JP2016124964A - レーザー溶着用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザー照射による溶着性に優れ、溶着により得られた溶着体の溶着強度にも優れたレーザー溶着用樹脂組成物を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂、及び式(1)で表されるフタロシアニン化合物を含有するレーザー溶着用樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、レーザー溶着用樹脂組成物に関する。
熱可塑性樹脂製の成形部材同士を接合する方法としては、例えば、レーザー光照射の局所加熱により、成形部材同士を溶着するレーザー溶着方法が知られている(特許文献1及び2)。
具体的には、該レーザー溶着方法は、まず、レーザー光透過性樹脂部材と、レーザー光吸収性樹脂部材とを重ね合わせ、レーザー光透過性樹脂部材側よりレーザー光を照射すると、レーザー光吸収性樹脂が発熱して溶解する。次に、溶解したレーザー光吸収性樹脂の周辺から、レーザー光透過性樹脂の側へ熱が伝達され、レーザー光透過性樹脂の側にも溶解が起こって、これらの樹脂部材の接合面が接合される。
上記溶着方法におけるレーザー光の光源としては、波長1064nmのレーザー光を発振するネオジム:イットリウム・アルミニウム・ガーネットレーザー(以下、Nd:YAGレーザーと称する。)、波長が800〜1100nmである半導体レーザー等が主として使用される。このため、レーザー溶着用光吸収樹脂組成物としては、波長800〜1100nmの近赤外線の波長を効率よく吸収する材料が用いられる。
従来から、レーザー溶着用近赤外線吸収材料としては、カーボンブラック等が用いられている。しかしながら、カーボンブラックの吸収特性は、可視域全体にわたって吸収するだけでなく、そのまま近赤外域にまで伸びていることが特徴であり、粒径等を変更したとしても近赤外域の吸収を保ちつつ、かつ可視域の吸収を低減させることは難しかった。このため、カーボンブラックを近赤外線吸収剤として用いた場合には、見た目の色調及び近赤外線吸収の大きさの両方を調整することは困難であった。
また、一般に、材料の近赤外線吸収量が大きいほど低出力で最大溶着強度に達するが、出力の増加に伴い、急激に溶着強度の低下が生じる。この溶着強度の低下は、発熱エネルギー量が過剰になり、樹脂が分解又は蒸発するために起こるものである。
これに対して、材料の持つ近赤外線吸収量が低くなると、最大溶着強度に達するのに要する出力は高くなるものの、出力の増加に伴う溶着強度の低下は緩和され、プロセス条件の幅が拡がり、材料の変更、添加量調整等により発熱量のコントロールが可能となる。
カーボンブラックは、その高い吸光係数のため、樹脂中に粒子として存在することに起因して発熱安定性に懸念があることから、発熱量の制御が困難である。そして、カーボンブラック粒子が分散されている樹脂は、接合面付近に発熱が集中して起こりやすく、異常な発熱のため接合部位において樹脂の分解、バリの発生等が見られやすい。さらに、カーボンブラックを低濃度で使用する場合は、カーボンブラックを均一に分散させることが難しい等の問題点があった。
特表平09-510930号公報 特開平11-170371号公報
本発明は、レーザー光の照射による溶着性に優れ、かつ溶着により得られた溶着体の溶着強度にも優れたレーザー溶着用樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題に鑑みて、鋭意研究を行った。その結果、熱可塑性樹脂、及び特定のフタロシアニン化合物を含有するレーザー溶着用樹脂組成物が、本発明の上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂と、下記に示すフタロシアニン化合物とを含有するレーザー溶着用樹脂組成物を提供することにある。
項1.
熱可塑性樹脂、及び
一般式(1)
Figure 2016124964
[式中、環A、環B、環C及び環Dは、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアリール基を示す。
Mは、2個の水素原子、2個の1価金属原子、2価金属原子、3価若しくは4価の金属化合物を示す。]
で表されるフタロシアニン化合物を含有するレーザー溶着用樹脂組成物。
項2.
前記樹脂組成物は、可視光領域の光透過率が70%以上である、項1に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
項3.
前記樹脂組成物は、750nm〜1200nmの近赤外領域に吸収極大を有する、項1又は2に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
項4.
前記環A、環B、環C及び環Dが、同一又は異なって、一般式(1A):
Figure 2016124964
[式中、R、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールチオ基又はNR基を示し、
或いは、R及びR、又はR及びRは、これらが結合するベンゼン環と共に、他のヘテロ原子を介し若しくは介することなく互いに結合して、5〜10員環を形成していてもよい。さらに該5〜10員環は置換基を有していてもよい。
及びRは、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。
とRとは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
波線は、フタロシアニン骨格内のピロール環との結合手を示す。]
で表される環である、項1〜3の何れか一項に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
項5.
前記環A、環B、環C及び環Dは、
下記一般式(1B)、又は(1C):
Figure 2016124964
[式中、R及びR10は、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を示す。
、R、R11及びR12は、同一又は異なって、ハロゲン原子、OR13基、SR14基、又はNR1516基を示す。
及びXは、同一又は異なって、酸素原子又は硫黄原子を示す。
13及びR14は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。
15及びR16は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。
15とR16とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
波線は、フタロシアニン骨格内のピロール環との結合手を示す。]
で表される環である、項1〜4の何れか一項に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
項6.
前記環A、環B、環C及び環Dは、下記一般式(1D)、又は(1E)
Figure 2016124964
[式中、R17、R18、R19及びR20は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールチオ基、又はNR2122基を示す。
、X、X及びXは、同一又は異なって、酸素原子又は硫黄原子を示す。
環A及び環Aは、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアリール基を示す。
21及びR22は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。
21とR22とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
波線は、フタロシアニン骨格内のピロール環との結合手を示す。]
で表される環である、項1〜4の何れか一項に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
項7.
前記フタロシアニン化合物は、
一般式(1a):
Figure 2016124964
[式中、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、OR39基、SR40基又はNR4142基を示す。
39及びR40基は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示し、
41及びR42基は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。
41とR42とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
Mは、2個の水素原子、2個の1価金属原子、2価金属原子又は3価若しくは4価の金属化合物を示す。]
で表される化合物である、項1〜4の何れか一項に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
項8.
Mは、Cu、Zn、Co、Ni、Pd、Pb、MnOH、AlCl、FeCl、InCl、SnCl、VO又はTiOである、項1〜7の何れか一項に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物は、レーザー光の照射による溶着性に優れ、該溶着により得られた溶着体は、可視光透過率が高く、かつ溶着強度にも優れている。また、本発明のレーザー溶着用樹脂組成物は、レーザー溶着の際に用いるレーザー光波長に合わせて、該組成物中に含まれるフタロシアニン化合物を適宜選択することにより、レーザー溶着に必要なレーザー光吸収能を付与することが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.レーザー溶着用樹脂組成物
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂、及び下記のフタロシアニン化合物を含有する。
1−1.フタロシアニン化合物
該フタロシアニン化合物としては、下記一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物が挙げられる。
Figure 2016124964
[式中、環A、環B、環C、環D及びMは、前記に同じ。]
上記一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物は、下記一般式(1−1):
Figure 2016124964
[式中、4つの環Eは、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアリール基を示す。
Mは、前記に同じ。]
で表すこともできる。
上記一般式(1)又は(1−1)で表されるフタロシアニン化合物における環A、環B、環C、環D及び環Eとしては、同一又は異なって、一般式(1A):
Figure 2016124964
[式中、R、R、R、R及び波線は、前記に同じ。]
で表される環が挙げられる。
該一般式(1A)で表される環を有するフタロシアニン化合物は、下記一般式(1−2)で表すこともできる。
Figure 2016124964
[式中、R、R、R、R及びMは、前記に同じ。]
一般式(1−2)で表されるフタロシアニン化合物は、下記一般式(1−2−1):
Figure 2016124964
[式中、R、R、R、R及びMは、前記に同じ。]
で表すこともできる。
上記一般式(1A)で表される環のうち、R及びR、又はR及びRが、これらが結合するベンゼン環と共に他のヘテロ原子を介し若しくは介することなく互いに結合して5〜10員環を形成するものとしては、具体的に、下記一般式(1B)、又は(1C):
Figure 2016124964
[式中、R、R、R、R10、R11、R12、X、X及び波線は、前記に同じ。]
で表される環、
一般式(1D)、又は(1E)
Figure 2016124964
[式中、R17、R18、R19、R20、X、X、X、X、環A、環A及び波線は、前記に同じ。]
で表される環等が挙げられる。
上記一般式(1B)、又は(1C)で表される環を有するフタロシアニン化合物は、下記一般式(1−3)で表すこともできる。
Figure 2016124964
[式中、R、R、R、X及びMは、前記に同じ。]
より詳細には、上記一般式(1−3)で表されるフタロシアニン化合物としては、下記(1−3a)〜(1−3d)で表されるフタロシアニン化合物が挙げられる。
Figure 2016124964
[式中、R、R、R、X及びMは、前記に同じ。]
該一般式(1D)、又は(1E)で表される環を有するフタロシアニン化合物は、下記一般式(1−4)で表すこともできる。
Figure 2016124964
[式中、R17、R18、X、X、環A、環A及びMは、前記に同じ。]
上記一般式(1−4)で表されるフタロシアニン化合物としては、例えば、下記(1−4a)〜(1−4d)で表されるフタロシアニン化合物が挙げられる。
Figure 2016124964
(式中、R17、R18、X、X、環A、環A及びMは、前記に同じ。)
さらに、上記一般式(1−2−1)で表されるフタロシアニン化合物としては、好ましくは、下記(1a)で表されるフタロシアニン化合物も挙げられる。
Figure 2016124964
[式中、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37、R38及びMは、前記に同じ。]
一般式(1−2)で表されるフタロシアニン化合物としては、好ましくは、下記一般式(1−2−1):
Figure 2016124964
(式中、R43、R44、R45、及びR46は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、OR47基、SR48基又はNR4950基を示す。
47及びR48は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。
49及びR50は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。
49とR50とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成してもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
Mは、2個の水素原子、2個の1価金属原子、2価金属原子又は3価若しくは4価の金属化合物を示す。)
で表されるフタロシアニン化合物であり、
より好ましくは、下記一般式(1−2−2):
Figure 2016124964
(式中、R51及びR54は、同一又は異なって、OR55基、SR56基又はNR5758基を示す。
52及びR53は、同一又は異なって、ハロゲン原子、OR59基、SR60基又はNR6162基を示す。
55、R56、R59及びR60は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。
57、R58、R61及びR62は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。R57とR58、又はRR61とR62は、同一又は異なって、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成してもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
Mは、2個の水素原子、2個の1価金属原子、2価金属原子又は3価若しくは4価の金属化合物を示す。)で表されるフタロシアニン化合物であり、
さらにより好ましくは、下記一般式(1−2−3):
Figure 2016124964
(式中、X及びXは、同一又は異なって、酸素原子又は硫黄原子を示す。
63及びR64は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基又はNR6970基を示す。
65及びR66は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基又はNR6768基を示す。
m及びnは、同一又は異なって、1〜5の整数を示す。
67、R68、R69及びR70は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、R67とR68、又はR69とR70とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子、若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
Mは、2個の水素原子、2個の1価金属原子、2価金属原子、3価若しくは4価の金属化合物を示す。
但し、R63及びR64は、次の(i)又は(ii)の条件を満たす。
(i)X及びXが各々酸素原子のとき、R63及びR64は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいフェノキシ基、置換基を有していてもよいフェニルチオ基又はNR6970基を表し、
63及びR64の少なくとも一方はNR6970基を表し、R69及びR70は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、R69とR70とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子、若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよく、該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
(ii)X及びXが各々硫黄原子のとき、R63及びR64は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいフェニルチオ基又はNR6869基を表し、
