JPH1164597A - レギュラー増感紙 - Google Patents

レギュラー増感紙

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JPH1164597A
JPH1164597A JP22339697A JP22339697A JPH1164597A JP H1164597 A JPH1164597 A JP H1164597A JP 22339697 A JP22339697 A JP 22339697A JP 22339697 A JP22339697 A JP 22339697A JP H1164597 A JPH1164597 A JP H1164597A
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JP
Japan
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phosphor
regular
intensifying screen
phosphor layer
bafx
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Withdrawn
Application number
JP22339697A
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English (en)
Inventor
Akihisa Saito
昭久 斉藤
Eiji Koyaizu
英二 小柳津
Takeshi Takahara
武 高原
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レギュラー増感紙の高感度化を図った上で、
鮮鋭度および粒状性を向上させる。 【解決手段】 支持体1と、この支持体1上に形成され
た蛍光体層2と、蛍光体層2上に設けられた保護膜3と
を具備するレギュラー増感紙4である。蛍光体層2は、
BaFX:Eu系蛍光体(ただし、XはBrおよびCl
から選ばれる少なくとも 1種の元素を示す)およびRE
TaO4 系蛍光体(ただし、REはY、La、Gdおよ
びLuから選ばれる少なくとも 1種の元素を示す)を含
む。具体的には、例えばBaFX:Eu系蛍光体とRE
TaO4 系蛍光体との混合物を含有する蛍光体層、ある
いはBaFX:Eu系蛍光体を含有する第1の蛍光体層
とRETaO4 系蛍光体を含有する第2の蛍光体層との
積層膜を有する蛍光体層である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線撮影等に用い
られる放射線増感紙(以下、増感紙と記す)に係り、特
にレギュラーシステムに用いられるレギュラー増感紙に
関する。
【0002】
【従来の技術】医療診断の分野においては、胸部、腹
部、頭部等の部位の検査にX線撮影等の放射線撮影が使
用されており、またこれら一般部位に限らず、乳房の検
査等にもX線撮影が適用されている。このような医療診
断用等のX線撮影に使用されるX線フィルムは、オルソ
システム(緑色感度大)とレギュラーシステム(青色感
度大)とに大別され、増感紙についてもそれぞれのシス
テムに対応させたものが使用されている。
【0003】ところで、オルソシステムについてはX線
フィルムおよび増感紙の改良によって、感度、鮮鋭度、
粒状性等の画質特性が大幅に向上されており、人体のあ
らゆる部位に対応できるようになってきている。一方、
レギュラーシステム用の増感紙には、従来CaWO4
光体が使用されてきたが、CaWO4 蛍光体を用いたレ
ギュラー増感紙は高感度領域の実現が難しいという問題
を有している。
【0004】そこで、レギュラー増感紙の画質特性の向
上を図るために、BaFX:Eu(X=Cl,Br)蛍
光体、LaOX:Tm(X=Br,S)蛍光体、YTa
4 :Tm蛍光体等を、レギュラー増感紙用の蛍光体と
して使用することが検討されている。しかしながら、こ
れら蛍光体はそれぞれ一長一短を有しており、感度、鮮
鋭度および粒状性の全てを満足するレギュラー増感紙は
得られていないのが現状である。
【0005】例えば、BaFX:Eu蛍光体は感度や鮮
鋭度特性に優れるものの、粒状性が悪いという問題を有
している。また、LaOX:Tm蛍光体は感度や粒状性
