{第1実施形態}
以下、第1実施形態に係るサンシェード装置の取付構造について説明する。
図1は、第1実施形態に係るサンシェード装置30の分解斜視図である。図2及び図3は、第1実施形態に係るサンシェード装置の取付構造20の組立途中状態を示す斜視図である。図3は、図2を反対側(ウインドウ12側)から見た図である。図4は、図2の一対の係止部81周辺の部分拡大図である。図5は、図3のネジ穴15h周辺の部分拡大図である。図6及び図7は、第1実施形態に係るサンシェード装置の取付構造20を示す斜視図である。図7は、図6を反対側(ウインドウ12側)から見た図である。
また、図8は、立設片17を一対の係止部81に嵌める様子を示す部分拡大斜視図である。図9及び図10は、サンシェード装置の取付構造20の組立方法例を示す説明図である。図11は、サンシェード装置の取付構造20を示す概略断面図である。図12〜図14は、サンシェード装置の取付構造20の取り外し方法例を示す説明図である。
第1実施形態に係るサンシェード装置の取付構造20は、車両のウインドウ12を覆うことが可能なサンシェード装置30が、ウインドウ12周縁で車体の車室内側に固定されたトリム14の背面へと取り付けられるものである。このサンシェード装置30から引出されるサンシェード32によってウインドウ12が車内側から覆われる。
<サンシェード装置30の周辺構成>
ここで、サンシェード装置30の周辺構成について説明しておく。サンシェード装置30の周辺構成には、サンシェード装置30が取り付けられるトリム14も含まれる。
ウインドウ12としては、自動車等の車両に設けられるサイドドアウインドウ、リアウインドウ等の種々のウインドウが想定される。ここでは、ウインドウ12が自動車のサイドのドア10に設けられるウインドウ12である例で説明する。
なお、以降の説明における上下の方向は、車両における上下の方向である。
ドア10は、車体の乗員室側方を開閉可能に覆う部材であり、車体の乗員室側方開口の下部を覆うドア本体部11と、ドア本体部11に対して上方に突出及び退避可能に設けられるウインドウ12とを備える。
ドア本体部11は、車体の一部である外側ドアパネル部11aと、外側ドアパネル部11aの車室内側に取付けられたトリム14とを備える。外側ドアパネル部11aは、ドア10の骨格を構成すべく、金属等によって形成されている。トリム14は、ドアトリム等と呼ばれる部材であり、樹脂等で形成されている。外側ドアパネル部11aに対するトリム14の取付は、嵌め込み構造、ネジ止構造等によりなされる。通常、ドア本体部11の上方には、ドア本体部11から上方に出ているウインドウ12を囲む窓枠が形成されるが、これは必須ではない。
外側ドアパネル部11aとトリム14との間には、ウインドウ12を収容可能な空間が形成されている。また、外側ドアパネル部11aとトリム14との間には、ウインドウ12を上下移動させるウインドウ開閉機構(図示省略)が組込まれている。そして、ウインドウ開閉機構の駆動によって、ウインドウ12がドア本体部11内に収容された開位置とドア本体部11の上方に突出した閉位置との間で上下移動される。
上記トリム14の上側部分15は、閉位置にあるウインドウ12の下方の周縁部に沿って配設される。本実施形態では、サンシェード装置30は、トリム14の上側部分15に沿って取付けられることで、ウインドウ12の周辺部に沿って配設される。より具体的には、トリム14の上側部分15は上方に向けて外側(ウインドウ12側)に向うように傾斜又は湾曲する形状に形成されると共に、そのウインドウ12側端部である上側縁部15aはウインドウ12側に向けて突出する形状に形成されている。このトリム14の上側部分15の内側(ウインドウ12側)にサンシェード装置30の一部を収容可能な凹状の空間が形成される。また、上側縁部15aとウインドウ12との間には、サンシェード装置30の一部を配設可能な隙間が形成される。さらに、トリム14の上側部分15の内側に、係止部材16としての立設片17と、ネジ穴15hとが設けられている。
立設片17は、ここでは、ネジ穴15hよりも上方で、上側縁部15aの近傍に形成されている。また、立設片17は、上側縁部15aの延在方向に沿って間隔をあけて、複数(ここでは、5つ)形成されている。なお、立設片17の形状については、サンシェード装置30に設けられる被係止部材80としての一対の係止部81の形状と共に後に詳述する。
ネジ穴15hは、ここでは、係止部材16よりも下方に形成されている。また、ネジ穴15hは、上側縁部15aの延在方向に沿って間隔をあけて、複数(ここでは、3つ)形成されている。ここでは、ネジ穴15hは、トリム14の内側部分から円柱状に突出する部分に形成されている。そして、後に詳述するように、上記上側縁部15a、係止部材16、ネジ穴15hを利用して、サンシェード装置30がトリム14に取付けられる。
なお、上記外側ドアパネル部11aの上縁部には、ゴム等の弾性材料で形成されたウェザーストリップ11bが取付けられている。このウェザーストリップ11bとサンシェード装置30側に取付けられたウェザーストリップ92(後述する)との間でウインドウ12が挟込まれることで、ウインドウ12と外側ドアパネル部11aとサンシェード装置30及びトリム14との間の各隙間が塞がれている。
<サンシェード装置の取付構造の全体構成>
サンシェード装置の取付構造20は、トリム14に形成された係止部材16としての立設片17と、サンシェード装置30に形成された被係止部材80としての一対の係止部81と、を備える。
サンシェード装置30は、サンシェード32と、付勢機構40と、ハウジング50と、を備える。
サンシェード32は、ウインドウ12を遮蔽可能な部材であり、ここでは、ウインドウ12とほぼ同じ形状、大きさで広がる形状に形成されている。サンシェード32は、布材、メッシュ状の布材、樹脂シート等を裁断、縫製等することにより形成されており、付勢機構40によって巻取可能な柔軟性を有している。
また、サンシェード32が付勢機構40によって巻取られた状態で、サンシェード32の引出方向先端側の端部には、引出部材34が取付けられている。引出部材34は、棒状部35と、ノブ部36とを備える。
棒状部35は、サンシェード32の先端側縁部の少なくとも一部に沿って配設され、当該先端側縁部を直線状に維持する役割を果す。ここでは、サンシェード32の先端部を筒状に縫合し、当該筒状部分内に棒状部35を挿入することで、引出部材34がサンシェード32の先端部に取付けられている。もっとも、サンシェードの先端部を引出部材で挟込む等してサンシェードと引出部材とを固定するようにしてもよい。また、サンシェード32の先端部に不織布を筒状に形成したものを縫合し、筒状の不織布に棒状部35を挿入して引出部材34をサンシェード32の先端部に取り付けてもよい。
ノブ部36は、棒状部35の長手方向中間部に取付けられている。ここでは、ノブ部36は、棒状部35から延びる基端部36aと基端部36aの先端から基端部36aの両側方向(基端部36aの延びる方向と交差する方向)に延びる一対の先端部36bとを含む。そして、ノブ部36を持つことで、サンシェード32を付勢機構40から容易に引出すことができる。また、ノブ部36がハウジング50の引出口52周縁に当接することで、ハウジング50内への引出部材34の移動が規制されている。
巻取シャフト42は、長尺円筒状に形成された部材であり、巻取シャフト42の外周面にその軸方向に沿ってサンシェード32の基端縁部(収納側端部)が固定されている。そして、巻取シャフト42をその軸周りに回転させることで、巻取シャフト42にサンシェード32を巻取ることができる。