63及びR64の少なくとも一方は置換基を有していてもよいフェニルチオ基又はNR6970基を表し、R69及びR70は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、R69とR70とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子、若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよく、該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。)
で表されるフタロシアニン化合物である。
一般式(1−2−1)で表される化合物としては、下記一般式(1−2−4):
Figure 2016124964
(式中、R72及びR73は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数2〜5のハロゲノアルコキシ基を示す。
71及びR74は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は置換基を有していてもよいアルキルチオ基を示す。
Mは、2個の水素原子、2個の1価金属原子、2価金属原子、3価若しくは4価の金属化合物を示す。)
で表されるフタロシアニン化合物であってもよく、R71、R72、R73、及びR74で表される基としては、少なくとも1つが水素原子又はハロゲン原子であることが好ましい。
上記一般式(1−3)で表されるフタロシアニン化合物としては、好ましくは、下記一般式(1−3−1):
Figure 2016124964
(式中、X、X及びXは、同一又は異なって、酸素原子又は硫黄原子を示す。
75は、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を示す。
76及びR77は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。
Mは、2個の水素原子、2個の2価金属原子、3価若しくは4価の金属化合物を示す。)
で表されるフタロシアニン化合物である。
上記一般式(1−4)で表されるフタロシアニン化合物としては、好ましくは、下記一般式(1−4−1):
Figure 2016124964
(式中、X10及びX11は、同一又は異なって、酸素原子又は硫黄原子を示す。
12及びX13は、同一又は異なって、酸素原子、硫黄原子又はNR80を示す。
78、R79及びR80は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。R78とR80、又はR79とR80とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
環A及び環Aは、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアリール基を示す。
Mは、2個の水素原子、2個の2価金属原子、3価若しくは4価の金属化合物を示す。)
で表されるフタロシアニン化合物である。
フタロシアニン化合物の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、通常0.00001〜0.2質量部であり、好ましくは0.0001〜0.1質量部であり、より好ましくは、0.0001〜0.01質量部である。フタロシアニン化合物の含有量をこのような範囲で調整することで、レーザー溶着用樹脂組成物の成形部材同士の充分な溶着強度を得ることができる。
フタロシアニン化合物は、750nm〜1200nmの近赤外領域に吸収極大を有する。
本明細書において示される各基は、具体的には次の通りである。
「ハロゲン原子」としては、例えば、フッ素、塩素、臭素及び沃素が挙げられる。
「アルキル基」としては、例えば、炭素数1〜12の直鎖又は炭素数3〜12の分岐鎖状或いは炭素数3〜12の環状アルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基(以下、t−Buと称することもある)、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、neo−ペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、n−へプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2,4−ジメチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、t−オクチル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、4−エチルオクチル基、4−エチル−4,5−ジメチルヘキシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、1,3,5,7−テトラメチルオクチル基、4−ブチルオクチル基等を挙げることができる。好ましくは、炭素数1〜8の直鎖又は炭素数3〜8の分岐鎖状或いは炭素数3〜8の環状アルキル基であり、特に好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、t−オクチル基である。
なお、本明細書において、「n−」はnormal、「s−」はsecondary(sec−)、「t−」はtertiary(tert−)を意味する。
「アルコキシ基」としては、例えば、炭素数1〜12の直鎖又は炭素数3〜12の分岐鎖状、或いは炭素数3〜12の環状アルキル基が酸素原子に結合した基が挙げられる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、t−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基等が挙げられる。特に炭素数1〜8の直鎖又は炭素数3〜8の分岐鎖状、或いは炭素数3〜8の環状のアルキル基が酸素原子に結合した基が好ましい。
「アルキルチオ基」としては、例えば、炭素数1〜12の直鎖又は炭素数3〜12の分岐鎖状、或いは炭素数3〜12の環状アルキル基が硫黄原子に結合した基が挙げられる。具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、n−ヘプチルチオ基、イソペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、n−オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、t−オクチルチオ基、n−ノニルチオ基、n−デシルチオ基、n−ウンデシルチオ基、n−ドデシルチオ基等が挙げられる。特に炭素数1〜8の直鎖又は炭素数3〜8の分岐鎖状、或いは炭素数3〜8の環状のアルキル基が硫黄原子に結合した基が好ましい。
「アルコキシカルボニル基」としては、例えば、炭素数1〜6のアルコキシ基が置換したカルボニル基が挙げられる。具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基等を挙げることができる。
「アリール基」としては、例えば、単環、多環(例えば、2環又は3環)のアリール基が挙げられる。具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等を挙げることができる。好ましくは、単環又は2環のアリール基であり、特に好ましくはフェニル基、ナフチル基である。
「アリールオキシ基」としては、例えば、単環、多環(例えば、2環又は3環)のアリール基が酸素原子に結合した基が挙げられる。具体的には、フェノキシ基、ナフトキシ基、アントリルオキシ基、フェナントレニルオキシ基、フルオレニルオキシ基、ピレニルオキシ基等が挙げられる。特に単環又は2環のアリール基が酸素原子に結合した基が好ましい。特に好ましくは、フェノキシ基、1−ナフトキシ基(1−ナフチルオキシ基)、2−ナフトキシ基(2−ナフチルオキシ基)である。
「アリールチオ基」としては、例えば、単環、多環(例えば、2環又は3環)のアリール基が硫黄原子に結合した基が挙げられる。具体的には、フェニルチオ基、ナフチルチオ基、アントリルチオ基、ピレニルチオ基等が挙げられる。特に単環又は2環のアリール基が硫黄原子に結合した基が好ましい。特に好ましくは、フェニルチオ基、ナフチルチオ基である。
「ヘテロアリール基」としては、例えば、単環、多環(例えば、2環又は3環)のヘテロアリール基が挙げられる。具体的には、ピリジル基、ピリミジン基、インドリル基、キノリン基、ベンズイミダゾール基、フラニル基、チエニル基、ベンゾフラン基、1,3,4−チアジアゾール基等が挙げられる。特に単環又は2環のヘテロアリール基が好ましい。
「ヘテロアリールオキシ基」としては、例えば、単環、多環(例えば、2環又は3環)のヘテロアリール基が酸素原子に結合した基が挙げられる。具体的には、ピリジル基、ピリミジン基、インドリル基、キノリン基、ベンズイミダゾール基、フラニル基、チエニル基、ベンゾフラン基、1,3,4−チアジアゾール基等が酸素原子に結合した基を挙げることができる。特に単環又は2環のヘテロアリール基が酸素原子に結合した基が好ましい。
「ヘテロアリールチオ基」としては、例えば、単環、多環(例えば、2環又は3環)のヘテロアリール基が硫黄原子に結合した基が挙げられる。具体的には、ピリジル基、ピリミジン基、インドリル基、キノリン基、ベンズイミダゾール基、フラニル基、チエニル基、ベンゾフラン基、1,3,4−チアジアゾール基等が硫黄原子に結合した基を挙げることができる。特に単環又は2環のヘテロアリール基が硫黄原子に結合した基が好ましい。
「NR基」、「NR1516基」、「NR2122基」、「NR4142基」、「NR4950基」、「NR5758基」、「NR6162基」、「NR6768基」及び「NR6970基」における、R、R、R15、R16、R21、R22、R41、R42、R49、50、R57、R58、R61、R62、R67、R68、R69及びR70で示される「アルキル基」としては、上述したアルキル基と同じものを挙げることができる。
また、R及びR、R15及びR16、R21及びR22、R41及びR42、R49及びR50、R57及びR58、R61及びR62、R67及びR68又はR69及びR70は、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環(以下、環状アミノ基と称する場合もある)を形成していてもよい。
該「5〜10員の飽和又は不飽和複素環」としては、後述する環状アミノ基と同じ基等が挙げられ、例えば、1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロピリミジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、6−アザビシクロ[3,2,1]オクチル、3−アザ−スピロ[5,5]ウンデシル、チアゾリジニル基等を例示できる。
また、「NR基」、「NR1516基」、「NR2122基」、「NR4142基」、「NR4950基」、「NR5758基」、「NR6162基」、「NR6768基」及び「NR6970基」としては、例えば、2級又は3級のアミノ基が挙げられる。具体的には、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、n−ヘプチルアミノ基、n−オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、フェニルアミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ベンジルアミノ基、1−フェニルエチルアミノ基、2−フェニルエチルアミノ基、1−(p−トリル)エチルアミノ基、α,α−ジメチルベンジルアミノ基、1−ナフチルエチルアミノ基、1,1−ジフェニルメチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基(ジ−n−ブチルアミノ基)、エチルブチルアミノ基、ジ(2−エチルヘキシル)アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、4−メチルピペラジノ基、モルホリノ基等を挙げることができる。好ましくは、炭素数1〜8の直鎖又は炭素数3〜8の分岐鎖状或いは炭素数3〜8の環状アルキル基が置換した、2級又は3級アミノ基、或いは、炭素数1〜3のアルキル基の水素原子の1つが単環又は2環のアリール基で置換されているアルキル基が置換した2級アミノ基であり、特に好ましくは、n−ブチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ベンジルアミノ基、1−フェニルエチルアミノ基である。
該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。上記硫黄原子は、酸化されていてもよい。当該環状アミノ基としては、後述するアルキル鎖、アリール環又はヘテロアリール環上に置換しうる基として挙げた環状アミノ基と、同じものを挙げることができる。
「NR基」、「NR1516基」、「NR2122基」、「NR4142基」、「NR4950基」、「NR5758基」、「NR6162基」、「NR6768基」及び「NR6970基」における、R、R、R15、R16、R21、R22、R41、R42、R49、50、R57、R58、R61、R62、R67、R68、R69及びR70で示される「アリール基」としては、上述したアリール基と同じものを挙げることができる。
該5〜10員の飽和又は不飽和複素環に置換する1個以上の置換基としては、後述する置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基、又は置換基を有していてもよいヘテロアリールチオ基の、アルキル鎖、アリール環又はヘテロアリール環上の置換基と同じ基が挙げられる。
環A、環B、環C、環D及び環Eで示す置換基を有していてもよいアリール基における「置換基」としては、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールチオ基、NR基が挙げられ、該置換基は1〜5個有していてもよい。或いは、
2つの上記置換基が結合するベンゼン環と共に、他のヘテロ原子を介し若しくは介することなく互いに結合して、5〜10員環を形成していてもよい。さらに該5〜10員環は置換基を有していてもよく、縮合環であってもよい。5〜10員環の置換基は1〜3個有していてもよい。
上記2つの上記置換基、或いはR及びR、又はR及びRは、これらが結合するベンゼン環と共に、他のヘテロ原子を介し若しくは介することなく互いに結合して、5〜10員環を形成していてもよい。
該「5〜10員環」としては、例えば、単環、多環(例えば、2環又は3環)の飽和又は不飽和複素環基が挙げられる。具体的には、下記一般式(x)で表される多環の複素環基、一般式(y)で表される多環の複素環基等が挙げられる。
Figure 2016124964
中でも、該「5〜10員環」としては、下記式(x1)〜(x18)、(y1)〜(y4)で表される多環の複素環基等が好ましい。
Figure 2016124964
該5〜10員環は、さらに置換基を有していてもよく、該置換基は、上述した環A、環B、環C及び環Dで示す置換基を有していてもよいアリール基における置換基と同じ基である。
上記置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基、又は置換基を有していてもよいヘテロアリールチオ基の、アルキル鎖、アリール環又はヘテロアリール環上の置換基(アルキル鎖、アリール環又はヘテロアリール環上に置換しうる基)としては、例えば、アルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、環状アミノ基、ハロゲン原子、アシル基、アルコキシカルボニル基、ウレイド基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。該置換基(アルキル鎖、アリール環又はヘテロアリール環上に置換しうる基、以下、置換基Aと称する)は、アルキル鎖、アリール環又はヘテロアリール環上に、1〜5個有していてもよい。以下、上記置換基Aの詳細を説明する。
該置換基Aにおける「アルキル基」、「アルコキシ基」、「アルキルチオ基」、「ハロゲン原子」及び「アルコキシカルボニル基」は、上述した環A、環B、環C及び環Dで示す置換基を有していてもよいアリール基における「アルキル基」、「アルコキシ基」、「アルキルチオ基」、「ハロゲン原子」「アルコキシカルボニル基」と同じ基である。
「ハロアルキル基」としては、例えば、炭素数1〜6のハロアルキル基が挙げられる。具体的には、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロブチル基、ノナフルオロブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基等を挙げることができる。
「ヒドロキシアルキル基」としては、例えば、炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基が挙げられる。具体的には、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基、7−ヒドロキシヘプチル基、8−ヒドロキシオクチル基等を挙げることができる。
「アルキルアミノ基」としては、例えば、炭素数1〜12の直鎖又は炭素数3〜12の分岐鎖状或いは炭素数3〜12の環状アルキル基が置換したアミノ基が挙げられる。アルキルアミノ基のアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、4−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、シクロヘキシル基、n−へプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、2,4−ジメチルペンチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2,5−ジメチルヘキシル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、2,4−ジメチルヘキシル基、2,2,4−トリメチルペンチル基、t−オクチル基、n−ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、4−エチルオクチル基、4−エチル−4,5−ジメチルヘキシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、1,3,5,7−テトラメチルオクチル基、4−ブチルオクチル基等を挙げることができる。
