JP2017070282A - コーヒー抽出液及びその製造方法 - Google Patents

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忠明 酒野
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真一郎 黒澤
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Kazuto Ozaki
和人 尾崎
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和彦 西村
高志 橋本
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高志 橋本
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Yoshiteru Hamana
芳輝 浜名
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Abstract

【課題】味や香りがしっかりとしているにもかかわらず、すっきりとしたコーヒー飲料を製造するためのコーヒー抽出液及びその製造方法の提供。【解決手段】焙煎コーヒー豆の可溶性固形分を含有するコーヒー抽出液を調製する工程を有し、前記コーヒー抽出液における乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が2.0〜36.0mgであり、前記成分(A)が、LC−MS/MSを行い、クロマトグラムにおいて、保持時間が3.0〜3.8分又は6.2〜7.0分の範囲内にピークトップがあるピークとして検出される物質であり、前記成分(A)の総含有量は、カフェインを標準物質として作製された濃度とピーク面積値との関係を表す検量線に基づき、前記成分(A)のピーク面積値の総和から算出されたものであることを特徴とする、コーヒー抽出液の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、コーヒーらしい味や香りがしっかりとしているにもかかわらず、すっきりとしたコーヒー飲料を製造するためのコーヒー抽出液及びその製造方法に関する。
コーヒーは、日常的に広く親しまれている嗜好性飲料であり、容器詰飲料や、水等の液体に溶解させることにより喫飲可能となるインスタントコーヒーが多数上市されている。容器詰コーヒー飲料やインスタントコーヒーは、より手軽に楽しむことができるという利点があるが、焙煎コーヒー豆から淹れたてのレギュラーコーヒーに比べて、味や香りに劣るという問題がある。コーヒーらしい味や香気を担う成分は、容器詰コーヒー飲料の殺菌処理やインスタントコーヒーの粉末化処理等の間に失われたり、変質してしまうためである。
より味や香りに優れたコーヒー抽出液を原料とすることにより、容器詰コーヒー飲料やインスタントコーヒーの味や香りを改善することができると期待できる。高品質の焙煎コーヒー豆を原料とすることにより、より味や香りに優れたコーヒー抽出液が得られるが、工業上量産される容器詰コーヒー飲料やインスタントコーヒー飲料用組成物(「IC飲料用組成物」と略記することもある。)では、高品質のコーヒー豆のみを原料とすることは難しい。加えて、コーヒー豆は天然物であるため、品種のみならず、産地や栽培年によっても品質が変動するという問題もある。また、消費者の嗜好の多様化により、消費者が求める製品品質を1種類の焙煎コーヒー豆のみを原料として達成することは困難な場合もある。そこで、一般的には、容器詰コーヒー飲料やIC飲料用組成物は、複数の焙煎コーヒー豆をブレンドした混合物を原料とされる場合が多い。
コーヒー抽出液の味や香りを改善する方法として、コーヒー抽出液中の特定の成分を指標とする方法が知られている。例えば、特許文献1には、焙煎コーヒーポリフェノールオリゴマーとキナ酸ラクトンを、コーヒー飲料の味や香りの指標とする方法が開示されている。当該文献によれば、飲料中の焙煎コーヒーポリフェノールオリゴマーの含有量とキナ酸ラクトンの含有量とを特定の関係になるように調整することによって、コーヒーのざらつき、渋味といった雑味を抑えることができ、よりレギュラーコーヒーに近い良好な呈味及び香味のコーヒー飲料を製造できる。
特許第5534268号公報
本発明は、味や香りがしっかりとしており、雑味が少なくすっきりとした味を有するコーヒー抽出液及びその製造方法、並びにコーヒー抽出液の香味改善方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、コーヒー飲料中の特定の成分の総含有量が、コーヒーらしい味や香りとすっきりとした味感に相関があることを見出し、本発明を完成させた。
[1]本発明の第一の態様に係るコーヒー抽出液の製造方法は、焙煎コーヒー豆の可溶性固形分を含有するコーヒー抽出液を調製する工程を有し、
前記コーヒー抽出液における乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が2.0〜36.0mgであり、
前記成分(A)が、下記HPLC条件(A)及び下記MS条件(A)で液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析を行い、クロマトグラムにおいて、保持時間が3.0〜3.8分又は6.2〜7.0分の範囲内にピークトップがあるピークとして検出される物質であり、
前記成分(A)の総含有量は、カフェインを標準物質として作製された濃度とピーク面積値との関係を表す検量線に基づき、前記成分(A)のピーク面積値の総和から算出されたものであることを特徴とする。
Figure 2017070282
Figure 2017070282
[2]前記[1]のコーヒー抽出液の製造方法においては、前記検量線が、濃度既知のカフェイン溶液を前記HPLC条件(A)及び下記MS条件(C)で液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析を行った場合のクロマトグラムにおけるカフェインのピーク面積値と、カフェイン濃度との関係を示すことが好ましい。
Figure 2017070282
[3]前記[1]又は[2]のコーヒー抽出液の製造方法としては、前記コーヒー抽出液における乾燥固形分100g当たりのカフェイン含有量が3700〜8600mgであることが好ましい。
[4]前記[1]又は[2]のコーヒー抽出液の製造方法としては、前記コーヒー抽出液における乾燥固形分100g当たりのカフェイン含有量が4550〜8600mgであることが好ましい。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかのコーヒー抽出液の製造方法としては、前記コーヒー抽出液が、2種類以上の焙煎コーヒー豆からなる混合物からコーヒー抽出液を調製する、又は、2種類以上のコーヒー抽出液を混合することにより調製されることが好ましい。
