JP2011197669A - カラーフィルタ組成物 - Google Patents

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晃士 新宮原
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Abstract

【課題】耐熱性、耐光性およびコントラストが向上した、新規なカラーフィルタ組成物を提供する。
【解決手段】フタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含む、カラーフィルタ組成物であって、前記フタロシアニン化合物は例えば下式で例示される。[ZnPc−{α−(2−CH3O)C6H4O}2,{β−(2−COOCH3)C6H4O}2H12]黄色色素としては例えば下記構造の化合物が例示される。

【選択図】なし

Description

本発明は、フタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含む、カラーフィルタ組成物に関するものである。
液晶ディスプレーや撮像装置等に用いるカラーフィルタは一般に、ガラスなどの透明基板に、赤、緑、青の三原色画素と、これらの画素間に設けられた遮光層であるブラックマトリックスとを形成することにより製造されている。
これら画素及びブラックマトリックスは、感光性の着色組成物を基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)して塗膜を形成し、この塗膜に紫外線を照射して露光し、さらに現像し未露光部分をアルカリ洗浄して除去し、さらに後硬化(ポストベーク)して形成される。
現在、上記カラーフィルタを使用した液晶表示装置は、従来のノートPC用途に加え、デスクトップモニタ用途への展開が進んでいる。
さらに、最近ではデスクトップモニタの色再現性をさらに向上させた大型の液晶テレビが開発されており、印刷物のような色鮮やかな表示するために着色剤として特定の顔料を使用した顔料分散液を使用することで、カラーフィルタの色再現性を向上させる組み合わせが提案されていた(例えば、特許文献1)。
しかし、顔料分散法によるカラーフィルタは、顔料表面による光の散乱によって引き起こされる光の偏光の乱れからコントラストの低下を起こす問題があり、特に、液晶画面の大型化に伴いその問題が顕著となっている。
顔料分散法も、使用する顔料をさらに微細化することで、光の散乱を抑えコントラストの向上が試みられてきたが、もはや限界を迎えている。
また、近年固体撮像素子用途においても、カラーフィルタの更なる高精細化が望まれており、固体撮像素子のような微細パターンが要求される用途には顔料分散法は適さない。
また一方で、カラーフィルタの緑色部分には黄色系色素が用いられることが知られており、かかる緑色を実現するためにフタロシアニン系色素とアゾ色素とを併用することも知られているが、その場合やはりコントラストが低いといった問題や、耐熱性および耐光性が不十分であり、更なる改良が望まれている。
また、従来のフタロシアニン系色素は、単独で用いた場合にもやはりコントラストが低いといった問題や、耐熱性および耐光性が低い場合もあり、その改良が望まれている。
特開2004−176000号公報
したがって、本発明の目的は、耐熱性、耐光性およびコントラストが向上した、新規なフタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含むカラーフィルタ組成物を提供することである。
本発明者は、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、特定の構造を有するフタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含むカラーフィルタ組成物が、耐熱性、耐光性およびコントラストを向上させることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記目的は、フタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含む、カラーフィルタ組成物であって、
前記フタロシアニン化合物が、
下記式(1):
式中、Z〜Z16は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、下記化学式2:
式中、Xは酸素原子または硫黄原子であり、Aは、フェニル基、1〜5の置換基Rを有するフェニル基または1〜7の置換基Rを有するナフチル基であり、前記置換基Rは、それぞれ独立して、ニトロ基、COOR、OR(Rは炭素数1〜8のアルキル基)、ハロゲン原子、アリール基、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり、この際、Rは、炭素数1〜8のアルキル基(この際、アルキル基は、炭素数1〜8のアルキルオキシ基、ハロゲン原子もしくはアリール基で置換されていてもよい)、または下記化学式3で示される基;
式中、Rは炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜8のアルキル基であり、nは1〜4の整数である;である:で示される基、または下記化学式2’:
式中、R’は炭素数1〜3のアルキレン基であり、R”は炭素数1〜8のアルキル基であり、lは0〜4の整数である;で示される基であり、
この際、Z〜Z16のうち、4〜10個は化学式2または化学式2’で示される基であり、このうち、少なくとも1個は化学式2で示される基であり、3〜12個は水素原子であり、
〜Z16のうち、4個が化学式2または化学式2’で示される基であり、残りが水素原子の場合には、Z、Z、Z、Z、Z、Z12、Z13及びZ16のうち1〜3個は、化学式2または化学式2’で示される基であり、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11、Z14及びZ15のうち3〜1個は、化学式2または化学式2’で示される基であり、
〜Z16のうち、水素原子が3〜11個の場合には、少なくとも1個はハロゲン原子であり、
Mは無金属、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物を表わす:で示される、カラーフィルタ組成物によって達成される。
本発明によれば、耐熱性、耐光性およびコントラストが向上した、新規なフタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含むカラーフィルタ組成物を提供することができる。
本発明の第1は、フタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含む、カラーフィルタ組成物であって、前記フタロシアニン化合物が、
下記式(1):
式中、Z〜Z16は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、下記化学式2:
式中、Xは酸素原子または硫黄原子であり、Aは、フェニル基、1〜5の置換基Rを有するフェニル基または1〜7の置換基Rを有するナフチル基であり、前記置換基Rは、それぞれ独立して、ニトロ基、COOR、OR(Rは炭素数1〜8のアルキル基)、ハロゲン原子、アリール基、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり、この際、Rは、炭素数1〜8のアルキル基(この際、アルキル基は、炭素数1〜8のアルキルオキシ基、ハロゲン原子もしくはアリール基で置換されていてもよい)、または下記化学式3で示される基;
式中、Rは炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜8のアルキル基であり、nは1〜4の整数である;である:で示される基、または下記化学式2’:
式中、R’は炭素数1〜3のアルキレン基であり、R”は炭素数1〜8のアルキル基であり、lは0〜4の整数である;で示される基であり、
この際、Z〜Z16のうち、4〜10個は化学式2または化学式2’で示される基であり、このうち、少なくとも1個は化学式2で示される基であり、3〜12個は水素原子であり、
〜Z16のうち、4個が化学式2または化学式2’で示される基であり、残りが水素原子の場合には、Z、Z、Z、Z、Z、Z12、Z13及びZ16のうち1〜3個は、化学式2または化学式2’で示される基であり、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11、Z14及びZ15のうち3〜1個は、化学式2または化学式2’で示される基であり、
〜Z16のうち、水素原子が3〜11個の場合には、少なくとも1個はハロゲン原子であり、
Mは無金属、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物を表わす:で示される、カラーフィルタ組成物に関するものである。
本出願においては、フタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含む、カラーフィルタ組成物が提供されているが、フタロシアニン化合物単体であっても、黄色系色素単体であっても、特徴的なものであり、特にフタロシアニン化合物単体が特徴的なものである。
よって、本出願においては、フタロシアニン化合物単体という発明、黄色系色素単体という発明もが提供されていると考えられなければならない。
まずは、フタロシアニン化合物単体についての説明を行う。
本発明のフタロシアニン化合物は、下記式(1):
式中、Z〜Z16は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、下記化学式2:
式中、Xは酸素原子または硫黄原子であり、Aは、フェニル基、1〜5の置換基Rを有するフェニル基または1〜7の置換基Rを有するナフチル基であり、前記置換基Rは、それぞれ独立して、ニトロ基、COOR、OR(Rは炭素数1〜8のアルキル基)、ハロゲン原子、アリール基、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり、この際、Rは、炭素数1〜8のアルキル基(この際、アルキル基は、炭素数1〜8のアルキルオキシ基、ハロゲン原子もしくはアリール基で置換されていてもよい)、または下記化学式3で示される基;
式中、Rは炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜8のアルキル基であり、nは1〜4の整数である;である:で示される基、または下記化学式2’:
