JP2002296395A - 放射線画像変換パネル - Google Patents

放射線画像変換パネル

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JP2002296395A
JP2002296395A JP2001095671A JP2001095671A JP2002296395A JP 2002296395 A JP2002296395 A JP 2002296395A JP 2001095671 A JP2001095671 A JP 2001095671A JP 2001095671 A JP2001095671 A JP 2001095671A JP 2002296395 A JP2002296395 A JP 2002296395A
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layer
moisture
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JP2001095671A
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English (en)
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Takehiko Shoji
武彦 庄子
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な鮮鋭性を示す放射線画像変換パネルを
提供する。 【解決手段】 支持体上に輝尽性蛍光体層を有する蛍光
体シートと、該蛍光体シートの上下に配置し、該輝尽性
蛍光体層と実質的に接着せず、且つ、周縁が該蛍光体シ
ートの周縁より外側にあり、該蛍光体シートの全表面を
被覆するように設けられた防湿性保護フィルムを有する
放射線画像変換パネルにおいて、該蛍光体シートに接す
る側に配置されている該防湿性保護フィルムの最外層と
して、表面粗さが0.15μm以上である樹脂層を有
し、且つ、該樹脂層のヤング率が637.43N/mm
2以上であることを特徴とする放射線画像変換パネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線画像変換パネ
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】X線画像で代表される放射線画像は、病
気診断用など多方面に渡り用いられている。このX線画
像を得る方法としては、被写体を通過した放射線を、蛍
光体層(蛍光スクリーンとも言う)に照射し、蛍光体層
で発生した可視光を、ハロゲン化銀写真感光材料(以
降、単に感光材料とも言う)等に照射し、その後の現像
処理を施して可視画像を得る、いわゆる放射線写真方式
が主に利用されている。
【0003】しかしながら、近年では、ハロゲン化銀塩
を有する感光材料による画像形成方法に代わり、蛍光体
層から直接画像を取り出す新たな方法が提案されてい
る。
【0004】上記方法としては、被写体を透過した放射
線を、蛍光体に吸収せしめ、しかる後この蛍光体を、例
えば光又は熱エネルギーで励起することにより、この蛍
光体が、X線の吸収により蓄積した放射線エネルギーを
蛍光として放射し、この蛍光を検出し、画像化する方法
である。具体的には、例えば、米国特許第3,859,
527号及び特開昭55−12144号などに記載され
ているような輝尽性蛍光体を用いる放射線画像変換方法
である。
【0005】この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射
線画像変換パネルを利用するもので、詳しくは、この放
射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層に、被写体を透過
した放射線を当て、被写体各部の放射線透過密度に対応
する放射線エネルギーを蓄積させ、その後、輝尽性蛍光
体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列
的に励起することにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積され
ている放射線エネルギーを輝尽発光として放出させ、こ
の光の強弱による信号を、たとえば光電変換した電気信
号として取り出し、この信号をハロゲン化銀写真感光材
料などの既存の画像記録材料、あるいはCRTなどに代
表される画像表示装置上に、可視像として再生する方法
である。
【0006】上記の放射線画像記録の再生方法は、従来
の放射線用感光材料と増感紙とを組合せて用いる放射線
写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝線量
で情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという
利点がある。
【0007】放射線画像変換パネルは、支持体とその表
面に設けられた輝尽性蛍光体層又は自己支持性の輝尽性
蛍光体層からなり、輝尽性蛍光体層は、通常、輝尽性蛍
光体とこれを分散支持する結合剤からなるものと、蒸着
法や焼結法によって形成される輝尽性蛍光体の凝集体の
みから構成されるものがある。また、該凝集体の間隙に
高分子物質が含浸されているものも知られている。さら
に、輝尽性蛍光体層の支持体側とは反対側の表面には、
通常、ポリマーフィルムや無機物の蒸着膜からなる保護
層膜が設けられる。
【0008】このように輝尽性蛍光体は、放射線を照射
した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であ
るが、実用上では、波長が400〜900nmの範囲に
ある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝
尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。
【0009】これらの輝尽性蛍光体を使用した放射線画
像変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した後、励起光
の走査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後
に再度放射線画像の蓄積を行うことができ、繰り返し使
用できることが利点の一つである。すなわち、従来の放
射線写真法では、一回の撮影ごとに放射線用感光材料を
消費するのに対して、この放射線画像変換方法では、放
射線画像変換パネルを繰り返し使用するので、資源保
護、経済効率の面からも有利である。
【0010】上記のような使用形態において、放射線画
像変換パネルには、得られる放射線画像の画質を劣化さ
せることなく、長期間の使用に耐える性能を付与するこ