に優れるものの、鮮鋭度が低いという問題を有してい
る。一方、YTaO4 :Tm蛍光体は超鮮鋭度で高粒状
性であるものの、感度が上記した 2種の蛍光体に比べて
劣るという問題を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、レギ
ュラーシステムに用いられる放射線増感紙(レギュラー
増感紙)に対しても画質特性の向上が求められているも
のの、従来のCaWO4蛍光体を用いたレギュラー増感
紙では高感度化を図ることができないという問題があっ
た。そこで、BaFX:Eu(X=Cl,Br)蛍光
体、LaOX:Tm(X=Br,S)蛍光体、YTaO
4 :Tm蛍光体等をレギュラー増感紙用の蛍光体として
使用することが検討されているが、それぞれ一長一短を
有しており、感度、鮮鋭度および粒状性の全てを満足す
るレギュラー増感紙は得られていないのが現状である。
【0007】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、高感度化を図った上で、鮮鋭度およ
び粒状性を向上させたレギュラー増感紙を提供すること
を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のレギュラー増感
紙は、請求項1に記載したように、支持体と、前記支持
体上に形成された蛍光体層と、前記蛍光体層上に設けら
れた保護膜とを具備するレギュラー増感紙において、前
記蛍光体層はBaFX:Eu系蛍光体(ただし、XはB
rおよびClから選ばれる少なくとも 1種の元素を示
す)およびRETaO4 系蛍光体(ただし、REはY、
La、GdおよびLuから選ばれる少なくとも 1種の元
素を示す)を含むことを特徴としている。
【0009】本発明のレギュラー増感紙において、前記
RETaO4 系蛍光体は請求項2に記載したように、付
活剤としてTmおよびNbから選ばれる少なくとも 1種
を含有するものであってもよい。
【0010】本発明のレギュラー増感紙における蛍光体
層の具体的な構造としては、例えば請求項3に記載した
ように、前記BaFX:Eu系蛍光体とRETaO4
蛍光体との混合物を含有する蛍光体層、あるいは請求項
4に記載したように、前記BaFX:Eu系蛍光体を含
有する第1の蛍光体層と前記RETaO4 系蛍光体を含
有する第2の蛍光体層との積層膜を有する蛍光体層が挙
げられる。
【0011】本発明のレギュラー増感紙においては、蛍
光体層が感度や鮮鋭度特性に優れるBaFX:Eu系蛍
光体と、鮮鋭度や粒状性に優れるRETaO4 系蛍光体
とを含み、これら 2種類の蛍光体の特性をそれぞれ生か
すことができるため、従来のCaWO4 蛍光体を用いた
レギュラー増感紙に比べて感度特性を向上させた上で、
鮮鋭度や粒状性を高めることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0013】図1は、本発明のレギュラー増感紙の一実
施形態の構成を示す断面図である。同図において、1は
プラスチックフィルムや不織布等からなる支持体であ
り、この支持体1の一方の面上に蛍光体層2が設けられ
ている。さらに、蛍光体層2上にはプラスチックフィル
ムやプラスチック被覆膜等からなる保護膜3が設けられ
ており、これらによってレギュラーシステムのX線撮影
で使用されるX線増感紙(以下、レギュラーX線増感紙
と記す)4等のレギュラー増感紙(放射線増感紙)が構
成されている。
【0014】上記した蛍光体層2を構成する蛍光体は、
BaFX:Eu系蛍光体(ただし、XはBrおよびCl
から選ばれる少なくとも 1種の元素を示す)とRETa
4系蛍光体(ただし、REはY、La、GdおよびL
uから選ばれる少なくとも 1種の元素を示す)との混合
物である。すなわち、蛍光体層2はBaFX:Eu系蛍
光体粒子とRETaO4 系蛍光体粒子とを共に含有する
層である。RETaO4 系蛍光体は、付活剤としてTm
およびNbから選ばれる少なくとも 1種を含有するもの
であってもよい。
【0015】上述した 2種類の蛍光体のうち、BaF
X:Eu系蛍光体は感度や鮮鋭度特性に優れ、一方RE
TaO4 系蛍光体は鮮鋭度や粒状性に優れるため、これ
らを適度な割合で混合した混合蛍光体で蛍光体層2を構
成することによって、従来のCaWO4 蛍光体を用いた
