JP5814120B2 - フタロシアニン化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、フタロシアニン化合物および当該化合物を含むフラットパネルディスプレイ用フィルターに関するものである。詳しくは、本発明は、エーテル系溶媒への溶解性が高いフタロシアニン化合物および当該化合物を含むフラットパネルディスプレイ用フィルターに関するものである。
近年、フタロシアニン系化合物は、光、熱、温度等に対して安定であり堅牢性に優れているため、半導体レーザーを光源として用いるコンパクトディスク、レーザーディスク、光メモリーディスク、光カード等の光記録媒体に使用される近赤外吸収色素として、使用されている。また、近年、薄型で大画面に適用できるPDP(Plasma Display Panel)が注目されているが、PDPはプラズマ放電の際に近赤外線光が発生し、この近赤外線が家電用テレビ、クーラー、ビデオデッキ等の電気機器の誤動作を誘発することが問題となっている。このような課題を解決することを目的として、可視光線透過率が高く、近赤外線光のカット効率が高く、かつ近赤外域の選択吸収能に優れ、かつ耐熱性、耐光性、耐候性にも優れる特徴を有するフタロシアニン化合物に関する開発が行なわれてきた。
このように従来様々なフタロシアニン化合物が検討・開発されてきたが、従来のフタロシアニン化合物は、メタノール、エタノールやプロパノール等のアルコール、エチルセロソルブ等のセロソルブ、モノエチレングリコールやジエチレングリコール等のグリコール、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン、クロロホルム、トルエンなどの有機溶媒には可溶性であることが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、従来のフタロシアニン化合物は、エーテル系溶媒への溶解性が十分ではなかった。このためエーテル系溶媒を使用することが適切である用途であっても、フタロシアニン化合物を十分量配合することができず、使用する溶媒や配合する樹脂の種類の選択が制限されるという問題があった。
特に、カラートナー、インクジェット用インク、家庭用インクジェット用インク、偽造防止用インク、特に改ざん偽造防止用バーコード用インクや偽造防止用オフセットインク、ゴーグルのレンズや遮蔽板、プラスチックリサイクルの際の仕分け用の染色剤、光記録媒体、レーザー治療用感光性色素、ならびにPETボトルの成形加工時のプレヒーティング助剤、感熱転写、感熱孔版等の光熱交換剤、感熱式のリライタブル記録の光熱交換剤、IDカードの偽造防止、プラスチックのレーザー透過溶着法(LTW:Laser Transmission Welding)用の光熱交換剤、熱線遮蔽剤、ならびに近赤外吸収フィルターなどに使用しようとする際の溶媒の選択が限定されおり、適用できる用途に限界があった。したがって、エーテル系溶媒への溶解性が高く、従来適用できない用途にも有用性のあるフタロシアニン化合物に対する高い要求があった。
特開平6−107663号公報
したがって、本発明の目的は、エーテル系溶媒への溶解性が高いフタロシアニン化合物を提供することである。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、特定の構造を有するフタロシアニン化合物がエーテル系溶媒への溶解性が高いことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記目的は、下記式(1):
上記式(1)中、Z〜Z16は、それぞれ独立して、塩素原子、下記式(2)もしくは(2’):
上記式(2)及び(2’)中、Rは、炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは、炭素数1〜8のアルキル基であり、Rは、炭素数1〜8のアルコキシ基またはハロゲン原子であり、mは、1〜4の整数であり、pは、0または1である、
で表される置換基(a)、または
下記式(3−1):
上記式(3−1)中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Arは、Rで置換されてもよいフェニル基またはナフチル基であり、この際、Rは、それぞれ独立して、シアノ基、ニトロ基、COOY、OY、ハロゲン原子、アリール基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり、この際、Yは、炭素数1〜8のアルキル基である、
で表される置換基(b−1)、
下記式(3−2):
上記式(3−2)中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは、ハロゲン原子または炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基である、
で表される置換基(b−2)、
下記式(3−3):
上記式(3−3)中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数1〜8のアルキル基である、
で表される置換基(b−3)、
7−ヒドロキシクマリン由来の基(b−4)、および
2,3−ジヒドロキシキノキサン由来の基(b−5)、
からなる群より選択される置換基(b)を表わし、
この際、Z〜Z16のうち、2〜8個は置換基(a)または置換基(b)でありかつ残部は塩素原子であり、2〜8個の置換基(a)または置換基(b)のうち、少なくとも2個は、置換基(a)であり、
Mは、無金属、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物を表わす、
で示されるフタロシアニン化合物によって達成される。
本発明のフタロシアニン化合物は、優れた樹脂との相溶性、耐熱性、耐光性、耐候性に加えて、高い可視光線透過率、高い近赤外線カット効率及び近赤外線の選択吸収を保持しつつ、エーテル系溶媒に溶解することができる。したがって、エーテル系溶媒に比較的選択的に溶解する樹脂であっても用いることができる。また、エーテル系溶媒以外の溶媒を用いると溶解する可能性があるプラスチック上にフタロシアニン色素を適用する用途などにも用いることができる。
本発明の第一は、下記式(1):
上記式(1)中、Z〜Z16は、それぞれ独立して、塩素原子、下記式(2)もしくは(2’):
上記式(2)及び(2’)中、Rは、炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは、炭素数1〜8のアルキル基であり、Rは、炭素数1〜8のアルコキシ基またはハロゲン原子であり、mは、1〜4の整数であり、pは、0または1である、
で表される置換基(a)、または
下記式(3−1):
上記式(3−1)中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Arは、Rで置換されてもよいフェニル基またはナフチル基であり、この際、Rは、それぞれ独立して、シアノ基、ニトロ基、COOY、OY、ハロゲン原子、アリール基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり、この際、Yは、炭素数1〜8のアルキル基である、
で表される置換基(b−1)、
下記式(3−2):
上記式(3−2)中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは、ハロゲン原子または炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基である、
で表される置換基(b−2)、
下記式(3−3):
上記式(3−3)中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数1〜8のアルキル基である、
で表される置換基(b−3)、
7−ヒドロキシクマリン由来の基(b−4)、および
2,3−ジヒドロキシキノキサン由来の基(b−5)、
からなる群より選択される置換基(b)を表わし、
この際、Z〜Z16のうち、2〜8個は置換基(a)または置換基(b)でありかつ残部は塩素原子であり、2〜8個の置換基(a)または置換基(b)のうち、少なくとも2個は、置換基(a)であり、
Mは、無金属、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物を表わす、
で示されるフタロシアニン化合物に関するものである。以下、上記式(1)で示されるフタロシアニン化合物を、単に「フタロシアニン化合物」あるいは「本発明のフタロシアニン化合物」とも称する。
本発明のフタロシアニン化合物は、Z〜Z16のうち、2〜8個(好ましくは、2〜6個)は置換基(a)または置換基(b)でありかつ残部は塩素原子である。この際、2〜8個の置換基(a)または置換基(b)のうち、少なくとも2個(好ましくは、2〜6個)は、置換基(a)である。このような構造を有するフタロシアニン化合物は、以下のような利点がある:(i)エーテル系溶媒への溶解性が向上できる;(ii)近赤外領域の中でも640〜750nmの波長領域に最大吸収波長(λmax)を有する。このうち、(i)高いエーテル系溶媒への溶解性のおかげで、エーテル系溶媒への溶解性が高い樹脂と色素とを組み合わせて用いることができ、また、エーテル系溶媒以外の溶媒には溶けてしまうプラスチックを用いる場合であっても、該プラスチック上に色素を塗布することができる。また、(ii)短波長域での最大吸収波長(λmax)のおかげで、フラットパネルディスプレイ、特にPDPやLCDが放つ無用の近赤外域(700〜750nm)の光や、いわゆる深紅と呼ばれる不純な赤色の波長(640〜700nm)の光をカットし、例えば光通信システムの誤作動誘発を防止し、また同時に鮮明な赤色を再現する効果を発揮できる。また、特にPDPは710nm付近に余分な大きな発光が見られるので、710nmの光を吸収し、かつ520nmなどの可視光の透過率が高い色素が有用である。上記に加えて、(ii)により、個々のフタロシアニン化合物は、波長の移動度が低く、最大吸収波長におけるピークが比較的シャープなスペクトルが得られる。このため、本発明のフタロシアニン化合物は、混合物の形態であっても、所望の波長に収まりやすい。
また、本発明のフタロシアニン化合物は、置換基(a)または(b)として、酸素原子を含む置換基(−OE;この際、Eは、任意の置換基を表す)あるいは硫黄原子を含む置換基(−SE;この際、Eは、任意の置換基を表す)がフタロシアニン骨格に導入される。ここで、フタロシアニン化合物の特性は、一般的に、置換基の種類、導入箇所(α位、β位)および導入個数などにより変化する。例えば、置換基の種類としては、酸素原子を含む置換基(−OE)、硫黄原子を含む置換基(−SE)、窒素原子を含む置換基(−NE;この際、Eは、任意の置換基を表す)の順に、フタロシアニン化合物の吸収波長をより短波長側にシフトさせることができる。ゆえに、本発明のフタロシアニン化合物は、酸素原子を含む置換基(−OE)あるいは硫黄原子を含む置換基(−SE)が導入されるため、640〜750nm、より好ましくは640〜705nm、特に645〜700nmの近赤外線波長域での選択吸収能が高くなる。なお、β位に酸素原子を含む置換基(−OE)あるいは硫黄原子を含む置換基(−SE)が導入されたフタロシアニン化合物は、α位にこれらの置換基が導入された場合に比べて、最大吸収波長がより短波長側にシフトする。このため、置換基(a)または(b)がβ位に多く導入された場合には、得られるフタロシアニン化合物の最大吸収波長は、より短波長側にシフトする。
また、本発明のフタロシアニン化合物は、上記式(1)における、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11、Z14及びZ15(本明細書中では、単に「β位の置換基」または「β位」とも称する)に置換基を持つことで、耐熱性に優れる。また、Z、Z、Z、Z、Z、Z12、Z13及びZ16(本明細書中では、単に「α位の置換基」または「α位」とも称する)に置換基を持つことで、エーテル系溶媒への溶解性(本明細書では、単に「溶媒溶解性」とも称する)に優れる。フタロシアニン化合物は、置換基数、および置換基種を適切に選択し、耐熱性および溶媒溶解性のバランスを図ったものである。
以下、本発明の第一の態様における好ましい実施の形態を説明する。
本発明において、上記式(1)の置換基Z〜Z16のうち、2〜8個は置換基(a)または置換基(b)である。これらのうち、グラム吸光係数を考慮すると、置換基(a)または置換基(b)の導入数が少ないことが好ましく、上記式(1)の置換基Z〜Z16のうち、2〜6個が置換基(a)または置換基(b)でありかつ残部は塩素原子であることがより好ましい。また、溶剤溶解性を考慮すると、3〜6個、より好ましくは4〜8個、さらにより好ましくは6〜8個は置換基(a)または置換基(b)でありかつ残部は塩素原子であることが好ましい。ここで、Z〜Z16のうち、置換基(a)及び(b)の総置換数が2個未満であると、溶媒溶解性が低下するため好ましくない。また、置換基(a)及び(b)の総置換数が8個を超えると、分子量が大きくなり、グラム吸光係数が低くなるため好ましくない。また、Z〜Z16のうち、置換基(a)または置換基(b)が導入されない残部は塩素原子である。このように残部に塩素原子を配置することによって、耐熱性を向上できる。
また、2〜8個の置換基(a)または置換基(b)のフタロシアニン骨格での導入位置は、全置換数が上記範囲であれば特に制限されない。このため、下記のように、Z〜Z、Z〜Z、Z〜Z12、Z13〜Z16を含む各構成単位を、それぞれ、構成単位A、B、C、Dとすると、2〜8個の置換基(a)または置換基(b)が、構成単位A〜D中、ほぼ均一に導入されても不均一に導入されてもよい。好ましくは、2〜8個の置換基(a)または置換基(b)は、構成単位A〜D中、不均一に導入される。このように置換基が混在することは、種々の溶媒への溶解性、波長制御、耐久性(耐光性、耐熱性)、グラム当りの吸光度のバランスを図る点で好ましい。また、詳細なメカニズムは不明であるが、置換基(a)及び(b)が適当数不均一に存在することで、エーテル系溶媒への溶解性が向上し、また、塩素原子が適当数存在することで、吸収波長が長波長化でき、また耐久性(耐光性、耐熱性)が向上するものと考えられる。なお、複数種の置換基(a)または(b)が存在する場合には、これらの置換基(a)および(b)は、それぞれ、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。
また、上記2〜8個の置換基(a)または置換基(b)のうち、少なくとも2個、より好ましくは2.5個、置換基(a)である。ここで、置換基(a)または置換基(b)中に占められる置換基(a)の上限は、8個であるが、好ましくは7個、より好ましくは6個である。ここで、置換基(a)が2個未満であると、溶媒溶解性が低下するため好ましくない。また、置換基(a)が8個を超えると、分子量が大きくなり、グラム吸光係数が小さくなるため、好ましくない。特に、Z〜Z16のうち、6〜8個は置換基(a)または置換基(b)でありかつ残部は塩素原子である場合には、6〜8個の置換基(a)または置換基(b)のうち、4〜7個は、置換基(a)であることが好ましい。このような置換基(a)を有するフタロシアニン化合物は、溶剤溶解性や520nmの可視光透過性に優れる。または、Z〜Z16のうち、2個以上6個未満は置換基(a)または置換基(b)でありかつ残部は塩素原子である場合には、2個以上6個未満の置換基(a)または置換基(b)のうち、2〜6個未満、より好ましくは2〜5個、特に好ましくは2.5〜5個は、置換基(a)であることが好ましい。このような置換基(a)を有するフタロシアニン化合物は、グラム吸光係数や耐熱性に優れる。
ここで、2〜8個の置換基(a)または置換基(b)の各置換基(a)、(b)の導入位置の組合せは、少なくとも2個が置換基(a)であれば、特に制限されない。例えば、Z〜Z16のうち、4〜8個は置換基(a)または置換基(b)でありかつ残部は塩素原子であり、4〜8個の置換基(a)または置換基(b)のうち、少なくとも4個は、置換基(a)である場合には、14通りすべての組み合わせが適用できる。同様にして、Z〜Z16のうち、6〜8個が置換基(a)または置換基(b)でありかつ残部は塩素原子であり、6〜8個の置換基(a)または置換基(b)のうち、4〜7個が置換基(a)である場合には、11通りすべての組み合わせが適用できる。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、6〜8個の置換基(a)または置換基(b)の好ましい組合せとしては、4個の置換基(a)及び2個の置換基(b)、4個の置換基(a)及び3個の置換基(b)、4個の置換基(a)及び4個の置換基(b)、5個の置換基(a)及び2個の置換基(b)、6個の置換基(a)及び0個の置換基(b)、6個の置換基(a)及び1個の置換基(b)、または7個の置換基(a)及び0個の置換基(b)、がある。なお、置換基(a)は、それぞれ、フタロシアニン骨格中、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。
本発明において、置換基(a)は、上記式(2)または(2’)で表わされる。なお、上記式から明らかなように、置換基(a)は、1個の置換基「−COO(RO)」および必要であれば1個の炭素数1〜8アルコキシ基またはハロゲン原子(−R)を有するフェノキシ基(式(2))または1個の置換基「−COO(RO)」を有するナフトキシ基(式(2’))である。
なお、上記式(2’)において、酸素原子(−O−)及び置換基「−COO(RO)」は、ナフタレン環のいずれの水素原子と置換されてもよい。すなわち、上記式(2’)では、置換基「−COO(RO)」が、2個のベンゼン環のうち、酸素原子が存在する側のベンゼン環に存在しているが、この置換基は当該位置に存在することを意味するものではなく、他方のベンゼン環に存在してもよい。すなわち、上記式(2’)の置換基(a)は、下記置換基(a)及び(a)双方を包含する。
上記式(2)及び(2’)において、Rは、炭素数1〜3のアルキレン基である。ここで、炭素数1〜3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基がある。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、Rは、エチレン基またはプロピレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。
また、上記式(2)及び(2’)において、Rは、炭素数1〜8のアルキル基である。ここで、炭素数1〜8のアルキル基としては、特に制限されず、炭素数1〜8の直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられる。より具体的には、炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が挙げられる。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基、特に炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキル基が好ましい。また、上記式中、mは、オキシアルキレン基(RO)の繰り返し単位数を表わし、1〜4の整数である。耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、好ましくは、mは、1〜2である。
上記式(2)において、Rは、炭素数1〜8のアルコキシ基またはハロゲン原子である。ここで、炭素数1〜8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基等の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基が挙げられる。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルコキシ基、特に炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルコキシ基が好ましい。また、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などを考慮すると、塩素原子が好ましい。さらに、上記式中、pは、アルコキシ基またはハロゲン原子(R)がフェノキシ基に結合する数を表わし、0または1である。
上記式(2)の置換基(a)において、置換基−COO(RO)Rのベンゼン環への結合位置は、特に制限されない。例えば、pが0である場合には、置換基(a)は、1個の置換基「−COO(RO)」がフェノキシ基に結合した構造を有する。ここで、置換基「−COO(RO)」は、フェノキシ基の、オルト位(2位)、メタ位(3位)またはパラ位(4位)のいずれかの位置に配置される。これらのうち、2位および4位が好ましく、4位が特に好ましい。比較的嵩高い置換基−COO(RO)Rを4位に配置すると、得られるフタロシアニン化合物は、710nmの光を吸収し、かつ520nmなどの可視光の透過率が高い、すなわち、吸光度比[=710nmの吸光度/520nmの吸光度;「Abs(λ710nm)/Abs(λ520nm)」とも称する]を大きくすることができる。また、比較的嵩高い置換基−COO(RO)Rを4位に配置すると、得られるフタロシアニン化合物は、溶媒溶解性を向上できる。
また、上記式(2)中、pが1である場合には、置換基(a)は、1個の置換基「−COO(RO)」および1個の炭素数1〜8のアルコキシ基またはハロゲン原子(−R)がフェノキシ基に結合した構造を有する。ここで、置換基「−COO(RO)」及び「R」は、それぞれ、フェノキシ基のいずれの位置に導入されてもよい。この際、耐熱性、吸光度比や溶媒溶解性など上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、溶媒溶解性や吸光度比などを考慮すると、2,4位、2,5位、2,6位、3,4位などが好ましく、2,4位、2,6位がより好ましい。
また、上記式(2’)の置換基(a)において、酸素原子(−O−)のナフタレン環への結合位置は、特に制限されず、1−ナフトールまたは2−ナフトール由来のいずれでもよい。好ましくは、置換基(a)は、1−ナフトール由来である。同様にして、置換基−COO(RO)Rのナフタレン環への結合位置もまた、特に制限されない。ここで、カルボン酸エステル(−COO(RO)R)が酸素原子(−O−)と隣接する場合には、溶解性が向上する傾向にあるため、特に好ましい。このため、置換基(a)が1−ナフトール由来である場合には、置換基:−COO(RO)Rのナフタレン環への結合位置は、2位、3位、4位、5位、6位、7位または8位のいずれでもよいが、耐熱性や溶媒溶解性などを考慮すると、好ましくは2位、3位、4位が好ましく、2位がより好ましい。また、置換基(a)が2−ナフトール由来である場合には、置換基:−COO(RO)Rのナフタレン環への結合位置は、1位、3位、4位、5位、6位、7位または8位のいずれでもよいが、好ましくは1位、3位、6位が好ましく、耐熱性や溶媒溶解性などを考慮すると、3位、6位がより好ましい。
すなわち、置換基(a)は、下記6種の構造を有するものが特に好ましい。
また、本発明において、置換基(b)は、下記式(3−1):
で表される置換基(b−1)、下記式(3−2):
上記式(3−2)中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは、ハロゲン原子または炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基である、
で表される置換基(b−2)、下記式(3−3):
上記式(3−3)中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数1〜8のアルキル基である、
で表される置換基(b−3)、
7−ヒドロキシクマリン由来の基(b−4)、および
2,3−ジヒドロキシキノキサン由来の基(b−5)、
からなる群より選択される置換基(b)を表わす。なお、置換基(b)がフタロシアニン骨格中複数個存在する場合には、これらの置換基(b)は、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。
置換基(b)は、上記式(3−1)の置換基(b−1)でありうる。ここで、上記式(3−1)中、Xは、酸素原子(−O−)または硫黄原子(−S−)であり、好ましくは酸素原子である。Xが酸素原子であると、得られるフタロシアニン化合物の最大吸収波長を短波長側にシフトできるため、得られるフタロシアニン化合物の最大吸収波長(λmax)を、近赤外領域の中でも640〜750nmの波長領域に容易に調節できる。
また、上記式(3−1)中、Arは、Rで置換されてもよいフェニル基またはナフチル基であり、好ましくはフェニル基である。ここで、ArがRで置換されてもよいフェニル基である場合には、Arは、下記式で表わされる基である。
