JP4266043B2 - 放射線増感紙、それを用いた放射線レセプターおよび放射線検査装置 - Google Patents
放射線増感紙、それを用いた放射線レセプターおよび放射線検査装置 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線撮影などに用いられる放射線増感紙、それを用いた放射線レセプターおよび放射線検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療診断や工業用非破壊検査などに利用されるX線撮影においては、通常、撮影系の感度を向上させるために、放射線フィルムを放射線増感紙と組み合わせて使用している。X線撮影などに用いられる放射線増感紙としては、紙やプラスチックなどからなる支持体上に、蛍光体層とこれを保護する比較的薄い保護膜とを順に形成したものが一般的である。
【0003】
近年、医療診断などにおける被検者の放射線被曝量の低減に対する要求が強まっている。このため、X線直接撮影においては高感度化した放射線フィルムや放射線増感紙を使用することによって、被検者の被曝量の低減が図られている。放射線フィルムの高感度化は高感度フィルムの使用が一般的であり、放射線増感紙の高感度化については高発光効率の蛍光体を使用することが行われている。
【0004】
放射線フィルムや放射線増感紙の高感度化は、以下に示すような問題を招いている。すなわち、高感度フィルムを使用した場合、鮮鋭度の低下は少ないものの、粒状性の低下を招いてしまう。一方、放射線増感紙を高感度化した場合にも、粒状性の低下が問題となる。X線撮影における被写体の識別能力は、粒状性および鮮鋭度の両方に関係する。粒状性の悪化は特にコントラストの低い被写体の識別能を低下させる。
【0005】
このようなことから、放射線増感紙については画質特性の向上を目的として、蛍光体層の改良に関する種々の工夫がなされてきた。例えば、流延法と呼ばれる一種の沈降法を用いて蛍光体層を形成すると、保護膜側から支持体側に向かって次第に粒子径が小さくなる、いわゆる傾斜粒径構造の蛍光体スクリーンが得られる(特公昭 55- 33560号公報、特公平 1-57758号公報参照)。このような蛍光体構造は感度や鮮鋭度特性を向上させる。
【0006】
しかしながら、傾斜粒径構造の放射線増感紙は、蛍光体粒子を自然沈降させながら乾燥させて蛍光体層を形成するために製造に時間を要し、製造コストが高くなるという欠点を有している。このように、傾斜粒径構造の放射線増感紙は量産性に問題がある。特公昭55-33560号公報や特公平 1-57758号公報には、異なった粒子径の蛍光体粒子を多層状に塗布することも記載されている。これは傾斜粒径構造の実施例を示したものであり、各蛍光体層の細かい条件などは何等記載されていない。
【0007】
一方、特開昭58-71500号公報には、蛍光体層の表面側を平均粒径が 7〜20μm の大粒子蛍光体で構成し、この大粒子蛍光体の間隙および支持体側を平均粒径が 4μm 以下の小粒子蛍光体で構成した増感紙が記載されている。このような増感紙によれば、感度や鮮鋭度特性をある程度向上させることができるものの、粒状性の改善については十分満足できる結果は得られていない。
【0008】
また、特開平8-313699号公報には、支持体側を平均粒子径が小さい蛍光体粒子で構成した複数の蛍光体層を有する放射線増感スクリーンが記載されている。この放射線増感スクリーンが有する各蛍光体層は、それらを構成する各蛍光体粒子の平均粒子径をR、粒径分布をσとしたとき、それぞれ 0<σ/R≦0.5 の関係を満たしている。さらに、上記公報には複数の蛍光体層について、保護層側の蛍光体層の平均粒子径を10〜20μm 、支持体側の蛍光体層の平均粒子径を 1〜 5 μm とすることが記載されている。
【0009】
このように、複数の蛍光体層を有する増感紙において、各蛍光体層を構成する蛍光体粒子の粒子径を同様に規定した場合には、鮮鋭度特性や粒状性について必ずしも十分な改善効果は得られていない。本発明者らの実験によれば、平均粒子径が異なる複数の蛍光体粒子を用いて、複数の蛍光体層を形成する場合には、各蛍光体層の平均粒子径に応じて各種条件を設定することが重要であることが明らかとなった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、発光効率の高い蛍光体の使用による放射線増感紙の高感度化は、被検者の被曝量低減や鮮鋭度の向上には有効であるものの、粒状性の低下という問題を招いている。逆に、発光効率の低い蛍光体を使用すれば、粒状性は向上するものの、鮮鋭度は低下するというように、得られる写真特性の間にはある程度の相反性が存在する。
【0011】
このような点に対して、従来の単一構造の蛍光体層を有する放射線増感紙では、粒状性と鮮鋭度を共に満足させることは困難であった。傾斜粒径構造を有する放射線増感紙は、感度や鮮鋭度特性の向上に関しては比較的満足できる結果が得られているものの、蛍光体層の形成に長時間を要し、製造コストが高くなると共に、製造条件のばらつきにより特性の変動が大きいなどの問題を有していた。さらに、従来の平均粒子径が異なる複数の蛍光体層を有する放射線増感紙では、鮮鋭度特性や粒状性について必ずしも十分な改善効果は得られていない。
【0012】
本発明はこのような課題に対処するためになされたもので、例えば発光効率の高い蛍光体を使用した場合においても、感度や鮮鋭度の低下を抑制すると共に粒状性を向上させ、その上で量産性を満足させた放射線増感紙を提供することを目的としており、さらにそのような放射線増感紙を用いることによって、例えば被検者の被曝量の低減を図った上で、診断能を向上させた放射線レセプターおよび放射線検査装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、平均粒径が異なる複数の蛍光体層を有する放射線増感紙の特性向上の可能性を探るために、各蛍光体層を構成する蛍光体粒子の粒子径および粒径分布、各蛍光体層の充填密度などについて細かな試作評価実験を行った。その結果、各蛍光体層の粒径分布や充填量などを、各層を構成する蛍光体粒子の平均粒径に応じて適切な範囲に制御することが重要であることを見出した。
【0014】