とが強く要求される。
【0011】しかしながら、放射線画像変換パネルの製
造に用いられる上記輝尽性蛍光体の多くは、一般に吸湿
性が高く、通常の気候条件の室内に長期間放置すると、
空気中の水分を吸収し、時間の経過とともに著しく特性
が劣化するという欠点を有している。たとえば、輝尽性
蛍光体を高湿度条件下に置くと、吸収した水分の増大に
伴って、輝尽性蛍光体の放射線感度が低下する。また、
一般には輝尽性蛍光体に記録された放射線画像の潜像
は、放射線照射後の時間経過に伴って退行するため、再
生される放射線画像信号の強度は、放射線照射からの励
起光による走査までの時間が長いほど、低下するという
特性を有し、輝尽性蛍光体が吸湿すると前記潜像退行の
速度が、更に加速され、大きな問題を起こす。この結
果、吸湿した輝尽性蛍光体を有する放射線画像変換パネ
ルを用いると、放射線画像の読み取り時において、再生
信号の再現性が低下する。
【0012】従来、輝尽性蛍光体の吸湿による前記の劣
化現象を防止するには、透湿度の低い防湿性保護層で輝
尽性蛍光体層を被覆することにより、該蛍光体層に到達
する水分を低減させる方法が提案、実施されている。
【0013】透湿度の低い防湿性保護層としては、ガラ
ス板や高バリア性の厚手の樹脂フィルムを使用する方法
やポリエチレンテレフタレートフィルム上に、金属酸化
物、窒化珪素などのガラス薄膜を蒸着したフィルムを2
〜8枚積層してなる積層フィルムを使用する方法等が知
られているが、これらの方法では保護フィルム自体の厚
みが厚くなり、得られる放射線画像の鮮鋭性が劣化して
しまう問題があり、この様な問題を解決する為、特開平
1−131499号では保護層と蛍光体層の間に空気な
どの低屈折率層を設けることが提案されている。また、
特開平11−249243号では保護層として樹脂フィ
ルムを使用した場合の実施形態が記載されてる。
【0014】しかしながら、前記の特開平11−249
243号には保護層として樹脂フィルムを使用した場合
の低屈折率層の確保方法は記載されているが、適切な低
屈折率層の形態が示されておらず、また、保護層表面の
表面粗さや保護層表面に配置されている樹脂層の弾性率
等の調整についても記載も示唆もされていない。
【0015】そこで、上記記載の問題点の解決が要望さ
れていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
な鮮鋭性を示す放射線画像変換パネルを提供することで
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は下記
の項目1〜2により達成された。
【0018】1.支持体上に輝尽性蛍光体層を有する蛍
光体シートと、該蛍光体シートの上下に配置し、該輝尽
性蛍光体層と実質的に接着せず、且つ、周縁が前記蛍光
体シートの周縁より外側にあり、前記蛍光体シートの全
表面を被覆するように設けられた防湿性保護フィルムを
有する放射線画像変換パネルにおいて、前記蛍光体シー
トに接する側に配置されている該防湿性保護フィルムの
最外層として、JIS B 0601により規定される
表面粗さ(Ra)が0.15μm以上である樹脂層を有
し、且つ、該樹脂層のヤング率が637.43N/mm
2以上であることを特徴とする放射線画像変換パネル。
【0019】2.蛍光体シートに接する側の防湿性保護
フィルムが、2種以上の樹脂フィルムを少なくとも2層
積層している積層フィルムであり、且つ、該蛍光体シー
トに接する側の、該防湿性保護フィルムの最外層の樹脂
層が、熱融着性を有する樹脂を含み、該樹脂層のJIS
B 0601により規定される表面粗さ(Ra)が
1.0μm以下であることを特徴とする前記1に記載の
放射線画像変換パネル。
【0020】以下、本発明を詳細に説明する。一般に、
輝尽性蛍光体層が設けられてなる蛍光体シートへの水分
の浸透を防止、低減するためには、蛍光体シートの上下
部に配置させる防湿性保護フィルムの周縁部を、蛍光体
シートの周縁部より外側とし、蛍光体シートの周縁部よ
り外側の領域で、前記上下部に位置する防湿性保護フィ
ルムが、融着あるいは接着剤により接着している、いわ
ゆる封止構造とすることで、蛍光体シートの外周部から
の水分の浸透を阻止している。しかしながら、蛍光体面
と防湿性保護フィルム間の空気層の存在状態によって、
放射線画像の鮮鋭性に差がでてしまうという問題点があ
った。
【0021】従来公知の文献、例えば、特開平1−13
1499号の記載にあるように、蛍光体面と保護層が密
着している場合、保護層が厚いほど鮮鋭性が低下する。
この原因としては、入射した励起光の輝尽性蛍光体面で
の反射散乱光が保護層と空気層界面で反射され輝尽性蛍
光体面へ再入射しこのために鮮鋭性が劣化する。保護層
が厚いほどこの反射光は遠くまで達することによって鮮
鋭性の劣化が起きる。
【0022】従来公知の構成に比べ、各々表面粗さの異
なる輝尽性蛍光体層と保護フィルムとの間には、空気か
らなる低屈折率層が存在する。この空気からなる低屈折
率層の存在により、輝尽性蛍光体面での反射散乱光の一
部は保護層内に入射し、残りは低屈折率層と保護層の界
面で反射し蛍光体面に再入射する。この散乱反射光のう
ち保護層内に入射した反射光は、空気層(低屈折率層)
/保護層/空気層と言う光学的対照構造により、保護層
と空気層界面で再反射することなく外部に放出されるの
で、従来公知の構成に比べ、鮮鋭性の劣化が抑制され
る。
【0023】また、低屈折率層(空気層)の厚みは薄い
ほど鮮鋭性は向上するが、保護層と蛍光体面が接触する
と逆に鮮鋭性は劣化する。保護層の蛍光体に接する側の
表面を平滑にしていくと低屈折率層(空気層)の厚みが
薄くなるが、蛍光体面の接触部も多くなり特定の面積に
わたって完全接触してしまう部分も出現してきて、プレ
ート面内で鮮鋭性のムラが出現しやすくなる。
【0024】このような問題点を解決すべく、本発明者
らは鋭意検討した結果、輝尽性蛍光体層側の防湿性保護
フィルムの最外層として、JIS B 0601により
規定される表面粗さ(Ra)が0.15μm以上である
樹脂層を設け、且つ、該樹脂層のヤング率が637.4
3N/mm2以上になるように調整することにより、良
好な鮮鋭性を示す放射線画像が得られることを見いだし
た。
【0025】防湿性保護フィルムの蛍光体面側の最外層
の樹脂層の表面粗さ(Ra)と前記樹脂層のヤング率を
637.43N/mm2以上に調整することにより本発
明に記載の効果が得られたことについては本発明者等は
下記のように考えている。
【0026】本発明に係る表面粗さ(Ra)を0.15
μm以上に調整することにより、上記記載の低屈折率層
と保護層との界面で反射して蛍光体面に再入射する散乱
反射光成分が急激に減衰するので、鮮鋭性向上に寄与す
ると推定される。また、更なる鮮鋭性向上の観点から、
輝尽性蛍光体層側の本発明に係る防湿性保護フィルム層
の最外層の樹脂層の表面粗さ(Ra)は、0.2〜1.
