JP6338366B2 - ホットメルト型接着フィルムおよび成型体 - Google Patents

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Description

本発明はホットメルト接着剤に関する。さらに詳しくはポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などの難接着性材料との接着性に優れたホットメルト型接着フィルムに関する。
熱可塑性エラストマー、エンジニアリングプラスチックス等の熱可塑性樹脂は、物性、成形性および表面特性等に優れているため、塊状、シート状、フィルム状等に加工して自動車、家電、エレクトロニクス、建築、雑貨などの分野で多く使用されている。これらの成形品は、異種材料の成形品を複合化することで性能の高度化、機能の多様化を図ることが一般的に行われている。例えば、自動車内装、住宅内装、家電機器分野において、力学的な物性に富むエンジニアリングプラスチックス等の材料からなる成形品を基材とし、その外層に表面特性、耐候性、装飾性に優れるポリエステル、アクリル、金属箔等からなる表皮材や加飾シートを積層することが幅広く行われている。しかしながら、このような積層体は、異種材を複合化、つまりは接着させる必要があるがため、一般的に各層間の接着力に乏しい例が多く課題である。接着材料としては、溶剤型接着剤とホットメルト型接着フィルムなど使用される。現在、溶剤型接着剤が主流となっているが、塗布むらが出やすいこと、有機溶剤の使用により環境、衛生上の悪影響を生じるという欠点を有する。そのため、簡便かつ接着強度の優れたホットメルト接着フィルムへの置き換えが求められている。
このようなホットメルト型接着フィルムとしては、エチレン系共重合体、スチレン系ブロック共重合体およびオレフィン系(共)重合体からなる群から選ばれる1種以上のベースポリマーと粘着付与樹脂、結晶性極性基含有化合物を含有するもの(特許文献1)、アモルファスポリα−オレフィン、粘着付与樹脂およびポリプロピレン系ワックスを必須成分とするもの(特許文献2)、スチレン−エチレンプロピレン−スチレンブロック共重合ゴムあるいはスチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴムに、粘着付与樹脂成分およびプロセスオイルなどの液状可塑剤を添加してなるもの(特許文献3、4)、変性ポリオレフィンと粘着付与剤を配合してなるもの(特許文献5)、スチレン系ブロック共重合体と酸変性ワックスを配合してなるもの(特許文献6)、酸変性ポリプロピレンと酸変性スチレン系ブロック共重合体を配合してなるもの(特許文献7)、スチレン系ブロック共重合体と粘着付与剤、エチレン系重合体を配合してなるもの(特許文献8、9、10)などが提案されているが、種々の異種材料に対する接着性に満足できるものがない。また、基材となる成形品と加飾シートをホットメルト型接着フィルムにより複合化させる際、加飾シートとホットメルト型接着フィルムとを、加飾シート表面に高温度でエンボス加工すると同時に複合化した後、次いで加飾シート/ホットメルト型接着フィルムと基材とを低温度で複合化させる場合がある。このように二段階で複合化かつ処理温度が異なるといった複雑な成形方法への対応が求められる。また、自動車内装など用途によって接着層に耐熱性が要求されることも増えつつある。
特開平10−168417号公報 特開2004−284575号公報 特開平3−160083号公報 特開平8−60121号公報 特開平6−293845号公報 特開2007−169531号公報 特開2008−163121号公報 特開平11−131037号公報 特開平10−279774号公報 特開平10−265751号公報
従って、本発明の課題は、耐熱性に優れ、異種材が接着可能であり、かつ、二段階で複合化かつ処理温度が異なる成形方法への対応可能なホットメルト型接着フィルムを提供することである。
本発明者らは、上述の現状に鑑み、鋭意検討した結果、
1)(D)ベース樹脂100重量部および(C)粘着付与剤30〜60重量部を含有する第一層と、
(E)前記(C)を含まない熱可塑性樹脂を含有する第二層からなるホットメルト型接着フィルムであって、
前記(D)が、(A)(a)エポキシ基含有ビニル単量体および(b)芳香族ビニル単量体で変性された、変性エチレン−αオレフィン共重合体60〜90重量部と、
(B)スチレン共役ジエン系ブロック共重合体40〜10重量部を含有するものであり、
第二層の熱可塑性樹脂がポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体からなる群より選ばれる、少なくとも一種以上を含む樹脂である、
ホットメルト型接着フィルム。
2)(a)エポキシ基含有ビニル単量体がメタクリル酸グリシジルである、1)に記載のホットメルト型接着フィルム。
