JP2018088391A - 表示装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】タッチパネルを備えた、アクティブマトリックス型のOLED表示装置において構造を単純にする。【解決手段】一実施例の表示装置は、絶縁基板と、前記絶縁基板と対向する封止構造部と、前記絶縁基板と前記封止構造部との間に配置された、複数の下部電極と、1つの上部電極と、それぞれが前記1つの上部電極と前記複数の下部電極のそれぞれとの間に配置された複数の有機発光層と、前記絶縁基板と前記下部電極との間に形成され、前記下部電極それぞれに供給する電流を制御する複数の回路と、前記絶縁基板と前記下部電極との間に形成された、タッチパネル電極とを含み、前記上部電極は、前記有機発光層が出射する光を前記封止構造部に向けて透過させる電極であって、前記タッチパネル電極により形成される電界が通過する孔を有する。【選択図】図4

Description

本開示は、表示装置及びその製造方法に関する。
タッチパネルを備えた液晶表示装置が提案されている(特開2014−219606号公報参照)。かかる表示装置では、例えば装置サイズを縮小するためや、部品点数を少なくするために、構造を単純にすることが望まれる。
また、液晶表示装置に替わり、アクティブマトリックス型のOLED(Organic Light−Emitting Diode)表示装置が提案されている。
特開2014−219606号公報
タッチパネルを備えた、アクティブマトリックス型のOLED表示装置の構造を単純にすることが望まれる。
本実施の形態の表示装置の一態様は、絶縁基板と、前記絶縁基板と対向する封止構造部と、前記絶縁基板と前記封止構造部との間に配置された、複数の下部電極と、1つの上部電極と、それぞれが前記1つの上部電極と前記複数の下部電極のそれぞれとの間に配置された複数の有機発光層と、前記封止構造部に向かって立ち上がる複数の穿孔壁と、前記絶縁基板と前記下部電極との間に形成され、前記下部電極それぞれに供給する電流を制御する複数の回路と、前記絶縁基板と前記下部電極との間に形成された、タッチパネル電極とを含む。そして、前記上部電極は、前記有機発光層からの光を前記封止構造部に向けて透過させる電極であって、前記複数の穿孔壁それぞれが貫通するように形成されている孔を有し、前記上部電極の孔を介して、前記タッチパネル電極により形成される電界が通過する。
本実施の形態の一態様によれば、アクティブマトリックス型のOLED表示装置の構造を単純にすることができる。
表示装置の構成例を模式的に示す。 TFT基板上の回路構成を模式的に示す。 副画素の回路(画素回路)の構成例を示す。 副画素の回路(画素回路)の構成例を示す。 表示装置の断面構造の一部を模式的に示す。 表示装置の製造方法の一例を模式的に示す。 表示装置の製造方法の一例を模式的に示す。 表示装置の製造方法の一例を模式的に示す。 表示装置の製造方法の一例を模式的に示す。 表示装置の製造方法の一例を模式的に示す。 表示装置の製造方法の一例を模式的に示す。 表示装置の製造方法の一例を模式的に示す。 表示装置の製造方法の一例を模式的に示す。 表示装置の製造方法の一例を模式的に示す。 表示装置の、副画素及び穿孔壁の配列例を模式的に示す。 副画素及び穿孔壁の他の配列例を模式的に示す。 副画素及び穿孔壁の他の配列例を模式的に示す。 副画素及び穿孔壁の他の配列例を模式的に示す。 タッチパネル電極の構成例(配列例)を模式的に示す。 タッチパネル電極と画素(副画素)とのサイズ関係例を模式的に示す。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。本実施形態は本発明を実現するための一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではないことに注意すべきである。各図において共通の構成については同一の参照符号が付されている。
以下において、タッチパネル一体型であり、アクティブマトリックス型のOLED表示装置(以下、表示装置と適宜略記する)を開示する。表示装置は、トップエミッション型の画素構造を有する。
本実施の形態の表示装置では、構造を単純にするために、図4で説明するように、光が出射する側と反対側に配置された絶縁基板と、画素との間にタッチパネル用の電極(タッチパネル電極)が配置されている。そして、タッチパネル電極の電界を接触面(画面が表示される面)に通過させるために、画素の前面(光が出射する側)を覆う上部電極に、複数の孔を形成する。この孔は、例えば、穿孔壁により形成されている。タッチパネル電極により形成される電界は、孔から通過し、指や手などの指示体が接触する接触面に至る。すなわち、タッチパネル電極は、孔を介して、接触面に電界を形成することができる。そして、タッチパネル電極を駆動し接触位置を検出する検出回路は、指示体による電界の変化(指示体と電極と間の静電容量変化)を検出し接触位置を検出する。
図1〜図3を参照して、本実施形態に係る、表示装置10の全体構成を説明する。次いで、図4を参照して、前記した孔の説明など、表示装置10の詳細について説明する。なお、説明をわかりやすくするため、図示した物の寸法、形状については、誇張して記載している場合もある。
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る、表示装置10の構成例を模式的に示す。表示装置10は、発光素子が形成されるTFT(Thin Film Transistor)基板100と、発光素子を封止する封止基板200と、TFT基板100と封止基板200とを接合する接合部(ガラスフリットシール部)300を含んで構成されている。TFT基板100と封止基板200との間には、例えば、乾燥空気が封入されており、接合部300により封止されている。
TFT基板100の表示領域125の外側のカソード電極形成領域114の周囲に、走査ドライバ131、エミッションドライバ132、保護回路133、ドライバIC134が配置されている。これらは、FPC(Flexible Printed Circuit)135を介して外部の機器と接続される。
走査ドライバ131はTFT基板100の走査線を駆動する。エミッションドライバ132は、エミッション制御線を駆動して、各副画素の発光期間を制御する。ドライバIC134は、例えば、異方性導電フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)を用いて実装される。FPC135は、静電気放電による破損を防ぐ。
ドライバIC134は、走査ドライバ131及びエミッションドライバ132に電源及びタイミング信号(制御信号)を与え、さらに、データ線に映像データに対応するデータ電圧を与える。すなわち、ドライバIC134は、表示制御機能を有する。ドライバIC134は、表示制御機能に加え、タッチパネルの電極(タッチパネル電極と呼ぶ)を制御する機能を有する。表示画素のドライバIC134にタッチパネル制御機能を含めることで、部品点数を低減し配線構成を単純化できる。
[基板上の回路構成]
