JP3566549B2 - ドアサンシェードアッセンブリ構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両のサイドドアに取付けられサイドドアウインドをサンシェードするためのサンシェード構造、詳しくはサンシェードアッセンブリ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両のサイドドアに取付けられ、サイドドアウインドに適用するサンシェードとしては図8および図9に示す構成のものがある。このサンシェード5はサイドドア1のインナパネル2とその室内側に取付けられるドアトリム3との間の上部側に取付けられるもので、このサンシェード5はサンシェードアウタカバー6と、シェードシート8を繰出し巻戻し可能なサンシェードロールアッセンブリ7(詳細は省略する)とからなり、このサンシェード5はサンシェードロールアッセンブリ7のブラケット7aを介してインナパネル2の室内上部側に沿って取付けられている。また、インナパネル2の上部フランジ部2aに沿ってウインドガラス用のウエザストリップ9が取付けられ、同サイドドア1の室内側にはドアトリム3が取付けられて室内側が覆われ、このドアトリム3とウエザストリップ9のモール9aとの間よりシェードシート8の端部を引き出し可能に隙間tが形成されて、同隙間tにはシェードシート8の端部に取付けられたシェードフレーム10が位置し、同シェードフレーム10を摘んで引き出してサイドドア1の上部ウインドフレーム1a側に掛け止めすることでウインドを遮光(サンシェード)することができ、掛け止めを外すことでシェードシート8はサンシェードロールアッセンブリ7に内装された巻取手段により巻き戻しされるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来のサンシェード5の取付け構成は、インナパネル2の上部フランジ部2aに沿ってウエザストリップ9を取付け、同インナパネル2の室内上部側に沿ってサンシェードロールアッセンブリ7を取付け、これを室内側よりドアトリム3にて覆って形成しているが、これら各部材はインナパネル2に順次個々に組み付けられるものであり、このため、その取付部材の部品点数が多くなるとともに、それに伴う取付工数が多くなる問題がある。とくに、インナパネル2に対して個々に取付けることは、各部材間の組み付け誤差が発生しやすく、その調節に手間を要するとともに品質にも影響を与える問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたもので、サイドドアの室内側に容易に組付けることができて、組付け精度を向上することのできるドアサンシェード構造を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記技術課題を解決するため、
請求項1の発明は、車両のサイドドアに取付けられ該サイドドアのウインドをサンシェードするためのサンシェードアッセンブリにおいて、該サンシェードアッセンブリのアウタケースは、前記サイドドアのインナパネルの室内側に取付けられるドアトリムの上端部の取付凸条と嵌合する取付け基準となる嵌合溝部を有し、かつサイドドアのインナパネルのフランジ部に嵌合係止する溝部とウエザストリップを取付ける係止縁を形成する取付部とを一体に形成し、該ドアトリムの上部側の一部を構成させたことを特徴とする。
【0006】
この請求項1の発明においては、アウタケースにドアトリムの上部側の一部を有する構成としたことにより、サイドドアへの組付けがし易い。
具体的には、サンシェードアッセンブリのアウタケースは、ドアトリムの取付凸条に対し取付基準となる嵌合溝部を有するため、取付位置の規制がし易い。また、アウタケースの取付部にはドアパネル部のフランジ部に対する取付用の溝部とウエザストリップ取付用の係止縁を形成したため、ドアトリムに対し組付け易い。このように部品の一部を予め組付形成したことにより、組付精度も向上させ得る。
【0009】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、サイドドアの室内側に容易に組付けることができ、かつ組付け精度を向上させることができる。
すなわち、サンシェードアッセンブリのアウタケースの取付位置規制を容易に行うことができ、また、このアウタケースの取付部にはドアパネル部のフランジ部に対する取付用の溝部とウエザストリップを取付ける係止縁を一体に形成したので、ドアトリムに対し一体に組付けた状態で取付得るため、サイドドアの室内側に組付精度良く容易に組付けることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面にしたがって説明すると、図1はサイドドア21の室内側から見た斜視図であって、このサイドドア21は従来と同様にドアパネル部22とガラスフレーム23とより構成され、このドアパネル部22のインナパネル24の室内側にはサンシェードアッセンブリ41を一体状に取付けたドアトリム31が取付けられ、また、ガラスフレーム23の上部側にはシェードシート46のシェードフレーム47を掛合するフック25が所定の間隔で形成されている。
