JP2016184500A - タブリード用積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】変性ポリプロピレン系樹脂とエチレン・ブテン系樹脂を必須成分とする熱融着性樹脂層(A)と、変性ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂とエチレン・ブテン系樹脂を必須成分とする熱融着性樹脂層(B)の間に耐熱性樹脂層(C)が形成されたタブリード用積層フィルム。耐熱性樹脂層(C)が、4−メチル−1−ペンテンとα−オレフィンの共重合体及び融点が30℃〜110℃のα−オレフィン系樹脂(1)を含み、熱融着性樹脂層(A)、(B)のエチレン・ブテン系樹脂とα−オレフィン系樹脂(1)の融点の差が70℃以内であるタブリード用積層フィルム。変性ポリプロピレン系樹脂がエチレン性二重結合及びエポキシ基を同一分子内に含む単量体を用いてグラフト変性した変性ポリプロピレン系樹脂であるタブリード用積層フィルム。
【選択図】なし
Description
1)変性ポリプロピレン系樹脂とエチレン・ブテン系樹脂を必須成分とする熱融着性樹脂層(A)と、変性ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂とエチレン・ブテン系樹脂を必須成分とする熱融着性樹脂層(B)の間に耐熱性樹脂層(C)が形成されたタブリード用積層フィルムであって、耐熱性樹脂層(C)が、4−メチル−1−ペンテンとα−オレフィンの共重合体及び融点が30℃〜110℃のα−オレフィン系樹脂(1)を含み、熱融着性樹脂層(A)のエチレン・ブテン系樹脂とα−オレフィン系樹脂(1)の融点の差が70℃以内であって、なおかつ熱融着性樹脂層(B)のエチレン・ブテン系樹脂とα−オレフィン系樹脂(1)の融点の差が70℃以内であることを特徴とするタブリード用積層フィルム。
2)α−オレフィン系樹脂(1)がポリブテン系樹脂、ブテン・プロピレン系樹脂のいずれかを含むことを特徴とする1)に記載のタブリード用積層フィルム。
3)熱融着性樹脂層(A)のエチレン・ブテン系樹脂とα−オレフィン系樹脂(1)の融点の差が50℃以内であって、なおかつ熱融着性樹脂層(B)のエチレン・ブテン系樹脂とα−オレフィン系樹脂(1)の融点の差が50℃以内であることを特徴とする1)又は2)に記載のタブリード用積層フィルム。
4)変性ポリプロピレン系樹脂がエチレン性二重結合及びエポキシ基を同一分子内に含む単量体を用いてグラフト変性した変性ポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする
1)〜3)のいずれか1つに記載のタブリード用積層フィルム。
本発明のタブリード用積層フィルムに使用されるポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂を構成する単量体100重量部に対して50重量部以上がプロピレンである樹脂である。ポリプロピレン系樹脂は、例えば、プロピレンと炭素数が2〜20個のα−オレフィンを共重合して得られた樹脂を含むことができ、適宜ポリオレフィン系樹脂を含むことができる。
本発明のタブリード用積層フィルムに使用される変性ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレン系樹脂を、エチレン性二重結合を含む化合物でグラフト変性した樹脂である。エチレン性二重結合を含む化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のα、β−不飽和カルボン酸又はα、β−不飽和カルボン酸無水物又はα、β−不飽和カルボン酸エステルが挙げられる。特に、エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む化合物、無水マレイン酸、マレイン酸の少なくとも1種でグラフト変性した変性ポリプロピレン系樹脂が金属の接着強度を高める点で好ましく、エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む化合物でグラフト変性した変性ポリプロピレン系樹脂は、金属への接着性だけでなく、熱融着性樹脂層と耐熱性樹脂層の密着性を高め層間で剥がれにくくなり、接着強度がさらに高くなる点で好ましい。エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む化合物としては、特に限定なく種々のものを用いることができる。このような化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、マレイン酸ジグリシジル、イタコン酸ジグリシジル、アリルコハク酸ジグリシジル、p−スチレンカルボン酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、p−グリシジルスチレン、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロヘキセンモノオキシドなどを挙げることができる。これらの中では、金属材料との接着性を得るためには(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましい。
変性ポリプロピレン系樹脂の融点は80℃以上、180℃以下の融点を含むことが好ましい。変性ポリプロピレン系樹脂のMFR(230℃、荷重2.16kg)は、0.1g/10min以上、100g/10min未満であることが好ましい。
エチレン・ブテン系樹脂はエチレンとブテンの共重合体、又はエチレンとブテンに適宜2〜20個のα−オレフィンを共重合して得られた樹脂を主成分とし、適宜ポリオレフィン系樹脂を含むことができる。またエチレン・ブテン系樹脂には変性エチレン・ブテン系樹脂が含まれる。変性エチレン・ブテン系樹脂は、エチレン・ブテン系樹脂を、エチレン性二重結合を含む化合物でグラフト変性した樹脂である。変性する方法は変性ポリプロピレン系樹脂と同様の手法を用いることができる。変性エチレン・ブテン系樹脂、エチレン・ブテン系樹脂を熱融着性樹脂層に含むことで、変性ポリプロピレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂のみの時よりも低温で熱融着できるようになるだけでなく、熱融着性樹脂層と耐熱性樹脂層との密着性が向上し、結果としてラミネートフィルムとタブリード材が剥がれにくくすることが可能となる。変性エチレン・ブテン系樹脂及びエチレン・ブテン系樹脂は、熱融着性樹脂層を構成する樹脂100重量部に対して、5重量部以上45重量部以下が好ましく、5重量部以上40重量部以下が低温での熱融着性、作業性の面でさらに好ましい。5重量部未満の場合、低温での熱融着性が低くなるだけでなく、熱融着性樹脂層と耐熱性樹脂との密着性が低くなり接着性強度が低くなることがあった。45重量部以上の場合、表面タックが大きく作業性が悪くなることがあった。エチレン・ブテン系樹脂のガラス転移温度は30℃以上、100℃未満が低温加工時の熱融着性の面で好ましく、40℃以上90℃以下は作業性、熱融着性の点でさらに好ましい。また、熱融着性樹脂層における変性エチレン・ブテン系樹脂及びエチレン・ブテン系樹脂の融解熱は変性ポリプロピレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂よりも小さいが1J/g以上であることが好ましい。
熱融着性樹脂層(A)は、変性ポリプロピレン系樹脂とエチレン・ブテン系樹脂を必須成分とする。熱融着性樹脂層(A)はタブリードに直接接する。一方、熱融着性樹脂層(B)は、変性ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂とエチレン・ブテン系樹脂を必須成分とする。熱融着性樹脂層(B)はタブリードとは反対側の層である。
熱融着性樹脂層は、変性ポリプロピレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン・ブテン系樹脂以外に、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂等の合成樹脂、または酸化防止剤、金属不活性剤、脱水剤、制酸吸着剤などの安定剤、または架橋剤、連鎖移動剤、核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤などの添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。