図2は、TFT基板100上の回路構成を模式的に示す。本実施形態の表示装置10は、いわゆるタッチパネル内蔵型であり、TFT基板100上にタッチパネル電極が配置されている。後記するように、このタッチパネル電極の配置により、表示画素のドライバIC134にタッチパネル制御機能を含めることができる。また、封止基板200にタッチパネル電極を形成する構成と比較して、製造を簡略化することができる。
絶縁基板111上に表示及びタッチパネルのための回路が配置されている。絶縁基板111上の表示領域125内に、タッチパネル電極であるTx電極101及びRx電極103、データ線105、走査線106、並びにエミッション制御線107が配置されている。タッチパネル電極であるTx電極101及びRx電極103は、マトリックス状に配置されている。後述するように、Tx電極101及びRx電極103は、データ線105、走査線106、及びエミッション制御線107よりも下層に形成されている。
図2は、Tx電極101、Rx電極103、データ線105、走査線106、及びエミッション制御線107の一部のみ図示している。データ線105と並列するように形成され、ドライバIC134に接続される電力供給線は省略されている。
図2の例において、Tx電極101、走査線106及びエミッション制御線107は、左右方向に延在し、上下方向に配列されている。走査線106及びエミッション制御線107は、交互に配置されている。Rx電極103及びデータ線105は、上下方向に延在し、左右方向に配列されている。
データ線105はドライバIC134及び保護回路133に接続されている。走査線106は走査ドライバ131に接続され、エミッション制御線107はエミッションドライバ132に接続されている。
Tx電極101及びRx電極103は、ドライバIC134に接続されている。具体的には、Tx電極101は、表示領域125外において、Tx配線102の第1端にコンタクト251を介して接続されている。なお、Tx配線102は第1配線とも呼ばれる。そして、表示領域125外において、Tx配線102の第2端がドライバIC134の端子に接続されている。Rx電極103は、表示領域125外において、Rx配線104の第1端にコンタクト451を介して接続されている。なお、Rx配線104は第2配線とも呼ばれる。そして、表示領域125外において、Rx配線104の第2端がドライバIC134の端子に接続されている。
[画素回路]
絶縁基板111上には、複数の副画素のアノード電極にそれぞれ供給する電流を制御する複数の回路(画素回路)が形成されている。図3Aは、画素回路の構成例を示す。各副画素は、第1のトランジスタT1と、第2のトランジスタT2と、第3のトランジスタT3と、保持容量Cとを含む画素回路と、OLED素子E1とを含む。トランジスタは、TFT(Thin Film Transistor)である。以下、第1のトランジスタT1〜第3のトランジスタT3をそれぞれトランジスタT1〜トランジスタT3と略記する。
トランジスタT1は副画素選択用のスイッチである。トランジスタT1はpチャネル型FET(Field Effect Transistor)であり、ゲート端子は、走査線106に接続されている。ドレイン端子は、データ線105に接続されている。ソース端子は、トランジスタT2のゲート端子に接続されている。
トランジスタT2はOLED素子E1の駆動用のトランジスタである。トランジスタT2はpチャネル型FETであり、そのゲート端子はT1のソース端子に接続されている。また、トランジスタT2のソース端子は電力供給線108(Vdd)に接続されている。ドレイン端子は、トランジスタT3のソース端子に接続されている。トランジスタT2のゲート端子とソース端子との間に保持容量C1が形成されている。
トランジスタT3は、OLED素子E1への駆動電流の供給と停止を制御するスイッチである。トランジスタT3はpチャネル型FETであり、ゲート端子はエミッション制御線107に接続されている。トランジスタT3のソース端子はトランジスタT2のドレイン端子に接続されている。ドレイン端子は、OLED素子E1に接続されている。
次に、画素回路の動作を説明する。走査ドライバ131が走査線106に選択パルスを出力し、トランジスタT1を開状態にする。データ線105を介してドライバIC134から供給されたデータ電圧は、保持容量C1に格納される。保持容量C1は、格納された電圧を、1フレーム期間を通じて保持する。保持電圧によって、トランジスタT2のコンダクタンスがアナログ的に変化し、トランジスタT2は、発光諧調に対応した順バイアス電流をOLED素子E1に供給する。
トランジスタT3は、駆動電流の供給経路上に位置する。エミッションドライバ132は、エミッション制御線107に制御信号を出力して、トランジスタT3開閉状態を制御する。トランジスタT3が開状態のとき、駆動電流がOLED素子E1に供給される。トランジスタT3が閉状態のとき、この供給が停止される。トランジスタT3の開閉を制御することにより、1フィールド周期内の点灯期間(デューティ比)を制御することができる。
図3Bは、画素回路の他の構成例を示す。図3Aの画素回路との相違は、トランジスタT1aと、トランジスタT3である。トランジスタT1aは、図3AのトランジスタT1の機能(副画素選択用のスイッチ)と同じ機能を有するスイッチである。なお、トランジスタT1aは、オフ電流を低減させるためにデュアルゲート構造を有する。
トランジスタT3は、様々な目的で使用することができる。トランジスタT3は、例えば、OLED素子E1間のリーク電流によるクロストークを抑制するために、一旦、OLED素子E1のアノード電極を黒信号レベル以下の十分低い電圧にリセットする目的で使用しても良い。なお、トランジスタT3は、オフ電流を低減させるためにデュアルゲート構造を有する。
他にも、トランジスタT3は、トランジスタT2の特性を測定する目的で使用してもよい。例えば、トランジスタT2を飽和領域、スイッチングトランジスタT3を線形領域で動作するようにバイアス条件を選んで、電力供給線108(Vdd)から基準電圧供給線109(Vref)に流れる電流を測定すれば、トランジスタT2の電圧・電流変換特性を正確に測定することができる。画素毎のトランジスタT2の電圧・電流変換特性の違いを補償するデータ信号を外部回路で生成すれば、均一性の高い表示画像を実現できる。
一方、トランジスタT2をオフ状態にしてトランジスタT3をリニア領域で動作させ、OLED素子E1を発光させる電圧を基準電圧供給線109から印加すれば、画素毎のOLED素子E1の電圧・電流特性を正確に測定することができる。例えば、長時間の使用によってOLED素子E1が劣化した場合にも、その劣化量を補償するデータ信号を外部回路で生成すれば、長寿命化を実現できる。
[タッチパネル]
次に、表示装置10が備えるタッチパネルについて説明する。表示装置10において、ドライバIC134のタッチパネル制御機能は、ユーザがタッチした接触面(表示画面)上の座標を検出する。表示装置10には、静電容量方式のタッチパネルが組み込まれている。図2は、相互容量検出方式の投射型容量方式タッチパネルを例示する。
静電容量方式のタッチパネルは、電極と指示体との間の静電容量変化を検出して、指示体の接触位置を検出する。静電容量方式のタッチパネルは、投影型と表面型とに分類される。
