JP2006124379A - フタロシアニン化合物およびその類縁体の製造方法 - Google Patents
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(2)下記一般式(5)で表されるフタロニトリル化合物から前記一般式(3)または(4)で表されるフタロシアニン化合物もしくはフタロシアニン類縁体を製造する方法であって、脱水剤とアンモニウム塩化合物の共存下に反応を行うことを特徴とする、前記一般式(3)または(4)で表されるフタロシアニン化合物もしくはフタロシアニン類縁体の製造方法。
(3)前記アンモニウム塩化合物が、カルボン酸アンモニウムであることを特徴とする、(1)または(2)に記載の製造方法。
(4)前記脱水剤が、アセタール化合物、オルトエステル化合物、アルケニルエーテル化合物、アルケニルエステル化合物、エポキシド化合物、オキセタン化合物から選択されることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の製造方法。
(5)前記脱水剤が、有機化合物であって、かつ大気圧下または減圧下において水との混合物を蒸留した際に、水を含んだ留出物が得られる有機化合物であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の製造方法。
(6)さらに、酸の共存下に反応を行うことを特徴とする、(1)〜(5)のいずれか1項に記載のフタロシアニン化合物およびフタロシアニン類縁体の製造方法。
(7)前記酸が、カルボン酸であることを特徴とする、(6)に記載の製造方法。
まず一般式(1)または(2)で表される化合物について説明する。
一般式(1)または(2)で表される化合物のうち、一般式(1)で表される化合物が好ましい。
一般式(1)で表される化合物の好ましい化合物は下記一般式(5)として表すことができる。
Rとして特に好ましくはハロゲン原子、アシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)アミノ基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)チオ基、(アルキル,アリール,またはヘテロ環)スルホニル基が用いられる。
親水性基として窒素の4級塩構造を有する基またはリンの4級塩構造を有している場合は、必要に応じて対アニオンを有していてもよく、対アニオンとしては例えばハロゲンイオン、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、シュウ酸イオン、アルカンスルホン酸イオン、アリールスルホン酸イオン、アルカンカルボン酸イオン、アリールカルボン酸イオン等をとることができる。
親水性基として好ましくはカルボキシル基、スルホ基、リン酸基であり、より好ましくはカルボキシル基、スルホ基である。この場合、対カチオンとして、Li、Na、K、Mg、Caの陽イオンが好ましく用いられ、より好ましくはLi、Na、Kの陽イオンが用いられ、特に好ましくはLi、Naの陽イオンが用いられる。
Rが炭素原子を有する基である場合には、その総炭素数は1〜100が好ましく、より好ましくは1〜80であり、さらに好ましくは1〜50であり、特に好ましくは1〜20である。
次に、本発明の一般式(3)または(4)で表されるフタロシアニン化合物もしくはフタロシアニン類縁体について説明する。
Zは一般式(1)および(2)におけるZと好ましい範囲は同じである。
ここで、4つのZで形成される芳香環は互いに同じでも異なってもよく、また同じ芳香環骨格であっても各々の芳香環が同じ置換基を有していても異なった置換基を有していても構わない。また、同じ置換基であっても置換位置が各々の芳香環で異なっていても構わない。
さらには、上述の化合物の混合物であってもよく、構造異性体の混合物であっても構わない。
M1およびM2は好ましくはH、Li、Na、Kである。M3は好ましくは周期表第2族から15族の第3周期から第6周期の範囲にある金属原子およびランタニド系列の金属原子である。
M3は例えば、Mg、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi等が挙げられる。これらのうち、好ましくはMg、Ca、Co、Zn、Pd、Cuであり、より好ましくはCo、Pd、Zn、CuCuであり、特に好ましくはCuである。また金属原子が金属化合物であっても構わない。例えば、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物が挙げられ、これらがフタロシアニン化合物と錯体を形成していても良い。酸化物としては、VO、GeO等が挙げられる。水酸化物としては、Si(OH)2、Cr(OH)2、Sn(OH)2等が挙げられる。ハロゲン化物としては、AlCl、SiCl2、VCl、VCl2、VOCl、FeCl、GaCl、ZrCl等が挙げられる。本発明においては、金属原子が好ましい。
