JP2002322172A - o−スルホ安息香酸無水物の製造方法 - Google Patents
o−スルホ安息香酸無水物の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 o-スルホ安息香酸無水物を工業的に有利に製
造する方法を提供する。 【解決手段】 ベンズアルデヒド-o- スルホン酸塩を酸
化しo-カルボキシベンゼンスルホン酸塩を得、これを脱
水環化させる。
造する方法を提供する。 【解決手段】 ベンズアルデヒド-o- スルホン酸塩を酸
化しo-カルボキシベンゼンスルホン酸塩を得、これを脱
水環化させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はo-スルホ安息香酸無
水物を製造する新規な方法に関する。o-スルホ安息香酸
無水物は医薬、染料の製造原料、重合防止剤、脱水剤と
して有用である。
水物を製造する新規な方法に関する。o-スルホ安息香酸
無水物は医薬、染料の製造原料、重合防止剤、脱水剤と
して有用である。
【0002】
【従来の技術】o-スルホ安息香酸無水物を製造する方法
は種々提案されている。例えば、Org.Syn.Coll.Vol.I,p
495(1941) にはo-スルホ安息香酸アンモニウム塩(o-カ
ルボキシベンゼンスルホン酸アンモニウム塩)と塩化チ
オニルを反応させる方法が記載されている。この方法で
は一般的にo-安息香酸スルフイミド(サッカリン)の加
水分解で得られる高価なo-スルホ安息香酸アンモニウム
塩を原料として使用することが問題点として挙げられ
る。ベルギー特許629100号はo-スルホ安息香酸の脱水を
ベンゼンを用いて共沸脱水する方法が記載されている。
この方法でもo-スルホ安息香酸が高価であり経済的に入
手することが困難である。
は種々提案されている。例えば、Org.Syn.Coll.Vol.I,p
495(1941) にはo-スルホ安息香酸アンモニウム塩(o-カ
ルボキシベンゼンスルホン酸アンモニウム塩)と塩化チ
オニルを反応させる方法が記載されている。この方法で
は一般的にo-安息香酸スルフイミド(サッカリン)の加
水分解で得られる高価なo-スルホ安息香酸アンモニウム
塩を原料として使用することが問題点として挙げられ
る。ベルギー特許629100号はo-スルホ安息香酸の脱水を
ベンゼンを用いて共沸脱水する方法が記載されている。
この方法でもo-スルホ安息香酸が高価であり経済的に入
手することが困難である。
【0003】また、ドイツ特許DE3925690 号はo-スルホ
安息香酸カリウム塩と塩化チオニルとの反応をニトロエ
タン溶媒を用いて行っており、高収率でo-スルホ安息香
酸無水物を得ている。しかし、ニトロエタンは爆発性の
危険性があり工業的な実施は困難である。
安息香酸カリウム塩と塩化チオニルとの反応をニトロエ
タン溶媒を用いて行っており、高収率でo-スルホ安息香
酸無水物を得ている。しかし、ニトロエタンは爆発性の
危険性があり工業的な実施は困難である。
【0004】さらに米国特許4,042,600 号には2-スルホ
クロライド安息香酸の熱分解によるo-スルホ安息香酸無
水物の製造法が記載されている。この方法では2-スルホ
クロライド安息香酸を得るためにアントラニル酸エステ
ルのジアゾ化、二酸化硫黄との反応が必要であり製造ル
ートが複雑になる問題点が挙げられる。
クロライド安息香酸の熱分解によるo-スルホ安息香酸無
水物の製造法が記載されている。この方法では2-スルホ
クロライド安息香酸を得るためにアントラニル酸エステ
ルのジアゾ化、二酸化硫黄との反応が必要であり製造ル
ートが複雑になる問題点が挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】o-スルホ安息香酸無水
物を製造する従来の方法では、上記の如く高価な原料を
用いること、危険性のある溶媒を用いること等の大きな
欠点を有しており、工業的に満足すべき方法とはいい難
い。本発明の目的は、o-スルホ安息香酸無水物を工業的
に有利に製造する方法を提供することにある。
物を製造する従来の方法では、上記の如く高価な原料を
用いること、危険性のある溶媒を用いること等の大きな
欠点を有しており、工業的に満足すべき方法とはいい難
い。本発明の目的は、o-スルホ安息香酸無水物を工業的