0μmに調整することが好ましい。
【0027】本発明に係るヤング率を上記記載の範囲に
調整することにより、保護層フィルムと蛍光体層表面と
の接触状態が経時や温度変化に対して安定な状態を保て
るようになるので、良好な鮮鋭性を長期間保持できるの
だと推定している。
【0028】更に、本発明に係る樹脂層のヤング率は、
好ましくは、637.43N/mm 2〜4903.3N
/mm2である。
【0029】以上から、本発明に保護フィルムを用いた
輝尽性蛍光体の封止構造においては、最適な鮮鋭性を示
すように調整するためには、蛍光体面と保護層をある特
定な接触状態に調整することが必要であると推察され
る。本発明はこの最適な接触状態を実現するものであ
る。
【0030】本発明の放射線画像変換パネルに係る防湿
性保護フィルムについて説明する。本発明に係る防湿性
保護フィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリメ
タクリレートフィルム、ニトロセルロースフィルム、セ
ルロースアセテートフィルム等が使用できるが、ポリエ
チレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレ
ートフィルム等の延伸加工されたフィルムが、透明性、
強さの面で保護層として好ましく、中でも、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムが好ましく、特にポリエチレ
ンテレフタレート上に金属酸化物、窒化珪素などの薄膜
を蒸着した蒸着フィルムが防湿性の面からより好ましく
用いられる。
【0031】本発明に係る防湿性保護フィルムは励起吸
収層を有していることが好ましい。励起用レーザに起因
する鮮鋭性の劣化を防止する観点から、本発明の保護フ
ィルムには励起光吸収層が設けられる。ここで、励起吸
収層とは輝尽性蛍光体の励起光を吸収する層であり、励
起光を選択的に吸収する着色剤を含有する層を塗設する
事が好ましい。また、励起吸収層は保護フィルムの一方
の面に塗設されてもよいし、両面に塗設されていてもよ
く、また、保護フィルム自体が着色剤などにより着色さ
れていてもよい。
【0032】着色剤としては、放射線画像変換パネルに
用いる輝尽性蛍光体の種類によって決まるが、放射線画
像変換パネル用の輝尽性蛍光体としては、通常、波長が
400〜900nmの範囲にある励起光によって300
〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体が用い
られるため、着色剤としては通常、青色〜緑色の有機系
もしくは無機系の着色剤が好ましく用いられる。
【0033】青色〜緑色の有機系着色剤の例としては、
ザボンファーストブルー3G(ヘキスト社製)、エスト
ロールブリルブルーN−3RL(住友化学(株)製)、
スミアクリルブルーF−GSL(住友化学(株)製)、
D&CブルーNo1(ナショナル・アニリン社製)、ス
ピリットブルー(保土谷化学(株)製)、オイルブルー
No603(オリエント(株)製)、キトンブルーA
(チバ・ガイギー社製)、アイゼンカチロンブルーGL
H(保土谷化学(株)製)、レイクブルーA、F、H
(協和産業(株)製)、ローダリンブルー6GX(協和
産業(株)製)、ブリモシアニン6GX(稲畑産業
(株)製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化
学(株)製)、シアニンブルーBNRS(東洋インキ
(株)製)、ライオノルブルーSL(東洋インキ(株)
製)が挙げられる。青色〜緑色の無機系着色剤の例とし
ては、群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化
クロム、TiO2−ZnO−CoO−NiO系顔料が挙
げられるが、本発明はこれらに限定されない。
【0034】本発明に係る防湿性保護フィルムにおいて
は、本発明に記載の効果、特に放射線画像変換パネルの
輝度を良好に保つ観点から、励起光波長における光透過
率が97%〜50%であることが好ましく、更に好まし
くは、光透過率が95%〜80%である。ここで、光透
過率とは、励起吸収層を有する防湿性保護フィルムが励
起光吸収層を持たない以外は同一構成を有する前記防湿
性保護フィルムの光透過率を100%に設定したときの
光透過率を相対値で表したものである。
【0035】上記記載の光透過率は下記式に従って求め
られる。 光透過率(%)=(透過光/入射光)×100 本発明においては、輝尽性蛍光体の吸湿劣化を防止する
観点から、本発明に係る防湿性保護フィルムは下記のよ
うな防湿性を付与されていることが好ましく、具体的に
は、防湿性保護フィルムの透湿度が50g/m2・da
y以下であることが好ましく、更に好ましくは10g/
2・day以下であり、特に好ましくは1g/m2・d
ay以下である。
【0036】上記記載の防湿性保護フィルムの透湿度は
JIS Z 0208により規定された方法を参照して
測定することが出来る。
【0037】防湿性保護フィルムの透湿度を上記記載の
範囲に調整し、防湿性を向上させる観点から、ポリエチ
レンテレフタレートフィルムやポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上に金属酸化物、窒化珪素などの薄膜を蒸
着した蒸着フィルムの使用が好ましい。
【0038】また、本発明に係る防湿性保護フィルムは
必要とされる防湿性にあわせて、樹脂フィルムや樹脂フ
ィルムに金属酸化物などを蒸着した蒸着フィルムを複数
枚積層することで最適な防湿性を付与することが出来る
が、樹脂フィルムの積層方法としては、従来公知の方法
を適用することが出来る。
【0039】本発明においては、積層された樹脂フィル
ム間に上記記載の励起光吸収層を設けることによって、
励起光吸収層が物理的な衝撃や化学的な変質から保護さ
れ、安定したプレート性能を長期間維持することが出来
る。
【0040】以上から、励起光吸収層は積層された樹脂
フィルム間に複数箇所に設けてもよいし、積層する為の
接着剤層に色剤を含有し励起光吸収層として使用するこ
ともできる。
【0041】更に、本発明に係る保護フィルムを用いて
蛍光体プレートを封止するにあたっては従来公知の如何
なる方法も適用することが出来るが、防湿性保護フィル
ムの蛍光体シートに接する側の最外層が熱融着性を有す
る樹脂を含有することで防湿性保護フィルムが融着可能
となり、蛍光体シートの周縁部における封止作業を効率
化し、且つ、輝尽性蛍光体の吸湿による特性の劣化を極
めて効果的に防止することができる。
【0042】好ましくは、蛍光体シートの上下に防湿性
保護フィルムを配置し、その周縁が前記蛍光体シートの
周縁より外側にある領域で該上下の防湿性保護フィルム
が融着している封止構造とすることで蛍光体シートの外
周部からの水分進入も阻止できる。更に好ましくは、上
記記載の封止に用いる個所のみ上記記載の熱融着性を有
する樹脂を含有する層を前記の防湿性保護フィルムが有
することである。
【0043】また、支持体面側の防湿性保護フィルムが
1層以上のアルミフィルムをラミネートしてなる積層防
湿フィルムとすること(図1参照)でより確実に水分の
進入を低減できる。またこの封止方法は作業的にも容易
である。また、この場合、防湿性保護フィルムの輝尽性