また、巻取シャフト42の両端部に一対の支軸部43a,43bが装着されている。一方の支軸部43aは、後述する一対の巻取機構支持部72bのうちの一方に回転可能に挿通支持されると共に、巻取シャフト42の一端部に回転不能に挿通支持されている。他方の支軸部43bは、一対の巻取機構支持部72bのうちの他方に一体形成されている。また、支軸部43bには、短筒状の軸受部43cが回転可能に外嵌めされている。この筒状の軸受部43cは、巻取シャフト42の他端部に回転不能に嵌め込んで支持されている。そして、一対の巻取機構支持部72bの間で、巻取シャフト42が回転可能に支持されている。
巻取付勢部44は、巻取シャフト42を、サンシェード32の巻取方向に付勢する部材である。ここでは、巻取付勢部44は、付勢部材としてのコイルばね45aと、内部バネ固定部45bとを備える。内部バネ固定部45bは、巻取シャフト42内に回転不能に固定されている。コイルばね45aは、支軸部43bと内部バネ固定部45bとの間で、巻取シャフト42内に挿入配置されている。また、コイルばね45aの一端部は内部バネ固定部45bに回転不能に連結されている。また、コイルばね45aの他端部は、上記のように他方の巻取機構支持部72bに一体形成されることによって回転不能に支持された支軸部43bに回転不能に固定されている。そして、他方の支軸部43bに対して巻取シャフト42を相対回転させると、コイルばね45aが捻られる。このように捻られたコイルばね45aが元に戻ろうとする力を利用して、サンシェード32が巻取シャフト42に巻取られる。また、当該力よりも大きい引出力で引出部材34を引張ることで、サンシェード32を巻取シャフト42から引出すことができる。
なお、上記コイルばね45aには、ゴム等で形成された弾性チューブ46が被されており、この弾性チューブ46によって、コイルばね45aと巻取シャフト42の内周面との直接接触による異音が抑制されている。
<ハウジング>
ハウジング50は、付勢機構40を内部に収納している。また、ハウジング50には、サンシェード32を引出す引出口52が形成されている。より詳細には、ハウジング50は、付勢機構40を覆った状態で当該付勢機構40を支持するための部材である。ここでは、付勢機構40は、ハウジング50を介してウインドウ12の周縁で外側ドアパネル部11aの車室内側に取付けられたトリム14の上側部分15に取付けられる。また、巻取シャフト42に巻き取られた状態のサンシェード32をハウジング50で覆うことで、付勢機構40及びサンシェード32の汚れ防止等がなされる。また、ハウジング50には、被係止部材80が設けられている。
ハウジング50は、ここでは、第1部材60と、第2部材70とを備える。第1部材60と第2部材70とは別体で形成されるとともに、合体可能に形成されている。第1部材60及び第2部材70は、それぞれ樹脂製、より具体的には、樹脂の射出成型品として一体成型された部材である。
第1部材60及び第2部材70は、合体状態で、サンシェード32を巻取った巻取シャフト42を有する付勢機構40を収容可能な筒形状をなす。この際、ハウジング50の外周面において第1部材60と第2部材70との間には隙間が設けられている部分がある。当該隙間は、第1部材60及び第2部材70の長手方向に沿って設けられるとともに、ハウジング50のうち付勢機構40が収容される空間とつながっている。これにより、当該隙間が、サンシェード32をハウジング50から引出すための引出口52をなしている。なお、第1部材60及び第2部材70が、全体として形成する筒形状は、円筒形状であってもよいし、角筒形状であってもよいし、円筒形状と角筒形状とが組合わされた形状であってもよい。
ここでは、第1部材60及び第2部材70が合体状態で全体として形成する筒形状は、略円筒形状と略角筒形状(ここでは、四角筒)とが組合わされた形状をなしている。円筒形状の部分の内部空間と角筒形状の内部空間とは連通している。このうち円筒形状の内部に付勢機構40及び付勢機構40に巻取られたサンシェード32が収容される。また、角筒形状の部分の内部を通ってサンシェード32が引出されていき、角筒形状の部分の外面に形成された上記開口部からハウジング50の外部へと出ていく。つまり、角筒形状の内部及び外面の開口部が上記引出口52をなしている。
そして、第1部材60及び第2部材70が共に角筒形状部分の一部と円筒形状部分の一部とを含むように分割されている。これにより、ここでは、第1部材60には、円弧状部分61と直線状部分62とが形成されている。同様に第2部材70にも、円弧状部分71と直線状部分72とが形成されている。
第1部材60の円弧状部分61と第2部材70の円弧状部分71とは、それぞれハウジング50の円筒形状部分の側面の一部を構成している。第1部材60の円弧状部分61の内面と第2部材70の円弧状部分71の内面とは、それぞれ巻取シャフト42に巻取られたサンシェード32に沿った形状に形成されている。そして、第1部材60の円弧状部分61と第2部材70の円弧状部分71とで、サンシェード32と間隔をあけてサンシェード32を囲っている。
第1部材60の直線状部分62と第2部材70の直線状部分72とは、それぞれハウジング50の角筒形状部分の一側面を構成している。より詳細には、第2部材70の円弧状部分71の一端部に当該一端部の接線方向に沿って第2部材70の直線状部分72が連なる形状に形成されている。第1部材60の直線状部分62は、第1部材60の円弧状部分61の一端部から、第2部材70の直線状部分72とほぼ平行に延びるように形成されている。そして、第1部材60の直線状部分62と第2部材70の直線状部分72とは、間隔をあけて配設され、その間の部分がシェードを引き出す引出口52をなしている。また、第1部材60の直線状部分62の外面は、平坦な面に形成され、トリム14の上側縁部15aに当接している。
なお、ここでは、第2部材70の長手方向両端部は端部壁部72aによって閉じられている。このように第2部材70の少なくとも一方の長手方向端部(ここでは両端部)を端部壁部72aによって閉じる形状に一体成型することで、第2部材70の剛性を向上させることができる。
第2部材70の長さ寸法は、巻取シャフト42の長さ寸法及び第1部材60の長さ寸法よりも大きく設定されている。また、第1部材60の長さ寸法は、巻取シャフト42と同程度に設定されており、巻取シャフト42の長手方向全体を覆るようになっている。より詳細には、ここでは、第1部材60の円弧状部分61及び巻取シャフト42は、第2部材70の両端部に設けられた端部壁部72aの間に位置している。
<ロック構造>
別体に設けられた上記第1部材60及び第2部材70を合体した状態に保つための構成について説明する。
ここでは、第1部材60と第2部材70とは、第1部材60に設けられたロック部64と、第2部材70に設けられた被ロック部74とがロックされることで合体した状態に保たれている。
ロック部64は、ここでは、第1部材60のうち円弧状部分61の外面に形成されている。ロック部64は、ここでは、位置決片65と、位置決片65の先端に設けられたロック爪66とを含む。ロック部64は、射出成型等によって第1部材60と一体成型された部分である。
被ロック部74は、ここでは、第2部材70のうち、円弧状部分71のうち直線状部分72と連なる側とは反対側の端部から延出する延出部73に設けられている。被ロック部74として、ここでは、位置決片65が嵌る位置決凹部75と、位置決凹部75の内周面に設けられ、ロック爪66が嵌まって係止するロック孔76とが設けられている。