に有利に製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、o-スルホ安
息香酸無水物を製造するための工業的に優れた方法を開
発すべく鋭意研究を行った結果、染料、食用色素、メッ
キ薬等として安価に製造されているベンズアルデヒド-o
- スルホン酸塩から副生物が少なく高収率でo-スルホ安
息香酸無水物が得られることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
息香酸無水物を製造するための工業的に優れた方法を開
発すべく鋭意研究を行った結果、染料、食用色素、メッ
キ薬等として安価に製造されているベンズアルデヒド-o
- スルホン酸塩から副生物が少なく高収率でo-スルホ安
息香酸無水物が得られることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0007】すなわち本発明は、ベンズアルデヒド-o-
スルホン酸塩を酸化しo-カルボキシベンゼンスルホン酸
塩を得る第一工程、o-カルボキシベンゼンスルホン酸塩
を脱水環化させo-スルホ安息香酸無水物を得る第二工程
から成ることを特徴とするo-スルホ安息香酸無水物の製
造方法である。
スルホン酸塩を酸化しo-カルボキシベンゼンスルホン酸
塩を得る第一工程、o-カルボキシベンゼンスルホン酸塩
を脱水環化させo-スルホ安息香酸無水物を得る第二工程
から成ることを特徴とするo-スルホ安息香酸無水物の製
造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】(ベンズアルデヒド-o- スルホン
酸塩の酸化第一工程)ベンズアルデヒド-o- スルホン酸
塩の酸化は種々の酸化法、例えば空気酸化、硝酸酸化、
過マンガン酸カリウムによる酸化、過酸化水素による酸
化が適用できる。しかし、酸化生成物であるo-カルボキ
シベンゼンスルホン酸塩を第二工程で脱水環化する際、
非水系で行う必要があることから酸化工程でも非水系で
行うことができる空気酸化が好ましい。さらに廃棄物処
理、酸化剤の取り扱い安さ、経済的な観点からも空気酸
化が好ましい。用いられるベンズアルデヒド-o-スルホ
ン酸塩についてはナトリウム、カリウム等のアルカリ金
属塩あるいは、アンモニウム塩が用いられる。空気酸化
の触媒として金属塩、臭素化合物が用いられる。金属塩
として例えばコバルト、マンガン、モリブデン、鉄、ニ
ッケル、銅、クロム、バナジウム等の金属と酸との塩が
挙げられる。塩を形成する酸としては無機酸(例、臭素
化物、炭酸等)、有機酸(例、酢酸、プロピオン酸等)
が挙げられる。工業的には酢酸コバルト、酢酸マンガン
が一般に使用される。
酸塩の酸化第一工程)ベンズアルデヒド-o- スルホン酸
塩の酸化は種々の酸化法、例えば空気酸化、硝酸酸化、
過マンガン酸カリウムによる酸化、過酸化水素による酸
化が適用できる。しかし、酸化生成物であるo-カルボキ
シベンゼンスルホン酸塩を第二工程で脱水環化する際、
非水系で行う必要があることから酸化工程でも非水系で
行うことができる空気酸化が好ましい。さらに廃棄物処
理、酸化剤の取り扱い安さ、経済的な観点からも空気酸
化が好ましい。用いられるベンズアルデヒド-o-スルホ
ン酸塩についてはナトリウム、カリウム等のアルカリ金
属塩あるいは、アンモニウム塩が用いられる。空気酸化
の触媒として金属塩、臭素化合物が用いられる。金属塩
として例えばコバルト、マンガン、モリブデン、鉄、ニ
ッケル、銅、クロム、バナジウム等の金属と酸との塩が
挙げられる。塩を形成する酸としては無機酸(例、臭素
化物、炭酸等)、有機酸(例、酢酸、プロピオン酸等)
が挙げられる。工業的には酢酸コバルト、酢酸マンガン
が一般に使用される。
【0009】臭素化合物は反応溶媒に溶解して臭素イオ
ンを供給できるものであればよく、例えば臭化アンモニ
ウム、アルカリ金属臭化物、臭化水素、臭素、臭化コバ
ルトのような無機化合物、ならびに臭化ベンジル、ジブ
ロモエタン等の有機臭化物が挙げられる。また共酸化剤
としてメチルエチルケトン、アセトアルデヒド等を用い
ることもできる。
ンを供給できるものであればよく、例えば臭化アンモニ
ウム、アルカリ金属臭化物、臭化水素、臭素、臭化コバ
ルトのような無機化合物、ならびに臭化ベンジル、ジブ
ロモエタン等の有機臭化物が挙げられる。また共酸化剤
としてメチルエチルケトン、アセトアルデヒド等を用い
