JP2016207990A - プリント配線板及び回路基板 - Google Patents

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齊藤 裕久
Hirohisa Saito
裕久 齊藤
元木 健作
Kensaku Motoki
健作 元木
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Abstract

【課題】本発明は、導電パターンからの放熱性に優れるプリント配線板の提供を課題とする。【解決手段】本発明の一態様に係るプリント配線板は、絶縁フィルムと、この絶縁フィルムの表面側に積層され、かつ1又は複数の熱伝達領域及びこの熱伝達領域に接続する配線部を含む導電パターンとを備えるプリント配線板であって、裏面のうち熱伝達領域の投影領域の少なくとも一部に導電パターン裏面に至る凹部を有し、導電パターンが凹部内で裏面側にシフトしている。熱伝達領域が電子部品を実装するためのランド部であるとよい。凹部裏面に充填される熱伝導性接着剤層をさらに備えるとよい。熱伝導性接着剤層が、絶縁性を有するセラミックスフィラーを含むとよい。熱伝導性接着剤層が、導電パターンの裏面に積層される第一接着剤層と、この第一接着剤層の裏面に積層される第二接着剤層とを有し、第二接着剤層の熱伝導率が第一接着剤層の熱伝導率よりも小さいとよい。【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線板及び回路基板に関する。
プリント配線板に実装される電子部品の中には、例えば発光ダイオード(LED)のように稼働時の発熱量が大きいものがある。このような高発熱性の電子部品を実装するプリント配線板では、加熱による電子部品の機能低下や回路の損傷を防ぐため、一般に放熱用金属板等の熱伝導性基材が積層される。
また、電子部品の放熱効果をより高めるため、熱伝導性基材とプリント配線板とを熱伝導率の高い熱伝導性接着剤で接着した回路基板(特開平6−232514号公報参照)が提案されている。
特開平6−232514号公報
上述の熱伝導性基材にプリント配線板を熱伝導性接着剤で接着した回路基板は、熱伝導性基材と電子部品との間に介在するプリント配線板が絶縁フィルムを有するため、電子部品から熱伝導性基材への厚さ方向の熱伝達率が十分に大きくない。そのため、例えば近年普及しつつある複数のLEDを備えたLED照明装置の回路基板として用いた場合、LEDの温度が所定の上限温度を超えないよう放熱できる範囲に出力が制限されるという不都合がある。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、導電パターンからの放熱性に優れるプリント配線板及び回路基板の提供を課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係るプリント配線板は、絶縁フィルムと、この絶縁フィルムの表面側に積層され、かつ1又は複数の熱伝達領域及びこの熱伝達領域に接続する配線部を含む導電パターンとを備えるプリント配線板であって、裏面のうち上記熱伝達領域の投影領域の少なくとも一部に導電パターン裏面に至る凹部を有し、上記導電パターンが凹部内で裏面側にシフトしている。
本発明の一態様に係るプリント配線板は、導電パターンからの放熱性に優れる。
図1は、本発明の一実施形態のプリント配線板を有する回路基板を示す模式的断面図である。 図2Aは、図1のプリント配線板の一つの製造工程を示す模式的断面図である。 図2Bは、図1のプリント配線板の図2Aの次の製造工程を示す模式的断面図である。 図2Cは、図1のプリント配線板の図2Bの次の製造工程を示す模式的断面図である。 図2Dは、図1のプリント配線板の図2Cの次の製造工程を示す模式的断面図である。 図2Eは、図1のプリント配線板の図2Dの次の製造工程を示す模式的断面図である。 図3Aは、本発明の実施例の回路基板のシミュレーションモデルを示す模式的平面図である。 図3Bは、図3Aの回路基板のシミュレーションモデルの模式的断面図である。 図4は、図3Aの回路基板の電子部品の到達温度と熱伝導性接着剤層の厚さとの関係をシミュレーションした結果を示すグラフである。
[本発明の実施形態の説明]
本発明の一態様に係るプリント配線板は、絶縁フィルムと、この絶縁フィルムの表面側に積層され、かつ1又は複数の熱伝達領域及びこの熱伝達領域に接続する配線部を含む導電パターンとを備えるプリント配線板であって、裏面のうち上記熱伝達領域の投影領域の少なくとも一部に導電パターン裏面に至る凹部を有し、上記導電パターンが凹部内で裏面側にシフトしている。
当該プリント配線板は、裏面のうち上記熱伝達領域の投影領域の少なくとも一部に導電パターン裏面に至る凹部を有していることによって、導電パターンに例えば熱伝導性接着剤等の熱伝導率が比較的大きい材料を直接接触させて、導電パターンとの間での熱伝達ができる。また、当該プリント配線板は、上記導電パターンが凹部内で裏面側にシフトしていることによって、熱伝導性接着剤等の材料の厚さを小さくして熱抵抗を低減することができるので、導電パターンからの放熱性に優れる。
上記熱伝達領域が電子部品を実装するためのランド部であるとよい。このように、上記熱伝達領域が電子部品を実装するためのランド部であることによって、電子部品の熱が導電パターンを厚さ方向に貫流して裏面に達することができるので、電子部品の熱を効率よく放熱することができる。
上記凹部裏面に充填される熱伝導性接着剤層をさらに備えるとよい。このように、上記凹部裏面に充填される熱伝導性接着剤層をさらに備えることによって、導電パターンに対する機械的及び熱的な接続が容易となる。
