JP2007041008A - 放射線増感紙の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】2層構造の蛍光体層を有する放射線増感紙を作製するにあたり、各蛍光体粒子の相対的な小粒径化による鮮鋭度特性の低下を抑制する。
【解決手段】放射線増感紙4は、支持体1上に設けられ、平均粒径が5〜18μmの範囲の第1の蛍光体粒子を含む第1の蛍光体層2aと平均粒径が1〜4μmの範囲の第2の蛍光体粒子を含む第2の蛍光体層2bとを有する2層構造の蛍光体層2と、その上に設けられた保護膜3とを具備する。2層構造の蛍光体層2の各層2a、2bにおける結合剤/蛍光体比をそれぞれ1/100〜1/20の範囲とし、かつ2層構造の蛍光体層2全体としての蛍光体粒子の充填率を60〜70%の範囲とすると共に、第1の蛍光体層2aにおける蛍光体粒子充填率を第2の蛍光体層2bにおける蛍光体粒子充填率より高く設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は医療診断用のX線撮影等に用いられる放射線増感紙の製造方法に関する。
医療診断や工業用非破壊検査等に利用されるX線撮影等においては、通常、撮影系の感度を向上させるために、放射線フィルムを放射線増感紙と組み合せて使用している。このX線撮影等に用いられる放射線増感紙としては、紙やプラスチック等からなる支持体上に、蛍光体粒子を結合剤中に分散させて構成した蛍光体層を設け、さらにその上に蛍光体層を保護する比較的薄い保護膜を形成したものが一般的である。
また、放射線増感紙の感度特性や画質特性等、特に鮮鋭度特性を向上させる上で、平均粒径が異なる2種類の蛍光体粒子をそれぞれ別々に結合剤中に分散させて構成した2層構造の蛍光体層も使用されている。2層構造の蛍光体層の具体的な構成としては、例えば保護膜側に平均粒径が7〜20μm程度の大粒子蛍光体と平均粒径が4μm以下の蛍光体とを混合した蛍光体からなる蛍光体層を設け、かつ支持体側に平均粒径が4μm以下の小粒子蛍光体からなる蛍光体層を設けた構造が挙げられる。
ところで、近年、医療診断等における被検者の放射線被曝量の低減に対する要求が強まっている。そのため、X線直接撮影においては、例えば高感度化した放射線増感紙を使用することによって、被検者の被曝量低減が図られている。このような放射線増感紙の高感度化は、例えばGd22S:Tbのような高発光効率の蛍光体を使用することにより実施されている。
ここで、高発光効率の蛍光体を使用した場合、一般に粒状性の低下が問題となるため、蛍光体粒子を小粒径化することによって、粒状性を向上させることが行われている。また、2層構造の蛍光体層においても同様に、各蛍光体層を構成する蛍光体粒子を相対的に小粒径化する方向に進んでいる。例えば、大粒子蛍光体の平均粒径を8μm程度とすると共に、小粒子蛍光体の平均粒径を2μm程度とすることが検討されている。
しかしながら、蛍光体粒子の小粒径化は鮮鋭度の低下を招く場合がある。X線撮影における被写体の識別能力は、粒状性および鮮鋭度の両方に関係し、鮮鋭度の低下は特にコントラストの低い被写体の識別能を低下させる。高発光効率の蛍光体を使用する場合においても、感度特性や画質特性等を向上させる上で2層構造の蛍光体層は有効であるものの、粒状性を向上させるために各蛍光体層を構成する蛍光体粒子を相対的に小粒径化した場合、鮮鋭度が犠牲になってしまう。
上述したように、発光効率の高い蛍光体の使用による放射線増感紙の高感度化は被検者の被曝量低減等に有効であり、また蛍光体層の2層構造化は感度特性や画質特性等の向上に有効であるものの、高発光効率の蛍光体による粒状性の低下を抑制するために、蛍光体各層を構成する各蛍光体粒子をそれぞれ相対的に小粒径化すると鮮鋭度が低下してしまう。このようなことから、特に高発光効率の蛍光体を使用した2層構造の蛍光体層を有する放射線増感紙においては、各蛍光体粒子の相対的な小粒径化に伴う鮮鋭度特性の低下を抑制することが課題とされている。