R5〜R20は各々独立に水素または置換基を表す。該置換基は一般式(5)のRと同じ範囲から選ばれる基であり、好ましい範囲も同じである。
またR5〜R20が置換基としてカルボキシル基、スルホ基、リン酸基、窒素の4級塩構造を有する基、リンの4級塩構造などの親水性基で置換されている場合には、その対カチオンは前駆体である一般式(5)で表されるフタロニトリル化合物における対応する対カチオンと同一であっても異なっていても良い。また置換基として窒素やリンの4級塩構造を有する場合には、その対アニオンは前駆体である一般式(5)で表されるフタロニトリル化合物における対応する対アニオンと同一であっても異なっていても良い。いずれの場合においても一般式(5)で表されるフタロニトリル化合物における対イオンと異なる場合には、フタロシアニン化合物合成反応時あるいは後処理時に適切なイオン交換法を取り入れることにより、所望の対イオンを有するフタロシアニン化合物を合成することができる。
脱水剤としては、水分子を吸着するもの(Molecular sieves、Drierite(登録商標)、硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム等)、大気圧下または減圧下において水との混合物を蒸留した際に、水を含んだ留出物が得られる有機化合物(ベンゼン、トルエン、キシレン、エタノール、メタノール、アセトニトリル等)、水と化学反応を起こすもの〔有機金属化合物(Grignard反応剤、有機リチウム反応剤、有機亜鉛反応剤等)、酸無水物(カルボン酸無水物、スルホン酸無水物、混合酸無水物を含む)、酸ハライド、ポリリン酸、5酸化2リン、オキシ塩化リン、5塩化リン、3塩化リン、オルトエステル化合物、アセタール化合物、アルケニルエーテル化合物、アルケニルエステル化合物、オキシラン化合物、オキセタン化合物等〕が挙げられる。
このような化合物を反応混合物に添加し、適切な圧力および温度条件下において蒸留操作を行い水とともに留出させることにより、反応混合物より脱水を行う。このような有機化合物としては、アルコール化合物(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、シクロヘキサノール、1−オクタノール、メトキシエタノールなど)、ケトン化合物(アセトン、メチルエチルケトンなど)、芳香族化合物(ベンゼン、トルエン、アニソール、クロロベンゼン、フェノールなど)、ヘテロ環化合物(フルフリルアルコール、2−メチルピリジン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、ハロゲン化アルキル化合物(クロロホルム、四塩化炭素など)、ニトロ化合物(ニトロメタン、ニトロエタンなど)、ニトリル化合物(アセトニトリル、プロピオ二トリルなど)を用いることができる。蒸留した際に水とともに留出し脱水効果を示す有機化合物としては、エタノールやトルエンなどのように水とともに共沸混合物を形成するもの(共沸混合物の定義は、東京化学同人発行,「化学辞典」(1994年),pp.349に記載されている。また共沸混合物の具体的事例としてはアメリカ化学会発行,「Azeotropic Data−III」(1973年),pp.13〜45の記載を参考にすることができる。)であっても、メタノールのように共沸混合物を形成しないものであっても良い。
アンモニウム塩とはアミン化合物(アンモニアを含む)と酸の塩、および酸の4級アンモニウム塩を表す。アミノ酸のように酸の分子内にアミン構造が存在する場合には、アミン部分は分子内のものであっても良いし、分子内にないアミン化合物でも良い。
酸としては(脂肪族、芳香族、またはヘテロ環)カルボン酸、(脂肪族、芳香族、またはヘテロ環)スルホン酸、(脂肪族、芳香族、またはヘテロ環)スルフィン酸、炭酸、硫酸、塩酸、リン酸、リンモリブデン酸などを用いることができる。酸部位としては(脂肪族、芳香族、またはヘテロ環)カルボン酸が好ましく、これらの塩におけるカルボン酸はモノカルボン酸であってもジカルボン酸以上の多価カルボン酸であってもよいが、好ましくはモノカルボン酸である。
アミン化合物としてはアンモニア、(1級、2級または3級)アミン化合物、ヒドロキシアミン化合物、ヒドラジン化合物などを用いることができる。好ましくはアンモニアまたは(1級、2級または3級)アミン化合物が用いられ、より好ましくはアンモニアまたは(1級または2級)アミン化合物が用いられる。さらに好ましくはアンモニアまたはモノアルキルアミン(炭素数1〜10)が用いられ、特に好ましくはアンモニアが用いられる。
カルボン酸は、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、ヘテロ環カルボン酸から選ばれるものであるが、これらのカルボン酸はモノカルボン酸であってもジカルボン酸以上の多カルボン酸であってもかまわないが、好ましくはモノカルボン酸である。