本発明の耐熱性樹脂層は主成分として耐熱性樹脂を含む。耐熱性樹脂層は、タブリードとラミネートフィルムの間にタブリード用積層フィルムを配置し、加熱圧着でタブリードとラミネートフィルムを熱融着させる際に、タブリード用積層フィルムが肉痩せして、タブリードとラミネートフィルムで導通しない程度の耐熱性が必要である。タブリードとラミネートフィルムの放熱が大きいとタブリード用積層フィルムに熱が伝わりにくくなることがあり、加熱圧着の条件(圧力、時間)で熱の伝わり方が変わる。このため、タブリード用積層フィルムに伝わる熱量を考慮する必要があるが、本発明ではタブリードとラミネートフィルムを加熱圧着して接着させる。タブリードとラミネートフィルムが導通する加熱温度が160℃以上が好ましく、180℃以上がさらに好ましく、200℃以上が特に好ましい。
本発明の耐熱性樹脂は4−メチル−1−ペンテンとα−オレフィンの共重合体及びα−オレフィン系樹脂(1)を含む。4−メチル−1−ペンテンとα−オレフィンの共重合体のα−オレフィンは、炭素数2個〜20個のα−オレフィンの内、少なくとも1種を含んでいる。単独の樹脂で、α−オレフィン系樹脂(1)との相溶性と、耐熱性樹脂層としての耐熱性を両立するには、α−オレフィンの炭素数が11個〜20個が好ましい。1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセンがα−オレフィン系樹脂(1)との相溶性が良い点で好ましく、1−ヘキサデセンと1−オクタデセンの両方を用いることがα−オレフィン系樹脂(1)との相溶性が良い点でさらに好ましい。一方、複数の樹脂でもα−オレフィン系樹脂(1)との相溶性と、耐熱性樹脂層としての耐熱性を両立することも可能である。例えばα−オレフィンの炭素数2個〜8個のオレフィンを5%以上共重合した4−メチル−1−ペンテンとα−オレフィンの共重合体は、α−オレフィン系樹脂(1)との相溶性が比較的良好であるが、耐熱性が低い場合がある。一方、炭素数が2個〜20個のα−オレフィンを5%未満共重合した4−メチル−1−ペンテンとα−オレフィンの共重合体は耐熱性が高い。このため、α−オレフィンの炭素数2個〜8個のオレフィンを5%以上共重合した4−メチル−1−ペンテンとα−オレフィンの共重合体と、炭素数が2個〜20個のα−オレフィンを5%未満共重合した4−メチル−1−ペンテンとα−オレフィンの共重合体を混合することで、α−オレフィン系樹脂(1)との相溶性と、耐熱性樹脂層としての耐熱性を両立することが可能である。前記2種の4−メチル−1−ペンテンとα−オレフィンの共重合体を用いることが、α−オレフィン系樹脂(1)との相溶性と、耐熱性樹脂層としての耐熱性の特性のバランスが取れるだけで無く、溶融特性を改善し、フィルム加工の作業性が向上する点で好ましい。
タブリード用積層フィルムは、熱融着性樹脂層(A)と熱融着性樹脂層(B)の間に耐熱性樹脂層(C)を挟んだ三層構造である。製造方法は特に限定しないが、耐熱性樹脂層(C)をフィルムで取得した後に、熱融着性樹脂層(A)、熱融着性樹脂層(B)を押出ラミで積層することが可能である。また熱融着性樹脂層(A)、耐熱性樹脂層(C)、熱融着性樹脂層(B)を同時に押出す共押出で製造することもできる。本発明におけるタブリード用積層フィルムは、熱融着性樹脂層(A)(B)と耐熱性樹脂層(C)の密着性を向上させているため、同時に溶融させ押出する共押出で、層間で剥がれにくい信頼性の高いタブリード用積層フィルムを得ることが可能となった。4−メチル−1−ペンテンとα−オレフィンの共重合体は離型性が高く、熱融着性樹脂層を積層しても容易に剥がれることがあった。タブリード用積層フィルムを共押出で製造する場合、熱融着性樹脂層(A)、熱融着性樹脂層(B)、耐熱性樹脂層(C)のMFR(測定温度260℃、荷重2.16kg)は、3g/10min以上、50g/10min未満が好ましく、5g/10min以上、40g/10min以下がさらに好ましい。MFRが3g/10min未満の場合、メルトフラクチャーが形成しやすくなることがあった。また、MFRが50g/10min以上の場合、タブリード用積層フィルムの幅方向の厚みムラが大きくなることがあった。製膜温度における熱融着性樹脂層(A)及び(B)のMFRは、耐熱性樹脂層(C)のMFRの0.5倍以上、2倍未満とすることは各層の幅方向の厚みムラを小さくし、特性を安定させる点で好ましい。
