうち少なくとも一方は、水や水素などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。すなわち、絶縁層212または絶縁層213はバリア膜として機能させることができる。このような構成とすることで、トランジスタに対して外部から不純物が拡散することを効果的に抑制することが可能となり、信頼性の高いタッチパネルを実現できる。
絶縁層214上に画素電極111が設けられている。画素電極111は、絶縁層214、絶縁層213、絶縁層212等に形成された開口を介して、トランジスタ202のソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。また画素電極111は、容量素子203の一方の電極と電気的に接続されている。
基板31側において、着色層131、遮光層132を覆って絶縁層123が設けられている。絶縁層123は、平坦化膜としての機能を有していてもよい。絶縁層123により、共通電極113の表面を概略平坦にできるため、液晶112の配向状態を均一にできる。
図31では、液晶素子60が画素電極111と、共通電極113の一部と、これらに挟持された液晶112により構成されている。
なお、画素電極111、共通電極113、絶縁層214等において、液晶112と接する面には、液晶112の配向を制御するための配向膜が設けられていてもよい。
図31に示す構成では、配線23及び配線24が液晶素子60と重ならないように配置されている例を示している。また配線23及び配線24は、遮光層132と重ねて配置されていることが好ましい。
液晶素子60において、画素電極111及び共通電極113は可視光を透過する機能を有する。このような構成により、液晶素子60を透過型の液晶素子とすることができる。例えばバックライトを基板31側に配置した場合、偏光板130aにより偏光されたバックライトからの光は、基板31及び共通電極113、液晶112、及び画素電極111、基板21を透過し偏光板130bに達する。このとき、画素電極111と共通電極113の間に与える電圧によって液晶112の配向を制御し、光の光学変調を制御することができる。すなわち、偏光板130bを介して射出される光の強度を制御することができる。また入射される光は着色層131によって特定の波長領域以外の光が吸収されることにより、取り出される光は例えば赤色を呈する光となる。
ここで、偏光板130bとして直線偏光板を用いてもよいが、円偏光板を用いることもできる。円偏光板としては、例えば直線偏光板と1/4波長位相差板を積層したものを用いることができる。特に図31に示すように、遮光層132よりも基板21側にタッチセンサを構成する配線23、配線24を配置した場合、当該配線が外光を反射し、その反射光が視認されてしまう場合がある。このとき、偏光板130bに円偏光板を用いることで、反射を抑制することができる。
なお、偏光板130bとして円偏光板を用いた場合、偏光板130aにも円偏光板を用いてもよいし、通常の直線偏光板を用いることもできる。偏光板130a、偏光板130bに適用する偏光板の種類に応じて、液晶素子60に用いる液晶素子のセルギャップ、配向、駆動電圧等を調整することで、所望のコントラストが実現されるようにすればよい。
液晶素子60としては、断面構成例1で例示した様々なモードを適用できる。
共通電極113は、基板31の端部に近い部分において、基板21側に設けられた導電層と接続体243により電気的に接続されている。これにより、基板21側に配置されるFPCやICから共通電極113に電位や信号を供給することができる。
接続体243としては、例えば導電性の粒子を用いることができる。導電性の粒子としては、有機樹脂またはシリカなどの粒子の表面を金属材料で被覆したものを用いることができる。金属材料としてニッケルや金を用いると接触抵抗を低減できるため好ましい。またニッケルをさらに金で被覆するなど、2種類以上の金属材料を層状に被覆させた粒子を用いることが好ましい。また接続体243として弾性変形、または塑性変形する材料を用いることが好ましい。このとき導電性の粒子は図31に示すように上下方向に潰れた形状となる場合がある。こうすることで接続体243と、これと電気的に接続する導電層との接触面積が増大し、接触抵抗が低減できるほか、接続不良などの不具合の発生を抑制できる。
接続体243は接着層141に覆われるように配置することが好ましい。例えば接着層141となるペースト等を塗布した後に、接続体243を散布すればよい。接着層141が設けられる部分に接続体243を配置することで、例えば固体封止構造の表示装置や中空封止構造の表示装置等、接着層141を周辺に用いる構成であれば同様に適用することができる。
基板21の端部に近い領域には、接続部204が設けられている。接続部204は、接続層242を介してFPC42と電気的に接続されている。図31に示す構成では、配線35の一部と、画素電極111と同一の導電膜を加工して得られた導電層を積層することで接続部204を構成している例を示している。
以上が断面構成例3−1についての説明である。
〔断面構成例3−2〕
以下では、上記断面構成例3−1とは異なるモードの液晶素子が適用されたタッチパネルモジュール10の断面構成例について説明する。なお以下では、上記と重複する部分については説明を省略し、相違点について説明する。
図32には、液晶素子60にFFSモードが適用された液晶素子を用いた場合の例を示している。液晶素子60は、画素電極151、液晶152、及び共通電極153を有する。
絶縁層214上に、共通電極153が配置されている。また共通電極153を覆って絶縁層215が設けられ、絶縁層215上に画素電極151が設けられている。画素電極151は、絶縁層215、絶縁層214、絶縁層213、絶縁層212に設けられた開口を介してトランジスタ202のソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。
画素電極151は、櫛歯状の上面形状、またはスリットが設けられた上面形状を有する。また、共通電極153は画素電極151と重ねて配置されている。また着色層131等と重なる領域において、共通電極153上に画素電極151が配置されていない部分を有する。
図32では、櫛歯状またはスリット状の上面形状を有する画素電極151が絶縁層215よりも上層に設けられ、共通電極153が絶縁層215よりも下層に設けられている例を示している。なお、図33に示すように、絶縁層215よりも上層に共通電極153を形成し、下層に画素電極151を形成してもよい。このとき、絶縁層215よりも下層に設けられる画素電極151がトランジスタ202のソース又はドレインの一方と電気的に接続すればよい。また絶縁層215よりも上層に設けられる共通電極153は、櫛歯状またはスリット状の上面形状を有していればよい。
また図32において、画素電極151と共通電極153とが絶縁層215を介して積層され、ここに容量素子203が形成されている。そのため容量素子を別途形成する必要がなく、画素の開口率を高めることができる。
ここで、共通電極153として可視光を透過する導電性材料を用いることで、透過型の液晶素子とすることができる。また画素電極151及び共通電極153の両方に、可視光を透過する導電性材料を用いると、開口率をより高めることができるため好ましい。
なお、反射型の液晶素子とする場合には、画素電極151及び共通電極153のいずれか、または両方に、可視光を反射する材料を用いればよい。これらの両方に可視光を反射する材料を用いると開口率を高めることができる。また、共通電極153に可視光を反射する材料を用い、画素電極151に可視光を透過する材料を用いてもよい。
または、画素電極151に可視光を反射する材料を用い、共通電極153に可視光を透過する材料を用いることで、半透過型の液晶素子を実現してもよい。このとき、画素電極151で反射した光を用いる反射モードと、画素電極151に設けられたスリットを介して透過するバックライトからの光を用いる透過モードと、を切り替えることができる。
また、横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために数重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性である。また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。
〔断面構成例3−3〕
以下では、上記断面構成例3−1及び3−2とは異なるモードの液晶素子が適用されたタッチパネルモジュール10の断面構成例について説明する。なお以下では、上記と重複する部分については説明を省略し、相違点について説明する。
図34には、液晶素子60にIPSモードが適用された液晶素子を用いた場合の例を示している。液晶素子60は、画素電極151、液晶152、及び共通電極153を有する。
画素電極151及び共通電極153は、それぞれ絶縁層214上に設けられている。画素電極151及び共通電極153は、それぞれ櫛歯状の上面形状を有し、それぞれが互いに噛み合うように配置されている。画素電極151と共通電極153は、同一の導電膜を加工して形成されていることが好ましい。なお、図34では説明を容易にするために画素電極151と共通電極153とに異なるハッチングパターンを付している。
以上が断面構成例3についての説明である。
[断面構成例4]
以下では、表示素子に有機EL素子を適用した場合の、本発明の一態様のタッチパネルモジュールのより詳細な断面構成の例について説明する。なお、上記と重複する部分については説明を省略する場合がある。
〔断面構成例4−1〕
図35は、タッチパネルモジュール10の断面概略図である。図35では、図1(A)におけるFPC42を含む領域、回路34を含む領域、表示部32を含む領域などの断面の一例を示している。ここで、図35に示す表示部32は、図21に示す切断線X1−X2に対応する断面の例を示している。
基板21と、基板31とは、接着層141によって貼り合わされている。また接着層141の一部は、発光素子40を封止する機能を有する。また、基板21の外側の面には偏光板130を有することが好ましい。
基板21には、配線23及び配線24を含むタッチセンサ22、発光素子40、トランジスタ201、トランジスタ202、トランジスタ205、容量素子203、接続部204、着色層131、配線35等が設けられている。発光素子40は、画素電極111、EL層102、及び共通電極103が積層された構造を有している。発光素子40は、基板21側に光を発するボトムエミッション型の発光素子である。
基板21上には、絶縁層211、絶縁層212、絶縁層213、絶縁層214、絶縁層215等の絶縁層が設けられている。絶縁層211は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能し、また他の一部は容量素子203の誘電体としての機能を有する。絶縁層212、絶縁層213、及び絶縁層214は、各トランジスタや容量素子203等を覆って設けられている。絶縁層214は、平坦化層としての機能を有する。なお、ここではトランジスタ等を覆う絶縁層として、絶縁層212、絶縁層213、絶縁層214の3層を有する場合を示しているが、これに限られず4層以上であってもいいし、単層、または2層であってもよい。また平坦化層として機能する絶縁層214は、不要であれば設けなくてもよい。絶縁層215は、画素電極111の端部や、画素電極111とトランジスタ205とを電気的に接続するコンタクト部等を覆って設けられている。絶縁層215は、平坦化層として機能する。
また、トランジスタ201、トランジスタ202、及びトランジスタ205は、一部がゲートとして機能する導電層221、一部がソース電極またはドレイン電極として機能する導電層222、半導体層231を有する。ここでは、同一の導電膜を加工して得られる複数の層に同じハッチングパターンを付している。
図35では、容量素子203が、トランジスタ205のゲート電極として機能する導電層221の一部と、絶縁層211の一部と、トランジスタ205のソース電極またはドレイン電極として機能する導電層222の一部により構成されている例を示している。
ここで、トランジスタ202の一対の導電層222のうち、容量素子203と電気的に接続されていない方の導電層222は、信号線の一部として機能する。またトランジスタ202のゲート電極として機能する導電層221は、走査線の一部として機能する。
図35では、配線23が導電層222と同一の導電膜を加工して形成され、配線24が導電層221と同一の導電膜を加工して形成されている例を示している。
また図35では、表示部32の例として、1つの副画素を含む断面を示している。例えば副画素は、トランジスタ202と、容量素子203と、トランジスタ205と、発光素子40と、着色層131と、を有する。例えば、着色層131を選択的に形成して赤色を呈する副画素、緑色を呈する副画素、青色を呈する副画素を配列することで、フルカラーの表示を行うことができる。ここで、トランジスタ202、容量素子203、トランジスタ205、画素電極111、及び配線等により画素回路(副画素回路)が構成されている。
図35では、トランジスタ201、トランジスタ202、及びトランジスタ205の例として、1つのゲート電極を設ける構成の例を示したが、チャネルが形成される半導体層231を2つのゲート電極で挟持する構成を適用してもよい。
絶縁層214上に画素電極111が設けられている。画素電極111は、絶縁層214、絶縁層213、絶縁層212等に形成された開口を介して、トランジスタ205のソース又はドレインの一方と電気的に接続されている。またトランジスタ205のソース又はドレインの他方は、容量素子203と電気的に接続されている。
また絶縁層213上に着色層131が設けられている。着色層131は発光素子40と重ねて配置されている。また着色層131を覆って、平坦化層として機能する絶縁層214が設けられている。絶縁層214で着色層131を覆うことで、画素電極111の表面を概略平坦にすることができるため好ましい。
発光素子40において、画素電極111は可視光を透過する機能を有し、共通電極103は可視光を反射する機能を有する。このような構成により、発光素子40を支持する基板21側に光を発するボトムエミッション型の発光素子とすることができる。なお、画素電極111及び共通電極103の両方が可視光を透過する機能を有することで、デュアルエミッション型の発光素子としてもよい。
また、図35では、発光素子40として白色を呈する発光素子を好適に用いることができる。こうすることで、異なる副画素の間で発光素子40を作り分ける必要がないため、極めて高精細なタッチパネルを実現することができる。この時、発光素子40からの光は着色層131を透過する際に、特定の波長領域以外の光が着色層131によって吸収される。これにより、取り出される光は例えば赤色を呈する光となる。
ここで、偏光板130として円偏光板を用いることが好ましい。特に図35に示すように、基板21側を表示面側とした場合、タッチセンサを構成する配線23、配線24が外光を反射し、その反射光が視認されてしまう場合がある。このとき、偏光板130に円偏光板を用いることで、反射を抑制することができる。
図36は、中空封止構造を有するタッチパネルモジュール10の断面構成例を示している。
図36では、接着層141が発光素子40を覆わずに、基板31の外周部に配置されている例を示している。また共通電極103と基板31との間に空間142を有する。
空間142は、空気が充填されていてもよいが、希ガスや窒素ガスなどの不活性ガスが充填されていることが好ましい。また、定常状態において空間142が大気圧に対して減圧であると、使用環境(例えば気圧や温度)により空間142が膨張し、基板31または基板21が膨らんでしまうことを抑制できる。一方、空間142が大気圧に対して陽圧であると、水分などの不純物が基板31、基板21、接着層141、またはこれらの隙間から空間142に拡散することを抑制できる。
また、図36では、基板31と共通電極103の間に乾燥剤143を有する例を示している。このとき、基板31の少なくとも表示部32と重なる部分の厚さが、外周部よりも薄く形成されていると、タッチパネルモジュール10の厚さを厚くすることなく乾燥剤143を適用することができる。
乾燥剤143としては、例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸化カルシウムや酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用いることができる。または、ゼオライトやシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を吸着する物質を用いてもよい。
以上が断面構成例4−1についての説明である。
〔断面構成例4−2〕
図37は、着色層131を異なる基板に形成した例を示している。
図37において、基板161上には着色層131と、遮光層132が形成されている。また基板161は、接着層251によって基板21と接着されている。
