JPH0925261A - フタロニトリル誘導体の新規な製造法 - Google Patents

フタロニトリル誘導体の新規な製造法

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JPH0925261A
JPH0925261A JP20041695A JP20041695A JPH0925261A JP H0925261 A JPH0925261 A JP H0925261A JP 20041695 A JP20041695 A JP 20041695A JP 20041695 A JP20041695 A JP 20041695A JP H0925261 A JPH0925261 A JP H0925261A
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phthalonitrile
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JP20041695A
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Kazuhito Fukazawa
和仁 深沢
Kazunori Sakamoto
一徳 阪本
Osamu Iwamoto
修 岩本
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Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
Original Assignee
Wako Pure Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 毒物の取り扱いや廃液処理等の問題点がな
く、また、除去するのが厄介な副生成物もなく、少ない
工程数で収率よく所望のo−フタロニトリル誘導体を製
造し得る新規な製造法を提供。 【解決手段】 o−フタルアルデヒド化合物を塩基の存
在下、ヒドロキシルアミン塩と反応させ、次いで酸性の
脱水剤で処理することを特徴とする、o−フタロニトリ
ル化合物を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体レーザーを使う
光記録媒体、液晶表示装置及び光学文字読取機等に於け
る近赤外線吸収色素、光導電材料及び光熱変換材料等と
して有用なフタロシアニン金属錯体の原料として用いら
れるフタロニトリル誘導体を高収率で得ることができる
工業上有利な製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】フタロシアニンは、大環状π電子系の中
心に金属イオンが配位した構造であり、フタロシアニン
の銅錯体やハロゲン誘導体は、従来印刷インキや塗料用
色素として広く用いられている。最近では、フタロシア
ニンは、触媒作用及び光電変換性を有する機能性分子と
して、電子感光体材料や脱臭剤等に一部実用化され注目
されている。また、フタロシアニンは合成が比較的容易
であり、耐熱性、耐光性、耐侯性及び耐薬品性などの使
用特性の面で優れており、オプトエレクトロニクスの分
野を始めとして広範囲で活発な研究が行なわれている。
また、フタロニトリル誘導体は、医薬品、農薬及び液晶
の原材料としても有用な化合物である。フタロシアニン
の製造方法は、ワイラー法とフタロニトリル法が知られ
ている。ワイラー法は、無水フタル酸を大過剰の尿素の
存在下、金属塩と高温で反応させる方法である。代表的
な青色顔料であるフタロシアニンの銅錯体はこの方法に
より工業的に生産されている。しかしながら、ワイラー
法は、無水フタル酸という安価な原料を使用できる利点
はあるが、この方法で収率良く合成できるのは、銅、
鉄、コバルト及びニッケルの錯体程度であり、また、副
生成物の混入といった問題点を有している。一方、フタ
ロニトリル法は、フタロニトリル誘導体と金属塩を有機
溶媒中で反応させる方法である。塩基を用いると反応条
件を緩和でき、例えば、フタロシアニンの銅錯体は、反
応溶媒としてエチレングリコールを用い、フタロニトリ
ルと塩化銅(I)をアンモニアを吹き込みながら反応させ
ると100℃程度の反応温度で合成できる。殆どのフタロ
シアニン誘導体は、フタロニトリル法で合成されてい
る。
【0003】そして、上記フタロニトリル法に於ける製
造原料であるフタロニトリル誘導体の製造法は、これま
でに種々報告されている(J. Chem. Soc.,1952,680、J.
