JP2007039561A - フタロシアニン類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は特定の置換基を有するフタロシアニン類の製造方法に関する。
フタロシアニン類は堅牢性の高い染料または顔料としてだけでなく、機能性色素としても幅広く用いられている。近年、更なる高機能化を図るためフタロシアニン類へ多様な置換基を導入することに対する要望が高いが、現在知られている合成法では必ずしもそれらの要望に応えることができない。古くから知られている、無水フタル酸やフタルイミドを尿素存在下に加熱する方法や、フタロニトリルをアンモニア存在下に加熱する方法(例えば非特許文献1、2等に記載、引用もしくはこれらに類似の方法)は、一般に200℃程度以上の反応温度を必要とし、熱的に不安定な置換基を有する場合には用いることが出来ない。150℃以下の比較的低温でフタロシアニン類を製造する方法として、例えば高沸点アルコール(n−ブタノール等)溶媒でDBU等の強塩基共存下に反応を行う方法(例えば、非特許文献3参照)、もしくは金属アルコキシドを用いる方法(例えば、特許文献1参照)がよく知られているが、反応系が強塩基性になるため塩基性条件下で分解しやすい置換基を有する基質は用いることが出来ない。また、中心金属が銅以外の金属のフタロシアニン合成にこれらの方法を応用した場合、極度に低収率であり、実用性が低かった。
中心金属が銅以外のものであっても、シラザン類を共存させることで収率良くフタロシアニン類を得る方法(例えば、特許文献2参照)が開示されているが、文献中で開示されている置換基は限られており、その適用範囲は不明確であった。とりわけ本出願人が望むアルキルスルホニル基、アリールスルホニル基またはアミノスルホニル基が置換したフタロシアニン類の製造に適用可能か否かについての記載は無かった。
アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基またはアミノスルホニル基が置換したフタロシアニン類の製造に関しては、特許文献3においてn−ブタノール溶媒でDBUを共存させて行う方法が開示されているが、その収率は不満足なレベルであり、また本出願人の検討では本方法を銅以外の中心金属を有するフタロシアニン合成に適用した場合、収率は甚だ低いものであった。さらに、一般に非対称な置換基を有するフタロシアニン類は、その置換基の位置の対称性が異なる位置異性体の混合物となるが、単一異性体の含率が50%を越える場合、溶解性、塗工性の点で不利である。本出願人の検討では特許文献3に記載の方法でフタロシアニン類を合成する際、とりわけ中心金属が銅以外の金属のフタロシアニン類の場合、単一異性体の含率が非常に高く、溶解性、塗工性の点で望ましくないことが判明していた。
特開平11−209380号公報
特開2002−226482号公報
特開2004−188727号公報
白井−小林共著、(株)アイピーシー発行「フタロシアニン−化学と機能−」(P.1〜62)
C.C.Leznoff−A.B.P.Lever共著、VCH発行‘Phthalocyanines−Properties and Applications’(P.1〜54)
Chemistry Letters,1277頁〜1280頁(1980年)
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、
本発明の目的は、簡便且つ高収率で特定の置換基を有するフタロシアニン類を製造することができる製造方法を提供することにある。また、同一の位置異性体の含率が低い、特定の置換基を有するフタロシアニン類を製造することができる製造方法を提供することにもある。
本発明の目的は、簡便且つ高収率で特定の置換基を有するフタロシアニン類を製造することができる製造方法を提供することにある。また、同一の位置異性体の含率が低い、特定の置換基を有するフタロシアニン類を製造することができる製造方法を提供することにもある。
本発明者らは上記課題について鋭意検討した結果、下記の本発明が前記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、
<1> 下記一般式(I)または下記一般式(II)で表される化合物(成分A)と、金属塩(成分B)と、下記一般式(III)で表されるジシラザン化合物(成分C)とを反応させることを特徴とするフタロシアニン類の製造方法である。
<1> 下記一般式(I)または下記一般式(II)で表される化合物(成分A)と、金属塩(成分B)と、下記一般式(III)で表されるジシラザン化合物(成分C)とを反応させることを特徴とするフタロシアニン類の製造方法である。
一般式(III) HN(SiR1R2R3)2
[一般式(III)中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至8のアリール基を表す。]
[一般式(III)中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至8のアリール基を表す。]
<2> 前記成分Aが、下記一般式(IV)または下記一般式(V)で表される化合物であることを特徴とする前記<1>に記載のフタロシアニン類の製造方法である。
<3> 前記成分Aが、下記一般式(IV)で表される化合物であることを特徴とする前記<1>に記載のフタロシアニン類の製造方法である。
<4> 前記一般式(IV)または前記一般式(V)で表される化合物においてmが1であることを特徴とする前記<2>または<3>に記載のフタロシアニン類の製造方法である。
