JP2003194998A - 放射線画像変換パネル及びその製造方法 - Google Patents

放射線画像変換パネル及びその製造方法

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JP2003194998A
JP2003194998A JP2001396733A JP2001396733A JP2003194998A JP 2003194998 A JP2003194998 A JP 2003194998A JP 2001396733 A JP2001396733 A JP 2001396733A JP 2001396733 A JP2001396733 A JP 2001396733A JP 2003194998 A JP2003194998 A JP 2003194998A
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Kiyoshi Hagiwara
清志 萩原
Takehiko Shoji
武彦 庄子
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性の向上した放射線画像変換パネル及び
その製造方法を提供すること。 【解決手段】 支持体上に輝尽性蛍光体層を有する蛍光
体シート、高分子フィルムの片面に接着層を有する融着
防止シート及び防湿性保護シートからなる放射線画像変
換パネルにおいて、該輝尽性蛍光体層と該融着防止シー
トの接着層が接着し、該防湿性保護シートが該融着防止
シートを非接着で被覆するように設けられていることを
特徴とする放射線画像変換パネル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線画像変換パ
ネル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】X線画像のような放射線画像は、病気診
断用等の分野で多く用いられている。このX線画像を得
る方法としては、被写体を通過したX線を蛍光体層(蛍
光スクリーン)に照射し、これにより可視光を生じさせ
た後、この可視光を通常の写真を撮るときと同様にし
て、ハロゲン化銀写真感光材料(以下、単に感光材料と
もいう)に照射し、次いで現像処理を施して可視銀画像
を得る、いわゆる放射線写真方式が広く利用されてい
る。
【0003】しかしながら、近年では、ハロゲン化銀塩
を有する感光材料による画像形成方法に代わり、蛍光体
層から直接画像を取り出す新たな方法が提案されてい
る。
【0004】この方法としては、被写体を透過した放射
線を蛍光体に吸収させ、しかる後この蛍光体を、例え
ば、光または熱エネルギーで励起することによりこの蛍
光体が前記吸収により蓄積している放射線エネルギーを
蛍光として放射させ、この蛍光を検出し画像化する方法
がある。
【0005】具体的には、例えば、米国特許第3,85
9,527号及び特開昭55−12144号公報等に記
載されているような輝尽性蛍光体を用いる放射線画像変
換方法が知られている。
【0006】この方法は、輝尽性蛍光体を含有する放射
線画像変換パネルを使用するもので、この放射線画像変
換パネルの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線を
当てて、被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線
エネルギーを蓄積させて、その後、輝尽性蛍光体を可視
光線、赤外線等の電磁波(励起光)で時系列的に励起す
ることにより、輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線
エネルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱に
よる信号を、例えば、光電変換して電気信号を得て、こ
の信号をハロゲン化銀写真感光材料等の記録材料、CR
T等の表示装置上に可視像として再生するものである。
【0007】前記の放射線画像の再生方法によれば、従
来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せによる放射
線写真法と比較して、はるかに少ない被曝線量で、かつ
情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利
点を有している。
【0008】このように輝尽性蛍光体は、放射線を照射
した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であ
るが、実用的には、波長が400〜900nmの範囲に
ある励起光によって、300〜500nmの波長範囲の
輝尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。
【0009】これらの輝尽性蛍光体を使用した放射線画
像変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した後、励起光
の走査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後
に再度放射線画像の蓄積を行うことができ、繰り返し使
用が可能である。つまり従来の放射線写真法では、一回
の撮影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対し
て、この放射線画像変換方法では放射線画像変換パネル
を繰り返し使用するので、資源保護、経済効率の面から
も有利である。
【0010】放射線画像変換パネルを使用した放射線画
像変換方式の優劣は、放射線画像変換パネルの輝尽性発
光輝度(感度ともいう)及び得られる画像の鮮鋭性に大
きく左右される。
【0011】放射線画像変換パネルは、その使用過程に
おいて、長期間にわたり得られる放射線像画質が劣化す
ることなく、常に安定した性能が付与できることが望ま
れている。輝尽性蛍光体の吸湿による性能劣化を防止す
る方法として、透湿度の低い防湿性保護層で輝尽性蛍光
体層を被覆することにより、蛍光体層に到達する水分を
低減させる方法が開示されている。この防湿性保護シー
トで輝尽性蛍光体層を被覆する手段においては、防湿性
保護シートと輝尽性蛍光体層表面が接着していないこと
が鮮鋭性を維持するための重要なポイントとなる。
【0012】しかしながら、防湿性保護シートで輝尽性
蛍光体層を被覆したときには、消去光等による装置内で
の加熱により徐々に防湿性保護シートが輝尽性蛍光体層
に融着し、画像の鮮鋭性が劣化するという問題が明らか
になり、早急な改良手段の開発が望まれている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性の向上した放射線画像変換パネル及びその製造方法を