着色層131は少なくとも発光素子40と重なる位置に設けられている。また遮光層132は、配線23、配線24、トランジスタ202、トランジスタ205、容量素子203、トランジスタ201等と重なる位置に設けられている。
遮光層132は、可視光を遮光する機能を有する。
このような構成とすることにより、基板21側を表示面とした場合であっても、配線23、配線24等の外光反射を抑制することができ、コントラストを向上させることができる。
またこのとき、基板161は基板21等を保護するための保護基板として用いることもできる。その場合、当該基板上に保護層(セラミックコート等)を設けることが好ましい。保護層は、例えば酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)などの無機絶縁材料を用いることができる。また、当該基板に強化ガラスを用いてもよい。強化ガラスは、イオン交換法や風冷強化法等により物理的、または化学的な処理が施され、その表面に圧縮応力を加えたものを用いることができる。
図38は、基板21の配線23等が形成される面とは反対側に着色層131及び遮光層132を形成した例を示している。
このとき、着色層131や遮光層132を保護するために、接着層251により基板162を設けてもよい。
〔断面構成例4−3〕
図39は、副画素毎に発光素子40を作り分けた場合の断面構成の一例を示している。
図35等では、EL層102が一様に設けられていたのに対し、図39で示すEL層102は島状の上面形状を有する。
図39で示す例では、EL層102を副画素毎に作り分けることが可能なため、一の副画素に設けられる発光素子40は、隣接する副画素とは異なる色を呈する発光素子とすることができる。したがって、着色層131を設けなくてもフルカラーの表示を行うことができる。
〔断面構成例4−4〕
図40は、トップエミッション型の発光素子を適用した場合の例を示している。
図40に示す発光素子40は、基板31側に光を発する。そのため基板31側が表示面側且つタッチ面側となる。また偏光板130は、基板31の外側の面に位置している。
発光素子40の画素電極111は可視光を反射する機能を有する。また共通電極103は可視光を遮光する機能を有する。
基板31には、着色層131、遮光層132等が設けられている。
また図40では、基板31側にスペーサ124が設けられている例を示している。スペーサ124は基板21と基板31との距離を調整する機能を有する。図40では、スペーサ124と、共通電極103または絶縁層215との間に隙間がある場合を示しているが、これらが接していてもよい。またここでは、スペーサ124を基板31側に設ける構成を示したが、基板21側(例えば絶縁層215上)に設けてもよい。または、スペーサ124に代えて粒状のスペーサを用いてもよい。粒状のスペーサとしては、シリカ等の材料を用いることもできるが、有機樹脂やゴムなどの弾性を有する材料を用いることが好ましい。このとき、粒状のスペーサは上下方向に潰れた形状となる場合がある。
図40に示すようにトップエミッション型の発光素子40を適用した場合、画素電極111がトランジスタ202、トランジスタ205、容量素子203等を覆って設けることができる。そのため、画素の開口率を高くできるため好ましい。
図40において、共通電極103が開口部を有している例を示している。当該開口部は、配線23や配線24と重ねて配置される。このように、基板31側をタッチ面とした場合であっても、タッチ面と配線23または配線24の間に、所定の電位が供給されうる導電層が位置しない領域を設けることが好ましい。これにより、当該導電層により配線23または配線24からの電界が遮蔽されることがなく、タッチ等の操作により配線23と配線24の間の容量の大きさの変化を大きくすることができるため、検知感度を高めることができる。
またこのとき、配線23や配線24と重なる位置にEL層102が位置しない領域を設けることが好ましい。さらにこのとき特に、EL層102の端部が共通電極103に覆われるように配置すると、EL層102が露出しないため、信頼性を高めることができる。
また、複数の開口を有する遮光層132が表示部32に亘って一様に設けられる場合、遮光層132は絶縁性を有していることが好ましい。配線23または配線24と重なる遮光層132が絶縁性を有することで、配線23または配線24からの電界が遮光層132によって遮蔽されることがないため、検知感度を向上させることができる。
〔変形例〕
図41は、一対の基板に可撓性を有する基板171、基板172を用いたタッチパネルモジュール10の断面構成例を示す。図41に示すタッチパネルモジュール10は、表示面の一部を曲げることができる。
図41では、上記基板21に代えて基板171、接着層251、及び絶縁層216を有する。また、上記基板31に代えて基板172を有する。
絶縁層216の一方の面上に導電層221や絶縁層211が設けられている。また絶縁層216の反対側の面には、基板171が接着層251によって貼り付けられている。
基板171、基板172はそれぞれ可撓性を有する材料を用いることができる。なお、基板171、基板172は、タッチパネルモジュール10の表面を保護するための保護層としての機能を有していてもよい。また基板171、基板172は各トランジスタ、発光素子、または配線等を支持する機能を有していなくてもよい。
絶縁層216は、水や水素などの不純物が拡散することを抑制する機能を有することが好ましい。
また、図41に示す例では、共通電極103を覆って絶縁層217が設けられた例を示している。絶縁層217は、共通電極103やEL層102等に水などの不純物が拡散することを抑制する機能を有する。
特に図41に示すように、共通電極103がEL層102の端部を覆って設けられ、絶縁層217が共通電極103の端部を覆って設けられていることが好ましい。これにより、より効果的に共通電極103やEL層102に不純物が拡散することを抑制できる。
図41に示すタッチパネルモジュール10は、絶縁層216及び絶縁層217によって、各トランジスタや発光素子40が挟まれた構成を有している。これにより、基板171、基板172、接着層251、接着層141等に水や水素などの不純物を拡散しやすい材料を用いた場合であっても、これらよりも内側(各トランジスタまたは発光素子40側)に位置する絶縁層216や絶縁層217によりこれら不純物が拡散することを抑制できるため、信頼性を高めることができる。
図42は、発光素子40にトップエミッション型の発光素子を適用した場合の例を示している。図42では、図40における基板31に代えて、絶縁層218、接着層252、及び基板172を有する。また、基板21に代えて、基板171、接着層251、及び絶縁層216を有する。
着色層131、遮光層132、スペーサ124等は絶縁層218の一方の面側に設けられている。また、絶縁層218の他方の面側には、接着層252により基板172が貼り付けられている。
絶縁層218は、絶縁層216と同様に、水などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。
このように、バリア層として機能する絶縁層216と絶縁層217の間に発光素子40や各トランジスタ等を挟み込むことで、信頼性の高いタッチパネルモジュール10を実現できる。
以上が変形例についての説明である。
〔作製方法例〕
ここで、可撓性を有するタッチパネルを作製する方法について説明する。
ここでは便宜上、画素や回路を含む構成、カラーフィルタ等の光学部材を含む構成、タッチセンサを構成する電極や配線を含む構成等を素子層と呼ぶこととする。素子層は例えば表示素子を含み、表示素子の他に表示素子と電気的に接続する配線、画素や回路に用いるトランジスタなどの素子を備えていてもよい。
またここでは、素子層が形成される絶縁表面を備える支持体(例えば図41、図42における基板171または基板172)のことを、基板と呼ぶこととする。
可撓性を有する絶縁表面を備える基板上に素子層を形成する方法としては、基板上に直接素子層を形成する方法と、基板とは異なる支持基材上に素子層を形成した後、素子層と支持基材とを剥離して素子層を基板に転置する方法と、がある。
基板を構成する材料が、素子層の形成工程にかかる熱に対して耐熱性を有する場合には、基板上に直接素子層を形成すると、工程が簡略化されるため好ましい。このとき、基板を支持基材に固定した状態で素子層を形成すると、装置内、及び装置間における搬送が容易になるため好ましい。
また、素子層を支持基材上に形成した後に、基板に転置する方法を用いる場合、まず支持基材上に剥離層と絶縁層を積層し、当該絶縁層上に素子層を形成する。続いて、支持基材と素子層を剥離し、基板に転置する。このとき、支持基材と剥離層の界面、剥離層と絶縁層の界面、または剥離層中で剥離が生じるような材料を選択すればよい。
例えば剥離層としてタングステンなどの高融点金属材料を含む層と当該金属材料の酸化物を含む層を積層して用い、剥離層上の絶縁層として、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、または窒化酸化シリコン等を複数積層した層を用いることが好ましい。高融点金属材料を用いると、素子層の形成工程の自由度が高まるため好ましい。
剥離は、機械的な力を加えることや、剥離層をエッチングすること、または剥離界面の一部に液体を滴下して剥離界面全体に浸透させることなどにより剥離を行ってもよい。または、熱膨張の違いを利用して剥離界面に熱を加えることにより剥離を行ってもよい。
また、支持基材と絶縁層の界面で剥離が可能な場合には、剥離層を設けなくてもよい。例えば、支持基材としてガラスを用い、絶縁層としてポリイミドなどの有機樹脂を用いることができる。このとき、レーザ光等を用いて有機樹脂の一部を局所的に加熱すること、または鋭利な部材により物理的に有機樹脂の一部を切断、または貫通すること等により剥離の起点を形成し、ガラスと絶縁層の界面で剥離を行ってもよい。または、支持基材と有機樹脂からなる絶縁層の間に金属層を設け、当該金属層に電流を流して当該金属層を加熱することにより、当該金属層と絶縁層の界面で剥離を行ってもよい。または、支持基材と有機樹脂からなる絶縁層の間に、光を吸収する材料(金属、半導体、絶縁体等)の層を設け、当該層にレーザ光等の光を照射して局所的に加熱することにより剥離の起点を形成してもよい。ここで示した方法において、有機樹脂からなる絶縁層は基板として用いることができる。
例えば、図41に示す構成の場合、第1の支持基材上に第1の剥離層、絶縁層216を順に形成した後に、それよりも上層の構造物を形成する。続いて、第1の支持基材と基板172を接着層141により貼り合せる。その後、第1の剥離層と絶縁層216との界面で剥離することで第1の支持基材及び第1の剥離層を除去し、絶縁層216と基板171とを接着層251により貼り合せる。
また例えば、図42に示す構成の場合、第1の支持基材上に第1の剥離層、絶縁層216を順に形成した後に、それよりも上層の構造物を形成する。またこれとは別に、第2の支持基材上に第2の剥離層、絶縁層218を順に形成した後に、それよりも上層の構造物を形成する。続いて、第1の支持基材と第2の支持基材を接着層141により貼り合せる。その後、第2の剥離層と絶縁層218との界面で剥離することで第2の支持基材及び第2の剥離層を除去し、絶縁層218と基板172とを接着層252により貼り合せる。また、第1の剥離層と絶縁層216との界面で剥離することで第1の支持基材及び第1の剥離層を除去し、絶縁層216と基板171とを接着層251により貼り合せる。なお、剥離及び貼り合せはどちら側を先に行ってもよい。
以上が可撓性を有するタッチパネルを作製する方法についての説明である。
[各構成要素について]
以下では、上記に示す各構成要素について説明する。
〔基板〕
タッチパネルが有する基板には、平坦面を有する材料を用いることができる。表示素子からの光を取り出す側の基板には、該光を透過する材料を用いる。例えば、ガラス、石英、セラミック、サファイヤ、有機樹脂などの材料を用いることができる。
厚さの薄い基板を用いることで、タッチパネルの軽量化、薄型化を図ることができる。さらに、可撓性を有する程度の厚さの基板を用いることで、可撓性を有するタッチパネルを実現できる。
ガラスとしては、例えば、無アルカリガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス等を用いることができる。
また、発光を取り出さない側の基板は、透光性を有していなくてもよいため、上記に挙げた基板の他に、金属基板等を用いることもできる。金属材料や合金材料は熱伝導性が高く、基板全体に熱を容易に伝導できるため、タッチパネルの局所的な温度上昇を抑制することができ、好ましい。可撓性や曲げ性を得るためには、金属基板の厚さは、10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上50μm以下であることがより好ましい。
金属基板を構成する材料としては、特に限定はないが、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル等の金属、若しくはアルミニウム合金又はステンレス等の合金などを好適に用いることができる。
また、金属基板の表面を酸化する、又は表面に絶縁膜を形成するなどにより、絶縁処理が施された基板を用いてもよい。例えば、スピンコート法やディップ法などの塗布法、電着法、蒸着法、又はスパッタリング法などを用いて絶縁膜を形成してもよいし、酸素雰囲気で放置する又は加熱するほか、陽極酸化法などによって、基板の表面に酸化膜を形成してもよい。
可撓性及び可視光に対する透過性を有する材料としては、例えば、可撓性を有する程度の厚さのガラスや、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂等が挙げられる。特に、熱膨張係数の低い材料を用いることが好ましく、例えば、熱膨張係数が30×10−6/K以下であるポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、PET等を好適に用いることができる。また、繊維体に樹脂を含浸した基板(プリプレグとも記す)や、無機フィラーを有機樹脂に混ぜて熱膨張係数を下げた基板を使用することもできる。このような材料を用いた基板は、重量が軽いため、該基板を用いたタッチパネルも軽量にすることができる。
上記材料中に繊維体が含まれている場合、繊維体は有機化合物または無機化合物の高強度繊維を用いる。高強度繊維とは、具体的には引張弾性率またはヤング率の高い繊維のことを言い、代表例としては、ポリビニルアルコール系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエチレン系繊維、アラミド系繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ガラス繊維、または炭素繊維が挙げられる。ガラス繊維としては、Eガラス、Sガラス、Dガラス、Qガラス等を用いたガラス繊維が挙げられる。これらは、織布または不織布の状態で用い、この繊維体に樹脂を含浸させ樹脂を硬化させた構造物を可撓性を有する基板として用いても良い。可撓性を有する基板として、繊維体と樹脂からなる構造物を用いると、曲げや局所的押圧による破損に対する信頼性が向上するため、好ましい。
可撓性を有する基板に、タッチパネルの表面を傷などから保護するハードコート層(例えば、窒化シリコン層など)や、押圧を分散可能な材質の層(例えば、アラミド樹脂層など)等が積層されていてもよい。また、水分等による表示素子の寿命の低下等を抑制するために、可撓性を有する基板に透水性の低い絶縁膜が積層されていてもよい。例えば、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等の無機絶縁材料を用いることができる。
基板は、複数の層を積層して用いることもできる。特に、ガラス層を有する構成とすると、水や酸素に対するバリア性を向上させ、信頼性の高いタッチパネルとすることができる。また、可撓性を有する程度に薄いガラス、金属などを基板に用いることもできる。また、ガラスと樹脂材料とが貼り合わされた複合材料を用いてもよい。
例えば、表示素子に近い側からガラス層、接着層、及び有機樹脂層を積層した基板を用いることができる。当該ガラス層の厚さとしては20μm以上200μm以下、好ましくは25μm以上100μm以下とする。このような厚さのガラス層は、水や酸素に対する高いバリア性と可撓性を同時に実現できる。また、有機樹脂層の厚さとしては、10μm以上200μm以下、好ましくは20μm以上50μm以下とする。このような有機樹脂層を設けることにより、ガラス層の割れやクラックを抑制し、機械的強度を向上させることができる。このようなガラス材料と有機樹脂の複合材料を基板に適用することにより、極めて信頼性が高いフレキシブルなタッチパネルとすることができる。
〔トランジスタ〕
