JP2012190655A - 電池素子外装材用樹脂及びこれを用いた電池素子外装材 - Google Patents

電池素子外装材用樹脂及びこれを用いた電池素子外装材 Download PDF

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Hiroki Sawada
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Abstract

【課題】アルミニウム箔層との密着強度に優れ、電解液の漏れ出しのない耐久性に優れた電池素子外装材用樹脂及びこれを用いた電池素子外装材を提供する。
【解決手段】エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む単量体を用いてグラフト変性した変性ポリオレフィン系樹脂から構成される電池素子外装材用樹脂及びこれを用いた電池素子外装材とする。また、エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む単量体として、(メタ)アクリル酸グリシジルを用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルミニウム箔に対する密着性に優れ、電解液の漏れ出しのない耐久性に優れた電池素子外装材用樹脂及びこれを用いた電池素子外装材に関するものである。
電池の外装材としては、従来電池包材として用いられてきた金属製缶とは異なり、軽量で電池の形状を自由に選択できるという利点から、多層フィルムを袋状にしたものが用いられるようになってきた。最も基本的な多層フィルムの構成は、アルミニウム箔層と樹脂層を積層したものである。このような多層フィルムによる電池外装材は、アルミニウム箔層と樹脂層の密着性が不充分であると電解液が層間に入り込みラミネート強度を低下させ、最終的には電解液が漏れ出すといった問題がある。
一方、近年、携帯機器、ハイブリッド自動車、電気自動車、家庭用蓄電用途にリチウム電池の研究開発が盛んにおこなわれている。このリチウム電池は、電池内容物として正極、負極と共に、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルなどの非プロトン性溶媒に、LiPFやLiBFなどのリチウム塩を溶解した電解液を含んでいる。このような強浸透性の溶媒を用いているため、リチウム電池では特にアルミニウム箔層と樹脂層の層間の密着性が重要であり、不充分であると充分な耐久性は期待できず電解液が漏れが発生してしまう。一方で、上記分野に用いられるリチウム電池は、長期間充放電サイクルを繰り返す必要がある。したがって、アルミニウム箔層と樹脂層との層間密着強度を高めることは必須である。そこで、例えば特許文献1のように樹脂層をポリオレフィン系樹脂と酸変性ポリプロピレンの二層とし、より接着性に優れた酸変性ポリプロピレンをアルミニウム箔との接着層とすることでアルミニウム箔層との層間密着強度を高める工夫がなされているが、必ずしも満足のいくものではなかった。
特開2001−172779
本発明の課題は、アルミニウム箔層と密着強度に優れ、電解液の漏れ出しのない耐久性に優れた電池素子外装材用樹脂及びこれを用いた電池素子外装材を提供することである。
上記事情に鑑み、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む単量体を用いてグラフト変性した変性ポリオレフィン系樹脂がアルミニウム箔層との層間密着性に優れており、耐久性に優れた電池素子外装材を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む単量体を用いてグラフト変性した変性ポリオレフィン系樹脂から構成される電池素子外装材用樹脂である。
本発明の電池素子外装材用樹脂においては、エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む単量体が(メタ)アクリル酸グリシジルであることが好ましい。
本発明の電池素子外装材用樹脂はリチウム電池に好適である。
本発明の電池素子外装材は、本発明の請の電池素子外装材用樹脂を用いてなる。
本発明の電池素子外装材は、本発明の電池素子外装材用樹脂が、表面処理を施した或いは未処理のアルミニウム箔と接着していることが好ましい。
本発明の電池素子外装材は、リチウム電池に好適である。
本発明の電池は、本発明の電池素子外装材を用いてなる。
本発明の電池素子外装用樹脂は、アルミニウム箔層との層間密着性に優れ、結果として電解液の漏れ出しのない耐久性に優れた電池素子外装材を与える。
本発明の一実施形態について説明すれば以下の通りである。なお、本発明は以下の説明に限定されるものではない。
<1.ポリオレフィン樹脂>
本発明においてグラフト変性する前のポリオレフィン系樹脂(以下、原料ポリオレフィン系樹脂と示す)とは、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレンおよび/または1−ブテンとのあらゆる比率でのランダム共重合体またはブロック共重合体、エチレンとプロピレンとのあらゆる比率においてジエン成分が50重量%以下であるエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、ポリメチルペンテン、シクロペンタジエンとエチレンおよび/またはプロピレンとの共重合体などの環状ポリオレフィン、エチレンまたはプロピレンと50重量%以下のビニル化合物などとのランダム共重合体、ブロック共重合体などが挙げられる。