式中、R’は炭素数1〜3のアルキレン基であり、R”は炭素数1〜8のアルキル基であり、lは0〜4の整数である;で示される基であり、
この際、Z〜Z16のうち、4〜10個は化学式2または化学式2’で示される基であり、このうち、少なくとも1個は化学式2で示される基であり、3〜12個は水素原子であり、
〜Z16のうち、4個が化学式2または化学式2’で示される基であり、残りが水素原子の場合には、Z、Z、Z、Z、Z、Z12、Z13及びZ16のうち1〜3個は、化学式2または化学式2’で示される基であり、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11、Z14及びZ15のうち3〜1個は、化学式2または化学式2’で示される基であり、
〜Z16のうち、水素原子が3〜11個の場合には、少なくとも1個はハロゲン原子であり、
Mは無金属、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物を表わす、で示される。
本明細書では、上記式(1)のフタロシアニン化合物を、単に「フタロシアニン化合物(1)」とも称する。
なお、本明細書において、式(1)における、Z、Z、Z、Z、Z、Z12、Z13及びZ16は、フタロシアニン核の8箇所のα位に置換する置換基を表わすため、これらの置換基をα位の置換基とも称する。
また、同様にして、式(1)における、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11、Z14及びZ15は、フタロシアニン核の8箇所のβ位に置換する置換基を表わすため、これらの置換基をβ位の置換基とも称する。
フタロシアニン化合物(1)と、黄色系色素とを含むカラーフィルタ組成物は、耐熱性、耐光性およびコントラストを向上させ、液晶表示素子や撮像素子に好適に使用することができる。
上記式(1)において、Z〜Z16は、水素原子、ハロゲン原子、下記化学式2:
、または下記化学式2’:
を表す。この際、Z〜Z16は、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。
〜Z16におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子があり、これらのうち、好ましくはフッ素原子及び塩素原子であり、より好ましくは塩素原子である。
化学式2において、Xは酸素原子または硫黄原子を表わす。好ましくは酸素原子である。Xが酸素原子であると、得られるフタロシアニン化合物の最大吸収波長を短波長側にシフトできる。
化学式2において、Aは、フェニル基、1〜5の置換基Rを有するフェニル基または1〜7の置換基Rを有するナフチル基を表す。
好ましくは、1〜5の置換基Rを有するフェニル基または1〜7の置換基Rを有するナフチル基であり、より好ましくは1〜5の置換基Rを有するフェニル基である。
フェニル基の置換基数は、1〜5であるが、グラム吸光係数の観点から、より好ましくは1〜3の整数を示し、置換基がハロゲン原子の場合には、置換基数は1〜5の整数のいずれも好ましい。ナフチル基の置換基数は、1〜7であるが、グラム吸光係数(グラム当たりの吸光度)の観点から、1〜5であることが好ましく、1〜3であることがより好ましく、1または2であることがさらに好ましい。
ナフチル基とXとの結合位置は特に限定されず、下記1位(1−ナフチル基)または2位(2−ナフチル基)のいずれであってもよい。
同様にして、置換基のナフタレン環への結合位置もまた、特に制限されない。
例えば、ナフチル基とXとの結合位置が1位(1−ナフチル基)である場合には、置換基のナフタレン環への結合位置は、2位、3位、4位、5位、6位、7位または8位のいずれでもよいが、耐熱性や溶媒溶解性などを考慮すると、好ましくは2位、3位が好ましく、2位がより好ましい。また、ナフチル基とXとの結合位置が2位(2−ナフチル基)である場合には、置換基のナフタレン環への結合位置は、1位、3位、4位、5位、6位、7位または8位のいずれでもよいが、好ましくは3位、6位が好ましく、耐熱性や溶媒溶解性などを考慮すると、3位がより好ましい。
フェニル基またはナフチル基の置換基(以下、Rとも称する)は、ニトロ基、COOR、OR(Rは炭素数1〜8のアルキル基)、ハロゲン原子、アリール基、シアノ基、または炭素数1〜8のアルキル基(この際、アルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよい)である。この際、Rは、炭素数1〜8のアルキル基(この際、アルキル基は炭素数1〜8のアルキルオキシ基、ハロゲン原子もしくはアリール基で置換されていてもよい)、または下記化学式3で表される基である。
フェニル基またはナフチル基に置換基Rが複数存在する場合、複数のRは、同一であっても異なるものであってもよい。
化学式3中、Rは炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜8のアルキル基であり、nは1〜4の整数である。
RがCOORの場合、COORにおけるRは、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、または化学式3で表される基を表す。
が炭素数1〜8のアルキル基の場合、炭素数1〜8のアルキル基は、溶媒溶解性の点から、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基である。炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が挙げられる。炭素数1〜8のアルキル基に場合によっては存在する置換基は、炭素数1〜8のアルキルオキシ基、ハロゲン原子またはアリール基である。
場合によっては存在する、アルキル基の置換基である炭素数1〜8のアルキルオキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、iso−プロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、iso−ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基などの直鎖、分岐又は環状のアルキルオキシ基が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜4のアルキルオキシ基が好ましい。場合によっては存在する、アルキル基の置換基であるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。これらの中でも、フッ素原子または塩素原子が好ましい。場合によっては存在する、アルキル基の置換基であるアリール基としては、フェニル基、p−メトキシフェニル基、p−t−ブチルフェニル基、p−クロロフェニル基などが挙げられる。これらの中でも、フェニル基が好ましい。これらの置換基は複数個存在していても良く、複数個存在する場合には同種若しくは異種のいずれであっても良く、同種の場合においても同一若しくは異なっていても良い。アルキル基の置換基の数は特に限定されるものではないが、1〜3個であることが好ましく、1または2個であることが好ましい。
COORにおけるRが化学式3で表される基の場合、化学式3で表される基におけるRは、エーテル溶媒溶解性への効果の点から1〜3のアルキレン基である。
炭素数1〜3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、iso−プロピレン基が挙げられる。好ましくは、エチレン基、プロピレン基である。
また、化学式3で表される基におけるRは、分子量の観点から1〜8のアルキル基であり、より好ましくは1〜4のアルキル基である。炭素数1〜8のアルキル基としては、上記Rの欄で記載されたものが挙げられる。化学式3で表される基におけるnは、分子量の観点から、1〜4の整数であり、1〜3の整数であることが好ましい。
RがORの場合、ORにおけるRは、炭素数1〜8のアルキル基、好ましくは色素の結晶性、取扱性の良さの点から、炭素数1〜3のアルキル基を示す。
で示される炭素数1〜8のアルキル基としては、上記Rにおいて、記載したものと同様の置換基が挙げられる。
Rがハロゲン原子の場合、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子、塩素原子またはヨウ素原子であることが好ましい。中でも、色素の分子量が小さくなり、グラム吸光係数が高くなるため、塩素原子、フッ素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
Rがアリール基の場合、アリール基としては、フェニル基、p−メトキシフェニル基、p−t−ブチルフェニル基、p−クロロフェニル基、等のアリール基が挙げられる。
中でも、色素の分子量が小さくなり、グラム吸光係数が高くなるため、フェニル基が好ましい。
Rがアルキル基の場合、置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基としては、Rが炭素数1〜8のアルキル基の場合に例示したアルキル基が挙げられる。
好ましくは、色素の結晶性、取扱性の良さの点から、炭素数1〜3のアルキル基である。
場合によっては存在する、アルキル基の置換基であるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。これらの中でも、フッ素原子または塩素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。アルキル基の置換基であるハロゲン原子は複数個存在していても良く、複数個存在する場合には同一若しくは異なっていても良い。アルキル基の置換基の数は特に限定されるものではないが、1〜3個であることが好ましい。
化学式2’において、R’はエーテル溶解性への効果と分子量の点から、炭素数1〜3のアルキレン基である。
炭素数1〜3のアルキレン基としては、上記Rの欄で例示したものが挙げられる。
好ましくは、エチレン基、プロピレン基である。R”はエーテル溶解性への効果と分子量の点から、炭素数1〜8のアルキル基であり、好ましくは1〜2のアルキル基である。1〜8のアルキル基としては、上記Rの欄で例示したものが挙げられる。lは、エーテル溶解性への効果と分子量の観点から、0〜4の整数であり、1〜2の整数であることがより好ましい。
