JP5457155B2 - フタロシアニン化合物およびそれを含む熱線吸収材 - Google Patents
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Description
本発明は、フタロシアニン化合物およびそれを含む熱線吸収材に関するものである。
太陽エネルギーの熱線遮蔽用として建物や自動車の窓等に使用する場合には、大面積への適用が必要であり、また、十分な透明性が確保される必要がある。熱線とは一般的に700nm以上、特に750nm以上の波長域の光線を言い、このような領域(特に、900〜1000nm)の光を選択的に吸収することが熱線遮蔽効果の点で重要である。
従来、熱線吸収/遮蔽ガラスとしては、板ガラスの表面に反射率の高い金属酸化物の膜をコーティングしたものが知られている。この熱線吸収/遮蔽ガラスは、通常のガラス原料に微量の鉄、ニッケル、コバルト等の金属を加えて着色し、波長による光の選択透過性を持たせたものである。しかしながら、従来の熱線吸収/遮蔽剤として使用されている金属酸化物には、このような特定波長域を選択的に吸収できるものはなく、当該波長域の光を十分吸収するためには、添加量を増やす必要がある。しかし、このような場合には、ガラスの透明性の低下を引き起こす場合があり、また、コスト的にも好ましくない。また、金属酸化物を用いて大面積の金属薄膜層の表面を均一に被覆する技術が十分開発されるにはいたっていないため、従来の金属酸化物の被覆(塗布)方法では、大面積の表面に均一な塗布面を形成することが困難であった。
一方で、特定の波長域の光を選択的に吸収する近赤外吸収色素が種々開発されている。特に、フタロシアニン化合物は、可視光透過率が高く、近赤外線光の吸収効率が高く、かつ近赤外域の選択吸収能に優れ、かつ溶媒溶解性に優れ、樹脂との相溶性に優れ、かつ耐熱性、耐光性、耐候性にも優れるなど、諸特性に優れている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、特許文献1の実施例に記載のフタロシアニン化合物は、最大吸収波長(λmax)が高くても800nmであるため、太陽光のうち、900nm以上の波長域の光を効率よく吸収(カット)できない場合があった。
また、特許文献2の実施例に記載のフタロシアニン化合物の可視光透過率は、建物や自動車の窓用の熱線吸収材に使用されても、透明性を十分確保できなかったり、特許文献1と同様に、太陽光のうち、900nm以上の波長域の光を効率よく吸収(カット)できなかったりする場合があった。
さらに、特許文献1および2に開示されるフタロシアニン化合物は、その置換基の影響から結晶性に劣り、そのため高い収率で製造することができなかったり、純度の高い製品が得られないため可視光の透過率が低下したりする場合があった。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、熱線吸収能は維持しつつ透明性に優れ(可視光透過率の高い)、かつ、光や熱に対して耐久性を有し、結晶性にも優れた熱線吸収材に用いられるフタロシアニン化合物およびそれを含む熱線吸収材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った。その結果、フタロシアニン骨格中、中心金属がバナジル(VO)であり、かつ、Z1〜Z16のうち4〜8個に、特定の置換基が導入されているフタロシアニン化合物は、熱線吸収能は維持しつつ透明性に優れ(可視光透過率の高い)、かつ、光や熱に対して耐久性を有し、結晶性にも優れることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、上記目的は、下記式(1):
下記式(1):
下記式(1):
式中、Z1〜Z16は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、下記式(2):
で示される基または下記式(3):
で示される基であり、
R1は、置換または非置換のアリール基であり、かつ、m=1〜3の整数であり、
R2は、炭素数4〜10の環状アルキル基であり、かつ、n=0〜3の整数であり、
Z1〜Z16のうち4〜8個が、式(2)または式(3)で示される基であり、
Mは、バナジル(VO)である、で示されるフタロシアニン化合物を提供することによって、達成される。
R1は、置換または非置換のアリール基であり、かつ、m=1〜3の整数であり、
R2は、炭素数4〜10の環状アルキル基であり、かつ、n=0〜3の整数であり、
Z1〜Z16のうち4〜8個が、式(2)または式(3)で示される基であり、
Mは、バナジル(VO)である、で示されるフタロシアニン化合物を提供することによって、達成される。
本発明によれば、熱線吸収能は維持しつつ透明性に優れ(可視光透過率の高い)、かつ、光や熱に対して耐久性を有し、結晶性にも優れた熱線吸収材に用いられるフタロシアニン化合物およびそれを含む熱線吸収材を提供することができる。さらに、本発明のフタロシアニン化合物は、吸収係数が大きいため、必要な吸収を得るためのフタロシアニン化合物の使用量が少なくて済むため、コストおよび工程面で有利である。
したがって、本発明のフタロシアニン化合物は、熱線遮蔽用に建物や自動車の窓等に用いることができ、また、PETボトルの成型加工時のプレヒーティング助剤、感熱転写、感熱孔版等の光熱交換剤、感熱式のリライタブル記録の光熱交換剤、プラスチックのレーザー透過溶着法(LTW:Laser Transmission Welding)用の光熱交換剤等に対して好適に使用することができる。
本発明は、下記式(1):
式中、Z1〜Z16は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、下記式(2):
で示される基または下記式(3):
で示される基であり、R1は、置換または非置換のアリール基であり、かつ、m=1〜3であり、R2は、炭素数4〜10の環状アルキル基であり、かつ、n=0〜3であり、Z1〜Z16のうち4〜8個が、式(2)または式(3)で示される基であり、Mは、バナジル(VO)である、で示されるフタロシアニン化合物を提供する。
本発明に係るフタロシアニン化合物は、中心金属がバナジル(VO)であり、Z1〜Z16は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、下記式(2):
で示される基または下記式(3):
で示される基であり、R1は、置換または非置換のアリール基であり、かつ、m=1〜3であり、R2は、炭素数4〜10の環状アルキル基であり、かつ、n=0〜3であり、Z1〜Z16のうち4〜8個が、式(2)または式(3)で示される基である、構造を有する点に特徴を有する。
このような構造をとることによって、フタロシアニン化合物は、最大吸収波長が900nm以上、好ましくは900〜1000nm、より好ましくは910〜980nm、さらに好ましくは915〜960nmの波長域に調整することができ、このような波長領域の近赤外線光を選択的に吸収できる。このため、本発明に係るフタロシアニン化合物を用いた熱線吸収材は、太陽光のうち、900nm以上、好ましくは910〜980nm、より好ましくは915〜960nmの波長域の光を選択的に吸収(カット)することができる。よって、本発明に係るフタロシアニン化合物を用いた熱線吸収材を、例えば、自動車や建物の窓用の熱線吸収ガラスに使用すると、車内や室内の温度の上昇を有効に抑制することができる。