より具体的には、第1部材60の円弧状部分61のうち直線状部分62に連なる側とは反対側に位置する端部の外面から下方に突出するように位置決片65が設けられている。位置決片65は、第1部材60の長手方向に沿って全体に亘って設けられている。この位置決片65の先端にロック爪66が位置決片65の長手方向に間隔をあけて複数(ここでは、6つ)設けられている。
ロック爪66は、位置決片65の先端からさらに下方に向かって突出するロック片67と、ロック片67の先端側の側面からロック片67の突出方向と直交する方向であって第1部材60の外面側に突出するロック突部68とを含む。ロック突部68は、ロック片67の先端に向かって徐々に突出寸法が小さくなるように形成されている。これにより、ロック突部68のうちロック片67の先端に向かって徐々に突出寸法が小さくなるように形成された部分の外面は傾斜してガイド面68aをなしている。
延出部73は、第2部材70の円弧状部分71のうち直線状部分72に連なる側とは反対側の端縁部からその接線方向に突出する第1延出片73aと第1延出片73aの先端から第1延出片73aの突出方向と交差する(ここでは、直交する)方向に延びる第2延出片73bとを含む。これにより、ここでは、延出部73は、その横断面が略L字状に形成されている。第1延出片73a及び第2延出片73bは、第2部材70の長手方向に沿って全体に亘って形成されている。なお、第1延出片73aは、位置決片65が嵌まる位置決凹部75が形成されている関係で、第2延出片73bに比べて厚肉に形成されている。
位置決凹部75は、第1延出片73aのうちその突出方向中間部分の内向き面側に溝状に形成されている。位置決凹部75は、第2部材70の長手方向に沿って全体に亘って形成されている。位置決凹部75の内周面は、ここでは、位置決片65の外面に沿った形状に形成されている。位置決凹部75の開口部の外周縁部のうちロック突部68が突出している側(第1延出片73aの延出方向先端側)の部分は角部がロック突部68に対して滑らかに接することができるように丸められている。また、位置決凹部75の内周面のうちロック突部68が突出している側の面は底面に向かって徐々に幅狭となるように若干テーパ状に形成されている。
ロック孔76は、ここでは、第2部材70の延出部73のうちロック爪66に対応する各位置に形成されている。ロック孔76としては、ここでは、第1延出片73aのうち位置決凹部75の底に相当する部分を貫通する第1貫通孔(図示省略)と第2延出片73bのうち基端側部分を貫通する第2貫通孔76aとが形成されている。第1貫通孔はロックする際にロック爪66が通る部分である。第2貫通孔76aは、第1貫通孔を通ったロック爪66のロック突部68がその内周縁部に引っ掛かって係止する部分である。
第1部材60及び第2部材を合体させるには、例えば、以下のようにする。即ち、位置決片65が位置決凹部75に嵌まるように、第2部材70に対して第1部材60を接近移動させる。すると、ロック爪66のガイド面68aが、位置決凹部75の開口部の外周縁部に接触し、ロック部64及び被ロック部74の少なくとも一方が、離れる方向に弾性変形する。そして、ロック爪66が位置決凹部75の内周面を越えて、ロック孔76に達すると、ロック部64及び被ロック部74の弾性変形が緩和され、ロック爪66がロック孔76の内周縁部に引っ掛かる。位置決片65が位置決凹部75に嵌まることで第2部材70に対する第1部材60の姿勢が所望の取付姿勢に決定される。そして、ロック部64と被ロック部とがロックすることにより、この取付姿勢が保持された状態で、維持される。これにより、第1部材60及び第2部材70が筒形状をなすように合体した状態に保持され、かつ、第1部材60の直線状部分62と第2部材70の直線状部分72の間に引出口52が形成された状態に保持される。
なお、第1部材60及び第2部材70を合体した状態に保つための構成は、上記例に限られない。例えば、第1部材及び第2部材が、その他のロック構造、ネジ又は接着剤等によって閉じられた状態に維持される構成であってもよい。また、第1部材及び第2部材の両端部の外周部にキャップ部材が外嵌めされることで、両者が閉じられた状態に維持される構成であってもよい。
上記ハウジング50は、主として付勢機構40を覆った状態で当該付勢機構40を支持する機能を有するため、トリム14から露出している必要はなく、トリム14内に隠された状態で配設されていればよい。
しかしながら、ハウジング50をトリム14内に隠された状態で配設すると、ハウジング50の引出口52とは別途、トリム14に引出口を設ける必要がある。その際、部品自体の寸法誤差や組み付け時の誤差により、引出口52とトリム14に別途設けた場合の引出口とが、ずれて配置されてしまい、サンシェード32が引出口で擦れて傷付く恐れがある。そこで、本実施形態では、トリム14から露出させた第1部材60の直線状部分62の上端と、直線状部分62の上端に対して引出口52を挟んで対向する第2部材70の直線状部分72からウインドウ12側に延出してウインドウ12の周縁部に露出する外方延出部77とを設けることで、引出口52をトリム14から露出させ、トリム14には直接引出口を設けない構造としている。
より具体的には、第2部材70の直線状部分72の引出口52側とは反対側の他側部に、第2部材70の長手方向全体に亘って外方延出部77が設けられている。外方延出部77は、第2部材70と射出成型によって一体成型された部分である。外方延出部77は、直線状部分72の先端部からウインドウ12側に向けて延びる細長板状形状に形成されている。外方延出部77は、引出口52とウインドウ12との間に介在している。ここでは、外方延出部77の先端側縁部と外側ドアパネル部11aの上側縁部との間を通って、ウインドウ12が上下に移動する。
本サンシェード装置30がトリム14に取付けられた状態では、外方延出部77が外部に露出するように設けられることになる。この外方延出部77は、引出口52の開口周縁部を装飾するガーニッシュとしての役割を果すことができる。
また、上述したように、第1部材60及び第2部材70が合体した状態で、第1部材60の直線状部分62と第2部材70の直線状部分72の間には、引出口52が設けられる。この引出口52の間隔は、引出部材34を通過不能にして当該引出部材34に当接可能な幅に設定されている。より具体的には、当該引出口52の間隔は、引出部材34の棒状部35の幅及びノブ部36のうち基端部36aの幅と同じかこれよりも大きく設定されると共に、ノブ部36のうち一対の先端部36bの先端同士を結ぶ寸法よりも小さく設定されている。そして、サンシェード32が付勢機構40に巻取られると、サンシェード32が引出口52を通ってハウジング50内に導かれ、その先端に取り付けられた棒状部35及びノブ部36の基端部36aが、引出口52内に収容されると共に、ノブ部36の先端部36bが外方延出部77及びトリム14の外向き面(上方を向く面)に当接する。これにより、引出部材34がハウジング50内に入り込んでしまうことを抑制している。
なお、引出部材は、サンシェードの面に直交する方向のどちらか一方のみに突出しており、引出部材が外方延出部とトリムとのうちどちらか一方のみに当接する構成であってもよい。また、直線状部分の内周面が引出口の幅を狭めるように出っ張っている部分を含み、引出部材が当該出っ張っている部分内で直線状部分に当接する構成であってもよい。また、引出部材は、第1部材及び第2部材の他側部、トリムのうち引出口に近い部分等、他の部分に当接してハウジング内への移動が規制される構成であってもよい。