提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の前記目的は、下
記手段により達成される。
【0015】1.支持体上に輝尽性蛍光体層を有する蛍
光体シート、高分子フィルムの片面に接着層を有する融
着防止シート及び防湿性保護シートからなる放射線画像
変換パネルにおいて、該輝尽性蛍光体層と該融着防止シ
ートの接着層が接着し、該防湿性保護シートが該融着防
止シートを非接着で被覆するように設けられていること
を特徴とする放射線画像変換パネル。
【0016】2.融着防止シートの膜厚が15μm以下
であることを特徴とする上記1記載の放射線画像変換パ
ネル。
【0017】3.融着防止シートの膜厚が10μm以下
であることを特徴とする上記2記載の放射線画像変換パ
ネル。
【0018】4.融着防止シートが励起光を吸収するよ
うに着色されていることを特徴とする上記1〜3の何れ
か1項に記載の放射線画像変換パネル。
【0019】5.防湿性保護シートが励起光を吸収する
ように着色されていることを特徴とする上記1〜4の何
れか1項に記載の放射線画像変換パネル。
【0020】6.防湿性保護シートが多層構造であるこ
とを特徴とする上記1〜5の何れか1項に記載の放射線
画像変換パネル。
【0021】7.上記1〜6の何れか1項に記載の放射
線画像変換パネルの製造方法において、蛍光体シートに
融着防止シートをラミネートし、その後防湿性保護シー
トで真空密閉することを特徴とする放射線画像変換パネ
ルの製造方法。
【0022】以下本発明を詳細に説明する。本発明者は
鋭意研究の結果、保存時の熱による鮮鋭性の劣化は防湿
性保護シートが輝尽性蛍光体層に融着し、励起光の散乱
が増加することが原因であることを解明し、蛍光体シー
トと防湿性保護シートの間に、防湿性保護シートと非接
着の融着防止シートを設けることによって、耐熱性の向
上した放射線画像変換パネルが得られることを見出し
た。詳しくは、請求項1に記載するように、支持体上に
輝尽性蛍光体層を有する蛍光体シート、高分子フィルム
の片面に接着層を有する融着防止シート及び防湿性保護
シートからなる放射線画像変換パネルにおいて、輝尽性
蛍光体層と融着防止シートの接着層が接着し、防湿性保
護シートが融着防止シートを非接着で被覆するように設
けることにより、耐熱性の向上した放射線画像変換パネ
ルが得られることを見出した。
【0023】また、本発明の効果をより発現するために
は、融着防止シートの膜厚が特定の値以下であり、融着
防止シート及び防湿性保護シートが励起光を吸収するよ
うに着色され、防湿性保護シートが多層構造であること
が好ましい。
【0024】〔放射線画像変換パネルの層構成〕本発明
の放射線画像変換パネルは、支持体上に輝尽性蛍光体層
を有する蛍光体シート、高分子フィルムの片面に接着層
を有する融着防止シート及び防湿性保護シートからな
る。輝尽性蛍光体層と融着防止シートは接着し、防湿性
保護シートと融着防止シートは非接着である。
【0025】〔融着防止シート〕次に、本発明に用いら
れる融着防止シートについて説明する。融着防止シート
は、高分子フィルムとその片面に接着層を有し、色剤に
より着色されていることが好ましい。色剤は励起光波長
での吸光度が大きく、輝尽発光波長での吸光度が小さい
ものが好ましい。
【0026】(高分子フィルム)本発明に用いられる高
分子フィルムとしては、セルロースアセテートフィル
ム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレー
トフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィル
ム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィル
ム等のプラスティックフィルが挙げられる。
【0027】また、高分子フィルムの膜厚は薄膜が好ま
しく、高分子フィルムを含む融着防止シートの膜厚は1
5μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。
15μmを越えると鮮鋭度が低下する。また1μm未満
では強度が不足するので1μm以上が好ましい。
【0028】(接着層)接着層に用いられる材料として
は、ゼラチン等の蛋白質、デキストラン等のポリサッカ
ライド、またはアラビアゴムのような天然高分子物質;
及び、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロ
セルロース、エチルセルロース、塩化ビニリデン・塩化
ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレー
ト、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタ
ン、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアル
コール、線状ポリエステル等のような合成高分子物質等
により代表される結合剤を挙げることができる。このよ
うな結合剤の中で、特に好ましいものは、可視光透過率
の高いニトロセルロース、線状ポリエステル、ポリアル
キル(メタ)アクリレート、ニトロセルロースと線状ポ
リエステルとの混合物、ニトロセルロースとポリアルキ
ル(メタ)アクリレートとの混合物及びポリウレタンと
ポリビニルブチラールとの混合物である。なお、これら
の結合剤は、架橋剤によって架橋されたものであっても
よい。
【0029】また、融着防止シートの蛍光体シートに接
する側の最外層の接着層を熱融着性を有する樹脂フィル
ムとすることは、融着防止シートが融着可能となり蛍光
体シートの封止作業が効率化される点で、好ましい形態
の1つである。熱融着性を有する樹脂フィルムとは、一
般に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フ
ィルムのことで、例えば、エチレン酢酸ビニルコポリマ
ー(EVA)やポリプロピレン(PP)フィルム、ポリ
エチレン(PE)フィルム等を挙げることができる。
【0030】(表面粗さ)融着防止シートの蛍光体層側
の表面粗さ(Ra)は5μm以下であることが好まし
い。表面粗さRa(μm)は、非接触3次元表面解析装
置(WYKO社RST/PLUS)を用いて測定するこ
とができる。なおRaの定義は、JIS表面粗さ(B0
601)に従う。
【0031】(色剤)融着防止シートに用いられる励起
光を吸収する色剤としては、有機若しくは無機系色剤の
いずれでもよいが、有機系色剤としては、ザボンファー
ストブルー3G(ヘキスト製)、エストロールブリルブ
ルーN−3RL(住友化学製)、D&CブルーNo.1
