JP2001077488A - 回路基板とその製造方法およびリードフレーム - Google Patents

回路基板とその製造方法およびリードフレーム

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JP2001077488A
JP2001077488A JP2000061593A JP2000061593A JP2001077488A JP 2001077488 A JP2001077488 A JP 2001077488A JP 2000061593 A JP2000061593 A JP 2000061593A JP 2000061593 A JP2000061593 A JP 2000061593A JP 2001077488 A JP2001077488 A JP 2001077488A
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lead frame
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manufacturing
insulating sheet
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JP2000061593A
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Mitsuhiro Matsuo
光洋 松尾
Koichi Hirano
浩一 平野
Seiichi Nakatani
誠一 中谷
Keiji Inaba
圭司 稲葉
Yasuyuki Matsuoka
康之 松岡
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高密度で成形精度の高く、しかも局所的な発熱
を抑制できる回路基板の提供。 【解決手段】絶縁樹脂シート51とリードフレーム49
とを積層一体化して回路基板を構成する。そして、リー
ドフレーム49を、基板周縁から分離して基板中央部に
配置する。リードフレーム49は、絶縁樹脂シート51
から露出する面を有し、かつ、この露出面に突起物48
を有する。これにより、微細なリードフレームのパター
ンを容易に形成することができるうえに、多層基板構造
にも適用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放熱性を向上させた
回路基板およびその製造方法と、リードフレームに関
し、特に、パワー用エレクトロニクス実装のための高放
熱樹脂基板(熱伝導基板)およびその製造方法と、高放
熱樹脂基板の製造に最適なリードフレームに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の急速な小型軽量化、高
性能化に伴い、電子機器の高密度化、高機能化が要求さ
れている。特に半導体集積化や高密度実装に関する技術
の進歩によりIC化が進み、電子機器では概ね小型軽量
化、高密度化が実現されているものの、電力変換回路に
代表される発熱部では、放熱板や放熱フィンを用いて熱
を外部に逃す必要があるため、他の電子機器用部材と比
較して小型・軽量化が著しく困難となっていた。
【0003】放熱性を考慮した回路基板としては、セラ
ミック基板に銅板をダイレクトに接合した回路基板や、
アルミニウムなどの金属基板の片面もしくは両面に絶縁
層を介して回路パターンを形成する金属ベース基板があ
るが、セラミック基板には、低コスト化が困難であると
いう不都合ある。一方、金属ベース基板には、浮遊容量
が高くノイズを伝播し易やすくいという不都合や、35
μm程度の厚み銅箔をエッチングして配線パターンを形
成するため、大電流が流せないという不都合があった。
【0004】そこで、近年、熱可塑性樹脂に熱伝導性フ
ィラーを充填した組成物を電極であるリードフレームと
一体化した射出成形による熱伝導モジュールが提案され
ている(特開平7−86704号、特開平9−3213
95号)。この基板構造は、前述の金属ベース基板およ
びセラミック基板で困難であった性能とコストとの両立
をある程度達成することができるものとなっている。
【0005】さらには、近年熱硬化性樹脂中に熱伝導性
のよいフィラーを充填した樹脂組成物とリードフレーム
とをシート工法(シート状にした樹脂組成物にリードフ
レームを当てつけ、両者に圧力を加えて一体化する工
法)により一体化した回路基板が提案されている(特開
平10−173097号)。それによると無機質フィラ
ーと熱硬化性樹脂とを少なくとも含む熱伝導樹脂組成物
スラリーをシート状に造膜して熱伝導基板用シート状物
を作製し、乾燥後リードフレームと重ね合わせ、加熱加
圧して熱伝導基板用シート状物を硬化させ、熱伝導樹脂
硬化物とした回路基板を作製する。図11にその断面構
造を示す。図11において、01は樹脂組成物、02は
リードフレーム、03は、樹脂組成物02の裏面に設け
た放熱板である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来例には次のような課題があった。すなわち、射出
成型熱伝導モジュールはセラミック基板によるそれと比
べる機械的強度の面で優れている反面、熱可塑性樹脂に
放熱性を与えるための無機フィラーを高濃度に充填する
ことが困難であるという課題があった。これは熱可塑性
樹脂を高温で溶融させフィラーと混練する際、フィラー
量が多いと溶融粘度が急激に高くなり、射出成型できな
いばかりか混錬すらできなくなるからである。そのため
充填フィラー量に限界が生じ、セラミック基板の熱伝導
に対し低い性能しか得られないという不都合があった。
さらには、射出成型熱伝導モジュールには、充填させる
フィラーが研磨剤として作用して成型金型を研磨するた
め多数回の成型が困難であり、これにより製造コストの
低減が困難になるという課題もあった。
【0007】また、一般に、射出成形型熱伝導モジュー
ルでは、リードフレームを用いて絶縁樹脂を射出成型し
ているが、このとき、リードフレーム上の部品実装領域
にも絶縁樹脂が流れ込み、リードフレーム表面で固化し
た絶縁樹脂(いわゆる、樹脂バリ)により部品実装部分
の表面が覆われて半田付けの不具合を引き起こし部品の
半田付け実装を阻害することがあるという課題もあっ
た。
【0008】以上は、射出成形型熱伝導モジュールが有
する課題である。次に、射出成形型熱伝導モジュールと
シート状樹脂を用いた熱伝導基板とに共通する課題を説
明する。すなわち、射出成形型熱伝導モジュールのみな
らずシート状樹脂を用いた熱伝導基板においても、成形
にはリードフレームを用いるが、リードフレームでは、
一般に、その配線パターンの形成を金型による打ち抜き
工程により行っている。しかしながら、この工法で作製
されるリードフレームの配線パターン部分は、すべて位
置決め用導線部によりリードフレームの外枠に接続され
た構造を有している。このような構造を有するリードフ
レームの一例を図12に示す。図12中、符号04が、
リードフレームの外枠である。
【0009】外枠04を設けるのは、リードフレームを
打ち抜く際、分離されたパターンが存在すると脱落して
しまうので、すべての配線パターンが外枠04に接続さ
れた構造をとらざるを得ないためである。このように、
リードフレームでは、その構造上、外枠04を設けてす
べてのリード端子をこの外枠04に接続しなければなら
ないので、島状パターン(外枠04から分離したパター
ン)を形成することができないという課題があった。さ
らには、外枠04を設けてすべてのリード端子をこの外
枠04に接続しなければならない分、微細なカット金型
が必要となり高密度配線を形成することが困難になると
いう課題があった。
【0010】さらには、射出成型や、シート状樹脂とリ
ードフレームの圧接を行うにあたっては、樹脂が流れ過
ぎてリードフレームの配線パターンの上に樹脂がまわり
こんだり(これは射出形成だけの場合)、射出樹脂やシ
ート状樹脂の応力により配線パターンが所定の位置から
ずれることがあり、このような不都合を防止するために
リードフレームにタイバーと呼ばれる位置決め用のパタ
ーンを設けることが多い。タイバーについては図13を
参照。図13中、符号05がタイバーを示している。し
かしながら、リードフレームにタイバー05を設ける
と、その分、さらに余分な配線が必要になり、高密度配
線を形成することがより困難になる、という課題があっ
た。
【0011】また、近年の電子機器においては高密度で
高付加価値を有する基板の開発が求められている。その
一例として、ビアホールにより層間接続を行う多層基板
がある。多層基板の作製にあたっては、絶縁シートにパ
ンチングマシーンで微小の穴を貫通形成し、その穴に導
電性ペーストを充填することで、ビアホール形成したの
ち、ビアホールを有する絶縁シートを積層一体化するの
が一般的である。しかしながら、このような多層基板構
造により熱伝導基板を形成すると、リードフレームとビ
アとの間に熱伝導樹脂が流れ込み、導通不良を引き起こ
す可能性がある。
【0012】本発明は上記の問題点を解消するためにな
されたもので、リードフレームを用いながら独立した島
状の配線パターンを形成することができる高密度な回路
基板の提供を一つの目的とし、さらには、樹脂バリの生
じない回路基板の提供を他の目的とする。さらに部品配
置の関係上特定部分に対して、さらに高熱伝導が要求さ
れる場合に対し、例えば大電流を取り扱う回路基板の場
合、パターンにおける導通損失を可能な限り小さくする
ことが求められる。この問題に対しても、局所的な発熱
を予防することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためのものであって、絶縁樹脂シートとリードフ
レームとを積層一体化した回路基板であって、前記リー
ドフレームを、基板周縁から分離して基板中央部に配置
して、回路基板を構成した。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、絶縁樹脂シートとリードフレームとを積層一体化し
た回路基板であって、前記リードフレームを、基板周縁
から離間して基板中央部に配置したことを特徴としてお
り、これにより次のような作用を有する。リードフレー
ムが基板周縁から分離されて基板中央部に配置されてい
るので、微細なパターンを形成することが可能となり、
高密度実装が実現できる。
【0015】本発明の請求項2に記載の発明は、請求項
1に係る回路基板であって、前記リードフレームは、前
記絶縁樹脂シートから露出する面を有し、かつ、この露