投射型容量方式のタッチパネルは、短冊状の複数のX電極と複数のY電極を有する。X電極及びY電極はマトリックス状に配置され、X電極とY電極とは、絶縁膜を介して形成されている。X−Y電極に指示体が近づくと電極間の静電容量が増加し、X−Yのラインの静電容量の変化をタッチパネルコントローラが検出し、指示体の位置を検出する。
投射型容量方式のタッチパネルの容量検出方式として、自己容量検出方式と相互容量検出方式が存在する。自己容量検出方式は、X電極、Y電極を独立にスキャンし、それぞれの電極における静電容量値の変化を検出する。
相互容量方式のタッチパネルは、駆動電極としてのTx電極と検出電極としてのRx電極が絶縁体を挟んで直交するように配置され、各交点に容量(交点容量)が構成される。交点容量の近傍に指示体による容量が存在すると、この交点における相互容量は、指示体による容量によって充電される電荷が分割される分だけ、交点容量から減少する。ドライバIC134のタッチパネル制御機能は、この相互容量の変化がどの交点でどの程度の大きさで発生したかを検出する。
なお、本実施形態のTFT基板構造は、相互容量検出方式及び自己容量検出方式等の投射型容量方式以外の任意の容量方式タッチパネルに適用することができる。
[表示装置の詳細構造]
次に、表示装置10の詳細構造について、図4〜図11を参照して説明する。図4は、表示装置10の断面構造の一部を模式的に示す。表示装置10は、TFT基板100(図2参照)と、TFT基板100に対向する封止基板(透明基板)200とを含む。図4は、TFT基板100における一部の構成のみを模式的に示す。また、以下の説明において、上下は、図面における上下を示す。表示装置10では、構造を単純にするために、タッチパネル電極がカソード電極の下側(光が出射する側と反対側)に配置されている。
図4に示すように、表示装置10は、絶縁基板151と、絶縁基板151と対向する封止構造部とを含む。ここで、封止構造部の一例としては、可撓性又は不撓性の封止基板200である。また、封止構造部は、例えば、薄膜封止(TFE:Thin Film Encapsulation)構造であってもよい。なお、絶縁基板151は、図1の絶縁基板111とみなすことができる。
表示装置10は、絶縁基板151と封止構造部との間に配置された、複数の下部電極(例えば、アノード電極162)と、1つの上部電極(例えば、カソード電極166)と、複数の有機発光層165とを含む。なお、カソード電極166は、有機発光層165からの光を封止構造部に向けて透過させる透明電極である。
1つのカソード電極166と1つのアノード電極162との間に、1つの有機発光層165(有機発光膜165とも呼ぶ)が配置されている。より詳しく説明すると、複数のアノード電極162は、同一面上(例えば、平坦化膜161の上)に配置され、1つのアノード電極162の上に1つの有機発光層165が配置されている。
さらに、表示装置10は、封止構造部に向かって立ち上がる複数の穿孔壁164と、複数の回路とを有する。穿孔壁は、凸状の構造体(構造部)とも呼ばれる。複数の回路の各々は、例えば図3A、図3Bに示した画素回路である。複数の回路の各々は、絶縁基板151とアノード電極162との間に形成され、複数のアノード電極162の各々に供給する電流を制御する。
さらに、表示装置10は、絶縁基板151とアノード電極162との間に形成された、タッチパネル電極とを含む。タッチパネル電極は、例えば、駆動電極として機能するTx電極101、検出電極として機能するRx電極103である。
図4に示すように、トップエミッション型の画素構造は、光が出射する側(図面上側)に、複数の画素に共通のカソード電極166が配置される。従来のトップエミッション型のOLED表示装置におけるカソード電極は、表示領域125の全面を完全に覆う形状を有する。カソード電極が表示領域125の全面を完全に覆う場合、ただ単に、カソード電極の下にタッチパネル電極を配置しても、従来の金属製カソード電極がタッチパネル電極の電界を遮断する。そのため、指示体の接触位置を検知するための電界が、表示装置の表示面側に形成されない。従って、タッチパネル制御回路が指示体の接触位置を正確に検出することが困難である。
しかし、本実施の形態におけるカソード電極166は、複数の孔167を有する。孔167は、穿孔壁164が貫通するように形成されている。孔167は、例えばTx電極101により形成される電界が通過する孔である。この電界が孔167から通過し、指や手などの指示体が接触する接触面に至る。この接触面は、画面が表示される面(表示装置10の外側の面)である。換言すれば、接触面は、例えば、封止構造部(例えば、封止基板200)や、その上面に偏光板202がある場合、その偏光板202の面である。
本実施の形態のカソード電極166の形状により、検出回路(例えば、図2のドライバIC134)は、Tx電極101を駆動してTx電極101により電界を形成させ、指示体による電界の変化による静電容量の変化をRx電極103により検出することができる。そして、検出回路は、この変化を参照して、接触面に対する指示体の接触位置を検出することができる。
本実施の形態の表示装置における、タッチパネル電極の配置により、装置サイズの縮小、部品数の削減、製造工程の削減を実現できる。例えば、OLED表示装置にタッチパネルを実装する場合、タッチパネルそのものをOLED表示装置の表示面に貼り合わせる方式(以下、第1方式)がある。第1方式では、タッチパネルは、接触面として機能する透明の第1基板と、表示装置の表示面に貼り合わせる透明の第2基板と、第1基板と第2基板との間に配置されたタッチパネル電極を含む。第1方式のように、タッチパネルをOLED表示装置の表示面に貼り合わせると、表示装置全体の厚みが増し、装置サイズが大きくなる。また、部品点数も増える。
第1方式に対して本実施の形態の表示装置では、タッチパネル電極を内蔵しているので、前記した第1基板、第2基板が不要になり、装置サイズを縮小できる。また、部品点数も削減できる。また、貼り合わせが不要になり、工数、コストの削減が可能である。
また、OLED表示装置にタッチパネルを実装する場合、タッチパネル電極を表示装置の表示面に直接配置し、その上に接触面として機能する第1基板を配置する方式(以下、第2方式)がある。第2方式では、第1方式と異なり、第2基板が不要になる。しかし、第2方式でも、タッチパネル電極の駆動回路をCOF(Chip on Film)で実装し、このCOFの駆動回路とタッチパネル電極とを外付けのFPCを介して電気的に接続する。この実装のため、表示制御を行うドライバICとタッチパネル電極の駆動回路とを一体化することができず、構造が複雑になる。この構造の複雑化は、第1方式でも同様である。
第1方式、第2方式に対して本実施の形態の表示装置では、Tx電極101とRx電極103と、絶縁基板151に配置されたドライバIC134とを、絶縁基板151に配置された配線(102、104)を介して電気的に接続することができる。そのため、ドライバIC134とタッチパネルの駆動回路とを一体化することができる。従って、本実施の形態の表示装置において、単純構造が実現できる。その結果、サイズ縮小が可能になる。
