JPH1031097A - 放射線増感紙 - Google Patents

放射線増感紙

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JPH1031097A
JPH1031097A JP18453596A JP18453596A JPH1031097A JP H1031097 A JPH1031097 A JP H1031097A JP 18453596 A JP18453596 A JP 18453596A JP 18453596 A JP18453596 A JP 18453596A JP H1031097 A JPH1031097 A JP H1031097A
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JP
Japan
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intensifying screen
layer
phosphor
substantially spherical
particles
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Withdrawn
Application number
JP18453596A
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English (en)
Inventor
Takeshi Takahara
武 高原
Akihisa Saito
昭久 斉藤
Eiji Koyaizu
英二 小柳津
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感度や鮮鋭度の低下を抑制した上で、作製が
容易で制御因子が少ない単純な単層蛍光体構造で粒状性
を向上させる。 【解決手段】 支持体1上に蛍光体層2を設ける。この
蛍光体層2上に平均粒子径が 0.1〜 2μm の範囲の略真
球状白色粒子、例えば略真球状のシリカ、アルミナ、硫
化亜鉛、酸化イットリウム、酸化ガドリニウム等の無機
化合物粒子からなり、かつ厚さが 1〜 5μm の粉体層3
を形成し、その上に保護膜4を設けた放射線増感紙5で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線撮影等に用い
られる放射線増感紙に関する。
【0002】
【従来の技術】医療診断や工業用非破壊検査等に利用さ
れるX線撮影等においては、通常、撮影系の感度を向上
させるために、放射線フィルムを放射線増感紙と組合せ
て使用している。このX線撮影等に用いられる放射線増
感紙としては、紙やプラスチック等からなる支持体上
に、蛍光体層とこれを保護する比較的薄い保護膜とを順
に形成したものが一般的である。
【0003】ところで、近年、医療診断等における被検
者の放射線被爆量低減に対する要求が強まっている。そ
のため、例えばX線直接撮影においては、高感度化した
放射線フィルムや放射線増感紙を使用することによっ
て、被検者の被爆量低減が図られている。このような高
感度化は、放射線フィルムについては高感度フィルムを
使用することが一般的であり、また放射線増感紙におい
ては高発光効率の蛍光体を使用することが行われてき
た。
【0004】しかし、上述したような放射線フィルムや
放射線増感紙の高感度化は、以下に示すような問題を招
いている。すなわち、高感度フィルムを使用した場合、
鮮鋭度の低下は少ないものの、粒状性の低下を招いてし
まう。一方、放射線増感紙を高感度化した場合にも、粒
状性の低下が問題となる。X線撮影における被写体の識
別能力は、粒状性および鮮鋭度の両方に関係し、粒状性
の悪化は特にコントラストの低い被写体の識別能を低下
させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、放射
線増感紙の高感度化、すなわち発光効率の高い蛍光体の
使用は、被検者の被爆量低減や鮮鋭度の向上には有効で
あるものの、粒状性を低下させるという問題を招いてい
る。逆に、発光効率の低い蛍光体を使用すれば、粒状性
は向上するものの、鮮鋭度は低下するというように、得
られる写真特性の間にはある程度相反性が存在し、従来
の単一の蛍光体層構成の放射線増感紙では、粒状性と鮮
鋭度を共に満足させることは困難であった。
【0006】一方、複数の蛍光体を用いることも検討さ
れているが、例えば発光効率の異なる複数の蛍光体を均
一な混合物として使用した場合には、粒状性が低下して
しまう。また、異種の蛍光体をそれぞれ層状に形成した
場合には、各層の配列状態や蛍光体の粒子径等の色々な