本発明は、例えば発光効率の高い蛍光体を用いて蛍光体層を2層構造とした場合において、各蛍光体粒子の相対的な小粒径化による粒状性の向上効果を損なうことなく、鮮鋭度特性の低下を抑制することを可能にした放射線増感紙の製造方法を提供することを目的としている。
本発明の態様に係る放射線増感紙の製造方法は、支持体と、前記支持体上に設けられ、平均粒径が5〜18μmの範囲の第1の蛍光体粒子を結合剤中に分散させた第1の蛍光体層と平均粒径が1〜4μmの範囲の第2の蛍光体粒子を結合剤中に分散させた第2の蛍光体層とを有する2層構造の蛍光体層と、前記2層構造の蛍光体層上に設けられた保護膜とを具備する放射線増感紙を製造するにあたり、前記2層構造の蛍光体層の各層における前記蛍光体粒子と結合剤との重量比(結合剤/蛍光体比)をそれぞれ1/100〜1/20の範囲とし、かつ前記2層構造の蛍光体層全体としての蛍光体粒子の充填率を60〜70%の範囲とすると共に、前記保護膜側に形成された前記第1の蛍光体層における前記第1の蛍光体粒子の充填率を前記支持体側に形成された前記第2の蛍光体層における前記第2の蛍光体粒子の充填率より高くすることを特徴としている。
本発明の態様に係る製造方法によれば、2層構造の蛍光体層を構成する各蛍光体粒子の相対的な小粒径化による粒状性の向上効果を損なうことなく、鮮鋭度特性の低下を抑制した放射線増感紙を提供することができる。従って、放射線増感紙の粒状性と鮮鋭度特性を共に高めることが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。図1は本発明の実施形態による製造方法を適用した放射線増感紙の構成を示す断面図である。同図において、1はプラスチックフィルムや不織布等からなる支持体であり、この支持体1の一方の面上に2層構造の蛍光体層2が設けられている。この2層構造の蛍光体層2上には、プラスチックフィルムやプラスチック被覆膜等からなる保護膜3が設けられており、これらによって放射線増感紙4、例えば医療診断用X線増感紙が構成されている。
上記した2層構造の蛍光体層2は、保護膜3側に形成された大粒子蛍光体による第1の蛍光体層2aと、支持体1側に形成された小粒子蛍光体による第2の蛍光体層2bとを有している。すなわち、2層構造の蛍光体層2は、同一材質の蛍光体からなり、かつ平均粒径が異なる2種類の蛍光体粒子をそれぞれ別々に結合剤中に分散させることにより構成されている。
このような2層構造の蛍光体層2は一般的なCaWO4等の蛍光体により構成してもよいが、特に発光効率が高いGd22S:TbやLaOBr:Tb等の希土類蛍光体で構成することが好ましい。本発明の実施形態による放射線増感紙4は、上記したような発光効率の高い希土類蛍光体を用いる場合に特に適している。すなわち、発光効率の高い希土類蛍光体等を用いる際に、粒状性の低下を蛍光体粒子の相対的な小粒径化により抑制し、かつ蛍光体粒子の相対的な小粒径化による鮮鋭度の低下を、後に詳述する本発明の構成により抑制するものである。
2層構造の蛍光体層2を構成する各層2a、2bは使用する蛍光体の種類によっても異なるが、上記したような高発光効率の希土類蛍光体等を使用した場合には、以下に示すような平均粒径を有する蛍光体粒子をそれぞれ用いることが好ましい。すなわち、第1の蛍光体層2aを構成する大粒子蛍光体は、平均粒径が5〜18μmの範囲であることが好ましい。大粒子蛍光体の平均粒径が18μmを超えると粒状性の低下を招くおそれがあり、一方平均粒径が5μm未満であると2層構造としたことによる感度特性や画質特性の向上効果等を十分に得ることができないおそれがある。特に第1の蛍光体層2aには、平均粒径が8μm程度の大粒子蛍光体を用いることが望ましい。
一方、第2の蛍光体層2bを構成する小粒子蛍光体は、平均粒径が1〜4μmの範囲であることが好ましい。小粒子蛍光体の平均粒径が4μmを超えると粒状性や鮮鋭度特性の低下を招くおそれがあり、一方平均粒径が1μm未満の蛍光体粒子は製造自体が困難であると共に、発光輝度の低下や蛍光体層2bの形成性の低下等を招くおそれが大きい。特に第2の蛍光体層2bには平均粒径が2μm程度の小粒子蛍光体を用いることが望ましい。