ることもできる。
【0010】金属塩触媒の使用量は酸化反応の溶媒に対
して 0.001重量%以上とすることが好ましい。臭素化合
物についても酸化反応の溶媒に対して0.01重量%以上が
好ましい。これより触媒量が少ないと反応速度が遅く経
済的でなく、上限の制限は特にないが多くても収率の向
上はないので各々溶媒に対して5重量%程度までが好ま
しい。本反応には酸化溶媒が用いられ、酢酸、無水酢
酸、プロピオン酸を単独あるいは混合して用いることが
できる。溶媒の使用量は、ベンズアルデヒド-o- スルホ
ン酸塩に対して1〜20重量倍の範囲が好ましい。これよ
り少ないと反応系内の撹拌が困難となり、一方、これよ
り多いと経済的でない。
して 0.001重量%以上とすることが好ましい。臭素化合
物についても酸化反応の溶媒に対して0.01重量%以上が
好ましい。これより触媒量が少ないと反応速度が遅く経
済的でなく、上限の制限は特にないが多くても収率の向
上はないので各々溶媒に対して5重量%程度までが好ま
しい。本反応には酸化溶媒が用いられ、酢酸、無水酢
酸、プロピオン酸を単独あるいは混合して用いることが
できる。溶媒の使用量は、ベンズアルデヒド-o- スルホ
ン酸塩に対して1〜20重量倍の範囲が好ましい。これよ
り少ないと反応系内の撹拌が困難となり、一方、これよ
り多いと経済的でない。
【0011】酸化反応に使用する分子状酸素については
特に制限はないが、工業的には空気が好ましい。反応系
式は回分法、半回分法、連続法いずれでもかまわない。
本反応の反応圧力は反応溶媒が液相を保つ圧力であれば
よく、通常、常圧から4Mpaの範囲である。本反応の反応
温度は50〜180 ℃の範囲が好ましい。この反応温度より
高いと液相を保つようにするため反応圧力を高めなけれ
ばならず反応装置のコストが嵩む。この反応温度より低
いと反応時間がかかり経済的でない。反応時間は、触媒
の種類および量、空気の流通速度、反応圧力、反応温度
などにより異なり一概に言えないが、通常は1〜15時間
である。
特に制限はないが、工業的には空気が好ましい。反応系
式は回分法、半回分法、連続法いずれでもかまわない。
本反応の反応圧力は反応溶媒が液相を保つ圧力であれば
よく、通常、常圧から4Mpaの範囲である。本反応の反応
温度は50〜180 ℃の範囲が好ましい。この反応温度より
高いと液相を保つようにするため反応圧力を高めなけれ
ばならず反応装置のコストが嵩む。この反応温度より低
いと反応時間がかかり経済的でない。反応時間は、触媒
の種類および量、空気の流通速度、反応圧力、反応温度
などにより異なり一概に言えないが、通常は1〜15時間
である。
【0012】反応で生成したo-カルボキシベンゼンスル
ホン酸塩を含む反応液は、反応終了後に冷却し、反応生
成液からろ過によりo-カルボキシベンゼンスルホン酸塩
を得ることができる。ろ液に含まれるo-カルボキシベン
ゼンスルホン酸塩はろ液から溶媒を一部留去させ、冷却
後ろ過することにより得ることができる。また、必要に
よってアセトンのような貧溶媒をもちいてo-カルボキシ
ベンゼンスルホン酸塩を結晶化させ、ろ過により取得す
ることができる。
ホン酸塩を含む反応液は、反応終了後に冷却し、反応生
成液からろ過によりo-カルボキシベンゼンスルホン酸塩
を得ることができる。ろ液に含まれるo-カルボキシベン
ゼンスルホン酸塩はろ液から溶媒を一部留去させ、冷却
後ろ過することにより得ることができる。また、必要に
よってアセトンのような貧溶媒をもちいてo-カルボキシ
ベンゼンスルホン酸塩を結晶化させ、ろ過により取得す
ることができる。
【0013】(o-カルボキシベンゼンスルホン酸塩の脱
水環化第二工程)上記の方法で得られたo-カルボキシベ
ンゼンスルホン酸塩を脱水環化する方法は塩化チオニル
との反応により容易に達成される。また、この反応にお
いて第一工程で未反応のベンズアルデヒド-o- スルホン
酸塩を少量含んでいても良い。o-カルボキシベンゼンス
ルホン酸塩の酸析によりo-カルボキシベンゼンスルホン
酸を取得し、o-カルボキシベンゼンスルホン酸を無水酢
酸を用いる脱水法によりo-スルホ安息香酸無水物を製造
することもできるが本発明者らが検討した結果、高収率
で得ることはできなかった。
水環化第二工程)上記の方法で得られたo-カルボキシベ
ンゼンスルホン酸塩を脱水環化する方法は塩化チオニル