蛍光体層に接する側の最外層の熱融着性を有する樹脂層
と蛍光体面は実質的に接着していない。
【0044】本発明において、『防湿性保護フィルムと
輝尽性蛍光体層とが実質的に接着していない』とは、輝
尽性蛍光体層と防湿性保護フィルムが、光学的に一体化
していない状態のことを意味する。より具体的には、微
視的に輝尽性蛍光体層と防湿性保護フィルムとが点接触
していたとしても、光学的、力学的には殆ど輝尽性蛍光
体層と防湿性保護フィルムとは不連続体として扱える状
態であるということを意味する。
【0045】上記記載の封止構造において、輝尽蛍光体
層と防湿性保護層は、微視的な点で各所で接触している
と考えられるが、この接触面積が、蛍光体層面積の10
%以下の場合、本発明においては実質的に接着していな
いと定義する。
【0046】上記記載の熱融着性フィルムとは、一般に
使用されるインパルスシーラで融着可能な樹脂フィルム
のことで、たとえばエチレン酢酸ビニルコポリマー(E
VA)やポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレ
ン(PE)フィルム等があげられるが本発明はこれらに
限定されない。
【0047】本発明の放射線画像変換パネルに用いられ
る支持体としては各種高分子材料が用いられる。特に情
報記録材料としての取り扱い上可撓性のあるシートある
いはウェブに加工できるものが好適であり、この点から
いえばセルロースアセテートフィルム、ポリエステルフ
ィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエ
チレンナフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポ
リイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカー
ボネートフィルム等のプラスチックフィルムが好まし
い。
【0048】また、これら支持体の層厚は用いる支持体
の材質等によって異なるが、一般的には80μm〜10
00μmであり、取り扱い上の点から、さらに好ましく
は80μm〜500μmである。これらの支持体の表面
は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を
向上させる目的でマット面としてもよい。
【0049】さらに、これら支持体は、輝尽性蛍光体層
との接着性を向上させる目的で輝尽性蛍光体層が設けら
れる面に下引層を設けてもよい。
【0050】本発明に係る輝尽性蛍光体層に用いられる
結合剤(バインダー)の例としては、ゼラチン等の蛋白
質、デキストラン等のポリサッカライド、またはアラビ
アゴムのような天然高分子物質;および、ポリビニルブ
チラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチル
セルロース、塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、
ポリアルキル(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸
ビニルコポリマー、ポリウレタン、セルロースアセテー
トブチレート、ポリビニルアルコール、線状ポリエステ
ルなどのような合成高分子物質などにより代表される結
合剤を挙げることができる。
【0051】上記記載の結合剤の中で特に好ましいもの
は、ニトロセルロース、線状ポリエステル、ポリアルキ
ル(メタ)アクリレート、ニトロセルロースと線状ポリ
エステルとの混合物、ニトロセルロースとポリアルキル
(メタ)アクリレートとの混合物およびポリウレタンと
ポリビニルブチラールとの混合物である。なお、これら
の結合剤は架橋剤によって架橋されたものであってもよ
い。輝尽性蛍光体層は、例えば、次のような方法により
下塗層上に形成することができる。
【0052】まず輝尽性蛍光体、および結合剤を適当な
溶剤に添加し、これらを充分に混合して結合剤溶液中に
蛍光体粒子および該化合物の粒子が均一に分散した塗布
液を調製する。
【0053】一般に結合剤は輝尽性蛍光体1質量部に対
して0.01乃至1質量部の範囲で使用される。しかし
ながら得られる放射線画像変換パネルの感度と鮮鋭性の
点では結合剤は少ない方が好ましく、塗布の容易さとの
兼合いから0.03乃至0.2質量部の範囲がより好ま
しい。
【0054】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製に用いられ
る溶剤の例としては、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸n−ブチル等の低級脂肪酸と低級アルコールと
のエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルな
どのエーテル、トリオール、キシロールなどの芳香族化
合物、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの
ハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物などが挙げら
れる。
【0055】尚、塗布液には、該塗布液中における蛍光
体の分散性を向上させるための分散剤、また、形成後の
輝尽性蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結合
力を向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混合
されていてもよい。そのような目的に用いられる分散剤
の例としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、
親油性界面活性剤などを挙げることができる。そして可
塑剤の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジ
ル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエ
チル、フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エステ
ル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸
ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;そ
して、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリエ
ステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエス
テルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸と
のポリエステルなどを挙げることができる。
【0056】上記のようにして調製された塗布液を、次
に下塗層の表面に均一に塗布することにより塗布液の塗
膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、例え
ば、ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコータ
ーなどを用いることにより行なうことができる。
【0057】次いで、形成された塗膜を徐々に加熱する
ことにより乾燥して、下塗層上への輝尽性蛍光体層の形
成を完了する。輝尽性蛍光体層の層厚は、目的とする放
射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合
剤と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は2
0μm乃至1mmとする。また、この層厚は50乃至5
00μmとするのが好ましい。
【0058】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製は、ボール
ミル、サンドミル、アトライター、三本ロールミル、高
速インペラー分散機、Kadyミル、および超音波分散
機などの分散装置を用いて行なわれる。調製された塗布
液をドクターブレード、ロールコーター、ナイフコータ
ーなどの塗布液を用いて支持体上に塗布し、乾燥するこ
とにより輝尽性蛍光体層が形成される。
【0059】本発明の放射線画像変換パネルの輝尽性蛍
光体層の膜厚は目的とする放射線画像変換パネルの特
性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤と輝尽性蛍光体との混
合比等によって異なるが、10μm〜1000μmの範
囲から選ばれるのが好ましく、10μm〜500μmの
範囲から選ばれるのがより好ましい。
【0060】支持体上に蛍光体層が塗設された蛍光体シ
ートを所定の大きさに断裁する。断裁にあたっては一般
のどのような方法でも可能であるが、作業性、精度の面
から化粧断裁機、打ち抜き機等が望ましい。
【0061】所定の大きさに断裁された蛍光体シートを
防湿性保護フィルムで封止するには既知のいかなる方法
も使用できるが、例をあげると蛍光体シートを上下の防
湿性保護フィルムの間に挟み周縁部をインパルスシーラ
で加熱融着する方法、や2本の加熱したローラー間で加
圧加熱するラミネート方式等が挙げられる。
【0062】上記インパルスシーラで加熱融着する方法
においては、減圧環境下で加熱融着することが、蛍光体
シートの防湿性保護フィルム内での位置ずれ防止や大気
中の湿気を排除する意味でより好ましい。
【0063】本発明に係る輝尽性蛍光体層、輝尽性蛍光
体について説明する。本発明の放射線画像変換パネルに
用いられる輝尽性蛍光体としては下記のものが一例とし
て挙げられる。
【0064】(1)特開昭55−12145号に記載さ
れている(Ba1-X,M(II)+X)FX:yA、(式
中、M(II)はMg、Ca、Sr、ZnおよびCdのう
ちの少なくとも一つ、XはCl、Br、およびIのうち
少なくとも一つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、
Pr、Ho、Nd、Yb、およびErのうちの少なくと
も一つ、そしては、0≦x≦0.6、yは、0≦y≦
0.2である)の組成式で表される希土類元素付活アル
カリ土類金属弗化ハロゲン化物蛍光体;また、この蛍光
体には以下のような添加物が含まれていてもよい。
【0065】(a)特開昭56−74175号に記載さ
れている、X′、BeX″、M(III)X′′′3、式
中、X′、X″、およびX′′′はそれぞれCl、Br
およびIの少なくとも一種であり、M(III)は三価金
属である; (b)特開昭55−160078号に記載されているB
eO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Al
23、Y23、La23、In23、SiO2、Ti
2、ZrO2、GeO2、SnO2、Nb25、Ta25
およびThO2などの金属酸化物; (c)特開昭56−116777号に記載されているZ
r、Sc; (d)特開昭57−23673号に記載されているB; (e)特開昭57−23675号に記載されているA
s、Si; (f)特開昭58−206678号に記載されているM
・L、式中、MはLi、Na、K、Rb、およびCsか
らなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属で
あり、LはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、
Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、L
u、Al、Ga、In、およびTlからなる群より選ば
れる少なくとも一種の三価金属である; (g)特開昭59−27980号に記載されているテト
ラフルオロホウ酸化合物の焼成物;特開昭59−272
89号に記載されているヘキサフルオロケイ酸、ヘキサ
フルオロチタン酸およびヘキサフルオロジルコニウム酸
の一価もしくは二価金属の塩の焼成物;特開昭59−5
6479号に記載されているNaX′、式中、X′はC
l、BrおよびIのうちの少なくとも一種である; (h)特開昭59−56480号に記載されているV、
Cr、Mn、Fe、CoおよびNiなどの遷移金属;特
開昭59−75200号に記載されているM(I)
X′、M′(II)X″2、M(III)X′′′3、A、式
中、M(I)はLi、Na、K、Rb、およびCsから
なる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であ
り、M′(II)はBeおよびMgからなる群より選ばれ
る少なくとも一種の二価金属を表し、M(III)はA
l、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少
なくとも一種の三価金属であり、Aは金属酸化物であ
り、X′、X″、およびX′′′はそれぞれF、Cl、
BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種の
ハロゲンである; (i)特開昭60−101173号に記載されているM
(I)X′、式中、M(I)はRbおよびCsからなる
群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、
X′はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる
少なくとも一種のハロゲンである; (j)特開昭61−23679号に記載されているM
(II)′X′2・M(II)′X″2、式中、M(II)′は
Ba、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくと
も一種のアルカリ土類金属であり;X′およびX″はそ
れぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少な
くとも一種のハロゲンであって、かつX′≠X″であ
る;更に、特開昭61−264084号明細書に記載さ
れているLnX″3、式中、LnはSc、Y、La、C
e、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれ
る少なくとも一種の希土類元素であり;X″はF、C
l、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンである。
【0066】(2)特開昭60−84381号に記載さ