3)変性エチレン−αオレフィンが、密度が0.85g/cm〜0.87g/cmであるエチレン−αオレフィン共重合体を変性してなる、1)または2)に記載のホットメルト型接着フィルム。
4)エチレン−αオレフィン共重合体が、エチレン含量が10〜20重量%のエチレン−プロピレン共重合体である、3)に記載のホットメルト型接着フィルム。
5)必要に応じて第一層に(D)ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体からなる群より選ばれるオレフィン系樹脂15重量部以下を含む1)〜4)のいずれかに記載のホットメルト型接着フィルム。
)1)〜)のいずれかに記載のホットメルト型接着フィルムの第一層側の面と、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂および金属製材料からなる群より選ばれた少なくとも1種以上が接着してなる積層体。
本発明のホットメルト型接着フィルムは、異種の難接着基材に複合化することができ、文具、雑貨、食品などの包装材、自動車用部品、住宅資材、家電などの電気電子部品、各種産業用資材などの幅広い分野に用いられる。また、ホットメルト型接着フィルムを製造する際、接着フィルムの片方の面のみにセパレーターフィルムを貼り合せるだけで、ロール状のフィルムを製造することができ、製造コストが安価である。
以下に本発明の詳細について述べる。
(1)変性エチレン−αオレフィン共重合体
変性エチレン−αオレフィン共重合体とは、エチレン−αオレフィン共重合体に芳香族ビニル単量体とエポキシ基含有ビニル単量体をグラフト重合したものである。特に、低温加工での難接着樹脂への接着性を得るためには、変性に用いるエチレン−αオレフィン共重合体の密度が0.85g/cm〜0.87g/cmの、低結晶性、非晶性のエチレンーαオレフィンランダム共重合体であることが好ましい。エチレンーαオレフィンランダム共重合体を形成するα−オレフィンとしては、通常炭素数3〜20のα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセンが挙げられるが、グラフト変性の際、ポリオレフィン上にラジカルが発生しやすくなる点および耐熱性の観点から、プロピレンであることが好ましい。エチレンープロピレン共重合体中のエチレンとプロピレンの含有比率としては、プロピレン含量が80〜90重量%、エチレン含量が10〜20重量%であることが好ましい。エチレン含量がこの範囲より多いと、エチレンープロピレン共重合体の密度が高く低温接着性能が低下するか、耐熱性の面で実用に耐えないといった問題が生じる。さらに、変性時にエチレン部分で架橋反応が先行し、低温接着性が低下するだけでなく、接着性フィルムとして良好な外観のものとして取得できない可能性がある。一方、エチレン含量がこの範囲より少ないと、低温接着性が低下する傾向がある。
変性に使用する共重合体には、上述の、変性樹脂の熱特性を損なわない範囲であれば、他のジエン、ビニルエステルなどを第3成分として共重合してもよい。また、これらの変性エチレン−αオレフィン共重合体は、2種以上を混合して用いてもよく、2種以上の共重合体を混合したものを変性して用いてもかまわない。これらは、粒子状のものであってもペレット状のものであってもよく、その大きさや形はとくに制限されるものではない。
変性エチレン−αオレフィン共重合体の製造には、溶融混練による方法、溶液による方法、懸濁法などの一般的なラジカルグラフト法によって行うことが出来る。この中で、経済的で、簡便かつ生産性に富む点では溶融混練法が好ましい。
変性に用いるモノマーとしては、極性のある被着体との接着性を向上させるため、極性基含有ビニルモノマーが一般に用いられるが、中でも(a)エポキシ基含有ビニル単量体が、得られる接着剤組成物の接着性、フィルム成形性の面で好適である。a)エポキシ基含有ビニル単量体としては、特に制限されないが、好ましくは炭素数4〜20、より好ましくは4〜10のエポキシ基含有ビニル単量体であり、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸グリシジル、マレイン酸モノグリシジル、マレイン酸ジグリシジル、イタコン酸モノグリシジル、イタコン酸ジグリシジル、アリルコハク酸モノグリシジル、アリルコハク酸ジグリシジル、p−スチレンカルボン酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、メタアリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテル、p−グリシジルスチレンなどのグリシジル基含有ビニル単量体、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテンなどのエポキシオレフィン、ビニルシクロヘキセンモノオキシドなどの1種または2種以上が挙げられる。これらのうち、メタクリル酸グリシジルが安価で、溶融変性で適用しやすい点で好ましく、不飽和カルボン酸モノマーと比較して押出変性時に真空脱揮することで容易に除去でき、フィッシュアイや、発泡による穴あきなどの少ない外観の良好なホットメルト型接着フィルムの製造に好適である。