出面に突起物を有することに特徴を有している。また、
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1に係る回路
基板であって、前記リードフレームは、前記絶縁樹脂シ
ートから露出する面を有し、かつ、この露出面の裏面に
は、前記絶縁樹脂シートの内部に突出する突起物を有す
ることに特徴を有している。これらの構成により、次の
ような作用を有する。すなわち、突起物を活用すること
で熱伝導基板の多層化や基板の両面実装が可能となり、
部品実装における高密度化が実現できる。特に基板上に
おいて局所的に発熱する部位を有する際には、このよう
な突起物を用いて放熱作用を促進させることが可能とな
る。
【0016】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
2または3記載の回路基板であって、前記突起物の高さ
が、前記リードフレームの厚みの20〜80%の範囲で
あることに特徴を有しており、これにより次のような作
用を有する。すなわち、分離溝の深さがリードフレーム
の厚みの20%以下では、リードフレームのフレーム他
面を削り取るのに長時間を有し、経済的ではない。一
方、分離溝の深さがリードフレームの厚みの80%以上
では、分離溝が深くなり過ぎて、独立した島状パターン
位置を正確に保持することが困難となる。なお、この比
率は30〜60%程度であることが望ましく、そうすれ
ば、削り取りに要する時間とリードフレームパターンの
強度、さらには大電流に対応した埋設されたリードフレ
ームの厚みが適切な範囲となる。
【0017】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
3に係る回路基板であって、前記突起物は、前記絶縁樹
脂シートを貫通して前記リードフレームに対向する絶縁
シートの表面に達するものであることに特徴を有してお
り、これにより次のような作用を有する。すなわち、突
起物をこの回路基板の層間接続体として用いることがで
きるようになる。
【0018】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
3に係る回路基板であって、前記絶縁樹脂シートは内部
配線パターンを有し、この内部配線パターンと前記突起
物とが電気的に接続されていることに特徴を有してお
り、これにより次のような作用を有する。すなわち、突
起物を層間接続体となってリードフレームと内部配線パ
ターンとが接続されるので、この回路基板は多層基板と
して機能する。
【0019】本発明の請求項7に記載の発明は、請求項
6に係る回路基板であって、前記突起物を挟んで前記リ
ードフレームと対向する絶縁樹脂シートの表面に、接地
導体が設けられていることに特徴を有しており、これに
より次のような作用を有する。すなわち、絶縁樹脂シー
トを挟んで対向配置される内部配線パターンと接地導体
とがキャパシタとなるので、この回路基板は例えば、フ
ィルタとして機能することになる。
【0020】本発明の請求項8に記載の発明は、請求項
1ないし7のいずれかに係る回路基板であって、前記リ
ードフレームが、銅、鉄、アルミニウム、ニッケルから
選ばれた少なくとも1種を主成分とする金属板であるこ
とに特徴を有しており、これにより次のような作用を有
する。すなわち、リードフレームとしてこのような材料
の板材を用いることで、抵抗ロスを少なくし、大電流に
対応することができるようになる。
【0021】本発明の請求項9に記載の発明は、請求項
1ないし8のいずれかに係る回路基板であって、前記リ
ードフレームが、0.1〜1.5mmの厚みを有する圧
延板であることに特徴を有しており、これにより次のよ
うな作用を有する。すなわち、0.1〜1.5mmの厚
みを有する一様な圧延板にすることで、従来の金属ベー
ス基板の薄い銅箔に比べ大きな電流を流すことができ、
微小な配線パターンを形成することができるようにな
る。
【0022】本発明の請求項10に記載の発明は、請求
項1ないし9のいずれかに係る回路基板であって、前記
リードフレームが、ニッケル、錫、はんだ合金の少なく
とも1種類を用いためっき処理、および/または粗化処
理されたものであることに特徴を有しており、これによ
り次のような作用を有する。すなわち、このような処理
を行うことで、絶縁シート材とリードフレームとを成型
一体化したときの両者の密着性をさらに良くすることが
できるようになる。
【0023】本発明の請求項11に記載の発明は、請求
項1ないし10のいずれかに係る回路基板であって、前
記絶縁樹脂シートの厚みが、0.02mm〜1.35m
mの範囲であることに特徴を有しており、これにより次
のような作用を有する。すなわち、上記値が0.02m
m以下になると、回路基板の放熱面との間の浮遊容量が
大きくなってノイズを伝播し易くなる。一方、1.35
mm以上になると、熱抵抗が高くなって放熱効率が極端
に低下し、場合によっては回路基板上に実装した電子部
品(半導体装置等)の発熱温度以上まで温度が上昇し
て、電子部品を破壊させてしまうことにもなりかねな
い。
【0024】本発明の請求項12に記載の発明は、請求
項1ないし11のいずれかに係る回路基板であって、前
記絶縁樹脂シートは、アルミナ、シリカ、マグネシア、
窒化アルミニウム、および窒化ホウ素のうちから選ばれ
た少なくとも一つを含む無機フィラーを有するものであ
ることに特徴を有しており、これにより次のような作用
を有する。すなわち、アルミナ、窒化アルミニウムを用
いた場合には、熱伝導性に優れた回路基板となる。ま
た、マグネシアでは、熱伝導度が良好になり、かつ熱膨
張整数を大きくすることができる。さらには、シリカ
(特に、非晶質シリカ)であれば、熱膨張係数が小さ
く、かつ、軽量で誘電率の小さい回路基板とすることが
できる。
【0025】本発明の請求項13に記載の発明は、請求
項1ないし12のいずれかに係る回路基板であって、前
記絶縁樹脂シートは、エポキシ系樹脂、フェノール系樹
脂もしくはシアネート系樹脂のうちの少なくとも一つを
含む熱硬化性樹脂を有するものであることに特徴を有し
ており、これにより次のような作用を有する。すなわ
ち、これらの樹脂からなる絶縁シート材を硬化させて回
路基板を形成すれば、高温時における電気絶縁性に優れ
た回路基板を得ることができる。特に、エポキシ系樹脂
は、半導体封止樹脂やプリント基板等で良く知られてい
るように、電気特性ばかりでなく、耐薬品性、機械的性
能(強度等)に優れた材料である。
【0026】本発明の請求項14に記載の発明は、リー
ドフレームの主面にフレーム厚み方向に沿って刻まれた
分離溝と、この分離溝によりフレーム平面方向に沿って
互いに分離された配線パターンとを形成する工程と、前
記フレーム主面に、前記分離溝の深さ寸法より大きい厚
み寸法を有する絶縁シート材を配置したうえで、前記リ
ードフレームをこの絶縁シート材に向けて相対的に加圧
することで前記分離溝内に前記絶縁シート材を充填する
工程と、前記リードフレームのフレーム他面を分離溝底
部の絶縁シート材が露出するまで削り取ることで、前記
配線パターンだけを前記絶縁体シート材内に残存配置す
る工程と、を含んで回路基板の製造方法を構成すること
に特徴があり、これにより次のような作用を有する。配
線パターンだけを絶縁シート材内に残存配置すること
で、残存させた配線パターンを回路基板の配線とするこ
とができるようになる。
【0027】このようにして配線パターンを絶縁シート
に一体化させるので、リードフレーム内に、配線パター
ンに連結された外枠を設けることなく、微細な配線パタ
ーンの構造を形成することができ、これにより、回路基
板に高密度配線を形成することができるようになる。さ
らには、リードフレームを絶縁シート材に向けて相対的
に加圧する際に、リードフレーム内の配線パターンが位
置ずれすることはないので、配線パターンの位置ずれを
防止するタイバー等の構造をリードフレームに設ける必
要がなくなり、その分、さらにはリードフレーム内に高
密度配線を形成することができる。
【0028】また、リードフレームを絶縁シート材に向
けて相対的に加圧することで前記分離溝に前記絶縁シー
ト材を充填するので、接続不良の原因となる樹脂バリ等
の二次的な不良構造が形成されることはなく、精度の高
い樹脂成形が可能となる。
【0029】本発明の請求項15に記載の発明は、請求
項14に係る回路基板の製造方法であって、前記配線パ
ターンを形成する際に、前記配線パターンに突起物を形
成することに特徴を有しており、これにより次のような
作用を有する。すなわち、基板の多層化技術の実現にお
いて、絶縁シートを造膜した上で、パンチングマシーン
で微小の穴を貫通形成し、その穴に導電性ペーストを充
填してビアを形成する手法が一般的である。しかしなが
ら、このような手法により熱伝導基板を成型すると、リ
ードフレームとビア間に熱伝導樹脂が流れ込み、導通不
良を引き起こすことがある。これに対して、本発明によ
る手法によればビアと導体配線パターンが一体化されて
いるため導通不良を引き起こす心配が不要となる。また
この手法によれば、回路基板の両面に対して部品を実装
することが可能なために、高密度実装が可能となる。
【0030】本発明の請求項16に記載の発明は、請求
項15に係る回路基板の製造方法であって、前記絶縁樹
脂シートとして、内部配線パターンを有するものを用
い、前記リードフレームを該絶縁シート材に向けて相対
的に加圧することで、前記突起物を前記内部配線パター
ンに電気的に接続することに特徴を有しており、これに
より次のような作用を有する。すなわち、突起物を内部
配線パターンによって電気的に接続させることで、多層
基板を作製することができる。そして、この製造方法を
応用すれば、接続の安定性が保たれ、ノイズフィルタを
構成することが可能となり、近年問題となっているEM
I対策においても有効な回路基板となる。
【0031】本発明の請求項17に記載の発明は、請求
項14ないし16のいずれかに係る回路基板の製造方法
であって、前記リードフレームのフレーム他面を削り取
る際に、このフレーム他面の一部を残すよう削り取るこ
とに特徴を有しており、これにより次のような作用を有
する。すなわち、任意の厚みを有する導体配線パターン
が形成できるため熱抵抗や配線抵抗を小さくできる。
【0032】本発明の請求項18に記載の発明は、請求
項14ないし17のいずれかに係る回路基板の製造方法
であって、前記リードフレームとして、銅、鉄、アルミ
ニウム、ニッケルから選ばれた少なくとも1種を主成分
とする金属板を用いることに特徴を有しており、これに
より次のような作用を有する。すなわち、リードフレー
ムとしてこのような材料の板材を用いることで、抵抗ロ
