JP2013205581A - カラーフィルター用着色樹脂組成物、カラーフィルター、及び液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高塩素化亜鉛フタロシアニンを含む顔料と、硬化性バインダー成分と、溶媒とを含有する、カラーフィルター用着色樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
赤:x=0.64;y=0.34
緑:x=0.21;y=0.71
青:x=0.15;y=0.06
PG58を用いて高色濃度の緑の目標色度を達成するためには、緑色画素を従来よりも厚膜化する必要があり、フォトリソグラフィー法により画素を形成する場合には、膜を十分に硬化させるため、製版工程を少なくとも2回繰り返す必要があるという問題があった。また、緑色画素のみを厚膜化した場合には、カラーフィルターの厚さが不均一なものとなり位相差のずれを生じ、その結果、視野角が狭くなったり、色味を損なうという問題があった。
一方、PG7を用いて高色濃度の緑の目標色度を達成するように緑色画素を形成した場合には、当該緑色画素の輝度が低下するという問題があった。低輝度の緑色画素を用いた場合、いわゆるホワイトバランスの点から、赤色画素、青色画素についても輝度を低下させなければならず、カラーフィルター全体の輝度も低下するという問題があった。
なお、本発明において(メタ)アクリルとはアクリル基又はメタクリル基のいずれかであることを意味し、(メタ)アクリロイルとはアクリロイル基又はメタクリロイル基のいずれかであることを意味する。また、本発明において光とは、可視及び非可視領域の波長の電磁波及び放射線が含まれ、放射線には例えばマイクロ波、電子線が含まれ、具体的には、波長5μm以下の電磁波、及び電子線をいう。
本発明に係るカラーフィルター用着色樹脂組成物は、下記化学式(1)で表される高塩素化亜鉛フタロシアニンを含む顔料と、硬化性バインダー成分と、溶媒とを含有することを特徴とする。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物は、AdobeRGBやDCI等の広い色再現域を有する規格に対応したカラーフィルターに好適に用いられるが、sRGBなど他の規格に対応したカラーフィルターに用いることもできる。
以下、このような本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物の各成分について順に詳細に説明する。
本発明において顔料は、必須成分として下記化学式(1)で表される高塩素化亜鉛フタロシアニンを含む。
なお、X1〜X16のうち、1分子あたりの塩素原子の割合(以下、塩素化率という場合がある)は、下記式(1)により表される値である。塩素化率は、高塩素化亜鉛フタロシアニンを、質量分析装置(例えば、装置名BRUKER REFLEX II ブルカー・ダルトニクス(株)製)により測定して得られたマススペクトルから、水素原子、塩素原子及び臭素原子の存在比を求めることにより算出することができる。
他の緑色顔料を用いる場合、上記高塩素化亜鉛フタロシアニンを含む緑色顔料全体に対する、上記高塩素化亜鉛フタロシアニンの含有量は、所望の色度に合わせて適宜調整されればよく、特に限定されない。中でも、厚膜化することなく目標色度を達成し、且つ高輝度な緑色画素を形成可能となる点から、上記高塩素化亜鉛フタロシアニンを、上記高塩素化亜鉛フタロシアニンを含む緑色顔料全体に対して、10質量%以上含むことが好ましく、20質量%以上含むことがより好ましい。
なお、上記顔料の平均一次粒径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、その平均をその粒子の粒径とした。次に100個以上の粒子についてそれぞれ粒子の体積(質量)を、求めた粒径の直方体と近似して求め、体積平均粒径として求めそれを平均粒径とした。なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)又は走査型(SEM)のいずれを用いても同じ結果を得ることができる。
本発明に係るカラーフィルター用着色樹脂組成物は、成膜性や被塗工面に対する密着性を付与し、塗膜に充分な硬度を付与するために、硬化性バインダー成分を含有する。硬化性バインダー成分としては、特に限定されず、カラーフィルターの着色層を形成するのに用いられる従来公知の硬化性バインダー成分を適宜用いることができる。
硬化性バインダー成分としては、例えば、可視光線、紫外線、電子線等により重合硬化させることができる光硬化性樹脂を含む感光性バインダー成分や、加熱により重合硬化させることができる熱硬化性樹脂を含む熱硬化性バインダー成分を含むものを用いることができる。
一方、着色層を形成する際にフォトリソグラフィー工程を用いる場合には、アルカリ現像性を有する感光性バインダー成分が好適に用いられる。