中でもオレフィン系エラストマーが好適に用いられる。具体的には、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・4−メチルペンテン−1共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体、1−ブテン単独重合体、1−ブテン・エチレン共重合体、1−ブテン・プロピレン共重合体、4−メチルペンテン−1単独重合体、4−メチルペンテン−1・プロピレン共重合体、4−メチルペンテン−1・1−ブテン共重合体、4−メチルペンテン−1・プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等を挙げることができる。耐熱性の観点から好ましくは、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体である。特に好ましくは、プロピレン・エチレン共重合体である。
前記原料ポリオレフィン系樹脂には、必要に応じて、他の樹脂またはゴムを本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。
前記の他の樹脂またはゴムとしては、たとえばポリペンテン−1、ポリメチルペンテン−1などのポリα−オレフィン;プロピレン含有量が75重量%未満のプロピレン/ブテン−1共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン/α−オレフィン共重合体;プロピレン含有量が75重量%未満のエチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン/α−オレフィン/ジエン単量体共重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリジエン共重合体;スチレン/ブタジエンランダム共重合体、スチレン/イソプレンランダム共重合体などのビニル単量体/ジエン単量体ランダム共重合体;スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体などのビニル単量体/ジエン単量体/ビニル単量体ブロック共重合体;水素化(スチレン/ブタジエンランダム共重合体)、水素化(スチレン/イソプレンランダム共重合体)などの水素化(ビニル単量体/ジエン単量体ランダム共重合体);水素化(スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体)、水素化(スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体)などの水素化(ビニル単量体/ジエン単量体/ビニル単量体ブロック共重合体);アクリロニトリル/ブタジエン/スチレングラフト共重合体、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレングラフト共重合体などのビニル単量体/ジエン単量体/ビニル単量体グラフト共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレンなどのビニル重合体;塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体などのビニル共重合体などがあげられる。
原料ポリオレフィン系樹脂に対するこれら他の樹脂またはゴムの添加量は、この樹脂の種類またはゴムの種類により異なり、前述のように本発明の効果を損なわない範囲内にあればよいものであるが、通常、25重量%程度以下であることが好ましい。
また、原料ポリオレフィン系樹脂(各種の添加材料を含む場合もある)は粒子状のものであってもペレット状のものであってもよく、その大きさや形はとくに制限されるものではない。
また、前記の添加材料(ほかの樹脂、およびゴム)を用いる場合は、この添加材料は予め原料ポリオレフィン系樹脂に添加されているものであっても、原料ポリオレフィン系樹脂を溶融するときに添加されるものであってもよい。
原料ポリオレフィン系樹脂におけるプロピレン成分に関しては、原料ポリオレフィン系樹脂に対しラジカルが発生し易くなる点で、プロピレン単位が過半量であることが好ましい。ここでいう過半量とはポリオレフィン系樹脂に対するプロピレン成分が50重量%以上のことを意味する。
<2.エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む単量体>
上記原料ポリオレフィン樹脂をグラフト変性するためのエチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む単量体としては特に限定なく種々のものを用いることができる。このような単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、マレイン酸ジグリシジル、イタコン酸ジグリシジル、アリルコハク酸ジグリシジル、p−スチレンカルボン酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、p−グリシジルスチレン、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロヘキセンモノオキシドなどを挙げることができる。これらの中では、アルミニウム箔層との高い層間密着性を得るためには(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましい。
エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む単量体の使用量は、特に制限されないが、原料ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましい。0.1重量部より少ないと接着性が十分でなく、20重量部より多いと、残留モノマーが多く発生し、物性に悪影響を与える。
原料ポリオレフィン系樹脂に対して、エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む単量体をグラフト変性する際、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の単量体を併用してもよい。その他の単量体としては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル単量体、共役ジエン系化合物、ビニルエステル化合物、塩化ビニル、オキサゾリン基含有不飽和単量体などが挙げられる。
芳香族ビニル単量体を用いた場合、ポリプロピレンなどの分子鎖切断型ポリオレフィンへのグラフトの際に分子鎖の切断が抑制され、高い分子量を保ったまま、エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む単量体を高い比率で導入することができるので好ましい。
芳香族ビニル単量体を例示するならば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレンなどのメチルスチレン;o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、α−クロロスチレン、β−クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのクロロスチレン;o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレンなどのブロモスチレン;o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、ジフルオロスチレン、トリフルオロスチレンなどのフルオロスチレン;o−ニトロスチレン、m−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン、ジニトロスチレン、トリニトロスチレンなどのニトロスチレン;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、トリヒドロキシスチレンなどのビニルフェノール;o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼンなどのジビニルベンゼン;o−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼン、p−ジイソプロペニルベンゼンなどのジイソプロペニルベンゼン;などの1種または2種以上が挙げられる。これらのうちスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどのメチルスチレン、ジビニルベンゼン単量体またはジビニルベンゼン異性体混合物が安価であるという点で好ましい。
前記芳香族ビニル単量体の添加量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.1〜5重量部であることがさらに好ましい。添加量が少なすぎるとポリオレフィン系樹脂に対するエチレン性二重結合及びエポキシ基を同一分子内に含む単量体のグラフト率が劣る傾向がある。一方、添加量が10重量部を超えるとエチレン性二重結合及びエポキシ基を同一分子内に含む単量体のグラフト効率が飽和域に達する。
上記原料ポリオレフィン系樹脂とエチレン性不飽和基およびエポキシ官能基を同一分子内に含む単量体、さらに必要に応じてビニル芳香族系単量体を、ラジカル重合開始剤の存在下で加熱して反応させることにより、変性ポリオレフィンを得ることができる。
<3.ラジカル重合開始剤>
ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物あるいはアゾ化合物などを挙げることができる。例示するならば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;パーメタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−メトキシブチルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどの有機過酸化物の1種または2種以上があげられる。
これらのうち、とくに水素引き抜き能が高いものが好ましく、そのようなラジカル重合開始剤としては、たとえば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルなどの1種または2種以上があげられる。
前記ラジカル重合開始剤の添加量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲内にあることが好ましく、0.2〜5重量部の範囲内にあることがさらに好ましい。0.01重量部未満では変性が充分に進行せず、10重量部を超えると流動性、機械的特性の低下を招くことがある。