スを少なくし、大電流に対応することができるようにな
る。
【0033】本発明の請求項19に記載の発明は、請求
項14ないし18のいずれかに係る回路基板の製造方法
であって、前記リードフレームとして、0.1〜1.5
mmの厚みを有する圧延板を用いることに特徴を有して
おり、これにより次のような作用を有する。すなわち、
0.1〜1.5mmの厚みを有する一様な圧延板にする
ことで、従来の金属ベース基板の薄い銅箔に比べ大きな
電流を流すことができ、微小な配線パターンを形成する
ことができるようになる。
【0034】本発明の請求項20に記載の発明は、請求
項14ないし19のいずれかに係る回路基板の製造方法
であって、前記リードフレームを作製する際に、前記分
離溝の内面に、ニッケル、錫、はんだ合金の少なくとも
1種類を用いためっき処理、および/または粗化処理す
ることに特徴を有しており、これにより、このような処
理を行うことで、絶縁シート材とリードフレームとを成
型一体化したときの両者の密着性をさらに良くすること
ができるようになる。
【0035】本発明の請求項21に記載の発明は、請求
項14ないし20のいずれかに係る回路基板の製造方法
であって、前記突起物の高さを含む前記分離溝の深さ
を、前記リードフレームの厚みの20〜80%に設定す
ることに特徴を有しており、これにより次のような作用
を有する。すなわち、分離溝の深さがリードフレームの
厚みの20%以下では、リードフレームのフレーム他面
を削り取るのに長時間を有し、経済的ではない。一方、
分離溝の深さがリードフレームの厚みの80%以上で
は、分離溝が深くなり過ぎて、独立した島状パターン位
置を正確に保持することが困難となる。なお、この比率
は30〜60%程度であることが望ましく、そうすれ
ば、削り取りに要する時間とリードフレームパターンの
強度、さらには大電流に対応した埋設されたリードフレ
ームの厚みが適切な範囲となる。
【0036】本発明の請求項22に記載の発明は、請求
項14ないし21のいずれかに係る回路基板の製造方法
であって、前記分離溝に前記絶縁シート材を充填する際
に、前記リードフレームのフレーム他面上に残存配置さ
せる絶縁シート材の厚みを、0.02mm〜1.35m
mに設定することに特徴を有しており、これにより次の
ような作用を有する。すなわち、上記値が0.02mm
以下になると、L/Fの分離溝にシート材を埋められなく
なり回路基板の放熱面との間の浮遊容量が大きくなって
ノイズを伝播し易くなる。一方、1.35mm以上にな
ると、熱抵抗が高くなって放熱効率が極端に低下し、場
合によっては回路基板上に実装した電子部品(半導体装
置等)の発熱温度以上まで温度が上昇して、電子部品を
破壊させてしまうことにもなりかねない。
【0037】本発明の請求項23に記載の発明は、請求
項14ないし22のいずれかに係る回路基板の製造方法
であって、前記フレーム他面を、分離溝底部の絶縁シー
ト材が露出するまで削り取ったのち、残存する前記配線
パターンを、露出した絶縁シート材より凹んだ位置まで
選択的に削り取る工程をさらに含むことに特徴を有して
おり、これにより次のような作用を有する。すなわち、
配線パターンの表面が絶縁シート材より凹んだ位置に配
置されるので、後に行う回路基板に電子部品を実装する
工程において、電子部品の位置合わせを容易にかつ精度
高く行えるようになる。これは、絶縁シート材上の凹み
の近傍に電子部品の外部接続端子を配置すれば、外部接
続端子は自然と凹みに入り込んで、外部接続端子と配線
パターンとが当接するためである。また、配線パターン
が凹み内に配置されることで、隣接する配線パターンど
うしは、凹みの周縁に沿って縁面距離が形成されるの
で、その分、縁面距離が増加して、短絡しにくくなる。
【0038】本発明の請求項24に記載の発明は、請求
項14ないし23のいずれかに係る回路基板の製造方法
であって、前記絶縁シート材として、熱硬化性樹脂を含
有するものを用いるとともに、前記絶縁シート材を前記
リードフレームに向けて相対的に加圧する際に、前記絶
縁シート材に含有する熱硬化性樹脂の硬化温度以上まで
前記絶縁シート材を加熱することに特徴を有しており、
これにより次のような作用を有する。すなわち、加圧処
理の際に同時に行う加熱処理により熱硬化性樹脂を含有
する絶縁シート材は硬化するので、分離溝内への絶縁シ
ート材の充填処理と、絶縁シート材の硬化処理とを同時
に行うことができ、その分、工程の簡略化が図れる。
【0039】本発明の請求項25に記載の発明は、請求
項14ないし23のいずれかに係る回路基板の製造方法
であって、前記絶縁シート材として、熱硬化性樹脂を含
有するものを用いるとともに、前記絶縁シート材を前記
リードフレームに向けて相対的に加圧した後、前記絶縁
シート材に含有する熱硬化性樹脂の硬化温度以上まで前
記絶縁シート材を加熱することに特徴を有しており、こ
れにより次のような作用を有する。すなわち、分離溝内
への絶縁シート材の充填を行ったのち、絶縁シート材の
硬化を行うので、絶縁シート材の充填と絶縁シートの硬
化とを確実に行うことができる。
【0040】本発明の請求項26に記載の発明は、フレ
ーム主面にフレーム厚み方向に沿って刻み付けられた分
離溝と、前記フレーム主面に設けられて前記分離溝によ
りフレーム平面方向に沿って互いに分離された配線パタ
ーンと、を有してリードフレームを構成することに特徴
があり、これにより次のような作用を有する。すなわ
ち、タイバーといった位置決め用の配線パターン部分が
不要で、任意の形状を有した他のフレーム部分との接続
部分がない、高密度実装に適したリードフレームが得ら
れ、上述した請求項1の回路基板の製造方法で用いるこ
とができるリードフレームとなる。
【0041】本発明の請求項27に記載の発明は、請求
項26に係るリードフレームであって、前記配線パター
ンの表面に突起物を有することに特徴を有しており、こ
れにより次のような作用を有する。すなわち、突起物が
ビアとして機能させることができるが、この場合、突起
物とリードフレームとが一体化されているため導通不良
を引き起こす心配がなくなる。これにより高密度実装に
適したリードフレームが得られる。
【0042】なお、本発明のリードフレームは、請求項
28に記載したように、銅、鉄、アルミニウム、ニッケ
ルから選ばれた少なくとも1種を主成分とする金属から
構成するのが好ましく、また、請求項29に記載したよ
うに、0.1〜1.5mmの厚みを有する圧延板から構
成するのが好ましく、さらにまた、請求項30に記載し
ように、前記突起物の高さを含む前記分離溝の深さを、
前記リードフレームの厚みの20〜80%に設定するの
が好ましい。
【0043】このように、本発明によれば、突起物を用
いて基板の放熱作用を促進させることが可能であるた
め、部品の高密度実装に対しても有効である。さらに突
起物を内部配線パターンによって電気的に接続すること
で、安定な電気接続が可能であるだけでなく、ノイズフ
ィルタの役割を果たすこともでき、近年話題となってい
るEMI問題に対しても課題解決の有効な手段となりう
る。また、突起物が存在する配線パターン部位はその厚
みを厚くできるので、大電流を扱う部位もしくは局所的
な発熱を有する部分に活用することで、さらなる高密度
実装が可能となる。
【0044】以下、本発明の実施の形態を図面を参照し
て説明する。
【0045】(第1の実施の形態)まず、本実施の形態
のリードフレームの製造方法を、図1を参照して説明す
る。図1(a)〜(f)は、第1の形態におけるリード
フレームの製造方法を示す工程図である。図1(a)に
おいて、11は電気良導性の金属板である。金属板11
としては、熱伝導性を考慮すると、例えば銅、鉄、アル
ミニウム、ニッケルから選ばれた少なくとも1種を主成
分とする金属から構成するのか好ましく、そうすれば、
抵抗ロスを少なくし、大電流に対応することができるよ
うになる。また、金属板11は、0.1〜1.5mmの
厚みを有する一様な圧延板であることが好ましく、そう
すれば、大きな電流を流すことができ、微小な配線パタ
ーンを形成することができるようになる。
【0046】図1(b)において、12はレジスト膜で
あり、このレジスト膜12を金属板11の両面に形成す
る。図1(c)において、13はフィルムマスクパター
ンであり、このフィルムマスクパターン13を金属板1
1のフレーム主面となる一方面側のレジスト膜12上に
配置する。そして、金属板11の主面(フィルムパター
ン貼付面)に対してUVを用いて露光する。このとき、
同時に金属板11のフレーム他面(フィルムパターン未
貼付面)を全面露光する。
【0047】次いで、さらにレジスト膜12の現像を行
う。レジスト膜12は、露光後、露光部分のみ硬化する
ので、現像によってレジスト膜12の非露光部を除去す
ることで、図1(d)に示すように、レジスト露光部1
5と、開口部14とを形成する。次に図1(e)に示す
ように、レジスト露光部15を形成した金属板11の主
面をエッチングすることで、主面に分離溝16と配線パ
ターン17とを形成する。配線パターン17は、所望の
パターン形状に形成し、分離溝16はリードフレーム1
1の厚み方向に対して一様な深さに形成し、これによ
り、配線パターン17を分離溝16によって金属板11
の平面方向に分離する。
【0048】ここで、分離溝16の深さであるが、金属
板11の厚み方向に対してその厚みの20〜80%の深
さに形成するのが望ましいが、金属板11の厚みの半分
とするのが一般的である。これは次のような理由によ
る。すなわち、分離溝16の深さが金属板11の厚みの
20%以下では、金属板11のフレーム他面を削り取る
のに長時間を有し、経済的ではない。一方、分離溝16
の深さを金属板11の厚みの80%以上とすれば、分離
溝16が深くなり過ぎて、配線パターン17を独立した
島状パターンとした場合に、その位置を正確に保持する
ことが困難となる。なお、この比率は30〜60%程度
であることが望ましく、そうすれば、削り取りに要する
時間と配線パターン16の機械的強度の強化、さらには
大電流に対応して配線パターン17の厚みが適切な範囲
となる。そこで、本実施の形態では金属板11の厚みの
約半分としている。またエッチング処理を施すのを分離
溝のみでなく任意の配線パターンに対しても、エッチン
グを施すことで所望の厚み幅を有する配線パターンを形
成することが可能である。このような厚みの異なる配線
パターンを形成することで、高密度実装時における局所
的な異常発熱の防止にもつながる。
【0049】最後に苛性ソーダなどで硬化したレジスト
露光部15を剥離することで、図1(f)に示すリード
フレーム18を形成する。その後、リードフレーム18