変性エチレン−αオレフィン共重合体中のエポキシ基含有ビニル単量体の含有量は、ベース樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量%であることが好ましい。0.1重量%より少ないと接着性が不充分であり、5重量%より多いと溶融混練中にグラフト鎖が反応して一部架橋を起こし、成形性が劣ると同時にフィッシュアイ、ブツなどによる製品外観が悪化し、且つ、かつ接着性も低下する。(a)エポキシ基含有ビニル単量体の添加量は、エチレン−αオレフィン共重合体100重量部に対して、0.5〜10重量部であることが好ましい。添加量が少なすぎると接着性が充分に改善されない傾向があり、添加量が多すぎるとグラフトに寄与しないフリーポリマーの副生が増大する傾向や、好適な形状や外観を有するフィルム状接着樹脂組成物として取得できない傾向がある。
ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物が一般的に用いられ、例えば水素引き抜き能が高いものとして、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,α´−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシオクテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどのパーオキシエステルが好ましい。これらは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。 前記ラジカル重合開始剤の添加量は、エチレン−αオレフィン共重合体100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲内にあることが好ましく、0.05〜5重量部の範囲内にあることがさらに好ましい。0.01重量部未満では変性が充分に進行せず、10重量部を超えると架橋反応による流動性の低下やゲル分の増加により、接着性が低下することがある。
(a)エポキシ基含有ビニル単量体のグラフト率を向上させる目的で、(b)芳香族ビニル単量体を添加することが好ましい。また、芳香族ビニル単量体を共存させることで、ポリオレフィンの主鎖切断による機械的特性が低下するのを抑えることができ、接着剤組成物の耐熱性を保つことができる。
(b)芳香族ビニル単量体としては、特に制限されないが、好ましくは炭素数4〜20、より好ましくは6〜15の芳香族ビニル単量体である。例示するならば、スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレンなどのメチルスチレン;o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、α−クロロスチレン、β−クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのクロロスチレン;o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレンなどのブロモスチレン;o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、ジフルオロスチレン、トリフルオロスチレンなどのフルオロスチレン;o−ニトロスチレン、m−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン、ジニトロスチレン、トリニトロスチレンなどのニトロスチレン;o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、トリヒドロキシスチレンなどのビニルフェノール;o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼンなどのジビニルベンゼン;o−ジイソプロペニルベンゼン、m−ジイソプロペニルベンゼン、p−ジイソプロペニルベンゼンなどのジイソプロペニルベンゼン;などの1種または2種以上が挙げられる。これらのうちスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどのメチルスチレン、ジビニルベンゼン単量体またはジビニルベンゼン異性体混合物が安価であるという点で好ましい。