上記式中、X及びRは、上記式(3−1)での定義と同様であり、nは、1〜5の整数である。
また、上記式(3−1)中、Rは、フェニル基またはナフチル基に導入されてもよい置換基であり、シアノ基(−CN)、ニトロ基(−NO)、COOY、OY、ハロゲン原子、アリール基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基である。Rが複数個存在する(式(3−1)中のRの置換数(n)が2〜5の整数である)場合には、これらの複数のRは、同一であっても異なるものであってもよい。上記Rのうち、RがCOOYまたはOYである場合の、Yは、炭素数1〜8のアルキル基である。ここで、炭素数1〜8のアルキル基としては、特に制限されず、炭素数1〜8の直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられ、より具体的な例は、上記Rの定義と同様である。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基、特に炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキル基が好ましい。
また、上記Rがハロゲン原子である場合の、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などを考慮すると、塩素原子、フッ素原子が好ましい。また、Rが塩素原子、フッ素原子である場合には、色素の分子量が小さくなり、グラムあたりの吸光度が高くなりうる。
また、上記Rがアリール基である場合の、アリール基としては、フェニル基、p−メトキシフェニル基、p−t−ブチルフェニル基、p−クロロフェニル基、等のアリール基が挙げられる。中でも、色素の分子量が小さくなり、グラムあたりの吸光度が高くなるため、フェニル基が好ましい。
また、上記Rがハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基である場合の、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基としては、特に制限されず、炭素数1〜8の直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられ、より具体的な例は、上記Rの定義と同様である。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基が好ましい。また、場合によっては存在する、アルキル基の置換基であるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。これらの中でも、フッ素原子または塩素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。アルキル基の置換基であるハロゲン原子は複数個存在していてもよく、複数個存在する場合には同一若しくは異なっていてもよい。アルキル基の置換基の数は特に限定されるものではないが、1〜3個であることが好ましい。
上記式(3−1)中、Ar中のRの置換数(n)は、特に制限されず、所望の効果(グラム吸光係数、溶剤溶解性、耐熱性、710nmの光吸収性、520nmの可視光透過性など)によって適宜選択できる。例えば、ArがRで置換されてもよいフェニル基である場合に、Ar中のRの置換数(n)は、1〜5の整数、好ましくは1〜3の整数を示し、より好ましくは1または2であり、特に好ましくは1である。
上記式(3−1)の置換基(b−1)において、置換基Rのベンゼン環への結合位置は、特に制限されない。好ましくはオルト位(2位)およびパラ位(4位)、4位が特に好ましい。置換基Rを4位に配置すると、得られるフタロシアニン化合物は、710nmの光を吸収し、かつ520nmなどの可視光の透過率が高い、すなわち、吸光度比[=710nmの吸光度/520nmの吸光度;「Abs(λ710nm)/Abs(λ520nm)」とも称する]を大きくすることができる。また、置換基Rを4位に配置すると、得られるフタロシアニン化合物は、溶媒溶解性を向上できる。
また、nが2である場合には、2個の置換基Rは、ベンゼン環のいずれの位置に導入されてもよい。この際、耐熱性、吸光度比や溶媒溶解性など上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、溶媒溶解性や吸光度比などを考慮すると、2,4位、2,5位、2,6位、3,4位などが好ましく、2,4位、2,5位、2,6位がより好ましい。nが3である場合には、3個の置換基Rは、ベンゼン環のいずれの位置に導入されてもよい。この際、耐熱性、吸光度比や溶媒溶解性など上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、溶媒溶解性や吸光度比などを考慮すると、2,4,6位、2,5,6位などが好ましく、2,4,6位がより好ましい。
また、上記式(3−1)中、ArがRで置換されてもよいナフチル基である場合に、Ar中のRの置換数(n)もまた、Ar中のRの置換数(n)は、特に制限されず、所望の効果(グラム吸光係数、溶剤溶解性、耐熱性、710nmの光吸収性、520nmの可視光透過性など)によって適宜選択できる。例えば、ArがRで置換されてもよいナフチル基である場合に、Ar中のRの置換数(n)は、1〜5の整数、好ましくは1〜3の整数を示し、より好ましくは1または2であり、特に好ましくは1である。また、置換基Rのナフタレン環への結合位置は、特に制限されず、所望の効果(グラム吸光係数、溶剤溶解性、耐熱性、710nmの光吸収性、520nmの可視光透過性など)によって適宜選択できる。例えば、nが1で、Arが1−ナフチル基である場合には、Rのナフタレン環への結合位置は、2位、3位、4位、5位、6位、7位または8位のいずれでもよいが、耐熱性や溶媒溶解性などを考慮すると、好ましくは2位、3位、4位が好ましく、2位がより好ましい。また、置換基(a)が2−ナフトール由来である場合には、置換基:−COO(RO)Rのナフタレン環への結合位置は、1位、3位、4位、5位、6位、7位または8位のいずれでもよいが、好ましくは1位、3位、6位が好ましく、耐熱性や溶媒溶解性などを考慮すると、3位、6位がより好ましい。
また、置換基(b)は、上記式(3−2)の置換基(b−2)でありうる。上記式(3−2)中、Xは、酸素原子(−O−)または硫黄原子(−S−)であり、好ましくは酸素原子である。Rは、炭素数1〜5のアルキレン基である。ここで、炭素数1〜5のアルキレン基としては、特に制限されないが、例えば、メチレン基、エチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基などが挙げられる。これらのうち、メチレン基、エチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基が好ましい。また、上記式(3−2)中、Rは、ハロゲン原子または炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基である。ここで、炭素数1〜8のアルキル基としては、特に制限されず、炭素数1〜8の直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられ、より具体的な例は、上記Rの定義と同様である。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基、特に炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキル基が好ましい。ここで、アルキル基は、ハロゲン原子または炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されていてもよい。アルキル基がハロゲン原子で置換される場合の、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などを考慮すると、塩素原子、フッ素原子が好ましい。また、アルキル基がアルコキシ基で置換される場合の、炭素数1〜8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基等の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基が挙げられる。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルコキシ基、特に炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルコキシ基が好ましい。また、アルキル基へのハロゲン原子またはアルコキシ基の置換基導入数は、特に制限されないが、アルキル基の炭素数、所望の効果などによって異なる。アルキル基へのハロゲン原子またはアルコキシ基の置換基導入数は、1〜8個が好ましく、1〜4個がより好ましい。
さらに、置換基(b)は、上記式(3−3)の置換基(b−3)でありうる。ここで、上記式(3−3)中、Xは、酸素原子(−O−)または硫黄原子(−S−)であり、好ましくは酸素原子である。Rは、炭素数1〜5のアルキレン基である。ここで、炭素数1〜5のアルキレン基としては、特に制限されず、より具体的な例は、上記式(3−2)のRの定義と同様である。好ましくは、Rは、メチレン基、エチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基が好ましい。Rは、炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数1〜8のアルキル基である。このうち、炭素数1〜8のアルコキシ基は、特に制限されず、より具体的な例は、上記式(3−3)のアルコキシ基の定義と同様であり、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルコキシ基、特に炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルコキシ基である。また、炭素数1〜8のアルキル基は、特に制限されず、より具体的な例は、上記Rの定義と同様である。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基、特に炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキル基が好ましい。なお、3個のRは、それぞれが、同じであってもあるいは異なるものであってもよいが、少なくとも1個はアルコキシ基であることが好ましく、より好ましくは2個または3個がアルコキシ基であることがより好ましい。
置換基(b)は、7−ヒドロキシクマリン由来の基(b−4)でありうる。または、置換基(b)は、2,3−ジヒドロキシキノキサン由来の基(b−5)でありうる。
上記したように、置換基(b)は、上記式(3−1)の置換基(b−1)、上記式(3−2)の置換基(b−2)、上記式(3−3)の置換基(b−3)、7−ヒドロキシクマリン由来の基(b−4)、または2,3−ジヒドロキシキノキサン由来の基(b−5)である。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、置換基(b)は、上記式(3−1)の置換基(b−1)、上記式(3−2)の置換基(b−2)、および上記式(3−3)の置換基(b−3)であることが好ましく、置換基(b)は、上記式(3−1)の置換基(b−1)であることがより好ましい。
上記式(1)において、Mは、無金属、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物を表わすものである。ここで、無金属とは、金属以外の原子、例えば、2個の水素原子であることを意味する。また、金属としては、鉄、マグネシウム、ニッケル、コバルト、銅、パラジウム、亜鉛、バナジウム、チタン、インジウム、錫等が挙げられる。金属酸化物としては、チタニル、バナジル等が挙げられる。金属ハロゲン化物としては、塩化アルミニウム、塩化インジウム、塩化ゲルマニウム、塩化錫(II)、塩化錫(IV)、塩化珪素等が挙げられる。好ましくは、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物であり、より好ましくは銅、バナジル及び亜鉛であり、さらに好ましくは亜鉛、銅である。中心金属が亜鉛、銅であると、耐熱性が高いため、特に好ましい。
なお、本明細書において、式(1)における、Z、Z、Z、Z、Z、Z12、Z13及びZ16は、フタロシアニン核の8箇所のα位に置換する置換基を表わすため、これらの置換基をα位の置換基とも称する。また、同様にして、式(1)における、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11、Z14及びZ15は、フタロシアニン核の8箇所のβ位に置換する置換基を表わすため、これらの置換基をβ位の置換基とも称する。β位の置換基は耐熱性の向上に、α位の置換基は溶媒溶解性の向上に、それぞれ、効果があるので、両者をバランスよく配合することが好ましい。
本発明のフタロシアニン化合物の吸収波長としては、近赤外領域の中でも640〜750nm、より好ましくは640〜705nm、特に645〜700nmの波長領域に最大吸収波長(λmax)を有することが好ましい。なお、本明細書において、最大吸収波長は、下記実施例で測定の方法で測定された値を採用する。本発明のフタロシアニン化合物は、640〜750nm、より好ましくは640〜705nm、特に645〜700nm付近に最大吸収波長を示すため、フラットパネルディスプレイ、特にPDPやLCDが放つ無用の近赤外域(700〜750nm)の光や、いわゆる深紅と呼ばれる不純な赤色の波長(640〜700nm)の光をカットし、例えば光通信システムの誤作動誘発を防止し、また同時に鮮明な赤色を再現する効果を発揮できる。また、本発明のフタロシアニン化合物は、710nmの光を吸収し、かつ520nmなどの可視光の透過率が高い、すなわち、高い吸光度比を有する。特にPDPは710nm付近に余分な大きな発光が見られるので、本発明のフタロシアニン化合物は、710nmの光を吸収し、かつ520nmなどの可視光の透過率が高い色素として、PDP、特にフラットパネルディスプレイ用フィルターとして有用である。
本発明のフタロシアニン化合物は、エーテル系溶媒への溶解性が高い。これは、フタロシアニン核に置換されている置換基(a)や(b)の存在ならびにその置換数に起因する。フタロシアニン化合物を適用する際、デバイスで用いる基板が溶媒により溶解しないこと、また樹脂への溶解性も必要とされることから、フタロシアニン化合物の溶媒への溶解性は重要である。そして、置換基の種類、数、中心金属の選択により、種々の吸収波長の
フタロシアニン化合物を得ることができる。エーテル系溶媒としては、分岐もしくは直鎖状エーテル、及び環状エーテルが有効に用いられる。具体的には、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。フラットパネルディスプレイ用途においては、PGMEAが用いられることが多い。本発明のフタロシアニン化合物は、エーテル系溶媒であるPGMEAへの溶解度が、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。溶解度の上限は特に限定されるものではないが、通常は50質量%以下程度である。
本発明のフタロシアニン化合物の製造方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法を適当に利用することができるが、好ましくは溶融状態または有機溶媒中で、フタロニトリル化合物と金属塩とを環化反応する方法が特に好ましく使用できる。以下、本発明のフタロシアニン化合物について、製造方法の特に好ましい実施形態を記載する。しかしながら、本発明は、下記好ましい実施形態に制限されるものではない。
すなわち、下記式(I):
で示されるフタロニトリル化合物(1)、下記式(II):
で示されるフタロニトリル化合物(2)、下記式(III):
で示されるフタロニトリル化合物(3)、および下記式(IV):
で示されるフタロニトリル化合物(4)を、金属、金属酸化物、金属カルボニル、金属ハロゲン化物及び有機酸金属(本明細書中では、一括して「金属化合物」とも称する)からなる群から選ばれる一種と環化反応させることによって、本発明のフタロシアニン化合物が製造できる。上記反応において、式(1)のフタロシアニン化合物の構造に合わせて、フタロニトリル化合物(1)〜(4)を記載したが、目的とするフタロシアニン化合物の構造によっては、フタロニトリル化合物が1〜3種類となることもある。このため、例えば、Z〜Z、Z〜Z、Z〜Z12、Z13〜Z16を含む構成単位A〜Dが同じ場合には、原料として使用されるフタロニトリル化合物は1種類となる。
なお、上記式(I)〜(IV)中、Z〜Z16は、所望のフタロシアニン化合物の構造によって規定される。具体的には、上記式(I)〜(IV)中、Z〜Z16は、それぞれ、上記式(1)中のZ〜Z16の定義と同様であるため、ここでは説明を省略する。
上記態様において、出発原料である式(I)〜(IV)のフタロニトリル化合物は、特開昭64−45474号公報に開示されている方法などの、従来既知の方法により合成でき、また、市販品を用いることもできるが、好ましくは、下記式(V):
で示されるフタロニトリル誘導体(本明細書中では、単に「フタロニトリル誘導体」とも称する)を、下記式(2a)もしくは(2’a):
で表される置換基(a)含有前駆体(本明細書中では、単に「置換基(a)含有前駆体」とも称する)、または下記式(3a−1):
で表される置換基(b−1)含有前駆体、下記式(3a−2):
で表される置換基(b−2)含有前駆体、下記式(3a−3):
で表される置換基(b−3)含有前駆体、7−ヒドロキシクマリン、または2,3−ジヒドロキシキノキサンからなる群より選択される置換基(b)含有前駆体(本明細書中では、単に「置換基(b)含有前駆体」とも称する)と反応させることによって得られる。なお、下記において、置換基(a)含有前駆体および置換基(b)含有前駆体を一括して「前駆体」とも称する。
なお、上記式(2a)、(2’a)中、R、RおよびR、ならびにmおよびpは、それぞれ、上記式(2)及び(2’)中のR、RおよびR、ならびにmおよびpの定義と同様であるため、ここでは説明を省略する。同様にして、上記式(3a−1)〜(3a−3)中、X、Ar、R、およびR〜Rは、それぞれ、上記式(3−1)〜(3−3)中のX、Ar、R、およびR〜Rの定義と同様であるため、ここでは説明を省略する。
上記反応では、式(V)のフタロニトリル誘導体を、出発原料として使用する。上記式(V)中、X、X、X及びXは、ハロゲン原子を表わす。ここで、X、X、X及びXは、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、X、X、X及びXは、フッ素原子または塩素原子を表わすことが好ましく、塩素原子を表わすことが特に好ましい。特にテトラクロロフタロニトリルを出発原料として使用する場合には、置換基(a)含有前駆体または置換基(b)含有前駆体が、当該テトラクロロフタロニトリルの3〜6位の塩素原子とランダムに反応する。このため、テトラクロロフタロニトリルを出発原料として使用することにより、置換基(a)、(b)が、フタロシアニン骨格のα位及びβ位にランダムに導入できる。このため、テトラクロロフタロニトリルをフタロニトリル誘導体として使用する場合には、フタロニトリル化合物は、テトラクロロフタロニトリルの4個の塩素原子が任意に前駆体で置換された混合物の形態で得られる。
また、上記フタロニトリル誘導体と置換基(a)含有前駆体/置換基(b)含有前駆体との反応において、前記前駆体の割合は、目的とするフタロニトリル化合物の構造によって適宜選択される。また、前記前駆体の合計使用量は、これらの反応が進行して所望のフタロニトリル化合物を製造できる量であれば特に制限されない。フタロニトリル誘導体に導入される置換基(a)含有前駆体/置換基(b)含有前駆体の数の下限は、好ましくは0.5個、より好ましくは0.75個である。また、フタロニトリル誘導体に導入される置換基(a)含有前駆体/置換基(b)含有前駆体の数の上限は、好ましくは3個、より好ましくは2.5個である。このような点を考慮すると、前記置換基(a)含有前駆体/置換基(b)含有前駆体の合計使用量の下限は、フタロニトリル誘導体1モルに対して、好ましくは0.5モル、より好ましくは0.75モルである。また、前記置換基(a)含有前駆体/置換基(b)含有前駆体の合計使用量の上限は、フタロニトリル誘導体1モルに対して、好ましくは6.0モル、より好ましくは4.0モル、特に好ましくは3.0モルである。
上記フタロニトリル誘導体と前駆体との反応は、無溶媒下であるいは有機溶媒中で行われてもよいが、好ましくは有機溶媒中で行なわれる。この際使用できる有機溶媒としては、アセトニトリル及びベンゾニトリル等のニトリル;アセトン及び2−ブタノン等の極性溶媒などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、アセトニトリル、ベンゾニトリル及びアセトンである。溶媒を使用する際の有機溶媒の使用量は、フタロニトリル誘導体の濃度が、通常、2〜40質量%、好ましくは5〜30質量%となるような量である。また、このフタロニトリル誘導体と前駆体との反応は、反応中に発生するハロゲン化水素(例えば、塩化水素やフッ化水素)等を除去するために、これらのトラップ剤を使用することが好ましい。トラップ剤を使用する際の具体的なトラップ剤の例としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム及び炭酸マグネシウムなどが挙げられ、これらのうち、炭酸カリウム、炭酸カルシウム及び水酸化カルシウムが好ましい。また、トラップ剤を使用する際のトラップ剤の使用量は、反応中に発生するハロゲン化水素等を効率良く除去できる量であれば特に制限されないが、フタロニトリル誘導体1モルに対して、通常1.0〜4.0モル、好ましくは1.1〜2.5モルである。
また、上記フタロニトリル誘導体と前駆体との反応条件は、両者の反応が進行して所望のフタロニトリル化合物を得られる条件であれば特に制限されない。具体的には、反応温度は、通常、20〜150℃、好ましくは60〜95℃である。また、反応時間は、通常、0.5〜60時間、好ましくは1〜50時間である。
上記反応により、上記式(I)〜(IV)のフタロニトリル化合物(1)〜(4)が得られるが、反応後は、従来公知の方法に従って、晶析、ろ過、洗浄、乾燥を行なってもよい。このような操作により、フタロニトリル化合物を効率よく、しかも高純度で得ることができる。
次に、環化反応は、式(I)〜(IV)のフタロニトリル化合物(1)〜(4)と金属、金属酸化物、金属カルボニル、金属ハロゲン化物及び有機酸金属からなる群から選ばれる一種を溶融状態または有機溶媒中で反応させることが好ましい。この際使用できる金属、金属酸化物、金属カルボニル、金属ハロゲン化物及び有機酸金属としては、反応後に得られる式(1)のフタロシアニン化合物のMに相当するものが得られるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、上記式(1)におけるMの項で列挙された鉄、マグネシウム、ニッケル、コバルト、銅、パラジウム、亜鉛、バナジウム、チタン、インジウム及びスズ等の金属、当該金属の、塩化物、臭化物、ヨウ化物等の金属ハロゲン化合物、酸化バナジウム、酸化チタニル及び酸化銅等の金属酸化物、酢酸塩等の有機酸金属、ならびにアセチルアセトナート等の錯体化合物及びカルボニル鉄等の金属カルボニル等が挙げられる。具体的には、塩化バナジウム、塩化チタン、塩化銅、塩化亜鉛、塩化コバルト、塩化ニッケル、塩化鉄、塩化インジウム、塩化アルミニウム、塩化錫、塩化ゲルマニウム、塩化マグネシウム、ヨウ化銅、ヨウ化亜鉛、ヨウ化コバルト、ヨウ化インジウム、ヨウ化アルミニウム、臭化銅、臭化亜鉛、臭化コバルト、臭化アルミニウム、等の金属ハロゲン化物;一酸化バナジウム、三酸化バナジウム、四酸化バナジウム、五酸化バナジウム、二酸化チタン、一酸化鉄、三二酸化鉄、四三酸化鉄、酸化マンガン、一酸化ニッケル、一酸化コバルト、三二酸化コバルト、二酸化コバルト、酸化第一銅、酸化第二銅、三二酸化銅、酸化パラジウム及び酸化亜鉛、等の金属酸化物;酢酸銅、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、安息香酸銅、安息香酸亜鉛等の有機酸金属;ならびにアセチルアセトナート等の錯体化合物及びコバルトカルボニル、鉄カルボニル、ニッケルカルボニル等の金属カルボニルなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは金属、金属酸化物及び金属ハロゲン化物であり、より好ましくは金属ハロゲン化物であり、さらに好ましくは、ヨウ化アルミニウム、塩化銅およびヨウ化亜鉛であり、より好ましくは、塩化銅およびヨウ化亜鉛であり、特に好ましくはヨウ化亜鉛である。ヨウ化亜鉛を用いる場合、中心金属は、亜鉛ということになる。金属ハロゲン化物のうち、ヨウ化物を用いることが好適な理由は、溶剤や樹脂に対する溶解性に優れ、得られるフタロシアニン化合物のスペクトルがシャープであり、所望の波長に収まりやすいためである。環化反応の際にヨウ化物を用いた場合にスペクトルがシャープになる詳細なメカニズムは不明であるが、ヨウ化物を用いた場合、反応後にフタロシアニン化合物中に残存するヨウ素が、フタロシアニン化合物と何らかの相互作用を起こして、フタロシアニン化合物の層間にヨウ素が存在するようになるためであると推定される。しかしながら、上記メカニズムに限定されるものではない。環化反応に金属ヨウ化物を用いた場合と同様の効果を得るために、得られたフタロシアニン化合物をヨウ素で処理してもよい。