との反応により容易に達成される。また、この反応にお
いて第一工程で未反応のベンズアルデヒド-o- スルホン
酸塩を少量含んでいても良い。o-カルボキシベンゼンス
ルホン酸塩の酸析によりo-カルボキシベンゼンスルホン
酸を取得し、o-カルボキシベンゼンスルホン酸を無水酢
酸を用いる脱水法によりo-スルホ安息香酸無水物を製造
することもできるが本発明者らが検討した結果、高収率
で得ることはできなかった。
【0014】脱水環化で用いられる溶媒は塩化チオニル
に不活性であり、反応温度においてo-スルホ安息香酸無
水物を溶解するものであれば特に制限はない。例えばベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、クロロ
ベンゼン、ジクロロベンゼン、塩化メチレン等のハロゲ
ン化炭化水素化合物、ジエチルエーテル、ジメトキシエ
タン、テトラヒドロフラン等のエーテル、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド等の非プロトン性化合物、アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン類、それらの混合物が挙げられる。溶媒
の使用量は原料のo-カルボキシベンゼンスルホン酸塩に
対し、1〜20重量倍の範囲が好ましい。これより少ない
と反応系内の撹拌が困難となり、一方、これより多いと
経済的でない。
に不活性であり、反応温度においてo-スルホ安息香酸無
水物を溶解するものであれば特に制限はない。例えばベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、クロロ
ベンゼン、ジクロロベンゼン、塩化メチレン等のハロゲ
ン化炭化水素化合物、ジエチルエーテル、ジメトキシエ
タン、テトラヒドロフラン等のエーテル、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシ
ド等の非プロトン性化合物、アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン類、それらの混合物が挙げられる。溶媒
の使用量は原料のo-カルボキシベンゼンスルホン酸塩に
対し、1〜20重量倍の範囲が好ましい。これより少ない
と反応系内の撹拌が困難となり、一方、これより多いと
経済的でない。
【0015】本反応の反応圧力は反応温度によるが通常
は常圧であり、必要によっては加圧下で反応できる。反
応温度は40〜150 ℃の範囲が好ましい。この反応温度よ
り高いと塩化チオニルの蒸気圧が高くなり、液相を保つ
ために反応圧力を高めなければならず反応装置のコスト
が嵩む。この反応温度より低いと反応時間がかかり経済
的でない。反応時間は、塩化チオニル濃度、反応温度等
により異なり一概に言えないが、通常は1〜20時間であ
る。反応液はろ過し、ろ液を再結あるいは蒸留すること
により、高純度のo-スルホ安息香酸無水物を得ることが
できる。
は常圧であり、必要によっては加圧下で反応できる。反
応温度は40〜150 ℃の範囲が好ましい。この反応温度よ
り高いと塩化チオニルの蒸気圧が高くなり、液相を保つ
ために反応圧力を高めなければならず反応装置のコスト
が嵩む。この反応温度より低いと反応時間がかかり経済
的でない。反応時間は、塩化チオニル濃度、反応温度等
により異なり一概に言えないが、通常は1〜20時間であ
る。反応液はろ過し、ろ液を再結あるいは蒸留すること
により、高純度のo-スルホ安息香酸無水物を得ることが
できる。
【0016】
【実施例】以下に実施例および比較例により本発明を更
に具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。
に具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。
【0017】実施例1 (ベンズアルデヒド-o- スルホン酸ナトリウムの酸化第
一工程)撹拌機および温度計を備えた還流冷却器付き5
リットルの三ツ口フラスコに、酢酸3000g 、ベンズアル
デヒド-o- スルホン酸ナトリウム550g、メチルエチルケ
トン90g 、酢酸マンガン45g 、酢酸コバルト45g 、臭化
アンモニウム45g を仕込んだ。このフラスコをオイルバ
ス内に設置し、100 ℃まで昇温した。その後、フラスコ