【0012】
このドアトリム31は木質系または樹脂系のもので所定の形状にプレス成形してなるもので、図4(a) に示すように基材32とクッション材33と表皮材34とにより加圧成形されており、この基材32の湾曲状に形成された上部側の所定位置の長手幅方向にはサンシェードアッセンブリ41を取付ける取付凸条35が突出形成され、また、この取付凸条35より所定の下方位置の長手方向にはサンシェードアッセンブリ41のアウタケース55の取付片60を取付ける穴部36aを有するビス受けリブ36が形成されている。このように形成されたドアトリム31の上部内側に取付けられるサンシェードアッセンブリ41は図5に分解して示す各部材より構成されている。
【0013】
このサンシェードアッセンブリ41はシェードシート46を巻き戻しする巻取手段42と、巻取手段42を納めるアウタケース55とより構成されている。この巻取手段42はシャフト43と、左右対を成すトーションスプリング44(図示では一方のみを示す)と、スプリングカバー45と、これに巻き取られるシェードシート46とからなり、このシャフト43のほぼ中央部にはトーションスプリング44の一方のアーム片44bを掛け止めする掛合凹部43aが形成されている。また、トーションスプリング44はシャフト43に外嵌するコイル部44aと,その一端側にはシャフト43の掛合凹部43aに掛合されるアーム片44bと、他端にはアウタケース55側に係止するアーム片44cが形成されている。また、スプリングカバー45は,トーションスプリング44を取付けたシャフト43の外側を遮蔽状に外嵌する円筒状に形成され、その長い方向にはシェードシート46の一端縁を止着するスリット状の止め溝45aが形成されている。
【0014】
また、スプリングカバー45に一端縁を取付けられて、繰出し・巻取りされるシェードシート46の他端部にはシェードフレーム47が取付けられている。このシェードフレーム47は、例えば合成樹脂材からなるもので、図4(b) に示すように、インテグラルヒンジ50を介して折畳み状に型合せする左右の挾持片48,49とからなり、一方の挾持片48の合せ面側には係止溝48aが形成され、他方の挾持片49には係止溝48aと対応して係止凸部49aが形成されている。また、このシェードフレーム47にはガラスフレーム23に形成したフック25と掛合するフック孔51が貫設されている。また、シェードフレーム47のほぼ中央部にはピン52を介して摘みレバー53が枢着されている。このように形成された巻取手段42はアウタケース55に納められる。
【0015】
このアウタケース55は、例えば合成樹脂材あるいはアルミニウム等の軽合金材を押出し成形してなるもので、図6および図7に示すよう巻取手段42を納め可能とする略円筒形状に形成されるとともに、その長手方向には所定間隔でシェードシート46の開口部56が開設され、同開口部56の一方の縁部にはドアトリム31の上端に当接する当接片57が外方に向けて形成され、また、他方の縁部にはドアパネル部22のインナパネル24のフランジ部24aに取付ける、通常のドアトリムにおけるアッパ取付ベースを兼ねる取付部61が一体に形成されている。
【0016】
このアウタケース55の開口部56に近接した長手方向にはドアトリム31の基材32に形成した取付凸条35と嵌合係止される嵌合溝部58が形成されている。また、所定の角度位置の長手方向にはビス受け孔59a,59bが形成され、この一方のビス受け孔59aに近接して接線状に基材32に形成したビス受けリブ36に取付けられる取付片60が形成され、同取付片60には所定の間隔で複数のビス孔60aが貫設されている。
【0017】
また、開口部56の他方に形成される取付部61は、ドアパネル部22のインナパネル24のフランジ部24aに取付け、かつウエザストリップ71の取付けをも兼ねるもので、上片62と掛合片63とが断面略かぎ形状に形成されて、フランジ部22aに取付け可能に溝部64が形成されている。また、上片62には当接片57と対応してシェードフレーム47を保持する凹面65aを有する保持片65が立上がり状に形成され、この保持片65の側面(ドアガラス側となる面)の長手方向にはウエザストリップ71を取付ける断面略かぎ形状の係止縁66が形成されている。
【0018】
このように形成されたアウタケース55には巻取手段42が挿入されて、図4に示すようにシェードシート46は開口部56に挿入されて、シェードフレーム47は開口部56の当接片57と保持片65との間に係止保持されるようになっている。そして、シャフト43の両端には軸受駒67が取付けられ、アウタケース55の左右にはケースカバー68が取付けられるとともに、その中心に凹設された支持凹部69に軸受駒67が嵌め込まれてシャフト43は回転可能に支持されている。
【0019】