[6]本発明の第二の態様に係るコーヒー抽出液は、乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が2.0〜36.0mgであり、
前記成分(A)が、前記HPLC条件(A)及び前記MS条件(A)で液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析を行い、クロマトグラムにおいて、保持時間が3.0〜3.8分又は6.2〜7.0分の範囲内にピークトップがあるピークとして検出される物質であり、
前記成分(A)の総含有量は、カフェインを標準物質として作製された濃度とピーク面積値との関係を表す検量線に基づき、前記成分(A)のピーク面積値の総和から算出されたものであることを特徴とする。
[7]前記[6]のコーヒー抽出液としては、乾燥固形分100g当たりのカフェイン含有量が3700〜8600mgであることが好ましい。
[8]本発明の第三の態様に係るコーヒー飲料の製造方法は、前記[1]〜[5]のいずれかのコーヒー抽出液の製造方法により製造されたコーヒー抽出液、又は、前記[6]若しくは[7]のコーヒー抽出液を原料とすることを特徴とする。
[9]本発明の第四の態様に係るインスタントコーヒー飲料用組成物の製造方法は、前記[1]〜[5]のいずれかのコーヒー抽出液の製造方法により製造されたコーヒー抽出液、又は、前記[6]若しくは[7]のコーヒー抽出液を原料とすることを特徴とする。
[10]本発明の第五の態様に係るコーヒー飲料は、乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が2.0〜36.0mgであり、
前記成分(A)が、前記HPLC条件(A)及び前記MS条件(A)で液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析を行い、クロマトグラムにおいて、保持時間が3.0〜3.8分又は6.2〜7.0分の範囲内にピークトップがあるピークとして検出される物質であり、
前記成分(A)の総含有量は、カフェインを標準物質として作製された濃度とピーク面積値との関係を表す検量線に基づき、前記成分(A)のピーク面積値の総和から算出されたものであることを特徴とする。
[11]前記[10]のコーヒー飲料としては、乾燥固形分100g当たりのカフェイン含有量が3700〜8600mgであることが好ましい。
[12]本発明の第六の態様に係るインスタントコーヒー飲料用組成物は、液体と混合してコーヒー飲料を調製するためのインスタントコーヒー飲料用組成物であって、
可溶性コーヒー固形分を含有し、
乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が2.0〜36.0mgであり、
前記成分(A)が、前記HPLC条件(A)及び前記MS条件(A)で液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析を行い、クロマトグラムにおいて、保持時間が3.0〜3.8分又は6.2〜7.0分の範囲内にピークトップがあるピークとして検出される物質であり、
前記成分(A)の総含有量は、カフェインを標準物質として作製された濃度とピーク面積値との関係を表す検量線に基づき、前記成分(A)のピーク面積値の総和から算出されたものであることを特徴とする。
[13]前記[12]のインスタントコーヒー飲料用組成物としては、乾燥固形分100g当たりのカフェイン含有量が3700〜8600mgであることが好ましい。
[14]本発明の第七の態様に係るコーヒー抽出液の香味改善方法は、焙煎コーヒー豆を原料として調製されたコーヒー抽出液の香味を改善する方法であって、
原料とする焙煎コーヒー豆の種類及び配合比を、コーヒー抽出液における乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が1.8〜29mgとなるように調整する工程を有し、
前記成分(A)が、前記HPLC条件(A)及び前記MS条件(A)で液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析を行い、クロマトグラムにおいて、保持時間が3.0〜3.8分又は6.2〜7.0分の範囲内にピークトップがあるピークとして検出される物質であり、
前記成分(A)の総含有量は、カフェインを標準物質として作製された濃度とピーク面積値との関係を表す検量線に基づき、前記成分(A)のピーク面積値の総和から算出されたものであることを特徴とする。
本発明に係るコーヒー抽出液の製造方法により製造されたコーヒー抽出液や、本発明に係るコーヒー抽出液を原料とすることにより、コーヒーらしい味や香りがしっかりとしており、コーヒー特有のざらつきが少なくすっきりとした味感を有するコーヒー飲料やIC飲料用組成物を製造することができる。
また、本発明に係るコーヒー抽出液の香味改善方法により、コーヒーらしい味や香りを維持しつつ、コーヒー特有のざらつきが少なくすっきりとした味感になるように、様々な品質の焙煎コーヒー豆の中から原料とする焙煎コーヒー豆の種類及び配合比を適切に調整できる。
実施例1において、コーヒー抽出液AのLC−MS/MSにより得られたクロマトグラムである。 実施例1において、コーヒー抽出液BのLC−MS/MSにより得られたクロマトグラムである。 実施例1において、コーヒー抽出液CのLC−MS/MSにより得られたクロマトグラムである。 実施例1において、コーヒー抽出液DのLC−MS/MSにより得られたクロマトグラムである。
本発明及び本願明細書において、「IC飲料用組成物」とは、水や牛乳等の液体に溶解又は希釈させることによってコーヒー飲料を調製し得る組成物を意味する。IC飲料用組成物は、粉末であってもよく、液体であってもよい。
本発明及び本願明細書において、「粉末」とは粉粒体(異なる大きさの分布をもつ多くの固体粒子からなり,個々の粒子間に,何らかの相互作用が働いているもの)を意味する。また、「顆粒」は粉末から造粒された粒子(顆粒状造粒物)の集合体である。粉末には、顆粒も含まれる。
本発明及び本願明細書において、コーヒー抽出液、コーヒー飲料、及びIC飲料用組成物における乾燥固形分の量は、試料を電気恒温乾燥機で105℃、16時間乾燥させた後の重量を測定することにより、求められる。
<コーヒー抽出液の製造方法>
