JP2014208729A - 変性ポリオレフィン系樹脂フィルムと熱可塑性樹脂フィルムからなるタブリード封止用積層シーラントフィルム - Google Patents

変性ポリオレフィン系樹脂フィルムと熱可塑性樹脂フィルムからなるタブリード封止用積層シーラントフィルム Download PDF

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千秋 片野
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Abstract

【課題】本発明の課題は、接着性、絶縁性、耐電解液性、金属への接着性が電解液によって接着性が低下しないこと等に優れた、タブリード封止用積層シーラントフィルムを提供することである。【解決手段】(A)(a)エポキシ基含有ビニル単量体および(b)芳香族ビニル単量体で変性された、変性エチレンーαオレフィン共重合体60〜90重量部および(B)スチレン共役ジエン系ブロック共重合体40〜10重量部からなるベース樹脂〔ただし、(A)+(B)=100重量部〕に対し、(C)粘着付与剤である芳香族変性テルペン樹脂30〜60重量部を必須成分として含有してなるホットメルト型接着フィルム層に、ラミネート型電池の外装材との接着性を有する熱可塑性樹脂フィルムを積層したタブリード封止用積層シーラントフィルム。【選択図】 なし

Description

本発明は、低温接着性と加熱時の形状安定性に優れたタブリード用積層シーラントフィルムに関する。さらに詳しくは、変性ポリオレフィン樹脂フィルムと熱可塑性樹脂フィルムの積層からなるリチウムイオン二次電池のタブリード封止用積層シーラントフィルムに関する。
近年、ノートパソコンや携帯電話等の電子機器や、電気自動車やハイブリッド自動車の需要が高まるにつれ、それらの電源である高エネルギー密度のリチウムイオン二次電池が必要とされている。こうしたリチウムイオン二次電池の使用範囲の拡大に伴い、その性能と安全性に対する要求が高まっている。
従来から、二次電池は、フィルム状の正極と負極がセパレーターを介して相対しており、その間に非水系電解質が介在して充放電を可能にしている。そして、前記正極および負極からは、金属からなるタブリード材によって外部に電気を取り出すことができるようになっている。一般的には、正極側タブリード材としてアルミニウム、負極側タブリード材として銅が用いられている。これらには、アルミニウム箔にポリオレフィン等からなるシーラントを積層した気密性の高いラミネートフィルムからなる袋が外装材として被覆されている。リチウムイオン二次電池の外装材としては従来金属製の缶が用いられてきたが、製品の薄型化や多様化のため、低コストなアルミニウム箔に樹脂フィルムを積層したラミネート外装材を用いたラミネート型電池が利用されるようになった。
複数の単電池層を積層したラミネート型電池は出力密度が高いが、電解液が漏洩した場合、他の電池層の電極や電解質層と接触し、短絡(ショート)を起こしてしまう。そのため、タブリードに接着性の高いシーラントを設け、短絡を防止する必要がある。
この時、タブリードはタブリード封止用シーラントを介してラミネート外装フィルムに接着される。シーラントはあらかじめタブリードとラミネート外装フィルムが接する部分に設けておくことで、ラミネート外装フィルムとタブリードとの間に介在させる。
よって、タブリード封止用シーラントは金属からなるタブリードとラミネート外装フィルムを接着させる接着性、ラミネート外装フィルムとタブリード材が接することで短絡することを防ぐ絶縁性、電解液を外部に漏洩させない耐電解液性、金属への接着性が電解液によって接着性が低下しないこと等が求められているが、上述の要求を満足させるシーラントができていないのが実情である。
例えば、特許文献1には、金属層と、金属層の表面に形成された表面処理層と、表面処理層上に形成されたカルボン酸基またはその誘導体で変性されたポリオレフィンからなる接着性樹脂層とを含む電池電極部保護フィルム用積層体が開示されている。しかしながら、金属と接着性樹脂層との接着性を高めるために表面処理工程が必須であるため、コスト増加につながる。
WO01/017043号公報
本発明の目的は、接着性、絶縁性、耐電解液性、金属への接着性が電解液によって接着性が低下しないこと等に優れた、タブリード封止用積層シーラントフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上述の現状に鑑み、鋭意検討した結果、特定の変性ポリオレフィン、スチレン共役ジエン系ブロック共重合体、粘着付与剤の樹脂組成からなる低温接着性を有するホットメルト型接着フィルムへ、形状安定性、短絡防止、ラミネート外装フィルムとの良好な接着を目的として、熱接着時にラミネート外装フィルム内側の接着性ポリプロピレン層との相性が良い熱可塑性樹脂フィルムを積層したタブリード封止用積層シーラントフィルムにより、上記課題を解決することを見いだし、以下の本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の構成をなす。