反応に用いる金属塩は、必要であればいかなる量を用いてもよいが、一般式(3)で表される化合物を製造する場合、好ましくは一般式(1)または(2)で表される化合物に対して、M1、M2に対応する金属塩を20〜300mol%とすることが好ましく、30〜100mol%とすることがより好ましい。一方、一般式(4)で表される化合物を製造する場合は、好ましくは一般式(1)または(2)で表される化合物に対して、M3に対応する金属塩を10〜200mol%とすることが好ましく、15〜100mol%とすることがより好ましい。
下記スキームに従って合成した。
フタロニトリル化合物5の合成
3−ニトロフタロニトリル(25g、0.144mol)、DMSO(200ml)、3−メルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム塩(32g、0.18mol)の混合物に炭酸ナトリウム(16.5g、0.156mol)を加えて、60℃に加熱し3時間撹拌した。反応混合物を10%食塩水(300g)に注ぎ、析出した固体をろ取し、イソプロパノール/水(3/1)混合液で洗浄した。ここで得られた個体に水(200ml)、酢酸(3ml)、Na2WO4(2g)を加え、31%過酸化水素水(50ml)を添加した後、60℃で加熱、撹拌した。4時間撹拌した後、イソプロパノール(500ml)に反応混合物を注ぎ析出した固体をろ取後、イソプロパノール/水(3/1)混合液で洗浄した。ここで得られた個体を乾燥し、フタロニトリル化合物5(24g、3−ニトロフタロニトリルからの収率49%)を得た。
フタロニトリル化合物5(10.7g、29.4mmol、含水率6%)、ジエチレングリコール(40ml)、オルト酢酸トリエチル(14.2g、87.6mmol)、酢酸(0.21g、3.5mmol)を混合し、100℃に加熱した。反応混合物にCuCl2(1g、7.43mmol)、安息香酸アンモニウム(8.27g、59.5mmol)を添加し、100℃で10時間撹拌した。反応混合物をイソプロパノール(100ml)に添加し、析出した粗結晶をろ取した。ここで得られた粗結晶をイソプロパノール/水(3/1)で洗浄することにより、対応するフタロシアニン化合物11を9.4g、収率90%で得た。得られたフタロシアニン化合物のIRスペクトルを図1に示した。
安息香酸アンモニウムの代わりに、安息香酸テトラメチルアンモニウム(11.6g、59.5mmol)を用いる以外は実施例1と同じ操作を行い、対応するフタロシアニン化合物11を8.3g、収率80%で得た。
安息香酸アンモニウムの代わりに、炭酸アンモニウム(5.7g、59.5mmol)を用いる以外は実施例1と同じ操作を行い、対応するフタロシアニン化合物11を6.2g、収率60%で得た。
フタロニトリル化合物5(10.7g、29.4mmol、含水率6%)、ジエチレングリコール(40ml)、トルエン(10ml)、酢酸(0.21g、3.5mmol)を混合し、95kPaまで減圧し外温110℃で加熱した。内温が100℃に到達するまで加熱をつづけトルエンを留去した。反応混合物にCuCl2(1g、7.43mmol)、安息香酸アンモニウム(8.27g、59.5mmol)を添加し、100℃で10時間撹拌した。反応混合物をイソプロパノール(100ml)に添加し、析出した粗結晶をろ取した。ここで得られた粗結晶をイソプロパノール/水(3/1)で洗浄することにより、対応するフタロシアニン化合物11を6.2g、収率60%で得た。
フタロニトリル化合物5(10.7g、29.4mmol、含水率6%)、ジエチレングリコール(40ml)、1−プロパノール(10ml)、酢酸(0.21g、3.5mmol)を混合し、大気圧下で95kPaまで減圧し外温110℃で加熱した。内温が100℃に到達するまで加熱をつづけ1−プロパノールを留去した。反応混合物にCuCl2(1g、7.43mmol)、安息香酸アンモニウム(8.27g、59.5mmol)を添加し、100℃で10時間撹拌した。反応混合物をイソプロパノール(100ml)に添加し、析出した粗結晶をろ取した。ここで得られた粗結晶をイソプロパノール/水(3/1)で洗浄することにより、対応するフタロシアニン化合物11を6.6g、収率65%で得た。
安息香酸アンモニウムの代わりに安息香酸ナトリウム(8.36g、59.5mmol)を用いること以外は実施例1と同じ操作を行った。この場合、対応するフタロシアニン化合物11を2.9g、収率28%で得た。
安息香酸アンモニウムの代わりにDBU(9.06g、59.5mmol)を用いること以外は実施例1と同じ操作を行った。この場合、対応するフタロシアニン化合物11を0.5g、収率5%で得た。
オルトギ酸トリエチルを添加しないこと以外は、実施例1と同じ操作を行った。この場合、対応するフタロシアニン化合物11を1.0g、収率10%で得た。
下記スキームに従って合成した。