レギュラーX線増感紙に比べて感度特性を向上させた上
で、鮮鋭度や粒状性を高めることが可能となる。言い換
えると、BaFX:Eu系蛍光体単独では得られない高
粒状性、およびRETaO4 系蛍光体単独では得られな
い高感度領域を実現することが可能となる。
【0016】蛍光体層2におけるBaFX:Eu系蛍光
体とRETaO4 系蛍光体との混合蛍光体の塗布重量
は、適用するX線フィルム等に応じて適宜設定するもの
とするが、おおよそ0.05〜 0.3g/cm2 の範囲とすること
が好ましい。このうち、BaFX:Eu系蛍光体とRE
TaO4 系蛍光体との混合比は、重量比でBaFX:E
u系蛍光体:RETaO4 系蛍光体= 50:50〜 80:20の
範囲とすることが好ましい。蛍光体層2中のBaFX:
Eu系蛍光体量が上記した範囲より少ないと、レギュラ
ーX線増感紙4の感度特性を十分に向上させることがで
きず、一方BaFX:Eu系蛍光体量が上記した範囲よ
り多いと、相対的にRETaO4 系蛍光体量が減少する
ことにより粒状性が低下する。
【0017】上述したレギュラーX線増感紙4は、例え
ば以下のようにして作製される。すなわち、BaFX:
Eu系蛍光体とRETaO4 系蛍光体を例えば有機溶剤
を分散媒として十分に混合し、この混合物に結合剤を適
当量加えて混合し、さらに必要に応じて有機溶剤を加え
て適当な粘度の混合蛍光体塗布液(スラリー)を調製す
る。この混合蛍光体塗布液をナイフコータやロールコー
タ等により支持体1上に塗布、乾燥して、蛍光体層2を
形成する。
【0018】混合蛍光体塗布液の調製に使用する結合剤
としては、硝化綿、酢酸セルロース、エチルセルロー
ス、ポリビニルブチラール、綿状ポリエステル、ポリ酢
酸ビニル、塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー、塩
化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリアルキル(メ
タ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、
セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコー
ル等を使用することができる。また、有機溶剤として
は、例えばエタノール、メチルエチルエーテル、酢酸ブ
チル、酢酸エチル、エチルエーテル、キシレン等が用い
られる。なお、混合蛍光体塗布液には必要に応じて、フ
タル酸、ステアリン酸等の分散剤や燐酸トリフェニル、
フタル酸ジエチル等の可塑剤を添加することができる。
【0019】また、支持体1としては、例えば酢酸セル
ロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロー
ス、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポ
リスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、
ポリイミド、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリ
カーボネート等の樹脂をフィルム状に成形したものを用
いることができる。
【0020】次に、蛍光体層2上に保護膜3をラミネー
トすることによって、レギュラーX線増感紙4が得られ
る。保護膜3としては、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド等の透
明樹脂フィルムを用いることができる。なお、増感紙の
中には支持体1と蛍光体層2との間に光反射層、光吸収
層等を設けた構造のものがあるが、その場合には予め支
持体1上に光反射層、光吸収層等を形成しておけばよ
い。
【0021】なお、レギュラーX線増感紙4は、上述し
た製造方法以外の方法によっても製造することができ
る。例えば、酢酸セルロース、ニトロセルロース、セル
ロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、ポ
リ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニ
ルコポリマー、ポリカーボネート、ポリビニルブチラー