の底に設置したカーボン製バブラーより空気を500L/hr
で流通させ、7時間撹拌した。反応終了後、反応生成液
を冷却し、一次濾過を行い、ろさいを真空乾燥後、99g
の桃色結晶を得た。ろ液はエバポレーターにて酢酸を一
部留去し、冷却後貧溶媒であるアセトンを加え再度ろ
過、真空乾燥することにより青緑色結晶 435gを得た。
一次、二次結晶をイオンクロマトグラフィーで分析した
ところ、o-カルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの
含量は91%であり、原料のベンズアルデヒド-o-スルホ
ン酸ナトリウムに対する結晶収率は84%であった。
一工程)撹拌機および温度計を備えた還流冷却器付き5
リットルの三ツ口フラスコに、酢酸3000g 、ベンズアル
デヒド-o- スルホン酸ナトリウム550g、メチルエチルケ
トン90g 、酢酸マンガン45g 、酢酸コバルト45g 、臭化
アンモニウム45g を仕込んだ。このフラスコをオイルバ
ス内に設置し、100 ℃まで昇温した。その後、フラスコ
の底に設置したカーボン製バブラーより空気を500L/hr
で流通させ、7時間撹拌した。反応終了後、反応生成液
を冷却し、一次濾過を行い、ろさいを真空乾燥後、99g
の桃色結晶を得た。ろ液はエバポレーターにて酢酸を一
部留去し、冷却後貧溶媒であるアセトンを加え再度ろ
過、真空乾燥することにより青緑色結晶 435gを得た。
一次、二次結晶をイオンクロマトグラフィーで分析した
ところ、o-カルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの
含量は91%であり、原料のベンズアルデヒド-o-スルホ
ン酸ナトリウムに対する結晶収率は84%であった。
【0018】実施例2 (o-カルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウムの脱水環
化第二工程)撹拌機および温度計を備えた還流冷却器付
き5リットルの三ツ口フラスコに実施例1で得られたo-
カルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む結晶50
0g、トルエン2000gを仕込んだ。このフラスコをオイル
バス内に設置し、80℃まで昇温後、塩化チオニル400gを
3時間で滴下し、その後90℃に昇温し5時間撹拌した。
反応終了後、ろ過し、ろ液についてガスクロマトグラフ
ィーで分析したところ、o-カルボキシベンゼンスルホン
酸ナトリウムに対するo-スルホ安息香酸無水物の収率は
95.3% であった。得られたろ液について減圧蒸留を行
い、ガスクロマトグラフィー分析、NMR 分析において純
度99.9% 以上のo-スルホ安息香酸無水物240gを得ること
ができた。
化第二工程)撹拌機および温度計を備えた還流冷却器付
き5リットルの三ツ口フラスコに実施例1で得られたo-
カルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む結晶50
0g、トルエン2000gを仕込んだ。このフラスコをオイル
バス内に設置し、80℃まで昇温後、塩化チオニル400gを
3時間で滴下し、その後90℃に昇温し5時間撹拌した。
反応終了後、ろ過し、ろ液についてガスクロマトグラフ
ィーで分析したところ、o-カルボキシベンゼンスルホン
酸ナトリウムに対するo-スルホ安息香酸無水物の収率は
95.3% であった。得られたろ液について減圧蒸留を行
い、ガスクロマトグラフィー分析、NMR 分析において純
度99.9% 以上のo-スルホ安息香酸無水物240gを得ること
ができた。
【0019】実施例3 撹拌機および温度計を備えた還流冷却器付き300ml の三
ツ口フラスコに実施例1と同様な方法で得られたo-カル
ボキシベンゼンスルホン酸ナトリウム( 純度97%)70gを
仕込み、これに35% 塩酸水溶液40g(HCl/o-カルボキシベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム=1.3mol 比) を添加し、そ
の後、減圧下で水を留去した。得られた結晶に無水酢酸
140gを添加し120 ℃、1hr 撹拌した。反応終了後、ろ過
を行い、ろ液についてガスクロマトグラフィーで分析し