トランジスタは、ゲート電極として機能する導電層と、半導体層と、ソース電極として機能する導電層と、ドレイン電極として機能する導電層と、ゲート絶縁層として機能する絶縁層と、を有する。上記では、ボトムゲート構造のトランジスタを適用した場合を示している。
なお、本発明の一態様のタッチパネルが有するトランジスタの構造は特に限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタとしてもよいし、スタガ型のトランジスタとしてもよいし、逆スタガ型のトランジスタとしてもよい。また、トップゲート型又はボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよい。または、チャネルの上下にゲート電極が設けられていてもよい。
トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、又は一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性の劣化を抑制できるため好ましい。
また、トランジスタに用いる半導体材料としては、例えば、第14族の元素(シリコン、ゲルマニウム等)、化合物半導体又は酸化物半導体を半導体層に用いることができる。代表的には、シリコンを含む半導体、ガリウムヒ素を含む半導体又はインジウムを含む酸化物半導体などを適用できる。
特にシリコンよりもバンドギャップの大きな酸化物半導体を適用することが好ましい。シリコンよりもバンドギャップが広く、且つキャリア密度の小さい半導体材料を用いると、トランジスタのオフ状態における電流を低減できるため好ましい。
特に、半導体層として、複数の結晶部を有し、当該結晶部はc軸が半導体層の被形成面、または半導体層の上面に対し概略垂直に配向し、且つ隣接する結晶部間には粒界が確認できない酸化物半導体(CAAC−OS(C−Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor、または、C−Axis Aligned and A−B−plane Anchored Crystalline Oxide Semiconductor)とも呼ぶ)を用いることが好ましい。
このような酸化物半導体は、結晶粒界を有さないために表示パネルを湾曲させたときの応力によって酸化物半導体膜にクラックが生じてしまうことが抑制される。したがって、可撓性を有し、湾曲させて用いるタッチパネルなどに、このような酸化物半導体を好適に用いることができる。
また半導体層としてこのような結晶性を有する酸化物半導体を用いることで、電気特性の変動が抑制され、信頼性の高いトランジスタを実現できる。
また、シリコンよりもバンドギャップの大きな酸化物半導体を用いたトランジスタは、その低いオフ電流により、トランジスタと直列に接続された容量素子に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能である。このようなトランジスタを画素に適用することで、各画素の階調を維持しつつ、駆動回路を停止することも可能となる。その結果、極めて消費電力の低減された表示装置を実現できる。
半導体層は、例えば少なくともインジウム、亜鉛及びM(アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジムまたはハフニウム等の金属)を含むIn−M−Zn酸化物で表記される膜を含むことが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすため、それらと共に、スタビライザーを含むことが好ましい。
スタビライザーとしては、上記Mで記載の金属を含め、例えば、ガリウム、スズ、ハフニウム、アルミニウム、またはジルコニウム等がある。また、他のスタビライザーとしては、ランタノイドである、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム等がある。
半導体層を構成する酸化物半導体として、例えば、In−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、In−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
なお、ここで、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
また、半導体層と、導電層は、上記酸化物のうち、同一の金属元素を有していてもよい。半導体層と、導電層を同一の金属元素とすることで、製造コストを低減させることができる。例えば、同一の金属組成の金属酸化物ターゲットを用いることで製造コストを低減させることができる。また半導体層と導電層を加工する際のエッチングガスまたはエッチング液を共通して用いることができる。ただし、半導体層と、導電層は、同一の金属元素を有していても、組成が異なる場合がある。例えば、トランジスタ及び容量素子の作製工程中に、膜中の金属元素が脱離し、異なる金属組成となる場合がある。
なお、半導体層がIn−M−Zn酸化物であるとき、ZnおよびOを除いてのInとMの原子数比率は、InおよびMの和を100atomic%としたとき、好ましくはInが25atomic%より高く、Mが75atomic%未満、さらに好ましくはInが34atomic%より高く、Mが66atomic%未満とする。
半導体層は、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である。このように、エネルギーギャップの広い酸化物半導体を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
半導体層の厚さは、3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下、さらに好ましくは3nm以上50nm以下とする。
半導体層がIn−M−Zn酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:3が好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比はそれぞれ、誤差として上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
半導体層としては、キャリア密度の低い酸化物半導体膜を用いる。例えば、半導体層は、キャリア密度が1×1017個/cm3以下、好ましくは1×1015個/cm3以下、さらに好ましくは1×1013個/cm3以下、より好ましくは1×1011個/cm3以下の酸化物半導体膜を用いることができる。そのような酸化物半導体を、高純度真性または実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ。これにより不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低いため、安定な特性を有する酸化物半導体であるといえる。
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの半導体特性及び電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とするトランジスタの半導体特性を得るために、半導体層のキャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
半導体層において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、半導体層において酸素欠損が増加し、n型化してしまう。このため、半導体層におけるシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、アルカリ金属及びアルカリ土類金属は、酸化物半導体と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため半導体層における、二次イオン質量分析法により得られるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
また、半導体層に窒素が含まれていると、キャリアである電子が生じ、キャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。例えば、二次イオン質量分析法により得られる窒素濃度は、5×1018atoms/cm3以下にすることが好ましい。
また、半導体層は、例えば非単結晶構造でもよい。非単結晶構造は、例えば、CAAC−OS、多結晶構造、微結晶構造、または非晶質構造を含む。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高く、CAAC−OSは最も欠陥準位密度が低い。
半導体層は、例えば非晶質構造でもよい。非晶質構造の酸化物半導体膜は、例えば、原子配列が無秩序であり、結晶成分を有さない。または、非晶質構造の酸化物膜は、例えば、完全な非晶質構造であり、結晶部を有さない。
なお、半導体層が、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、CAAC−OSの領域、単結晶構造の領域のうち、二種以上を有する混合膜であってもよい。混合膜は、例えば、上述した領域のうち、いずれか二種以上の領域を含む単層構造、または積層構造を有する場合がある。
または、トランジスタのチャネルが形成される半導体に、シリコンを用いることが好ましい。シリコンとしてアモルファスシリコンを用いてもよいが、特に結晶性を有するシリコンを用いることが好ましい。例えば、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンなどを用いることが好ましい。特に、多結晶シリコンは、単結晶シリコンに比べて低温で形成でき、且つアモルファスシリコンに比べて高い電界効果移動度と高い信頼性を備える。このような多結晶半導体を画素に適用することで画素の開口率を向上させることができる。また表示パネルが極めて高精細な場合であっても、ゲート駆動回路とソース駆動回路を画素と同一基板上に形成することが可能となり、電子機器を構成する部品数を低減することができる。
本実施の形態で例示したボトムゲート構造のトランジスタは、作製工程を削減できるため好ましい。またこのときアモルファスシリコンを用いることで、多結晶シリコンよりも低温で形成できるため、半導体層よりも下層の配線や電極の材料、基板の材料として、耐熱性の低い材料を用いることが可能なため、材料の選択の幅を広げることができる。例えば、極めて大面積のガラス基板などを好適に用いることができる。一方、本実施の形態で例示したトップゲート型のトランジスタは、自己整合的に不純物領域を形成しやすいため、特性のばらつきなどを低減することできるため好ましい。このとき特に、多結晶シリコンや単結晶シリコンなどを用いる場合に適している。
〔導電層〕
トランジスタのゲート、ソースおよびドレインのほか、タッチパネルを構成する各種配線および電極などの導電層に用いることのできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、またはタングステンなどの金属、またはこれを主成分とする合金などが挙げられる。またこれらの材料を含む膜を単層で、または積層構造として用いることができる。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、チタン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、タングステン膜上にアルミニウム膜を積層する二層構造、銅−マグネシウム−アルミニウム合金膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜上に銅膜を積層する二層構造、タングステン膜上に銅膜を積層する二層構造、チタン膜または窒化チタン膜と、その上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にチタン膜または窒化チタン膜を形成する三層構造、モリブデン膜または窒化モリブデン膜と、その上に重ねてアルミニウム膜または銅膜を積層し、さらにその上にモリブデン膜または窒化モリブデン膜を形成する三層構造等がある。なお、酸化インジウム、酸化錫または酸化亜鉛を含む透明導電材料を用いてもよい。また、マンガンを含む銅を用いると、エッチングによる形状の制御性が高まるため好ましい。
また、透光性を有する導電性材料としては、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などの導電性酸化物またはグラフェンを用いることができる。または、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、またはチタンなどの金属材料や、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。または、該金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)などを用いてもよい。なお、金属材料、合金材料(またはそれらの窒化物)を用いる場合には、透光性を有する程度に薄くすればよい。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウムスズ酸化物の積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。これらは、タッチパネルを構成する各種配線および電極などの導電層や、表示素子が有する電極(画素電極および共通電極など)にも用いることができる。
〔絶縁層〕
各絶縁層、オーバーコート、スペーサ等に用いることのできる絶縁材料としては、例えば、アクリル、エポキシなどの樹脂、シロキサン結合を有する樹脂の他、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料を用いることもできる。
また発光素子は、一対の透水性の低い絶縁膜の間に設けられていることが好ましい。これにより、発光素子に水等の不純物が侵入することを抑制でき、装置の信頼性の低下を抑制できる。
透水性の低い絶縁膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜等の窒素と珪素を含む膜や、窒化アルミニウム膜等の窒素とアルミニウムを含む膜等が挙げられる。また、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜等を用いてもよい。
例えば、透水性の低い絶縁膜の水蒸気透過量は、1×10−5[g/(m2・day)]以下、好ましくは1×10−6[g/(m2・day)]以下、より好ましくは1×10−7[g/(m2・day)]以下、さらに好ましくは1×10−8[g/(m2・day)]以下とする。
〔発光素子〕
発光素子としては、自発光が可能な素子を用いることができ、電流又は電圧によって輝度が制御される素子をその範疇に含んでいる。例えば、発光ダイオード(LED)、有機EL素子、無機EL素子等を用いることができる。
発光素子は、トップエミッション型、ボトムエミッション型、デュアルエミッション型のいずれであってもよい。光を取り出す側の電極には、可視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。
EL層は少なくとも発光層を有する。EL層は、発光層以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、又はバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。
EL層には低分子系化合物及び高分子系化合物のいずれを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。EL層を構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
陰極と陽極の間に、発光素子の閾値電圧より高い電圧を印加すると、EL層に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入された電子と正孔はEL層において再結合し、EL層に含まれる発光物質が発光する。
発光素子として、白色発光の発光素子を適用する場合には、EL層に2種類以上の発光物質を含む構成とすることが好ましい。例えば2以上の発光物質の各々の発光が補色の関係となるように、発光物質を選択することにより白色発光を得ることができる。例えば、それぞれR(赤)、G(緑)、B(青)、Y(黄)、O(橙)等の発光を示す発光物質、またはR、G、Bのうち2以上の色のスペクトル成分を含む発光を示す発光物質のうち、2以上を含むことが好ましい。また、発光素子からの発光のスペクトルが、可視光領域の波長(例えば350nm〜750nm)の範囲内に2以上のピークを有する発光素子を適用することが好ましい。また、黄色の波長領域にピークを有する材料の発光スペクトルは、緑色及び赤色の波長領域にもスペクトル成分を有する材料であることが好ましい。