参考例1における3−ニトロフタロニトリルの代わりに4−ニトロフタロニトリルを用い、ナトリウム塩をリチウム塩に塩交換する操作を付与すること以外は、参考例1と同様の作業により、フタロニトリル化合物23を合成した。
フタロニトリル化合物23(9.9g、29.4mmol、含水率5%)、ジエチレングリコール(40ml)、オルト酢酸トリエチル(14.2g、87.6mmol)、酢酸(0.21g、3.5mmol)を混合し、100℃に加熱した。反応混合物にCuCl2(1g、7.43mmol)、安息香酸アンモニウム(8.27g、59.5mmol)を添加し、100℃で10時間撹拌した。反応混合物をイソプロパノール(100ml)に添加し、析出した粗結晶をろ取した。ここで得られた粗結晶をイソプロパノール/水(3/1)で洗浄することにより、対応するフタロシアニン化合物77を9.9g、収率100%で得た。得られたフタロシアニン化合物のIRスペクトルを図2に示した。
フタロニトリル化合物23(9.9g、29.4mmol、含水率5%)、ジエチレングリコール(40ml)、トルエン(10ml)、酢酸(0.21g、3.5mmol)を混合し、95kPaまで減圧し外温110℃で加熱した。内温が100℃に到達するまで加熱をつづけトルエンを留去した。反応混合物にCuCl2(1g、7.43mmol)、安息香酸アンモニウム(8.27g、59.5mmol)を添加し、100℃で10時間撹拌した。反応混合物をイソプロパノール(100ml)に添加し、析出した粗結晶をろ取した。ここで得られた粗結晶をイソプロパノール/水(3/1)で洗浄することにより、対応するフタロシアニン化合物77を8.9g、収率90%で得た。
フタロニトリル化合物23(9.9g、29.4mmol、含水率5%)、ジエチレングリコール(40ml)、1−プロパノール(10ml)、酢酸(0.21g、3.5mmol)を混合し、大気圧下に外温110℃で加熱した。内温が100℃に到達するまで加熱をつづけ、1−プロパノールを留去した。反応混合物にCuCl2(1g、7.43mmol)、安息香酸アンモニウム(8.27g、59.5mmol)を添加し、100℃で10時間撹拌した。反応混合物をイソプロパノール(100ml)に添加し、析出した粗結晶をろ取した。ここで得られた粗結晶をイソプロパノール/水(3/1)で洗浄することにより、対応するフタロシアニン化合物77を9.1g、収率92%で得た。
フタロニトリル化合物23(9.9g、29.4mmol、含水率5%)、ジエチレングリコール(40ml)、オルト酢酸トリエチル(14.2g、87.6mmol)、酢酸(0.21g、3.5mmol)を混合し、100℃に加熱した。反応混合物にCuCl2(1g、7.43mmol) 、安息香酸リチウム(7.6g、59.5mmol)を添加し、100℃で10時間撹拌した。反応混合物をイソプロパノール(100ml)に添加し、析出した粗結晶をろ取した。ここで得られた粗結晶をイソプロパノール/水(3/1)で洗浄することにより、対応するフタロシアニン化合物77を7.9g、収率80%で得た。
オルトギ酸トリエチルを添加しないこと以外は、実施例6と同じ操作を行った。この場合、対応するフタロシアニン化合物77を7.7g、収率78%で得た。
下記のスキームに従って合成した。
化合物A(25.0g、0.162モル)をメタノール100ml、トリエチルアミン23mlに溶かし、5℃〜25℃で冷却攪拌下に30%過酸化水素水9mlを、10分間で滴下した。反応液を25℃で更に30分間攪拌し、再び5℃〜25℃で冷却攪拌下に、濃塩酸15mlを滴下し、更に水200mlを添加し、25℃で1時間攪拌した。析出した結晶を濾過し、水で充分洗浄し、得られた結晶を乾燥し、白色結晶B24.7gを得た。収率99.5%
化合物B(17.5g、0.114モル)にトルエン100ml、ジメチルアセトアミド0.25mを加え、還流下に塩化チオニル25mlを10分間で滴下した。更に1時間加熱環流した後、減圧下濃縮し、粘調液体を得た。一方、ジエトキシエチルアミン(38.0g、0.235モル)にジメチルアセトアミド10ml、アセトニトリル100mlを添加し10℃〜15℃で攪拌下に、前記粘調液体を15分間で滴下した。更に30分間攪拌した後、水100ml、酢酸エチル100mlに注ぎ、酢酸エチル層を分液し、水100mlで2回洗浄した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥し、酢酸エチルを減圧留去し、淡黄色粘調液体Cを得た。この淡黄色粘調液体Cに水50ml、エタノール200ml、亜鉛粉末12gを添加し、加熱還流下に硫酸10mlを水40mlに希釈した溶液を20分間で滴下した。更に30分間加熱攪拌した後、冷却し、不溶物を濾別した。得られた溶液に、飽和食塩水50ml、酢酸エチル100mlを添加し、酢酸エチル層を分液し、水100mlで2回洗浄した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥し、酢酸エチルを減圧留去し、淡黄色粘調液体Dを得た。一方、3−ニトロフタロニトリル(19.7g、0.113モル)、ジメチルアセトアミド70ml、炭酸カリウム(15g、0.108モル)を窒素気流下、20℃〜25℃で攪拌下に、前記淡黄色粘調液体Dを10分間で添加した。更に30分間攪拌した後、水300ml攪拌下に注ぎ、析出した結晶を濾過し、充分水洗した。得られた結晶をメタノール70mlで再結晶し、析出した結晶を濾過、冷メタノール30mlで洗浄、乾燥し、白色結晶フタロニトリル化合物40を35.0g得た。収率72.6%
