JP2012067229A - カラーフィルタ用色素 - Google Patents

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Koji Niimiyabara
晃士 新宮原
Seiji Masuda
清司 増田
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Abstract

【課題】耐熱性、耐光性またはコントラストが向上した、新規なフタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含むカラーフィルタ用色素を提供する。
【解決手段】フタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含む、カラーフィルタ用色素であって、前記フタロシアニン化合物が、フタロシアニン骨格の置換基として、塩素原子、下記式(2)もしくは(2’):

等の特定の基を有する化合物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、フタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含む、カラーフィルタ用色素に関するものである。
液晶ディスプレーや撮像装置等に用いるカラーフィルタは一般に、ガラスなどの透明基板に、赤、緑、青の三原色画素と、これらの画素間に設けられた遮光層であるブラックマトリックスとを形成することにより製造されている。これら画素及びブラックマトリックスは、感光性の着色組成物を基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)して塗膜を形成し、この塗膜に紫外線を照射して露光し、さらに現像し未露光部分をアルカリ洗浄して除去し、さらに後硬化(ポストベーク)して形成される。
現在、上記カラーフィルタを使用した液晶表示装置は、従来のノートPC用途に加え、デスクトップモニタ用途への展開が進んでいる。さらに、最近ではデスクトップモニタの色再現性をさらに向上させた大型の液晶テレビが開発されており、印刷物のような色鮮やかな表示をするために着色剤として特定の顔料を使用した顔料分散液を使用することで、カラーフィルタの色再現性を向上させる組み合わせが提案されていた(例えば、特許文献1)。
しかし、顔料分散法によるカラーフィルタは、顔料表面による光の散乱によって引き起こされる光の偏光の乱れからコントラストの低下を起こす問題があり、特に、液晶画面の大型化に伴いその問題が顕著となっている。顔料分散法も、使用する顔料をさらに微細化することで、光の散乱を抑えコントラストの向上が試みられてきたが、もはや限界を迎えている。また、近年固体撮像素子用途においても、カラーフィルタの更なる高精細化が望まれており、固体撮像素子のような微細パターンが要求される用途には顔料分散法は適さない。
また一方で、カラーフィルタの緑色部分には黄色系色素が用いられることが知られており、かかる緑色を実現するためにフタロシアニン系色素とアゾ色素とを併用することも知られているが、その場合やはりコントラストが低いといった問題や、耐熱性および耐光性が不十分であり、更なる改良が望まれている。また、従来のフタロシアニン系色素は、単独で用いた場合にもやはりコントラストが低いといった問題や、耐熱性および耐光性が低い場合もあり、その改良が望まれている。
特開2004−176000号公報
本発明の目的は、耐熱性、耐光性またはコントラストが向上した、新規なフタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含むカラーフィルタ用色素を提供することである。
本発明者は、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、特定の構造を有するフタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含むカラーフィルタ用色素が、耐熱性、耐光性またはコントラストを向上させることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記目的は、フタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含む、カラーフィルタ用色素であって、
前記フタロシアニン化合物が、下記式(1):
上記式(1)中、Z〜Z16は、それぞれ独立して、塩素原子、下記式(2)もしくは(2’):
上記式(2)及び(2’)中、Rは、炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは、炭素数1〜8のアルキル基であり、Rは、炭素数1〜8のアルコキシ基またはハロゲン原子であり、mは、1〜4の整数であり、pは、0または1である、
で表される置換基(a)、または
下記式(3−1):
上記式(3−1)中、X’は、酸素原子または硫黄原子であり、Arは、Rで置換されてもよいフェニル基またはナフチル基であり、この際、Rは、それぞれ独立して、シアノ基、ニトロ基、COOY’、OY’、ハロゲン原子、アリール基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり、この際、Y’は、炭素数1〜8のアルキル基である、
で表される置換基(b−1)、
下記式(3−2):
上記式(3−2)中、X’は、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは、ハロゲン原子または炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基である、
で表される置換基(b−2)、
下記式(3−3):
上記式(3−3)中、X’は、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数1〜8のアルキル基である、
で表される置換基(b−3)、
7−ヒドロキシクマリン由来の基(b−4)、および
2,3−ジヒドロキシキノキサン由来の基(b−5)、
からなる群より選択される置換基(b)を表わし、
この際、Z〜Z16のうち、2〜8個は置換基(a)または置換基(b)でありかつ残部は塩素原子であり、2〜8個の置換基(a)または置換基(b)のうち、少なくとも2個は、置換基(a)であり、
Mは、無金属、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物を表わす、
で示されるフタロシアニン化合物である、カラーフィルタ用色素によって達成される。
本発明によれば、耐熱性、耐光性またはコントラストが向上した、新規なフタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含むカラーフィルタ用色素を提供することができる。
本発明の第1は、フタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含む、カラーフィルタ用色素であって、
前記フタロシアニン化合物が、下記式(1):
上記式(1)中、Z〜Z16は、それぞれ独立して、塩素原子、下記式(2)もしくは(2’):
上記式(2)及び(2’)中、Rは、炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは、炭素数1〜8のアルキル基であり、Rは、炭素数1〜8のアルコキシ基またはハロゲン原子であり、mは、1〜4の整数であり、pは、0または1である、
で表される置換基(a)、または
下記式(3−1):
上記式(3−1)中、X’は、酸素原子または硫黄原子であり、Arは、Rで置換されてもよいフェニル基またはナフチル基であり、この際、Rは、それぞれ独立して、シアノ基、ニトロ基、COOY’、OY’、ハロゲン原子、アリール基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり、この際、Y’は、炭素数1〜8のアルキル基である、
で表される置換基(b−1)、
下記式(3−2):
上記式(3−2)中、X’は、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは、ハロゲン原子または炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基である、
で表される置換基(b−2)、
下記式(3−3):
上記式(3−3)中、X’は、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数1〜8のアルキル基である、
で表される置換基(b−3)、
7−ヒドロキシクマリン由来の基(b−4)、および
2,3−ジヒドロキシキノキサン由来の基(b−5)、
からなる群より選択される置換基(b)を表わし、
この際、Z〜Z16のうち、2〜8個は置換基(a)または置換基(b)でありかつ残部は塩素原子であり、2〜8個の置換基(a)または置換基(b)のうち、少なくとも2個は、置換基(a)であり、
Mは、無金属、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物を表わす、
で示されるフタロシアニン化合物である、カラーフィルタ用色素、で示される。
[フタロシアニン化合物]
以下、上記式(1)で示されるフタロシアニン化合物を、単に「フタロシアニン化合物」あるいは「本発明のフタロシアニン化合物」とも称する。フタロシアニン化合物(1)と、黄色系色素とを含むカラーフィルタ用色素は、耐熱性、耐光性またはコントラストを向上させ、液晶表示素子や撮像素子に好適に使用することができる。
本発明のフタロシアニン化合物は、Z〜Z16のうち、2〜8個(好ましくは、2〜6個)は置換基(a)または置換基(b)でありかつ残部は塩素原子である。この際、2〜8個の置換基(a)または置換基(b)のうち、少なくとも2個(好ましくは、2〜6個)は、置換基(a)である。このような構造を有するフタロシアニン化合物は、以下のような利点がある:(i)エーテル系溶媒への溶解性が向上できる;(ii)630〜710nmの波長領域に最大吸収波長(λmax)を有する。このうち、(i)高いエーテル系溶媒への溶解性のおかげで、エーテル系溶媒への溶解性が高い樹脂と色素とを組み合わせて用いることができ、また、エーテル系溶媒以外の溶媒には溶けてしまうプラスチックを用いる場合であっても、該プラスチック上に色素を塗布することができる。また、(ii)適切な波長域での最大吸収波長(λmax)のおかげで、600nmより長波長側の不要な赤色光を効果的にカットし、かつ520nmなどの緑色光の透過率が高くなり、輝度の高いカラーフィルタを提供することが可能となる。なお、500nmより短波長側の不要な青色光に関しては、黄色色素の混合量を適切に調整することによって透過率を制御することが可能である。
上記に加えて、(ii)により、個々のフタロシアニン化合物は、波長の移動度が低く、最大吸収波長におけるピークが比較的シャープなスペクトルが得られる。このため、本発明のフタロシアニン化合物は、混合物の形態であっても、所望の波長に収まりやすい。
また、本発明のフタロシアニン化合物は、置換基(a)または(b)として、酸素原子を含む置換基(−OE;この際、Eは、任意の置換基を表す)あるいは硫黄原子を含む置換基(−SE;この際、Eは、任意の置換基を表す)がフタロシアニン骨格に導入される。ここで、フタロシアニン化合物の特性は、一般的に、置換基の種類、導入箇所(α位、β位)および導入個数などにより変化する。例えば、置換基の種類としては、酸素原子を含む置換基(−OE)、硫黄原子を含む置換基(−SE)、窒素原子を含む置換基(−NE;この際、Eは、任意の置換基を表す)の順に、フタロシアニン化合物の吸収波長をより短波長側にシフトさせることができる。ゆえに、本発明のフタロシアニン化合物は、酸素原子を含む置換基(−OE)あるいは硫黄原子を含む置換基(−SE)が導入されるため、640〜750nm、より好ましくは640〜705nm、特に645〜700nmの近赤外線波長域での選択吸収能が高くなる。なお、β位に酸素原子を含む置換基(−OE)あるいは硫黄原子を含む置換基(−SE)が導入されたフタロシアニン化合物は、α位にこれらの置換基が導入された場合に比べて、最大吸収波長がより短波長側にシフトする。このため、置換基(a)または(b)がβ位に多く導入された場合には、得られるフタロシアニン化合物の最大吸収波長は、より短波長側にシフトする。
また、本発明のフタロシアニン化合物は、上記式(1)における、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11、Z14及びZ15(本明細書中では、単に「β位の置換基」または「β位」とも称する)に置換基を持つことで、耐熱性に優れる。また、Z、Z、Z、Z、Z、Z12、Z13及びZ16(本明細書中では、単に「α位の置換基」または「α位」とも称する)に置換基を持つことで、エーテル系溶媒への溶解性(本明細書では、単に「溶媒溶解性」とも称する)に優れる。フタロシアニン化合物は、置換基数、および置換基種を適切に選択し、耐熱性および溶媒溶解性のバランスを図ったものである。
以下、本発明の第一の態様における好ましい実施の形態を説明する。
本発明において、上記式(1)の置換基Z〜Z16のうち、2〜8個は置換基(a)または置換基(b)である。これらのうち、グラム吸光係数を考慮すると、置換基(a)または置換基(b)の導入数が少ないことが好ましく、上記式(1)の置換基Z〜Z16のうち、2〜6個が置換基(a)または置換基(b)でありかつ残部は塩素原子であることがより好ましい。また、溶剤溶解性を考慮すると、3〜6個、より好ましくは4〜8個、さらにより好ましくは6〜8個は置換基(a)または置換基(b)でありかつ残部は塩素原子であることが好ましい。ここで、Z〜Z16のうち、置換基(a)及び(b)の総置換数が2個未満であると、溶媒溶解性が低下するため好ましくない。また、置換基(a)及び(b)の総置換数が8個を超えると、分子量が大きくなり、グラム吸光係数が低くなるため好ましくない。また、Z〜Z16のうち、置換基(a)または置換基(b)が導入されない残部は塩素原子である。このように残部に塩素原子を配置することによって、耐熱性を向上できる。
また、2〜8個の置換基(a)または置換基(b)のフタロシアニン骨格での導入位置は、全置換数が上記範囲であれば特に制限されない。このため、下記のように、Z〜Z、Z〜Z、Z〜Z12、Z13〜Z16を含む各構成単位を、それぞれ、構成単位A、B、C、Dとすると、2〜8個の置換基(a)または置換基(b)が、構成単位A〜D中、ほぼ均一に導入されても不均一に導入されてもよい。好ましくは、2〜8個の置換基(a)または置換基(b)は、構成単位A〜D中、不均一に導入される。このように置換基が混在することは、種々の溶媒への溶解性、波長制御、耐久性(耐光性、耐熱性)、グラム当りの吸光度のバランスを図る点で好ましい。また、詳細なメカニズムは不明であるが、置換基(a)及び(b)が適当数不均一に存在することで、エーテル系溶媒への溶解性が向上し、また、塩素原子が適当数存在することで、吸収波長が長波長化でき、また耐久性(耐光性、耐熱性)が向上するものと考えられる。なお、複数種の置換基(a)または(b)が存在する場合には、これらの置換基(a)および(b)は、それぞれ、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。
また、上記2〜8個の置換基(a)または置換基(b)のうち、少なくとも2個、より好ましくは2.5個、置換基(a)である。ここで、置換基(a)または置換基(b)中に占められる置換基(a)の上限は、8個であるが、好ましくは7個、より好ましくは6個である。ここで、置換基(a)が2個未満であると、溶媒溶解性が低下するため好ましくない。また、置換基(a)が8個を超えると、分子量が大きくなり、グラム吸光係数が小さくなるため、好ましくない。特に、Z〜Z16のうち、6〜8個は置換基(a)または置換基(b)でありかつ残部は塩素原子である場合には、6〜8個の置換基(a)または置換基(b)のうち、4〜7個は、置換基(a)であることが好ましい。このような置換基(a)を有するフタロシアニン化合物は、溶剤溶解性や520nmの可視光透過性に優れる。または、Z〜Z16のうち、2個以上6個未満は置換基(a)または置換基(b)でありかつ残部は塩素原子である場合には、2個以上6個未満の置換基(a)または置換基(b)のうち、2〜6個未満、より好ましくは2〜5個、特に好ましくは2.5〜5個は、置換基(a)であることが好ましい。このような置換基(a)を有するフタロシアニン化合物は、グラム吸光係数や耐熱性に優れる。
ここで、2〜8個の置換基(a)または置換基(b)の各置換基(a)、(b)の導入位置の組み合わせは、少なくとも2個が置換基(a)であれば、特に制限されない。例えば、Z〜Z16のうち、4〜8個は置換基(a)または置換基(b)でありかつ残部は塩素原子であり、4〜8個の置換基(a)または置換基(b)のうち、少なくとも4個は、置換基(a)である場合には、14通りすべての組み合わせが適用できる。同様にして、Z〜Z16のうち、6〜8個が置換基(a)または置換基(b)でありかつ残部は塩素原子であり、6〜8個の置換基(a)または置換基(b)のうち、4〜7個が置換基(a)である場合には、11通りすべての組み合わせが適用できる。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、6〜8個の置換基(a)または置換基(b)の好ましい組み合わせとしては、4個の置換基(a)及び2個の置換基(b)、4個の置換基(a)及び3個の置換基(b)、4個の置換基(a)及び4個の置換基(b)、5個の置換基(a)及び2個の置換基(b)、6個の置換基(a)及び0個の置換基(b)、6個の置換基(a)及び1個の置換基(b)、または7個の置換基(a)及び0個の置換基(b)、がある。なお、置換基(a)は、それぞれ、フタロシアニン骨格中、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。
本発明において、置換基(a)は、上記式(2)または(2’)で表わされる。なお、上記式から明らかなように、置換基(a)は、1個の置換基「−COO(RO)」および必要であれば1個の炭素数1〜8アルコキシ基またはハロゲン原子(−R)を有するフェノキシ基(式(2))または1個の置換基「−COO(RO)」を有するナフトキシ基(式(2’))である。
なお、上記式(2’)において、酸素原子(−O−)及び置換基「−COO(RO)」は、ナフタレン環のいずれの水素原子と置換されてもよい。すなわち、上記式(2’)では、置換基「−COO(RO)」が、2個のベンゼン環のうち、酸素原子が存在する側のベンゼン環に存在しているが、この置換基は当該位置に存在することを意味するものではなく、他方のベンゼン環に存在してもよい。すなわち、上記式(2’)の置換基(a)は、下記置換基(a)及び(a)双方を包含する。
上記式(2)及び(2’)において、Rは、炭素数1〜3のアルキレン基である。ここで、炭素数1〜3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基がある。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、Rは、エチレン基またはプロピレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。
また、上記式(2)及び(2’)において、Rは、炭素数1〜8のアルキル基である。ここで、炭素数1〜8のアルキル基としては、特に制限されず、炭素数1〜8の直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられる。より具体的には、炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が挙げられる。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基、特に炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキル基が好ましい。また、上記式中、mは、オキシアルキレン基(RO)の繰り返し単位数を表わし、1〜4の整数である。耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、好ましくは、mは、1〜2である。
上記式(2)において、Rは、炭素数1〜8のアルコキシ基またはハロゲン原子である。ここで、炭素数1〜8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基等の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基が挙げられる。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルコキシ基、特に炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルコキシ基が好ましい。また、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などを考慮すると、塩素原子が好ましい。さらに、上記式中、pは、アルコキシ基またはハロゲン原子(R)がフェノキシ基に結合する数を表わし、0または1である。
上記式(2)の置換基(a)において、置換基−COO(RO)Rのベンゼン環への結合位置は、特に制限されない。例えば、pが0である場合には、置換基(a)は、1個の置換基「−COO(RO)」がフェノキシ基に結合した構造を有する。ここで、置換基「−COO(RO)」は、フェノキシ基の、オルト位(2位)、メタ位(3位)またはパラ位(4位)のいずれかの位置に配置される。これらのうち、2位および4位が好ましく、4位が特に好ましい。比較的嵩高い置換基−COO(RO)Rを4位に配置すると、得られるフタロシアニン化合物は、緑色の波長である520〜545nm付近の透過率が高い。また、比較的嵩高い置換基−COO(RO)Rを4位に配置すると、得られるフタロシアニン化合物は、溶媒溶解性を向上できる。
また、上記式(2)中、pが1である場合には、置換基(a)は、1個の置換基「−COO(RO)」および1個の炭素数1〜8のアルコキシ基またはハロゲン原子(−R)がフェノキシ基に結合した構造を有する。ここで、置換基「−COO(RO)」及び「R」は、それぞれ、フェノキシ基のいずれの位置に導入されてもよい。この際、耐熱性、吸光度比や溶媒溶解性など上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、溶媒溶解性や吸光度比などを考慮すると、2,4位、2,5位、2,6位、3,4位などが好ましく、2,4位、2,6位がより好ましい。
また、上記式(2’)の置換基(a)において、酸素原子(−O−)のナフタレン環への結合位置は、特に制限されず、1−ナフトールまたは2−ナフトール由来のいずれでもよい。好ましくは、置換基(a)は、1−ナフトール由来である。同様にして、置換基−COO(RO)Rのナフタレン環への結合位置もまた、特に制限されない。ここで、カルボン酸エステル(−COO(RO)R)が酸素原子(−O−)と隣接する場合には、溶解性が向上する傾向にあるため、特に好ましい。このため、置換基(a)が1−ナフトール由来である場合には、置換基:−COO(RO)Rのナフタレン環への結合位置は、2位、3位、4位、5位、6位、7位または8位のいずれでもよいが、耐熱性や溶媒溶解性などを考慮すると、好ましくは2位、3位、4位が好ましく、2位がより好ましい。また、置換基(a)が2−ナフトール由来である場合には、置換基:−COO(RO)Rのナフタレン環への結合位置は、1位、3位、4位、5位、6位、7位または8位のいずれでもよいが、好ましくは1位、3位、6位が好ましく、耐熱性や溶媒溶解性などを考慮すると、3位、6位がより好ましい。
すなわち、置換基(a)は、下記6種の構造を有するものが特に好ましい。
また、本発明において、置換基(b)は、下記式(3−1):
で表される置換基(b−1)、下記式(3−2):
上記式(3−2)中、X’は、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは、ハロゲン原子または炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基である、
で表される置換基(b−2)、下記式(3−3):
上記式(3−3)中、X’は、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数1〜8のアルキル基である、
で表される置換基(b−3)、
7−ヒドロキシクマリン由来の基(b−4)、および
2,3−ジヒドロキシキノキサン由来の基(b−5)、
からなる群より選択される置換基(b)を表わす。なお、置換基(b)がフタロシアニン骨格中複数個存在する場合には、これらの置換基(b)は、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。
置換基(b)は、上記式(3−1)の置換基(b−1)でありうる。ここで、上記式(3−1)中、X’は、酸素原子(−O−)または硫黄原子(−S−)であり、好ましくは酸素原子である。X’が酸素原子であると、得られるフタロシアニン化合物の最大吸収波長を短波長側にシフトできるため、得られるフタロシアニン化合物の最大吸収波長(λmax)を、640〜750nmの波長領域に容易に調節し、赤色光を効果的にカットできる。
また、上記式(3−1)中、Arは、Rで置換されてもよいフェニル基またはナフチル基であり、好ましくはフェニル基である。ここで、ArがRで置換されてもよいフェニル基である場合には、Arは、下記式で表わされる基である。
上記式中、X’及びRは、上記式(3−1)での定義と同様であり、nは、1〜5の整数である。
また、上記式(3−1)中、Rは、フェニル基またはナフチル基に導入されてもよい置換基であり、シアノ基(−CN)、ニトロ基(−NO)、COOY’、OY’、ハロゲン原子、アリール基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基である。Rが複数個存在する(式(3−1)中のRの置換数(n)が2〜5の整数である)場合には、これらの複数のRは、同一であっても異なるものであってもよい。上記Rのうち、RがCOOY’またはOY’である場合の、Y’は、炭素数1〜8のアルキル基である。ここで、炭素数1〜8のアルキル基としては、特に制限されず、炭素数1〜8の直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられ、より具体的な例は、上記Rの定義と同様である。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基、特に炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキル基が好ましい。
また、上記Rがハロゲン原子である場合の、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などを考慮すると、塩素原子、フッ素原子が好ましい。また、Rが塩素原子、フッ素原子である場合には、色素の分子量が小さくなり、グラムあたりの吸光度が高くなりうる。
また、上記Rがアリール基である場合の、アリール基としては、フェニル基、p−メトキシフェニル基、p−t−ブチルフェニル基、p−クロロフェニル基、等のアリール基が挙げられる。中でも、色素の分子量が小さくなり、グラムあたりの吸光度が高くなるため、フェニル基が好ましい。
また、上記Rがハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基である場合の、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基としては、特に制限されず、炭素数1〜8の直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられ、より具体的な例は、上記Rの定義と同様である。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基が好ましい。また、場合によっては存在する、アルキル基の置換基であるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。これらの中でも、フッ素原子または塩素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。アルキル基の置換基であるハロゲン原子は複数個存在していてもよく、複数個存在する場合には同一若しくは異なっていてもよい。アルキル基の置換基の数は特に限定されるものではないが、1〜3個であることが好ましい。
上記式(3−1)中、Ar中のRの置換数(n)は、特に制限されず、所望の効果(グラム吸光係数、溶剤溶解性、耐熱性、600nmより長波長側の光吸収性、520nmの可視光透過性など)によって適宜選択できる。例えば、ArがRで置換されてもよいフェニル基である場合に、Ar中のRの置換数(n)は、1〜5の整数、好ましくは1〜3の整数を示し、より好ましくは1または2であり、特に好ましくは1である。
上記式(3−1)の置換基(b−1)において、置換基Rのベンゼン環への結合位置は、特に制限されない。好ましくはオルト位(2位)およびパラ位(4位)、4位が特に好ましい。置換基Rを4位に配置すると、得られるフタロシアニン化合物は、710nmの光を吸収し、かつ緑色の波長である520〜545nm付近の透過率が高い。また、置換基Rを4位に配置すると、得られるフタロシアニン化合物は、溶媒溶解性を向上できる。
また、nが2である場合には、2個の置換基Rは、ベンゼン環のいずれの位置に導入されてもよい。この際、耐熱性、吸光度比や溶媒溶解性など上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、溶媒溶解性や吸光度比などを考慮すると、2,4位、2,5位、2,6位、3,4位などが好ましく、2,4位、2,5位、2,6位がより好ましい。nが3である場合には、3個の置換基Rは、ベンゼン環のいずれの位置に導入されてもよい。この際、耐熱性、吸光度比や溶媒溶解性など上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、溶媒溶解性や吸光度比などを考慮すると、2,4,6位、2,5,6位などが好ましく、2,4,6位がより好ましい。