本発明の放射線増感紙は、支持体と、前記支持体上に設けられ、平均粒径D1を有すると共に、粒径分布を表わす範囲係数kが1.3〜1.8の範囲である第1の蛍光体粒子により構成された第1の蛍光体層と、前記第1の蛍光体層上に設けられ、D2>D1を満足する平均粒径D2を有すると共に、粒径分布を表わす範囲係数kが1.65〜2.0の範囲である第2の蛍光体粒子により構成された第2の蛍光体層と、前記第2の蛍光体層上に設けられた保護膜とを具備し、前記第1の蛍光体粒子の範囲係数をk1、前記第2の蛍光体粒子の範囲係数をk2としたとき、前記第1および第2の蛍光体粒子はk1<k2を満足することを特徴としている。
【0015】
本発明の放射線増感紙において、第1の蛍光体層における第1の蛍光体粒子の単位面積当りの塗布重量をCW1、第2の蛍光体層における第2の蛍光体粒子の単位面積当りの塗布重量をCW2としたとき、CW1とCW2との比(CW1:CW2)を8:2〜6:4の範囲とすることが好ましい。
【0017】
上述した本発明の放射線増感紙は、特に第1の蛍光体粒子の平均粒径D1は1〜5μmの範囲であり、かつ第2の蛍光体粒子の平均粒径D2は5〜20μmの範囲であることが好ましい。また、本発明の放射線増感紙は、第1および第2の蛍光体粒子が希土類蛍光体からなる場合に特に効果的である。
【0018】
本発明の放射線レセプターは、放射線フィルムと、前記放射線フィルムの被検体側の面に沿って積層され、上記した本発明の放射線増感紙からなるフロント増感紙と、前記放射線フィルムの前記被検体側の面とは反対側の面に沿って積層され、上記した本発明の放射線増感紙からなるバック増感紙と、前記フロント増感紙、前記放射線フィルムおよび前記バック増感紙の積層物を収容するカセットとを具備することを特徴としている。
【0019】
本発明の放射線レセプターは、例えばフロント増感紙の第1および第2の蛍光体層における蛍光体粒子の単位面積当りの総塗布重量をTCWf、バック増感紙の第1および第2の蛍光体層における蛍光体粒子の単位面積当りの総塗布重量をTCWbとしたとき、TCWfとTCWbとの比(TCWf:TCWb)を3:7〜4:6の範囲とすることが好ましい。
【0020】
本発明の放射線検査装置は、放射線源と、前記放射線源と被検体を介して対向配置される、上記した本発明の放射線レセプターとを具備することを特徴としている。
【0021】
ここで、蛍光体粒子などの粉体の粒径分布は、大部分の場合対数正規分布で近似できることが知られている。すなわち、粒径をdとし、x= logdとして、このときの平均をμ、標準偏差をσとすると、確率密度関数f(x)は次式で与えられる。
【0022】
【数1】
xがある値x0 以下の確率を累積分布関数F(x0 )といい、次式で表される。
【数2】
粒径分布は、測定する蛍光体粒子を水などの分散媒に入れ、十分よく分散してから、コールターカウンター法、マイクロトラック法などにより測定される。蛍光体の平均粒径は、この粒径分布の中央値として求めることができる。
【0023】
図8は、本発明の放射線増感紙に用いた蛍光体の累積粒径分布(重量換算)の一例を示したものである。図中の点は実際の測定データを表したものであり、折れ線はこの測定値にあうように平均μ、標準偏差σを決めた対数正規分布の理論累積分布を示したものである。この例からも蛍光体の粒径分布は対数正規分布でよく表わすことができることが分かる。この累積曲線の縦軸の 50%に相当する粒径を粒径分布の中央値、平均粒径Dとする。粒径分布の幅は、範囲係数kで特徴付けられる。
【0024】
範囲係数kは以下の通り定義されるものである。粒径がD/k〜kDの範囲にある粒子の重量の和(総重量)が全体の粒子の重量の68.2689%であるときの値を範囲係数kとする。すなわち、kは 1以上の数であり、大きければ粒度分布がブロードであり、 1に近ければ非常にシャープな粒度分布をもつと言うことができる。
【0025】
本発明の放射線増感紙は、支持体側に形成された小粒径の蛍光体粒子からなる第1の蛍光体層と保護膜側に形成された大粒径の蛍光体粒子からなる第2の蛍光体層とで構成された 2層構造の蛍光体層を有している。このような 2層構造の蛍光体層を有する放射線増感紙においては、小粒径の蛍光体粒子の粒径分布を狭くし、大粒径の蛍光体粒子の粒径分布を比較的広くすることによって、鮮鋭度や粒状性を向上させることができる。さらに、大粒径の蛍光体粒子で構成する第2の蛍光体層より小粒径の蛍光体粒子で構成する第1の蛍光体層の蛍光体粒子の単位面積当りの塗布重量を多く設定することによって、鮮鋭度や粒状性を向上させることができる。
【0026】
さらに、本発明の放射線増感紙において、 2層構造の蛍光体層は通常の蛍光体層と同様な製造工程を適用して作製することができるため、増感紙自体の作製が容易であり、さらに目的とする特性を再現性よく得ることができる。本発明の放射線レセプターおよび放射線検査装置は、上記したような放射線増感紙を用いているため、特に撮像系の高感度化を図った場合においても、良好な識別能力を得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0028】
図1は本発明の第1および第2の放射線増感紙の一実施形態の要部構造を示す断面図である。同図において、1はプラスチックフィルムや不織布などからなる支持体であり、この支持体1の一方の面上に蛍光体層2が設けられている。蛍光体層2上には、プラスチックフィルムやプラスチック被覆膜などからなる保護膜3が設けられている。これら各要素によって、例えばX線撮影用増感紙として使用される放射線増感紙4が構成されている。
【0029】
蛍光体層2は、支持体1側に形成された第1の蛍光体層2aと、保護膜3側に形成された第2の蛍光体層2bとを有している。これらは、第1の蛍光体層2aを構成する第1の蛍光体粒子の平均粒径をD1 、第2の蛍光体層2bを構成する第2の蛍光体粒子の平均粒径をD2 としたとき、D1 <D2 を満足するものである。すなわち、支持体1側には小粒径の蛍光体粒子を含有する第1の蛍光体層2aが設けられており、保護膜3側には大粒径の蛍光体粒子を含有する第2の蛍光体層2bが設けられている。
【0030】
蛍光体粒子の平均粒径が異なる 2層構造の蛍光体層2は、CaWO4 などの蛍光体により構成してもよいが、特に発光効率が高いGd2 O2 S:Tb、LaOBr:Tb、BaFCl:Euなどの希土類蛍光体で構成することが好ましい。第1および第2の蛍光体層2a、2bは、それぞれ上記したような蛍光体の粒子を含有する層である。
【0031】
