JP2002071899A - 放射線画像変換パネル用防湿保護フィルム - Google Patents

放射線画像変換パネル用防湿保護フィルム

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JP2002071899A
JP2002071899A JP2000260768A JP2000260768A JP2002071899A JP 2002071899 A JP2002071899 A JP 2002071899A JP 2000260768 A JP2000260768 A JP 2000260768A JP 2000260768 A JP2000260768 A JP 2000260768A JP 2002071899 A JP2002071899 A JP 2002071899A
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moisture
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protective film
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JP2000260768A
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English (en)
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Takehiko Shoji
武彦 庄子
Satoru Honda
哲 本田
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 端部融着部での蒸着層の破壊やシワの発生が
軽減され良好な防湿特性が再現できる放射線画像変換パ
ネル用防湿保護フィルムを提供することを課題とする。 【解決手段】 少なくとも2層以上の金属酸化物蒸着樹
脂フィルム層を含む放射線画像変換パネル用防湿保護フ
ィルムであって、支持体上に輝尽性蛍光体層5が設けら
れてなる蛍光体シートの輝尽性蛍光体層5の表面に接す
る層の樹脂層が熱融着性を有する樹脂で構成され、かつ
最も輝尽性蛍光体層5の表面に近い蒸着層から放射線画
像変換パネル用防湿保護フィルムの輝尽性蛍光体層5の
接する側の最外面までの距離が35μ以上あるように構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輝尽性蛍光体を用
いた放射線画像変換パネルの防湿を行なう放射線画像変
換パネル用防湿保護フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】X線画像のような放射線画像は病気診断
用などに多く用いられている。このX画像を得るために
被写体を通過したX線を蛍光体層(蛍光スクリーン)に
照射し、これにより可視光を生じさせてこの可視光を通
常の写真をとるときと同じように銀塩を使用したフィル
ムに照射して現像した、いわゆる放射線写真が利用され
ている。しかし近年銀塩を塗布したフィルムを使用しな
いで蛍光体層から直接画像を取り出す方法が工夫される
ようになった。
【0003】この方法としては被写体を透過した放射線
を蛍光体に吸収せしめ、しかる後この蛍光体を例えば光
又は熱エネルギーで励起することによりこの蛍光体が上
記吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍光とし
て放射せしめ、この蛍光を検出し画像化する方法があ
る。具体的には、例えば米国特許3,859,527号
及び特開昭55−12144号公報などに記載されてい
るような輝尽性蛍光体を用いる放射線画像変換方法が知
られている。
【0004】この方法は輝尽性蛍光体を含有する放射線
画像変換パネルを使用するもので、この放射線画像変換
パネルの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線を当
てて被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネ
ルギーを蓄積させて、その後に輝尽性蛍光体を可視光
線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起す
ることにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射
線エネルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱
による信号をたとえば光電変換し、電気信号を得て、こ
の信号を感光フィルムなどの記録材料、CRTなどの表
示装置上に可視像として再生するものである。
【0005】上記の放射線像記録再生方法によれば、従
来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放
射線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝
線量で情報量の豊富な放射線画像を得ることができると
いう利点がある。
【0006】このように輝尽性蛍光体は、放射線を照射
した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であ
るが、実用上では、波長が400〜900nmの範囲に
ある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝
尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。
【0007】従来より放射線像変換パネルに用いられて
きた輝尽性蛍光体の例としては下記のものが一例として
挙げられる。 (1)特開昭55−12145号公報に記載されている
(Ba1-x,M2+ x)FX:yA(ただし、M2+はMg、