1).(A)(a)エポキシ基含有ビニル単量体および(b)芳香族ビニル単量体で変性された、変性エチレンーαオレフィン共重合体60〜90重量部および
(B)スチレン共役ジエン系ブロック共重合体40〜10重量部からなるベース樹脂〔ただし、(A)+(B)=100重量部〕に対し、
(C)粘着付与剤である芳香族変性テルペン樹脂30〜60重量部を必須成分として含有してなるホットメルト型接着フィルム層に、熱可塑性樹脂フィルムを積層してなるタブリード封止用積層シーラントフィルム。
2).(a)エポキシ基含有ビニル単量体がメタクリル酸グリシジルである、1)に記載のタブリード封止用積層シーラントフィルム。
3).変性エチレンーαオレフィンが、密度が0.85g/cm〜0.87g/cmであるエチレンーαオレフィン共重合体を変性してなる、1)または2)に記載のタブリード封止用積層シーラントフィルム。
4).エチレンーαオレフィンが、エチレン含量が10〜20重量%のエチレンープロピレン共重合体である、3)に記載のタブリード封止用積層シーラントフィルム。
5).熱可塑性樹脂フィルムが、オレフィン系樹脂からなる1)〜4)に記載のタブリード封止用積層シーラントフィルム。
本発明によれば、タブリード封止用として好適に用いることができるシーラントフィルムを提供することができる。ホットメルト型接着フィルム層は、難接着基材に対し優れた接着力を確保することができ、文具、雑貨、食品などの包装材、自動車用部品、住宅資材、家電などの電気電子部品、各種産業用資材などの幅広い分野に用いられる。特に低温、低圧の接着加工で良好な接着強度が得られることから、ラミネート型電池の外装材との接着性が良好であるものの積層の際に高温条件にすると収縮や変形等の外観不良が起こるおそれのある熱可塑性樹脂フィルムとの積層に好適に用いられる。
以下に本発明の詳細について述べる。
(1)変性エチレン−αオレフィン共重合体
変性エチレン−αオレフィン共重合体とは、エチレン−αオレフィン共重合体に芳香族ビニル単量体とエポキシ基含有ビニル単量体をグラフト重合したものである。特に、低温加工での難接着樹脂への接着性を得るためには、変性に用いるエチレン−αオレフィン共重合体の密度が0.85g/cm〜0.87g/cmの、低結晶性、非晶性のエチレンーαオレフィンランダム共重合体であることが好ましい。エチレンーαオレフィンランダム共重合体を形成するα−オレフィンとしては、通常炭素数3〜20のα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセンが挙げられるが、グラフト変性の際、ポリオレフィン上にラジカルが発生しやすくなる点および耐熱性の観点から、プロピレンであることが好ましい。エチレンープロピレン共重合体中のエチレンとプロピレンの含有比率としては、プロピレン含量が80〜90重量%、エチレン含量が10〜20重量%であることが好ましい。エチレン含量がこの範囲より多いと、エチレンープロピレン共重合体の密度が高く低温接着性能が低下するか、耐熱性の面で実用に耐えないといった問題が生じる。さらに、変性時にエチレン部分で架橋反応が先行し、低温接着性が低下するだけでなく、接着性フィルムとして良好な外観のものとして取得できない可能性がある。一方、エチレン含量がこの範囲より少ないと、低温接着性が低下する傾向がある。
変性に使用する共重合体には、上述の、変性樹脂の熱特性を損なわない範囲であれば、他のジエン、ビニルエステルなどを第3成分として共重合してもよい。また、これらの変性エチレン−αオレフィン共重合体は、2種以上を混合して用いてもよく、2種以上の共重合体を混合したものを変性して用いてもかまわない。これらは、粒子状のものであってもペレット状のものであってもよく、その大きさや形はとくに制限されるものではない。変性エチレン−αオレフィン共重合体の製造には、溶融混練による方法、溶液による方法、懸濁法などの一般的なラジカルグラフト法によって行うことが出来る。この中で、経済的で、簡便かつ生産性に富む点では溶融混練法が好ましい。