より好ましくは、EL層は、一の色を発光する発光材料を含む発光層と、他の色を発光する発光材料を含む発光層とが積層された構成とすることが好ましい。例えば、EL層における複数の発光層は、互いに接して積層されていてもよいし、いずれの発光材料も含まない領域を介して積層されていてもよい。例えば、蛍光発光層と燐光発光層との間に、当該蛍光発光層または燐光発光層と同一の材料(例えばホスト材料、アシスト材料)を含み、且ついずれの発光材料も含まない領域を設ける構成としてもよい。これにより、発光素子の作製が容易になり、また、駆動電圧が低減される。
また、発光素子は、EL層を1つ有するシングル素子であってもよいし、複数のEL層が電荷発生層を介して積層されたタンデム素子であってもよい。
可視光を透過する導電膜は、例えば、酸化インジウム、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛などを用いて形成することができる。また、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、もしくはチタン等の金属材料、これら金属材料を含む合金、又はこれら金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等も、透光性を有する程度に薄く形成することで用いることができる。また、上記材料の積層膜を導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とインジウム錫酸化物の積層膜などを用いると、導電性を高めることができるため好ましい。また、グラフェン等を用いてもよい。
可視光を反射する導電膜は、例えば、アルミニウム、金、白金、銀、ニッケル、タングステン、クロム、モリブデン、鉄、コバルト、銅、もしくはパラジウム等の金属材料、又はこれら金属材料を含む合金を用いることができる。また、上記金属材料や合金に、ランタン、ネオジム、又はゲルマニウム等が添加されていてもよい。また、チタン、ニッケル、またはネオジムと、アルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)を用いてもよい。また銅、パラジウム、またはマグネシウムと、銀を含む合金を用いてもよい。銀と銅を含む合金は、耐熱性が高いため好ましい。さらに、アルミニウム膜またはアルミニウム合金膜に接して金属膜又は金属酸化物膜を積層することで、アルミニウム合金膜の酸化を抑制することができる。このような金属膜、金属酸化物膜の材料としては、チタンや酸化チタンなどが挙げられる。また、上記可視光を透過する導電膜と金属材料からなる膜とを積層してもよい。例えば、銀とインジウム錫酸化物の積層膜、銀とマグネシウムの合金とインジウム錫酸化物の積層膜などを用いることができる。
電極は、それぞれ、蒸着法やスパッタリング法を用いて形成すればよい。そのほか、インクジェット法などの吐出法、スクリーン印刷法などの印刷法、又はメッキ法を用いて形成することができる。
〔接着層〕
接着層としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
また、上記樹脂に乾燥剤を含んでいてもよい。例えば、アルカリ土類金属の酸化物(酸化カルシウムや酸化バリウム等)のように、化学吸着によって水分を吸着する物質を用いることができる。または、ゼオライトやシリカゲル等のように、物理吸着によって水分を吸着する物質を用いてもよい。乾燥剤が含まれていると、水分などの不純物が素子に侵入することを抑制でき、表示パネルの信頼性が向上するため好ましい。
また、上記樹脂に屈折率の高いフィラーや光散乱部材を混合することにより、光取り出し効率を向上させることができる。例えば、酸化チタン、酸化バリウム、ゼオライト、ジルコニウム等を用いることができる。
〔接続層〕
接続層としては、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や、異方性導電ペースト(ACP:Anisotropic Conductive Paste)などを用いることができる。
〔着色層〕
着色層に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、顔料または染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。
〔遮光層〕
遮光層として用いることのできる材料としては、カーボンブラック、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等が挙げられる。また、遮光層に、着色層の材料を含む膜の積層膜を用いることもできる。例えば、ある色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜と、他の色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜との積層構造を用いることができる。着色層と遮光層の材料を共通化することで、装置を共通化できるほか工程を簡略化できるため好ましい。
以上が各構成要素についての説明である。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態2)
<CACの構成>
以下では、本発明の一態様に用いることができるCAC(Cloud Aligned Complementary)−OSの構成について説明する。
CACとは、例えば、酸化物半導体を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、酸化物半導体において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
例えば、In−Ga−Zn酸化物(以下、IGZOともいう。)におけるCAC−IGZOとは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2OZ2(X2、Y2、およびZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4OZ4(X4、Y4、およびZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2OZ2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
つまり、CAC−IGZOは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合酸化物半導体である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、およびOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO3(ZnO)m1(m1は自然数)、またはIn(1+x0)Ga(1−x0)O3(ZnO)m0(−1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOナノ結晶がc軸配向を有し、かつa−b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
一方、CACは、材料構成に関する。CACとは、In、Ga、Zn、およびOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。従って、CACにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
なお、CACは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
<CAC−IGZOの解析>
続いて、各種測定方法を用い、基板上に成膜した酸化物半導体について測定を行った結果について説明する。
≪試料の構成と作製方法≫
以下では、本発明の一態様に係る9個の試料について説明する。各試料は、それぞれ、酸化物半導体を成膜する際の基板温度、および酸素ガス流量比を異なる条件で作製する。なお、試料は、基板と、基板上の酸化物半導体と、を有する構造である。
各試料の作製方法について、説明する。
まず、基板として、ガラス基板を用いる。続いて、スパッタリング装置を用いて、ガラス基板上に酸化物半導体として、厚さ100nmのIn−Ga−Zn酸化物を形成する。成膜条件は、チャンバー内の圧力を0.6Paとし、ターゲットには、酸化物ターゲット(In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比])を用いる。また、スパッタリング装置内に設置された酸化物ターゲットに2500WのAC電力を供給する。
なお、酸化物を成膜する際の条件として、基板温度を、意図的に加熱しない温度(以下、R.T.ともいう。)、130℃、または170℃とした。また、Arと酸素の混合ガスに対する酸素ガスの流量比(以下、酸素ガス流量比ともいう。)を、10%、30%、または100%とすることで、9個の試料を作製する。
≪X線回折による解析≫
本項目では、9個の試料に対し、X線回折(XRD:X−ray diffraction)測定を行った結果について説明する。なお、XRD装置として、Bruker社製D8 ADVANCEを用いた。また、条件は、Out−of−plane法によるθ/2θスキャンにて、走査範囲を15deg.乃至50deg.、ステップ幅を0.02deg.、走査速度を3.0deg./分とした。
図55にOut−of−plane法を用いてXRDスペクトルを測定した結果を示す。なお、図55において、上段には成膜時の基板温度条件が170℃の試料における測定結果、中段には成膜時の基板温度条件が130℃の試料における測定結果、下段には成膜時の基板温度条件がR.T.の試料における測定結果を示す。また、左側の列には酸素ガス流量比の条件が10%の試料における測定結果、中央の列には酸素ガス流量比の条件が30%の試料における測定結果、右側の列には酸素ガス流量比の条件が100%の試料における測定結果、を示す。
図55に示すXRDスペクトルは、成膜時の基板温度を高くする、または、成膜時の酸素ガス流量比の割合を大きくすることで、2θ=31°付近のピーク強度が高くなる。なお、2θ=31°付近のピークは、被形成面または上面に略垂直方向に対してc軸に配向した結晶性IGZO化合物(CAAC(c−axis aligned crystalline)−IGZOともいう。)であることに由来することが分かっている。
また、図55に示すXRDスペクトルは、成膜時の基板温度が低い、または、酸素ガス流量比が小さいほど、明確なピークが現れなかった。従って、成膜時の基板温度が低い、または、酸素ガス流量比が小さい試料は、測定領域のa−b面方向、およびc軸方向の配向は見られないことが分かる。
≪電子顕微鏡による解析≫
本項目では、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料を、HAADF(High−Angle Annular Dark Field)−STEM(Scanning Transmission Electron Microscope)によって観察、および解析した結果について説明する(以下、HAADF−STEMによって取得した像は、TEM像ともいう。)。
HAADF−STEMによって取得した平面像(以下、平面TEM像ともいう。)、および断面像(以下、断面TEM像ともいう。)の画像解析を行った結果について説明する。なお、TEM像は、球面収差補正機能を用いて観察した。なお、HAADF−STEM像の撮影には、日本電子株式会社製原子分解能分析電子顕微鏡JEM−ARM200Fを用いて、加速電圧200kV、ビーム径約0.1nmφの電子線を照射して行った。
図56(A)は、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の平面TEM像である。図56(B)は、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の断面TEM像である。
≪電子線回折パターンの解析≫
本項目では、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料に、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで、電子線回折パターンを取得した結果について説明する。
図56(A)に示す、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の平面TEM像において、黒点a1、黒点a2、黒点a3、黒点a4、および黒点a5で示す電子線回折パターンを観察する。なお、電子線回折パターンの観察は、電子線を照射しながら0秒の位置から35秒の位置まで一定の速度で移動させながら行う。黒点a1の結果を図56(C)、黒点a2の結果を図56(D)、黒点a3の結果を図56(E)、黒点a4の結果を図56(F)、および黒点a5の結果を図56(G)に示す。
図56(C)、図56(D)、図56(E)、図56(F)、および図56(G)より、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測できる。また、リング状の領域に複数のスポットが観測できる。
また、図56(B)に示す、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の断面TEM像において、黒点b1、黒点b2、黒点b3、黒点b4、および黒点b5で示す電子線回折パターンを観察する。黒点b1の結果を図56(H)、黒点b2の結果を図56(I)、黒点b3の結果を図56(J)、黒点b4の結果を図56(K)、および黒点b5の結果を図56(L)に示す。
図56(H)、図56(I)、図56(J)、図56(K)、および図56(L)より、リング状に輝度の高い領域が観測できる。また、リング状の領域に複数のスポットが観測できる。
ここで、例えば、InGaZnO4の結晶を有するCAAC−OSに対し、試料面に平行にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、InGaZnO4の結晶の(009)面に起因するスポットが含まれる回折パターンが見られる。つまり、CAAC−OSは、c軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に略垂直な方向を向いていることがわかる。一方、同じ試料に対し、試料面に垂直にプローブ径が300nmの電子線を入射させると、リング状の回折パターンが確認される。つまり、CAAC−OSは、a軸およびb軸は配向性を有さないことがわかる。
また、微結晶を有する酸化物半導体(nano crystalline oxide semiconductor。以下、nc−OSという。)に対し、大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子線回折を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。また、nc−OSに対し、小さいプローブ径の電子線(例えば50nm未満)を用いるナノビーム電子線回折を行うと、輝点(スポット)が観測される。また、nc−OSに対しナノビーム電子線回折を行うと、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測される場合がある。さらに、リング状の領域に複数の輝点が観測される場合がある。
成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の電子線回折パターンは、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点を有する。従って、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料は、電子線回折パターンが、nc−OSになり、平面方向、および断面方向において、配向性は有さない。
以上より、成膜時の基板温度が低い、または、酸素ガス流量比が小さい酸化物半導体は、アモルファス構造の酸化物半導体膜とも、単結晶構造の酸化物半導体膜とも明確に異なる性質を有すると推定できる。
≪元素分析≫
本項目では、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X−ray spectroscopy)を用い、EDXマッピングを取得し、評価することによって、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の元素分析を行った結果について説明する。なお、EDX測定には、元素分析装置として日本電子株式会社製エネルギー分散型X線分析装置JED−2300Tを用いる。なお、試料から放出されたX線の検出にはSiドリフト検出器を用いる。