上記熱伝導性接着剤層が、絶縁性を有するセラミックスフィラーを含むとよい。このように、上記熱伝導性接着剤層が、絶縁性を有するセラミックスフィラーを含むことによって、絶縁性を確保しつつ熱伝導性を向上できる。
上記熱伝導性接着剤層が、導電パターンの裏面に積層される第一接着剤層と、この第一接着剤層の裏面に積層される第二接着剤層とを有するとよい。このように、上記熱伝導性接着剤層が、導電パターンの裏面に積層される第一接着剤層と、この第一接着剤層の裏面に積層される第二接着剤層とを有することによって、例えば第一接着剤層を先に硬化する等の手段により熱電層性接着剤層の厚さを容易に確保でき、導電パターンの熱伝導性接着剤層からの露出による短絡や漏電を防止できる。
第二接着剤層の熱伝導率が第一接着剤層の熱伝導率よりも小さいとよい。このように、第二接着剤層の熱伝導率が第一接着剤層の熱伝導率よりも小さいことによって、熱伝導性接着剤層の熱伝導率の低下を小さくしつつ、機械的接着強度をより大きく向上できる。
上記絶縁フィルムの裏面側にコート接着剤層が積層され、このコート接着剤層が平面視で少なくとも上記凹部と重複する開口を有し、この開口内に上記熱伝導性接着剤層が充填されるとよい。このように、コート接着剤層の開口内に上記熱伝導性接着剤層が充填されることによって、コート接着剤層に熱伝導性が要求されず、このコート接着剤層の接着力を比較的容易に向上することができ、プリント配線板の熱伝導性基材等との接着強度をさらに向上できる。
また、本発明の一態様に係る回路基板は、当該プリント配線板と、このプリント配線板の1又は複数の熱伝導性接着剤層の裏面に積層される熱伝導性基材とを備える。
当該回路基板は、当該プリント配線板の導電パターンを熱伝導性基材に熱伝導性接着剤層を介して接続するので、導電パターンに電子部品等から伝達される熱を効率よく熱伝導性基材に放熱することができる。
上記熱伝導性基材が、アルミニウム製又はアルミニウム合金製であるとよい。このように、上記熱伝導性基材が、アルミニウム製又はアルミニウム合金製であることによって、導電パターンから伝達される熱を熱伝達領域の周囲に迅速に拡散することができ、プリント配線板からの放熱をさらに促進できる。
上記熱伝導性基材が、湾曲面又は屈曲面を有するとよい。このように、熱伝導性基材が立体的に形成されることによって、複雑な立体形状を有するLED照明等の放熱性を向上し、出力を大きくすることができる。
また、本発明の別の態様に係る回路基板は、当該プリント配線板と、このプリント配線板の1又は複数の熱伝達領域に実装される1又は複数の電子部品とを備える。
当該回路基板は、電子部品が熱伝達領域に実装されるので、電子部品が発する熱を効率よく放熱することができる。
なお、「熱伝達領域」とは、導電パターンのうちプリント配線板の外部の部材との間で熱伝達を行うことを企図する領域を意味し、プリント配線板が外部から熱を受け取る領域、プリント配線板が外部に熱を放出する領域、又はプリント配線板が一方の面側から熱を受け取って他方の面側に熱を放出する領域である。また、「熱伝導性基材」とは、プリント配線板との間で熱を授受する例えば金属製の筐体、ヒートシンク等の部材を意味し、好ましくは熱伝導率がプリント配線板の絶縁フィルムよりも大きい部材である。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
[回路基板]
図1に示す本発明の一実施形態の回路基板1は、それ自体が本発明の別の実施形態であるフレキシブルプリント配線板2と、このフレキシブルプリント配線板2に実装される電子部品3と、フレキシブルプリント配線板2の裏面側に積層される熱伝導性基材4とを備える。
〔フレキシブルプリント配線板〕
当該フレキシブルプリント配線板2は、絶縁フィルム5と、この絶縁フィルム5の表面側に積層され、かつ複数の熱伝達領域6a及びこの熱伝達領域6aに接続する配線部6bを含む導電パターン6とを備える。当該フレキシブルプリント配線板2において、熱伝達領域6aは、電子部品3を実装するためのランド部である。また、当該フレキシブルプリント配線板2は、熱伝導性接着剤層7及びコート接着剤層8をさらに備える。さらに、当該フレキシブルプリント配線板2は、図1に示すように、導電パターン6の表面側に積層され、導電パターン6の熱伝達領域6a等を部分的に露出させるカバーレイ9を備えてもよい。
当該フレキシブルプリント配線板2は、裏面のうち熱伝達領域6aの投影領域の少なくとも一部に導電パターン6の裏面に至る凹部10を有する。つまり、凹部10は、絶縁フィルム5に開口を形成することによって画定される。この凹部10内で、上記導電パターン6が裏面側にシフトしている。また、上記熱伝導性接着剤層7は、この凹部10内に充填される。具体的には、絶縁フィルム5の裏面側にコート接着剤層8が積層され、コート接着剤層8が平面視で少なくとも凹部10と重複する開口8aを有し、この開口8a内に熱伝導性接着剤層7が充填される。
<絶縁フィルム>
絶縁フィルム5は、当該フレキシブルプリント配線板2の構造的なベースとなるシート状部材から形成される基材層である。
この絶縁フィルム5を構成するシート状部材としては、樹脂フィルムを採用することができる。この樹脂フィルムの主成分としては、例えばポリイミド、液晶ポリマー、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられ、中でも絶縁性及び機械的強度に優れるポリイミドが好適に用いられる。なお、絶縁フィルム5は、充填材、添加剤等を含んでもよい。ここで、「主成分」とは、50質量%以上含有される成分を意味する。