(ナショナルアニリン製)、スピリットブルー(保土谷
化学製)、オイルブルーNo.603(オリエント
製)、キトンブルーA(チバガイギー製)、アイゼンカ
チロンブルーGLH(保土ヶ谷化学製)、レイクブルー
AFH(協和産業製)、プリモシアニン6GX(稲畑産
業製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学
製)、シアンブルーBNRCS(東洋インク製)、ライ
オノイルブルーSL(東洋インク製)等が用いられる。
またカラーインデクスNo.24411、23160、
74180、74200、22800、23154、2
3155、24401、14830、15050、15
760、15707、17941、74220、134
25、13361、13420、11836、7414
0、74380、74350、74460等の有機系金
属錯塩染料または顔料も挙げられる。特に金属フタロシ
アニン系顔料が好ましい。無機系色剤としては群青、コ
バルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO
2−ZnO−Co−NiO系顔料が挙げられる。
【0032】(光透過率)融着防止シートは、本発明に
記載の効果、特に放射線画像変換パネルの発光輝度を良
好に保つ観点から、励起光波長における光透過率が50
〜97%であることが好ましく、更に好ましくは80〜
97%である。ここで光透過率とは、色剤を有する融着
防止シートが、色剤を持たない以外は同一構成を有する
融着防止シートの光透過率を100%に設定したときの
光透過率を相対値で表したものである。
【0033】光透過率は下記式に従って求められる。 光透過率(%)=(透過光/入射光)×100 〔蛍光体シート〕次に、本発明に用いられる蛍光体シー
トについて説明する。蛍光体シートは支持体及びその上
に設けられた輝尽性蛍光体層からなる。
【0034】(支持体)本発明の放射線画像変換パネル
に用いられる支持体としては、各種高分子材料、ガラ
ス、金属等が用いられる。特に、情報記録材料としての
取り扱い上、可撓性のあるシートあるいはウェブに加工
できるものが好適であり、この点からいえば、例えば、
セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィル
ム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミド
フィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィル
ム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィル
ム、アルミニウム、鉄、銅、クロム等の金属シートある
いは親水性微粒子の被覆層を有する金属シートが好まし
い。
【0035】これら支持体の膜厚は、用いる支持体の材
質等によって異なるが、一般的には3〜1000μmで
あり、取り扱い易さの観点からは80〜500μmであ
ることが好ましい。
【0036】これらの支持体の表面は、滑面であっても
よいし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的
で、マット面としてもよい。
【0037】さらに、これら支持体は、輝尽性蛍光体層
との接着性を向上させる目的で、輝尽性蛍光体層が設け
られる面に下引層を設けてもよい。
【0038】(輝尽性蛍光体)本発明に係る蛍光体シー
トの輝尽性蛍光体層には、輝尽性蛍光体が含有されてい
る。
【0039】本発明に用いることのできる輝尽性蛍光体
としては、波長が400〜900nmの範囲にある励起
光によって、300〜500nmの波長範囲の輝尽発光
を示す蛍光体が一般的に使用される。
【0040】以下に、本発明の放射線画像変換パネルで
好ましく用いることのできる蛍光体の例を挙げるが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】(1)特開昭55−12145号に記載さ
れている(Ba1-X,M(II)X)FX:yA、(式中、
M(II)はMg、Ca、Sr、Zn及びCdのうちの少
なくとも一つ、XはCl、Br及びIのうち少なくとも
一つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、H
o、Nd、Yb及びErのうちの少なくとも一つ、そし
ては、0≦x≦0.6、yは、0≦y≦0.2である)
の組成式で表される希土類元素付活アルカリ土類金属弗
化ハロゲン化物蛍光体;また、この蛍光体には以下のよ
うな添加物が含まれていてもよい。
【0042】a)特開昭56−74175号に記載され
ている、X′、BeX″、M(III)X′″3、式中、
X′、X″及びX′″はそれぞれCl、Br及びIの少
なくとも一種であり、M(III)は三価金属である b)特開昭55−160078号に記載されているBe
O、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Al2
3、Y23、La23、In23、SiO2、Ti
2、ZrO2、GeO2、SnO2、Nb25、Ta25
及びThO2等の金属酸化物 c)特開昭56−116777号に記載されているZ
r、Sc d)特開昭57−23673号に記載されているB e)特開昭57−23675号に記載されているAs、
Si f)特開昭58−206678号に記載されているM・
L、式中、MはLi、Na、K、Rb及びCsからなる
群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、
LはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、
Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、A
l、Ga、In及びTlからなる群より選ばれる少なく
とも一種の三価金属である g)特開昭59−27980号に記載されているテトラ
フルオロホウ酸化合物の焼成物;特開昭59−2728
9号に記載されているヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフ
ルオロチタン酸及びヘキサフルオロジルコニウム酸の一
価もしくは二価金属の塩の焼成物;特開昭59−564
79号に記載されているNaX′、式中、X′はCl、
Br及びIのうちの少なくとも一種である h)特開昭59−56480号に記載されているV、C
r、Mn、Fe、Co及びNi等の遷移金属;特開昭5
9−75200号に記載されているM(I)X′、M′
(II)X″2、M(III)X′″3、A、式中、M(I)