の主面をめっき処理、もしくは/さらに表面粗化する工
程を追加することも有効であり、そうすれば、後の工程
で配設する絶縁シート材とリードフレーム18とを成型
一体化したときの両者の密着性をさらに良くすることが
できるようになる。このよな処理は少なくとも分離溝1
6の内面に対して行えばよい。
【0050】以上は、リードフレーム18を作製するに
あたり、レジスト膜12を形成しエッチング法を用いて
凹凸パターンを作製する方法であるが、例えばスクリー
ン印刷法などで配線パターンに対応した逆パターンを印
刷して、化学エッチング法で分離溝16を形成する方法
や、エッチング法以外のサンドブラスト法などで分離溝
16を形成してもよい。
【0051】次に、このようにして形成したリードフレ
ーム16を用いた回路基板の製造方法を説明する。図2
(a)〜(e)は、本実施の形態の回路基板の製造方法
を示す工程図である。まず、図2(a)、(b)に示す
ように、上述した工程で作製したリードフレーム18と
絶縁シート材20とを準備する。絶縁シート材20は、
その厚み寸法がリードフレーム18の分離溝16の深さ
寸法より大きいシート材とする。
【0052】絶縁シート材20は次のようにして作製す
る。すなわち、少なくとも未硬化状態の熱硬化性樹脂と
無機フィラーからなる絶縁物とをシート状に加工するこ
とで、熱伝導性に優れた絶縁シート材20を作製する。
この絶縁シート材20に含まれる熱硬化樹脂は、エポキ
シ系樹脂、フェノール系樹脂若しくはシアネート系樹脂
の少なくとも1種類から構成されるのが好ましい。これ
は次のような理由による。すなわち、これらの樹脂から
なる絶縁シート材20を硬化させて回路基板を形成すれ
ば、高温時における電気絶縁性に優れた回路基板を得る
ことができる。特に、エポキシ系樹脂は、半導体封止樹
脂やプリント基板等で良く知られているように、電気特
性ばかりでなく、耐薬品性、機械的性能(強度等)に優
れた回路基板となる。
【0053】また無機フィラーは、アルミナ、シリカ、
マグネシア、窒化アルミニウム及び窒化ホウ素から選ば
れた少なくとも1種の粉末で構成されるのが好ましい。
これは次のような理由による。すなわち、アルミナ、窒
化アルミニウムを無機フィラーとして用いた場合には、
熱伝導性に優れた回路基板となる。また、マグネシアで
は、熱伝導度が良好になり、かつ熱膨張整数を大きくす
ることができる。さらには、シリカ(特に、非晶質シリ
カ)であれば、熱膨張係数が小さく、かつ、軽量で、さ
らには、誘電率の小さい回路基板とすることができる。
無機フィラーの添加量は、絶縁シート材全体の70〜9
5重量%程度が望ましいが、良好な熱伝導性を要求され
る回路基板においては、90重量%以上の高い無機フィ
ラー充填量にすることが望ましい。
【0054】次に、図2(c)に示すように、配線パタ
ーン17を形成したリードフレーム18の主面に、未硬
化状態の絶縁シート材20を重ね合せ配置した後、さら
に図2(d)に示すように、リードフレーム18を絶縁
シート材20に向けて相対的に加圧し、さらに加熱する
ことで、絶縁シート材20の硬化およびリードフレーム
18と絶縁シート材20との接着を行って絶縁層22を
形成する。このときリードフレーム18の分離溝16内
に絶縁シート材20を押し込むことで分離溝16の内部
を絶縁シート材20で埋め込む。
【0055】このとき、リードフレーム18のフレーム
他面上に残存させる絶縁シート材20の厚み(図2中、
符号tで表示)を、0.02mm〜2mmに設定するこ
とが好ましい。これは次のような理由による。すなわ
ち、厚みtが0.02mm以下であると、完成した回路
基板が配置される放熱面との間の浮遊容量が大きくなっ
てノイズを伝播し易くなる。一方、厚みtが2mm以上
であると、熱抵抗が高くなって放熱効率が極端に低下
し、場合によっては回路基板上に実装した電子部品(半
導体装置等)の発熱温度以上まで温度が上昇して、電子
部品を破壊させてしまうことにもなりかねない。以上の
理由により、上記厚みtを0.02mm〜2mmに設定
するのが好ましい。
【0056】次に、図2(e)に示すように、リードフ
レーム18の他面(絶縁層22が接着された主面とは反
対側の面)を、分離溝底部の絶縁層22が露出するまで
エッチングする。これにより、エッチング処理後も配線
パターン17は残存し、しかも残存する配線パターン1
7は、絶縁層22内に埋設された状態となり、これによ
って配線パターン17と絶縁層22とを有する回路基板
24が形成される。このようにして配線パターン17を
絶縁層22に一体化させるので、リードフレーム18内
に、配線パターン17に連結された外枠を設けることな
く、微細な配線パターン17の構造を形成することがで
き、したがって、回路基板24に高密度配線を形成する
ことができるようになる。さらには、リードフレーム1
8に、配線パターン17を削り出し形成(本実施の形態
ではエッチングによる蝕刻形成)するので、リードフレ
ーム18を絶縁シート材20に向けて相対的に加圧する
際に、リードフレーム18内の配線パターン17が位置
ずれすることはない。そのため、配線パターン17の位
置ずれを防止するタイバー等の構造をリードフレーム1
8に設ける必要がなくなり、その分、さらにはリードフ
レーム18内に高密度配線を形成することができる。特
にリードフレーム18を絶縁シート材20に向けて相対
的に加圧することで分離溝16に絶縁シート材20を充
填させるので、接続不良の原因となる樹脂バリ等の二次
的な不良構造が形成されることはなく、精度の高い樹脂
成形が可能となる。
【0057】このようにして形成した回路基板24は、
配線パターン17を絶縁層22内に埋没させることで配
線パターン17の下からだけでなく配線パターン17の
幅方向にも熱を放散させることができ、放熱を必要とす
る電源モジュールなどに有効なものとなる。
【0058】なお、リードフレーム18のフレーム他面
を分離溝底部の絶縁シート材が露出するまで削り取る工
程(図2(e)参照)において、リードフレーム18のフ
レーム他面の全面を一様に削り取るのではなく、その一
部を残すよう削り取ることで、配線パターン17上に任
意の形状の突起物25を形成することができる。この突
起物25の効用について、後述する。
【0059】また、図3(b)に示すように、リードフ
レーム18と絶縁シート材20とを一体化する工程(図
2(d)参照)において、絶縁シート材20(絶縁層2
2)の裏面(リードフレーム18と接着しない面)に、
金属製の放熱板32を同時に接着させてもよい。そうす
れば、より均一な放熱性に富み、しかもその放熱が均一
な回路基板を作製できる。
【0060】さらに、図4に示すように、絶縁シート材
20と一体化したリードフレーム18の他面をエッチン
グにより削り取る際に、さらにエッチングを継続して行
い、絶縁層22に埋設配置されている配線パターン17
の露出面(分離溝16の底部に位置していた部分)を更
に選択的に削り取ることで、絶縁層22内において配線
パターン17を若干凹んだ状態にして、配線パターン1
7上に凹み33を形成してもよい。そうすれば、配線パ
ターン17の表面が絶縁層22より凹んだ位置(凹み3
3)に配置されるので、回路基板24に電子部品を実装
する後の工程において、電子部品の位置合わせを容易に
かつ精度高く行えるようになる。これは、絶縁層22上
の凹み33の近傍に電子部品の外部接続端子を配置すれ
ば、外部接続端子は自然と凹み33に入り込んで、外部
接続端子と配線パターンとが当接するためである。ま
た、配線パターン17が凹み33内に配置されること
で、隣接する配線パターン17どうしは、凹み33の周
縁に沿って縁面距離が形成されるので、その分、縁面距
離が増加して、短絡しにくくなり、その分、高密度化が
達成でき、電源などの機器の小型化に貢献できる。
【0061】(第2の実施の形態)以下、本発明におけ
る第2の実施の形態を図面を参照して説明する。まず、
本実施の形態におけるリードフレームの製造方法を、図
5を参照して説明する。図5(a)〜(f)は、第2の
実施の形態におけるリードフレームの製造方法を示す工
程図である。図5(a)において、18は、第1の実施
の形態で説明したリードフレームであり、16は分離溝
である。17は配線パターンである。本実施の形態で
は、第1の実施の形態で説明したリードフレーム18を
加工することでさらなるリードフレーム49を作製して
いる。
【0062】図5(b)において、44はレジスト膜で
あり、このレジスト膜44をリードフレーム18の両面
に形成する。図5(c)において、45はフィルムマス
クパターンであり、このフィルムマスクパターン45を
リードフレーム18のフレーム主面となる一方面側のレ
ジスト膜44上に配置する。この際、フィルムマスクパ
ターン45は、配線パターン17の周囲を後のエッチン
グ工程で削り落とすマスク形状となっている。そして、
リードフレーム18の主面(フィルムパターン貼付面)
に対してUVを用いて露光する。このとき、同時にリー
ドフレーム18のフレーム他面(フィルムパターン未貼
付面)を全面露光する。
【0063】次いで、さらにレジスト膜44の現像を行
う。レジスト膜44は、露光後、露光部分のみ硬化する
ので、現像によってレジスト膜44の非露光部を除去す
ることで、図5(d)に示すようなレジスト露光部46
と、開口部47とを形成する。次に図5(e)に示すよ
うに、開口部47の底部に位置するリードフレーム18
の主面をエッチングする。これにより、配線パターン1
7の頂部の側縁を部分的に削り取って第1の突起物48
を形成する。
【0064】ここで、第1の突起物48の高さ寸法を含
めた分離溝16の深さであるが、第1の実施の形態の同
様、リードフレーム18の厚み方向に対してその厚みの
20〜80%の深さに形成するのが望ましいが、リード
フレーム18の厚みの半分とするのが一般的である。そ
の理由は第1の実施の形態と同様である。
【0065】最後に硬化したレジスト露光部46を苛性
ソーダなどで剥離することで、図5(f)に示すリード
フレーム49を形成する。その後、リードフレーム49
の主面をめっき処理、もしくは/さらに表面粗化する工
程を追加することも有効であり、そうすれば、後の工程
で配設する絶縁シート材とリードフレーム49とを成型
一体化したときの両者の密着性をさらに良くすることが
できるようになる。このような処理は少なくとも分離溝
16の内面に対して行えばよい。
【0066】以上は、第2の実施の形態であるリードフ
レーム49を作製するにあたり、レジスト膜44を形成
しエッチング法を用いて凹凸パターンを作製する方法で
あるが、例えばスクリーン印刷法などで配線パターン1