Ca、Sr、ZnおよびCdのうちの少なくとも一つ、
XはCl、Br、およびIのうち少なくとも一つ、Aは
Eu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Y
b、およびErのうちの少なくとも一つ、そしてxは、
0≦x≦0.6、yは、0≦y≦0.2である)の組成
式で表わされる希土類元素付活アルカリ土類金属弗化ハ
ロゲン化物蛍光体;また、この蛍光体には以下のような
添加物が含まれていてもよい:特開昭56−74175
号公報に記載されている、X′、BeX′′、M3
X′′′3(ただし、X′、X′′、およびX′′′は
それぞれCl、BrおよびIのうち少なくとも一種であ
り、M3は三価金属である);特開昭55−16007
8号公報に記載されているBeO、BgO、CaO、S
rO、BaO、ZnO、Al23、Y23、La23
In23、SiO2、TiO2、ZrO2、GeO2、Sn
2、Nb25、Ta25およびThO2などの金属酸化
物;特開昭56−116777号公報に記載されている
Zr、Sc;特開昭57−23673号公報に記載され
ているB;特開昭57−23675号公報に記載されて
いるAs、Si;特開昭58−206678号公報に記
載されているM・L(ただし、MはLi、Na、K、R
b、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種
のアルカリ金属であり;LはSc、Y、La、Ce、P
r、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、Lu、Al、Ga、In、およびTl
からなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であ
る);特開昭59−27980号公報に記載されている
テトラフルオロホウ酸化合物の焼成物;特開昭59−2
7289号公報に記載されているヘキサフルオロケイ
酸、ヘキサフルオロチタン酸およびヘキサフルオロジル
コニム酸の一価もしくは二価金属の塩の焼成物;特開昭
59−56479号公報に記載されているNaX′(た
だし、X′はCl、BrおよびIのうちの少なくとも一
種である);特開昭59−56480号公報に記載され
ているV、Cr、Mn、Fe、CoおよびNiなどの遷
移金属;特開昭59−75200号公報に記載されてい
るM1X′、M′2X′′、M3X′′′、A(ただし、
1はLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、M′
2はBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも
一種の二価金属であり;M3はAl、Ga、In、およ
びTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金
属であり;Aは金属酸化物であり;X′、X′′および
X′′′はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群
より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);特開
昭60−101173号公報に記載されているM1X′
(ただし、M1はRbおよびCsからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のアルカリ金属であり;X′はF、C
l、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンである);特開昭61−23679号公報
に記載されているM2′X′2・M2′X′′2(ただし、
2′はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる
少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X′および
X′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX′≠
X′′である);および特願昭60−106752号明
細書に記載されているLnX′′3(ただし、LnはS
c、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、
Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからな
る群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;
X′′はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のハロゲンである); (2)特開昭60−84381号公報に記載されている
22・aM2′2:xEu2+(ただし、M2はBa、
SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種
のアルカリ土類金属であり;XおよびX′はCl、Br
およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロ
ゲンであって、かつX≠X′であり;そしてaは0.1
≦a≦0.0、xは0<x≦0.2である)の組成式で
表わされる二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロ
ゲン化物蛍光体;また、この蛍光体には以下のような添
加物が含まれていてもよい;特開昭60−166379
号公報に記載されているM1 X′′(ただし、M1は
RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種
のアルカリ金属であり;X′′はF、Cl、Brおよび
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンで
ある);特開昭60−221483号公報に記載されて