上記した第1および第2の蛍光体層2a、2bは、蛍光体粒子と結合剤との重量比(結合剤/蛍光体比)をそれぞれ1/100〜1/20の範囲に設定すると共に、蛍光体層2全体としての蛍光体粒子の充填率を60〜70%の範囲としている。2層構造の放射線増感紙4の鮮鋭度、特に各層2a、2bを構成する蛍光体粒子の平均粒径がそれぞれ相対的に小さい放射線増感紙4の鮮鋭度は、蛍光体層2全体としての蛍光体粒子の充填率が影響する。
従って、蛍光体層2全体としての蛍光体粒子の充填率を60〜70%と高く設定することによって、例えば第1の蛍光体層2aを構成する大粒子蛍光体の平均粒径が8μm程度で、かつ第2の蛍光体層2bを構成する小粒子蛍光体の平均粒径が2μm程度というように、それぞれの平均粒径が相対的に小さい2層構造の放射線増感紙4の鮮鋭度を高めることができる。言い換えると、例えば高発光効率の蛍光体を用いた2層構造の蛍光体層2を有する放射線増感紙4の粒状性を、各蛍光体層2a、2bを構成する蛍光体粒子の平均粒径をそれぞれ相対的に小さくすることにより向上させた上で、蛍光体層2全体としての蛍光体粒子の充填率を高めることにより鮮鋭度を高めることができる。
蛍光体層2全体としての蛍光体粒子の充填率が60%未満であると、上記した鮮鋭度の向上効果を十分に得ることができない。一方、放射線増感紙4の鮮鋭度特性のみに着目した場合、蛍光体粒子の充填率はより高い方が望ましいが、充填率が70%を超える状態は作製すること自体が困難であると共に、逆に粒状性の低下原因となるおそれがある。
本発明においては、上記したような蛍光体層2全体としての蛍光体粒子の充填率を60〜70%の範囲とした2層構造の蛍光体層2を形成するために、各蛍光体層2a、2bの結合剤量を削減している。具体的には、各蛍光体層2a、2bの結合剤/蛍光体比(重量比)をそれぞれ1/100〜1/20の範囲としている。各蛍光体層2a、2bの結合剤/蛍光体比が1/20を超えると、上記した蛍光体層2全体としての蛍光体粒子の充填率を満足させることができない。一方各蛍光体層2a、2bの結合剤/蛍光体比を1/100未満とすると、蛍光体層としての層状成膜性が損なわれたり、また結合剤による蛍光体粒子の保持特性が低下する。
ここで、蛍光体層2全体としての蛍光体粒子の充填率を60〜70%の範囲とする上で、小粒子蛍光体からなる第2の蛍光体層2bの結合剤量はあまり全体の蛍光体充填率に影響を及ぼさないことから、特に大粒子蛍光体からなる第1の蛍光体層2aの結合剤量をより大きく削減することが好ましい。小粒子蛍光体からなる第2の蛍光体層2bは、結合剤量をあまり削減すると層状成膜性等が低下しやすく、この点からも第1の蛍光体層2aの結合剤量を削減して蛍光体層2全体としての蛍光体粒子の充填率を高めることが好ましい。言い換えると、第1の蛍光体層2aにおける大粒子蛍光体の充填率を第2の蛍光体層2bにおける小粒子蛍光体の充填率より高く設定することが好ましい。
具体的には、大粒子蛍光体からなる第1の蛍光体層2aの結合剤/蛍光体比(重量比)は1/100〜3/100の範囲とすることが好ましく、小粒子蛍光体からなる第2の蛍光体層2bの結合剤/蛍光体比(重量比)は1/100〜5/100の範囲とすることが好ましい。このような結合剤/蛍光体比を満足させることによって、効率よく蛍光体層2全体としての蛍光体粒子の充填率を高めることができる。
上述したように、平均粒径が異なる2種類の蛍光体粒子を用いて構成した2層の構造の蛍光体層2について、蛍光体層全体としての蛍光体粒子の充填率を高めることによって、放射線増感紙4の鮮鋭度特性を向上させることができる。この鮮鋭度特性の向上効果は、特に発光効率の高い希土類蛍光体等を用いた際の粒状性の低下を、蛍光体粒子の相対的な小粒径化により抑制する場合に有効である。すなわち、蛍光体粒子の相対的な小粒径化による鮮鋭度の低下を、上記した蛍光体層全体としての蛍光体粒子の充填率を高めることにより抑制することが可能となる。