7に対応した逆パターンを印刷して、化学エッチング法
で分離溝16を形成する方法や、エッチング法以外のサ
ンドブラスト法などで分離溝16を形成してもよい。
【0067】次に、このようにして形成したリードフレ
ーム49を用いた回路基板の製造方法を説明する。図6
(a)〜(e)は、本発明における第2の実施の形態に
よる回路基板の製造方法を示す工程図である。まず、図
6(a)、(b)に示すように、上述した工程で作製し
たリードフレーム49と絶縁シート材51とを準備す
る。絶縁シート材51は次のようにして作製する。すな
わち、少なくとも未硬化状態の熱硬化性樹脂と無機フィ
ラーからなる絶縁物とをシート状に加工することで、熱
伝導性に優れた絶縁シート材51を作製する。この絶縁
シート材51に含まれる熱硬化樹脂は、エポキシ系樹
脂、フェノール系樹脂若しくはシアネート系樹脂の少な
くとも1種類から構成されるのが好ましい。また無機フ
ィラーは、アルミナ、シリカ、マグネシア、窒化アルミ
ニウム及び窒化ホウ素から選ばれた少なくとも1種の粉
末で構成されるのが好ましい。無機フィラーの添加量
は、絶縁シート材全体の70〜95重量%程度が望まし
いが、良好な熱伝導性を要求される回路基板において
は、90重量%以上の高い無機フィラー充填量にするこ
とが望ましい。
【0068】次に、図6(c)に示すように、配線パタ
ーン17と第1の突起物48とを形成したリードフレー
ム49の主面に、未硬化状態の絶縁シート材51を重ね
合せ配置した後、さらに図6(d)に示すように、リー
ドフレーム49を絶縁シート材51に向けて相対的に加
圧し、さらに加熱することで、絶縁シート材51の硬化
およびリードフレーム49と絶縁シート材51との接着
を行って絶縁層52を形成する。このときリードフレー
ム49の分離溝16内、および第1の突起物48の周囲
に絶縁シート材51を押し込むことで分離溝16の内
部、および第1の突起物48の周囲を絶縁シート材51
で埋め込む。絶縁層52を形成したのち、絶縁層52の
表面を第1の突起物48が完全に露出するまで研磨して
もよく、そうすれば、第1の突起物48と外部との導通
が確実に行えるようになる。
【0069】次に、図6(e)に示すように、リードフ
レーム49の他面(絶縁層52が接着された主面とは反
対側の面)を、分離溝底部の絶縁層52が露出するまで
エッチングする。これにより、エッチング処理後も配線
パターン17は残存し、しかも残存する配線パターン1
7は、絶縁層52内に埋設された状態となり、これによ
って一方表面には配線パターン17と絶縁層52とを有
し、かつ他方表面には配線パターン17と一体化されて
いる任意の形状の第1の突起物48が絶縁層52中に残
存配置された形状を有する回路基板53が形成される。
【0070】以上のようにして、第1の突起物48を有
する回路基板53が形成されるのであるが、図7(a)
に示すように、リードフレーム49の他面を、分離溝底
部の絶縁層52が露出するまでエッチングする工程(図
6(e)参照)において、リードフレーム49のフレーム
他面の全面を削り取るのではなく、その一部を残すよう
削り取ることで、配線パターン17上にも任意の形状を
有する第2の突起物54を形成することができる。
【0071】さらに、図7(b)に示すように、絶縁層
52と一体化したリードフレーム49の他面をエッチン
グにより削り取る際に、さらにエッチングを継続して行
い、絶縁層52に埋設配置されている配線パターン17
の露出面(分離溝16の底部に位置していた部分)を更
に選択的に削り取ることで、絶縁層52内において配線
パターン17を若干凹んだ状態にして、配線パターン1
7上に凹み55を形成してもよい。そうすれば、第1の
実施の形態における凹み33と同様の作用効果を発揮で
きる。
【0072】このようにして形成した回路基板53は、
第1の実施の形態の回路基板24と同様の作用効果を発
揮できる。
【0073】さらにまた、図7(a)、図7(b)に示
す回路基板を複数積層して多層基板構造を構成すること
もできる。以下、このような多層基板構造を図8を参照
して説明する。すなわち、積層の際に、一方の回路基板
の第2の突起物54(図8(b)参照)と対向する位置
に、他方の回路基板の第1の突起物48を形成するとと
もに、この第1の突起物48に凹み56を形成する(図
8(a)参照)。さらには、この凹み56に導電性ペー
スト57を充填する。そして、図8(c)に示すよう
に、これら回路基板を積層して凹み56に第2の突起物
54を挿入する。これにより、両方の回路基板の配線パ
ターン17どうしを、第2の突起物54の挿入部位にお
いて導電性ペースト57を介して電気的に接続して多層
化する。このような接続部位を各回路基板の表裏それぞ
れで形成することで、何層にもわたって多層化すること
ができる。
【0074】(第3の実施の形態)図9(a)〜(e)
は、本発明における第3の実施の形態による回路基板の
製造方法を示す工程図である。まず、図9(a)に示す第
1の回路基板基材60と、図9(b)に示す第2の回路基
板基材61とを準備する。第1の回路基板基材60は、
第2の実施の形態におけるリードフレーム49と絶縁シ
ート材51とを一体化したもの(図6(d)参照)である。
第2の回路基板基材61は、絶縁シート材62の一方面
に接地導体(放熱板を兼ねる)63を、他方面に容量電極
パターン64をそれぞれ貼り付けたものである。
【0075】次に、図9(c)に示すように、第1の回
路基板基材60と、第2の回路基板基材61とを重ね合
わせる。このとき、第1の突起物48の露出端と、容量
電極パターン64とが向き合うように、第1、第2の回
路基板基材60、61を対向配置する。
【0076】さらに図9(d)に示すように、リードフ
レーム49を絶縁シート材62に向けて相対的に加圧
し、さらに加熱することで、絶縁シート材62の硬化お
よびリードフレーム49と絶縁シート材62との接着を
行って絶縁層65を形成する。このときリードフレーム
49の分離溝16内、および第1の突起物48の周囲に
絶縁シート材62を押し込むことで分離溝16の内部、
および第1の突起物48の周囲を絶縁シート材62で埋
め込む。さらに配線パターン17と一体になった第1の
突起物48と容量電極パターン64とを突き合わせて先
端どうしを当接させることで、配線パターン17と容量
電極パターン64とを電気的に接続する。
【0077】次に、図9(e)に示すように、リードフ
レーム49の他面(絶縁層65が接着された主面とは反
対側の面)を、分離溝底部の絶縁層65が露出するまで
エッチングする。これにより、エッチング処理後も配線
パターン17は残存し、しかも残存する配線パターン1
7は、絶縁層65内に埋設された状態となり、これによ
って一方表面には配線パターン17と絶縁層52とを有
し、かつ他方表面には接地導体63を有する回路基板6
6が形成される。
【0078】この回路基板66では、第1の突起物48
が層間接続体であるビアとして機能するために、配線パ
ターン17と容量電極パターン64とを簡単にかつ確実
に電気的に接続することができる。これは一つには、配
線パターン17と第1の突起物48とが一体となってい
るために両者の接続が不安定にならないことに起因して
いる。なお、第1の突起電極48と容量電極パターン6
4との接続性をさらに向上させるためには、例えば、第
1の突起電極48の頂部および/または容量電極パター
ン64に、相手側に噛合する鋭い突部を形成すればよ
い。
【0079】また、突起容量電極パターン64と接地導
体63と、これらの間に挟まれた絶縁層65とによりキ
ャパシタが形成されてノイズフィルタとして機能する。
そのため、この回路基板66は、より均一な放熱性を有
し、しかもその放熱が均一となるばかりではなく、電磁
放射雑音の低減に対しても有効な効果を発揮できる。
【0080】以上のようにして、ノイズフィルタとして
機能する回路基板66が形成されるのであるが、図10
(a)に示すように、第2の突起物67を形成してもよ
い。この第2の突起物67は、第2の実施の形態におけ
る第2の突起物54(図7(a)参照)と同様の構成であ
り、同様の作用効果を発揮する。
【0081】さらに、図10(b)に示すように、配線
パターン17上に凹み68を形成してもよい。そうすれ
ば、第1の実施の形態における凹み33と同様の作用効
果を発揮できる。
【0082】以下、具体的実施例により本発明を更に詳
細に説明する。
【0083】この実施例の回路基板製造方法では、次に
示す第1、第2、第3のリードフレームという3種類の
リードフレームを用いた。
【0084】第1のリードフレーム 第1の実施の形態に対応する第1のリードフレーム18
の作製に際しては、金属板11として、一定の厚み1.
0mmを有する銅板(神戸製鋼製:KFC 1/2)を
準備した。金属板11の主面に任意のパターン形状を有
するレジスト膜を形成するため、ドライフィルムレジス
トを用いてロールラミネート装置により、金属板11の
両面にレジスト膜12の形成を行った。ドライフィルム
レジストは、プリント基板のパターニングに使用される
一般的なものである。(ドライフィルムレジスト:日立
化成工業製 H−S930−30)。
【0085】次に両面にドライフィルム12を形成した
金属板11に紫外線露光装置を用いて、配線パターンを
描画したフィルムマスクパターン13を介して密着露光
を行った。このとき、金属板11の他面(フィルムマス
クパターン13を形成しない面)は全面露光した。次
に、露光した金属板11上のドライフィルムレジストを
現像液中で処理し、レジスト露光部15だけを選択的に
紫外線により硬化して残存させ、フィルムマスクパター
ン13により露光されなかった部分レジスト膜は除去し
て開口部(金属板11が露出している)14を形成し
た。
【0086】さらにレジスト露光部15が形成された金
属板11を塩化鉄溶液中でエッチング処理することで、
金属板11の主面にのみ厚み方向に対して一様な深さを
持つ分離溝16と、この分離溝16により金属板11の
平面方向に分離された配線パターン17とを形成した。
このときエッチング処理する時間を変更することによ
り、金属板11に形成する分離溝16の深さを制御する
ことができた。第1のリードフレームでは、0.5mm
の厚みの金属板に対し、約半分の0.25mm深さの溝
を形成した。
【0087】最後にレジスト露光部15を苛性ソーダで
処理することで除去することで、表面に任意の配線パタ
ーン17と分離溝16とを有する第1のリードフレーム
18を作製した。
【0088】第2のリードフレーム 第1の実施の形態に対応する第2のリードフレーム18
の作製に際しては、金属板11として、一定の厚み0.
