JP2016124964A - レーザー溶着用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
項1.
熱可塑性樹脂、及び
一般式(1)
Mは、2個の水素原子、2個の1価金属原子、2価金属原子、3価若しくは4価の金属化合物を示す。]
で表されるフタロシアニン化合物を含有するレーザー溶着用樹脂組成物。
項2.
前記樹脂組成物は、可視光領域の光透過率が70%以上である、項1に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
項3.
前記樹脂組成物は、750nm〜1200nmの近赤外領域に吸収極大を有する、項1又は2に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
項4.
前記環A、環B、環C及び環Dが、同一又は異なって、一般式(1A):
或いは、R1及びR2、又はR3及びR4は、これらが結合するベンゼン環と共に、他のヘテロ原子を介し若しくは介することなく互いに結合して、5〜10員環を形成していてもよい。さらに該5〜10員環は置換基を有していてもよい。
R5及びR6は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。
R5とR6とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
波線は、フタロシアニン骨格内のピロール環との結合手を示す。]
で表される環である、項1〜3の何れか一項に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
項5.
前記環A、環B、環C及び環Dは、
下記一般式(1B)、又は(1C):
R8、R9、R11及びR12は、同一又は異なって、ハロゲン原子、OR13基、SR14基、又はNR15R16基を示す。
X1及びX2は、同一又は異なって、酸素原子又は硫黄原子を示す。
R13及びR14は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。
R15及びR16は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。
R15とR16とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
波線は、フタロシアニン骨格内のピロール環との結合手を示す。]
で表される環である、項1〜4の何れか一項に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
項6.
前記環A、環B、環C及び環Dは、下記一般式(1D)、又は(1E)
X3、X4、X5及びX6は、同一又は異なって、酸素原子又は硫黄原子を示す。
環A1及び環A2は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアリール基を示す。
R21及びR22は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。
R21とR22とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
波線は、フタロシアニン骨格内のピロール環との結合手を示す。]
で表される環である、項1〜4の何れか一項に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
項7.
前記フタロシアニン化合物は、
一般式(1a):
R39及びR40基は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示し、
R41及びR42基は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。
R41とR42とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
Mは、2個の水素原子、2個の1価金属原子、2価金属原子又は3価若しくは4価の金属化合物を示す。]
で表される化合物である、項1〜4の何れか一項に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
項8.
Mは、Cu、Zn、Co、Ni、Pd、Pb、MnOH、AlCl、FeCl、InCl、SnCl2、VO又はTiOである、項1〜7の何れか一項に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、及び下記のフタロシアニン化合物を含有する。
該フタロシアニン化合物としては、下記一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物が挙げられる。
上記一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物は、下記一般式(1−1):
Mは、前記に同じ。]
で表すこともできる。
で表される環が挙げられる。
一般式(1−2)で表されるフタロシアニン化合物は、下記一般式(1−2−1):
で表すこともできる。
で表される環、
一般式(1D)、又は(1E)
で表される環等が挙げられる。
より詳細には、上記一般式(1−3)で表されるフタロシアニン化合物としては、下記(1−3a)〜(1−3d)で表されるフタロシアニン化合物が挙げられる。
該一般式(1D)、又は(1E)で表される環を有するフタロシアニン化合物は、下記一般式(1−4)で表すこともできる。
上記一般式(1−4)で表されるフタロシアニン化合物としては、例えば、下記(1−4a)〜(1−4d)で表されるフタロシアニン化合物が挙げられる。
さらに、上記一般式(1−2−1)で表されるフタロシアニン化合物としては、好ましくは、下記(1a)で表されるフタロシアニン化合物も挙げられる。
一般式(1−2)で表されるフタロシアニン化合物としては、好ましくは、下記一般式(1−2−1):
R47及びR48は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。
R49及びR50は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。
R49とR50とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成してもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
Mは、2個の水素原子、2個の1価金属原子、2価金属原子又は3価若しくは4価の金属化合物を示す。)
で表されるフタロシアニン化合物であり、
より好ましくは、下記一般式(1−2−2):