このように、2層構造の蛍光体層2を有する放射線増感紙4においては、高発光効率の蛍光体を用いた際の粒状性の低下を蛍光体粒子の相対的な小粒径化により抑制した上で、この蛍光体粒子の相対的な小粒径化による鮮鋭度の低下を蛍光体層全体としての蛍光体粒子の充填率の向上により抑制することができる。従って、粒状性および鮮鋭度特性に共に優れる放射線増感紙4を提供することが可能となる。
上述した実施形態の放射線増感紙4は以下のようにして作製される。すなわち、まず大粒子蛍光体を前述した範囲で結合剤と混合し、さらに有機溶剤を加えて、適当な粘度の第1の蛍光体層2a用の大粒子蛍光体塗布液を調製する。一方、小粒子蛍光体を前述した範囲で結合剤と混合し、さらに有機溶剤を加えて適当な粘度の第2の蛍光体層2b用の小粒子蛍光体塗布液を調製する。
次いで、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド等の透明樹脂フィルムからなる保護膜3上に、第1の蛍光体層2a用の大粒子蛍光体塗布液をナイフコータやロールコータ等により塗布、乾燥して、第1の蛍光体層2aを形成する。次いで、この第1の蛍光体層2a上に、第2の蛍光体層2b用の小粒子蛍光体塗布液をナイフコータやロールコータ等により塗布、乾燥して、第2の蛍光体層2bを形成する。この際、第1の蛍光体層2aにおける大粒子蛍光体の充填率が第2の蛍光体層2bにおける小粒子蛍光体の充填率より高くなるようにする。
蛍光体塗布液の調製に使用する結合剤としては、硝化綿、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、綿状ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコール等の従来から使用されているものが例示される。有機溶剤としては、例えばエタノール、メチルエチルエーテル、酢酸ブチル、酢酸エチル、エチルエーテル、キシレン等が用いられる。なお、蛍光体塗布液には必要に応じて、フタル酸、ステアリン酸等の分散剤や燐酸トリフェニル、フタル酸ジエチル等の可塑剤を添加することができる。
そして、上述した2層構造の蛍光体層2上に、支持体1を例えばラミネートすることによって、目的とする放射線増感紙4が得られる。支持体1としては、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリカーボネート等の樹脂をフィルム状に成形したものを用いることができる。
なお、保護膜3は酢酸セルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルホルマール、ポリウレタン等の樹脂を溶剤に溶解させて適当な粘度とした保護膜塗布液を塗布、乾燥させることによって形成してもよい。この場合には、各蛍光体塗布液は支持体1上に塗布し、その上に保護膜塗布液を塗布すればよい。
また、増感紙の中には支持体1と蛍光体層2との間に光反射層、光吸収層、金属箔層等を設けた構造のものがあるが、その場合には予め支持体1上に光反射層、光吸収層、金属箔層等を形成しておき、これを2層構造の蛍光体層2上にラミネートすればよい。
上述した実施形態の放射線増感紙4は、例えば図2に示すような放射線レセプタ5として、X線撮影等の放射線撮影に使用される。図2に示す放射線レセプタは、X線フィルム等の放射線フィルム6を2枚の放射線増感紙4(フロント増感紙Fとバック増感紙B)で挟み、この状態でカセッテ7に収容されている。このような放射線レセプタ5は図3に示すような放射線検査装置8に挿入されて使用される。図3に示す放射線検査装置8は、放射線源9と、これと被検者等の被検体10を介して配置された撮影台11とから構成されている。放射線レセプタ5は撮影台11の側面部から挿入されて使用される。この際、放射線レセプタ5はフロント増感紙Fが被検体10側に位置するように挿入される。
この実施形態の放射線増感紙4を用いて構成した放射線レセプタ5を使用している放射線検査装置8は、撮像系の高感度化を図って被検者に対するX線被曝量等を低減した場合においても、良好な識別能力を得ることができる。すなわち、例えば医療用X線撮影に使用した場合において、被検者に対するX線被曝量を低減した上で、良好な診断能を得ることが可能となる。