因子により感度、鮮鋭度、粒状性のバランスが変化する
ため、それらを制御して目的特性を得ることは非常に困
難である。
【0007】例えば、特開平6-130574号公報には、支持
体上に複数の異種蛍光体層を順次形成する放射線増感紙
において、複数の蛍光体層毎に発光効率や粒子径等を規
定した放射線増感紙が記載されている。しかし、このよ
うな多層構造の放射線増感紙は作製が難しく、また制御
を必要とする因子が多くなるために、目的の特性を得る
ことは困難であった。
【0008】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、感度や鮮鋭度の低下を抑制した上
で、作製が容易で制御因子が少ない単純な単層蛍光体構
造で粒状性を向上させた放射線増感紙を提供することを
目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の放射線増感紙
は、請求項1に記載したように、支持体と、前記支持体
上に形成された蛍光体層と、この蛍光体層上に設けられ
た保護膜とを具備する放射線増感紙において、前記蛍光
体層と保護膜との間に、平均粒子径が 0.1〜 2μm の範
囲の略真球状白色粒子からなり、かつ厚さが 1〜 5μm
の粉体層が設けられていることを特徴としている。
【0010】本発明の放射線増感紙においては、蛍光体
層と保護膜との間に平均粒子径が0.1〜 2μm の範囲の
略真球状白色粒子からなる粉体層を設けており、この粉
体層により蛍光体層からの発光が効率よくかつ均一に散
乱すると共に、散乱光の分散が抑制されるため、粒状性
を向上させることができる。また、上記したような粉体
層の厚さを 1〜 5μm の範囲としているため、感度や鮮
鋭度の低下を抑制することができる。そして、通常の蛍
光体層上に真球状白色粒子からなる粉体層を設けただけ
の単純な構造で、感度や鮮鋭度の低下を抑制した上で粒
状性の向上を達成しているため、増感紙自体の作製が容
易であると共に、目的とする上記特性を再現性よく得る
ことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0012】図1は、本発明の放射線増感紙の一実施形
態の構成を示す断面図である。同図において、1はプラ
スチックフィルムや不織布等からなる支持体であり、こ
の支持体1の一方の面上に蛍光体層2が設けられてい
る。この蛍光体層2を構成する蛍光体としては、一般的
なCaWO4 等を用いてもよいが、特に発光効率が高い
Gd2 2 S:TbやLaOBr:Tb等の希土類蛍光
体を使用することが好ましい。本発明の放射線増感紙
は、このような発光効率の高い希土類蛍光体を用いた場
合の粒状の向上に適している。蛍光体層2は、このよう
な蛍光体の粒子を含有する層である。
【0013】上記した蛍光体層2上には、平均粒子径が
0.1〜 2μm の範囲の略真球状白色粒子からなり、かつ
厚さが 1〜 5μm の粉体層3を介して、プラスチックフ
ィルムやプラスチック被覆膜等からなる保護膜4が設け
られており、これらによって放射線増感紙5、例えばX
線撮影用増感紙が構成されている。このような放射線増
感紙5においては、上記した粉体層3により蛍光体層2
からの発光を効率よくかつ均一に散乱させることができ
ると共に、散乱光の分散を抑制できるため、感度や鮮鋭
度の低下を抑制した上で、粒状性を向上させることが可
能となる。
【0014】上述した粉体層3を構成する白色粒子と
は、 450〜 650nmの波長の光の粉体反射率が 90%以上の
粒子である。波長 450〜 650nmの光の粉体反射率が 90%
未満であると、感度や鮮鋭度の低下が大きくなる。上記
波長の光の粉体反射率は 95%以上であることがより好ま
しい。具体的には、シリカ、アルミナ、硫化亜鉛、酸化
イットリウム、酸化ガドリニウム等の無機化合物粒子を
用いることが好ましい。また、略真球状白色粒子の平均
粒子径が 0.1μm 未満であると、蛍光体層2からの発光
の粉体層3による散乱確率が高くなりすぎ、保護膜4に
達する光量が少なくなってしまう。すなわち、感度低下
が大きくなる。一方、平均粒子径が 2μmを超えると均
質な粉体層3を得るためには厚くしなければならず、感
度や鮮鋭度の低下が大きくなる。
【0015】粉体層3を構成する白色粒子の形状は、お
およそ真球状の粒子形状を有していればよいが、粒子の
全体形状が真球状に近いと共に、粒子表面の微細突起物
が少なく、かつその粒径が揃っているほど、蛍光体層2
からの発光を効率よくかつ均一に散乱させることができ
る。このため、略真球状白色粒子は短径に対する長径の
比(アスペクト比)が 1.2以下であることが好ましく、
さらに粒子個々の投影像の周囲長をL(μm)、投影像の