また、上記式(3−1)中、ArがRで置換されてもよいナフチル基である場合に、Ar中のRの置換数(n)もまた、Ar中のRの置換数(n)は、特に制限されず、所望の効果(グラム吸光係数、溶剤溶解性、耐熱性、710nmの光吸収性、520nmの可視光透過性など)によって適宜選択できる。例えば、ArがRで置換されてもよいナフチル基である場合に、Ar中のRの置換数(n)は、1〜5の整数、好ましくは1〜3の整数を示し、より好ましくは1または2であり、特に好ましくは1である。また、置換基Rのナフタレン環への結合位置は、特に制限されず、所望の効果(グラム吸光係数、溶剤溶解性、耐熱性、600nmより長波長側の光吸収性、520nmの可視光透過性など)によって適宜選択できる。例えば、nが1で、Arが1−ナフチル基である場合には、Rのナフタレン環への結合位置は、2位、3位、4位、5位、6位、7位または8位のいずれでもよいが、耐熱性や溶媒溶解性などを考慮すると、好ましくは2位、3位、4位が好ましく、2位がより好ましい。また、置換基(a)が2−ナフトール由来である場合には、置換基:−COO(RO)Rのナフタレン環への結合位置は、1位、3位、4位、5位、6位、7位または8位のいずれでもよいが、好ましくは1位、3位、6位が好ましく、耐熱性や溶媒溶解性などを考慮すると、3位、6位がより好ましい。
また、置換基(b)は、上記式(3−2)の置換基(b−2)でありうる。上記式(3−2)中、X’は、酸素原子(−O−)または硫黄原子(−S−)であり、好ましくは酸素原子である。Rは、炭素数1〜5のアルキレン基である。ここで、炭素数1〜5のアルキレン基としては、特に制限されないが、例えば、メチレン基、エチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基などが挙げられる。これらのうち、メチレン基、エチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基が好ましい。また、上記式(3−2)中、Rは、ハロゲン原子または炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基である。ここで、炭素数1〜8のアルキル基としては、特に制限されず、炭素数1〜8の直鎖、分岐または環状のアルキル基が挙げられ、より具体的な例は、上記Rの定義と同様である。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基、特に炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキル基が好ましい。ここで、アルキル基は、ハロゲン原子または炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されていてもよい。アルキル基がハロゲン原子で置換される場合の、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などを考慮すると、塩素原子、フッ素原子が好ましい。また、アルキル基がアルコキシ基で置換される場合の、炭素数1〜8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基等の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基が挙げられる。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルコキシ基、特に炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルコキシ基が好ましい。また、アルキル基へのハロゲン原子またはアルコキシ基の置換基導入数は、特に制限されないが、アルキル基の炭素数、所望の効果などによって異なる。アルキル基へのハロゲン原子またはアルコキシ基の置換基導入数は、1〜8個が好ましく、1〜4個がより好ましい。
さらに、置換基(b)は、上記式(3−3)の置換基(b−3)でありうる。ここで、上記式(3−3)中、X’は、酸素原子(−O−)または硫黄原子(−S−)であり、好ましくは酸素原子である。Rは、炭素数1〜5のアルキレン基である。ここで、炭素数1〜5のアルキレン基としては、特に制限されず、より具体的な例は、上記式(3−2)のRの定義と同様である。好ましくは、Rは、メチレン基、エチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基が好ましい。Rは、炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数1〜8のアルキル基である。このうち、炭素数1〜8のアルコキシ基は、特に制限されず、より具体的な例は、上記式(3−3)のアルコキシ基の定義と同様であり、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルコキシ基、特に炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルコキシ基である。また、炭素数1〜8のアルキル基は、特に制限されず、より具体的な例は、上記Rの定義と同様である。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、炭素数1〜5の直鎖または分岐のアルキル基、特に炭素数1〜3の直鎖または分岐のアルキル基が好ましい。なお、3個のRは、それぞれが、同じであってもあるいは異なるものであってもよいが、少なくとも1個はアルコキシ基であることが好ましく、より好ましくは2個または3個がアルコキシ基であることがより好ましい。
置換基(b)は、7−ヒドロキシクマリン由来の基(b−4)でありうる。または、置換基(b)は、2,3−ジヒドロキシキノキサン由来の基(b−5)でありうる。
上記したように、置換基(b)は、上記式(3−1)の置換基(b−1)、上記式(3−2)の置換基(b−2)、上記式(3−3)の置換基(b−3)、7−ヒドロキシクマリン由来の基(b−4)、または2,3−ジヒドロキシキノキサン由来の基(b−5)である。これらのうち、耐熱性や溶媒溶解性などの上記特性、特に溶媒溶解性を考慮すると、置換基(b)は、上記式(3−1)の置換基(b−1)、上記式(3−2)の置換基(b−2)、および上記式(3−3)の置換基(b−3)であることが好ましく、置換基(b)は、上記式(3−1)の置換基(b−1)であることがより好ましい。
上記式(1)において、Mは、無金属、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物を表わすものである。ここで、無金属とは、金属以外の原子、例えば、2個の水素原子であることを意味する。また、金属としては、鉄、マグネシウム、ニッケル、コバルト、銅、パラジウム、亜鉛、バナジウム、チタン、インジウム、錫等が挙げられる。金属酸化物としては、チタニル、バナジル等が挙げられる。金属ハロゲン化物としては、塩化アルミニウム、塩化インジウム、塩化ゲルマニウム、塩化錫(II)、塩化錫(IV)、塩化珪素等が挙げられる。好ましくは、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物であり、より好ましくは銅、バナジル及び亜鉛であり、さらに好ましくは亜鉛、銅である。中心金属が亜鉛、銅であると、耐熱性が高いため、特に好ましい。また、中心金属が亜鉛であると、銅の場合よりも緑色の波長である520nm〜545nm付近の透過率が高くカラーフィルタにした際に輝度が向上できるので特に好ましい。また、アセトン、メタノール、メチルセルソルブといった汎用性溶媒に対する溶剤溶解性が高く、また樹脂に対する溶解性が高くコントラストが高くなるため、特に好ましい。
なお、本明細書において、式(1)における、Z、Z、Z、Z、Z、Z12、Z13及びZ16は、フタロシアニン核の8箇所のα位に置換する置換基を表わすため、これらの置換基をα位の置換基とも称する。また、同様にして、式(1)における、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11、Z14及びZ15は、フタロシアニン核の8箇所のβ位に置換する置換基を表わすため、これらの置換基をβ位の置換基とも称する。β位の置換基は耐熱性の向上に、α位の置換基は溶媒溶解性の向上に、それぞれ、効果があるので、両者をバランスよく配合することが好ましい。
本発明のフタロシアニン化合物の吸収波長としては、640〜750nm、より好ましくは640〜705nm、特に645〜700nmの波長領域に最大吸収波長(λmax)を有することが好ましい。なお、本明細書において、最大吸収波長は、下記実施例で測定の方法で測定された値を採用する。本発明のフタロシアニン化合物は、640〜750nm、より好ましくは640〜705nm、特に645〜700nm付近に最大吸収波長を示すため、600nmより長波長側の不要な赤色光を効果的にカットし、かつ520nmなどの緑色光の透過率が高くなり、輝度の高いカラーフィルタを提供することが可能となる。
本発明のフタロシアニン化合物は、エーテル系溶媒への溶解性が高い。これは、フタロシアニン核に置換されている置換基(a)や(b)の存在ならびにその置換数に起因する。フタロシアニン化合物を適用する際、デバイスで用いる基板が溶媒により溶解しないこと、また樹脂への溶解性も必要とされることから、フタロシアニン化合物の溶媒への溶解性は重要である。そして、置換基の種類、数、中心金属の選択により、種々の吸収波長の
フタロシアニン化合物を得ることができる。エーテル系溶媒としては、分岐もしくは直鎖状エーテル、及び環状エーテルが有効に用いられる。具体的には、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。カラーフィルタ用途においては、PGMEAが用いられることが多い。本発明のフタロシアニン化合物は、エーテル系溶媒であるPGMEAへの溶解度が、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。溶解度の上限は特に限定されるものではないが、通常は50質量%以下程度である。
本発明のフタロシアニン化合物の製造方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法を適当に利用することができるが、好ましくは溶融状態または有機溶媒中で、フタロニトリル化合物と金属塩とを環化反応する方法が特に好ましく使用できる。以下、本発明のフタロシアニン化合物について、製造方法の特に好ましい実施形態を記載する。しかしながら、本発明は、下記好ましい実施形態に制限されるものではない。
すなわち、下記式(I):
で示されるフタロニトリル化合物(1)、下記式(II):
で示されるフタロニトリル化合物(2)、下記式(III):
で示されるフタロニトリル化合物(3)、および下記式(IV):
で示されるフタロニトリル化合物(4)を、金属、金属酸化物、金属カルボニル、金属ハロゲン化物及び有機酸金属(本明細書中では、一括して「金属化合物」とも称する)からなる群から選ばれる一種と環化反応させることによって、本発明のフタロシアニン化合物が製造できる。上記反応において、式(1)のフタロシアニン化合物の構造に合わせて、フタロニトリル化合物(1)〜(4)を記載したが、目的とするフタロシアニン化合物の構造によっては、フタロニトリル化合物が1〜3種類となることもある。このため、例えば、Z〜Z、Z〜Z、Z〜Z12、Z13〜Z16を含む構成単位A〜Dが同じ場合には、原料として使用されるフタロニトリル化合物は1種類となる。
なお、上記式(I)〜(IV)中、Z〜Z16は、所望のフタロシアニン化合物の構造によって規定される。具体的には、上記式(I)〜(IV)中、Z〜Z16は、それぞれ、上記式(1)中のZ〜Z16の定義と同様であるため、ここでは説明を省略する。
上記態様において、出発原料である式(I)〜(IV)のフタロニトリル化合物は、特開昭64−45474号公報に開示されている方法などの、従来既知の方法により合成でき、また、市販品を用いることもできるが、好ましくは、下記式(V):
で示されるフタロニトリル誘導体(本明細書中では、単に「フタロニトリル誘導体」とも称する)を、下記式(2a)もしくは(2’a):
で表される置換基(a)含有前駆体(本明細書中では、単に「置換基(a)含有前駆体」とも称する)、または下記式(3a−1):
で表される置換基(b−1)含有前駆体、下記式(3a−2):
で表される置換基(b−2)含有前駆体、下記式(3a−3):
で表される置換基(b−3)含有前駆体、7−ヒドロキシクマリン、または2,3−ジヒドロキシキノキサンからなる群より選択される置換基(b)含有前駆体(本明細書中では、単に「置換基(b)含有前駆体」とも称する)と反応させることによって得られる。なお、下記において、置換基(a)含有前駆体および置換基(b)含有前駆体を一括して「前駆体」とも称する。
なお、上記式(2a)、(2’a)中、R、RおよびR、ならびにmおよびpは、それぞれ、上記式(2)及び(2’)中のR、RおよびR、ならびにmおよびpの定義と同様であるため、ここでは説明を省略する。同様にして、上記式(3a−1)〜(3a−3)中、X’、Ar、R、およびR〜Rは、それぞれ、上記式(3−1)〜(3−3)中のX’、Ar、R、およびR〜Rの定義と同様であるため、ここでは説明を省略する。
上記反応では、式(V)のフタロニトリル誘導体を、出発原料として使用する。上記式(V)中、X、X、X及びXは、ハロゲン原子を表わす。ここで、X、X、X及びXは、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、X、X、X及びXは、フッ素原子または塩素原子を表わすことが好ましく、塩素原子を表わすことが特に好ましい。特にテトラクロロフタロニトリルを出発原料として使用する場合には、置換基(a)含有前駆体または置換基(b)含有前駆体が、当該テトラクロロフタロニトリルの3〜6位の塩素原子とランダムに反応する。このため、テトラクロロフタロニトリルを出発原料として使用することにより、置換基(a)、(b)が、フタロシアニン骨格のα位及びβ位にランダムに導入できる。このため、テトラクロロフタロニトリルをフタロニトリル誘導体として使用する場合には、フタロニトリル化合物は、テトラクロロフタロニトリルの4個の塩素原子が任意に前駆体で置換された混合物の形態で得られる。
また、上記フタロニトリル誘導体と置換基(a)含有前駆体/置換基(b)含有前駆体との反応において、前記前駆体の割合は、目的とするフタロニトリル化合物の構造によって適宜選択される。また、前記前駆体の合計使用量は、これらの反応が進行して所望のフタロニトリル化合物を製造できる量であれば特に制限されない。フタロニトリル誘導体に導入される置換基(a)含有前駆体/置換基(b)含有前駆体の数の下限は、好ましくは0.5個、より好ましくは0.75個である。また、フタロニトリル誘導体に導入される置換基(a)含有前駆体/置換基(b)含有前駆体の数の上限は、好ましくは3個、より好ましくは2.5個である。このような点を考慮すると、前記置換基(a)含有前駆体/置換基(b)含有前駆体の合計使用量の下限は、フタロニトリル誘導体1モルに対して、好ましくは0.5モル、より好ましくは0.75モルである。また、前記置換基(a)含有前駆体/置換基(b)含有前駆体の合計使用量の上限は、フタロニトリル誘導体1モルに対して、好ましくは6.0モル、より好ましくは4.0モル、特に好ましくは3.0モルである。
上記フタロニトリル誘導体と前駆体との反応は、無溶媒下であるいは有機溶媒中で行われてもよいが、好ましくは有機溶媒中で行なわれる。この際使用できる有機溶媒としては、アセトニトリル及びベンゾニトリル等のニトリル;アセトン及び2−ブタノン等の極性溶媒などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、アセトニトリル、ベンゾニトリル及びアセトンである。溶媒を使用する際の有機溶媒の使用量は、フタロニトリル誘導体の濃度が、通常、2〜40質量%、好ましくは5〜30質量%となるような量である。また、このフタロニトリル誘導体と前駆体との反応は、反応中に発生するハロゲン化水素(例えば、塩化水素やフッ化水素)等を除去するために、これらのトラップ剤を使用することが好ましい。トラップ剤を使用する際の具体的なトラップ剤の例としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム及び炭酸マグネシウムなどが挙げられ、これらのうち、炭酸カリウム、炭酸カルシウム及び水酸化カルシウムが好ましい。また、トラップ剤を使用する際のトラップ剤の使用量は、反応中に発生するハロゲン化水素等を効率良く除去できる量であれば特に制限されないが、フタロニトリル誘導体1モルに対して、通常1.0〜4.0モル、好ましくは1.1〜2.5モルである。
また、上記フタロニトリル誘導体と前駆体との反応条件は、両者の反応が進行して所望のフタロニトリル化合物を得られる条件であれば特に制限されない。具体的には、反応温度は、通常、20〜150℃、好ましくは60〜95℃である。また、反応時間は、通常、0.5〜60時間、好ましくは1〜50時間である。
上記反応により、上記式(I)〜(IV)のフタロニトリル化合物(1)〜(4)が得られるが、反応後は、従来公知の方法に従って、晶析、ろ過、洗浄、乾燥を行なってもよい。このような操作により、フタロニトリル化合物を効率よく、しかも高純度で得ることができる。
次に、環化反応は、式(I)〜(IV)のフタロニトリル化合物(1)〜(4)と金属、金属酸化物、金属カルボニル、金属ハロゲン化物及び有機酸金属からなる群から選ばれる一種を溶融状態または有機溶媒中で反応させることが好ましい。この際使用できる金属、金属酸化物、金属カルボニル、金属ハロゲン化物及び有機酸金属としては、反応後に得られる式(1)のフタロシアニン化合物のMに相当するものが得られるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、上記式(1)におけるMの項で列挙された鉄、マグネシウム、ニッケル、コバルト、銅、パラジウム、亜鉛、バナジウム、チタン、インジウム及びスズ等の金属、当該金属の、塩化物、臭化物、ヨウ化物等の金属ハロゲン化合物、酸化バナジウム、酸化チタニル及び酸化銅等の金属酸化物、酢酸塩等の有機酸金属、ならびにアセチルアセトナート等の錯体化合物及びカルボニル鉄等の金属カルボニル等が挙げられる。具体的には、塩化バナジウム、塩化チタン、塩化銅、塩化亜鉛、塩化コバルト、塩化ニッケル、塩化鉄、塩化インジウム、塩化アルミニウム、塩化錫、塩化ゲルマニウム、塩化マグネシウム、ヨウ化銅、ヨウ化亜鉛、ヨウ化コバルト、ヨウ化インジウム、ヨウ化アルミニウム、臭化銅、臭化亜鉛、臭化コバルト、臭化アルミニウム、等の金属ハロゲン化物;一酸化バナジウム、三酸化バナジウム、四酸化バナジウム、五酸化バナジウム、二酸化チタン、一酸化鉄、三二酸化鉄、四三酸化鉄、酸化マンガン、一酸化ニッケル、一酸化コバルト、三二酸化コバルト、二酸化コバルト、酸化第一銅、酸化第二銅、三二酸化銅、酸化パラジウム及び酸化亜鉛、等の金属酸化物;酢酸銅、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、安息香酸銅、安息香酸亜鉛等の有機酸金属;ならびにアセチルアセトナート等の錯体化合物及びコバルトカルボニル、鉄カルボニル、ニッケルカルボニル等の金属カルボニルなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは金属、金属酸化物及び金属ハロゲン化物であり、より好ましくは金属ハロゲン化物であり、さらに好ましくは、ヨウ化アルミニウム、塩化銅およびヨウ化亜鉛であり、より好ましくは、塩化銅およびヨウ化亜鉛であり、特に好ましくはヨウ化亜鉛である。ヨウ化亜鉛を用いる場合、中心金属は、亜鉛ということになる。金属ハロゲン化物のうち、ヨウ化物を用いることが好適な理由は、溶剤や樹脂に対する溶解性に優れ、得られるフタロシアニン化合物のスペクトルがシャープであり、所望の波長に収まりやすいためである。環化反応の際にヨウ化物を用いた場合にスペクトルがシャープになる詳細なメカニズムは不明であるが、ヨウ化物を用いた場合、反応後にフタロシアニン化合物中に残存するヨウ素が、フタロシアニン化合物と何らかの相互作用を起こして、フタロシアニン化合物の層間にヨウ素が存在するようになるためであると推定される。しかしながら、上記メカニズムに限定されるものではない。環化反応に金属ヨウ化物を用いた場合と同様の効果を得るために、得られたフタロシアニン化合物をヨウ素で処理してもよい。
また、上記態様において、また、環化反応は、無溶媒中でも行なえるが、有機溶媒を使用して行なうのが好ましい。有機溶媒は、出発原料としてのフタロニトリル化合物との反応性の低い、好ましくは反応性を示さない不活性な溶媒であればいずれでもよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、モノクロロベンゼン、o−クロロトルエン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、1−クロロナフタレン、1−メチルナフタレン、エチレングリコール、およびベンゾニトリル等の不活性溶媒;メタノール、エタノール、1−プロパノ−ル、2−プロパノ−ル、1−ブタノール、1−ヘキサノール、1−ペンタノール、1−オクタノール等のアルコール;ならびにピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトフェノン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、1−クロロナフタレン、1−メチルナフタレン、1−オクタノール、ジクロロベンゼンおよびベンゾニトリルが、より好ましくは、1−オクタノール、ジクロロベンゼンおよびベンゾニトリルが使用される。これらの溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
上記態様における式(I)〜(IV)のフタロニトリル化合物(1)〜(4)と金属化合物との反応条件は、当該反応が進行する条件であれば特に制限されるものではないが、例えば、有機溶媒100質量部に対して、上記フタロニトリル化合物(1)〜(4)を1〜500質量部、好ましくは10〜350質量部の範囲の合計量で、かつ金属化合物を該フタロニトリル化合物4モルに対して、好ましくは0.8〜2.0モル、より好ましくは1.0〜1.5モルの範囲で仕込む。環化の際は、特に限定されるものではないが、好ましくは反応温度30〜250℃、より好ましくは80〜200℃の範囲で反応させる。反応時間は、特に限定されるものではないが、好ましくは3〜20時間である。また、上記反応は、大気雰囲気中で行なってもよいが、不活性ガス雰囲気(例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガスなどの流通下)で、行なわれることが好ましい。
上記環化反応後は、従来公知の方法に従って、晶析、ろ過、洗浄、乾燥を行なってもよい。このような操作により、フタロシアニン化合物を効率よく、しかも高純度で得ることができる。
[黄色系色素]
続いて、本発明の黄色系色素についての説明を行う。黄色系色素としては、アゾ系の黄色系色素が好ましい。この際、アゾ基(−N=N−)の数にも特に制限はないが、好ましくは1〜4個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個、黄色系色素の構造中に存在していることが好ましい。また、黄色系色素は、塩の形態となっていてもよい。
かかる塩の具体例にも特に制限はないが、スルホン酸塩、又はカルボン酸塩などが挙げられる。またこれら塩を形成するカチオンは特に限定されないが、溶媒に対する溶解性を考慮すると、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;アンモニウム塩;及びエタノールアミン塩、アルキルアミン塩のような有機アミン塩などが好ましい。特に、溶媒溶解性および、樹脂への溶解性の観点からアルキルアミン塩が特に好ましい。また、この際のアルキルの炭素数にも特に制限はないが、好ましくは1〜24、より好ましくは2〜20であり、より好ましくは3〜9である。また、アルキルは直鎖状であっても、分枝状であってもよい。好ましくは、溶媒溶解性の観点から直鎖状である。かようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基等の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が挙げられ、中でもオクチル基、ブチル基が好ましい。
本発明の黄色系色素は、下記式(A)または下記式(B)で表わされるアゾ系染料またはその塩であると好ましい。
上記式中、
Qは、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホ基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、およびN−置換カルバモイル基よりなる群から選択される少なくとも1種の基を有するアリール基、あるいは、置換または非置換のヘテロアリール基であり、
は、水素原子、置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換または非置換の炭素数7〜20のアラルキル基、−(RO)、−COR、あるいは、置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基であり、ここで、Rは炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、rは0〜4の整数であり、Rは、置換または非置換の1〜8のアルキル基であり、
は、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換または非置換のアミノ基であり、
は、水素原子、−CNまたは−CONHであり、
およびDは、それぞれ独立して、置換または非置換のアミノ基である。
黄色系色素は、上記式(A)または(B)で表わされるアゾ系染料またはその塩であると、450〜500nm付近のスペクトルの立ち上がりが鋭く、黄色としての色の純度が高いという観点で好ましい。下記に詳説する。
まず、式(A):
で表わされるアゾ系染料またはその塩について説明を行う。
Qは、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホ基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、アルコキシカルボニル基およびN−置換カルバモイル基よりなる群から選択される少なくとも1種の基(以下、「1種の基」とも称する)を有するアリール基、あるいは、置換または非置換のヘテロアリール基である。「1種の基」のうち、好ましくは、レジスト調整液への溶解性が高いという観点から、少なくとも1つのスルホ基、N−置換スルファモイル基、N−置換カルバモイル基、またはアルコキシカルボニル基を有していることが好ましく、また耐熱性が高いという観点から、ハロゲン原子を有していることも好ましい。
ここで、アリール基は、芳香族炭化水素の環から水素1原子を除いた残基であり、フェニル基(−C)などを含む。また、ここで、アリール基は、縮合された多環芳香族炭化水素基をも包含する概念である。また、他の結合子によって芳香族炭化水素が結合されていてもよい。よって、具体的には、フェニル、ビフェニル、ターフェニル、ナフチル、アントラシル、テトラセニル、ペンタセニル、ペリレニル、などを含む。中では、フェニル基、ナフチル基などが好ましい。また、ヘテロアリールは、芳香族炭化水素の環の中に、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含んでいるものをいう。例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラゾール、ベンゾピラジン、トリアザベンゼン、ベンゾチアゾールなどが挙げられる。置換基としては、シアノ基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、置換の炭素数1〜12のアルキル基、水酸基などが挙げられる。これらの説明は、上記でしたものが同様に妥当する。
また、1種の基を有するアリール基とは、アリール基の少なくとも1つの水素原子が、かかる「1種の基」に置換されていることを意味する。この際、置換される位置や置換される数についても特に制限はない。アリール基がフェニル基であれば、1〜2個が好ましい。また、位置としては、1個であれば、2位でも3位でも4位でもよく、耐熱性が高いという観点から4位が好ましい。2個であれば、2〜6位のいずれの組み合わせでもよいが、2,3位、2,4位、2,5位、3,4位、3,5位などが好ましく、耐熱性が高いという観点から3,4位、3,5位が特に好ましい。ナフチル基の置換基の数にも特に制限はないが、1〜2個が好ましい。また、位置としては、1個であれば、2〜8位のいずれでもよい。2個であれば、いずれの組み合わせでもよい。
炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基などが挙げられる。また、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキル基の置換基としては、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜5のアルコキシ基などが挙げられる。この例は、後述のものと同様であり、具体的には、メトキシ基などが挙げられる。
置換または非置換の炭素数1〜5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、ペントキシ基などが挙げられる。また、ハロゲン原子としては、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。これらの中でも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。
また、ニトロ基は、−NOで示される基である。