また、本実施の形態の表示装置では、前記したCOFの実装方式が不要であり、その結果、COFの実装方式で必要なFPCが不要になる。従って、製造工程を簡略化でき、部品点数も削減できる。
さらに、第1、第2方式では、タッチパネル電極を透明性の電極にして、表示面の上側に配置している。そのため、外部からの光(例えば、太陽光、照明光)の影響や、視点位置によって、使用者は、この透明性の電極を知覚することがある。たとえば、使用者は、タッチパネル電極により筋状の模様を知覚する。使用者は、この模様を知覚すると違和感を覚える。一方、本実施の形態の表示装置は、タッチパネル電極を画素の下側に配置しているので、タッチパネル電極を知覚することがない。そのため、使用者は、かかる違和感を知覚することがない。
以下、表示装置10についてより詳しく説明する。TFT基板100は、表示領域125内に配列されたタッチパネル電極及び副画素(画素)、並びに、表示領域125の周囲の配線領域126に形成された配線を含む。配線は、タッチパネル電極及び画素回路と、配線領域126に配置された制御回路(131、132、133、135)とを接続する。なお、本実施の形態の断面構造においては、図示を簡略化するため、表示領域125、配線領域126を狭く図示している。換言すれば、断面構造において、表示領域125、配線領域126の一部を図示している。
副画素は、赤、緑、又は青のいずれかの色を表示する。赤、緑、及び青の副画素により一つの画素(主画素)が構成される。副画素は、OLED素子及び複数のトランジスタを含む画素回路(図3参照)を、含んで構成されている。OLED素子は、下部電極であるアノード電極、有機発光層、及び上部電極であるカソード電極を含んで構成される。すなわち、複数のOLED素子は、1つのカソード電極166と、複数のアノード電極162と、複数の有機発光層165により形成されている。
図4において、副画素(OLED素子)は、トップエミッション構造を有する。絶縁基板151上に、第1絶縁膜152を介して、Tx電極101及びRx電極103が形成されている。絶縁基板151は、例えばガラス又は樹脂で形成されており、不撓性又は可撓性基板である。なお、以下の説明において、絶縁基板151に近い側を下側、遠い側を上側と呼ぶ。
Tx電極101及びRx電極103は、第2絶縁膜153によって互いに絶縁されている。Tx電極101及びRx電極103は、高融点金属材料で形成され、例えば、Mo(モリブデン)、Nb(ニオブ)、W(タングステン)、又は高融点金属の合金で形成されている。
図4の例において、Rx電極103は、Tx電極101より上層に形成されているが、これらの位置関係はこれに限定されず、互いに絶縁されていれば、どのような層配置であってもよい。
Tx電極101及びRx電極103の上に、第3絶縁膜154を介して、チャネル部(半導体層)155が形成されている。チャネル部155は、例えば、低温ポリシリコン(LTPS:Low−temperature poly silicon)を含む。
チャネル部155の上に、ゲート絶縁膜156を介して、ゲート電極157が形成されている。ゲート電極157の層上に層間絶縁膜158が形成されている。表示領域125内において、層間絶縁膜158上にソース電極159及びドレイン電極160が形成されている。配線領域126に、Tx配線の下層部172A、及びRx配線の下層部174Aが形成されている。ソース電極159、ドレイン電極160、Tx配線の下層部172A、及びRx配線の下層部174Aは、例えば、高融点金属又はその合金で形成される。
ソース電極159及びドレイン電極160は、層間絶縁膜158のコンタクトホールに形成されたコンタクト部168、169によって、チャネル部155に接続されている。Tx配線の下層部172A、及びRx配線の下層部174Aは、層間絶縁膜158のコンタクトホールに形成されたコンタクト部173、175によって、それぞれ、Tx電極101及びRx電極103に接続されている。
ソース電極159、ドレイン電極160、Tx配線の下層部172A、及びRx配線の下層部174Aの上に、絶縁性の平坦化膜161が形成される。そして、絶縁性の平坦化膜161の上に、アノード電極162、Tx配線の一部である上層部172B、及びRx配線の一部である上層部174Bが形成されている。なお、Tx配線の下層部172AとTx配線の上層部172Bとの間の平坦化膜161、及び、Rx配線の下層部174AとRx配線の上層部174Bとの間の平坦化膜161は、削除されていてもよい。
アノード電極162は、平坦化膜161のコンタクトホールに形成されたコンタクト部によってドレイン電極160に接続されている。Tx配線の上層部172B及びRx配線の上層部174Bは、それぞれ、平坦化膜161のコンタクトホールに形成されたコンタクト部によってTx配線の下層部172A及びRx配線の下層部174Aに接続されている。画素回路(TFT)は、アノード電極162の下側に形成されている。
アノード電極162の上に、OLED素子を分離する絶縁性の画素定義層(Pixel
Defining Layer:PLD)163が形成されている。OLED素子は、積層された、アノード電極162、有機発光層165、及びカソード電極166(の部分)で構成される。OLED素子は、画素定義層163の開口に形成されている。図4に示すように、副画素(OLED素子)は、トップエミッション構造を有する。
絶縁性の穿孔壁164は、2つのアノード電極162の間における、画素定義層163の面上に形成されている。すなわち、穿孔壁164は、画素定義層163の非開口部に形成されている。穿孔壁164は、OLED素子の外側において、OLED素子の間に配置されている。このため、穿孔壁164がOLED素子の表示機能を阻害することはない。
穿孔壁164は、画素定義層163面上で、前面の封止基板200に向かって立ち上がっており、穿孔壁164の頂面は画素定義層163の上面よりも高い(封止基板200に近い)位置にある。穿孔壁164の頂面は、OLED素子よりも高い(封止基板200に近い)位置にあり、封止基板200が変形した場合に、封止基板200を支持して、OLED素子と封止基板200との間隔を維持するスペーサの効果をも奏する。
図4の例において、穿孔壁164は逆テーパ形状を有している。つまり、穿孔壁164の絶縁基板151の面内方向の寸法は、上から下に向かって徐々に減少しており、穿孔壁164の頂面は、絶縁基板151に垂直な方向において見た場合、穿孔壁164の底面を覆っていている。なお、穿孔壁は順テーパ形状を有していてもよい。つまり、順テーパ状の穿孔壁の絶縁基板151の面内方向の寸法は、上から下に向かって徐々に増加しており、この穿孔壁の頂面は、絶縁基板151に垂直な方向において見た場合、この穿孔壁の底面に含まれる。また、穿孔壁は、垂直形状を有していてもよい。つまり、穿孔壁の壁面(側面)は垂直であってもよい。
アノード電極162の上に、有機発光層165が形成されている。有機発光層165は、画素定義層163の開口及びその周囲において、画素定義層163に付着している。有機発光層165の上にカソード電極166が形成されている。カソード電極166は、透明電極である。カソード電極166は、有機発光層165からの可視光の全て又は一部を透過させる。