変性に用いるモノマーとしては、極性のある被着体との接着性を向上させるため、極性基含有ビニルモノマーが一般に用いられるが、中でも(a)エポキシ基含有ビニル単量体が、得られる接着剤組成物の接着性、フィルム成形性の面で好適である。a)エポキシ基含有ビニル単量体としては、特に制限されないが、好ましくは炭素数4〜20、より好ましくは4〜10のエポキシ基含有ビニル単量体であり、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、マレイン酸モノグリシジル、マレイン酸ジグリシジル、イタコン酸モノグリシジル、イタコン酸ジグリシジル、アリルコハク酸モノグリシジル、アリルコハク酸ジグリシジル、p−スチレンカルボン酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、p−グリシジルスチレンなどのグリシジル基含有ビニル単量体、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテンなどのエポキシオレフィン、ビニルシクロヘキセンモノオキシドなどの1種または2種以上が挙げられる。これらのうち、メタクリル酸グリシジルが安価で、溶融変性で適用しやすい点で好ましく、不飽和カルボン酸モノマーと比較して押出変性時に真空脱揮することで容易に除去でき、フィッシュアイや、発泡による穴あきなどの少ない外観の良好なホットメルト型接着フィルムの製造に好適である。
変性エチレン−αオレフィン共重合体中のエポキシ基含有ビニル単量体の含有量は、ベース樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量%であることが好ましい。0.1重量%より少ないと接着性が不充分であり、5重量%より多いと溶融混練中にグラフト鎖が反応して一部架橋を起こし、成形性が劣ると同時にフィッシュアイ、ブツなどによる製品外観が悪化し、且つ、かつ接着性も低下する。(a)エポキシ基含有ビニル単量体の添加量は、エチレン−αオレフィン共重合体100重量部に対して、0.5〜10重量部であることが好ましい。添加量が少なすぎると接着性が充分に改善されない傾向があり、添加量が多すぎるとグラフトに寄与しないフリーポリマーの副生が増大する傾向や、好適な形状や外観を有するフィルム状接着剤組成物として取得できない傾向がある。
ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物が一般的に用いられ、例えば水素引き抜き能が高いものとして、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルが好ましい。これらは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。前記ラジカル重合開始剤の添加量は、エチレン−αオレフィン共重合体100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲内にあることが好ましく、0.05〜5重量部の範囲内にあることがさらに好ましい。0.01重量部未満では変性が充分に進行せず、10重量部を超えると架橋反応による流動性の低下やゲル分の増加により、接着性が低下することがある。
(a)エポキシ基含有ビニル単量体のグラフト率を向上させる目的で、(b)芳香族ビニル単量体を添加することが好ましい。また、芳香族ビニル単量体を共存させることで、ポリオレフィンの主鎖切断による機械的特性が低下するのを抑えることができ、接着剤組成物の耐熱性を保つことができる。
(b)芳香族ビニル単量体としては、特に制限されないが、好ましくは炭素数4〜20、より好ましくは6〜15の芳香族ビニル単量体である。例示するならば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレンなどのメチルスチレン;o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、α−クロロスチレン、β−クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのクロロスチレン;o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレンなどのブロモスチレン;o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、ジフルオロスチレン、トリフルオロスチレンなどのフルオロスチレン;o−ニトロスチレン、m−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン、ジニトロスチレン、トリニトロスチレンなどのニトロスチレン;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、トリヒドロキシスチレンなどのビニルフェノール;o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼンなどのジビニルベンゼン;o−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼン、p−ジイソプロペニルベンゼンなどのジイソプロペニルベンゼン;などの1種または2種以上が挙げられる。これらのうちスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどのメチルスチレン、ジビニルベンゼン単量体またはジビニルベンゼン異性体混合物が安価であるという点で好ましい。