<5> 前記成分Bの金属塩に含まれる金属が、銅、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、マグネシウム、アルミニウム、バナジウム、ガリウム 及び亜鉛からなる群より選択されるいずれか1種であることを特徴とする前記<1>から<4>のいずれかに記載のフタロシアニン類の製造方法である。
<6> 前記成分Bの金属塩に含まれる金属が、亜鉛、又はマグネシウムであることを特徴とする前記<1>から<5>のいずれかに記載のフタロシアニン類の製造方法である。
<7> 前記一般式(III)で表されるジシラザン化合物が1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザンであることを特徴とする前記<1>から<6>のいずれかに記載のフタロシアニン類の製造方法である。
本発明によれば、簡便且つ高収率で特定の置換基を有するフタロシアニン類を製造することができる製造方法を提供することができる。また、同一の位置異性体の含率が低い、特定の置換基を有するフタロシアニン類を製造することができる製造方法を提供することができる。
本発明のフタロシアニン類の製造方法は、下記一般式(I)または下記一般式(II)で表される化合物(成分A)と、金属塩(成分B)と、下記一般式(III)で表されるジシラザン化合物(成分C)とを反応させることを特徴としている。
以下に、本発明のフタロシアニン類の製造方法について詳述する。まず、下記一般式(I)で表される化合物について説明する。
[一般式(I)中、V1は置換基を表し、nは1〜4の整数を表す。nが2以上の場合各々のV1は同じでも異なっていてもよく、少なくとも一つのV1は炭素数1乃至8のアルキルスルホニル基、炭素数6乃至16のアリールスルホニル基、炭素数4乃至16のヘテロアリールスルホニル基、または−SO2NRR’を表す。R、R’はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1乃至8のアルキル基、炭素数6乃至16のアリール基、または炭素数4乃至16のヘテロアリール基を表す。V1はさらに置換基で置換されていてもよい。]
以下に、本発明のフタロシアニン類の製造方法について詳述する。まず、下記一般式(I)で表される化合物について説明する。
前記一般式(I)において、nが2以上の場合に炭素数1乃至8のアルキルスルホニル基、炭素数6乃至16のアリールスルホニル基、炭素数4乃至16のヘテロアリールスルホニル基、または−SO2NRR’を表す少なくとも一つのV1以外のV1で表される置換基(以下Vxとする)は限定されず、置換基の具体例としてはハロゲン原子(フッ素原子、クロル原子、臭素原子、または沃素原子);アルキル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキル基で、好ましくは炭素数1〜30であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル、3−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)プロピル);アラルキル基(好ましくは炭素7〜30の置換もしくは無置換のアラルキル基で、例えばベンジル、フェネチル);シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルキル基で、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル);アルケニル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルケニル基で、好ましくは炭素数2〜30であり、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル);シクロアルケニル基(好ましくは炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基で、例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル);アルキニル基(直鎖または分岐の置換もしくは無置換のアルキニル基で、好ましくは炭素数2〜30であり、例えば、エチニル、プロパギル、トリメチルシリルエチニル);アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基で、例えば、フェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル);ヘテロ環基〔好ましくは5〜7員の置換もしくは無置換、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族、単環もしくは縮環のヘテロ環基であり、より好ましくは、環構成原子が炭素原子、窒素原子および硫黄原子から選択され、かつ窒素原子、酸素原子および硫黄原子のいずれかのヘテロ原子を少なくとも一個有するヘテロ環基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基(例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、さらには4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)が好ましい〕;
アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基であり、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル);アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基で、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル);アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基で、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル);カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル基、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル);カルボキシ基またはその塩;スルホニルカルバモイル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のスルホニルカルバモイル基、例えば、メタンスルホニルカルバモイル、オクタンスルホニルカルバモイル、ベンゼンスルホニルカルバモイル);アシルカルバモイル基(好ましくは炭素数2〜30のアシルカルバモイル基で、例えば、ホルミルカルバモイル、メチルカルバモイル、フェニルカルバモイル);スルファモイルカルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30のスルファモイルカルバモイル基で、例えば、メチルスルファモイルカルバモイル、フェニルスルファモイルカルバモイル);カルバゾイル基(好ましくは炭素数1〜30のカルバゾイル基で、例えば、カルバゾイル、3−エチルカルバゾイル、3,3−ジメチルカルバゾイル、2−エチル−3−フェニルカルバゾイル);オキサリル基(好ましくは炭素数2〜30のオキサリル基で、例えば、メチルオキサリル、フェニルオキサリル、エトキシオキサリル、フェノキシオキサリル);オキサモイル基(好ましくは炭素数2〜30のオキサモイル基で、例えば、オキサモイル、N−エチルオキサモイル、N−フェニルオキサモイル、N,N−ジエチルオキサモイル);シアノ基;チオカルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30のチオカルバモイル基で、例えば、チオカルバモイル、N−エチルチオカルバモイル、N−フェニルチオカルバモイル);ヒドロキシ基;アルコキシ基(エチレンオキシ基もしくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含み、好ましくは炭素数1〜30のアルコキシ基で、例えば、メトキシ、エトキシ、オクチルオキシ、ヘキサデシルオキシ);
アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30の置換若しくは未置換のアリールオキシ基で、例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ);ヘテロ環オキシ基(前述のヘテロ環基のヘテロ環オキシ基が好ましく、例えば、ピリジルオキシ、イミダオイルオキシ、ピペリジルオキシ);アシルオキシ基(好ましくは炭素数1〜30のアシルオキシ基で、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ);(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基(好ましくは炭素数1〜30のアルコキシカルボニルオキシもしくは炭素数6〜30のアリールオキシカルボニルオキシ基で、例えば、メトキシカルボニルオキシ、フェノキシカルボニルオキシ);カルバモイルオキシ基(好ましくは炭素数1〜30のカルバモイルオキシ基で、カルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシ、フェニルカルバモイルオキシ);スルホニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30のスルホニルオキシ基で、例えば、メタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ);アミノ基;(アルキル、アリール、またはヘテロ環)アミノ基〔(好ましくは炭素数1〜30のアルキル、炭素数6〜30のアリール、前述のヘテロ環基におけるヘテロ環)アミノ基、例えば、メチルアミノ、ジエチルアミノ、フェニルアミノ、ピリジルアミノ〕;アシルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30のアシルアミノ基で、例えばホルミルアミノ、アセチルアミノ、べンゾイルアミノ);ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30のウレイド基で、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド);チオウレイド基(好ましくは炭素数1〜30のチオウレイド基で、例えば、メチルチオウレイド、フェニルチオウレイド);イミド基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のイミド基で、例えばN−スクシンイミド、N−フタルイミド);
(アルコキシもしくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30のアルコキシカルボニルアミノもしくは炭素数7〜30のアリールオキシカルボニルアミノ基で、例えば、メトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ);スルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30のスルファモイルアミノ基で、例えば、メタンスルファモイルアミノ、ベンゼンスルファモイルアミノ);セミカルバジド基(好ましくは炭素数1〜30のセミカルバジド基で、例えば、セミカルバジド、N−エチルセミカルバジド、N−フェニルセミカルバジド);チオセミカルバジド基(好ましくは炭素数1〜30のチオセミカルバジド基で、例えば、チオセミカルバジド、N−ブチルチオセミカルバジド、N−フェニルチオセミカルバジド);ヒドラジノ基(好ましくは炭素数1〜30のヒドラジノ基で、例えば、ヒドラジノ、エチルヒドラジノ、フェニルヒドラジノ);アンモニオ基;オキサモイルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30のオキサモイルアミノ基で、例えば、オキサモイル、エチルオキサモイル、フェニルオキサモイル);(アルキルもしくはアリール)スルホニルウレイド基(好ましくは炭素数2〜30のアルキルスルホニルウレイドもしくは炭素数7〜30のアリールスルホニルウレイド基で、例えば、メタンスルホニルウレイド、ベンゼンスルホニルウレイド);アシルウレイド基(好ましくは炭素数2〜30のアシルウレイド基で、例えばホルミルウレイド、アセチルウレイド、ベンゾイルウレイド);アシルスルファモイルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30のアシルスルファモイルアミノ基で、例えば、アセチルスルファモイルアミノ、ベンゾイルスルファモイルアミノ);ニトロ基;メルカプト基;
(アルキル、アリール、またはヘテロ環)チオ基〔(好ましくは炭素数1〜30のアルキル、炭素数6〜30のアリール、前述のヘテロ環基におけるヘテロ環)チオ基で、例えば、メチルチオ、フェニルチオ、ピリジルチオ〕;(アルキルまたはアリール)スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキルスルフィニルもしくは炭素数6〜30のアリールスルフィニル基で、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル);スルホ基またはその塩;スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30のスルファモイル基で、例えば、スルファモイル、エタンスルファモイル、ベンゼンスルファモイル);アシルスルファモイル基(好ましくは炭素数1〜30のアシルスルファモイル基で、例えば、ホルミルスルファモイル、アセチルスルファモイル、ベンゾイルスルファモイル);スルホニルスルファモイル基またはその塩(好ましくは炭素数0〜30で、例えばメタンスルホニルスルファモイル、ベンゼンスルホニルスルファモイル);リン酸アミドもしくはリン酸エステル構造を含む基(好ましくは炭素数0〜30で、例えばリン酸アミド、メチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド、エトキシリン酸アミド、フェノキシリン酸アミド);シリルオキシ基(好ましくは炭素数1〜30のシリルオキシ基で、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ);シリル基(好ましくは炭素数1〜30のシリル基で、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)等が挙げられる。これら置換基は、これら置換基でさらに置換されていてもよい。
少なくとも一つのV1が表す炭素数1乃至8のアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基、sec−ブチルスルホニル基、t−オクチルスルホニル基などが挙げられ、炭素数6乃至16のアリールスルホニル基としては、ベンゼンスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基などが、炭素数4乃至16のヘテロアリールスルホニル基としては、2−ピリジルスルホニル基、3−チオフェンスルホニル基などがあげられる。−SO2NRR’基におけるR、R’がそれぞれ独立に表す炭素数1乃至8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−オクチル基などが挙げられ、また炭素数6乃至16のアリール基としてはフェニル、4−メトキシフェニルなどが挙げられ、炭素数4乃至16のヘテロアリール基としては、2−ピリジル、3−フリルなどが挙げられる。V1として好ましくは炭素数1乃至8のアルキルスルホニル基または炭素数6乃至16のアリールスルホニル基であり、最も好ましくは炭素数1乃至8のアルキルスルホニル基である。
少なくとも一つのV1が表す炭素数1乃至8のアルキルスルホニル基、炭素数6乃至16のアリールスルホニル基、炭素数4乃至16のヘテロアリールスルホニル基、または−SO2NRR’はさらに置換基で置換されていてもよく、そのような置換基の例としては前述のVxの例として挙げたものと同じである。
一般式(I)において、nは1〜4の整数を表すが、nが1であることが好ましい。
さらに、一般式(I)で表される化合物は、一般式(IV)で表される化合物であることが好ましい。