Chem. Soc. DALTON TRANS.,1988,1583等)。これらに
記載された方法は、o−ジハロゲノベンゼン誘導体をジ
メチルホルムアミドのような極性溶媒中シアン化合物と
反応させる方法、或いは、o−キシレン誘導体を酸化し
て得たフタル酸誘導体を無水物化させた後、尿素と反応
させてフタルイミド体を合成し、更にアンモニア水でフ
タルアミド誘導体へ誘導した後、オキシ塩化リン等の脱
水剤で処理してフタロニトリル誘導体を製造する方法で
ある。Chem. Ber.,107,1221(1974)には、オキシム化合
物を銅(II)イオンやトリエチルアミンの存在下、ジシク
ロヘキシルカルボジイミド(以下、DCCと略記す
る。)と反応させることによりo−フタロニトリルを製
造する方法が報告されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、o−ジ
ハロゲノベンゼン誘導体からo−フタロニトリル誘導体
を製造する方法は、シアン化合物を使用するため取り扱
いや廃液処理等が問題になり、工業的な製造法として採
用するには問題が多い。また、o−キシレン誘導体を出
発物質とする方法についても、o−キシレン誘導体を酸
化する際に過マンガン酸カリウムのような強い酸化剤が
必要であること、また、そうして得たフタル酸誘導体を
無水物化する製造過程に於いて、該無水物の製造に有効
な無水酢酸法では、目や呼吸粘膜を強く刺激する無水酢
酸を多量に用いるため特に高温反応中では無水酢酸を含
んだ蒸気が発生するので危険を伴うこと、更には、得ら
れたフタル酸無水物を尿素でイミド化する溶融反応が、
高温(170℃以上)で行なわれること等工業的に行なう
には問題となる点が多い。また、このo−キシレン誘導
体からの製造法は、酸化、無水物化、イミド化、アミド
化そして脱水反応と工程数が多いため、収率の面からも
工業的な製造法とはいえない。一方、Chem. Ber.,107,1
221(1974)に記載のo−フタロニトリルの製造法では、
DCCを用いるために一般に除去が困難であるとされて
いるジシクロヘキシル尿素が副成するので、精製工程が
煩雑となる上に収率も低い。
【0005】上記した如き状況下、本発明の目的は、毒
物の取り扱いや廃液処理等の問題点がなく、また、除去
するのが厄介な副生成物もなく、少ない工程数で収率よ
く所望のo−フタロニトリル誘導体を製造し得る新規な
製造法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は下記の構成から成る。 「(1)o−フタルアルデヒド化合物を、塩基の存在下
ヒドロキシルアミン塩と反応させ次いで酸性の脱水剤で
処理することを特徴とする、o−フタロニトリル化合物
の製造方法。 (2)o−フタルアルデヒドオキシム化合物を塩基の存
在下、酸性の脱水剤で処理することを特徴とする、o−
フタロニトリル化合物の製造方法。」
【0007】本発明で用いられるo−フタルアルデヒド
化合物としては、例えば下記一般式[III]で示される
化合物が挙げられる。
【0008】
【化1】
【0009】(式中、R1,R2,R3及びR4は夫々独立
して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキル
シリル基又はパーフルオロアルキル基を表す。) また、本発明で用いられるo−フタルアルデヒドオキシ
ム化合物(以下、単にオキシム化合物と略記する。)と
しては、例えば下記一般式[II]で示される化合物が挙
げられる。
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1〜R4は前記と同じ。)
【0012】本発明の方法により製造されるo−フタロ
ニトリル化合物としては、例えば下記一般式[I]で示
される化合物が挙げられる。
【0013】
【化3】
【0014】(式中、R1〜R4は前記と同じ。)
【0015】上記一般式[I],[II]及び[III]に
於いて、R1〜R4で示されるアルキル基としては、低級
アルキル基、例えば炭素数1〜6のアルキル基が好まし
く、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ter
t−ブチル基、sec−ブチル基、アミル基、イソアミ
ル基、tert−アミル基、1−メチルペンチル基、n
−ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられる。アルコ
キシ基としては、低級アルコキシ基、例えば炭素数1〜
6のアルコキシ基が好ましく、具体的にはメトキシ基、
エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n
−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ
基、sec−ブトキシ基、アミルオキシ基、イソアミル
オキシ基、tert−アミルオキシ基、1−メチルペン
チルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオ
キシ基等が挙げられる。アルキルシリル基としては、低
級アルキルシリル基、例えば炭素数3〜10のアルキルシ
リル基が好ましく、具体的にはトリメチルシリル基、ト
リエチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリプ
ロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基等が挙げら
れる。パーフルオロアルキル基としては、低級パーフル
オロアルキル基、例えば炭素数1〜3のパーフルオロア
ルキル基、具体的にはトリフルオロメチル基、トリフル
オロエチル基、ペンタフルオロエチル基、トリフルオロ
プロピル基、ペンタフルオロプロピル基、オクタフルオ
ロプロピル基等が挙げられる。
【0016】本発明に於いて、塩基の存在下o−フタル
アルデヒド化合物と反応させるヒドロキシルアミン塩と
しては、例えばヒドロキシルアミンの塩酸塩、硫酸塩、
リン酸塩等が挙げられ、また、塩基としては、例えばピ
リジン、ピコリン、キノリン、トリエチルアミン、N−
エチルジイソプロピルアミン、N−メチルモルホリン等
の有機塩基、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基が挙
げられる。
【0017】本発明で用いられる酸性の脱水剤として
は、例えばオキシ塩化リン、塩化チオニル、無水酢酸、
五酸化二リン、五塩化リン、ベンゼンスルホニルクロリ
ド等が挙げられるが、なかでもオキシ塩化リンが好まし
く用いられる。また、本発明に於いて、オキシム化合物
を酸性の脱水剤で処理する際に存在させる塩基として
は、例えばピリジン、ピコリン、キノリン、トリエチル
アミン、N−エチルジイソプロピルアミン、N−メチル
モルホリン等が挙げられるが、なかでもピリジンが好ま
しく用いられる。
【0018】本発明で用いられるo−フタルアルデヒド
化合物は、例えば下記[式1]のスキームに示す製造法
に従って下記の如くして合成したものを用いることで足
りる。
【0019】
【式1】
【0020】即ち、先ず、o−キシレン誘導体[IV]を
ハロゲン化炭化水素系溶媒(例えば四塩化炭素、塩化メ
チレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2
−テトラクロロエタン等)中、ハロゲン化剤(例えば塩
素、臭素等のハロゲン類、例えばN−クロロコハク酸イ
ミド、N−ブロモコハク酸イミド等のコハク酸イミド類
等)と必要に応じて光照射下或いはアゾビスイソブチロ
ニトリル(AIBN)のようなラジカル発生剤の共存
下、25℃〜80℃で4〜6時間反応させることにより、
α,α,α',α'−テトラハロゲノ−o−キシレン誘導体
[V]を得る。
【0021】次に、このようにして得られたα,α,α',
α'−テトラハロゲノ−o−キシレン誘導体[V]を酢
酸に加熱溶解し、これに90〜118℃で2〜8規定のアル
カリ水溶液(例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等)を滴下し、該温度で1〜6時間反応させれば、o−
フタルアルデヒド化合物[III]を得ることができる。
【0022】本発明では、先ず上記の如くして得たo−
フタルアルデヒド化合物を、塩基の存在下、ヒドロキシ
ルアミン塩と常法に従って反応させることにより、対応
するオキシム化合物[II]を得る。この反応に際して
は、o−フタルアルデヒド化合物は溶液としてヒドロキ
シルアミン塩の水溶液中に添加し、反応させることが望
ましい。該o−フタルアルデヒド化合物を溶解させる溶
媒としては、該反応を阻害せず、且つそれ自身ヒドロキ
シルアミンと反応しない溶媒であれば何れでも良いが、
例えばピリジン、ピコリン、キノリン、トリエチルアミ
ン、N−エチルジイソプロピルアミン、N−メチルモル
ホリン等の塩基性溶媒、例えばメタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等のアルコール類、例えばテトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類、例えば
アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類等水
溶性の有機溶媒が好ましく用いられ、これらは夫々単独
で用いても、二種以上適宜混合して用いても何れにても
良い。この反応に用いられる塩基は、先に述べた通りで
あるが、その使用量としては、ヒドロキシルアミン塩に
対して通常1〜20倍モル、好ましくは1〜5倍モルの範
囲から適宜選択される。尚、反応溶媒として上記した如
き塩基性溶媒を単独若しくは混合溶媒として一定量以上
用いた場合(ヒドロキシルアミン塩に対して通常1〜20
倍モル、好ましくは1〜5倍モル)には、特に他の塩基
を存在させる必要がないことは言うまでもない。また、
この反応に用いられるヒドロキシルアミン塩について
も、先に述べた通りであるが、その使用量としては、こ
の反応が円滑に進行し得る範囲であれば特に限定されな
いが、o−フタルアルデヒド化合物に対して通常2〜4
倍モル、好ましくは2〜2.5倍モルの範囲から適宜選択
される。反応温度は反応溶媒の沸点以下であれば特に限
定されないが、通常0〜40℃、好ましくは0〜25℃の範
囲から適宜選択され、反応時間としてはo−フタルアル
デヒド化合物の種類、ヒドロキシルアミン塩の使用量、
或いは反応温度等により若干異なるが、通常1〜4時間
の範囲から適宜選択される。反応後の後処理等は通常行
なわれる後処理法に準じて行なえばよく、得られた該オ