5mmを有する銅板(神戸製鋼製:KFC 1/2)を
準備した。そして、金属板11の主面に任意のパターン
形状を有するレジスト膜12を形成した。レジスト膜1
2はスクリーン印刷法でレジストペーストを印刷して形
成した。すなわち、任意のパターンを形成したスクリー
ン版を用いてスキージにより金属板11の表面に印刷し
た。レジストペーストはバインダとしてブチラール樹脂
とターピネオールを混練したものを用いた。レジスト膜
12を形成した金属板11を100℃10間乾燥機によ
り溶剤の乾燥を行った。乾燥後のレジスト膜12はブチ
ラール樹脂の膜(厚み約30μm)となる。一方、金属
板11の他面には同様に全面にレジスト印刷・乾燥を行
った。
【0089】次にレジスト膜12を形成した金属板11
を塩化鉄溶液中でエッチング処理することで、金属板1
1の主面にのみ厚み方向に対して一様な深さを持つ分離
溝16とこの分離溝16により金属板11の平面方向に
分離された配線パターン17とを形成した。このときエ
ッチング処理する時間を変更することにより、金属板1
1に形成する分離溝16の深さを制御することができ
た。第2のリードフレームでは、0.5mmの厚みの金
属板11に対し、約半分の0.25mm深さの分離溝1
6を形成した。
【0090】最後にレジスト膜12を溶剤を用いて溶解
除去し、その面を電解ニッケルメッキ法で5μmの厚み
までメッキ処理した。これにより表面にニッケルメッキ
処理された任意の配線パターン17と、配線パターン1
7を平面方向に分離する分離溝16とを有する第2のリ
ードフレーム18を作製した。さらにこの第2のリード
フレーム18の表面を、アルミナ粉末を吹き付けるサン
ドブラスト処理を行った。サンドブラスト処理をするこ
とで、熱硬化性樹脂との密着性を強化することが可能と
なる。粗化度は吹き付けるアルミナ粉末粒径で制御でき
た。
【0091】第3のリードフレーム 第2の実施の形態に対応する第3のリードフレーム49
の作製に際し、第1もしくは第2のリードフレーム18
を準備した。リードフレーム18の主面には、予め、フ
レーム厚み方向に沿って刻まれた分離溝16と、この分
離溝16によりフレーム平面方向に沿って互いに分離さ
れた配線パターン17とが形成されている。そして、リ
ードフレーム18の主面に任意のパターン形状を有する
レジスト膜44をスクリーン印刷法でレジストペースト
を印刷して形成した。すなわち、任意のパターンを形成
したスクリーン版を用いてスキージによりリードフレー
ム18の表面に印刷した。レジストペーストはバインダ
としてブチラール樹脂とターピネオールを混練したもの
を用いた。レジスト膜44を形成したリードフレーム1
8を100℃10間乾燥機により溶剤の乾燥を行うと、
乾燥後のレジスト膜44はブチラール樹脂の膜(厚み約
30μm)となる。一方、リードフレーム18の他面に
対しても同様に全面にレジスト印刷・乾燥を行った。
【0092】次にレジスト膜44を形成したリードフレ
ーム18を塩化鉄溶液中でエッチング処理して、第1の
突起物48を形成した。このリードフレーム18におい
ては、配線パターン17の周囲を厚み方向に対して一様
な深さにエッチングすることで第1の突起物48を形成
した。このときエッチング処理する時間を変更すること
により、第1の突起物48の深さを制御することができ
る。第3のリードフレーム49では、第1もしくは第2
のリードフレーム18で形成された配線パターン17の
厚みの半分をエッチング処理することで配線パターン1
7上に第1の突起物48を形成した。
【0093】最後にレジスト膜44を溶剤を用いて溶解
除去し、その面を電解ニッケルメッキ法で5μmの厚み
までメッキ処理した。これにより表面にニッケルメッキ
処理された任意の配線パターン17と、配線パターン1
7を平面方向に分離する分離溝16と、配線パターン1
7上に形成される第1の突起物48とを有する第3のリ
ードフレーム49が完成する。さらにこの第3のリード
フレーム49の表面を、アルミナ粉末を吹き付けるサン
ドブラスト処理を行った。サンドブラスト処理をするこ
とで、熱硬化性樹脂との密着性を強化することが可能と
なる。粗化度は吹き付けるアルミナ粉末粒径で制御でき
た。
【0094】第1の実施の形態に対応する実施例におけ
る回路基板の製造方法 まず無機フィラーと熱硬化樹脂による絶縁シート材20
の作製方法から述べる。本実施例に使用した絶縁シート
材20の作製方法は、無機フィラーと液状の熱硬化樹
脂、適度の溶剤を攪拌混合機により混合する。使用した
攪拌混合機は、所定の容量の容器に無機フィラーと液状
の熱硬化樹脂、溶剤を投入し、容器自身を自転させなが
ら公転させるもので、比較的粘度が高くても充分な分散
状態が得られるものである。本実施例では、絶縁シート
材20の配合および組成を互いに違えて各サンプルを作
製した。
【0095】各サンプルにおける絶縁シート材20の具
体的な作製方法は次の通りである。すなわち、各サンプ
ル毎に秤量・混合された絶縁シート材20の材料(ペー
スト状の混合物)の所定量を取って、離型フィルム上で
造膜させる。ここで、離型フィルムとして厚み75μm
の表面にシリコンによる離型処理を施されたポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを用いた。そして、混練した
材料をドクターブレード法で一定厚みに造膜させた。
【0096】次に、離型フィルム上の混合物を離型フィ
ルムごと加熱し、粘着性が無くなる条件下で乾燥熱処理
した。この乾燥熱処理により含有される溶剤は除去され
るので、本実施例の各サンプルでは溶剤添加量を示して
いない。熱処理条件は、温度が120℃で15分間保持
とした。これにすることで前記混合物から、厚み500
μmの粘着性のない絶縁シート材20ができた。本実施
例で用いる熱硬化エポキシ樹脂は、硬化開始温度が13
0℃であるため、前記熱処理条件下では、未硬化状態
(Bステージ)であり、以降の工程で加熱により再度溶
融させることができた。
【0097】作製した絶縁シート材20を、第1のリー
ドフレーム18もしくは第2のリードフレーム18の主
面に向かい合うように位置合わせして重ね合わせたの
ち、この積層体を、厚み10mmの2枚の加圧板の間に
挟んで150℃条件下で50kg/cm2の圧力で加熱
加圧した。このとき第1、第2のリードフレーム18の
分離溝16には絶縁シート材20が入り込んで完全に充
填された。さらには絶縁シート材20中の熱硬化樹脂は
加熱により硬化されて絶縁層22となり、さらに第1、
第2のリードフレーム18と機械的に接着した。このよ
うにして作製された絶縁層22と第1ないし第2のリー
ドフレーム18の一体物である回路基板24を塩化鉄溶
液中に浸漬することで、第1ないし第2リードフレーム
18の表面をエッチング処理した。
【0098】このとき第1ないし第2のリードフレーム
18の主面のエッチング処理は、少なくとも分離溝16
底部の絶縁層22が露出するまで行った。これにより絶
縁層22中に配線パターン17だけが埋設された回路基
板24が得られた。なおこのとき、エッチング処理する
時間をさらに長くすることで、絶縁層22に埋設された
配線パターン17が絶縁シート材20の表面より凹んだ
構造の回路基板24を得ることも可能である。このよう
な配線パターン27が凹んだ構造を有する回路基板24
は、後工程における部品実装で部品の位置合わせをする
上で有効なものとなる。さらに第1ないし第2のリード
フレーム18の主面のエッチング処理作業において、レ
ジスト膜を造膜して、露光現像を施してからエッチング
作業を行うことで、任意の配線パターン上に突起物を形
成した。この突起物を形成することで、部品の高密度実
装や基板の多層化を容易に実現することが可能となっ
た。
【0099】なお、本実施例では、液状熱硬化樹脂であ
るエポキシ樹脂として、日本ペルノックス(株)製(W
E−2025、酸無水系硬化剤含む)、フェノール樹脂
としては、大日本インキ(株)製(フェノライト VH
4150)、シアネート樹脂としては、旭チバ(株)製
(AroCy M−30)を用いた。
【0100】第2の実施の形態に対応する実施例におけ
る回路基板の製造方法 上述した第1の実施の形態の実施例における絶縁シート
材20と同様の方法で作製した絶縁シート材51を、第
3のリードフレーム49の主面に向かい合うように位置
合わせして重ね合わせた後、この積層体を厚み10mm
の2枚の加圧板の間に挟んで150℃条件下で50kg
/cm2の圧力で加熱加圧した。このとき第3のリード
フレーム49の分離溝16には絶縁シート材51が入り
込む形で完全に充填され、第1の突起物48は、その先
端を絶縁シート51から露出させた状態で絶縁シート5
1内に収納配置されている。さらには絶縁シート材51
中の熱硬化性樹脂は加熱処理により硬化されて絶縁層5
2となり、第3のリードフレーム49と機械的に接着し
た。このようにして作製された絶縁層52と第3のリー
ドフレーム49の一体物を塩化鉄溶液中に浸漬すること
で、第3のリードフレーム49の表面に対してエッチン
グ処理を施して、回路基板53を製作した。
【0101】また、別の製造方法として、上述の方法で
作製された絶縁シート材51を、第3のリードフレーム
49の主面に向かい合うように位置合わせして重ね合わ
せたのち、この積層体を、厚み10mmの2枚の加圧板
の間に挟んで65℃条件下で25kg/cm2の圧力で
加熱加圧してリードフレーム49と絶縁シー材51とを
仮圧着させた。このとき第3のリードフレーム49の分
離溝16には絶縁シート材51が入り込んで完全に充填
され、第1の突起物48は絶縁シート51内に収納配置
されている。この時点では、絶縁シート51は未硬化状
態である。
【0102】次に、上記絶縁シート51とは異なるもう
一つの絶縁シート材62に、金属板からなる接地導体6
3を重ね合わせたのち、この積層体を、厚み10mmの
2枚の加圧板の間に挟んで65℃条件下で25kg/c
m2の圧力で加熱加圧して接地導体63と絶縁シート材
62とを仮圧着させた。その後、接地導体63に仮圧着
させた絶縁シート材62上に、導電性ペーストからなる
容量電極パターン64を塗付する。そして、リードフレ
ーム49を含む積層体と接地導体63を含む積層体と
を、容量電極パターン64がリードフレーム49の第1
の突起物48に対して互いに面する形にして、厚み10
mmの2枚の加圧板の間に挟んで150℃条件下で50
kg/cm2の圧力で加熱加圧した。これにより絶縁シ
ート材62中の熱硬化樹脂は加熱により硬化されて絶縁
層65となり、さらに第3のリードフレーム49と機械
的に接着し、さらに配線パターン17と容量電極パター
ン64は電気的に接続される。次にこの積層体を塩化鉄
溶液中に浸漬することで、第3のリードフレーム49の
表面をエッチング処理を施して回路基板66が完成し
た。
【0103】このようにして作製した本実施例の各サン
プルの性能を次のように評価した。
【0104】評価した項目は、回路基板のそり、熱抵
抗、埋設した配線パターンの端子強度である。各評価方
法の詳細は以下の通りである。
【0105】(基板そりの評価方法)リードフレームが
埋設された回路基板24の絶縁層22を上にして設置
し、レーザ測長器にて長手方向の高さを測定する。基板
そりは100mm幅を測長してその凹凸の最大値を求
め、絶縁層22に対して凸状のそりの場合はプラス、凹