なお、上記外方延出部77は省略されてもよい。また、第1部材側に設けられていてもよい。この際、第2部材側の外方延出部77は省略されてもよいし、省略されなくてもよい。サンシェード32が引出される引出口52の周縁部は、ハウジング50とは別に形成された装飾目的のガーニッシュで覆われていてもよいし、また、そのような装飾目的のガーニッシュ等で覆われていなくてもよい。
<補強部材>
また、上記ハウジング50には、その長手方向に沿って金属製の補強部材90が取付けられている。ここでは、第2部材70の外方延出部77に補強部材90が取付けられている。
より具体的には、補強部材90は、細長板状の金属板材を、その長手方向に沿ったラインで曲げて横断面L字状に形成した形状に形成されている。補強部材90の一側部は、外方延出部77と同じ幅及び長さ寸法の細長板状に形成されている。補強部材90の他側部は、その一側部の一方側の辺から垂直に曲るように延設された細長板状に形成されている。
この補強部材90は、次のようにして外方延出部77に取付けられている。すなわち、外方延出部77の下向き面にネジ穴77hが形成されている。ネジ穴77hは、好ましくは、外方延出部77の長手方向において間隔をあけて複数箇所に形成されている。また、補強部材90の上記一側部のうちネジ穴77hに対応する位置にネジ挿通孔が形成されている。そして、外方延出部77の下面に補強部材90の一側部を重ね合せた状態で、ネジSをネジ挿通孔に挿通させてネジ穴77hに螺合させることで、外方延出部77に補強部材90が取付固定される。
この補強部材90が外方延出部77にその長手方向に沿って取付けられることで、外方延出部77の剛性が補強され、これにより、ハウジング50の剛性も補強されている。これにより、ハウジング50の曲げ変形、捩れ変形等が抑制される。
なお、補強部材90は、第2部材70のうち直線状部分72又は円弧状部分71に取付けられていてもよいし、第1部材60に取り付けられていてもよい。また、補強部材90は、インサート成型等によって、ハウジング50に一体的に成型されていてもよい。また、補強部材90は、ドアパネルの一部であることもあり得る。
また、上記補強部材90には、ゴム等の弾性材料で形成されたウェザーストリップ92が取付けられている。より具体的には、補強部材90の他側部の外向き面にウェザーストリップ92が取付けられている。
<ハウジングと付勢機構との固定構造>
ハウジング50に付勢機構40を取付けるための構成について説明する。
ここでは、第2部材70に付勢機構40が取付けられている。付勢機構40は、例えば、以下の構成によって第2部材70に取付けられている。すなわち、巻取機構支持部72bは、先端部が半円形状を描くと共に基端部が第2部材70の内周面に沿う形状を描く形状に形成され、厚板形状に形成されている。巻取機構支持部72bの基端部には、ネジ穴が形成されると共に、第2部材70の両端部のうち巻取機構支持部72bが取付けられる部分にネジ挿通孔が形成される。そして、巻取機構支持部72bの基端部を第2部材70の両端部の内周面に当接させた状態で、ネジをネジ挿通孔に挿通させてネジ穴に螺合させることで、巻取機構支持部72bが第2部材70に取付けられる。
このように、一対の巻取機構支持部72bを第2部材70に取付ける際、第2部材70と第1部材60とが別体であるため、第2部材70の内周面に対向する空間を大きく開放させた状態とすることができる。このため、巻取機構支持部72bの取付作業を容易に行える。
なお、一対の巻取機構支持部72bの一方が第2部材70に一体成型され、一対の巻取機構支持部72bの他方が第2部材70に後付可能な構成であってもよい。これにより、付勢機構40の取付作業を容易にしつつ、シェード装置の部品点数及び組立工数の削減が可能となる。また、第2部材70の端部壁部72aが一対の巻取機構支持部72bの一方としての機能を有するように形成されてもよい。
もっとも、一対の巻取機構支持部72bの両方が第2部材70に一体成型されていてもよい。この場合には、巻取機構支持部72bの外側からピン状の部材、ネジ等を挿通して、巻取シャフト42を回転可能に支持する構成等を採用すればよい。
<ハウジングとトリムとの係合構造>
上記ハウジング50をトリム14に取付けるための構成について説明する。
ここでは、ハウジング50のうち第1部材60及び第2部材70がそれぞれトリム14に固定されている。これにより、第1部材60及び第2部材70とトリム14とが一体的に組合わされ、第1部材60及び第2部材70とトリム14とが互いに剛性を補強することができるようになっている。
トリム14と第1部材60とは、係止部材16と被係止部材80とが係合部で係合して取り付けられている。係止部材16と被係止部材80とのうちの一方には、突起状に立設されると共に抜止部18が形成された立設片17が形成されている。係止部材16と被係止部材80との他方には、立設片17が挿入されて係合する一対の係止部81が形成されている。一対の係止部81は、立設片17の抜止部18と当接する第1係止部84と、弾性変形可能であると共に、立設片17と当接する第2係止部86と、を有しており、一対の係止部81に挿入された立設片17の抜止部18が第1係止部84と当接する共に、抜止部18が設けられている側とは反対側の面で第2係止部86と当接して係合している。
また、立設片17が一対の係止部81に係合している状態で、第2係止部86が弾性変形して立設片17を押圧し、抜止部18を第1係止部84側へと付勢している。
また、ハウジング50の固定部78がトリム14に固定されることで、第2係止部86の弾性変形した状態が確実に維持される。
また、第1係止部84が弾性変形しもよいし、第1係止部84と第2係止部86との両方が弾性変形して立設片17を押圧してもよい。
具体的には、ここでは、第一部材60に設けられた被係止部材80が一対の係止部81を有し、トリム14に設けられた係止部材16が立設片17を有している。
また、ここでは、ハウジング50と被係止部材80である一対の係止部81とが樹脂成型によって一体的に形成されている。
より具体的には、立設片17は、トリム14のウインドウ12側を向く面からウインドウ12側に突出するように形成されている。ここでは、立設片17は、ネジ穴15hの深さ方向(ネジ穴15hにネジが挿入される方向)と平行な方向に突出するように形成されている。また、立設片17は、トリム14の上縁に沿って間隔をあけて複数(ここでは、5つ)設けられている。なお、ここでは、立設片17は、サンシェード装置30がトリム14に取り付けられた状態で、トリム14の上縁に沿って、第1部材60のロック部64の上方からずれた位置に設けられているが、ロック部64の上方に設けられていてもよい。
抜止部18は、立設片17の立設方向と交差する方向へと徐々に突出量が増加するように、より詳細には、ここでは、ウインドウ12側に突出する部分から下方に突出するように形成され、立設片17を厚肉にしている。つまり、抜止部18は、基端側から先端側へと向かうにつれて立設方向と交差する方向へと徐々に突出量が増加して形成され、立設片の立設方向に対して傾斜している。立設片17は、一対の係止部81に対し、抜止部18の最大厚肉寸法位置を越えて基端部側に挿入されている。そして、抜止部18が一対の係止部81の内の一方である第一係止部84に当接して係合されている。
なお、立設片17は、その先端に、先端側から基端側へと向かうにつれて立設方向と交差する方向へと徐々に突出していく傾斜面17aを有している。この傾斜面17aを有していることにより、立設片17が一対の係止部81の間に挿入し易くなっている。