R52及びR53は、同一又は異なって、ハロゲン原子、OR59基、SR60基又はNR61R62基を示す。
R55、R56、R59及びR60は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。
R57、R58、R61及びR62は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。R57とR58、又はRR61とR62は、同一又は異なって、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成してもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
Mは、2個の水素原子、2個の1価金属原子、2価金属原子又は3価若しくは4価の金属化合物を示す。)で表されるフタロシアニン化合物であり、
さらにより好ましくは、下記一般式(1−2−3):
R63及びR64は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基又はNR69R70基を示す。
R65及びR66は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基又はNR67R68基を示す。
m及びnは、同一又は異なって、1〜5の整数を示す。
R67、R68、R69及びR70は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、R67とR68、又はR69とR70とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子、若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
Mは、2個の水素原子、2個の1価金属原子、2価金属原子、3価若しくは4価の金属化合物を示す。
但し、R63及びR64は、次の(i)又は(ii)の条件を満たす。
(i)X5及びX6が各々酸素原子のとき、R63及びR64は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいフェノキシ基、置換基を有していてもよいフェニルチオ基又はNR69R70基を表し、
R63及びR64の少なくとも一方はNR69R70基を表し、R69及びR70は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、R69とR70とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子、若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよく、該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
(ii)X5及びX6が各々硫黄原子のとき、R63及びR64は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいフェニルチオ基又はNR68R69基を表し、
R63及びR64の少なくとも一方は置換基を有していてもよいフェニルチオ基又はNR69R70基を表し、R69及びR70は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、R69とR70とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子、若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよく、該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。)
で表されるフタロシアニン化合物である。
一般式(1−2−1)で表される化合物としては、下記一般式(1−2−4):
R71及びR74は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は置換基を有していてもよいアルキルチオ基を示す。
Mは、2個の水素原子、2個の1価金属原子、2価金属原子、3価若しくは4価の金属化合物を示す。)
で表されるフタロシアニン化合物であってもよく、R71、R72、R73、及びR74で表される基としては、少なくとも1つが水素原子又はハロゲン原子であることが好ましい。
R75は、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を示す。
R76及びR77は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。
Mは、2個の水素原子、2個の2価金属原子、3価若しくは4価の金属化合物を示す。)
で表されるフタロシアニン化合物である。
X12及びX13は、同一又は異なって、酸素原子、硫黄原子又はNR80を示す。
R78、R79及びR80は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。R78とR80、又はR79とR80とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
環A1及び環A2は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアリール基を示す。
Mは、2個の水素原子、2個の2価金属原子、3価若しくは4価の金属化合物を示す。)
で表されるフタロシアニン化合物である。
2つの上記置換基が結合するベンゼン環と共に、他のヘテロ原子を介し若しくは介することなく互いに結合して、5〜10員環を形成していてもよい。さらに該5〜10員環は置換基を有していてもよく、縮合環であってもよい。5〜10員環の置換基は1〜3個有していてもよい。
置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基が、「置換基を有するアルコキシカルボニル基」である場合、該基としては、具体的には、2−クロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等を挙げることができる。
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物に使用する熱可塑性樹脂としては、特に限定はなく、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂及び上記フタロシアニン化合物を含む組成物であるが、前記熱可塑性樹脂及びフタロシアニン化合物以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分としては、フタロシアニン化合物以外の吸収剤、着色剤、フィラー、エラストマー、安定剤、離型剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤、重合開始剤等の種々の添加剤を含有していてもよい。