はLi、Na、K、Rb及びCsからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のアルカリ金属であり、M′(II)は
Be及びMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の
二価金属を表し、M(III)はAl、Ga、In及びT
lからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属で
あり、Aは金属酸化物であり、X′、X″及びX′″は
それぞれF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる
少なくとも一種のハロゲンである i)特開昭60−101173号に記載されているM
(I)X′、式中、M(I)はRb及びCsからなる群
より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、
X′はF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少
なくとも一種のハロゲンである j)特開昭61−23679号に記載されているM(I
I)′X′2・M(II)′X″2、式中、M(II)′はB
a、Sr及びCaからなる群より選ばれる少なくとも一
種のアルカリ土類金属であり;X′及びX″はそれぞれ
Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンであって、かつX′≠X″である;更に、
特開昭61−264084号明細書に記載されているL
nX″3、式中、LnはSc、Y、La、Ce、Pr、
Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一
種の希土類元素であり;X″はF、Cl、Br及びIか
らなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
る。
【0043】(2)特開昭60−84381号に記載さ
れているM(II)X2・aM(II)X′2:xEu2+(式
中、M(II)はBa、Sr及びCaからなる群より選ば
れる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X及び
X′はCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンであって、かつX≠X′であり;そ
してaは0.1≦a≦10.0、xは0<x≦0.2で
ある)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカ
リ土類金属ハロゲン化物蛍光体;また、この蛍光体には
以下のような添加物が含まれていてもよい。
【0044】a)特開昭60−166379号に記載さ
れているM(I)X′、式中、M(I)はRb及びCs
からなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属
であり;X′はF、Cl、Br及びIからなる群より選
ばれる少なくとも一種のハロゲンである b)特開昭60−221483号に記載されているK
X″、MgX′″2、M(III)X″″3、式中、M(II
I)はSc、Y、La、Gd及びLuからなる群より選
ばれる少なくとも一種の三価金属であり;X″、X′″
及びX″″はいずれもF、Cl、Br及びIからなる群
より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである c)特開昭60−228592号に記載されているB、
特開昭60−228593号に記載されているSi
2、P25等の酸化物、特開昭61−120882号
に記載されているLiX″、NaX″、式中、X″は
F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくと
も一種のハロゲンである d)特開昭61−120883号に記載されているSi
O;特開昭61−120885号に記載されているSn
X″2、式中、X″はF、Cl、Br及びIからなる群
より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである e)特開昭61−235486号に記載されているCs
X″、SnX′″2、式中、X″及びX′″はそれぞれ
F、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくと
も一種のハロゲンである;更に、特開昭61−2354
87号に記載されているCsX″、Ln3+、式中、X″
はF、Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンであり;LnはSc、Y、Ce、P
r、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Yb及びLuからなる群より選ばれる少なくとも一
種の希土類元素である。
【0045】(3)特開昭55−12144号に記載さ
れているLnOX:xA(式中、LnはLa、Y、Gd
及びLuのうち少なくとも一つ;XはCl、Br及びI
のうち少なくとも一つ;AはCe及びTbのうち少なく
とも一つ;xは、0<x<0.1である)の組成式で表
される希土類元素付活希土類オキシハライド蛍光体。
【0046】(4)特開昭58−69281号に記載さ
れているM(II)OX:xCe(式中、M(II)はP
r、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb及びBiからなる群より選ばれる少なく
とも一種の酸化金属であり;XはCl、Br及びIのう
ち少なくとも一つであり;xは0<x<0.1である)
の組成式で表されるセリウム付活三価金属オキシハライ
ド蛍光体。
【0047】(5)特開昭62−25189号明細書に
記載されているM(I)X:xBi(式中、M(I)は
Rb及びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種の
アルカリ金属であり;XはCl、Br及びIからなる群
より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そして
xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表
されるビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化物蛍光体。
【0048】(6)特開昭60−141783号に記載
されているM(II)5(PO43X:xEu2+(式中、
M(II)はCa、Sr及びBaからなる群より選ばれる
少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはF、C