本発明に係るコーヒー抽出液の製造方法は、コーヒーらしい味や香りを維持しつつ、コーヒー特有のざらつきが少なくすっきりとした味感を達成するために、特定の成分(成分(A))の総含有量を指標としてコーヒー抽出液を製造することを特徴とする。成分(A)の総含有量は、コーヒーらしい味や香りの強さと雑味の強さに相関を示す。成分(A)の総含有量が多くなるほど、ざらつきが抑えられ、その結果すっきりとした味感が強くなる。逆に、コーヒーらしい味や香りの強さは、成分(A)の総含有量が少ないほど強くなる。そこで、成分(A)の総含有量を指標とし、これを適切な範囲内に調整することによって、コーヒーらしい味や香りの強さを維持しつつ、ざらつきが抑えられてすっきりとした味感を有するコーヒー抽出液が得られる。
具体的には、本発明に係るコーヒー抽出液の製造方法は、焙煎コーヒー豆の可溶性固形分を含有するコーヒー抽出液を調製する工程を有し、前記コーヒー抽出液における乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が2.0〜36.0mgであることを特徴とする。また、本発明に係るコーヒー抽出液は、乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が2.0〜36.0mgであることを特徴とする。
成分(A)は、具体的には、下記表に記載のHPLC条件(A)及びMS条件(A)で液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析(LC−MS/MS)を行い、クロマトグラムにおいて、保持時間が3.0〜3.8分又は6.2〜7.0分の範囲内にピークトップがあるピークとして検出される物質である。
Figure 2017070282
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HPLC条件(A)のうち、エチレン架橋型ハイブリッドアミドカラムとしては、例えば、BEH amideカラム(waters社製)等が挙げられる。また、使用するHPLC装置としては、アジレントテクノロジー社の1200 InfinityシリーズのLC装置が好ましく、同社の1260 Infinity LC又はその後継機種がより好ましい。MS条件(A)のうち、トリプルステージ四重極型質量分析装置としては、例えば、AB SCIEX社のQTRAP(登録商標) 4500シリーズのMS装置又はその後継機種が好ましい。
成分(A)の物質としては、HPLC条件(A)及びMS条件(A)でLC−MS/MSを行ったクロマトグラムにおいて、保持時間が3.0〜3.8分の間にピークトップがあるピークとして検出される2種類の物質と、保持時間が6.2〜7.0分の範囲内にピークトップがあるピークとして検出される1種類の物質がある。本発明に係るコーヒー抽出液の製造方法により製造されるコーヒー抽出液及び本発明に係るコーヒー抽出液は、成分(A)の総含有量が特定の範囲内であればよく、成分(A)の3種類の物質のうち、1種類のみを含有するものであってもよく、2種類を含有するものであってもよく、3種類全てを含有しているものであってもよい。また、2種類以上の成分(A)を含有している場合、それらの含有量比(質量比)も特に限定されるものではない。
成分(A)の物質の同定は非常に困難であり、具体的な構造や化合物名は未だ不明であるが、コーヒー抽出液中の成分(A)の総含有量は、保持時間が3.0〜3.8分及び6.2〜7.0分の範囲内にピークトップがある全てのピークのピーク面積値の総和(以下、「成分(A)のピーク面積値の総和」ということがある。)から検量線を用いて定量することができる。ピーク面積値は、例えば、ピーク高さの中点におけるピーク幅にピーク高さを乗じる半値幅法や、検出器からの信号をデータ処理装置を用いてピーク面積として測定する自動積分法等の常法により算出することができる。
コーヒー抽出液中の成分(A)の総含有量は、成分(A)のピーク面積値の総和から、カフェインを標準物質として作製された濃度とピーク面積値との関係を表す検量線(以下、「MS用検量線」ということがある。)に基づき算出される。MS用検量線は、濃度既知のカフェイン溶液をHPLC条件(A)及び下記表に記載のMS条件(C)でLC−MS/MSを行った場合のクロマトグラムにおけるカフェインのピーク面積値と、カフェイン濃度との関係を示す。
Figure 2017070282
一般的に、ピーク面積値は当該ピークとして検出される物質の濃度(質量)に比例する。このため、MS用検量線は、一点検量線であってもよく、多点検量線であってもよい。具体的には、MS用検量線は、カフェイン濃度が既知のカフェイン溶液に対してLC−MS/MSを行い、得られたクロマトグラムのカフェインのピークのピーク面積値を求め、カフェイン濃度を横軸に、ピーク面積値を縦軸にプロットすることにより作成することができる。MS用検量線の作成に用いるカフェインのピークのピーク面積値は、成分(A)のピークのピーク面積値と同じ手法にて算出される。
本発明に係るコーヒー抽出液の製造方法により製造されたコーヒー抽出液及び本発明に係るコーヒー抽出液における成分(A)の総含有量は、乾燥固形分100g当たり2.0〜36.0mgであれば特に限定されるものではないが、コーヒーらしい味と香りの強さとすっきり感の両方が充分に良好であることから、乾燥固形分100g当たり、2.2〜35.7であることが好ましく、2.3〜35.7mgであることがより好ましく、2.5〜25mgであることがさらに好ましく、3.0〜20mgであることがよりさらに好ましい。
本発明に係るコーヒー抽出液の製造方法において原料として用いる焙煎コーヒー豆、及び本発明に係るコーヒー抽出液の原料となる焙煎コーヒー豆としては、焙煎されていればよく、コーヒー豆の種類や産地は特に限定されず、アラビカ種であってもよく、ロバスタ種であってもよく、リベリカ種であってもよく、これらをブレンドしたものであってもよい。また、焙煎方法も特に限定されるものではなく、直火焙煎法、熱風焙煎法、遠赤外線焙煎法、炭火式焙煎法、マイクロ波焙煎法等の一般的にコーヒー豆の焙煎に使用されるいずれの方法で行ったものであってもよい。さらに、公知の焙煎前処理を行った生豆を焙煎したものであってもよい。
可溶性固形分の抽出効率が高くなるため、焙煎コーヒー豆は、可溶性固形分が抽出される前に粉砕されていることが好ましい。焙煎コーヒー豆の粉砕は、ロールミル等の一般的な粉砕機を用いて行うことができる。粉砕度は特に限定されるものではなく、粗挽き、中粗挽き、中挽き、中細挽き、細挽きなどの種々の形状の焙煎コーヒー豆を用いることができる。
コーヒー抽出液は、焙煎コーヒー豆に加熱した水を接触させて可溶性固形分を抽出させることにより得られる。抽出方法は、一般的にコーヒーを淹れる際に用いられる方法や、インスタントコーヒーを製造する際に、焙煎コーヒー豆の粉砕物から可溶性固形分を抽出する際に用いられる方法により行うことができる。具体的には、ドリップ式、エスプレッソ式、サイフォン式、パーコレーター式、コーヒープレス(フレンチプレス)式、高圧抽出、連続高圧抽出等のいずれを用いて行ってもよい。
