JP2016220562A - 焙煎香気回収物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】焙煎原料に水蒸気および/または不活性ガスを送り込み、該焙煎原料から蒸発する焙煎香気を含む蒸気を留出させる工程と、前記焙煎香気の少なくとも一部を含む蒸気を、アルカリ性の水混和性アルコール水溶液に通気することにより、前記蒸気に含まれる焙煎香気を前記アルカリ性の水混和性アルコール水溶液中に回収させる工程とを含むことを特徴とする、焙煎香気回収物の製造方法。
【選択図】なし
Description
特に、本発明の製造方法により得られる焙煎香気回収物を、緑茶や烏龍茶等の茶系飲料に配合した場合には、淹れたての焙煎茶が有しているフレッシュな香ばしい香気と、コクを感じさせる膨らみのある重厚な香気を付与することができるとともに、沈殿生成をも抑制することができる。
さらには、本発明の製造方法は、従来、香気成分の捕集装置外に排出・廃棄されていた揮発性の高い香気を回収して利用することができるため、コスト面でも有利であるという、産業上極めて優れた効果を奏する。
まず、本発明の第1の実施形態に係る焙煎香気回収物の製造方法について説明する。本発明の第1の実施形態に係る焙煎香気回収物の製造方法は、焙煎原料に水蒸気および/または不活性ガスを送り込み、該焙煎原料から蒸発する焙煎香気を含む蒸気を留出させる工程と、前記焙煎香気の少なくとも一部を含む蒸気を、アルカリ性の水混和性アルコール水溶液に通気することにより、前記蒸気に含まれる焙煎香気を前記アルカリ性の水混和性アルコール水溶液中に回収させる工程とを含むものである。
容量3Lのジャケット付きガラスカラムに、焙じ茶葉400gを仕込み、該カラムの上部より0.8gアスコルビン酸ナトリウムを軟水120gに溶解した溶液を注入し、茶葉を湿潤し、95℃にて、50分間保持した後、該カラム下部より窒素ガスおよび100℃の水蒸気を吹き込んだ。該カラムを通過した香気を含む水蒸気を該カラム上部からガラス配管により水冷式コンデンサーへと導き、凝縮し、該コンデンサーの下部に取り付けた分液漏斗型分離器へと導き、凝縮液化した香気回収物600gを得た(比較品1)。
一方、水冷式コンデンサーにより回収されなかった香気は、分液漏斗型分離器の上部に設けられた通気口よりシリコンチューブを経由して30質量%グリセリン水溶液(pH12.0)80gを充填したグリセリン−アルカリトラップ(30質量%グリセリン水溶液、pH12.0、温度20℃)へと導き、香気回収物80gを得た(発明品1)。
次に、比較品1を200g、発明品1を26.6g計り取り、混合し、pHを5.0に調整した混合物226gを得た(発明品2、pH5.0、Bx3.35°)。
発明品1、2および比較品1の香気について、5人の良く訓練されたパネリストにより官能評価を行った。得られた評価結果を表1に示す。
市販のペットボトル入り焙じ茶飲料(参考品1)を購入し、これに実施例1で得られた発明品1、2および比較品1を5質量%添加し、それぞれ添加したものについて、5人の良く訓練されたパネリストにより官能評価を行った。得られた評価結果を表2に示す。
したがって、発明品1および2ともに、市販の焙じ茶飲料に焙じ茶の重さや厚みを付与することができ、従来の香気回収品(比較品1)では得られない特性が付与できることが確認された。
実施例1の焙じ茶葉400gに代えて緑茶葉400gを使用するほかは、実施例1と同様な方法で、凝縮液化した香気回収物600g(比較品2)、グリセリン−アルカリトラップで捕集した香気回収物80gを得た(発明品3)。
次に、比較品2を200g、発明品3を26.6g計り取り、混合し、pHを5.0に調整した混合物226gを得た(発明品4、pH5.0、Bx3.54°)。
実施例1の焙じ茶葉400gに代えて烏龍茶葉400gを使用するほかは、実施例1と同様な方法で、凝縮液化した香気回収物600g(比較品3)、グリセリン−アルカリトラップで捕集した香気回収物80gを得た(発明品5)。
次に、比較品3を200g、発明品5を26.6g計り取り、混合し、pHを5.0に調整した混合物226gを得た(発明品6、pH5.0、Bx3.48°)。
実施例1の焙じ茶葉400gに代えて麦茶葉400gを使用するほかは、実施例1と同様な方法で、凝縮液化した香気回収物600g(比較品4)、グリセリン−アルカリトラップで捕集した香気回収物80gを得た(発明品7)。