「ジアルキルアミノ基」としては、例えば、同一又は異なって炭素数1〜12の直鎖又は炭素数3〜12の分岐鎖状或いは炭素数3〜12の環状アルキル基が2つ置換したアミノ基が挙げられる。ジアルキルアミノ基のアルキル基として、具体的には、上記アルキルアミノ基のアルキル基として挙げたものと同じアルキル基を挙げることができる。
「環状アミノ基」としては、例えば、窒素原子上の2個の置換基が窒素原子と共に環構造を形成し、N、O、Sのヘテロ原子を環構成原子として含んでいてもよい環状アミンが挙げられる。具体的には、ピロリジル基、ピペリジノ基、ピペラジノ基、モルホリノ基、チオモルホリノ基等を挙げることができる。環状アミノ基としては、5〜8員の環状アミノ基が望ましい。
「アシル基」としては、例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。
「アルキルカルバモイル基」としては、−CON(Rで示されるものである。ここで、Rは、それぞれ同一又は異なって、それぞれ水素原子、炭素数1〜12の直鎖又は炭素数3〜12の分岐鎖状或いは炭素数3〜12の環状アルキル基を示す。当該アルキル基としては、上記アルキルアミノ基のアルキル基として挙げたものと同じアルキル基を挙げることができる。具体的には、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジプロピルカルバモイル基等を挙げることができる。
「アルキルスルホニル基」としては、例えば、炭素数1〜8のアルキル基が置換したスルホニル基が挙げられる。具体的には、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基等を挙げることができる。
「アリールスルホニル基」としては、例えば、炭素数6〜12のアリール基が置換したスルホニル基が挙げられる。具体的には、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等を挙げることができる。
「アルコキシスルホニル基」としては、例えば、炭素数1〜8のアルコキシ基が置換したスルホニル基が挙げられる。具体的には、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、ブトキシスルホニル基等を挙げることができる。
「アリールオキシスルホニル基」としては、例えば、炭素数6〜12のアリールオキシ基が置換したスルホニル基が挙げられる。具体的には、フェノキシスルホニル基、ナフトキシスルホニル基等を挙げることができる。
例えば、上記置換基を有していてもよいアルキル基が、「置換基を有するアルキル基」である場合、該基としては、具体的には、2−クロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、ベンジル基、フェネチル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルエチル基、4−ヒドロキシブチル基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、2−イソプロポキシエチル基、ブタン酸エチル基等を挙げることができる。
上記置換基を有していてもよいアリール基が、「置換基を有するアリール基」である場合、該基としては、具体的には、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−t−ブチルフェニル基、4−ビフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−メチルチオフェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−フェノキシフェニル基、4−アセチルフェニル基、4−メトキシカルボニルフェニル基等を挙げることができる。
上記置換基を有していてもよいヘテロアリール基が、「置換基を有するヘテロアリール基」である場合、該基としては、具体的には、2−メチルピリジル基、2−クロロピリジル基、6−フルオロベンゾチアゾール基、6−クロロベンゾチアゾール基、6−メチルベンゾチアゾール基、6−メトキシベンゾチアゾール基、5−メチル−1,3,4−チアジアゾール基、5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾール基、5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾール基等を挙げることができる。
上記置換基を有していてもよいアルコキシ基が、「置換基を有するアルコキシ基」である場合、該基としては、具体的には、3−クロロプロポキシ基、2−(ジエチルアミノ)エトキシ基、ベンジルオキシ基、1−フェニルエトキシ基、2−フェニル−2−プロポキシ基等を挙げることができる。
上記置換基を有していてもよいアルキルチオ基が、「置換基を有するアルキルチオ基」である場合、該基としては、具体的には、2−(ジエチルアミノ)エチルチオ基、ベンジルチオ基、等を挙げることができる。
置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基が、「置換基を有するアルコキシカルボニル基」である場合、該基としては、具体的には、2−クロロエトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等を挙げることができる。
上記置換基を有していてもよいアリールオキシ基が、「置換基を有するアリールオキシ基」である場合、該基としては、具体的には、4−メトキシフェノキシ基、3−クロロフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、4−フルオロフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−フェノキシフェノキシ基等を挙げることができる。
上記置換基を有していてもよいアリールチオ基が、「置換基を有するアリールチオ基」である場合、該基としては、具体的には、4−クロロフェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基、2−メチルフェニルチオ基、4−イソプロピルフェニルチオ基、4−t−ブチルフェニルチオ基、4−メトキシフェニルチオ基等を挙げることができる。
上記置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基が、「置換基を有するヘテロアリールオキシ基」である場合、該基としては、具体的には、2−メチルピリジルオキシ基、2−クロロピリジルオキシ基、6−フルオロベンゾチアゾールオキシ基、6−クロロベンゾチアゾールオキシ基、6−メチルベンゾチアゾールオキシ基、6−メトキシベンゾチアゾールオキシ基、5−メチル−1,3,4−チアジアゾールオキシ基、5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾールオキシ基、5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾールオキシ基等を挙げることができる。
上記置換基を有していてもよいヘテロアリールチオ基が、「置換基を有するヘテロアリールチオ基」である場合、該基としては、具体的には、2−メチルピリジルチオ基、2−クロロピリジルチオ基、6−フルオロベンゾチアゾールチオ基、6−クロロベンゾチアゾールチオ基、6−メチルベンゾチアゾールチオ基、6−メトキシベンゾチアゾールチオ基、5−メチル−1,3,4−チアジアゾールチオ基、5−メチルチオ−1,3,4−チアジアゾールチオ基、5−トリフルオロメチル−1,3,4−チアジアゾールチオ基等を挙げることができる。
環A及び環Aで示されるアリール基としては、例えば、単環、多環(例えば、2環又は3環)の芳香族環が挙げられる。具体的には、ベンゼン(環)、ナフタレン(環)、アントラセン(環)、フェナントレン(環)等を挙げることができる。好ましくは、単環又は2環の芳香族環であり、より好ましくはベンゼン環又はナフタレン環であり、特に好ましくは、ベンゼン環である。なお、後述の通り、これらの芳香族環は、それぞれ置換基を有していてもよい。
上述の環A及び環Aで示されるアリール基の置換基としては、例えば、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルキル基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、環状アミノ基、ハロゲン原子、アシル基、アルコキシカルボニル基、ウレイド基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルカルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、シアノ基、ニトロ基等の上述した置換基Aと同じ基が挙げられる。
Mで示される2価の金属としては、例えば、周期律表第3族〜第15族に属する金属原子が挙げられる。具体的には、Cu、Zn、Fe、Co、Ni、Ru、Pb、Rh、Pd、Pt、Mn、Sn、Pb等を挙げることができる。
Mで示される3価若しくは4価の金属化合物としては、例えば、周期律表第3族〜第15族に属する金属の、ハロゲン化物、水酸化物及び酸化物等が挙げられる。具体的には、AlCl、AlOH、InCl、FeCl、MnOH、SiCl、SnCl、GeCl、Si(OH)、Si(OCH、Si(OPh)、Si(OSiCH、Sn(OH)、Ge(OH)、VO、TiO等を挙げることができる。なお、上記Phは、フェニル基を示す。
熱可塑性樹脂100重量部に対するフタロシアニン化合物の含有量は、0.00001〜0.2重量部程度が好ましく、0.0001〜0.1重量部程度がより好ましく、0.0001〜0.01重量部程度がさらに好ましい。
1−2.熱可塑性樹脂
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物に使用する熱可塑性樹脂としては、特に限定はなく、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
上記アクリル樹脂としては、特に限定はなく、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート等のアルキルアクリレート;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリレートなどの重合体;該アルキルアクリレート及びアルキルメタクリレートから成る群より選ばれる少なくとも1種を主原料とし、必要に応じて、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等から得られる共重合体などが挙げられる。また、特公昭59−36646号公報、特公昭62−19309号公報、特公昭63−20459号公報および特開昭63−77963号公報、特開2006−146029号公報に記載されているような重合体を用いることができる。中でも、例えば、メチルメタクリレートを50〜99.95モル%、及びアルキルアクリレート等の共重合可能な他の単量体を0.05〜50モル%の割合で用いて得られる共重合体が好ましい。これらは単独で又は混合して用いることができる。
上記ポリスチレン樹脂としては、特に限定はなく、例えば、スチレン系単量体(例えばスチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、パラメチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレンの単独重合体)、前記スチレンと他の単量体との共重合体(例えば、前記スチレン系単量体と、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、ブタジエン等のビニル単量体との共重合体)等が挙げられる。中でも、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体、アクリロニトリルーメタクリル酸メチル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン樹脂、アクリロニトリル−EPDM−スチレン樹脂等を用いることが好ましい。これらのポリスチレン樹脂は、単独で使用してもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
低密度ポリエチレン樹脂としては、特に限定はなく、例えば、高圧法低密度ポリエチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、低密度エチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。これらの低密度ポリエチレン樹脂は、単独で使用してもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
ポリプロピレン樹脂としては、特に限定はなく、例えば、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、ホモポリプロピレン以外にプロピレン成分を70重量%以上含む他のオレフィン成分とのプロピレンランダム共重合体(例えばプロピレン・エチレンランダム共重合体)、プロピレンブロック共重合体(プロピレン・エチレンランダム共重合体など)等が挙げられる。これらのポリプロピレン樹脂は、単独で使用してもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
ポリウレタン樹脂としては、特に限定はなく、例えば、分子中にウレタン結合(-NH-COO-)、尿素結合、ビュレット結合、アロファネート結合等を有する従来公知のポリウレタン樹脂等が挙げられる。これらのポリウレタン樹脂は、単独で使用してもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
ポリアミド樹脂としては、特に限定はなく、公知のポリアミド樹脂を用いることができる。例えば、ジアミンとジカルボン酸との縮合重合で得られるポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6T(6Tは、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸からなるポリアミド重合体)、ポリアミド6I(6Iは、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸からなるポリアミド重合体)、ポリアミドMXD6(MXD6は、メタキシリレンジアミンとアジピン酸からなるポリアミド重合体)、ポリアミド9T(9Tは、ノナンジアミンとテレフタル酸からなるポリアミド重合体)、ラクタムの開環重合で得られるポリアミド6、ポリアミド12、ω−アミノカルボン酸の自己重縮合で得られるポリアミド11からなる群より選ばれる少なくとも1種の単独重合体、及び/又はこれらの共重合体若しくはブレンド物等が挙げられる。これらのポリアミド樹脂は、単独で用いられてもよいし、又は2種類以上が併用されてもよい。
ポリアセタール樹脂としては、特に限定はなく、例えば、ポリアセタール単独重合体、ホルムアルデヒドとトリオキサンとの共重合体等があげられる。これらのポリアセタール樹脂は、単独で使用してもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
ポリフェニレンスルフィド樹脂としては、特に限定はなく、例えば、p−フェニレンスルフィド単位を基本的な繰返し単位とする重合体、このp−フェニレンスルフィド単位と共にm−フェニレンスルフィド単位、o−フェニレンスルフィド単位、p,p’−ジフェニレンケトン−スルフィド単位、p,p’−ジフェニレンスルホン−スルフィド単位、p,p’−ビフェニレン−スルフィド単位、p,p’−ジフェニレンエーテル−スルフィド単位、p,p’−ジフェニレンメチレン−スルフィド単位、p,p’−ジフェニレンクメニル−スルフィド単位、各種ナフチル−スルフィド単位等の繰返し単位を含有する共重合体などが挙げられる。これらのポリフェニレンスルフィド樹脂は、単独で使用してもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
ポリエチレンテレフタレート樹脂としては、特に限定はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレートのホモポリマー;ポリエチレンテレフタレートポリマー構造の構成単位の一部を置き換えしたもの、例えば、テレフタル酸単位の一部をイソフタル酸単位に置き換えたもの等のポリエチレンテレフタレート系樹脂などが挙げられる。また、このようなポリエチレンテレフタレート系樹脂に対して、更にポリエチレンナフタレート等を添加したものでもよい。これらのポリエチレンテレフタレート樹脂は、単独で使用してもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
ポリブチレンテレフタレート樹脂としては、特に限定はなく、例えば、テレフタル酸と1,4−ブタンジオ−ルからなるポリブチレンテレフタレ−ト単独重合体やこれにナフタレンジカルボン酸、ジエチレングリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル等を共重合した共重合体などが挙げられる。これらのポリブチレンテレフタレート樹脂は、単独で使用してもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
ポリシクロオレフィン(COP)樹脂としては、特に限定はなく、例えば、ノルボルネンの重合体;ノルボルネンとオレフィンとの共重合体;シクロペンタジエン等の不飽和脂環式炭化水素の重合体などが挙げられる。これらのポリシクロオレフィン樹脂は、単独で使用してもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