ル、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルホルマー
ル、ポリウレタン等の樹脂を溶剤に溶解させて適当な粘
度とした保護膜塗布液を、蛍光体層2上に塗布、乾燥し
てもよい。また、予め平滑な基板上に保護膜3を形成し
ておき、その上に蛍光体層2を形成した後、これを保護
膜3と共に基板から剥離し、これを支持体1と接着して
もよい。
【0022】この実施形態のレギュラーX線増感紙4に
おいては、蛍光体層2をBaFX:Eu系蛍光体とRE
TaO4 系蛍光体との混合蛍光体で構成しているため、
BaFX:Eu系蛍光体が有する高感度特性と高鮮鋭度
特性、およびRETaO4 系蛍光体が有する高鮮鋭度特
性と高粒状性を共に実現することができる。
【0023】ここで図2に、BaFBr:Eu蛍光体と
YTaO4 蛍光体との混合蛍光体を含有する蛍光体層2
を用いたレギュラーX線増感紙(実施例1)の蛍光体塗
布重量と相対感度との関係を、BaFBr:Eu蛍光体
を単独で用いたレギュラーX線増感紙(比較例1)およ
びYTaO4 蛍光体(比較例2)を単独で用いたレギュ
ラーX線増感紙と比較して示す。また図3に、実施例
1、比較例1および比較例2による各レギュラーX線増
感紙の相対感度と相対鮮鋭度との関係を示す。さらに表
1に、実施例1、比較例1および比較例2による各レギ
ュラーX線増感紙の粒状性(RMS値)を示す。
【0024】上記した実施例1において、蛍光体層はB
aFBr:Eu蛍光体とYTaO4蛍光体とを 50:50
(重量比)で含有するものと、BaFBr:Eu蛍光体
とYTaO4 蛍光体とを 80:20(重量比)で含有するも
のの 2種類とした。具体的には、蛍光体総量が 1kgとな
るようにBaFBr:Eu蛍光体とYTaO4 蛍光体と
を上記量比で秤量し、これらを酢酸ブチル250gと共に磁
性ポットに入れて十分に分散、混合させ、さらに結合剤
として塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマーを添加してホ
モジナイザーで十分に混合することによって、混合蛍光
体塗布液を調製した。この混合蛍光体塗布液を種々の塗
布重量で厚さ 250μm のポリエチレンテレフタレートフ
ィルムからなる支持体上にナイフコータで均一に塗布
し、乾燥させた後に厚さ 9μm のポリエチレンテレフタ
レートフィルムからなる保護膜をラミネートして、それ
ぞれレギュラーX線増感紙を作製した。なお、比較例1
および比較例2によるレギュラーX線増感紙も同様にし
て作製した。
【0025】図2、図3および表1は、上記した実施例
1、比較例1および比較例2による各レギュラーX線増
感紙について、レギュラータイプフィルム(コニカ社
製、New-A)を用いて、その感度、鮮鋭度、粒状性を測
定、評価した結果である。レギュラーX線増感紙の写真
性能は、厚さ 100mmの水ファントムを通して、管電圧12
0kVのX線で撮影した場合の相対感度、相対鮮鋭度、粒
状性(RMS値)である。
【0026】
【表1】 図2から明らかなように、BaFBr:Eu蛍光体とY
TaO4 蛍光体の混合蛍光体で蛍光体層を構成した実施
例1のレギュラーX線増感紙は、YTaO4 蛍光体単独
で蛍光体層を構成した比較例2に比べて感度特性に優れ
ることが分かる。また、図3からは、実施例1のレギュ
ラーX線増感紙は比較例2に比べて感度を向上させた際
の鮮鋭度特性の低下が少なく、さらに表1からは実施例
1のレギュラーX線増感紙は比較例1に比べて粒状性に
優れることが分かる。
【0027】なお、BaFX:Eu系蛍光体のX元素を
Clとし、またRETaO4 系蛍光体のRE元素をL
a、Gd、Luとした場合についても、同様な傾向を示
した。さらに、RETaO4 系蛍光体に付活剤としてN
bを含有させた場合についても同様な傾向を示し、また
この場合にはさらに鮮鋭度特性等を向上させることがで
きた。
【0028】このように、この実施形態のレギュラーX
線増感紙4によれば高感度、高鮮鋭度および高粒状性を
実現することができる。従って、レギュラーX線増感紙
4を医療診断等におけるレギュラーシステムのX線撮影
に使用することによって、感度、鮮鋭度、粒状性に優れ
るX線写真を得ることが可能となるため、例えばレギュ
ラーシステムによるX線撮影の医療診断撮影としての特
