JP2016186455A - シンチレータパネルおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
こうした状況下に、高輝度および高鮮鋭性を達成し、しかも煩雑な工程管理も必要としない新たなシンチレータパネルの出現が切望されている。
本発明のシンチレータパネルは、前記シンチレータ層を、支持体の平面と平行に3〜5個の層に等分割した場合、各層の空隙率のばらつきが5vol%以下であることが望ましい。
本発明のシンチレータパネルは、前記空隙部の少なくとも一部を、シンチレータ層に気泡を導入することによって形成することが望ましい。
本発明のシンチレータパネルは、前記バインダー樹脂の400〜600nmの波長範囲の光線透過率が80%以上であることが望ましい。
本発明のシンチレータパネルは、前記シンチレータ層において、シンチレータ粒子と空隙部との接する面積が、シンチレータ粒子とバインダー樹脂との接する面積よりも大きいことが望ましい。
本発明のシンチレータパネルは、前記シンチレータ層中、シンチレータ粒子の充填率が55〜73vol%であることが望ましい。
本発明のシンチレータパネルは、前記シンチレータ層の少なくとも一部が、保護層で被覆されていることが望ましい。
本発明のシンチレータパネルは、前記シンチレータ粒子が、酸硫化ガドリニウムを主成分とすることが望ましい。
本発明のシンチレータパネルは、前記シンチレータ層の、前記支持体を設ける側とは反対側に、耐湿性を有する保護層を設けることが望ましい。
本発明のシンチレータパネルは、支持体と、シンチレータ層とを有する。
前記シンチレータパネルは、必要に応じて、さらに光反射層および保護層から選ばれる少なくとも1種を有してもよい。
本発明において支持体とは、シンチレータパネルの構成要素において、シンチレータ層を保持するために、支配的な役割を果たす部材を指す。
前記支持体は、用いる支持体の厚さによって異なるが、取り扱い上の点から、100〜1000μmであることが好ましく、100〜500μmであることがより好ましい。
本発明で用いるシンチレータ層は、シンチレータ粒子、バインダー樹脂および空隙部を含む。
本発明に係るシンチレータ粒子としては、X線などの放射線を可視光などの異なる波長に変換することが可能な物質を適宜使用することが出来る。具体的には、「蛍光体ハンドブック」(蛍光体同学会編・オーム社・1987年)の284頁から299頁に至る箇所に記載されたシンチレータ及び蛍光体や、米国Lawrence Berkeley National LaboratoryのWebホームページ「Scintillation Properties(http://scintillator.lbl.gov/)」に記載の物質などが考えられるが、ここに指摘されていない物質でも、「X線などの放射線を可視光などの異なる波長に変換することが可能な物質」であれば、シンチレータ粒子として用いることが出来る。
基本組成式(I):MIX・aMIIX'2・bMIIIX''3:zA
で表わされる金属ハロゲン化物系蛍光体が挙げられる。
Aは、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag(銀)、TlおよびBi(ビスマス)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を表す。
a、bおよびzはそれぞれ独立に、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表わす。
基本組成式(II):MIIFX:zLn
で表わされる希土類付活金属フッ化ハロゲン化物系蛍光体も挙げられる。
上記基本組成式(II)において、MIIは少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を、Lnはランタノイドに属する少なくとも1種の元素を、Xは、少なくとも1種のハロゲン元素を、それぞれ表す。またzは、0<z≦0.2である。
基本組成式(III):Ln2O2S:zA
で表される希土類酸硫化物系蛍光体も挙げられる。
上記基本組成式(III)において、Lnはランタノイドに属する少なくとも1種の元素を、Aは、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag(銀)、TlおよびBi(ビスマス)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を、それぞれ表す。またzは、0<z<1である。
基本組成式(IV):MIIS:zA
で表される金属硫化物系蛍光体も挙げられる。
基本組成式(V):MIIa(AG)b:zA
で表される金属オキソ酸塩系蛍光体も挙げられる。
また、
基本組成式(VI):MaOb:zA
で表わされる金属酸化物系蛍光体が挙げられる。