ポリスルホン樹脂としては、特に限定はなく、スルホニル基(−SO2−)を複数含む分子構造を有する樹脂であればよい。例えば、スルホニル基以外にさらに分子中に複数のエーテル結合(−O−)を含むポリエーテルスルホン樹脂;スルホニル基以外にさらに分子中に複数の芳香族炭化水素を含むポリフェニルスルホン樹脂;スルホニル基以外にさらに分子中に複数のエーテル結合と複数の芳香族炭化水素とを含むポリエーテルポリフェニルスルホン樹脂などが挙げられる。これらのポリフェニレンスルフィド樹脂は、単独で使用してもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
フッ素樹脂としては、特に限定はなく、例えば、ポリフッ化エチレン、ポリ2フッ化エチレン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−2フッ化エチレン共重合体、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、4フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体等が挙げられる。これらのフッ素樹脂は、単独で使用してもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
上記熱可塑性樹脂は、中でも可視光透過率が高く、透明性の熱可塑性樹脂が好ましい。
該熱可塑性樹脂は、可視光領域の光透過率が通常70%以上であり、好ましくは80%以上であり、より好ましくは90%以上である。
上記熱可塑性樹脂として、より好ましくは、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンポリマー、及びポリカーボネート等である。
1−3.その他の成分
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物は、熱可塑性樹脂及び上記フタロシアニン化合物を含む組成物であるが、前記熱可塑性樹脂及びフタロシアニン化合物以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分としては、フタロシアニン化合物以外の吸収剤、着色剤、フィラー、エラストマー、安定剤、離型剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤、重合開始剤等の種々の添加剤を含有していてもよい。
これらの任意の添加剤を使用する場合、その使用量は、本発明の効果を阻害しない限り、通常使用されている範囲で使用すればよいが、熱可塑性樹脂100重量部に対して、好ましくは0.005〜100重量部程度、より好ましくは0.01〜50重量部程度で使用される。
1−4.レーザー溶着用樹脂組成物の好ましい組合せ
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物中に含まれる熱可塑性樹脂及びフタロシアニン化合物の組合せとしては、以下の熱可塑性樹脂及びフタロシアニン化合物の組合せ(A)〜(C)であることが好ましい。
(A)ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンポリマー、及びポリカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂、
上述した一般式(1−2)で表されるフタロシアニン化合物、一般式(1−3)で表されるフタロシアニン化合物及び一般式(1−4)で表されるフタロシアニン化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種のフタロシアニン化合物
を含むレーザー溶着用樹脂組成物。
(B)ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンポリマー、及びポリカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂、及び
一般式(1−3)で表されるフタロシアニン化合物
を含むレーザー溶着用樹脂組成物。
(C)ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンポリマー、及びポリカーボネートよりなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂、及び
一般式(1−4)で表されるフタロシアニン化合物
を含むレーザー溶着用樹脂組成物。
2.フタロシアニン化合物の製造方法
フタロシアニン化合物は、公知の製造方法に従い製造することができ、例えば、WO2014/115692A1に記載の製造方法等を参考にして製造することができる。
具体的には、フタロシアニン化合物は、下記反応式−1に示すとおり、フタロニトリル化合物(2−1)と、金属又は無機若しくは有機金属化合物とを、塩基の存在下に反応させることにより、製造することができる(該反応を工程4という場合もある)。
Figure 2016124964
(式中、環E及びMは、前記に同じ。)
該フタロシアニン化合物の製造方法としては、具体的に、下記反応式−2、反応式−3、及び反応式−4に示す製造方法が挙げられる。
Figure 2016124964
[式中、R、R、R、R及びMは、前記に同じ。]、
Figure 2016124964
[式中、R、R、R、X及びMは、前記に同じ。]、
Figure 2016124964
[式中、R17、R18、X、X、環A、環A及びMは、前記に同じ。]
上記化合物(2−1)〜(2−4)の製造方法については、下記「3.フタロニトリル及びその製造方法」において説明する。
上記化合物(2−1)、(2−2)、(2−3)又は(2−4)と反応させる金属としては、例えば、周期律表第3族〜第15族に属する金属が挙げられる。具体的には、Al、Si、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Ru、Rh、Pd、In、Sn、Pt、Pb等が挙げられる。
無機金属化合物としては、例えば、上記金属の、ハロゲン化物、カルボン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物、錯体等が挙げられる。具体的には、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、沃化銅、塩化ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)、酢酸ニッケル(II)、塩化コバルト(II)、臭化コバルト(II)、酢酸コバルト(II)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、塩化亜鉛、臭化亜鉛、沃化亜鉛、酢酸亜鉛、塩化バナジウム(III)、オキシ三塩化バナジウム、塩化パラジウム(II)、酢酸パラジウム、塩化アルミニウム、塩化マンガン(II)、酢酸マンガン(II)、酢酸マンガン(III)、塩化マンガン、塩化鉛、酢酸鉛、塩化インジウム(III)、塩化チタン(III)、塩化チタン(IV)、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、塩化ルテニウム(III)、塩化白金(II)、四塩化ケイ素、塩化ゲルマニウム等が挙げられる。
有機金属化合物としては、例えば、上記金属のカルボニル化合物が挙げられる。具体的には、アセチルアセトンマンガン等が挙げられる。
金属又は無機若しくは有機金属化合物の使用量は、化合物(2)1モルに対し、通常、0.2モル以上であればよく、好ましくは0.25〜0.5モルである。
塩基としては、例えば、金属アルコキシド、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロノネン等が挙げられる。
金属アルコキシドとしては、例えば、ナトリウム又はカリウムの、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド、ペントキシド等が挙げられる。具体的には、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシド(以下、tBuOK又はt−BuOKと称することもある)等が挙げられる。好ましくは、カリウム−t−ブトキシド又はジアザビシクロウンデセンである。
塩基は、化合物(2−1)、(2−2)、(2−3)又は(2−4)1モルに対し、通常、1〜3モル程度、好ましくは1.2〜1.8モル程度使用される。
また、上記化合物(2−1)、(2−2)、(2−3)又は(2−4)と、金属又は無機若しくは有機金属化合物との反応においては、必要に応じて、窒素源として、例えば、ホルムアミド、アンモニア、尿素等を配合してもよい。好ましくは、ホルムアミドである。
窒素源は、化合物(2−1)、(2−2)、(2−3)又は(2−4)1モルに対し、例えば、1モル以上、好ましくは1〜3モル程度使用することができる。
上記化合物(2−1)、(2−2)、(2−3)又は(2−4)と、金属又は無機若しくは有機金属化合物との反応は、通常、溶媒中で行われる。溶媒としては、該反応に対して不活性な溶媒である限り公知の溶媒を広く使用することができる。例えば、芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、エーテル類、アルコール類、アミン類、アミド類、スルホキシド類、ニトリル類の他、ニトロベンゼン等が挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、具体的には、キシレン、メチルナフタレン等を挙げることができる。
ハロゲン化炭化水素類としては、具体的には、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロナフタレン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン等を挙げることができる。
エーテル類としては、具体的には、ジエチレングリコールジメチルエーテル等を挙げることができる。
アルコール類としては、具体的には、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール(1−ヘキサノールと称することもある)、n−アミルアルコール、シクロヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、1−オクタノール(n−オクタノールと称することもある)、2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、エタンジオール、プロピレングリコール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、プロポキシエタノール、ブトキシエタノール、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール等を挙げることができる。
アミン類としては、具体的には、トリ−n−ブチルアミン等を挙げることができる。
アミド類としては、具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと称することもある)、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAと称することもある)、N−メチルピロリドン(以下、NMPと称することもある)、1,3−ジメチルイミダゾリジノン等を挙げることができる。
スルホキシド類としては、具体的には、スルホラン、ジメチルスルホキシド(以下、DMSOと称することもある)等を挙げることができる。
ニトリル類としては、ベンゾニトリル等を挙げることができる。
これらの溶媒は、1種を単独で又は2種以上混合して使用される。好ましくは、n−アミルアルコール、n−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノールである。
これらの溶媒の使用量は、使用する化合物の種類等によって適宜設定すればよいが、化合物(2−1)、(2−2)、(2−3)又は(2−4)1重量部に対し、通常、1〜100重量部程度、好ましくは2〜30重量部程度使用される。
該反応は、通常、90〜240℃、好ましくは、110〜200℃、更に好ましくは、120〜170℃で行われる。
反応時間は、原料化合物の種類及び反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常、1〜24時間程度である。
上記反応により得られた化合物は、通常の分離手段により反応系内より分離され、さらに、精製することができる。当該分離及び精製手段としては、公知の分離及び精製手段を広く使用でき、例えば、再結晶法、溶媒抽出法、カラムクロマトグラフィー、ゲルクロマトグラフィー、プレパラティブクロマトグラフィー等が挙げられるが、晶析、ろ過、洗浄、乾燥等の従来公知の方法によっても、効率よくかつ高純度で、フタロシアニン化合物を得ることができる。
3.フタロニトリル及びその製造方法
上記一般式(2−1)〜(2−4)で表されるフタロニトリル化合物は、市販品を使用することができ、市販品がない場合は、例えば、WO2014/115692A1等に記載の製造方法を参考に製造することができる。
3−1.フタロニトリル化合物(2−3)の製造
具体的に、一般式(2−3)で表されるフタロニトリル化合物は、例えば、次の反応式−5及び反応式−6に示す方法により製造することができる。
Figure 2016124964
(式中、R、R、及びXは、前記に同じ)
上記反応式−5に示したとおり、まず、化合物(5)に、化合物(a)を反応させて、化合物(4−3)を製造する(工程1)。次いで、工程1で得られた化合物(4−3)に、化合物(6)を反応させ、さらに非プロトン性極性溶媒を加えることにより、化合物(3−3)に変換する(工程2)。さらに、得られた化合物(3−3)に、化合物(b)を反応させて、化合物(2−3’)を製造することができる(工程3−1)。
工程1
化合物(4−3)は、通常、溶媒中で、塩基の存在下に、化合物(5)と化合物(a)を反応させることにより製造される。例えば、特開平01−045474号公報、特開平08−120186号公報に開示される公知の方法を用いることができるが、より詳細には、下記のとおりである。
化合物(a)としては、アルコール類、フェノール類、ナフトール類、チオール類、チオフェノール類、アミン(1級アミン又は2級アミン)等が挙げられる。具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、t−オクタノール、フェノール、2−メチルフェノール(o−クレゾール)、3−メチルフェノール、4−メチルフェノール、2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,4,5−トリメチルフェノール、2,4,6−トリメチルフェノール、2−エチルフェノール、3−エチルフェノール、4−エチルフェノール、2,3−ジエチルフェノール、2,4−ジエチルフェノール、2,5−ジエチルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2,3,5−トリエチルフェノール、2,3,6−トリエチルフェノール、2,4,5−トリエチルフェノール、2,4,6−トリエチルフェノール、2−n−プロピルフェノール、3−n−プロピルフェノール、4−n−プロピルフェノール、2,3−ジ−n−プロピルフェノール、2,4−ジ−n−プロピルフェノール、2,5−ジ−n−プロピルフェノール、2,6−ジ−n−プロピルフェノール、2,3,5−トリ−n−プロピルフェノール、2,3,6−トリ−n−プロピルフェノール、2,4,5−トリ−n−プロピルフェノール、2,4,6−トリ−n−プロピルフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、2,3−ジイソプロピルフェノール、2,4−ジイソプロピルフェノール、2,5−ジイソプロピルフェノール、2,6−ジイソプロピルフェノール、2,3,5−トリイソプロピルフェノール、2,3,6−トリイソプロピルフェノール、2,4,5−トリイソプロピルフェノール、2,4,6−トリイソプロピルフェノール、2−n−ブチルフェノール、3−n−ブチルフェノール、4−n−ブチルフェノール、2,3−ジ−n−ブチルフェノール、2,4−ジ−n−ブチルフェノール、2,5−ジ−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−n−ブチルフェノール、2,3,5−トリ−n−ブチルフェノール、2,3,6−トリ−n−ブチルフェノール、2,4,5−トリ−n−ブチルフェノール、2,4,6−トリ−n−ブチルフェノール、2−s−ブチルフェノール、3−s−ブチルフェノール、4−s−ブチルフェノール、2−イソブチルフェノール、3−イソブチルフェノール、4−イソブチルフェノール、2−t−ブチルフェノール、3−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルフェノール、2,3−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジ−t−ブチルフェノール、2,5−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,3,5−トリ−t−ブチルフェノール、2,3,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,4,5−トリ−t−ブチルフェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、