画素定義層163の開口に形成された、アノード電極162、有機発光層165及びカソード電極166の積層膜が、OLED素子を構成する。カソード電極166は、分離して形成されているアノード電極162及び有機発光層165(OLED素子)に共通である。なお、カソード電極166の上には、不図示のキャップ層が形成されてもよい。
図4に示すように、本実施形態のカソード電極166は孔167を有している。穿孔壁164がカソード電極166を貫通し、この貫通により孔167が形成されている。
後述するように、穿孔壁164をカソード電極166の前に形成することで、カソード電極166の材料の付着時に、孔167を形成することができる。カソード電極166の層の形成時に、穿孔壁164によってカソード電極166の層が切断され、孔167が形成される。この形成時において、穿孔壁164の上にカソード電極166の材料が残部166aとして付着する。
TFT基板100と封止基板200とは所定の間隔で固定される。封止基板200は、透明な絶縁基板であって、例えばガラス基板である。封止基板200の光出射面(前面)に、λ/4位相差板201と偏光板202とが配置され、外部から入射した光の反射を抑制する。
本実施形態の画素構造は、前記したように、トップエミッション型である。有機発光層165からの光の一部は、アノード電極162によって反射され、カソード電極166を透過して、封止基板200を通って表示装置10の表示面(接触面)に出射する。OLED素子がキャビティ構造を有する場合、有機発光層165からの光は、反射アノード電極162と半透過カソード電極166との間において反射を繰り返す。この多重反射により共振波長の光が増幅される共振効果が発生する。共振効果によって副画素の色の波長成分が強調されて、光が半透過の透明カソード電極166から表示装置10の表示面に出射される。
タッチパネルのためのTx電極101及びRx電極103は、副画素の下(図面下側)に配置されている。この配置により、有機発光層及び画素回路の形成に実質的な影響を及ぼすことなくタッチパネル電極をTFT基板100上に形成できる。
[製造方法]
図5Aから図5Iは、表示装置10の製造方法の一例を模式的に示す。以下の製造方法は一例であり、本実施形態のパネル構造が実現できれば、他の製造方法を使用することができる。以下の説明において、同一工程で(同時に)形成される要素は、同一層の要素である。
表示装置10の製造方法は、まず、図5Aに示すように、ガラス等の絶縁基板151上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)等によって例えばシリコン窒化物を堆積して、第1絶縁膜152を形成する。次に、スパッタ法等により第1絶縁膜152上に高融点金属材料を堆積し、パターニングを行って、Tx電極101(の層)を形成する。なお、Tx電極は第1電極とも呼ばれる。
次に、図5Bに示すように、Tx電極101及び第1絶縁膜152上に、CVD等によって例えばシリコン窒化物を堆積して、第2絶縁膜153を形成する。次に、スパッタ法等により第2絶縁膜153上に高融点金属材料を堆積して、パターニングを行って、Rx電極103(の層)を形成する。なお、Rx電極は第2電極とも呼ばれる。高融点金属材料は、高融点純金属又は高融点合金であり、例えば、Mo、W、Nb、MoW又はMoNbである。以上により、タッチパネル部(タッチパネル電極)が形成される。高融点金属材料を使用することで、後工程のタッチパネル電極への影響を回避することができる。
次に、第2絶縁膜153及びRx電極103の上、すなわちタッチパネル電極上にCVD等によって例えばシリコン窒化物を堆積して、第3絶縁膜154を形成する。次に、公知の低温ポリシリコンTFT製造技術を用いて、チャネル部155を含む層(ポリシシリコン層等の半導体層)を形成する。例えば、CVD法によってアモルファスシリコンを堆積し、ELA(Excimer Laser Annealing)により結晶化してポリシリコン層を形成できる。ポリシリコン層は、表示領域125内において要素間の接続にも利用される。
次に、図5Cに示すように、チャネル部155を含むポリシリコン層及び第3絶縁膜154上に、CVD法等によって、例えばシリコン酸化膜を付着してゲート絶縁膜156を形成する。なお、ゲート絶縁膜は第4絶縁膜とも呼ばれる。更に、スパッタ法等により金属材料を堆積し、パターニングを行って、ゲート電極157を含む金属層を形成する。具体的には、ゲート電極157は、チャネル部155の上方であってゲート絶縁膜156の上に形成されている。金属材料は、例えば、Mo、Nb、W、又はMoとNb若しくはWとの合金である。
金属層は、ゲート電極157の他、例えば、保持容量電極、走査線106、エミッション制御線107、電力供給線を含む。金属層として、例えばMo、W、Nb、MoW、MoNb、Al、Nd、Ti、Cu、Cu合金、Al合金、Ag、Ag合金からなる群より選択される一つの物質で単一層を形成する、又は、配線抵抗を減少させるために低抵抗物質であるMo、Cu、AlまたはAgの2層構造またはそれ以上の多重膜構造からなる群より選択される一つの積層を形成してもよい。
次に、ゲート電極157の形成前に高濃度不純物をドーピングしておいたチャネル部155に、ゲート電極157をマスクとして追加不純物ドーピングを施して低濃度不純物層を形成することにより、TFTにLDD(Lightly Doped Drain)構造を形成する。次に、CVD法等によって、例えばシリコン酸化膜等を堆積して、ゲート電極157及びゲート絶縁膜156を覆う層間絶縁膜158を形成する。なお、層間絶縁膜は第5絶縁膜とも呼ばれる。
図5Dに示すように、層間絶縁膜158、ゲート絶縁膜156、第3絶縁膜154、及び第2絶縁膜153に異方性エッチングを行い、コンタクトホールを開口する。ソース電極159及びドレイン電極160と、チャネル部155と、を接続するコンタクト部168及び169のためのコンタクトホールは、層間絶縁膜158及びゲート絶縁膜156に形成される。
Rx電極103とRx配線104とを接続するコンタクト部175(図2のコンタクト451参照)のためのコンタクトホールは、層間絶縁膜158、ゲート絶縁膜156及び第3絶縁膜154に開口される。
Tx電極101とTx配線102とを接続するコンタクト部173(図2のコンタクト251参照)のためのコンタクトホールは、層間絶縁膜158、ゲート絶縁膜156、第3絶縁膜154及び第2絶縁膜153に開口される。タッチパネル電極とタッチパネル配線との接続のためのコンタクトホールを、TFTのためのコンタクトホールと同時に開口し、製造工程の増加を避けることができる。
Tx配線102、Rx配線104は、図2で説明したように、表示制御機能とタッチパネル制御機能とを一体化しているドライバIC134と接続し、さらに、Tx電極101、Tx配線102、Rx電極103、Rx配線104、ドライバIC134は、同一基板上(絶縁基板151)に配置されている。そのため、タッチパネル電極とドライバICとを接続する、外付けのFPCが不要になる。その結果、構造を単純にでき、さらに、部品点数を削減できる。