次に、比較品4を200g、発明品7を26.6g計り取り、混合し、pHを5.0に調整した混合物226gを得た(発明品8、pH5.0、Bx4.30°)。
実施例1の焙じ茶葉400gに代えてコーヒー豆500gを使用するほかは、実施例1と同様な方法で、凝縮液化した香気回収物750g(比較品5)、グリセリン−アルカリトラップで捕集した香気回収物100gを得た(発明品9)。
次に、比較品5を250g、発明品9を33.3g計り取り、混合し、pHを5.0に調整した混合物283gを得た(発明品10、pH5.0、Bx4.06°)。
発明品3〜10および比較品2〜5の香気について、5人の良く訓練されたパネリストにより官能評価を行った。得られた評価結果を表3に示す。
また、烏龍茶に関しては、比較品3は、淡泊で爽やかな烏龍茶の香りであると評価された。一方、グリセリン−アルカリトラップで捕集した発明品5は、それ自身はバランスの悪い烏龍茶の香気であるが、癖のある独特の香りを有していた。また、比較品3に発明品5を加えた発明品6は、トップ、ミドル、ラストのバランスが良く、烏龍茶の爽やかな香りに加え、コクを感じさせる厚みのある香りであるとの評価であった。
また、麦茶に関しては、比較品4は、柔らかな麦茶の香りであると評価された。一方、グリセリン−アルカリトラップで捕集した発明品7は、それ自身はバランスの悪い麦茶の香気であるが、癖のある独特の香りを有していた。また、比較品4に発明品7を加えた発明品8は、トップ、ミドル、ラストのバランスが良く、麦茶の柔らかな香りに加え、焙煎した茶葉の香ばしさとコクを感じさせる厚みのある香りであるとの評価であった。
また、コーヒーに関しては、比較品5は、淹れ立てのコーヒーの香りであると評価された。一方、グリセリン−アルカリトラップで捕集した発明品9は、それ自身はバランスの悪いコーヒーの香気であるが、癖のある独特の香りを有していた。また、比較品5に発明品9を加えた発明品10は、トップ、ミドル、ラストのバランスが良く、コーヒーの淹れ立ての香りに加え、焙煎コーヒー豆のコクを感じさせる厚みのある香りであるとの評価であった。
市販のペットボトル入り緑茶飲料(参考品2)を購入し、これに実施例2で得られた発明品3、4および比較品2を5質量%添加し、それぞれ添加したものについて、5人の良く訓練されたパネリストにより官能評価を行った。また、市販のペットボトル入り烏龍茶飲料(参考品3)を購入し、これに実施例3で得られた発明品5、6および比較品3を5質量%添加し、それぞれ添加したものについて、同様の官能評価を行った。また、市販のペットボトル入り麦茶飲料(参考品4)を購入し、これに実施例4で得られた発明品7、8および比較品4を5質量%添加し、それぞれ添加したものについて、同様の官能評価を行った。得られた評価結果を表4に示す。また、市販のペットボトル入りコーヒー飲料(参考品5)を購入し、これに実施例5で得られた発明品9、10および比較品5を5質量%添加し、それぞれ添加したものについて、同様の官能評価を行った。得られた評価結果を表4に示す。
また、市販品の烏龍茶飲料である参考品3は、飲みやすいが特徴のない香気、香味であったのに対し、比較品3を添加したものは、烏龍茶の爽やかな香気が付与された香気、香味が付与されていると評価された。一方、グリセリン−アルカリトラップで捕集した発明品5を添加したものは、烏龍茶の香りにやや重さとパンチを付与した香気、香味を有していた。また、発明品6を添加したものは、烏龍茶の爽やかさが付与されるとともに、コクを感じさせる厚みが増し、飲み応えのある香気、香味との評価であった。
また、市販品の麦茶飲料である参考品4は、麦茶の香りあるもパンチが弱く、平板な香気、香味であったのに対し、比較品4を添加したものは、麦茶の柔らかな香気が付与された香気、香味が付与されていると評価された。一方、グリセリン−アルカリトラップで捕集した発明品7を添加したものは、麦茶の香りにやや重さとパンチを付与した香気、香味を有していた。また、発明品8を添加したものは、麦茶の柔らかな香りが付与されるとともに、コクを感じさせる厚みが増し、飲み応えのある香気、香味との評価であった。