原料として2種類以上の焙煎コーヒー豆を用いる場合、本発明に係るコーヒー抽出液の製造方法においては、2種類以上の焙煎コーヒー豆からなる混合物(ブレンド豆)から可溶性固形分を抽出してコーヒー抽出液を調製してもよく、別個に可溶性固形分を抽出して得られた2種類以上のコーヒー抽出液を混合することによりコーヒー抽出液を調製してもよい。
コーヒー抽出液における成分(A)の総含有量は、主に原料とする焙煎コーヒー豆に依存し、コーヒー豆の品種、産地、生豆の精選方法、生豆の処理方法、焙煎方法、焙煎度等に影響を受ける。例えば、焙煎コーヒー豆中の成分(A)の含有量が多い品種のコーヒー豆を原料として選択したり、コーヒー豆の焙煎度や焙煎方法、抽出方法を調節することにより、コーヒー抽出液中の成分(A)の含有量を所望の範囲に調整することができる。本発明においては、コーヒー抽出液における乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が2.0〜36.0mgとなるように、原料とする焙煎コーヒー豆の種類や焙煎方法、配合比、抽出方法等を調整することによって、コーヒー抽出液の香味を改善することができ、コーヒーらしい味や香りがしっかりとしており、コーヒー特有のざらつきが少なくすっきりとした味感を有するコーヒー抽出液が得られる。
焙煎条件等により変動するものの、比較的高価なアラビカ品種から調製されたコーヒー抽出液のほうが、ロバスタ品種から調製されたコーヒー抽出液よりも、成分(A)の含有量が多い傾向にある。そこで、経済性の点からアラビカ品種から調製されたコーヒー抽出液とロバスタ品種から調製されたコーヒー抽出液を混合してコーヒー飲料を製造する場合、両コーヒー抽出液の配合比を、コーヒー抽出液における乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が2.0〜36.0mgの範囲内となるように調整することによって、コーヒーらしい味や香りがしっかりとしており、かつコーヒー特有のざらつきが少なくすっきりとした味感を有するコーヒー抽出液が得られる。
例えば、カフェイン含有量やコーヒーらしい呈味成分が比較的多いが、雑味も強いロバスタ種の焙煎コーヒー豆のコーヒー抽出液は、成分(A)の総含有量は比較的少ない。一方で、コーヒーらしい香りが強く、雑味が少なく好ましいものの、ロバスタ種よりもカフェイン含有量が少なく、コーヒーらしい味も弱い傾向にあるアラビカ種の焙煎コーヒー豆のコーヒー抽出液は、成分(A)の総含有量はロバスタ種よりも多い。そこで、原料として用いるロバスタ種の焙煎コーヒー豆とアラビカ種の焙煎コーヒー豆について、試験的にそれぞれコーヒー抽出液を調製して成分(A)の総含有量を定量し、定量結果に基づいて両者をブレンドする配合量比(質量)を決定し、決定された配合量比で両焙煎コーヒー豆を使用してコーヒー抽出液を調製する。これにより、コーヒーらしい味や香りがしっかりとしており、コーヒー特有のざらつきが少なくすっきりとした味感を有するコーヒー抽出液が得られる。焙煎コーヒー豆を3種類以上用いる場合も同様である。
カフェインはコーヒーらしい味や嗜好性を担う重要な成分である。本発明に係るコーヒー抽出液の製造方法により製造されたコーヒー抽出液及び本発明に係るコーヒー抽出液としては、乾燥固形分100g当たりのカフェイン含有量が3700〜8600mgであるものが好ましく、4550〜8600mgであるものがより好ましい。
なお、本発明及び本願明細書において、コーヒー抽出液、コーヒー飲料、及びIC飲料用組成物におけるカフェインの含有量(濃度)は、サンプルに対してHPLCを行って得られたクロマトグラムにおいて、カフェインのピークのピーク面積値から、カフェインを標準物質として作製された濃度とピーク面積値との関係を表す検量線(以下、「カフェイン用検量線」ということがある。)に基づき定量することができる。
カフェイン用検量線は、一点検量線であってもよく、多点検量線であってもよい。具体的には、カフェイン用検量線は、カフェイン濃度が既知のカフェイン溶液に対してHPLCを行い、得られたクロマトグラムのカフェインのピークのピーク面積値を求め、カフェイン濃度を横軸に、ピーク面積値を縦軸にプロットすることにより作成することができる。カフェイン用検量線の作成に用いるカフェインのピークのピーク面積値は、成分(A)のピークのピーク面積値の算出方法として列挙されたものと同様の手法で算出できる。
本発明に係るコーヒー抽出液の製造方法により製造されたコーヒー抽出液及び本発明に係るコーヒー抽出液は、コーヒー飲料やIC飲料用組成物の原料として好適である。成分(A)の総含有量が前記範囲内であるコーヒー抽出液を原料とすることにより、コーヒーらしい味や香りがしっかりとしており、コーヒー特有のざらつきが少なくすっきりとした味感を有するコーヒー飲料やIC飲料用組成物が得られる。
<コーヒー飲料の製造方法>
具体的には、コーヒー飲料は、原料とするコーヒー抽出液をそのまま、又は目的とするコーヒー飲料の製品品質に応じてその他の原料を添加して混合した後、殺菌処理が施される。殺菌処理としては、例えば、加熱殺菌処理、レトルト殺菌処理、紫外線照射殺菌処理等のコーヒー飲料の製造工程において通常行われている殺菌処理の中から適宜選択して行うことができる。例えば、加熱殺菌処理としては、100℃以下の低温殺菌であってもよく、100℃以上の高温殺菌であってもよい。
通常、コーヒー飲料は容器に密封充填された容器詰飲料として市場を流通する。コーヒー飲料を充填する容器や充填方法は、容器詰コーヒー飲料の製造工程において通常使用されている容器や充填方法の中から適宜選択して行うことができる。当該容器としては、例えば、缶、プラスチック容器、紙製容器、ガラス瓶等が挙げられる。また、容器への充填は、大気中で行ってもよく、窒素ガス雰囲気下で行うこともできる。
容器詰コーヒー飲料を製造する場合、予め殺菌処理したコーヒー飲料を殺菌処理済の容器に無菌充填して密封してもよく、コーヒー飲料を充填し密封した容器に対して殺菌処理を施してもよく、加熱したコーヒー飲料を高温のまま容器に充填して密封するホットパック充填を行ってもよい。
コーヒー飲料の製造においては、原料とするコーヒー抽出液については、予め、乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が2.0〜36.0mgであるか否かを調べ、成分(A)の総含有量が前記範囲内であることが確認されたコーヒー抽出液を原料とすることが好ましい。2種類以上のコーヒー抽出液を原料とする場合には、混合後のコーヒー抽出液の成分(A)の総含有量を測定して前記範囲内であることが確認されたものを原料として用いてもよく、各コーヒー抽出液の成分(A)の総含有量を測定しておき、混合後のコーヒー抽出液の成分(A)の総含有量が前記範囲内となるように配合比を決定してもよい。