次に、スパッタ法等によって、例えば、Ti/Al/Ti等のアルミ合金を堆積し、パターニングを行って、金属層を形成する。金属層は、ソース電極159、ドレイン電極160、コンタクト部168、169、Tx配線下層部172A、コンタクト部173、Rx配線下層部174A及びコンタクト部175を含む。この他、データ線105や電力供給線等も形成される。タッチパネル配線とTFTの電極を同時に形成し、製造工程の増加を避けることができる。
次に、図5Eに示すように、感光性の有機材料を堆積し、平坦化膜161を形成する。図5Fに示すように、TFTのドレイン電極160に接続するためのコンタクトホール、並びに、Tx配線下層部172A及びRx配線下層部174Aに接続するためのコンタクトホールを開口する。タッチパネル配線の接続のためのコンタクトホールを、TFTのためのコンタクトホールと同時に開口し、製造工程の増加を避けることができる。
コンタクトホールを形成した平坦化膜161上に、アノード電極162を形成する。また、Tx配線上層部172B及びRx配線上層部174Bを形成する。アノード電極162は、ITO、IZO、ZnO、In等の透明膜、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr又はこれらの化合物金属の反射膜、前記した透明膜の3層を含む。なお、アノード電極162の3層構成は、一例であり2層でもよい。Tx配線上層部172B及びRx配線上層部174Bは、例えばAg、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr又はこれらの化合物金属の金属層である。このTx配線上層部172B及びRx配線上層部174Bの構成も一例である。
アノード電極162、Tx配線上層部172B及びRx配線上層部174Bは、それぞれ、コンタクト部を介して、ドレイン電極160、Tx配線下層部172A及びRx配線下層部174Aと接続される。タッチパネル配線とTFTの電極を同時に形成し、製造工程の増加を避けることができる。
次に、図5Gに示すように、スピンコート法等によって、例えば感光性の有機樹脂膜を堆積し、パターニングを行って画素定義層163を形成する。パターニングにより画素定義層163には孔が形成され、各副画素のアノード電極162が形成された孔の底で露出する。画素定義層163の孔の側面は順テーパである。画素定義層163により、各副画素の発光領域が分離される。
さらに、スピンコート法等によって、例えば感光性の有機樹脂膜を堆積し、パターニングを行って、画素定義層163上に穿孔壁164を形成する。穿孔壁164は、逆テーパ形状を有するようにパターニングされる。穿孔壁164の形成は、例えば、ネガ形感光性樹脂又は画像反転機能を付与したポジ型感光性樹脂を使用することができる。
例えば、ネガ形感光性樹脂に対する露光光照射により、露光光が当たった露光領域において、ネガ形感光性樹脂は、現像液に対して不溶性となる。露光光はネガ形感光性樹脂に吸収され、ネガ形感光性樹脂の露光領域における露光強度は、画素定義層163に近づくほど低下する。
露光されたネガ形感光性樹脂を現像において、露光強度が比較的小さい画素定義層163の近傍では、溶解速度がネガ形感光性樹脂の表面近傍よりも大きい。そのため、逆テーパ形の断面形状を有する穿孔壁164が形成される。露光条件及びキュア温度などの条件を適切に選択し、所望の逆テーパ形状を形成できる。
穿孔壁164は、他の方法で形成されてもよい。穿孔壁164は、カソード電極166に孔を開口することができれば、どのような断面形状を有してもよい。例えば、穿孔壁164は、逆テーパ形状とは異なる、オーバハング形状を有してもよい。オーバハング形状は、頂面において底面よりも大きい寸法を有し、頂面が底面を覆う形状である。本開示において、逆テーパ形状はオーバハング形状に含まれる。オーバハング形状の他の例は、断面T字状のアンダーカット形状である。
次に、図5Hに示すように、画素定義層163を形成した絶縁基板151に対して有機発光材料付着して有機発光層165を成膜する。RGBの色毎に、有機EL材料を成膜して、アノード電極162上に、有機発光層165を形成する。
有機発光層165の成膜は、メタルマスク(MM)を使用する。異なる色の副画素パターンそれぞれにメタルマスクが用意される。TFT基板100の表面にメタルマスクを位置合わせして配置し、メタルマスクをTFT基板100に固定する。メタルマスクの開口を介して、TFT基板100の副画素に対応する位置に有機発光材料を蒸着させる。
有機発光層165は、下層側から、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層によって構成される。有機発光層165は、電子輸送層/発光層/正孔輸送層、電子輸送層/発光層/正孔輸送層/正孔注入層、電子注入層/電子輸送層/発光層/正孔輸送層、又は発光層単独の、いずれの構造を有してもよい。電子ブロッキング層のような他の層を追加されてもよい。発光層の材料は副画素の色毎に異なり、必要に応じて正孔注入層や正孔輸送層等の膜厚も色毎に制御する。
次に、図5Hに示すように、画素定義層163、穿孔壁164及び有機発光層165(画素定義層163の開口における)が露出した、TFT基板100に対して、カソード電極166のための金属材料を付着する。金属材料は、有機発光層165上及び穿孔壁164の頂面上に付着する。有機発光層165上に付着した金属材料は、カソード電極166である。また、穿孔壁164の頂面上に付着した金属材料は、残部166aである。図5Iは、1つのカソード電極166の平面形状を模式的に示している。複数の穿孔壁164の各々に残部166aが付着している。そして、図4、図5Hに示したように、穿孔壁164により孔167(図4、図5H参照)が形成されている。
図4に示したように、穿孔壁164の頂面が有機発光層165表面より高い位置にあり、穿孔壁164が逆テーパ形状を有している。従って、金属材料層(カソード電極166)は、穿孔壁164に切断され、孔167が形成される。テーパ形状を有する穿孔壁164によって、別のパターニングを行うことなく、金属材料の付着時に、カソード電極166(の層)に孔を穿つことができる。
透明カソード電極166の層は、例えば、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Mg又はこれらの合金を蒸着して、形成する。カソード電極166の膜厚は、光取り出し効率を向上させ良好な視野角依存性を確保するため最適化される。カソード電極166の抵抗が高く発光輝度の均一性が損なわれる場合には、さらに、ITO、IZO、ZnOまたはInなどの透明電極形成用の材料で補助電極層を追加する。カソード電極166の形成後、光取り出し効率向上のため、ガラスより屈折率の高い絶縁膜を堆積させキャップ層を形成してもよい。
以上により、RGBの各副画素に対応するOLED素子が形成され、アノード電極162と有機発光層165とが接触した部分(画素定義層163の開口内)が各々、R発光領域、G発光領域、B発光領域となる。