たところ、o-カルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウム
に対するo-スルホ安息香酸無水物の収率は13.1% であっ
た。
ツ口フラスコに実施例1と同様な方法で得られたo-カル
ボキシベンゼンスルホン酸ナトリウム( 純度97%)70gを
仕込み、これに35% 塩酸水溶液40g(HCl/o-カルボキシベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム=1.3mol 比) を添加し、そ
の後、減圧下で水を留去した。得られた結晶に無水酢酸
140gを添加し120 ℃、1hr 撹拌した。反応終了後、ろ過
を行い、ろ液についてガスクロマトグラフィーで分析し
たところ、o-カルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウム
に対するo-スルホ安息香酸無水物の収率は13.1% であっ
た。
【0020】
【発明の効果】本発明により、ベンズアルデヒド-o- ス
ルホン酸塩を酸化して得られるo-カルボキシベンゼンス
ルホン酸塩を脱水環化することにより副生物が少なく高
収率でo-スルホ安息香酸無水物を製造することができる
ようになった。従って、本発明によりo-スルホ安息香酸
無水物を工業的に有利に製造できるようになり、本発明
の工業的意義は大きい。
ルホン酸塩を酸化して得られるo-カルボキシベンゼンス
ルホン酸塩を脱水環化することにより副生物が少なく高
収率でo-スルホ安息香酸無水物を製造することができる
ようになった。従って、本発明によりo-スルホ安息香酸
無水物を工業的に有利に製造できるようになり、本発明
の工業的意義は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野上 玄器 新潟県新潟市太夫浜字新割182番地 三菱 瓦斯化学株式会社新潟研究所内 Fターム(参考) 4C023 AA05
Claims (4)
- 【請求項1】 o-スルホ安息香酸無水物を製造する方法
において、(1)ベンズアルデヒド-o- スルホン酸塩を
酸化しo-カルボキシベンゼンスルホン酸塩を得る第一工
程、及び(2)o-カルボキシベンゼンスルホン酸塩を脱
水環化させo-スルホ安息香酸無水物を得る第二工程から
成ることを特徴とするo-スルホ安息香酸無水物の製造方
法。 - 【請求項2】 ベンズアルデヒド-o-スルホン酸塩がナ
トリウム、カリウム等のアルカリ金属塩あるいはアンモ
ニウム塩である請求項1に記載のo-スルホ安息香酸無水
物の製造方法。 - 【請求項3】 第一工程の酸化を空気酸化で行う請求項
1に記載のo-スルホ安息香酸無水物の製造方法。 - 【請求項4】 第二工程の脱水環化を塩化チオニルを用
いて行う請求項1に記載のo-スルホ安息香酸無水物の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001125636A JP2002322172A (ja) | 2001-04-24 | 2001-04-24 | o−スルホ安息香酸無水物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001125636A JP2002322172A (ja) | 2001-04-24 | 2001-04-24 | o−スルホ安息香酸無水物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002322172A true JP2002322172A (ja) | 2002-11-08 |
Family
ID=18974817
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001125636A Pending JP2002322172A (ja) | 2001-04-24 | 2001-04-24 | o−スルホ安息香酸無水物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2002322172A (ja) |
-
2001
- 2001-04-24 JP JP2001125636A patent/JP2002322172A/ja active Pending
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