上記式(1)において、Mは、無金属、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物を表わすものである。ここで、無金属とは、金属以外の原子、例えば、2個の水素原子であることを意味する。また、金属としては、鉄、マグネシウム、ニッケル、コバルト、銅、パラジウム、亜鉛、バナジウム、チタン、インジウム、錫等が挙げられる。金属酸化物としては、チタニル、バナジル等が挙げられる。金属ハロゲン化物としては、塩化アルミニウム、塩化インジウム、塩化ゲルマニウム、塩化錫(II)、塩化錫(IV)、塩化珪素等が挙げられる。好ましくは、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物であり、具体的には、銅、亜鉛、コバルト、ニッケル、鉄、バナジル、チタニル、塩化インジウム、塩化錫(II)であり、より好ましくは銅、バナジル及び亜鉛であり、さらに好ましくは亜鉛、銅であり、最も好ましくは亜鉛である。中心金属が亜鉛、銅であると、耐熱性が高いため好ましい。また、中心金属が亜鉛であると、銅の場合よりも緑色の波長である520nm〜545nm付近の透過率が高くカラーフィルタにした際に輝度が向上できるので特に好ましい。また、アセトン、メタノール、メチルセルソルブといった汎用性溶媒に対する溶媒溶解性が高く、また樹脂に対する溶解性が高くコントラストが高くなるため、特に好ましい。
フタロシアニン化合物(1)は、Z〜Z16のうち、4〜10個は化学式2または化学式2’で示される基であり、このうち、少なくとも1個は化学式2で示される基であり、3〜12個は水素原子である。化学式2または化学式2’で示される基および水素原子以外は、Z〜Z16はハロゲン原子である。
フタロシアニン化合物(1)の好適な形態としては、(1)Z〜Z16のうち、4個が化学式2または化学式2’で示される基であり、残りが水素原子であり、Z、Z、Z、Z、Z、Z12、Z13及びZ16のうち1〜3個は、化学式2または化学式2’で示される基であり、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11、Z14及びZ15のうち3〜1個は、化学式2または化学式2’で示される基であるフタロシアニン化合物(1−2)、(2)Z〜Z16のうち、3〜11個が水素原子であり、少なくとも1個がハロゲン原子であるフタロシアニン化合物(1−3)が挙げられる。以下、フタロシアニン化合物(1−2)およびフタロシアニン化合物(1−3)について説明する。
(1)フタロシアニン化合物(1−2) フタロシアニン化合物(1−2)は、下記式(1−2):
式中、Z〜Z16は、それぞれ独立して、水素原子、下記化学式2:
式中、Xは酸素原子または硫黄原子であり、Aはフェニル基、1〜5の置換基Rを有するフェニル基または1〜7の置換基Rを有するナフチル基であり、前記置換基Rは、それぞれ独立して、ニトロ基、COOR、OR(Rは炭素数1〜8のアルキル基)、ハロゲン原子、アリール基、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり、この際、Rは、炭素数1〜8のアルキル基(この際、アルキル基は、炭素数1〜8のアルキルオキシ基、ハロゲン原子もしくはアリール基で置換されていてもよい)、または下記化学式3で示される基;
式中、Rは炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜8のアルキル基であり、nは1〜4の整数である;である:で示される基、または下記化学式2’:
式中、R’は炭素数1〜3のアルキレン基であり、R”は炭素数1〜8のアルキル基であり、lは0〜4の整数である:で示される基であり、
この際、Z、Z、Z、Z、Z、Z12、Z13及びZ16のうち1〜3個は、化学式2または化学式2’で示される基であり、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11、Z14及びZ15のうち3〜1個は、化学式2または化学式2’で示される基であり、Z〜Z16のうち合計4個は、化学式2または化学式2’で示される基であり、Z〜Z16のうち少なくとも1個は、化学式2で示される基であり、
Mは無金属、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物を表わす:で示される。
以下、式(1−2)で示されるフタロシアニン化合物を単にフタロシアニン化合物(1−2)とも称する。
フタロシアニン化合物(1−2)は、α位およびβ位の各々に少なくとも1つの化学式2または化学式2’で表される置換基を有する。
従来知られているフタロシアニンとしては、β位にニトロフェノキシ基を4つ有する化合物であるβ−(ニトロフェノキシ)4置換Znフタロシアニン(Journal of Porphyrins and Phthalocyanines(2005),9(4),268−274、またはMakromoleculare Chemie(1988),189(5),1001−1011)がある。
また、α位にエステル基(−COOR)を有するフェノキシ基を4つ有するフタロシアニン(中国特許出願公開第101023945号、中国特許出願公開第101012234号)も知られている。本願発明者らが検討した結果、α位のみに化学式2または化学式2’で表される置換基を有するフタロシアニンは、有機溶剤の溶解性に優れるものの、耐熱性および耐光性に劣ることが判明した。一方、β位のみに化学式2または化学式2’で表される置換基を有するフタロシアニンは、耐熱性は向上するものの、スペクトルのスタッキングが生じ(吸光スペクトルが横に広がり)、最大吸収波長におけるピークがシャープなスペクトルが得られず、グラム吸光係数が低くなることが判明した。フタロシアニン化合物(1−2)は、α位とβ位とに少なくとも1つの化学式2または化学式2’で表される置換基を有するため、上記従来のフタロシアニン化合物と比較して、グラム吸光係数と耐熱性とのバランスに優れる。
上記式(1−2)において、Z〜Z16は、水素原子、下記化学式2:
:または下記化学式2’:
を表す。この際、Z〜Z16は、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。
中でも、溶媒溶解性を考慮すると、上記式(1−2)において、Z〜Z16は、水素原子または化学式2であることが好ましい。
化学式2および2’で示される基については、上記フタロシアニン化合物(1)の欄で説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
化学式2が複数存在する場合には、化学式2の種類は、同一であっても異なるものであってもよい。Z〜Z16のうち、少なくとも1がフェノキシ基またはフェノキシチオ基(Aがフェノール基)である場合には、フェノキシ基またはフェノキシチオ基以外の他の化学式2で示される基が存在することが好ましい。
グラム吸光係数の観点からは、化学式2で示される基のうち少なくとも1が、Aがニトロ基、COOR、ハロゲン原子、またはシアノ基で置換されたフェニル基またはナフチル基である、−X−Aであることが好ましい。ニトロ基、COOR、ハロゲン原子、またはシアノ基は、電子吸引的であるため、グラム吸光係数が向上するものと考えられる。
また、化学式2で示される基のうち少なくとも1が、フェニル基の置換基であるRが2位に存在する、または2−ナフチル基の置換基であるRが3位に存在する、化学式2である形態も好ましい。すなわち、Z〜Z16のうち、少なくとも1は、下記化学式5または下記化学式5’で示されることが好ましい。中でも、化学式5’で示される置換基が少なくとも1存在することが好ましい。
上記化学式5において、Xは化学式2において定義したとおりであり、Rは、化学式2における置換基Rに相当し、mは1〜5の整数である。
また、mが1の場合、化学式3の置換基は、2位にのみRが存在することを意味する。
mが2である場合、Rは、2,6位、2,5位に存在することが好ましく、2,6位に存在することがより好ましい。Rが少なくとも2位、好ましくは、2位、2,6位、2,5位、より好ましくは2位または2,6位に存在すると、立体障害性が生じてフタロシアニン分子の重なり合いを防ぐことができるため、シャープな吸収スペクトルを得ることができ、グラム吸光係数が高くなる。また、有機溶剤への溶解性に優れたものとなる。
上記化学式5’において、Xは化学式2において定義したとおりであり、Rは、化学式2における置換基Rに相当し、m”は1〜7の整数である。m”が1の場合、化学式5’の置換基は、3位にのみRが存在することを意味する。m”が2である場合、Rは、1,3位、3,4位に存在することが好ましい。Rが少なくとも3位に存在すると、立体障害性が生じてフタロシアニン分子の重なり合いを防ぐことができるため、シャープな吸収スペクトルを得ることができ、グラム吸光係数が高くなる。また、有機溶剤への溶解性に優れたものとなる。
なお、上記化学式5’において、2位のXおよび3位のR以外の置換基Rは、ナフタレン環のいずれの水素原子と置換されてもよい。すなわち、上記化学式5’では、置換基「R」が、2個のナフタレン環のうち、Xが存在する側のナフタレン環に存在しているが、この置換基は当該位置に存在することを意味するものではなく、他方のベンゼン環に存在してもよい。すなわち、上記化学式5’は、下記置換基(5’−1)及び(5’−2)双方を包含する。
化学式2で示される基のうち、有機溶剤への溶解性、特にエーテル系溶媒への溶解性の観点から、少なくとも1が下記化学式4:
化学式4中、XおよびRは、化学式2において定義したとおりであり、Rはフェニル基の置換基Rに該当し、mおよびmは、1〜5の整数である(但し、m≦m):で示される基、下記化学式4’:
化学式4’中、Xは、化学式2において定義したとおりであり、Rはフェニル基の置換基Rに該当し、m’は2〜5の整数である:で示される基、または少なくとも1の置換基がCOORであるナフチルオキシ基もしくはナフチルチオ基であることが好ましい。
置換基としてエステル基が存在する、または置換基が少なくとも2,6位に存在することによって、エーテル系溶媒への溶解性がさらに向上する。mは、好ましくは1〜3の整数を示し、より好ましくは1または2である。化学式4’において、Rは特に限定されるものではないが、電子吸引性と立体的効果の観点から、ハロゲン原子であることが好ましく、塩素原子、またはフッ素原子であることがより好ましい。また、化学式4’において、m’が2である場合、Rは2、6位に存在する。m’は、好ましくは2〜3の整数を示し、より好ましくは2である。ナフチルオキシ基もしくはナフチルチオ基にナフタレン環の置換基としてCOORが存在する場合、COORの数は、1〜3個であることが好ましく、より好ましくは1または2である。化学式4で示される基は、Z〜Z16中、エーテル溶解性の点から、2〜7個存在することが好ましい。