次に、TFT基板100の外周にガラスフリットを塗設し、その上に封止基板200を載置し、ガラスフリット部をレーザ光により加熱し、溶融させTFT基板100と封止基板200を密封する。その後、封止基板200の光出射側にλ/4位相差板201、偏光板202を形成し、表示装置10が完成する。
本実施の形態では、有機発光層165を形成する前に所定位置に逆テーパの断面形状を有する穿孔壁164を形成することで、カソード電極166の材料の付着と同時に、孔167を形成する。また、上記製造方法により、少ないフォトマスク数で、単純構造のタッチパネル一体型の表示装置を実現できる。
図6は、表示装置10の、副画素及び穿孔壁の配列例を模式的に示す。RGBの副画素は、発光素子として機能する発光領域(破線)313、333、353に対応する。発光領域は、画素定義層163の開口部を示している。発光領域313、333、353を囲う矩形311、331、351は、アノード電極162に対応する。
メタルマスクを用いて有機発光材料を選択的に堆積させる場合には、発光領域313、333、353よりやや大きめの開口部301、303、305を有するメタルマスクを、順次、TFT基板100にアライメントしてセットし、選択的に各色の有機発光材料を堆積させる。実際に電流が流れるのは画素定義層163の開口部のみであるので、この部分が発光領域となる。
なお、各画素の境界は、TFT基板100の構成部材によって規定されるものではなく、副画素の組を繰り返し配置した場合における隣り合う副画素の組との関係で規定されるものであり、矩形でもよく、矩形以外の形状でもよい。
図6の画素配列は、Sストライプ方式の基本画素配列構造を有する。Sストライプ方式の画素配列構造は、R副画素とG副画素とが列方向に配列され、B副画素がR副画素及びG副画素に対して行方向に配置される画素配列構造である。さらに、奇数列に関しては奇数行と次の偶数行の2つの画素を1組とし、偶数列に関しては偶数行と次の奇数行の2つの画素を1組とする。各組の2つの画素のB副画素の有機発光材料が連続する。
同じ組の2つのB副画素は別々に駆動されるため、アノード電極162は分離されている。アノード電極162がない部分の有機発光材料は発光に寄与しないため、画素を跨いで有機発光層165を形成しても問題はない。B発光領域の面積を大きくすることで、B発光領域における電流密度が下がり青色の有機発光材料の劣化が抑制される。その結果、表示装置の長寿命化を図ることができる。
有機発光材料の堆積領域はメタルマスクの開口部301、303、305によって規定され、発光領域313、333、353は画素定義層163の開口部によって規定される。アノード電極162とカソード電極166とのショート及び異なる発光色が混ざる色ずれを防止するため、製造プロセスの精度で規定されるマージンを見込んで、画素定義層163の開口部は、有機発光材料の堆積領域よりも内側に形成される。Bの有機発光材料の堆積領域において、2つのB発光領域(一つのB発光領域は二つの副画素に対応)は、製造プロセスの精度で規定されるマージンを見込んで、所定の間隔を空けて形成される。
穿孔壁164は、表示機能を阻害しないように、OLED素子の外側において、OLED素子の間に配置される。図6の例において、穿孔壁164は、隣接するB発光領域の間に配置されるように、配列されている。一例において、穿孔壁164は、表示領域125内において規則的に配列され、好適なタッチパネル機能を提供する。
例えば、一つの画素に対する穿孔壁164の数(整数でなくてもよく、1未満でもよい)が一定である。図6の例において、例えば、隣接するB発光領域の各ペアに対して一つの穿孔壁164が配置される。また、一つの画素に対して0.5個の穿孔壁164が配置されている。
図7は、副画素及び穿孔壁の他の配列例を模式的に示す。図6の配列との違いは、一つのB発光領域(B有機発光層165)が二つの画素に跨っておらず、副画素毎に分離されている点である。穿孔壁164は、隣接するB副画素のOLED素子の間に配置されている。一つの画素に対して一つの穿孔壁164が配置されている。
図8及び図9は、副画素及び穿孔壁の他の配列例を模式的に示す。図8及び図9の画素配列は、デルタ配列である。行方向において、RGBの副画素が、同一順序で繰り返すように配列されている。各行の副画素の順序は同一である。副画素行は、行毎に、画素の横幅において半ピッチずれている。穿孔壁164は、隣接する副画素行の間に配置されている。図8の例において、画素当たり三つの穿孔壁164が配置されており、図9の例において、画素当たり六つの穿孔壁164が配置されている。穿孔壁164の行が、隣接する副画素行の間に配列されている。
本実施形態のパネル構造を適用する画素配列は特に限定されない。例えば、ストライプ配列、モザイク配列、ペンタイル配列等から選択された任意の画素配列を、本実施形態の表示装置に使用することができる。
図10は、タッチパネル電極の構成例(配列例)を模式的に示す。X電極(例えばTx電極)X0〜Xm(mは5以上の整数)は、複数の菱形の電極片が接続部を介して数珠状に連結された形状を有する。即ち、一つのX電極は、左右に隣り合う菱形の電極片を、接続部を介して電気的に接続し、左右方向に延在する。Y電極(例えばRx電極)Y0〜Yn(nは6以上の整数)も、同様に、複数の菱形の電極片が接続部を介して数珠状に連結された形状を有する。一つのY電極は、上下に隣り合う菱形の電極片を接続部を介して電気的に接続し、上下方向に延在する。
X電極X0〜Xm及びY電極Y0〜Ynは、絶縁基板151に垂直に見た時に、菱形の電極片の接続部同士が絶縁膜を介して重なりあうように形成されている。X電極X0〜Xmの菱形の電極片とY電極Y0〜Ynの菱形の電極片とは重ならないように形成されている。X電極の菱形の電極片とY電極Y0〜Ynの菱形の電極片とは、同一層に形成されてもよく、異なる層に形成されてもよい。
タッチパネル電極の形状は、特に限定されない。例えば、X電極及びY電極は、四角形電極片を有し、各電極片の四辺は絶縁基板151の四辺とそれぞれ平行であってもよい。X電極又はY電極は、一方向に延在する一つの矩形電極であってもよい。
図11は、タッチパネル電極と画素(副画素)とのサイズ関係例を模式的に示す。Tx電極101及びRx電極103は、図10に示す斜めモザイク配列構造を有する。Tx電極101は、複数の菱形電極片321を含む。Rx電極103は、複数の菱形電極片322を含む。図11に示すように、一つの菱形電極片321又は322の領域内に、複数の画素310が含まれ、例えば、数十から数百の画素310が、一つの菱形電極片321又は322と重なるように配列される。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、上記の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