また、上記態様において、また、環化反応は、無溶媒中でも行なえるが、有機溶媒を使用して行なうのが好ましい。有機溶媒は、出発原料としてのフタロニトリル化合物との反応性の低い、好ましくは反応性を示さない不活性な溶媒であればいずれでもよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、モノクロロベンゼン、o−クロロトルエン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、1−クロロナフタレン、1−メチルナフタレン、エチレングリコール、およびベンゾニトリル等の不活性溶媒;メタノール、エタノール、1−プロパノ−ル、2−プロパノ−ル、1−ブタノール、1−ヘキサノール、1−ペンタノール、1−オクタノール等のアルコール;ならびにピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトフェノン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、1−クロロナフタレン、1−メチルナフタレン、1−オクタノール、ジクロロベンゼンおよびベンゾニトリルが、より好ましくは、1−オクタノール、ジクロロベンゼンおよびベンゾニトリルが使用される。これらの溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
上記態様における式(I)〜(IV)のフタロニトリル化合物(1)〜(4)と金属化合物との反応条件は、当該反応が進行する条件であれば特に制限されるものではないが、例えば、有機溶媒100質量部に対して、上記フタロニトリル化合物(1)〜(4)を1〜500質量部、好ましくは10〜350質量部の範囲の合計量で、かつ金属化合物を該フタロニトリル化合物4モルに対して、好ましくは0.8〜2.0モル、より好ましくは1.0〜1.5モルの範囲で仕込む。環化の際は、特に限定されるものではないが、好ましくは反応温度30〜250℃、より好ましくは80〜200℃の範囲で反応させる。反応時間は、特に限定されるものではないが、好ましくは3〜20時間である。また、上記反応は、大気雰囲気中で行なってもよいが、不活性ガス雰囲気(例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなどの流通下)で、行なわれることが好ましい。
上記環化反応後は、従来公知の方法に従って、晶析、ろ過、洗浄、乾燥を行なってもよい。このような操作により、フタロシアニン化合物を効率よく、しかも高純度で得ることができる。
本発明のフタロシアニン化合物は、有機溶媒、特にエーテル系溶媒との相溶性に優れるため、種々の用途に用いることができる。
本発明のフタロシアニン化合物は、半透明ないし透明性を有しかつ熱線を遮蔽する目的の熱線遮蔽材、自動車用の熱線吸収合わせガラス、熱線遮蔽フィルムまたは熱線遮蔽樹脂ガラス、可視光線透過率が高くかつ近赤外線光のカット効率の高いプラズマディスプレー用フィルター、フラッシュ定着などの非接触定着トナー用の近赤外線吸収剤として、また、保温蓄熱繊維用の近赤外線吸収剤、赤外線による偵察に対し偽装性能(カモフラージュ性能)を有する繊維用の赤外吸収剤、半導体レーザーを使う光記録媒体、キセノンランプをバックライトとする液晶ディスプレイ用フィルター、光学文字読取機等における書き込みあるいは読み取りの為の近赤外線吸収色素、近赤外光増感剤、感熱転写・感熱孔版等の光熱交換剤、レーザービームを使用して樹脂を熱融着させるレーザー融着用の光熱交換剤、近赤外線吸収フィルター、眼精疲労防止剤あるいは光導電材料等、さらに組織透過性の良い長波長域の光に吸収を持つ腫瘍治療用感光性色素、カラーブラウン管選択吸収フィルター、カラートナー、インクジェット用インク、改ざん偽造防止用インク、改ざん偽造防止用バーコード用インク、近赤外吸収インク、写真やフィルムの位置決め用マーキング剤、およびゴーグルのレンズや遮蔽板、プラスチックリサイクルの際の仕分け用の染色剤、ならびにPETボトルの成形加工時のプレヒーティング助剤などに用いる際に優れた効果を発揮するものである。特に上記した特性を考慮すると、本発明のフタロシアニン化合物は、熱線遮蔽材、フラットディスプレー用フィルター及び近赤外吸収材に好適に使用できる。
上記したような特定の構造を有するフタロシアニン化合物は、640〜750nmという特定の波長域で最大吸収波長を示すため、これらの領域の光を選択的にカットすることが可能である。このため、本発明のフタロシアニン化合物は、フラットパネルディスプレイに使用されると、例えば、PDPやLCDが放つ無用の近赤外域(700〜750nm)の光や、いわゆる深紅と呼ばれる不純な赤色の波長(640〜700nm)の光をカットし、例えば光通信システムの誤作動誘発を防止し、また同時に鮮明な赤色を再現するといった効果を発揮できるといった効果が期待される。また、特にPDPは710nm付近に余分な大きな発光が見られるので、710nmの光を吸収し、かつ520nmなどの可視光の透過率が高い本発明のフタロシアニン化合物は有用である。
したがって、本発明は、フタロシアニン化合物を含む、フラットパネルディスプレイ用フィルターにも関する。フラットパネルディスプレイ用フィルターの用途としては、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイに用いられることが好適であり、特にプラズマディスプレイに用いることが好適である。
本発明のフィルターは、フタロシアニン化合物を含有することが必須であるが、他の最大吸収波長を有する色素をさらに含んでもよい。
このような場合に使用できる他の色素としては、用途によって所望される最大吸収波長によって適宜選択されるが、例えば、800〜1000nmの近赤外吸収色素や570〜600nmのオレンジ色のネオン光を吸収する色素などが挙げられる。これらのうち、800〜1000nmの近赤外吸収色素としては、シアニン系色素、フタロシアニン系色素、ニッケル錯体系色素、ジイモニウム系色素などが挙げられる。
本発明のフィルターは、フタロシアニン化合物を含有することが必須であるが、600〜750nmに最大吸収波長を有する色素をさらに含んでいてもよい。このような色素としては、具体的には、下記式で示されるような1−エチル−2−[3−クロロ−5−(1−エチル−2(1H)−キノリニリデン)−1,3−ペンタジエニル]キノリウムブロミド(106倍;λmax:694.4nm)、1,3,3−トリメチル−2−[5−(1,3,3−トリメチル−2(1H)−ベンズ[e]インドリニリデン)−1,3−ペンタジエニル]−3H−ベンズ[e]インドリニウムパークロレート(119倍;λmax:675.6nm)、3−エチル−2−[5−(3−エチル−2−ベンゾチアゾリニリデン)−1,3−ペンタジエニル]ベンゾチアゾリウムヨージド(475倍;λmax:651.6nm)等のシアニン系色素などが挙げられる。なお、上記において、括弧内の倍率は、460nmの吸光度に対する最大吸収波長における吸光度の倍率であり、また、括弧内に、最大吸収波長(λmax)を示す。なお、上記他の色素は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
本発明のフラットパネルディスプレイ用フィルターは、フラットパネルディスプレイ用フィルターにおいて使用することのできる色素/フタロシアニン色素(以下、単に「色素/フタロシアニン色素」とも称する)を基材に含有してなるもので、本発明でいう基材に含有するとは、基材の内部に含有されることはもちろんのこと、基材の表面に塗布した状態、基材と基材の間に挟まれた状態などを意味する。基材としては、透明樹脂板、透明フィルム、透明ガラス等が挙げられる。上記フタロシアニン化合物を用いて、本発明のフラットパネルディスプレイ用フィルターを作製する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の3つの方法が利用できる。
すなわち、(1)樹脂に色素/フタロシアニン色素を混練し、加熱成形して樹脂板あるいはフィルムを作製する方法;(2)色素/フタロシアニン色素を含有する塗料(液状ないしペースト状物)を作製し、透明樹脂板、透明フィルムあるいは透明ガラス板上にコーティングする方法;(3)色素/フタロシアニン色素を接着剤に含有させて、合わせ樹脂板、合わせ樹脂フィルム、合わせガラス等を作製する方法;および(4)色素/フタロシアニン色素を接着剤に含有させて、これを反射防止処理を施したフィルムなどに塗布し、PDPパネルやPDP前面フィルタガラスに貼り付ける方法等である。
本発明において、ディスプレーからでる近赤外線光をカットするためにディスプレーの前面に設置するため、可視光線の透過率が低いと、画像の鮮明さが低下するため、フィルターの可視光線の透過率は高いほど良く、少なくとも40%、好ましくは60%以上必要である。また、近赤外線光のカット領域は、750〜1100nm、好ましくは800〜1000nmであり、その領域の平均光線透過率が20%以下、好ましくは15%以下になるように設計する。このために必要であれば、色素/フタロシアニン色素を2種以上組み合わせてもよい。また、フィルターの色調を変えるために、可視領域に吸収を持つ他の色素を加えることも好ましい。また、色調用色素のみを含有するフィルターを作製し、後で貼り合わせることもできる。特にスパッタリングなどの電磁波カット層を設けた場合、元のフィルター色に比べて色合いが大きく異なる場合があるため、色調は重要である。
以下、実施例および比較例を説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、下記化合物の名称において、Pcはフタロシアニン核を、PNはフタロニトリルを表す。また、下記化合物の名称において、「α−(置換基A),β−(置換基A)x−aPN(0<a<x)」あるいは「α−(置換基A),β−(置換基A)x−aPc(0<a<x)」と、記載されるのは、得られるフタロニトリル化合物あるいはフタロシアニン化合物は、α位に平均a個およびβ位に平均x−a個の置換基Aが導入されていることを意味し、即ち、α位及びβ位に合計x個の置換基Aが導入されていることを意味する。このため、例えば、合成例2の「α−{(4−CN)CO},β−{(4−CN)CO}1.5−aCl2.5PN(0≦a<1)」は、フタロニトリル化合物は、フタロシアニン骨格とした際の、α位に相当する位置に平均a個の4−シアノフェノキシ基が、β位に相当する位置に平均1.5−a個の4−シアノフェノキシ基が、および残位に塩素原子が導入された構造を有することを表わす。同様にして、例えば、実施例1の「ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−CN)CO}4−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl(0≦x<2,0≦y<4)」は、フタロシアニン骨格の、α位にx個の4−シアノフェノキシ基及びy個のp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ由来の基が、β位に4−x個の4−シアノフェノキシ基及び4−y個のp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ由来の基が、および残位に塩素原子が導入された構造を有することを表わす。即ち、実施例1のフタロシアニン化合物の16個の置換基は、4個の4−シアノフェノキシ基、4個のp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ由来の基、及び8個塩素原子から構成される。
合成例1:フタロニトリル化合物[α−{(4−CN)CO},β−{(4−CN)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体1)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル(以降、「TCPN」と略記する)15.95g(0.06モル)と4−シアノフェノール7.50g(0.063モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル63.82gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約7時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理により溶剤を溜去した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約20.3g(TCPNに対する収率100.1モル%)を得た。
合成例2:フタロニトリル化合物[α−{(4−CN)CO},β−{(4−CN)CO}1.5−aCl2.5PN](0≦a<1.5)(中間体2)の合成
150mlフラスコに、TCPN 18.61g(0.07モル)と4−シアノフェノール12.51g(0.105モル)、炭酸カリウム15.96g(0.116モル)、アセトニトリル74.45gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約26.57g(TCPNに対する収率97.0モル%)を得た。
合成例3:フタロニトリル化合物[α−{(4−CN)CO},β−{(4−CN)CO}2−aClPN](0≦a<2)(中間体3)の合成
150mlフラスコに、TCPN 7.98g(0.03モル)と4−シアノフェノール7.15g(0.06モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約15.12g(TCPNに対する収率99.2モル%)を得た。
合成例4:フタロニトリル化合物[α−{(4−NO)CO},β−{(4−NO)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体4)の合成
150mlフラスコに、TCPN 14.63g(0.055モル)と4−ニトロフェノール7.65g(0.055モル)、炭酸カリウム8.36g(0.061モル)、アセトニトリル58.50gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約1時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約20.17g(TCPNに対する収率99.5モル%)を得た。
合成例5:フタロニトリル化合物[α−{(2,4−Cl)CS},β−{(2,4−Cl)CS}1−aClPN](0≦a<1)(中間体5)の合成
150mlフラスコに、TCPN 7.00g(0.0263モル)と2,4−ジクロロチオフェノール4.71g(0.0263モル)、炭酸カリウム4.0g(0.029モル)、アセトニトリル25gを投入し、内温70℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約10.25g(TCPNに対する収率モル95.4%)が得られた。
合成例6:フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCH)CS},β−
{(2−COOCH)CS}1−aClPN](0≦a<1)(中間体6)の合成
150mlフラスコに、TCPN 10.0g(0.0376モル)とチオサリチル酸メチル6.33g(0.0376モル)、炭酸カリウム5.72g(0.0414モル)、アセトン36gを投入し、内温65℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約21時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得られた溶液を蒸留水300ml中へ滴下投入して結晶を析出させた。吸引ろ過後、得られた結晶を蒸留水150ml中で洗浄後、メタノール100mlを追加してさらに洗浄した。吸引ろ過後、得られた結晶をメタノール80mlにてふたたび洗浄処理した。吸引ろ過の後、60℃にて真空乾燥処理して約12.3g(TCPNに対する収率82.3モル%)が得られた。
合成例7:フタロニトリル化合物[α−{(2,4,6−Cl)CO},β−{(2,4,6−Cl)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体7)の合成
150mlフラスコに、TCPN 13.30g(0.05モル)と2,4,6−トリクロロフェノール9.87g(0.05モル)、炭酸カリウム7.60g(0.05モル)、アセトニトリル53.18gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約19.89g(TCPNに対する収率93.2モル%)が得られた。
合成例8:フタロニトリル化合物[α−{(4−OCH)CO},β−{(4−OCH)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体8)の合成
150mlフラスコに、TCPN 7.98g(0.03モル)と4−メトキシフェノール3.72g(0.03モル)、炭酸カリウム4.56g(0.033モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約4時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約10.5g(TCPNに対する収率99.0モル%)が得られた。
合成例9:フタロニトリル化合物[α−{(4−C(CH)CO},β−{(4−C(CH)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体9)の合成
150mlフラスコに、TCPN 7.98g(0.03モル)と4−tert−ブチルフェノール4.51g(0.03モル)、炭酸カリウム4.56g(0.033モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約4時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約10.8g(TCPNに対する収率94.8モル%)が得られた。
合成例10:フタロニトリル化合物[α−{(4−Cl)CO},β−{(4−Cl)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体10)の合成
150mlフラスコに、TCPN 15.95g(0.06モル)と4−クロロフェノール8.10g(0.063モル)、炭酸カリウム9.58g(0.069モル)、アセトニトリル63.82gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約3時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約20.5g(TCPNに対する収率98.3モル%)が得られた。
合成例11:フタロニトリル化合物[α−{(2,6−Cl)CO},β−{(2,6−Cl)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体11)の合成
150mlフラスコに、TCPN 14.63g(0.055モル)と2,6−ジクロロフェノール9.41g(0.058モル)、炭酸カリウム8.78g(0.064モル)、アセトニトリル58.50gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約3時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約9.06g(TCPNに対する収率43.1モル%)が得られた。
合成例12:フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCH−4−OCH)CO},β−{(2−COOCH−4−OCH)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体12)の合成
150mlフラスコに、TCPN 4.79g(0.018モル)と4−メトキシサリチル酸メチル3.28g(0.018モル)、炭酸カリウム2.74g(0.02モル)、アセトニトリル19.15gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約7.34g(TCPNに対する収率99.1モル%)が得られた。
合成例13:フタロニトリル化合物[α−{(2,6−OCH)CO},β−{(2,6−OCH)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体13)の合成
150mlフラスコに、TCPN 9.84g(0.037モル)と2,6−ジメトキシフェノール5.99g(0.039モル)、炭酸カリウム5.91g(0.043モル)、アセトニトリル39.35gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約14.1g(TCPNに対する収率101.8モル%)が得られた。
合成例14:フタロニトリル化合物[α−(CO),β−(CO)1−aClPN](0≦a<1)(中間体14)の合成
150mlフラスコに、TCPN 7.98g(0.03モル)とペンタフルオロフェノール5.52g(0.03モル)、炭酸カリウム4.56g(0.033モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約4時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約12.39g(TCPNに対する収率99.9モル%)が得られた。
合成例15:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体15)の合成
150mlフラスコに、TCPN 10.64g(0.04モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ7.85g(0.04モル)、炭酸カリウム6.08g(0.044モル)、アセトニトリル42.55gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約16.8g(TCPNに対する収率98.7モル%)が得られた。
合成例16:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}1.5−aCl2.5PN](0≦a<1.5)(中間体16)の合成
150mlフラスコに、TCPN 7.98g(0.03モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ8.83g(0.045モル)、炭酸カリウム4.56g(0.033モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約12.78g(TCPNに対する収率84.3モル%)が得られた。
合成例17:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}1.75−aCl2.25
PN](0≦a<1.75)(中間体17)の合成
150mlフラスコに、TCPN 10.64g(0.04モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ13.73g(0.07モル)、炭酸カリウム10.64g(0.077モル)、アセトニトリル42.55gを投入し、内温70℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約22.2g(TCPNに対する収率101.1モル%)が得られた。
合成例18:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}2−aClPN](0≦a<2)(中間体18)の合成
150mlフラスコに、TCPN 31.38g(0.118モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ46.30g(0.236モル)、炭酸カリウム35.88g(0.260モル)、アセトニトリル125.51gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約68.1g(TCPNに対する収率98.6モル%)が得られた。