また、化学式4’で示される基は、Z〜Z16中、エーテル溶解性の点から、2〜7個、より好ましくは2〜4個存在することが好ましい。化学式4で示される基および化学式4’で示される基は、双方とも存在してもよいし、どちらか一方のみが存在してもよい。
上記式(1−2)において、Z、Z、Z、Z、Z、Z12、Z13及びZ16のうち1〜3個は、化学式2または化学式2’で示される基であり、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11、Z14及びZ15のうち3〜1個は、化学式2または化学式2’で示される基であり、Z〜Z16のうち合計4個は、化学式2または化学式2’で示される基である。
そして、Z〜Z16のうち少なくとも1個は化学式2で示される基である。
すなわち、フタロシアニン核のα位に化学式2または化学式2’で示される基が3個存在する場合には、フタロシアニン核のβ位に化学式2または化学式2’で示される基が1個存在する。そして、それ以外は水素原子である。同様に、α位に化学式2または化学式2’で示される基が2個存在する場合には、β位に化学式2または化学式2’で示される基が2個存在し、それ以外は水素原子である。また、α位に化学式2または化学式2’で示される基が1個存在する場合には、β位に化学式2または化学式2’で示される基が3個存在し、それ以外は水素原子である。フタロシアニン化合物の耐熱性が向上し、シャープな吸光スペクトルが得られることから、α位に化学式2または化学式2’で示される基が2個存在し、β位に化学式2または化学式2’で示される基が2個存在することが好ましい。Z〜Z16のうち、化学式2で示される基または化学式2’以外のZ〜Z16は、フタロシアニンの分子量を小さくし、グラム吸光係数を高めることができるため、水素原子を表す。Z〜Z16に4個存在する、化学式2または化学式2’で示される基は、それぞれ同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
また、α位に存在する化学式2または化学式2’で示される基と、β位に存在する化学式2または化学式2’で示される基とは、同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
式(1−2)におけるMについては、上記フタロシアニン化合物(1)の欄で説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
フタロシアニン化合物(1−2)において、Z〜Z16のうち、4個が化学式2または化学式2’で示される置換基であるが、各置換基がフタロシアニン骨格の各ベンゼン環に均質になる(各ベンゼン環にほぼ同数の置換基が存在する)ように配置されることが好ましい。
中でも、本発明のフタロシアニン化合物は、各ベンゼン環に化学式2または化学式2’で示される置換基が1個存在する下記式(I)で表されるフタロシアニン化合物(以下、単に「フタロシアニン化合物(I)」とも称する)であることが好ましい。
上記式において、Bは化学式2または化学式2’で示される基であり、Mは式(1)中で用いられているものと同一である。各ベンゼン環に存在する置換基Bの種類は、同一であってもよいし、異なるものであってもよい。好適には、α位に存在する置換基Bの種類は同一であり、またβ位に存在する置換基Bの種類は同一であることが好ましい。そして、化学式2または化学式2’で表される置換基がα位に1〜3個存在し、β位に3〜1個存在する。
フタロシアニン化合物(1−2)の好ましい例としては、下記のものが挙げられる。
なお、本発明のフタロシアニン化合物はこれらに限定されるものではない。下記の化合物の略称において、Pcはフタロシアニン核を表わし、Zn、Cu、Voは中心金属を表わし、Pcのすぐ後にα位に置換する置換基を表わし、そのα位に置換する置換基の後にβ位に置換する置換基を表わす。例えば、[ZnPc−{α−(2−NO)CO},{β−(2−COOC)CO}12]は、中心金属がZn、α位のうち2個が(2−NO)CO−で置換され、β位のうち2個が(2−COOC)CO−で置換され、残りが水素原子であるフタロシアニン化合物を示す。
なお、上記化合物のうち、α位で置換される置換基数およびβ位で置換される置換基数が整数でないもの、例えば、[ZnPc−{α−(2−NO)CO}0.5,{β−(2−COOCH)CO}3.512]、[ZnPc−{α−(2−NO)CO}3.5,{β−(2−COOCH)CO}0.512][ZnPc−{α−(2−NO)CO}2.5,{β−(2−COOCH)CO}1.512]などは、複数の種類の化合物が混合物の形態で存在することを意味する。ここでいう複数の種類の化合物とは、α位に化学式2または化学式2’で表される置換基が3個で、β位に化学式2または化学式2’で表される置換基が1個:α位に化学式2または化学式2’で表される置換基が2個で、β位に化学式2または化学式2’で表される置換基が2個:α位に化学式2または化学式2’で表される置換基が1個で、β位に化学式2または化学式2’で表される置換基が3個などの化合物である。つまり、フタロシアニン化合物(1−2)は、一種の化合物である場合に加えて、複数の種類の化合物が混合物の形態で存在することをも包含する。このため、このような場合には、上記式(1−2)中のα位の置換基中に占める化学式2または化学式2’で示される置換基の数は、各フタロシアニン化合物中の化学式2または化学式2’で示される置換基数の平均として表わされるため、必ずしも整数にならない。同様に、上記式(1−2)中のβ位の置換基中に占める化学式2または化学式2’で示される置換基の数は、各フタロシアニン化合物中の化学式2または化学式2’で示される置換基数の平均として表わされるため、必ずしも整数にならない。なお、α位の置換基である化学式2または化学式2’で示される置換基とβ位の置換基である化学式2または化学式2’で示される置換基との合計は、4である。このようなフタロシアニン化合物(1−2)は、下記に詳述するが、原料であるフタロニトリル化合物(A)とフタロニトリル化合物(B)とを所定の混合比で混合したものを使用して、これと金属塩とを環化反応する方法などによって製造できる。
フタロシアニン化合物(1−2)のグラム吸光係数の下限値としては、特に制限されないが、上記したような用途、特にカラーフィルタへの使用を考慮すると、好ましくは50以上、より好ましくは60以上、さらに好ましくは70以上である。また、本発明のフタロシアニン化合物のグラム吸光係数は高ければ高いほど好ましく、それ故、グラム吸光係数の上限値は、特に限定されないが、通常グラム吸光係数は500以下である。なお、本明細書において、グラム吸光係数は、下記実施例で測定の方法で測定された値を採用する。フタロシアニン化合物1−2は、吸収波長を所望の範囲に合わせるために導入するα位およびβ位の置換基数および置換基種が適切であり、色素の分子量が大きくならず、また、吸光係数も高いため、グラム吸光係数が高くなると考えられる。
(2)フタロシアニン化合物(1−3) フタロシアニン化合物(1−3)は、下記式(1−3):
式中、Z〜Z16は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、下記化学式2:
式中、Xは酸素原子または硫黄原子であり、Aは、フェニル基、1〜5の置換基Rを有するフェニル基または1〜7の置換基Rを有するナフチル基であり、前記置換基Rは、それぞれ独立して、ニトロ基、COOR、OR(Rは炭素数1〜8のアルキル基)、ハロゲン原子、アリール基、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり、この際、Rは、炭素数1〜8のアルキル基(この際、アルキル基は、炭素数1〜8のアルキルオキシ基、ハロゲン原子もしくはアリール基で置換されていてもよい)、または下記化学式3で示される基;
式中、Rは炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜8のアルキル基であり、nは1〜4の整数である;である:で示される基、または下記化学式2’:
式中、R’は炭素数1〜3のアルキレン基であり、R”は炭素数1〜8のアルキル基であり、lは0〜4の整数である;で示される基であり、
この際、Z〜Z16のうち、4〜10個は化学式2または化学式2’で示される基であり、このうち、少なくとも1個は化学式2で示される基であり、3〜11個は水素原子であり、少なくとも1個はハロゲン原子であり、
Mは無金属、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物を表わす:で示される。以下、式(1−3)で示されるフタロシアニン化合物を単にフタロシアニン化合物(1−3)とも称する。
従来様々なフタロシアニン化合物が検討・開発されてきたが、従来のフタロシアニン化合物は、メタノール、エタノールやプロパノール等のアルコール、エチルセロソルブ等のセロソルブ、モノエチレングリコールやジエチレングリコール等のグリコール、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン、クロロホルム、トルエンなどの有機溶媒には可溶性であることが知られている(例えば、JP−A−6−107663参照)。
しかしながら、従来のフタロシアニン化合物は、エーテル系溶媒への溶解性が十分ではなかった。このためエーテル系溶媒を使用することが適切である用途であっても、フタロシアニン化合物を十分量配合することができず、使用する溶媒や配合する樹脂の種類の選択が制限されるという問題があった。
フタロシアニン化合物(1−3)は、Z〜Z16の4〜10個が、化学式2および/または化学式2’で表される基である。本願発明者らは、化学式2または化学式2’で表される基が複数存在し、化学式2で示される基が少なくとも1存在することによって、エーテル系溶媒への溶解性が向上し、また、化学式2中の置換基RとしてCOORが存在する、またはRが4位もしくは2,6位に存在すると、フタロシアニン化合物(1−3)のエーテル系溶媒への溶解性がさらに向上することを見出した。フタロシアニン化合物(1−3)は、エーテル系溶媒への溶解性が高いため、エーテル系溶媒への溶解性が高い樹脂と色素とを組み合わせて用いることができ、また、エーテル系溶媒以外の溶媒には溶けてしまうプラスチックを用いる場合であっても、該プラスチック上に色素を塗布することができる。
また、フタロシアニン化合物(1−3)は、式(1−3)における、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11、Z14及びZ15(以降、単にβ位の置換基とも称する)に置換基を持つことで、耐熱性に優れる。また、Z、Z、Z、Z、Z、Z12、Z13及びZ16(以降、単にα位の置換基とも称する)に置換基を持つことで、溶解性に優れる。フタロシアニン化合物(1−3)は、置換基数、および置換基種を適切に選択し、耐熱性および溶解性のバランスを図ったものである。