状のそりの場合はマイナスで表現する。
【0106】回路基板24を通して部品の発熱を放散さ
せるためには、基板そりが±100μm/100mm幅
以内が望ましい。それより大きい場合は放熱が効率よく
行うことができなくなり、部品発熱量で動作しないばか
りか実装する電子部品(半導体装置など)の故障の原因
となる。
【0107】(熱抵抗の評価方法)熱抵抗測定器「キャ
ッツ電子設計(株)製」を用いて行った。動作原理は、
次の通りである。すなわち、実施例で作製した回路基板
24に物性の明確な半導体(IGBT、SOパッケー
ジ)を配線パターン17の端子に直接半田付けし、絶縁
層22の表面にシリコン系の熱伝導グリスを介して理想
放熱ヒートシンクに接着させる。理想放熱ヒートシンク
は冷却ファンや熱電素子などで常に室温に保持できるよ
うにするために使用する。実装した半導体素子に所定の
電圧を供給して発熱させ、半導体のベース、エミッタ間
の電圧(VBE)の温度特性から半導体素子の温度を知
る。このようにして半導体の温度と理想ヒートシンクの
温度差から回路基板24の熱抵抗値を求めることができ
る。熱抵抗には、過渡熱抵抗と飽和熱抵抗があり、ごく
短時間(0.8秒)の放熱性を示すのが過渡熱抵抗、飽
和した状態(60秒)の熱抵抗が飽和熱抵抗である。ご
く短時間に大電流を処理するような回路(オーディオ用
パワーアンプなど)の場合は過渡熱抵抗が重視される
が、一般的なパワー回路(スイッチング電源やインバー
タ回路など)には飽和熱抵抗が問題となる。
【0108】厚さ0.5mmの第1のリードフレーム1
8を用いて作製し、完成した回路基板24において、リ
ードフレーム18直下の厚みt(図2(e)で符号tで
表示)を500μmとした場合には、単位面積当たりの
飽和熱抵抗値の目標値は、0.6℃/W、過渡熱抵抗値
の目標値は1.0℃/Wとなる。飽和熱抵抗目標値は、
1W当たり0.6℃発熱することを示しており、通常の
プリント基板(ガラスエポキシ基板)の熱抵抗値(約1
2℃/W)に比べて極めて放熱に優れた基板と言える。
【0109】(リードフレーム端子強度の評価方法)回
路基板24の取り出し端子部から、配線パターン17の
一部(幅1.5mm長さ10mm)を取り出し、その最
大強度を引っ張り試験機を用いて測定する。具体的に
は、取り出した配線パターン17の一部を垂直に曲げて
引っ張ることで測定を行う。
【0110】端子として配線パターン17の強度が2.
0Kg以上あれば切断、曲げ加工時のストレスに十分耐
えうることが判っている。
【0111】本実施例(回路基板24)の各サンプルの
性能の評価結果は、次の表1に示す通りである。
【0112】
【表1】 この表1から明らかなように、各種フィラーと熱硬化樹
脂選択時の回路基板24の諸特性は、概ね良好なもので
ある。無機フィラーとしてアルミナを89重量%添加し
た各サンプルでは、熱抵抗値が目標値を満足するだけで
なく、熱膨張係数がリードフレーム材料である銅とほぼ
同じ程度であるため、基板そりが小さい。また窒化アル
ミ粉末を添加した各サンプルでは、さらに熱抵抗値を低
下させることができる。また同様にエポキシ樹脂を用い
た各サンプルでは、リードフレームの端子強度に優れて
いることが判る。
【0113】同様に本発明の回路基板24の作製に際
し、リードフレーム18の表面にメッキ処理を加えた回
路基板24の性能を併せて表1に示す。これはリードフ
レーム18の表面に、電解ニッケルめっき処理を施すこ
とでリードフレーム18(配線パターン17)の金属酸
化防止に有効となるばかりでなく、接着強度の改善につ
ながる。リードフレーム18(配線パターン17)の表
面が銅だけの場合、種々の工程中で表面酸化が起こり、
酸化銅層が熱硬化樹脂との接着の障害となるからであ
る。また表面酸化により半田濡れ性の障害となることを
防止している。さらにニッケルめっきなどの表面処理に
加え、アルミナ粉末を吹き付けるサンドブラスト処理に
より表面を物理的に粗化処理することで、さらにリード
フレーム18(配線パターン17)の接着強度の改善で
きることが判る。
【0114】さらには、本実施例では、第2の回路基板
24の絶縁層22にさらに放熱板32を接着硬化させた
回路基板24のサンプルについても作製した。すなわ
ち、絶縁シート材20とリードフレーム18とを、配線
パターン17を挟み込んで向かい合うようにして重ね合
わせた。そして、絶縁シート材20側に放熱板32とな
る銅板(厚さ1mm;ニッケルめっき処理5μm)をさ
らに重ね合わせた。この重ね合わせたリードフレーム1
8、絶縁シート材20および放熱板32を、厚み10m
mの2枚の加圧板の間に挟んで150℃条件下で50k
g/cm2の圧力で加熱加圧した。このときリードフレ
ーム18の分離溝16内には、絶縁シート材20が入り
込んで完全に充填され、しかも絶縁シート材20中の熱
硬化樹脂は加熱により硬化してリードフレーム18と放
熱板32とを機械的に接着した。このようにして作製さ
れた絶縁層22とリードフレーム18と放熱板32との
一体物を塩化鉄溶液中に浸漬してリードフレーム18の
表面をエッチング処理した。このときリードフレーム1
8のエッチング処理は、分離溝16の底部の絶縁層22
が表面に現れるまで行った。
【0115】このようにして作製した放熱板付回路基板
のサンプルについても、評価を行い、その結果を上述し
た表1に示す。
【0116】表1から明らかなように、放熱板32を備
えたサンプルでは、放熱板32を設けることで放熱特性
を良好にできるほか、基板のそり防止効果をさらに向上
させることができるとともに、機械的強度を向上させる
効果があることがわかる。なお、放熱板32は、単なる
板状のものだけでなく、放熱面積を大きくしたヒートシ
ンクを用いてもよいのはいうまでもない。
【0117】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の回路基板
の製造方法によれば、放熱性に優れパターン設計が容易
な回路基板を得ることができる。さらには本発明の製造
方法によれば、リードフレーム上に樹脂バリの無い回路
基板を得ることがが可能となるため、部品実装などの後
工程を考慮にいれても有効な手段と考えられる。また任
意の導体配線パターンの厚みを可変にしたり、突起物を
構成することで、放熱性を向上させることが可能であ
る。その結果熱抵抗や配線抵抗も小さくすることができ
る。その上、絶縁シート材中に導電性ペーストを充填し
てから加圧させることで、特定の突起物をシールド層に
よって電気的に接続させることで、接続の安定性が保た
れ、ノイズフィルタを構成することが可能となり、近年
問題となっているEMI対策においても有効な回路基板
となる。さらには、絶縁層表面がリードフレームパター
ンより突出した構造を形成することもできるため、配線
パターン間の縁面距離を大きくできる。このことは換言
すれば、配線パターン間を狭めても平坦である場合より
絶縁距離を確保できるということを示しており、それだ
け高密度化が達成でき、電源などの機器の小型化に貢献
できるものである。
【0118】また、本発明のリードフレームによれば、
タイバーといった位置決め用の配線パターン部分が不要
で、任意の形状を有した他のフレーム部分との接続部分
がない、高密度実装に適したリードフレームが得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における第1の実施の形態による回路
基板の製造方法におけるリードフレームの製造過程を示
す工程別断面図である。
【図2】 本発明における第1の実施の形態の回路基板
の製造方法におけるリードフレームと絶縁シート材との
接合過程を示す工程別断面図である。
【図3】 本発明の変形例を示す断面図である。
【図4】 本発明の他の変形例を記す断面図である。
【図5】 本発明の第2の実施の形態による回路基板の
製造方法におけるリードフレームの製造過程を示す工程
別断面図である。
【図6】 本発明の第2の実施の形態による回路基板の
製造方法におけるリードフレームと絶縁シート材との接
合過程を示す工程別断面図である。
【図7】 本発明の変形例を示す断面図である。
【図8】 本発明の他の変形例を示す断面図である。
【図9】 本発明の第3の実施の形態による回路基板の
製造方法におけるリードフレームと絶縁シート材との接
合過程の変形例を示す工程別断面図である。
【図10】 本発明のさらに他の変形例を示す断面図で
ある。
【図11】 従来例の製造方法で作製された回路基板の
構成を示す断面図である。
【図12】 従来例の製造方法で用いられるリードフレ
ームの構成を示す平面図である。
【図13】 従来例の製造方法で用いられるリードフレ
ームの他の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
16 分離溝 17 配線パタ
ーン 18 リードフレーム 44 レジスト
膜 45 フィルムマスクパターン 46 レジスト
露光部 47 開口部 48 第1の突
起物 49 リードフレーム 51 絶縁シー
ト材 52 絶縁層 53 回路基板 54 第2の突起物 55 凹み 60 第1の回路基板基材 61 第2の回
路基板基材 62 絶縁シート材 63 接地導体 64 容量電極パターン 65 絶縁層 66 回路基板 67 第2の突
起物 68 凹み
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/03 610 H05K 1/03 610K 610L 1/09 C 1/09 3/00 A 3/00 3/38 B 3/38 3/40 Z 3/40 H01L 23/12 J Q (72)発明者 中谷 誠一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 稲葉 圭司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 松岡 康之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4E351 AA01 BB01 BB24 BB26 BB30 BB33 BB35 BB38 DD04 DD10 DD12 DD19 DD24 DD54 DD56 GG02 GG04 4K024 AA03 AA07 AA22 BA09 BB13 GA16 5E317 AA21 BB01 BB11 CC52 CC60 CD31 GG14 5E338 AA16 BB02 BB12 BB25 BB61 BB63 CC01 CC06 CC08 CD01 EE02 EE22 5E343 AA01 AA12 BB02 BB03 BB08 BB16 BB24 BB28 BB34 BB43 BB44 BB54 BB67 BB71 DD57 DD62 EE41 GG04 GG16

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁樹脂シートとリードフレームとを積
    層一体化した回路基板であって、 前記リードフレームを、基板周縁から離間して基板中央
    部に配置したことを特徴とする回路基板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の回路基板であって、 前記リードフレームは、前記絶縁樹脂シートから露出す