実面積をA(μm 2 )としたとき、L2 /4πAで表され
る形状因子Rが 1.5以下であることが好ましい。また、
粒子径については、 0.1〜 2μm の範囲の粒子径を有す
る粒子が全粒子の60重量% 以上というように、単分散粒
子であることが好ましい。
【0016】すなわち、粉体層3を構成する白色粒子の
アスペクト比が 1.2を超えると、粉体層3の均質性が損
われて粉体層3による散乱光の均一性が低下し、その結
果として感度や鮮鋭度が低下するおそれがある。ここ
で、アスペクト比は楕円体のような粒子の球状度を低く
評価する傾向があり、粒子の全体形状を評価するパラメ
ータとしては有効であるものの、例えば粒子表面に微細
突起物等が存在していても、それら突起物自体はアスペ
クト比にあまり影響を及ぼさない。
【0017】しかし、白色粒子の表面に微細突起物等が
存在していると、散乱光の均一性等が低下するため、ア
スペクト比 1.2以下を満足させた上で、上記した形状因
子Rを 1.5以下とすることが好ましい。上記した形状因
子Rは、例えば図2(a)に示すように、全体形状とし
ては真球度が高い粒子であっても、表面に微細突起物等
が存在していると大きな値(部分異形性大)となり、そ
の反面図2(b)に示すように、表面が比較的滑かであ
れば多少真球度が低い粒子であっても低い値となる。す
なわち、形状因子Rが小さいということは、粒子表面が
滑らかであること(部分異形性小)を意味し、形状因子
Rは粒子の部分形状の評価に有効なパラメータである。
このような形状因子Rが 1.5を超えると、粉体層3によ
る散乱光が分散しやすくなるため、粒状性の向上効果が
低下したり、また感度や鮮鋭度が低下するおそれがあ
る。
【0018】このように、粒子の全体形状を評価するの
に有効なアスペクト比が 1.2以下であると共に、上述し
た粒子表面の微細突起物等の有無の判定に有効な形状因
子Rが 1.5以下である略真球状白色粒子で粉体層3を構
成することによって、感度や鮮鋭度の低下を抑制した上
で、粒状性を向上させることが可能となる。
【0019】また、上述したような略真球状白色粒子
は、粒状性の向上効果を増大させるために単分散粒子で
あることが好ましい。具体的には、粒子径が 0.1〜 2μ
m の範囲外の粒子の割合が全粒子の40重量% を超える
と、散乱光の均一性の低下や分散状態の悪化等を招くた
め、感度や鮮鋭度が低下したり、また粒状性の向上効果
を十分に得ることができないおそれがある。
【0020】上述したような略真球状白色粒子、具体的
には前述した無機化合物等からなる略真球状粒子は、例
えば以下のようにして得ることができる。すなわち、通
常の粉体粒子を空間中に浮かせる流動化ベッド状態やフ
ロー状態とし、これを高温プラズマ中に入れて瞬間的に
溶融冷却する方法や、前述した金属イオンの溶液に適当
な沈殿生成液を添加してゆっくり沈殿を成長させる方法
等によって、無機化合物からなる略真球状粒子を作製す
る。例えば、シリカの真球状粒子は珪酸エチルのアルコ
ール溶液にアンモニア等の弱アルカリ水溶液を少量ずつ
添加し、加水分解してシリカを析出させることにより作
製することができる。そして、上記したような略真球状
粒子の製造工程の条件を制御すると共に、必要に応じて
形状分級や篩分け等を行うことによって、上述したよう
な粒子径を有する略真球状白色粒子を得ることができ
る。
【0021】図3、図4および図5は、蛍光体層2と保
護膜4との間に設けた白色粒子の粉体層3の感度、鮮鋭
度および粒状性に対する効果の一例を示す図である。図
3、図4および図5において、実線は蛍光体層2に平均
粒子径が 6μm のGd2 2S:Tb蛍光体を用いる共
に、粉体層3に平均粒子径が 0.5μm の略真球状シリカ
粒子を用い、蛍光体層2の厚さを 50mg/cm2 としたとき
の略真球状シリカ粒子層の厚さと感度、鮮鋭度および粒
状性との関係を示したものである。また、破線は本発明
との比較として示したもので、粉体層に平均粒子径が
0.4μm の不定形シリカ粒子を用いた際のシリカ粒子層
の厚さと感度、鮮鋭度および粒状性との関係を示したも
のである。なお、図5に示す相対RMS値は数値が小さ
いほど粒状性が良好であることを示すものである。
【0022】図3および図4に示すように、不定形シリ
カ粒子層を形成した場合に比べて略真球状シリカ粒子層
を形成した場合には、感度および鮮鋭度の低下が共に少
ない。略真球状シリカ粒子層では、厚さが 5μm 以下の
場合には感度および鮮鋭度の低下が抑制されており、特
に厚さが 3μm 以下の場合には感度および鮮鋭度の低下
が非常に小さい。
【0023】一方、図5に示すように、粒状性は不定形
シリカ粒子層を形成した場合に比べて略真球状シリカ粒