上記式(1−3)において、Z〜Z16は、水素原子、ハロゲン原子、下記化学式2:
:または下記化学式2’:
を表す。この際、Z〜Z16は、同一であってもあるいは異なるものであってもよい。
Xは酸素原子または硫黄原子を表わす。
〜Z16における化学式2および2’で示される基およびハロゲン原子については、上記フタロシアニン化合物(1)の欄で説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
〜Z16のうち、4〜10個は化学式2および/または化学式2’で示される基であり、エーテル溶解性および分子量が小さいことが好ましいことから、好ましくは4〜8個であり、エーテル系溶媒溶解性の観点から、より好ましくは6〜8個である。
〜Z16のうち、化学式2または化学式2’で示される基が4個未満であると、エーテル系溶媒への溶解性が低下するため好ましくない。また、化学式2で示される基が10個を超えると、分子量が大きくなるため好ましくない。化学式2または化学式2’で示される置換基は、フタロシアニン骨格の各ベンゼン環に少なくとも1個存在することが好ましい。
また、Z〜Z16のうち、3〜11個は水素原子であり、より好ましくは3〜9個であり、さらに好ましくは3〜6個である。フタロシアニン化合物(1)が水素原子を有することによって、化学式2および2’で示される基以外がハロゲン原子のみで構成される化合物と比較して、グラムあたりの吸光度が高くなる。このため、少量の配合でフタロシアニン化合物の効果を発揮させることができる。
〜Z16のうち、化学式2で示される基、化学式2’で示される基および水素原子以外は、ハロゲン原子である。ハロゲン原子は少なくとも1つ存在する。ここで、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子があり、これらのうち、好ましくはフッ素原子及び塩素原子であり、より好ましくは塩素原子である。
〜Z16のうち、化学式2または化学式2’で示される基が4個の場合、水素原子は6〜9個であることが好ましく、6個であることがより好ましく、化学式2または化学式2’で示される基が5個の場合、水素原子は6〜9個であることが好ましく、9個であることがより好ましく、化学式2または化学式2’で示される基が6個の場合、水素原子は4〜8個であることが好ましく、6個であることがより好ましく、化学式2または化学式2’で示される基が7個の場合、水素原子が3〜6個であることが好ましく、3個であることがより好ましく、化学式2または化学式2’で示される基が8個の場合、水素原子が4〜6個であることが好ましく、6個であることがより好ましい。
なお、化学式2で示される基、化学式2’で示される基およびハロゲン原子が複数存在する場合には、各置換基は同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
上記フタロシアニン化合物(1−3)において、化学式2のAは、好ましくは、1〜5の置換基Rを有するフェニル基または1〜7の置換基Rを有するナフチル基であり、より好ましくは1〜5の置換基Rを有するフェニル基である。
上記フタロシアニン化合物(1−3)において、化学式2で示される基のうち、少なくとも1が下記化学式4:
化学式4中、XおよびRは、化学式2において定義したとおりであり、Rはフェニル基の置換基Rに該当し、mおよびmは、1〜5の整数である(但し、m≦m):で示される基、下記化学式4’:
化学式4’中、Xは、化学式2において定義したとおりであり、Rはフェニル基の置換基Rに該当し、m’は2〜5の整数である:で示される基、または少なくとも1の置換基がCOORであるナフチルオキシ基もしくはナフチルチオ基であることが好ましい。
置換基としてエステル基が存在する、または置換基が少なくとも2,6位に存在することによって、エーテル系溶媒への溶解性がさらに向上する。mは、好ましくは1〜3の整数を示し、より好ましくは1または2である。化学式4’において、Rは特に限定されるものではないが、電子吸引性と立体的効果の観点から、ハロゲン原子であることが好ましく、塩素原子、またはフッ素原子であることがより好ましい。また、化学式4’において、m’が2である場合、Rは2、6位に存在する。m’は、好ましくは2〜3の整数を示し、より好ましくは2である。ナフチルオキシ基もしくはナフチルチオ基にナフタレン環の置換基としてCOORが存在する場合、COORの数は、1〜3個であることが好ましく、より好ましくは1または2である。化学式4で示される基は、Z〜Z16中、エーテル溶解性の点から、2〜7個存在することが好ましい。また、化学式4’で示される基は、Z〜Z16中、エーテル溶解性の点から、2〜7個、より好ましくは2〜4個存在することが好ましい。化学式4で示される基および化学式4’で示される基は、双方とも存在してもよいし、どちらか一方のみが存在してもよい。
なお、Z〜Z16のうち、化学式4で示される基が4個または8個である場合には、化学式4で示される基以外の化学式2で示される基または化学式2’で示される基が存在することが好ましい。化学式4で示される基が4個存在する場合には、化学式4で示される基以外の化学式2で示される基または化学式2’で示される基が、2〜4個存在することが好ましい。
フタロシアニン化合物(1−3)において、フェニル基またはチオフェノール基の置換基であるRが4位に存在する化学式2で示される基がZ〜Z16中、少なくとも1存在する形態もエーテル溶解性がさらに向上することから好ましい。すなわち、化学式2のうち少なくとも1は、下記化学式5aで示されることが好ましい。
上記化学式5aにおいて、X、およびRは、上記において定義したとおりであり、mは1〜5の整数である。また、mが1の場合、化学式5の置換基は、4位にのみRが存在することを意味する。mが2である場合、Rは、2,4位、3,4位に存在することが好ましく、2,4位に存在することがより好ましい。
フタロシアニン化合物(1−3)において、好適には、Z〜Z16のうち、ハロゲン原子および水素原子以外の置換基は、以下の(1)〜(12)の置換基であることが好ましい。
上記(1)〜(12)において、X、R、R、m’、R’およびR”は上記で定義したとおりであり、上記(4)、(5)および(6)において、Eはハロゲン原子を表す。
Eは同一の種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
上記式(1−3)におけるMについては、上記フタロシアニン化合物(1)の欄で説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
フタロシアニン化合物(1−3)において、Z〜Z、Z〜Z、Z〜Z12、Z13〜Z16をそれぞれ、下記のように単位A、B、C、Dとすると、A〜Dの4単位中、化学式2もしくは化学式2’で示される基が2個でハロゲン原子が2個である単位、化学式2もしくは化学式2’で示される基が3個でハロゲン原子が1個である単位、または化学式2もしくは化学式2’で示される基が1個でハロゲン原子が3個である単位の単位(I)と、化学式2または化学式2’で示される基が1個で水素原子が3個である単位(II)とが、単位(I):単位(II)=1:3〜3:1であることが好ましい。ここで、A〜D4単位中、単位(I):単位(II)=1:3で存在するとは、A〜Dのうち、いずれかが単位(I)であり、残り3つが単位(II)であることを意味する。より好適には、化学式2で示される基が2個でハロゲン原子が2個である単位、化学式2で示される基が3個でハロゲン原子が1個である単位、または化学式2で示される基が1個でハロゲン原子が3個である単位である単位(I)と、化学式2または化学式2’で示される基が1個で水素原子が3個である単位(II)とが、単位(I):単位(II)=1:3〜3:1であることが好ましい。
このように、単位(I)と単位(II)のように置換基の構成が異なる単位をフタロシアニン化合物中に含むことによって、化学式2で示される基または化学式2’で示される基、ハロゲン原子、および水素原子をフタロシアニン化合物のZ〜Z16に適当数含むフタロシアニン化合物となる。このように3種の置換基が混在することは、溶解性、波長制御、耐久性(耐光性、耐熱性)、グラム当りの吸光度のバランスを図る点で好ましい。
詳細なメカニズムは不明であるが、化学式2で示される基または化学式2’で示される基が適当数存在することで、エーテル溶解性が向上し、ハロゲン原子が適当数存在することで、吸収波長が長波長化でき、また耐久性(耐光性、耐熱性)が向上し、水素原子が適当数存在することで、グラム当りの吸光度が向上するものと考えられる。
式(1−3)におけるMについては、上記フタロシアニン化合物(1)の欄で説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。
β位の置換基は耐熱性の向上に、α位の置換基は溶解性の向上に効果があるので、両者をバランスよく配合することが好ましい。したがって、本発明においては、α位のみ、またはβ位のみに化学式2又は化学式2’で示される基が存在するよりも、α位およびβ位の双方の少なくとも1に化学式2又は化学式2’で示される基が存在することが好ましい。
フタロシアニン化合物(1―3)は、エーテル系溶媒への溶解性が高い。これは、フタロシアニン核に置換されている化学式2で示される基および化学式2’で示される基の存在ならびにその置換数に起因する。フタロシアニン化合物を適用する際、デバイスで用いる基板が溶媒により溶解しないこと、また樹脂への溶解性も必要とされることから、フタロシアニン化合物の溶媒への溶解性は重要である。そして、置換基の種類、数、中心金属の選択により、種々の吸収波長のフタロシアニン化合物を得ることができる。エーテル系溶媒としては、分岐もしくは直鎖状エーテル、及び環状エーテルが有効に用いられる。具体的には、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。フラットパネルディスプレイ用途においては、PGMEAが用いられることが多い。本発明のフタロシアニン化合物は、エーテル系溶媒であるPGMEAへの溶解度が、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。溶解度の上限は特に限定されるものではないが、通常は50質量%以下程度である。