EDX測定では、試料の分析対象領域の各点に電子線照射を行い、これにより発生する試料の特性X線のエネルギーと発生回数を測定し、各点に対応するEDXスペクトルを得る。本実施の形態では、各点のEDXスペクトルのピークを、In原子のL殻への電子遷移、Ga原子のK殻への電子遷移、Zn原子のK殻への電子遷移及びO原子のK殻への電子遷移に帰属させ、各点におけるそれぞれの原子の比率を算出する。これを試料の分析対象領域について行うことにより、各原子の比率の分布が示されたEDXマッピングを得ることができる。
図57には、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の断面におけるEDXマッピングを示す。図57(A)は、Ga原子のEDXマッピング(全原子に対するGa原子の比率は1.18乃至18.64[atomic%]の範囲とする。)である。図57(B)は、In原子のEDXマッピング(全原子に対するIn原子の比率は9.28乃至33.74[atomic%]の範囲とする。)である。図57(C)は、Zn原子のEDXマッピング(全原子に対するZn原子の比率は6.69乃至24.99[atomic%]の範囲とする。)である。また、図57(A)、図57(B)、および図57(C)は、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料の断面において、同範囲の領域を示している。なお、EDXマッピングは、範囲における、測定元素が多いほど明るくなり、測定元素が少ないほど暗くなるように、明暗で元素の割合を示している。また、図57に示すEDXマッピングの倍率は720万倍である。
図57(A)、図57(B)、および図57(C)に示すEDXマッピングでは、画像に相対的な明暗の分布が見られ、成膜時の基板温度R.T.、および酸素ガス流量比10%で作製した試料において、各原子が分布を持って存在している様子が確認できる。ここで、図57(A)、図57(B)、および図57(C)に示す実線で囲む範囲と破線で囲む範囲に注目する。
図57(A)では、実線で囲む範囲は、相対的に暗い領域を多く含み、破線で囲む範囲は、相対的に明るい領域を多く含む。また、図57(B)では実線で囲む範囲は、相対的に明るい領域を多く含み、破線で囲む範囲は、相対的に暗い領域を多く含む。
つまり、実線で囲む範囲はIn原子が相対的に多い領域であり、破線で囲む範囲はIn原子が相対的に少ない領域である。ここで、図57(C)では、実線で囲む範囲において、右側は相対的に明るい領域であり、左側は相対的に暗い領域である。従って、実線で囲む範囲は、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1などが主成分である領域である。
また、実線で囲む範囲はGa原子が相対的に少ない領域であり、破線で囲む範囲はGa原子が相対的に多い領域である。図57(C)では、破線で囲む範囲において、左上の領域は、相対的に明るい領域であり、右下側の領域は、相対的に暗い領域である。従って、破線で囲む範囲は、GaOX3、またはGaX4ZnY4OZ4などが主成分である領域である。
また、図57(A)、図57(B)、および図57(C)より、In原子の分布は、Ga原子よりも、比較的、均一に分布しており、InOX1が主成分である領域は、InX2ZnY2OZ2が主成分となる領域を介して、互いに繋がって形成されているように見える。このように、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域は、クラウド状に広がって形成されている。
このように、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有するIn−Ga−Zn酸化物を、CAC−IGZOと呼称することができる。
また、CACにおける結晶構造は、nc構造を有する。CACが有するnc構造は、電子線回折像において、単結晶、多結晶、またはCAAC構造を含むIGZOに起因する輝点(スポット)以外にも、数か所以上の輝点(スポット)を有する。または、数か所以上の輝点(スポット)に加え、リング状に輝度の高い領域が現れるとして結晶構造が定義される。
また、図57(A)、図57(B)、および図57(C)より、GaOX3が主成分である領域、及びInX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域のサイズは、0.5nm以上10nm以下、または1nm以上3nm以下で観察される。なお、好ましくは、EDXマッピングにおいて、各金属元素が主成分である領域の径は、1nm以上2nm以下とする。
以上より、CAC−IGZOは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC−IGZOは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。従って、CAC−IGZOを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する性質と、InX2ZnY2OZ2、またはInOX1に起因する性質とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、および高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
また、CAC−IGZOを用いた半導体素子は、信頼性が高い。従って、CAC−IGZOは、ディスプレイをはじめとするさまざまな半導体装置に最適である。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様のタッチパネルモジュールに適用可能な入力装置(タッチセンサ)の駆動方法の例について説明する。
図43(A)は、相互容量方式のタッチセンサの構成を示すブロック図である。図43(A)では、パルス電圧出力回路601、電流検出回路602を示している。なお図43(A)では、パルスが与えられる電極621、電流の変化を検知する電極622をそれぞれ配線X1−X6、配線Y1−Y6の6本の配線として示している。なお、電極の数は、これに限られない。また図43(A)は、電極621および電極622が重畳すること、または電極621および電極622が近接して配置されることで形成される容量603を図示している。なお、電極621と電極622とはその機能を互いに置き換えてもよい。
例えば、実施の形態1で例示した配線23は電極621及び電極622の一方に対応し、配線24が電極621及び電極622の他方に対応する。
パルス電圧出力回路601は、例えば配線X1−X6に順にパルス電圧を入力するための回路である。電流検出回路602は、例えば配線Y1−Y6のそれぞれに流れる電流を検出するための回路である。
配線X1−X6のうち1つに配線にパルス電圧が印加されることで、容量603を形成する電極621および電極622の間には電界が生じ、電極622に電流が流れる。この電極間に生じる電界の一部は、指やスタイラスなど被検知体が近接または接触することにより遮蔽され、電極間に生じる電界の強さが変化する。その結果、電極622に流れる電流の大きさが変化する。
例えば、被検知体の近接、または接触がない場合、配線Y1−Y6に流れる電流の大きさは容量603の大きさに応じた値となる。一方、被検知体の近接、または接触により電界の一部が遮蔽された場合には、配線Y1−Y6に流れる電流の大きさが減少する変化を検出する。このことを利用して、被検知体の近接、または接触を検出することができる。
なお電流検出回路602は、1本の配線に流れる電流の(時間的な)積分値を検出してもよい。その場合には、例えば積分回路等を用いて検出を行えばよい。または、電流のピーク値を検出してもよい。その場合には、例えば電流を電圧に変換して、電圧値のピーク値を検出してもよい。
図43(B)には、図43(A)に示す相互容量方式のタッチセンサにおける入出力波形のタイミングチャートの例を示す。図43(B)では、1センシング期間で各行列の検出を行うものとする。また図43(B)では、被検知体の接触または近接を検出しない場合(非タッチ時)と、被検知体の接触または近接を検出した場合(タッチ時)の2つの場合を並べて示している。ここで、配線Y1−Y6については、検出される電流の大きさに対応する電圧の波形を示している。
図43(B)に示すように、配線X1−X6には順次パルス電圧が与えられる。これに応じて、配線Y1−Y6の配線に電流が流れる。非タッチ時では、配線X1−X6の配線の電圧の変化に応じて、配線Y1−Y6には同様の電流が流れるため、配線Y1−Y6のそれぞれの出力波形は同様な波形となる。一方、タッチ時では、配線Y1−Y6のうち、被検知体が接触、または近接する箇所に位置する配線に流れる電流が減少するため、図43(B)に示すように、出力波形が変化する。
図43(B)では、配線X3と配線Y3とが交差する箇所またはその近傍に、被検知体が接触または近接した場合の例を示している。
このように、相互容量方式では一対の電極間に生じる電界が遮蔽されることに起因する電流の変化を検出することにより、被検知体の位置情報を取得することができる。なお、検出感度が高い場合には、被検知体が検知面(例えばタッチパネルの表面)から離れていても、その座標を検出することもできる。
また、タッチパネルにおいては、表示部の表示期間と、タッチセンサのセンシング期間とをずらした駆動方法を用いることにより、タッチセンサの検出感度を高めることができる。例えば、表示の1フレーム期間の間に、表示期間と、センシング期間を分けて行えばよい。またこのとき、1フレーム期間中に2以上のセンシング期間を設けることが好ましい。センシングの頻度を増やすことで、検出感度をより高めることができる。
またパルス電圧出力回路601及び電流検出回路602は、例えば1個のICチップの中に形成されていることが好ましい。当該ICは、例えばタッチパネルに実装されること、若しくは電子機器の筐体内の基板に実装されることが好ましい。また可撓性を有するタッチパネルとする場合には、曲げた部分では寄生容量が増大し、ノイズの影響が大きくなってしまう恐れがあるため、ノイズの影響を受けにくい駆動方法が適用されたICを用いることが好ましい。例えばシグナル−ノイズ比(S/N比)を高める駆動方法が適用されたICを用いることが好ましい。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態に示したトランジスタ70、トランジスタ70a、トランジスタ70b、トランジスタ201、トランジスタ202等に置き換えて用いることができるトランジスタの一例について、図面を用いて説明する。
本発明の一態様のタッチパネルモジュール10は、ボトムゲート型のトランジスタや、トップゲート型トランジスタなどの様々な形態のトランジスタを用いて作製することができる。よって、既存の製造ラインに合わせて、使用する半導体層の材料やトランジスタ構造を容易に置き換えることができる。
〔ボトムゲート型トランジスタ〕
図44(A1)は、ボトムゲート型のトランジスタの一種であるチャネル保護型のトランジスタ810の断面図である。図44(A1)において、トランジスタ810は基板771上に形成されている。また、トランジスタ810は、基板771上に絶縁層772を介して電極746を有する。また、電極746上に絶縁層726を介して半導体層742を有する。電極746はゲート電極として機能できる。絶縁層726はゲート絶縁層として機能できる。
また、半導体層742のチャネル形成領域上に絶縁層741を有する。また、半導体層742の一部と接して、絶縁層726上に電極744aおよび電極744bを有する。電極744aは、ソース電極またはドレイン電極の一方として機能できる。電極744bは、ソース電極またはドレイン電極の他方として機能できる。電極744aの一部、および電極744bの一部は、絶縁層741上に形成される。
絶縁層741は、チャネル保護層として機能できる。チャネル形成領域上に絶縁層741を設けることで、電極744aおよび電極744bの形成時に生じる半導体層742の露出を防ぐことができる。よって、電極744aおよび電極744bの形成時に、半導体層742のチャネル形成領域がエッチングされることを防ぐことができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。
また、トランジスタ810は、電極744a、電極744bおよび絶縁層741上に絶縁層728を有し、絶縁層728の上に絶縁層729を有する。
例えば、絶縁層772は、絶縁層722や絶縁層705と同様の材料および方法を用いて形成することができる。なお、絶縁層772は複数の絶縁層の積層であってもよい。また、例えば、半導体層742は、半導体層708と同様の材料および方法を用いて形成することができる。なお、半導体層742は複数の半導体層の積層であってもよい。また、例えば、電極746は、電極706と同様の材料および方法を用いて形成することができる。なお、電極746は複数の導電層の積層であってもよい。また、例えば、絶縁層726は、絶縁層707と同様の材料および方法を用いて形成することができる。なお、絶縁層726は複数の絶縁層の積層であってもよい。また、例えば、電極744aおよび電極744bは、電極714または電極715と同様の材料および方法を用いて形成することができる。なお、電極744aおよび電極744bは複数の導電層の積層であってもよい。また、例えば、絶縁層741は、絶縁層726と同様の材料および方法を用いて形成することができる。なお、絶縁層741は複数の絶縁層の積層であってもよい。また、例えば、絶縁層728は、絶縁層710と同様の材料および方法を用いて形成することができる。なお、絶縁層728は複数の絶縁層の積層であってもよい。また、例えば、絶縁層729は、絶縁層711と同様の材料および方法を用いて形成することができる。なお、絶縁層729は複数の絶縁層の積層であってもよい。
本実施の形態で開示するトランジスタを構成する電極、半導体層、絶縁層などは、他の実施の形態に開示した材料および方法を用いて形成することができる。
半導体層742に酸化物半導体を用いる場合、電極724aおよび電極724bの、少なくとも半導体層742と接する部分に、半導体層742の一部から酸素を奪い、酸素欠損を生じさせることが可能な材料を用いることが好ましい。半導体層742中の酸素欠損が生じた領域はキャリア濃度が増加し、当該領域はn型化し、n型領域(n+層)となる。したがって、当該領域はソース領域またはドレイン領域として機能することができる。半導体層742に酸化物半導体を用いる場合、半導体層742から酸素を奪い、酸素欠損を生じさせることが可能な材料の一例として、タングステン、チタン等を挙げることができる。
半導体層742にソース領域およびドレイン領域が形成されることにより、電極724aおよび電極724bと半導体層742の接触抵抗を低減することができる。よって、電界効果移動度や、しきい値電圧などの、トランジスタの電気特性を良好なものとすることができる。
半導体層742にシリコンなどの半導体を用いる場合は、半導体層742と電極724aの間、および半導体層742と電極724bの間に、n型半導体またはp型半導体として機能する層を設けることが好ましい。n型半導体またはp型半導体として機能する層は、トランジスタのソース領域またはドレイン領域として機能することができる。
絶縁層729は、外部からのトランジスタへの不純物の拡散を防ぐ、または低減する機能を有する材料を用いて形成することが好ましい。なお、必要に応じて絶縁層729を省略することもできる。
なお、半導体層742に酸化物半導体を用いる場合、絶縁層729の形成前または形成後、もしくは絶縁層729の形成前後に加熱処理を行ってもよい。加熱処理を行うことで、絶縁層729や他の絶縁層中に含まれる酸素を半導体層742中に拡散させ、半導体層742中の酸素欠損を補填することができる。または、絶縁層729を加熱しながら成膜することで、半導体層742中の酸素欠損を補填することができる。
なお、一般に、CVD法は、プラズマを利用するプラズマCVD(PECVD:Plasma Enhanced CVD)法、熱を利用する熱CVD(TCVD:Thermal CVD)法などに分類できる。さらに用いる原料ガスによって金属CVD(MCVD:Metal CVD)法、有機金属CVD(MOCVD:Metal Organic CVD)法などに分類できる。
また、一般に、蒸着法は、抵抗加熱蒸着法、電子線蒸着法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、PLD(Pulsed Laser Deposition)法、IBAD(Ion Beam Assisted Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法などに分類できる。
プラズマCVD法は、比較的低温で高品質の膜が得られる。また、MOCVD法や蒸着法などの、成膜時にプラズマを用いない成膜方法を用いると、被形成面にダメージが生じにくく、また、欠陥の少ない膜が得られる。