いるKX′′、MgX′′′2、M3 X′′′′3(た
だし、M3はSc、Y、La、GdおよびLuからなる
群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;
X′′、X′′′およびX′′′′はいずれもF、C
l、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンである);特開昭60−228592号公
報に記載されているB;特開昭60−228593号公
報に記載されているSiO2、P25等の酸化物;特開
昭61−120882号公報に記載されているLi
X′′、NaX′′(ただし、X′′はF、Cl、Br
およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロ
ゲンである);特開昭61−120883号公報に記載
されているSiO;特開昭61−120885号公報に
記載されているSnX′′2(ただし、X′′はF、C
l、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンである);特開昭61−235486号公
報に記載されているCsX′′、SnX′′′2(ただ
し、X′′およびX′′′はそれぞれF、Cl、Brお
よびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
ンである);および特開昭61−235487号公報に
記載されているCsX′′、Ln3+(ただし、X′′は
F、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンであり;LnはSc、Y、Ce、P
r、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、YbおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも
一種の希土類元素である); (3)特開昭55−12144号公報に記載されている
LnOX:xA(ただし、LnはLa、Y、Gd、およ
びLuのうち少なくとも一つ;XはCl、Br、および
Iのうち少なくとも一つ;AはCeおよびTbのうち少
なくとも一つ;そして、xは、0<x<0.1である)
の組成式で表わされる希土類元素付活希土類オキシハラ
イド蛍光体; (4)特開昭58−69281号公報に記載されている
3OX:xCe(ただし、M3はPr、Nd、Pm、S
m、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およ
びBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化金
属であり;XはCl、Br、およびIのうち少なくとも
一つであり;xは0<x<0.1である)の組成式で表
わされるセリウム付活三価金属オキシハライド蛍光体; (5)特願昭60−70484号明細書に記載されてい
るM1X:xBi(ただし、M1はRbおよびCsからな
る群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であ
り;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少
なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは0<x≦
0.2の範囲の数値である)の組成式で表わされるビス
マス付活アルカリ金属ハロゲン化物蛍光体; (6)特開昭60−141783号公報に記載されてい
るM2 5(PO43 x:xEu2+(ただし、M2はC
a、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも
一種のアルカリ土類金属であり;XはF、Cl、Brお
よびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
ンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の
組成式で表わされる二価ユーロピウム付活アルカリ土類
金属ハロリン酸塩蛍光体; (7)特開昭60−157099号公報に記載されてい
るM2 2BO3X:xEu2+(ただし、M2はCa、Srお
よびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアル
カリ土類金属であり;XはCl、BrおよびIからなる
群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;xは
0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表わさ
れる二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロホウ酸
塩蛍光体; (8)特開昭60−157100号公報に記載されてい
るM2 2PO4X:xEu2+(ただし、M2はCa、Sr
およびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のア
ルカリ土類金属であり;XはCl、BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;x
は0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表わ
される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロリン
酸塩蛍光体; (9)特開昭60−217354号公報に記載されてい
るM2HX:xEu2+(ただし、M2はCa、Srおよび
Baからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ
土類金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;xは0<