以下、感光性バインダー成分と、インクジェット方式に用いるのに適した熱硬化性バインダー成分について具体的に説明するが、硬化性バインダー成分はこれらに限定されるものではない。
感光性バインダー成分としては、ポジ型感光性バインダー成分とネガ型感光性バインダー成分が挙げられる。ポジ型感光性バインダー成分としては、例えば、アルカリ可溶性樹脂及び感光性付与成分としてo−キノンジアジド基含有化合物を含んだ系が挙げられ、アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、ポリイミド前駆体等が挙げられる。
本発明における好ましいアルカリ可溶性樹脂は、カルボキシル基を有する樹脂であり、具体的には、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。これらの中で特に好ましいものは、側鎖にカルボキシル基を有するとともに、さらに側鎖にエチレン性不飽和基等の光重合性官能基を有するものである。光重合性官能基を含有することにより形成される硬化膜の膜強度が向上するからである。また、これらアクリル系共重合体、及びエポキシアクリレート樹脂は、2種以上混合して使用してもよい。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体は、更に芳香族炭素環を有する構成単位を含有していてもよい。芳香族炭素環はカラーフィルター用着色樹脂組成物に塗膜性を付与する成分として機能する。
カルボキシル基を有するアクリル系共重合体は、更にエステル基を有する構成単位を含有していてもよい。エステル基を有する構成単位は、カラーフィルター用着色樹脂組成物のアルカリ可溶性を抑制する成分として機能するだけでなく、溶剤に対する溶解性、さらには溶剤再溶解性を向上させる成分としても機能する。
これらの中で、コポリマーにグリシジル基又は水酸基を有するエチレン性不飽和化合物を付加等することにより、エチレン性不飽和結合を導入したポリマー等は、露光時に、後述する多官能性モノマーと重合することが可能となり、着色層がより安定なものとなる点で、特に好適である。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物において用いられる多官能性モノマーは、後述する光開始剤によって重合可能なものであればよく、特に限定されず、通常、エチレン性不飽和二重結合を2つ以上有する化合物が用いられ、特にアクリロイル基又はメタクリロイル基を2つ以上有する、多官能(メタ)アクリレートであることが好ましい。
また、三官能以上の多官能(メタ)アクリレートとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、無水コハク酸変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、リン酸トリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、無水コハク酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ウレタントリ(メタ)アクリレート、エステルトリ(メタ)アクリレート、ウレタンヘキサ(メタ)アクリレート、エステルヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物において用いられる上記多官能性モノマーの含有量は、特に制限はないが、上記アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、通常5〜500質量部程度、好ましくは20〜300質量部の範囲である。多官能性モノマーの含有量が上記範囲より少ないと十分に光硬化が進まず、露光部分が溶出する場合があり、また、多官能性モノマーの含有量が上記範囲より多いとアルカリ現像性が低下するおそれがある。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物において用いられる光開始剤としては、特に制限はなく、従来知られている各種光開始剤の中から、適宜選択して用いることができる。例えば、ベンゾイン、ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体又はそれらのエステルなどの誘導体;キサントン並びにチオキサントン誘導体;クロロスルフォニル、クロロメチル多核芳香族化合物、クロロメチル複素環式化合物、クロロメチルベンゾフェノン類などの含ハロゲン化合物;トリアジン類;フルオレノン類;ハロアルカン類;光還元性色素と還元剤とのレドックスカップル類;有機硫黄化合物;過酸化物などがある。