性、すなわち医療診断能を高めることができる。
【0029】次に、本発明の他の実施形態について説明
する。
【0030】図4は本発明のレギュラー増感紙の他の実
施形態の構成を示す断面図である。同図において、1は
プラスチックフィルムや不織布等からなる支持体であ
り、この支持体1の一方の面上に蛍光体層5が設けられ
ている。
【0031】この蛍光体層5は、BaFX:Eu系蛍光
体(ただし、XはBrおよびClから選ばれる少なくと
も 1種の元素を示す)粒子を含有する第1の蛍光体層5
aと、RETaO4 系蛍光体(ただし、REはY、L
a、GdおよびLuから選ばれる少なくとも 1種の元素
を示す)粒子を含有する第2の蛍光体層5bとの積層膜
により構成されている。すなわち、蛍光体層5は第1の
蛍光体層5aと第2の蛍光体層5bとの積層膜として、
BaFX:Eu系蛍光体とRETaO4 系蛍光体とを含
んでいる。RETaO4 系蛍光体は、付活剤としてTm
およびNbから選ばれる少なくとも 1種を含有するもの
であってもよい。
【0032】上記した積層構造の蛍光体層5上には、プ
ラスチックフィルムやプラスチック被覆膜等からなる保
護膜3が設けられており、これらによってレギュラーシ
ステムのX線撮影で使用されるX線増感紙(以下、レギ
ュラーX線増感紙と記す)6等のレギュラー増感紙(放
射線増感紙)が構成されている。
【0033】なお、第1の蛍光体層5aと第2の蛍光体
層5bとの積層順は特に限定されるものではない。図4
ではBaFX:Eu系蛍光体を含有する第1の蛍光体層
5aを支持体1側に、RETaO4 系蛍光体を含有する
第2の蛍光体層5bを保護膜3側に配置した状態を示し
たが、これらは逆であってもよく、さらに積層数を増や
すことも可能である。
【0034】積層構造の蛍光体層5を構成する各層のう
ち、第1の蛍光体層5aに含まれるBaFX:Eu系蛍
光体は前述したように感度や鮮鋭度特性に優れ、一方第
2の蛍光体層5bに含まれるRETaO4 系蛍光体は鮮
鋭度や粒状性に優れるため、これらを適度な比率で積層
した積層膜で蛍光体層5を構成することによって、従来
のCaWO4 蛍光体を用いたレギュラーX線増感紙に比
べて感度特性を向上させた上で、鮮鋭度や粒状性を高め
ることが可能となる。言い換えると、BaFX:Eu系
蛍光体単独では得られない高粒状性、およびRETaO
4 系蛍光体単独では得られない高感度領域を実現するこ
とが可能となる。
【0035】第1の蛍光体層5aと第2の蛍光体層5b
における各蛍光体の塗布重量は、蛍光体層5としてのB
aFX:Eu系蛍光体とRETaO4 系蛍光体との比
(重量比)が 50:50〜 80:20の範囲となるように設定す
ることが好ましい。蛍光体層5中のBaFX:Eu系蛍
光体量が上記した範囲より少ないと、レギュラーX線増
感紙6の感度特性を十分に向上させることができず、一
方BaFX:Eu系蛍光体量が上記した範囲より多い
と、相対的にRETaO4 系蛍光体量が減少することに
より粒状性が低下する。なお、各蛍光体層5a、5bに
おける蛍光体の具体的な塗布重量は、おおよそ0.05〜
0.3g/cm2 の範囲とすることが好ましい。
【0036】上述したレギュラーX線増感紙6は、例え
ば以下のようにして作製される。すなわち、BaFX:
Eu系蛍光体を結合剤と共に適当量混合し、さらにこれ
に有機溶剤を加えて適当な粘度の第1の蛍光体層用塗布
液(スラリー)を調製する。一方、RETaO4 系蛍光
体を結合剤と共に適当量混合し、さらにこれに有機溶剤
を加えて適当な粘度の第2の蛍光体層用塗布液(スラリ
ー)を調製する。これら各蛍光体塗布液をナイフコータ
やロールコータ等により支持体1上に順に塗布、乾燥し
て、積層構造の蛍光体層5を形成する。
【0037】次に、積層構造の蛍光体層5上に保護膜3
をラミネートすることによって、レギュラーX線増感紙
6が得られる。なお、蛍光体塗布液の調製に使用する結
合剤や有機溶剤は、前述した実施形態と同様なものが使
用され、また必要に応じてフタル酸、ステアリン酸等の
分散剤や燐酸トリフェニル、フタル酸ジエチル等の可塑
剤を添加することができる。また、支持体1や保護膜3
についても同様である。さらに、増感紙の中には支持体
1と蛍光体層5との間に光反射層、光吸収層等を設けた
構造のものがあるが、その場合には予め支持体1上に光