放射線増感紙4は、発光効率の高い希土類蛍光体を用いた場合に特に好適である。発光効率の高い希土類蛍光体を用いた場合においても、平均粒径が異なる 2層の蛍光体層2a、2bで蛍光体層2を構成しているため、感度や鮮鋭度の低下を抑制した上で、粒状性を向上させることができる。また 2層構造の蛍光体層2は通常の蛍光体層と同様に作製することができるため、十分に量産性を満足するものである。
【0032】
支持体1側に設けられた第1の蛍光体層2aは、平均粒径D1 が 1〜 5μm の範囲の小粒径蛍光体粒子で構成することが好ましい。図2に第1の蛍光体層2aを構成する第1の蛍光体粒子の平均粒径D1 を変化させたときの鮮鋭度特性の一例を示す。なお、図2はGd2 O2 S:Tb蛍光体粒子を用い、第2の蛍光体層2bを構成する蛍光体粒子の平均粒径D2 を 9μm 、範囲係数kを 1.6とした。第1の蛍光体層2aにおける小粒径蛍光体粒子の単位面積当りの塗布重量CW1 と、第2の蛍光体層2bにおける大粒径蛍光体粒子の単位面積当りの塗布重量CW2 との比(CW1 :CW2 )は 7:3とした。図2はこのような放射線増感紙4をバック増感紙として使用した場合の結果である。使用した小粒径蛍光体粒子は 1.5〜 1.8の範囲係数kを有する。
【0033】
図2から明らかなように、小粒径蛍光体粒子の平均粒径D1 が小さいほど鮮鋭度を向上させることができる。ただし、平均粒径D1 が 1μm 未満であると蛍光体粒子の製造自体が困難になると共に、発光輝度の低下や蛍光体層の形成性の低下などを招くおそれが大きい。よって、第1の蛍光体層2aを構成する小粒径蛍光体粒子の平均粒径D1 は 1μm 以上とすることが好ましい。また、鮮鋭度特性の低下を抑制する上で、平均粒径D1 は 5μm 以下とすることが好ましく、特に 3μm 以下とすることが望ましい。なお、放射線増感紙4をフロント増感紙として使用した場合にも、同様な傾向を示す。
【0034】
保護膜3側に設けられた第2の蛍光体層2bは、D2 >D1 を満足させた上で、平均粒径D2 が 5〜20μm の範囲の大粒径蛍光体粒子で構成することが好ましい。蛍光体粒子の平均粒径D2 が 5μm 未満であると、D2 >D1 を満足していても、大粒径蛍光体粒子を用いた第2の蛍光体層2bの効果を十分に得ることができない。
【0035】
図3に第2の蛍光体層2bを構成する蛍光体粒子の平均粒径D2 を変化させたときの鮮鋭度特性の一例を示す。なお、図3は蛍光体粒子に Gd2 O2 S:Tb蛍光体粒子を用い、第1の蛍光体層2aを構成する蛍光体粒子の平均粒径D1 を 2μm 、範囲係数kを 1.5、第1の蛍光体層2aと第2の蛍光体層2bの蛍光体塗布重量比(CW1 :CW2 )を 7:3とした。図3はこのような放射線増感紙4をバック増感紙として使用した場合の結果である。使用した大粒径蛍光体粒子は 1.6〜 1.8の範囲係数kを有する。
【0036】
図3から明らかなように、大粒径蛍光体粒子の平均粒径D2 があまり大きいと、鮮鋭度特性の低下が大きくなる。このため、平均粒径D2 は20μm 以下とすることが好ましく、さらには10μm 以下とすることが望ましい。大粒径蛍光体粒子の平均粒径D2 があまり小さくても鮮鋭度特性が低下するため、平均粒径D2 は 7μm 以上とすることがより好ましい。なお、放射線増感紙4をフロント増感紙として使用した場合にも、同様な傾向を示す。
【0037】
上述したような第1および第2の蛍光体層2a、2bを構成する各蛍光体粒子は、それぞれ以下に示す粒径分布を有している。すなわち、第1の蛍光体層2aに用いる小粒径蛍光体粒子は、その粒径分布を表わす範囲係数k(k1)が1.3〜1.8の範囲である。一方、第2の蛍光体層2bに用いる大粒径蛍光体粒子は、その粒径分布を表わす範囲係数k(k2)が1.65〜2.0の範囲である。特に、小粒径蛍光体粒子の範囲係数k1と大粒径蛍光体粒子の範囲係数k2とが、k1<k2を満足することが望ましい。
【0038】
このように、小粒径蛍光体粒子の粒径分布を狭くし、それに対して大粒径蛍光体粒子の粒径分布を比較的広くすることによって、蛍光体層2を 2層構造としたときの鮮鋭度や粒状性を再現性よく向上させることができる。範囲係数kが上記した範囲を外れる蛍光体粒子(小粒径蛍光体粒子および大粒径蛍光体粒子)を用いた場合には、蛍光体層2を 2層構造としたことによる鮮鋭度や粒状性の改善効果が低減してしまう。
【0039】
すなわち、第1の蛍光体層2aを構成する小粒径蛍光体粒子の範囲係数k1が1.3未満の場合には、鮮鋭度および感度の低下が大きくなり、1.8を超える場合には鮮鋭度が低下する。一方、第2の蛍光体層2bを構成する大粒径蛍光体粒子の範囲係数k2が1.65未満の場合には、鮮鋭度の低下が著しくなり、2.0を超える場合には感度の低下が大きくなる。さらに、k2がk1と同等もしくはそれ以下となると、鮮鋭度の低下が大きくなる。
【0040】
第1の蛍光体層2aを構成する小粒径蛍光体粒子の範囲係数k1は1.5〜1.7の範囲とすることがさらに望ましい。また、第2の蛍光体層2bを構成する大粒径蛍光体粒子の範囲係数k2は1.65〜1.8の範囲とすることがさらに望ましい。このような範囲係数k1、k2を有する小粒径蛍光体粒子および大粒径蛍光体粒子を用いることによって、2層構造の蛍光体層2の鮮鋭度や粒状性をより一層向上させることができる。
【0041】
さらに、第1の蛍光体層2aおよび第2の蛍光体層2bは、これらの塗布重量比(CW1 :CW2 )を適切な範囲に制御することによって、より一層鮮鋭度や粒状性を向上させることができる。具体的には、第1の蛍光体層2aにおける蛍光体粒子の単位面積当りの塗布重量をCW1 、第2の蛍光体層2bにおける蛍光体粒子の単位面積当りの塗布重量をCW2 としたとき、これらCW1 とCW2 との比(CW1 :CW2 )を 8:2〜 6:4の範囲とすることが望ましい。
【0042】
図4に、第1の蛍光体層2aと第2の蛍光体層2bの蛍光体塗布重量比を変化させたときの鮮鋭度特性の一例を示す。図4の蛍光体塗布重量比は、蛍光体層2の全蛍光体塗布重量に対する第2の蛍光体層2bの蛍光体塗布重量比(%)として示した。図4は蛍光体粒子にGd2 O2 S:Tb蛍光体粒子を用い、第1の蛍光体層2aを構成する蛍光体粒子の平均粒径D1 を 2μm 、第2の蛍光体層2bを構成する蛍光体粒子の平均粒径D2 を 9μm 、蛍光体層2の蛍光体粒子の単位面積当りの総塗布重量を0.60kg/m2 とした。図4はこのような放射線増感紙4をフロント増感紙として使用した場合の結果である。