また、このような構造を有するフタロシアニン化合物は、吸収が最大の波長での透過率が10%になるような溶液での可視光透過率、特に400〜800nmの領域での、JIS R 3106(1988年)に準じて計算した可視光透過率が55%以上と非常に高い。このため、本発明に係るフタロシアニン化合物を用いた熱線吸収材は、非常に透明性に優れるため、建物や自動車の窓用の熱線吸収ガラスに使用されても、十分な視認性を確保できる。
さらに、このような構造を有するフタロシアニン化合物は、光や熱に対して耐久性を有し、結晶性に優れる。つまり、容易に結晶化することができるため、製造プロセスの観点から見ても好都合である。すなわち、製造しやすく、高い収率で得ることが可能である。さらに、本発明のフタロシアニン化合物は、吸収係数が大きいため、必要な吸収を得るためのフタロシアニン化合物の使用量が少なくて済むため、コストおよび工程面で有利である。
加えて、本発明に係るフタロシアニン化合物は、溶媒溶解性や樹脂との相溶性に優れ、耐熱性、耐光性、耐候性等の諸特性に優れる。このため、プラスチックフィルムなどへの成型性に優れ、工業的に大面積への塗布(大量生産)が可能であると共に、また、窓ガラスに使用されても、光や熱に対して耐久性に優れる。
したがって、本発明のフタロシアニン化合物は、熱線遮蔽用に建物や自動車の窓等に用いることができ、また、PETボトルの成型加工時のプレヒーティング助剤、感熱転写、感熱孔版等の光熱交換剤、感熱式のリライタブル記録の光熱交換剤、プラスチックのレーザー透過溶着法(LTW:Laser Transmission Welding)用の光熱交換剤等に対して好適に使用することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係るフタロシアニン化合物は、上記式(1)で示される。本明細書では、上記式(1)で示されるフタロシアニン化合物を、単に「フタロシアニン化合物」あるいは「本発明に係るフタロシアニン化合物」とも称する。また、本明細書中、上記式(1)における、Z2、Z3、Z6、Z7、Z10、Z11、Z14及びZ15の置換基を単に「β位の置換基」とも称する、またはZ2、Z3、Z6、Z7、Z10、Z11、Z14及びZ15を総称して「β位」とも称する。同様にして、上記式(1)中、Z1、Z4、Z5、Z8、Z9、Z12、Z13及びZ16の置換基を単に「α位の置換基」とも称する、またはZ1、Z4、Z5、Z8、Z9、Z12、Z13及びZ16を総称して「α位」とも称する。
上記式(1)において、Mは、バナジル(VO)である。このように中心金属をバナジルとすることによって、フタロシアニン化合物の最大吸収波長(λmax)を900〜1000nm、より好ましくは910〜980nm、さらに好ましくは915〜960nmの波長域に調節することができ、上記波長域での近赤外線光吸収の選択性を向上できる。
このため、フタロシアニン化合物を含む熱線吸収材は優れた熱線吸収性(熱線遮蔽性)を発揮できる。一方で、Mとしてバナジル(VO)ではないもの(例えば、Cu、Zn、Niなど)を採用すると、フタロシアニン化合物の最大吸収波長(λmax)を900〜1000nmの波長域に調節することが困難となる。
上記式(1)において、Z1〜Z16は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、式(2)で示される基または式(3)で示される基であり、R1は、置換または非置換のアリール基であり、かつ、m=1〜3であり、R2は、炭素数4〜10の環状アルキル基であり、かつ、n=0〜3であり、Z1〜Z16のうち4〜8個が、式(2)または式(3)で示される基である。ここで、好ましくは、式(2)または式(3)で示される基がZ1〜Z16のうち5個以上に導入され、より好ましくは6個以上、さらに好ましくは7個以上、特に好ましくは8個導入されている。このように、8個に近づくほど好ましく、かような構造を採用する場合、フタロシアニン化合物の最大吸収波長を900〜1000nm、より好ましくは910〜980nm、さらに好ましくは915〜960nmの波長域に調節でき、熱線吸収能は維持しつつ透明性に優れ(可視光透過率の高い)、かつ、光や熱に対して耐久性を有し、結晶性を向上させることができる。さらに、本発明のフタロシアニン化合物は、吸収係数が大きいため、必要な吸収を得るためのフタロシアニン化合物の使用量が少なくて済むため、コストおよび工程面で有利である。
より詳しくは、このような置換基の配置をとることによって、900〜1000nm、より好ましくは910〜980nm、さらに好ましくは915〜960nmの波長域での吸収スペクトルがシャープになる(つまり、可視光領域に余計な吸収を持たなくすることができる)。
そうであるので、フタロシアニン化合物を含む熱線吸収材は、太陽光のうち、上記波長域の光を選択的にかつ効率よく吸収(カット)でき、優れた熱線遮蔽効果を発揮できる。また、このような置換基を有するフタロシアニン化合物は、耐光性、耐候性に優れるため、建物や自動車のガラスの熱線吸収材に使用されても、光や熱に対する優れた耐久性を発揮する。
上記のように、Z1〜Z16のうち4〜8個が式(2)または式(3)で示される基であるが、かかる式(2)または式(3)で示される基が導入されている部位は、α位のみであっても、β位のみであっても、α位およびβ位の両方であってもよい。ただし、反応性の点から、一般にβ位に優先的に導入する方が容易であり、よりシャープな吸収を得るためにはβ位に高い選択率で導入されていることが好ましい。
また、上記のように、Z1〜Z16のうち4〜8個が、式(2)または式(3)で示される基であり、12〜8個がハロゲン原子である。このような構造のフタロシアニン化合物は、簡単なプロセスで製造することが可能であるため、フタロシアニン化合物のコスト面で有利である。さらに、結晶化しやすいため、純度の高いものを高い収率で製造することが可能である。
上記式(1)において、Z1〜Z16は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、下記式(2):
で示される基または下記式(3):
で示される基であり、R1は、置換または非置換のアリール基であり、かつ、m=1〜3であり、R2は、炭素数4〜10の環状アルキル基であり、かつ、n=0〜3であり、Z1〜Z16のうち4〜8個が、式(2)または式(3)で示される基である。
(ハロゲン原子)
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、耐熱性や重量当たりの吸収性能等を考慮すると、フッ素原子、塩素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、耐熱性や重量当たりの吸収性能等を考慮すると、フッ素原子、塩素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
(式(2)について)
式(2)におけるR1の置換または非置換のアリール基としては、好ましくは置換または非置換のフェニル基、ナフチル基などであり、好ましくは置換または非置換のフェニル基であり、より好ましくは非置換のフェニル基である。このような場合には、可視光透過率が高まり、太陽光強度の高い900〜1000nm(より好ましくは910〜980nm、さらに好ましくは915〜960nm)の波長域での光を選択的に吸収できる。