合成例19:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}2.5−aCl1.5PN](0≦a<2.5)(中間体19)の合成
150mlフラスコに、TCPN 7.98g(0.03モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ14.72g(0.075モル)、炭酸カリウム4.56g(0.033モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約19.6g(TCPNに対する収率98.4モル%)が得られた。
合成例20:フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCOCH)C10O},β−{(2−COOCOCH)C10O}1−aClPN](0≦a<1)(中間体20)の合成
150mlフラスコに、TCPN 7.98g(0.03モル)と1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルセルソルブ9.69g(0.032モル)、炭酸カリウム4.79g(0.035モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約16.0g(TCPNに対する収率112.1モル%)が得られた。
合成例21:フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCOCH)C10O},β−{(2−COOCOCH)C10O}1.5−aCl2.5PN](0≦a<1.5)(中間体21)の合成
150mlフラスコに、TCPN 3.56g(0.013モル)と1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルセルソルブ6.18g(0.02モル)、炭酸カリウム3.06g(0.022モル)、アセトニトリル14.25gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約7時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約8.3g(TCPNに対する収率106.7モル%)が得られた。
合成例22:フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCOCH)C10O},β−{(2−COOCOCH)C10O}2−aClPN](0≦a<2)(中間体22)の合成
150mlフラスコに、TCPN 7.98g(0.03モル)と1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルセルソルブ18.46g(0.06モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約23.1g(TCPNに対する収率112.3モル%)が得られた。
合成例23:フタロニトリル化合物[α−{(2−CHO−4−COOCOCH)CO},β−{(2−CHO−4−COOCOCH)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体23)の合成
150mlフラスコに、TCPN 7.98g(0.03モル)とバニリン酸メチルセルソルブ6.79g(0.03モル)、炭酸カリウム4.56g(0.033モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約13.7g(TCPNに対する収率100.2モル%)が得られた。
合成例24:フタロニトリル化合物[α−{(2−CHO−4−COOCOCH)CO},β−{(2−CHO−4−COOCOCH)CO}2−aClPN](0≦a<2)(中間体24)の合成
150mlフラスコに、TCPN 4.71g(0.018モル)とバニリン酸メチルセルソルブ8.01g(0.035モル)、炭酸カリウム5.38g(0.039モル)、アセトニトリル18.83gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約11.4g(TCPNに対する収率99.8モル%)が得られた。
合成例25:フタロニトリル化合物[α−{(2−OCH−4−COOCOCH)CO},β−{(2−OCH−4−COOCOCH)CO}1.4−aCl2.6PN](0≦a<1.4)(中間体25)の合成
150mlフラスコに、TCPN13.30g(0.050モル)とバニリン酸メチルセルソルブ16.41g(0.070モル)、炭酸カリウム10.64g(0.077モル)、アセトニトリル53.18gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約3時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約26.8g(TCPNに対する収率100.7モル%)が得られた。
合成例26:フタロニトリル化合物[α−{(2−CHO−5−NO)CO},β−{(2−CHO−5−NO)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体26)の合成
150mlフラスコに、TCPN10.64g(0.040モル)と5−ニトログアヤコール6.77g(0.040モル)、炭酸カリウム6.08g(0.044モル)、アセトニトリル42.55gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2.5時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約5.4g(TCPNに対する収率33.9モル%)が得られた。
合成例27:フタロニトリル化合物[α−{(7−C)O},β−{(7−C)O}1−aClPN](0≦a<1)(中間体27)の合成
150mlフラスコに、TCPN15.95g(0.060モル)と7−ヒドロキシクマリン9.73g(0.060モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル63.82gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約3時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約15.9g(TCPNに対する収率67.7モル%)が得られた。
合成例28:フタロニトリル化合物[α−{(CO)O},β−{(CO)O}1−aClPN](0≦a<1)(中間体28)の合成
150mlフラスコに、TCPN6.65g(0.025モル)と2,3−ジヒドロキシキノキサリン4.05g(0.025モル)、炭酸カリウム3.80g(0.028モル)、アセトニトリル26.59gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約4.1g(TCPNに対する収率41.7モル%)が得られた。
合成例29:フタロニトリル化合物[α−{(2−OCH−4−COOCOCH)CO},β−{(2−OCH−4−COOCOCH)CO}1.5−aCl2.5PN](0≦a<1.5)(中間体29)の合成
150mlフラスコに、TCPN10.64g(0.040モル)とバニリン酸メチルセルソルブ14.02g(0.060モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル42.55gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約4時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約22.6g(TCPNに対する収率102.6モル%)が得られた。
合成例30:フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCOCH)C10−6−O},β−{(2−COOCOCH)C10−6−O}1−aClPN](0≦a<1)(中間体30)の合成
150mlフラスコに、TCPN9.31g(0.035モル)と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルセルソルブ9.05g(0.037モル)、炭酸カリウム5.32g(0.039モル)、アセトニトリル37.23gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約4時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約16.50g(TCPNに対する収率99.1モル%)が得られた。
合成例31:フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCOCH)C10−3−O},β−{(2−COOCOCH)C10−3−O}1−aClPN](0≦a<1)(中間体31)の合成
150mlフラスコに、TCPN10.64g(0.040モル)と3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルセルソルブ10.34g(0.042モル)、炭酸カリウム6.08g(0.044モル)、アセトニトリル42.55gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約18.42g(TCPNに対する収率96.8モル%)が得られた。
合成例32:フタロニトリル化合物[α−{(CHCH(OCH)COOC)CS},β−{(CHCH(OCH)COOC)CS}1−aClPN](0≦a<1)(中間体32)の合成
150mlフラスコに、TCPN10g(0.0376モル)と3−メルカプトプロピオン酸3−メトキシブチル7.23g(0.0376モル)、ベンゾニトリル35gを投入し、マグネチックスターラーを用いて内温が100℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム5.72g(0.0414モル)を投入して約6時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約15.5g(TCPNに対する収率97.7モル%)が得られた。
合成例33:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}0.875−aCl3.125PN](0≦a<0.875)(中間体33)の合成
150mlフラスコに、TCPN7.98g(0.030モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ5.15g(0.026モル)、炭酸カリウム3.99g(0.029モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約1時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約12.1g(TCPNに対する収率99.4モル%)が得られた。
合成例34:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}0.75−aCl3.25PN](0≦a<0.75)(中間体34)の合成
150mlフラスコに、TCPN7.98g(0.030モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ4.41g(0.023モル)、炭酸カリウム3.42g(0.025モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約1.5時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約11.47g(TCPNに対する収率99.1モル%)が得られた。
合成例35:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCH)CO},β−{(4−COOCH)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体35)の合成
150mlフラスコに、TCPN7.98g(0.030モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチル4.56g(0.030モル)、炭酸カリウム4.56g(0.033モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約1時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約11.67g(TCPNに対する収率101.9モル%)が得られた。
合成例36:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(4−NO)CS}b,β−{(4−COOCOCH)CO}1−a,β−{(4−NO)CS}0.25−bCl2.75PN](0≦a<1,0≦b<0.25)(中間体36)の合成
150mlフラスコに、TCPN5.32g(0.020モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ3.92g(0.020モル)、アセトニトリル21.27gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム3.80g(0.028モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに4−ニトロチオフェノール0.78g(0.005モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約9.1g(TCPNに対する収率99.5モル%)が得られた。
合成例37:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(4−Cl)CS}b,β−{(4−COOCOCH)CO}1−a,β−{(4−Cl)CS}0.25−bCl2.75PN](0≦a<1,0≦b<0.25)(中間体37)の合成
150mlフラスコに、TCPN5.32g(0.020モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ3.92g(0.020モル)、アセトニトリル21.27gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム3.80g(0.028モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに4−クロロチオフェノール0.72g(0.005モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約9.3g(TCPNに対する収率102.5モル%)が得られた。
合成例38:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−(CS)b,β−{(4−COOCOCH)CO}1−a,β−(CS)0.25−bCl2.75PN](0≦a<1,0≦b<0.25)(中間体38)の合成
150mlフラスコに、TCPN5.32g(0.020モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ3.92g(0.020モル)、アセトニトリル21.27gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム3.80g(0.028モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコにチオフェノール0.55g(0.005モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約9.7g(TCPNに対する収率109.5モル%)が得られた。
合成例39:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−(CClS)b,β−{(4−COOCOCH)CO}1−a,β−(CClS)0.25−bCl2.75PN](0≦a<1,0≦b<0.25)(中間体39)の合成
150mlフラスコに、TCPN5.32g(0.020モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ3.92g(0.020モル)、アセトニトリル21.27gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム3.80g(0.028モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコにペンタクロロチオフェノール1.41g(0.005モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約8.6g(TCPNに対する収率87.9モル%)が得られた。
合成例40:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(4−OCH)CS}b,β−{(4−COOCOCH)CO}1−a,β−{(4−OCH)CS}0.25−bCl2.75PN](0≦a<1,0≦b<0.25)(中間体40)の合成
150mlフラスコに、TCPN5.32g(0.020モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ3.92g(0.020モル)、アセトニトリル21.27gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム3.80g(0.028モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに4−メトキシベンゼンチオール0.70g(0.005モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約9.1g(TCPNに対する収率100.2モル%)が得られた。
合成例41:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(C10)−2−S}b,β−{(4−COOCOCH)CO}1−a,β−{(C10)−2−S}0.25−bCl2.75PN](0≦a<1,0≦b<0.25)(中間体41)の合成
150mlフラスコに、TCPN5.32g(0.020モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ3.92g(0.020モル)、アセトニトリル21.27gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム3.80g(0.028モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコにβ−ナフタレンチオール0.80g(0.005モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約9.4g(TCPNに対する収率103.0モル%)が得られた。
合成例42:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(2,6−Cl)CS}b,β−{(4−COOCOCH)CO}1−a,β−{(2,6−Cl)CS}0.25−bCl2.75PN](0≦a<1,0≦b<0.25)(中間体42)の合成
150mlフラスコに、TCPN5.32g(0.020モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ3.92g(0.020モル)、アセトニトリル21.27gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム3.80g(0.028モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに2,6−ジクロロチオフェノール0.90g(0.005モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約9.3g(TCPNに対する収率100.9モル%)が得られた。
合成例43:フタロニトリル化合物[α−{(2−OCH−4−COOCOCH)CO},α−{(2,6−Cl)CS}b,β−{(2−OCH−4−COOCOCH)CO}0.8−a,β−{(2,6−Cl)CS}0.1−bCl3.1PN](0≦a<0.8,0≦b<0.1)(中間体43)の合成
150mlフラスコに、TCPN5.32g(0.020モル)とバニリン酸メチルセルソルブ3.89g(0.016モル)、アセトニトリル21.27gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム2.74g(0.020モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに2,6−ジクロロチオフェノール0.36g(0.002モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約9.1g(TCPNに対する収率105.1モル%)が得られた。
合成例44:フタロニトリル化合物[α−{(2−OCH−4−COOCOCH)CO},α−{((OCSi)CS}b,β−{(2−OCH−4−COOCOCH)CO}1−a,β−{((OCSi)CS}0.25−bCl2.75PN](0≦a<1,0≦b<0.25)(中間体44)の合成
150mlフラスコに、TCPN6.65g(0.025モル)とバニリン酸メチルセルソルブ5.66g(0.025モル)、アセトニトリル26.59gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム4.75g(0.034モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン1.49g(0.006モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約12.6g(TCPNに対する収率99.9モル%)が得られた。
合成例45:フタロニトリル化合物[α−{(2−OCH−4−COOCOCH)CO},α−{(CH(OCSi)CS}b,β−{(2−OCH−4−COOCOCH)CO}1−a,β−{(CH(OCSi)CS}0.25−bCl2.75PN](0≦a<1,0≦b<0.25)(中間体45)の合成
150mlフラスコに、TCPN6.65g(0.025モル)とバニリン酸メチルセルソルブ5.66g(0.025モル)、アセトニトリル26.59gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム4.75g(0.034モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに(3−メルカプトプロピル)ジメトキシメチルシラン1.13g(0.006モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約12.0g(TCPNに対する収率97.5モル%)が得られた。
合成例46:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(2,6−(CH)CO}b,β−{(4−COOCOCH)CO}0.8−a,β−{(2,6−(CH)CO})0.2−bClPN](0≦a<0.8,0≦b<0.2)(中間体46)の合成
150mlフラスコに、TCPN6.65g(0.025モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ4.91g(0.025モル)、アセトニトリル26.59gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム3.8g(0.0275モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに2,6−キシレノール0.61g(0.005モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約11.1g(TCPNに対する収率108.2モル%)が得られた。
合成例47:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(2−C(CH)CO}b,β−{(4−COOCOCH)CO}1−a,β−{(2−C(CH)CO}0.25−bCl2.75PN](0≦a<1,0≦b<0.25)(中間体47)の合成