【0043】
図4から明らかなように、第1の蛍光体層2aと第2の蛍光体層2bの蛍光体塗布重量比(CW1 :CW2 )を 8:2〜 6:4の範囲とした場合に、良好な鮮鋭度を得ることができる。粒状性についても同様である。放射線増感紙4をバック増感紙に適用した場合も同様な傾向を示す。
【0044】
このように、蛍光体層2を蛍光体粒子の平均粒径が異なる第1の蛍光体層2aと第2の蛍光体層2bの 2層構造(D1 <D2 )とし、さらに各蛍光体粒子の平均粒径D1 、D2 、粒径分布、第1の蛍光体層2aと第2の蛍光体層2bの蛍光体塗布重量比(CW1 :CW2 )などを適切な範囲とすることによって、良好な感度および鮮鋭度を得ることができ、なおかつ粒状性を向上させることが可能となる。 2層構造の蛍光体層2は通常の蛍光体層と同様にして製造することができるため、放射線増感紙4の量産性を十分に満足させることができ、さらに目的とする特性を再現性よく得ることが可能となる。
【0045】
上述した実施形態の放射線増感紙4は、例えば以下のようにして作製される。すなわち、平均粒径D1を有し、かつ範囲係数k1が1.3〜1.8の範囲である小粒径蛍光体を結合剤と共に適当量混合する。これに有機溶剤を加えて、適当な粘度の第1の蛍光体層2a用の小粒径蛍光体塗布液を調製する。一方、平均粒径D2(>D1)を有し、かつ範囲係数k2が1.65〜2.0の範囲である大粒径蛍光体を結合剤と共に適当量混合する。これに有機溶剤を加えて、適当な粘度の第2の蛍光体層2b用の大粒径蛍光体塗布液を調製する。
【0046】
第1の蛍光体層2a用の小粒径蛍光体塗布液を、ナイフコータやロールコータなどにより支持体1上に塗布、乾燥して、第1の蛍光体層2aを形成する。次いで、第1の蛍光体層2a上に、第2の蛍光体層2b用の大粒径蛍光体塗布液をナイフコータやロールコータなどにより塗布、乾燥して、第2の蛍光体層2bを形成する。
【0047】
なお、増感紙の中には支持体1と蛍光体層2との間に光反射層、光吸収層、金属箔層などを設けた構造のものがあるが、その場合には予め支持体1上に光反射層、光吸収層、金属箔層などを形成しておき、その上に蛍光体層2を形成すればよい。
【0048】
蛍光体塗布液の調製に使用する結合剤としては、硝化綿、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、綿状ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコールなどの従来から使用されているものが例示される。有機溶剤としては、例えばエタノール、メチルエチルエーテル、酢酸ブチル、酢酸エチル、エチルエーテル、キシレンなどが用いられる。なお、蛍光体塗布液には必要に応じて、フタル酸、ステアリン酸などの分散剤や燐酸トリフェニル、フタル酸ジエチルなどの可塑剤を添加してもよい。
【0049】
また、支持体1としては、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリカーボネートなどの樹脂をフィルム状に成形したものを用いることができる。
【0050】
上述した 2層構造の蛍光体層2上に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどの透明樹脂フィルムからなる保護膜3をラミネートすることによって、目的とする放射線増感紙4が得られる。
【0051】
保護膜3は、酢酸セルロース、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレートなどのセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルホルマール、ポリウレタンなどの樹脂を溶剤に溶解させて適当な粘度とした保護膜塗布液を塗布、乾燥させることによって形成してもよい。
【0052】
上述した実施形態の放射線増感紙4は、例えば図5に示すような放射線レセプター5として、X線撮影などの放射線撮影に使用される。図5に示す放射線レセプター5において、例えばX線フィルムのような放射線フィルム6は、 2枚の放射線増感紙4(上述した実施形態による 2層構造の蛍光体層2を有する放射線増感紙4)で挟まれており、この状態でカセッテ7に収容されている。
【0053】
上記した 2枚の放射線増感紙4のうち、被検体側に配置される放射線増感紙4がいわゆるフロント増感紙Fであり、他方の放射線増感紙4がいわゆるバック増感紙Bである。これらフロント増感紙Fおよびバック増感紙Bに用いる放射線増感紙4は基本的な構成は同一であり、上記実施形態で説明した通りであるが、フロント増感紙Fの 2層構造蛍光体層2における蛍光体粒子の単位面積当りの総塗布重量(第1および第2の蛍光体層2a、2bの蛍光体粒子の塗布重量の総和)をTCWf 、バック増感紙Bの 2層構造蛍光体層2における蛍光体粒子の単位面積当りの総塗布重量をTCWb としたとき、TCWf とTCWb との比(TCWf :TCWb )を 3:7〜 4:6の範囲とすることが好ましい。
【0054】
図6に、フロント増感紙Fとバック増感紙Bの蛍光体粒子の単位面積当りの総塗布重量比(TCWf 比)を変化させたときの鮮鋭度特性の一例を示す。なお、図6は蛍光体粒子にGd2 O2 S:Tb蛍光体粒子を用い、フロント増感紙Fとバック増感紙Bを足した蛍光体粒子の単位面積当りの総塗布重量を1.50kg/m2 とした場合の結果である。図6から明らかなように、フロント増感紙Fとバック増感紙Bの蛍光体粒子の単位面積当りの総塗布重量比(TCWf :TCWb )を 3:7〜 4:6の範囲とした場合に、良好な鮮鋭度を得ることができる。
【0055】
上述したような放射線レセプター5は、図7に示すような放射線検査装置8で使用される。図7に示す放射線検査装置8は、放射線源9と、これと被検者などの被検体10を介して対向配置された撮影台11とから構成されている。放射線レセプター5は撮影台11の側面部から挿入して使用される。この際、放射線レセプター5はフロント増感紙Fが被検体10側に位置するように挿入される。
【0056】