前記(b)芳香族ビニル単量体の添加量は、エチレン−αオレフィン共重合体100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、1〜5重量部であることがさらに好ましい。添加量が少なすぎるとエチレン−αオレフィン共重合体に対する(a)エポキシ基含有ビニル単量体のグラフト率が劣る傾向がある。一方、添加量が10重量部を超えると(a)エポキシ基含有ビニル単量体のグラフト効率が飽和域に達するとともに、過剰な架橋反応が進行して、接着性が低下する恐れがある。 溶融混練時の添加順序及び方法については、エチレン−αオレフィン共重合体とラジカル重合開始剤を溶融混練した混合物に不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体、あるいは芳香族ビニル単量体を加え溶融混練する添加順序がよく、この添加順序で行うことでグラフトに寄与しない低分子量体の生成を抑制することができる。なお、そのほか必要に応じ添加される材料の混合や溶融混練の順序及び方法はとくに制限されるものではない。
溶融混練時の加熱温度は、エチレン−αオレフィン共重合体が充分に溶融し、過剰な熱分解、架橋反応、およびフィッシュアイの増加が抑えられるという点で、180〜200℃が好ましい。また前記の溶融混練の装置としては、一軸又は多軸押出機、バンバリーミキサー、プラストミル、加熱ロールニーダー、などを使用することができるが、生産性の面から減圧装置を装備した単軸あるいは二軸押出機を用いる方法が好ましい。溶融混練の時間(ラジカル重合開始剤を混合してからの時間)は、通常30秒間〜60分間である。
(2)スチレン共役ジエン系ブロック共重合体
本発明の(B)成分のスチレン共役ジエン系ブロック共重合体とは、ビニル芳香族化合物を主成分とする重合体ブロックからなるハードセグメントと、共役ジエン化合物を主成分とする重合体からなるソフトセグメントを有するブロック共重合体であり、ブロックAがビニル芳香族化合物、ブロックBが共役ジエン化合物であるとしたときに、一般式A−B、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A等で表される。ブロック共重合体を用いることで、各種粘着付与剤との併用で、低温加工での各種基材との接着性が得られると共に、低タック性、耐熱性のバランスの取れた接着性樹脂組成物の製造が可能である。
スチレン共役ジエン系ブロック共重合体の好ましい例としては、スチレン−ブタジエンジブロックコポリマー、スチレンーブタジエントリブロックコポリマー、スチレンーイソプレンジブロックコポリマー、スチレンーイソプレントリブロックコポリマー、水素添加スチレン−ブタジエンジブロックコポリマー、水素添加スチレンーブタジエントリブロックコポリマー、水素添加スチレンーイソプレンジブロックコポリマー、水素添加スチレンーイソプレントリブロックコポリマーなどが挙げられ、耐熱性および耐候性が良好なものとなる点から、水素添加スチレン−イソプレントリブロックコポリマー(SEPS)、水素添加スチレン−ブタジエントリブロックコポリマー(SEBS)、が特に好ましい。
(3)粘着付与剤
(C)成分の粘着付与剤としては、種々のものがあるが、変性エチレンーαオレフィン中のエポキシ基と反応する構造を含まない脂環族系石油樹脂、テルペン樹脂(α−ピネン、β-ピネン、リモネンなどの重合体)、芳香族変性テルペン樹脂が好ましく、中でも濡れ性、ハンドリング性、耐熱性の観点から芳香族変性テルペン樹脂がより好ましく、入手のしやすさからスチレン変性テルペン樹脂が特に好ましい。テルペンフェノール樹脂や、ロジン系樹脂は、その構造上、低酸価、低水酸基価とすることが困難であるため、溶融混練、変性樹脂中のエポキシ基と反応して、フィッシュアイ、ゲルが増加するだけでなく、樹脂組成物が増粘し、フィルム成形性が悪く傾向がある。低温加工での接着性、耐熱性、接着剤樹脂組成物のハンドリングの観点から、環球法による軟化点が90℃以上、好ましくは100〜170℃より好ましくは、130〜160℃の範囲ものを用いることが好ましい。軟化点が90℃よりも低いものであると接着剤組成物の耐熱性が低下するとともに、スチレン系熱可塑性エラストマーやエチレン−αオレフィン共重合体との溶融混練が困難となるばかりか、接着剤樹脂組成物の常温タックが強くなりすぎてフィルム成形が困難となる。粘着付与剤としては、単独あるいは2種以上をあわせて用いることができる。
(4)第一層の接着性樹脂組成物