コーヒー飲料の製造においては、原料とするコーヒー抽出液は、予め濃縮処理や希釈処理、不要物除去処理等の各種処理を施しておいてもよい。コーヒー抽出液の濃縮処理は、熱濃縮方法、冷凍濃縮方法、逆浸透膜や限外濾過膜等を用いた膜濃縮方法等の汎用されている濃縮方法により行うことができる。不要物除去処理は、濾過処理、遠心分離処理等の一般的に飲料から不溶物を除去するために行われている処理で行うことができる。また、これらの処理は、その他の原料を添加して混合した後のコーヒー抽出液に対して行ってもよい。
コーヒー飲料の製造において、コーヒー抽出液に添加されるその他の原料としては、飲料に配合可能な成分が挙げられる。具体的には、甘味料、クリーミングパウダー(クリームの代用として、コーヒー等の嗜好性飲料に添加される粉末)、乳原料、香料、酸化防止剤、pH調整剤、増粘剤、乳化剤等が挙げられる。
甘味料としては、砂糖、ショ糖、オリゴ糖、ブドウ糖、果糖等の糖類、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、キシリトール、還元水あめ等の糖アルコール、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテーム、アドバンテーム、サッカリン等の高甘味度甘味料、ステビア等が挙げられる。砂糖としては、グラニュー糖であってもよく、粉糖であってもよい。
乳原料としては、全粉乳、脱脂粉乳、ホエイパウダー、牛乳、低脂肪乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、乳糖、生クリーム、バター等が挙げられる。なお、全粉乳及び脱脂粉乳は、それぞれ、牛乳(全脂乳)又は脱脂乳を、スプレードライ等により水分を除去して乾燥し粉末化したものである。
クリーミングパウダーは、ヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆油、コーン油、綿実油、ナタネ油、乳脂、牛脂、豚脂等の食用油脂;ショ糖、グルコース、澱粉加水分解物等の糖質;カゼインナトリウム、第二リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、脱脂粉乳、乳化剤等のその他の原料等を、望まれる品質特性に応じて選択し、水に分散し、均質化し、乾燥することによって製造できる。クリーミングパウダーは、例えば、食用油脂をはじめとする原料を水中で混合し、次いで乳化機等で水中油型乳化液(O/Wエマルション)とした後、水分を除去することによって製造することができる。水分を除去する方法としては、噴霧乾燥、噴霧凍結、凍結乾燥、凍結粉砕、押し出し造粒法等、任意の方法を選択して行うことができる。得られたクリーミングパウダーは、必要に応じて、分級、造粒及び粉砕等を行ってもよい。
香料としては、コーヒー香料、ミルク香料等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE(トコフェロール)、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、エリソルビン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、亜硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、クロロゲン酸、カテキン等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、コハク酸、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸。グルコン酸等の有機酸や、リン酸等の無機酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)、二酸化炭素等が挙げられる。
増粘剤としては、デキストリン等の澱粉分解物、麦芽糖、トレハロース等の糖類、難消化性デキストリン、ペクチン、グアーガム、カラギーナン等の食物繊維、カゼイン等のタンパク質等が挙げられる。
乳化剤としては、例えば、モノグリセライド、ジグリセライド、有機酸モノグリセライド、ポリグリセリンエステル等のグリセリン脂肪酸エステル系乳化剤;ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル系乳化剤;プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノパルミテート、プロピレングリコールオレエート等のプロピレングリコール脂肪酸エステル系乳化剤;ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等のシュガーエステル系乳化剤;レシチン、レシチン酵素分解物等のレシチン系乳化剤等が挙げられる。
コーヒー抽出液にその他の原料を混合する順番は特に限定されるものではなく、全ての成分を同時にコーヒー抽出液に添加して混合してもよく、順次添加して混合させてもよい。
<IC飲料用組成物の製造方法>
IC飲料用組成物の原料とするためには、コーヒー抽出液を予め濃縮又は粉末化しておくことが好ましい。得られたIC飲料用組成物の保存安定性が良好であるため、本発明に係るIC飲料用組成物の製造方法においては、コーヒー抽出液を粉末化したもの(インスタントコーヒー粉末)を原料とすることが好ましい。
コーヒー抽出液の濃縮処理は、コーヒー飲料の製造方法で列挙された方法と同様にして行うことができる。
コーヒー抽出液の粉末化は、コーヒー抽出液を乾燥することにより得られる。抽出物の乾燥方法としては、凍結乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥等が挙げられる。また、コーヒー豆からの抽出物は、乾燥前に、必要に応じて濃縮してもよい。
IC飲料用組成物は、コーヒー抽出液の濃縮液又は粉末を、その他の原料と混合することによって製造される。混合の順番は特に限定されるものではなく、全ての原料を同時に混合してもよく、順次混合させてもよい。
全ての原料が粉末の場合には、全ての原料をそのまま混合することによって、粉末のIC飲料用組成物が製造される。一方で、全ての原料が液状の場合には、全ての原料をそのまま混合することによって、液状のIC飲料用組成物が製造される。
粉末原料と液状の原料を用いる場合、粉末の原料を全て予め混合し、得られた混合粉末に、液状の原料の混合液を噴霧して乾燥させることによって、粉末のIC飲料用組成物が製造される。また、液状の原料の混合液に、粉末の原料を溶解又は分散させることによって、液状のIC飲料用組成物が製造される。
原料としてコーヒー抽出液の濃縮液を用いる場合には、コーヒー抽出液の濃縮液にその他の原料を添加し、溶解させることによって、液体のIC飲料用組成物が製造される。また、粉末のIC飲料用組成物を製造した後、水や牛乳等に溶解させることによっても、液体のIC飲料用組成物が製造される。