2−n−ペンチルフェノール、3−n−ペンチルフェノール、4−n−ペンチルフェノール、2−t−アミルフェノール、3−t−アミルフェノール、4−t−アミルフェノール、2,4−ジ−t−アミルフェノール、2−n−ヘキシルフェノール、3−n−ヘキシルフェノール、4−n−ヘキシルフェノール、4−シクロヘキシルフェノール、2−n−ヘプチルフェノール、3−n−ヘプチルフェノール、4−n−ヘプチルフェノール、2−n−オクチルフェノール、3−n−オクチルフェノール、4−n−オクチルフェノール、2−(2−エチルヘキシル)フェノール、3−(2−エチルヘキシル)フェノール、4−(2−エチルヘキシル)フェノール、2−t−オクチルフェノール、3−t−オクチルフェノール、4−t−オクチルフェノール、2−n−ノニルフェノール、3−n−ノニルフェノール、4−n−ノニルフェノール、2−n−デシルフェノール、3−n−デシルフェノール、4−n−デシルフェノール、2−n−ウンデシルフェノール、3−n−ウンデシルフェノール、4−n−ウンデシルフェノール、2−n−ドデシルフェノール、3−n−ドデシルフェノール、4−n−ドデシルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、4−t−ブチル−2,6−ジイソプロピルフェノール、4−s−ブチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4−ドデシルクレゾール、2−(ジメチルアミノ)フェノール、3−(ジメチルアミノ)フェノール、4−(ジメチルアミノ)フェノール、2−(ジエチルアミノ)フェノール、3−(ジエチルアミノ)フェノール、4−(ジエチルアミノ)フェノール、2−(ジ−n−ブチルアミノ)フェノール、3−(ジ−n−ブチルアミノ)フェノール、4−(ジ−n−ブチルアミノ)フェノール、1−(4−ヒドロキシフェニル)ピペラジン、8−ヒドロキシジュロリジン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−N,N−ジメチルエチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、5−フルオロフェノール、6−フルオロフェノール、2,3−ジフルオロフェノール、2,4−ジフルオロフェノール、2,5−ジフルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、2,3,5−トリフルオロフェノール、2,3,6−トリフルオロフェノール、2,4,5−トリフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、2−トリフルオロメチルフェノール、3−トリフルオロメチルフェノール、4−トリフルオロメチルフェノール、2−クロロフェノール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール、5−クロロフェノール、6−クロロフェノール、2,3−ジクロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、2,5−ジクロロフェノール、2,6−ジクロロフェノール、2,3,5−クロロフェノール、2,3,6−トリクロロフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノール、2−ニトロフェノール、3−ニトロフェノール、4−ニトロフェノール、5−ニトロフェノール、6−ニトロフェノール、2,3−ジニトロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、2,5−ジニトロフェノール、
2,6−ジニトロフェノール、2−シアノフェノール、3−シアノフェノール、4−シアノフェノール、5−シアノフェノール、6−シアノフェノール、1−ナフトール(α−ナフトール)、2−ナフトール(β−ナフトール)、4−メトキシ−1−ナフトール、5−メトキシ−1−ナフトール、5−ジメチルアミノ−1−ナフトール、6−ジメチルアミノ−1−ナフトール、6−シアノ−2−ナフトール、4−ニトロ−1−ナフトール、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール、2−プロパンチオール、n−ブタンチオール、イソブチルメルカプタン、s−ブチルメルカプタン、t−ブタンチオール、n−ペンタンチオール、n−ヘキサンチオール、シクロヘキサンチオール、n−ヘプタンチオール、n−オクタンチオール、t−オクタンチオール、ベンゼンチオール、2−トルエンチオール、3−トルエンチオール、4−トルエンチオール、2,3−ジメチルベンゼンチオール、2,4−ジメチルベンゼンチオール、2,5−ジメチルベンゼンチオール、3,4−ジメチルベンゼンチオール、3,5−ジメチルベンゼンチオール、2,3,4−トリメチルベンゼンチオール、2,3,5−トリメチルベンゼンチオール、2,3,6−トリメチルベンゼンチオール、2,4,5−トリメチルベンゼンチオール、2,4,6−トリメチルベンゼンチオール(2,4,6−トリメチルチオフェノール)、2−エチルベンゼンチオール、3−エチルベンゼンチオール、4−エチルベンゼンチオール、2,4,6−トリエチルベンゼンチオール、2−n−プロピルベンゼンチオール、3−n−プロピルベンゼンチオール、4−n−プロピルベンゼンチオール、2−イソプロピルベンゼンチオール、3−イソプロピルベンゼンチオール、4−イソプロピルベンゼンチオール、2−n−ブチルベンゼンチオール、3−n−ブチルベンゼンチオール、4−n−ブチルベンゼンチオール、2−t−ブチルベンゼンチオール、3−t−ブチルベンゼンチオール、4−t−ブチルベンゼンチオール、2,4,6−トリ−t−ブチルベンゼンチオール、2−n−ペンチルベンゼンチオール、3−n−ペンチルベンゼンチオール、4−n−ペンチルベンゼンチオール、2−t−アミルベンゼンチオール、3−t−アミルベンゼンチオール、4−t−アミルベンゼンチオール、4−n−ヘキシルベンゼンチオール、5−t−ブチル−2−メチルベンゼンチオール2−フルオロベンゼンチオール、3−フルオロベンゼンチオール、4−フルオロベンゼンチオール、2,3−ジフルオロベンゼンチオール、2,4−ジフルオロベンゼンチオール、2,5−ジフルオロベンゼンチオール、3,4−ジフルオロベンゼンチオール、3,5−ジフルオロベンゼンチオール、2,3,4−トリフルオロベンゼンチオール、2,3,5−トリフルオロベンゼンチオール、2,3,6−トリフルオロベンゼンチオール、2,4,5−トリフルオロベンゼンチオール、2,4,6−トリフルオロベンゼンチオール、2−クロロベンゼンチオール、3−クロロベンゼンチオール、4−クロロベンゼンチオール、2,3−ジクロロベンゼンチオール、2,4−ジクロロベンゼンチオール、2,5−ジクロロベンゼンチオール、3,4−ジクロロベンゼンチオール、3,5−ジクロロベンゼンチオール、2,3,4−トリクロロベンゼンチオール、2,3,5−トリクロロベンゼンチオール、2,3,6−トリクロロベンゼンチオール、2,4,5−トリクロロベンゼンチオール、2,4,6−トリクロロベンゼンチオール、2−ブロモベンゼンチオール、3−ブロモベンゼンチオール、4−ブロモベンゼンチオール、2−メトキシベンゼンチオール、3−メトキシベンゼンチオール、4−メトキシベンゼンチオール、3,4−ジメトキシベンゼンチオール、2−(メチルチオ)ベンゼンチオール、3−(メチルチオ)ベンゼンチオール、4−(メチルチオ)ベンゼンチオール、1−ナフタレンチオール、2−ナフタレンチオールが挙げられる。また、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、5−ヒドロキシインドール、5−ヒドロキシ−2−メチルベンゾフラン、8−メルカプトキノリン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン(n−Bu−NHと称することもある)、イソブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、t−オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、N−エチルメチルアミン、N−メチルプロピルアミン、N−メチルイソブチルアミン、N−エチルプロピルアミン、N−エチルイソプロピルアミン、N−エチルブチルアミン、N−t−ブチルエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−s−ブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジ−t−オクチルアミン、ジ−n−ノニルアミン、ジ−n−デシルアミン、ジ−n−ウンデシルアミン、ジ−n−ドデシルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、アニリン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2−クロロアニリン、3−クロロアニリン、4−クロロアニリン、2,4−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、N,N−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、2,6−ジメチルアニリン、3,5−ジメチルアニリン、4−エチルアニリン、4−t−ブチルアニリン、p−アニシジン、4−メチルチオアニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、4−フェノキシアニリン、4’−アミノアセトフェノン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、1−アミノアントラセン、2−アミノアントラセン、N−メチルアニリン、ジフェニルアミン、2−メチル−4−アミノピリジン、2−クロロ−4−アミノピリジン、6−フルオロ−2−アミノベンゾチアゾール、2−アミノ−6−クロロベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メチルベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール、2−アミノ−1,3,4−チアジアゾール、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、1−メチルピペラジン、チオモルホリン、ベンジルアミン、2−フルオロベンジルアミン、3−フルオロベンジルアミン、4−フルオロベンジルアミン、2−クロロベンジルアミン、3−クロロベンジルアミン、4−クロロベンジルアミン、2,4−ジクロロベンジルアミン、4−(トリフルオロメチル)ベンジルアミン、4−ジメチルアミノベンジルアミン、1−フェニルエチルアミン、2−フェニルエチルアミン、1−(2,4−ジクロロフェニル)エチルアミン、1−(p−トリル)エチルアミン、4−(アミノメチル)安息香酸メチル、α,α−ジメチルベンジルアミン、1,1−ジフェニルメチルアミン、N−メチルベンジルアミン、N−エチルベンジルアミン、ジベンジルアミン、N−メチル−1−ナフチルメチルアミン、N−メチル−2−フェニルエチルアミン等を使用することもできる。好ましくは、2,4,6−トリメチルフェノール、フェノール、2−メチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、2,4,6−トリメチルベンゼンチオール、4−t−オクチルフェノールである。
化合物(a)の使用量は、通常、化合物(5)に対して、0.9〜2当量、好ましくは0.9〜1.5当量、より好ましくは0.95〜1.1当量程度である。
本反応で使用する塩基としては、例えば、アルカリ性物質等が挙げられる。具体的には、フッ化カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等を挙げることができる。これらの塩基は、1種単独で又は2種以上を混合して使用される。好ましくは、フッ化カリウム、炭酸カリウムである。
このような塩基の使用量は、使用する塩基の種類及びその使用量に応じて適宜設定されるものであるが、通常、化合物(5)に対して、0.9〜3当量、好ましくは1〜2当量、より好ましくは1〜1.3当量程度とすればよい。
本反応に使用される溶媒としては、該反応に対して不活性な溶媒である限り、公知の溶媒を広く使用することができるが、アセトン、アセトニトリル、DMA、DMF、メチルエチルケトン(以下、MEKと称することもある)等を用いるのが望ましい。
これらの溶媒の使用量は、使用する塩基の種類等によって適宜設定すればよいが、通常、化合物(5)1重量部に対して、1〜50重量部程度、好ましくは1〜20重量部程度、より好ましくは1.5〜15重量部程度使用すればよい。
本反応は、通常、−10〜40℃、好ましくは、−5〜15℃で行われる。
反応時間は、使用する塩基の種類、反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常1〜12時間程度で該反応は完結する。
上記反応により得られた化合物は、通常の分離手段により反応系内より分離され、さらに、精製することができる。当該分離及び精製手段としては、例えば、上記「2.フタロシアニン化合物の製造方法」で挙げた手段を適用することができる。
工程2
化合物(3−3)は、通常、塩基の存在下に、第一の溶媒中、化合物(4−3)と化合物(6)とを反応させた後、さらに、第一の溶媒とは異なる第二の溶媒を加えることにより製造される。
化合物(6)は、以下の一般式(6):
Figure 2016124964
(式中、Xは、酸素原子又は硫黄原子を示す。)
で表される化合物である。つまり、化合物(6)は、2−アミノフェノール又は2−アミノチオフェノールである。
化合物(6)の使用量は、通常、化合物(4−3)に対して、0.8〜1.5当量、好ましくは0.9〜1.3当量、より好ましくは0.95〜1.2当量程度である。
本反応で使用する塩基としては、公知の無機塩基及び有機塩基を使用できる。
無機塩基としては、例えば、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水素化物、アルカリフッ化物等が挙げられる。また、有機塩基としては、例えば、アミン等が挙げられる。
アルカリ金属炭酸塩としては、具体的には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム等を挙げることができる。
アルカリ金属水酸化物としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができる。
アルカリ金属水素化物としては、具体的には、水素化ナトリウム、水素化カリウム等を挙げることができる。
アルカリフッ化物としては、具体的には、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等を挙げることができる。
アミンとしては、具体的には、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等を挙げることができる。
これらの塩基は、1種単独で又は2種以上を混合して使用される。好ましくは、トリエチルアミン、炭酸カリウムである。
このような塩基の使用量は、使用する化合物の種類及びその使用量に応じて適宜設定されるものであるが、通常、化合物(4−3)に対して、1〜10当量、好ましくは1〜8当量、より好ましくは1.2〜3.5当量程度とすればよい。
本反応に使用される第一の溶媒としては、該反応に対して不活性な非プロトン性溶媒を広く使用することができる。例えば、アセトニトリル、アセトン、THF、ジオキサン等を使用することができる。好ましくは、アセトニトリルである。これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上を混合して使用される。
上記第一の溶媒の使用量は、使用する化合物の種類等によって適宜設定すればよいが、通常、化合物(4−3)1重量部に対して、0.5〜50重量部程度、好ましくは1〜30重量部程度、より好ましくは1〜20重量部程度使用すればよい。
本反応に使用される第二の溶媒としては、該反応に対して不活性な非プロトン性溶媒であって、第一の溶媒とは異なる溶媒を広く使用することができる。例えば、DMSO、DMF、DMA、NMP、スルホラン等を使用することができる。好ましくは、DMAである。これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上を混合して使用される。第二の溶媒は、前記化合物(6)の消失を確認した後で添加することが好ましい。
上記第二の溶媒の使用量は、使用する化合物の種類等によって適宜設定すればよいが、通常、化合物(4−3)1重量部に対して、0.5〜50重量部程度、好ましくは1〜30重量部程度、より好ましくは1〜20重量部程度使用すればよい。
本反応は、通常、20〜100℃程度、好ましくは、40〜85℃で行われる。
反応時間は、使用する化合物の種類、反応温度等により異なり、一概には言えないが、第一の溶媒での反応時間は、0.1〜2時間程度、第二の溶媒を添加した後の反応時間は0.4〜10時間程度であり、工程2全体としては、通常、0.5〜12時間程度で該反応は完結する。
上記反応により得られた化合物は、通常の分離手段により反応系内より分離され、さらに、精製することができる。当該分離及び精製手段としては、例えば、上記「2.フタロシアニン化合物の製造方法」で挙げた手段を適用することができる。
工程3
化合物(2−3’)は、通常、塩基の存在下に、溶媒中、化合物(3−3)と化合物(b)とを反応させることにより製造される。
化合物(b)としては、フェノール類、ナフトール類、チオフェノール類等が挙げられる。具体的には、上記化合物(a)として挙げた化合物と同じ化合物を挙げることができる。
化合物(b)の使用量は、通常、化合物(3−3)に対して、1〜2.5当量、好ましくは1.1〜2当量、より好ましくは1.2〜1.6当量程度である。
本反応で使用する塩基としては、公知の無機塩基及び有機塩基を使用できる。例えば、上記(工程2)で挙げた塩基と同じものを使用することができる。
上記塩基の使用量は、使用する化合物の種類及びその使用量に応じて適宜設定されるものであるが、通常、化合物(3−3)に対して、1〜10当量、好ましくは1〜8当量、より好ましくは1.2〜3.5当量程度とすればよい。
本反応に使用される溶媒としては、該反応に対して不活性な公知の非プロトン性極性溶媒を広く使用することができる。例えば、DMA、DMSO等を挙げることができる。