上記絶縁フィルム5の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、12μmがより好ましい。一方、絶縁フィルム5の平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、30μmがより好ましい。絶縁フィルム5の平均厚さが上記下限に満たない場合、絶縁フィルム5の強度が不十分となるおそれがある。逆に、絶縁フィルム5の平均厚さが上記上限を超える場合、フレキシブルプリント配線板2の可撓性を損なうおそれがある。
<導電パターン>
導電パターン6は、導電性を有する材料で形成可能であるが、好ましくは金属、一般的には銅によって形成される。導電パターン6は、例えば絶縁フィルム5の表面に積層された金属層をエッチングすることによって形成される。
当該フレキシブルプリント配線板2において、1つの電子部品3に対し一対の熱伝達領域6aが配設され、この一対の熱伝達領域6aの互いの対向縁と反対側の側縁にそれぞれ配線部6bが接続されている。この一対の熱伝達領域6aには、電子部品3の一対の電極が接続される。
導電パターン6の熱伝達領域6aは、図1に示すように、少なくとも部分的に、凹部10内で裏面側にシフトしている。つまり、導電パターン6は、熱伝達領域6aの対向縁が裏面側に突出するよう熱伝達領域6aの周縁近傍において屈曲することで、熱伝達領域6aと熱伝導性基材4との距離を小さくする。これにより、熱伝導性接着剤層7の厚さを小さくして熱抵抗を小さくできるので、当該フレキシブルプリント配線板2は、導電パターン6から熱伝導性基材4への放熱性に優れる。このため、当該フレキシブルプリント配線板2は、当該回路基板1において、導電パターン6及び熱伝導性接着剤層7を介した電子部品3の放熱を効果的に促進できる。
また、熱伝達領域6aが電子部品3が実装されるランド部であることによって、電子部品3の熱が導電パターン6及び熱伝導性接着剤層7を厚さ方向に貫流して熱伝導性基材4に伝達されるので、電子部品3の熱を効率よく熱伝導性基材4に放熱することができる。
上記導電パターン6の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、8μmがより好ましい。一方、導電パターン6の平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、40μmがより好ましい。導電パターン6の平均厚さが上記下限に満たない場合、導通性が不十分となるおそれがある。逆に、導電パターン6の平均厚さが上記上限を超える場合、フレキシブルプリント配線板2の可撓性を損なうおそれがある。
導電パターン6のシフト量の下限としては、絶縁フィルム5の平均厚さの0.5倍が好ましく、0.8倍がより好ましい。一方、導電パターン6のシフト量の上限としては、絶縁フィルム5の平均厚さの1.2倍が好ましく、1倍がより好ましい。導電パターン6のシフト量が上記下限に満たない場合、電子部品3の放熱を促進する効果が不十分となるおそれがある。逆に、導電パターン6のシフト量が上記上限を超える場合、導電パターン6と熱伝導性基材4との間に切れ間なく熱伝導性接着剤層7を充填することができないおそれや、熱伝導性接着剤層7の厚さを確保するためにコート接着剤層8、ひいては当該フレキシブルプリント配線板2が不必要に厚くなるおそれがある。なお、「シフト量」とは、凹部の周囲における導電パターン表面のプリント配線板厚さ方向の平均高さと、凹部内の導電パターン表面のプリント配線板厚さ方向の平均高さとの差を意味し、例えば凹部内の導電パターンの表面の分散して選択した10点の高さを測定して算出することができる。
<熱伝導性接着剤層>
熱伝導性接着剤層7は、絶縁フィルム5の開口により画定される凹部10及びコート接着剤層8の開口8a内に充填され、導電パターン6の熱伝達領域6aと熱伝導性基材4とを熱伝達可能に接着(熱的及び機械的に接続)する。このため、熱伝導性接着剤層7は、機械的接着を担う接着性樹脂成分と熱伝達を担う熱伝導性フィラーとを含有する。
上記接着性樹脂成分としては、例えばポリイミド、エポキシ、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、酢酸ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ゴム等が使用できる。接着性樹脂成分としてアクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等を主成分とする粘着剤を用いれば、フレキシブルプリント配線板2を熱伝導性基材4に容易かつ確実に貼着できる。
上記熱伝導性フィラーとしては、導電パターン6と熱伝導性基材4とが電気的に接続されないよう絶縁性を有するセラミックスフィラーを用いることが好ましい。このようなセラミックスフィラーの主成分としては、例えば金属酸化物、金属窒化物等を挙げることができる。上記金属酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム等を用いることができる。これらの中でも、電気絶縁性、熱伝導性、価格等の観点から酸化アルミニウムが好ましい。また、上記金属窒化物としては、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素等を用いることができる。これらの中でも、電気絶縁性、熱伝導性及び低誘電率の観点から窒化ホウ素が好ましい。なお、上記セラミックスフィラーは、2種以上を混合して用いることができる。