れているM(II)X2・aM(II)X′2:xEu2+
(式中、M(II)はBa、SrおよびCaからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;
XおよびX′はCl、BrおよびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX≠X′
であり;そしてaは0.1≦a≦10.0、xは0<x
≦0.2である)の組成式で表される二価ユーロピウム
付活アルカリ土類金属ハロゲン化物蛍光体;また、この
蛍光体には以下のような添加物が含まれていてもよい; (a)特開昭60−166379号に記載されているM
(I)X′、式中、M(I)はRbおよびCsからなる
群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;
X′はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる
少なくとも一種のハロゲンである; (b)特開昭60−221483号に記載されているK
X″、MgX′′′2、M(III)X″″3、式中、M(I
II)はSc、Y、La、GdおよびLuからなる群より
選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;X″、
X′′′およびX″″はいずれもF、Cl、Brおよび
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンで
ある; (c)特開昭60−228592号に記載されている
B、特開昭60−228593号に記載されているSi
2、P25等の酸化物、特開昭61−120882号
に記載されているLiX″、NaX″、式中、X″は
F、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンである; (d)特開昭61−120883号に記載されているS
iO;特開昭61−120885号に記載されているS
nX″2、式中、X″はF、Cl、BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである; (e)特開昭61−235486号に記載されているC
sX″、SnX′′′ 2、式中、X″およびX′′′は
それぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のハロゲンである;更に、特開昭61
−235487号に記載されているCsX″、Ln3+
式中、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選
ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;LnはSc、
Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれ
る少なくとも一種の希土類元素である; (3)特開昭55−12144号に記載されているLn
OX:xA、(式中、LnはLa、Y、Gd、およびL
uのうち少なくとも一つ;XはCl、Br、およびIの
うち少なくとも一つ;AはCeおよびTbのうち少なく
とも一つ;xは、0<x<0.1である)の組成式で表
される希土類元素付活希土類オキシハライド蛍光体; (4)特開昭58−69281号に記載されているM
(II)OX:xCe、(式中、M(II)はPr、Nd、
Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
b、およびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種
の酸化金属であり;XはCl、Br、およびIのうち少
なくとも一つであり;xは0<x<0.1である)の組
成式で表されるセリウム付活三価金属オキシハライド蛍
光体; (5)特開昭62−25189号明細書に記載されてい
るM(I)X:xBi、(式中、M(I)はRbおよび
Csからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ
金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選
ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは0
<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される
ビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化物蛍光体; (6)特開昭60−141783号に記載されているM
(II)5(PO43X:xEu2+、(式中、M(II)は
Ca、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくと
も一種のアルカリ土類金属であり;XはF、Cl、Br
およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロ
ゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)
の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類
金属ハロリン酸塩蛍光体; (7)特開昭60−157099号に記載されているM
(II)2BO3X:xEu2+、(式中、M(II)はCa、
SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種
のアルカリ土類金属であり;XはCl、BrおよびIか
らなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
り;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式
で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロ
ホウ酸塩蛍光体; (8)特開昭60−157100号に記載されているM
(II)2(PO43X:xEu2+、(式中、M(II)は
Ca、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくと
も一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、Br及び
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンで
あり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成
式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハ
ロリン酸塩蛍光体; (9)特開昭60−217354号に記載されているM
(II)HX:xEu2+、(式中、M(II)はCa、Sr
およびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のア
ルカリ土類金属であり;XはCl、BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;x