また、スルホ基は、−SOHで示される基である。ここで、スルホ基は、上記でも述べたように、塩の形態になっていてもよく、その塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩や有機アミン塩などが挙げられる。特に、レジスト調整液への溶解性や耐光性・耐溶剤性が高いという観点から、有機アミン塩が好ましい。ここで用いられる有機アミンは、特に限定されないが、レジスト調整液への溶解性や耐熱性の観点から第3級のトリアルキルアミンであることが好ましい。かかるアルキルに関しても特に制限はないが、炭素数3〜9のアルキルであることが好ましく、例えば、ブチルやオクチルなどが好ましい。
また、スルファモイル基は、−SONHで示される基である。
また、N−置換スルファモイル基は、−SON(R基で示される基である。
ここで、Rは、それぞれ独立して、水素原子、−(RO)、炭素数1〜12のアルキル基(かかるアルキル基の水素原子は、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ジメチルアミノ基などで置換されていてもよく、炭素数1〜12のアルキル基に含まれるメチレン基は、−O−置換されていてもよい。)、炭素数6〜20アリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数2〜10のアシル基である。ただし、(Rが同時に水素原子である場合を除く。「−(RO)」の説明は上記が同様に妥当する。
の炭素数1〜12のアルキル基は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。Rのアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メチルブチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、メチルヘキシル基(1−メチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基など)、エチルヘキシル基(2−エチルヘキシル基など)、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基(2−メチルシクロヘキシル基など)、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ドデカニル基などがある。そして、これらのアルキル基の水素原子は、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ジメチルアミノ基などで置換されていてもよく、炭素数1〜12のアルキル基に含まれるメチレン基は、−O−置換されていてもよい。アルコキシ基で置換されたアルキル基としては、メトキシエチル基、エトキシエチル基、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基などがあり、テトラヒドロフラニルアルキル基(2−テトラヒドロフラニルメチル基など)、グリシジル基、ヒドロキシ基置換されたアルキル基は、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基などなどが例示できる。特には、2−エチルヘキシル基、エトキシエチル基、メトキシエチル基などがPGMEAやレジスト調整液等への溶解性が高いという観点から好ましい。
のアリール基は、非置換でもよく、アルキル基、ヒドロキシル基、スルホ基(ナトリウム塩などのアルカリ金属塩の形態も含む)、などによって置換されていてもよい。かかるアリール基の炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜10である。具体例としては、フェニル基、ヒドロキシフェニル基(4−ヒドロキシフェニル基など)、トリフルオロメチルフェニル基(4−トリフルオロメチルフェニル基など)などの置換又は無置換フェニル基などが挙げられる。
のアラルキル基のアルキルは、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。アラルキル基の炭素数は、好ましくは7〜20、より好ましくは7〜10である。このアラルキルとしては、ベンジル基、フェニルプロピル基(1−メチル−3−フェニルプロピル基など)、フェニルブチル基(3−アミノ−1−フェニルブチル基など)などのフェニルアルキル基などが挙げられる。
のアシル基は、無置換であってもよく、アルキル基、アルコキシル基などが置換されていてもよい。アシル基の炭素数は、好ましくは2〜10、より好ましくは6〜10である。前記アシル基は、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、メトキシベンゾイル基(p−メトキシベンゾイル基など)などである。
前記Rは、例えば、メチルブチル基(1,1,3,3−テトラメチルブチル基など)、メチルへキシル基(1,5−ジメチルへキシル基など)、エチルへキシル基(2−エチルヘキシル基など)、メチルシクロへキシル基(2−メチルシクロヘキシル基など)、フェニルプロピル基(1−メチル−3−フェニルプロピル基など)、フェニルブチル基(3−アミノ−1−フェニルブチル基など)、アルコキシプロピル基(3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基など)などの枝分かれ炭素を有するアルキル基、又はアラルキル基であることが好ましい。
ここで、N−置換スルファモイル基における(Rが、「水素原子」と「2−エチルヘキシル基」との組み合わせ、または「エトキシエチル基」と「エトキシエチル基」との組み合わせであると、レジスト調整液への溶解性が高まるとの観点で特に好ましい。このように、特にレジスト調整液への溶解性が高く、かつ、耐熱性が高いという観点から、Qにおけるアリール基は、N−置換スルファモイル基を有していることが好ましい。
また、N−置換カルバモイル基は、−CON(R基で示される基である。ここで、Rの説明は上記Rの説明が同様に妥当する。この際、(Rが、「2−エチルヘキシル基」と「2−エチルヘキシル基」との組み合わせであると、レジスト調整液への溶解性が高まるとの観点で特に好ましい。
また、アルコキシカルボニル基は、−CO10基で示される基である。ここで、R10の説明は上記Rの説明が同様に妥当する。ここで、R10が、「メトキシエチル基」であると、レジスト調整液への溶解性が高いとの観点で特に好ましい。
本発明において、Qにおけるアリール基が、N−置換カルバモイル基またはアルコキシカルボニル基の少なくとも一方を2つ以上有していると、特に、アルコキシカルボニル基を2つ以上有していると、レジスト調整液への溶解性が高く色純度も高いので特に好ましい。なお、2つ以上と記載したが、好ましくは、2つまたは3つであり、特に好ましくは2つである。また、N−置換スルファモイル基、N−置換カルバモイルまたはアルコキシカルボニル基は、結合するベンゼン環において、−N=N−二重結合基(アゾ基)を1位として、2位、3位または4位のどの位置に結合しても良いが、1つの場合は有機溶媒に対する溶解性が高いという観点から4位が好ましく、波形が短波長化し色純度が向上する観点からは2または3位が好ましい。2つ以上の場合も、結合位置は2位、3位または4位のどの位置の組み合わせでも良い。ただし、好ましくは、上記のように3,4位、3,5位である。
は、水素原子、置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換または非置換の炭素数7〜20のアラルキル基、−(RO)、−COR、あるいは、置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基であり、ここで、Rは炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、rは0〜4の整数であり、Rは、置換または非置換の1〜8のアルキル基である。
置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基としては、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。アルキル基の炭素数としては、1〜12である。また、置換基としても特に制限はない。例えば、炭素数1〜8のアルコキシ基、水酸基、スルホ基などが好ましい。
炭素数1〜8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、ペントキシ基、n−ヘキトキシ基、シクロヘキトキシ基、n−ペントキシ基、n−オクトキシ基などがある。
よって、置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メチルブチル基(1,1,3,3−テトラメチルブチル基など)、メチルヘキシル基(1−メチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基など)、エチルヘキシル基(2−エチルヘキシル基など)、メチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基(2−メチルシクロヘキシル基など)、シクロヘキシルアルキル基などで置換されていてもよい。アルキル基としては、アルコキシプロピル基(3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基など)、エチルチオエチル基、メチルプロピル基、2−スルホエチル基、エチルメチル基、シクロヘキシル基、iso−プロポキシプロピル、ブチルペンチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基(2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基など)などが例示できる。
また、置換または非置換の炭素数7〜20のアラルキル基としては、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。アラルキル基の炭素数は、7〜20であり、好ましくは7〜10である。このアラルキルとしては、ベンジル基、フェニルプロピル基(1−メチル−3−フェニルプロピル基など)、フェニルブチル基(3−アミノ−1−フェニルブチル基など)などが挙げられる。
また、−(RO)における、Rとしては、炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは水素原子または炭素数1〜8のアルキル基である。炭素数1〜3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、iso−プロピレン基が挙げられる。好ましくは、エチレン基、プロピレン基である。また、rは0〜4の整数であり、好ましくは1〜3の整数である。また、Rとしては、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基である。炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などが例示できる。中でも、溶媒溶解性が高いという観点から、水素原子、メチル基が好ましい。また、rとしては、0〜4の整数であるが、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。
−CORにおける、Rは、置換または非置換の1〜8のアルキル基であり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などが挙げられ、メチル基が好ましい。なお、置換基には特に制限はない。例えば、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基などが好ましく、その具体例は、上記のようなものが同様に妥当し、具体的には、メトキシ基などが好ましい。
置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、ヒドロキシフェニル基(4−ヒドロキシフェニル基など)、トリフルオロメチルフェニル基(4−トリフルオロメチルフェニル基など)などが挙げられる。
のうち、置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基などが好ましい。中でも、ブチル基は、PGMEA等の有機溶媒への溶解性が高まるという点で特に好ましい。
は、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換または非置換のアミノ基である。
炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基などが挙げられる。中でも、メチル基、エチル基などが好ましい。特には、黄色素としての色濃度が高いという観点から、メチル基が好ましい。また、この際の置換基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基などが挙げられる。
置換または非置換のアミノ基の、非置換のアミノ基は、−NHで示される。また置換のアミノ基は、−N(R11で示される。R11は、それぞれ独立して、水素若しくは、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキル基などが挙げられ、この説明は上記で行ったものが同様に妥当し、例えば、メトキシメチル基などが好ましい。
は、水素原子、−CNまたは−CONHである。中でも、有機溶媒への溶解性が高いという観点から−CNが好ましい。
続いて、式(B):
で表わされるアゾ系染料またはその塩について説明を行う。
Qは、上記で説明した内容が同様に妥当する。
およびDは、それぞれ独立して、置換または非置換のアミノ基である。DおよびDは、具体的には、以下で示す表で挙げるようなものが好ましい。
なお、上記のアゾ系染料(A)またはその塩、アゾ系染料(B)またはその塩は、それぞれ、2つが任意の位置で結合して二量体を形成していてもよい。
上記のうち、本発明の好ましい具体的な黄色系色素を下記にまとめて列挙する。無論、これらに限定されないのは言うまでもない。
また、本発明で使用できる黄色系色素は、上記だけではなく、例えば、
などであってもよい。
上記のうち、特に、色素1(A)、色素2(A)、色素13(A)、色素49(A)、色素50(A)、色素51(A)、色素52(A)、色素53(A)、色素54(A)、色素55(A)が有機溶媒への溶解性が高いという観点で好ましい。また、色素1(A)であれば、耐光性・耐溶剤性が高いという観点でトリオクチルアミン塩やトリブチルアミン塩であることが好ましい。色素13(A)であれば、有機溶媒への耐熱性が高く、溶解性が特に高いとい観点で好ましい。色素49(A)、色素50(A)、色素51(A)、52(A)、53(A)、54(A)であれば、耐熱性が高いという観点で好ましい。
色素55(A)であれば、耐熱性が高く色純度が高いという観点で好ましい。
(A)または(B)で示される黄色系色素は、染料分野でよく知られているように、ジアゾニウム塩のカップリング方法を用いることによって製造することができる。また、市販品を購入することによって準備してもよい。あるいは、当業者であれば、適宜実施例を参照することによって、準備をすることができる。
上記ジアゾニウム塩は、例えば、上記Qを含むアミン類(つまり、「Q−NH」)を、亜硝酸、亜硝酸塩又は亜硝酸エステルによりジアゾ化することによって得ることができる。
ジアゾニウム塩のアニオンは、無機又は有機であってもよく、例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、CH−COO、Ph−COOなどが挙げられる。
よって、本発明の黄色系染料は、かかるジアゾニウム塩と、下記(A’)または(B’):
で示される少なくとも1つの化合物とを、反応させることによって製造することができる。ここで、D〜Dは、(A)〜(B)で説明したものと同様である。この際の反応条件は、従来公知の知見を適宜参照し、あるいは組み合わせて設定することができる。
本発明のカラーフィルタ用色素は、上記で説明したフタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含む。
本発明のカラーフィルタ用色素において、本発明のフタロシアニン化合物と、黄色系色素との配合量にも特に制限はないが、本発明のフタロシアニン化合物を100質量部とした際に、黄色系色素は好ましくは0.1〜1000質量部、より好ましくは1〜150質量部、さらに好ましくは5〜130質量部である。
また、以上の黄色アゾ色素は単独でフタロシアニン色素と用いても良いし、あるいは2〜3種類を混合して用いても良い。2〜3種類の色素を用いると互いの色素の溶解性が向上し、結果としてカラーフィルターとしての色純度が向上したり、輝度が向上する場合がある。
また、混合して用いる場合は、例えば以下に示すようなアゾ色素以外の構造の黄色染料を混合して用いても全く問題ない。
また、必要に応じ、本発明のカラーフィルタ用色素は、さらに分散剤を含むと好ましい。
本発明に用いられる分散剤としては、特に限定がない。
かかる分散剤の代表例としては、例えば有機溶剤系ではポリウレタン、ポリアクリレートなどのカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボン酸基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩など;水性では(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物;ラウリル硫酸ソーダ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤があげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
これらのなかでも特に、リン酸系分散剤またはアミン構造を有する分散剤が、分散性に優れており好適に使用される。かかるリン酸系分散剤またはアミン構造を有する分散剤としては、たとえばアビシア社製Solsperseシリーズ、ビックケミー社製Disperbykシリーズ、エフカ社製Efkaシリーズなどが挙げられる。好ましくは酸価20〜170mg KOH、さらに好ましくは100〜150mg/KOHまたは、アミン価1〜100mgKOH/g、さらに好ましくは30〜90mg KOH/gである。分散剤の量は通常、本発明の黄色系色素100質量部に対して3〜80質量部、好ましくは5〜40質量部とするのが適当である。
必要に応じて、公知の分散助剤等の化合物を添加してもよい。これらの化合物は、顔料と分散剤との仲介をする化合物で、顔料表面と分散剤とに電気的、化学的に吸着し、分散安定性を向上させる機能を持つと考えられている。
このような分散助剤としては例えば、ポリカルボン酸型高分子活性剤、ポリスルホン酸型高分子活性剤等のアニオン性活性剤、ポリオキシエチレン、ポリオキシレンブロロックポリマー等のノニオン系の活性剤があるが、好ましいものとして、アントラキノン系、フタロシアニン系、金属フタロシアニン系、キナクリドン系、アゾキレート系、アゾ系、イソインドリノン系、ピランスロン系、インダンスロン系、アンスラピリミジン系、ジブロモアンザンスロン系、フラバンスロン系、ペリレン系、ペリノン系、キノフタロン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系等の有機顔料を母体とし、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、カルボンアミド基、スルホンアミド基等の置換基を導入した顔料誘導体が挙げられる。これらの中でもフタロシアニン系及び金属フタロシアニンスルホンアミド化合物は特に有効である。
背景技術の欄でも説明したが、液晶ディスプレーや撮像装置等に用いるカラーフィルタは一般に、ガラスなどの透明基板に、赤、緑、青の三原色画素と、これらの画素間に設けられた遮光層であるブラックマトリックスとを形成することにより製造されている。
本発明においては、フタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含む点に特徴を有するため、カラーフィルタの作製方法は従来公知の知見を適宜参照し、あるいは組み合わせて適用することができる。例えば、特開平10−160921号公報で開示されている方法が、本発明のカラーフィルタを作製する上で好ましいが、無論これらに限定されるわけではない。
まず、ガラス基板上にブラックマトリックを形成する。次に、本発明のフタロシアニン化合物と、黄色系色素とを含有してなる感光性樹脂組成物をガラス基板上にスピンコート等により塗布し、乾燥する。次に、その後、必要に応じフォトマスクを介し露光する。その後、必要に応じ、アルカリ現像を行い着色パターン(着色層)を得る。その後、必要に応じ、透明なオーバーコート層(保護膜)を形成して着色層の保護と表面の平坦化を行う。さらに、必要に応じ、透明導電膜を形成する。このように、カラーフィルタとすることができる。
以下、より具体的に、本発明のカラーフィルタ用色素を用いたレジスト調製液の作製方法を説明する。
レジスト調製液は、本発明のフタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含むが、さらに、溶媒、感光性樹脂組成物または分散剤等を含むと好ましい。
本発明に用いることのできる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、テトラリン、スチレン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、エチルクロライド、1,1,1−トリクロロエタン、1−クロロブタン、シクロヘキシルクロライド、trans−ジクロロエチレン、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、n−プロパノール、n−ブタノール、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、2−エチルヘキサノール、ブトキシエタノール、ジアセトンアルコール、ベンズアルデヒド、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジブチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−i−アミルケトン、シクロヘキサン、アセトフェノン、メチラール、フラン、β−β−ジクロロエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸アミル、n−酢酸ブチル、シクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ニトロメタン、ニトロエタン、2−ニトロプロパン、ニトロベンゼン、ジメチルスルオキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。中でも、沸点と粘性の観点で好ましくはジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノンなどが好ましい溶媒として挙げられる。
溶媒に対してフタロシアニン化合物は、好ましくは2〜20質量%、さらに好ましくは8〜12質量%であり、黄色系色素は、好ましくは0.1〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。
次に、本発明に用いることのできる感光性樹脂組成物は、光の作用によって化学反応を起こし、その結果、溶媒に対する溶解度または親和性に変化を生じたり、液状より固体状に変化するものであればよく、例えば、アクリル系またはマレイミド系樹脂をバインダー樹脂(ベースポリマー)とし、これに各種のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルからなる感光性モノマー(光重合性モノマー)、光重合開始剤を加えてなる光重合型の感光性樹脂組成物、あるいは光二量化するアクリル系樹脂液を用いてなる光二量化型の感光性樹脂組成物などが挙げられるが、中でも光重合型の感光性樹脂組成物が好ましい。なお、ここでいうアクリル系樹脂液とは、通常、適当な粘度になるようにアクリル系樹脂を使用溶媒に溶解してなる溶液をいうが、無溶媒の液状のアクリル系樹脂液を含むものである。すなわち、本発明の組成物には、溶媒は必ずしも必須ではなく、無溶媒系の組成物であっても、感光性樹脂組成物が液状であり、上述した色素を均一に溶解することができ、かつレジスト調製液として適当な粘度をもたせることができるものであれば溶媒を用いなくともよい場合もある。この場合は、トルエンあるいはトルエンおよびジエチレングリコールジメチルエーテルを用いて色素の溶解性を予め測定することにより、使用可能な色素を選定できるものである。
前記アクリル系またはマレイミド系樹脂としては、それを構成するモノマー、オリゴマーのうち10質量%以上がアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルおよびマレイミド基を有する化合物から選ばれた1種以上であり、アクリル酸、メタクリル酸またはマレイミド基を有する化合物を好ましくは1〜50質量%、さらに好ましくは5〜35質量%、アクリル酸、メタクリル酸またはマレイミド基を有する化合物を好ましくは10〜90質量部、さらに好ましく30〜80質量部含むものである。
アクリル系樹脂を構成するモノマー、オリゴマーとしては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2一ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、マレイン酸、フマル酸、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートのカプロラクトン付加物のヘキサ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートプレポリマーが例示され、アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、各種アルキル(メタ)アクリレートを重合してなるアクリル樹脂、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、各種アルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレンを重合してなるアクリル樹脂、(メタ)アクリル酸、各種アルキル(メタ)アクリレートを重合してなるアクリル樹脂が好ましい。
マレイミド系樹脂を構成するモノマーとしては、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ヒドロキシフェニルマレイミド、N―メチルフェニルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−クロロフェニルマレイミド、N−ナフチルマレイミド等の芳香族置換マレイミドのほか、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のアルキル置換マレイミドが例示できる。
また、本発明の感光性樹脂組成物の成分となり得る感光性モノマーとしては、前記のアクリル系樹脂を構成するモノマーが挙げられるが、好ましくはトリメチロールプロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどの多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、感光性モノマーの使用量は、前記アクリル系樹脂100質量部に対し40〜90質量部が好ましく、60〜70質量部がさらに好ましい。
光重合型の感光性樹脂組成物の組成成分となり得る光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインアルキルエーテル系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、フェニルケトン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物およびアントラキノン系化合物などが挙げられる。より具体的には、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのアセトフェノン系化合物、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾインアルキルエーテル系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイドなどのベンゾフェノン系化合物、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン2,4−ジイソプロピルチオキサンソンなどのチオキサンソン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジンなどのトリアジン系化合物、2−(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−ビス(3−メトキシフェニル)−イミダゾール二量体、2−(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−ビス(4−メトキシフェニル)−イミダゾール二量体、2−(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−ビス(4−クロロフェニル)−イミダゾール二量体、2−(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−ジ(2−フリル)−イミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールなどのイミダゾール系化合物、イルガキュア369、イルガキュア907(両者ともチバガイギーカ株式会社製、商品名)などのアセトフェノン系化合物などが挙げられる。
光重合開始剤の添加量は、特に限定されるものではないが、アセトフェノン系化合物(イルガキュア369など)については、感光性モノマー(光重合性モノマー;例えば、ジペンタエリスリトールヘキサクリレートなど)を100質量部とした際に、好ましくは1〜30質量部、より好ましくは5〜15質量部の割合で添加されることが望ましい。