熱伝導性接着剤層7における熱伝導性フィラーの含有量の下限としては、40体積%が好ましく、45体積%がより好ましい。一方、熱伝導性フィラーの含有量の上限としては、85体積%が好ましく、80体積%がより好ましい。熱伝導性フィラーの含有量が上記下限に満たない場合、熱伝導性接着剤層7の熱伝導性が不十分となるおそれがある。逆に、熱伝導性フィラーの含有量が上記上限を超える場合、上記接着性樹脂成分と熱伝導性フィラーとの混合時に気泡が入り易くなり、耐電圧性が低下するおそれがある。なお、熱伝導性接着剤層7は、熱伝導性フィラー以外に硬化剤等の添加剤を含有してもよい。
熱伝導性接着剤層7の熱伝導率の下限としては、1W/m・Kが好ましく、2W/m・Kがより好ましい。一方、熱伝導性接着剤層7の熱伝導率の上限としては、20W/m・Kが好ましい。熱伝導性接着剤層7の熱伝導率が上記下限に満たない場合、当該回路基板1の放熱効果が不十分となるおそれがある。逆に、熱伝導性接着剤層7の熱伝導率が上記上限を超える場合、熱伝導性フィラーの含有量が過多となり、上記接着性樹脂成分と熱伝導性フィラーとの混合時に気泡が入り易くなって耐電圧性が低下するおそれや、コストが過大となるおそれがある。
熱伝導性接着剤層7の平均厚さ(第二接着剤層7bの裏面から導電パターン6の裏面までの平均距離)の下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、熱伝導性接着剤層7の平均厚さの上限としては、100μmが好ましく、80μmがより好ましい。熱伝導性接着剤層7の平均厚さが上記下限に満たない場合、熱伝導性接着剤層7が絶縁フィルム5の裏面側に積層される熱伝導性基材4と十分に接触せず、放熱効果が不十分となるおそれがある。逆に、熱伝導性接着剤層7の平均厚さが上記上限を超える場合、熱伝導性接着剤層7における熱抵抗が大きくなり、当該フレキシブルプリント配線板2の放熱性が不十分となるおそれや、当該フレキシブルプリント配線板2ひいては当該回路基板1が不必要に厚くなるおそれがある。
また、熱伝導性接着剤層7は、図1に示すように、導電パターンの裏面に積層される第一接着剤層7aと、この第一接着剤層7aの裏面に積層される第二接着剤層7bとを有することが好ましい。このように熱伝導性接着剤層7を2層に分けて形成することで、1層目(第一接着剤層7a)の形成後、ボイドの有無を確認してから2層目(第二接着剤層7b)を形成できるため、接着剤の充填を確実にすることで熱伝導性及び接着力の低下を防止することができる。
第一接着剤層7aと第二接着剤層7bとは同一の材料、又は熱伝導率が等しい異なる材料で形成されてもよいが、第二接着剤層7bの熱伝導率が、第一接着剤層7aの熱伝導率よりも小さいことが好ましい。つまり、第二接着剤層7bの熱伝導性フィラーの含有量は、第一接着剤層7aの熱伝導性フィラーの含有量よりも小さいことが好ましい。このように第一接着剤層7aの熱伝導性フィラー含有量を大きくすると共に、第二接着剤層7bの熱伝導性フィラー含有量を小さくすることで、熱伝導性接着剤層全体での放熱効果を維持しつつ熱伝導性基材4との接着力を高めることができる。
また、第一接着剤層7aを形成する接着剤のチキソ性(チキソトロピー)は、第二接着剤層7bを形成する接着剤のチキソ性よりも大きいことが好ましい。第一接着剤層7aの接着剤のチキソ性を第二接着剤層7bよりも大きくすることで、凹部10への接着剤の充填性を高めて、より容易かつ確実に第一接着剤層7aを形成することができる。なお、チキソ性とは、一定の力を加えると粘度が低下し、静置すると元の粘度に回復する性質の指標であり、例えば低せん断速度での粘度を高せん断速度での粘度で割った比で表される。
熱伝導性接着剤層7は高絶縁性であることが好ましい。具体的には、熱伝導性接着剤層7の体積抵抗率の下限としては、1×10Ωcmが好ましく、1×1010Ωcmがより好ましい。熱伝導性接着剤層7の体積抵抗率が上記下限に満たない場合、熱伝導性接着剤層7の絶縁性が低下し、導電パターン6が熱伝導性基材4と導通してしまうおそれがある。なお、体積抵抗率とは、JIS−C2139(2008)に準拠して測定される値である。
第一接着剤層7aの平均厚さに対する第二接着剤層7bの平均厚さの比の下限としては、0.1が好ましく、0.2がより好ましい。一方、第一接着剤層7aの平均厚さに対する第二接着剤層7bの平均厚さの比の上限としては、2が好ましく、1.5がより好ましい。第一接着剤層7aの平均厚さに対する第二接着剤層7bの平均厚さの比が上記下限に満たない場合、接着性向上効果が不十分となるおそれがある。逆に、第一接着剤層7aの平均厚さに対する第二接着剤層7bの平均厚さの比が上記上限を超える場合、放熱効果が不十分となるおそれがある。
<コート接着剤層>
コート接着剤層8は、熱伝導性が必要とされず、専ら絶縁フィルム5に熱伝導性基材4を機械的に接着する。また、コート接着剤層8は、上記熱伝導性接着剤層7を囲繞することにより熱伝導性接着剤層7の漏出を防止する機能も有する。コート接着剤層8は、フレキシブルプリント配線板2を熱伝導性基材4に接着可能な接着剤を主成分とする。この接着剤としては特に限定されず、例えばエポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、アクリル系接着剤等の熱硬化性接着剤を用いることができる。コート接着剤層8には、必要に応じて添加剤を含有させることができる。ただし、当該回路基板1は、熱伝導性接着剤層7を備えるため、コート接着剤層8に熱伝導性を付与する必要はない。よって、コート接着剤層8は、上記熱伝導性接着剤層7よりも高い接着力を発揮することができ、当該フレキシブルプリント配線板2と熱伝導性基材4との接着強度を向上できる。