また、市販品のコーヒー飲料である参考品5は、コーヒーの香りあるもパンチが弱く、平板な香気、香味であったのに対し、比較品5を添加したものは、コーヒーの淹れ立ての香気が付与された香気、香味が付与されていると評価された。一方、グリセリン−アルカリトラップで捕集した発明品9を添加したものは、コーヒーの淹れ立ての香りにやや重さとパンチを付与した香気、香味を有していた。また、発明品10を添加したものは、コーヒーの淹れ立ての香気が付与されるとともに、コクを感じさせる厚みが増し、飲み応えのある香気、香味との評価であった。
したがって、発明品3および4ともに、市販の緑茶飲料に焙煎した茶葉の重さや厚みを付与することができ、従来の香気回収品(比較品2)では得られない特性が付与できることが確認された。また、発明品5および6ともに、市販の烏龍茶飲料に烏龍茶の重さや厚みを付与することができ、従来の香気回収品(比較品3)では得られない特性が付与できることが確認された。また、発明品7および8ともに、市販の麦茶飲料に麦茶の重さや厚みを付与することができ、従来の香気回収品(比較品4)では得られない特性が付与できることが確認された。また、発明品9および10ともに、市販のコーヒー飲料にコーヒーの重さや厚みを付与することができ、従来の香気回収品(比較品5)では得られない特性が付与できることが確認された。
容量3Lのジャケット付きガラスカラムに、焙じ茶葉400gを仕込み、該カラム下部より窒素ガスを導入し、内部空気を置換した後、該カラムの上部より0.8gアスコルビン酸ナトリウムを軟水120gに溶解した溶液を注入し、茶葉を湿潤し、該カラム下部より100℃の水蒸気を吹き込んだ。該カラムを通過した香気を含む水蒸気を該カラム上部からガラス配管により水冷式コンデンサーへと導き、凝縮し、該コンデンサーの下部に取り付けた分液漏斗型分離器へと導き、凝縮液化した香気回収物600gを得た(参考品6)。
一方、水冷式コンデンサーにより回収されなかった香気は、分液漏斗型分離器の上部に設けられた通気口よりシリコンチューブを経由して30質量%グリセリン水溶液(pH8.0)80gを充填したグリセリン−アルカリトラップ(30質量%グリセリン水溶液、pH8.0、温度25℃)へと導き、香気回収物80gを得た(発明品11)。
前記操作を行った後、水蒸気の吹き込みを停止し、予め準備しておいた0.4gアスコルビン酸ナトリウムを軟水2800gに溶解した溶液(温度55℃)をカラム上部より充填し、35分保持後、25分でカラム下部より抜き取り、抽出液2215g(参考品7、Bx4.19°)を得た。
次に、参考品6、7および発明品11を混合し、混合物2895gを得た(発明品12、pH5.17、Bx3.35°)。
実施例6のグリセリン−アルカリトラップ(30質量%グリセリン水溶液、pH8.0、温度25℃)に代えてグリセリン−アルカリトラップ(30質量%グリセリン水溶液、pH9.0、温度25℃)を使用するほかは、実施例6と同様な方法により、凝縮液化した香気回収物600g(参考品8)、グリセリン−アルカリトラップで捕集した香気回収物80g(発明品13)および抽出液2205g(参考品9)を得た。また、参考品8、9および発明品13を混合し、混合物2885gを得た(発明品14、pH5.17、Bx3.35°)。
実施例6のグリセリン−アルカリトラップ(30質量%グリセリン水溶液、pH8.0、温度25℃)に代えてグリセリン−アルカリトラップ(30質量%グリセリン水溶液、pH10.0、温度25℃)を使用するほかは、実施例6と同様な方法により、凝縮液化した香気回収物600g(参考品10)、グリセリン−アルカリトラップで捕集した香気回収物80g(発明品15)および抽出液2210g(参考品11)を得た。また、参考品10、11および発明品15を混合し、混合物2890gを得た(発明品16、pH5.17、Bx3.35°)。
実施例6のグリセリン−アルカリトラップ(30質量%グリセリン水溶液、pH8.0、温度25℃)に代えてグリセリン−アルカリトラップ(30質量%グリセリン水溶液、pH11.0、温度25℃)を使用するほかは、実施例6と同様な方法により、凝縮液化した香気回収物600g(参考品12)、グリセリン−アルカリトラップで捕集した香気回収物80g(発明品17)および抽出液2210g(参考品13)を得た。また、参考品12、13および発明品13を混合し、混合物2890gを得た(発明品18、pH5.17、Bx3.35°)。