Aは、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag(銀)、TlおよびBi(ビスマス)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を、それぞれ表す。
また他に、
基本組成式(VII):LnOX:zA
で表わされる金属酸ハロゲン化物系蛍光体が挙げられる。
前記シンチレータ粒子は、第1の平均粒子径をもつ第1のシンチレータ粒子と、第2の平均粒子径をもつ第2のシンチレータ粒子との、平均粒子径の異なる少なくとも2種類のシンチレータ粒子からなることが望ましい。平均粒子径の異なる少なくとも2種類のシンチレータ粒子を用いることにより、シンチレータ層中のシンチレータ粒子の充填率を上げることができる。
バインダー樹脂は、本発明の目的を損なわない限り特に限定されず、適宜入手した市販のものであってもよく、適宜製造したものでもよい。
バインダー樹脂としては、例えば、ゼラチン等の蛋白質、デキストラン等のポリサッカライド、またはアラビアゴムのような天然高分子物質;および、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエステル、エポキシ樹脂などのような合成高分子物質が挙げられる。
このようなバインダー樹脂の中でも、透明性(光線透過率)の観点から、ニトロセルロース、線状ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリビニルブチラール、ニトロセルロースと線状ポリエステルとの混合物、ニトロセルロースとポリ(メタ)アクリレートとの混合物、ポリウレタン、および、ポリウレタンとポリビニルブチラールとの混合物が好ましい。なお、これらのバインダー樹脂は架橋剤によって架橋されたものであってもよい。
一般にバインダー樹脂はシンチレータ粒子1質量部に対して0.01〜1質量部の範囲内で使用される。しかしながら得られるシンチレータプレートの感度と鮮鋭性の点では結合剤は少ない方が好ましく、塗布の容易さとの兼合いから0.03〜0.2質量部の範囲がより好ましい。
バインダー樹脂は、シンチレータ粒子に対して、好ましくは0.01〜0.5、より好ましくは0.03〜0.3の体積比で使用される。
本発明のシンチレータパネルには、シンチレータ層の空隙部の空隙率が、14〜35vol%であり、好ましくは、20〜30vol%ある。
なお、空隙率とは、シンチレータ層における空隙部の体積比をいう。
前記炭酸ガス発生化合物としては、例えば、炭酸水素ナトリウム等の重炭酸塩などが挙げられる。
酸素ガス発生化合物としては、例えば、過酸化物などが挙げられる。
ここで、中空粒子とは、中空部や細孔などの空隙部を有する粒子をいう。
「中空部」とは、粒子内部の空孔(空気層)のことをいう。
これらの中空粒子のなかでも、空隙率の大きさの点から単一中空粒子が特に好ましい。
空隙形成用成分とは、空隙を形成するために用いられる成分のことをいい、例えば、前記方法(1)では揮発性の溶媒、前記方法(2)では気泡、前記方法(3)では不活性ガス、前記方法(4)では発泡剤、前記方法(5)では中空粒子、前記方法(6)では化学反応しガスを発生する成分がそれぞれ該当する。
シンチレータ層の製造方法は、シンチレータ粒子およびバインダー樹脂を適当な溶媒に添加し、これらを充分に混合して、シンチレータ粒子およびバインダー樹脂が均一に分散した蛍光体層用塗布液を調製する工程を含むことが好ましい。
そして可塑剤の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル; フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エステル; グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル; そして、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエステルなどを挙げることができる。
シンチレータ層に空隙部を設ける方法は、[空隙部]の欄に記載の通りである。
シンチレータ層は、1層で形成されていてもよく、2層以上で形成されていてもよい。
シンチレータ層の膜厚は、目的とするシンチレータプレートの特性によって異なるが、通常、500μm以下、好ましくは、150〜300μmの範囲内である。膜厚が前記範囲内であると、輝度および鮮鋭性に優れたシンチレータ層を得ることができる。
本発明のシンチレータパネルは、前記支持体とシンチレータ層との間に、光反射層を有してもよい。光反射層は、1層で形成されていてもよく、2層以上で形成されていてもよい。
光反射層は、400〜600nmの波長の光を、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上反射することが好ましい。
金属を含有する反射層(1)を構成する材料としては、アルミニウム、銀、白金、パラジウム、金、銅、鉄、ニッケル、クロム、コバルト、ステンレス等の金属材料を含有していることが好ましい。中でも反射率、耐食性の観点からアルミニウムまたは銀を主成分としていることが特に好ましい。また、このような金属薄膜を2層以上形成するようにしても良い。