上記コート接着剤層8の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。一方、コート接着剤層8の平均厚さの上限としては、80μmが好ましく、55μmがより好ましい。コート接着剤層8の平均厚さが上記下限に満たない場合、絶縁フィルム5と熱伝導性基材4との接着強度が不十分となるおそれがある。逆に、コート接着剤層8の平均厚さが上記上限を超える場合、当該回路基板1が不必要に厚くなるおそれや、導電パターン6と熱伝導性基材4との距離が大きくなって放熱性が不十分となるおそれがある。
コート接着剤層8の開口8aの大きさは、凹部10の大きさよりも大きいことが好ましい。より詳しくは、コート接着剤層8の開口8aは、平面視で凹部10を内包するよう形成されるとよい。このようにコート接着剤層8の開口8aを大きくすることによって、熱伝導性接着剤層7の充填作業を容易化することができる。また、絶縁フィルム5を除去して凹部10内に熱伝導性接着剤層7の表層部分(例えば第一接着剤層7a)を充填した後で絶縁フィルム5の裏面にコート接着剤層8を積層する場合、これらの位置合わせが容易となる。
コート接着剤層8の開口8aの円相当径と凹部10の円相当径との差の下限としては、2μmが好ましく、40μmがより好ましく、100μmがさらに好ましい。一方、コート接着剤層8の開口8aの円相当径と凹部10の円相当径との差の上限としては、1000μmが好ましく、600μmがより好ましく、200μmがさらに好ましい。コート接着剤層8の開口8aの円相当径と凹部10の円相当径との差が上記下限に満たない場合、熱伝導性接着剤層7の充填作業の容易化が不十分となるおそれがある。逆に、コート接着剤層8の開口8aの円相当径と凹部10の円相当径との差が上記上限を超える場合、熱伝導性接着剤層7の充填量が増加するため、当該回路基板1のコストが不必要に大きくなるおそれがある。
凹部10の面積の上限としては、電子部品3の投影面積の5倍が好ましく、3倍がより好ましく、1.5倍がさらに好ましい。凹部10の面積が上記上限を超える場合、絶縁フィルム5の除去領域が大きくなり、当該フレキシブルプリント配線板2を屈曲した場合等の絶縁信頼性が不十分となるおそれがある。
<カバーレイ>
カバーレイ9は、導電パターン6を短絡や機械的損傷から保護する部材であって、例えば樹脂フィルムの裏面に接着剤層が積層されたものを用いることができる。
〔電子部品〕
電子部品3は、当該フレキシブルプリント配線板2に実装される発熱部品である。この電子部品3としては、例えば発光ダイオード等が挙げられる。電子部品3は、例えば図1に示すように半田11によって熱伝達領域6aに電気的及び機械的に接続される。この半田11の平均厚さとしては、例えば100μm程度とすることができる。ただし、電子部品3の熱伝達領域6aへの接続方法は半田付けに限定されず、例えば導電性ペーストを用いたダイボンディング、金属線を用いたワイヤボンディング等も用いることができる。
〔熱伝導性基材〕
熱伝導性基材4は、比較的高い熱伝導率を有し、当該フレキシブルプリント配線板2から熱を受け取って効率よく放熱するための部材である。熱伝導性基材4の形状は、例えば平板状、ブロック状等とすることができ、湾曲面又は屈曲面を有する立体形状としてもよい。このような立体形状を有する熱伝導性基材4の表面に沿って、フレキシブルプリント配線板2を湾曲又は屈曲させて貼着してもよい。換言すると、熱伝導性基材を湾曲面又は屈曲面を有する所望の立体形状とすることにより、放熱性に優れ、所望の立体形状を備える回路基板を得ることができる。
この熱伝導性基材4の材質としては、例えば金属、セラミックス、カーボン等が挙げられ、中でも金属が好適に用いられる。熱伝導性基材4を形成する金属としては、例えばアルミニウム、マグネシウム、銅、鉄、ニッケル、モリブデン、タングステン等を用いることができる。これらの中でも伝熱性、加工性及び軽量性に優れるアルミニウム又はその合金が特に好ましい。
熱伝導性基材4の材質をアルミニウム又はアルミニウム合金とする場合、熱伝導性基材が表面にアルマイトを有するとよい。このように熱伝導性基材4の表面をアルマイト処理することで、熱伝導性基材4の耐久性ひいては耐電圧性を高めることができる。アルマイトの平均厚さとしては、例えば10μm以上100μm以下が好ましい。
熱伝導性基材4を板状とする場合の平均厚さの下限としては、0.3mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。一方、熱伝導性基材4の平均厚さの上限としては、5mmが好ましく、3mmがより好ましい。熱伝導性基材4の平均厚さが上記下限に満たない場合、熱伝導性基材4の強度が不十分となるおそれがある。逆に、熱伝導性基材4の平均厚さが上記上限を超える場合、熱伝導性基材4の加工が困難になるおそれがあるほか、当該回路基板1の重量や体積が不必要に大きくなるおそれがある。
熱伝導性基材4の熱伝導率の下限としては、50W/m・Kが好ましく、100W/m・Kがより好ましい。熱伝導性基材4の熱伝導率が上記下限に満たない場合、当該回路基板1の放熱効果が不十分となるおそれがある。
<利点>
当該回路基板1は導電パターン6からの放熱性に優れる当該フレキシブルプリント配線板2を備え、当該フレキシブルプリント配線板2の導電パターン6の熱伝達領域6aに電子部品3が実装されるので、電子部品3から熱伝導性基材4を用いて効率よく放熱することができる。
〔回路基板の製造方法〕