IC飲料用組成物に添加されるその他の原料としては、甘味料、クリーミングパウダー、乳原料、香料、酸化防止剤、pH調整剤、増粘剤、乳化剤、賦形剤、結合剤、流動性改良剤(固結防止剤)等が挙げられる。甘味料、クリーミングパウダー、乳原料、香料、酸化防止剤、pH調整剤、増粘剤、及び乳化剤としては、コーヒー飲料の製造方法で列挙されたものと同様のものを用いることができる。
賦形剤や結合剤としては、デキストリン等の澱粉分解物、麦芽糖、トレハロース等の糖類、難消化性デキストリン等の食物繊維、カゼイン等のタンパク質等が挙げられる。なお、賦形剤や結合剤は、造粒時の担体としても用いられる。
流動性改良剤としては、微粒酸化ケイ素、第三リン酸カルシウム等の加工用製剤が用いられてもよい。
本発明に係るIC飲料用組成物は、飲用1杯分を小パウチなどに個包装したり、使用時に容器から振り出したりスプーンで取り出したりして使用するように瓶などの容器に数杯分をまとめて包装して商品として供給することもできる。
個包装タイプとは、スティック状アルミパウチ、ワンポーションカップなどにコーヒー飲料1杯分の中身を充填包装するものであり、容器を開けて指で押し出すなどの方法で中身を取り出すことができる。個包装タイプは、1杯分が密閉包装されているので取り扱いも簡単で、衛生的であるという利点を有する。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
コーヒー豆の品種、焙煎条件、焙煎度等が異なる3種類の焙煎コーヒー豆(A〜C)からそれぞれ調製したコーヒー抽出液を原料とし、これをそれぞれ組み合わせて適宜配合したコーヒー抽出液を調製し、成分(A)の総含有量と呈味、特にコーヒーらしい味と香りの強さ及びすっきり感との関係を調べた。
<コーヒー抽出液A〜Cの調製>
まず、2種類のコーヒー生豆から、焙煎方法をかえて3種類の焙煎コーヒー豆を調製した。この3種類の焙煎コーヒー豆について、焙煎コーヒー豆の粉砕物14gを、沸騰水250mLによりペーパードリップすることによりコーヒー抽出液を得た。各コーヒー抽出液をBrix計(株式会社アタゴ社製、製品名「RX-5000 α-Plus」)にかけてBrix値(%)を求めた後、Brix値が1.18%になるように水で希釈又は濃縮したものを、原料とする3種類のコーヒー抽出液A〜Cとした。
また、コーヒー抽出液A〜Cについて、それぞれ10mLを電気恒温乾燥機で105℃、16時間乾燥させ、乾燥後に残った固形分の重量を各コーヒー抽出液の乾燥固形分量(mg)とした。
<コーヒー抽出液A〜Cをブレンドしたコーヒー抽出液の調製>
コーヒー抽出液A〜Cを混合し、コーヒー抽出液Dを調製した。
<コーヒー抽出液A〜Dの成分(A)の総含有量の測定>
調製したコーヒー抽出液A〜Dについて、150μLを1.5mL容ディスポーザルチューブにいれ、当該チューブにさらに1350μLのアセトニトリルを添加して充分に混合した。次いで、当該チューブを高速遠心機に設置し、10000×g、3分間遠心分離処理し、不溶物を沈殿させ、得られた上清を0.2μmのディスポーザルフィルターにて濾過したものを、LC−MS/MSに供する分析サンプルとした。これらの分析サンプルについて、BEH amideカラム(waters社製)を設置した1260 Infinity LC(アジレントテクノロジー社製)とQTRAP 4500 MS装置(AB SCIEX社製)を用いて、前記HPLC条件(A)及び前記MS条件(A)によりLC−MS/MSを行った。得られたクロマトグラムのうち、各ピーク面積値を自動積分法により測定し、保持時間が3.0〜3.8分又は6.2〜7.0分の範囲内にピークトップがあるピークのピーク面積値の総和を算出した。
これとは別に、カフェイン標品(東京化成工業社製)を90%アセトニトリル、10%精製水の混合溶媒を用いて溶解させ、カフェイン濃度が10ppb、50ppb、又は100ppbのカフェイン溶液からなる希釈系列を調製した。この希釈系列について、それぞれ、コーヒー抽出液A〜Dと同様にしてLC−MS/MSに供する分析サンプルを調製し、さらに、これらの分析サンプルについて、前記MS条件(A)に代えて前記MS条件(C)とした以外はコーヒー抽出液と同様にしてLC−MS/MSを行った。得られたクロマトグラムのうち、カフェインのピークのピーク面積値を自動積分法により測定し、カフェイン濃度とピーク面積値との関係を示す外部検量線を作成した。
作成された外部検量線に基づき、保持時間が3.0〜3.8分又は6.2〜7.0分の範囲内にピークトップがあるピークのピーク面積値の総和から、各コーヒー抽出液の成分(A)の総含有量を求めた。求めた成分(A)の総含有量から、各コーヒー抽出液の乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量(mg)を算出した。
この結果、コーヒー抽出液Cは、保持時間が3.38分、3.62分、及び6.51分にピークトップがあるピークが検出され、成分(A)の総含有量が多くなった。一方で、コーヒー抽出液A及びBでは、これらのピークはほとんど検出されず、成分(A)の総含有量は少なかった。コーヒー抽出液A〜Cを混合して調製されたコーヒー抽出液Dでは、保持時間が3.36分、3.59分、及び6.47分にピークトップがあるピークが検出され、成分(A)の総含有量は、コーヒー抽出液Cより少ないが、コーヒー抽出液A及びBよりも多かった。コーヒー抽出液A〜Dのクロマトグラムを図1〜4にそれぞれ示す。図1〜4は、縦軸のスケールを揃えて示す。
<コーヒー抽出液A〜Dのカフェイン含有量の測定>
調製したコーヒー抽出液A〜Dについて、精製水で50倍希釈した希釈液を、0.45μmのディスポーザルフィルターにて濾過したものを、HPLCに供する分析サンプルとした。これらの分析サンプルについて、UV検出器(waters社製)を搭載したHPLC装置(waters社製)を用いて、下記のHPLC条件(C)でHPLCを行った。得られたクロマトグラムのうち、カフェインのピーク面積値を自動積分法により測定した。
Figure 2017070282
これとは別に、カフェイン標品(東京化成工業社製)を精製水に溶解させ、カフェイン濃度が4ppm、10ppm、又は20ppmのカフェイン溶液からなる希釈系列を調製した。この希釈系列について、それぞれ、コーヒー抽出液A〜Dと同様にしてHPLCに供する分析サンプルを調製し、さらに、これらの分析サンプルについて、コーヒー抽出液と同様にしてHPLCを行った。得られたクロマトグラムのうち、カフェインのピークのピーク面積値を自動積分法により測定し、カフェイン濃度とピーク面積値との関係を示す外部検量線を作成した。
作成された外部検量線に基づき、カフェインのピーク面積値から、各コーヒー抽出液のカフェインの含有量を求めた。
<官能評価>