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物中に含まれる熱可塑性樹脂及びフタロシアニン化合物の組合せとしては、以下の熱可塑性樹脂及びフタロシアニン化合物の組合せ(A)〜(C)であることが好ましい。
(A)ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンポリマー、及びポリカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂、
上述した一般式(1−2)で表されるフタロシアニン化合物、一般式(1−3)で表されるフタロシアニン化合物及び一般式(1−4)で表されるフタロシアニン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のフタロシアニン化合物
を含むレーザー溶着用樹脂組成物。
(B)ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンポリマー、及びポリカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂、及び
一般式(1−3)で表されるフタロシアニン化合物
を含むレーザー溶着用樹脂組成物。
(C)ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンポリマー、及びポリカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂、及び
一般式(1−4)で表されるフタロシアニン化合物
を含むレーザー溶着用樹脂組成物。
フタロシアニン化合物は、公知の製造方法に従い製造することができ、例えば、WO2014/115692A1に記載の製造方法等を参考にして製造することができる。
該フタロシアニン化合物の製造方法としては、具体的に、下記反応式−2、反応式−3、及び反応式−4に示す製造方法が挙げられる。
上記化合物(2−1)〜(2−4)の製造方法については、下記「3.フタロニトリル及びその製造方法」において説明する。
上記一般式(2−1)〜(2−4)で表されるフタロニトリル化合物は、市販品を使用することができ、市販品がない場合は、例えば、WO2014/115692A1等に記載の製造方法を参考に製造することができる。
具体的に、一般式(2−3)で表されるフタロニトリル化合物は、例えば、次の反応式−5及び反応式−6に示す方法により製造することができる。
上記反応式−5に示したとおり、まず、化合物(5)に、化合物(a)を反応させて、化合物(4−3)を製造する(工程1)。次いで、工程1で得られた化合物(4−3)に、化合物(6)を反応させ、さらに非プロトン性極性溶媒を加えることにより、化合物(3−3)に変換する(工程2)。さらに、得られた化合物(3−3)に、化合物(b)を反応させて、化合物(2−3’)を製造することができる(工程3−1)。
化合物(4−3)は、通常、溶媒中で、塩基の存在下に、化合物(5)と化合物(a)を反応させることにより製造される。例えば、特開平01−045474号公報、特開平08−120186号公報に開示される公知の方法を用いることができるが、より詳細には、下記のとおりである。
2−n−ペンチルフェノール、3−n−ペンチルフェノール、4−n−ペンチルフェノール、2−t−アミルフェノール、3−t−アミルフェノール、4−t−アミルフェノール、2,4−ジ−t−アミルフェノール、2−n−ヘキシルフェノール、3−n−ヘキシルフェノール、4−n−ヘキシルフェノール、4−シクロヘキシルフェノール、2−n−ヘプチルフェノール、3−n−ヘプチルフェノール、4−n−ヘプチルフェノール、2−n−オクチルフェノール、3−n−オクチルフェノール、4−n−オクチルフェノール、2−(2−エチルヘキシル)フェノール、3−(2−エチルヘキシル)フェノール、4−(2−エチルヘキシル)フェノール、2−t−オクチルフェノール、3−t−オクチルフェノール、4−t−オクチルフェノール、2−n−ノニルフェノール、3−n−ノニルフェノール、4−n−ノニルフェノール、2−n−デシルフェノール、3−n−デシルフェノール、4−n−デシルフェノール、2−n−ウンデシルフェノール、3−n−ウンデシルフェノール、4−n−ウンデシルフェノール、2−n−ドデシルフェノール、3−n−ドデシルフェノール、4−n−ドデシルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、4−t−ブチル−2,6−ジイソプロピルフェノール、4−s−ブチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4−ドデシルクレゾール、2−(ジメチルアミノ)フェノール、3−(ジメチルアミノ)フェノール、4−(ジメチルアミノ)フェノール、2−(ジエチルアミノ)フェノール、3−(ジエチルアミノ)フェノール、4−(ジエチルアミノ)フェノール、2−(ジ−n−ブチルアミノ)フェノール、3−(ジ−n−ブチルアミノ)フェノール、4−(ジ−n−ブチルアミノ)フェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)ピペラジン、8−ヒドロキシジュロリジン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−N,N−ジメチルエチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、5−フルオロフェノール、6−フルオロフェノール、2,3−ジフルオロフェノール、2,4−ジフルオロフェノール、2,5−ジフルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、2,3,5−トリフルオロフェノール、2,3,6−トリフルオロフェノール、2,4,5−トリフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、2−トリフルオロメチルフェノール、3−トリフルオロメチルフェノール、4−トリフルオロメチルフェノール、2−クロロフェノール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール、5−クロロフェノール、6−クロロフェノール、2,3−ジクロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、2,5−ジクロロフェノール、2,6−ジクロロフェノール、2,3,5−クロロフェノール、2,3,6−トリクロロフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノール、2−ニトロフェノール、3−ニトロフェノール、4−ニトロフェノール、5−ニトロフェノール、6−ニトロフェノール、2,3−ジニトロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、2,5−ジニトロフェノール、