l、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種
のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値で
ある)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカ
リ土類金属ハロリン酸塩蛍光体。
【0049】(7)特開昭60−157099号に記載
されているM(II)2BO3X:xEu2+(式中、M(I
I)はCa、Sr及びBaからなる群より選ばれる少な
くとも一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、Br
及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
ンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の
組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金
属ハロホウ酸塩蛍光体。
【0050】(8)特開昭60−157100号に記載
されているM(II)2(PO43X:xEu2+(式中、
M(II)はCa、Sr及びBaからなる群より選ばれる
少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、
Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハ
ロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値であ
る)の組成式で表される二価ユーロピウム付活アルカリ
土類金属ハロリン酸塩蛍光体。
【0051】(9)特開昭60−217354号に記載
されているM(II)HX:xEu2+(式中、M(II)は
Ca、Sr及びBaからなる群より選ばれる少なくとも
一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、Br及びI
からなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
り;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式
で表される二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属水素
化ハロゲン化物蛍光体。
【0052】(10)特開昭61−21173号に記載
されているLnX3・aLn′X′3:xCe3+、(式
中、Ln及びLn′はそれぞれY、La、Gd及びLu
からなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素で
あり;X及びX′はそれぞれF、Cl、Br及びIから
なる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであっ
て、かつX≠X′であり;そしてaは0.1<a≦1
0.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲
の数値である)の組成式で表されるセリウム付活希土類
複合ハロゲン化物蛍光体。
【0053】(11)特開昭61−21182号に記載
されているLnX3・aM(I)X′3:xCe3+
(式中、LnはY、La、Gd及びLuからなる群より
選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;M(I)
はLi、Na、K、Cs及びRbからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のアルカリ金属であり;X及びX′は
それぞれCl、Br及びIからなる群より選ばれる少な
くとも一種のハロゲンであり;そしてaは0<a≦1
0.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲
の数値である)の組成式で表されるセリウム付活希土類
複合ハロゲン化物系蛍光体。
【0054】(12)特開昭61−40390号に記載
されているLnPO4・aLnX3:xCe3+、(式中、
LnはY、La、Gd及びLuからなる群より選ばれる
少なくとも一種の希土類元素であり;XはF、Cl、B
r及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロ
ゲンであり;そしてaは0.1≦a≦10.0の範囲の
数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)
の組成式で表されるセリウム付活希土類ハロ燐酸塩蛍光
体。
【0055】(13)特開昭61−236888号明細
書に記載されているCsX:aRbX′:xEu2+
(式中、X及びX′はそれぞれCl、Br及びIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そ
してaは0<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0
<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される
二価ユーロピウム付活ハロゲン化セシウム・ルビジウム
蛍光体。
【0056】(14)特開昭61−236890号に記
載されているM(II)X2・aM(I)X′:xE
2+、(式中、M(II)はBa、Sr及びCaからなる
群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であ
り;M(I)はLi、Rb及びCsからなる群より選ば
れる少なくとも一種のアルカリ金属であり;X及びX′
はそれぞれCl、Br及びIからなる群より選ばれる少
なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0.1≦a
≦20.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の
範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウ
ム付活複合ハロゲン化物蛍光体。
【0057】前記の輝尽性蛍光体のうちで、ヨウ素を含
有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属弗化ハロ
ゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム
付活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を