当該回路基板1は、絶縁フィルム5に凹部10を画定する開口を形成する工程と、絶縁フィルム5及び導電パターン6の積層体を形成する工程と、凹部10内で導電パターンを裏面側にシフトさせる工程と、上記凹部10に第一接着剤層7aを充填する工程と、フレキシブルプリント配線板2の熱伝達領域6aに電子部品3を実装する工程と、第一接着剤層7aの裏面に第二接着剤層7bを積層する工程と、絶縁フィルム5の裏面にコート接着剤層8を積層する工程と、フレキシブルプリント配線板2を熱伝導性基材4の表面に積層する工程とを備える製造方法によって製造することができる。
(開口形成工程)
開口形成工程では、電子部品3の複数の熱伝達領域6aの投影領域の少なくとも一部を含む領域の絶縁フィルム5を除去することによって、凹部10を形成する。絶縁フィルム5の除去方法としては、例えばプレスにより打ち抜く方法、凹部形成予定領域にレーザーを照射する方法等を用いることができる。絶縁フィルム5としては、次の積層体形成工程で金属箔と積層するための接着剤が予め積層されたカバーレイとして市販されるシートを使用してもよい。なお、この開口形成工程は、導電パターン形成後に行ってもよい。この場合、例えばエッチング等によって絶縁フィルム5に凹部10を画定する開口を形成することができる。
(積層体形成工程)
積層体形成工程では、絶縁フィルム5及び導電パターン6を裏面側からこの順に備える積層体を形成する。具体的には、先ず絶縁フィルム5の表面に直接又は接着剤を介して金属箔を積層する。次に、絶縁フィルム5の表面に積層した金属箔に導電パターン6を形成する。この金属箔を絶縁フィルム5に積層する方法としては特に限定されず、例えば金属箔を接着剤で貼り合わせる接着法、金属箔上に絶縁性基板の材料である樹脂組成物を塗布するキャスト法、金属箔を熱プレスで貼り付けるラミネート法等を用いることができる。また、導電パターン6の形成手法も特に限定されず、従来公知の例えばエッチング法等を採用できる。
導電パターン6の形成後、絶縁フィルム5及び導電パターン6の表面に導電パターン6の表面側を保護するカバーレイ9を積層してもよい(図2Aにカバーレイ9を積層した様子を示す)。このとき、カバーレイ9の導電パターン6の熱伝達領域6a(電子部品3を実装するためのランド部)に対応する位置には予め開口を設けておくとよい。
(導電パターンシフト工程)
導電パターンシフト工程では、例えば凹部10に対応する凸部を有するプレス型を用いて、図2Bに示すように、熱伝達領域6a内の導電パターン6を押圧して裏面側にシフトさせることにより、当該プリント配線板2を得る。この導電パターンシフト工程は、カバーレイ9の積層工程と同時又はその後に行ってもよい。
(第一接着剤層充填工程)
第一接着剤層充填工程では、図2Cに示すように、導電パターン6の熱伝達領域6aの裏面を覆うよう凹部10に第一接着剤層7aを充填する。第一接着剤層7aは、絶縁フィルム5の裏面と面一になるよう充填される必要はなく、絶縁フィルム5よりも裏側に突出してもよい。この第一接着剤層7aの充填方法としては、例えばスクリーン印刷によって第一接着剤層7aを形成する接着剤を印刷する方法、ディスペンサで第一接着剤層7aを形成する接着剤を吐出する方法、第一接着剤層7aを形成する接着剤を離型フィルムに積層した接着剤シートを貼付する方法等を用いることができる。
充填時の熱伝導性接着剤層7の粘度の下限としては、100Pa・sが好ましく、500Pa・sがより好ましい。一方、充填時の熱伝導性接着剤層7の粘度の上限としては、10000Pa・sが好ましく、5000Pa・sがより好ましい。充填時の熱伝導性接着剤層7の粘度が上記下限に満たない場合、熱伝導性接着剤層7を硬化させる前に熱伝導性接着剤層7が流動して熱伝導性接着剤層7の充填性が低下するおそれがある。逆に、充填時の熱伝導性接着剤層7の粘度が上記上限を超える場合、熱伝導性接着剤層7の凹部10への充填が不十分となるおそれがある。
また、第一接着剤層充填工程を導電パターンシフト工程後に行う場合、第一接着剤層7aを硬化性接着剤で形成し、この第一接着剤層充填工程において、第一接着剤層7aを硬化させることが好ましい。これにより、熱伝導性基材積層工程等において第一接着剤層7aの厚さが小さくなることを防止して、導電パターンが熱伝導性基材に接触して導通状態となることによる短絡や漏電を防止できる。
また、第一接着剤層7aの充填後、第二接着剤層7bの充填前に、第一接着剤層7aを加熱硬化させてもよい。この時の加熱温度としては、例えば120℃以上200℃以下とすることができる。また、加熱時間としては、例えば30分以上600分以下とすることができる。
(電子部品実装工程)
電子部品実装工程では、図2Dに示すように、フレキシブルプリント配線板2の複数の熱伝達領域6aに電子部品3の複数の端子を接続し、電子部品3をフレキシブルプリント配線板2に実装する。電子部品3の熱伝達領域6aへの接続方法は、例えば半田リフロー、導電性ペーストを用いたダイボンディング、金属線を用いたワイヤボンディング等を用いることができる。このように、フレキシブルプリント配線板2に電子部品3を実装したものも、本発明の一つの実施形態にかかる回路基板と解される。
(第二接着剤層積層工程)
第二接着剤層積層工程では、第一接着剤層7aの裏面に第二接着剤層7bを形成する接着剤組成物を積層し、熱伝導性接着剤層7を形成する。第二接着剤層7bの積層方法としては、第一接着剤層充填工程で第一接着剤層7aを充填したのと同様の方法を用いることができる。また第二接着剤層7bの積層は、第一接着剤層7aと第二接着剤層7bとを離型シート上に積層した接着剤シートを用いて同時に行ってもよい。
(コート接着剤層積層工程)