式(2)におけるR1の置換または非置換のアリール基としては、好ましくは置換または非置換のフェニル基、ナフチル基などであり、好ましくは置換または非置換のフェニル基であり、より好ましくは非置換のフェニル基である。このような場合には、可視光透過率が高まり、太陽光強度の高い900〜1000nm(より好ましくは910〜980nm、さらに好ましくは915〜960nm)の波長域での光を選択的に吸収できる。
特に、Z1〜Z16のうち8個がこのようであると、この効果は顕著である。なお、R1が複数個存在する際には、複数のR1は、同じであってもまたは異なるものであってもよい。
「置換のアリール基」における置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アシル基、アルキル基、フェニル基、アルコキシル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシル基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、カルボニル基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルコキシスルホニル基、アルキルチオ基、カルバモイル基、アリールオキシカルボニル基、オキシアルキルエーテル基、シアノ基などが例示できるが、これらに限定されるものではない。これらの置換基の種類も、複数個置換する場合には同種若しくは異種のいずれであっても良い。上記置換基よりその一部をより具体的な例を挙げて以下に示す。
まず、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。
また、アシル基としては、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、ヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基、p−t−ブチルベンゾイル基などが挙げられる。
また、アルキル基とは、炭素原子数1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基であり、好ましくは炭素原子数1〜8個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、1,3−ジメチルブチル基、1−イソプロピルプロピル基、1,2−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、1,4−ジメチルペンチル基、2−メチル−1−イソプロピルプロピル基、1−エチル−3−メチルブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられ、特に、メチル基が好ましい。
また、アルコキシル基としては、炭素原子数1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルコキシル基であり、好ましくは炭素原子数1〜8個の直鎖、分岐鎖または環状のアルコキシル基である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、1,2−ジメチル−プロポキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、1−イソプロピルプロポキシ基などが挙げられる。
また、ハロゲン化アルキル基としては、炭素原子数1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基の一部がハロゲン化されたものであり、好ましくは炭素原子数1〜8個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基の一部がハロゲン化されたものである。具体的には、クロロメチル基、ブロモメチル基、トリフルオロメチル基、クロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、ブロモエチル基、クロロプロピル基、ブロモプロピル基などが挙げられる。
また、ハロゲン化アルコキシル基とは、炭素原子数1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルコキシル基の一部がハロゲン化されたものであり、好ましくは炭素原子数1〜8個の直鎖、分岐鎖または環状のアルコキシル基の一部がハロゲン化されたものである。具体的には、クロロメトキシ基、ブロモメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、クロロエトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、ブロモエトキシ基、クロロプロポキシ基、ブロモプロポキシ基などが挙げられる。
また、アルキルアミノ基とは、炭素原子数1〜20個のアルキル部位を有するアルキルアミノ基、好ましくは炭素原子数1〜8個のアルキル部位を有するアルキルアミノ基である。具体的には、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、n−ペンチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、n−ヘプチルアミノ基、n−オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基などが挙げられる。
また、アルコキシカルボニル基としては、アルコキシル基のアルキル基部分にヘテロ原子を含んでもよい炭素原子数1〜8個、好ましくは1〜5個のアルコキシカルボニル、またはヘテロ原子を含んでもよい炭素原子数3〜8個、好ましくは5〜8個の環状アルコキシカルボニルを示す。具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基などが挙げられる。
上記のように、式(2)において、m=1〜3の整数であるが、特に好ましくはm=1〜2の整数である。ここで、m=0であると、可視光透過率が低く、また、900〜1000nm(より好ましくは910〜980nm、さらに好ましくは915〜960nm)の波長域での光を選択的に吸収できないため、可視光透過率が低くなる。
一方で、m≧4であると、結晶化しにくく簡単に製造できなかったり高い純度で得られないため可視光透過率が低下したりする虞がある。さらに、高い純度で得られないため、可視光透過率が低下したり、吸収係数が小さくなったりする虞がある。
一方で、m≧4であると、結晶化しにくく簡単に製造できなかったり高い純度で得られないため可視光透過率が低下したりする虞がある。さらに、高い純度で得られないため、可視光透過率が低下したり、吸収係数が小さくなったりする虞がある。
以上より、式(2)で示される基は、ベンジルアミノ基(非置換、アリール基がフェニル基、m=1)、2−フェニルエチルアミノ基(非置換、アリール基がフェニル基、m=2)または3−フェニルプロピルアミノ基(非置換、アリール基がフェニル基、m=3)であることが好ましく、2−フェニルエチルアミノ基、ベンジルアミノ基であることが特に好ましい。
(式(3)について)
式(3)におけるR2における環状アルキル基の炭素数は4〜10であるが、好ましくは5〜8であり、より好ましくは5〜7であり、特に好ましくは6である。炭素数4〜10の環状アルキル基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデカニル基などが挙げられる。中でも、可視光透過率および吸収係数の観点からシクロヘキシル基が特に好ましい。