好ましくは、イルガキュアー184(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)、イルガキュアー369(2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジル−1−ブタノン)、イルガキュアー651(2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン)、イルガキュアー907(2−[4−(メチルチオ)ベンゾイル]−2−(4−モルホリニル)プロパン)(いずれもチバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)、ダロキュアー(メルク社製)、アデカ1717(旭電化工業株式会社製)、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール(黒金化成株式会社製)などのケトン系及びビイミダゾール系化合物等を挙げることができる。これらの開始剤を1種のみ又は2種以上を組み合わせて用いることができる。2種以上を併用する場合には、吸収分光特性を阻害しないようにするのがよい。
熱硬化性バインダーとしては、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物と硬化剤の組み合わせが通常用いられ、更に、熱硬化反応を促進できる触媒を添加しても良い。熱硬化性官能基としては、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、エチレン性不飽和結合等が挙げられる。熱硬化性官能基としてはエポキシ基が好ましく用いられる。また、これらにそれ自体は重合反応性のない重合体を更に用いても良い。
1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物として、1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物が好適に用いられる。1分子中にエポキシ基2個以上を有するエポキシ化合物は、エポキシ基を2個以上、好ましくは2〜50個、より好ましくは2〜20個を1分子中に有するエポキシ化合物(エポキシ樹脂と称されるものを含む)である。エポキシ基は、オキシラン環構造を有する構造であればよく、例えば、グリシジル基、オキシエチレン基、エポキシシクロヘキシル基等を示すことができる。エポキシ化合物としては、カルボン酸により硬化しうる公知の多価エポキシ化合物を挙げることができ、このようなエポキシ化合物は、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に広く開示されており、これらを用いることが可能である。また、特開2007−072283等に開示されているバインダー性エポキシ化合物と多官能エポキシ化合物の組み合わせも好適に用いることが可能である。
本発明に用いられる熱硬化性バインダー成分には、通常、硬化剤が組み合わせて配合される。硬化剤としては、例えば、多価カルボン酸無水物または多価カルボン酸を用いる。
多価カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、無水イタコン酸などの脂肪族または脂環族ジカルボン酸無水物;1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物などの脂肪族多価カルボン酸二無水物;無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸無水物;エチレングリコールビストリメリテイト、グリセリントリストリメリテイトなどのエステル基含有酸無水物を挙げることができる。また、市販のカルボン酸無水物からなるエポキシ樹脂硬化剤も好適に用いることができる。
また、本発明に用いられる多価カルボン酸の具体例としては、コハク酸などの脂肪族多価カルボン酸;1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸などの脂肪族多価カルボン酸、およびトリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸などの芳香族多価カルボン酸を挙げることができる。
本発明に用いられる熱硬化性バインダー成分には、硬化層の硬度および耐熱性を向上させるために、酸−エポキシ間の熱硬化反応を促進できる触媒を添加してもよい。そのような触媒としては、加熱硬化時に活性を示す熱潜在性触媒を用いることができる。
熱潜在性触媒は、加熱されたとき、触媒活性を発揮し、硬化反応を促進し、硬化物に良好な物性を与えるものであり、必要により加えられるものである。この熱潜在性触媒は、60℃以上の温度で酸触媒活性を示すものが好ましく、このようなものとしてプロトン酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とトリアルキルホスフェートの混合物、スルホン酸エステル類、オニウム化合物類等が挙げられ、前記特開平4−218561号公報に記載されているような各種の化合物を使用することができる。熱潜在性触媒は、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有する化合物及び硬化剤の合計100質量部に対して、通常は0.01〜10.0質量部程度の割合で配合する。