前記(b)芳香族ビニル単量体の添加量は、エチレン−αオレフィン共重合体100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、1〜5重量部であることがさらに好ましい。添加量が少なすぎるとエチレン−αオレフィン共重合体に対する(a)エポキシ基含有ビニル単量体のグラフト率が劣る傾向がある。一方、添加量が10重量部を超えると(a)エポキシ基含有ビニル単量体のグラフト効率が飽和域に達するとともに、過剰な架橋反応が進行して、接着性が低下する恐れがある。溶融混練時の添加順序及び方法については、エチレン−αオレフィン共重合体とラジカル重合開始剤を溶融混練した混合物に不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体、あるいは芳香族ビニル単量体を加え溶融混練する添加順序がよく、この添加順序で行うことでグラフトに寄与しない低分子量体の生成を抑制することができる。なお、そのほか必要に応じ添加される材料の混合や溶融混練の順序及び方法はとくに制限されるものではない。
溶融混練時の加熱温度は、エチレン−αオレフィン共重合体が充分に溶融し、過剰な熱分解、架橋反応、およびフィッシュアイの増加が抑えられるという点で、180〜200℃が好ましい。また前記の溶融混練の装置としては、一軸又は多軸押出機、バンバリーミキサー、プラストミル、加熱ロールニーダー、などを使用することができるが、生産性の面から減圧装置を装備した単軸あるいは二軸押出機を用いる方法が好ましい。溶融混練の時間(ラジカル重合開始剤を混合してからの時間)は、通常30秒間〜60分間である。
(2)スチレン共役ジエン系ブロック共重合体
本発明の(B)成分のスチレン共役ジエン系ブロック共重合体とは、ビニル芳香族化合物を主成分とする重合体ブロックからなるハードセグメントと、共役ジエン化合物を主成分とする重合体からなるソフトセグメントを有するブロック共重合体であり、ブロックAがビニル芳香族化合物、ブロックBが共役ジエン化合物であるとしたときに、一般式A−B、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A等で表される。ブロック共重合体を用いることで、各種粘着付与剤との併用で、低温加工での各種基材との接着性が得られると共に、低タック性、耐熱性のバランスの取れた接着性樹脂組成物の製造が可能である。
スチレン共役ジエン系ブロック共重合体の好ましい例としては、スチレン−ブタジエンジブロックコポリマー、スチレンーブタジエントリブロックコポリマー、スチレンーイソプレンジブロックコポリマー、スチレンーイソプレントリブロックコポリマー、水素添加スチレン−ブタジエンジブロックコポリマー、水素添加スチレンーブタジエントリブロックコポリマー、水素添加スチレンーイソプレンジブロックコポリマー、水素添加スチレンーイソプレントリブロックコポリマーなどが挙げられ、耐熱性および耐候性が良好なものとなる点から、水素添加スチレン−イソプレントリブロックコポリマー(SEPS)、水素添加スチレン−ブタジエントリブロックコポリマー(SEBS)、が特に好ましい。
(3)粘着付与剤
(C)成分の粘着付与剤としては、種々のものがあるが、変性エチレンーαオレフィン中のエポキシ基と反応する構造を含まない脂環族系石油樹脂、テルペン樹脂(α−ピネン、β-ピネン、リモネンなどの重合体)、芳香族変性テルペン樹脂があげられるが、中でも濡れ性、ハンドリング性、耐熱性の観点から芳香族変性テルペン樹脂がより好ましく、入手のしやすさからスチレン変性テルペン樹脂が特に好ましい。テルペンフェノール樹脂や、ロジン系樹脂は、その構造上、低酸価、低水酸基価とすることが困難であるため、溶融混練、変性樹脂中のエポキシ基と反応して、フィッシュアイ、ゲルが増加するだけでなく、樹脂組成物が増粘し、フィルム成形性が悪くなる傾向がある。フィルムの成形性が悪くなると厚みにムラが生じるため、タブリード用シーラントとしての接着ムラに繋がり、耐電解液性の低下のみならず品質そのものの低下の原因になりうる。以上の観点から、低温加工での接着性、耐熱性、接着剤樹脂組成物のハンドリングにも考慮すると、環球法による軟化点が90℃以上、好ましくは100〜170℃より好ましくは、130〜160℃の範囲のスチレン変性テルペン樹脂を用いることが好ましい。軟化点が90℃よりも低いものであると接着剤組成物の耐熱性が低下するとともに、スチレン系熱可塑性エラストマーやエチレン−αオレフィン共重合体との溶融混練が困難となるばかりか、接着剤樹脂組成物の常温タックが強くなりすぎてフィルム成形が困難となる。粘着付与剤としては、単独あるいは2種以上をあわせて用いることができる。