この実施形態の放射線増感紙4を用いて構成した放射線レセプター5およびそれを使用した放射線検査装置8は、撮像系の高感度化を図って被検者に対するX線被曝量などを低減した場合においても、良好な識別能力を得ることができる。すなわち、医療用X線撮影に使用した場合には、被検者に対するX線被曝量を低減した上で、良好な診断能を得ることが可能となる。工業用非破壊検査などに使用した場合には、X線量を低減した上で検査精度の向上を図ることができる。
【0057】
【実施例】
次に、本発明の放射線増感紙の具体的な実施例およびその評価結果について述べる。
【0058】
実施例1
まず、平均粒径が 3μm で粒径分布の範囲係数kが1.62であるGd2 O2 S:Tb蛍光体粉末10重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー 1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルとを混合して、小粒子蛍光体塗布液を調製した。同様に、平均粒径が 9μm で粒径分布の範囲係数kが1.70であるGd2 O2 S:Tb蛍光体粉末10重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー 1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルとを混合して、大粒子蛍光体塗布液を調製した。
【0059】
そして、まず上記した小粒子蛍光体塗布液を、カーボンブラックを練り込んだ厚さ 250μm のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が0.40kg/m2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて小粒子蛍光体からなる第1の蛍光体層を形成した。次いで、この第1の蛍光体層上に大粒子蛍光体塗布液を、乾燥後の蛍光体塗布重量が0.20kg/m2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて大粒子蛍光体からなる第2の蛍光体層を形成した。この後、上記した 2層構造の蛍光体層上に、厚さ 9μm の保護膜をラミネートして、まずフロント用X線増感紙を作製した。
【0060】
一方、上記した小粒子蛍光体塗布液を、カーボンブラックを練り込んだ厚さ 250μm のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が0.55kg/m2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて小粒子蛍光体からなる第1の蛍光体層を形成した。次いで、この第1の蛍光体層上に上記した大粒子蛍光体塗布液を、乾燥後の蛍光体塗布重量が0.30kg/m2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて大粒子蛍光体からなる第2の蛍光体層を形成した。この後、上記の 2層構造の蛍光体層上に、厚さ 9μm の保護膜をラミネートして、バック用X線増感紙を作製した。
【0061】
これらフロント用およびバック用X線増感紙において、フロント用X線増感紙の蛍光体塗布重量比CW1 :CW2 は 6.7:3.3、バック用X線増感紙の蛍光体塗布重量比CW1 :CW2 は 6.5:3.5である。また、フロント/バック間の蛍光体総塗布重量比TCWf :TCWb は 4.1:5.9である。このようなフロント用およびバック用X線増感紙を後述する特性評価に供した。
【0062】
比較例1
平均粒径が 6.5μm で粒径分布の範囲係数kが1.55であるGd2 O2 S:Tb蛍光体粉末10重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー 1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルとを混合して、蛍光体塗布液を調製した。この蛍光体塗布液を、チタン白を練り込んだ厚さ 250μm のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が0.45kg/m2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて蛍光体層を形成した。この後、この単層構造の蛍光体層上に厚さ 9μm の保護膜をラミネートして、フロント用X線増感紙を作製した。
【0063】
一方、上記した蛍光体塗布液をチタン白を練り込んだ厚さ 250μm のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が 0.55kg/m2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて蛍光体層を形成した。この後、この単層構造の蛍光体層上に厚さ 9μm の保護膜をラミネートして、フロント用X線増感紙を作製した。これらフロント用およびバック用X線増感紙を後述する特性評価に供した。
【0064】
比較例2
上記した実施例1において、小粒子蛍光体として平均粒径が 3μm で粒径分布の範囲係数kが1.13であるGd2 O2 S:Tb蛍光体粉末を用い、かつ大粒子蛍光体として平均粒径が 9μm で粒径分布の範囲係数kが1.40であるGd2 O2 S:Tb蛍光体粉末を用いる以外は、実施例1と同様にして、フロント用X線増感紙およびバック用X線増感紙を作製した。このようなフロント用およびバック用X線増感紙を後述する特性評価に供した。
【0065】
実施例2
まず、平均粒径が 3μm で粒径分布の範囲係数kが1.62であるGd2 O2 S:Tb蛍光体粉末10重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー 1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルとを混合して、小粒子蛍光体塗布液を調製した。同様に、平均粒径が 9μm で粒径分布の範囲係数kが1.70であるGd2 O2 S:Tb蛍光体粉末10重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー 1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルとを混合して、大粒子蛍光体塗布液を調製した。
【0066】