2,6−ジニトロフェノール、2−シアノフェノール、3−シアノフェノール、4−シアノフェノール、5−シアノフェノール、6−シアノフェノール、1−ナフトール(α−ナフトール)、2−ナフトール(β−ナフトール)、4−メトキシ−1−ナフトール、5−メトキシ−1−ナフトール、5−ジメチルアミノ−1−ナフトール、6−ジメチルアミノ−1−ナフトール、6−シアノ−2−ナフトール、4−ニトロ−1−ナフトール、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、2−プロパンチオール、n−ブタンチオール、イソブチルメルカプタン、s−ブチルメルカプタン、t−ブタンチオール、n−ペンタンチオール、n−ヘキサンチオール、シクロヘキサンチオール、n−ヘプタンチオール、n−オクタンチオール、t−オクタンチオール、ベンゼンチオール、2−トルエンチオール、3−トルエンチオール、4−トルエンチオール、2,3−ジメチルベンゼンチオール、2,4−ジメチルベンゼンチオール、2,5−ジメチルベンゼンチオール、3,4−ジメチルベンゼンチオール、3,5−ジメチルベンゼンチオール、2,3,4−トリメチルベンゼンチオール、2,3,5−トリメチルベンゼンチオール、2,3,6−トリメチルベンゼンチオール、2,4,5−トリメチルベンゼンチオール、2,4,6−トリメチルベンゼンチオール(2,4,6−トリメチルチオフェノール)、2−エチルベンゼンチオール、3−エチルベンゼンチオール、4−エチルベンゼンチオール、2,4,6−トリエチルベンゼンチオール、2−n−プロピルベンゼンチオール、3−n−プロピルベンゼンチオール、4−n−プロピルベンゼンチオール、2−イソプロピルベンゼンチオール、3−イソプロピルベンゼンチオール、4−イソプロピルベンゼンチオール、2−n−ブチルベンゼンチオール、3−n−ブチルベンゼンチオール、4−n−ブチルベンゼンチオール、2−t−ブチルベンゼンチオール、3−t−ブチルベンゼンチオール、4−t−ブチルベンゼンチオール、2,4,6−トリ−t−ブチルベンゼンチオール、2−n−ペンチルベンゼンチオール、3−n−ペンチルベンゼンチオール、4−n−ペンチルベンゼンチオール、2−t−アミルベンゼンチオール、3−t−アミルベンゼンチオール、4−t−アミルベンゼンチオール、4−n−ヘキシルベンゼンチオール、5−t−ブチル−2−メチルベンゼンチオール2−フルオロベンゼンチオール、3−フルオロベンゼンチオール、4−フルオロベンゼンチオール、2,3−ジフルオロベンゼンチオール、2,4−ジフルオロベンゼンチオール、2,5−ジフルオロベンゼンチオール、3,4−ジフルオロベンゼンチオール、3,5−ジフルオロベンゼンチオール、2,3,4−トリフルオロベンゼンチオール、2,3,5−トリフルオロベンゼンチオール、2,3,6−トリフルオロベンゼンチオール、2,4,5−トリフルオロベンゼンチオール、2,4,6−トリフルオロベンゼンチオール、2−クロロベンゼンチオール、3−クロロベンゼンチオール、4−クロロベンゼンチオール、2,3−ジクロロベンゼンチオール、2,4−ジクロロベンゼンチオール、2,5−ジクロロベンゼンチオール、3,4−ジクロロベンゼンチオール、3,5−ジクロロベンゼンチオール、2,3,4−トリクロロベンゼンチオール、2,3,5−トリクロロベンゼンチオール、2,3,6−トリクロロベンゼンチオール、2,4,5−トリクロロベンゼンチオール、2,4,6−トリクロロベンゼンチオール、2−ブロモベンゼンチオール、3−ブロモベンゼンチオール、4−ブロモベンゼンチオール、2−メトキシベンゼンチオール、3−メトキシベンゼンチオール、4−メトキシベンゼンチオール、3,4−ジメトキシベンゼンチオール、2−(メチルチオ)ベンゼンチオール、3−(メチルチオ)ベンゼンチオール、4−(メチルチオ)ベンゼンチオール、1−ナフタレンチオール、2−ナフタレンチオールが挙げられる。また、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、5−ヒドロキシインドール、5−ヒドロキシ−2−メチルベンゾフラン、8−メルカプトキノリン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン(n−Bu−NH2と称することもある)、イソブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、t−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、N−エチルメチルアミン、N−メチルプロピルアミン、N−メチルイソブチルアミン、N−エチルプロピルアミン、N−エチルイソプロピルアミン、N−エチルブチルアミン、N−t−ブチルエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−s−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−t−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、ジ−n−ウンデシルアミン、ジ−n−ドデシルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、アニリン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2−クロロアニリン、3−クロロアニリン、4−クロロアニリン、2,4−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、N,N−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,6−ジメチルアニリン、3,5−ジメチルアニリン、4−エチルアニリン、4−t−ブチルアニリン、p−アニシジン、4−メチルチオアニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、4−フェノキシアニリン、4’−アミノアセトフェノン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、N−メチルアニリン、ジフェニルアミン、2−メチル−4−アミノピリジン、2−クロロ−4−アミノピリジン、6−フルオロ−2−アミノベンゾチアゾール、2−アミノ−6−クロロベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メチルベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール、2−アミノ−1,3,4−チアジアゾール、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、1−メチルピペラジン、チオモルホリン、ベンジルアミン、2−フルオロベンジルアミン、3−フルオロベンジルアミン、4−フルオロベンジルアミン、2−クロロベンジルアミン、3−クロロベンジルアミン、4−クロロベンジルアミン、2,4−ジクロロベンジルアミン、4−(トリフルオロメチル)ベンジルアミン、4−ジメチルアミノベンジルアミン、1−フェニルエチルアミン、2−フェニルエチルアミン、1−(2,4−ジクロロフェニル)エチルアミン、1−(p−トリル)エチルアミン、4−(アミノメチル)安息香酸メチル、α,α−ジメチルベンジルアミン、1,1−ジフェニルメチルアミン、N−メチルベンジルアミン、N−エチルベンジルアミン、ジベンジルアミン、N−メチル−1−ナフチルメチルアミン、N−メチル−2−フェニルエチルアミン等を使用することもできる。好ましくは、2,4,6−トリメチルフェノール、フェノール、2−メチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、2,4,6−トリメチルベンゼンチオール、4−t−オクチルフェノールである。
化合物(3−3)は、通常、塩基の存在下に、第一の溶媒中、化合物(4−3)と化合物(6)とを反応させた後、さらに、第一の溶媒とは異なる第二の溶媒を加えることにより製造される。
で表される化合物である。つまり、化合物(6)は、2−アミノフェノール又は2−アミノチオフェノールである。
化合物(2−3’)は、通常、塩基の存在下に、溶媒中、化合物(3−3)と化合物(b)とを反応させることにより製造される。
化合物(2−3)は、通常、塩基の存在下に、溶媒中、化合物(2−3’)と化合物(c)とを反応させることにより製造される。
フタロニトリル化合物(2−4)は、例えば、次の反応式−7に示す方法により製造することができる。
上記反応式−7に示したとおり、まず、化合物(5)(テトラフルオロフタロニトリル)に、化合物(a−2)を反応させて、化合物(4−4)を製造する(工程1)。次いで、工程1で得られた化合物(4−4)に、化合物(6−2)を反応させることにより、化合物(3−4)に変換する(工程2)。さらに、得られた化合物(3−4)に、化合物(b−2)を反応させて、化合物(2−4)を製造することができる(工程3)。
化合物(4−4)は、通常、溶媒中で、塩基の存在下に、化合物(5)と化合物(a−2)を反応させることにより製造される。例えば、特開平01−045474号公報、特開平08−120186号公報に開示される公知の方法を用いることができるが、より詳細には、下記のとおりである。
化合物(3−4)は、通常、溶媒中、塩基の存在下に、化合物(4−4)と化合物(6−2)とを反応させることにより製造される。
化合物(2−4)は、通常、塩基の存在下に、溶媒中、化合物(3−4)と化合物(b−2)とを反応させることにより製造される。
化合物(2−4”)は、通常、塩基の存在下に、溶媒中、化合物(2−4’)と化合物(c−2)とを反応させることにより製造される。
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物の製造方法としては、特に制限はなく、例えば、次の方法が例示できる:
(a)熱可塑性樹脂(粉末、顆粒、フレーク又はペレット)と、上記フタロシアニン化合物及び必要に応じて前記の添加剤を、慣用の混合機を用いて混合してドライブレンドタイプの熱可塑性樹脂樹脂組成物を製造する方法、
(b)このドライブレンドタイプの熱可塑性樹脂組成物を、慣用の混練り機、例えば一軸、二軸の押し出し機等を用いて、所望の温度で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却し、次いで冷却されたストランドをカッティングしてペレットタイプの熱可塑性樹脂組成物を製造する方法、
(c)フタロシアニン化合物の含有量が高いマスターバッチペレットタイプの熱可塑性樹脂組成物を製造する方法。
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物から樹脂成形体を製造することができる。該樹脂成形体は、可視光透過率が70%以上のものを得ることができる。好ましくは75%以上であり、より好ましくは80%以上である。
樹脂成形体の製造方法は、特に限定はなく、熱可塑性樹脂組成物において一般に採用されている成形方法を任意に採用できる。例えば、(1)熱可塑性樹脂、及びフタロシアニン化合物を混合し、次いで溶融混練した後に、成形する方法、(2)熱可塑性樹脂、フタロシアニン化合物、及び重合開始剤を型枠の中で重合させ、成形する方法等が挙げられる。成形法としては、特に制限はなく、例えば、射出成形法(ガス射出成形も含む)、超高速射出成形法、射出圧縮成形法(プレスインジェクション)、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、中空成形、カレンダー成形法、シート成形法、フィルム成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法等の公知の成形方法が挙げられ、中でも射出成形が好ましい。
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物を用いてレーザー溶着を行うことができる。レーザー溶着は、レーザー照射により樹脂部材同士を溶着接合するもので、通常、接合したい部材の一方が光透過性樹脂部材(透過性部材)で、もう一方がレーザー光を吸収して熱を発生する光吸収樹脂部材(吸収性部材)で構成されており、重ね合わせた両部材に、透過性部材側からレーザー照射を行うと、吸収性部材が溶解し、溶解した吸収性部材周辺から透過性部材の側へ熱が伝達されて透過性部材の溶解が起こり、接合がなされる。
レーザー溶着された溶着体の形状、大きさ、厚み等は任意であり、溶着体の用途としては、自動車等の輸送機器用部品、電気電子機器部品、産業機械用部品、その他民生用部品等に特に好適である。
<GCMS>
(株)島津製作所製ガスクロマトグラフ質量分析装置GCMS−QP2010Plus(EI法)
<LCMS>
(株)島津製作所高速液体クロマトグラフ質量分析計LCMS−2010EV(ESI法)
<MALDI−TOFMS>
BrukerDaltonics社製質量分析装置AutoflexII
<波長(λmax)、モル吸光係数(ε)>
日本分光(株)製分光光度計V−570
測定には、8.0×10−6〜11×10−6mol/Lのクロロホルム溶液を調製し、光路長1cmの石英セルを用いた。