(4)接着性樹脂組成物
本発明のホットメルト型接着フィルム層をなす接着性樹脂組成物の各成分の配合割合としては、(1)変性エチレン−αオレフィン共重合体60〜90重量部および(2)スチレン共役ジエン系ブロック共重合体40〜10重量部[ただし、(A)+(B)=100重量部]のベース樹脂に対し、粘着付与剤30〜60重量部である。(C)成分の粘着付与剤の配合量としては、40〜50重量部であることがより好ましい。(C)成分の粘着付与剤の配合量が、30重量部より少ないと被着体へのぬれ性が乏しくなり接着性が低下し、60重量部より多いと凝集力が乏しくなり接着性、耐熱性が低下するとともに、接着性樹脂組成物のタックが強くなりすぎて、配合およびフィルム成形時の取り扱いが困難となる。一方で、ベース樹脂中(A)変性エチレン−αオレフィン共重合体と(B)スチレン系熱可塑性エラストマーの配合比としては、(A)65〜85重量部、(B)35〜15重量部がより好ましく、(A)70〜80重量部、(B)30〜20重量部であることがさらに好ましい。この配合比とすることで、低温接着加工での被着体への充分な濡れ性と、常温でのタックのバランスが取れた接着剤樹脂組成物を得ることができる。
なお、接着性樹脂組成物には必要に応じて、酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸、制酸吸着剤などの安定剤、または架橋剤、連鎖移動剤、核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。これらの安定剤および添加剤を用いる場合は、予めスチレン系熱可塑性エラストマーまたは、エチレン−αオレフィン共重合体に添加されているものであってもよく、これらの溶融変性の際に添加されるものであってもよく、接着性樹脂組成物を溶融混錬により製造する際に添加されるものであってもよく、後述のホットメルト型接着フィルムの製造の際に添加されるものであってもよい。
(5)ホットメルト型接着フィルムの製造方法
本発明のホットメルト型接着フィルムの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば本発明の接着性樹脂組成物を溶融混練により得た後に、各種の押出成形機、射出成形機、カレンダー成形機、インフレーション成形機、ロール成形機、あるいは加熱プレス成形機などを用いてシート状成形体に成形加工することが可能である。中でも、先端にT型ダイスを備えた単軸押出機を使う方法が汎用的で好ましい。溶融混錬の装置としては、一軸又は多軸押出機、バンバリーミキサー、プラストミル、加熱ロールニーダー、などを使用することができる。生産性の面から減圧装置を装備した単軸あるいは二軸押出機を用いる方法が好ましい。 また、各々の材料を充分に均一に混合するために、前記溶融混練を複数回繰返してもよい。
(6)ホットメルト型接着フィルムに熱可塑性樹脂フィルムを積層してなる積層シーラントフィルム
本発明で用いたホットメルト型接着フィルムは、比較的低い処理温度で種々の基材を接着させて多層積層体を得ることが可能である。多層積層体を構成する材料としては、紙、木綿,麻,布、木板などのセルロース系高分子材料、ポリプロピレン,ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS樹脂)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(AES樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン、ポリウレタンなどのポリアミド系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の合成高分子材料、金、銀、銅、鉄、錫、鉛、アルミニウムなどの金属材料が挙げられる。ホットメルト型接着フィルム層は、特に基材の表面処理をすることなく、強力な接着を可能とするが、必要に応じて、プラズマやレーザーなどによる表面改質、表面酸化、エッチングなどの表面処理等を実施してもよい。
上述のように、ホットメルト型接着フィルム層は、比較的低い処理温度で種々の基材を接着させるため、ラミネート型電池の外装材との接着性が良好であるものの積層の際に高温条件にすると収縮や変形等の外観不良が起こるおそれのある熱可塑性樹脂フィルムとの積層に好適に用いることができる。また、熱接着の際、低温接着するホットメルト型接着フィルム単層では収縮および変形する可能性があるが、熱可塑性樹脂フィルムを積層することにより、積層シーラント全体としての形状を保持することができる。