x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表わされる
二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属水素化ハロゲン
化物蛍光体; (10)特開昭61−21173号公報に記載されてい
るLnX3・aLn′X′3:xCe3+(ただし、Lnお
よびLn′はそれぞれY、La、GdおよびLuからな
る群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;
XおよびX′はそれぞれF、Cl、BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、
かつX≠X′であり;そしてaは0.1<a≦10.0
の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値
である)の組成式で表わされるセリウム付活希土類複合
ハロゲン化物蛍光体; (11)特開昭61−21182号公報に記載されてい
るLnX3・aM1X′:xCe3+(ただし、Lnおよび
Ln′はそれぞれY、La、GdおよびLuからなる群
より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;M1
はLi、Na、K、CsおよびRbからなる群より選ば
れる少なくとも一種のアルカリ金属であり;Xおよび
X′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0<
a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2
の範囲の数値である)の組成式で表わされるセリウム付
活希土類複合ハロゲン化物系蛍光体; (12)特開昭61−40390号公報に記載されてい
るLnPO4・aLnX3:xCe3+(ただし、Lnは
Y、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少な
くとも一種の希土類元素であり;XはF、Cl、Brお
よびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
ンであり;そしてaは0.1≦a≦10.0の範囲の数
値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の
組成式で表わされるセリウム付活希土類ハロ燐酸塩蛍光
体; (13)特願昭60−78151号明細書に記載されて
いるCsX:aRbX′:xEu2+(ただし、Xおよび
X′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0<
a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2
の範囲の数値である)の組成式で表わされる二価ユーロ
ピウム付活ハロゲン化セシウム・ルビジウム蛍光体;お
よび (14)特願昭60−78153号明細書に記載されて
いるM22・aM1X′:xEu2+(ただし、M2はB
a、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも
一種のアルカリ土類金属であり;M1はLi、Rbおよ
びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカ
リ金属であり;XおよびX′はそれぞれCl、Brおよ
びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン
であり;そしてaは0.1≦a≦20.0の範囲の数値
であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組
成式で表わされる二価ユーロピウム付活複合ハロゲン化
物蛍光体;を挙げることができる。
【0008】上記の輝尽性蛍光体のうちで、ヨウ素を含
有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属弗化ハロ
ゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム
付活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を
含有する希土類元素付活希土類オキシハロゲン化物系蛍
光体、およびヨウ素を含有するビスマス付活アルカリ金
属ハロゲン化物系蛍光体は高輝度の輝尽発光を示す。
【0009】これらの輝尽性蛍光体を使用した放射線画
像変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した後、励起光
の走査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後
に再度放射線画像の蓄積を行うことができ繰り返し使用
が可能である。つまり従来の放射線写真法では一回の撮
影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、こ
の放射線像変換方法では放射線像変換パネルを繰り返し
使用するので、資源保護、経済効率の面からも有利であ
る。そこで、放射線画像変換パネルには得られる放射線
画像の画質を劣化させることなく長期間の使用に耐える
性能を付与することが望ましい。
【0010】しかし放射線画像変換パネルにの製造に用
いられる輝尽性蛍光体は一般に吸湿性が大であり、通常
の気候条件の室内に放置すると空気中の水分を吸収し、
時間の経過とともに著しく劣化する。具体的には、たと
えば輝尽性蛍光体を高湿度のもとに置くと、吸収した水
分の増大にともなって前記蛍光体の放射線感度が低下す
る。また一般には輝尽性蛍光体に記録された放射線画像
の潜像は、放射線照射後の時間の経過にともなって退行
するため、再生される放射線画像信号の強度は放射線照
射から励起光による走査までの時間が長いほど小さくな