上記反射層(1)の厚さは、0.005〜0.3μm、より好ましくは0.01〜0.2μmであることが、発光光取り出し効率の観点から好ましい。
反射層(2)の膜厚は、10〜500μmであることが好ましい。反射層(2)の膜厚が10μm未満では充分な輝度が得られず、また500μmを超えると、反射層(2)表面の平滑性が低下する恐れがある。
本発明に係るシンチレータパネルには、必要に応じて、物理的にあるいは化学的に前記
蛍光体層を保護するための保護層を設けてもよい。この場合、シンチレータ層の少なくとも一部が保護膜で被覆されていることが好ましく、シンチレータ層の支持体とは反対の側の面の全面が連続した保護層により覆われていることがより好ましい。
保護層は、単一材料から形成されていてもよいし、混合材料から形成されていてもよいし、材料の異なる複数の膜などが併用されて形成されていてもよい。
本発明のシンチレータパネルは、シンチレータ粒子、バインダー樹脂および空隙形成用成分を含む蛍光体層用塗布液を調製する工程と、前記蛍光体層用塗布液を、支持体上に塗布し、空隙率が14〜35vol%の範囲内であるシンチレータ層を形成する工程とを有するシンチレータパネルの方法により製造することができる。
本発明のシンチレータパネルは、必要に応じて、支持体上に、光反射層を形成した後に、支持体の光反射層が形成された面上にシンチレータ層を形成してもよい。
また、シンチレータ層を形成した後に、シンチレータ層の支持体を有さない面上に保護膜を形成してもよい。
分光光度計 HITACHI U-4100にて、400〜600nmの波長範囲の光線透過率を求めた。
屈折率は、島津製作所製 KPR-2000を用いて測定した。
粘度は、JIS Z 8803に基づいて、B型粘度計(BLII:東機産業社製)を用いて測定した。
粒子径分布測定装置LA-920 HORIBAにて測定した体積基準平均を平均粒径とした。
蛍光体層の膜厚は、(株)トーヨーコーポレーション社製SP-1100D 膜厚計を用いて測定した。
バインダー樹脂として、ポリウレタン樹脂(大日本インキ化学工業社製、パンデックスT5265、400〜600nmの波長範囲の光線透過率:85%以上、屈折率:1.5)10質量部および黄変防止剤:エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社製、EP1001、400〜600nmの光線透過率:85%以上、屈折率:1.5)2質量部を溶解用溶媒であるメチルエチルケトン(沸点79.5℃)に添加し、プロペラミキサーで分散させ、固形分77%の蛍光体層形成用塗布液を調製した。なお、本明細書において「固形分」とは、蛍光体層形成用塗布液の含有成分のうち上記溶解用溶媒を除いた全成分をいう。
溶解用溶媒としてメチルエチルケトンの代わりに、シクロヘキサノン(沸点155.6℃)とメチルエチルケトンとを4:6の質量比で混合した溶媒を使用し、蛍光体塗布液の粘度を100CPの代わりに20CPに調製し、蛍光体塗布液を、ドクターブレードを用いて支持体上に塗布した後、60℃で20分間乾燥させる代わりに30℃で30分間乾燥させて作製した以外は実施例1と同様に行い、蛍光体シートを作製した。
蛍光体塗布液の粘度を100CPの代わりに40CPに調製した以外は実施例1と同様に行い、蛍光体シートを作製した。
蛍光体塗布液を、ドクターブレードを用いて前記支持体上に塗布した後、60℃で20分間乾燥させる代わりに80℃で10分間乾燥させた以外は実施例1と同様に行い、蛍光体シートを作製した。
蛍光体層形成用塗布液と混合蛍光体粒子とを、蛍光体層形成用塗布液の固形分:混合蛍光体粒子=10:90の体積比の代わりに6:94の体積比となるよう混合した以外は実施例1と同様に行い、蛍光体シートを作製した。
蛍光体層形成用塗布液と混合蛍光体粒子とを、蛍光体層形成用塗布液の固形分:混合蛍光体粒子=10:90の体積比の代わりに12:88の体積比となるよう混合した以外は実施例1と同様に行い、蛍光体シートを作製した。
蛍光体層形成用塗布液と混合蛍光体粒子とを、蛍光体層形成用塗布液の固形分:混合蛍光体粒子=10:90の体積比の代わりに20:80の体積比となるよう混合した以外は実施例1と同様に行い、蛍光体シートを作製した。
実施例1で調製した蛍光体塗布液を、ドクターブレードを用いて、前記支持体上に塗布した後、80℃で10分間乾燥させて、厚さ120μmの蛍光体層を有する蛍光体シートを作製した。更に実施例2で調製した蛍光体塗布液を、ドクターブレードを用いて、前記蛍光体シートの前記蛍光体層を有する面上に塗布した後、60℃で20分間乾燥させて、総厚250μmの蛍光体層を有する蛍光体シートを作製した。
蛍光体層形成用塗布液と混合蛍光体粒子とを、蛍光体層形成用塗布液の固形分:混合蛍光体粒子=10:90の体積比の代わりに25:75の体積比となるよう混合した以外は実施例1と同様に行い、蛍光体シートを作製した。