タブリード用積層フィルムの接着強度は30N/15mm以上が好ましく、40N/15mm以上がさらに好ましい。
タブリード用積層フィルムはタブリードに貼り合わせる。貼り合わせる際、変性ポリオレフィン系樹脂層がタブリードに接するように貼り合わせる必要がある。貼り合わせる方法は特に制限しないが、加熱圧着させてタブリードにタブリード用積層フィルムを貼合することが好ましい。
ラミネートフィルムとタブリードは、ラミネートフィルム内側の接着層とタブリード用積層フィルムで接着する。接着方法は加熱圧着させることが一般的である。
樹脂を製膜温度260℃で、厚さ100μmのフィルムをTダイ製膜した後、当該フィルムを23℃、55%で72時間保管した。その後、DSC Q1000(TAインスツルメント社製)を用いて融点を測定した。測定条件は室温から−20℃まで冷却した後に、−20℃〜250℃の温度範囲を昇温速度10℃/min測定し融点を算出した。融点は1回目の測定結果を採用した。
ラミネートフィルムは、化成処理したアルミニウム箔(厚み40μm)の片面に接着剤を介してナイロンフィルム(厚さ25μm)を積層し、前記アルミニウム箔のもう一方の面に、変性ポリプロピレン樹脂とポリプロピレンフィルム(厚み30μm)をその順に積層したものを用いた。前記ラミネートフィルム(縦100mm×横25mm)とクロメート処理したアルミニウム板(厚さ100μm、縦50mm×横25mm)との間に、タブリード用積層フィルム(縦25mm×横25mm)の熱融着性樹脂層(B)側をラミネートフィルム側に配置し、150℃に設定した簡易ラミネート機(ラミパッカー LPD3226 Meister6 フジプラ株式会社製)にて0.5m/分の線速で1度熱ラミし、仮圧着を行なった。その後、ヒートシールテスターTP−701−B(テスター産業)にて、200℃(上下加熱)、10秒、0.5MPaで本圧着し、測定サンプルを作製した。仮圧着及び本圧着の際、タブリード用積層フィルムが無い部分で、ラミネートフィルムとアルミニウム板が直接貼り付かないようにするため、ラミネートフィルムとアルミニウム板の間に、表面を離型処理したPETフィルム(厚み25μm)を配置した。
接着強度は、測定サンプルのアルミニウム板側をSUS板(厚さ:1mm)に接着剤で接着させた後、ラミネートフィルムをオートグラフで180°方向にトラバース速度50mm/minで引張り、引き剥がし強度を測定した。前記引き剥がし強度の幅(横)15mm換算の値を接着強度とした。
タブリード用積層フィルムのみの絶縁性を評価するため、ラミネートフィルムの代わりにアルミニウム箔を用いた。アルミニウム箔(厚み40μm、縦50mm×横50mm)とクロメート処理したアルミニウム板(厚さ100μm、縦50mm×横15mm)との間に、タブリード用積層フィルム(縦35mm×横25mm)を配置し、アルミニウム箔とアルミニウム板の間にテスターを接続した。その後、ヒートシールテスターTP−701−B(テスター産業)にて、圧力0.5MPa、時間60秒で、温度を160℃、180℃、200℃に変更して加熱圧着し、抵抗値が大幅に低下しない最高温度を測定した。
シリンダー及びダイス温度200〜250℃、スクリュー回転数100rpmに設定した単軸押出機(東洋精機製、品名ラボプラストミル;φ20mm、L/D=20)のホッパーに樹脂を投入し、ダイス先端に取り付けたT型ダイスから、溶融物を鏡面状態である金属製の冷却ロール上に落とした。その後、冷却ロールの回転数を制御し、厚み100μmのフィルムを得た。シリンダー及びダイス温度は溶融物の溶融状態を見ながら、厚み100μnのフィルムが得られる温度に設定した。
得られたフィルムは、冷却ロールに接した面同士を合わせて、2kg荷重をかけてロールでフィルムを1回押し当てた。その後、フィルム同士が貼り付いていないものを「○」、ほとんど貼り付いていないものを「△」、貼り付いているものを「×」とした。
メルトインデクサーで測定条件230℃又は260℃、荷重2.16kgの条件で10分間に流れる樹脂量を測定した。