子層を形成することによって向上しており、その厚さが
厚いほど粒状性の改善効果が大きいことが分かる。ただ
し、略真球状シリカ粒子層を5μm を超えて形成して
も、それ以上は粒状性の改善効果の増加があまり期待で
きず、一方実用的な粒状性の改善効果を得るためには略
真球状シリカ粒子層の厚さを 1μm 以上とする必要があ
ることが分かる。
【0024】上記したように、蛍光体層2と保護膜3と
の間に設ける白色粒子の粉体層3を略真球状白色粒子で
構成することによって、不定形の白色粒子を用いた場合
と比較して、粒状性の改善効果を十分に得た上で、感度
および鮮鋭度の低下を抑制することができる。また、こ
のような略真球状白色粒子からなる粉体層3は、その厚
さを 1〜 5μm の範囲とすることによって、感度および
鮮鋭度の低下を抑制した上で、良好な粒状性の改善効果
を得ることができる。従って、真球状白色粒子からなる
粉体層3の厚さは 1〜 5μm の範囲とする。
【0025】このように、蛍光体層2と保護膜4との間
に、上述したような平均粒子径が0.1〜 2μm の範囲の
略真球状白色粒子からなる、厚さが 1〜 5μm の粉体層
3を設けることによって、蛍光体層2からの発光を効率
よくかつ均一に散乱させることができると共に、散乱光
の分散を抑制できることから、感度や鮮鋭度の低下を抑
制した上で、粒状性を向上させることが可能となる。そ
して、この感度や鮮鋭度の低下を抑制した上での粒状性
の向上効果は、通常の蛍光体層2上に真球状白色粒子か
らなる粉体層3を設けただけの単純な構造で得られるた
め、放射線増感紙5自体の作製が容易であると共に、目
的とする上記特性を再現性よく得ることができる。
【0026】上述した実施形態の放射線増感紙5は、例
えば以下のようにして作製する。すなわち、まず蛍光体
を結合剤と共に適当量混合し、さらにこれに有機溶剤を
加えて適当な粘度の蛍光体塗布液を調製し、この蛍光体
塗布液をナイフコータやロールコータ等により支持体1
上に塗布、乾燥して、蛍光体層2を形成する。なお、増
感紙の中には支持体1と蛍光体層2との間に光反射層、
光吸収層、金属箔層等を設けた構造のものがあるが、そ
の場合には予め支持体1上に光反射層、光吸収層、金属
箔層等を形成しておき、その上に蛍光体塗布液を塗布、
乾燥して蛍光体層2を形成すればよい。
【0027】蛍光体塗布液の調製に使用する結合剤とし
ては、硝化綿、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポ
リビニルブチラール、綿状ポリエステル、ポリ酢酸ビニ
ル、塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー、塩化ビニ
ル−酢酸ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アク
リレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、セルロー
スアセテートブチレート、ポリビニルアルコール等の従
来から使用されているものが例示される。また、有機溶
剤としては、例えばエタノール、メチルエチルエーテ
ル、酢酸ブチル、酢酸エチル、エチルエーテル、キシレ
ン等が用いられる。なお、蛍光体塗布液には必要に応じ
て、フタル酸、ステアリン酸等の分散剤や燐酸トリフェ
ニル、フタル酸ジエチル等の可塑剤を添加することがで
きる。
【0028】また、支持体1としては、例えば酢酸セル
ロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロー
ス、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポ
リスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、
ポリイミド、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリ
カーボネート等の樹脂をフィルム状に成形したものを用
いることができる。
【0029】一方、上述した略真球状白色粒子を結合剤
と共に適当量混合し、さらにこれに有機溶剤を加えて適
当な粘度の白色粒子塗布液を調製し、この白色粒子塗布
液をナイフコータやロールコータ等により保護膜4上に
塗布、乾燥して、略真球状白色粒子からなる粉体層3を
形成する。白色粒子塗布液の調製に用いる結合剤や有機
溶剤としては、蛍光体塗布液と同様なものを用いること
ができる。また、保護膜4としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
アミド等の透明樹脂フィルムを用いることができる。