本発明のホットメルト型接着フィルムをなす第一層の接着性樹脂組成物の配合割合としては、(1)変性エチレン−αオレフィン共重合体60〜90重量部および(2)スチレン共役ジエン系ブロック共重合体40〜10重量部[ただし、(A)+(B)=100重量部]のベース樹脂に対し、粘着付与剤30〜60重量部である。(C)成分の粘着付与剤の配合量としては、40〜50重量部であることがより好ましい。(C)成分の粘着付与剤の配合量が、30重量部より少ないと被着体へのぬれ性が乏しくなり接着性が低下し、60重量部より多いと凝集力が乏しくなり接着性、耐熱性が低下するとともに、接着性樹脂組成物のタックが強くなりすぎて、配合およびフィルム成形時の取り扱いが困難となる。一方で、ベース樹脂中(A)変性エチレン−αオレフィン共重合体と(B)スチレン系熱可塑性エラストマーの配合比としては、(A)65〜85重量部、(B)35〜15重量部がより好ましく、(A)70〜80重量部、(B)30〜20重量部であることがさらに好ましい。この配合比とすることで、低温接着加工での被着体への充分な濡れ性と、常温でのタックのバランスが取れた接着剤樹脂組成物を得ることができる。
なお、接着性樹脂組成物には必要に応じて、エチレン重合体(PE)、αオレフィン重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、EVAなどの樹脂、酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加工安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属石鹸、制酸吸着剤などの安定剤、または架橋剤、連鎖移動剤、核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難燃剤、帯電防止剤などの添加剤を本発明の効果を損なわない範囲内で添加してもよい。これらの樹脂、安定剤および添加剤を用いる場合は、予めスチレン系熱可塑性エラストマーまたは、エチレン−αオレフィン共重合体に添加されているものであってもよく、これらの溶融変性の際に添加されるものであってもよく、接着性樹脂組成物を溶融混錬により製造する際に添加されるものであってもよく、後述のホットメルト型接着フィルムの製造の際に添加されるものであってもよい。
(4)第二層の接着性樹脂組成物
本発明のホットメルト型接着フィルムをなす第二層の接着性樹脂組成物は、第一層では必須成分となる(C)成分の粘着付与剤を含まない熱可塑性樹脂組成物である。粘着付与剤を含む第一層は比較的低温条件での接着が可能であるのに対し、第二層は第一層よりも高温度で接着性を発現させる目的で、(C)成分の粘着付与剤を含まない熱可塑性樹脂であることが好ましい。一般的に、ホットメルト型接着フィルムを用いて加飾シートと基材となる成形品とを複合化する際は、第一ステップとして加飾シートとホットメルト型接着フィルムを複合化し、次いで第二ステップで基材と複合化する。このように段階的に複合化を行うため、それぞれの加工温度も異なる場合が多い。特に、加飾フィルム表面にエンボス加工しながらホットメルト型接着フィルムを複合化する際は、高温度での加工が必要となる。例えば、加飾シートと接する面を本発明の第二層側、基材と接する面を第一層側に配置し、第一ステップが高温度、第二ステップが低温度で加工する際、第二層に粘着付与剤が含まれていると、粘着付与剤が接着表面にブリードアウトし接着強度が低下したり、接着ムラが生じることがある。また、自動車分野向けの成形品などでは、高温下において加飾フィルムが剥離しないことが要求され、接着層の耐熱性が必要な場合もある。そのため第二層に粘着付与剤が含まれていると耐熱性が低下することもあり好ましくない。
本発明のホットメルト型接着フィルムをなす第二層の接着性樹脂組成物は以下に制限されるものではないが、例えば、前記の(B)成分のスチレン共役ジエン系ブロック共重合体、変性エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン重合体(PE)、αオレフィン重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、EVA、マレイン酸変性オレフィン重合体等の酸変性オレフィン重合体、(メタ)アクリル酸エステル重合体、ポリエステル系重合体、ポリカーボネート系重合体、ウレタン系重合体などの群から選ばれる一つ以上の熱可塑性樹脂組成物が挙げられる。中でも、前記の変性エチレン−αオレフィン共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物を用いることが好ましい。
(5)ホットメルト型接着フィルムの製造方法
本発明のホットメルト型接着フィルムの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば接着性樹脂組成物を溶融混練により得た後に、各種の押出成形機、インフレーション成形機などを用いて二層構成のシート状成形体に加工することが可能である。中でも、先端に共押出可能なT型ダイスを備えた押出機を使う方法が汎用的で好ましい。共押出ダイスはマルチマニホールド方式やフィードブロック方式などが好適である。溶融混錬の装置としては、一軸又は多軸押出機、バンバリーミキサー、プラストミル、加熱ロールニーダー、などを使用することができる。生産性の面から減圧装置を装備した単軸あるいは二軸押出機を用いる方法が好ましい。また、各々の材料を充分に均一に混合するために、前記溶融混練を複数回繰返してもよい。