るという性質を有するが、輝尽性蛍光体が吸湿すると前
記潜像退行の速さが速くなる。そのため、吸湿した輝尽
性蛍光体を有する放射線画像変換パネルを用いると、放
射線画像の読み取り時再生信号の再現性が低下する。
【0011】従来、輝尽性蛍光体の吸湿による前記の劣
化現象を防止するには、透湿度の低い防湿性保護層で輝
尽性蛍光体層を被覆することにより該蛍光体層に到達す
る水分を低減させる方法がとられてきた。シリカやアル
ミナ等の無機酸化物の蒸着により防湿性を高めた蒸着フ
ィルムは加工性や透明性に優れ、防湿性および酸素透過
性が温度や湿度の影響を受けづらいため、環境によらず
安定した画像品質を要求される医療用輝尽性蛍光体プレ
ート用の防湿性保護フィルムとして適している。これら
の蒸着フィルムは近年、透明で中身の確認ができること
や、熱安定性が高くレトルト殺菌ができる、電子レンジ
による中身の加熱が可能等の利点を生かして主に食品分
野で不透明なアルミラミネートフィルムの代替えとして
普及してきた。但し、前記蒸着フィルムの蒸着層は破壊
されやすいと言う欠点があり、被覆作業による防湿性保
護フィルムの防湿性の劣化の問題から輝尽性蛍光体プレ
ートの防湿性保護フィルムとしては使用し難いものであ
った。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、前述のような問題点に鑑みてなされたもの
で、その課題は、端部融着部での蒸着層の破壊やシワの
発生が軽減され良好な防湿特性が再現できる放射線画像
変換パネル用防湿保護フィルムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の手段によ
って達成される。 少なくとも2層以上の金属酸化物蒸着樹脂フィルム
層を含む放射線画像変換パネル用防湿保護フィルムであ
って、支持体上に輝尽性蛍光体層が設けられてなる蛍光
体シートの蛍光体面に接する層の樹脂層が熱融着性を有
する樹脂で構成され、かつ最も輝尽性蛍光体層の表面に
近い蒸着層から放射線画像変換パネル用防湿保護フィル
ムの輝尽性蛍光体層の接する側の最外面までの距離が3
5μ以上あることを特徴とする放射線画像変換パネル用
防湿保護フィルム。
【0014】 記載の前記金属酸化物蒸着樹脂フィ
ルム層の蒸着面どうしが接しないように積層されている
ことを特徴とする放射線画像変換パネル用防湿保護フィ
ルム。
【0015】防湿性の保護フィルムを使用して支持体上
に蛍光体層が塗設されてなる蛍光体シートを被覆するこ
とは一般に封止と称される。本発明の湿保護フィルムを
用いて蛍光体シートを封止する封止形態は各種考えられ
るが、蛍光体シートへの水分の進入をより確実に低減す
るためには蛍光体シートの上下の防湿性保護フィルムの
周縁が前記蛍光体シートの周縁より外側にあり、蛍光体
シートの周縁部より外側の領域で該上下の防湿性保護フ
ィルムが融着あるいは接着剤により接着している封止構
造(図1)とすることが好ましい。
【0016】また、上記封止構造を実現するにあたっ
て、蛍光体シートの上下の防湿性保護フィルムの蛍光体
シートに接する側の最外層の樹脂層が熱融着性を有する
樹脂とすることで蛍光体シートの周縁部より外側の領域
で該上下の防湿性保護フィルムが融着可能となり封止作
業が効率化される。
【0017】しかしながら、厚みのある蛍光体シートの
上下を平滑な蒸着フィルムで挟み込み周囲を融着或いは
接着するにあたって、融着部に微細シワが発生したり融
着部で蒸着層が破壊されたりして期待した防湿特性が得
られないと言う現象があった。
【0018】本発明者らは防湿性保護フィルムとして積
層化した蒸着フィルムを使用する場合は最も蛍光体層面
に近い樹脂フィルムの蒸着層面から熱融着性を有するの
樹脂層側の最外部までの距離が35μ以上あるような層
構成にすることで、防湿性保護フィルムの端部融着部で
の蒸着層の破壊やシワの発生が軽減され良好な防湿特性
が再現できる事を見出した。
【0019】本発明で言う熱融着性フィルムとは、一般
に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フィ
ルムのことで、たとえばエチレン酢酸ビニルコポリマー
(EVA)やポリプロペレン(PP)フィルム、ポリエ
チレン(PE)フィルム等があげられるこれに限られた
ものではない。
【0020】蒸着フィルムの透湿性は、蒸着層に点在す
るピンホール等の蒸着欠陥によるところが大きく2枚以
上積層することで、その防湿特性は大きく向上し放射線
画像変換パネル用防湿保護フィルムとして好ましいもの
となる。
【0021】また蒸着フィルムは必要とされる防湿性に
あわせて、2枚以上積層することで最適な防湿性とする
ことができる。この場合の積層方法としては、一般に知
られているどのような方法でもかまわないが望ましく
は、ドライラミネート方式が作業性の面で優れている。
【0022】また本発明者らは蒸着樹脂フィルムの蒸着
面どうしが接するように積層した場合、本発明の積層フ
ィルムの光学特性、例えば光線透過率やヘイズが劣化す
ることも見出した。
【0023】したがって本発明の防湿保護フィルムとし
ては、蒸着樹脂フィルムの蒸着面どうしが接しないよう
に積層することがより好ましい。本発明において、蛍光
体シートの支持体側の防湿保護フィルムは光学的には不
透明であってもかまわないため、防湿性の向上の為にア
ルミラミネートフィルムとすることが好ましい。
【0024】ラミネートに使用するアルミ箔フィルムと
してはピンホール等による防湿性劣化の点から9μm以
上あることが望ましい。また持体側の防湿保護フィルム
も蛍光体面側の防湿保護フィルムと同様に、シワやツレ
の問題から膜厚50μ以上であることが望ましい。
【0025】本発明の放射線画像変換パネルにおいて用
いられる支持体としては各種高分子材料、ガラス、金属
等が用いられる。特に情報記録材料としての取り扱い上
可撓性のあるシートあるいはウェブに加工できるものが
好適であり、この点からいえばセルロースアセテートフ
ィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィ
ルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、鉄、
銅、クロム等の金属シートあるいは該金属酸化物の被覆
層を有する金属シートが好ましい。
【0026】また、これら支持体の層厚は用いる支持体
の材質等によって異なるが、一般的には80μm〜10
00μmであり、取り扱い上の点から、さらに好ましく
は80μm〜500μmである。
【0027】これらの支持体の表面は滑面であってもよ
いし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマ
ット面としてもよい。さらに、これら支持体は、輝尽性
蛍光体層との接着性を向上させる目的で輝尽性蛍光体層
が設けられる面に下引層を設けてもよい。
【0028】本発明において輝尽性蛍光体層に用いられ
る結合剤の例としては、ゼラチン等の蛋白質、デキスト
ラン等のポリサッカライド、またはアラビアゴムのよう
な天然高分子物質;および、ポリビニルブチラール、ポ
リ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチルセルロース、
塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、ポリアルキル
(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリ
マー、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレー
ト、ポリビニルアルコール、線状ポリエステルなどのよ
うな合成高分子物質などにより代表される結合剤を挙げ
ることができる。このような結合剤の中で特に好ましい
ものは、ニトロセルロース、線状ポリエステル、ポリア
ルキル(メタ)アクリレート、ニトロセルロースと線状
ポリエステルとの混合物、ニトロセルロースとポリアル
キル(メタ)アクリレートとの混合物およびポリウレタ
ンとポリビニルブチラールとの混合物である。なお、こ
れらの結合剤は架橋剤によって架橋されたものであって
もよい。輝尽性蛍光体層は、例えば、次のような方法に
より下塗層上に形成することができる。
【0029】まず輝尽性蛍光体、および結合剤を適当な
溶剤に添加し、これらを充分に混合して結合剤溶液中に
蛍光体粒子および該化合物の粒子が均一に分散した塗布
液を調製する。
【0030】本発明に用いられる結着剤としては、例え
ばゼラチンの如き蛋白質、デキストランの如きポリサッ
カライドまたはアラビアゴム、ポリビニルブチラール、
ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチルセルロー
ス、塩化ビニルデン・塩化ビニルコポリマー、ポリメチ
ルメタクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマ
ー、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、
ポリビニルアルコール等のような通常層構成に用いられ
る造膜性の結着剤が使用される。
【0031】一般に結着剤は輝尽性蛍光体1重量部に対
して0.01乃至1重量部の範囲で使用される。しかし
ながら得られる放射線画像変換パネルの感度と鮮鋭性の
点では結着剤は少ない方が好ましく、塗布の容易さとの
兼合いから0.03乃至0.2重量部の範囲がより好ま
しい。
【0032】塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体との
混合比(ただし、結合剤全部がエポキシ基含有化合物で
ある場合には該化合物と蛍光体との比率に等しい)は、
目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類、
エポキシ基含有化合物の添加量などによって異なるが、
一般には結合塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノ
ール、エノタール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、n−ブタノールなどの低級アルコール;メチレンク
ロライド、エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化
水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールとのエステ
ル;ジオキサン、エチレングリコールエチルエーテル、
エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテ
ル;トルエン;そして、それらの混合物を挙げることが
できる。
【0033】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製に用いられ
る溶剤の例としては、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸n−ブチル等の低級脂肪酸と低級アルコールと
のエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルな
どのエーテル、トリオール、キシロールなどの芳香族化
合物、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの
ハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物などが挙げら
れる。
【0034】なお、塗布液には、該塗布液中における蛍
光体の分散性を向上させるための分散剤、また、形成後
の輝尽性蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結