樹脂成分とその比率(重量部)を変更し、変性ポリプロピレン系樹脂及びポリプロピレン系樹脂を得た。樹脂成分とその比率を表1、表2に示す。
樹脂成分100重量部に対して、エチレンを少量含むポリプロピレン系樹脂(融点:124℃、MFR(230℃):7g/10min)をX重量部とエチレン・ブテン系樹脂(融点:50℃、MFR(230℃):7g/10min)をY重量部と、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.7重量部をホッパー口よりシリンダー温度220℃、スクリュー回転数150rpmに設定した二軸押出機(日本製鋼所製、品名LABOTEX30;φ30mm、L/D=28)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりスチレン4重量部、グリシジルメタクリレート4重量部を加え、溶融混練及び脱気を実施した後にストランドを水冷後カットして変性ポリプロピレン系樹脂(変性PP−1(X/Y))のペレットを得た。前記ペレットをフィルムにして融点測定を実施したところ、50℃に3J/g、124℃に34J/gのピークが観測された。
樹脂成分100重量部に対して、エチレンを少量含むポリプロピレン系樹脂(融点:124℃、MFR(230℃):7g/10min)をX重量部とエチレン・ブテン系樹脂(融点:50℃、MFR(230℃):7g/10min)をY重量部と、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.7重量部、無水マレイン酸4重量部をホッパー口よりシリンダー温度220℃、スクリュー回転数250rpmに設定した二軸押出機(日本製鋼所製、品名LABOTEX30;φ30mm、L/D=28)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりスチレン4重量部を加え、溶融混練及び脱気を実施した後にストランドを水冷後カットして変性ポリプロピレン系樹脂(変性PP−2(X/Y))のペレットを得た。
エチレン・ブテン系樹脂(融点:50℃、MFR(230℃):7g/10min)の代わりにエチレン・ブテン系樹脂(融点:72℃、MFR(230℃):7g/10min)を用いること以外は変性PP−1(X/Y)と同様にして得た。
エチレン・ブテン系樹脂(融点:50℃、MFR(230℃):7g/10min)の代わりにエチレン・ブテン系樹脂(融点:30℃、MFR(230℃):7g/10min)を用いること以外は変性PP−1(X/Y)と同様にして得た。
樹脂成分100重量部に対して、エチレンを少量含むポリプロピレン系樹脂をX重量部とエチレン・ブテン系樹脂(融点:50℃、MFR(230℃):7g/10min)をY重量部をホッパー口よりシリンダー温度220℃、スクリュー回転数250rpmに設定した二軸押出機(日本製鋼所製、品名LABOTEX30;φ30mm、L/D=28)に供給して溶融混練及び脱気を実施した後に水冷してポリオレフィン系樹脂(PP−1(X/Y))のペレットを得た。
4−メチル−1−ペンテンとα−オレフィンの共重合体及びα−オレフィン系樹脂(1)の樹脂成分とその比率を変更し、耐熱性樹脂を得た。樹脂成分とその比率を表3に示す。
樹脂成分100重量部に対して、4−メチル−1−ペンテンとヘキサデセン及びオクタデセンの共重合体(融点:227℃、MFR(260℃):3g/10min)を80重量部と、ポリブテン系樹脂(融点:90℃、MFR(230℃):7g/10min)を20重量部をホッパー口よりシリンダー温度270℃、スクリュー回転数150rpmに設定した二軸押出機(日本製鋼所製、品名LABOTEX30;φ30mm、L/D=28)に供給して溶融混練及び脱気を実施した後にストランドを水冷後カットして耐熱性樹脂(HR−1)のペレットを得た。その際、前記樹脂のMFR(260℃)が20g/10minとなるように、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP、1分間半減期175℃)の添加量を調整した。