フタロニトリル化合物40(34.4g、0.081モル)に2−メトキシ−1−プロパノール75ml、ジエチレングリコール75mlを添加し、窒素気流下、内温120℃、30分間で15mlを留去した。その後、溶液に安息香酸アンモニウム(11.3g、0.081モル)、塩化銅(2.7g、0.02モル)を添加し、加熱攪拌を5時間した。反応液を酢エチ150ml、水150mlに注ぎ、酢酸エチル層を分液し、食塩水200mlで2回洗浄した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥し、酢酸エチルを減圧留去し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトで精製し、本発明のフタロシアニン化合物140の粉末34.2gを得た。収率93%
物性データ:λmax 652nm(酢酸エチル溶液(1%クロロホルム含有))
フタロニトリル化合物40(34.4g、0.081モル)に2−メトキシ−1−プロパノール75ml、ジエチレングリコール75mlを添加し、窒素気流下、内温120℃に加熱した。その後、溶液に安息香酸アンモニウム(11.3g、0.081モル)、塩化銅(2.7g、0.02モル)を添加し、加熱攪拌を5時間した。反応液を酢エチ150ml、水150mlに注ぎ、酢酸エチル層を分液し、食塩水200mlで2回洗浄した。酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥し、酢酸エチルを減圧留去し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトで精製し、本発明のフタロシアニン化合物140の粉末23.2gを得た。収率63%
実施例10
フタロニトリル化合物39(30g、120mmol)、オルト酢酸トリエチル1.2ml(6.5mmol)、酢酸0.6ml(10mmol),安息香酸アンモニウム35.1g(252mmol)およびCuCl24.0g(30mmol)をジエチレングリコール120mlに懸濁させた後、100℃の加熱下で5時間攪拌した。室温に冷却した後、濃塩酸35ml、水60ml、メタノール90mlを加え1時間攪拌した。青色の沈殿物を濾過により収集し、フタロシアニン化合物96(22.72g、収率71%)を得た。
物性データ:λmax 676nm(クロロホルム溶液)
オルト酢酸トリエチルを加えないこと以外は実施例10と同じ操作を行い、フタロシアニン化合物96(17.6g、収率55%)を得た。
安息香酸アンモニウムの代わりにDBU(38.4g、59.5mmol)を用いること以外は実施例10と同じ操作を行い、フタロシアニン化合物96(15.4g、収率48%)を得た。
Claims (7)
- 下記一般式(1)または(2)で表される化合物から下記一般式(3)または(4)で表されるフタロシアニン化合物もしくはフタロシアニン類縁体を製造する方法であって、脱水剤とアンモニウム塩化合物の共存下に反応を行うことを特徴とする、下記一般式(3)または(4)で表されるフタロシアニン化合物もしくはフタロシアニン類縁体の製造方法。
- 前記アンモニウム塩化合物が、カルボン酸アンモニウムであることを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記脱水剤が、アセタール化合物、オルトエステル化合物、アルケニルエーテル化合物、アルケニルエステル化合物、エポキシド化合物、オキセタン化合物から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記脱水剤が、有機化合物であって、かつ大気圧下または減圧下において水との混合物を蒸留した際に、水を含んだ留出物が得られる有機化合物であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- さらに、酸の共存下に反応を行うことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のフタロシアニン化合物およびフタロシアニン類縁体の製造方法。
- 前記酸が、カルボン酸であることを特徴とする、請求項6に記載の製造方法。
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