また、一般に、スパッタリング法は、DCスパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、RFスパッタリング法、イオンビームスパッタリング法、ECR(Electron Cyclotron Resonance)スパッタリング法、対向ターゲットスパッタリング法などに分類できる。
対向ターゲットスパッタリング法では、プラズマがターゲット間に閉じこめられるため、基板へのプラズマダメージを低減することができる。また、ターゲットの傾きによっては、スパッタリング粒子の基板への入射角度を浅くすることができるため、段差被覆性を高めることができる。
図44(A2)に示すトランジスタ811は、絶縁層729上にバックゲート電極として機能できる電極723を有する点が、トランジスタ810と異なる。電極723は、電極746と同様の材料および方法で形成することができる。
一般に、バックゲート電極は導電層で形成され、ゲート電極とバックゲート電極で半導体層のチャネル形成領域を挟むように配置される。よって、バックゲート電極は、ゲート電極と同様に機能させることができる。バックゲート電極の電位は、ゲート電極と同電位としてもよいし、接地電位(GND電位)や、任意の電位としてもよい。また、バックゲート電極の電位をゲート電極と連動させず独立して変化させることで、トランジスタのしきい値電圧を変化させることができる。
電極746および電極723は、どちらもゲート電極として機能することができる。よって、絶縁層726、絶縁層728、および絶縁層729は、それぞれがゲート絶縁層として機能することができる。なお、電極723は、絶縁層728と絶縁層729の間に設けてもよい。
なお、電極746または電極723の一方を、「ゲート電極」という場合、他方を「バックゲート電極」という。例えば、トランジスタ811において、電極723を「ゲート電極」と言う場合、電極746を「バックゲート電極」と言う。また、電極723を「ゲート電極」として用いる場合は、トランジスタ811をトップゲート型のトランジスタの一種と考えることができる。また、電極746および電極723のどちらか一方を、「第1のゲート電極」といい、他方を「第2のゲート電極」という場合がある。
半導体層742を挟んで電極746および電極723を設けることで、更には、電極746および電極723を同電位とすることで、半導体層742においてキャリアの流れる領域が膜厚方向においてより大きくなるため、キャリアの移動量が増加する。この結果、トランジスタ811のオン電流が大きくなる共に、電界効果移動度が高くなる。
したがって、トランジスタ811は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ811の占有面積を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占有面積を小さくすることができる。よって、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
また、ゲート電極とバックゲート電極は導電層で形成されるため、トランジスタの外部で生じる電界が、チャネルが形成される半導体層に作用しないようにする機能(特に静電気などに対する電界遮蔽機能)を有する。なお、バックゲート電極を半導体層よりも大きく形成し、バックゲート電極で半導体層を覆うことで、電界遮蔽機能を高めることができる。
また、電極746および電極723は、それぞれが外部からの電界を遮蔽する機能を有するため、絶縁層772側もしくは電極723上方に生じる荷電粒子等の電荷が半導体層742のチャネル形成領域に影響しない。この結果、ストレス試験(例えば、ゲートに負の電荷を印加する−GBT(Gate Bias−Temperature)ストレス試験)による劣化が抑制される。また、ドレイン電圧の大きさにより、オン電流が流れ始めるゲート電圧(立ち上がり電圧)が変化する現象を軽減することができる。なお、この効果は、電極746および電極723が、同電位、または異なる電位の場合において生じる。
なお、BTストレス試験は加速試験の一種であり、長期間の使用によって起こるトランジスタの特性変化(経年変化)を短時間で評価することができる。特に、BTストレス試験前後におけるトランジスタのしきい値電圧の変動量は、信頼性を調べるための重要な指標となる。しきい値電圧の変動量が少ないほど、信頼性が高いトランジスタであるといえる。
また、電極746および電極723を有し、且つ電極746および電極723を同電位とすることで、しきい値電圧の変動量が低減される。このため、複数のトランジスタにおける電気特性のばらつきも同時に低減される。
また、バックゲート電極を有するトランジスタは、ゲートに正の電荷を印加する+GBTストレス試験前後におけるしきい値電圧の変動も、バックゲート電極を有さないトランジスタより小さい。
また、バックゲート電極を、遮光性を有する導電膜で形成することで、バックゲート電極側から半導体層に光が入射することを防ぐことができる。よって、半導体層の光劣化を防ぎ、トランジスタのしきい値電圧がシフトするなどの電気特性の劣化を防ぐことができる。
本発明の一態様によれば、信頼性の良好なトランジスタを実現することができる。また、信頼性の良好な半導体装置を実現することができる。
図44(B1)に、ボトムゲート型のトランジスタの1つであるチャネル保護型のトランジスタ820の断面図を示す。トランジスタ820は、トランジスタ810とほぼ同様の構造を有しているが、絶縁層741が半導体層742の端部を覆っている点が異なる。また、半導体層742と重なる絶縁層741の一部を選択的に除去して形成した開口部において、半導体層742と電極744aが電気的に接続している。また、半導体層742と重なる絶縁層741の一部を選択的に除去して形成した他の開口部において、半導体層742と電極744bが電気的に接続している。絶縁層741の、チャネル形成領域と重なる領域は、チャネル保護層として機能できる。
図44(B2)に示すトランジスタ821は、絶縁層729上にバックゲート電極として機能できる電極723を有する点が、トランジスタ820と異なる。
絶縁層729を設けることで、電極744aおよび電極744bの形成時に生じる半導体層742の露出を防ぐことができる。よって、電極744aおよび電極744bの形成時に半導体層742の薄膜化を防ぐことができる。
また、トランジスタ820およびトランジスタ821は、トランジスタ810およびトランジスタ811よりも、電極744aと電極746の間の距離と、電極744bと電極746の間の距離が長くなる。よって、電極744aと電極746の間に生じる寄生容量を小さくすることができる。また、電極744bと電極746の間に生じる寄生容量を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現できる。
図44(C1)に示すトランジスタ825は、ボトムゲート型のトランジスタの1つであるチャネルエッチング型のトランジスタである。トランジスタ825は、絶縁層729を用いずに電極744aおよび電極744bを形成する。このため、電極744aおよび電極744bの形成時に露出する半導体層742の一部がエッチングされる場合がある。一方、絶縁層729を設けないため、トランジスタの生産性を高めることができる。
図44(C2)に示すトランジスタ826は、絶縁層729上にバックゲート電極として機能できる電極723を有する点が、トランジスタ825と異なる。
〔トップゲート型トランジスタ〕
図45(A1)に、トップゲート型のトランジスタの一種であるトランジスタ830の断面図を示す。トランジスタ830は、絶縁層772の上に半導体層742を有し、半導体層742および絶縁層772上に、半導体層742の一部に接する電極744a、および半導体層742の一部に接する電極744bを有し、半導体層742、電極744a、および電極744b上に絶縁層726を有し、絶縁層726上に電極746を有する。
トランジスタ830は、電極746および電極744a、並びに、電極746および電極744bが重ならないため、電極746および電極744aの間に生じる寄生容量、並びに、電極746および電極744bの間に生じる寄生容量を小さくすることができる。また、電極746を形成した後に、電極746をマスクとして用いて不純物755を半導体層742に導入することで、半導体層742中に自己整合(セルフアライメント)的に不純物領域を形成することができる(図45(A3)参照)。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。
なお、不純物755の導入は、イオン注入装置、イオンドーピング装置またはプラズマ処理装置を用いて行うことができる。
不純物755としては、例えば、第13族元素または第15族元素のうち、少なくとも一種類の元素を用いることができる。また、半導体層742に酸化物半導体を用いる場合は、不純物755として、希ガス、水素、および窒素のうち、少なくとも一種類の元素を用いることも可能である。
図45(A2)に示すトランジスタ831は、電極723および絶縁層727を有する点がトランジスタ830と異なる。トランジスタ831は、絶縁層772の上に形成された電極723を有し、電極723上に形成された絶縁層727を有する。電極723は、バックゲート電極として機能することができる。よって、絶縁層727は、ゲート絶縁層として機能することができる。絶縁層727は、絶縁層726と同様の材料および方法により形成することができる。
トランジスタ811と同様に、トランジスタ831は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ831の占有面積を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占有面積を小さくすることができる。よって、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
図45(B1)に例示するトランジスタ840は、トップゲート型のトランジスタの1つである。トランジスタ840は、電極744aおよび電極744bを形成した後に半導体層742を形成する点が、トランジスタ830と異なる。また、図45(B2)に例示するトランジスタ841は、電極723および絶縁層727を有する点が、トランジスタ840と異なる。トランジスタ840およびトランジスタ841において、半導体層742の一部は電極744a上に形成され、半導体層742の他の一部は電極744b上に形成される。
トランジスタ811と同様に、トランジスタ841は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ841の占有面積を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占有面積を小さくすることができる。よって、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
図46(A1)に例示するトランジスタ842は、トップゲート型のトランジスタの1つである。トランジスタ842は、絶縁層729を形成した後に電極744aおよび電極744bを形成する点がトランジスタ830やトランジスタ840と異なる。電極744aおよび電極744bは、絶縁層728および絶縁層729に形成した開口部において半導体層742と電気的に接続する。
また、電極746と重ならない絶縁層726の一部を除去し、電極746と残りの絶縁層726をマスクとして用いて不純物755を半導体層742に導入することで、半導体層742中に自己整合(セルフアライメント)的に不純物領域を形成することができる(図46(A3)参照)。トランジスタ842は、絶縁層726が電極746の端部を越えて延伸する領域を有する。不純物755を半導体層742に導入する際に、半導体層742の絶縁層726を介して不純物755が導入された領域の不純物濃度は、絶縁層726を介さずに不純物755が導入された領域よりも小さくなる。よって、半導体層742中の、電極746と重なる部分に隣接する領域にLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成される。
図46(A2)に示すトランジスタ843は、電極723を有する点がトランジスタ842と異なる。トランジスタ843は、基板771の上に形成された電極723を有し、絶縁層772を介して半導体層742と重なる。電極723は、バックゲート電極として機能することができる。
また、図46(B1)に示すトランジスタ844および図46(B2)に示すトランジスタ845のように、電極746と重ならない領域の絶縁層726を全て除去してもよい。また、図46(C1)に示すトランジスタ846および図46(C2)に示すトランジスタ847のように、絶縁層726を残してもよい。
トランジスタ842乃至トランジスタ847も、電極746を形成した後に、電極746をマスクとして用いて不純物755を半導体層742に導入することで、半導体層742中に自己整合的に不純物領域を形成することができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。また、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様のタッチパネルと、ICと、を有するタッチパネルモジュールの構成例について、図面を参照して説明する。
図47に、タッチパネルモジュール6500のブロック図を示す。タッチパネルモジュール6500は、タッチパネル6510と、IC6520を有する。
タッチパネル6510は、表示部6511と、入力部6512と、走査線駆動回路6513を有する。表示部6511は、複数の画素、複数の信号線、複数の走査線を有し、画像を表示する機能を有する。入力部6512は、被検知体のタッチパネル6510への接触、または近接を検知する複数のセンサ素子を有し、タッチセンサとしての機能を有する。走査線駆動回路6513は、表示部6511が有する走査線に、走査信号を出力する機能を有する。
ここでは説明を容易にするため、タッチパネル6510の構成として、表示部6511と入力部6512を分けて明示しているが、画像を表示する機能と、タッチセンサとしての機能の両方の機能を有する、いわゆるインセル型のタッチパネルとすることが好ましい。
入力部6512として用いることのできるタッチセンサの方式としては、例えば静電容量方式を適用できる。静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。また投影型静電容量方式としては、自己容量方式、相互容量方式等がある。相互容量方式を用いると、同時多点検出が可能となるため好ましい。
なおこれに限られず、指やスタイラスなどの被検知体の近接、または接触を検知することのできる様々な方式のセンサを入力部6512に適用することもできる。例えばセンサの方式としては、静電容量方式以外にも、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、光学方式など様々な方式を用いることができる。
インセル型のタッチパネルとしては、代表的にはセミインセル型と、フルインセル型とがある。セミインセル型は、表示素子を支持する基板と対向基板の両方、または対向基板に、タッチセンサを構成する電極等が設けられた構成を言う。一方、フルインセル型は、表示素子を支持する基板に、タッチセンサを構成する電極等を設けた構成を言う。フルインセル型のタッチパネルとすることで、対向基板の構成を簡略化できるため好ましい。特にフルインセル型として、表示素子を構成する電極が、タッチセンサを構成する電極を兼ねる構成とすると、作製工程を簡略化でき、作製コストを低減できるため好ましい。
表示部6511は、HD(画素数1280×720)、FHD(画素数1920×1080)、WQHD(画素数2560×1440)、WQXGA(画素数2560×1600)、4K(画素数3840×2160)、8K(画素数7680×4320)といった極めて高い解像度を有していることが好ましい。特に4K、8K、またはそれ以上の解像度とすることが好ましい。また、表示部6511に設けられる画素の画素密度(精細度)が、300ppi以上、好ましくは500ppi以上、より好ましくは800ppi以上、より好ましくは1000ppi以上、より好ましくは1200ppi以上であることが好ましい。このように高い解像度で且つ高い精細度を有する表示部6511により、携帯型や家庭用途などのパーソナルユースにおいては、より臨場感や奥行き感などを高めることが可能となる。
IC6520は、回路ユニット6501、信号線駆動回路6502、センサ駆動回路6503、及び検出回路6504を有する。回路ユニット6501は、タイミングコントローラ6505と、画像処理回路6506等を有する。
信号線駆動回路6502は、表示部6511が有する信号線に、アナログ信号である映像信号(ビデオ信号ともいう)を出力する機能を有する。例えば信号線駆動回路6502として、シフトレジスタ回路とバッファ回路を組み合わせた構成を有することができる。また、タッチパネル6510は、信号線に接続するデマルチプレクサ回路を有していてもよい。