キシム化合物は精製及び/又は単離することなく、その
まま次の反応に付してもよく、また一旦抽出、再結晶等
の任意の操作で精製及び/又は単離した後次の反応に付
してもよい。
【0023】本発明は、次いで、上述の如くして得られ
たオキシム化合物を適当な溶媒中、先に述べた如き塩基
の存在下、先に述べた如き酸性の脱水剤で処理すること
により達成され、対応するo−フタロニトリル誘導体
[I]を容易に得ることができる。尚、オキシム化合物
を精製及び/又は単離することなく、そのままこの反応
に用いる場合には、更に他の塩基を添加する必要は必ず
しもないが、場合によっては適宜塩基を追加してもよ
い。
【0024】反応溶媒としては、例えば塩化メチレン、
クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラ
クロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、例えばn-ヘキ
サン、石油エーテル、トルエン、ベンゼン、キシレン等
の炭化水素類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、
メチルイソブチルケトン等のケトン類、例えば酢酸エチ
ル、酢酸メチル等のエステル類、例えばジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等のエーテル類、例えばアセトニトリル、プロ
ピオニトリル等のニトリル類、例えばピリジン、ピコリ
ン、キノリン、トリエチルアミン、N−エチルジイソプ
ロピルアミン、N−メチルモルホリン等の塩基性溶媒
類、ジメチルホルムアミド等が挙げられるが、特にこれ
らに限定されるものではない。酸性の脱水剤の使用量は
o−フタルアルデヒド化合物に対して通常1.5〜5倍モ
ル、好ましくは1.5〜2.5倍モルの範囲から適宜選択され
る。塩基の使用量としては、該脱水反応を円滑に実施し
得る範囲であれば特に限定されないが、脱水剤に対して
通常10〜100当量、好ましくは30〜50当量の範囲から適
宜選択される。尚、反応溶媒として上記した如き塩基性
溶媒を単独若しくは混合溶媒として一定量以上用いた場
合(脱水剤に対して通常10〜100当量、好ましくは30〜5
0当量)には、特に他の塩基を存在させる必要がないこ
とは言うまでもない。反応温度としては反応溶媒の沸点
以下であれば特に限定されないが、通常0〜50℃、好ま
しくは15〜25℃の範囲から適宜選択され、反応時間はオ
キシム化合物や酸性の脱水剤の種類、或いは反応温度等
により異なるが、通常1〜5時間の範囲から適宜選択さ
れる。
【0025】本発明は、オキシム化合物を適当な溶媒
中、塩基の存在下、オキシ塩化リン等の酸性の脱水剤で
処理することにより達成されるが、一般にオキシム化合
物にオキシ塩化リン等の脱水剤を反応させると、ベック
マン転位により酸アミド化合物が生成することが知られ
ている。これに対し、本発明に於いてはそのような反応
は起こらず、目的とするo−フタロニトリル化合物が高
収率で得られることは予測外のことである。尚、反応後
の後処理等は通常行なわれる後処理法に準じて行なえば
よく、生成した該o−フタロニトリル誘導体の精製は自
体公知の方法、即ち各種クロマトグラフィーや再結晶を
行なうことにより精製できる。以下に実施例及び参考例
を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれ
らによって何ら制限されるものではない。
【0026】
【実施例】
参考例1. 4-tert-ブチル-α,α,α',α'-テトラブロ
モ-o-キシレン([V’])の合成 N−ブロモコハク酸イミド 195.8g(1.2mol)を四塩化
炭素 300mlに懸濁し、これに還流下30分を要して4-tert
-ブチル-o-キシレン 40.6g(0.25mol)及びアゾビス
イソブチロニトリル 1.0g(6mmol)の四塩化炭素 300
ml溶液を滴下した後、還流下で4時間攪拌反応させた。
反応終了後、反応液を冷却し、水 200mlを加え塩化メチ
レン 100mlで2回抽出した。塩化メチレン層を合わせ、
硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した後、n
−ヘキサン 100mlで再結晶して4-tert-ブチル-α,α,
α',α'-テトラブロモ-o-キシレン([V’])の微黄
色結晶 83.1g(収率 70%)を得た。1 H-NMR δppm(CDCl3):1.34(s,9H,t-Bu)、
7.10(brs,1H,C6H3-CHBr2(1位))、7.26(brs,1H,C6H3-
CHBr2(2位))、7.39(dd,1H,C 6H 3(3位))、7.60(brs,2
H,C 6H 3(5,6位))。
【0027】参考例2. 4-tert-ブチル-o-フタルア
ルデヒド([III’])の合成 参考例1.で得た[V’] 71.2g(0.15mol)を酢酸 2
00mlに溶解し、これに還流下3時間を要して2規定水酸
化ナトリウム溶液 650ml(1.3mol)を滴下した後、還流
下で12時間攪拌反応させた。反応終了後、反応液を冷却
し、塩化メチレン 100mlで2回抽出した。塩化メチレン
層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留