式(3)におけるR2における環状アルキル基の炭素数は4〜10であるが、好ましくは5〜8であり、より好ましくは5〜7であり、特に好ましくは6である。炭素数4〜10の環状アルキル基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデカニル基などが挙げられる。中でも、可視光透過率および吸収係数の観点からシクロヘキシル基が特に好ましい。
ここで、R2として環状アルキル基ではなく、直鎖状のアルキル基であると(つまり、全体として、長鎖のアルキルアミノ基であると)、吸収特性が悪くなったり、結晶性が悪いため、きれいな結晶を得ることが難しく、オイル状のものしか得られなかったり、収率が極めて低くなったりする場合がある。
また、式(3)において、n=0〜3の整数であるが、好ましくはn=0〜2の整数であり、より好ましくはn=0〜1の整数であり、特に好ましくはn=0である。n=0〜3の整数(特に好ましくはn=0)であると熱線吸収能は維持しつつ透明性に優れ(可視光透過率の高い)、かつ、光や熱に対して耐久性を有し、結晶性にも優れた熱線吸収材に用いられるフタロシアニン化合物およびそれを含む熱線吸収材を提供することができる。さらに、本発明のフタロシアニン化合物は、吸収係数が大きいため、必要な吸収を得るためのフタロシアニン化合物の使用量が少なくて済むため、コストおよび工程面で有利である。一方で、n≧4であると、結晶化しにくく簡単に製造できなかったり高い純度で得られないため可視光透過率が低下したりする虞がある。
以上より、式(3)で示される基は、シクロヘキシルアミノ基(非置換、炭素数が6の環状アルキル基、n=0)、2−メチルシクロヘキシルアミノ基(2位がメチル基に置換、炭素数が6の環状アルキル基、n=0)またはシクロペンチルアミノ基(非置換、炭素数が5の環状アルキル基であり、n=0)であると好ましく、シクロヘキシルアミノ基であることが特に好ましい。
上記の説明のように本発明に係るフタロシアニン化合物は、具体的には、オクタフルオロ−オクタ(ベンジルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニン、オクタフルオロ−オクタキス(2−フェニルエチルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニン、オクタフルオロ−オクタ(シクロヘキシルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニンであると好ましい。
(コメント:化学式の削除のご指示を頂戴致しましたので、代わりに、化合物の名前を列挙致しました。ご確認下さい。)
本発明に係るフタロシアニン化合物の製造方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法を単独であるいは適宜組み合わせて適用することができるが、好ましくは、式(V):
(コメント:化学式の削除のご指示を頂戴致しましたので、代わりに、化合物の名前を列挙致しました。ご確認下さい。)
本発明に係るフタロシアニン化合物の製造方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法を単独であるいは適宜組み合わせて適用することができるが、好ましくは、式(V):
で示されるフタロニトリル化合物と、酸化バナジウム、塩化バナジウム等のバナジウムのハロゲン化物、カルボニルバナジウムまたはバナジウムの有機酸/塩(本明細書中では、一括して「バナジウム化合物」とも称する)とを環化反応した後、得られたフタロシアニン化合物を、下記式(2’):
で示される化合物(化合物(2’))または下記式(3’):
で示される化合物(化合物(3’))と、を求核置換反応させる方法が使用できる。
ここで、上記式中X1〜X4はハロゲン原子であり、同一であっても互いに異なっていてもよい。
フタロニトリル化合物の環化反応で得られる化合物は単離、精製してもよく、また、単離、精製せずに、環化反応後の反応液をそのまま、化合物(2’)または式(3’)との反応に用いてもよい。
フタロニトリル化合物の環化反応は、特に制限されるものではなく、特許第28216249号公報、特開2008−231153号公報などの従来公知の方法を単独であるいは適宜修飾して適用することができる。上記式(V)で示されるフタロニトリル化合物と、バナジウム化合物と、を無溶媒で溶融状態で反応させることもできるが、有機溶媒中で反応させることが好ましい。
有機溶媒は、出発原料としてのフタロニトリル化合物との反応性の低い、好ましくは反応性を示さない不活性な溶媒がよく、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトリル等が好ましい。これらの溶媒は単独で用いても、混合して用いてもよい。
上記式(V)で示されるフタロニトリル化合物と、バナジウム化合物と、の反応条件は、当該反応が進行する条件であれば特に制限されるものではないが、反応温度は通常100〜240℃、好ましくは130〜200℃である。上記環化反応後は、従来公知の方法に従って、晶析、濾過、洗浄、乾燥を行なってもよい。
上記環化反応によって得られたフタロシアニン化合物と、化合物(2’)または式(3’)との反応による本発明の目的とするフタロシアニン化合物の製造方法は、特許第28216249号公報、特許第3226504号公報など適宜修飾して適用することができる。
通常、フタロニトリル化合物と、化合物(2’)または式(3’)とを混合して室温〜200℃、好ましくは50〜180℃で反応させて行なうことができる。反応時間も特に制限はないが、通常2〜24時間、好ましくは3〜12時間である。
反応に用いる化合物(2’)または式(3’)自体が溶媒としても働くが、反応活性の低い溶媒を添加してもよい。溶媒は、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトリル等が好ましい。これらの溶媒は単独で用いても、混合して用いてもよい。
また、このフタロシアニン化合物と化合物(2’)または式(3’)との反応は、反応中に発生するハロゲン化水素(例えば、フッ化水素)等を除去するために、これらのトラップ剤を使用することもできる。トラップ剤を使用する際の具体的なトラップ剤の例としては、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム及び炭酸マグネシウムなどが挙げられ、これらのうち、炭酸カルシウム及び水酸化カルシウムが好ましい。
上記反応後は、晶析、濾過、洗浄、乾燥等、従来公知の方法によってフタロシアニン化合物を効率よく、しかも高純度で得ることができる。
上記または上記方法によって製造される本発明に係るフタロシアニン化合物は、700〜1000nmの透過率の最小値が10%の溶液で、可視光(400〜800nm)透過率が55%以上、好ましくは60%以上である。特に545nmの透過率が60%以上であることが好ましい。
このため、このように可視光透過率の高い本発明に係るフタロシアニン化合物を含む、熱線吸収材は、非常に透明性に優れる。このため、当該熱線吸収材は、建物や自動車の窓に好適に使用できる。
なお、本明細書において、フタロシアニン化合物の「可視光透過率」は、JIS R3106(1998)の規格に準じて測定したが、具体的には、下記方法に従って測定した値を意味する。すなわち、フタロシアニン化合物を1cmの石英セル中で700〜1000nmの透過率の最小値が10%(9.9〜10.1%)になるまでクロロホルムで希釈し、その透過率を分光光度計で測定した。その時の可視光透過率(%)をJIS R3106(1998)の規格に準じて計算した。