ホットメルト型接着フィルム層のMFRは、40g/10分〜150g/10分であることが好ましく、50g/10分〜130g/10分であることがより好ましく、60g/10分〜110g/10分であることがさらに好ましい。MFRが40g/10分より低い場合、タブリード封止用積層シーラントフィルムをタブリードに熱融着する際に、タブリード端部の段差が生じる部分に接着層部分の樹脂が流れ込みにくいためにタブリード端部に隙間が生じ、短絡の原因となる。また、MFRが150g/10分より高い場合、タブリード封止用積層シーラントフィルムをタブリードに熱融着する際に、接着層の樹脂が過剰に流れ、熱可塑性樹脂フィルム幅からはみ出ることによって、シーラントとしての品質が低下し、短絡に繋がる。
本発明のタブリード封止用積層シーラントフィルムは、ホットメルト型接着フィルムに熱可塑性樹脂フィルムを積層しているが、この際に使用される熱可塑性樹脂フィルムは特に限定されるものではなく、例えばポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂からなるフィルムなどが好適に用いることができる。なかでも、熱接着時にラミネート外装フィルム内側の接着性ポリプロピレン層との相性が良いポリプロピレン系樹脂が好ましい。また、積層させる熱可塑性樹脂フィルムは、必要に応じて高いヘイズ値を有するものを使用しても良い。高いヘイズ値を有する熱可塑性樹脂フィルムを積層することにより、タブリード上において、シーラントの有無をセンサーで検知可能なもの、あるいは目視で検知可能なものとすることができる。
本発明に関わるホットメルト型接着フィルムと他の熱可塑性樹脂フィルムとのタブリード封止用積層シーラントフィルムを製造する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば変性ポリオレフィン系樹脂を押出機に入れ、押出機先端に設けたT型ダイスからフィルム状に成形した溶融樹脂に対して熱可塑性樹脂フィルムを積層する方法や、ホットメルト型接着フィルムと熱可塑性樹脂フィルムをロール成形機にて熱圧着する方法や変性ポリオレフィン樹脂と他の熱可塑性樹脂を共に溶融させ、共押出しすることにより積層する方法等が挙げられる。
以下に具体的な実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。下記実施例および比較例中「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
1.変性エチレンーαオレフィンの製造
変性エチレンーαオレフィンの物性測定は以下のようにして行った。
(メルトフローレート(MFR)の測定)
変性ポリオレフィン樹脂をJIS−K7210 B法に準拠して230℃、2.16kg荷重にて測定した。
(示差走査熱量測定(DSC)による融解温度測定)
示差走査型熱量計(島津製作所製、DTG−50)を用い、試料を窒素雰囲気下、240℃まで、20℃/分で昇温させ、直ちに40℃以下まで降温した後、240℃まで再度20℃/分で昇温した。この際に得られた融解吸熱カーブから観測されるピークのピークトップとして定義される温度を融点とした。
(製造例1)
エチレン−プロピレン共重合体((株)ダウ製ヴァーシファイDE3401.05、MFR8、エチレン含量15重量%、密度0.863g/cm)100部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(1分間半減期175℃)0.5部をシリンダー温度200℃、回転数150rpmに設定した二軸押出機(44mmφ、L/D=38.5、(株)日本製鋼所製、製品名TEX44XCT)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりメタクリル酸グリシジル3部、スチレン3部加え溶融混練した後、脱揮してストランド状に押出し、水冷後カッティングして、変性エチレン−プロピレン共重合体(A1)を得た。
(製造例2)
エチレン−プロピレン共重合体((株)ダウ製ヴァーシファイ4301、MFR25、エチレン含量12重量%、密度0.867g/cm)100部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(1分間半減期175℃)0.5部をシリンダー温度200℃、回転数150rpmに設定した二軸押出機(44mmφ、L/D=38.5、(株)日本製鋼所製、製品名TEX44XCT)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりメタクリル酸グリシジル3部、スチレン3部加え溶融混練した後、脱揮してストランド状に押出し、水冷後カッティングして、変性エチレン−プロピレン共重合体(A2)を得た。