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
実施例1
まず、平均粒径が8μmのGd22S:Tb蛍光体粉末に、結合剤/蛍光体重量比が1/100となるようにポリビニルブチラールを添加し、さらに有機溶剤として適当量の酢酸ブチルを添加し、これらを十分に混合して大粒子蛍光体塗布液を調製した。同様に、平均粒径が2μmのGd22S:Tb蛍光体粉末に、結合剤/蛍光体重量比が1/100となるようにポリビニルブチラールを添加し、さらに有機溶剤として適当量の酢酸ブチルを添加し、これらを十分に混合して小粒子蛍光体塗布液を調製した。
そして、厚さ9μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる保護膜上に、まず大粒子蛍光体塗布液をナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて大粒子蛍光体からなる第1の蛍光体層を形成した。次いで、この第1の蛍光体層上に小粒子蛍光体塗布液をナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて小粒子蛍光体からなる第2の蛍光体層を形成した。第1の蛍光体層と第2の蛍光体層の蛍光体重量比は40:60(=大粒子蛍光体:小粒子蛍光体)とした。
このようにして得た2層構造の蛍光体層の蛍光体充填率を次式から求めた。
P=VP/V=W/V/ρP
(式中、Pは蛍光体層の蛍光体の充填率、VPは蛍光体の体積、Vは蛍光体層の体積(保護膜と支持体は除く)、Wは蛍光体の重量、ρPは蛍光体の密度である)
その結果、まず第1の蛍光体層(大粒子蛍光体層)の蛍光体充填率は70%、第2の蛍光体層(小粒子蛍光体層)の蛍光体充填率は63%、蛍光体層全体としての蛍光体充填率は66%であった。
この後、上記した2層構造の蛍光体層上に、厚さ250μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体を接着して、目的とするX線増感紙を作製した。このX線増感紙を後述する特性評価に供した。
実施例2
実施例1のX線増感紙において、第1の蛍光体層(大粒子蛍光体層)および第2の蛍光体層(小粒子蛍光体層)の結合剤/蛍光体重量比を3/100とする以外は実施例1と同様にしてX線増感紙を作製し、後述する特性評価に供した。
この実施例2によるX線増感紙の蛍光体充填率を実施例1と同様にして求めたところ、第1の蛍光体層(大粒子蛍光体層)の蛍光体充填率は66%、第2の蛍光体層(小粒子蛍光体層)の蛍光体充填率は61%、蛍光体層全体としての蛍光体充填率は64%であった。
実施例3
実施例1のX線増感紙において、第1の蛍光体層(大粒子蛍光体層)および第2の蛍光体層(小粒子蛍光体層)の結合剤/蛍光体重量比を5/100とする以外は実施例1と同様にしてX線増感紙を作製し、後述する特性評価に供した。
この実施例3によるX線増感紙の蛍光体充填率を実施例1と同様にして求めたところ、第1の蛍光体層(大粒子蛍光体層)の蛍光体充填率は63%、第2の蛍光体層(小粒子蛍光体層)の蛍光体充填率は59%、蛍光体層全体としての蛍光体充填率は61%であった。
実施例4
実施例1のX線増感紙において、第1の蛍光体層(大粒子蛍光体層)の結合剤/蛍光体重量比を3/100、第2の蛍光体層(小粒子蛍光体層)の結合剤/蛍光体重量比を5/100とする以外は、実施例1と同様にしてX線増感紙を作製し、後述する特性評価に供した。
この実施例4によるX線増感紙の蛍光体充填率を実施例1と同様にして求めたところ、第1の蛍光体層(大粒子蛍光体層)の蛍光体充填率は66%、第2の蛍光体層(小粒子蛍光体層)の蛍光体充填率は59%、蛍光体層全体としての蛍光体充填率は63%であった。
実施例5
実施例1のX線増感紙において、第1の蛍光体層(大粒子蛍光体層)の結合剤/蛍光体重量比を1/100、第2の蛍光体層(小粒子蛍光体層)の結合剤/蛍光体重量比を4/100とする以外は、実施例1と同様にしてX線増感紙を作製し、後述する特性評価に供した。