反射層、光吸収層等を形成しておけばよい。
【0038】レギュラーX線増感紙6は、上述した製造
方法以外の方法によっても製造することができる。例え
ば、第1の蛍光体層用塗布液を支持体1上に塗布、乾燥
すると共に、第2の蛍光体層用塗布液を保護膜3上に塗
布、乾燥し、これらをラミネートしてもよい。さらに、
保護膜3は保護膜塗布液を蛍光体層2上に塗布、乾燥し
て形成してもよいし、また予め平滑な基板上に保護膜3
を形成しておき、その上に蛍光体層5を形成した後、こ
れを保護膜3と共に基板から剥離し、これを支持体1と
接着してもよい。
【0039】この実施形態のレギュラーX線増感紙6に
おいては、BaFX:Eu系蛍光体を主として含有する
第1の蛍光体層5aとRETaO4 系蛍光体を主として
含有する第2の蛍光体層5bとの積層膜により蛍光体層
5を構成しているため、第1の蛍光体層5a(BaF
X:Eu系蛍光体)が有する高感度特性と高鮮鋭度特性
および第2の蛍光体層5b(RETaO4 系蛍光体)が
有する高鮮鋭度特性と高粒状性を共に実現することがで
きる。
【0040】ここで図5に、BaFBr:Eu蛍光体を
含有する第1の蛍光体層5aとYTaO4 蛍光体を含有
する第2の蛍光体層5bとの積層膜からなる蛍光体層5
を用いたレギュラーX線増感紙(実施例2)の蛍光体塗
布重量と相対感度との関係を、BaFBr:Eu蛍光体
を単独で用いたレギュラーX線増感紙(比較例1)およ
びYTaO4 蛍光体(比較例2)を単独で用いたレギュ
ラーX線増感紙と比較して示す。また図6に、実施例
2、比較例1および比較例2による各レギュラーX線増
感紙の相対感度と相対鮮鋭度との関係を示す。さらに表
2に、実施例2、比較例1および比較例2による各レギ
ュラーX線増感紙の粒状性(RMS値)を示す。
【0041】上記した実施例2において、蛍光体層はB
aFBr:Eu蛍光体とYTaO4蛍光体の重量比が 5
0:50となるように積層したものと、BaFBr:Eu蛍
光体とYTaO4 蛍光体の重量比が 70:30となるように
積層したものの 2種類とした。具体的には、まず各蛍光
体500gを酢酸ブチル250gと共に磁性ポットに入れて十分
に分散、混合させ、さらに結合剤として塩化ビニル−酢
酸ビニルコポリマーを添加してホモジナイザーで十分に
混合することによって、それぞれ蛍光体塗布液を調製し
た。これら各蛍光体塗布液を種々の塗布重量で厚さ 250
μm のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる支
持体上に順に塗布、乾燥し、この後厚さ9μm のポリエ
チレンテレフタレートフィルムからなる保護膜をラミネ
ートして、それぞれレギュラーX線増感紙を作製した。
【0042】図5、図6および表2は、上記した実施例
2、比較例1および比較例2による各レギュラーX線増
感紙について、レギュラータイプフィルム(コニカ社
製、New-A)を用いて、その感度、鮮鋭度、粒状性を測
定、評価した結果である。レギュラーX線増感紙の写真
性能は、厚さ 100mmの水ファントムを通して、管電圧12
0kVのX線で撮影した場合の相対感度、相対鮮鋭度、粒
状性(RMS値)である。
【0043】
【表2】 図5から明らかなように、BaFBr:Eu蛍光体層と
YTaO4 蛍光体層の積層膜で蛍光体層を構成した実施
例2のレギュラーX線増感紙は、YTaO4 蛍光体単独
で蛍光体層を構成した比較例2に比べて感度特性に優れ
ることが分かる。また、図6からは、実施例2のレギュ
ラーX線増感紙は比較例2に比べて感度を向上させた際
の鮮鋭度特性の低下が少なく、さらに表2からは実施例
2のレギュラーX線増感紙は比較例1に比べて粒状性に
優れることが分かる。
【0044】なお、BaFX:Eu系蛍光体のX元素を
Clとし、またRETaO4 系蛍光体のRE元素をL
a、Gd、Luとした場合についても、同様な傾向を示
した。さらに、RETaO4 系蛍光体に付活剤としてN
bを含有させた場合についても同様な傾向を示し、また
この場合にはさらに鮮鋭度特性等を向上させることがで
きた。
【0045】このように、この実施形態のレギュラーX
線増感紙6によれば高感度、高鮮鋭度および高粒状性を
実現することができる。従って、レギュラーX線増感紙
6を医療診断等におけるレギュラーシステムのX線撮影