そして、まず上記した小粒子蛍光体塗布液を、チタン白を練り込んだ厚さ 250μm のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が0.40kg/m2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて小粒子蛍光体からなる第1の蛍光体層を形成した。次いで、この第1の蛍光体層上に大粒子蛍光体塗布液を、乾燥後の蛍光体塗布重量が0.20kg/m2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて大粒径蛍光体粒子からなる第2の蛍光体層を形成した。この後、上記した 2層構造の蛍光体層上に、厚さ 9μm の保護膜をラミネートして、まずフロント用X線増感紙を作製した。
【0067】
一方、上記した小粒径蛍光体塗布液を、チタン白を練り込んだ厚さ 250μm のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が0.70kg/m2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて小粒子蛍光体からなる第1の蛍光体層を形成した。次いで、この第1の蛍光体層上に上記した大粒子蛍光体塗布液を、乾燥後の蛍光体塗布重量が0.35kg/m2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて大粒子蛍光体からなる第2の蛍光体層を形成した。この後、上記した 2層構造の蛍光体層上に、厚さ 9μm の保護膜をラミネートして、バック用X線増感紙を作製した。
【0068】
これらフロント用およびバック用X線増感紙において、フロント用X線増感紙の蛍光体塗布重量比CW1 :CW2 は 6.7:3.3、バック用X線増感紙の蛍光体塗布重量比CW1 :CW2 は 6.7:3.3である。また、フロント/バック間の蛍光体総塗布重量比TCWf :TCWb は 3.6:6.4である。このようなフロント用およびバック用X線増感紙を後述する特性評価に供した。
【0069】
比較例3
平均粒径が10.8μm で粒径分布の範囲係数kが1.60であるGd2 O2 S:Tb蛍光体粉末10重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー 1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルとを混合して、蛍光体塗布液を調製した。この蛍光体塗布液を、チタン白を練り込んだ厚さ 250μm のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が0.55kg/m2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて蛍光体層を形成した。この後、この単層構造の蛍光体層上に厚さ 9μm の保護膜をラミネートして、フロント用X線増感紙を作製した。
【0070】
一方、上記した蛍光体塗布液をチタン白を練り込んだ厚さ 250μm のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が 1.15kg/m2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて蛍光体層を形成した。この後、この単層構造の蛍光体層上に厚さ 9μm の保護膜をラミネートして、フロント用X線増感紙を作製した。これらフロント用およびバック用X線増感紙を後述する特性評価に供した。
【0071】
比較例4
上記した実施例2において、小粒子蛍光体として平均粒径が 3μm で粒径分布の範囲係数kが1.95であるGd2 O2 S:Tb蛍光体粉末を用い、かつ大粒子蛍光体として平均粒径が 9μm で粒径分布の範囲係数kが2.10であるGd2 O2 S:Tb蛍光体粉末を用いる以外は、実施例2と同様にして、フロント用X線増感紙およびバック用X線増感紙を作製した。このようなフロント用およびバック用X線増感紙を後述する特性評価に供した。
【0072】
実施例3
まず、平均粒径が 3.5μm で粒径分布の範囲係数kが1.53であるCaWO4 蛍光体粉末10重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー 1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルとを混合して、小粒子蛍光体塗布液を調製した。同様に、平均粒径が15.7μm で粒径分布の範囲係数kが1.65であるCaWO4 蛍光体粉末10重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー 1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルとを混合して、大粒子蛍光体塗布液を調製した。
【0073】
そして、まず上記した小粒子蛍光体塗布液を、カーボンブラックを練り込んだ厚さ 250μm のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が0.30kg/m2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて小粒子蛍光体からなる第1の蛍光体層を形成した。次いで、この第1の蛍光体層上に大粒子蛍光体塗布液を、乾燥後の蛍光体塗布重量が0.20kg/m2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて大粒径蛍光体粒子からなる第2の蛍光体層を形成した。この後、上記した 2層構造の蛍光体層上に厚さ 9μm の保護膜をラミネートして、まずフロント用X線増感紙を作製した。
【0074】
一方、上記の小粒子蛍光体塗布液を、カーボンブラックを練り込んだ厚さ 250μm のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が0.50kg/m2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて小粒子蛍光体からなる第1の蛍光体層を形成した。次いで、この第1の蛍光体層上に上記した大粒子蛍光体塗布液を、乾燥後の蛍光体塗布重量が0.30kg/m2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて大粒子蛍光体からなる第2の蛍光体層を形成した。この後、上記した 2層構造の蛍光体層上に厚さ 9μm の保護膜をラミネートして、バック用X線増感紙を作製した。