コート接着剤層積層工程では、図2Eに示すように、絶縁フィルム5の裏面に熱伝導性接着剤層7を取り囲むようコート接着剤層8を積層する。コート接着剤層8を形成する接着剤組成物としては、例えばBステージ状態(半硬化状態)の熱硬化性接着剤が用いられる。コート接着剤層8の積層は、例えば以下の手順で実施できる。先ず、二枚の離型フィルムの間に接着剤組成物の層が形成された接着剤シートを用意する。次に、この接着剤シートのコート接着剤層8における開口8aに相当する部分を離型フィルムごと打抜き加工等で除去する。その後、上記接着剤シートの一方の離型フィルムを剥がし、接着剤シートの除去部分に熱伝導性接着剤層7を嵌合させるように、接着剤シートの接着剤組成物表出面を絶縁フィルム5の裏面に向けて積層(仮貼り)する。
なお、上記第一接着剤層充填工程及び第二接着剤層積層工程は、このコート接着剤層積層工程後に行ってもよい。つまりコート接着剤層8を絶縁フィルム5の裏面に積層後、コート接着剤層8の開口8a内に熱伝導性接着剤層7全体又は第二接着剤層7bを充填するようにしてもよい。
(熱伝導性基材積層工程)
熱伝導性基材積層工程では、フレキシブルプリント配線板2の裏面に熱伝導性基材4を積層することで、当該回路基板1を得る。具体的な手順としては、先ずフレキシブルプリント配線板2の裏面(第二接着剤層7b及びコート接着剤層8の裏面)に熱伝導性基材4を積層(仮貼り)して積層体を得る。その後、例えば真空容器中でこの積層体を比較的低温で加圧し、仮圧着する。仮圧着後、上記積層体を高温で加熱することで第二接着剤層7b及びコート接着剤層8(未硬化の9場合第一接着剤層7aも)を硬化させる。
上記積層体の仮圧着時の圧力としては、例えば0.05MPa以上1MPa以下とすることができる。また、この仮圧着時の温度としては、例えば70℃以上120℃以下が好ましい。
上記積層体の高温加熱時の温度としては、例えば120℃以上200℃以下とすることができる。また、高温加熱の時間としては、例えば30分以上600分以下とすることができる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
当該プリント配線板は、可撓性を有するフレキシブルプリント配線板に限定されず、リジッドのプリント配線板であってもよい。また、当該プリント配線板は、上記実施形態で説明したものに限定されず、例えば絶縁フィルムの両面に導電パターンが形成された両面プリント配線板や、導電パターンを有する複数の絶縁フィルムが積層された多層プリント配線板であってもよい。このような両面プリント配線板や多層プリント配線板の場合、最も裏面側(電子部品の実装面と反対側)の導電パターンに熱伝達領域を設けて熱伝導性接着剤層を当接させることで、放熱効果を促進することができる。
当該プリント配線板は、熱伝導性接着剤層及びコート接着剤層が積層されていない状態で提供されてもよく、第二接着剤層のみが凹部内に充填されて第二接着剤層及びコート接着剤層が積層されていない状態で提供されてもよい。また、当該プリント配線板は、熱伝導性接着剤層及びコート接着剤層が積層され、それらの裏面に離型フィルムを有する状態で提供されてもよい。
また、当該回路基板は、電子部品が実装されていない状態で提供されてもよく、熱伝導性基材が積層されていない状態で提供されてもよい。
また、当該プリント配線板は、それぞれ導電パターンの1又は複数の熱伝達領域の裏面に至る複数の凹部を有してもよい。また、各凹部に露出する熱伝達領域の数は1つでもよく3つ以上であってもよい。従って、当該回路基板に実装される電子部品は、一対の電極を有するものに限られず、より多数の電極を有するものであってもよい。また、1の当該プリント配線板に複数の電子部品が実装されてもよい。
また、当該プリント配線板において、導電パターンの熱伝達領域は、ランド部に限られず、例えば電子部品の裏面から熱が伝達され、表面側に放熱するための部分であってもよく、電子部品等から伝達された後、厚さ方向と垂直方向に導電パターンを伝導した熱を裏面側又は表面側に放出するために設けられる部分であってもよい。具体例として、熱伝達領域は、プリント配線板の導電パターンの電位等を測定するための測定電極、プリント配線板の裏面側に積層される部材の温度を測定するために設けられる測温領域等であってもよい。
また、熱伝導性接着剤層は必ずしも2層にする必要はなく、1層又は3層以上としてもよい。また、熱伝導性接着剤層を2層とする場合において、同種の熱伝導性接着剤を用いて2層構造としてもよい。具体的には、熱伝導性接着剤を凹部に充填し加熱硬化し第一熱伝導性接着剤層を形成した後、同じ熱伝導性接着剤を第一熱伝導性接着剤層の裏面に充填し第二熱伝導性接着剤層を形成することで2層構造の熱伝導性接着剤層が得られる。なお、3種以上の熱伝導性接着剤を用いてもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<シミュレーション>
本発明の効果を検証するために、図3A及び図3Bに示すように、プリント配線板21の表面に電子部品22としてLEDを実装し、裏面に熱伝導性基材23としてアルミニウム製の板を積層した回路基板をコンピューター上でモデリングし、アンシス社の有限要素解析ソフト「ANSYS」を用いて、電子部品22の最高到達温度をシミュレーションした。
(プリント配線板)
プリント配線板21のモデルとしては、厚さ13μmのポリイミド製絶縁フィルム24の表面に導電パターン25として厚さ35μmの銅箔層を直接積層した構造を有し、平面形状が縦横各40mmの正方形であるものとした。また、プリント配線板21のモデルは、その横方向中央に一対の熱伝導領域25aを区分する幅0.69mmの縦方向全長に亘る銅箔除去部(絶縁フィルム24を露出するギャップ)を形成したものとした。一方の熱伝達領域25aは、プリント配線板の縦方向中央部で、平面視で上記銅箔除去部に沿う幅0.48mm、長さ3mmの領域とし、他方の熱伝達領域25aは、プリント配線板の縦方向中央部で、平面視で上記銅箔除去部に沿う幅1.83mm、長さ3mmの領域とした。凹部26として、上記絶縁フィルム24の一対の熱伝達領域25aの直下の幅3mm、縦3mmの領域を開口したものとした。熱伝導性接着剤層27は一層とした。コート接着剤層28の厚さは40μmとした。そして、平面視で凹部26内の導電パターン25を厚さ方向にシフトして熱伝導性接着剤層27の厚さが異なる複数のプリント配線板21をモデリングした。また、このプリント配線板21と対比するために、上記絶縁フィルム24に開口を形成せず、絶縁フィルム24の裏面全体に同じ厚さのコート接着剤層28を設けた凹部のないプリント配線板もモデリングした。