<1H−NMR>
日本電子(株)製Lambda300(300MHz)
温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、テトラフルオロフタロニトリル(化合物(5))6.0g(30mmol)、フッ化カリウム21g(36mmol,1.2eq.)及びアセトニトリル50mlを仕込み、撹拌下、5℃に冷却した。ここに、β−ナフトール(化合物(a−2a))4.3g (30mmol、1.0eq.)を滴下した。滴下終了後、混合物を5℃以下で1時間反応させた後、室温まで昇温し、2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた粗生成物を、イソプロパノールでよく洗い、乾燥させて、化合物(4−4−1a)6.7gを、白色固体として得た(収率69%)。
GC-MS m/z=324(M+)
冷却管及び温度計を取り付けた50mlの4つ口反応器に、化合物(4−4−1a)3.2g(10mmol)、フッ化カリウム1.4g(24mmol、2.4eq.)及びMEK20mlを仕込み、60℃に昇温した。ここに、2,2’−ビフェノール(化合物(b−1))1.9g(10mmol、1.0eq.)を、MEK5mlに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、同温度で5時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた固体をメタノールでよく洗い、乾燥させて、化合物(3−1)3.4gを得た(収率72.3%)。
LC-MS m/z=470(M+)
冷却管及び温度計を取り付けた25mlの4つ口反応器に、化合物(3−4−1a)3.3g(7mmol)、トリエチルアミン1.4g(14mmol、2.0eq.)、DMA4mlを仕込み、室温で撹拌した。ここに、ジメチルアミン(化合物(b−2a))0.41g(9.1mmol、1.3eq.)を滴下した。混合物を70℃に昇温し、1時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた粗生成物をメタノールでよく洗い、化合物(2−4−1a)3.2g得た(収率93%)。
LC-MS m/z=496([M+H]+)
1H-NMR (CDCl3, δin ppm): 2.93(s, 6H), 6.61-6.64(dd, 1H), 7.01-7.02(d, 1H), 7.12-7.50(m, 10H), 7.65-7.67(d, 1H), 7.82-7.86(m, 2H)
冷却管及び温度計を取り付けた25mlの4つ口反応器に、化合物(2−4−1a)2.3g(4mmol)、CuCl 0.13g(1.3mmol、0.33eq.)n−ヘキサノール(1−ヘキサノール)8ml 及びジアザビシクロウンデセン 0.9g(6mmol、1.5eq.)を仕込み、150℃で7時間反応させた。反応終了後、80℃に冷却した反応混合物に、トルエン2mlを加えた。その後、反応混合物を、MeOH50mlに放出し、固体を析出させた。濾過して固体を取り出し、メタノールで洗浄した。100℃で乾燥して、粗生成物を1.7g得た。得られた固体をトルエン34mlに溶かし、活性白土8.5g、シリカゲル8.5gを加えて攪拌し、不溶物をろ別して濃縮した。得られた固形物をメタノールでよく洗い、120℃で乾燥して、化合物(1−4−1a)0.9gを得た(収率45%)。MALDI TOF-MS m/z=2044(M+)
λmax=807nm ε=147000 l/mol・cm(クロロホルム)
合成例1の化合物(2−4−1a)の合成において、ジエチルアミン(化合物(b−2a))を、2−エチルヘキシルアミン(化合物(b−2b))に代えた以外は、同様にして、化合物(2−4−1b)を得た(収率88.6%)。
LC-MS m/z=580([M+H]+)
1H-NMR (CDCl3, δin ppm): 0.72-0.79(m, 6H), 1.06-1.26(m, 8H), 1.46-1.57(m, 1H), 3.53-3.57(m, 2H), 4.70-4.73(t, 1H), 6.41-6.44(dd, 1H), 7.06-7.13(m, 2H), 7.22-7.51(m, 9H), 7.66-7.68(m, 1H), 7.81-7.87(m, 2H)
合成例1化合物(1−4−1a)の合成において、化合物(2−4−1a)を、化合物(2−4−1b)に代えた以外は、同様にして、化合物(1−4−1b)を得た(収率47.5%)。
MALDI TOF-MS m/z=2384(M+)
λmax=911nm ε=165000 l/mol・cm(クロロホルム)
実施例1の化合物(2−4−1a)の合成において、ジメチルアミン(化合物(b−2a))を、1−フェニルエチルアミン(化合物(b−2c))に代えた以外は、同様にして、化合物(2−4−1c)を得た(収率82.0%)。
LC-MS m/z=572([M+H]+)
1H-NMR (CDCl3, δin ppm): 1.19-1.21(d, 1H), 1.47-1.49(d, 3H), 5.06-5.09(d, 1H), 5.43-5.48(m, 1H), 6.30-6.33(d, 1H), 7.02-7.07(m, 2H), 7.20-7.52(m, 13H), 7.63-7.66(m, 1H), 7.83-7.87(m, 2H)
実施例1(4)化合物(1−1)の合成において、化合物(2−4−1a)を、化合物(2−4−1c)に代えた以外は、同様にして、化合物(1−4−1c)を得た(収率63.0%)。
MALDI TOF-MS m/z=2352(M+)
λmax=880nm ε=166000 l/mol・cm(クロロホルム)
合成例1の化合物(4−4−1a)の合成において、β−ナフトール(化合物(a−2a))を、α−ナフトール(化合物(a−2b))に代えた以外は、同様にして、化合物(4−4−1b)を得た(収率88.0%)。
GC-MS m/z=324(M+)
合成例1の化合物(3−4−1a)の合成において、化合物(4−4−1a)を、化合物(4−4−4−1b)に代えた以外は、同様にして、化合物(3−4−1b)を得た(収率84.6%)。
LC-MS m/z=580([M+H]+)
合成例1の化合物(2−4−1a)の合成において、化合物(3−4−1a)を、化合物(3−4−1b)に代え、n−ブチルアミン(化合物(b−2a))を、2−エチルヘキシルアミン(化合物(b−2b))に代えた以外は、同様にして、化合物(2−4−1d)を得た(収率79.4%)。
LC-MS m/z=580([M+H]+)