上記溶媒の使用量は、使用する化合物の種類等によって適宜設定すればよいが、通常、化合物(3−3)1重量部に対して、0.5〜50重量部程度、好ましくは1〜30重量部程度、より好ましくは1〜20重量部程度使用すればよい。
本反応は、通常、20〜120℃程度、好ましくは、40〜90℃で行われる。
反応時間は、使用する化合物の種類、反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常0.5〜10時間程度で該反応は完結する。
上記反応により得られた化合物は、通常の分離手段により反応系内より分離され、さらに、精製することができる。当該分離及び精製手段としては、例えば、上記「2.フタロシアニン化合物の製造方法」で挙げた手段を適用することができる。
さらに、上記反応により得られた、フタロシアニン化合物を製造するための中間体化合物(2−3’)は、例えば、次の反応式−6に示す方法により、中間体化合物(2−3)に変換することもできる(該反応を工程3−2という場合もある)。
Figure 2016124964
(式中、X、R及びRは、前記に同じ。Rは置換基を有していてもよいアルキル基を示し、Yは脱離基を示す。)
化合物(2−3)は、通常、塩基の存在下に、溶媒中、化合物(2−3’)と化合物(c)とを反応させることにより製造される。
化合物(c)におけるYの脱離基としては、例えば、ハロゲン原子、p−トルエンスルホニル基、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素、臭素、沃素が挙げられる。
化合物(c)としては、具体的には、ベンジルクロリド、ブロモメタン、ブロモエタン、1−ブロモプロパン、2−ブロモプロパン、1−ブロモブタン、2−ブロモブタン、1−ブロモ−2−メチルプロパン、t−ブチルブロミド、1−ブロモペンタン(以下、n−アミルブロマイド又はn-AmylBrと称することもある)、1−ブロモ−2−メチルブタン、1−ブロモ−3−メチルブタン、2−ブロモ−2−メチルブタン、ブロモシクロペンタン、1−ブロモヘキサン、2−ブロモヘキサン、3−ブロモヘキサン、1−ブロモ−4−メチルペンタン、1−ブロモ−2−エチルブタン、ブロモシクロヘキサン、1−ブロモヘプタン、2−ブロモヘプタン、3−ブロモヘプタン、1−ブロモオクタン、2−ブロモオクタン、3−ブロモオクタン、4−ブロモオクタン、1−ブロモ−2−エチルヘキサン、1−ブロモノナン、1−ブロモデカン、1−ブロモウンデカン、1−ブロモドデカン、2−フェニルエチルブロミド、3−フェニルプロピルブロミド、4−フェニルブチルブロミド、5−フェニルペンチルブロミド、1−ブロモ−2−メトキシエタン、1−ブロモ−3−メトキシプロパン、3−(2−メトキシエトキシ)プロピルブロミド、2−(2−ブロモエチル)−1,3−ジオキソラン、4−ブロモ−1−ブタノール、5−ブロモ−1−ペンタノール、6−ブロモ−1−ヘキサノール、7−ブロモ−1−ヘプタノール、8−ブロモ−1−オクタノール、9−ブロモ−1−ノナノール、10−ブロモ−1−デカノール、11−ブロモ−1−ウンデカノール、12−ブロモ−1−ドデカノール、ヨードメタン、ヨードエタン、1−ヨードプロパン、2−ヨードプロパン、1−ヨードブタン、2−ヨードブタン、1−ヨード−2−メチルプロパン、t−ブチルヨージド、1−ヨードペンタン、2−ヨードペンタン、3−ヨードペンタン、1−ヨード−3−メチルブタン、1−ヨード−2−メチルブタン、1−ヨードヘキサン、2−ヨードヘキサン、3−ヨードヘキサン、ヨードシクロヘキサン、1−ヨードヘプタン、1−ヨードオクタン、1−ヨードノナン、1−ヨードデカン、1−ヨードウンデカン、1−ヨードドデカン、メチルトリフラート、エチルトリフラート、プロピルトリフラート、ブチルトリフラート、ペンチルトリフラート、ヘキシルトリフラート、ヘプチルトリフラート、オクチルトリフラート、2−エチルヘキシルトリフラート、ノニルトリフラート、デシルトリフラート、ウンデシルトリフラート、ドデシルトリフラート、2,2,2−トリフルオロエチルトリフラート、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸プロピル、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸ペンチル、p−トルエンスルホン酸−2−メチルブチル、p−トルエンスルホン酸ヘキシル、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシル、p−トルエンスルホン酸ヘプチル、p−トルエンスルホン酸オクチル、p−トルエンスルホン酸−2−エチルヘキシル、p−トルエンスルホン酸ヘプチル、p−トルエンスルホン酸デシル、p−トルエンスルホン酸ウンデシル、p−トルエンスルホン酸ドデシル、p−トルエンスルホン酸−2−クロロエチル、p−トルエンスルホン酸−2,2,2−トリフルオロエチル、p−トルエンスルホン酸−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、p−トルエンスルホン酸−2−メトキシエチル、p−トルエンスルホン酸−2−メチルブチル、p−トルエンスルホン酸フェネチル、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸プロピル、メタンスルホン酸ブチル、メタンスルホン酸ペンチル、メタンスルホン酸ヘキシル、メタンスルホン酸シクロヘキシル、メタンスルホン酸ヘプチル、メタンスルホン酸オクチル、メタンスルホン酸−2−エチルヘキシル、メタンスルホン酸ノニル、メタンスルホン酸デシル、メタンスルホン酸ウンデシル、メタンスルホン酸ドデシル、メタンスルホン酸−2,2,2−トリフルオロエチル、メタンスルホン酸−2−メトキシエチル、メタンスルホン酸−2−クロロエチル、メタンスルホン酸−2−イソプロポキシエチル等を挙げることができる。
化合物(c)の使用量は、通常、化合物(2−3’)に対して、0.9〜3当量、好ましくは1〜2当量、より好ましくは1.2〜1.8当量程度である。
本反応で使用する塩基としては、公知の無機塩基及び有機塩基を使用できる。例えば、上記(工程2)で挙げた塩基と同じものを使用することができる。
上記塩基の使用量は、使用する化合物の種類及びその使用量に応じて適宜設定されるものであるが、通常、化合物(2−3’)に対して、1〜10当量、好ましくは1〜5当量、より好ましくは1.2〜2.5当量程度とすればよい。
本反応に使用される溶媒としては、該反応に対して不活性な公知の非プロトン性極性溶媒を広く使用することができる。例えば、DMF、DMA、DMSO等を挙げることができる。
上記溶媒の使用量は、使用する化合物の種類等によって適宜設定すればよいが、通常、化合物(2−3’)1重量部に対して、0.5〜50重量部程度、好ましくは1〜30重量部程度、より好ましくは1〜20重量部程度使用すればよい。
本反応は、通常、50〜140℃程度、好ましくは、60〜120℃で行われる。
反応時間は、使用する化合物の種類、反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常1〜6時間程度で該反応は完結する。
上記反応により得られた化合物は、通常の分離手段により反応系内より分離され、さらに、精製することができる。当該分離及び精製手段としては、例えば、上記「2.フタロシアニン化合物の製造方法」で挙げた手段を適用することができる。
3−2.フタロニトリル化合物(2−4)の製造
フタロニトリル化合物(2−4)は、例えば、次の反応式−7に示す方法により製造することができる。
Figure 2016124964
(式中、R17、R18、X、X、環A及び環Aは、前記に同じ)
上記反応式−7に示したとおり、まず、化合物(5)(テトラフルオロフタロニトリル)に、化合物(a−2)を反応させて、化合物(4−4)を製造する(工程1)。次いで、工程1で得られた化合物(4−4)に、化合物(6−2)を反応させることにより、化合物(3−4)に変換する(工程2)。さらに、得られた化合物(3−4)に、化合物(b−2)を反応させて、化合物(2−4)を製造することができる(工程3)。
工程1
化合物(4−4)は、通常、溶媒中で、塩基の存在下に、化合物(5)と化合物(a−2)を反応させることにより製造される。例えば、特開平01−045474号公報、特開平08−120186号公報に開示される公知の方法を用いることができるが、より詳細には、下記のとおりである。
化合物(a−2)の使用量は、通常、化合物(5)に対して、0.9〜2当量、好ましくは0.9〜1.5当量、より好ましくは0.95〜1.1当量程度である。
本反応で使用する塩基としては、例えば、アルカリ性物質等が挙げられる。具体的には、フッ化カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等を挙げることができる。これらの塩基は、1種単独で又は2種以上を混合して使用される。好ましくは、フッ化カリウム、炭酸カリウムである。
このような塩基の使用量は、使用する塩基の種類及びその使用量に応じて適宜設定されるものであるが、通常、化合物(5)に対して、0.9〜3当量、好ましくは1〜2当量、より好ましくは1〜1.3当量程度とすればよい。
本反応に使用される溶媒としては、該反応に対して不活性な溶媒である限り、公知の溶媒を広く使用することができるが、アセトン、アセトニトリル、DMA、DMF、メチルエチルケトン(以下、MEKと称することもある)等を用いるのが望ましい。
これらの溶媒の使用量は、使用する塩基の種類等によって適宜設定すればよいが、通常、化合物(5)1重量部に対して、1〜50重量部程度、好ましくは1〜20重量部程度、より好ましくは1.5〜15重量部程度使用すればよい。
本反応は、通常、−10〜40℃、好ましくは、−5〜15℃で行われる。
反応時間は、使用する塩基の種類、反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常1〜12時間程度で該反応は完結する。
上記反応により得られた化合物は、通常の分離手段により反応系内より分離され、さらに、精製することができる。当該分離及び精製手段としては、例えば、上記「2.フタロシアニン化合物の製造方法」で挙げた手段を適用することができる。
工程2
化合物(3−4)は、通常、溶媒中、塩基の存在下に、化合物(4−4)と化合物(6−2)とを反応させることにより製造される。
化合物(6−2)としては、ビフェノール類、ビナフトール類、ビアントラセノール類等が挙げられる。具体的には、2,2’−ビフェノール、1,1’−ビ−2−ナフトール(2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチル)、3,3’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−2,2’−ビフェノール、5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビ−2−ナフトール、3,3’,5,5’−テトラメチル−2,2’−ジヒドロキシビフェニル、等を挙げることができる。好ましくは、2,2’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−2,2’−ジヒドロキシビフェニル、及び2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチルからなる群から選ばれた少なくとも1種である。
化合物(6−2)の使用量は、通常、化合物(4−4)に対して、0.8〜2当量、好ましくは0.9〜1.8当量、より好ましくは0.95〜1.5当量程度である。
本反応で使用する塩基としては、例えば、アルカリ性物質等が挙げられる。具体的には、フッ化カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等を挙げることができる。好ましくは、フッ化カリウム、炭酸カリウムである。
このような塩基の使用量は、使用する化合物の種類及びその使用量に応じて適宜設定されるものであるが、通常、化合物(4−4)に対して、1〜10当量、好ましくは1〜8当量、より好ましくは1.2〜3.5当量程度とすればよい。
本反応に使用される溶媒としては、該反応に対して不活性な溶媒である限り、公知の溶媒を広く使用することができるが、アセトン、アセトニトリル、DMSO、DMA、DMF、MEK等を用いるのが望ましい。
上記溶媒の使用量は、使用する化合物の種類等によって適宜設定すればよいが、通常、化合物(4−4)1重量部に対して、0.5〜50重量部程度、好ましくは1〜30重量部程度、より好ましくは1〜20重量部程度使用すればよい。
本反応は、通常、20〜100℃程度、好ましくは、20〜85℃で行われる。
反応時間は、使用する化合物の種類、反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常、0.5〜12時間程度で該反応は完結する。
上記反応により得られた化合物は、通常の分離手段により反応系内より分離され、さらに、精製することができる。当該分離及び精製手段としては、例えば、上記「2.フタロシアニン化合物の製造方法」で挙げた手段を適用することができる。
工程3
化合物(2−4)は、通常、塩基の存在下に、溶媒中、化合物(3−4)と化合物(b−2)とを反応させることにより製造される。
化合物(b−2)としては、アルコール類、フェノール類、ナフトール類、チオール類、チオフェノール類、アミン(1級アミン又は2級アミン)等が挙げられる。具体的には、上記化合物(a)として挙げた化合物と同じ化合物を挙げることができる。
化合物(b−2)の使用量は、通常、化合物(3−4)に対して、1〜5当量、好ましくは1〜3.5当量、より好ましくは1.05〜3当量程度である。
本反応で使用する塩基としては、公知の無機塩基及び有機塩基を使用できる。
無機塩基としては、例えば、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水素化物等が挙げられる。また、有機塩基としては、例えば、アミン等が挙げられる。
アルカリ金属炭酸塩としては、具体的には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム等を挙げることができる。
アルカリ金属水酸化物としては、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができる。
アルカリ金属水素化物としては、具体的には、水素化ナトリウム、水素化カリウム等を挙げることができる。
アミンとしては、具体的には、トリエチルアミン(以下、EtNと称することもある)、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等を挙げることができる。
これらの塩基は、1種単独で又は2種以上を混合して使用される。好ましくは、トリエチルアミン、炭酸カリウムである。
上記塩基の使用量は、使用する化合物の種類及びその使用量に応じて適宜設定されるものであるが、通常、化合物(3−4)に対して、1〜10当量、好ましくは1〜8当量、より好ましくは1.1〜3.5当量程度とすればよい。
本反応に使用される溶媒としては、該反応に対して不活性な公知の非プロトン性極性溶媒を広く使用することができる。例えば、上記(工程1)で挙げた溶媒と同じものを使用することができるが、アセトニトリル、DMA又はDMFを用いるのが望ましい。
上記溶媒の使用量は、使用する化合物の種類等によって適宜設定すればよいが、通常、化合物(3−4)1重量部に対して、0.5〜50重量部程度、好ましくは0.5〜30重量部程度、より好ましくは0.8〜20重量部程度使用すればよい。
本反応は、通常、20〜120℃程度、好ましくは、40〜90℃で行われる。
反応時間は、使用する化合物の種類、反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常、0.5〜20時間程度で該反応は完結する。
上記反応により得られた化合物は、通常の分離手段により反応系内より分離され、さらに、精製することができる。当該分離及び精製手段としては、例えば、上記「2.フタロシアニン化合物の製造方法」で挙げた手段を適用することができる。
さらに、上記反応により得られた、フタロシアニン化合物を製造するための中間体化合物(2−4’)(上記化合物(2−4)において、R18がNR8182であって、且つ、前記R82が水素原子である化合物)は、例えば、次の反応式−8に示す方法により、中間体化合物(2−4”)に変換することもできる。
Figure 2016124964
(式中、R17、R81、X、X、環A及び環Aは、前記に同じ。式中、R83は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示し、Yは脱離基を示す。)
化合物(2−4”)は、通常、塩基の存在下に、溶媒中、化合物(2−4’)と化合物(c−2)とを反応させることにより製造される。
化合物(c−2)におけるR83の、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基としては、それぞれ、上記環A、環B、環C及び環Dで示した、置換基を有していてもよいアリール基におけるアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基と同じ基を挙げることができる。
化合物(c−2)におけるYの脱離基としては、例えば、ハロゲン原子、p−トルエンスルホニル基、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素、臭素、沃素が挙げられる。