また、本発明に係る上記または上記方法によって製造されるフタロシアニン化合物は、900〜1000nmの波長域に最大吸収波長(λmax)を有することが好ましく、910〜980nmの波長域に最大吸収波長(λmax)を有することがより好ましい。このような範囲に最大吸収波長(λmax)を有すると、フタロシアニン化合物は、当該波長域の近赤外線光を選択的に吸収できるため、本発明に係るフタロシアニン化合物を含む熱線吸収材は、太陽光のうち、上記波長域の光を選択的に吸収(カット)し、熱線吸収/遮蔽効果に非常に優れる。
なお、本明細書において、フタロシアニン化合物の「最大吸収波長(λmax)」は、クロロホルム中での吸収を分光光度計(島津製作所製:UV−1650PC)を用いて測定し、吸収が最大(透過率が最小)となる波長の値(nm)である。
このようなフタロシアニン化合物を含む、熱線吸収材は、太陽光のうち、上記波長域の光を選択的にかつ効率よく吸収(カット)でき、優れた熱線遮蔽効果を発揮できる。このため、本発明に係るフタロシアニン化合物を用いた熱線吸収材を、例えば、自動車や建物の窓用の熱線吸収ガラスに使用すると、車内や室内の温度の上昇を有効に抑制することができる。
本発明の熱線吸収材は、上記フタロシアニン化合物を必須に含む。このため、本発明に係るフタロシアニン化合物を使用する以外は、本発明の熱線吸収材は、従来と同様の熱線吸収材として適用できる。ここで、本発明に係るフタロシアニン化合物は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。当該フタロシアニン化合物は、特に上記特定範囲の光強度の高い近赤外域の光を選択的に吸収し、可視光波長域での透過率を高くして(即ち、透明性を確保しつつ)、太陽光からの熱の吸収/遮断を効果的に行う作用効果を熱線吸収材に与えることができる。これは、上記したように、本発明に係るフタロシアニン化合物が、上記したような特定の構造を有することによる。また、本発明に係るフタロシアニン化合物は、上記利点の特定波長域での優れた選択吸収能や可視光波長域での高い透過率に加えて、樹脂との相溶性に優れ、かつ耐熱性、耐光性、耐候性に優れた特性を有する。このため、本発明の熱線吸収材は、上記したような優れた作用効果を合わせて奏することができる。さらに、本発明に係るフタロシアニン化合物は、熱線吸収材を構成する安価な有機材料として提供可能であり、種々の熱線遮蔽用途に幅広く用いることのできるものである。また、該フタロシアニン化合物は、耐熱性に優れることにより、凡用の熱可塑性樹脂を用いて、射出成形、押出成形等の生産性に優れた成形方法により作製することのできる、とした多くの優れた特性を発揮することができるものである。したがって、本発明の熱線吸収材は、自動車や建物の熱線吸収合わせガラス、熱線遮蔽フィルム、熱線遮蔽樹脂ガラス、熱線反射ガラスなどとして、好適に使用できる。さらには、本発明に係るフタロシアニン化合物は一段階のプロセスで製造することができるため、製造プロセスが容易であり、短時間に製造でき、経済的であり、環境にも優しい。
本発明の熱線吸収材の使用形態は、特に限定されず、公知のいずれの形態を使用してもよい。具体的には、熱線を吸収/遮蔽することが好ましい対象物上に塗膜やフィルム等として別途形成される形態;2枚の対象物の間にフタロシアニン化合物含有中間層を設ける積層体などの形態;上記対象物中に含ませた形態などが挙げられる。これらのうち、本発明に係るフタロシアニン化合物を、塗膜やフィルム、ならびに中間層中に混合することが好ましい。ここで、塗膜、フィルムや中間層は、一般的に、本発明に係るフタロシアニン化合物に加えて、樹脂を含む。
本発明の熱線吸収材に適用される対象物としては、特に制限されないが、剛性や透明性を有するものが好ましい。具体的には、ガラス板;ならびにポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン、不飽和ポリエステル等の板材等の、プラスチック板などが挙げられる。上記対象物の厚さは、特に制限されないが、1〜20mm程度が好ましい。このような範囲であれば、十分な強度や安全性が得られ、また、塗膜、フィルムや中間層の形成を容易に実施できる。
さらに、本発明の熱線吸収材は、上記フタロシアニン化合物に加えて、他の近赤外線吸収剤、紫外線吸収剤を含んでもよい。この際、他の近赤外線吸収剤としては、特に制限されず、用途によって所望される最大吸収波長によって公知の近赤外線吸収剤が適宜選択されうる。例えば、800〜1000nmの近赤外吸収色素などが挙げられる。
また、使用されてもよい紫外線吸収剤としては、特に制限されず、公知の紫外線吸収剤が使用できる。具体的には、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系の化合物が好適に使用される。
前記フタロシアニン化合物を、透明性樹脂ならびに必要であれば上記添加剤、他の近赤外線吸収剤や紫外線吸収剤と混合後、成形することによって、本発明の熱線吸収材が得られる。ここで、成形方法としては、特に制限されず、公知の成形方法がそのままあるいは適宜修飾されて適用できる。具体的には、押出成形、射出成形、注型重合、プレス成形、カレンダー成形あるいは注型製膜法などが好適に使用できる。
さらに、本発明に係るフタロシアニン化合物を含有するフィルムを作製し、そのフィルムを透明樹脂材に熱プレスあるいは熱ラミネート成形することにより熱線吸収材を作製することもできる。
または、本発明の熱線吸収材は、2枚の上記対象物の間に、本発明に係るフタロシアニン化合物を含む中間層を挟む構造を有してもよい。上記構造を有する熱線吸収材は、特に制限されないが、例えば、2枚の上記対象物の間に本発明に係るフタロシアニン化合物を含む中間層を挟み、ゴムパックに入れ減圧吸引しながら、約70〜140℃に加熱して、真空接着する方法が使用できる。または、上記成形方法によって予め作製した中間層を2枚の対象物の間に挟んで、あるいは一方の対象物の上にフタロシアニン化合物及び樹脂を含むインクを塗布した後、他方の対象物を載せて、これらの積層体を熱などによって接着することによって、本発明の熱線吸収材を作製してもよい。
本発明の熱線吸収材に用いられる上記フタロシアニン化合物は、市販の赤外線吸収剤と比較して、耐熱性に優れているので、ポリブチラール樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、PET樹脂を使用して射出成形、押出成形のような樹脂温度が200〜350℃という高温まで上昇する成形方法でも成形することが可能であり、透明感が良好で熱線遮蔽性能に優れた成形品を得ることができる。200℃未満の成形温度で使用しても問題はない。
また、本発明において、熱線吸収材の形状にも格別の制約はなく、最も一般的な平板状やフィルム状のほか波板状、球面状、ドーム状など、様々な形状のものが含有される。本発明の熱線吸収材に用いられる上記フタロシアニン化合物は、目的とする熱線吸収材の可視光透過率および近赤外線透過率の設定および該熱線吸収材の厚みによってその配合量を変えることができるが、透明性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.0005〜20質量部、より好ましくは0.0010〜10質量部である。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
(ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニンの合成例)
300mLの三つ口フラスコに、テトラフルオロフタロニトリル48.02g(240mmol)、三塩化バナジウム11.33g(72.0mmol)、1,2,4−トリメチルベンゼン83.7g、およびベンゾニトリル9.3gを入れ、混合ガス(酸素6.8%/窒素バランス)を8mL/minの流量で液面近くにバブリングして流しながら、150℃で12時間反応させた。反応終了後室温まで冷却し、メタノール80gを加えて1時間撹拌してから濾過した。ろ紙上に得られた結晶にメタノール60gをかけて洗ってから減圧乾燥し、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニン46.57gが得られた。収率は89.5%であった。
300mLの三つ口フラスコに、テトラフルオロフタロニトリル48.02g(240mmol)、三塩化バナジウム11.33g(72.0mmol)、1,2,4−トリメチルベンゼン83.7g、およびベンゾニトリル9.3gを入れ、混合ガス(酸素6.8%/窒素バランス)を8mL/minの流量で液面近くにバブリングして流しながら、150℃で12時間反応させた。反応終了後室温まで冷却し、メタノール80gを加えて1時間撹拌してから濾過した。ろ紙上に得られた結晶にメタノール60gをかけて洗ってから減圧乾燥し、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニン46.57gが得られた。収率は89.5%であった。
<合成例1>
オクタフルオロ−オクタ(ベンジルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニンの合成
100mLの三つ口フラスコに、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニン8.76g(10.0mmol)、炭酸カルシウム4.80g(48.0mmol)、およびベンジルアミン34.3g(320mmol)を入れ、150℃で5時間反応させた。反応終了後トルエンを10g加えてから40℃まで冷却し、濾過して残さをトルエン10gで洗った。得られた濾液を500mLのセパラブルフラスコに入れ、室温で攪拌しながら、メタノール220gを40分間で滴下し、滴下後さらに30分間攪拌してから得られた結晶を濾過し、メタノール10gをかけて洗った。得られた結晶を再び500mLのセパラブルフラスコに入れ、メタノール200g中、室温で60分間攪拌してから濾過し、メタノール10gをかけて洗った。濾過性は良好であった。得られた結晶を減圧乾燥し、オクタフルオロ−オクタ(ベンジルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニン13.53gが得られた。収率は、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニンに対して、86.5%であった。
オクタフルオロ−オクタ(ベンジルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニンの合成
100mLの三つ口フラスコに、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニン8.76g(10.0mmol)、炭酸カルシウム4.80g(48.0mmol)、およびベンジルアミン34.3g(320mmol)を入れ、150℃で5時間反応させた。反応終了後トルエンを10g加えてから40℃まで冷却し、濾過して残さをトルエン10gで洗った。得られた濾液を500mLのセパラブルフラスコに入れ、室温で攪拌しながら、メタノール220gを40分間で滴下し、滴下後さらに30分間攪拌してから得られた結晶を濾過し、メタノール10gをかけて洗った。得られた結晶を再び500mLのセパラブルフラスコに入れ、メタノール200g中、室温で60分間攪拌してから濾過し、メタノール10gをかけて洗った。濾過性は良好であった。得られた結晶を減圧乾燥し、オクタフルオロ−オクタ(ベンジルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニン13.53gが得られた。収率は、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニンに対して、86.5%であった。
<合成例2>
オクタフルオロ−オクタキス(2−フェニルエチルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニンの合成
100mLの三つ口フラスコに、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニン8.76g(10.0mmol)、炭酸カルシウム4.80g(48.0mmol)、および2−フェニルエチルアミン38.8g(320mmol)を入れ、140℃で6時間反応させた。反応終了後40℃まで冷却し、濾過して残さをトルエン10gで洗った。得られた濾液を500mLのセパラブルフラスコに入れ、室温で攪拌しながら、メタノール220gを40分間で滴下し、滴下後さらに30分間攪拌してから得られた結晶を濾過し、メタノール10gをかけて洗った。得られた結晶を再び500mLのセパラブルフラスコに入れ、メタノール200g中、室温60分間攪拌してから濾過し、メタノール10gをかけて洗った。濾過性は良好であった。得られた結晶を減圧乾燥し、オクタフルオロ−オクタキス(2−フェニルエチルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニン14.10gが得られた。収率は、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニンに対して、84.1%であった。
オクタフルオロ−オクタキス(2−フェニルエチルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニンの合成
100mLの三つ口フラスコに、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニン8.76g(10.0mmol)、炭酸カルシウム4.80g(48.0mmol)、および2−フェニルエチルアミン38.8g(320mmol)を入れ、140℃で6時間反応させた。反応終了後40℃まで冷却し、濾過して残さをトルエン10gで洗った。得られた濾液を500mLのセパラブルフラスコに入れ、室温で攪拌しながら、メタノール220gを40分間で滴下し、滴下後さらに30分間攪拌してから得られた結晶を濾過し、メタノール10gをかけて洗った。得られた結晶を再び500mLのセパラブルフラスコに入れ、メタノール200g中、室温60分間攪拌してから濾過し、メタノール10gをかけて洗った。濾過性は良好であった。得られた結晶を減圧乾燥し、オクタフルオロ−オクタキス(2−フェニルエチルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニン14.10gが得られた。収率は、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニンに対して、84.1%であった。
<合成例3>
オクタフルオロ−オクタ(シクロヘキシルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニンの合成