センサ駆動回路6503は、入力部6512が有するセンサ素子を駆動する信号を出力する機能を有する。センサ駆動回路6503としては、例えばシフトレジスタ回路とバッファ回路を組み合わせた構成を用いることができる。
検出回路6504は、入力部6512が有するセンサ素子からの出力信号を回路ユニット6501に出力する機能を有する。例えば検出回路6504として、増幅回路と、アナログデジタル変換回路(ADC:Analog−Digital Convertor)を有する構成を用いることができる。このとき検出回路6504は、入力部6512から出力されるアナログ信号を、デジタル信号に変換して回路ユニット6501に出力する。
回路ユニット6501が有する画像処理回路6506は、タッチパネル6510の表示部6511を駆動する信号を生成して出力する機能と、入力部6512を駆動する信号を生成して出力する機能と、入力部6512から出力された信号を解析して、CPU6540に出力する機能と、を有する。
より具体的な例としては、画像処理回路6506は、CPU6540からの命令に従い、映像信号を生成する機能を有する。また画像処理回路6506は、表示部6511の仕様に合わせて映像信号に信号処理を施し、アナログ映像信号に変換し、信号線駆動回路6502に供給する機能を有する。また画像処理回路6506は、CPU6540からの命令に従い、センサ駆動回路6503に出力する駆動信号を生成する機能を有する。また、画像処理回路6506は、検出回路6504から入力された信号を解析し、位置情報としてCPU6540に出力する機能を有する。
またタイミングコントローラ6505は、画像処理回路6506が処理を施した映像信号等に含まれる同期信号を基に、走査線駆動回路6513及びセンサ駆動回路6503に出力する信号(クロック信号、スタートパルス信号などの信号)を生成し、出力する機能を有する。またタイミングコントローラ6505は、検出回路6504が信号を出力するタイミングを規定する信号を生成し、出力する機能を有していてもよい。ここで、タイミングコントローラ6505は、走査線駆動回路6513に出力する信号と、センサ駆動回路6503に出力する信号とに、それぞれ同期させた信号を出力することが好ましい。特に、表示部6511の画素のデータを書き換える期間と、入力部6512でセンシングする期間を、それぞれ分けることが好ましい。例えば、1フレーム期間を、画素のデータを書き換える期間と、センシングする期間とに分けてタッチパネル6510を駆動することができる。また、例えば1フレーム期間中に2以上のセンシングの期間を設けることで、検出感度及び検出精度を高めることができる。
画像処理回路6506としては、例えばプロセッサを有する構成とすることができる。例えばDSP(Digital Signal Processor)、GPU(Graphics Processing Unit)等のマイクロプロセッサを用いることができる。またこれらマイクロプロセッサをFPGA(Field Programmable Gate Array)やFPAA(Field Programmable Analog Array)といったPLD(Programmable Logic Device)によって実現した構成としてもよい。プロセッサにより種々のプログラムからの命令を解釈し実行することで、各種のデータ処理やプログラム制御を行う。プロセッサにより実行しうるプログラムは、プロセッサが有するメモリ領域に格納されていてもよいし、別途設けられる記憶装置に格納されていてもよい。
なお、タッチパネル6510が有する表示部6511、走査線駆動回路6513や、IC6520が有する回路ユニット6501、信号線駆動回路6502、センサ駆動回路6503、検出回路6504、または外部に設けられるCPU6540等に、チャネル形成領域に酸化物半導体を用い、極めて低いオフ電流が実現されたトランジスタを利用することもできる。当該トランジスタは、オフ電流が極めて低いため、当該トランジスタを記憶素子として機能する容量素子に流入した電荷(データ)を保持するためのスイッチとして用いることで、データの保持期間を長期にわたり確保することができる。例えばこの特性を画像処理回路6506のレジスタやキャッシュメモリに用いることで、必要なときだけ画像処理回路6506を動作させ、他の場合には直前の処理の情報を当該記憶素子に待避させることにより、ノーマリーオフコンピューティングが可能となり、タッチパネルモジュール6500、及びこれが実装される電子機器の低消費電力化を図ることができる。
なお、ここでは回路ユニット6501がタイミングコントローラ6505と画像処理回路6506を有する構成としたが、画像処理回路6506自体、または画像処理回路6506の一部の機能を有する回路を、IC6520の外部に設けてもよい。または、画像処理回路6506の機能、または一部の機能をCPU6540が担ってもよい。例えば回路ユニット6501が信号線駆動回路6502、センサ駆動回路6503、検出回路6504、及びタイミングコントローラ6505を有する構成とすることもできる。
なお、ここではIC6520が回路ユニット6501を含む例を示したが、回路ユニット6501はIC6520に含まれない構成とすることもできる。この時、IC6520は信号線駆動回路6502、センサ駆動回路6503、及び検出回路6504を有する構成とすることができる。例えばタッチパネルモジュール6500にICを複数実装する場合には、回路ユニット6501を別途設け、回路ユニット6501を有さないIC6520を複数配置することもできるし、IC6520と、信号線駆動回路6502のみを有するICを組み合わせて配置することもできる。
このように、タッチパネル6510の表示部6511を駆動する機能と、入力部6512を駆動する機能と、を1つのICに組み込んだ構成とすることで、タッチパネルモジュール6500に実装するICの数を減らすことができるため、コストを低減することができる。
図48(A)、(B)、(C)は、IC6520を実装したタッチパネルモジュール6500の概略図である。
図48(A)では、タッチパネルモジュール6500は、基板6531、対向基板6532、複数のFPC6533、IC6520、IC6530等を有する。また基板6531と対向基板6532との間に表示部6511、入力部6512、及び走査線駆動回路6513を有している。IC6520及びIC6530は、COG(Chip On Glass)方式などの実装方法により基板6531に実装されている。
IC6530は、上述したIC6520において、信号線駆動回路6502のみ、または信号線駆動回路6502及び回路ユニット6501を有するICである。IC6520やIC6530には、FPC6533を介して外部から信号が供給される。またFPC6533を介してIC6520やIC6530から外部に信号を出力することができる。
図48(A)では表示部6511を挟むように走査線駆動回路6513を2つ設ける構成の例を示している。またIC6520に加えてIC6530を有する構成を示している。このような構成は、表示部6511として極めて高解像度の場合に、好適に用いることができる。
図48(B)は、1つのIC6520と1つのFPC6533を実装した例を示している。このように、機能を1つのIC6520に集約させることで、部品点数を減らすことができるため好ましい。また図48(B)では、走査線駆動回路6513を表示部6511の2つの短辺のうち、FPC6533に近い側の辺に沿って配置した例を示している。
図48(C)は、画像処理回路6506等が実装されたPCB(Printed Circuit Board)6534を有する構成の例を示している。基板6531上のIC6520及びIC6530と、PCB6534とは、FPC6533によって電気的に接続されている。ここで、IC6520には、上述の画像処理回路6506を有さない構成を適用することができる。
なお図48の各図において、IC6520やIC6530は、基板6531でなはくFPC6533に実装されていてもよい。例えばIC6520やIC6530をCOF(Chip On Film)方式やTAB(Tape Automated Bonding)方式などの実装方法によりFPC6533に実装すればよい。
図48(A)、(B)に示すように、表示部6511の短辺側にFPC6533やIC6520(及びIC6530)等を配置する構成は狭額縁化が可能であるため、例えばスマートフォン、携帯電話、またはタブレット端末などの電子機器に好適に用いることができる。また、図48(C)に示すようなPCB6534を用いる構成は、例えばテレビジョン装置やモニタ装置、タブレット端末、またはノート型のパーソナルコンピュータなどに好適に用いることができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置、または表示システムを有する表示モジュール及び電子機器について、図49乃至図54を用いて説明を行う。
図49に示す表示モジュール8000は、上部カバー8001と下部カバー8002との間に、FPC8003に接続されたタッチパネル8004、フレーム8009、プリント基板8010、バッテリ8011を有する。
本発明の一態様の表示パネル、タッチパネル、またはタッチパネルモジュールは、例えば、タッチパネル8004に用いることができる。
上部カバー8001及び下部カバー8002は、タッチパネル8004のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。
タッチパネル8004は、抵抗膜方式または静電容量方式のタッチパネルを表示パネルに重畳して用いることができる。また、タッチパネル8004の対向基板(封止基板)に、タッチパネル機能を持たせるようにすることも可能である。また、タッチパネル8004の各画素内に光センサを設け、光学式のタッチパネルとすることも可能である。
また、透過型、または半透過型の液晶素子を用いた場合には、図49に示すようにバックライト8007を設けてもよい。バックライト8007は、光源8008を有する。なお、図49において、バックライト8007上に光源8008を配置する構成について例示したが、これに限定さない。例えば、バックライト8007の端部に光源8008を配置し、さらに光拡散板を用いる構成としてもよい。なお、有機EL素子等の自発光型の発光素子を用いる場合、または反射型パネル等の場合においては、バックライト8007を設けない構成としてもよい。
フレーム8009は、表示パネル8006の保護機能の他、プリント基板8010の動作により発生する電磁波を遮断するための電磁シールドとしての機能を有する。またフレーム8009は、放熱板としての機能を有していてもよい。
プリント基板8010は、電源回路、ビデオ信号及びクロック信号を出力するための信号処理回路を有する。電源回路に電力を供給する電源としては、外部の商用電源であっても良いし、別途設けたバッテリ8011による電源であってもよい。バッテリ8011は、商用電源を用いる場合には、省略可能である。
また、タッチパネル8004は、偏光板、位相差板、プリズムシートなどの部材を追加して設けてもよい。
本発明の一態様の表示パネル、発光パネル、センサパネル、タッチパネル、タッチパネルモジュール、入力装置、表示装置、または入出力装置を用いて、電子機器や照明装置を作製できる。本発明の一態様の入力装置、表示装置、または入出力装置を用いて、曲面を有し、信頼性の高い電子機器や照明装置を作製できる。また、本発明の一態様の入力装置、表示装置、または入出力装置を用いて、可撓性を有し、信頼性の高い電子機器や照明装置を作製できる。また本発明の一態様の入力装置、または入出力装置を用いて、タッチセンサの検出感度が向上した電子機器や照明装置を作製できる。
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
また、本発明の一態様の電子機器又は照明装置は可撓性を有する場合、家屋やビルの内壁もしくは外壁、又は、自動車の内装もしくは外装の曲面に沿って組み込むことも可能である。
また、本発明の一態様の電子機器は、二次電池を有していてもよく、非接触電力伝送を用いて、二次電池を充電することができると好ましい。
二次電池としては、例えば、ゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池(リチウムイオンポリマー電池)等のリチウムイオン二次電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池などが挙げられる。
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信することで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器が二次電池を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
図50(A)乃至図50(H)、及び図51(A)、(B)は、電子機器を示す図である。これらの電子機器は、筐体5000、表示部5001、スピーカ5003、LEDランプ5004、操作キー5005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子5006、センサ5007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン5008、等を有することができる。
図50(A)はモバイルコンピュータであり、上述したものの他に、スイッチ5009、赤外線ポート5010、等を有することができる。
図50(B)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(たとえば、DVD再生装置)であり、上述したものの他に、第2表示部5002、記録媒体読込部5011、等を有することができる。
図50(C)はテレビジョン装置であり、上述したものの他に、スタンド5012等を有することができる。また、テレビジョン装置の操作は、筐体5000が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機5013により行うことができる。リモコン操作機5013が備える操作キーにより、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部5001に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機5013に、当該リモコン操作機5013から出力する情報を表示する表示部を設ける構成としてもよい。
図50(D)は携帯型遊技機であり、上述したものの他に、記録媒体読込部5011、等を有することができる。
図50(E)はテレビ受像機能付きデジタルカメラであり、上述したものの他に、アンテナ5014、シャッターボタン5015、受像部5016、等を有することができる。
図50(F)は携帯型遊技機であり、上述したものの他に、第2表示部5002、記録媒体読込部5011、等を有することができる。
図50(G)は持ち運び型テレビ受像器であり、上述したものの他に、信号の送受信が可能な充電器5017、等を有することができる。
図50(H)は腕時計型情報端末であり、上述したもののほかに、バンド5018、留め金5019、等を有することができる。ベゼル部分を兼ねる筐体5000に搭載された表示部5001は、非矩形状の表示領域を有している。表示部5001は、時刻を表すアイコン5020、その他のアイコン5021等を表示することができる。
図51(A)はデジタルサイネージ(Digital Signage:電子看板)である。図51(B)は円柱状の柱に取り付けられたデジタルサイネージである。
図50(A)乃至図50(H)、及び図51(A)、(B)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。さらに、複数の表示部を有する電子機器においては、一つの表示部を主として画像情報を表示し、別の一つの表示部を主として文字情報を表示する機能、または、複数の表示部に視差を考慮した画像を表示することで立体的な画像を表示する機能、等を有することができる。さらに、受像部を有する電子機器においては、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を自動または手動で補正する機能、撮影した画像を記録媒体(外部又はカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図50(A)乃至図50(H)、及び図51(A)、(B)に示す電子機器が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。