合力を向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混
合されていてもよい。
【0035】そのような目的に用いられる分散剤の例と
しては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン酸、親油性
界面活性剤などを挙げることができる。そして可塑剤の
例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリクレジル、燐
酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸ジエチル、
フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エステル;グリ
コール酸エチルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフ
タリルブチルなどのグリコール酸エステル;そして、ト
リエチレングリコールとアジピン酸とのポリエステル、
ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエステルなど
のポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸とのポリエ
ステルなどを挙げることができる。
【0036】なお、輝尽性蛍光体層用塗布液中に、輝尽
性蛍光体層蛍光体粒子の分散性を向上させる目的で、ス
テアリン酸、フタル酸、カプロン酸、親油性界面活性剤
などの分散剤を混合してもよい。
【0037】また必要に応じて結着剤に対する可塑剤を
添加してもよい。前記可塑剤の例としては、フタル酸ジ
エチル、フタル酸ジブチルなどのフタル酸エステル、コ
ハク酸ジイソデシル、アジピン酸ジオクチル等の脂肪族
二塩基酸エステル、グリコール酸エチルフタリルエチ
ル、グリコール酸ブチルフタリルブチルなどのグリコー
ル酸エステル等が挙げられる。
【0038】上記のようにして調製された塗布液を、次
に下塗層の表面に均一に塗布することにより塗布液の塗
膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、例え
ば、ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコータ
ーなどを用いることにより行なうことができる。
【0039】次いで、形成された塗膜を徐々に加熱する
ことにより乾燥して、下塗層上への輝尽性蛍光体層の形
成を完了する。輝尽性蛍光体層の層厚は、目的とする放
射線像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤
と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は20
μm乃至1mmとする。ただし、この層厚は50乃至5
00μmとするのが好ましい。
【0040】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製は、ボール
ミル、サンドミル、アトライター、三本ロールミル、高
速インペラー分散機、Kadyミル、および超音波分散
機などの分散装置を用いて行なわれる。調製された塗布
液をドクターブレード、ロールコーター、ナイフコータ
ーなどの塗布液を用いて支持体上に塗布し、乾燥するこ
とにより輝尽性蛍光体層が形成される。
【0041】本発明の放射線画像変換パネルの輝尽性蛍
光体層の膜厚は目的とする放射線画像変換パネルの特
性、輝尽性蛍光体の種類、結着剤と輝尽性蛍光体との混
合比等によって異なるが、10μm〜1000μmの範
囲から選ばれるのが好ましく、10μm〜500μmの
範囲から選ばれるのがより好ましい。
【0042】支持体上に蛍光体層が塗設された蛍光体シ
ートを所定の大きさに断裁する。断裁にあたっては一般
のどのような方法でも可能であるが、作業性、精度の面
から化粧断裁機、打ち抜き機等が望ましい。
【0043】所定の大きさに断裁された蛍光体シートを
本発明の防湿性保護フィルムで封止するに公知のいかな
るも方法も使用できるが、例をあげると蛍光体シートを
上下の防湿性保護フィルムの間に挟み周縁部をインパル
スシーラで加熱融着する方法、や2本の加熱したローラ
ー間で加圧加熱するラミネート方式等が挙げられる。
【0044】上記インパルスシーラで加熱融着する方法
においては、減圧環境下で加熱融着することが、蛍光体
シートの防湿性保護フィルム内での位置ずれ防止や大気
中の湿気を排除する意味でより好ましい。
【0045】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施の形態例の
放射線画像変換パネル用防湿フィルムを用いた放射線画
像変換パネルの断面構成図である。
【0046】図において、放射線画像変換パネル10
は、蛍光体シート1と、この蛍光体シート1を覆う防湿
保護フィルム7,9とからなっている。蛍光体シート1
は、支持体3と支持体3上に形成された輝尽性蛍光体層
5とから構成されている。
【0047】そして、防湿保護フィルム7と、防湿保護
フィルム9とで蛍光体シート1の上面(輝尽性蛍光体層
5側の面)および下面(支持体3側の面)を覆い、周縁
部をインパルスシーラーを用いて熱融着して、放射線画
像変換パネル10を形成している。
【0048】
【実施例】以下、実施の形態を挙げて本発明を例証す
る。ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光
体前駆体を合成するために、BaI2水溶液(3.6m
ol/L)2780mlとEuI3水溶液(0.2mo
l/L)27mlを反応器に入れた。この反応器中の反
応母液を撹拌しながら83℃で保温した。弗化アンモニ
ウム水溶液(8mol/L)322mlを反応母液中に
ローラーポンプを用いて注入し、沈澱物を生成させた。
【0049】注入終了後も保温と撹拌を2時間続けて沈
澱物の熟成を行なった。次に沈澱物をろ別後、エタノー