含有する希土類元素付活希土類オキシハロゲン化物系蛍
光体及びヨウ素を含有するビスマス付活アルカリ金属ハ
ロゲン化物系蛍光体は、高輝度の輝尽発光を示すため好
ましく、特には、輝尽性蛍光体がEu付加BaFI化合
物であることが好ましい。
【0058】(結合剤)輝尽性蛍光体層に用いられる結
合剤の例としては、ゼラチン等の蛋白質、デキストラン
等のポリサッカライド、またはアラビアゴムのような天
然高分子物質;及び、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸
ビニル、ニトロセルロース、エチルセルロース、塩化ビ
ニリデン・塩化ビニルコポリマー、ポリアルキル(メ
タ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマ
ー、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、
ポリビニルアルコール、線状ポリエステル等のような合
成高分子物質等により代表される結合剤を挙げることが
できる。このような結合剤の中で、特に好ましいもの
は、ニトロセルロース、線状ポリエステル、ポリアルキ
ル(メタ)アクリレート、ポリウレタン、ニトロセルロ
ースと線状ポリエステルとの混合物、ニトロセルロース
とポリアルキル(メタ)アクリレートとの混合物及びポ
リウレタンとポリビニルブチラールとの混合物である。
なお、これらの結合剤は、架橋剤によって架橋されたも
のであってもよい。
【0059】塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体との
混合比は、目的とする放射線画像変換パネルの特性、蛍
光体の種類によって異なるが、蛍光体1質量部に対し1
〜20質量部が好ましく、さらには2〜10質量部がよ
り好ましい。
【0060】(溶剤)輝尽性蛍光体層用塗布液の調製に
用いられる溶剤の例としては、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール等の低級アルコ
ール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸n−ブチル等の低級脂肪酸と低級アル
コールとのエステル、ジオキサン、エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル等のエーテル、トリオール、キシロール等の芳香
族化合物、メチレンクロライド、エチレンクロライド等
のハロゲン化炭化水素及びそれらの混合物等が挙げられ
る。
【0061】(添加剤)なお、輝尽性蛍光体層用塗布液
には、塗布液中における蛍光体の分散性を向上させるた
めの分散剤、また、形成後の輝尽性蛍光体層中における
結合剤と蛍光体との間の結合力を向上させるための可塑
剤等の種々の添加剤が混合されていてもよい。そのよう
な目的に用いられる分散剤の例としては、フタル酸、ス
テアリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤等を挙げる
ことができる。また、可塑剤の例としては、燐酸トリフ
ェニル、燐酸トリクレジル、燐酸ジフェニル等の燐酸エ
ステル;フタル酸ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル
等のフタル酸エステル;グリコール酸エチルフタリルエ
チル、グリコール酸ブチルフタリルブチル等のグリコー
ル酸エステル;そして、トリエチレングリコールとアジ
ピン酸とのポリエステル、ジエチレングリコールとコハ
ク酸とのポリエステル等のポリエチレングリコールと脂
肪族二塩基酸とのポリエステル等を挙げることができ
る。また、輝尽性蛍光体層塗布液中に、輝尽性蛍光体粒
子の分散性を向上させる目的で、ステアリン酸、フタル
酸、カプロン酸、親油性界面活性剤等の分散剤を混合し
てもよい。
【0062】(調液)輝尽性蛍光体層用塗布液の調製
は、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、ア
トライター、三本ロールミル、高速インペラー分散機、
Kadyミル、あるいは超音波分散機等の分散装置を用
いて行なわれる。
【0063】前記のようにして調製された塗布液を、下
塗層の表面上に均一に塗布することにより塗膜を形成す
る。用いることのできる塗布方法としては、通常の塗布
手段、例えば、ドクターブレード、ロールコーター、ナ
イフコーター、コンマコーター、リップコーター等を用
いることができる。次いで、形成された塗膜を加熱、乾
燥して、下塗層上への輝尽性蛍光体層の形成を完了す
る。
【0064】(膜厚)輝尽性蛍光体層の膜厚は、目的と
する放射線画像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種
類、結合剤と蛍光体との混合比等によって異なるが、通
常は10〜1000μmであり、より好ましくは10〜
500μmである。
【0065】〔防湿性保護シート〕本発明の放射線画像
変換パネルには、輝尽性蛍光体層の表面を物理的、化学
的に保護するための防湿性保護シートを有し、それらの
構成は目的、用途等に応じて適宜選択することができ
る。
【0066】本発明の放射線画像変換パネルに設ける防
湿性保護シートのフィルムとしては、ポリエステルフィ
ルム、ポリメタクリレートフィルム、ニトロセルロース
フィルム、セルロースアセテートフィルム等が使用でき
るが、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチ
レンナフタレートフィルム等の延伸加工されたフィルム
が、透明性、強さの面で好ましく、更には、これらのポ
リエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンテレ
フタレートフィルム上に金属酸化物、窒化珪素等の薄膜
を蒸着した蒸着フィルムが防湿性の面からより好まし
い。
【0067】(多層構造、水蒸気バリア性)本発明にお
いて、防湿性保護シートで用いるフィルムは、必要とさ
れる防湿性にあわせて、樹脂フィルムや樹脂フィルムに
金属酸化物等を蒸着した蒸着フィルムを複数枚積層した
多層構造とすることで最適な防湿性とすることができ、
輝尽性蛍光体の吸湿劣化防止を考慮して、透湿度は少な
くとも50g/m2・day以下であることが好まし
い。特に、防湿性保護シートが、融着防止シートの高分
子フィルムへ接触する層以外の層のうち、少なくとも1
層はアルミナまたはシリカを蒸着した水蒸気バリア性の
フィルムであることが好ましい。樹脂フィルムの積層方
法としては、特に制限はなく、公知のいずれの方法を用
いてもよい。
【0068】(表面粗さ)防湿性保護シートの蛍光体層