図52(A)、(B)、(C1)、(C2)、(D)、(E)に、湾曲した表示部7000を有する電子機器の一例を示す。表示部7000はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。なお、表示部7000は可撓性を有していてもよい。
表示部7000は、本発明の一態様の表示パネル、発光パネル、センサパネル、タッチパネル、表示装置、または入出力装置等を用いて作製される。本発明の一態様により、湾曲した表示部を備え、且つ信頼性の高い電子機器を提供できる。
図52(A)に携帯電話機の一例を示す。携帯電話機7100は、筐体7101、表示部7000、操作ボタン7103、外部接続ポート7104、スピーカ7105、マイク7106等を有する。
図52(A)に示す携帯電話機7100は、表示部7000にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部7000に触れることで行うことができる。
また、操作ボタン7103の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部7000に表示される画像の種類を切り替えることができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
図52(B)にテレビジョン装置の一例を示す。テレビジョン装置7200は、筐体7201に表示部7000が組み込まれている。ここでは、スタンド7203により筐体7201を支持した構成を示している。
図52(B)に示すテレビジョン装置7200の操作は、筐体7201が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機7211により行うことができる。または、表示部7000にタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7000に触れることで操作してもよい。リモコン操作機7211は、当該リモコン操作機7211から出力する情報を表示する表示部を有していてもよい。リモコン操作機7211が備える操作キー又はタッチパネルにより、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部7000に表示される映像を操作することができる。
なお、テレビジョン装置7200は、受信機やモデムなどを備えた構成とする。受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができる。また、モデムを介して有線又は無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)又は双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
図52(C1)、(C2)、(D)、(E)に携帯情報端末の一例を示す。各携帯情報端末は、筐体7301及び表示部7000を有する。さらに、操作ボタン、外部接続ポート、スピーカ、マイク、アンテナ、又はバッテリ等を有していてもよい。表示部7000にはタッチセンサを備える。携帯情報端末の操作は、指やスタイラスなどで表示部7000に触れることで行うことができる。
図52(C1)は、携帯情報端末7300の斜視図であり、図52(C2)は携帯情報端末7300の上面図である。図52(D)は、携帯情報端末7310の斜視図である。図52(E)は、携帯情報端末7320の斜視図である。
本実施の形態で例示する携帯情報端末は、例えば、電話機、手帳又は情報閲覧装置等から選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとしてそれぞれ用いることができる。本実施の形態で例示する携帯情報端末は、例えば、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
携帯情報端末7300、携帯情報端末7310及び携帯情報端末7320は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。例えば、図52(C1)、(D)に示すように、3つの操作ボタン7302を一の面に表示し、矩形で示す情報7303を他の面に表示することができる。図52(C1)、(C2)では、携帯情報端末の上側に情報が表示される例を示し、図52(D)では、携帯情報端末の横側に情報が表示される例を示す。また、携帯情報端末の3面以上に情報を表示してもよく、図52(E)では、情報7304、情報7305、情報7306がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。
なお、情報の例としては、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の通知、電子メールや電話などの着信を知らせる表示、電子メールなどの題名もしくは送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、アンテナ受信の強度などがある。または、情報が表示されている位置に、情報の代わりに、操作ボタン、アイコンなどを表示してもよい。
例えば、携帯情報端末7300の使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末7300を収納した状態で、その表示(ここでは情報7303)を確認することができる。
具体的には、着信した電話の発信者の電話番号又は氏名等を、携帯情報端末7300の上方から観察できる位置に表示する。使用者は、携帯情報端末7300をポケットから取り出すことなく、表示を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。
図52(F)〜(H)に、湾曲した発光部を有する照明装置の一例を示している。
図52(F)〜(H)に示す各照明装置が有する発光部は、本発明の一態様の表示パネル、発光パネル、センサパネル、タッチパネル、表示装置、または入出力装置等を用いて作製される。本発明の一態様により、湾曲した発光部を備え、且つ信頼性の高い照明装置を提供できる。
図52(F)に示す照明装置7400は、波状の発光面を有する発光部7402を備える。したがってデザイン性の高い照明装置となっている。
図52(G)に示す照明装置7410の備える発光部7412は、凸状に湾曲した2つの発光部が対称的に配置された構成となっている。したがって照明装置7410を中心に全方位を照らすことができる。
図52(H)に示す照明装置7420は、凹状に湾曲した発光部7422を備える。したがって、発光部7422からの発光を、照明装置7420の前面に集光するため、特定の範囲を明るく照らす場合に適している。また、このような形態とすることで、影ができにくいという効果を奏する。
また、照明装置7400、照明装置7410及び照明装置7420の備える各々の発光部は可撓性を有していてもよい。発光部を可塑性の部材や可動なフレームなどの部材で固定し、用途に合わせて発光部の発光面を自在に湾曲可能な構成としてもよい。
照明装置7400、照明装置7410及び照明装置7420は、それぞれ、操作スイッチ7403を備える台部7401と、台部7401に支持される発光部を有する。
なおここでは、台部によって発光部が支持された照明装置について例示したが、発光部を備える筐体を天井に固定する、又は天井からつり下げるように用いることもできる。発光面を湾曲させて用いることができるため、発光面を凹状に湾曲させて特定の領域を明るく照らす、又は発光面を凸状に湾曲させて部屋全体を明るく照らすこともできる。
図53(A1)、(A2)、(B)〜(I)に、可撓性を有する表示部7001を有する携帯情報端末の一例を示す。
表示部7001は、本発明の一態様の表示パネル、発光パネル、センサパネル、タッチパネル、表示装置、または入出力装置等を用いて作製される。例えば、曲率半径0.01mm以上150mm以下で曲げることができる表示装置、または入出力装置等を適用できる。また、表示部7001はタッチセンサを備えていてもよく、指等で表示部7001に触れることで携帯情報端末を操作することができる。本発明の一態様により、可撓性を有する表示部を備え、且つ信頼性の高い電子機器を提供できる。
図53(A1)は、携帯情報端末の一例を示す斜視図であり、図53(A2)は、携帯情報端末の一例を示す側面図である。携帯情報端末7500は、筐体7501、表示部7001、引き出し部材7502、操作ボタン7503等を有する。
携帯情報端末7500は、筐体7501内にロール状に巻かれた可撓性を有する表示部7001を有する。
また、携帯情報端末7500は内蔵された制御部によって映像信号を受信可能で、受信した映像を表示部7001に表示することができる。また、携帯情報端末7500にはバッテリが内蔵されている。また、筐体7501にコネクターを接続する端子部を備え、映像信号や電力を有線により外部から直接供給する構成としてもよい。
また、操作ボタン7503によって、電源のON、OFF動作や表示する映像の切り替え等を行うことができる。なお、図53(A1)、(A2)、(B)では、携帯情報端末7500の側面に操作ボタン7503を配置する例を示すが、これに限られず、携帯情報端末7500の表示面と同じ面(おもて面)や、裏面に配置してもよい。
図53(B)には、表示部7001を引き出し部材7502により引き出した状態の携帯情報端末7500を示す。この状態で表示部7001に映像を表示することができる。また、表示部7001の一部がロール状に巻かれた図53(A1)の状態と表示部7001を引き出し部材7502により引き出した図53(B)の状態とで、携帯情報端末7500が異なる表示を行う構成としてもよい。例えば、図53(A1)の状態のときに、表示部7001のロール状に巻かれた部分を非表示とすることで、携帯情報端末7500の消費電力を下げることができる。
なお、表示部7001を引き出した際に表示部7001の表示面が平面状となるように固定するため、表示部7001の側部に補強のためのフレームを設けていてもよい。
なお、この構成以外に、筐体にスピーカを設け、映像信号と共に受信した音声信号によって音声を出力する構成としてもよい。
図53(C)〜(E)に、折りたたみ可能な携帯情報端末の一例を示す。図53(C)では、展開した状態、図53(D)では、展開した状態又は折りたたんだ状態の一方から他方に変化する途中の状態、図53(E)では、折りたたんだ状態の携帯情報端末7600を示す。携帯情報端末7600は、折りたたんだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により一覧性に優れる。
表示部7001はヒンジ7602によって連結された3つの筐体7601に支持されている。ヒンジ7602を介して2つの筐体7601間を屈曲させることにより、携帯情報端末7600を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。
図53(F)、(G)に、折りたたみ可能な携帯情報端末の一例を示す。図53(F)では、表示部7001が内側になるように折りたたんだ状態、図53(G)では、表示部7001が外側になるように折りたたんだ状態の携帯情報端末7650を示す。携帯情報端末7650は表示部7001及び非表示部7651を有する。携帯情報端末7650を使用しない際に、表示部7001が内側になるように折りたたむことで、表示部7001の汚れや傷つきを抑制できる。
図53(H)に、可撓性を有する携帯情報端末の一例を示す。携帯情報端末7700は、筐体7701及び表示部7001を有する。さらに、入力手段であるボタン7703a、7703b、音声出力手段であるスピーカ7704a、7704b、外部接続ポート7705、マイク7706等を有していてもよい。また、携帯情報端末7700は、可撓性を有するバッテリ7709を搭載することができる。バッテリ7709は例えば表示部7001と重ねて配置してもよい。
筐体7701、表示部7001、及びバッテリ7709は可撓性を有する。そのため、携帯情報端末7700を所望の形状に湾曲させることや、携帯情報端末7700に捻りを加えることが容易である。例えば、携帯情報端末7700は、表示部7001が内側又は外側になるように折り曲げて使用することができる。または、携帯情報端末7700をロール状に巻いた状態で使用することもできる。このように筐体7701及び表示部7001を自由に変形することが可能であるため、携帯情報端末7700は、落下した場合、又は意図しない外力が加わった場合であっても、破損しにくいという利点がある。
また、携帯情報端末7700は軽量であるため、筐体7701の上部をクリップ等で把持してぶら下げて使用する、又は、筐体7701を磁石等で壁面に固定して使用するなど、様々な状況において利便性良く使用することができる。
図53(I)に腕時計型の携帯情報端末の一例を示す。携帯情報端末7800は、バンド7801、表示部7001、入出力端子7802、操作ボタン7803等を有する。バンド7801は、筐体としての機能を有する。また、携帯情報端末7800は、可撓性を有するバッテリ7805を搭載することができる。バッテリ7805は例えば表示部7001やバンド7801と重ねて配置してもよい。
バンド7801、表示部7001、及びバッテリ7805は可撓性を有する。そのため、携帯情報端末7800を所望の形状に湾曲させることが容易である。
操作ボタン7803は、時刻設定のほか、電源のオン、オフ動作、無線通信のオン、オフ動作、マナーモードの実行及び解除、省電力モードの実行及び解除など、様々な機能を持たせることができる。例えば、携帯情報端末7800に組み込まれたオペレーティングシステムにより、操作ボタン7803の機能を自由に設定することもできる。
また、表示部7001に表示されたアイコン7804に指等で触れることで、アプリケーションを起動することができる。
また、携帯情報端末7800は、通信規格に準拠した近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。
また、携帯情報端末7800は入出力端子7802を有していてもよい。入出力端子7802を有する場合、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また入出力端子7802を介して充電を行うこともできる。なお、本実施の形態で例示する携帯情報端末の充電動作は、入出力端子を介さずに非接触電力伝送により行ってもよい。
図54(A)、(B)、(C)に折り畳み可能な腕時計型の携帯情報端末の一例を示す。携帯情報端末7900は、表示部7901、筐体7902、筐体7903、バンド7904、操作ボタン7905等を有する。
携帯情報端末7900は、図54(A)に示すように筐体7902が筐体7903上に重ねられた状態から、図54(B)に示すように筐体7902を持ち上げることにより、図54(C)に示すように、表示部7901が展開された状態に可逆的に変形させることができる。そのため携帯情報端末7900は、例えば通常は表示部7901を折り畳んだ状態で使用することが可能で、また表示部7901を展開することにより表示領域を広げて使用することができる。
また、表示部7901がタッチパネルとしての機能を有することで、表示部7901を触れることで携帯情報端末7900を操作することができる。また操作ボタン7905を押す、回す、若しくは上下方向、手前方向、または奥行方向にずらすなどの操作により、携帯情報端末7900を操作することができる。
図54(A)に示すように、筐体7902と筐体7903とが重なった状態のとき、筐体7902と筐体7903とが意図せずに離れないようにロック機構を有することが好ましい。このとき、例えば操作ボタン7905を押すなどの操作により、ロック状態を解除できる構成とすることが好ましい。また、バネなどの復元力を利用して、ロック状態を解除したときに、図54(A)に示す状態から図54(C)に示す状態に自動的に変形する機構を有していてもよい。または、ロック機構に代えて磁力により筐体7902と筐体7903の相対的な位置を固定してもよい。磁力を用いることで容易に筐体7902と筐体7903とを脱着させることができる。例えば筐体7902及び筐体7903の一方に強磁性体を配置し、他方に強磁性体や常磁性体などの磁性体を、2つの筐体を重ねたときに、上記強磁性体と重なる位置に配置すればよい。
図54(A)、(B)、(C)では、バンド7904の曲がる向きに対して概略垂直な方向に表示部7901が展開できる構成を示したが、図54(D)、(E)に示すように、バンド7904の曲がる向きに概略平行な方向に表示部7901を展開できる構成としてもよい。またこのとき、バンド7904に巻きつけるように、表示部7901を湾曲させて用いてもよい。
本実施の形態において述べた電子機器は、何らかの情報を表示するための表示部を有することを特徴とする。該表示部に、本発明の一態様の表示パネル、タッチパネル、またはタッチパネルモジュール等を適用することができる。
本実施の形態は、少なくともその一部を本明細書中に記載する他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。