コーヒー抽出液A〜Dについて、トレーニングされた専門パネル4名により、すっきり感、コーヒーらしい味と香りの強さについて9段階(1〜9:1が最も評価が低く、9が最も評価が高い。)でスコア付けすることによって評価した。各専門パネルが付けた点数を平均し、平均スコアを各コーヒー抽出液の評価とした。また、総合評価として、すっきり感と、コーヒーらしい味と香りの強さの両方のスコアが4以上のものを「◎」、両方のスコアが3以上4未満のものを「○」、いずれかのスコアが2であるものを「△」、いずれかのスコアが1であるものを「×」として評価した。評価結果を、乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量(mg)、乾燥固形分100g当たりのカフェインの含有量(mg)、及びカフェインの含有量(質量ppm)と共に、表8に示す。
Figure 2017070282
この結果、乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が39.0mgと非常に多かったコーヒー抽出液Cは、コーヒー特有のざらつきが抑えられており、すっきり感が強かったが、コーヒーらしい味と香りが非常に弱く、嗜好性に劣っていた。一方で、乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が0.7mgしかなかったコーヒー抽出液Bは、コーヒーらしい味と香りは強かったが、コーヒー特有のざらつきが強く、すっきり感は劣っていた。乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が2.2mgであったコーヒー抽出液Aは、すっきり感とコーヒーらしい味と香りの強さの両方が良好であった。また、乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が16.4mgであったコーヒー抽出液Dは、すっきり感とコーヒーらしい味と香りの強さの両方がコーヒー抽出液Aよりも良好であり、非常に嗜好性の高いものであった。
[実施例2]
実施例1で調製したコーヒー抽出液A〜Dと、コーヒー豆の品種、焙煎条件、焙煎度、及び抽出方法が異なるコーヒー抽出出液を原料とし、これらをそれぞれ組み合わせて適宜配合したコーヒー抽出液を調製し、成分(A)の総含有量と呈味、特にコーヒーらしい味と香りの強さ及びすっきり感との関係を調べた。各コーヒー抽出液の乾燥固形分量(mg)、乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量(mg)、及び乾燥固形分100g当たりのカフェインの含有量(mg)の測定と官能評価は、実施例1と同様にして行った。結果を表9〜11に示す。
Figure 2017070282
Figure 2017070282
Figure 2017070282
この結果、サンプル2−1〜2−15のコーヒー抽出液は、成分(A)の総含有量が多くなるほど、ざらつきが抑えられ、その結果すっきりとした味感が強くなる傾向が観察された。逆に、コーヒーらしい味や香りの強さは、成分(A)の総含有量が少ないほど強くなる傾向が観察された。また、乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が2.0〜36.0mgの範囲内にあるサンプル2−1〜2−13は、コーヒー豆の品種や焙煎度、抽出方法等がそれぞれ異なる多様なコーヒー抽出液を原料としているにもかかわらず、ざらつきが抑えられている上に、コーヒーらしい味や香りを有していた。
一方で、各サンプルについて、特許文献1において雑味の原因成分とされた焙煎コーヒーポリフェノールオリゴマー(RCPO)の含有量を測定したところ、コーヒー抽出液中のRCPOの含有量とすっきり感との相関は観察されなかった。雑味にはざらつきも含まれており、特許文献1によれば、RCPOが多いほどざらつきが強く、すっきり感が劣ることになるが、ざらつきがなくすっきり感が良好であったコーヒー抽出液Cよりも、ざらつきが強かったコーヒー抽出液Bのほうが、RCPO含有量が多かった。
これらの結果から、コーヒー抽出液における乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量を指標とし、当該成分の総含有量を特定の範囲内に調整することにより、コーヒーらしい味や香りの強さとすっきり感の両方が良好な嗜好性の高いコーヒー抽出液が得られることがわかった。
[実施例3]
コーヒー豆の品種、焙煎条件、焙煎度等が異なる複数種類の焙煎コーヒー豆を適宜ブレンドした2種類の焙煎コーヒー豆混合物からそれぞれコーヒー抽出液を調製し、これを原料としてインスタントコーヒー粉末を調製した。調製されたインスタントコーヒー粉末から調製されたコーヒー飲料について、成分(A)の総含有量と呈味、特にコーヒーらしい味と香りの強さ及びすっきり感との関係を調べた。インスタントコーヒー粉末の調製は、焙煎コーヒー豆から多段抽出法によりコーヒー抽出液を調製し、濃縮した後、凍結乾燥して調製した。
具体的には、調製された2種類のインスタントコーヒー粉末(サンプル3−1とサンプル3−2)から調製したコーヒー飲料について、実施例1と同様にして、乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量(mg)、乾燥固形分100g当たりのカフェインの含有量(mg)、及びカフェイン含有量(ppm)を測定し、さらにコーヒーらしい味と香りの強さ及びすっきり感についての官能評価を行った。コーヒー飲料は、各インスタントコーヒー粉末1gを100mLの熱水に溶解させることによって調製した。結果を表12に示す。
Figure 2017070282
この結果、乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が0.4mgと少なかったサンプル3−1から調製されたコーヒー飲料は、コーヒーらしい味や香りは良好であったものの、ざらつきが多かった。これに対して、乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が11.7mgと多かったサンプル3−2から調製されたコーヒー飲料は、ざらつきが抑えられている上に、コーヒーらしい味や香りを有しており、非常に好ましいものであった。これらの結果から、インスタントコーヒー粉末から調製されたコーヒー飲料であっても、乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量を特定の範囲内に調整することにより、コーヒーらしい味や香りの強さとすっきり感の両方が良好な嗜好性の高いコーヒー飲料が得られることがわかった。

Claims (14)

  1. 焙煎コーヒー豆の可溶性固形分を含有するコーヒー抽出液を調製する工程を有し、
    前記コーヒー抽出液における乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が2.0〜36.0mgであり、