は0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表さ
れる二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属水素化ハロ
ゲン化物蛍光体; (10)特開昭61−21173号に記載されているL
nX3・aLn′X′3:xCe3+、(式中、Lnおよび
Ln′はそれぞれY、La、GdおよびLuからなる群
より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;Xお
よびX′はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群
より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつ
X≠X′であり;そしてaは0.1<a≦10.0の範
囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値であ
る)の組成式で表されるセリウム付活希土類複合ハロゲ
ン化物蛍光体; (11)特開昭61−21182号に記載されているL
nX3・aM(I)X′3:xCe3+、(式中、Lnは
Y、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少な
くとも一種の希土類元素であり;M(I)はLi、N
a、K、CsおよびRbからなる群より選ばれる少なく
とも一種のアルカリ金属であり;XおよびX′はそれぞ
れCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくと
も一種のハロゲンであり;そしてaは0<a≦10.0
の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値
である)の組成式で表されるセリウム付活希土類複合ハ
ロゲン化物系蛍光体; (12)特開昭61−40390号に記載されているL
nPO4・aLnX3:xCe3+、(式中、LnはY、L
a、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも
一種の希土類元素であり;XはF、Cl、BrおよびI
からなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
り;そしてaは0.1≦a≦10.0の範囲の数値であ
り、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式
で表されるセリウム付活希土類ハロ燐酸塩蛍光体; (13)特開昭61−236888号明細書に記載され
ているCsX:aRbX′:xEu2+、(式中、Xおよ
びX′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選
ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0
<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.
2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロ
ピウム付活ハロゲン化セシウム・ルビジウム蛍光体; (14)特開昭61−236890号に記載されている
M(II)X2・aM(I)X′:xEu2+、(式中、M
(II)はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる
少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;M(I)は
Li、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくと
も一種のアルカリ金属であり;XおよびX′はそれぞれ
Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも
一種のハロゲンであり;そしてaは0.1≦a≦20.
0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数
値である)の組成式で表される二価ユーロピウム付活複
合ハロゲン化物蛍光体;これらの輝尽性蛍光体を使用し
た放射線画像変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した
後、励起光の走査によって蓄積エネルギーを放出するの
で、走査後に再度放射線画像の蓄積を行うことができ繰
り返し使用が可能である。つまり従来の放射線写真法で
は一回の撮影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに
対して、この放射線画像変換方法では放射線画像変換パ
ネルを繰り返し使用するので、資源保護、経済効率の面
からも有利である。
【0067】このように輝尽性蛍光体は、放射線を照射
した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であ
るが、実用上では、波長が400〜900nmの範囲に
ある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝
尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。
【0068】上記の輝尽性蛍光体の中で、ヨウ素を含有
する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属弗化ハロゲ
ン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム付
活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含
有する希土類元素付活希土類オキシハロゲン化物系蛍光
体、およびヨウ素を含有するビスマス付活アルカリ金属
ハロゲン化物系蛍光体が好ましく用いられるが、中で
も、高輝度の輝尽発光を示す観点から、ヨウ素を含有す
る二価ユウロピウム付活アルカリ土類金属弗化ハロゲン
化物系蛍光体(Eu付活BaFI)が特に好ましく用い
られる。
【0069】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらに限定されない。
【0070】実施例1 《放射線画像変換パネル試料3の作製》 (蛍光体シートの作製)ユーロピウム付活弗化ヨウ化バ
リウムの輝尽性蛍光体前駆体を合成するために、BaI
2水溶液(3.6mol/L)2780mlとEuI3
溶液(0.2mol/L)27mlを反応器に入れた。
この反応器中の反応母液を撹拌しながら83℃で保温し
た。弗化アンモニウム水溶液(8mol/L)322m
lを反応母液中にローラーポンプを用いて注入し、沈澱
物を生成させた。注入終了後も保温と撹拌を2時間続け
て沈澱物の熟成を行なった。次に沈澱物をろ別後、エタ
ノールにより洗浄した後真空乾燥させてユーロピウム付
活弗化ヨウ化バリウムの結晶を得た。焼成時の焼結によ
り粒子形状の変化、粒子間融着による粒子サイズ分布の
変化を防止するために、アルミナの超微粒子粉体を0.