なお、本発明の組成物には、必要に応じて、熱重合防止剤等の任意成分を添加することができる。上記熱重合防止剤は、保存安定性改良の目的で添加されるものであり、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−(メルカプトベンゾイミダゾール)など用いることができる。また、必要に応じて、光劣化防止剤を添加しても良い。
以下、実施例および比較例を説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、下記化合物の名称において、Pcはフタロシアニン核を、PNはフタロニトリルを表す。また、下記化合物の名称において、「α−(置換基A),β−(置換基A)x−aPN(0<a<x)」あるいは「α−(置換基A),β−(置換基A)x−aPc(0<a<x)」と、記載されるのは、得られるフタロニトリル化合物あるいはフタロシアニン化合物は、α位に平均a個およびβ位に平均x−a個の置換基Aが導入されていることを意味し、即ち、α位及びβ位に合計x個の置換基Aが導入されていることを意味する。このため、例えば、合成例2の「α−{(4−CN)CO},β−{(4−CN)CO}1.5−aCl2.5PN(0≦a<1)」は、フタロニトリル化合物は、フタロシアニン骨格とした際の、α位に相当する位置に平均a個の4−シアノフェノキシ基が、β位に相当する位置に平均1.5−a個の4−シアノフェノキシ基が、および残位に塩素原子が導入された構造を有することを表わす。同様にして、例えば、参考例1の「ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−CN)CO}4−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl(0≦x<2,0≦y<4)」は、フタロシアニン骨格の、α位にx個の4−シアノフェノキシ基及びy個のp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ由来の基が、β位に4−x個の4−シアノフェノキシ基及び4−y個のp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ由来の基が、および残位に塩素原子が導入された構造を有することを表わす。即ち、参考例1のフタロシアニン化合物の16個の置換基は、4個の4−シアノフェノキシ基、4個のp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ由来の基、及び8個塩素原子から構成される。
合成例1:フタロニトリル化合物[α−{(4−CN)CO},β−{(4−CN)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体1)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル(以降、「TCPN」と略記する)15.95g(0.06モル)と4−シアノフェノール7.50g(0.063モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル63.82gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約7時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理により溶剤を溜去した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約20.3g(TCPNに対する収率100.1モル%)を得た。
合成例2:フタロニトリル化合物[α−{(4−CN)CO},β−{(4−CN)CO}1.5−aCl2.5PN](0≦a<1.5)(中間体2)の合成
150mlフラスコに、TCPN 18.61g(0.07モル)と4−シアノフェノール12.51g(0.105モル)、炭酸カリウム15.96g(0.116モル)、アセトニトリル74.45gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約26.57g(TCPNに対する収率97.0モル%)を得た。
合成例3:フタロニトリル化合物[α−{(4−CN)CO},β−{(4−CN)CO}2−aClPN](0≦a<2)(中間体3)の合成
150mlフラスコに、TCPN 7.98g(0.03モル)と4−シアノフェノール7.15g(0.06モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約15.12g(TCPNに対する収率99.2モル%)を得た。
合成例4:フタロニトリル化合物[α−{(4−NO)CO},β−{(4−NO)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体4)の合成
150mlフラスコに、TCPN 14.63g(0.055モル)と4−ニトロフェノール7.65g(0.055モル)、炭酸カリウム8.36g(0.061モル)、アセトニトリル58.50gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約1時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約20.17g(TCPNに対する収率99.5モル%)を得た。
合成例5:フタロニトリル化合物[α−{(2,4−Cl)CS},β−{(2,4−Cl)CS}1−aClPN](0≦a<1)(中間体5)の合成
150mlフラスコに、TCPN 7.00g(0.0263モル)と2,4−ジクロロチオフェノール4.71g(0.0263モル)、炭酸カリウム4.0g(0.029モル)、アセトニトリル25gを投入し、内温70℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約10.25g(TCPNに対する収率モル95.4%)が得られた。
合成例6:フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCH)CS},β−
{(2−COOCH)CS}1−aClPN](0≦a<1)(中間体6)の合成
150mlフラスコに、TCPN 10.0g(0.0376モル)とチオサリチル酸メチル6.33g(0.0376モル)、炭酸カリウム5.72g(0.0414モル)、アセトン36gを投入し、内温65℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約21時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得られた溶液を蒸留水300ml中へ滴下投入して結晶を析出させた。吸引ろ過後、得られた結晶を蒸留水150ml中で洗浄後、メタノール100mlを追加してさらに洗浄した。吸引ろ過後、得られた結晶をメタノール80mlにてふたたび洗浄処理した。吸引ろ過の後、60℃にて真空乾燥処理して約12.3g(TCPNに対する収率82.3モル%)が得られた。
合成例7:フタロニトリル化合物[α−{(2,4,6−Cl)CO},β−{(2,4,6−Cl)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体7)の合成
150mlフラスコに、TCPN 13.30g(0.05モル)と2,4,6−トリクロロフェノール9.87g(0.05モル)、炭酸カリウム7.60g(0.05モル)、アセトニトリル53.18gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約19.89g(TCPNに対する収率93.2モル%)が得られた。
合成例8:フタロニトリル化合物[α−{(4−OCH)CO},β−{(4−OCH)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体8)の合成
150mlフラスコに、TCPN 7.98g(0.03モル)と4−メトキシフェノール3.72g(0.03モル)、炭酸カリウム4.56g(0.033モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約4時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約10.5g(TCPNに対する収率99.0モル%)が得られた。
合成例9:フタロニトリル化合物[α−{(4−C(CH)CO},β−{(4−C(CH)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体9)の合成
150mlフラスコに、TCPN 7.98g(0.03モル)と4−tert−ブチルフェノール4.51g(0.03モル)、炭酸カリウム4.56g(0.033モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約4時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約10.8g(TCPNに対する収率94.8モル%)が得られた。
合成例10:フタロニトリル化合物[α−{(4−Cl)CO},β−{(4−Cl)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体10)の合成
150mlフラスコに、TCPN 15.95g(0.06モル)と4−クロロフェノール8.10g(0.063モル)、炭酸カリウム9.58g(0.069モル)、アセトニトリル63.82gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約3時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約20.5g(TCPNに対する収率98.3モル%)が得られた。
合成例11:フタロニトリル化合物[α−{(2,6−Cl)CO},β−{(2,6−Cl)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体11)の合成
150mlフラスコに、TCPN 14.63g(0.055モル)と2,6−ジクロロフェノール9.41g(0.058モル)、炭酸カリウム8.78g(0.064モル)、アセトニトリル58.50gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約3時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約9.06g(TCPNに対する収率43.1モル%)が得られた。
合成例12:フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCH−4−OCH)CO},β−{(2−COOCH−4−OCH)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体12)の合成
150mlフラスコに、TCPN 4.79g(0.018モル)と4−メトキシサリチル酸メチル3.28g(0.018モル)、炭酸カリウム2.74g(0.02モル)、アセトニトリル19.15gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約7.34g(TCPNに対する収率99.1モル%)が得られた。
合成例13:フタロニトリル化合物[α−{(2,6−OCH)CO},β−{(2,6−OCH)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体13)の合成
150mlフラスコに、TCPN 9.84g(0.037モル)と2,6−ジメトキシフェノール5.99g(0.039モル)、炭酸カリウム5.91g(0.043モル)、アセトニトリル39.35gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約14.1g(TCPNに対する収率101.8モル%)が得られた。
合成例14:フタロニトリル化合物[α−(CO),β−(CO)1−aClPN](0≦a<1)(中間体14)の合成
150mlフラスコに、TCPN 7.98g(0.03モル)とペンタフルオロフェノール5.52g(0.03モル)、炭酸カリウム4.56g(0.033モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約4時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約12.39g(TCPNに対する収率99.9モル%)が得られた。
合成例15:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体15)の合成
150mlフラスコに、TCPN 10.64g(0.04モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ7.85g(0.04モル)、炭酸カリウム6.08g(0.044モル)、アセトニトリル42.55gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約16.8g(TCPNに対する収率98.7モル%)が得られた。
合成例16:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}1.5−aCl2.5PN](0≦a<1.5)(中間体16)の合成
150mlフラスコに、TCPN 7.98g(0.03モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ8.83g(0.045モル)、炭酸カリウム4.56g(0.033モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約12.78g(TCPNに対する収率84.3モル%)が得られた。
合成例17:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}1.75−aCl2.25
PN](0≦a<1.75)(中間体17)の合成
150mlフラスコに、TCPN 10.64g(0.04モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ13.73g(0.07モル)、炭酸カリウム10.64g(0.077モル)、アセトニトリル42.55gを投入し、内温70℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約22.2g(TCPNに対する収率101.1モル%)が得られた。
合成例18:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}2−aClPN](0≦a<2)(中間体18)の合成
150mlフラスコに、TCPN 31.38g(0.118モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ46.30g(0.236モル)、炭酸カリウム35.88g(0.260モル)、アセトニトリル125.51gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約68.1g(TCPNに対する収率98.6モル%)が得られた。
合成例19:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}2.5−aCl1.5PN](0≦a<2.5)(中間体19)の合成
150mlフラスコに、TCPN 7.98g(0.03モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ14.72g(0.075モル)、炭酸カリウム4.56g(0.033モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約19.6g(TCPNに対する収率98.4モル%)が得られた。
合成例20:フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCOCH)C10O},β−{(2−COOCOCH)C10O}1−aClPN](0≦a<1)(中間体20)の合成
150mlフラスコに、TCPN 7.98g(0.03モル)と1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルセルソルブ9.69g(0.032モル)、炭酸カリウム4.79g(0.035モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約16.0g(TCPNに対する収率112.1モル%)が得られた。
合成例21:フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCOCH)C10O},β−{(2−COOCOCH)C10O}1.5−aCl2.5PN](0≦a<1.5)(中間体21)の合成
150mlフラスコに、TCPN 3.56g(0.013モル)と1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルセルソルブ6.18g(0.02モル)、炭酸カリウム3.06g(0.022モル)、アセトニトリル14.25gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約7時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約8.3g(TCPNに対する収率106.7モル%)が得られた。
合成例22:フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCOCH)C10O},β−{(2−COOCOCH)C10O}2−aClPN](0≦a<2)(中間体22)の合成
150mlフラスコに、TCPN 7.98g(0.03モル)と1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルセルソルブ18.46g(0.06モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約23.1g(TCPNに対する収率112.3モル%)が得られた。
合成例23:フタロニトリル化合物[α−{(2−CHO−4−COOCOCH)CO},β−{(2−CHO−4−COOCOCH)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体23)の合成
150mlフラスコに、TCPN 7.98g(0.03モル)とバニリン酸メチルセルソルブ6.79g(0.03モル)、炭酸カリウム4.56g(0.033モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約13.7g(TCPNに対する収率100.2モル%)が得られた。
合成例24:フタロニトリル化合物[α−{(2−CHO−4−COOCOCH)CO},β−{(2−CHO−4−COOCOCH)CO}2−aClPN](0≦a<2)(中間体24)の合成
150mlフラスコに、TCPN 4.71g(0.018モル)とバニリン酸メチルセルソルブ8.01g(0.035モル)、炭酸カリウム5.38g(0.039モル)、アセトニトリル18.83gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約11.4g(TCPNに対する収率99.8モル%)が得られた。
合成例25:フタロニトリル化合物[α−{(2−OCH−4−COOCOCH)CO},β−{(2−OCH−4−COOCOCH)CO}1.4−aCl2.6PN](0≦a<1.4)(中間体25)の合成
150mlフラスコに、TCPN13.30g(0.050モル)とバニリン酸メチルセルソルブ16.41g(0.070モル)、炭酸カリウム10.64g(0.077モル)、アセトニトリル53.18gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約3時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約26.8g(TCPNに対する収率100.7モル%)が得られた。
合成例26:フタロニトリル化合物[α−{(2−CHO−5−NO)CO},β−{(2−CHO−5−NO)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体26)の合成
150mlフラスコに、TCPN10.64g(0.040モル)と5−ニトログアヤコール6.77g(0.040モル)、炭酸カリウム6.08g(0.044モル)、アセトニトリル42.55gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2.5時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約5.4g(TCPNに対する収率33.9モル%)が得られた。
合成例27:フタロニトリル化合物[α−{(7−C)O},β−{(7−C)O}1−aClPN](0≦a<1)(中間体27)の合成
150mlフラスコに、TCPN15.95g(0.060モル)と7−ヒドロキシクマリン9.73g(0.060モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル63.82gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約3時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約15.9g(TCPNに対する収率67.7モル%)が得られた。
合成例28:フタロニトリル化合物[α−{(CO)O},β−{(CO)O}1−aClPN](0≦a<1)(中間体28)の合成
150mlフラスコに、TCPN6.65g(0.025モル)と2,3−ジヒドロキシキノキサリン4.05g(0.025モル)、炭酸カリウム3.80g(0.028モル)、アセトニトリル26.59gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約4.1g(TCPNに対する収率41.7モル%)が得られた。
合成例29:フタロニトリル化合物[α−{(2−OCH−4−COOCOCH)CO},β−{(2−OCH−4−COOCOCH)CO}1.5−aCl2.5PN](0≦a<1.5)(中間体29)の合成
150mlフラスコに、TCPN10.64g(0.040モル)とバニリン酸メチルセルソルブ14.02g(0.060モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル42.55gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約4時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約22.6g(TCPNに対する収率102.6モル%)が得られた。
合成例30:フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCOCH)C10−6−O},β−{(2−COOCOCH)C10−6−O}1−aClPN](0≦a<1)(中間体30)の合成
150mlフラスコに、TCPN9.31g(0.035モル)と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルセルソルブ9.05g(0.037モル)、炭酸カリウム5.32g(0.039モル)、アセトニトリル37.23gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約4時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約16.50g(TCPNに対する収率99.1モル%)が得られた。
合成例31:フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCOCH)C10−3−O},β−{(2−COOCOCH)C10−3−O}1−aClPN](0≦a<1)(中間体31)の合成
150mlフラスコに、TCPN10.64g(0.040モル)と3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルセルソルブ10.34g(0.042モル)、炭酸カリウム6.08g(0.044モル)、アセトニトリル42.55gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約18.42g(TCPNに対する収率96.8モル%)が得られた。
合成例32:フタロニトリル化合物[α−{(CHCH(OCH)COOC)CS},β−{(CHCH(OCH)COOC)CS}1−aClPN](0≦a<1)(中間体32)の合成
150mlフラスコに、TCPN10g(0.0376モル)と3−メルカプトプロピオン酸3−メトキシブチル7.23g(0.0376モル)、ベンゾニトリル35gを投入し、マグネチックスターラーを用いて内温が100℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム5.72g(0.0414モル)を投入して約6時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約15.5g(TCPNに対する収率97.7モル%)が得られた。
合成例33:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}0.875−aCl3.125PN](0≦a<0.875)(中間体33)の合成
150mlフラスコに、TCPN7.98g(0.030モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ5.15g(0.026モル)、炭酸カリウム3.99g(0.029モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約1時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約12.1g(TCPNに対する収率99.4モル%)が得られた。
合成例34:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}0.75−aCl3.25PN](0≦a<0.75)(中間体34)の合成
150mlフラスコに、TCPN7.98g(0.030モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ4.41g(0.023モル)、炭酸カリウム3.42g(0.025モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約1.5時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約11.47g(TCPNに対する収率99.1モル%)が得られた。
合成例35:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCH)CO},β−{(4−COOCH)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体35)の合成
150mlフラスコに、TCPN7.98g(0.030モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチル4.56g(0.030モル)、炭酸カリウム4.56g(0.033モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約1時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約11.67g(TCPNに対する収率101.9モル%)が得られた。
合成例36:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(4−NO)CS}b,β−{(4−COOCOCH)CO}1−a,β−{(4−NO)CS}0.25−bCl2.75PN](0≦a<1,0≦b<0.25)(中間体36)の合成
150mlフラスコに、TCPN5.32g(0.020モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ3.92g(0.020モル)、アセトニトリル21.27gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム3.80g(0.028モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに4−ニトロチオフェノール0.78g(0.005モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約9.1g(TCPNに対する収率99.5モル%)が得られた。
合成例37:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(4−Cl)CS}b,β−{(4−COOCOCH)CO}1−a,β−{(4−Cl)CS}0.25−bCl2.75PN](0≦a<1,0≦b<0.25)(中間体37)の合成
150mlフラスコに、TCPN5.32g(0.020モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ3.92g(0.020モル)、アセトニトリル21.27gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム3.80g(0.028モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに4−クロロチオフェノール0.72g(0.005モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約9.3g(TCPNに対する収率102.5モル%)が得られた。
合成例38:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−(CS)b,β−{(4−COOCOCH)CO}1−a,β−(CS)0.25−bCl2.75PN](0≦a<1,0≦b<0.25)(中間体38)の合成