    る面を有し、かつ、この露出面に突起物を有することを
    特徴とする回路基板。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の回路基板であって、 前記リードフレームは、前記絶縁樹脂シートから露出す
    る面を有し、かつ、この露出面の裏面には、前記絶縁樹
    脂シートの内部に突出する突起物を有することを特徴と
    する回路基板。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の回路基板であっ
    て、 前記突起物の高さが、前記リードフレームの厚みの20
    〜80%の範囲であることを特徴とする回路基板。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の回路基板であって、 前記突起物は、前記絶縁樹脂シートを貫通して前記リー
    ドフレームに対向する絶縁シートの表面に達するもので
    あることを特徴とする回路基板。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の回路基板であって、 前記絶縁樹脂シートは内部配線パターンを有し、この内
    部配線パターンと前記突起物とが電気的に接続されてい
    ることを特徴とする回路基板。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の回路基板であって、 前記突起物を挟んで前記リードフレームと対向する絶縁
    樹脂シートの表面に、接地導体が設けられていることを
    特徴とする回路基板。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の回
    路基板であって、 前記リードフレームが、銅、鉄、アルミニウム、ニッケ
    ルから選ばれた少なくとも1種を主成分とする金属板で
    あることを特徴とする回路基板。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の回
    路基板であって、 前記リードフレームが、0.1〜1.5mmの厚みを有
    する圧延板であることを特徴とする回路基板。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    回路基板であって、 前記リードフレームが、ニッケル、錫、はんだ合金の少
    なくとも1種類を用いためっき処理、および/または粗
    化処理されたものであることを特徴とする回路基板。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    の回路基板であって、 前記絶縁樹脂シートの厚みが、0.02mm〜1.35
    mmの範囲であることを特徴とする回路基板。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれかに記載
    の回路基板であって、 前記絶縁樹脂シートは、アルミナ、シリカ、マグネシ
    ア、窒化アルミニウム、および窒化ホウ素のうちから選
    ばれた少なくとも一つを含む無機フィラーを有するもの
    であることを特徴とする回路基板。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれかに記載
    の回路基板であって、 前記絶縁樹脂シートは、エポキシ系樹脂、フェノール系
    樹脂もしくはシアネート系樹脂のうちの少なくとも一つ
    を含む熱硬化性樹脂を有するものであることを特徴とす
    る回路基板。
  14. 【請求項14】 リードフレームの主面にフレーム厚み
    方向に沿って刻まれた分離溝と、この分離溝によりフレ
    ーム平面方向に沿って互いに分離された配線パターンと
    を形成する工程と、 前記フレーム主面に、前記分離溝の深さ寸法より大きい
    厚み寸法を有する絶縁シート材を配置したうえで、前記
    リードフレームをこの絶縁シート材に向けて相対的に加
    圧することで前記分離溝内に前記絶縁シート材を充填す
    る工程と、 前記リードフレームのフレーム他面を分離溝底部の絶縁
    シート材が露出するまで削り取ることで、前記配線パタ
    ーンだけを前記絶縁体シート材内に残存配置する工程
    と、 を含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の回路基板の製造方法
    であって、 前記配線パターンを形成する際に、前記配線パターンに
    突起物を形成することを特徴とする回路基板の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の回路基板の製造方法
    であって、 前記絶縁樹脂シートとして、内部配線パターンを有する
    ものを用い、 前記リードフレームを該絶縁シート材に向けて相対的に
    加圧することで、前記突起物を前記内部配線パターンに
    電気的に接続することを特徴とする回路基板の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 請求項14ないし16のいずれかに記
    載の回路基板の製造方法であって、 前記リードフレームのフレーム他面を削り取る際に、こ
    のフレーム他面の一部を残すよう削り取ることを特徴と
    する回路基板の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項14ないし17のいずれかに記
    載の回路基板の製造方法であって、 前記リードフレームとして、銅、鉄、アルミニウム、ニ
    ッケルから選ばれた少なくとも1種を主成分とする金属
    板を用いることを特徴とする回路基板の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項14ないし18のいずれかに記
    載の回路基板の製造方法であって、 前記リードフレームとして、0.1〜1.5mmの厚み
    を有する圧延板を用いることを特徴とする回路基板の製
    造方法。
  20. 【請求項20】 請求項14ないし19のいずれかに記
    載の回路基板の製造方法であって、 前記リードフレームを作製する際に、前記分離溝の内面
    に、ニッケル、錫、はんだ合金の少なくとも1種類を用
    いためっき処理、および/または粗化処理することを特
    徴とする回路基板の製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項14ないし20のいずれかに記
    載の回路基板の製造方法であって、 前記突起物の高さを含む前記分離溝の深さを、前記リー
    ドフレームの厚みの20〜80%に設定することを特徴
    とする回路基板の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項14ないし21のいずれかに記
    載の回路基板の製造方法であって、 前記分離溝に前記絶縁シート材を充填する際に、前記リ
    ードフレームのフレーム他面上に残存配置させる絶縁シ
    ート材の厚みを、0.02mm〜1.35mmに設定す
    ることを特徴とする回路基板の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項14ないし22のいずれかに記
    載の回路基板の製造方法であって、 前記フレーム他面を、分離溝底部の絶縁シート材が露出
    するまで削り取ったのち、残存する前記配線パターン
    を、露出した絶縁シート材より凹んだ位置まで選択的に
    削り取る工程をさらに含むことを特徴とする回路基板の
    製造方法。
  24. 【請求項24】 請求項14ないし23のいずれかに記
    載の回路基板の製造方法であって、 前記絶縁シート材として、熱硬化性樹脂を含有するもの
    を用いるとともに、前記絶縁シート材を前記リードフレ
    ームに向けて相対的に加圧する際に、前記絶縁シート材
    に含有する熱硬化性樹脂の硬化温度以上まで前記絶縁シ
    ート材を加熱することを特徴とする回路基板の製造方
    法。
  25. 【請求項25】 請求項14ないし23のいずれかに記
    載の回路基板の製造方法であって、 前記絶縁シート材として、熱硬化性樹脂を含有するもの
    を用いるとともに、前記絶縁シート材を前記リードフレ
    ームに向けて相対的に加圧した後、前記絶縁シート材に
    含有する熱硬化性樹脂の硬化温度以上まで前記絶縁シー
    ト材を加熱することを特徴とする回路基板の製造方法。
  26. 【請求項26】 フレーム主面にフレーム厚み方向に沿
    って刻み付けられた分離溝と、 前記フレーム主面に設けられて前記分離溝によりフレー
    ム平面方向に沿って互いに分離された配線パターンと、 を有することを特徴とするリードフレーム。
  27. 【請求項27】 請求項26記載のリードフレームであ
    って、 前記配線パターンの表面に突起物を有することを特徴と
    するリードフレーム。
  28. 【請求項28】 請求項26または27記載のリードフ
    レームであって、 銅、鉄、アルミニウム、ニッケルから選ばれた少なくと
    も1種を主成分とする金属から構成されることを特徴と
    するリードフレーム。
  29. 【請求項29】 請求項26ないし28のいずれかに記
    載のリードフレームであって、 0.1〜1.5mmの厚みを有する圧延板からなること
    を特徴とするリードフレーム。
  30. 【請求項30】 請求項26ないし29のいずれかに記
    載のリードフレームであって前記突起物の高さを含む前
    記分離溝の深さを、前記リードフレームの厚みの20〜
    80%に設定することを特徴とするリードフレーム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008182163A (ja) * 2007-01-26 2008-08-07 Shinko Electric Ind Co Ltd 配線基板及びその製造方法と半導体装置
JP2009060076A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Samsung Electro Mech Co Ltd 多層プリント基板の製造方法
JP2014504032A (ja) * 2011-01-28 2014-02-13 マーベル ワールド トレード リミテッド 単一層bga基板プロセス
JP2015165545A (ja) * 2014-02-28 2015-09-17 板橋精機株式会社 パワーモジュールとその製造方法
US10236244B2 (en) 2015-05-25 2019-03-19 Fuji Electric Co., Ltd. Semiconductor device and production method therefor

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