蛍光体層形成用塗布液と混合蛍光体粒子とを、蛍光体層形成用塗布液の固形分:混合蛍光体粒子=10:90の体積比の代わりに4:96の体積比となるよう混合した以外は実施例1と同様に行い、蛍光体シートを作製した。
溶解用溶媒としてメチルエチルケトンの代わりに、シクロヘキサノンとメチルエチルケトンとを4:6の質量比で混合した溶媒を使用し、蛍光体層形成用塗布液と混合蛍光体粒子とを、蛍光体層形成用塗布液の固形分:混合蛍光体粒子=10:90の体積比の代わりに16:84の体積比となるよう混合し、蛍光体塗布液の粘度を100CPの代わりに20CPに調製し、蛍光体塗布液を、ドクターブレードを用いて前記支持体上に塗布した後、60℃で20分間乾燥させる代わりに30℃で30分乾燥させた以外は実施例1と同様に行い、蛍光体シートを作製した。
蛍光体層形成用塗布液と混合蛍光体粒子とを混合し分散させる際に、500g/minの速度で窒素ガスを導入しながらプロペラミキサーで10分間撹拌し、蛍光体層形成用塗布液中に窒素ガスを分散させた塗布液を調整した以外は、実施例1と同様に行い、蛍光体シートを作製した。
蛍光体塗布液の粘度を100CPの代わりに200CPに調整するとともに蛍光体層形成用塗布液と混合蛍光体粒子とを混合し分散させる際に、500g/minの速度で窒素ガスを導入しながらプロペラミキサーで10分間撹拌し、蛍光体層形成用塗布液中に窒素ガスを分散させた塗布液を調製し、蛍光体塗布液を、ドクターブレードを用いて前記支持体上に塗布した後、60℃で20分間乾燥させる代わりに80℃で10分間乾燥させた以外は実施例1と同様に行った。
蛍光体層形成用塗布液と混合蛍光体粒子とを、蛍光体層形成用塗布液の固形分:混合蛍光体粒子=10:90の体積比の代わりに2:98の体積比となるよう混合した以外は実施例1と同様に行った。
物性の測定方法は、以下のとおりである。
[蛍光体充填率、樹脂充填率および空隙率]
実施例1〜10および比較例1、2で作成した蛍光体シートを、PETフィルムより蛍光体層を剥離した。蛍光体層の全体積を測定し、次いで、樹脂成分を溶解し、残存した蛍光体粒子の体積を測定した。蛍光体層の全体積と蛍光体粒子の体積とから蛍光体充填率(体積%)を算出した。前記蛍光体充填率を用いて、蛍光体塗布液の調製時の蛍光体層形成用塗布液の固形分と混合蛍光体粒子との混合比を基に、樹脂充填率(体積%)を算出した。前記蛍光体充填率と前記樹脂充填率を用いて、「空隙率」=1-(「蛍光体充填率」+「樹脂充填率」)の関係から、空隙率(体積%)を求めた。結果を表1に示す。
実施例1〜10および比較例1、2で作製した蛍光体シートの蛍光体層について、ミクロトーム(Leica Microsystems社製)および走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、支持体と垂直方向の断面を観察した。前記断面の画像を用いて、支持体と垂直に上下に蛍光体層を当分割した領域の空隙率を画像処理にて算出し、上下の空隙率のバラつき(体積%)を算出した。同様にして、断面の画像を用いて、支持体と垂直に蛍光体層を3〜5分割した領域の空隙率を画像処理にて算出し、各層の空隙率のバラつき(体積%)を算出したところ、当分割したときの空隙率のばらつきとほぼ同等の結果が得られた。結果を表1に示す。
実施例1〜10および比較例1、2で作製した蛍光体シートの蛍光体層をミクロトーム(Leica Microsystems社製)を用いて支持体の平面と平行に、2個の層に等分割した断面を、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製)で測定し、空隙部に外接する外接球の直径を測定した。結果を表1に示す。
蛍光体塗布液を、ドクターブレードを用いて支持体上に塗布し乾燥させた後、蛍光体層が支持体上に形成され膜として成立している場合をAA、膜として成立していない場合をDDとした。結果を表1に示す。
実施例1〜10および比較例1、2で作製した蛍光体シートを用いてフラットパネルディスプレイ(FPD)を作製し、管電圧80kVpのX線を照射し、得られた画像データの平均シグナル値を発光量とした。比較例1で作製したシンチレータシートの輝度を100%とした相対輝度を表1に示す。
膜成形性がAAであり、かつ、相対輝度が100%を超えるときをAA、それ以外をDDとした。結果を表1に示す。
Claims (23)
- 支持体と、シンチレータ層とを有するシンチレータパネルであって、
前記シンチレータ層は、シンチレータ粒子、バインダー樹脂および空隙部からなり、
前記シンチレータ層の空隙率は、14〜35vol%の範囲内であることを特徴とするシンチレータパネル。 - 前記シンチレータ層を、支持体の平面と平行に2個の層に等分割した場合、各層の空隙率の差が5vol%以下であることを特徴とする請求項1に記載のシンチレータパネル。