化合物(c−2)としては、具体的には、ベンジルクロリド、ブロモメタン、ブロモエタン、1−ブロモプロパン、2−ブロモプロパン、1−ブロモブタン(以下、n−BuBrと称することもある)、2−ブロモブタン、1−ブロモ−2−メチルプロパン、t−ブチルブロミド、1−ブロモペンタン、1−ブロモ−2−メチルブタン、1−ブロモ−3−メチルブタン、2−ブロモ−2−メチルブタン、ブロモシクロペンタン、1−ブロモヘキサン、2−ブロモヘキサン、3−ブロモヘキサン、1−ブロモ−4−メチルペンタン、1−ブロモ−2−エチルブタン、ブロモシクロヘキサン、1−ブロモヘプタン、2−ブロモヘプタン、3−ブロモヘプタン、1−ブロモオクタン、2−ブロモオクタン、3−ブロモオクタン、4−ブロモオクタン、1−ブロモ−2−エチルヘキサン、1−ブロモノナン、1−ブロモデカン、1−ブロモウンデカン、1−ブロモドデカン、2−フェニルエチルブロミド、3−フェニルプロピルブロミド、4−フェニルブチルブロミド、5−フェニルペンチルブロミド、1−ブロモ−2−メトキシエタン、1−ブロモ−3−メトキシプロパン、3−(2−メトキシエトキシ)プロピルブロミド、2−(2−ブロモエチル)−1,3−ジオキソラン、4−ブロモ−1−ブタノール、5−ブロモ−1−ペンタノール、6−ブロモ−1−ヘキサノール、7−ブロモ−1−ヘプタノール、8−ブロモ−1−オクタノール、9−ブロモ−1−ノナノール、10−ブロモ−1−デカノール、11−ブロモ−1−ウンデカノール、12−ブロモ−1−ドデカノール、ヨードメタン、ヨードエタン、1−ヨードプロパン、2−ヨードプロパン、1−ヨードブタン、2−ヨードブタン、1−ヨード−2−メチルプロパン、t−ブチルヨージド、1−ヨードペンタン、2−ヨードペンタン、3−ヨードペンタン、1−ヨード−3−メチルブタン、1−ヨード−2−メチルブタン、1−ヨードヘキサン、2−ヨードヘキサン、3−ヨードヘキサン、ヨードシクロヘキサン、1−ヨードヘプタン、1−ヨードオクタン、1−ヨードノナン、1−ヨードデカン、1−ヨードウンデカン、1−ヨードドデカン、メチルトリフラート、エチルトリフラート、プロピルトリフラート、ブチルトリフラート、ペンチルトリフラート、ヘキシルトリフラート、ヘプチルトリフラート、オクチルトリフラート、2−エチルヘキシルトリフラート、ノニルトリフラート、デシルトリフラート、ウンデシルトリフラート、ドデシルトリフラート、2,2,2−トリフルオロエチルトリフラート、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸プロピル、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸ペンチル、p−トルエンスルホン酸−2−メチルブチル、p−トルエンスルホン酸ヘキシル、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシル、p−トルエンスルホン酸ヘプチル、p−トルエンスルホン酸オクチル、p−トルエンスルホン酸−2−エチルヘキシル、p−トルエンスルホン酸ヘプチル、p−トルエンスルホン酸デシル、p−トルエンスルホン酸ウンデシル、p−トルエンスルホン酸ドデシル、p−トルエンスルホン酸−2−クロロエチル、p−トルエンスルホン酸−2,2,2−トリフルオロエチル、p−トルエンスルホン酸−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、p−トルエンスルホン酸−2−メトキシエチル、p−トルエンスルホン酸−2−メチルブチル、p−トルエンスルホン酸フェネチル、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸プロピル、メタンスルホン酸ブチル、メタンスルホン酸ペンチル、メタンスルホン酸ヘキシル、メタンスルホン酸シクロヘキシル、メタンスルホン酸ヘプチル、メタンスルホン酸オクチル、メタンスルホン酸−2−エチルヘキシル、メタンスルホン酸ノニル、メタンスルホン酸デシル、メタンスルホン酸ウンデシル、メタンスルホン酸ドデシル、メタンスルホン酸−2,2,2−トリフルオロエチル、メタンスルホン酸−2−メトキシエチル、メタンスルホン酸−2−クロロエチル、メタンスルホン酸−2−イソプロポキシエチル等を挙げることができる。
化合物(c−2)の使用量は、通常、化合物(2−4’)に対して、0.9〜3当量、好ましくは1〜2.5当量、より好ましくは1.2〜2当量程度である。
本反応で使用する塩基としては、公知の無機塩基及び有機塩基を使用できる。例えば、上記(工程2)で挙げた塩基と同じものを使用することができる。
上記塩基の使用量は、使用する化合物の種類及びその使用量に応じて適宜設定されるものであるが、通常、化合物(2−4’)に対して、1〜10当量、好ましくは1〜5当量、より好ましくは1.2〜2.5当量程度とすればよい。
本反応に使用される溶媒としては、該反応に対して不活性な公知の非プロトン性極性溶媒を広く使用することができる。例えば、DMF、DMA、DMSO等を挙げることができる。
上記溶媒の使用量は、使用する化合物の種類等によって適宜設定すればよいが、通常、化合物(2−4’)1重量部に対して、0.5〜50重量部程度、好ましくは1〜30重量部程度、より好ましくは1〜20重量部程度使用すればよい。
本反応は、通常、50〜140℃程度、好ましくは、60〜120℃で行われる。反応時間は、使用する化合物の種類、反応温度等により異なり、一概には言えないが、通常1〜12時間程度で該反応は完結する。
上記反応により得られた化合物は、通常の分離手段により反応系内より分離され、さらに、精製することができる。当該分離及び精製手段としては、例えば、上記「2.フタロシアニン化合物の製造方法」で挙げた手段を適用することができる。
4.レーザー溶着用樹脂組成物の製造方法
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物の製造方法としては、特に制限はなく、例えば、次の方法が例示できる:
(a)熱可塑性樹脂(粉末、顆粒、フレーク又はペレット)と、上記フタロシアニン化合物及び必要に応じて前記の添加剤を、慣用の混合機を用いて混合してドライブレンドタイプの熱可塑性樹脂樹脂組成物を製造する方法、
(b)このドライブレンドタイプの熱可塑性樹脂組成物を、慣用の混練り機、例えば一軸、二軸の押し出し機等を用いて、所望の温度で溶融混練し、押し出されたストランドを冷却し、次いで冷却されたストランドをカッティングしてペレットタイプの熱可塑性樹脂組成物を製造する方法、
(c)フタロシアニン化合物の含有量が高いマスターバッチペレットタイプの熱可塑性樹脂組成物を製造する方法。
本発明の熱可塑性樹脂組成物におけるフタロシアニン化合物の配合量、及び配合割合は、前記「1−1.フタロシアニン化合物」におけるフタロシアニン化合物の含有量、及び含有割合と同じである。
また、各成分を予め混合することなく、又はその一部のみを予め混合し、フィーダーを用いて押出機に供給して溶融混練し、本発明の熱可塑性樹脂組成物を調製することもできる。
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物は、そのまま成形に供してもよいが、フタロシアニン化合物を熱可塑性樹脂と共に溶融、混練後にペレット化してフタロシアニン化合物濃度の高いマスターバッチとし、このマスターバッチを更に該熱可塑性樹脂で希釈、溶融、混練、成形してもよい。
なお、本発明のレーザー溶着用樹脂組成物は、ガラス繊維等の繊維状の強化充填材を添加してもよく、添加する場合には、押出機のシリンダー途中のサイドフィーダーから供給することができる。
溶融混練時の加熱温度は、熱可塑性樹脂が溶融する温度であれば特に制限なく、例えば、220〜350℃の範囲から適宜選択することができる。
5.樹脂成形体
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物から樹脂成形体を製造することができる。該樹脂成形体は、可視光透過率が70%以上のものを得ることができる。好ましくは75%以上であり、より好ましくは80%以上である。
本発明に係る光吸収樹脂成形体を工業的に応用する場合、当該レーザー光吸収樹脂成形体の色調は着色剤によって様々に調整することが可能なものとする観点から、可視光透過率は高いものが好ましい。
前記光吸収樹脂成形体の形状は、必要に応じて任意の形状に成形でき、平面状、曲面状の他、より複雑な形状にも成形することができる。また、光吸収樹脂成形体の厚さは、フィルム状、板状等に任意に調整でき、一旦形成した成形体を後加工によって任意の複雑な形状に成形することもできる。
6.樹脂成形体の製造方法
樹脂成形体の製造方法は、特に限定はなく、熱可塑性樹脂組成物において一般に採用されている成形方法を任意に採用できる。例えば、(1)熱可塑性樹脂、及びフタロシアニン化合物を混合し、次いで溶融混練した後に、成形する方法、(2)熱可塑性樹脂、フタロシアニン化合物、及び重合開始剤を型枠の中で重合させ、成形する方法等が挙げられる。成形法としては、特に制限はなく、例えば、射出成形法(ガス射出成形も含む)、超高速射出成形法、射出圧縮成形法(プレスインジェクション)、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、中空成形、カレンダー成形法、シート成形法、フィルム成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法等の公知の成形方法が挙げられ、中でも射出成形が好ましい。
樹脂成形体を製造する際の装置としては、単軸押出機、2軸押出機、バンバリーミキサー、ロール練機、ニーダー、ブラベンダープラストグラフなどの公知の溶融混練装置が挙げられる。
7.レーザー溶着
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物を用いてレーザー溶着を行うことができる。レーザー溶着は、レーザー照射により樹脂部材同士を溶着接合するもので、通常、接合したい部材の一方が光透過性樹脂部材(透過性部材)で、もう一方がレーザー光を吸収して熱を発生する光吸収樹脂部材(吸収性部材)で構成されており、重ね合わせた両部材に、透過性部材側からレーザー照射を行うと、吸収性部材が溶解し、溶解した吸収性部材周辺から透過性部材の側へ熱が伝達されて透過性部材の溶解が起こり、接合がなされる。
レーザー溶着に用いられるレーザー光としては、近赤外レーザー光であれば特に制限はなく、ガラス:ネオジム3+レーザー、YAG:ネオジム3+レーザー、ルビーレーザー、ヘリウム−ネオンレーザー、クリプトンレーザー、アルゴンレーザー、H2レーザー、N2レーザー、半導体レーザー等のレーザー光を挙げることができる。より好ましいレーザーとしては、YAG:ネオジム3+レーザーである。
レーザー光の波長は、溶着される部材により異なるため一概に決定できないが、1,060nm以下であることが好ましい。波長が1,060nmを超えると、部材の接合面を互いに溶融させることが困難となる。
また、レーザー光の出力は、5〜30Wであることが好ましい。レーザー光の出力が5W未満では、出力が低く部材の接合面を互いに溶融させることが困難となり、30Wを超えると、出力が過剰となり部材が蒸発したり、変質するという問題が生じるようになる。
8.レーザー溶着体
レーザー溶着された溶着体の形状、大きさ、厚み等は任意であり、溶着体の用途としては、自動車等の輸送機器用部品、電気電子機器部品、産業機械用部品、その他民生用部品等に特に好適である。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例の態様に限定されない。各合成例の化合物は、以下の装置により測定した。
<GCMS>
(株)島津製作所製ガスクロマトグラフ質量分析装置GCMS−QP2010Plus(EI法)
<LCMS>
(株)島津製作所高速液体クロマトグラフ質量分析計LCMS−2010EV(ESI法)
<MALDI−TOFMS>
BrukerDaltonics社製質量分析装置AutoflexII
<波長(λmax)、モル吸光係数(ε)>
日本分光(株)製分光光度計V−570
測定には、8.0×10−6〜11×10−6mol/Lのクロロホルム溶液を調製し、光路長1cmの石英セルを用いた。
H−NMR>
日本電子(株)製Lambda300(300MHz)
合成例1:化合物1(式:1−4−1aの化合物)の製造
Figure 2016124964
(工程1)化合物(4−4−1a)の調製
温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、テトラフルオロフタロニトリル(化合物(5))6.0g(30mmol)、フッ化カリウム21g(36mmol,1.2eq.)及びアセトニトリル50mlを仕込み、撹拌下、5℃に冷却した。ここに、β−ナフトール(化合物(a−2a))4.3g (30mmol、1.0eq.)を滴下した。滴下終了後、混合物を5℃以下で1時間反応させた後、室温まで昇温し、2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた粗生成物を、イソプロパノールでよく洗い、乾燥させて、化合物(4−4−1a)6.7gを、白色固体として得た(収率69%)。
GC-MS m/z=324(M
(工程2)化合物(3−4−1a)の調製
冷却管及び温度計を取り付けた50mlの4つ口反応器に、化合物(4−4−1a)3.2g(10mmol)、フッ化カリウム1.4g(24mmol、2.4eq.)及びMEK20mlを仕込み、60℃に昇温した。ここに、2,2’−ビフェノール(化合物(b−1))1.9g(10mmol、1.0eq.)を、MEK5mlに溶解させた溶液を滴下した。滴下終了後、同温度で5時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた固体をメタノールでよく洗い、乾燥させて、化合物(3−1)3.4gを得た(収率72.3%)。
LC-MS m/z=470(M
(工程3)化合物(2−4−1a)の合成
冷却管及び温度計を取り付けた25mlの4つ口反応器に、化合物(3−4−1a)3.3g(7mmol)、トリエチルアミン1.4g(14mmol、2.0eq.)、DMA4mlを仕込み、室温で撹拌した。ここに、ジメチルアミン(化合物(b−2a))0.41g(9.1mmol、1.3eq.)を滴下した。混合物を70℃に昇温し、1時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた粗生成物をメタノールでよく洗い、化合物(2−4−1a)3.2g得た(収率93%)。
LC-MS m/z=496([M+H]
1H-NMR (CDCl3, δin ppm): 2.93(s, 6H), 6.61-6.64(dd, 1H), 7.01-7.02(d, 1H), 7.12-7.50(m, 10H), 7.65-7.67(d, 1H), 7.82-7.86(m, 2H)
(工程4)化合物(1−4−1a)の合成
冷却管及び温度計を取り付けた25mlの4つ口反応器に、化合物(2−4−1a)2.3g(4mmol)、CuCl 0.13g(1.3mmol、0.33eq.)n−ヘキサノール(1−ヘキサノール)8ml 及びジアザビシクロウンデセン 0.9g(6mmol、1.5eq.)を仕込み、150℃で7時間反応させた。反応終了後、80℃に冷却した反応混合物に、トルエン2mlを加えた。その後、反応混合物を、MeOH50mlに放出し、固体を析出させた。濾過して固体を取り出し、メタノールで洗浄した。100℃で乾燥して、粗生成物を1.7g得た。得られた固体をトルエン34mlに溶かし、活性白土8.5g、シリカゲル8.5gを加えて攪拌し、不溶物をろ別して濃縮した。得られた固形物をメタノールでよく洗い、120℃で乾燥して、化合物(1−4−1a)0.9gを得た(収率45%)。MALDI TOF-MS m/z=2044(M
λmax=807nm ε=147000 l/mol・cm(クロロホルム)
合成例2:化合物2(式:1−4−1bの化合物)の製造
Figure 2016124964
(工程3)化合物(2−4−1b)の合成
合成例1の化合物(2−4−1a)の合成において、ジエチルアミン(化合物(b−2a))を、2−エチルヘキシルアミン(化合物(b−2b))に代えた以外は、同様にして、化合物(2−4−1b)を得た(収率88.6%)。
LC-MS m/z=580([M+H]
1H-NMR (CDCl3, δin ppm): 0.72-0.79(m, 6H), 1.06-1.26(m, 8H), 1.46-1.57(m, 1H), 3.53-3.57(m, 2H), 4.70-4.73(t, 1H), 6.41-6.44(dd, 1H), 7.06-7.13(m, 2H), 7.22-7.51(m, 9H), 7.66-7.68(m, 1H), 7.81-7.87(m, 2H)
(工程4)化合物(1−4−1b)の合成
合成例1化合物(1−4−1a)の合成において、化合物(2−4−1a)を、化合物(2−4−1b)に代えた以外は、同様にして、化合物(1−4−1b)を得た(収率47.5%)。
MALDI TOF-MS m/z=2384(M
λmax=911nm ε=165000 l/mol・cm(クロロホルム)
合成例3:化合物3(式:1−4−1cの化合物)の製造
Figure 2016124964
(工程3)化合物(2−4−1c)の合成
実施例1の化合物(2−4−1a)の合成において、ジメチルアミン(化合物(b−2a))を、1−フェニルエチルアミン(化合物(b−2c))に代えた以外は、同様にして、化合物(2−4−1c)を得た(収率82.0%)。
LC-MS m/z=572([M+H]
1H-NMR (CDCl3, δin ppm): 1.19-1.21(d, 1H), 1.47-1.49(d, 3H), 5.06-5.09(d, 1H), 5.43-5.48(m, 1H), 6.30-6.33(d, 1H), 7.02-7.07(m, 2H), 7.20-7.52(m, 13H), 7.63-7.66(m, 1H), 7.83-7.87(m, 2H)
(工程4)化合物(1−4−1c)の合成
実施例1(4)化合物(1−1)の合成において、化合物(2−4−1a)を、化合物(2−4−1c)に代えた以外は、同様にして、化合物(1−4−1c)を得た(収率63.0%)。
MALDI TOF-MS m/z=2352(M
λmax=880nm ε=166000 l/mol・cm(クロロホルム)
合成例4:化合物4(式:1−4−1dの化合物)の製造
Figure 2016124964
(工程1)化合物(4−4−1b)の合成
合成例1の化合物(4−4−1a)の合成において、β−ナフトール(化合物(a−2a))を、α−ナフトール(化合物(a−2b))に代えた以外は、同様にして、化合物(4−4−1b)を得た(収率88.0%)。
GC-MS m/z=324(M
(工程2)化合物(3−4−1b)の調製
合成例1の化合物(3−4−1a)の合成において、化合物(4−4−1a)を、化合物(4−4−4−1b)に代えた以外は、同様にして、化合物(3−4−1b)を得た(収率84.6%)。