側の表面粗さ(Ra)は0.05〜1.0μmであるこ
とが好ましい。
【0069】(色剤)防湿性保護シートは励起光を吸収
するように色剤で着色されていることが好ましい。着色
方法としては、積層された樹脂フィルム間に励起光吸収
層を設けることによって、励起光吸収層が物理的な衝撃
や化学的な変質から保護され安定したプレート性能が長
期間維持でき好ましい。励起光吸収層は複数箇所設けて
もよいし、積層するための接着剤層に色剤を含有して、
励起光吸収層としてもよい。
【0070】これらの色剤としては、前記防湿性保護シ
ートに用いる励起光を吸収する色剤が使用でき、有機若
しくは無機系色剤のいずれでもよいが、特に金属フタロ
シアニン系顔料が好ましい。
【0071】(光透過率)防湿性保護シートは、本発明
に記載の効果、特に放射線画像変換パネルの発光輝度を
良好に保つ観点から、励起光波長における光透過率が5
0〜97%であることが好ましく、更に好ましくは、光
透過率が80〜97%である。ここで、光透過率とは、
励起吸収層を有する防湿性保護シートが励起光吸収層を
持たない以外は同一構成を有する前記防湿性保護シート
の光透過率を100%に設定したときの光透過率を相対
値で表したものである。
【0072】前記記載の光透過率は下記式に従って求め
られる。 光透過率(%)=(透過光/入射光)×100 〔パネルの製造方法〕放射線画像変換パネルの製造方法
としては、主には下記に示す2つの方法が挙げられる。
【0073】第1の製造方法としては、輝尽性蛍光体、
結合剤、添加剤、溶剤からなる輝尽性蛍光体塗布液を下
引き層を有する支持体上に塗布し輝尽性蛍光体シートを
形成し、次にその上に接着層を有する融着防止シートを
接着し、さらにそれらを防湿性保護シートで真空密閉す
る方法である。
【0074】また、第2の製造方法としては、輝尽性蛍
光体塗布液をまず仮支持体上に塗布し、輝尽性蛍光体シ
ートを形成する。次いで、輝尽性蛍光体シートを下引き
層を有する支持体上に載せ、結合剤の軟化温度若しくは
融点以上の温度で、支持体に接着して形成し、次にその
上に接着層を有する融着防止シートを接着し、さらにそ
れらを防湿性保護シートで真空密閉する方法である。
【0075】防湿性保護シートは、非接着で融着防止シ
ートを被覆するように設けられた構造(以下、封止また
は封止構造ともいう)である。封止するにあたっては、
公知のいずれの方法でもよい。ここで非接着とは、微視
的には蛍光体面と防湿性保護シートとが点接触していて
も、光学的、力学的には殆ど蛍光体面と防湿性保護シー
トは不連続体として扱える状態のことである。
【0076】さらに、蛍光体シートを融着防止シートで
ラミネートし、これを防湿性保護シートで被覆し、その
後、防湿性保護シートの周縁がラミネートした蛍光体シ
ートの周縁より外側にある領域で、上下の防湿性保護シ
ートをインパルスシーラー等で加熱、融着して封止構造
とすることで、蛍光体シートの外周部からの水分進入も
阻止でき好ましい。また、さらには、支持体面側の防湿
性保護シートが1層以上のアルミフィルムをラミネート
してなる積層防湿フィルムとすることで、より確実に水
分の進入を低減でき、またこの封止方法は作業的にも容
易であり好ましい。前記インパルスシーラーで加熱融着
する方法においては、減圧環境下で加熱融着すること
が、蛍光体シートの防湿性保護シート内での位置ずれ防
止や大気中の湿気を排除する意味でより好ましい。
【0077】支持体と輝尽性蛍光体層の結合を強化する
ため、支持体には下引き層を設けることが好ましい。そ
の他、感度、画質(例えば、鮮鋭性、粒状性)を向上す
る目的で、二酸化チタン等の光反射性物質からなる光反
射層、若しくはカーボンブラック等の光吸収物質からな
る光吸収層等が、必要に応じて設けられてよい。
【0078】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されない。
【0079】実施例1 《放射線画像変換パネルの作製》 〔放射線画像変換パネル1の作製〕 (蛍光体の調製)ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム
の輝尽性蛍光体前駆体を合成するために、BaI2水溶
液(3.6mol/L)2780mlとEuI3水溶液
(0.15mol/L)27mlを反応器に入れた。こ
の反応器中の反応母液を撹拌しながら83℃で保温し
た。次いで、弗化アンモニウム水溶液(8mol/L)
322mlを反応母液中にローラーポンプを用いて注入
し、沈澱物を生成させた。注入終了後も保温と撹拌を2
時間続けて沈澱物の熟成を行なった。次に、沈澱物をろ
別後、エタノールにより洗浄した後、真空乾燥させてユ
ーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの結晶を得た。焼成
時の焼結により粒子形状の変化、粒子間融着による粒子
サイズ分布の変化を防止するために、アルミナの超微粒
子粉体を0.2質量%添加し、ミキサーで充分撹拌して
結晶表面にアルミナの超微粒子粉体を均一に付着させ
た。これを石英ボートに充填して、チューブ炉を用いて
水素ガス雰囲気下で、850℃で2時間焼成した後、分
級して平均粒径が4μmのユーロピウム付活弗化ヨウ化
バリウム蛍光体を調製した。
【0080】(蛍光体層塗布液の調製)前記調製した蛍
光体を100gとポリエステル樹脂(東洋紡社製、バイ
ロン63SS 固形分濃度30%)16.7gとをメチ
ルエチルケトン−トルエン(1:1)混合溶媒に添加
し、プロペラミキサーによって分散し、粘度を25〜3
0Pa・sに調整して、蛍光体層塗布液を調製した。
【0081】(蛍光体シートの作製)前記調製した蛍光
体層塗布液を用いて、ドクターブレードにより、厚さ2
50μmのポリエチレンテレフタレート支持体上に、塗
布幅として1000mmで膜厚が230μmとなるよう
に塗布した後、100℃で15分間乾燥させて蛍光体層
を形成して蛍光体シートを作製した。
【0082】(融着防止シートの加工)前記作製した蛍
光体シートの上に、厚さ6μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルムの片面に2液反応型のウレタン系接着剤
を含む接着層を有する融着防止シートを接着した。
【0083】(蛍光体シートの支持体裏面の保護シート
の加工)前記融着防止シートを加工した蛍光体シートの
支持体裏面の保護シートとして、CPP30μm/アル
ミフィルム9μm/ポリエチレンテレフタレート(PE
T)188μmの構成のドライフィルムをラミネートし
た。また、この場合の接着剤層の厚みは1.5μmで2
液反応型のウレタン系接着剤を使用した。
【0084】(防湿性保護シートの加工)前記裏面加工
した蛍光体シートを各々一辺が20cmの正方形に断裁
した後、下記の多層構成の防湿性保護シートを用いて、