実施例6のグリセリン−アルカリトラップ(30質量%グリセリン水溶液、pH8.0、温度25℃)に代えてグリセリン−アルカリトラップ(30質量%グリセリン水溶液、pH12.0、温度25℃)を使用するほかは、実施例6と同様な方法により、凝縮液化した香気回収物600g(参考品14)、グリセリン−アルカリトラップで捕集した香気回収物80g(発明品19)および抽出液2210g(参考品15)を得た。また、参考品14、15および発明品15を混合し、混合物2890gを得た(発明品20、pH5.17、Bx3.35°)。
実施例6のグリセリン−アルカリトラップ(30質量%グリセリン水溶液、pH8.0、温度25℃)に代えてグリセリン−アルカリトラップ(30質量%グリセリン水溶液、pH13.0、温度25℃)を使用するほかは、実施例6と同様な方法により、凝縮液化した香気回収物600g(参考品16)、グリセリン−アルカリトラップで捕集した香気回収物80g(発明品21)および抽出液2210g(参考品17)を得た。また、参考品16、17および発明品17を混合し、混合物2890gを得た(発明品22、pH5.17、Bx3.35°)。
実施例6のグリセリン−アルカリトラップ(30質量%グリセリン水溶液、pH8.0、温度25℃)に代えてグリセリン−アルカリトラップ(30質量%グリセリン水溶液、pH7.0、温度25℃)を使用するほかは、実施例6と同様な方法により、凝縮液化した香気回収物600g(参考品18)、グリセリン−アルカリトラップで捕集した香気回収物80g(参考品19)および抽出液2210g(参考品20)を得た。また、参考品18、19、20の各半量を計り取って混合し、混合物1445gを得た(比較品6、pH5.17、Bx3.29°)。
実施例6〜11で得られた発明品12、14、16、18、20、22並びに比較品1、6を60℃に加温し、香気香味を5名の良く訓練されたパネリストにより官能評価を行った。得られた評価結果を表4に示す。
一方、比較品1および6は、トップ、ミドルの甘く、軽やかな香気を有する焙じ茶の香りであり、ラストの香気が弱く、厚みも感じられないとの評価であった。
結果として、グリセリン−アルカリトラップで捕集した香気回収物を用いた発明品12、14、16、18、20、22は、トップ、ミドル、ラストのバランスが良くなり、厚みやロースト感が付与されるなど、従来品にはない効果があることが確認された。
市販のペットボトル入り焙じ茶飲料(参考品1)を購入し、これに実施例6〜11で得られた発明品12、14、16、18、20、22および比較品1、6を5質量%添加し、それぞれ添加したものについて、5人の良く訓練されたパネリストにより官能評価を行った。得られた評価結果を表6に示す。
一方、グリセリン−アルカリトラップで捕集した発明品12、14を添加したものは、焙じ茶の甘さ、軽やかさが付与されるとともに、全体の厚みがやや増し、コクと飲み応えのある香気、香味を有していた。また、発明品16、18を添加したものは、焙じ茶の甘さ、軽やかさが付与されるとともに、全体の厚みが増し、コクと飲み応えのある香気、香味との評価であった。また、発明品20、22を添加したものは、焙じ茶の甘さが付与され、焙じ茶のロースト感が付与され、重厚で、コクと飲み応えのある香気、香味を有していた。
したがって、発明品12、14、16、18、20、22は、市販の焙じ茶飲料に焙じ茶の重さや厚み、ロースト感を付与することができ、従来の香気回収品(比較品1、6)では得られない特性が付与できることが確認された。
実施例1のグリセリン−アルカリトラップ(30質量%グリセリン水溶液、pH8.0、温度25℃)に代えてエチルアルコール−アルカリトラップ(30質量%エチルアルコール水溶液、pH12.0、温度25℃)を使用するほかは、実施例1と同様な方法により、凝縮液化した香気回収物600g(比較品7)、エチルアルコール−アルカリトラップで捕集した香気回収物80g(発明品23)を得た。次に、比較品7を200g、発明品23を26.6g計り取り、混合し、pHを5.0に調整した混合物226gを得た(発明品24、pH5.0、Bx3.30°)。