ここでは、一対の係止部81は、第1部材60のトリム14に設けられた立設片17に対応する位置に外面から内面へと貫通する貫通孔に形成されており、より具体的には、貫通孔の下側の周縁部分と、上側の周縁部分から貫通孔の一部を塞ぐように突出した部分とにより形成されている。また、一対の係止部81は、サンシェード32を引出す引出口52の周縁に形成されており、より詳細には、第一部材の円弧状部分61のうち直線状部分62と連なる側の端部付近に設けられている。つまり、一対の係止部81は、巻取シャフト42よりも引出口52側の円弧状部分61に設けられている。
第一係止部84は、立設片17の抜止部18が設けられる側、即ち、第一部材61の貫通孔の下側の周縁部分から巻取シャフト42側へと突出するように形成されている。ここでは、第1係止部84のうち抜止部18側の面は、抜止部18の傾斜した外面に対応した傾斜面84aを有している。
第2係止部86は、一対の係止部81における第1係止部84に対向する位置、即ち、一対の係止部81の上方側に設けられており、より具体的には、貫通孔の上側の内周縁部から貫通孔の一部を塞ぐように突出して設けられている。
第2係止部86のうち、貫通孔の内周縁部とつながる基端部周辺で特に弾性変形しやすくなっている。そして、サンシェード装置30がトリム14に固定される位置(以降、取付位置と称する)にある状態で、第2係止部86の先端側が、立設片17のうち抜止部18が設けられている側とは反対側の面を押圧している。
立設片17と一対の係止部81とが係合している状態で、トリム14の上側縁部15aと第1部材60の直線状部分62とが当接している部分をトリム14及び第1部材60(ハウジング50)における当接部とする。また、立設片17と一対の係止部81とが係合している部分を、トリム14及び第1部材60(ハウジング50)における係合部とする。トリム14とハウジング50とが係合していない状態において、トリム14における当接部から係合部までの距離(図9の寸法A)は、第1部材60における当接部から係合部までの距離(図9の寸法B)と異なるように形成されている。ここでは、寸法Aが寸法Bより小さく設定されている。それによって、立設片17と一対の係止部81とが係合することで、トリム14の上側部分15が弾性変形してハウジング50の直線状部分62を押圧して取り付けられているため、隙間が発生することがなく、見栄えをよく保つことができる。
なお、ここでは、トリム14の上側部分15が弾性変形する構造となっているが、ハウジング50が弾性変形してもよく、円弧状部分61もしくは直線状部分62が弾性変形すれば良い。その場合、サンシェード32を引き出すのに支障がない程度にハウジングが弾性変形するのが好ましい。もっとも、トリム14よりもハウジング50の剛性を上げて、トリム14が弾性変形するように設定することで、引出口52が狭まることを抑制することができる。
また、上記寸法A及び寸法Bを設定する際に、係合部の位置として、ここでは、抜止部18と、第1係止部84との当接点が用いられているが、このことは必須ではない。上記寸法A及び寸法Bを設定する際の係合部の位置としては、トリム14とハウジング50とで係合している部分のうちトリム14とハウジング50とで共有される位置であれば、どこであっても構わない。
また、ここでは、一対の係止部81の間隔が最大に見える方向は、後述する固定用孔79の中心軸方向と交差する方向に設定されている。別の見方をすると、サンシェード装置30が取付位置にある状態で、一対の係止部81に対して、立設片17の立設方向(ネジ穴15hの挿入方向)から見た場合に比べてその間隔が広がるように見える方向が存在している。このことは、一対の係止部81のうち、下方に位置する第1係止部84と上方に位置する第2係止部86とが、固定用孔79の中心軸方向にずれていることに起因している。
つまり、ここでは、第2係止部86が、第1係止部84に対して、固定用孔79の中心軸方向に沿ってウインドウ12寄りに位置するように設定されている。このため、一対の係止部81の間隔は、斜め上方から見た際に最大となる。これにより、第2係止部86と立設片17とが接触している位置周辺を中心にして、固定部78をトリム14から離すようにサンシェード装置30をトリム14に対して回動させることで、一対の係止部81の間隔が最大に見える方向が立設片17の立設方向に対して平行に近づく。つまり、この状態で、立設片17の立設方向から一対の係止部81を見ると、回動前に比べてその間隔が広がったように見える。このため、立設片17の立設方向に沿って立設片17を一対の係止部81から抜きやすい。
以下、図15を参照して、より詳細に説明する。図15は、第1係止部84と第2係止部86との間の寸法と、立設片17の寸法との関係を示す説明図である。図15において、寸法D1は、立設片17の立設方向から見た一対の係止部81の見かけ寸法である。寸法D2は、一対の係止部81の実寸法(最大間隔寸法)である。寸法D3は、抜止部18を含めた立設片17の最大厚肉寸法である。
一対の係止部81の見かけ寸法D1は、立設片17の最大厚肉寸法D3よりも小さく形成されている。このため、係合された状態で、立設片17は、一対の係止部81から固定用孔79の中心軸方向、即ち、立設片17の立設方向に外れにくい。また、一対の係止部81の実寸法D2は、最大厚肉寸法D3と同等、もしくは若干大きく形成されている。このため、立設片17を一対の係止部81に対して回転させることで、抜止部18が一対の係止部81から抜け出しやすく、容易に係合を解除することができる。
もっとも、一対の係止部81の実寸法D2は、立設片17の最大厚肉寸法D3よりも小さく形成されていてもよく、その場合、サンシェード装置30をトリム14から取り外す際には、抜止部18が第2係止部86を弾性変形させつつ、立設片17が一対の係止部81から抜け出されて、係合が解除される。
なお、図15において、寸法D4は、寸法D1に直交する方向における一対の係止部81の見かけ寸法であり、寸法D5は、立設片17の突出寸法である。ここでは、立設片17の突出寸法D5は、一対の係止部81の見かけ寸法D4よりも大きく設定されている。
なお、第1部材60のうち一対の係止部81の周囲の外面には、補強部89が設けられている。補強部89は、第1部材60を厚肉にするように設けられている。これにより、第2係止部86が立設片17を押圧する際に、第1部材60が変形するのを抑制することができる。また、補強部89の下端は、第2部材70の延出部73に設けられた位置決凹部75の開口の内周縁部のうちトリム14側に位置する部分に引っ掛かっている。これにより、第2係止部86が立設片17を押圧する際に、第1係止部84の下方の部分が変形しにくくなっている。
第2部材70とトリム14とは、第2部材70に設けられた固定部78を用いて固定されている。ここでは、固定部78として固定用孔79を形成し、当該固定用孔79とトリム14に設けられた上記ネジ穴15hとにねじを螺合させることで、第2部材70とトリム14とを固定している。固定部78は、一対の係止部81とは離れた位置でトリム14に固定されている。
より具体的には、第2部材70の延出部73の第2延出片73bのうち、上記トリム14の上側部分15に形成された複数のネジ穴15hに対応する各位置に、固定用孔79が形成されている。固定用孔79は、ネジを挿通可能な貫通孔状に形成されている。また、第2延出片73bのネジ穴15h側を向く面のうち固定用孔79の周縁部は、ネジ穴15hの周縁部に当接可能に形成されている。また、第2延出片73bのうちネジ穴15h側を向く面とは反対側を向く外向き面には、段差部79aが形成され段差部79aの下方にネジSのネジ頭が収まる。