【0075】
これらフロント用およびバック用X線増感紙において、フロント用X線増感紙の蛍光体塗布重量比CW1 :CW2 は 6:4、バック用X線増感紙の蛍光体塗布重量比CW1 :CW2 は 6.3:3.7である。また、フロント/バック間の蛍光体総塗布重量比TCWf :TCWb は 3.8:6.2である。このようなフロント用およびバック用X線増感紙を後述する特性評価に供した。
【0076】
比較例5
平均粒径が10.0μm で粒径分布の範囲係数kが1.40であるCaWO4 蛍光体粉末10重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー 1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルとを混合して、蛍光体塗布液を調製した。この蛍光体塗布液を、チタン白を練り込んだ厚さ 250μm のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が0.60kg/cm2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて蛍光体層を形成した。この後、この単層構造の蛍光体層上に厚さ 9μm の保護膜をラミネートして、フロント用X線増感紙を作製した。
【0077】
一方、上記した蛍光体塗布液をチタン白を練り込んだ厚さ 250μm のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が 0.90kg/m2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて蛍光体層を形成した。この後、この単層構造の蛍光体層上に、厚さ 9μm の保護膜をラミネートして、フロント用X線増感紙を作製した。これらフロント用およびバック用X線増感紙を後述する特性評価に供した。
【0078】
比較例6
上記した実施例3において、小粒子蛍光体として平均粒径が 3.5μm で粒径分布の範囲係数kが1.20であるCaWO4 蛍光体粉末を用い、かつ大粒子蛍光体として平均粒径が15.7μm で粒径分布の範囲係数kが1.45であるCaWO4 蛍光体粉末を用いる以外は、実施例3と同様にして、フロント用X線増感紙およびバック用X線増感紙を作製した。このようなフロント用およびバック用X線増感紙を後述する特性評価に供した。
【0079】
実施例4
まず、平均粒径が 3.8μm で粒径分布の範囲係数kが1.58であるBaFCl:Eu蛍光体粉末10重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー 1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルとを混合して、小粒子蛍光体塗布液を調製した。同様に、平均粒径が 8.5μm で粒径分布の範囲係数kが1.65であるBaFCl:Eu蛍光体粉末10重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー 1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルとを混合して、大粒子蛍光体塗布液を調製した。
【0080】
そして、まず上記した小粒子蛍光体塗布液を、チタン白を練り込んだ厚さ 250μm のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が0.30kg/m2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて小粒子蛍光体からなる第1の蛍光体層を形成した。次いで、この第1の蛍光体層上に大粒子蛍光体塗布液を、乾燥後の蛍光体塗布重量が0.20kg/m2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて大粒子蛍光体からなる第2の蛍光体層を形成した。この後、上記した 2層構造の蛍光体層上に、厚さ 9μm の保護膜をラミネートして、フロント用およびバック用X線増感紙を作製した。
【0081】
これらフロント用およびバック用X線増感紙において、フロント用およびバック用X線増感紙の蛍光体塗布重量比CW1 :CW2 は 6:4である。また、フロント/バック間の蛍光体総塗布重量比TCWf :TCWb は 5:5である。このようなフロント用およびバック用X線増感紙を後述する特性評価に供した。
【0082】
比較例7
平均粒径が 4.5μm で粒径分布の範囲係数kが1.50であるBaFCl:Eu蛍光体粉末10重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー 1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルとを混合して、蛍光体塗布液を調製した。この蛍光体塗布液を、チタン白を練り込んだ厚さ 250μm のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支持体上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が0.50kg/m2 となるようにナイフコータで均一に塗布し、乾燥させて蛍光体層を形成した。この後、この単層構造の蛍光体層上に厚さ 9μm の保護膜をラミネートして、フロント用およびバック用X線増感紙を作製した。これらフロント用およびバック用X線増感紙を後述する特性評価に供した。
【0083】
比較例8
上記した実施例4において、小粒子蛍光体として平均粒径が 3.8μm で粒径分布の範囲係数kが1.85であるBaFCl:Eu蛍光体粉末を用い、かつ大粒子蛍光体として平均粒径が 8.5μm で粒径分布の範囲係数kが1.40であるBaFCl:Eu蛍光体粉末を用いる以外は、実施例4と同様にして、フロント用X線増感紙およびバック用X線増感紙を作製した。このようなフロント用およびバック用X線増感紙を後述する特性評価に供した。
【0084】