そして、この巻取手段42を納めたサンシェードアッセンブリ41は、その嵌合溝部58を取付け基準としてドアトリム31の取付凸条35に嵌合すると、当接片57はドアトリム31の上端に当接されるとともに、摘みレバー53は図4に示すようにドアトリム31の上端に掛合状に位置し、また、取付片60はビス受けリブ36に当接されて、同溝部36aにビス孔60aが整合されて、ビス70により止着される。この状態でアウタケース55の取付部61の係合縁66に対しウエザストリップ71をモール72を介して取付けると、同ウエザストリップ71は掛合片63に添設されるとともに、複数のクリップ73により止着される。
【0020】
このようにサンシェードアッセンブリ41およびウエザストリップ71を取付けたドアトリム31は、アウタケース55に形成した取付部61をドアパネル部22のインナパネル24のフランジ部24aに嵌込み状に掛合してドアパネル部22に止着される。この状態でサンシェードアッセンブリ41の摘みレバー53を持ってシェードシート46をトーションスプリング44に抗して引出してシェードフレーム47をガラスフレーム23のフック25に掛合することでサイドウインドは遮光される。そして、シェードフレーム47をフック25より外すとトーションスプリング44の復元力によりシェードシート46はスプリングカバー45に巻き取られていき、シェードフレーム47は当接片57と保持片65との間に保持され、摘みレバー53は元のドアトリム31の上端に係合状に位置される。
【0021】
このように、本実施形態のサイドドア21に取付けられるサンシェードアッセンブリ41おいて、該サンシェードアッセンブリ41のアウタケース55は上記サイドドア21のインナパネル24の室内側に取付けられるドアトリム31の上部側の一部を形成する構成としたものであり、
また、このサンシェードアッセンブリ41のアウタケース55は、ドアトリム31の上端部の取付凸条35と嵌合する取付け基準となる嵌合溝部58を有し、かつサイドドア21のインナパネル24のフランジ部24aに嵌合係止する溝部64とウエザストリップ71を取付ける係止縁66を形成した取付部61を一体に形成する構成としたものである。
【0022】
したがって、このサンシェードアッセンブリ41のアウタケース55は、ドアトリム31のドアパネル部22のインナパネル24のフランジ部24aに対するアッパ取付ベース機能を有するとともに、ドアトリム31の取付凸条35に対し取付基準となる嵌合溝部58を形成したものであるから、その取付位置規制を容易に行うことができ、また、このアウタケース55の取付部61にはインナパネル24のフランジ部24aに対する取付用の溝部64とウエザストリップ71を取付ける係止縁66を一体に形成したので、従来のようにドアパネル部に対しサンシェードロールアッセンブリ7をブラケット5aにより取付け、ウエザストリップ9を各個に取付け、さらに、ドアトリム31を取付けるものとは異なり、ドアトリム31に対し一体に組み付けた状態で取付ける構成としたものであるから、従来の取付調節作業が解消されて省力的に組付けることができ、また、サンシェードアッセンブリ41の組付け品質を確保することができる。また、このアウタケース55を採用することで、既存のサイドドアおよびウエザストリップに何等変更を要することなく採用することのできる経済性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】サイドドアの室内側から見た斜視図である。
【図2】サイドドアのガラスフレーム側の斜視図である。
【図3】サイドドアのドアパネル部側の斜視図である。
【図4】(a) 図1のI−I線断面図である。
(b) はシェードフレームの展開した断面図である。
【図5】サンシェードアッセンブリの分解斜視図である。
【図6】アウタケースの一方の端部の斜視図である。
【図7】アウタケースの他方の端部の斜視図である。
【図8】従来のサイドドアの斜視図である。
【図9】図8のI−I線断面図である。
【符号の説明】
21 サイドドア
22 ドアパネル部
24 インナパネル
24a フランジ部
31 ドアトリム
35 取付凸条
41 サンシェードアッセンブリ
42 巻取手段
55 アウタケース
58 嵌合溝部
61 取付部
64 溝部
66 係止縁
71 ウエザストリップ
Claims (1)
- 車両のサイドドアに取付けられ該サイドドアのウインドをサンシェードするためのサンシェードアッセンブリにおいて、該サンシェードアッセンブリのアウタケースは、前記サイドドアのインナパネルの室内側に取付けられるドアトリムの上端部の取付凸条と嵌合する取付け基準となる嵌合溝部を有し、かつサイドドアのインナパネルのフランジ部に嵌合係止する溝部とウエザストリップを取付ける係止縁を形成する取付部とを一体に形成し、該ドアトリムの上部側の一部を構成させたことを特徴とする車両サイドドアのドアサンシェードアッセンブリ構造。
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