150mlフラスコに、TCPN6.65g(0.025モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ4.91g(0.025モル)、アセトニトリル26.59gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム4.75g(0.0344モル)を投入して約3.5時間反応させた。反応後、フラスコに2−tert−ブチルフェノール0.94g(0.006モル)を投入して、さらに約4.5時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約11.3g(TCPNに対する収率99.6モル%)が得られた。
合成例48:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(2,6−Cl)CS}b,β−{(4−COOCOCH)CO}0.8−a,β−{(2,6−Cl)CS}0.1−bCl3.1PN](0≦a<0.8,0≦b<0.1)(中間体48)の合成
150mlフラスコに、TCPN5.32g(0.020モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ3.14g(0.016モル)、アセトニトリル21.27gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム2.74g(0.02モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに2,6−ジクロロチオフェノール0.36g(0.002モル)を投入して、さらに約4時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約8.4g(TCPNに対する収率102.5モル%)が得られた。
合成例49:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(2,6−Cl)CS}b,α−{(4−CN)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}0.7−a,β−{(2,6−Cl)CS}0.2−b,β−{(4−CN)CO}0.1−cClPN}(0≦a<0.7,0≦b<0.2,0≦c<0.1)(中間体49)の合成
150mlフラスコに、TCPN5.32g(0.020モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ2.75g(0.014モル)、アセトニトリル21.27gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム3.04g(0.022モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに4−シアノフェノール0.24g(0.002モル)を投入して、さらに約1時間反応をさせた。反応後、フラスコに2,6−ジクロロチオフェノール0.72g(0.004モル)を投入して、さらに約1時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約8.2g(TCPNに対する収率99.0モル%)が得られた。
合成例50:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(2,6−Cl)CS}b,α−{(2−COOCOCH)C10O},β−{(4−COOCOCH)CO}0.7−a,β−{(2,6−Cl)CS}0.2−b,β−{(2−COOCOCH)C10O}0.1−cClPN](0≦a<0.7,0≦b<0.2,0≦c<0.1)(中間体50)の合成
150mlフラスコに、TCPN7.45g(0.028モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ3.85g(0.020モル)、アセトニトリル29.78gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム4.26g(0.031モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルセルソルブ0.75g(0.003モル)を投入して、さらに約2時間反応をさせた。反応後、フラスコに2,6−ジクロロチオフェノール1.00g(0.006モル)を投入して、さらに約2時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約11.4g(TCPNに対する収率95.1モル%)が得られた。
合成例51:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}0.65−aCl3.35PN](0≦a<0.65)(中間体51)の合成
150mlフラスコに、TCPN22.60g(0.085モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ10.95g(0.015モル)、炭酸カリウム8.40g(0.061モル)、ベンゾニトリル70.07gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約31.7g(TCPNに対する収率100.7モル%)が得られた。
合成例52:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}0.5−aCl3.5PN](0≦a<0.5)(中間体52)の合成
150mlフラスコに、TCPN10.64g(0.040モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ3.96g(0.020モル)、炭酸カリウム3.04g(0.022モル)、ベンゾニトリル32.97gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約1時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約13.9g(TCPNに対する収率100.6モル%)が得られた。
合成例53:フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCOCH)CO},β−{(2−COOCOCH)CO}2−aClPN](0≦a<2)(中間体53)の合成
150mlフラスコに、TCPN16.03g(0.060モル)とサリチル酸メチルセルソルブ23.87g(0.120モル)、炭酸カリウム18.24g(0.132モル)、アセトニトリル63.97gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約35.0g(TCPNに対する収率99.7モル%)が得られた。
合成例54:フタロニトリル化合物[β−{(2−COOCH)CO}PN](中間体54)の合成
150mlフラスコに、4−ニトロフタロニトリル25.10g(0.145モル)とサリチル酸メチル30.89g(0.203モル)、炭酸カリウム22.04g(0.16モル)、n−テトラブチルアンモニウムブロマイド0.93g(0.003モル)、アセトニトリル100.42gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約40時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール50gと水150gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール200gと水200gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約34.8g(4−ニトロフタロニトリルに対する収率86.3モル%)が得られた。
実施例1:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−CN)CO}4−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl](0≦x<4,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例3で得られた中間体3、2.59g(0.006モル)、合成例18で得られた中間体18、3.51g(0.006モル)、ヨウ化亜鉛1.05g(0.003モル)、ベンゾニトリル5.62gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。
冷却後、フタロシアニン化反応に使用した中間体重量の和(6.1g)相当するアセトンを加え、攪拌・添加することで晶析溶液を調製した。次に、調製した晶析溶液をフタロシアニン化反応に使用した中間体重量の和の20倍量に相当するメタノール(122g)中に滴下し、30分攪拌した。その後、メタノールの1/2倍量の蒸留水(61g)を30分かけて滴下し、滴下終了後、さらに30分攪拌して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再び晶析時の1/2倍量のメタノール(61g)を加えて30分攪拌した後、メタノールの1/2倍量の蒸留水(30.5g)を30分かけて滴下し、滴下終了後、さらに30分攪拌することで洗浄および精製を行った。
吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約5.00g(中間体3および中間体18に対する収率79.4モル%)のフタロシアニン化合物1が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物1について、以下の方法により、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
(最大吸収波長およびグラム吸光係数の測定)
得られたフタロシアニン化合物を分光光度計(日立製作所(株)社製:U−2910)を用いてメチルセルソルブ0.8wt%含有メタノール溶液中で最大吸収波長(λmax)およびグラム吸光係数を測定した。測定手法は以下の通り行なった。
50mlメスフラスコに得られたフタロシアニン化合物0.04gをメチルセルソルブ20gにて溶解し、溶液のメニスカスが50mlメスフラスコの標線と一致するようにメタノールを添加して調製した。次いで、調製した溶液をピペットを用いて1ml分取し、分取した溶液を全て50mlメスフラスコに投入してメタノールにて希釈し、溶液のメニスカスが50mlメスフラスコの標線と一致するように調製した。このようにして調製した溶液を1cm角の硬質ガラス製セルに入れ、分光光度計を用いて透過スペクトルを測定した。また、測定した吸光度をAとしたとき、グラム吸光係数を以下の式で計算した。
(耐熱性評価−1)
得られたフタロシアニン化合物0.125gに(株)日本触媒社製アクリル系バインダーポリマー0.42gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと略す)1.22g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.112g、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製(IRGACURE369)0.01gを加え、溶解、混合して、樹脂塗料液を調製した。得られた樹脂塗料液をバーコーターを使用して、ガラス板に乾燥膜中の色素濃度30wt%、乾燥膜厚が2μmとなるよう塗布し、80℃にて30分間乾燥させた。このようにして得られたコーティングガラス板の吸収スペクトルを分光光度計(日立製作所(株)社製:U−2910)にて測定し、これを加熱前スペクトルとした。次に、加熱前スペクトルを測定した塗膜ガラス板を220℃にて20分間、加熱処理した。この加熱処理したコーティングガラス板の吸収スペクトルを分光光度計にて測定し、これを加熱後スペクトルとした。このように測定した加熱前、加熱後の各スペクトルにおいて380nm〜900nmまでの吸光度を積分し、加熱前と加熱後でその吸光度の差を測定した。また、加熱前スペクトルをE、加熱後スペクトルをE、測定した吸光度の差をΔEとしたとき、ΔEを以下の式で計算した。
(溶解性の評価)
得られたフタロシアニン化合物0.1gにPGMEA0.9gを加え、色素が10wt%含有した調製液を作製した。調製液をマグネチックスターラーにより1時間攪拌した後、全量を注射器にて採取し、メンブレンフィルター(φ=0.45μm)を用いてろ過した。
調製液がメンブレンフィルターにより目詰まりせず通過できる場合、調製液に色素が溶解していると判断するろ過テストを実施し、全て問題なくろ過できた場合を○、ろ過できたが一部溶け残りが見られた場合を△、フィルターの目詰まりを起こした場合を×として溶解性の評価とした。
実施例2:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−CN)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例1で得られた中間体1、2.44g(0.007モル)、合成例18で得られた中間体18、4.10g(0.007モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル6.56gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約9時間反応させた。
冷却後、実施例1と全く同様の操作を行い約5.95g(中間体1および中間体18に対する収率87.9モル%)のフタロシアニン化合物2が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物2について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例3:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−CN)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}5−yCl](0≦x<2,0≦y<5)の合成
150mlフラスコに、合成例1で得られた中間体1、2.09g(0.006モル)、合成例19で得られた中間体19、3.99g(0.006モル)、ヨウ化亜鉛1.05g(0.003モル)、ベンゾニトリル2.03gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。
冷却後、実施例1と全く同様の操作を行い約5.06g(中間体1および中間体19に対する収率80.6モル%)のフタロシアニン化合物3が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物3について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例4:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−CN)CO}3−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl](0≦x<3,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2で得られた中間体2、2.35g(0.006モル)、合成例18で得られた中間体18、3.51g(0.006モル)、ヨウ化亜鉛1.05g(0.003モル)、ベンゾニトリル1.95gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。
冷却後、実施例1と全く同様の操作を行い約4.58g(中間体2および中間体18に対する収率75.6モル%)のフタロシアニン化合物4が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物4について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例5:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−CN)CO}1−x,{β−(4−COOCOCH)CO}6−yCl](0≦x<1,0≦y<6)の合成
150mlフラスコに、合成例1で得られた中間体1、1.16g(0.003モル)、合成例18で得られた中間体18、5.85g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.17g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.34gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約7時間反応させた。
冷却後、反応溶液を140℃×1hrの条件にてエバポレーション処理して溶媒を溜去した後、得られた固形物に、フタロシアニン化反応に使用した中間体重量の和(7.0g)からベンゾニトリルの重量(2.34g)を差し引いた重量に相当するメチルセルソルブ(4.7g)を加え、攪拌・溶解することで晶析溶液を調製した。次に、調製した晶析溶液をフタロシアニン化反応に使用した中間体重量の和の10倍量に相当するメタノール(70.2g)中に滴下し、30分攪拌した。その後、メタノールの1/2倍量の蒸留水(35.1g)を30分かけて滴下し、滴下終了後、さらに30分攪拌して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再び晶析時の1/2倍量のメタノール(35.1g)を加えて30分攪拌した後、メタノールの1/2倍量の蒸留水(17.5g)を30分かけて滴下し、滴下終了後、さらに30分攪拌することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約6.45g(中間体1および中間体18に対する収率89.2モル%)のフタロシアニン化合物5が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物5について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例6:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(2−COOCOCH)C10O},{β−(4−CN)CO}2−x,{β−(2−COOCOCH)C10O}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例1で得られた中間体1、2.70g(0.008モル)、合成例22で得られた中間体22、5.14g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.32g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.61gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約13時間反応させた。
冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約7.4g(中間体1および中間体22に対する収率92.5モル%)のフタロシアニン化合物6が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物6について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例7:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−NO)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−NO)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例4で得られた中間体4、2.95g(0.008モル)、合成例18で得られた中間体18、4.68g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル7.49gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。
冷却後、実施例1と全く同様の操作を行い約6.85g(中間体4および中間体18に対する収率86.8モル%)のフタロシアニン化合物7が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物7について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例8:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2,4−Cl)CS},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2,4−Cl)CS}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例5で得られた中間体5、4.00g(0.01モル)、合成例18で得られた中間体18、5.73g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.72g(0.005モル)、ベンゾニトリル3.24gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。
冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約8.50g(中間体5および中間体18に対する収率85.0モル%)のフタロシアニン化合物8が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物8について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例9:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−COOCH)CS},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2−COOCH)CS}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例6で得られた中間体6、3.98g(0.01モル)、合成例18で得られた中間体18、5.85g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル3.28gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。
冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約8.9g(中間体6および中間体18に対する収率87.6モル%)のフタロシアニン化合物9が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物9について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例10:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2,4,6−Cl)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2,4,6−Cl)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例7で得られた中間体7、4.27g(0.01モル)、合成例18で得られた中間体18、5.85g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル3.37gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。
冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約10.1g(中間体7および中間体18に対する収率96.7モル%)のフタロシアニン化合物10が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物10について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例11:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2,4,6−Cl)CO},{α−(2−COOCOCH)C10O},{β−(2,4,6−Cl)CO}2−x,{β−(2−COOCOCH)C10O}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例7で得られた中間体7、3.20g(0.008モル)、合成例22で得られた中間体22、5.14g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.32g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.78gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約10時間反応させた。
冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約6.0g(中間体7および中間体22に対する収率93.2モル%)のフタロシアニン化合物11が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物11について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例12:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−OCH)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−OCH)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例8で得られた中間体8、3.54g(0.01モル)、合成例18で得られた中間体18、5.85g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル3.13gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。
冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約9.35g(中間体8および中間体18に対する収率96.2モル%)のフタロシアニン化合物12が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物12について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例13:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−C(CH)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−C(CH)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例9で得られた中間体9、3.80g(0.01モル)、合成例18で得られた中間体18、5.85g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル3.22gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。
冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約9.6g(中間体9および中間体18に対する収率96.2モル%)のフタロシアニン化合物13が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物13について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例14:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−Cl)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−Cl)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例10で得られた中間体10、2.43g(0.007モル)、合成例18で得られた中間体18、4.10g(0.007モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.18gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。
冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約6.0g(中間体10および中間体18に対する収率88.8モル%)のフタロシアニン化合物14が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物14について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例15:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2,6−Cl)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2,6−Cl)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例11で得られた中間体11、2.67g(0.007モル)、合成例18で得られた中間体18、4.10g(0.007モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.26gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約7時間反応させた。
冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約6.37g(中間体11および中間体18に対する収率91.0モル%)のフタロシアニン化合物15が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物15について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例16:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−COOCH−4−OCH)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2−COOCH−4−OCH)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例12で得られた中間体12、4.12g(0.010モル)、合成例18で得られた中間体18、5.85g(0.010モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル3.32gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。
冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約9.7g(中間体12および中間体18に対する収率94.2モル%)のフタロシアニン化合物16が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物16について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例17:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2,6−(OCH)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2,6−(OCH)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例13で得られた中間体13、3.84g(0.01モル)、合成例18で得られた中間体18、5.85g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.73g(0.006モル)、ベンゾニトリル3.23gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。
冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約9.65g(中間体13および中間体18に対する収率96.3モル%)のフタロシアニン化合物17が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物17について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例18:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例14で得られた中間体14、4.14g(0.01モル)、合成例18で得られた中間体18、5.85g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル3.33gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。
冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約9.95g(中間体14および中間体18に対する収率96.5モル%)のフタロシアニン化合物18が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物18について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例19:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}6−xCl10](0≦x<6)の合成
150mlフラスコに、合成例15で得られた中間体15、3.58g(0.008モル)、合成例18で得られた中間体18、4.92g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.47g(0.005モル)、ベンゾニトリル7.87gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約9時間反応させた。
冷却後、実施例1と全く同様の操作を行い約8.0g(中間体15および中間体18に対する収率91.2モル%)のフタロシアニン化合物19が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物19について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例20:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}7−xCl](0≦x<7)の合成
150mlフラスコに、合成例15で得られた中間体15、2.13g(0.005モル)、合成例19で得られた中間体19、3.33g(0.005モル)、ヨウ化亜鉛0.88g(0.003モル)、ベンゾニトリル1.82gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。
冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約4.78g(中間体15および中間体19に対する収率85.1モル%)のフタロシアニン化合物20が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物20について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例21:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}7−xCl](0≦x<7)の合成
150mlフラスコに、合成例16で得られた中間体16、2.53g(0.005モル)、合成例18で得られた中間体18、2.93g(0.005モル)、ヨウ化亜鉛0.88g(0.003モル)、ベンゾニトリル1.82gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。
冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約4.62g(中間体16および中間体18に対する収率82.2モル%)のフタロシアニン化合物21が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物21について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例22:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−COOCOCH)C10O},{β−(2−COOCOCH)C10O}6−xCl10](0≦x<6)の合成
150mlフラスコに、合成例20で得られた中間体20、4.76g(0.01モル)、合成例22で得られた中間体22、6.86g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル3.87gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。
冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約9.3g(中間体20および中間体22に対する収率77.9モル%)のフタロシアニン化合物22が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物22について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例23:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)C10O},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)C10O}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例20で得られた中間体20、4.76g(0.01モル)、合成例18で得られた中間体18、5.85g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル3.54gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。
冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約10.25g(中間体20および中間体18に対する収率93.7モル%)のフタロシアニン化合物23が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物23について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例24:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)C10O},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)C10O}3−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl](0≦x<3,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例21で得られた中間体21、3.19g(0.006モル)、合成例18で得られた中間体18、3.22g(0.006モル)、ヨウ化亜鉛0.97g(0.003モル)、ベンゾニトリル2.14gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。
冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約5.22g(中間体21および中間体18に対する収率79.2モル%)のフタロシアニン化合物24が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物24について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例25:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)C10O},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)C10O}3−x,{β−(4−COOCOCH)CO}3−yCl10](0≦x<3,0≦y<3)の合成
150mlフラスコに、合成例21で得られた中間体21、3.48g(0.006モル)、合成例16で得られた中間体16、3.03g(0.006モル)、ヨウ化亜鉛1.05g(0.003モル)、ベンゾニトリル2.17gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。
冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約5.59g(中間体21および中間体16に対する収率83.3モル%)のフタロシアニン化合物25が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物25について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例26:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−CHO−4−COOCOCH)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2−CHO−4−COOCOCH)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例23で得られた中間体23、3.65g(0.008モル)、合成例18で得られた中間体18、4.92g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.78gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。
冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約7.9g(中間体18および中間体23に対する収率92.0モル%)のフタロシアニン化合物26が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物26について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例27:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−CHO−4−COOCOCH)CO},{β−(2−CHO−4−COOCOCH)CO}6−xCl10](0≦x<6)の合成
150mlフラスコに、合成例23で得られた中間体23、2.73g(0.006モル)、合成例24で得られた中間体24、3.87g(0.006モル)、ヨウ化亜鉛1.05g(0.003モル)、ベンゾニトリル2.20gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。
冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約6.35g(中間体23および中間体24に対する収率93.3モル%)のフタロシアニン化合物27が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物27について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例28:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}6−xCl10](0≦x<6)の合成
150mlフラスコに、合成例16で得られた中間体16、7.58g(0.015モル)、ヨウ化亜鉛1.32g(0.004モル)、ベンゾニトリル1.90gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。
冷却後、実施例1と全く同様の操作を行い約6.9g(中間体16に対する収率88.8モル%)のフタロシアニン化合物28が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物28について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例29:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}7−xCl](0≦x<7)の合成
150mlフラスコに、合成例17で得られた中間体17、7.64g(0.014モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル1.91gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約4時間反応させた。
冷却後、実施例1と全く同様の操作を行い約7.07g(中間体17に対する収率89.5モル%)のフタロシアニン化合物29が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物29について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
また、上記実施例1〜29のフタロシアニン化合物1〜29の、置換基(式(1)中のZ〜Z16)の構成を下記表1に示す。
実施例30
実施例2で得られたフタロシアニン化合物2について、以下の耐熱性評価−2の方法に従って、耐熱性を評価した。なお、下記耐熱性評価−2の方法は、乾燥膜厚を0.2μmから0.1μmに変更した以外は、上記耐熱性評価−1の方法と同様である。結果を下記表2に示す。なお、下記表2には、当該フタロシアニン化合物2の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは実施例2と同様の結果である。
(耐熱性評価−2)
得られたフタロシアニン化合物0.125gに(株)日本触媒社製アクリル系バインダーポリマー0.42gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと略す)20.0g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.112g、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製(IRGACURE369)0.01gを加え、溶解、混合して、樹脂塗料液を調製した。得られた樹脂塗料液をバーコーターを使用して、ガラス板に乾燥膜中の色素濃度30wt%、乾燥膜厚が0.1μmとなるよう塗布し、80℃にて30分間乾燥させた。このようにして得られたコーティングガラス板の吸収スペクトルを分光光度計(日立製作所(株)社製:U−2910)にて測定し、これを加熱前スペクトルとした。次に、加熱前スペクトルを測定した塗膜ガラス板を220℃にて20分間、加熱処理した。この加熱処理したコーティングガラス板の吸収スペクトルを分光光度計にて測定し、これを加熱後スペクトルとした。このように測定した加熱前、加熱後の各スペクトルにおいて380nm〜900nmまでの吸光度を積分し、加熱前と加熱後でその吸光度の差を測定した。また、加熱前スペクトルをE、加熱後スペクトルをE、測定した吸光度の差をΔEとしたとき、ΔEを以下の式で計算した。
実施例31
実施例30において、実施例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、実施例9で得られたフタロシアニン化合物9を使用した以外は、実施例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表2に示す。なお、下記表2には、当該フタロシアニン化合物9の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは実施例9と同様の結果である
実施例32
実施例30において、実施例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、実施例11で得られたフタロシアニン化合物11を使用した以外は、実施例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表2に示す。なお、下記表2には、当該フタロシアニン化合物11の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは実施例11と同様の結果である
実施例33