150mlフラスコに、TCPN5.32g(0.020モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ3.92g(0.020モル)、アセトニトリル21.27gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム3.80g(0.028モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコにチオフェノール0.55g(0.005モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約9.7g(TCPNに対する収率109.5モル%)が得られた。
合成例39:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−(CClS)b,β−{(4−COOCOCH)CO}1−a,β−(CClS)0.25−bCl2.75PN](0≦a<1,0≦b<0.25)(中間体39)の合成
150mlフラスコに、TCPN5.32g(0.020モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ3.92g(0.020モル)、アセトニトリル21.27gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム3.80g(0.028モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコにペンタクロロチオフェノール1.41g(0.005モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約8.6g(TCPNに対する収率87.9モル%)が得られた。
合成例40:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(4−OCH)CS}b,β−{(4−COOCOCH)CO}1−a,β−{(4−OCH)CS}0.25−bCl2.75PN](0≦a<1,0≦b<0.25)(中間体40)の合成
150mlフラスコに、TCPN5.32g(0.020モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ3.92g(0.020モル)、アセトニトリル21.27gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム3.80g(0.028モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに4−メトキシベンゼンチオール0.70g(0.005モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約9.1g(TCPNに対する収率100.2モル%)が得られた。
合成例41:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(C10)−2−S}b,β−{(4−COOCOCH)CO}1−a,β−{(C10)−2−S}0.25−bCl2.75PN](0≦a<1,0≦b<0.25)(中間体41)の合成
150mlフラスコに、TCPN5.32g(0.020モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ3.92g(0.020モル)、アセトニトリル21.27gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム3.80g(0.028モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコにβ−ナフタレンチオール0.80g(0.005モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約9.4g(TCPNに対する収率103.0モル%)が得られた。
合成例42:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(2,6−Cl)CS}b,β−{(4−COOCOCH)CO}1−a,β−{(2,6−Cl)CS}0.25−bCl2.75PN](0≦a<1,0≦b<0.25)(中間体42)の合成
150mlフラスコに、TCPN5.32g(0.020モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ3.92g(0.020モル)、アセトニトリル21.27gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム3.80g(0.028モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに2,6−ジクロロチオフェノール0.90g(0.005モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約9.3g(TCPNに対する収率100.9モル%)が得られた。
合成例43:フタロニトリル化合物[α−{(2−OCH−4−COOCOCH)CO},α−{(2,6−Cl)CS}b,β−{(2−OCH−4−COOCOCH)CO}0.8−a,β−{(2,6−Cl)CS}0.1−bCl3.1PN](0≦a<0.8,0≦b<0.1)(中間体43)の合成
150mlフラスコに、TCPN5.32g(0.020モル)とバニリン酸メチルセルソルブ3.89g(0.016モル)、アセトニトリル21.27gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム2.74g(0.020モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに2,6−ジクロロチオフェノール0.36g(0.002モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約9.1g(TCPNに対する収率105.1モル%)が得られた。
合成例44:フタロニトリル化合物[α−{(2−OCH−4−COOCOCH)CO},α−{((OCSi)CS}b,β−{(2−OCH−4−COOCOCH)CO}1−a,β−{((OCSi)CS}0.25−bCl2.75PN](0≦a<1,0≦b<0.25)(中間体44)の合成
150mlフラスコに、TCPN6.65g(0.025モル)とバニリン酸メチルセルソルブ5.66g(0.025モル)、アセトニトリル26.59gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム4.75g(0.034モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに(3−メルカプトプロピル)トリエトキシシラン1.49g(0.006モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約12.6g(TCPNに対する収率99.9モル%)が得られた。
合成例45:フタロニトリル化合物[α−{(2−OCH−4−COOCOCH)CO},α−{(CH(OCSi)CS}b,β−{(2−OCH−4−COOCOCH)CO}1−a,β−{(CH(OCSi)CS}0.25−bCl2.75PN](0≦a<1,0≦b<0.25)(中間体45)の合成
150mlフラスコに、TCPN6.65g(0.025モル)とバニリン酸メチルセルソルブ5.66g(0.025モル)、アセトニトリル26.59gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム4.75g(0.034モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに(3−メルカプトプロピル)ジメトキシメチルシラン1.13g(0.006モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約12.0g(TCPNに対する収率97.5モル%)が得られた。
合成例46:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(2,6−(CH)CO}b,β−{(4−COOCOCH)CO}0.8−a,β−{(2,6−(CH)CO})0.2−bClPN](0≦a<0.8,0≦b<0.2)(中間体46)の合成
150mlフラスコに、TCPN6.65g(0.025モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ4.91g(0.025モル)、アセトニトリル26.59gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム3.8g(0.0275モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに2,6−キシレノール0.61g(0.005モル)を投入して、さらに約3時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約11.1g(TCPNに対する収率108.2モル%)が得られた。
合成例47:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(2−C(CH)CO}b,β−{(4−COOCOCH)CO}1−a,β−{(2−C(CH)CO}0.25−bCl2.75PN](0≦a<1,0≦b<0.25)(中間体47)の合成
150mlフラスコに、TCPN6.65g(0.025モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ4.91g(0.025モル)、アセトニトリル26.59gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム4.75g(0.0344モル)を投入して約3.5時間反応させた。反応後、フラスコに2−tert−ブチルフェノール0.94g(0.006モル)を投入して、さらに約4.5時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約11.3g(TCPNに対する収率99.6モル%)が得られた。
合成例48:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(2,6−Cl)CS}b,β−{(4−COOCOCH)CO}0.8−a,β−{(2,6−Cl)CS}0.1−bCl3.1PN](0≦a<0.8,0≦b<0.1)(中間体48)の合成
150mlフラスコに、TCPN5.32g(0.020モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ3.14g(0.016モル)、アセトニトリル21.27gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム2.74g(0.02モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに2,6−ジクロロチオフェノール0.36g(0.002モル)を投入して、さらに約4時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約8.4g(TCPNに対する収率102.5モル%)が得られた。
合成例49:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(2,6−Cl)CS}b,α−{(4−CN)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}0.7−a,β−{(2,6−Cl)CS}0.2−b,β−{(4−CN)CO}0.1−cClPN}(0≦a<0.7,0≦b<0.2,0≦c<0.1)(中間体49)の合成
150mlフラスコに、TCPN5.32g(0.020モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ2.75g(0.014モル)、アセトニトリル21.27gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム3.04g(0.022モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに4−シアノフェノール0.24g(0.002モル)を投入して、さらに約1時間反応をさせた。反応後、フラスコに2,6−ジクロロチオフェノール0.72g(0.004モル)を投入して、さらに約1時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約8.2g(TCPNに対する収率99.0モル%)が得られた。
合成例50:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(2,6−Cl)CS}b,α−{(2−COOCOCH)C10O},β−{(4−COOCOCH)CO}0.7−a,β−{(2,6−Cl)CS}0.2−b,β−{(2−COOCOCH)C10O}0.1−cClPN](0≦a<0.7,0≦b<0.2,0≦c<0.1)(中間体50)の合成
150mlフラスコに、TCPN7.45g(0.028モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ3.85g(0.020モル)、アセトニトリル29.78gを投入しマグネチックスターラーを用いて、内温が40℃に安定するまで約30分攪拌した後、炭酸カリウム4.26g(0.031モル)を投入して約2時間反応させた。反応後、フラスコに1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルセルソルブ0.75g(0.003モル)を投入して、さらに約2時間反応をさせた。反応後、フラスコに2,6−ジクロロチオフェノール1.00g(0.006モル)を投入して、さらに約2時間反応をさせた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約11.4g(TCPNに対する収率95.1モル%)が得られた。
合成例51:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}0.65−aCl3.35PN](0≦a<0.65)(中間体51)の合成
150mlフラスコに、TCPN22.60g(0.085モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ10.95g(0.015モル)、炭酸カリウム8.40g(0.061モル)、ベンゾニトリル70.07gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約31.7g(TCPNに対する収率100.7モル%)が得られた。
合成例52:フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}0.5−aCl3.5PN](0≦a<0.5)(中間体52)の合成
150mlフラスコに、TCPN10.64g(0.040モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ3.96g(0.020モル)、炭酸カリウム3.04g(0.022モル)、ベンゾニトリル32.97gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約1時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約13.9g(TCPNに対する収率100.6モル%)が得られた。
合成例53:フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCOCH)CO},β−{(2−COOCOCH)CO}2−aClPN](0≦a<2)(中間体53)の合成
150mlフラスコに、TCPN16.03g(0.060モル)とサリチル酸メチルセルソルブ23.87g(0.120モル)、炭酸カリウム18.24g(0.132モル)、アセトニトリル63.97gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、合成例1と同じ工程にて処理を行い、約35.0g(TCPNに対する収率99.7モル%)が得られた。
合成例54:フタロニトリル化合物[β−{(2−COOCH)CO}PN](中間体54)の合成
150mlフラスコに、4−ニトロフタロニトリル25.10g(0.145モル)とサリチル酸メチル30.89g(0.203モル)、炭酸カリウム22.04g(0.16モル)、n−テトラブチルアンモニウムブロマイド0.93g(0.003モル)、アセトニトリル100.42gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約40時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール50gと水150gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール200gと水200gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約34.8g(4−ニトロフタロニトリルに対する収率86.3モル%)が得られた。
参考例1:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−CN)CO}4−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl](0≦x<4,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例3で得られた中間体3、2.59g(0.006モル)、合成例18で得られた中間体18、3.51g(0.006モル)、ヨウ化亜鉛1.05g(0.003モル)、ベンゾニトリル5.62gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。
冷却後、フタロシアニン化反応に使用した中間体重量の和(6.1g)相当するアセトンを加え、攪拌・添加することで晶析溶液を調製した。次に、調製した晶析溶液をフタロシアニン化反応に使用した中間体重量の和の20倍量に相当するメタノール(122g)中に滴下し、30分攪拌した。その後、メタノールの1/2倍量の蒸留水(61g)を30分かけて滴下し、滴下終了後、さらに30分攪拌して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再び晶析時の1/2倍量のメタノール(61g)を加えて30分攪拌した後、メタノールの1/2倍量の蒸留水(30.5g)を30分かけて滴下し、滴下終了後、さらに30分攪拌することで洗浄および精製を行った。
吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約5.00g(中間体3および中間体18に対する収率79.4モル%)のフタロシアニン化合物1が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物1について、以下の方法により、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
(最大吸収波長およびグラム吸光係数の測定)
得られたフタロシアニン化合物を分光光度計(日立製作所(株)社製:U−2910)を用いてメチルセルソルブ0.8wt%含有メタノール溶液中で最大吸収波長(λmax)およびグラム吸光係数を測定した。測定手法は以下の通り行なった。
50mlメスフラスコに得られたフタロシアニン化合物0.04gをメチルセルソルブ20gにて溶解し、溶液のメニスカスが50mlメスフラスコの標線と一致するようにメタノールを添加して調製した。次いで、調製した溶液をピペットを用いて1ml分取し、分取した溶液を全て50mlメスフラスコに投入してメタノールにて希釈し、溶液のメニスカスが50mlメスフラスコの標線と一致するように調製した。このようにして調製した溶液を1cm角の硬質ガラス製セルに入れ、分光光度計を用いて透過スペクトルを測定した。また、測定した吸光度をAとしたとき、グラム吸光係数を以下の式で計算した。
(耐熱性評価−1)
得られたフタロシアニン化合物0.125gに(株)日本触媒社製アクリル系バインダーポリマー0.42gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと略す)1.22g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.112g、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製(IRGACURE369)0.01gを加え、溶解、混合して、樹脂塗料液を調製した。得られた樹脂塗料液をバーコーターを使用して、ガラス板に乾燥膜中の色素濃度30wt%、乾燥膜厚が2μmとなるよう塗布し、80℃にて30分間乾燥させた。このようにして得られたコーティングガラス板の吸収スペクトルを分光光度計(日立製作所(株)社製:U−2910)にて測定し、これを加熱前スペクトルとした。次に、加熱前スペクトルを測定した塗膜ガラス板を220℃にて20分間、加熱処理した。この加熱処理したコーティングガラス板の吸収スペクトルを分光光度計にて測定し、これを加熱後スペクトルとした。このように測定した加熱前、加熱後の各スペクトルにおいて380nm〜900nmまでの吸光度を積分し、加熱前と加熱後でその吸光度の差を測定した。また、加熱前スペクトルをE、加熱後スペクトルをE、測定した吸光度の差をΔEとしたとき、ΔEを以下の式で計算した。
(溶解性の評価)
得られたフタロシアニン化合物0.1gにPGMEA0.9gを加え、色素が10wt%含有した調製液を作製した。調製液をマグネチックスターラーにより1時間攪拌した後、全量を注射器にて採取し、メンブレンフィルター(φ=0.45μm)を用いてろ過した。
調製液がメンブレンフィルターにより目詰まりせず通過できる場合、調製液に色素が溶解していると判断するろ過テストを実施し、全て問題なくろ過できた場合を○、ろ過できたが一部溶け残りが見られた場合を△、フィルターの目詰まりを起こした場合を×として溶解性の評価とした。
参考例2:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−CN)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例1で得られた中間体1、2.44g(0.007モル)、合成例18で得られた中間体18、4.10g(0.007モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル6.56gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約9時間反応させた。
冷却後、参考例1と全く同様の操作を行い約5.95g(中間体1および中間体18に対する収率87.9モル%)のフタロシアニン化合物2が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物2について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例3:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−CN)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}5−yCl](0≦x<2,0≦y<5)の合成
150mlフラスコに、合成例1で得られた中間体1、2.09g(0.006モル)、合成例19で得られた中間体19、3.99g(0.006モル)、ヨウ化亜鉛1.05g(0.003モル)、ベンゾニトリル2.03gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。
冷却後、参考例1と全く同様の操作を行い約5.06g(中間体1および中間体19に対する収率80.6モル%)のフタロシアニン化合物3が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物3について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例4:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−CN)CO}3−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl](0≦x<3,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2で得られた中間体2、2.35g(0.006モル)、合成例18で得られた中間体18、3.51g(0.006モル)、ヨウ化亜鉛1.05g(0.003モル)、ベンゾニトリル1.95gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。
冷却後、参考例1と全く同様の操作を行い約4.58g(中間体2および中間体18に対する収率75.6モル%)のフタロシアニン化合物4が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物4について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例5:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−CN)CO}1−x,{β−(4−COOCOCH)CO}6−yCl](0≦x<1,0≦y<6)の合成
150mlフラスコに、合成例1で得られた中間体1、1.16g(0.003モル)、合成例18で得られた中間体18、5.85g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.17g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.34gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約7時間反応させた。
冷却後、反応溶液を140℃×1hrの条件にてエバポレーション処理して溶媒を溜去した後、得られた固形物に、フタロシアニン化反応に使用した中間体重量の和(7.0g)からベンゾニトリルの重量(2.34g)を差し引いた重量に相当するメチルセルソルブ(4.7g)を加え、攪拌・溶解することで晶析溶液を調製した。次に、調製した晶析溶液をフタロシアニン化反応に使用した中間体重量の和の10倍量に相当するメタノール(70.2g)中に滴下し、30分攪拌した。その後、メタノールの1/2倍量の蒸留水(35.1g)を30分かけて滴下し、滴下終了後、さらに30分攪拌して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再び晶析時の1/2倍量のメタノール(35.1g)を加えて30分攪拌した後、メタノールの1/2倍量の蒸留水(17.5g)を30分かけて滴下し、滴下終了後、さらに30分攪拌することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約6.45g(中間体1および中間体18に対する収率89.2モル%)のフタロシアニン化合物5が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物5について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例6:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(2−COOCOCH)C10O},{β−(4−CN)CO}2−x,{β−(2−COOCOCH)C10O}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例1で得られた中間体1、2.70g(0.008モル)、合成例22で得られた中間体22、5.14g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.32g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.61gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約13時間反応させた。
冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約7.4g(中間体1および中間体22に対する収率92.5モル%)のフタロシアニン化合物6が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物6について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例7:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−NO)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−NO)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例4で得られた中間体4、2.95g(0.008モル)、合成例18で得られた中間体18、4.68g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル7.49gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。