(電子部品)
電子部品22としては、縦横各3mm、厚さ0.2mmの窒化アルミニウムの層22aの表面に、縦横1m、厚さ0.1mmの窒化ガリウムの層22bを積層した発光ダイオードをモデリングした。この電子部品は、プリント配線板の熱伝導領域の縦方向中央に厚さ0.1mmの半田29で実装したモデルとした。
(熱伝導性基材)
熱伝導性基材23としては、平面視でプリント配線板と合致する縦横各40mmの正方形で厚さ1mmのアルミニウム板とした。
(熱計算)
シミュレーションにおいて、電子部品22の発熱量としては、0.66Wとし、雰囲気温度を25℃、各材料表面の雰囲気への熱伝達係数を5W/m・Kとした。また、各材料の熱伝導率としては、銅が380W/m・K、ポリイミドが0.2W/m・K、コート接着剤層が0.2W/m・K、熱伝導性接着剤層が2.2W/m・K、窒化アルミニウムが200W/m・K、窒化ガリウムが130W/m・K、半田が64W/m・K、アルミニウムが137W/m・Kとした。
(シミュレーション結果)
図4に、上記シミュレーションにより算出された電子部品22の最高到達温度と、熱伝導性接着剤層27の厚さとの関係を示す。図示するように、凹部内に熱伝導性接着剤層27を充填することによって、電子部品22の冷却効果を向上できることが確認された。さらに、導電パターン25を凹部内にシフトさせて熱伝導性接着剤層27の厚さを小さくすることによって、電子部品22の冷却効果をより向上できること、つまりプリント配線板21の導電パターン25からの放熱性を向上できることが確認された。なお、このシミュレーションにおいて、熱伝導性接着剤層厚さが53μmのとき、導電パターン25が平坦でシフト量が0であり、熱伝導性接着剤層厚さが53μmより小さいとき、導電パターン25が凹部内(裏面側)にシフトされており、熱伝導性接着剤層厚さが53μmより大きいとき、導電パターン25が凹部と反対側(表面側)にシフトされている。
以上のように、本発明の回路基板及びその製造方法は、絶縁信頼性が高く、かつ実装された電子部品の放熱を効果的に促進でき、LED照明装置等に好適に用いられる回路基板を提供することができる。
1 回路基板
2 フレキシブルプリント配線板
3 電子部品
4 熱伝導性基材
5 絶縁フィルム
6 導電パターン
6a 熱伝達領域
6b 配線部
7 熱伝導性接着剤層
7a 第一接着剤層
7b 第二接着剤層
8 コート接着剤層
8a 開口
9 カバーレイ
10 凹部
11 半田
21 プリント配線板
22 電子部品
22a 窒化アルミニウムの層
22b 窒化ガリウムの層
23 熱伝導性基材
24 絶縁フィルム
25 導電パターン
25a 熱伝導領域
26 凹部
27 熱伝導性接着剤層
28 コート接着剤層
29 半田

Claims (11)

  1. 絶縁フィルムと、この絶縁フィルムの表面側に積層され、かつ1又は複数の熱伝達領域及びこの熱伝達領域に接続する配線部を含む導電パターンとを備えるプリント配線板であって、
    裏面のうち上記熱伝達領域の投影領域の少なくとも一部に導電パターン裏面に至る凹部を有し、
    上記導電パターンが凹部内で裏面側にシフトしているプリント配線板。
  2. 上記熱伝達領域が電子部品を実装するためのランド部である請求項1に記載のプリント配線板。
  3. 上記凹部裏面に充填される熱伝導性接着剤層をさらに備える請求項1又は請求項2に記載のプリント配線板。
  4. 上記熱伝導性接着剤層が、絶縁性を有するセラミックスフィラーを含む請求項3に記載のプリント配線板。
  5. 上記熱伝導性接着剤層が、導電パターンの裏面に積層される第一接着剤層と、この第一接着剤層の裏面に積層される第二接着剤層とを有する請求項3又は請求項4に記載のプリント配線板。
  6. 上記第二接着剤層の熱伝導率が第一接着剤層の熱伝導率よりも小さい請求項5に記載のプリント配線板。
  7. 上記絶縁フィルムの裏面側にコート接着剤層が積層され、このコート接着剤層が平面視で少なくとも上記凹部と重複する開口を有し、この開口内に上記熱伝導性接着剤層が充填される請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のプリント配線板。
  8. 請求項3から請求項7のいずれか1項に記載のプリント配線板と、このプリント配線板の1又は複数の熱伝導性接着剤層の裏面に積層される熱伝導性基材とを備える回路基板。
  9. 上記熱伝導性基材が、アルミニウム製又はアルミニウム合金製である請求項8に記載の回路基板。
  10. 上記熱伝導性基材が、湾曲面又は屈曲面を有する請求項8又は請求項9に記載の回路基板。
  11. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のプリント配線板と、このプリント配線板の1又は複数の熱伝達領域に実装される1又は複数の電子部品とを備える回路基板。
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