実施例30において、実施例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、実施例19で得られたフタロシアニン化合物19を使用した以外は、実施例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表2に示す。なお、下記表2には、当該フタロシアニン化合物19の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは実施例19と同様の結果である
実施例34
実施例30において、実施例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、実施例26で得られたフタロシアニン化合物26を使用した以外は、実施例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表2に示す。なお、下記表2には、当該フタロシアニン化合物26の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは実施例26と同様の結果である
実施例35
実施例30において、実施例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、実施例27で得られたフタロシアニン化合物27を使用した以外は、実施例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表2に示す。なお、下記表2には、当該フタロシアニン化合物27の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは実施例27と同様の結果である。
比較例1:フタロシアニン化合物[ZnPc−{β−(2−COOCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例54で得られた中間体54、4.17g(0.015モル)、ヨウ化亜鉛1.32g(0.004モル)、ベンゾニトリル30.94gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温185℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約3.8g(中間体54に対する収率84.9モル%)の比較フタロシアニン化合物1が得られた。
このようにして得られた比較フタロシアニン化合物1について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
比較例2
特開2008−50599号公報の実施例18に記載の方法と同様にして、比較フタロシアニン化合物2{ZnPc(3−COOCHPhO)(3−COOHPhO)}を、合成した。
このようにして得られた比較フタロシアニン化合物2について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
実施例1〜29で合成したフタロシアニン化合物は、比較例1で合成した比較フタロシアニン化合物1(β位4置換フタロシアニン化合物)や比較例2で合成した比較フタロシアニン化合物2(β位8置換フタロシアニン化合物)と比べて、グラム吸光係数(εg)に優位性はみられないものの、耐熱性については、比較例1で合成した高耐熱性を有するβ位4置換フタロシアニン化合物に比べて2倍以上向上した。また、比較例1,2の比較フタロシアニン化合物1,2に比べて、実施例1〜35のフタロシアニン化合物1〜35は、格段に優れた溶剤溶解性を示した。
また、PDPの余分な発光が見られる710nmと代表的な可視光の波長である520nmの吸光度の比においても、本願のフタロシアニン化合物を使用すると、比較例1,2に比べ、吸光度の比が2倍以上大きく、効率よく710nmの光をカットすることができる効果を示した。
実施例36:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−OCH)CO},{α−(2−OCH−4−COOCOCH)CO},{β−(4−OCH)CO}0.8−x,{β−(2−OCH−4−COOCOCH)CO}4.48−yCl10.72](0≦x<0.8,0≦y<4.48)の合成
150mlフラスコに、合成例8で得られた中間体8、1.06g(0.003モル)、合成例25で得られた中間体25、6.38g(0.012モル)、ヨウ化亜鉛1.32g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.48gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約7.5時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約7.3g(中間体8および中間体25に対する収率95.0モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物30について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例37:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−NO)CO},{α−(2−OCH−4−COOCOCH)CO},{β−(4−NO)CO}0.8−x,{β−(2−OCH−4−COOCOCH)CO}4.48−yCl10.72](0≦x<0.8,0≦y<4.48)の合成
150mlフラスコに、合成例4で得られた中間体4、1.11g(0.003モル)、合成例25で得られた中間体25、6.38g(0.012モル)、ヨウ化亜鉛1.32g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.49gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約7.3g(中間体4および中間体25に対する収率94.4モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物31について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例38:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−OCH−5−NO)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2−OCH−5−NO)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例26で得られた中間体26、2.39g(0.006モル)、合成例18で得られた中間体18、3.51g(0.006モル)、ヨウ化亜鉛1.05g(0.003モル)、ベンゾニトリル1.97gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約5.9g(中間体26および中間体18に対する収率96.7モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物32について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例39:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(7−(C))O},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(7−(C))O}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例27で得られた中間体27、3.49g(0.010モル)、合成例18で得られた中間体18、5.85g(0.010モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル3.11gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約9.1g(中間体27および中間体18に対する収率94.1モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物33について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例40:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(CO)O},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(CO)O}1−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4.5−yCl10.5](0≦x<1,0≦y<4.5)の合成
150mlフラスコに、合成例28で得られた中間体28、1.31g(0.003モル)、合成例29で得られた中間体29、5.51g(0.010モル)、ヨウ化亜鉛1.17g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.27gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約6.55g(中間体28および中間体29に対する収率93.2モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物34について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例41:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−COOCOCH)C10−6−O},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2−COOCOCH)C10−6−O}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例30で得られた中間体30、3.33g(0.007モル)、合成例18で得られた中間体18、4.10g(0.007モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.48gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5.5時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約6.85g(中間体30および中間体18に対する収率89.5モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物35について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例42:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−COOCOCH)C10−3−O},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2−COOCOCH)C10−3−O}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例31で得られた中間体31、3.81g(0.008モル)、合成例18で得られた中間体18、4.68g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.83gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約8.45g(中間体31および中間体18に対する収率96.6モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物36について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例43:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(CHCH(OCH)COOC)CS},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(CHCH(OCH)COOC)CS}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例32で得られた中間体32、3.37g(0.008モル)、合成例18で得られた中間体18、4.68g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.69gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約6.70g(中間体32および中間体18に対する収率80.5モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物37について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例44:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}4−xCl12](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例15で得られた中間体15、11.92g(0.028モル)、ヨウ化亜鉛2.46g(0.008モル)、ベンゾニトリル3.97gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約12.35g(中間体15に対する収率99.8モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物38について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例45:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}3.5−xCl12.5](0≦x<3.5)の合成
150mlフラスコに、合成例33で得られた中間体33、6.49g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.16gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約6.75g(中間体33に対する収率100.0モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物39について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例46:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}3−xCl13](0≦x<3)の合成
150mlフラスコに、合成例34で得られた中間体34、6.17g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.06gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約6.4g(中間体34に対する収率99.5モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物40について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例47:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(4−COOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}3−x,{β−(4−COOCH)CO}1−yCl12](0≦x<3,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例15で得られた中間体15、5.11g(0.012モル)、合成例35で得られた中間体35、1.53g(0.004モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.06gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約7時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約6.39g(中間体15および中間体35に対する収率92.7モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物41について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例48:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(4−NO)CS},{β−(4−COOCOCH)CO}4−x,{β−(4−NO)CS}1−yCl11](0≦x<4,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例36で得られた中間体36、7.29g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.43gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約7.4g(中間体36に対する収率98.1モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物42について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例49:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(4−Cl)CS},{β−(4−COOCOCH)CO}4−x,{β−(4−Cl)CS}1−yCl11](0≦x<4,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例37で得られた中間体37、7.24g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.41gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約7.35g(中間体37に対する収率97.9モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物43について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例50:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},(α−CS),{β−(4−COOCOCH)CO}4−x,(β−CS)1−yCl11](0≦x<4,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例38で得られた中間体38、7.11g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.37gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約7.25g(中間体38に対する収率98.4モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物44について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例51:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},(α−CClS),{β−(4−COOCOCH)CO}4−x,(β−CClS)1−yCl11](0≦x<4,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例39で得られた中間体39、6.82g(0.014モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.27gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約6.8g(中間体39に対する収率96.5モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物45について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例52:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(4−OCH)CS},{β−(4−COOCOCH)CO}4−x,{β−(4−OCH)CS}1−yCl11](0≦x<4,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例40で得られた中間体40、7.23g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.41gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約7.35g(中間体40に対する収率98.2モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物46について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例53:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−C10−2−S},{β−(4−COOCOCH)CO}4−x,{β−C10−2−S}1−yCl11](0≦x<4,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例41で得られた中間体41、6.39g(0.014モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.13gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約6.45g(中間体41に対する収率97.4モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物47について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例54:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(2,6−Cl)CS},{β−(4−COOCOCH)CO}4−x,{β−(2,6−Cl)CS}1−yCl11](0≦x<4,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例42で得られた中間体42、7.38g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.46gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約7.45g(中間体42に対する収率97.5モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物48について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例55:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−OCH−4−COOCOCH)CO},{α−(2,6−Cl)CS},{β−(2−OCH−4−COOCOCH)CO}3.2−x,{β−(2,6−Cl)CS}0.4−yCl12.4](0≦x<3.2,0≦y<0.4)の合成