(フタロシアニン化合物(1)の製造方法) 本発明のフタロシアニン化合物(1)の製造方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法を適当に利用することができるが、好ましくは溶融状態または有機溶媒中で、フタロニトリル化合物と金属塩とを環化反応する方法が特に好ましく使用できる。以下、本発明のフタロシアニン化合物(1)について、製造方法の特に好ましい実施形態を記載する。しかしながら、本発明は、下記好ましい実施形態に制限されるものではない。
すなわち、下記式(I):
で示されるフタロニトリル化合物(1)、下記式(II):
で示されるフタロニトリル化合物(2)、下記式(III):
で示されるフタロニトリル化合物(3)、および下記式(IV):
で示されるフタロニトリル化合物(4)を、金属、金属酸化物、金属カルボニル、金属ハロゲン化物及び有機酸金属(本明細書中では、一括して「金属化合物」とも称する)からなる群から選ばれる一種と環化反応させることによって、本発明のフタロシアニン化合物が製造できる。
なお、上記式(I)〜(IV)中、Z〜Z16は、所望のフタロシアニン化合物(1)の構造によって規定される。具体的には、上記式(I)〜(IV)中、Z〜Z16は、それぞれ、上記式(1)中のZ〜Z16の定義と同様であるため、ここでは説明を省略する。
環化反応は、特開昭64−45474号公報に記載の方法などの、従来公知方法により合成できる。
上記態様において、環化反応は、式(I)〜(IV)のフタロニトリル化合物と金属、金属酸化物、金属カルボニル、金属ハロゲン化物及び有機酸金属からなる群から選ばれる一種を溶融状態または有機溶媒中で反応させることが好ましい。この際使用できる金属、金属酸化物、金属カルボニル、金属ハロゲン化物及び有機酸金属としては、反応後に得られる式(1)のフタロシアニン化合物(1)のMに相当するものが得られるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、上記式(1)におけるMの項で列挙された鉄、銅、亜鉛、バナジウム、チタン、インジウム及びスズ等の金属、当該金属の、塩化物、臭化物、ヨウ化物等の金属ハロゲン化合物、酸化バナジウム、酸化チタニル及び酸化銅等の金属酸化物、酢酸塩等の有機酸金属、ならびにアセチルアセトナート等の錯体化合物及びカルボニル鉄等の金属カルボニル等が挙げられる。具体的には、鉄、銅、亜鉛、バナジウム、チタン、インジウム、マグネシウム及びスズ等の金属;当該金属の、塩化物、臭化物、ヨウ化物等の金属ハロゲン化合物、例えば、塩化バナジウム、塩化チタン、塩化銅、塩化亜鉛、塩化コバルト、塩化ニッケル、塩化鉄、塩化インジウム、塩化アルミニウム、塩化錫、塩化ガリウム、塩化ゲルマニウム、塩化マグネシウム、ヨウ化銅、ヨウ化亜鉛、ヨウ化コバルト、ヨウ化インジウム、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化ガリウム、臭化銅、臭化亜鉛、臭化コバルト、臭化アルミニウム、臭化ガリウム;一酸化バナジウム、三酸化バナジウム、四酸化バナジウム、五酸化バナジウム、二酸化チタン、一酸化鉄、三二酸化鉄、四三酸化鉄、酸化マンガン、一酸化ニッケル、一酸化コバルト、三二酸化コバルト、二酸化コバルト、酸化第一銅、酸化第二銅、三二酸化銅、酸化バラジウム、酸化亜鉛、一酸化ゲルマニウム、及び二酸化ゲルマニウム等の金属酸化物;酢酸銅、酢酸亜鉛、酢酸コバルト、安息香酸銅、安息香酸亜鉛等の有機酸金属;ならびにアセチルアセトナート等の錯体化合物及びコバルトカルボニル、鉄カルボニル、ニッケルカルボニル等の金属カルボニルなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは金属、金属酸化物及び金属ハロゲン化物であり、より好ましくは金属ハロゲン化物であり、さらに好ましくは、ヨウ化バナジウム、ヨウ化銅およびヨウ化亜鉛であり、特に好ましくは、ヨウ化銅およびヨウ化亜鉛であり、最も好ましくはヨウ化亜鉛である。ヨウ化亜鉛を用いる場合、中心金属は、亜鉛ということになる。金属ハロゲン化物のうち、ヨウ化物を用いることが好適な理由は、溶剤や樹脂に対する溶解性に優れ、得られるフタロシアニン化合物のスペクトルがシャープであり、所望の波長である640〜750nmに収まりやすいためである。環化反応の際にヨウ化物を用いた場合にスペクトルがシャープになる詳細なメカニズムは不明であるが、ヨウ化物を用いた場合、反応後にフタロシアニン化合物中に残存するヨウ素が、フタロシアニン化合物と何らかの相互作用を起こして、フタロシアニン化合物の層間にヨウ素が存在するようになるためであると推定される。しかしながら、上記メカニズムに限定されるものではない。環化反応に金属ヨウ化物を用いた場合と同様の効果を得るために、得られたフタロシアニン化合物をヨウ素で処理してもよい。
また、上記態様において、また、環化反応は、無溶媒中でも行なえるが、有機溶媒を使用して行なうのが好ましい。有機溶媒は、出発原料としてのフタロニトリル化合物との反応性の低い、好ましくは反応性を示さない不活性な溶媒であればいずれでもよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、モノクロロベンゼン、o−クロロトルエン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、1−クロロナフタレン、1−メチルナフタレン、エチレングリコール、およびベンゾニトリル等の不活性溶媒;メタノール、エタノール、1−プロパノ−ル、2−プロパノ−ル、1−ブタノール、1−ヘキサノール、1−ペンタノール、1−オクタノール等のアルコール;ならびにピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトフェノン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。
これらのうち、好ましくは、1−クロロナフタレン、1−メチルナフタレン、1−オクタノール、ジクロロベンゼンおよびベンゾニトリルが、より好ましくは、1−オクタノール、ジクロロベンゼンおよびベンゾニトリルが使用される。これらの溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
上記態様における式(I)〜(IV)のフタロニトリル化合物と金属化合物との反応条件は、当該反応が進行する条件であれば特に制限されるものではないが、例えば、有機溶媒100質量部に対して、上記フタロニトリル化合物(1)〜(4)を1〜500質量部、好ましくは10〜350質量部の範囲の合計量で、かつ金属化合物を該フタロニトリル化合物4モルに対して、好ましくは0.8〜2.0モル、より好ましくは0.8〜1.5モルの範囲で仕込む。環化の際は、特に限定されるものではないが、好ましくは反応温度30〜250℃、より好ましくは80〜200℃の範囲で反応させる。反応時間は、特に限定されるものではないが、好ましくは3〜20時間である。なお、反応後は、従来公知のフタロシアニン化合物の合成方法に従って、ろ過、洗浄、乾燥することにより、次工程に用いることのできるフタロシアニン誘導体を効率よく、しかも高純度で得ることができる。
上記態様において、出発原料である式(I)〜(IV)のフタロニトリル化合物は、従来既知の方法により合成でき、また、市販品を用いることもできる。
以下、フタロシアニン化合物(1−2)の好ましい態様であるフタロシアニン化合物(I)の出発原料である、下記式(A)で表されるフタロニトリル化合物(以下、単に「フタロニトリル化合物(A)」とも称する)、または式(B)で表されるフタロニトリル化合物(以下、単に「フタロニトリル化合物(B)」とも称する)の合成例を述べる。
なお、式(A)および(B)中のBは、上記化学式(I)中のBと同義であるため、ここでは説明を省略する。
フタロニトリル化合物(A)またはフタロニトリル化合物(B)は、従来公知の製造方法により得ることができる。好適には、ニトロフタロニトリルと、下記式(C);
で表される化合物(以下、単に「化合物(C)」とも称する)、または下記式(C’);
で表される化合物(以下、単に「化合物(C’)」とも称する)とを反応させることにより得られる。ニトロフタロニトリル中のニトロ基が、化合物(C)由来の化学式2で表される置換基または化合物(C’)由来の化学式2’で表される置換基に置換される。
式(C)中のAおよびXは、上記化学式2中のAおよびXと同義であるため、ここでは説明を省略する。また、式(C’)中のR’、R”およびlは、上記化学式2’中のR’、R”およびlと同義であるため、ここでは説明を省略する。
フタロニトリル化合物(A)は、3−ニトロフタロニトリルと、化合物(C)または化合物(C’)とを反応させることにより得ることができ、式(B)のフタロニトリル化合物は、4−ニトロフタロニトリルと、化合物(C)または化合物(C’)とを反応させることにより得ることができる。
ニトロフタロニトリルと化合物(C)および化合物(C’)との反応は、無溶媒下であるいは有機溶媒中で行われてもよいが、好ましくは有機溶媒中で行なわれる。この際使用できる有機溶媒としては、アセトニトリル及びベンゾニトリル等のニトリル;アセトン及び2−ブタノン等の極性溶媒;メタノール、エタノール、Xが酸素原子である場合の化合物(C)等のアルコール系溶媒などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、アセトニトリル、ベンゾニトリル及びアセトンである。これらの溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。溶媒を使用する際の有機溶媒の使用量は、ニトロフタロニトリルの濃度が、通常、1〜50(w/v)%、好ましくは10〜30(w/v)%となるような量である。
ニトロフタロニトリルと化合物(C)および化合物(C’)との使用割合は、目的とするフタロニトリル化合物の構造によって適宜選択されるものであり、特に制限されないが、通常、ニトロフタロニトリル1モルに対して、化合物(C)および化合物(C’)が、1.0〜2.0モル、好ましくは1.1〜1.5モルの量で使用される。
ニトロフタロニトリルと化合物(C)および化合物(C’)との反応は、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、フッ化カリウム(KF)、炭酸カリウム(KCO)などの触媒の存在下で行われることが好ましい。また、別途、相関移動触媒を添加してもよい。相関移動触媒を添加することによって、ニトロフタロニトリルと化合物(C)または化合物(C’)との求核置換反応の速度が上がる。相間移動触媒は、特に限定されるものではないが、4級アンモニウム塩が好ましい。具体的には、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。この際、相関移動触媒を含む触媒の使用量は、上記反応が良好に進行する量であれば特に制限されない。具体的には、触媒は、ニトロフタロニトリル1モルに対して、通常、1.0〜2.0モル、より好ましくは1.1〜1.5モル添加されることが好ましい。