1H-NMR (CDCl3, δin ppm): 0.71-0.78(m, 6H), 1.07-1.22(m, 8H), 1.38-1.42(m, 1H), 3.50-3.53(t, 2H), 4.67-4.70(t, 1H), 6.61-6.63(d, 1H), 7.16-7.65(m, 12H), 7.86-7.90(m, 1H), 8.37-8.40(m, 1H)
合成例1の化合物(1−4−1a)の合成において、化合物(2−4−1a)を、化合物(2−4−1d)に代えた以外は、同様にして、化合物(1−4−1d)を得た(収率26.4%)。
MALDI TOF-MS m/z=2384(M+)
λmax=910nm ε=168000 l/mol・cm(クロロホルム)
温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、テトラフルオロフタロニトリル(化合物(5))6.0g(30mmol)、フッ化カリウム15g(1.2eq.)及びアセトニトリル20mlを仕込み、撹拌下、0℃に冷却した。ここに、β−ナフトール(化合物(a−2a))4.3g(1.0eq.)を少しずつ投入した。投入終了後、混合物を5℃以下で1時間反応させた後、20℃まで昇温し、20〜25℃で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた粗製物をメタノールでよく洗い、化合物(4−3−1a)6.7gを、白色固体として得た(収率69%)。
GCMS m/z=324(M+)
冷却管及び温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、化合物(4−3−1a)6.5g(20mmol、1.0eq.)、炭酸カリウム6.9g(50mmol、2.5eq.)及びアセトニトリル30mlを仕込み、撹拌した。ここに、2−アミノチオフェノール(化合物(6−1a)) 2.5g(20mmol、1.0eq.)を滴下し、75℃に昇温して、30分反応させた。ここに、DMA30mlを加え、さらに1時間反応した。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた固体をメタノールでよく洗った後、乾燥させて、化合物(3−3−1a)5.0gを、オレンジ固体として得た(収率61%)。
LCMS m/z=408((M−H)−)
冷却管及び温度計を取り付けた200mlの4つ口反応器に、化合物(3−3−1a)24.5g(60mmol、1.0eq.)、炭酸カリウム 16.6g(120mmol、2.0eq.)、DMSO35ml及び4−tert−オクチルフェノール(化合物(b−1a))17.9g(84mmol、1.4eq.)を仕込み、80℃で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。粗製物をメタノール/アセトン 1/2でよく洗い、目的物26.1gをオレンジ固体として得た(収率73%)。
LCMS m/z=594((M−H)−)
1H−NMR (CDCl3:δ ppm)7.80−7.64(m,3H)、7.49−7.38(m,2H)、7.16(d,2H)、7.06(t,1H)、6.94−6.76(m,4H)、6.66(d,1H)、6.52(m,3H)、1.68(s,2H)1.29(s,6H)、0.72(s,9H)
冷却管及び温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、化合物(2−3−1a)を 9.5g(16mmol、1.0eq. )、n−ヘキサノール32ml及びジアザビシクロウンデセン3.4g(22mmol、1.4eq.)を仕込み、80℃に昇温した。ここにCuCl 0.52g(5.3mmol、0.33eq. )を加えた。反応液を140℃に昇温し、18時間反応させた。反応終了後、反応混合物を室温に冷まし、トルエン30mlを加えた。反応混合物をMeOH200mlに放出し、固体を析出させた。濾過して固体を取り出し、固体をメタノールで洗浄した。100℃で乾燥して粗精製物を15g得た。得られた固体をトルエン150mlに溶かし、活性白土30g、シリカゲル45gを加えて攪拌し、不溶物を濾別して濃縮しメタノールで固体をよく洗った。130℃で乾燥して、目的物3.0gを、黒色固体として得た(収率31%)。
λmax 1014nm ε 113000 クロロホルム
ESI-TOFMS m/z=2444.8(M+)
合成例5の化合物(2−3−1a)の合成において、化合物(b−1a)を2−メチルフェノールに代えた以外は同様にして、化合物(1−3−1b)を得た(収率73%)。
LCMS m/z=496((M−H)−)
冷却管及び温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、化合物(2−3−1b)17g(35mmol、1.0eq.)、炭酸カリウム10g(70mmol、2.0eq.)、DMSO50mL及びn−アミルブロマイド7.9g(53mmol、1.5eq.)を仕込み、70℃で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた粗生成物をエタノールでよく洗って、化合物(2−7)17.8gを、黄色固体として得た(収率90%)。
LCMS m/z=568((M+H)+)
合成例4の化合物(1−4−1d)の合成において、化合物(2−4−1d)を化合物(2−3−1b’)に代えた以外は同様にして、化合物(1−3−1b)を得た(収率39%)。
λmax 956nm ε 110000 クロロホルム
MALDI TOF-MS m/z=2335(M+)
合成例4の化合物(1−4−1d)の合成において、化合物(2−4−1d)を化合物(2−3−1c)に代えた以外は同様にして、化合物(1−3−1c)を得た(収率56%)。
λmax 990nm ε 98000 クロロホルム
ESI-TOFMS m/z=2471.8(M+)
製造例1
レーザー光透過性板状樹脂成形品A
表1に記載した熱可塑性樹脂100重量部、及び各フタロシアニン化合物0.1重量部を混合し、フタロシアニン化合物の量が1000ppmとなるように配合した。これに二軸押出機(東洋精機製作所製ラボプラストミルマイクロ)を用いて、200〜350℃で溶融混練し、紐状に押し出した。得られた紐状のレーザー光吸収性樹脂組成物を冷却後切断し、ペレット状のマスターバッチを得た。次いで、マスターバッチと熱可塑性樹脂とをそれぞれ混合し、二軸押出機を用いて200〜350℃で溶融混練して同様にペレット状の樹脂組成物を得た。このペレット状樹脂組成物を熱プレス機(アズワン製熱プレス機AH-4015)を用い、シリンダー温度200〜350℃で成形し、厚さ1mmのレーザー光吸収性板状樹脂成形品Aを得た。
レーザー光透過性板状樹脂成形品B
前記と同様の手順で、フタロシアニン化合物を添加していないペレットを作製し、このペレットを用いて射出成形しレーザー光透過性板状樹脂成形品Bを得た。
実施例1〜11