ホットメルト型接着フィルムを製造する場合、フィルム単体をロール状に製造すると、フィルム同士がブロッキングするため、ホットメルト型接着フィルムの両面に離型PETなどのセパレーターフィルムを貼り合せる必要があり、生産コストが高いといった課題がある。ところが本発明のホットメルト型接着フィルムの第二層には粘着付与剤が含まれないため、常温下における第二層の表面はタックが少なく、フィルム生産工程のロールへの貼り付きが小さく、第二層表面側には貼り付き防止用のセパレーターがなくても生産可能であり、大幅に生産コストを削減でき有用である。
本発明のホットメルト型接着フィルムの厚みは特に制限はないが、10〜200μmが好ましく、20〜150μmがより好ましい。また、本発明のホットメルト型接着フィルムの第一層と第二層の厚み比率は特に制限はく、用途によって第一層と第二層の厚みを任意に決定すればよい。
(6)ホットメルト型接着フィルムを含む積層体 本発明のホットメルト型接着フィルムの第一層側は、比較的低い処理温度で種々の基材と接着可能であり、第二層側は、第一層側よりも高い処理温度で種々の加飾シートと接着可能であり、加飾シート/ホットメルト型接着フィルム/基材といった積層体が二段階成形により容易に得られる。本発明のホットメルト型接着フィルムの第二層側と加飾シートを接着する際の処理温度としては、120〜250℃が好ましく、第一層側と基材を接着する際の処理温度としては、90〜130℃が好ましい。本発明の積層体を構成する材料としては、紙、木綿,麻,布、木板などのセルロース系高分子材料、ポリプロピレン,ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン,スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS樹脂),スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂),アクリロニトリル−エチレン/プロピレン−スチレン共重合体(AES樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン、ポリウレタンなどのポリアミド系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の合成高分子材料、金、銀、銅、鉄、錫、鉛、アルミニウムなどの金属材料が挙げられる。これら材料は、異なる2種類以上の材料を混合、複合してもよい。また、積層体が本発明の接着性フィルムを介して、異なる2つの被着体が接着してなるものである場合、2つの基材を構成する材料は、同じ種類の材料でも異なる種類の材料のいずれでもよい。本発明のホットメルト型接着フィルムは、材料の接着面を処理することなく、強力な接着が可能であるが、必要に応じて、プラズマやレーザーなどによる表面改質、表面酸化、エッチングなどの表面処理等を実施してもよい。
(7)用途 本発明の積層体の用途の具体例としては特に限定されないが、基材として表皮材及び成形品を使用する用途、例えば自動車等の内装材料(自動車内装用天井材,自動車内装用ドア部材,自動車内装用ダッシュボード部材、インパネ等)、家電部品(パソコン筺体、薄型テレビのフレーム等)、住居資材(内装壁板、化粧フィルム等)として好適に使用することができる。ここで用いられる表皮材とは、予めフィルム、シート、発泡体、各種不織物、織物に成形されたものであり、例えば、ポリ塩化ビニル、各種ポリオレフィン、ABSから製造される高分子製加飾シート、ポリエステル不織布、起毛ニット、ファブリック、ポリウレタンレザー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレン、およびこれらオレフィンの共重合体を主成分として製造されるポリオレフィン系発泡体などが挙げられる。また、ここで用いられる成形品としては、ABS、PC/ABS、ポリオレフィン、ガラス繊維強化ポリオレフィン、ガラス繊維強化ナイロンなどの各種高分子材料の射出成形品、木材チップ、木質粉などを熱硬化性樹脂やポリオレフィン樹脂で熱プレス成形により固めた木質成形品や木質ボードが挙げられる。
本発明のホットメルト型接着フィルムは、耐熱性が要求され、かつ第二層側と加飾フィルムを貼り合せると同時に表面を高温度でエンボス加工した後、第一層側と基材を比較的低い温度で接着させる加工法で得られるエンボス加工成形品加飾の用途に好適である。