[一般式(IV)中、V2は置換基を表し、mは1または2を表す。mが2の場合各々のV2は同じでも異なっていてもよく、少なくとも一つのV2は炭素数1乃至8のアルキルスルホニル基、炭素数6乃至16のアリールスルホニル基、炭素数4乃至16のヘテロアリールスルホニル基、または−SO2NRR’を表す。R、R’はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1乃至8のアルキル基、炭素数6乃至16のアリール基または炭素数4乃至16のヘテロアリール基を表す。V2はさらに置換基で置換されていてもよい。mが1の場合V2で置換されていない位置は水素原子である。]
前記一般式(IV)において、V2の具体例及び好ましい範囲は一般式(I)のV1と同じである。
一般式(IV)において、mは1であることが好ましい。
フタロニトリル化合物からフタロシアニン化合物を合成する場合には、1分子のフタロシアニン化合物を合成するのに4分子のフタロニトリル化合物が必要である。ここで一般式(I)または(IV)で表されるフタロニトリル化合物は必要な4分子全て同じものである必要はなく、異なるRを有するフタロニトリルの複数種類を任意の割合で用いてもよい。本発明においては4分子が全て同じものが好ましい。
以下に本発明において用いられる一般式(I)で表される化合物の例を示す。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。
一般式(II)において、A3がNHであることが好ましく、さらに好ましくはA1、A2、A3がすべてNHである。V1、nはそれぞれ一般式(I)のV1、nと同義であり、その具体例及び好ましい範囲も一般式(I)のV1、nと同じである。
さらに 一般式(II)で表される化合物は、下記一般式(V)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(V)において、A6がNHであることが好ましく、さらに好ましくはA4、A5、A6がすべてNHである。V2、mはそれぞれ一般式(IV)のV1、nと同義であり、その具体例及び好ましい範囲も一般式(IV)のV2、mと同じである。
一般式(II)で表される化合物または一般式(V)で表される化合物からフタロシアニン化合物を合成する場合には、1分子のフタロシアニン化合物を合成するのに4分子の一般式(II)または(V)で表される化合物が必要である。ここで一般式(II)または(V)で表される化合物は必要な4分子全て同じものである必要はなく、異なるRを有する一般式(II)または(V)で表される化合物の複数種類を任意の割合で用いてもよい。本発明においては4分子が全て同じものが好ましい。
以下に本発明において用いられる一般式(II)で表される化合物の例を示す。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。
次に成分Bの金属塩について説明する。成分Bの金属塩に含まれる金属としては、例えば銅、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、マグネシウム、アルミニウム、バナジウム、ガリウム、亜鉛などが挙げられるが、銅、マグネシウム、亜鉛であることが好ましく、さらにマグネシウムまたは亜鉛であることがより好ましい。
成分Bの金属塩は、上記金属の正イオンと対アニオンとから形成されるものであるが、対アニオンは、無機のアニオンであっても有機のアニオンであってもよい。無機のアニオンの例としては、ハロゲンイオン(Cl-、Br-、I-、F-)、塩素酸イオン、過塩素酸イオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオンなどが挙げられる。有機のアニオンの例としては、カルボン酸イオン(例えば、酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、安息香酸イオン、琥珀酸イオン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、テレフタル酸イオン)、スルホン酸イオン(例えば、メタンスルホン酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ブタン−1,4−ジスルホン酸イオン、シクロヘキサン−1,4−ジスルホン酸イオン、ベンゼン−1,3−ジスルホン酸イオン、3,3’−ビフェニルジスルホン酸イオン、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸イオン、ナフタレン−1,6−ジスルホン酸イオン、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸イオン、1−メチルナフタレン−2,6−ジスルホン酸イオン、ナフタレン−2,7−ジスルホン酸イオン、ナフタレン−2,8−ジスルホン酸イオン、1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸イオン、2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸イオン、2,7−ジヒドロキシ−3,6−ジスルホン酸イオン、2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸イオン、1,8−ジヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸イオン、1,5−ジヒドロキシナフタレン−2,6−ジスルホン酸イオン、ナフタレン−1,3,5−トリスルホン酸イオン、ナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸イオン、ナフタレン−1,3,7−トリスルホン酸イオン、1−ナフトール−3,6,8−トリスルホン酸イオン、2−ナフトール−3,6,8−トリスルホン酸イオン、ナフタレン−1,3,5,7−テトラスルホン酸イオン)、ポリ硫酸モノエステル(例、プロピレングリコール−1,2−ジスルフェート、ポリビニルアルコールポリ硫酸エステルイオン)などが挙げられる。本発明においては対アニオンとしてはハロゲンイオンまたはカルボン酸イオンが好ましく、最も好ましくはハロゲンイオンである。