LC-MS m/z=580([M+H]
(工程3)化合物(2−4−1d)の合成
合成例1の化合物(2−4−1a)の合成において、化合物(3−4−1a)を、化合物(3−4−1b)に代え、n−ブチルアミン(化合物(b−2a))を、2−エチルヘキシルアミン(化合物(b−2b))に代えた以外は、同様にして、化合物(2−4−1d)を得た(収率79.4%)。
LC-MS m/z=580([M+H]
1H-NMR (CDCl3, δin ppm): 0.71-0.78(m, 6H), 1.07-1.22(m, 8H), 1.38-1.42(m, 1H), 3.50-3.53(t, 2H), 4.67-4.70(t, 1H), 6.61-6.63(d, 1H), 7.16-7.65(m, 12H), 7.86-7.90(m, 1H), 8.37-8.40(m, 1H)
(工程4)化合物(1−4−1d)の合成
合成例1の化合物(1−4−1a)の合成において、化合物(2−4−1a)を、化合物(2−4−1d)に代えた以外は、同様にして、化合物(1−4−1d)を得た(収率26.4%)。
MALDI TOF-MS m/z=2384(M
λmax=910nm ε=168000 l/mol・cm(クロロホルム)
合成例5:化合物5(式:1−3−1aの化合物)の製造
Figure 2016124964
(工程1)化合物(4−3−1a)の調製
温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、テトラフルオロフタロニトリル(化合物(5))6.0g(30mmol)、フッ化カリウム15g(1.2eq.)及びアセトニトリル20mlを仕込み、撹拌下、0℃に冷却した。ここに、β−ナフトール(化合物(a−2a))4.3g(1.0eq.)を少しずつ投入した。投入終了後、混合物を5℃以下で1時間反応させた後、20℃まで昇温し、20〜25℃で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた粗製物をメタノールでよく洗い、化合物(4−3−1a)6.7gを、白色固体として得た(収率69%)。
GCMS m/z=324(M
(工程2)化合物(3−3−1a)の調製
冷却管及び温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、化合物(4−3−1a)6.5g(20mmol、1.0eq.)、炭酸カリウム6.9g(50mmol、2.5eq.)及びアセトニトリル30mlを仕込み、撹拌した。ここに、2−アミノチオフェノール(化合物(6−1a)) 2.5g(20mmol、1.0eq.)を滴下し、75℃に昇温して、30分反応させた。ここに、DMA30mlを加え、さらに1時間反応した。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた固体をメタノールでよく洗った後、乾燥させて、化合物(3−3−1a)5.0gを、オレンジ固体として得た(収率61%)。
LCMS m/z=408((M−H)
(工程3)化合物(2−3−1a)の合成
冷却管及び温度計を取り付けた200mlの4つ口反応器に、化合物(3−3−1a)24.5g(60mmol、1.0eq.)、炭酸カリウム 16.6g(120mmol、2.0eq.)、DMSO35ml及び4−tert−オクチルフェノール(化合物(b−1a))17.9g(84mmol、1.4eq.)を仕込み、80℃で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。粗製物をメタノール/アセトン 1/2でよく洗い、目的物26.1gをオレンジ固体として得た(収率73%)。
LCMS m/z=594((M−H)
H−NMR (CDCl:δ ppm)7.80−7.64(m,3H)、7.49−7.38(m,2H)、7.16(d,2H)、7.06(t,1H)、6.94−6.76(m,4H)、6.66(d,1H)、6.52(m,3H)、1.68(s,2H)1.29(s,6H)、0.72(s,9H)
(工程4)化合物(1−3−1a)の合成
冷却管及び温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、化合物(2−3−1a)を 9.5g(16mmol、1.0eq. )、n−ヘキサノール32ml及びジアザビシクロウンデセン3.4g(22mmol、1.4eq.)を仕込み、80℃に昇温した。ここにCuCl 0.52g(5.3mmol、0.33eq. )を加えた。反応液を140℃に昇温し、18時間反応させた。反応終了後、反応混合物を室温に冷まし、トルエン30mlを加えた。反応混合物をMeOH200mlに放出し、固体を析出させた。濾過して固体を取り出し、固体をメタノールで洗浄した。100℃で乾燥して粗精製物を15g得た。得られた固体をトルエン150mlに溶かし、活性白土30g、シリカゲル45gを加えて攪拌し、不溶物を濾別して濃縮しメタノールで固体をよく洗った。130℃で乾燥して、目的物3.0gを、黒色固体として得た(収率31%)。
λmax 1014nm ε 113000 クロロホルム
ESI-TOFMS m/z=2444.8(M
合成例6:化合物6(式:1−3−1bの化合物)の製造
Figure 2016124964
(工程3−1)化合物(2−3−1b)の合成
合成例5の化合物(2−3−1a)の合成において、化合物(b−1a)を2−メチルフェノールに代えた以外は同様にして、化合物(1−3−1b)を得た(収率73%)。
LCMS m/z=496((M−H)
(工程3−2)化合物(2−3−1b’)の合成
冷却管及び温度計を取り付けた100mlの4つ口反応器に、化合物(2−3−1b)17g(35mmol、1.0eq.)、炭酸カリウム10g(70mmol、2.0eq.)、DMSO50mL及びn−アミルブロマイド7.9g(53mmol、1.5eq.)を仕込み、70℃で2時間反応させた。反応終了後、反応混合物を水に放出し、析出固体を濾過して取り出した。得られた粗生成物をエタノールでよく洗って、化合物(2−7)17.8gを、黄色固体として得た(収率90%)。
LCMS m/z=568((M+H)
(工程4)化合物(1−3−1b)の合成
合成例4の化合物(1−4−1d)の合成において、化合物(2−4−1d)を化合物(2−3−1b’)に代えた以外は同様にして、化合物(1−3−1b)を得た(収率39%)。
λmax 956nm ε 110000 クロロホルム
MALDI TOF-MS m/z=2335(M
合成例7:化合物7(式:1−3−1cの化合物)の製造
Figure 2016124964
(工程4)化合物(1−3−1c)の合成
合成例4の化合物(1−4−1d)の合成において、化合物(2−4−1d)を化合物(2−3−1c)に代えた以外は同様にして、化合物(1−3−1c)を得た(収率56%)。
λmax 990nm ε 98000 クロロホルム
ESI-TOFMS m/z=2471.8(M
[レーザー光吸収性樹脂成形品の製造]
製造例1
レーザー光透過性板状樹脂成形品A
表1に記載した熱可塑性樹脂100重量部、及び各フタロシアニン化合物0.1重量部を混合し、フタロシアニン化合物の量が1000ppmとなるように配合した。これに二軸押出機(東洋精機製作所製ラボプラストミルマイクロ)を用いて、200〜350℃で溶融混練し、紐状に押し出した。得られた紐状のレーザー光吸収性樹脂組成物を冷却後切断し、ペレット状のマスターバッチを得た。次いで、マスターバッチと熱可塑性樹脂とをそれぞれ混合し、二軸押出機を用いて200〜350℃で溶融混練して同様にペレット状の樹脂組成物を得た。このペレット状樹脂組成物を熱プレス機(アズワン製熱プレス機AH-4015)を用い、シリンダー温度200〜350℃で成形し、厚さ1mmのレーザー光吸収性板状樹脂成形品Aを得た。
尚、フタロシアニン化合物の添加量は、照射するレーザー波長における成形品の近赤外線透過率が約70%となるように調製した。
製造例2
レーザー光透過性板状樹脂成形品B
前記と同様の手順で、フタロシアニン化合物を添加していないペレットを作製し、このペレットを用いて射出成形しレーザー光透過性板状樹脂成形品Bを得た。
[レーザー溶着試験]
実施例1〜11
樹脂成形品Aの上に樹脂成形品Bを重ね合わせ、樹脂成形品Bの側から重ね合わせ部に、レーザー波長808、840、910、940、又は1064nm、レーザー走査速度1〜10mm/sec、レーザー出力10、20、30、40、50Wの中で最適な条件を選択し、レーザー光を照射した。
比較例1〜5
樹脂成形品Bの上に樹脂成形品Bを重ね合わせ、重ね合わせ部に、レーザー波長808、840、910、940、1064nmのレーザー光をそれぞれ照射した。
[近赤外線透過率の測定方法]
実施例1〜11の樹脂成形品Aの溶着部において、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光社製V-570)を用いて808、840、910、940、1064nm での近赤外線透過率を測定した。その結果を表1に示す。
[可視光透過率の測定方法]
実施例1〜11の樹脂成形品Aの溶着部及び比較例1の樹脂成形品Bにおいて、紫外可視近赤外分光光度計(日本分光社製V-570)を用いてJIS R3106に準拠し、380〜780nmの可視光透過率を測定した。その結果を表1に示す。
[溶着強度]
実施例1〜11において、レーザー照射した後の樹脂成形品Aと樹脂成形品Bの先端をそれぞれ掴み、溶着度合いを判定した。また、比較例1において、レーザー照射した後の樹脂成形品Bと樹脂成形品Bの先端をそれぞれ掴み、溶着度合いを判定した。その結果を表2に示す。
○:充分に溶着している。
×:溶着しない。
表1に、実施例1〜11及び比較例1〜5でにおいて使用したフタロシアニン化合物1〜化合物7の種類、熱可塑性樹脂の種類、近赤外線透過率(%)及び可視透過率(%)を示す。表2に、実施例1〜11及び比較例1〜5でにおいて使用したフタロシアニン化合物1〜化合物7の種類、照射したレーザー光波長(nm)、及び溶着強度を示す。
なお、表1及び表2中、フタロシアニン化合物及び熱可塑性樹脂の種類の略記は以下のとおりである。
<フタロシアニン化合物>
Figure 2016124964
Figure 2016124964
<熱可塑性樹脂>
PS:ポリスチレン(商品名:CR-4500;メーカー:DIC)
PMAA:ポリメチルメタクリレート(商品名:パラペットHR-L;メーカー:クラレ)
COP:シクロオレフィンポリマー(商品名:ZEONEX E48R;メーカー:日本ゼオン)
PC:ポリカーボネート(商品名:ユーピロンH-4000;メーカー:三菱エンジニアリングプラスチックス)
Figure 2016124964
Figure 2016124964
[評価結果]
表1及び表2の結果から、本発明のレーザー溶着用樹脂組成物は、レーザー溶着の際に用いるレーザー光波長に合わせて、該組成物中に含まれるフタロシアニン化合物を適宜選択することにより、レーザー溶着に必要なレーザー光吸収能を付与することが可能であることがわかった。また、本発明のレーザー溶着用樹脂組成物から得られた樹脂成形体は、可視光透過率も高い数値を維持でき、即ち、樹脂成形体は着色が殆ど認められず、元々の樹脂の色調を維持することが可能であった。
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物は、レーザーによる溶着性に優れ、溶着により得られた溶着体の溶着強度にも優れる。

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂、及び
    一般式(1)
    Figure 2016124964
    [式中、環A、環B、環C及び環Dは、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアリール基を示す。
    Mは、2個の水素原子、2個の1価金属原子、2価金属原子、3価若しくは4価の金属化合物を示す。]
    で表されるフタロシアニン化合物を含有するレーザー溶着用樹脂組成物。
  2. 前記樹脂組成物は、可視光領域の光透過率が70%以上である、請求項1に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
  3. 前記樹脂組成物は、750nm〜1200nmの近赤外領域に吸収極大を有する、請求項1又は2に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
  4. 前記環A、環B、環C及び環Dが、同一又は異なって、一般式(1A):
    Figure 2016124964
    [式中、R、R、R及びRは、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールチオ基又はNR基を示し、
    或いは、R及びR、又はR及びRは、これらが結合するベンゼン環と共に、他のヘテロ原子を介し若しくは介することなく互いに結合して、5〜10員環を形成していてもよい。さらに該5〜10員環は置換基を有していてもよい。
    及びRは、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。
    とRとは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
    波線は、フタロシアニン骨格内のピロール環との結合手を示す。]
    で表される環である、請求項1〜3の何れか一項に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
  5. 前記環A、環B、環C及び環Dは、
    下記一般式(1B)、又は(1C):
    Figure 2016124964
    [式中、R及びR10は、同一又は異なって、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を示す。
    、R、R11及びR12は、同一又は異なって、ハロゲン原子、OR13基、SR14基、又はNR1516基を示す。
    及びXは、同一又は異なって、酸素原子又は硫黄原子を示す。
    13及びR14は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示す。
    15及びR16は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。
    15とR16とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
    波線は、フタロシアニン骨格内のピロール環との結合手を示す。]
    で表される環である、請求項1〜4の何れか一項に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
  6. 前記環A、環B、環C及び環Dは、下記一般式(1D)、又は(1E)
    Figure 2016124964
    [式中、R17、R18、R19及びR20は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、置換基を有していてもよいアリールチオ基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリールオキシ基、置換基を有していてもよいヘテロアリールチオ基、又はNR2122基を示す。
    、X、X及びXは、同一又は異なって、酸素原子又は硫黄原子を示す。
    環A及び環Aは、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアリール基を示す。
    21及びR22は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。
    21とR22とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
    波線は、フタロシアニン骨格内のピロール環との結合手を示す。]
    で表される環である、請求項1〜4の何れか一項に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
  7. 前記フタロシアニン化合物は、
    一般式(1a):
    Figure 2016124964
    [式中、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R32、R33、R34、R35、R36、R37及びR38は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、OR39基、SR40基又はNR4142基を示す。
    39及びR40基は、同一又は異なって、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいヘテロアリール基を示し、
    41及びR42基は、同一又は異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示す。
    41とR42とは、これらが結合する窒素原子と共に、他の窒素原子、酸素原子若しくは硫黄原子を介し又は介することなく互いに結合して5〜10員の飽和又は不飽和複素環を形成していてもよい。該5〜10員の飽和又は不飽和複素環は1個以上の置換基を有していてもよい。
    Mは、2個の水素原子、2個の1価金属原子、2価金属原子又は3価若しくは4価の金属化合物を示す。]
    で表される化合物である、請求項1〜4の何れか一項に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
  8. Mは、Cu、Zn、Co、Ni、Pd、Pb、MnOH、AlCl、FeCl、InCl、SnCl、VO又はTiOである、請求項1〜7の何れか一項に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
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