【0030】そして、上記した蛍光体層2を形成した支
持体1とラミネートすることによって、目的とする放射
線増感紙5が得られる。なお、白色粒子塗布液を直接蛍
光体層2上に塗布、乾燥し、その上にフィルム状の保護
膜4をラミネートしたり、あるいは酢酸セルロース、ニ
トロセルロース、セルロースアセテートブチレート等の
セルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、
塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリカーボネー
ト、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリビニルホルマール、ポリウレタン等の樹脂を溶
剤に溶解させて適当な粘度とした保護膜塗布液を塗布、
乾燥することによって、放射線増感紙5を形成すること
もできる。
【0031】さらに、放射線増感紙5は上述した製造方
法以外の方法によっても製造することができる。すなわ
ち、予め平滑な基板上に保護膜4を形成しておき、その
上に略真球状白色粒子からなる粉体層3および蛍光体層
2を順に形成した後、これらを保護膜4と共に基板から
剥離し、改めて蛍光体層2上に支持体1を接着する方法
等である。
【0032】上述した実施形態の放射線増感紙5によれ
ば、蛍光体層2に発光効率の高いGd2 2 S:Tb等
の希土類蛍光体を使用した場合においても、略真球状白
色粒子からなる粉体層3により感度や鮮鋭度をあまり低
下させることなく粒状性を向上させることが可能である
ため、例えば医療用X線撮影等に使用した場合に被検者
に対するX線被曝量を低減した上で、良好な診断能を得
ることができる。また、工業用非破壊検査等に使用した
場合には、X線量を低減した上で、検査精度の向上を図
ることができる。
【0033】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0034】実施例1 まず、平均粒子径が 6.0μm のGd2 2 S:Tb蛍光
体粉末10重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニ
ルコポリマー 1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エ
チルとを混合して、蛍光体塗布液を調製した。この蛍光
体塗布液を、カーボンブラックを練込んだ厚さ 250μm
のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体
上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が 50mg/cm2 となるよう
にナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて蛍光体層を
形成した。
【0035】一方、平均粒子径が 0.5μm の略真球状シ
リカ粒子 1重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビ
ニルコポリマー 1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸
エチルとを混合して、略真球状シリカ粒子塗布液を調製
した。なお、使用した略真球状シリカ粒子は、粒子径が
0.1〜 2μm の範囲の粒子が全粒子の90重量% 以上であ
り、またアスペクト比および形状因子Rを画像処理によ
り評価したところ、アスペクト比は 1.2以下、形状因子
Rは 1.5以下であった。
【0036】上記した略真球状シリカ粒子塗布液を、厚
さ 9μm のポリエチレンテレフタレートフィルムからな
る保護膜上に、乾燥後の略真球状シリカ粒子の塗布厚が
3μm となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥
させて略真球状シリカ粒子層を形成した。
【0037】この後、上記した蛍光体層を形成した支持
体と、略真球状シリカ粒子層を形成した保護膜とを、蛍
光体層と略真球状シリカ粒子層とが重なるようにラミネ
ートして、目的とするX線増感紙を作製した。このX線
増感紙を後述する特性評価に供した。
【0038】実施例2 略真球状シリカ粒子層の形成に平均粒子径が 1.0μm の
略真球状シリカ粒子を用いると共に、その乾燥後の厚さ
を 5μm とする以外は、上記実施例1と同様にしてX線
増感紙を作製し、後述する特性評価に供した。なお、使
用した略真球状シリカ粒子は、粒子径が 0.1〜 2μm の
範囲の粒子が全粒子の75重量% 以上であり、またアスペ
クト比および形状因子Rを画像処理により評価したとこ