成分Bの金属塩はさらに電荷を有しない配位子(2,2-ビピリジン、フェナントロリンなど)を有していてもよく、含まれる金属部分が金属酸化物(V=Oなど)であってもよい。
次に成分Cの、一般式(III)で表されるジシラザン化合物について説明する。
一般式(III)
HN(SiR1R2R3)2
[一般式(III)中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至8のアリール基を表す。]
一般式(III)
HN(SiR1R2R3)2
[一般式(III)中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至8のアリール基を表す。]
一般式(III)において、R1、R2、R3として好ましくは炭素数1乃至4のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
反応に用いる原料の比率は1モルの成分Aに対して、好ましい成分Bの量は0.01〜10モルであり、更に好ましくは0.1〜5モルであり、更に好ましくは0.2〜2モルであり、更に好ましくは0.25〜1モルである。また1モルの成分Aに対して好ましい成分Cの量は0.1〜50モルであり、更に好ましくは0.5〜20モルであり、更に好ましくは1.0〜10モルであり、更に好ましくは1.5〜5モルであり、更に好ましくは1.75〜3モルである。
反応に用いる成分Cは、一括添加、分割添加、滴下もしくはこれらの添加方法を組合わせて実施してもよい。
本発明の製造方法を実施する際には必要であれば溶媒を用いることができる。反応に用いる溶媒としては例えばジシラザン溶媒、アミド系溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチルー2−ピロリドン)、スルホン系溶媒(例えばスルホラン)スルホキシド系溶媒(例えばジメチルスルホキシド)、ウレイド系溶媒(例えばテトラメチルウレア)、エーテル系溶媒(例えばジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、炭化水素系溶媒(例えばトルエン、キシレン)、ハロゲン系溶媒(例えばテトラクロロエタン、クロロベンゼン)、アルコール系溶媒(例えば1−ブタノール、エチレングリコール、シクロヘキサノール)、ピリジン系溶媒(例えばピリジン、γ―ピコリン、2,6−ルチジン)を単独或いは混合して用いる。好ましくはアミド系溶媒、スルホン系溶媒、ウレイド系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、ピリジン系溶媒であり、更に好ましくはアミド系溶媒、スルホン系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒であり、更に好ましくはアミド系溶媒、アルコール系溶媒であり最も好ましい溶媒はアミド系溶媒である。
反応温度は0〜250℃、好ましくは20〜200℃、更に好ましくは50〜150℃であり、更に好ましくは65〜130℃の範囲が好ましく、反応の途中で反応温度を変更すること(例えば前半50℃、後半120℃)も好ましく、反応時間は5分〜30時間の範囲で行う。
反応中、水やその他の還流し得る成分が副生してくる場合には系外に除きながら反応することも好ましく、減圧下あるいは常圧にて単独或いは溶媒とともに留去する方法、或いはモレキュラーシーブ等の吸収剤を用いる方法、無水酢酸、オルトエステル等の脱水縮合剤を用いる方法等が好ましく用いられる。また、本反応は密閉系で行うことも好ましい。
成分A、B、Cの添加順は特に問わないが、成分A、Bを添加後に成分Cを添加することが好ましい。さらに成分A、Bを添加後に反応温度まで昇温し、成分Cを添加することがより好ましい。この際、成分Cの添加時間を5分〜5時間かけて行うことが好ましく、さらに好ましくは30分〜3時間かけて行うことである。
以下に本発明を実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
前記一般式(I)で表される化合物の例で示した化合物3(成分A) 2.5g、臭化マグネシウム(成分B) 0.48g、ジメチルホルムアミド2.5ml、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン(成分C)4.2mlをこの順に添加し、100℃で4時間撹拌した。反応混合物にメタノール20ml、水20mlを添加し、析出した粗結晶をろ取した。ここで得られた粗結晶をメタノールで洗浄することにより、対応するフタロシアニン化合物〔テトラ(SO2-Busec)マグネシウムフタロシアニン〕を2.2g、収率86%で得た。本フタロシアニン化合物の位置異性体を高性能液体クロマトグラフィーで分析した。4つのピーク(a、b、c、d)に分離でき、a:b:c:dの面積百分率は44:22:22:12であった。この分析の結果から、同一の位置異性体の含率が50%を超えていないことが分かる。