樹脂成形品Aの上に樹脂成形品Bを重ね合わせ、樹脂成形品Bの側から重ね合わせ部に、レーザー波長808、840、910、940、又は1064nm、レーザー走査速度1〜10mm/sec、レーザー出力10、20、30、40、50Wの中で最適な条件を選択し、レーザー光を照射した。
樹脂成形品Bの上に樹脂成形品Bを重ね合わせ、重ね合わせ部に、レーザー波長808、840、910、940、1064nmのレーザー光をそれぞれ照射した。
実施例1〜11の樹脂成形品Aの溶着部において、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光社製V-570)を用いて808、840、910、940、1064nm での近赤外線透過率を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1〜11の樹脂成形品Aの溶着部及び比較例1の樹脂成形品Bにおいて、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光社製V-570)を用いてJIS R3106に準拠し、380〜780nmの可視光透過率を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1〜11において、レーザー照射した後の樹脂成形品Aと樹脂成形品Bの先端をそれぞれ掴み、溶着度合いを判定した。また、比較例1において、レーザー照射した後の樹脂成形品Bと樹脂成形品Bの先端をそれぞれ掴み、溶着度合いを判定した。その結果を表2に示す。
○:充分に溶着している。
×:溶着しない。
PS:ポリスチレン(商品名:CR-4500;メーカー:DIC)
PMAA:ポリメチルメタクリレート(商品名:パラペットHR-L;メーカー:クラレ)
COP:シクロオレフィンポリマー(商品名:ZEONEX E48R;メーカー:日本ゼオン)
PC:ポリカーボネート(商品名:ユーピロンH-4000;メーカー:三菱エンジニアリングプラスチックス)
表1及び表2の結果から、本発明のレーザー溶着用樹脂組成物は、レーザー溶着の際に用いるレーザー光波長に合わせて、該組成物中に含まれるフタロシアニン化合物を適宜選択することにより、レーザー溶着に必要なレーザー光吸収能を付与することが可能であることがわかった。また、本発明のレーザー溶着用樹脂組成物から得られた樹脂成形体は、可視光透過率も高い数値を維持でき、即ち、樹脂成形体は着色が殆ど認められず、元々の樹脂の色調を維持することが可能であった。
Claims (8)
- 前記樹脂組成物は、可視光領域の光透過率が70%以上である、請求項1に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物は、750nm〜1200nmの近赤外領域に吸収極大を有する、請求項1又は2に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
- 前記環A、環B、環C及び環Dが、同一又は異なって、一般式(1A):
或いは、R1及びR2、又はR3及びR4は、これらが結合するベンゼン環と共に、他のヘテロ原子を介し若しくは介することなく互いに結合して、5〜10員環を形成していてもよい。さらに該5〜10員環は置換基を有していてもよい。
R5及びR6は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。
R5とR6とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
波線は、フタロシアニン骨格内のピロール環との結合手を示す。]
で表される環である、請求項1〜3の何れか一項に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。 - 前記環A、環B、環C及び環Dは、
下記一般式(1B)、又は(1C):
R8、R9、R11及びR12は、同一又は異なって、ハロゲン原子、OR13基、SR14基、又はNR15R16基を示す。
X1及びX2は、同一又は異なって、酸素原子又は硫黄原子を示す。
R13及びR14は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。
R15及びR16は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。
R15とR16とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
波線は、フタロシアニン骨格内のピロール環との結合手を示す。]
で表される環である、請求項1〜4の何れか一項に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。 - 前記環A、環B、環C及び環Dは、下記一般式(1D)、又は(1E)
X3、X4、X5及びX6は、同一又は異なって、酸素原子又は硫黄原子を示す。
環A1及び環A2は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアリール基を示す。
R21及びR22は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。
R21とR22とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
波線は、フタロシアニン骨格内のピロール環との結合手を示す。]
で表される環である、請求項1〜4の何れか一項に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。 - 前記フタロシアニン化合物は、
一般式(1a):
R39及びR40基は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示し、
R41及びR42基は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。
R41とR42とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
Mは、2個の水素原子、2個の1価金属原子、2価金属原子又は3価若しくは4価の金属化合物を示す。]
で表される化合物である、請求項1〜4の何れか一項に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。 - Mは、Cu、Zn、Co、Ni、Pd、Pb、MnOH、AlCl、FeCl、InCl、SnCl2、VO又はTiOである、請求項1〜7の何れか一項に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
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