150mlフラスコに、合成例43で得られた中間体43、6.91g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.30gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約6.5g(中間体43に対する収率90.6モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物49について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例56:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−OCH−4−COOCOCH)CO},{α−((OCSi)CS},{β−(2−OCH−4−COOCOCH)CO}4−x,{β−((OCSi)CS}1−yCl11](0≦x<4,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例44で得られた中間体44、8.10g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.70gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約7.43g(中間体44に対する収率88.9モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物50について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例57:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−OCH−4−COOCOCH)CO},{α−(CH(OCSi)CS},{β−(2−OCH−4−COOCOCH)CO}4−x,{β−(CH(OCSi)CS}1−yCl11](0≦x<4,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例45で得られた中間体45、7.87g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.62gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約7.38g(中間体45に対する収率90.8モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物51について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例58:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(2,6−(CH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}3.2−x,{β−(2,6−(CH)CO}0.8−yCl12](0≦x<3.2,0≦y<0.8)の合成
150mlフラスコに、合成例46で得られた中間体46、6.57g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.19gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約6.24g(中間体46に対する収率91.3モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物52について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例59:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(2−C(CH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}4−x,{β−(2−C(CH)CO}1−yCl11](0≦x<4,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例47で得られた中間体47、7.26g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.42gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8.5時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約7.16g(中間体47に対する収率95.1モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物53について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例60:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(2,6−Cl)CS},{β−(4−COOCOCH)CO}3.2−x,{β−(2,6−Cl)CS}0.4−yCl12.4](0≦x<3.2,0≦y<0.4)の合成
150mlフラスコに、合成例48で得られた中間体48、5.71g(0.014モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル1.90gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約5.85g(中間体48に対する収率98.5モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物54について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例61:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(2,6−Cl)CS},{α−(4−CN)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}3.2−x,{β−(2,6−Cl)CS}0.8−y,{β−(4−CN)CO}0.4−zCl12](0≦x<2.8,0≦y<0.8,0≦z<0.4)の合成
150mlフラスコに、合成例49で得られた中間体49、6.63g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.21gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約6.8g(中間体49に対する収率98.6モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物55について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例62:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(2,6−Cl)CS},{α−(2−COOCOCH)C10O},{β−(4−COOCOCH)CO}3.2−x,{β−(2,6−Cl)CS}0.8−y,{β−(2−COOCOCH)C10O}0.4−zCl12](0≦x<2.8,0≦y<0.8,0≦z<0.4)の合成
150mlフラスコに、合成例50で得られた中間体50、10.47g(0.025モル)、ヨウ化亜鉛2.15g(0.007モル)、ベンゾニトリル3.49gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約10.8g(中間体50に対する収率99.4モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物56について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
実施例63:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(4−CN)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}3−x,{β−(4−CN)CO}1−yCl12](0≦x<3,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例1で得られた中間体1、1.39g(0.004モル)、合成例15で得られた中間体15、5.49g(0.012モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.3gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約7.05g(中間体1および中間体15に対する収率98.6モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物57について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
また、上記実施例36〜63のフタロシアニン化合物30〜57の、置換基(式(1)中のZ〜Z16)の構成を下記表3に示す。
実施例64
実施例30において、実施例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、実施例36で得られたフタロシアニン化合物30を使用した以外は、実施例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物30の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは実施例36と同様の結果である。
実施例65
実施例30において、実施例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、実施例37で得られたフタロシアニン化合物31を使用した以外は、実施例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物31の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは実施例37と同様の結果である。
実施例66
実施例30において、実施例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、実施例38で得られたフタロシアニン化合物32を使用した以外は、実施例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物32の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは実施例38と同様の結果である。
実施例67
実施例30において、実施例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、実施例39で得られたフタロシアニン化合物33を使用した以外は、実施例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物33の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは実施例39と同様の結果である。
実施例68
実施例30において、実施例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、実施例42で得られたフタロシアニン化合物36を使用した以外は、実施例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物36の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは実施例42と同様の結果である。
実施例69
実施例30において、実施例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、実施例44で得られたフタロシアニン化合物38を使用した以外は、実施例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物38の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは実施例44と同様の結果である。
実施例70
実施例30において、実施例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、実施例45で得られたフタロシアニン化合物39を使用した以外は、実施例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物39の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは実施例45と同様の結果である。
実施例71
実施例30において、実施例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、実施例51で得られたフタロシアニン化合物45を使用した以外は、実施例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物45の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは実施例51と同様の結果である。
実施例72
実施例30において、実施例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、実施例55で得られたフタロシアニン化合物49を使用した以外は、実施例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物49の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは実施例55と同様の結果である。
実施例73
実施例30において、実施例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、実施例56で得られたフタロシアニン化合物50を使用した以外は、実施例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物50の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは実施例56と同様の結果である。
実施例74
実施例30において、実施例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、実施例61で得られたフタロシアニン化合物55を使用した以外は、実施例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物55の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは実施例61と同様の結果である。
実施例36〜63で合成したフタロシアニン化合物は、比較例1で合成した比較フタロシアニン化合物1(β位4置換フタロシアニン化合物)や比較例2で合成した比較フタロシアニン化合物2(β位8置換フタロシアニン化合物)と比べて、グラム吸光係数(εg)に優位性はみられないものの、耐熱性については、比較例1で合成した高耐熱性を有するβ位4置換フタロシアニン化合物に比べて2倍以上向上した。また、比較例1,2の比較フタロシアニン化合物1,2に比べて、実施例36〜74のフタロシアニン化合物30〜57は、格段に優れた溶剤溶解性を示した。
また、PDPの余分な発光が見られる710nmと代表的な可視光の波長である520nmの吸光度の比においても、本願のフタロシアニン化合物を使用すると、比較例1,2に比べ、吸光度の比が3倍以上大きく、効率よく710nmの光をカットすることができる効果を示した。
さらに、上記表2に示されるように、実施例28,29にて合成した単一の中間体から合成したフタロシアニン化合物に比べ、同じ置換基と置換数を有する実施例19,20にて合成した、異なる中間体混合置換フタロシアニンについては、耐熱性や710nmと520nmの吸光度の比が向上することからも分かるように、置換基数が5〜8個と多く、溶解性に優れたフタロシアニン化合物では、同じ組成をもつフタロシアニン化合物の中でも異なる置換基数の中間体を混合して得られたものがより好ましい効果を示す。
一方、本発明により得られたフタロシアニン化合物は、合成に使用する中間体の置換基導入位置を不均一化させることで高い溶解性を導き出しているため、例えば実施例46などの置換基数が3〜5個未満と置換基数の少ないフタロシアニン化合物では、単一の中間体から合成した場合でも耐熱性や710nmと520nmの吸光度の比に優れた特徴を有する。
実施例75:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}2.6−xCl13.4](0≦x<2.6)の合成
150mlフラスコに、合成例51で得られた中間体51、9.98g(0.027モル)、ヨウ化亜鉛2.37g(0.007モル)、ベンゾニトリル3.33gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約12時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約10.41g(中間体51に対する収率99.9モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物58について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表6に示す。
実施例76:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}2−xCl14](0≦x<2)の合成
150mlフラスコに、合成例52で得られた中間体52、12.83g(0.037モル)、ヨウ化亜鉛3.26g(0.010モル)、ベンゾニトリル4.28gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約12時間反応させた。冷却後、実施例5と全く同様の操作を行い約13.50g(中間体52に対する収率100.5モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物59について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表6に示す。
実施例77:フタロシアニン化合物[CuPc−{α−(2−COOCOCH)CO},{β−(2−COOCOCH)CO}8−xCl](0≦x<8)の合成
150mlフラスコに、合成例53で得られた中間体53、8.78g(0.0150モル)、塩化銅(I)0.41g(0.0041モル)、n−オクタノール0.81g(0.0062モル)、2−クロロトルエン2.12gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約10時間反応させた。その後、吸引ろ過して得た溶液を2-クロロトルエン21.2gに滴下し、30分攪拌した。さらに、蒸留水28.2gを滴下しながら加え、さらに1時間攪拌して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール14.1g、および蒸留水14.1g加えて攪拌洗浄することで、洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約7.05g(中間体53に対する収率78.0モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物60について、実施例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表6に示す。
また、上記実施例75〜77のフタロシアニン化合物58〜60の、置換基(式(1)中のZ〜Z16)の構成を下記表5に示す。
実施例78
実施例30において、実施例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、実施例75で得られたフタロシアニン化合物58を使用した以外は、実施例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表6に示す。なお、下記表6には、当該フタロシアニン化合物58の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは実施例75と同様の結果である。
実施例79
実施例30において、実施例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、実施例77で得られたフタロシアニン化合物60を使用した以外は、実施例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表6に示す。なお、下記表6には、当該フタロシアニン化合物60の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは実施例77と同様の結果である。
実施例75〜77で合成したフタロシアニン化合物は、比較例1で合成した比較フタロシアニン化合物1(β位4置換フタロシアニン化合物)や比較例2で合成した比較フタロシアニン化合物2(β位8置換フタロシアニン化合物)と比べて、グラム吸光係数(εg)に優位性はみられないものの、耐熱性については、比較例1で合成した高耐熱性を有するβ位4置換フタロシアニン化合物に比べて2倍以上向上した。また、比較例1,2の比較フタロシアニン化合物1,2に比べて、実施例75〜77のフタロシアニン化合物58〜60は、格段に優れた溶剤溶解性を示した。
また、PDPの余分な発光が見られる710nmと代表的な可視光の波長である520nmの吸光度の比においても、本願のフタロシアニン化合物を使用すると、比較例1,2に比べ、吸光度の比が3倍以上大きく、効率よく710nmの光をカットすることができる効果を示した。

さらに、本出願は、平成21年7月24日に出願された日本特許出願番号2009−172973号および平成22年2月26日に出願された日本特許出願番号2010−043398号に基づいており、その開示内容は、参照され、全体として、組み入れられている。

Claims (3)

  1. 下記式(1):
    上記式(1)中、Z〜Z16は、それぞれ独立して、塩素原子、下記式(2)もしくは(2’):
    上記式(2)及び(2’)中、Rは、炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは、炭素数1〜8のアルキル基であり、Rは、炭素数1〜8のアルコキシ基またはハロゲン原子であり、mは、1〜4の整数であり、pは、0または1である、
    で表される置換基(a)、または
    下記式(3−1):
    上記式(3−1)中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Arは、Rで置換されてもよいフェニル基またはナフチル基であり、この際、Rは、それぞれ独立して、シアノ基、ニトロ基、COOY、OY、ハロゲン原子、アリール基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり、この際、Yは、炭素数1〜8のアルキル基である、
    で表される置換基(b−1)、
    下記式(3−2):
    上記式(3−2)中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは、ハロゲン原子または炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基である、
    で表される置換基(b−2)、
    下記式(3−3):
    上記式(3−3)中、Xは、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数1〜8のアルキル基である、
    で表される置換基(b−3)、
    7−ヒドロキシクマリン由来の基(b−4)、および
    2,3−ジヒドロキシキノキサン由来の基(b−5)、
    からなる群より選択される置換基(b)を表わし、
    この際、Z〜Z16のうち、2〜8個は置換基(a)または置換基(b)でありかつ残部は塩素原子であり、2〜8個の置換基(a)または置換基(b)のうち、2〜7個は、置換基(a)であり、
    Mは、無金属、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物を表わす、
    で示されるフタロシアニン化合物の混合物であって、
    テトラクロロフタロニトリルを、下記式(2a)もしくは(2’a):
    上記式(2a)、(2’a)中、R、RおよびR、ならびにmおよびpは、それぞれ、上記式(2)及び(2’)中のR、RおよびR、ならびにmおよびpの定義と同様である、
    で表される置換基(a)含有前駆体、または下記式(3a−1):
    で表される置換基(b−1)含有前駆体、下記式(3a−2):
    で表される置換基(b−2)含有前駆体、下記式(3a−3):
    で表される置換基(b−3)含有前駆体、7−ヒドロキシクマリン、または2,3−ジヒドロキシキノキサンからなる群より選択される置換基(b)含有前駆体と反応させて、フタロニトリル化合物の混合物を得、前記フタロニトリル化合物の混合物を、金属、金属酸化物、金属カルボニル、金属ハロゲン化物及び有機酸金属からなる群から選ばれる一種と環化反応させることによって製造される、フタロシアニン化合物の混合物
  2. 前記置換基(a)は、下記:
    で表される、請求項1に記載のフタロシアニン化合物の混合物
  3. 請求項1または2に記載のフタロシアニン化合物の混合物を含む、フラットパネルディスプレイ用フィルター。
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