ルにより洗浄した後真空乾燥させてユーロピウム付活弗
化ヨウ化バリウムの結晶を得た。焼成時の焼結により粒
子形状の変化、粒子間融着による粒子サイズ分布の変化
を防止するために、アルミナの超微粒子粉体を0.2重
量%添加し、ミキサーで充分撹拌して、結晶表面にアル
ミナの超微粒子粉体を均一に付着させた。これを石英ボ
ートに充填して、チューブ炉を用いて水素ガス雰囲気
中、850℃で2時間焼成してユーロピウム付活弗化ヨ
ウ化バリウム蛍光体粒子を得た。
【0050】次に上記蛍光体粒子を分級することにより
平均粒径7μmの粒子を得た。蛍光体層形成材料とし
て、上記で得たユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム蛍
光体427g、ポリウレタン樹脂(住友バイエルウレタ
ン社製、デスモラック4125)15.8g、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂2.0gをメチルエチルケトン
−トルエン(1:1)混合溶媒に添加し、プロペラミキ
サーによって分散し、粘度25〜30PSの塗布液を調
製した。
【0051】この塗布液をドクターブレードを用いて厚
さ100μmの黒色PET支持体上に塗布したのち、1
00℃で15分間乾燥させて、230μの厚さの蛍光体
層を形成した。
【0052】上記塗布サンプルを10cm×10cmの
正方形に断裁し、蛍光体シートの蛍光体面側を下記表1
で示した層中に少なくとも2層のアルミナ蒸着PETを
含む各種積層蒸着フィルム、支持体側をアルミラミネー
トフィルムとして減圧下で周縁部をインパルスシーラを
用いて融着することで封止した。
【0053】尚、融着部から蛍光体シート周縁部までの
距離は1mmとなるように融着した。融着に使用したイ
ンパルスシーラーのヒーターは3mmのものを使用し
た。また蛍光体シートの支持体面側のアルミラミネート
フィルムはキャステングポリプロプレン(CPP)30
μ/アルミ箔9μ/ポリエチレンテレフタレート(PE
T)100μの構成のフィルムとした。
【0054】また表1中の距離(μ)はPETフィルム
の蒸着層面からCCPフィルムの最外部までの距離を示
し、層構成中の(−VM)はアルミナ蒸着面側を示して
いる。
【0055】(放射線画像変換パネルの評価) 感度劣化の評価 作成したサンプルを40℃90%の環境下に3ヶ月間放
置し、初期の感度と3ヶ月後の感度の比を算出した。こ
の場合値が1に近い程感度の劣化が少ないことを示す。
【0056】尚、感度の測定は放射線像変換パネルに管
電圧80KVpのX線を照射した後、パネルをHe−N
eレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体
層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の
光電子像倍管)で受光してその強度を測定することで行
った。
【0057】(防湿保護フィルム光学特性の測定)表1
に示した積層構成の防湿保護フィルムの光線透過、およ
びヘイズを測定し結果を表1に示した。
【0058】ここでの光線透過率とは390nmの光の
透過率である。
【0059】
【表1】
【0060】蒸着フィルムが1層の場合や蒸着層面から
CCPフィルムの最外部までの距離が35μ以下の場合
は感度の劣化が大きいことがわかる。蒸着フィルムが1
層の場合は防湿性の不足であり2層以上使用しても蒸着
層面からCCPフィルムの最外部までの距離が35μ以
下だと融着部近傍に発生した微細なシワや融着部でアル
ミナ蒸着層が破壊され期待した防湿特性が得られないた
めと推測される。
【0061】また金属酸化物蒸着樹脂フィルムの蒸着面
どうしが接しないように積層することで本発明の防湿保
護フィルムの光線透過率、ヘイズ等の光学特性が向上す
る。
【0062】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1記載の発明
によれば、支持体上に輝尽性蛍光体層が設けられてなる
蛍光体シートの輝尽性蛍光体面に接する層の樹脂層が熱
融着性を有する樹脂で構成され、かつ最も輝尽性蛍光体
層の表面に近い蒸着層から放射線画像変換パネル用防湿
保護フィルムの輝尽性蛍光体層の接する側の最外面まで
の距離が35μ以上あることにより、防湿性保護フィル
ムの端部融着部での蒸着層の破壊やシワの発生が軽減さ
れ良好な防湿特性が再現できる。
【0063】また、請求項2記載の発明によれば、前記
金属酸化物蒸着樹脂フィルムの蒸着面どうしが接しない
ように積層されていることにより、光線透過率、ヘイズ
等の光学特性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態例の放射線画像変換パネ
ル用防湿フィルムを用いた放射線画像変換パネルの断面
構成図である。
【符号の説明】
1 蛍光体シート 3 支持体 5 輝尽性蛍光体層 7,9 防湿保護フィルム 10 放射線画像変換パネル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2層以上の金属酸化物蒸着樹
    脂フィルム層を含む放射線画像変換パネル用防湿保護フ
    ィルムであって、支持体上に輝尽性蛍光体層が設けられ
    てなる蛍光体シートの蛍光体面に接する層の樹脂層が熱
    融着性を有する樹脂で構成され、かつ最も輝尽性蛍光体
    層の表面に近い蒸着層から放射線画像変換パネル用防湿
    保護フィルムの輝尽性蛍光体層の接する側の最外面まで
    の距離が35μ以上あることを特徴とする放射線画像変
    換パネル用防湿保護フィルム。
  2. 【請求項2】 前記金属酸化物蒸着樹脂フィルム層の蒸
    着面どうしが接しないように積層されていることを特徴
    とする請求項1記載の放射線画像変換パネル用防湿保護
    フィルム。
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