本発明に関わる多層積層体を製造するにあたっては、熱ラミネート、真空成形、真空圧空成形、熱プレス、熱ロール、ホットスタンプ成形など、種々の成形方法を採用できる。中でも真空成形、真空圧空成形、ホットスタンプ成形は、表皮材とアールを有する成形品の接着に適用できる点で好ましい。アールを有する成形品とは、上に例示したような材質の成形品のうち、表皮材と接着する面として、平面円弧状の面を有する成形品を指し、自動車内装や家電筐体の形状骨格をなす成形品である。積層体の製造方法としては、例えば表皮材に接着フィルムを加熱ラミネートしておき、これを各成形に付すことで、成形体の形状に沿って表皮材を積層することができる。熱プレスや熱ロールは、このような成形品の円弧形状を損なう可能性があり好ましくない。特に、真空圧空成形は、表皮と成形品の接着の際、圧空圧をかけることにより、成形品の端部から成形品裏側にかけて表皮材を巻き込ませることができ、さらには、深絞り形状の成形品を被着体とした積層体を製造にも適用できる。
以下に具体的な実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。下記実施例および比較例中「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
1.変性エチレン−αオレフィンの製造
変性エチレン−αオレフィンの物性測定は以下のようにして行った。
(変性エチレン−αオレフィン共重合体中のメタクリル酸グリシジル、無水マレイン酸含量の分析)メタクリル酸グリシジル、無水マレイン酸含量は、得られた変性エチレンープロピレン共重合体ペレットを110℃に加熱したクロロベンゼンに溶解した後、そのクロロベンゼン溶液をアセトン中に滴下し再沈殿物させ、得られた再沈殿物について滴定を行うことにより得た。
(変性エチレン−αオレフィン共重合体中DSC測定法)
示差走査型熱量計(SHIMADZU社製、DTG−50)を用い、試料を窒素雰囲気下、240℃まで、20℃/分で昇温させ、直ちに40℃以下まで降温した後、240℃まで再度20℃/分で昇温下時に得られた融解吸熱カーブから観測されるピークのピークトップとして定義される温度を融点(Tm)、その融解熱量をΔH(J/g)とした。
(製造例1)
エチレン−プロピレン共重合体((株)ダウ製ヴァーシファイ3401、MFR8、エチレン含量15重量%、密度0.863g/cm)100部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(1分間半減期175℃)0.5部をシリンダー温度200℃、回転数150rpmに設定した二軸押出機(44mmφ、L/D=38.5、(株)日本製鋼所製、製品名TEX44XCT)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりメタクリル酸グリシジル3部、スチレン3部加え溶融混練した後、脱揮してストランド状に押出し、水冷後カッティングして、変性エチレン−プロピレン共重合体(A1)を得た。得られた変性エチレン−プロピレン共重合体(A1)の物性は、表1の通りであった。(製造例2)
エチレン−プロピレン共重合体((株)ダウ製ヴァーシファイ4301、MFR25、エチレン含量12重量%、密度0.867g/cm)100部、1,3−ジ(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(1分間半減期175℃)0.5部をシリンダー温度200℃、回転数150rpmに設定した二軸押出機(44mmφ、L/D=38.5、(株)日本製鋼所製、製品名TEX44XCT)に供給して溶融混練した後、次いで、シリンダー途中よりメタクリル酸グリシジル3部、スチレン3部加え溶融混練した後、脱揮してストランド状に押出し、水冷後カッティングして、変性エチレン−プロピレン共重合体(A2)を得た。得られた変性エチレン−プロピレン共重合体(A2)の物性は、表1の通りであった。
Figure 0006338366
2.ホットメルト型接着フィルムの製造
表2の実施例1〜3及び、比較例1〜3の配合比率に従って、上述の製造例1〜2で得られた変性エチレンープロピレン共重合体(A1)〜(A2)および未変性エチレンーαオレフィン共重合体(A3)〜(A4)、下記原料(B1)、(C1)、(D1)を、水中カットペレタイザーを取り付けた、シリンダー温度180℃に設定した上記二軸押出機で溶融混練して、第一層接着性樹脂ペレットおよび第二層接着性樹脂を得た。なお、(A1)〜(A4)を単独で第一層または第二層として用いる場合は、上記の二軸押出機による溶融混練を省略した。得られたそれぞれの接着性樹脂ペレットを、シリンダー温度200℃に設定した2台の単軸押出機(40mmφ、L/D=22)の先端に二種二層フィードブロック方式のT型ダイス(600mm幅)を取り付けた共押出フィルム成形機を用いて、幅約500mm、厚み50μmの二層構成フィルムを成形した。
(A1)〜(A2)変性エチレンーαオレフィン共重合体(製造例1〜2)