本発明に用いるグラフト変性のための重合反応としては、特に制限されないが、溶液重合、含浸重合、溶融重合などを用いることができる。特に、溶融重合が簡便で好ましい。
前記溶融重合は、原料ポリオレフィン系樹脂とラジカル重合開始剤、エチレン性二重結合及びエポキシ基を同一分子内に含む単量体、さらに必要に応じ添加される芳香族ビニル単量体を、ポリオレフィン系樹脂の溶融下、混練する方法である。
溶融混練時の加熱温度は、100〜300℃であることが、原料ポリオレフィン系樹脂が充分に溶融し、かつ熱分解しないという点で好ましい。また溶融混練の時間は、通常30秒間〜60分間である。
また、前記の溶融混練の装置としては、押出機、バンバリーミキサー、ミル、ニーダー、加熱ロールなどを使用することができる。生産性の面から単軸あるいは2軸の押出機を用いる方法が好ましい。また、各々の材料を充分に均一に混合するために、前記溶融混練を複数回繰返してもよい。
変性ポリオレフィン系樹脂組成物には必要に応じて、酸化防止剤、金属不活性剤、脱水剤、制酸吸着剤などの安定剤、または架橋剤、連鎖移動剤、核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤などの添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。これらの安定剤および添加剤を用いる場合は、予め原料ポリオレフィン系樹脂に添加されているものであってもよく、原料ポリオレフィン系樹脂をグラフト変性させる際に添加されるものであってもよく、また変性ポリオレフィン系樹脂を製造したのちに適宜の方法でこの変性ポリオレフィン系樹脂に添加されるものであってもよい。
更には、変性ポリオレフィン系樹脂は、他の熱可塑性樹脂と混合して用いても使用することができる。
変性ポリオレフィン系樹脂に混合される熱可塑性樹脂としては、例えばポリプロピレン単独重合体、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、ポリペンテン−1、ポリメチルペンテン−1などのポリα−オレフィン;プロピレン含有量が75重量%未満のプロピレン/ブテン−1共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン/α−オレフィン共重合体;プロピレン含有量が75重量%未満のエチレン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体などのエチレンまたはα−オレフィン/α−オレフィン/ジエン単量体共重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリジエン共重合体;スチレン/ブタジエンランダム共重合体、スチレン/イソプレンランダム共重合体などのビニル単量体/ジエン単量体ランダム共重合体;スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体などのビニル単量体/ジエン単量体/ビニル単量体ブロック共重合体;水素化(スチレン/ブタジエンランダム共重合体)、水素化(スチレン/イソプレンランダム共重合体)などの水素化(ビニル単量体/ジエン単量体ランダム共重合体);水素化(スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体)、水素化(スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体)などの水素化(ビニル単量体/ジエン単量体/ビニル単量体ブロック共重合体);アクリロニトリル/ブタジエン/スチレングラフト共重合体、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレングラフト共重合体などのビニル単量体/ジエン単量体/ビニル単量体グラフト共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレンなどのビニル重合体;塩化ビニル/アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体などのビニル共重合体などが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
前記変性ポリオレフィン系樹脂に混合される熱可塑性樹脂の配合量は、接着フィルムとした際の接着性の観点から、変性ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部が好ましく、更には0.1〜30重量部が好ましい。
<4.電池素子外装材>
本発明における電池素子外装材は、アルミニウム箔に上記電池素子外装材用樹脂を積層することにより得ることができる。
本発明におけるアルミニウム箔としては、バリア性、耐ピンホール性、加工性を考慮して5〜200μm、好ましくは7〜100μmの厚みのものが使用できる。また、その材質は一般の軟質アルミニウム箔を用いることができるが、特にリチウム電池素子外装材としては、さらなる耐ピンホール性、及び成形時の延展性を付与させる目的で、鉄含有率が0.1〜9.0wt%、好ましくは0.5〜2.0wt%の範囲のアルミニウム箔を用いることが好ましい。鉄含有率が0.1wt%より少ないと耐ピンホール性、延展性を充分に付与させることができず、9.0wt%より多いと柔軟性が損なわれる。また、アルミニウム箔は強酸や強アルカリで脱脂処理することで表面を洗浄して用いることが好ましい。