そして、第2部材70をトリム14の上側部分15に沿って配設し、上記第2延出片73bをネジ穴15hの周縁部に当接させた状態で、第2延出片73bの外向き面から、複数のネジSを各固定用孔79に挿通させて各ネジ穴15hに螺合させることで、第2部材70がトリム14に固定される。この際、第2部材70の外向き面の対向空間が大きく開放された状態となっている。このため、上記ネジSの挿通螺合作業を容易に行える。
もっとも、ハウジング50をトリム14に固定する固定部78の構成は上記例に限られない。例えば、トリム及びハウジングの一方に、挿入によりロック可能なロック部を設け、他方側に前記ロック部を抜止め係止可能な被ロック部を設け、ロック部を被ロック部にロックすることで、ネジ等の固定用の部材を用いずにトリムに対するハウジングの固定が行われてもよい。また、例えば、トリムに突出された突起部をハウジングに形成された孔に挿通させて、その先端部を熱等で溶潰することで、トリムに対するハウジングの固定が行われてもよい。しかしながら、固定部を利用してサンシェード装置をトリムに取り付ける構造は、取り外し可能なものであることが好ましい。また、第2部材に、固定部が設けられることは必須ではない。
<サンシェード装置の取付構造の組立工程>
上記サンシェード装置の取付構造20の組立方法例について説明する。
まず、一方の巻取機構支持部72bを第2部材70に固定した後、付勢機構40の一端部を一方の巻取機構支持部72bに嵌め込むと共に、他方の巻取機構支持部72bを付勢機構40の他端部に嵌め込み、この後、当該他方の巻取機構支持部72bを第2部材70に固定する。これにより、付勢機構40が第2部材70に固定される。
次に、第1部材60の位置決片65を第2部材70の位置決凹部75に嵌めていくとともに、ロック部64を被ロック部74にロックさせる。これにより、付勢機構40をハウジング50の内部に収容したサンシェード装置30の組み立てが完了する。
次に、図10に示すように、トリム14の立設片17を第1部材60の一対の係止部81に係合させていき、サンシェード装置30のうち第1部材60をトリム14に取り付ける。このとき、抜止部18が一対の係止部81を通過するのに伴って、立設片17によって一対の係止部81が押圧されることで、第2係止部86が弾性変形する。この際、抜止部18が一対の係止部81の間に挿入され始めるときから抜止部18の最大厚肉寸法位置が一対の係止部81を通過するまで、一対の係止部81が広がる方向に第2係止部86の弾性変形量が徐々に大きくなる。そして、抜止部18の最大厚肉寸法位置が一対の係止部81を通過することで第2係止部86の弾性変形量が小さくなっていく。
次に、立設片17が一対の係止部81にある程度嵌った状態で、図11に示すように、第2部材70をトリム14にネジSによって取付固定する。ネジSを締めた状態で、サンシェード装置30がトリム14に取り付けられた状態となる。
この状態で、第1係止部84の傾斜面84aと抜止部18とが当接している。また、第2係止部86は、一対の係止部81が広がる方向に弾性変形した状態に保たれている。この第2係止部86の反力により、立設片17は、第1係止部84側に向けて押圧されている。この際、抜止部18と第1係止部84とが当接しているため、第2係止部86の弾性変形による反力によって立設片17の抜止部18を第1係止部84側へと押圧し、第1係止部86が抜止部18を摺動して適正位置で係合される。そして、立設片17と一対の係止部81との係合が、隙間なく保たれる。これにより、さらにハウジング50とトリム14との間に隙間が生じるのをさらに抑制することができる。
また、第1部材60の直線状部分62のうち引出口52の周縁の車室内側がトリム14の上側縁部15aに当接している。また、第2延出片73bがネジ穴15hの周縁に当接している。これにより、立設片17が一対の係止部81にさらに嵌まる方向に、トリム14に対してサンシェード装置30が移動及び回動するのを抑制している。
この際、トリム14の上側縁部15aは、第1部材60の直線状部分62の外面に当接し弾性変形している。以下、図16を参照して、より詳細に説明する。図16は、トリム14が弾性変形する様子を示す説明図である。図16において、弾性変形する前のトリムが仮想線(二点鎖線)で示されている。
立設片17を一対の係止部81に挿入していく際の挿入が完了する前の段階で、トリム14の上側縁部15aが直線状部分62のうち引出口52の周縁の外面に当接する。ここではトリム14の上側縁部15aは、まず、直線状部分62における上述した当接部よりも下方に当接する。そして、この状態から、係合が完了するまでの間に、トリム14が弾性変形し、直線状部分62の外面上を上方に摺動していく。そして、係合が完了することで、トリム14が直線状部分62における当接部に当接する。
なお、外方延出部77に補強部材90を取付ける工程はいずれの段階で行われてもよい。
以上のように、トリム14に対するサンシェード装置30を固定する構造のうち少なくとも1つの種類は、立設片17と一対の係止部81との構成によるものであるため、トリム14に対してサンシェード装置30を取り付け易い。
<サンシェード装置の取付構造の取り外し工程>
次に、上記サンシェード装置の取付構造20の取り外し方法例について説明する。
まずは、図12のように、ネジSを外して、固定部78による第2部材70とトリム14との固定を解除する。
次に、トリム14に対してサンシェード装置30を回動させる。ここでは、図13のように、固定部78をトリム14からウインドウ12が位置する側に離すように、一対の係止部81周辺を中心にトリム14に対してサンシェード装置30を回動させる。この際、一対の係止部81の実寸法D2を臨む方向が、立設片17の立設方向と一致するまで回動させるとよい。トリム14に対してサンシェード装置30を回動させることで、立設片17の立設方向から見た一対の係止部81の見かけ寸法D1が大きくなり、立設片17が抜けやすくなる。
特に、ここでは、トリム14に対してサンシェード装置30を回動させる際、第2係止部86が立設片17を押圧していること、第1係止部84が抜止部18に引っ掛かっていること、及び、トリム14の上側縁部15aが直線状部分62の外面に当接していることなどの理由により、第2係止部86を中心に回動する。これにより、第1係止部84が、第2係止部86よりも大きく回動する。このため、第1係止部84と抜止部18との引掛かる量が小さくなるように(ここでは、抜止部18と第1係止部84とが引っ掛からなくなるように)、抜止部18上を第1係止部84が摺動していくことによって、立設片17が一対の係止部81から抜けやすくなる。
後は、立設片17をその立設方向に沿って一対の係止部81から抜いていくことで、図14のように、トリム14からサンシェード装置30を取り外すことができる。
以上のように、トリム14に対するサンシェード装置30を固定する構造のうち少なくとも1つの種類は、立設片17と一対の係止部81との構成によるものであるため、トリム14に対してサンシェード装置30を取り外しやすい。特にここでは、トリム14に対してサンシェード装置30を回動させることで、立設片17を一対の係止部81から抜きやすくなることによって、トリム14に対してサンシェード装置30を取り外しやすい。
<サンシェード装置の取付構造の利点等>