2質量%添加し、ミキサーで充分撹拌して、結晶表面に
アルミナの超微粒子粉体を均一に付着させた。これを石
英ボートに充填して、チューブ炉を用いて水素ガス雰囲
気中、850℃で2時間焼成してユーロピウム付活弗化
ヨウ化バリウム蛍光体粒子を得た。次に上記蛍光体粒子
を分級することにより平均粒径7μmの粒子を得た。
【0071】蛍光体層形成材料として、上記で得たユー
ロピウム付活弗化ヨウ化バリウム蛍光体427g、ポリ
ウレタン樹脂(住友バイエルウレタン社製、デスモラッ
ク4125)15.8g、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂2.0gをメチルエチルケトン−トルエン(1:
1)混合溶媒に添加し、プロペラミキサーによって分散
し、粘度25〜30Pa・sの塗布液を調製した。この
塗布液をドクターブレードを用いて厚さ100μmの黒
色PET支持体上に塗布したのち、乾燥させて、270
μmの厚さの蛍光体層を形成した。またこのとき乾燥条
件(温度、風量)を調節することで任意の表面粗さの蛍
光体シートを作製した。
【0072】(防湿性保護フィルム1〜6の作製)上記
で得られた蛍光体シートの蛍光体面側の保護フィルムと
して下記(A)で示された構成のものを使用した。
【0073】構成(A) VMPET12//VMPET12//PET12//
シーラントフィルム PET:ポリエチレンテレフタレート VMPET:アルミナ蒸着PET(市販品:東洋メタラ
イジング社製) 各樹脂フィルムの後ろの数字はフィルムの膜厚(μm)
を示す。
【0074】上記“//”はドライラミネーション接着
層で、接着剤層の厚みが2.5μmであることを意味す
る。使用したドライラミ用の接着剤は2液反応型のウレ
タン系接着剤である。また、シーラントフィルムの品種
を変更することで蛍光体シート側の最外層の樹脂層の表
面粗さと弾性率(ヤング率)を表1に記載のように調節
し、積層構造を有する防湿性保護フィルム1〜6を作製
した。
【0075】ここで、上記シーラントフィルムの品種の
変更とは、添加剤や無機物等の使用により、表面粗さ
(Ra)とヤング率を表1に記載のように調整した、L
DPE(低密度ポリエチレン)、CPP(キャスティン
グポリプロピレン)、EVA(エチレン酢酸ビニルポリ
マー)等の中から任意に選択したことをあらわす。
【0076】蛍光体シートの支持体面側の保護フィルム
としては、シーラントフィルム/アルミ箔フィルム9μ
m/ポリエチレンテレフタレート(PET)188μm
の構成のドライラミネートフィルムとした。またこの場
合の接着剤層の厚みは1.5μmで2液反応型のウレタ
ン系接着剤を使用した。
【0077】(蛍光体シートの封止)塗布サンプルを4
5cm×45cmの正方形に断裁し、上記で作製した、
防湿性保護フィルム3を使用し、減圧下で周縁部をイン
パルスシーラを用いて融着することで封止した。図1
に、本発明の放射線画像変換パネルの断面図を示す。
尚、融着部から蛍光体シート周縁部までの距離は1mm
となるように融着した。融着に使用したインパルスシー
ラのヒーターは8mm幅のものを使用し、放射線画像変
換パネル試料3を得た。
【0078】上記記載の放射線画像変換パネル試料3の
作製において、防湿性保護フィルムを1〜2、4〜6と
各々に変更した以外は同様にして、放射線画像変換パネ
ル1と2、4〜6を各々作製した。
【0079】《放射線画像変換パネルの評価》 (鮮鋭性の評価)鮮鋭度(鮮鋭度ともいう)について
は、封止された各々の放射線画像変換パネル試料1〜6
を40℃、90%RHの環境化で20日間処理した後
に、放射線画像変換パネルに鉛製のMTFチャートを通
して管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルをH
e−Neレーザー光(633nm)で走査して励起し、
蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S
−5の光電子像倍管)で受光して電気信号に変換し、こ
れをアナログ/デジタル変換してハードディスクに記録
し、記録をコンピューターで分析してハードディスクに
記録されているX線像の変調伝達関数(MTF)を調べ
た。
【0080】上記の変調伝達関数(MTF)は45cm
×45cmの正方形の放射線画像変換パネルの面内で各
10点づづ測定し、放射線画像変換パネルの面内のMT
F値の分布を調査し、10点の中の平均値をそれぞれ記
録した。空間周波数1Hz/mmにおけるMTF値
(%)を示した。この場合MTF値が高いほど鮮鋭性が
よい。
【0081】得られた結果を表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】表1から、比較と比べて本発明の試料は良
好な鮮鋭性を示していることが明らかである。
【0084】
【発明の効果】本発明により、良好な鮮鋭性を示す放射
線画像変換パネルを提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射線画像変換パネルの概略断面図で
ある。
【符号の説明】
11 蛍光体 12 支持体 13 積層保護フィルム 14 アルミラミネートフィルム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に輝尽性蛍光体層を有する蛍光
    体シートと、該蛍光体シートの上下に配置し、該輝尽性
    蛍光体層と実質的に接着せず、且つ、周縁が前記蛍光体
    シートの周縁より外側にあり、前記蛍光体シートの全表
    面を被覆するように設けられた防湿性保護フィルムを有
    する放射線画像変換パネルにおいて、 前記蛍光体シートに接する側に配置されている該防湿性
    保護フィルムの最外層として、JIS B 0601に
    より規定される表面粗さ(Ra)が0.15μm以上で
    ある樹脂層を有し、且つ、該樹脂層のヤング率が63
    7.43N/mm 2以上であることを特徴とする放射線
    画像変換パネル。
  2. 【請求項2】 蛍光体シートに接する側の防湿性保護フ
    ィルムが、2種以上の樹脂フィルムを少なくとも2層積
    層している積層フィルムであり、且つ、該蛍光体シート
    に接する側の、該防湿性保護フィルムの最外層の樹脂層
    が、熱融着性を有する樹脂を含み、該樹脂層のJIS
    B 0601により規定される表面粗さ(Ra)が1.
    0μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の放
    射線画像変換パネル。
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