(A3)エチレンーαオレフィン共重合体(ダウケミカル製、ヴァーシファイ3401、MFR8)
(A4)エチレンーαオレフィン共重合体(ダウケミカル製、ヴァーシファイ4301、MFR25)
(B1)水素添加スチレンイソプレントリブロックコポリマー((株)クラレ製、SEPTON2063)
(C1)スチレン変性テルペン樹脂((株)ヤスハラケミカル製、YSレジンTO125、軟化点125℃)
(D1)ポリエチレン(日本ユニカー(株)製、DNDV−0405R、軟化点105℃)
Figure 0006338366
3.ホットメルト型接着フィルムの評価 上述の実施例1〜3及び比較例1〜3のホットメルト型接着フィルムについて、接着性および耐熱接着性を評価し、表3に記載した。各評価は、下記の方法に従って行なった。
<接着評価>
ホットメルト接着フィルムを、厚み50μmのAESフィルムと厚み2mmのPPプレートの間に、第一層側がPPプレートに接触するよう挟み、加熱温度140℃、0.2MPaで4分間圧着して接着評価サンプルとした。この接着評価サンプルはAESフィルムの一端をPPプレートよりも100mm長く切り出し挟みしろを設けた。得られた接着評価サンプルを23℃雰囲気中において、引張り速度100mm/分でAESフィルムを180度ピールし、強度(N/25mm)と破壊状態を評価した。破壊状態としては、接着フィルムの破壊、界面剥離(PPプレートと接着フィルム界面での界面剥離)で表記した。評価判定は以下の基準で行った。
○:接着強度が20N/cm以上であった。
△:接着強度が5N/cm以上であった。
×:接着強度が5N/cm未満であった。
<耐熱接着評価(クリープテスト)> ホットメルト接着フィルムを、厚み50μmのAESフィルムと厚み2mmのPPプレートの間に、第一層側がPPプレートに接触するよう挟み、加熱温度140℃、0.2MPaで4分間圧着し複合材料を得た。このときAESフィルムの一端をPPプレートよりも長く切り出し挟みしろを設けた。得られた複合材料を幅25mmのサイズに切断し、AESフィルム面側が下方になるよう水平に固定し、AESフィルムの一端の挟みしろに100gの分銅を取り付け、70℃の雰囲気下で24時間放置後の剥離距離を測定した。評価判定は以下の基準で行った。
○:剥離距離が10mm未満
×:剥離距離が10mm以上
Figure 0006338366
表3に示すとおり、実施例1〜3の請求範囲内のホットメルト型接着フィルムは、良好な接着性、耐熱接着性を有するのに対して、比較例に示したホットメルト型接着フィルムは、評価項目のいずれか、または全てがより低い評価結果となった。

Claims (6)

  1. (D)ベース樹脂100重量部および(C)粘着付与剤30〜60重量部を含有する第一層と、
    (E)前記(C)を含まない熱可塑性樹脂を含有する第二層からなるホットメルト型接着フィルムであって、
    前記(D)が、(A)(a)エポキシ基含有ビニル単量体および(b)芳香族ビニル単量体で変性された、変性エチレン−αオレフィン共重合体60〜90重量部と、
    (B)スチレン共役ジエン系ブロック共重合体40〜10重量部を含有するものであり、
    第二層の熱可塑性樹脂がポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体からなる群より選ばれる、少なくとも一種以上を含む樹脂である、
    ホットメルト型接着フィルム。
  2. (a)エポキシ基含有ビニル単量体がメタクリル酸グリシジルである、請求項1に記載のホットメルト型接着フィルム。
  3. 変性エチレン−αオレフィンが、密度が0.85g/cm〜0.87g/cmであるエチレン−αオレフィン共重合体を変性してなる、請求項1または2に記載のホットメルト型接着フィルム。
  4. エチレン−αオレフィン共重合体が、エチレン含量が10〜20重量%のエチレン−プロピレン共重合体である、請求項3に記載のホットメルト型接着フィルム。
  5. 必要に応じて第一層に(D)ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体からなる群より選ばれるオレフィン系樹脂15重量部以下を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載のホットメルト型接着フィルム。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載のホットメルト型接着フィルムの第一層側の面と、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂および金属製材料からなる群より選ばれた少なくとも1種以上が接着してなる積層体。
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