本発明に係るカラーフィルター用着色樹脂組成物には、顔料を分散させるために溶媒が含まれる。着色樹脂組成物に用いる溶媒としては、該着色樹脂組成物中の各成分とは反応せず、これらを溶解もしくは分散可能な有機溶媒であればよく、特に限定されない。例えば、ジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等を用いることができる。
本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて各種添加剤を含むものであってもよい。
例えば、顔料分散性を向上するために、顔料分散剤を用いても良い。
(顔料分散剤)
本発明において顔料分散剤は、従来公知のものから適宜選択して用いることができる。顔料分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤を使用できる。界面活性剤の中でも、分散性及び分散安定性の点から、高分子界面活性剤(高分子分散剤)が好ましい。
分散剤の配合割合は、通常、顔料(緑色顔料と他の顔料の合計)100質量部に対して通常は5〜100質量部であり、中でも、顔料分散性及び分散安定性の点から、10〜60質量部の割合で用いることが好ましい。
その他の添加剤としては、例えば重合停止剤、連鎖移動剤、レベリング剤、可塑剤、界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤、紫外線吸収剤、密着促進剤等などが挙げられる。
これらの中で、用いることができる界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類等を挙げることができる。また、その他にもフッ素系界面活性剤も用いることができる。
さらに、可塑剤としては、例えばジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリクレジル等が挙げられる。消泡剤、レベリング剤としては、例えばシリコン系、フッ素系、アクリル系の化合物等が挙げられる。
化学式(1)で表される高塩素化亜鉛フタロシアニン及び必要に応じて配合される顔料の合計の含有量は、カラーフィルター用着色樹脂組成物の固形分全量に対して、5〜65質量%、より好ましくは8〜55質量%の割合で配合することが好ましい。顔料が少なすぎると、カラーフィルター用着色樹脂組成物を所定の膜厚(通常は1.0〜5.0μm)に塗布した際の透過濃度が十分でないおそれがあり、また顔料等が多すぎると、カラーフィルター用着色樹脂組成物を基板上へ塗布し硬化させた際の基板への密着性、硬化膜の表面荒れ、塗膜硬さ等の塗膜としての特性が不十分となるおそれがあり、またそのカラーフィルター用着色樹脂組成物中の顔料の分散に使われる分散剤の量の比率も多くなるために耐溶媒性等の特性が不十分になる恐れがある。尚、本発明において固形分は、上述した溶媒以外のもの全てであり、溶媒中に溶解している多官能性モノマー等も含まれる。
硬化性バインダー成分は、これらの合計量が、カラーフィルター用着色樹脂組成物の固形分全量に対して35〜95質量%、好ましくは45〜92質量%の割合で配合するのが好ましい。
また、溶媒の含有量としては、着色層を精度良く形成することができるものであれば特に限定されるものではない。該溶媒を含む上記カラーフィルター用着色樹脂組成物の全量に対して、通常、65〜95質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも75〜88質量%の範囲内であることが好ましい。上記溶媒の含有量が、上記範囲内であることにより、塗布性に優れたものとすることができる。
また、顔料分散剤を用いる場合の含有量としては、顔料を均一に分散することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、カラーフィルター用着色樹脂組成物の固形分全量に対して、1〜60質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも5〜50質量%の範囲内であることが好ましい。上記含有量が、カラーフィルター用着色樹脂組成物の固形分全量に対して、1質量%未満の場合には、顔料を均一に分散することが困難になる恐れがあり、60質量%を超える場合には、硬化性、現像性の低下を招く恐れがある。