第1実施形態に係るサンシェード装置の取付構造20によると、ハウジング50とトリム14とが係合していない状態で、ハウジング50における係合部から当接部までの距離が、トリム14における係合部から当接部までの距離と異なって形成されており、係合部で係合している状態で、ハウジング50とトリム14との少なくとも一方が弾性変形して当接部で当接しているため、部品自体の寸法誤差や組み付け時の誤差をハウジング50とトリム14との少なくとも一方を弾性変形させることで吸収することができる。それによって、トリム14のウインドウ12側端部とハウジング50のトリム14側近傍との間に隙間が発生せず、見栄えを良く保つことができる。また、車両走行時の振動による異音の発生を抑止することができる。
また、係合部が、巻取シャフト42よりも引出口52側に設けることで係合部と当接部との距離が小さくなるため、小さな弾性変形量で、弾性変形によってハウジング50とトリム14とが互いに押圧し合あう力を大きく保つことができる。また、製造誤差を小さくすることができるため、隙間の発生をより抑制することができる。また、より的確な位置に当接させることができるため、より見栄えをよく保つことができる。
また、立設片17と一対の係止部81とが係合する構造とすることで、巻取シャフト42よりも引出口52側に係合部を設けることが可能となる。それにより、固定部78による固定と係合部の係合とによって、ハウジング50をトリム14に対して、確実に取り付けることができる。
また、サンシェード装置30が故障した場合等、サンシェード装置30をトリム14から取り外したい場合には、固定部78による固定を解除することで、サンシェード装置30をトリム14から容易に取り外すことができる。特にここでは、サンシェード装置30をトリム14に対して回動させることで、立設片17を抜く方向に対する一対の係止部81の見かけ寸法D1が大きくなり、取り外しやすくなる。
また、ハウジング50と被係止部材80及び第2係止部86とが樹脂成型で一体的に形成されることで、ハウジング50に第2係止部86が弾性変形可能に容易に形成される。これにより、より容易な構造によって、ハウジング50の引出口52近傍をトリム14に対し、ガタつきや隙間を抑制しつつ確実に取り付けることができる。
また、ハウジング50がサンシェード32の引出口52近傍で被係止部材80によってトリム14に取り付けられることで、ハウジング50の引出口52がトリム14によって補強される。特に、ハウジング50が樹脂を材料として成型されることによって、軽金属製などのハウジング50よりも強度が低くなる恐れがあるが、この場合でもトリム14によってハウジング50に設けられたサンシェード32の引出口52が補強される。これにより、引出口52が変形してサンシェード32と接触することによる異音の発生を抑制することができる。また、それによりサンシェード32が傷付くのを抑制することができる。
また、立設片17が、一対の係止部81の間に挿入されて、一対の係止部81の両方と当接しており、立設片17の基端側から先端側へと向かうにつれて立設方向と交差する方向へと徐々に突出量が増加する(つまり傾斜する)抜止部18と、一対の係止部81のいずれか一方とが当接し、一対の係止部81の少なくともいずれか一方が弾性変形し、抜止部18を摺動して適正位置で係合される。係止部81が抜止部18で当接して係合しているため外れ難く、また、係止部81が抜止部18を摺動しつつ適正位置で係合されるため、製造誤差により、ハウジング50とトリム14との間に隙間が生じるのを、さらに抑制することができる。
{第2実施形態}
上記第1実施形態では、サンシェード装置30の被係止部材80に一対の係止部81が形成され、トリム14の係止部材16が立設片17を含む例で説明したが、このことは必須ではない。以下に示すように、サンシェード装置の被係止部材が立設片を含み、トリムの係止部材に一対の係止部が形成されていてもよい。
図17及び図18は、第2実施形態に係るサンシェード装置の取付構造120の組立方法例を示す説明図である。図19は、第2実施形態に係るサンシェード装置の取付構造120を示す概略断面図である。図20及び図21は、第2実施形態に係るサンシェード装置の取付構造120の取り外し方法例を示す説明図である。なお、図17〜図21は、図9〜図14と同様の部分概略断面図である。
上述したように、第2実施形態に係るサンシェード装置の取付構造120では、サンシェード装置130の被係止部材180が立設片117を含む。
具体的には、ここでは、立設片117は、サンシェード装置130のうち第1部材160の外向き面から突出するように形成されている。より具体的には、第1部材160のうち円弧状部分161と直線状部分162との連結部分の辺りから固定用孔79の中心軸方向と平行な方向に突出するように設けられている。この際、抜止部118は、上記第1実施形態に係る抜止部18と同様に、立設片117に対して基端側から先端側に向かって下方へと徐々に突出している。また、立設片117は、上記第1実施形態に係る立設片17と同様に、先端側に、傾斜面117aを有している。
また、上述したように、第2実施形態に係るサンシェード装置の取付構造120では、トリム114に設けられた係止部材116に一対の係止部181が形成されている。
具体的には、ここでは、トリム114のウインドウ12側の面からウインドウ12側に向けて一対の係止突出片182が設けられている。ここでは、一対の係止突出片182は、トリム114の上下方向に間隔をあけて突出している。当該一対の係止突出片182のうちトリム114の上下方向に沿って上側に位置するものを上側係止突出片182aとし、下側に位置するものを下側係止突出片182bと称する。上側係止突出片182aと下側係止突出片182bとが、一対の係止部181をなしている。
より具体的には、下側係止突出片182bは、トリム114からネジ穴15hの深さ方向と略平行な方向に突出するとともに、その先端が上方に向かうように途中で屈曲している。
上側係止突出片182aは、トリム114からネジ穴15hの深さ方向と平行な方向よりも若干下向きに突出するとともに、その先端が上方に向かうように途中で屈曲している。この際、上側係止突出片182aの先端の延びる方向は、下側係止突出片182bの先端の延びる方向よりも上向きになるように設定されている。つまり、上側係止突出片182aの先端の延びる方向は、下側係止突出片182bの先端の延びる方向よりもネジ穴15hの深さ方向と成す角が大きくなるように設定されている。
ネジ穴15hの深さ方向に沿った下側係止突出片182bの屈曲位置と上側係止突出片182aの屈曲位置は略同じ位置に設定されている。また、各屈曲位置から先端までの寸法は、下側係止突出片182bの方が上側係止突出片182aよりも大きく設定されている。
また、ネジ穴15hの深さ方向に沿った上側係止突出片182aの先端縁部の位置は、下側係止突出片182bの先端縁部の位置よりもウインドウ12側に設定されている。
ハウジング150とトリム114とが係合していない状態で、ハウジング150における係合部から当接部までの距離が、トリム114における係合部から当接部までの距離と異なって形成されている。
被係止部材180と係止部材116とを嵌めていくと、図18のように一対の係止突出片182がその間の間隔が広がるように弾性変形する。これにより、抜止部118が一対の係止部181の最小寸法位置を通過可能となる。
そして、図18の状態もしくは、図18よりもさらに立設片117を一対の係止部181に嵌めた状態で、サンシェード装置130の固定部78をネジSによりトリム114に固定する。これにより、図19のように、サンシェード装置130がトリム114に取り付けられた状態となる。この際、トリム114の上側部分115の上側縁部115aが直線状部分162の車室内側の面に当接する。