- 前記シンチレータ層を、支持体の平面と平行に3〜5個の層に等分割した場合、各層の空隙率のばらつきが5vol%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のシンチレータパネル。
- 前記シンチレータ層の空隙部に外接する外接球の直径が、0.2〜15μmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
- 前記空隙部の少なくとも一部を、シンチレータ層に気泡を導入することによって形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
- 前記空隙部の少なくとも一部を、シンチレータ層に中空粒子を混入することによって形成することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
- 前記バインダー樹脂の400〜600nmの波長範囲の光線透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
- 前記バインダー樹脂の屈折率が、1〜2.2の範囲内であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
- 前記バインダー樹脂の屈折率が、1〜1.5の範囲内であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
- 前記シンチレータ層において、シンチレータ粒子と空隙部との接する面積が、シンチレータ粒子とバインダー樹脂との接する面積よりも大きいことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
- 前記シンチレータ層中、バインダー樹脂の充填率が3〜12vol%であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
- 前記シンチレータ層中、シンチレータ粒子の充填率が55〜73vol%であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
- 前記シンチレータ粒子が、
第1の平均粒子径をもつ第1のシンチレータ粒子と、
第2の平均粒子径をもつ第2のシンチレータ粒子との、
平均粒子径の異なる少なくとも2種類のシンチレータ粒子からなることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。 - 前記第1のシンチレータ粒子の平均粒子径が、0.5〜5μmであること、
前記第2のシンチレータ粒子の平均粒子径が、7〜20μmであること、および、
前記第1のシンチレータ粒子と前記第2のシンチレータ粒子との粒径比が、3以上であることを特徴とする請求項13に記載のシンチレータパネル。 - 前記シンチレータ層の膜厚が、500μm以下であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
- 前記シンチレータ層の少なくとも一部が、保護層で被覆されていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
- 前記シンチレータ粒子が、800℃以上の融点を有する成分を主成分とすることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
- 前記シンチレータ粒子が、酸硫化ガドリニウムを主成分とすることを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
- 前記支持体とシンチレータ層との間に、400〜600nmの波長の光を80%以上反射する光反射層を設けることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
- 前記シンチレータ層の、前記支持体を設ける側とは反対側に、耐湿性を有する保護層を設けることを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載のシンチレータパネル。
- シンチレータ粒子、バインダー樹脂および空隙形成用成分を含む蛍光体層用塗布液を調製する工程と、前記蛍光体層用塗布液を、支持体上に塗布し、空隙率が14〜35vol%の範囲内であるシンチレータ層を形成する工程とを有することを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
- 前記空隙形成用成分が、揮発性の溶媒、気泡および不活性ガスから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項21に記載のシンチレータパネルの製造方法。
- 前記空隙形成用成分が、中空粒子であることを特徴とする請求項21に記載のシンチレータパネルの製造方法。
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