冷却後、参考例1と全く同様の操作を行い約6.85g(中間体4および中間体18に対する収率86.8モル%)のフタロシアニン化合物7が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物7について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例8:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2,4−Cl)CS},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2,4−Cl)CS}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例5で得られた中間体5、4.00g(0.01モル)、合成例18で得られた中間体18、5.73g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.72g(0.005モル)、ベンゾニトリル3.24gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。
冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約8.50g(中間体5および中間体18に対する収率85.0モル%)のフタロシアニン化合物8が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物8について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例9:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−COOCH)CS},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2−COOCH)CS}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例6で得られた中間体6、3.98g(0.01モル)、合成例18で得られた中間体18、5.85g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル3.28gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。
冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約8.9g(中間体6および中間体18に対する収率87.6モル%)のフタロシアニン化合物9が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物9について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例10:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2,4,6−Cl)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2,4,6−Cl)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例7で得られた中間体7、4.27g(0.01モル)、合成例18で得られた中間体18、5.85g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル3.37gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。
冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約10.1g(中間体7および中間体18に対する収率96.7モル%)のフタロシアニン化合物10が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物10について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例11:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2,4,6−Cl)CO},{α−(2−COOCOCH)C10O},{β−(2,4,6−Cl)CO}2−x,{β−(2−COOCOCH)C10O}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例7で得られた中間体7、3.20g(0.008モル)、合成例22で得られた中間体22、5.14g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.32g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.78gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約10時間反応させた。
冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約6.0g(中間体7および中間体22に対する収率93.2モル%)のフタロシアニン化合物11が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物11について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例12:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−OCH)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−OCH)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例8で得られた中間体8、3.54g(0.01モル)、合成例18で得られた中間体18、5.85g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル3.13gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。
冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約9.35g(中間体8および中間体18に対する収率96.2モル%)のフタロシアニン化合物12が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物12について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例13:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−C(CH)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−C(CH)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例9で得られた中間体9、3.80g(0.01モル)、合成例18で得られた中間体18、5.85g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル3.22gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。
冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約9.6g(中間体9および中間体18に対する収率96.2モル%)のフタロシアニン化合物13が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物13について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例14:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−Cl)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−Cl)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例10で得られた中間体10、2.43g(0.007モル)、合成例18で得られた中間体18、4.10g(0.007モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.18gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。
冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約6.0g(中間体10および中間体18に対する収率88.8モル%)のフタロシアニン化合物14が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物14について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例15:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2,6−Cl)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2,6−Cl)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例11で得られた中間体11、2.67g(0.007モル)、合成例18で得られた中間体18、4.10g(0.007モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.26gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約7時間反応させた。
冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約6.37g(中間体11および中間体18に対する収率91.0モル%)のフタロシアニン化合物15が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物15について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例16:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−COOCH−4−OCH)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2−COOCH−4−OCH)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例12で得られた中間体12、4.12g(0.010モル)、合成例18で得られた中間体18、5.85g(0.010モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル3.32gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。
冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約9.7g(中間体12および中間体18に対する収率94.2モル%)のフタロシアニン化合物16が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物16について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例17:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2,6−(OCH)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2,6−(OCH)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例13で得られた中間体13、3.84g(0.01モル)、合成例18で得られた中間体18、5.85g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.73g(0.006モル)、ベンゾニトリル3.23gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。
冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約9.65g(中間体13および中間体18に対する収率96.3モル%)のフタロシアニン化合物17が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物17について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例18:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例14で得られた中間体14、4.14g(0.01モル)、合成例18で得られた中間体18、5.85g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル3.33gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。
冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約9.95g(中間体14および中間体18に対する収率96.5モル%)のフタロシアニン化合物18が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物18について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例19:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}6−xCl10](0≦x<6)の合成
150mlフラスコに、合成例15で得られた中間体15、3.58g(0.008モル)、合成例18で得られた中間体18、4.92g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.47g(0.005モル)、ベンゾニトリル7.87gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約9時間反応させた。
冷却後、参考例1と全く同様の操作を行い約8.0g(中間体15および中間体18に対する収率91.2モル%)のフタロシアニン化合物19が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物19について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例20:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}7−xCl](0≦x<7)の合成
150mlフラスコに、合成例15で得られた中間体15、2.13g(0.005モル)、合成例19で得られた中間体19、3.33g(0.005モル)、ヨウ化亜鉛0.88g(0.003モル)、ベンゾニトリル1.82gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。
冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約4.78g(中間体15および中間体19に対する収率85.1モル%)のフタロシアニン化合物20が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物20について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例21:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}7−xCl](0≦x<7)の合成
150mlフラスコに、合成例16で得られた中間体16、2.53g(0.005モル)、合成例18で得られた中間体18、2.93g(0.005モル)、ヨウ化亜鉛0.88g(0.003モル)、ベンゾニトリル1.82gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。
冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約4.62g(中間体16および中間体18に対する収率82.2モル%)のフタロシアニン化合物21が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物21について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例22:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−COOCOCH)C10O},{β−(2−COOCOCH)C10O}6−xCl10](0≦x<6)の合成
150mlフラスコに、合成例20で得られた中間体20、4.76g(0.01モル)、合成例22で得られた中間体22、6.86g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル3.87gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。
冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約9.3g(中間体20および中間体22に対する収率77.9モル%)のフタロシアニン化合物22が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物22について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例23:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)C10O},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)C10O}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例20で得られた中間体20、4.76g(0.01モル)、合成例18で得られた中間体18、5.85g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル3.54gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。
冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約10.25g(中間体20および中間体18に対する収率93.7モル%)のフタロシアニン化合物23が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物23について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例24:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)C10O},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)C10O}3−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl](0≦x<3,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例21で得られた中間体21、3.19g(0.006モル)、合成例18で得られた中間体18、3.22g(0.006モル)、ヨウ化亜鉛0.97g(0.003モル)、ベンゾニトリル2.14gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。
冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約5.22g(中間体21および中間体18に対する収率79.2モル%)のフタロシアニン化合物24が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物24について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例25:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)C10O},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)C10O}3−x,{β−(4−COOCOCH)CO}3−yCl10](0≦x<3,0≦y<3)の合成
150mlフラスコに、合成例21で得られた中間体21、3.48g(0.006モル)、合成例16で得られた中間体16、3.03g(0.006モル)、ヨウ化亜鉛1.05g(0.003モル)、ベンゾニトリル2.17gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。
冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約5.59g(中間体21および中間体16に対する収率83.3モル%)のフタロシアニン化合物25が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物25について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例26:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−CHO−4−COOCOCH)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2−CHO−4−COOCOCH)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例23で得られた中間体23、3.65g(0.008モル)、合成例18で得られた中間体18、4.92g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.78gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。
冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約7.9g(中間体18および中間体23に対する収率92.0モル%)のフタロシアニン化合物26が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物26について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例27:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−CHO−4−COOCOCH)CO},{β−(2−CHO−4−COOCOCH)CO}6−xCl10](0≦x<6)の合成
150mlフラスコに、合成例23で得られた中間体23、2.73g(0.006モル)、合成例24で得られた中間体24、3.87g(0.006モル)、ヨウ化亜鉛1.05g(0.003モル)、ベンゾニトリル2.20gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。
冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約6.35g(中間体23および中間体24に対する収率93.3モル%)のフタロシアニン化合物27が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物27について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例28:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}6−xCl10](0≦x<6)の合成
150mlフラスコに、合成例16で得られた中間体16、7.58g(0.015モル)、ヨウ化亜鉛1.32g(0.004モル)、ベンゾニトリル1.90gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。
冷却後、参考例1と全く同様の操作を行い約6.9g(中間体16に対する収率88.8モル%)のフタロシアニン化合物28が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物28について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例29:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}7−xCl](0≦x<7)の合成
150mlフラスコに、合成例17で得られた中間体17、7.64g(0.014モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル1.91gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約4時間反応させた。
冷却後、参考例1と全く同様の操作を行い約7.07g(中間体17に対する収率89.5モル%)のフタロシアニン化合物29が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物29について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
また、上記参考例1〜29のフタロシアニン化合物1〜29の、置換基(式(1)中のZ〜Z16)の構成を下記表1に示す。
参考例30
参考例2で得られたフタロシアニン化合物2について、以下の耐熱性評価−2の方法に従って、耐熱性を評価した。なお、下記耐熱性評価−2の方法は、乾燥膜厚を0.2μmから0.1μmに変更した以外は、上記耐熱性評価−1の方法と同様である。結果を下記表2に示す。なお、下記表2には、当該フタロシアニン化合物2の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは参考例2と同様の結果である。
(耐熱性評価−2)
得られたフタロシアニン化合物0.125gに(株)日本触媒社製アクリル系バインダーポリマー0.42gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと略す)20.0g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.112g、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製(IRGACURE369)0.01gを加え、溶解、混合して、樹脂塗料液を調製した。得られた樹脂塗料液をバーコーターを使用して、ガラス板に乾燥膜中の色素濃度30wt%、乾燥膜厚が0.1μmとなるよう塗布し、80℃にて30分間乾燥させた。このようにして得られたコーティングガラス板の吸収スペクトルを分光光度計(日立製作所(株)社製:U−2910)にて測定し、これを加熱前スペクトルとした。次に、加熱前スペクトルを測定した塗膜ガラス板を220℃にて20分間、加熱処理した。この加熱処理したコーティングガラス板の吸収スペクトルを分光光度計にて測定し、これを加熱後スペクトルとした。このように測定した加熱前、加熱後の各スペクトルにおいて380nm〜900nmまでの吸光度を積分し、加熱前と加熱後でその吸光度の差を測定した。また、加熱前スペクトルをE、加熱後スペクトルをE、測定した吸光度の差をΔEとしたとき、ΔEを以下の式で計算した。
参考例31
参考例30において、参考例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、参考例9で得られたフタロシアニン化合物9を使用した以外は、参考例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表2に示す。なお、下記表2には、当該フタロシアニン化合物9の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは参考例9と同様の結果である
参考例32
参考例30において、参考例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、参考例11で得られたフタロシアニン化合物11を使用した以外は、参考例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表2に示す。なお、下記表2には、当該フタロシアニン化合物11の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは参考例11と同様の結果である
参考例33
参考例30において、参考例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、参考例19で得られたフタロシアニン化合物19を使用した以外は、参考例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表2に示す。なお、下記表2には、当該フタロシアニン化合物19の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは参考例19と同様の結果である
参考例34
参考例30において、参考例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、参考例26で得られたフタロシアニン化合物26を使用した以外は、参考例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表2に示す。なお、下記表2には、当該フタロシアニン化合物26の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは参考例26と同様の結果である