100mLの三つ口フラスコに、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニン8.76g(10.0mmol)、炭酸カルシウム4.80g(48.0mmol)、シクロヘキシルアミン31.7g(320mmol)、および2−クロロトルエン25.0gを入れ、130℃で9時間反応させた。反応終了後40℃まで冷却し、濾過して残さを2−クロロトルエン10gで洗った。得られた濾液を500mLのセパラブルフラスコに入れ、室温で攪拌しながら、メタノール300gを40分間で滴下し、滴下後さらに30分間攪拌してから得られた結晶を濾過し、メタノール10gをかけて洗った。得られた結晶を再び500mLのセパラブルフラスコに入れ、メタノール200g中、室温60分間攪拌してから濾過し、メタノール10gをかけて洗った。濾過性は良好であった。得られた結晶を減圧乾燥し、オクタフルオロ−オクタ(シクロヘキシルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニン13.35gが得られた。収率は、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニンに対して、89.0%であった。
オクタフルオロ−オクタ(シクロヘキシルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニンの合成
100mLの三つ口フラスコに、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニン8.76g(10.0mmol)、炭酸カルシウム4.80g(48.0mmol)、シクロヘキシルアミン31.7g(320mmol)、および2−クロロトルエン25.0gを入れ、130℃で9時間反応させた。反応終了後40℃まで冷却し、濾過して残さを2−クロロトルエン10gで洗った。得られた濾液を500mLのセパラブルフラスコに入れ、室温で攪拌しながら、メタノール300gを40分間で滴下し、滴下後さらに30分間攪拌してから得られた結晶を濾過し、メタノール10gをかけて洗った。得られた結晶を再び500mLのセパラブルフラスコに入れ、メタノール200g中、室温60分間攪拌してから濾過し、メタノール10gをかけて洗った。濾過性は良好であった。得られた結晶を減圧乾燥し、オクタフルオロ−オクタ(シクロヘキシルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニン13.35gが得られた。収率は、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニンに対して、89.0%であった。
<比較合成例1>
オクタフルオロ−オクタキスアニリノオキシバナジウムフタロシアニンの合成
100mlの四ツ口フラスコ中にヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニン5.19g(6ミリモル)、アニリン26.82g(288ミリモル)を仕込み還流温度で4時間反応させた。反応終了後、不溶分を濾別したのちアニリンを留去し得られた固形分をn−ヘキサン300mlで洗浄することにより目的物の黒色ケーキ6.72gを得た(収率77.1%)。分析の結果この化合物は8個の置換基を有していることがわかった。
オクタフルオロ−オクタキスアニリノオキシバナジウムフタロシアニンの合成
100mlの四ツ口フラスコ中にヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニン5.19g(6ミリモル)、アニリン26.82g(288ミリモル)を仕込み還流温度で4時間反応させた。反応終了後、不溶分を濾別したのちアニリンを留去し得られた固形分をn−ヘキサン300mlで洗浄することにより目的物の黒色ケーキ6.72gを得た(収率77.1%)。分析の結果この化合物は8個の置換基を有していることがわかった。
<比較合成例2>
オクタフルオロ−オクタ(ペンチルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニンの合成
100mLの三つ口フラスコに、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニン8.76g(10.0mmol)、炭酸カルシウム4.80g(48.0mmol)、n−ペンチルアミン27.9g(320mmol)、および2−クロロトルエン25.0gを入れ、130℃で9時間反応させた。反応終了後40℃まで冷却し、濾過して残さを2−クロロトルエン10gで洗った。得られた濾液を500mLのセパラブルフラスコに入れ、室温で攪拌しながら、メタノール300gを40分間で滴下し、滴下後さらに30分間攪拌してから得られた結晶を濾過し、メタノール10gをかけて洗った。得られた結晶を再び500mLのセパラブルフラスコに入れ、メタノール200g中、室温60分間攪拌してから濾過し、メタノール10gをかけて洗った。結晶はヌガーに近い形状で容器の底、壁に付き、若干のロスがあった。得られた結晶を減圧乾燥し、オクタフルオロ−オクタ(ペンチルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニン9.55gが得られた。収率は、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニンに対して、68.0%であった。
オクタフルオロ−オクタ(ペンチルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニンの合成
100mLの三つ口フラスコに、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニン8.76g(10.0mmol)、炭酸カルシウム4.80g(48.0mmol)、n−ペンチルアミン27.9g(320mmol)、および2−クロロトルエン25.0gを入れ、130℃で9時間反応させた。反応終了後40℃まで冷却し、濾過して残さを2−クロロトルエン10gで洗った。得られた濾液を500mLのセパラブルフラスコに入れ、室温で攪拌しながら、メタノール300gを40分間で滴下し、滴下後さらに30分間攪拌してから得られた結晶を濾過し、メタノール10gをかけて洗った。得られた結晶を再び500mLのセパラブルフラスコに入れ、メタノール200g中、室温60分間攪拌してから濾過し、メタノール10gをかけて洗った。結晶はヌガーに近い形状で容器の底、壁に付き、若干のロスがあった。得られた結晶を減圧乾燥し、オクタフルオロ−オクタ(ペンチルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニン9.55gが得られた。収率は、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニンに対して、68.0%であった。
<比較合成例3>
オクタフルオロ−オクタ(n−ヘキシルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニンの合成