ニトロフタロニトリルと化合物(C)および化合物(C’)との反応条件は、上記反応が良好に進行する条件であれば特に制限されない。具体的には、ニトロフタロニトリルと化合物(C)および化合物(C’)との反応の際、好ましくは30〜150℃、より好ましくは60〜90℃の温度で、好ましくは1〜50時間、より好ましくは3〜20時間反応させる。
かようにして得られたフタロニトリル化合物(A)およびフタロニトリル化合物(B)を原料として、金属化合物からなる群から選ばれる一種と環化反応させることによって、フタロシアニン化合物(I)が製造できる。この際、フタロニトリル化合物(A)およびフタロニトリル化合物(B)の混合モル比は、所望のフタロシアニン化合物の置換基数となるように適宜調製すればよい。例えば、[ZnPc−{α−(2−NO)CO}0.5,{β−(2−COOCH)CO}3.512]の場合、フタロニトリル化合物(A)と、フタロニトリル化合物(B)とを、0.5:3.5のモル比で混合して製造すればよい。
次に、本発明の好適な態様であるフタロシアニン化合物(1−3)を製造する場合、出発原料である式(I)〜(IV)のフタロニトリル化合物として、(1)下記式(G)で表されるフタロニトリル化合物(以下、単に「フタロニトリル化合物(G)」とも称する)と、(2)下記化学式(H)で表されるフタロニトリル化合物(以下、単に「フタロニトリル化合物(H)」とも称する)とを用いることが好ましい。
式(G)および(H)中のXおよびAは、上記化学式2中のX、Aと同義であり、R’、R”およびlは、上記化学式2’中のR’、R”およびlと同義であるため、ここでは説明を省略する。
また、フタロニトリル化合物(G)におけるp’およびq’は0または1であり、p’+q’=1である。Y’は水素原子またはハロゲン原子を表わし、好ましくは水素原子である。ただし、Y’が全てハロゲン原子となることはない。Y’がハロゲン原子である場合、好ましくはフッ素原子、塩素原子、より好ましくは塩素原子である。Y’が複数存在する場合、Y’は同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
フタロニトリル化合物(H)におけるpは1〜4の整数であり、好ましくは1〜3である。pが2以上である場合、化学式2で示される基は同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、qは0〜3の整数であり、好ましくは0または1であり、p+qは4以下である。qが2以上である場合、化学式2’で示される基は同じであってもよいし、異なっていてもよい。Yは水素原子またはハロゲン原子を表わし、好ましくはハロゲン原子であり、より好ましくはフッ素原子、塩素原子であり、さらに好ましくは塩素原子である。ただし、Yが全て水素原子となることはない。Yが複数存在する場合、Yは同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。
以下、「フタロニトリル化合物(G)」の合成例を述べる。
フタロニトリル化合物(G)は、従来公知の製造方法により得ることができる。
好適には、ベンゼン環の水素原子がハロゲン原子で1または2個置換されていてもよいニトロフタロニトリルと、下記式(C);
で表わされる化合物(C)、または下記式(C’);
で表される化合物(C’)とを反応させることにより得られる。ニトロフタロニトリル中のニトロ基が、化合物(C)由来の化学式2で表される置換基または化合物(C’)由来の化学式2’で表される置換基に置換される。式(C)中のXおよびAは、上記化学式2中のXおよびAと同義であり、式(C’)中のR’、R”、およびlは上記化学式2’中のR’、R”、およびlと同義であるため、ここでは説明を省略する。フタロニトリル化合物(G)は、ベンゼン環の水素原子がハロゲン原子で1または2個置換されていてもよい3−ニトロフタロニトリル、または4−ニトロフタロニトリルと、化合物(C)または化合物(C’)とを反応させることにより得ることができる。好ましくは、フタロニトリル化合物(G)は、3−ニトロフタロニトリルと、または4−ニトロフタロニトリルと、化合物(C)または化合物(C’)とを反応させることにより得ることができる。
ニトロフタロニトリルと化合物(C)および化合物(C’)との反応は、無溶媒下であるいは有機溶媒中で行われてもよいが、好ましくは有機溶媒中で行なわれる。この際使用できる有機溶媒としては、アセトニトリル及びベンゾニトリル等のニトリル;アセトン及び2−ブタノン等の極性溶媒;メタノール、エタノール、Xが酸素原子である場合の化合物(C)等のアルコール系溶媒などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、2−ブタノン、アセトニトリル、ベンゾニトリル及びアセトンである。これらの溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。溶媒を使用する際の有機溶媒の使用量は、ニトロフタロニトリルの濃度が、通常、1〜50(w/v)%、好ましくは10〜30(w/v)%となるような量である。
ニトロフタロニトリルと化合物(C)および化合物(C’)との使用割合は、目的とするフタロニトリル化合物の構造によって適宜選択されるものであり、特に制限されないが、通常、ニトロフタロニトリル1モルに対して、化合物(C)および化合物(C’)が、1.0〜2.0モル、好ましくは1.0〜1.5モルの量で使用される。
ニトロフタロニトリルと化合物(C)および化合物(C’)との反応は、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、フッ化カリウム(KF)、炭酸カリウム(KCO)などの触媒の存在下で行われることが好ましい。
また、別途、相関移動触媒を添加してもよい。相関移動触媒を添加することによって、ニトロフタロニトリルと化合物(C)または化合物(C’)との求核置換反応の速度が上がる。相間移動触媒は、特に限定されるものではないが、4級アンモニウム塩が好ましい。
具体的には、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。この際、相関移動触媒を含む触媒の使用量は、上記反応が良好に進行する量であれば特に制限されない。具体的には、触媒は、ニトロフタロニトリル1モルに対して、通常、1.0〜2.0モル、より好ましくは1.0〜1.5モル添加されることが好ましい。
ニトロフタロニトリルと化合物(C)および化合物(C’)との反応条件は、上記反応が良好に進行する条件であれば特に制限されない。具体的には、ニトロフタロニトリルと化合物(C)および化合物(C’)との反応の際、好ましくは30〜150℃、より好ましくは60〜90℃の温度で、好ましくは1〜50時間反応させる。
次に、「フタロニトリル化合物(H)」の合成例を述べる。
「フタロニトリル化合物(H)」の合成例としては、下記式(D):
で示されるフタロニトリル誘導体(以下、単にフタロニトリル誘導体(D))とも称する)を、下記式(E):
で示される化合物(以下、単に「化合物(E)」とも称する)、および/または下記式(E’);
で示される化合物(以下、単に「化合物(E’)」とも称する);と反応させる方法が挙げられる。
上記、式(D)中、X、X、XおよびXは、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子であり、X、X、XおよびX全てが水素原子となることはない。
好ましくは、X、X、XおよびX全てがハロゲン原子である。
ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられ、反応性、分子量および立体的効果の点から好ましくはフッ素原子および塩素原子であり、より好ましくは塩素原子である。
式(E)中のXおよびAは、上記化学式2中のXおよびAと同義であり、式(E’)中のR’、R”、およびlは上記化学式2’中のR’、R”、およびlと同義であるため、ここでは説明を省略する。
化合物(E)および化合物(E’)との反応の際に、ハロゲン原子が化学式2で示される基または化学式2’で示される基に置換される。
反応の際のフタロニトリル誘導体(D)と化合物(E)および化合物(E’)との使用量比は、化学式2で示される基または化学式2’で示される基を導入する数によって適宜調製すればよい。例えば、化学式2で示される基および化学式2’で示される基を2個導入する場合には、フタロニトリル誘導体(D)1モルに対して、化合物(E)および化合物(E’)を2〜3モル反応させることが好ましい。また、化学式2で示される基および化学式2’で示される基を3個導入する場合には、フタロニトリル誘導体(D)1モルに対して、化合物(E)および化合物(E’)を3〜4モル反応させることが好ましい。さらに、化学式2で示される基を1個導入する場合には、フタロニトリル誘導体(D)1モルに対して、化合物(E)および化合物(E’)を1〜1.5モル反応させることが好ましい。
フタロニトリル誘導体(D)と化合物(E)または化合物(E’)との反応は、無溶媒下であるいは有機溶媒中で行われてもよいが、好ましくは有機溶媒中で行なわれる。この際使用できる有機溶媒としては、アセトニトリル及びベンゾニトリル等のニトリル;アセトン及び2−ブタノン等の極性溶媒;メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、2−ブタノン、アセトニトリル、ベンゾニトリル及びアセトンである。これらの溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。溶媒を使用する際の有機溶媒の使用量は、ニトロフタロニトリルの濃度が、通常、1〜60(w/v)%、好ましくは10〜30(w/v)%となるような量である。
フタロニトリル誘導体(D)と化合物(E)および化合物(E’)との反応は、反応中に発生するハロゲン化水素(例えば、フッ化水素)等を除去するために、トラップ剤を使用することが好ましい。トラップ剤を使用する際の具体的なトラップ剤の例としては、フッ化カリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウムおよび炭酸マグネシウムなどが挙げられ、これらのうち、フッ化カリウム、炭酸カルシウムおよび水酸化カルシウムが好ましく、フッ化カリウムが最も好ましい。また、トラップ剤を使用する際のトラップ剤の使用量は、反応中に発生するハロゲン化水素等を効率良く除去できる量であれば特に制限されないが、化合物(E)および化合物(E’)1モルに対して、通常1.0〜4.0モル、好ましくは1〜1.5モルである。