前記一般式(I)で表される化合物の例で示した化合物3(成分A) 2.5g、臭化マグネシウム(成分B) 0.48g、ジメチルホルムアミド2.5ml、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン(成分C)4.2mlをこの順に添加し、100℃で4時間撹拌した。反応混合物にメタノール20ml、水20mlを添加し、析出した粗結晶をろ取した。ここで得られた粗結晶をメタノールで洗浄することにより、対応するフタロシアニン化合物〔テトラ(SO2-Busec)マグネシウムフタロシアニン〕を2.2g、収率86%で得た。本フタロシアニン化合物の位置異性体を高性能液体クロマトグラフィーで分析した。4つのピーク(a、b、c、d)に分離でき、a:b:c:dの面積百分率は44:22:22:12であった。この分析の結果から、同一の位置異性体の含率が50%を超えていないことが分かる。
[実施例2]
化合物3(成分A) 25g、臭化亜鉛(成分B) 5.9g、ジメチルホルムアミド100mlを混合し100℃に加熱後、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン(成分C)42mlを2時間かけて添加し、さらに100℃で4時間撹拌した。反応混合物からジメチルホルムアミド層を分液して採り、ここにメタノール375ml、水125mlの混合溶媒を1時間かけて添加し、析出した粗結晶をろ取した。ここで得られた粗結晶をメタノールで洗浄することにより、対応するフタロシアニン化合物〔テトラ(SO2-Busec)亜鉛フタロシアニン〕を15.8g、収率60%で得た。本フタロシアニン化合物の位置異性体を高性能液体クロマトグラフィーで分析した。4つのピーク(a、b、c、d)に分離でき、a:b:c:dの面積百分率は38:24:26:12であった。この分析の結果から、同一の位置異性体の含率が50%を超えていないことが分かる。
化合物3(成分A) 25g、臭化亜鉛(成分B) 5.9g、ジメチルホルムアミド100mlを混合し100℃に加熱後、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン(成分C)42mlを2時間かけて添加し、さらに100℃で4時間撹拌した。反応混合物からジメチルホルムアミド層を分液して採り、ここにメタノール375ml、水125mlの混合溶媒を1時間かけて添加し、析出した粗結晶をろ取した。ここで得られた粗結晶をメタノールで洗浄することにより、対応するフタロシアニン化合物〔テトラ(SO2-Busec)亜鉛フタロシアニン〕を15.8g、収率60%で得た。本フタロシアニン化合物の位置異性体を高性能液体クロマトグラフィーで分析した。4つのピーク(a、b、c、d)に分離でき、a:b:c:dの面積百分率は38:24:26:12であった。この分析の結果から、同一の位置異性体の含率が50%を超えていないことが分かる。
[実施例3]
前記一般式(II)で表される化合物の例で示した化合物24(成分A) 1.35g、塩化銅(成分B) 0.17g、ジメチルホルムアミド2ml、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン(成分C)2.1mlをこの順に添加し、100℃で2時間撹拌した。反応混合物にメタノール20ml、水20mlを添加し、析出した粗結晶をろ取した。ここで得られた粗結晶をメタノールで洗浄することにより、対応するフタロシアニン化合物〔テトラ(SO2-Butert)銅フタロシアニン〕を1.0g、収率74%で得た。本フタロシアニン化合物の位置異性体を高性能液体クロマトグラフィーで分析した。3つのピーク(a、b、c)に分離でき、a:b:cの面積百分率は20:35:45であった。この分析の結果から、同一の位置異性体の含率が50%を超えていないことが分かる。
前記一般式(II)で表される化合物の例で示した化合物24(成分A) 1.35g、塩化銅(成分B) 0.17g、ジメチルホルムアミド2ml、1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザン(成分C)2.1mlをこの順に添加し、100℃で2時間撹拌した。反応混合物にメタノール20ml、水20mlを添加し、析出した粗結晶をろ取した。ここで得られた粗結晶をメタノールで洗浄することにより、対応するフタロシアニン化合物〔テトラ(SO2-Butert)銅フタロシアニン〕を1.0g、収率74%で得た。本フタロシアニン化合物の位置異性体を高性能液体クロマトグラフィーで分析した。3つのピーク(a、b、c)に分離でき、a:b:cの面積百分率は20:35:45であった。この分析の結果から、同一の位置異性体の含率が50%を超えていないことが分かる。
[比較例1]
化合物3 2.0g、塩化マグネシウム 0.20gをn-ブタノール40mlに添加し、60℃に加熱した後に1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン 3.0mlを添加した。80℃に昇温して18時間撹拌後、溶媒を減圧溜去した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液: メタノール:塩化メチレン=3:97)にて精製し、対応するフタロシアニン化合物〔テトラ(SO2-Busec)マグネシウムフタロシアニン〕を0.1g、収率1.2%で得た。本フタロシアニンの位置異性体を高性能液体クロマトグラフィーで分析した。2つのピーク(a、b)に分離でき、a:bの面積百分率は85:15であった。