樹脂成分100重量部に対して、4−メチル−1−ペンテンとヘキサデセン及びオクタデセンの共重合体(融点:227℃、MFR(260℃):3g/10min)を60重量部と、ブテン・プロピレン系樹脂(融点:93℃、MFR(230℃):7g/10min)を40重量部用い、HR−1と同様にして得た。
樹脂成分100重量部に対して、4−メチル−1−ペンテンとヘキサデセン及びオクタデセンの共重合体(融点:227℃、MFR(260℃):3g/10min)を60重量部と、ポリブテン系樹脂(融点:50℃、MFR(230℃):7g/10min)を20重量部、ポリプロピレン系樹脂(融点:165℃、MFR(230℃):7g/10min)を20重量部用い、HR−1と同様にして得た。
樹脂成分100重量部に対して、4−メチル−1−ペンテンとデセンの共重合体(融点:237℃、MFR(260℃):3g/10min)を60重量部と、4−メチル−1−ペンテンとプロピレンの共重合体(融点:180℃)を10重量部、ポリブテン系樹脂(融点:90℃、MFR(230℃):7g/10min)を30重量部用い、HR−1と同様にして得た。
樹脂成分100重量部に対して、4−メチル−1−ペンテンとデセンの共重合体(融点:237℃、MFR(260℃):3g/10min)を40重量部と、4−メチル−1−ペンテンとプロピレンの共重合体(融点:180℃)を10重量部、ブテン・プロピレン系樹脂(融点:93℃、MFR(230℃):7g/10min)を50重量部と、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.3重量部をホッパー口よりシリンダー温度270℃、スクリュー回転数250rpmに設定した二軸押出機(日本製鋼所製、品名LABOTEX30;φ30mm、L/D=28)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりスチレン2重量部、グリシジルメタクリレート2重量部を加え、溶融混練及び脱気を実施した後にストランドを水冷後カットして変性耐熱性樹脂(HR−5)のペレットを得た。前記樹脂のMFR(260℃)は20g/10minであった。
樹脂成分100重量部に対して、4−メチル−1−ペンテンとヘキサデセン及びオクタデセンの共重合体(融点:227℃、MFR(260℃):3g/10min)を60重量部と、ポリブテン系樹脂(融点:100℃、MFR(230℃):7g/10min)を20重量部、ポリプロピレン系樹脂(融点:165℃、MFR(230℃):7g/10min)を20重量部用い、HR−1と同様にして得た。
樹脂成分100重量部に対して、4−メチル−1−ペンテンとヘキサデセン及びオクタデセンの共重合体(融点:227℃、MFR(260℃):3g/10min)を用い、HR−1と同様にして得た。
樹脂成分100重量部に対して、4−メチル−1−ペンテンとペンテン及びデセンの共重合体(融点:237℃、MFR(260℃):3g/10min)を60重量部、ポリプロピレン系樹脂(融点:124℃、MFR(230℃):7g/10min)を40重量部用い、HR−1と同様にして得た。
樹脂成分100重量部に対して、4−メチル−1−ペンテンとヘキサデセン及びオクタデセンの共重合体(融点:227℃、MFR(260℃):3g/10min)を60重量部と、ポリエチレン系樹脂(融点:110℃)を40重量部用い、HR−1と同様にして得た。
単軸押出機(φ20mm、L/D=25)(A)(B)(C)を三層押出ダイ(幅200mm、リップクリアランス0.6mm)に接続し、熱融着性樹脂層(A)に繋がる単軸押出機(A)に変性PP−1(80/20)のペレット、熱融着性樹脂層(B)に繋がる単軸押出機(B)に変性PP−1(80/20)のペレット、耐熱性樹脂層(C)に繋がる単軸押出機(C)にHR−1のペレットを投入し、回転数50rpmで、シリンダー及び、樹脂が合流するアダプタ、三層押出ダイを260℃に加熱し、金属製の冷却ロールで冷却し、三層フィルムを得た。三層フィルムは熱融着性樹脂層(A)/耐熱性樹脂層(C)/熱融着性樹脂層(B)の三層構造であった。その後、幅25mmにスリットしてタブリード用積層フィルムを得た。タブリード用積層フィルムの厚みは100μmで、熱融着性樹脂層(A)(B)の厚みは各々35μm、耐熱性樹脂層(C)の厚みは30μmであった。接着強度(常態、アニール後、電解液浸漬後)、絶縁性、タックの評価を表4にまとめた。