カラーフィルター用着色樹脂組成物の製造方法としては、特に限定されない。例えば、(1)上記高塩素化亜鉛フタロシアニンの顔料分散体と、必要に応じて他の顔料の顔料分散体をそれぞれ準備し、溶媒中に、上記高塩素化亜鉛フタロシアニンの顔料分散体と、硬化性バインダー成分と、他の顔料の顔料分散体と、所望により用いられる各種添加成分を投入し、混合する方法、(2)溶媒中に、硬化性バインダー成分と、所望により用いられる各種添加成分とを添加し、混合した後、これに上記高塩素化亜鉛フタロシアニンの顔料分散体と、必要に応じて他の顔料分散体を加えて混合する方法、(3)溶媒中に高塩素化亜鉛フタロシアニンと他の顔料とを分散した顔料分散体を準備し、溶媒中に当該顔料分散体と、硬化性バインダー成分と、所望により用いられる各種添加成分を混合する方法、(4)溶媒中に、硬化性バインダー成分と、所望により用いられる各種添加成分とを添加し、混合した後、これに、高塩素化亜鉛フタロシアニンと他の顔料とを分散した顔料分散体を加え混合する方法等が挙げられる。中でも、顔料分散性の点から、上記(1)の方法を用いることが好ましい。
分散処理を行うための分散機としては、2本ロール、3本ロール等のロールミル、ボールミル、振動ボールミル等のボールミル、ペイントコンディショナー、連続ディスク型ビーズミル、連続アニュラー型ビーズミル等のビーズミルが挙げられる。ビーズミルの好ましい分散条件として、使用するビーズ径は0.03〜2.00mmが好ましく、より好ましくは0.05〜1.0mmである。
[カラーフィルター]
本発明のカラーフィルターは、透明基板と、当該透明基板上に設けられた着色層とを少なくとも備えるカラーフィルターであって、当該着色層の少なくとも1つが前記本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物を硬化させて形成されてなる着色層であることを特徴とする。
中でも、本発明に係るカラーフィルター用着色樹脂組成物を硬化させて形成されてなる着色層の透過率スペクトルが、波長510〜540nmに極大値を有し、且つ当該極大値における透過率が40%以上であることが、高輝度で色再現性に優れる点から好ましい。
本発明のカラーフィルターに用いられる着色層は、前述した本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物を用いて硬化させて形成されたものであればよく、特に限定されないが、通常、後述する透明基板上の遮光部の開口部に形成され、通常3色以上の着色パターンから構成される。
また、当該着色層の配列としては、特に限定されず、例えば、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の一般的な配列とすることができる。また、着色層の幅、面積等は任意に設定することができる。
当該着色層の厚みは、塗布方法、カラーフィルター用着色樹脂組成物の固形分濃度や粘度等を調整することにより、適宜制御されるが、通常、1〜5μmの範囲であることが好ましい。
まず、前述した本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物を、スプレーコート法、ディップコート法、バーコート法、コールコート法、スピンコート法などの塗布手段を用いて後述する透明基板上に塗布して、ウェット塗膜を形成させる。
次いで、ホットプレートやオーブンなどを用いて、該ウェット塗膜を乾燥させたのち、これに、所定のパターンのマスクを介して露光し、アルカリ可溶性樹脂及び多官能性モノマー等を光重合反応させて、カラーフィルター用着色樹脂組成物の塗膜とする。露光に使用される光源としては、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプなどの紫外線、電子線等が挙げられる。露光量は、使用する光源や塗膜の厚みなどによって適宜調整される。
また、露光後に重合反応を促進させるために、加熱処理を行ってもよい。加熱条件は、使用するカラーフィルター用着色樹脂組成物中の各成分の配合割合や、塗膜の厚み等によって適宜選択される。
現像処理後は、通常、現像液の洗浄、カラーフィルター用着色樹脂組成物の硬化塗膜の乾燥が行われ、着色層が形成される。なお、現像処理後に、塗膜を十分に硬化させるために加熱処理を行ってもよい。加熱条件としては特に限定はなく、塗膜の用途に応じて適宜選択される。
まず、前記本発明のカラーフィルター用着色樹脂組成物を含み、青(B)用、緑(G)用及び赤(R)用等の色材がそれぞれ配合されたカラーフィルター用着色樹脂組成物を用意する。そして、透明基板1の表面に、遮光部2のパターンにより画成された各色(R、G、B)の着色層形成領域に、対応する色のカラーフィルター用着色樹脂組成物をインクジェット方式によって選択的に付着させてインク層を形成する。このインクの吹き付け工程において、カラーフィルター用着色樹脂組成物は、インクジェットヘッドの先端部で粘度増大を起こし難く、良好な吐出性を維持し続ける必要がある。各色のカラーフィルター用着色樹脂組成物を、複数のヘッドを使って同時に基板上に吹き付けることもできるので、印刷等の方法で各色ごとに着色層を形成する場合と比べて作業効率を向上させることができる。