参考例35
参考例30において、参考例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、参考例27で得られたフタロシアニン化合物27を使用した以外は、参考例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表2に示す。なお、下記表2には、当該フタロシアニン化合物27の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは参考例27と同様の結果である。
比較例1:フタロシアニン化合物[ZnPc−{β−(2−COOCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例54で得られた中間体54、4.17g(0.015モル)、ヨウ化亜鉛1.32g(0.004モル)、ベンゾニトリル30.94gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温185℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約3.8g(中間体54に対する収率84.9モル%)の比較フタロシアニン化合物1が得られた。
このようにして得られた比較フタロシアニン化合物1について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
比較例2
特開2008−50599号公報の参考例18に記載の方法と同様にして、比較フタロシアニン化合物2{ZnPc(3−COOCHPhO)(3−COOHPhO)}を、合成した。
このようにして得られた比較フタロシアニン化合物2について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表2に示す。
参考例1〜29で合成したフタロシアニン化合物は、比較例1で合成した比較フタロシアニン化合物1(β位4置換フタロシアニン化合物)や比較例2で合成した比較フタロシアニン化合物2(β位8置換フタロシアニン化合物)と比べて、グラム吸光係数(εg)に優位性はみられないものの、耐熱性については、比較例1で合成した高耐熱性を有するβ位4置換フタロシアニン化合物に比べて2倍以上向上した。また、比較例1,2の比較フタロシアニン化合物1,2に比べて、参考例1〜35のフタロシアニン化合物1〜35は、格段に優れた溶剤溶解性を示した。
参考例36:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−OCH)CO},{α−(2−OCH−4−COOCOCH)CO},{β−(4−OCH)CO}0.8−x,{β−(2−OCH−4−COOCOCH)CO}4.48−yCl10.72](0≦x<0.8,0≦y<4.48)の合成
150mlフラスコに、合成例8で得られた中間体8、1.06g(0.003モル)、合成例25で得られた中間体25、6.38g(0.012モル)、ヨウ化亜鉛1.32g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.48gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約7.5時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約7.3g(中間体8および中間体25に対する収率95.0モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物30について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例37:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−NO)CO},{α−(2−OCH−4−COOCOCH)CO},{β−(4−NO)CO}0.8−x,{β−(2−OCH−4−COOCOCH)CO}4.48−yCl10.72](0≦x<0.8,0≦y<4.48)の合成
150mlフラスコに、合成例4で得られた中間体4、1.11g(0.003モル)、合成例25で得られた中間体25、6.38g(0.012モル)、ヨウ化亜鉛1.32g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.49gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約7.3g(中間体4および中間体25に対する収率94.4モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物31について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例38:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−OCH−5−NO)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2−OCH−5−NO)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例26で得られた中間体26、2.39g(0.006モル)、合成例18で得られた中間体18、3.51g(0.006モル)、ヨウ化亜鉛1.05g(0.003モル)、ベンゾニトリル1.97gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約5.9g(中間体26および中間体18に対する収率96.7モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物32について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例39:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(7−(C))O},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(7−(C))O}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例27で得られた中間体27、3.49g(0.010モル)、合成例18で得られた中間体18、5.85g(0.010モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル3.11gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約9.1g(中間体27および中間体18に対する収率94.1モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物33について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例40:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(CO)O},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(CO)O}1−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4.5−yCl10.5](0≦x<1,0≦y<4.5)の合成
150mlフラスコに、合成例28で得られた中間体28、1.31g(0.003モル)、合成例29で得られた中間体29、5.51g(0.010モル)、ヨウ化亜鉛1.17g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.27gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約6.55g(中間体28および中間体29に対する収率93.2モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物34について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例41:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−COOCOCH)C10−6−O},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2−COOCOCH)C10−6−O}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例30で得られた中間体30、3.33g(0.007モル)、合成例18で得られた中間体18、4.10g(0.007モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.48gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5.5時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約6.85g(中間体30および中間体18に対する収率89.5モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物35について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例42:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−COOCOCH)C10−3−O},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2−COOCOCH)C10−3−O}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例31で得られた中間体31、3.81g(0.008モル)、合成例18で得られた中間体18、4.68g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.83gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約8.45g(中間体31および中間体18に対する収率96.6モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物36について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例43:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(CHCH(OCH)COOC)CS},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(CHCH(OCH)COOC)CS}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl10](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例32で得られた中間体32、3.37g(0.008モル)、合成例18で得られた中間体18、4.68g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.69gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約6.70g(中間体32および中間体18に対する収率80.5モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物37について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例44:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}4−xCl12](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例15で得られた中間体15、11.92g(0.028モル)、ヨウ化亜鉛2.46g(0.008モル)、ベンゾニトリル3.97gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約12.35g(中間体15に対する収率99.8モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物38について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例45:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}3.5−xCl12.5](0≦x<3.5)の合成
150mlフラスコに、合成例33で得られた中間体33、6.49g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.16gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約6.75g(中間体33に対する収率100.0モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物39について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例46:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}3−xCl13](0≦x<3)の合成
150mlフラスコに、合成例34で得られた中間体34、6.17g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.06gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約6.4g(中間体34に対する収率99.5モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物40について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例47:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(4−COOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}3−x,{β−(4−COOCH)CO}1−yCl12](0≦x<3,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例15で得られた中間体15、5.11g(0.012モル)、合成例35で得られた中間体35、1.53g(0.004モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.06gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約7時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約6.39g(中間体15および中間体35に対する収率92.7モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物41について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例48:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(4−NO)CS},{β−(4−COOCOCH)CO}4−x,{β−(4−NO)CS}1−yCl11](0≦x<4,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例36で得られた中間体36、7.29g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.43gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約7.4g(中間体36に対する収率98.1モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物42について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例49:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(4−Cl)CS},{β−(4−COOCOCH)CO}4−x,{β−(4−Cl)CS}1−yCl11](0≦x<4,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例37で得られた中間体37、7.24g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.41gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約7.35g(中間体37に対する収率97.9モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物43について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例50:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},(α−CS),{β−(4−COOCOCH)CO}4−x,(β−CS)1−yCl11](0≦x<4,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例38で得られた中間体38、7.11g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.37gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約7.25g(中間体38に対する収率98.4モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物44について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例51:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},(α−CClS),{β−(4−COOCOCH)CO}4−x,(β−CClS)1−yCl11](0≦x<4,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例39で得られた中間体39、6.82g(0.014モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.27gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約6.8g(中間体39に対する収率96.5モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物45について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例52:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(4−OCH)CS},{β−(4−COOCOCH)CO}4−x,{β−(4−OCH)CS}1−yCl11](0≦x<4,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例40で得られた中間体40、7.23g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.41gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約7.35g(中間体40に対する収率98.2モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物46について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例53:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−C10−2−S},{β−(4−COOCOCH)CO}4−x,{β−C10−2−S}1−yCl11](0≦x<4,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例41で得られた中間体41、6.39g(0.014モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.13gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約6.45g(中間体41に対する収率97.4モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物47について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例54:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(2,6−Cl)CS},{β−(4−COOCOCH)CO}4−x,{β−(2,6−Cl)CS}1−yCl11](0≦x<4,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例42で得られた中間体42、7.38g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.46gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約7.45g(中間体42に対する収率97.5モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物48について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例55:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−OCH−4−COOCOCH)CO},{α−(2,6−Cl)CS},{β−(2−OCH−4−COOCOCH)CO}3.2−x,{β−(2,6−Cl)CS}0.4−yCl12.4](0≦x<3.2,0≦y<0.4)の合成
150mlフラスコに、合成例43で得られた中間体43、6.91g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.30gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約6.5g(中間体43に対する収率90.6モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物49について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例56:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−OCH−4−COOCOCH)CO},{α−((OCSi)CS},{β−(2−OCH−4−COOCOCH)CO}4−x,{β−((OCSi)CS}1−yCl11](0≦x<4,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例44で得られた中間体44、8.10g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.70gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約7.43g(中間体44に対する収率88.9モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物50について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例57:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−OCH−4−COOCOCH)CO},{α−(CH(OCSi)CS},{β−(2−OCH−4−COOCOCH)CO}4−x,{β−(CH(OCSi)CS}1−yCl11](0≦x<4,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例45で得られた中間体45、7.87g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.62gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約7.38g(中間体45に対する収率90.8モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物51について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例58:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(2,6−(CH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}3.2−x,{β−(2,6−(CH)CO}0.8−yCl12](0≦x<3.2,0≦y<0.8)の合成
150mlフラスコに、合成例46で得られた中間体46、6.57g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.19gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約6.24g(中間体46に対する収率91.3モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物52について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例59:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(2−C(CH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}4−x,{β−(2−C(CH)CO}1−yCl11](0≦x<4,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例47で得られた中間体47、7.26g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.42gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8.5時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約7.16g(中間体47に対する収率95.1モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物53について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例60:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(2,6−Cl)CS},{β−(4−COOCOCH)CO}3.2−x,{β−(2,6−Cl)CS}0.4−yCl12.4](0≦x<3.2,0≦y<0.4)の合成
150mlフラスコに、合成例48で得られた中間体48、5.71g(0.014モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル1.90gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約5.85g(中間体48に対する収率98.5モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物54について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例61:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(2,6−Cl)CS},{α−(4−CN)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}3.2−x,{β−(2,6−Cl)CS}0.8−y,{β−(4−CN)CO}0.4−zCl12](0≦x<2.8,0≦y<0.8,0≦z<0.4)の合成
150mlフラスコに、合成例49で得られた中間体49、6.63g(0.016モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.21gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約6.8g(中間体49に対する収率98.6モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物55について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例62:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(2,6−Cl)CS},{α−(2−COOCOCH)C10O},{β−(4−COOCOCH)CO}3.2−x,{β−(2,6−Cl)CS}0.8−y,{β−(2−COOCOCH)C10O}0.4−zCl12](0≦x<2.8,0≦y<0.8,0≦z<0.4)の合成