減圧下で、中央部は非接着で、周縁部はインパルスシー
ラを用いて融着、封止して、放射線画像変換パネル1を
作製した。尚、融着部から蛍光体シート周縁部までの距
離は1mmとなるように融着した。融着に使用したイン
パルスシーラーのヒーターは3mm幅のものを使用し
た。
【0085】〈防湿性保護シート〉 NY15///VMPET12///VMPET12/
//PET12///CPP20 NY:ナイロン PET:ポリエチレンテレフタレート CPP:キャステングポリプロピレン VMPET:アルミナ蒸着PET(市販品:東洋メタラ
イジング社製) 各樹脂フィルムの後ろに記載の数字は、樹脂層の膜厚
(μm)を示す。
【0086】前記「///」は、ドライラミネーション
接着層で、接着剤層の厚みが3.0μmであることを意
味する。
【0087】〔放射線画像変換パネル2の作製〕放射線
画像変換パネル1の作製において、融着防止シートを削
除し、他は同様にして放射線画像変換パネル2を作製し
た。
【0088】《評価》作製した放射線画像変換パネル
1、2を、70℃、50%RHの環境下で1、3、7、
14、30日間の強制劣化処理(強制劣化処理パネル)
した後、以下に示す方法に従い、未処理の放射線画像変
換パネル(基準パネル)とともに、強制劣化処理による
鮮鋭性の安定性評価を行った。評価の結果を表1に示
す。
【0089】(鮮鋭性の評価)放射線画像変換パネルに
鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線
を照射した後、He−Neレーザー光で励起し、蛍光体
層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の
光電子像倍管)で受光して電気信号に変換し、これをア
ナログ/デジタル変換して磁気テープに記録し、磁気テ
ープをコンピューターで分析して磁気テープに記録され
ているX線像の1サイクル/mmにおける変調伝達関数
(MTF)を調べ、基準パネルのMTFに対する強制劣
化処理パネルのMTFの劣化率を算出し、鮮鋭性の劣化
率とした。その劣化率を、下記の基準に則りランク付け
を行った。
【0090】 ◎:鮮鋭度劣化率が5%未満 ○:鮮鋭度劣化率が5〜10%未満 ×:鮮鋭度劣化率が10%以上 前記ランクにおいて、○以上であれば、実用上問題な
い。
【0091】
【表1】
【0092】実施例2 実施例1の放射線画像変換パネル1の作製において、表
2に示すように、ポリエチレンテレフタレートフィルム
の厚さを変えて融着防止シートの膜厚を変更し、一部の
融着防止シートの接着層に青色顔料β−フタロシアニン
を添加して着色し、一部の防湿性保護シートの接着剤層
にβ−フタロシアニンを添加して着色し、励起波長にお
ける光透過率は前述の計算式で95%になるようにし、
他は同様にして放射線画像変換パネル3〜22を作製し
た。
【0093】作製した放射線画像変換パネル3〜22
を、70℃、50%RHの環境下で30日間の強制劣化
処理(強制劣化処理パネル)した後、以下に示す方法に
従い、未処理(即日)の放射線画像変換パネル(基準パ
ネル)とともに、鮮鋭性の評価を行った。評価の結果を
表2に示す。
【0094】(鮮鋭性の評価)放射線画像変換パネルに
鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線
を照射した後、He−Neレーザー光で励起し、蛍光体
層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の
光電子像倍管)で受光して電気信号に変換し、これをア
ナログ/デジタル変換して磁気テープに記録し、磁気テ
ープをコンピューターで分析して磁気テープに記録され
ているX線像の1サイクル/mmにおける変調伝達関数
(MTF)を調べこれを鮮鋭性とし、MTFにより下記
の5段階で評価した。鮮鋭性は高いほど好ましい。
【0095】5:0.66以上 4:0.62以上0.66未満 3:0.58以上0.62未満 2:0.54以上0.58未満 1:0.54未満
【0096】
【表2】
【0097】
【発明の効果】本発明により、耐熱性の向上した放射線
画像変換パネル及びその製造方法を提供することでき
る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に輝尽性蛍光体層を有する蛍光
    体シート、高分子フィルムの片面に接着層を有する融着
    防止シート及び防湿性保護シートからなる放射線画像変
    換パネルにおいて、該輝尽性蛍光体層と該融着防止シー
    トの接着層が接着し、該防湿性保護シートが該融着防止
    シートを非接着で被覆するように設けられていることを
    特徴とする放射線画像変換パネル。
  2. 【請求項2】 融着防止シートの膜厚が15μm以下で
    あることを特徴とする請求項1記載の放射線画像変換パ
    ネル。
  3. 【請求項3】 融着防止シートの膜厚が10μm以下で
    あることを特徴とする請求項2記載の放射線画像変換パ
    ネル。
  4. 【請求項4】 融着防止シートが励起光を吸収するよう
    に着色されていることを特徴とする請求項1〜3の何れ
    か1項に記載の放射線画像変換パネル。
  5. 【請求項5】 防湿性保護シートが励起光を吸収するよ
    うに着色されていることを特徴とする請求項1〜4の何
    れか1項に記載の放射線画像変換パネル。
  6. 【請求項6】 防湿性保護シートが多層構造であること
    を特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の放射線
    画像変換パネル。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れか1項に記載の放射
    線画像変換パネルの製造方法において、蛍光体シートに
    融着防止シートをラミネートし、その後防湿性保護シー
    トで真空密閉することを特徴とする放射線画像変換パネ
    ルの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006010388A (ja) * 2004-06-23 2006-01-12 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 放射線画像変換パネル
JP2006250639A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Fuji Photo Film Co Ltd 放射線像変換パネル

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