次に、各色のインク層を乾燥し必要に応じてプリベークした後、適宜加熱乃至露光することにより硬化させる。インク層を適宜加熱乃至露光すると、カラーフィルター用着色樹脂組成物中に含まれる硬化性樹脂の架橋要素が架橋反応を起こし、インク層が硬化して着色層3R,3G,3Bが形成される。
本発明のカラーフィルターにおける遮光部は、後述する透明基板上にパターン状に形成されるものであって、一般的なカラーフィルターに遮光部として用いられるものと同様とすることができる。
当該遮光部のパターン形状としては、特に限定されず、例えば、ストライプ状、マトリクス状等の形状が挙げられる。この遮光部としては、例えば、黒色顔料をバインダー樹脂中に分散又は溶解させたものや、クロム、酸化クロム等の金属薄膜等が挙げられる。この金属薄膜は、CrOx膜(xは任意の数)及びCr膜が2層積層されたものであってもよく、また、より反射率を低減させたCrOx膜(xは任意の数)、CrNy膜(yは任意の数)及びCr膜が3層積層されたものであってもよい。
当該遮光部が黒色着色剤をバインダー樹脂中に分散又は溶解させたものである場合、この遮光部の形成方法としては、遮光部をパターニングすることができる方法であればよく、特に限定されず、例えば、遮光部用カラーフィルター用着色樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法、印刷法、インクジェット法等を挙げることができる。
本発明のカラーフィルターにおける透明基板としては、可視光に対して透明な基材であればよく、特に限定されず、一般的なカラーフィルターに用いられる透明基板を使用することができる。具体的には、石英ガラス、無アルカリガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジッド材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材が挙げられる。
当該透明基板の厚みは、特に限定されるものではないが、本発明のカラーフィルターの用途に応じて、例えば100μm〜1mm程度のものを使用することができる。
なお、本発明のカラーフィルターは、上記透明基板、遮光部及び着色層以外にも、例えば、オーバーコート層や透明電極層、さらには配向膜や柱状スペーサ等が形成されたものであってもよい。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、前述した本発明のカラーフィルターと、対向基板と、前記カラーフィルターと前記対向基板との間に形成された液晶層とを有することを特徴とする。
このような本発明の液晶表示装置について、図を参照しながら説明する。図2は、本発明の液晶表示装置の一例を示す概略図である。図2に例示するように本発明の液晶表示装置40は、カラーフィルター10と、TFTアレイ基板等を有する対向基板20と、上記カラーフィルター10と上記対向基板20との間に形成された液晶層30とを有している。
なお、本発明の液晶表示装置は、この図2に示される構成に限定されるものではなく、一般的にカラーフィルターが用いられた液晶表示装置として公知の構成とすることができる。
また、対向基板としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて適宜選択して用いることができる。
さらに、液晶層を構成する液晶としては、本発明の液晶表示装置の駆動方式等に応じて、誘電異方性の異なる各種液晶、及びこれらの混合物を用いることができる。
真空注入方式では、例えば、あらかじめカラーフィルター及び対向基板を用いて液晶セルを作製し、液晶を加温することにより等方性液体とし、キャピラリー効果を利用して液晶セルに液晶を等方性液体の状態で注入し、接着剤で封鎖することにより液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
また液晶滴下方式では、例えば、カラーフィルターの周縁にシール剤を塗布し、このカラーフィルターを液晶が等方相になる温度まで加熱し、ディスペンサー等を用いて液晶を等方性液体の状態で滴下し、カラーフィルター及び対向基板を減圧下で重ね合わせ、シール剤を介して接着させることにより、液晶層を形成することができる。その後、液晶セルを常温まで徐冷することにより、封入された液晶を配向させることができる。
(合成例1)
フタロジニトリル、塩化亜鉛を原料として亜鉛フタロシアニンを製造した。これの1 −クロロナフタレン溶液は、600〜700nmに光の吸収を有していた。ハロゲン化は、塩化スルフリル2.9質量部、無水塩化アルミニウム3.5質量部、塩化ナトリウム0.43質量部、亜鉛フタロシアニン1質量部を40℃で混合して行った。80℃で15時間反応し、その後、反応混合物を水に投入し、部分塩素化亜鉛フタロシアニン粗顔料を析出させた。この水性スラリーを濾過し、80℃の湯洗浄を行い、90℃で乾燥させ、2.6質量部の精製された部分塩素化亜鉛フタロシアニン粗顔料を得た。