に使用することによって、感度、鮮鋭度、粒状性に優れ
るX線写真を得ることが可能となるため、例えばレギュ
ラーシステムによるX線撮影の医療診断撮影としての特
性、すなわち医療診断能を高めることができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のレギュラ
ー増感紙によれば、高感度化を図ったで、鮮鋭度および
粒状性を向上させることができる。従って、本発明のレ
ギュラー増感紙を医療診断用のレギュラーシステムによ
るX線撮影に使用した場合、良好な診断能を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のレギュラー増感紙の一実施形態の要
部構造を示す断面図である。
【図2】 BaFBr:Eu蛍光体とYTaO4 蛍光体
との混合蛍光体で蛍光体層を構成したレギュラー増感紙
の蛍光体塗布重量と相対感度との関係を、BaFBr:
Eu蛍光体およびYTaO4 蛍光体を単独で用いたレギ
ュラー増感紙と比較して示す図である。
【図3】 BaFBr:Eu蛍光体とYTaO4 蛍光体
との混合蛍光体で蛍光体層を構成したレギュラー増感紙
の相対感度と相対鮮鋭度との関係を、BaFBr:Eu
蛍光体およびYTaO4 蛍光体を単独で用いたレギュラ
ー増感紙と比較して示す図である。
【図4】 本発明のレギュラー増感紙の他の実施形態の
要部構造を示す断面図である。
【図5】 BaFBr:Eu蛍光体層とYTaO4 蛍光
体層との積層膜で蛍光体層を構成したレギュラー増感紙
の蛍光体塗布重量と相対感度との関係を、BaFBr:
Eu蛍光体およびYTaO4 蛍光体を単独で用いたレギ
ュラー増感紙と比較して示す図である。
【図6】 BaFBr:Eu蛍光体層とYTaO4 蛍光
体層との積層膜で蛍光体層を構成したレギュラー増感紙
の相対感度と相対鮮鋭度との関係を、BaFBr:Eu
蛍光体およびYTaO4 蛍光体を単独で用いたレギュラ
ー増感紙と比較して示す図である。
【符号の説明】
1……支持体 2……混合蛍光体を含有する蛍光体層 3……保護膜 4、6……レギュラー増感紙 5……積層構造の蛍光体層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、前記支持体上に形成された蛍
    光体層と、前記蛍光体層上に設けられた保護膜とを具備
    するレギュラー増感紙において、 前記蛍光体層は、BaFX:Eu系蛍光体(ただし、X
    はBrおよびClから選ばれる少なくとも 1種の元素を
    示す)およびRETaO4 系蛍光体(ただし、REは
    Y、La、GdおよびLuから選ばれる少なくとも 1種
    の元素を示す)を含むことを特徴とするレギュラー増感
    紙。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のレギュラー増感紙におい
    て、 前記RETaO4 系蛍光体は、付活剤としてTmおよび
    Nbから選ばれる少なくとも 1種を含有することを特徴
    とするレギュラー増感紙。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のレギュラ
    ー増感紙において、 前記蛍光体層は、前記BaFX:Eu系蛍光体とRET
    aO4 系蛍光体との混合物を含有することを特徴とする
    レギュラー増感紙。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2記載のレギュラ
    ー増感紙において、 前記蛍光体層は、前記BaFX:Eu系蛍光体を含有す
    る第1の蛍光体層と、前記RETaO4 系蛍光体を含有
    する第2の蛍光体層との積層膜を有することを特徴とす
    るレギュラー増感紙。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    記載のレギュラー増感紙において、 前記蛍光体層は、前記BaFX:Eu系蛍光体とRET
    aO4 系蛍光体とを重量比で 50:50〜 80:20の範囲で含
    むことを特徴とするレギュラー増感紙。
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