実施例1のグリセリン−アルカリトラップ(30質量%グリセリン水溶液、pH8.0、温度25℃)に代えてプロピレングリコール−アルカリトラップ(30質量%エチルアルコール水溶液、pH12.0、温度25℃)を使用するほかは、実施例1と同様な方法により、凝縮液化した香気回収物600g(比較品8)、エチルアルコール−アルカリトラップで捕集した香気回収物80g(発明品25)を得た。次に、比較品8を200g、発明品25を26.6g計り取り、混合し、pHを5.0に調整した混合物226gを得た(発明品26、pH5.0、Bx3.41°)。
実施例1、12および13の発明品1、2、23、24、25、26および比較品1、7、8の香気について、5人の良く訓練されたパネリストにより官能評価を行った。得られた評価結果を表7に示す。
次に比較品7は比較品1と同様、トップ、ミドルの甘く、軽やかな香気を有する焙じ茶の香りであると評価された。一方、エチルアルコール−アルカリトラップで捕集した発明品23は、それ自身はバランスの悪い茶の香気であるが、癖のある独特の香りを有していたが、香りの強さは発明品1に比べるとやや弱かった。また、比較品7に発明品23を加えた発明品24は、発明品2には及ばないが、トップ、ミドル、ラストのバランスが良く、焙じ茶の甘さ、軽やかさに加え、厚みのある香りであるとの評価であった。
次に比較品8は比較品1と同様、トップ、ミドルの甘く、軽やかな香気を有する焙じ茶の香りであると評価された。一方、プロピレングリコール−アルカリトラップで捕集した発明品25は、それ自身はバランスの悪い茶の香気であるが、癖のある独特の香りを有していたが、香りの強さは発明品1と発明品23の中間くらいであった。また、比較品8に発明品25を加えた発明品26は、発明品2には及ばないが、トップ、ミドル、ラストのバランスが良く、焙じ茶の甘さ、軽やかさに加え、厚みのある香りであるとの評価であった。
Claims (8)
- 焙煎原料に水蒸気および/または不活性ガスを送り込み、該焙煎原料から蒸発する焙煎香気を含む蒸気を留出させる工程と、
前記焙煎香気の少なくとも一部を含む蒸気を、アルカリ性の水混和性アルコール水溶液に通気することにより、前記蒸気に含まれる焙煎香気を前記アルカリ性の水混和性アルコール水溶液中に回収させる工程
とを含むことを特徴とする、焙煎香気回収物の製造方法。 - 焙煎原料に水蒸気を送り込み、該焙煎原料から蒸発する焙煎香気を含む蒸気を留出させ、次いで、前記蒸気を凝縮液化して、第1の香気回収物を得る工程と、
前記第1の香気回収物に回収されなかった残りの焙煎香気を含む蒸気を、さらにアルカリ性の水混和性アルコール水溶液に通気することにより、第2の香気回収物を得る工程と、
前記第1および第2の香気回収物を混合する工程
とを含むことを特徴とする、焙煎香気回収物の製造方法。 - 焙煎原料に水蒸気を送り込み、該焙煎原料から蒸発する焙煎香気を含む蒸気を留出させ、次いで、前記蒸気を凝縮液化して、第1の香気回収物を得る工程と、
前記第1の香気回収物に回収されなかった残りの焙煎香気を含む蒸気を、さらにアルカリ性の水混和性アルコール水溶液に通気することにより、第2の香気回収物を得る工程と、
前記焙煎原料に水、または、水混和性アルコール水溶液を加えて抽出して抽出液を得る工程と、
前記第1および第2の香気回収物、並びに前記抽出液を混合する工程
とを含むことを特徴とする、焙煎香気回収物の製造方法。 - 前記アルカリ性の水混和性アルコール水溶液が、エチルアルコール、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マルチトール、還元水水飴、グルコース、フラクトース、ショ糖、マルトース、液糖、および水飴から選択される少なくとも1種の水溶液である請求項1〜3のいずれか1項に記載の焙煎香気回収物の製造方法。
- 前記アルカリ性の水混和性アルコール水溶液のpHが、7.5〜13.5の範囲である請求項1〜4のいずれか1項に記載の焙煎香気回収物の製造方法。
- 前記焙煎原料が、緑茶、烏龍茶、紅茶、麦茶、焙煎ハト麦、焙煎玄米、焙煎麦芽、またはコーヒーである請求項1〜5のいずれか1項に記載の焙煎香気回収物の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の焙煎香気回収物の製造方法により得られる焙煎香気回収物。
- 請求項7に記載の焙煎香気回収物を食品に添加することを特徴とする焙煎香気の付与増強方法。
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