150mlフラスコに、合成例50で得られた中間体50、10.47g(0.025モル)、ヨウ化亜鉛2.15g(0.007モル)、ベンゾニトリル3.49gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約10.8g(中間体50に対する収率99.4モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物56について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
参考例63:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(4−CN)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}3−x,{β−(4−CN)CO}1−yCl12](0≦x<3,0≦y<1)の合成
150mlフラスコに、合成例1で得られた中間体1、1.39g(0.004モル)、合成例15で得られた中間体15、5.49g(0.012モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.3gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約7.05g(中間体1および中間体15に対する収率98.6モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物57について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表4に示す。
また、上記参考例36〜63のフタロシアニン化合物30〜57の、置換基(式(1)中のZ〜Z16)の構成を下記表3に示す。
参考例64
参考例30において、参考例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、参考例36で得られたフタロシアニン化合物30を使用した以外は、参考例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物30の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは参考例36と同様の結果である。
参考例65
参考例30において、参考例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、参考例37で得られたフタロシアニン化合物31を使用した以外は、参考例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物31の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは参考例37と同様の結果である。
参考例66
参考例30において、参考例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、参考例38で得られたフタロシアニン化合物32を使用した以外は、参考例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物32の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは参考例38と同様の結果である。
参考例67
参考例30において、参考例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、参考例39で得られたフタロシアニン化合物33を使用した以外は、参考例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物33の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは参考例39と同様の結果である。
参考例68
参考例30において、参考例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、参考例42で得られたフタロシアニン化合物36を使用した以外は、参考例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物36の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは参考例42と同様の結果である。
参考例69
参考例30において、参考例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、参考例44で得られたフタロシアニン化合物38を使用した以外は、参考例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物38の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは参考例44と同様の結果である。
参考例70
参考例30において、参考例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、参考例45で得られたフタロシアニン化合物39を使用した以外は、参考例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物39の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは参考例45と同様の結果である。
参考例71
参考例30において、参考例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、参考例51で得られたフタロシアニン化合物45を使用した以外は、参考例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物45の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは参考例51と同様の結果である。
参考例72
参考例30において、参考例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、参考例55で得られたフタロシアニン化合物49を使用した以外は、参考例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物49の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは参考例55と同様の結果である。
参考例73
参考例30において、参考例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、参考例56で得られたフタロシアニン化合物50を使用した以外は、参考例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物50の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは参考例56と同様の結果である。
参考例74
参考例30において、参考例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、参考例61で得られたフタロシアニン化合物55を使用した以外は、参考例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表4に示す。なお、下記表4には、当該フタロシアニン化合物55の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは参考例61と同様の結果である。
参考例36〜63で合成したフタロシアニン化合物は、比較例1で合成した比較フタロシアニン化合物1(β位4置換フタロシアニン化合物)や比較例2で合成した比較フタロシアニン化合物2(β位8置換フタロシアニン化合物)と比べて、グラム吸光係数(εg)に優位性はみられないものの、耐熱性については、比較例1で合成した高耐熱性を有するβ位4置換フタロシアニン化合物に比べて2倍以上向上した。また、比較例1,2の比較フタロシアニン化合物1,2に比べて、参考例36〜74のフタロシアニン化合物30〜57は、格段に優れた溶剤溶解性を示した。
さらに、上記表2に示されるように、参考例28,29にて合成した単一の中間体から合成したフタロシアニン化合物に比べ、同じ置換基と置換数を有する参考例19,20にて合成した、異なる中間体混合置換フタロシアニンについては、耐熱性や710nmと520nmの吸光度の比が向上することからも分かるように、置換基数が5〜8個と多く、溶解性に優れたフタロシアニン化合物では、同じ組成をもつフタロシアニン化合物の中でも異なる置換基数の中間体を混合して得られたものがより好ましい効果を示す。
一方、本発明により得られたフタロシアニン化合物は、合成に使用する中間体の置換基導入位置を不均一化させることで高い溶解性を導き出しているため、例えば参考例46などの置換基数が3〜5個未満と置換基数の少ないフタロシアニン化合物では、単一の中間体から合成した場合でも耐熱性や710nmと520nmの吸光度の比に優れた特徴を有する。
参考例75:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}2.6−xCl13.4](0≦x<2.6)の合成
150mlフラスコに、合成例51で得られた中間体51、9.98g(0.027モル)、ヨウ化亜鉛2.37g(0.007モル)、ベンゾニトリル3.33gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約12時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約10.41g(中間体51に対する収率99.9モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物58について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表6に示す。
参考例76:フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}2−xCl14](0≦x<2)の合成
150mlフラスコに、合成例52で得られた中間体52、12.83g(0.037モル)、ヨウ化亜鉛3.26g(0.010モル)、ベンゾニトリル4.28gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約12時間反応させた。冷却後、参考例5と全く同様の操作を行い約13.50g(中間体52に対する収率100.5モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物59について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表6に示す。
参考例77:フタロシアニン化合物[CuPc−{α−(2−COOCOCH)CO},{β−(2−COOCOCH)CO}8−xCl](0≦x<8)の合成
150mlフラスコに、合成例53で得られた中間体53、8.78g(0.0150モル)、塩化銅(I)0.41g(0.0041モル)、n−オクタノール0.81g(0.0062モル)、2−クロロトルエン2.12gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約10時間反応させた。その後、吸引ろ過して得た溶液を2-クロロトルエン21.2gに滴下し、30分攪拌した。さらに、蒸留水28.2gを滴下しながら加え、さらに1時間攪拌して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール14.1g、および蒸留水14.1g加えて攪拌洗浄することで、洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約7.05g(中間体53に対する収率78.0モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物60について、参考例1に記載の方法と同様にして、最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、これらの結果を下記表6に示す。
また、上記参考例75〜77のフタロシアニン化合物58〜60の、置換基(式(1)中のZ〜Z16)の構成を下記表5に示す。
参考例78
参考例30において、参考例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、参考例75で得られたフタロシアニン化合物58を使用した以外は、参考例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表6に示す。なお、下記表6には、当該フタロシアニン化合物58の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは参考例75と同様の結果である。
参考例79
参考例30において、参考例2で得られたフタロシアニン化合物2の代わりに、参考例77で得られたフタロシアニン化合物60を使用した以外は、参考例30と同様の方法に従って、耐熱性を評価した。結果を下記表6に示す。なお、下記表6には、当該フタロシアニン化合物60の最大吸収波長及びグラム吸光係数を合わせて記載するが、これらは参考例77と同様の結果である。
参考例75〜77で合成したフタロシアニン化合物は、比較例1で合成した比較フタロシアニン化合物1(β位4置換フタロシアニン化合物)や比較例2で合成した比較フタロシアニン化合物2(β位8置換フタロシアニン化合物)と比べて、グラム吸光係数(εg)に優位性はみられないものの、耐熱性については、比較例1で合成した高耐熱性を有するβ位4置換フタロシアニン化合物に比べて2倍以上向上した。また、比較例1,2の比較フタロシアニン化合物1,2に比べて、参考例75〜77のフタロシアニン化合物58〜60は、格段に優れた溶剤溶解性を示した。
続いて、フタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含む、カラーフィルタ用色素の実施例を説明する。
[アゾ色素中間体(a)の合成例]
スルファニル酸37.0部を水150部、および濃塩酸32.0部と共に十分撹拌した後、4N亜硝酸ナトリウム25.0部を用いて5〜10℃でジアゾ化し、次いで1−エチル−1,2−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−4−メチル−2−オキソ−3−ピリジンカルボニトリル42.0部に水370部を加え、さらに2N水酸化ナトリウムでpH8に調製した溶液をカップリング成分中に10℃以下の温度に保持して添加した。水酸化ナトリウムでpH5.0に調製してカップリング反応を完結させ、反応終了後塩化ナトリウム100部を用いて塩析させ、析出した生成物を濾別し、乾燥させて下記で表されるアゾ色素中間体(a)を60.4部(78%)得た。
[アゾ色素(1)の合成例]
アゾ色素(1):
の合成例
アゾ色素中間体(a)50.0部を0.1N水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、トリオクチルアミン51.2部とクロロホルムを加えて撹拌した。これに濃硫酸を加えてpH1.0に調製した後、有機層を分離して濃縮し、乾燥してアゾ色素(1)を77.0部(収率78%)得た。
[アゾ色素(2)の合成例]
アゾ色素(2):
の合成例
アゾ色素の合成例1のトリオクチルアミンをトリブチルアミン(26.9部)に変えた以外は同様にして操作し、アゾ色素(2)を54.4部(収率72%)得た。
[スルホン酸塩化物(b)の合成例]
アゾ色素中間体(a)35.0部をジメチルホルムアミド15.6部、およびアセトニトリル215.5部の混合溶媒中、氷冷下撹拌して懸濁させている中に、塩化チオニルを滴下した。しばらくしたら40℃に昇温し、さらに4時間撹拌した。その後、懸濁液を525部の水へ撹拌しながら注ぎ込み、さらに10分間撹拌した。生じた沈殿物を濾取し、60℃で数時間真空乾燥することによりスルホン酸塩化物(b)を29.2部(アゾ色素中間体(a)に対して80モル%)得た。
[アゾ色素(4)の合成例]
アゾ色素(4):
スルホン酸塩化物(b)29.2部をクロロホルム中に氷冷下懸濁し、2−エチルヘキシルアミン14.9部、およびトリエチルアミン38.9部の混合溶液をゆっくり滴下した。室温まで昇温し、10分間撹拌した後、反応溶液を濃縮した。濃縮液をアセトン150部に溶解した後、1M塩酸600部に注ぎ込み、生じた沈殿物を濾取した。この沈殿物をメタノール400部に加熱還流下溶解し、ゆっくり室温まで冷却した。生じた沈殿物を濾取した後、60℃で数時間真空乾燥することにより黄色系色素化合物(1)を28.4部(スルホン酸塩化物に対して78モル%)得た。
アゾ色素(5):
アゾ色素(6):
アゾ色素(7):
アゾ色素(8):
アゾ色素(5)〜(8)は、アゾ色素(4)と同様の経路で合成した。
N,N−ジ(2−エチルヘキシル)−4−ニトロ安息香酸アミドの合成
4−ニトロベンゾイルクロリド10部をクロロホルム200部に溶解し、ジ(2−エチルヘキシル)アミン14.3部とトリエチルアミン16.4部の混合溶媒を加えた。室温で30分間撹拌した後、水を加え、分離した。有機層を2M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾別、濃縮、真空乾燥し、N,N−ジ(2−エチルヘキシル)−4−ニトロ安息香酸アミドを16.8部(80モル%)得た。
4−アミノ−N,N−ジ(2−エチルヘキシル)安息香酸アミドの合成
還元鉄7.22部を酢酸11.6部と水29.6部の混合溶媒に懸濁させ、80℃で1時間撹拌した。この懸濁液にN,N−ジ(2−エチルヘキシル)−4−ニトロ安息香酸アミド12.6部のエタノール(29.2部)溶液を滴下し、10分間撹拌を継続した後に室温まで冷却した。次に炭酸ナトリウム9.38部の水(50部)溶液を加え、ろ過した。濾液を濃縮し、アセトンを加えて撹拌した。その後再び濾過し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過、濃縮、乾燥して4−アミノ−N,N−ジ(2−エチルヘキシル)安息香酸アミドを10.6部(91モル%)得た。
[アゾ色素(9)の合成例]
アゾ色素(9):
4−アミノ−N,N−ジ(2−エチルヘキシル)安息香酸アミド2.70部を6.5wt%塩酸45部に溶解し、0℃で亜硝酸ナトリウム0.57部の水(6.70部)溶液を滴下し1時間撹拌した。その後、0℃でこの溶液を1−エチル−1,2−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−4−メチル−2−オキソ−3−ピリジンカルボニトリル1.47部と水酸化ナトリウム0.56部の水(13.9部)溶液に滴下し、30分間撹拌した。沈殿物を濾取後、メタノール50gと水70gで撹拌洗浄し、真空乾燥することによりアゾ色素(9)を3.12部(78%)得た。
4−ニトロフタル酸ビス(2−メトキシエチル)の合成例
4−ニトロフタル酸25.0gをトルエン258gと2−メトキシエタノール90.1gの混合溶液に溶解し、さらに硫酸14.5gを加えて、Dean−Starkトラップを用いて水を除きながら加熱還流させた。3時間後、反応液を水に空けて2層分離し、水層をトルエンで抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、濃縮し、減圧乾燥して4−ニトロフタル酸ビス(2−メトキシエチル)を39.6g(102モル%相当)得た。
4−アミノフタル酸ビス(2−メトキシエチル)の合成例
還元鉄28.5gを酢酸26gと水43gの混合溶媒に懸濁させ、80℃で1時間撹拌した。この懸濁液に4−ニトロフタル酸ビス(2−メトキシエチル)39.6gのエタノール(107g)溶液を滴下した後、5分間撹拌させた後室温まで冷却した。反応液を0℃に冷却し、炭酸ナトリウム水溶液をゆっくり滴下しpHが7〜8となるよう調節した。縣濁液を濃縮後、アセトンを加えて撹拌し、ろ過して得られた溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、濃縮、減圧乾燥して4−アミノフタル酸ビス(2−メトキシエチル)を31g(4−ニトロフタル酸からの通算収率73モル%)得た。
[アゾ色素(10)の合成例]
アゾ色素(10):
4−アミノフタル酸ビス(2−メトキシエチル)15.0gを、6.5wt%塩酸295gに溶解し、0℃で撹拌させた。この溶液に亜硝酸ナトリウム3.69gの水(43g)溶液をゆっくり滴下し、1時間0℃で撹拌した(溶液1−A)。また、別途、水酸化ナトリウム2.62gを水131gに溶解して得られた溶液を、1−エチル−1,2−ジヒドロ−6−ヒドロキシピリジンカルボニトリル9.54gに加えて溶液1−Bを調製した。0℃に冷却した溶液1−Bに対し、溶液1−Aを滴下した。10分後、炭酸ナトリウム水溶液を滴下してpH7〜8となるよう調節した。沈殿物を濾取し、水で洗浄後、アセトン/水で再沈殿を行った後、60℃で一晩真空乾燥させてアゾ色素(10)を20.8g(4−アミノフタル酸ビス(2−メトキシエチル)に対する収率:85モル%)得た。
(実施例1)
(1)染料レジスト溶液の調製
下記の組成で混合して溶解し、染料レジスト溶液を調製した。
(2)塗膜板の作製
あらかじめアセトンで表面を拭ったガラス基板に対して、前記(1)で得られた染料レジスト溶液を乾燥後の膜厚が約2μmになるようにスピンコーターを用いて25滴、1500rpm、1秒の条件で塗布し、80℃で30分間プリベークした。その後、UV照射して樹脂を硬化させた後、220℃で20分間ポストベークした。
(3)フィルターの評価
上記で得られた着色フィルターの色度座標値、耐熱性、耐光性およびコントラスト比を評価した。その結果を下記表7に示す。なお、下記表に示した色度座標値、耐熱性、耐光性およびコントラスト比は以下のようにして測定した。
(色素座標値)
日立分光光度計U−2910を用いて吸収波形を測定し、さらにこの波形に定数倍することで色度座標値のy=0.600となるように、色度(x、Y)を求めた。照明にはC光源を用いたとして計算した。
(耐熱性)
80℃でプリベークして得られたコーティングガラス板の吸収スペクトルを分光光度計(日立製作所(株)社製:U−2910)にて測定し、これを加熱前スペクトルとした。次に、このコーティングガラス板を光架橋し220℃にて20分間ポストベークした後、吸収スペクトルを分光光度計にて測定し、これを加熱後スペクトルとした。このように測定した加熱前、加熱後の各スペクトルにおいて380nm〜780nmまでの吸光度を積分し、加熱前と加熱後でその吸光度の差を測定した。また、加熱前スペクトルをE、加熱後スペクトルをE、測定した吸光度の差をΔEとしたとき、ΔEを以下の式で計算した。
このようにして耐熱性を測定した。
(耐光性)
ポストベーク後のコーティングガラスをキセノン耐光性試験機(ATLAS社製サンテストCPS+)を用い、13万ルクスの光を照射し、経時での吸光度の残存率により次の3段階の評価を行った。
◎:10時間後の光照射前後のΔE値が5未満の場合
○:10時間後の光照射前後のΔE値が5〜30の場合
×:10時間後の光照射前後のΔE値が30を超える場合
(コントラスト比)
ポストベーク後のコーティングガラスを2枚の偏向板で挟み、2枚の偏向板の偏向軸が平行のときと直交の時の透過光量の比(コントラスト比)を測定した。その測定結果により次の3段階の評価を行った。
◎:コントラスト比が12000倍を超える場合
○:コントラスト比が10000〜12000倍の場合
×:コントラスト比が10000未満である場合
(実施例2)
染料レジストの配合比を下記のように変更した以外は全て実施例1と同様にして操作し、その結果を表7に示す。
(実施例3)
染料レジストの配合比を下記のように変更した以外は全て実施例1と同様にして操作し、その結果を表7に示す。
(実施例4)
染料レジストの配合比を下記のように変更した以外は全て実施例1と同様にして操作し、その結果を表7に示す。
(実施例5)
染料レジストの配合比を下記のように変更した以外は全て実施例1と同様にして操作し、その結果を表7に示す。
(実施例6)
染料レジストの配合比を下記のように変更した以外は全て実施例1と同様にして操作し、その結果を表7に示す。
(実施例7)
染料レジストの配合比を下記のように変更した以外は全て実施例1と同様にして操作し、その結果を表7に示す。
(実施例8)
染料レジストの配合比を下記のように変更した以外は全て実施例1と同様にして操作し、その結果を表7に示す。
(実施例9)
染料レジストの配合比を下記のように変更した以外は全て実施例1と同様にして操作し、その結果を表7に示す。
(実施例10)
染料レジストの配合比を下記のように変更した以外は全て実施例1と同様にして操作し、その結果を表7に示す。
(実施例11)
染料レジストの配合比を下記のように変更した以外は全て実施例1と同様にして操作し、その結果を表7に示す。
(実施例12)
染料レジストの配合比を下記のように変更した以外は全て実施例1と同様にして操作し、その結果を表7に示す。
(実施例13)
染料レジストの配合比を下記のように変更した以外は全て実施例1と同様にして操作し、その結果を表7に示す。
通常、染料はポリマー樹脂に溶解するので、分散剤は必須ではないが、カラーフィルタ中では高濃度(約30wt%)になることがあるため、その析出を防止するために分散剤を用いると効果がある場合があり、実施例1よりも、分散剤を添加した実施例2の方が、コントラスト比および輝度が良好であった。

Claims (4)

  1. フタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含む、カラーフィルタ用色素であって、
    前記フタロシアニン化合物が、下記式(1):
    上記式(1)中、Z〜Z16は、それぞれ独立して、塩素原子、下記式(2)もしくは(2’):
    上記式(2)及び(2’)中、Rは、炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは、炭素数1〜8のアルキル基であり、Rは、炭素数1〜8のアルコキシ基またはハロゲン原子であり、mは、1〜4の整数であり、pは、0または1である、
    で表される置換基(a)、または
    下記式(3−1):
    上記式(3−1)中、X’は、酸素原子または硫黄原子であり、Arは、Rで置換されてもよいフェニル基またはナフチル基であり、この際、Rは、それぞれ独立して、シアノ基、ニトロ基、COOY’、OY’、ハロゲン原子、アリール基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり、この際、Y’は、炭素数1〜8のアルキル基である、
    で表される置換基(b−1)、
    下記式(3−2):
    上記式(3−2)中、X’は、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは、ハロゲン原子または炭素数1〜8のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基である、
    で表される置換基(b−2)、
    下記式(3−3):
    上記式(3−3)中、X’は、酸素原子または硫黄原子であり、Rは、炭素数1〜5のアルキレン基であり、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜8のアルコキシ基または炭素数1〜8のアルキル基である、
    で表される置換基(b−3)、
    7−ヒドロキシクマリン由来の基(b−4)、および
    2,3−ジヒドロキシキノキサン由来の基(b−5)、
    からなる群より選択される置換基(b)を表わし、
    この際、Z〜Z16のうち、2〜8個は置換基(a)または置換基(b)でありかつ残部は塩素原子であり、2〜8個の置換基(a)または置換基(b)のうち、少なくとも2個は、置換基(a)であり、
    Mは、無金属、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物を表わす、
    で示されるフタロシアニン化合物である、カラーフィルタ用色素。
  2. 前記式(1)中、Z〜Z16のうち、2〜8個の置換基(a)または置換基(b)のうち、2〜7個が置換基(a)である、請求項1に記載のカラーフィルタ用色素。
  3. 前記置換基(a)は、下記:
    で表される、請求項1または2に記載のカラーフィルタ用色素。
  4. 前記黄色系色素が、下記式(A)または下記式(B)で表わされるアゾ系染料またはその塩である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用色素:
    上記式中、
    Qは、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホ基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、およびN−置換カルバモイル基よりなる群から選択される少なくとも1種の基を有するアリール基、あるいは、置換または非置換のヘテロアリール基であり、
    は、水素原子、置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換または非置換の炭素数7〜20のアラルキル基、−(RO)、−COR、あるいは、置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基であり、ここで、Rは炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、rは0〜4の整数であり、Rは、置換または非置換の1〜8のアルキル基であり、
    は、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換または非置換のアミノ基であり、
    は、水素原子、−CNまたは−CONHであり、
    およびDは、それぞれ独立して、置換または非置換のアミノ基である。
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