(製造例3)
エチレン−プロピレン共重合体((株)ダウ製ヴァーシファイDE3401.05、MFR8、エチレン含量15重量%、密度0.863g/cm)100部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(1分間半減期175℃)0.4部をシリンダー温度200℃、回転数150rpmに設定した二軸押出機(46mmφ、L/D=60、(株)神戸製鋼所製、製品名HYPERKTX46)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりメタクリル酸グリシジル4部、スチレン4部加え溶融混練した後、脱揮してストランド状に押出し、水冷後カッティングして、変性エチレン−プロピレン共重合体(A3)を得た。
(製造例4)
エチレン−プロピレン共重合体((株)ダウ製ヴァーシファイ4301、MFR25、エチレン含量12重量%、密度0.867g/cm)100部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(1分間半減期175℃)0.4部をシリンダー温度200℃、回転数250rpmに設定した二軸押出機(46mmφ、L/D=60、(株)神戸製鋼所製、製品名HYPERKTX46)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりメタクリル酸グリシジル4部、スチレン4部加え溶融混練した後、脱揮してストランド状に押出し、水冷後カッティングして、変性エチレン−プロピレン共重合体(A4)を得た。
2.ホットメルト型接着フィルム層の製造
上述の製造例1、2で得られた変性エチレンープロピレン共重合体(A1)、(A2)、下記原料(B1)、(C1)〜(C3)を、表1の配合比率に従って、水中カットペレタイザーを取り付けたシリンダー温度180℃に設定した上記二軸押出機で溶融混練して、接着性樹脂ペレットを得た。これらあるいは(A3)、(A4)の接着性樹脂ペレットを、シリンダー及びダイス温度200℃に設定した、単軸押出機(40mmφ、L/D=22)、ダイス先端に取り付けたT型ダイス(600mm幅)より、それぞれ幅約500mm、厚み45〜50μmのフィルム1〜フィルム7に成形した。
(A1)〜(A4)変性エチレンーαオレフィン共重合体(製造例1〜4)
(B1)水素添加スチレンイソプレントリブロックコポリマー((株)クラレ製、SEPTON2063)
(C1)スチレン変性テルペン樹脂((株)ヤスハラケミカル製、YSレジンTO125、軟化点125℃)
(C2)テルペンフェノール樹脂((株)ヤスハラケミカル製、T130、軟化点130℃)
(C3)ロジン系樹脂((株)荒川化学製、スーパーエステルA125,軟化点125℃)
Figure 2014208729
3.ホットメルト型接着フィルムと熱可塑性樹脂フィルムとの積層
上述のフィルム1〜4に熱可塑性樹脂フィルム(東洋紡績株式会社製 パイレン(登録商標)フィルム−CT(CPPフィルム))を重ね、設定温度120℃の簡易ラミネート機(ラミパッカー LPD3226 Meister6 フジプラ株式会社製)にて0.5m/分の送り速度で積層シーラントフィルムを作製し、表2のように実施例1、2および比較例1、2とした。また、無水マレイン酸変性ポリオレフィンフィルム(アドマーフィルムQE060 三井化学株式会社製)に熱可塑性樹脂フィルム(パイレンフィルム‐CT P1111(無延伸ポリプロピレンフィルム) 東洋紡株式会社製)を重ね、同様の条件で積層シーラントフィルムを作製して比較例3とした。積層前のホットメルト型接着フィルム層の物性を構成を表3に示す。
Figure 2014208729
Figure 2014208729
4.シーラントフィルムの評価 上述の実施例1、2及び比較例1〜3の積層シーラントフィルムについて、アルミニウム箔との接着性および形状安定性を評価し、表に記載した。各評価は、下記の方法に従って行なった。
<接着評価>
積層シーラントフィルムを、接着フィルム層側を下にして厚み30μmのアルミニウム箔の上に置き、加熱温度100℃、120℃、140℃、0.1MPaで1分間圧着して接着評価サンプルとした。得られた接着評価サンプルを23℃雰囲気中において、テクスチャーアナライザー(TA.XTplus)を用いて引張り速度300mm/分で積層シーラントフィルムを180度ピールし、接着強度(N/15mm)を評価した。結果を表4に示す。
Figure 2014208729