化合物3 2.0g、塩化マグネシウム 0.20gをn-ブタノール40mlに添加し、60℃に加熱した後に1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン 3.0mlを添加した。80℃に昇温して18時間撹拌後、溶媒を減圧溜去した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液: メタノール:塩化メチレン=3:97)にて精製し、対応するフタロシアニン化合物〔テトラ(SO2-Busec)マグネシウムフタロシアニン〕を0.1g、収率1.2%で得た。本フタロシアニンの位置異性体を高性能液体クロマトグラフィーで分析した。2つのピーク(a、b)に分離でき、a:bの面積百分率は85:15であった。
[比較例2]
化合物3 2.0g、塩化亜鉛 0.20gをn-ブタノール40mlに添加し、60℃に加熱した後に1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン 3.0mlを添加した。80℃に昇温して7時間撹拌後、溶媒を減圧溜去した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液: メタノール:塩化メチレン=3:97)にて精製し、対応するフタロシアニン化合物〔テトラ(SO2-Busec)亜鉛フタロシアニン〕を0.3g、収率3.5%で得た。本フタロシアニンの位置異性体を高性能液体クロマトグラフィーで分析した。2つのピーク(a、b)に分離でき、a:bの面積百分率は86:14であった。
化合物3 2.0g、塩化亜鉛 0.20gをn-ブタノール40mlに添加し、60℃に加熱した後に1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン 3.0mlを添加した。80℃に昇温して7時間撹拌後、溶媒を減圧溜去した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液: メタノール:塩化メチレン=3:97)にて精製し、対応するフタロシアニン化合物〔テトラ(SO2-Busec)亜鉛フタロシアニン〕を0.3g、収率3.5%で得た。本フタロシアニンの位置異性体を高性能液体クロマトグラフィーで分析した。2つのピーク(a、b)に分離でき、a:bの面積百分率は86:14であった。
[比較例3]
1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザンを添加しないこと以外は、実施例1と同じ操作を行った。この場合、対応するフタロシアニン化合物〔テトラ(SO2-Busec)マグネシウムフタロシアニン〕は全く得られなかった。
1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザンを添加しないこと以外は、実施例1と同じ操作を行った。この場合、対応するフタロシアニン化合物〔テトラ(SO2-Busec)マグネシウムフタロシアニン〕は全く得られなかった。
比較例1〜3と実施例1、2との比較から、本発明の製造方法により反応収率が大幅に向上することが分かる。また、本発明の製造方法により特定の位置異性体の含率が50%を越えない位置異性体混合物が得られることが分かる。
Claims (7)
- 下記一般式(I)または下記一般式(II)で表される化合物(成分A)と、金属塩(成分B)と、下記一般式(III)で表されるジシラザン化合物(成分C)とを反応させることを特徴とするフタロシアニン類の製造方法。
一般式(III) HN(SiR1R2R3)2
[一般式(III)中、R1、R2、及びR3はそれぞれ独立に炭素数1乃至4のアルキル基または炭素数6乃至8のアリール基を表す。] - 前記成分Aが、下記一般式(IV)または下記一般式(V)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のフタロシアニン類の製造方法。
- 前記成分Aが、下記一般式(IV)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のフタロシアニン類の製造方法。
- 前記一般式(IV)または前記一般式(V)で表される化合物においてmが1であることを特徴とする請求項2または3に記載のフタロシアニン類の製造方法。
- 前記成分Bの金属塩に含まれる金属が、銅、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、マグネシウム、アルミニウム、バナジウム、ガリウム 及び亜鉛からなる群より選択されるいずれか1種であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のフタロシアニン類の製造方法。
- 前記成分Bの金属塩に含まれる金属が、亜鉛、又はマグネシウムであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のフタロシアニン類の製造方法。
- 前記一般式(III)で表されるジシラザン化合物が1,1,1,3,3,3-ヘキサメチルジシラザンであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のフタロシアニン類の製造方法。
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2005
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