ろ、アスペクト比は 1.2以下、形状因子Rは 1.5以下で
あった。
【0039】比較例1 シリカ粒子層を形成しない以外は、実施例1と同様にし
て、X線増感紙を作製して、後述する特性評価に供し
た。
【0040】比較例2 シリカ粒子層の形成に平均粒子径が 0.4μm の不定形シ
リカ粒子を用いる以外は、実施例1と同様にしてX線増
感紙を作製し、後述する特性評価に供した。
【0041】上述した実施例1、2および比較例1、2
による各X線増感紙について、オルソタイプフィルム
(コニカ社製、SR−G)を用いて、その感度、鮮鋭
度、粒状を測定、評価した。その結果を表1に示す。な
お、増感紙の写真性能は、厚さ100mmの水ファントムを
通して、管電圧80kVのX線で撮影した場合の写真感度、
鮮鋭度、粒状性であり、写真感度は比較例1の増感紙を
100とした場合の相対値、鮮鋭度は空間周波数 2本/mm
におけるMTF値を求め、該空間周波数における比較例
1の増感紙のMTF値を 100とした場合の相対値、粒状
性は写真濃度 1.0、空間周波数3.12本/mm における相対
RMS値である。
【0042】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1、2によるX線増感
紙は、いずれもシリカ粒子層を有しない増感紙に比べ
て、粒状性が大幅に向上しており、その上で感度や鮮鋭
度の低下が小さいことが分かる。一方、不定形シリカ粒
子を用いた比較例2のX線増感紙は、実施例1、2によ
るX線増感紙に比べて粒状性が劣り、また感度や鮮鋭度
も劣っていた。
【0043】実施例3 平均粒子径が 6.0μm のGd2 2 S:Tb蛍光体粉末
10重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニルコポ
リマー 1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルと
を混合して、蛍光体塗布液を調製した。この蛍光体塗布
液を、カーボンブラックを練込んだ厚さ 250μm のポリ
エチレンテレフタレートフィルムからなる支持体上に、
乾燥後の蛍光体塗布重量が 50mg/cm2 となるようにナイ
フコータで均一に塗布し、乾燥させて蛍光体層を形成し
た。
【0044】一方、平均粒子径が 1.5μm の略真球状ア
ルミナ粒子 1重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸
ビニルコポリマー 1重量部と有機溶剤として適当量の酢
酸エチルとを混合して、略真球状アルミナ粒子塗布液を
調製した。なお、使用した略真球状アルミナ粒子は、粒
子径が 0.1〜 2μm の範囲の粒子が全粒子の65重量%以
上であり、またアスペクト比および形状因子Rを画像処
理により評価したところ、アスペクト比は 1.2以下、形
状因子Rは 1.5以下であった。
【0045】上記した略真球状アルミナ粒子塗布液を、
厚さ 9μm のポリエチレンテレフタレートフィルムから
なる保護膜上に、乾燥後の略真球状アルミナ粒子の塗布
厚が4μm となるようにナイフコータで均一に塗布し、
乾燥させて略真球状アルミナ粒子層を形成した。
【0046】この後、上記した蛍光体層を形成した支持
体と、略真球状アルミナ粒子層を形成した保護膜とを、
蛍光体層と略真球状アルミナ粒子層とが重なるようにラ
ミネートして、目的とするX線増感紙を作製した。この
X線増感紙の特性を実施例1と同様に測定、評価したと
ころ、実施例1、2と同様に良好な結果が得られた。 実施例4 平均粒子径が 6.0μm のGd2 2 S:Tb蛍光体粉末
10重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニルコポ
リマー 1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルと
を混合して、蛍光体塗布液を調製した。この蛍光体塗布
液を、カーボンブラックを練込んだ厚さ 250μm のポリ
エチレンテレフタレートフィルムからなる支持体上に、
乾燥後の蛍光体塗布重量が 50mg/cm2 となるようにナイ
フコータで均一に塗布し、乾燥させて蛍光体層を形成し
た。
【0047】一方、平均粒子径が 0.3μm の略真球状イ
ットリア粒子 1重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢
酸ビニルコポリマー 1重量部と有機溶剤として適当量の
酢酸エチルとを混合して、略真球状イットリア粒子塗布
液を調製した。なお、使用した略真球状イットリア粒子
は、粒子径が 0.1〜 2μm の範囲の粒子が全粒子の95重
量% 以上であり、またアスペクト比および形状因子Rを