この実施例5によるX線増感紙の蛍光体充填率を実施例1と同様にして求めたところ、第1の蛍光体層(大粒子蛍光体層)の蛍光体充填率は70%、第2の蛍光体層(小粒子蛍光体層)の蛍光体充填率は59%、蛍光体層全体としての蛍光体充填率は63%であった。
比較例1
実施例1のX線増感紙において、第1の蛍光体層(大粒子蛍光体層)および第2の蛍光体層(小粒子蛍光体層)の結合剤/蛍光体重量比を6/100とする以外は実施例1と同様にしてX線増感紙を作製し、後述する特性評価に供した。
この比較例1によるX線増感紙の蛍光体充填率を実施例1と同様にして求めたところ、第1の蛍光体層(大粒子蛍光体層)の蛍光体充填率は55%、第2の蛍光体層(小粒子蛍光体層)の蛍光体充填率は53%、蛍光体層全体としての蛍光体充填率は54%であった。
上述した実施例1〜5および比較例1による各X線増感紙について、オルソタイプフィルム(コニカ社製、SR−G)を用いて、その感度、鮮鋭度、粒状性を測定、評価した。その結果を表1および図4に示す。なお、X線増感紙の写真性能は、厚さ100mmの水ファントムを通して、管電圧120kVのX線で撮影した場合の写真感度、鮮鋭度、粒状性であり、写真感度は比較例1のX線増感紙を100とした場合の相対値である。鮮鋭度は空間周波数2本/mmにおけるMTF値を求め、該空間周波数における比較例1のX線増感紙のMTF値を100とした場合の相対値である。また、粒状性は写真濃度1.0、空間周波数3.12本/mmにおける相対RMS値である。
Figure 2007041008
表1および図4から明らかなように、実施例1〜5による各X線増感紙は、いずれも比較例1のX線増感紙に比べて鮮鋭度が向上しており、その上で粒状性が維持されていることが分かる。
本発明の実施形態による放射線増感紙の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態による放射線増感紙を用いた放射線レセプタの一構成例を示す断面図である。 本発明の放射線増感紙を用いた放射線検査装置の一構成例を示す図である。 2層構造の蛍光体層の全体としての蛍光体充填率と鮮鋭度特性との関係を示す図である。
符号の説明
1…支持体、2…蛍光体層、2a…第1の蛍光体層(大粒径蛍光体層)、2b…第2の蛍光体層(小粒径蛍光体層)、3…保護膜、4…放射線増感紙。

Claims (3)

  1. 支持体と、前記支持体上に設けられ、平均粒径が5〜18μmの範囲の第1の蛍光体粒子を結合剤中に分散させた第1の蛍光体層と平均粒径が1〜4μmの範囲の第2の蛍光体粒子を結合剤中に分散させた第2の蛍光体層とを有する2層構造の蛍光体層と、前記2層構造の蛍光体層上に設けられた保護膜とを具備する放射線増感紙を製造するにあたり、
    前記2層構造の蛍光体層の各層における前記蛍光体粒子と結合剤との重量比(結合剤/蛍光体比)をそれぞれ1/100〜1/20の範囲とし、かつ前記2層構造の蛍光体層全体としての蛍光体粒子の充填率を60〜70%の範囲とすると共に、前記保護膜側に形成された前記第1の蛍光体層における前記第1の蛍光体粒子の充填率を前記支持体側に形成された前記第2の蛍光体層における前記第2の蛍光体粒子の充填率より高くすることを特徴とする放射線増感紙の製造方法。
  2. 請求項1記載の放射線増感紙の製造方法において、
    前記2層構造の蛍光体層のうち、前記第1の蛍光体層における前記第1の蛍光体粒子と結合剤との重量比(結合剤/蛍光体比)を1/100〜3/100の範囲とすると共に、前記第2の蛍光体層における前記第2の蛍光体粒子と結合剤との重量比(結合剤/蛍光体比)を1/100〜5/100の範囲とすることを特徴とする放射線増感紙の製造方法。
  3. 請求項1または請求項2記載の放射線増感紙の製造方法において、
    前記蛍光体粒子はGd22S:Tb蛍光体からなることを特徴とする放射線増感紙の製造方法。
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