この状態において、一対の係止突出片182は、弾性変形した状態に保たれる。これにより、立設片117が一方の係止突出片182により他方の係止突出片182側に向けて押圧される。
この際、上記下側係止突出片182bのうち屈曲位置より先端側が第1係止部84として機能する。具体的には、下側係止突出片182bの先端の上側突出片を向く側の面が傾斜面184aとして、抜止部118と当接している。また、係合部で係合している状態で、ハウジング150とトリム114との少なくとも一方が弾性変形して当接部で当接している。
また、上側係止突出片182aが弾性変形する。具体的には、下側係止突出片182bの傾斜面84aに直交する方向に沿って当該傾斜面84aと対向する位置に上側係止突出片182aの屈曲部が位置する。そして、上側係止突出片182aの屈曲部が立設片117を第1係止部184側に押圧している。
なお、ここでは、下側係止突出片182bも弾性変形し、立設片117を上側係止突出片182aに向けて押圧している。
サンシェード装置130をトリム114から取り外す場合、第1実施形態と同様にサンシェード装置130をトリム114に対して回動させると、取り外しやすくなる。
具体的には、図20のように、固定部78による固定を解除した状態で、固定部78をトリム114からウインドウ12が位置する側に離すように、立設片117周辺を中心にトリム114に対してサンシェード装置130を回動させる。この際、一対の係止部181の中心軸がなるべく立設片117の立設方向と一致するまで回動させるとよい。トリム114に対してサンシェード装置130を回動させることで、立設片117の立設方向から見た一対の係止部181の径が大きくなり、立設片117が抜けやすくなる。
このようなサンシェード装置の取付構造120においても、ハウジング150とトリム114とが係合していない状態で、ハウジング150における係合部から当接部までの距離が、トリム114における係合部から当接部までの距離と異なって形成されており、係合部で係合している状態で、ハウジング150とトリム114との少なくとも一方が弾性変形して当接部で当接しているため、部品自体の寸法誤差や組み付け時の誤差をハウジング150とトリム114との少なくとも一方を弾性変形させることで吸収することができる。それによって、トリム114のウインドウ12側端部とハウジング150のトリム114側近傍との間に隙間が発生せず、見栄えを良く保つことができる。また、車両走行時の振動による異音の発生を抑止することができる。
{第3実施形態}
また、立設片と一対の係止部とが係合する構造を設けることは必須ではない。第3実施形態に係るサンシェード装置の取付構造220のように、係止部材がトリムに設けられたネジ穴であり、被係止部材が固定部とネジとによって構成されてもよく。係止部材であるネジ穴に被係止部材であるネジが螺合して固定部を係合させ、トリムとハウジングとの一方が弾性変形する構成とすればよい。その場合、ネジ穴に固定部をネジによって係合させた箇所が係合部である。
図22は、第3実施形態に係るサンシェード装置の取付構造220の組立方法例を示す説明図である。図23は、第3実施形態に係るサンシェード装置の取付構造220を示す概略断面図である。図24及び図25は、第3実施形態に係るサンシェード装置の取付構造220の取り外し方法例を示す説明図である。なお、図22〜図25は、図9〜図14と同様の部分概略断面図である。
第3実施形態に係るサンシェード装置の取付構造220では、サンシェード装置230の被係止部材280が固定部78とネジSとによって構成されている。この際、ハウジング250の第1部材260は、トリム214には係止されない。また、トリム214のうち、ネジ穴215hが係止部材216をなしている。この場合、係合部としてはネジ穴215h及び固定用孔79の周縁の当接点等に設定することができる。また、当接部は、第1実施形態に係る当接部と同様に、トリム214の上側縁部215aと第1部材260の直線状部分262とが当接している部分である。そして、ハウジング250とトリム214とが係合していない状態で、ハウジング250における係合部から当接部までの距離が、トリム214における係合部から当接部までの距離と異なって形成されている。
第3実施形態に係るサンシェード装置の取付構造220においては、ネジ穴15hと固定用孔79とのそれぞれの中心軸が一致するように、ネジ穴215hの周縁と固定用孔79の周縁とを当接させる途中で、トリム214の外縁と直線状部分62の外面とが当接する。そして、この状態からネジSを締めていく際に、トリム214の外縁が弾性変形し、直線状部分62の外面上を摺動する。ネジSの螺合が完了した状態で、トリム214の外縁が弾性変形した状態に保たれる。
なお、第3実施形態に係るサンシェード装置の取付構造220においては、ネジSを外すことで、サンシェード装置230とトリム214とが外れる。
このようなサンシェード装置の取付構造220によっても、ハウジング250とトリム214とが係合していない状態で、ハウジング250における係合部から当接部までの距離が、トリム214における係合部から当接部までの距離と異なって形成されており、係合部で係合している状態で、ハウジング250とトリム214との少なくとも一方が弾性変形して当接部で当接しているため、部品自体の寸法誤差や組み付け時の誤差をハウジング250とトリム214との少なくとも一方を弾性変形させることで吸収することができる。それによって、トリム214のウインドウ12側端部とハウジング250のトリム214側近傍との間に隙間が発生せず、見栄えを良く保つことができる。また、車両走行時の振動による異音の発生を抑止することができる。
{変形例}
また、上記第1実施形態では、別体で形成される第1部材60及び第2部材70が合体してハウジング50をなす例で説明したが、ハウジングが、別体で形成された複数の部材が合体してなることは必須ではない。例えば、ハウジングは、ヒンジ等でつながれ、開閉可能な一対の半筒部を備えるなどの構成を採用することにより一体に形成された一体成型品であってもよい。第2実施形態及び第3実施形態でも同様である。
また、上記第1実施形態では、ハウジング50が第1部材60及び第2部材70に2分割される例で説明したが、このことは必須ではない。例えば、ハウジングは、3つ以上の部材に分割されていてもよい。すなわち、ハウジングは、複数のケース分割部を合体させるなどして付勢機構40を収容可能な筒形状を形成した状態で、複数のケース分割部の対向部分間にシェードを引出可能な引出口が形成される構成であれば、上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。第2実施形態及び第3実施形態でも同様である。
また、上記第1実施形態では、第2係止部86は、一端が固定され、他端が自由端となっている弾性片状に形成されたものとして説明したが、必ずしもその必要はない。例えば、第2係止部としては、被係止部材と係止部材との接触する部分に取り付けられたバネ又はゴム等の弾性体であってもよい。第2実施形態でも同様である。
また、付勢機構は、必ずしも第2部材に取付けられる必要はなく、第1部材に固定されてもよい。第2実施形態及び第3実施形態でも同様である。
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。