上述した実施例1、2および比較例1、2、3、4による各X線増感紙対(フロント用X線増感紙とバック用X線増感紙の対)については、オルソタイプフィルム(コニカ社製、SR−G)を用いて、その感度、鮮鋭度、粒状性を測定、評価した。実施例3、4および比較例5、6、7、8による各X線増感紙対については、レギュラータイプフィルム(コニカ社製、New−A)を用いて、その感度、鮮鋭度、粒状性を測定、評価した。その結果を表1および表2に示す。
【0085】
なお、上記したX線増感紙対の写真性能は、厚さ 100mmの水ファントムを通して、管電圧 120kVのX線で撮影した場合の写真感度、鮮鋭度、粒状性である。写真感度は比較例1、3、5、7の各X線増感紙を 100とした場合の相対値である。鮮鋭度は空間周波数 2本/mm におけるMTF値を求め、該空間周波数における比較例1、3、5、7の各X線増感紙のMTF値を 100とした場合の相対値である。粒状性は写真濃度 1.0、空間周波数3.12本/mm における相対RMS値である。
【0086】
【表1】
【表2】
表1および表2から明らかなように、実施例1〜4による各X線増感紙対(フロント増感紙とバック増感紙の対)は、単層構造の蛍光体層を有するX線増感紙対に比べて、いずれも粒状性が向上していることが分かる。その上で、感度や鮮鋭度の低下が小さいか、もしくは感度や鮮鋭度も向上していることが分かる。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の放射線増感紙によれば、感度や鮮鋭度の低下を抑制した上で、作製が容易で制御因子が少ない 2層構造の蛍光体層により粒状性を再現性よく向上させることができる。そして、このような放射線増感紙を用いた本発明の放射線レセプターおよび放射線検査装置は、特に撮像系の高感度化を図る場合に有効であり、そのような場合においても良好な識別能力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の放射線増感紙の一実施形態の構造を示す断面図である。
【図2】 図1に示す放射線増感紙において第1の蛍光体層を構成する蛍光体粒子の平均粒径D1 を変化させたときの鮮鋭度特性の一例を示す図である。
【図3】 図1に示す放射線増感紙において第2の蛍光体層を構成する蛍光体粒子の平均粒径D2 を変化させたときの鮮鋭度特性の一例を示す図である。
【図4】 図1に示す放射線増感紙において第1の蛍光体層と第2の蛍光体層の蛍光体塗布重量比(CW1 :CW2 )を変化させたときの鮮鋭度特性の一例を示す図である。
【図5】 本発明の放射線レセプターの一実施形態の概略構造を示す断面図である。
【図6】 図5に示す放射線レセプターにおいてフロント増感紙Fとバック増感紙Bの蛍光体粒子の単位面積当りの総塗布重量比(TCWf :TCWb )を変化させたときの鮮鋭度特性の一例を示す図である。
【図7】 本発明の放射線検査装置の一実施形態の構成を模式的に示す図である。
【図8】 本発明の増感紙に用いた蛍光体の累積粒径分布(重量換算)の一例を示す図である。
【符号の説明】
1……支持体
2……蛍光体層
2a…第1の蛍光体層(小粒径蛍光体層)
2b…第2の蛍光体層(大粒径蛍光体層)
3……保護膜
4……放射線増感紙
5……放射線レセプター
6……X線フィルム
8……放射線検査装置
9……放射線源
F……フロント増感紙
B……バック増感紙
Claims (8)
- 支持体と、
前記支持体上に設けられ、平均粒径D1を有すると共に、粒径分布を表わす範囲係数kが1.3〜1.8の範囲である第1の蛍光体粒子により構成された第1の蛍光体層と、
前記第1の蛍光体層上に設けられ、D2>D1を満足する平均粒径D2を有すると共に、粒径分布を表わす範囲係数kが1.65〜2.0の範囲である第2の蛍光体粒子により構成された第2の蛍光体層と、
前記第2の蛍光体層上に設けられた保護膜とを具備し、
前記第1の蛍光体粒子の範囲係数をk1、前記第2の蛍光体粒子の範囲係数をk2としたとき、前記第1および第2の蛍光体粒子はk1<k2を満足することを特徴とする放射線増感紙。 - 請求項1記載の放射線増感紙において、
前記第1の蛍光体層における前記第1の蛍光体粒子の単位面積当りの塗布重量をCW1、前記第2の蛍光体層における前記第2の蛍光体粒子の単位面積当りの塗布重量をCW2としたとき、前記CW1とCW2との比(CW1:CW2)が8:2〜6:4の範囲であることを特徴とする放射線増感紙。 - 請求項1または請求項2記載の放射線増感紙において、
前記第1の蛍光体粒子の平均粒径D1は1〜5μmの範囲であり、かつ前記第2の蛍光体粒子の平均粒径D2は5〜20μmの範囲であることを特徴とする放射線増感紙。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の放射線増感紙において、
前記第1および第2の蛍光体粒子は希土類蛍光体からなることを特徴とする放射線増感紙。 - 請求項4記載の放射線増感紙において、
前記希土類蛍光体は、Gd2O2S:Tb、LaOBr:Tb、およびBaFCl:Euから選ばれる1種であることを特徴とする放射線増感紙。 - 放射線フィルムと、
前記放射線フィルムの被検体側の面に沿って積層され、請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の放射線増感紙からなるフロント増感紙と、
前記放射線フィルムの前記被検体側の面とは反対側の面に沿って積層され、請求項1ないし請求項5のいずれか1項記載の放射線増感紙からなるバック増感紙と、
前記フロント増感紙、前記放射線フィルムおよび前記バック増感紙の積層物を収容するカセットと
を具備することを特徴とする放射線レセプター。 - 請求項6記載の放射線レセプターにおいて、
前記フロント増感紙の前記第1および第2の蛍光体層における蛍光体粒子の単位面積当りの総塗布重量をTCWf、前記バック増感紙の前記第1および第2の蛍光体層における蛍光体粒子の単位面積当りの総塗布重量をTCWbとしたとき、前記TCWfとTCWbとの比(TCWf:TCWb)が3:7〜4:6の範囲であることを特徴とする放射線レセプター。 - 放射線源と、
前記放射線源と被検体を介して対向配置される、請求項6または請求項7記載の放射線レセプターと
を具備することを特徴とする放射線検査装置。
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