100mLの三つ口フラスコに、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニン8.76g(10.0mmol)、炭酸カルシウム4.80g(48.0mmol)、n−ヘキシルアミン32.4g(320mmol)、および2−クロロトルエン25.0gを入れ、150℃で9時間反応させた。反応終了後40℃まで冷却し、濾過して残さを2−クロロトルエン10gで洗った。得られた濾液を500mLのセパラブルフラスコに入れ、室温で攪拌しながら、メタノール280gを40分間で滴下し、続けて水70gを20分間で滴下してから後さらに30分間攪拌し、得られたものを結晶を濾過し、メタノール30gをかけて洗った。得られたものはオイル状であり、完全な固体としては得られなかった。また、濾液中に入ったり、容器の底に固着してロスがあったりした。減圧乾燥後、得られた製品は0.08gであり、収率は、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニンに対して、0.05%と極めて低かった。きれいな結晶でないため吸収係数は正確に測定できないと考え、測定を行なっていない。
オクタフルオロ−オクタ(n−ヘキシルアミノ)オキシバナジウムフタロシアニンの合成
100mLの三つ口フラスコに、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニン8.76g(10.0mmol)、炭酸カルシウム4.80g(48.0mmol)、n−ヘキシルアミン32.4g(320mmol)、および2−クロロトルエン25.0gを入れ、150℃で9時間反応させた。反応終了後40℃まで冷却し、濾過して残さを2−クロロトルエン10gで洗った。得られた濾液を500mLのセパラブルフラスコに入れ、室温で攪拌しながら、メタノール280gを40分間で滴下し、続けて水70gを20分間で滴下してから後さらに30分間攪拌し、得られたものを結晶を濾過し、メタノール30gをかけて洗った。得られたものはオイル状であり、完全な固体としては得られなかった。また、濾液中に入ったり、容器の底に固着してロスがあったりした。減圧乾燥後、得られた製品は0.08gであり、収率は、ヘキサデカフルオロオキシバナジウムフタロシアニンに対して、0.05%と極めて低かった。きれいな結晶でないため吸収係数は正確に測定できないと考え、測定を行なっていない。
<比較合成例4>
オクタフルオロ−オクタ(シクロヘキシルアミノ)銅フロシアニンの合成
100mLの三つ口フラスコに、ヘキサデカフルオロ銅フタロシアニン8.64g(10.0mmol)、炭酸カルシウム4.80g(48.0mmol)、シクロヘキシルアミン31.7g(320mmol)、および2−クロロトルエン25.0gを入れ、130℃で10時間反応させた。反応終了後40℃まで冷却し、濾過して残さを2−クロロトルエン10gで洗った。得られた濾液を500mLのセパラブルフラスコに入れ、室温で攪拌しながら、メタノール300gを40分間で滴下し、滴下後さらに30分間攪拌してから得られた結晶を濾過し、メタノール10gをかけて洗った。得られた結晶を再び500mLのセパラブルフラスコに入れ、メタノール200g中、室温60分間攪拌してから濾過し、メタノール10gをかけて洗った。濾過性は良好であった。得られた結晶を減圧乾燥し、オクタフルオロ−オクタ(シクロヘキシルアミノ)銅フタロシアニン12.02gが得られた。収率は、ヘキサデカフルオロ銅フタロシアニンに対して、80.3%であった。
オクタフルオロ−オクタ(シクロヘキシルアミノ)銅フロシアニンの合成
100mLの三つ口フラスコに、ヘキサデカフルオロ銅フタロシアニン8.64g(10.0mmol)、炭酸カルシウム4.80g(48.0mmol)、シクロヘキシルアミン31.7g(320mmol)、および2−クロロトルエン25.0gを入れ、130℃で10時間反応させた。反応終了後40℃まで冷却し、濾過して残さを2−クロロトルエン10gで洗った。得られた濾液を500mLのセパラブルフラスコに入れ、室温で攪拌しながら、メタノール300gを40分間で滴下し、滴下後さらに30分間攪拌してから得られた結晶を濾過し、メタノール10gをかけて洗った。得られた結晶を再び500mLのセパラブルフラスコに入れ、メタノール200g中、室温60分間攪拌してから濾過し、メタノール10gをかけて洗った。濾過性は良好であった。得られた結晶を減圧乾燥し、オクタフルオロ−オクタ(シクロヘキシルアミノ)銅フタロシアニン12.02gが得られた。収率は、ヘキサデカフルオロ銅フタロシアニンに対して、80.3%であった。
上記で得られたフタロシアニン化合物について、400〜800nmでの可視光透過率(%)、最大吸収波長(λmax)(nm)及び結晶性を測定し、その結果を下記表1に示す。
<吸収係数の測定方法・最大吸収波長(λmax)>
得られたフタロシアニン化合物の吸収係数(モル濃度あたりの吸光度)は、次のようにして測定した。
得られたフタロシアニン化合物の吸収係数(モル濃度あたりの吸光度)は、次のようにして測定した。
サンプル50mgを正確に秤量し、メスフラスコ中でクロロホルムに溶解させて体積を50mLにした。得られた溶液を、1mLのホールピペットと50mLのメスフラスコを用いてクロロホルムで50倍に希釈した。希釈した液の吸収を、分光光度計(島津製作所製:UV−1650PC)を用いて測定し、吸収が最大の波長(最大吸収波長(λmax))の吸光度と濃度から吸収係数を計算した。
<可視光透過率の測定方法>
分光光度計(島津製作所製:UV−1650PC)を用いて、本実施例で得られたフタロシアニン化合物を1cmの石英セル中で700〜1000nmの透過率の最小値が10%(9.9〜10.1%)になるまでクロロホルムで希釈し、その透過率を分光光度計で測定した。その時の可視光(400〜800nm)透過率(%)をJIS R3106(1998)の規格に準じて計算した。
分光光度計(島津製作所製:UV−1650PC)を用いて、本実施例で得られたフタロシアニン化合物を1cmの石英セル中で700〜1000nmの透過率の最小値が10%(9.9〜10.1%)になるまでクロロホルムで希釈し、その透過率を分光光度計で測定した。その時の可視光(400〜800nm)透過率(%)をJIS R3106(1998)の規格に準じて計算した。
<結晶性の評価方法>
○:取り扱い易い結晶として得られた。
○:取り扱い易い結晶として得られた。
△:結晶になったが、堅い塊が多くあったり、容器の底や壁にかなり固着したりした。
×:オイル状になり、結晶として得られなかった。
結果を実施例1〜3、比較例1〜4として以下に示す。
Claims (6)
- 前記ハロゲン原子が、塩素原子またはフッ素原子である、請求項1に記載のフタロシアニン化合物。
- 前記式(2)で示される基が、ベンジルアミノ基、2−フェニルエチルアミノ基または3−フェニルプロピルアミノ基であり、
前記式(3)で示される基が、シクロヘキシルアミノ基、2−メチルシクロヘキシルアミノ基またはシクロペンチルアミノ基である、請求項1または2に記載のフタロシアニン化合物。 - 900〜1000nmの波長領域に最大吸収波長(λmax)を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフタロシアニン化合物。
- 可視光透過率が55%以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフタロシアニン化合物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のフタロシアニン化合物を含む、熱線吸収材。
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