この部分塩素化亜鉛フタロシアニン粗顔料 1質量部、粉砕した塩化ナトリウム7 質量部、ジエチレングリコール1.6 質量部、キシレン0.09質量部を双腕型ニーダーに仕込み、100℃で6時間混練した。混練後80℃の水100質量部に取り出し、1時間攪拌後、濾過、湯洗、乾燥、粉砕した部分塩素化亜鉛フタロシアニン顔料(以下、高塩素化亜鉛フタロシアニン1 と称す)を得た。
得られた部分塩素化亜鉛フタロシアニン顔料は、質量分析計(装置名 BRUKER REFLEX II ブルカー・ダルトニクス(株)製)によるハロゲン含有量分析から、平均組成ZnPcCl13H3で(Pc;フタロシアニン)で 、1分子中の平均塩素比率は81.3%であった。
ハロゲン化材料の質量部を表1に変更した以外、合成例1と同様に部分塩素化亜鉛フタロシアニンを作製した。
この部分塩素化亜鉛フタロシアニン粗顔料に他の成分を上記合成例1と同じ組成で仕込み、同じ方法でニーダーを用い顔料化し、部分塩素化亜鉛フタロシアニン顔料(以下、高塩素化亜鉛フタロシアニン2 と称す)を得た。
得られた部分塩素化亜鉛フタロシアニン顔料は、合成例1と同様の質量分析によるハロゲン含有量分析から、平均組成ZnPcCl14H2で(Pc;フタロシアニン)で 1分子中の平均塩素比率は87.5%であった。
ハロゲン化材料の質量部を表1に変更した以外、合成例1と同様に部分塩素化亜鉛フタロシアニンを作製した。
この部分塩素化亜鉛フタロシアニン粗顔料に他の成分を上記合成例1と同じ組成で仕込み、同じ方法でニーダーを用い顔料化し、部分塩素化亜鉛フタロシアニン顔料( 以下、部分塩素化亜鉛フタロシアニン と称す) を得た。
得られた部分塩素化亜鉛フタロシアニン顔料は、合成例1と同様の質量分析によるハロゲン含有量分析から、平均組成ZnPcCl11H5で( Pc;フタロシアニン)で 、1分子中の平均塩素比率は68.8%であった。
(製造例1)
直径0.5mmのジルコニアビーズを仕込んだ五十嵐機械製造社製高速分散機「TSC−6H」に、高塩素化亜鉛フタロシアニン1 15質量部、ビックケミー社製アクリル系分散剤「BYK−2001」7質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと称す)78質量部を仕込み、毎分2000回転で8時間攪拌して、高塩素化亜鉛フタロシアニン1(塩素化率 81.3%)を含有する製造例1の緑色顔料分散体を調製した。
製造例1において、高塩素化亜鉛フタロシアニン1の代わりに高塩素化亜鉛フタロシアニン2を用いた以外は製造例1と同様にして、高塩素化亜鉛フタロシアニン2(塩素化率 87.5%)を含有する製造例2の緑色顔料分散体を調製した。
製造例1において、高塩素化亜鉛フタロシアニン1の代わりにピグメントグリーン58(入手先 大日本インキ化学工業(株))を用いた以外は製造例1と同様にして、比較製造例1の緑色顔料分散体を調製した。
製造例1において、高塩素化亜鉛フタロシアニン1の代わりにピグメントグリーン7(入手先 BASF)を用いた以外は製造例1と同様にして、比較製造例2の緑色顔料分散体を調製した。
製造例1において、高塩素化亜鉛フタロシアニン1の代わりに部分塩素化亜鉛フタロシアニンを用いた以外は製造例1と同様にして、部分塩素化亜鉛フタロシアニン(塩素化率 68.8%)を含有する比較製造例3の緑色顔料分散体を調製した。
製造例1において、高塩素化亜鉛フタロシアニン1の代わりにピグメントイエロー150(入手先 ランクセス(株))を用いた以外は製造例1と同様にして、製造例3の黄色顔料分散体を調製した。
(製造例4:アルカリ可溶性樹脂の調製)
アルカリ可溶性樹脂を調製するために、メチルメタアクリレート(MMA)70部、ベンジルメタアクリレート(BzMA)15部、メタクリル酸(MAA)15部、PGMEA100部をフラスコに仕込み、93℃、窒素雰囲気下で7時間重合した。この反応液の固形分濃度をPGMEAで40.2%に調製し、製造例4のアルカリ可溶性樹脂溶液を得た。得られたポリマーの酸価は104mgKOH、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwは24,700であった。
上記製造例1の緑色顔料分散体、上記製造例3の黄色顔料分散体、上記製造例4のアルカリ可溶型光反応性ポリマー溶液、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(以下、DPPA)、2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジル−1−ブタノン(商品名:イルガキュア369)及びPGMEAを下記割合で混合し、室温で混合、攪拌、ろ過して実施例1の着色樹脂組成物Aを得た。
<着色樹脂組成物Aの組成>
・製造例1の緑色顔料分散体:26.75部
・製造例3の黄色顔料分散体:30.92部
・製造例4のアルカリ可溶性樹脂溶液:6.31部