画像処理により評価したところ、アスペクト比は 1.2以
下、形状因子Rは 1.5以下であった。
【0048】上記した略真球状イットリア粒子塗布液
を、厚さ 9μm のポリエチレンテレフタレートフィルム
からなる保護膜上に、乾燥後の略真球状イットリア粒子
の塗布厚が 2μm となるようにナイフコータで均一に塗
布し、乾燥させて略真球状イットリア粒子層を形成し
た。
【0049】この後、上記した蛍光体層を形成した支持
体と、略真球状イットリア粒子層を形成した保護膜と
を、蛍光体層と略真球状イットリア粒子層とが重なるよ
うにラミネートして、目的とするX線増感紙を作製し
た。このX線増感紙の特性を実施例1と同様に測定、評
価したところ、実施例1、2と同様に良好な結果が得ら
れた。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の放射線増
感紙によれば、感度や鮮鋭度の低下を抑制した上で、作
製が容易で制御因子が少ない単純な単層蛍光体構造で粒
状性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の放射線増感紙の一実施形態の構成を
示す断面図である。
【図2】 本発明の放射線増感紙に用いる略真球状白色
粒子の形状を説明するための図である。
【図3】 蛍光体層と保護膜との間に設けた略真球状シ
リカ粒子層の厚さと感度との関係を不定形シリカ粒子層
を設けた場合と比較して示す図である。
【図4】 蛍光体層と保護膜との間に設けた略真球状シ
リカ粒子層の厚さと鮮鋭度との関係を不定形シリカ粒子
層を設けた場合と比較して示す図である。
【図5】 蛍光体層と保護膜との間に設けた略真球状シ
リカ粒子層の厚さと粒状性との関係を不定形シリカ粒子
層を設けた場合と比較して示す図である。
【符号の説明】
1……支持体 2……蛍光体層 3……略真球状白色粒子からなる粉体層 4……保護膜 5……放射線増感紙

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、前記支持体上に形成された蛍
    光体層と、この蛍光体層上に設けられた保護膜とを具備
    する放射線増感紙において、 前記蛍光体層と保護膜との間に、平均粒子径が 0.1〜 2
    μm の範囲の略真球状白色粒子からなり、かつ厚さが 1
    〜 5μm の粉体層が設けられていることを特徴とする放
    射線増感紙。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の放射線増感紙において、 前記略真球状白色粒子は短径に対する長径の比 1.2以下
    であることを特徴とする放射線増感紙。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の放射線増感紙において、 前記略真球状白色粒子は、粒子個々の投影像の周囲長を
    L、投影像の実面積をAとしたとき、L2 /4πAで表さ
    れる形状因子Rが 1.5以下であることを特徴とする放射
    線増感紙。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の放射線増感紙において、 0.1〜 2μm の範囲の粒子径を有する前記略真球状白色
    粒子が全粒子の60重量% 以上であることを特徴とする放
    射線増感紙。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の放射線増感紙において、 前記略真球状白色粒子は、波長 450〜 650nmの光の反射
    率が 90%以上であることを特徴とする放射線増感紙。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の放射線増感紙において、 前記蛍光体は希土類蛍光体であることを特徴とする放射
    線増感紙。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012020578A1 (ja) * 2010-08-12 2012-02-16 コニカミノルタエムジー株式会社 放射線像変換パネル、放射線像変換パネルの製造方法および放射線画像形成装置

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WO2012020578A1 (ja) * 2010-08-12 2012-02-16 コニカミノルタエムジー株式会社 放射線像変換パネル、放射線像変換パネルの製造方法および放射線画像形成装置

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