単軸押出機(A)(B)に変性PP−1(70/30)、単軸押出機(C)にHR−2を投入する以外は実施例1と同様にした。接着強度(常態、アニール後、電解液浸漬後)、絶縁性、タックの評価を表4にまとめた。
単軸押出機(A)に変性PP−1(70/30)、単軸押出機(B)にPP−1(70/30)、単軸押出機(C)にHR−3を投入する以外は実施例1と同様にした。接着強度(常態、アニール後、電解液浸漬後)、絶縁性、タックの評価を表4にまとめた。
単軸押出機(A)(B)に変性PP−3(70/30)、単軸押出機(C)にHR−4を投入する以外は実施例1と同様にした。接着強度(常態、アニール後、電解液浸漬後)、絶縁性、タックの評価を表4にまとめた。
単軸押出機(A)(B)に変性PP−2(80/20)、単軸押出機(C)にHR−5を投入する以外は実施例1と同様にした。接着強度(常態、アニール後、電解液浸漬後)、絶縁性、タックの評価を表4にまとめた。
単軸押出機(A)(B)に変性PP−1(50/50)、単軸押出機(C)にHR−1を投入する以外は実施例1と同様にした。接着強度(常態、アニール後、電解液浸漬後)、絶縁性、タックの評価を表4にまとめた。
単軸押出機(A)(B)に変性PP−4(55/45)、単軸押出機(C)にHR−6を投入する以外は実施例1と同様にした。接着強度(常態、アニール後、電解液浸漬後)、絶縁性、タックの評価を表4にまとめた。
単軸押出機(A)(B)に変性PP−2(80/20)、単軸押出機(C)にHR−7を投入する以外は実施例1と同様にした。接着強度(常態、アニール後、電解液浸漬後)、絶縁性、タックの評価を表5にまとめた。
単軸押出機(A)(B)に変性PP−1(70/30)、単軸押出機(C)にHR−8を投入する以外は実施例1と同様にした。接着強度(常態、アニール後、電解液浸漬後)、絶縁性、タックの評価を表5にまとめた。
単軸押出機(A)(B)に変性PP−1(100/0)、単軸押出機(C)にHR−10を投入する以外は実施例1と同様にした。接着強度(常態、アニール後、電解液浸漬後)、絶縁性、タックの評価を表5にまとめた。
単軸押出機(A)(B)に変性PP−4(55/45)、単軸押出機(C)にHR−9を投入する以外は実施例1と同様にした。接着強度(常態、アニール後、電解液浸漬後)、絶縁性、タックの評価を表5にまとめた。
Claims (4)
- 変性ポリプロピレン系樹脂とエチレン・ブテン系樹脂を必須成分とする熱融着性樹脂層(A)と、変性ポリプロピレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂とエチレン・ブテン系樹脂を必須成分とする熱融着性樹脂層(B)の間に耐熱性樹脂層(C)が形成されたタブリード用積層フィルムであって、耐熱性樹脂層(C)が、4−メチル−1−ペンテンとα−オレフィンの共重合体及び融点が30℃〜110℃のα−オレフィン系樹脂(1)を含み、熱融着性樹脂層(A)のエチレン・ブテン系樹脂とα−オレフィン系樹脂(1)の融点の差が70℃以内であって、なおかつ熱融着性樹脂層(B)のエチレン・ブテン系樹脂とα−オレフィン系樹脂(1)の融点の差が70℃以内であることを特徴とするタブリード用積層フィルム。
- α−オレフィン系樹脂(1)がポリブテン系樹脂、ブテン・プロピレン系樹脂のいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載のタブリード用積層フィルム。
- 熱融着性樹脂層(A)のエチレン・ブテン系樹脂とα−オレフィン系樹脂(1)の融点の差が50℃以内であって、なおかつ熱融着性樹脂層(B)のエチレン・ブテン系樹脂とα−オレフィン系樹脂(1)の融点の差が50℃以内であることを特徴とする請求項1又は2に記載のタブリード用積層フィルム。
- 変性ポリプロピレン系樹脂がエチレン性二重結合及びエポキシ基を同一分子内に含む単量体を用いてグラフト変性した変性ポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のタブリード用積層フィルム。
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