10 表示装置、100 TFT基板、101 Tx電極、102 Tx配線、103 Rx電極、104 Rx配線、105 データ線、106 走査線、107 エミッション制御線、111 絶縁基板、114 カソード電極形成領域、125 表示領域、126 配線領域、131 走査ドライバ、132 エミッションドライバ、133 保護回路、151 絶縁基板、152 第1絶縁膜、153 第2絶縁膜、154 第3絶縁膜、155 チャネル部、156 ゲート絶縁膜、157 ゲート電極、158 層間絶縁膜、159 ソース電極、160 ドレイン電極、161 平坦化膜、162 アノード電極、163 画素定義層、164 穿孔壁、165 有機発光層、166 カソード電極、167 孔、168 コンタクト部、172A Tx配線下層部、172B Tx配線上層部、173 コンタクト部、174A Rx配線下層部、174B TR配線上層部、175 コンタクト部、200 封止基板、201 位相差板、202 偏光板、251、451 コンタクト、300 接合部、301、303、305 開口部、311、331、351 アノード電極、313、333、353 発光領域

Claims (17)

  1. 絶縁基板と、
    前記絶縁基板と対向する封止構造部と、
    前記絶縁基板と前記封止構造部との間に配置された、複数の下部電極と、1つの上部電極と、それぞれが前記1つの上部電極と前記複数の下部電極のそれぞれとの間に配置された複数の有機発光層と、
    前記封止構造部に向かって立ち上がる複数の穿孔壁と、
    前記絶縁基板と前記下部電極との間に形成され、前記下部電極それぞれに供給する電流を制御する複数の回路と、
    前記絶縁基板と前記下部電極との間に形成された、タッチパネル電極とを含み、
    前記上部電極は、前記有機発光層からの光を前記封止構造部に向けて透過させる電極であって、前記複数の穿孔壁それぞれが貫通するように形成されている孔を有し、
    前記上部電極の孔は、前記タッチパネル電極により形成される電界が通過する、表示装置。
  2. 請求項1に記載の表示装置であって、
    前記複数の下部電極は同一面上に配置され、1つの下部電極の上に1つの有機発光層が配置されている、表示装置。
  3. 請求項1に記載の表示装置であって、
    前記1つの上部電極と、前記複数の下部電極と、前記有機発光層により、複数の有機発光素子が形成され、
    前記有機発光素子の各々は、画素定義層により分離され、
    前記穿孔壁は、前記画素定義層の面上に形成されている、表示装置。
  4. 請求項1に記載の表示装置であって、
    前記複数の回路は、前記下部電極の下側に配置されている、表示装置。
  5. 請求項1に記載の表示装置であって、
    さらに、前記電界の変化に基づき、前記封止構造部に対する指示体の接触位置を検出する検出回路を含む、表示装置。
  6. 請求項1に記載の表示装置であって、
    前記複数の穿孔壁のそれぞれは、逆テーパ形状、順テーパ形状、又は垂直形状を有する、表示装置。
  7. 請求項1に記載の表示装置であって、
    前記タッチパネル電極は、高融点金属で構成されている、表示装置。
  8. 請求項1に記載の表示装置であって、
    前記タッチパネル電極は、前記絶縁基板と前記複数の回路との間に形成されている、表示装置。
  9. 請求項8に記載の表示装置であって、
    前記複数の回路におけるチャネル部と接続するソース電極及びドレイン電極と、前記タッチパネル電極と接続するタッチパネル配線とは、同一金属層を含む、表示装置。
  10. 請求項1に記載の表示装置であって、
    前記複数の穿孔壁のそれぞれは、前記下部電極の間に位置する、表示装置。
  11. 請求項1に記載の表示装置であって、
    前記複数の穿孔壁は、一つの画素に対する穿孔壁の数が一定であるように、規則的に配列されている、表示装置。
  12. 請求項2に記載の表示装置であって、
    さらに、前記電界の変化に基づき、前記封止構造部に対する指示体の接触位置を検出する検出回路に接続する第1配線と第2配線とを含み、
    前記タッチパネル電極は、
    前記絶縁基板上に形成された第1絶縁膜の上に形成され、
    前記第1配線と電気的に接続する第1電極と、前記第1電極及び前記第1絶縁膜の上に形成された第2絶縁膜の上に形成され、前記第2配線と電気的に接続する第2電極と、を含み、
    前記複数の回路は、前記第2絶縁膜及び前記第2電極の上に形成された第3絶縁膜と前記下部電極との間に形成されている、表示装置。
  13. 請求項12に記載の表示装置であって、
    前記複数の回路は、前記第3絶縁膜の上に形成された半導体層と、前記半導体層及び前記第3絶縁膜を覆う第4絶縁膜と、前記半導体層の上方であって前記第4絶縁膜の上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極及び前記第4絶縁膜を覆う第5絶縁膜と、前記第5絶縁膜の上に形成された平坦化膜と、を含む、表示装置。
  14. 請求項13に記載の表示装置であって、
    前記複数の下部電極と、前記第1配線の一部と、前記第2配線の一部とは、平坦化膜の上に形成され、
    前記第1配線は、積層された前記第2〜第5絶縁膜及び前記平坦化膜に形成されたホールを介して前記第1電極と電気的に接続し、
    前記第2配線は、積層された前記第3〜第5絶縁膜及び前記平坦化膜に形成されたホールを介して前記第2電極と電気的に接続する、表示装置。
  15. 請求項13に記載の表示装置であって、
    前記複数の下部電極は、前記平坦化膜の上に形成され、
    前記第1配線の一部と、前記第2配線の一部とは、前記第5絶縁膜の上に形成され、
    前記第1配線は、積層された前記第2〜第5絶縁膜に形成されたホールを介して前記第1電極と電気的に接続し、
    前記第2配線は、積層された前記第3〜第5絶縁膜に形成されたホールを介して前記第2電極と電気的に接続する、表示装置。
  16. 表示装置の製造方法であって、
    絶縁基板上にタッチパネル電極を形成し、
    前記絶縁基板上に複数の回路を形成し、
    前記複数の回路より上層に、前記複数の回路それぞれに接続される複数の下部電極を形成し、
    前記複数の下部電極より上層に、前記絶縁基板から立ち上がる複数の穿孔壁を形成し、
    前記複数の穿孔壁を形成した後に、前記複数の下部電極上に有機発光層を形成し、
    前記有機発光層及び前記複数の穿孔壁が露出した前記絶縁基板上に透明導電材料を付着して、前記複数の穿孔壁それぞれが貫通する複数の孔を有する、前記複数の下部電極に共通の上部電極を形成する、製造方法。
  17. 絶縁基板と、
    前記絶縁基板と対向する封止構造部と、
    前記絶縁基板と前記封止構造部との間に配置された、複数の下部電極と、1つの上部電極と、それぞれが前記1つの上部電極と前記複数の下部電極のそれぞれとの間に配置された複数の有機発光層と、
    前記絶縁基板と前記下部電極との間に形成され、前記下部電極それぞれに供給する電流を制御する複数の回路と、
    前記絶縁基板と前記下部電極との間に形成された、タッチパネル電極とを含み、
    前記上部電極は、前記有機発光層が出射する光を前記封止構造部に向けて透過させる電極であって、
    前記タッチパネル電極により形成される電界が通過する孔を有する表示装置。
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