実施例1、2は加熱温度100℃、120℃である比較的低温においてもアルミニウム箔との良好な接着性を示している。これに対して、比較例1〜3では加熱温度100℃、120℃においてアルミニウム箔との接着性が非常に弱い。加熱温度が160℃付近になると、熱可塑性樹脂フィルムが大きく収縮し始めるため、より低温で高い接着性を示す実施例1、2がタブリード封止用積層シーラントフィルムとして好ましい。
<形状評価>
厚み30μmのアルミニウム箔上に縦50mm、横50mmの接着フィルム単体および積層シーラントフィルムの接着フィルム層を下にして並べ、120℃、140℃のオーブン中で10分間静置し、接着フィルムおよび積層シーラントフィルムの形状の変化を確認した。結果を表4に示す。接着フィルム単体および積層シーラントフィルムの流れが縦方向または横方向に3%以上の時は×、1%以上3%未満の時は△、1%未満である時を○とした。結果を表5に示す。
Figure 2014208729
加熱温度120℃、140℃において、接着フィルム単体であるフィルム1、2は加熱によって収縮し、その際にアルミニウム箔との間に発生する気泡が多数見られている。これに対し、フィルム1、2に熱可塑性樹脂フィルムを積層した実施例1、2では、加熱後も形状を保持しており、アルミニウム箔との間の気泡も少ない。金属との接着性が良好であるものの、単層では収縮してしまいタブリード封止用シーラントとしての使用は不適切であったホットメルト接着フィルムに熱可塑性樹脂フィルムを積層することで、形状の安定した積層シーラントフィルムを作成することが可能である。
<絶縁性評価および耐電解液性>
接着評価、形状評価の結果から、タブリード封止用積層シーラントフィルムとして実施例1が最適であると考え、実施例1のフィルム1について絶縁性評価および耐電解液性評価を行った。
・絶縁性評価
フィルム1(80μm厚)を適切な大きさにカットし、体積・表面抵抗測定器(株式会社アドバンテスト製、デジタル超高抵抗/微小電流計 R8340/8340A)にて体積抵抗値を測定した。電圧500V、充電時間60秒、放電時間10秒の条件下にて、フィルム1は4.19×1015Ω・cmの高い絶縁性を示した。
・耐電解液性評価
フィルム1(80μm厚)を、フィルム1との接着性がある程度良好なフィルム基材で挟み、加熱温度140℃、0.2MPaで6分間圧着した。このサンプルを電解液で満たした袋に入れて密封し、恒温室(23℃、)にて1日、1週間、2週間、25日間、40日間静置した後に袋を開封してサンプルを取り出し、付着した電解液を除いた。得られた評価サンプルを23℃雰囲気中において、テクスチャーアナライザー(TA.XTplus)を用いて引張り速度50mm/分でT型ピールし、接着強度を評価した。電解液に浸漬した後のフィルム1の基材に対する接着強度について、浸漬前の接着強度からの低下が25%未満であるものを○、25%以上50%未満を△、50%以上であるものを×とした。結果を表6に示す。
Figure 2014208729
フィルム1について、電解液に80日間という長期の間浸漬した条件下においても、基材から剥がれることなく接着性・密着性を保つことができている。
以上の評価結果より、本発明のタブリード封止用積層シーラントは、タブリードとラミネート外装フィルムを接着させる接着性、ラミネート外装フィルムとタブリード材が接することで短絡することを防ぐ絶縁性、電解液を外部に漏洩させない耐電解液性、金属への接着性が電解液によって接着性が低下しないこと等を満足させることができた。

Claims (5)

  1. (A)(a)エポキシ基含有ビニル単量体および(b)芳香族ビニル単量体で変性された、変性エチレンーαオレフィン共重合体60〜90重量部および(B)スチレン共役ジエン系ブロック共重合体40〜10重量部からなるベース樹脂〔ただし、(A)+(B)=100重量部〕に対し、(C)粘着付与剤である芳香族変性テルペン樹脂30〜60重量部を必須成分として含有してなるホットメルト型接着フィルムに、熱可塑性樹脂フィルムを積層してなるタブリード封止用積層シーラントフィルム。
  2. (a)エポキシ基含有ビニル単量体がメタクリル酸グリシジルである、請求項1に記載のタブリード封止用積層シーラントフィルム。
  3. 変性エチレンーαオレフィンが、密度が0.85g/cm〜0.87g/cmであるエチレンーαオレフィン共重合体を変性してなる、請求項1または2に記載のタブリード封止用積層シーラントフィルム。
  4. エチレンーαオレフィンが、エチレン含量が10〜20重量%のエチレンープロピレン共重合体である、請求項3に記載のタブリード封止用積層シーラントフィルム。
  5. 熱可塑性樹脂フィルムが、オレフィン系樹脂からなる請求項1〜4に記載のタブリード封止用積層シーラントフィルム。
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