去した後、カラムクロマトグラフィー[シリカゲル;ワ
コーゲルC−200(和光純薬工業(株)製)、溶離液;酢
酸エチル/n−ヘキサン(1/5)]により精製して4-
tert-ブチル-o-フタルアルデヒド([III’])の黄色
油状物 21g(収率 74%)を得た。1 H-NMR δppm(CDCl3):1.39(s,9H,t-Bu)、
7.79(dd,1H,C 6H 3(6位))、7.92(d,1H,C 6H 3(5位))、
8.00(s,1H,C 6H 3(3位))、10.49(s,1H,C6H3-CHO(1
位))、10.59(s,1H,C6H3-CHO(2位))。
【0028】実施例1. 4-tert-ブチル-o-フタロニ
トリル([I’])の合成 塩酸ヒドロキシルアミン 3.5g(50.5mmol)を水 6ml
に溶解し、これに氷冷下30分を要して参考例2.で得た
[III’] 4.6g(24mmol)のピリジン溶液 15mlを滴下
し、室温下で1時間攪拌反応させた。反応終了後、水
7mlを注入し、塩化メチレン 10mlで2回抽出した。塩
化メチレン層を合わせ、ピリジン 15mlを加えた後、こ
れに氷冷下20分を要してオキシ塩化リン 5.7g(37.2mm
ol)を滴下し、1時間攪拌反応させた。反応終了後、水
30mlを注入し、塩化メチレン 15mlで2回抽出した。塩
化メチレン層を合わせて減圧濃縮し、カラムクロマトグ
ラフィー[シリカゲル;ワコーゲルC−200(和光純薬
工業(株)製)、溶離液;酢酸エチル/n−ヘキサン(1
/5)]により精製して4-tert-ブチル-o-フタロニト
リル([I’])の白色結晶 3.1g(収率 70%)を得
た。1 H-NMR δppm(CDCl3):1.36(s,9H,t-Bu)、
7.74(s,1H,C 6H 3(3位))、7.77(d,1H,C 6H 3(6位))、7.
78(d,1H,C6H3(5位))。
【0029】比較例1. 4-tert-ブチル-o-フタロニ
トリル([I’])の合成 塩酸ヒドロキシルアミン 584mg(8.2mmol)を水 1mlに
溶解した溶液に、参考例2.で得た[III’] 761mg(4
mmol)のピリジン溶液 2mlを滴下し、室温下で1時間
攪拌した。反応終了後、硫酸銅5水和物 400mg(1.6mmo
l)を加えた後、トリエチルアミン 1.7g(16.8mmol)
の塩化メチレン 2ml溶液を加えた。5分間攪拌した
後、室温下でジシクロヘキシルカルボジイミド 1.98
(9.6mmol)の塩化メチレン溶液を加え、2.5時間攪拌反
応させた。反応終了後、酢酸 1.4mlを注入し、塩化メチ
レン 10mlで3回抽出した。塩化メチレン層を合わせ、
水洗後無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、カラムクロ
マトグラフィー[シリカゲル;ワコーゲルC−200、和
光純薬工業(株)製、溶離液;酢酸エチル/n−ヘキサン
(1/5)]により精製して4-tert-ブチル-o-フタロ
ニトリル([I’])の微黄色結晶 0.37g(収率 50
%)を得た。
【0030】
【発明の効果】本発明は、置換基を有するフタロシアニ
ンの金属錯体の製造原料として極めて有用なフタロニト
リル誘導体を提供するものであり、本発明の方法によれ
ば、毒物の取り扱いや廃液処理等の問題点がなく、従来
のo−キシレン誘導体から製造するo−フタロニトリル
誘導体の製造方法に比べ工程数が短く、効率よく所望の
o−フタロニトリル誘導体を製造し得る点に顕著な効果
を奏するものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 o−フタルアルデヒド化合物を、塩基の
    存在下ヒドロキシルアミン塩と反応させ次いで酸性の脱
    水剤で処理することを特徴とする、o−フタロニトリル
    化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸性の脱水剤がオキシ塩化リンである請
    求項1に記載の製造法。
  3. 【請求項3】 4−tert−ブチル−o−フタロニト
    リルを製造する請求項1又は2に記載の製造法。
  4. 【請求項4】 o−フタルアルデヒドオキシム化合物を
    塩基の存在下、酸性の脱水剤で処理することを特徴とす
    る、o−フタロニトリル化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】 酸性の脱水剤がオキシ塩化リンである請
    求項4に記載の製造法。
JP20041695A 1995-07-13 1995-07-13 フタロニトリル誘導体の新規な製造法 Pending JPH0925261A (ja)

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KR100577873B1 (ko) * 2004-09-14 2006-05-10 조양래 4-시아노벤조산과 그의 메틸 에스테르 제조방법
CN107778152A (zh) * 2017-10-10 2018-03-09 重庆奥舍生物化工有限公司 一种4‑叔丁基邻苯二甲醛的制备方法

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