アルミニウム箔は必要に応じて表面処理を施してもよい。表面処理の方法としては特に制限されるものではないが、例えば、熱水変性処理を施しておいてもよい。熱水変性処理はその条件により種々の水和酸化物がアルミニウム箔表面に形成されるが、水和酸化物としてはベーマイトが形成される条件が好ましい。アルミニウム箔表面の溶解や腐食を防止し、濡れ性を向上させるためには、各種化成処理を行うことができ、リン酸クロメート処理が好ましい。
本発明の電池素子外装材の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば変性ポリオレフィン系樹脂を押出成形機やカレンダー成形機、インフレーション成形機、などを用いてフィルム化した後にアルミニウム箔と積層する、変性ポリオレフィン系樹脂をアルミニウム箔に押出ラミネートする、などの方法が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
(実施例1)
(電池素子外装材用樹脂の作製)
ブロックポリプロピレン(プライムポリマー製M142E、MFR=10)100部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(日本油脂製:パーブチルP、1分間半減期175℃)0.5部をホッパー口よりシリンダー温度200℃、スクリュー回転数250rpmに設定した二軸押出機(日本製鋼所製、品名LABOTEX30;φ30mm、L/D=28)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりスチレン5部、グリシジルメタクリレート5部を加え溶融混練して変性ポリオレフィン樹脂ペレットを得た。得られた樹脂ペレットを、シリンダー及びダイス温度200℃、スクリュー回転数100rpmに設定した単軸押出機(東洋精機製、品名ラボプラストミル;φ20mm、L/D=20)のホッパーに投入し、ダイス先端に取り付けたT型ダイスより、幅約13cm、厚み100μmの熱融着性を有するポリオレフィンシートを得た。
(電池素子外装材の作製)
上記で得られた熱融着性を有するポリオレフィンシート、アルミ箔(住軽アルミ箔製:20μm厚)、をこの順に重ね、温度150℃、線速0.8m/分に設定した熱ラミネート機(フジラミパッカー製、品番LPD3212)に供給して、電池素子外装材を得た。
(評価方法)
最初に、上記で得た電池素子外装材を5cm×5cmの大きさに裁断した。この裁断した電池素子外装材2枚を重ねた後に、縁から幅1cmをヒートシーラー(富士インパルス社製、FT−130)で2秒間加熱することによって2枚の電池素子外装材を融着した。前記融着を3辺おこなった後に重量を測定し、電解液注入前の評価用セル重量Wとした。つぎに、融着していない部分からスポイトで電解液(EC/DMC=3/7vol%、LiPF:1mol/L)を約200mL注液し、残りの一辺(幅1cm)をヒートシーラー(富士インパルス社製、FT−130)で2秒間加熱することによって融着した。このセルの重量を測定し、電解液注入後の評価用セル重量Wとした。このWとWとの差から電解液遮断性評価前の電解液重量を算出した。最後に、この評価セルを室温下の部屋(25℃)で一定時間放置したのちに重量を測定し、評価後セル重量Wとした。WとWとの差から電解液遮断性評価前後の電解液変化重量を算出した。また電解液の重量保持率(単位%)は、(W−W)/(W−W)×100から算出した。
上記評価方法にて400時間放置後の電解液の重量保持率は99.9%であった。
(比較例1)
実施例1記載の電池素子外装材用樹脂のかわりに、酸変性ポリプロピレン(三井化学株式会社製QE060)を用いて実施例1と同様にして電池素子外装材を得た。この電池素子外装材を実施例1記載の評価方法にて評価したところ、400時間後の電解液の重量保持率は99.5%であった。

Claims (7)

  1. エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む単量体を用いてグラフト変性した変性ポリオレフィン系樹脂から構成されることを特徴とする電池素子外装材用樹脂。
  2. 前記エチレン性二重結合およびエポキシ基を同一分子内に含む単量体が、(メタ)アクリル酸グリシジルであることを特徴とする請求項1に記載の電池素子外装材用樹脂。
  3. 電池がリチウム電池であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電池素子外装材用樹脂。
  4. 請求項1〜3に記載の電池素子外装材用樹脂を用いることを特徴とする電池素子外装材。
  5. 請求項1〜3に記載の電池素子外装材用樹脂が、表面処理を施した或いは未処理のアルミニウム箔と接着していることを特徴とする請求項4に記載の電池素子外装材。
  6. 電池がリチウム電池であることを特徴とする請求項4又は5に記載の電池素子外装材。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の電池素子外装材を用いることを特徴とする電池。
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