・DPPA(日本化薬(株)製サートマーSR399E):3.26部
・イルガキュア369(商品名:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):2.49部
・プロピレングリコールモノメチルアセテート(PGMEA):30.29部
実施例1において、製造例1の緑色顔料分散体の代わりに、製造例2の緑色顔料分散体を用い、下記表2の組成とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の着色樹脂組成物を得た。
実施例1において、製造例1の緑色顔料分散体の代わりに、比較製造例1〜3の緑色顔料分散体を用い、下記表2の組成とした以外は、実施例1と同様にして、比較例1〜3の着色樹脂組成物を得た。
実施例1〜2及び比較例1〜3の着色樹脂組成物をそれぞれ用いて緑色画素を作成し、下記項目の評価を行った。評価結果は表3に示す。
10cm画のガラス基板上に、実施例1〜2及び比較例1〜3の着色樹脂組成物をそれぞれスピンコーター(MIKASA製、形式1H−DX2)により、塗布、乾燥し、塗膜を形成した。この塗膜をホットプレート上で90℃、3分間加熱した。加熱後、2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナー(大日本スクリーン製、形式MA1200)によって、100mJ/cm2の強度(405nm照度換算)でフォトマスクを介して紫外線を照射した。紫外線の照射後、23℃の0.5質量%水酸化カリウム水溶液を用いて1分間、スピン現像機で現像した後、純水で1分間洗浄して乾燥し、塗膜をクリーンオーブン(忍足研究所(株製、SCOV−250Hy−So)により230℃で30分間乾燥し、緑色画素を得た。緑色画素の膜厚は、目標色度y=0.710になるように調整した。その結果、比較例1では上記製版工程を2回繰り返す必要があった。
形成した緑色画素の膜厚は、触針式膜厚計P−15(ケー・エル・エーテンコール(株)社製)を用いて測定した。測定結果を表3に示す。
<輝度評価>
測定結果及びシミュレーション結果において、y=0.710となる際の極大透過率が40以上を○、40未満を×とした。
<パターニング評価>
測定結果及びシミュレーション結果において、y=0.710となる際の膜厚が3.0以上を×、3.0未満を○とした。
<総合判定>
輝度評価、パターニング評価において、両者共○判定の場合を○、少なくとも一方が×の場合を×とした。
化学式(1)で表される塩素化率が80%以上の高塩素化亜鉛フタロシアニンを含む実施例1及び実施例2の着色樹脂組成物を用いて形成された塗膜は、膜厚を2.5μmとしたときであっても、目標色度とすることができ、輝度も高かった。塩素化率が70%程度の部分塩素化亜鉛フタロシアニンを含む比較例3の塗膜や、高塩素化銅フタロシアニンであるPG7を用いた比較例2の塗膜は、目標色度とすることはできたが、輝度が低かった。また、高臭素化亜鉛フタロシアニンであるPG58を用いた比較例1の塗膜は、膜厚が2.5μmでは目標色度とすることができず、製版工程を2回繰り返し、膜厚を2倍以上厚くしなければ目標色度とすることができないことが明らかとなった。
2 遮光部
3 着色層
10 カラーフィルター
20 対向基板
30 液晶層
40 液晶表示装置
Claims (7)
- 前記顔料が、更に黄色顔料を含む、請求項1に記載のカラーフィルター用着色樹脂組成物。
- 前記高塩素化亜鉛フタロシアニンを、当該高塩素化亜鉛フタロシアニンを含む緑色顔料全体に対して10質量%以上含む、請求項1又は2に記載のカラーフィルター用着色樹脂組成物。
- 膜厚が2.5μmの塗膜としたときに、透過率スペクトルが、波長510〜540nmに極大値を有し、且つ当該極大値における透過率が40%以上である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のカラーフィルター用着色樹脂組成物。
- 透明基板と、当該透明基板上に設けられた着色層とを少なくとも備えるカラーフィルターであって、当該着色層の少なくとも1つが請求項1乃至4のいずれか一項に記載のカラーフィルター用着色樹脂組成物を硬化させて形成されてなる着色層であることを特徴とする、カラーフィルター。
- 前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載のカラーフィルター用着色樹脂組成物を硬化させて形成されてなる着色層の透過率スペクトルが、波長510〜540nmに極大値を有し、且つ当該極大値における透過率が40%以上であることを特徴とする、請求項5に記載のカラーフィルター。
- 前記請求項5又は6に記載のカラーフィルターと、対向基板と、前記カラーフィルターと前記対向基板との間に形成された液晶層とを有することを特徴とする液晶表示装置。
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