    前記成分(A)が、下記HPLC条件(A)及び下記MS条件(A)で液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析を行い、クロマトグラムにおいて、保持時間が3.0〜3.8分又は6.2〜7.0分の範囲内にピークトップがあるピークとして検出される物質であり、
    前記成分(A)の総含有量は、カフェインを標準物質として作製された濃度とピーク面積値との関係を表す検量線に基づき、前記成分(A)のピーク面積値の総和から算出されたものであることを特徴とする、コーヒー抽出液の製造方法。
    Figure 2017070282
    Figure 2017070282
  2. 前記検量線が、濃度既知のカフェイン溶液を前記HPLC条件(A)及び下記MS条件(C)で液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析を行った場合のクロマトグラムにおけるカフェインのピーク面積値と、カフェイン濃度との関係を示す、請求項1に記載のコーヒー抽出液の製造方法。
    Figure 2017070282
  3. 前記コーヒー抽出液における乾燥固形分100g当たりのカフェイン含有量が3700〜8600mgである、請求項1又は2に記載のコーヒー抽出液の製造方法。
  4. 前記コーヒー抽出液における乾燥固形分100g当たりのカフェイン含有量が4550〜8600mgである、請求項1又は2に記載のコーヒー抽出液の製造方法。
  5. 前記コーヒー抽出液が、2種類以上の焙煎コーヒー豆からなる混合物からコーヒー抽出液を調製する、又は、2種類以上のコーヒー抽出液を混合することにより調製される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のコーヒー抽出液の製造方法。
  6. 乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量2.0〜36.0mgであり、
    前記成分(A)が、下記HPLC条件(A)及び下記MS条件(A)で液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析を行い、クロマトグラムにおいて、保持時間が3.0〜3.8分又は6.2〜7.0分の範囲内にピークトップがあるピークとして検出される物質であり、
    前記成分(A)の総含有量は、カフェインを標準物質として作製された濃度とピーク面積値との関係を表す検量線に基づき、前記成分(A)のピーク面積値の総和から算出されたものであることを特徴とする、コーヒー抽出液。
    Figure 2017070282
    Figure 2017070282
  7. 乾燥固形分100g当たりのカフェイン含有量が3700〜8600mgである、請求項6に記載のコーヒー抽出液。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のコーヒー抽出液の製造方法により製造されたコーヒー抽出液、又は、請求項6若しくは7に記載のコーヒー抽出液を原料とすることを特徴とする、コーヒー飲料の製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のコーヒー抽出液の製造方法により製造されたコーヒー抽出液、又は、請求項6若しくは7に記載のコーヒー抽出液を原料とすることを特徴とする、インスタントコーヒー飲料用組成物の製造方法。
  10. 乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が2.0〜36.0mgであり、
    前記成分(A)が、下記HPLC条件(A)及び下記MS条件(A)で液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析を行い、クロマトグラムにおいて、保持時間が3.0〜3.8分又は6.2〜7.0分の範囲内にピークトップがあるピークとして検出される物質であり、
    前記成分(A)の総含有量は、カフェインを標準物質として作製された濃度とピーク面積値との関係を表す検量線に基づき、前記成分(A)のピーク面積値の総和から算出されたものであることを特徴とする、コーヒー飲料。
    Figure 2017070282
    Figure 2017070282
  11. 乾燥固形分100g当たりのカフェイン含有量が3700〜8600mgである、請求項10に記載のコーヒー飲料。
  12. 液体と混合してコーヒー飲料を調製するためのインスタントコーヒー飲料用組成物であって、
    可溶性コーヒー固形分を含有し、
    乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が2.0〜36.0mgであり、
    前記成分(A)が、下記HPLC条件(A)及び下記MS条件(A)で液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析を行い、クロマトグラムにおいて、保持時間が3.0〜3.8分又は6.2〜7.0分の範囲内にピークトップがあるピークとして検出される物質であり、
    前記成分(A)の総含有量は、カフェインを標準物質として作製された濃度とピーク面積値との関係を表す検量線に基づき、前記成分(A)のピーク面積値の総和から算出されたものであることを特徴とする、インスタントコーヒー飲料用組成物。
    Figure 2017070282
    Figure 2017070282
  13. 乾燥固形分100g当たりのカフェイン含有量が3700〜8600mgである、請求項12に記載のインスタントコーヒー飲料用組成物。
  14. 焙煎コーヒー豆を原料として調製されたコーヒー抽出液の香味を改善する方法であって、
    原料とする焙煎コーヒー豆の種類及び配合比を、コーヒー抽出液における乾燥固形分100g当たりの成分(A)の総含有量が2.0〜36.0mgとなるように調整する工程を有し、
    前記成分(A)が、下記HPLC条件(A)及び下記MS条件(A)で液体クロマトグラフ−タンデム型質量分析を行い、クロマトグラムにおいて、保持時間が3.0〜3.8分又は6.2〜7.0分の範囲内にピークトップがあるピークとして検出される物質であり、
    前記成分(A)の総含有量は、カフェインを標準物質として作製された濃度とピーク面積値との関係を表す検量線に基づき、前記成分(A)のピーク面積値の総和から算出されたものであることを特徴とする、コーヒー抽出液の香味改善方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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