フタロニトリル誘導体(D)と化合物(E)および化合物(E’)との反応条件は、上記反応が良好に進行する条件であれば特に制限されない。具体的には、ニトロフタロニトリルと化合物(E)および化合物(E’)との反応の際、好ましくは30〜150℃、より好ましくは50〜100℃の温度で、好ましくは1〜50時間、より好ましくは1〜10時間反応させる。
なお、かような方法で製造されたフタロニトリル化合物(H)は、一種の化合物である場合に加えて、複数の種類の化合物が混合物の形態で存在する場合がある。
以下の実施例において製造されたフタロニトリル化合物(H)も混合物の形態で存在する。これは、ハロゲン原子の位置で化学式2で示される基または化学式2’で示される基が置換するが、どの位置で置換するかを制御することは困難であるためである。このため、このような場合には、上記式(H)中のα位またはβ位の置換基中に占める化学式2で示される置換基および化学式2’で示される置換基の数は、各フタロシアニン化合物中の化学式2および化学式で示される置換基数の平均として表わされるため、必ずしも整数にならない。そして、フタロニトリル化合物(H)が混合物の形態で存在し、これを原料としてフタロシアニン化合物を製造する場合には、フタロシアニン化合物も混合物の形態で存在する。
かようにして得られたフタロニトリル化合物(G)およびフタロニトリル化合物(H)を原料として、金属化合物からなる群から選ばれる一種と環化反応させることによって、フタロシアニン化合物(1−3)が製造できる。この際、フタロニトリル化合物(G)およびフタロニトリル化合物(H)の混合モル比は、所望のフタロシアニン化合物の置換基数となるように適宜調製すればよい。好適には、フタロニトリル化合物(G)と、フタロニトリル化合物(H)との混合比は、フタロニトリル化合物(G)1.0モルに対して、1.0〜3.5モルであり、より好ましくは1.0〜3.3モルである。かような範囲で混合させることによって、エーテル系溶媒への溶解性が高いフタロシアニン化合物を得ることができる。
フタロシアニン化合物(1)を得るその他の態様としては、下記式(F):
で表されるフタロニトリル化合物と金属化合物とで環化反応を行った後、得られたフタロシアニン誘導体(以下、単に「フタロシアニン誘導体(F)」とも称する」と下記式(E):
で示される化合物(以下、単に「化合物(E)」とも称する)、および/または下記式(E’);
で示される化合物(以下、単に「化合物(E’)」とも称する);とを反応させる方法が挙げられる。
式(F)中、Y、Y、YおよびYは、それぞれ独立して、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子等のハロゲン原子または水素原子である。
ハロゲン原子としては、好ましくはフッ素原子および塩素原子であり、より好ましくは塩素原子である。化合物(E)および化合物(E’)との反応の際に、ハロゲン原子が化学式2で表される置換基または化学式2’で表される置換基に置換されるため、最終的に化学式2または化学式2’で表される基を導入する位置にハロゲン原子が存在するフタロニトリルを原料として選択すればよい。例えば、フタロシアニン化合物のα位に化学式2または化学式2’で表される置換基を1つ導入する場合、式(F)中、YまたはYがハロゲン原子であるフタロニトリルを用いればよい。
式(E)におけるAおよびXは、化学式2で用いられているものと同義であり、式(E’)におけるR’、R”およびlは、化学式2’で用いられているものと同義である。
式(F)で表されるフタロニトリル化合物と金属化合物との環化反応は、上記式(I)〜(IV)のフタロニトリル化合物と金属化合物との環化反応と同様の条件により環化を行うことができるため、ここでは説明を省略する。
フタロシアニン誘導体(F)と化合物(E)または化合物(E’)との反応は、従来公知の方法により行うことができる。反応は、反応に用いる化合物と反応性のない不活性な溶媒存在下で行うことが好ましい。例えば、ベンゾニトリル、アセトニトリル等のニトリルやN−メチルピロリドンまたはジメチルホルムアミドなどのようなアミド;ジクロロベンゼン、トルエンが挙げられる。反応には、トラップ剤として、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、フッ化カリウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウムおよび炭酸マグネシウム等の無機分を仕込むことが好ましい。
続いて、本発明の黄色系色素についての説明を行う。黄色系色素としては、アゾ系の黄色系色素が好ましい。この際、アゾ基(−N=N−)の数にも特に制限はないが、好ましくは1〜4個、より好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個、黄色系色素の構造中に存在していることが好ましい。また、黄色系色素は、塩の形態となっていてもよい。
かかる塩の具体例にも特に制限はないが、スルホン酸塩、又はカルボン酸塩などが挙げられる。またこれら塩を形成するカチオンは特に限定されないが、溶媒に対する溶解性を考慮すると、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;アンモニウム塩;及びエタノールアミン塩、アルキルアミン塩のような有機アミン塩などが好ましい。特に、溶媒溶解性および、樹脂への溶解性の観点からアルキルアミン塩が特に好ましい。また、この際のアルキルの炭素数にも特に制限はないが、好ましくは1〜24、より好ましくは2〜20である。また、アルキルは直鎖状であっても、分枝状であってもよい。好ましくは、溶媒溶解性の観点から直鎖状である。かようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、トリオクチル基、トリブチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基等の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が挙げられる。特には、トリオクチル基、トリブチル基が好ましい。よって、トリオクチルアミン塩、トリブチルアミン塩等が好ましい。
また、黄色系色素は、下記式(ア)または(イ)で表わされるアゾ系染料またはその塩であると、450〜500nm付近のスペクトルの立ち上がりが鋭く、黄色としての色の純度が高いという観点で好ましい。
上記式中、
Qは、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホ基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、およびN−置換カルバモイル基よりなる群から選択される少なくとも1種の基を有するアリール基、あるいは、置換または非置換のヘテロアリール基であり、
は、水素原子、置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換または非置換の炭素数7〜20のアラルキル基、−(RO)、−COR、あるいは、置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基であり、ここで、Rは炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、rは0〜4の整数であり、Rは、置換または非置換の1〜8のアルキル基であり、
は、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換または非置換のアミノ基であり、
は、水素原子、−CNまたは−CONHであり、
およびDは、それぞれ独立して、置換または非置換のアミノ基である。
まず、式(ア):
で表わされるアゾ系染料またはその塩について説明を行う。
Qは、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホ基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、およびN−置換カルバモイル基よりなる群から選択される少なくとも1種の基(以下、「1種の基」とも称する)を有するアリール基、あるいは、置換または非置換のヘテロアリール基である。「1種の基」のうち、好ましくは、レジスト調整液への溶解性が高いという観点から、少なくとも1つのスルホ基を有していることが好ましく、また耐熱性が高いという観点から、ハロゲン原子を有していることも好ましい。耐熱性および溶解性の観点で、N−置換スルファモイル基を有していることも好ましい。または、耐熱性および溶解性の観点で、N−置換カルバモイル基を有していることも好ましい。
本明細書中、アリール基は、芳香族炭化水素の環から水素1原子を除いた残基であり、フェニル基(−C)などを含む。本明細書中、アリール基は、縮合された多環芳香族炭化水素基をも包含する概念である。また、他の結合子によって芳香族炭化水素が結合されていてもよい。よって、具体的には、フェニル、ビフェニル、ターフェニル、ナフチル、アントラシル、テトラセニル、ペンタセニル、ペリレニル、などを含む。中では、フェニル基、ナフチル基などが好ましい。また、ヘテロアリールは、芳香族炭化水素の環の中に、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含んでいるものをいう。例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラゾール、ベンゾピラジン、トリアザベンゼン、ベンゾチアゾールなどが挙げられる。また、「1種の基を有する」とは、アリール基の少なくとも1つの水素原子が、かかる「1種の基」に置換されていることを意味する。この際、置換される位置や置換される数についても特に制限はない。アリール基がフェニル基であれば、1〜2個の整数が好ましい。また、位置としては、1個であれば、2位でも3位でも4位でもよく、耐熱性が高いという観点から4位が好ましい。2個であれば、いずれの組み合わせでもよいが、3,4位や、2,4位、2,5位などが好ましく、耐熱性が高いという観点から3,4位が特に好ましい。ナフチル基の置換基の数にも特に制限はないが、1〜2個の整数が好ましい。また、位置としては、1個であれば、2〜8位のいずれでもよい。2個であれば、いずれの組み合わせでもよい。
炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基などが挙げられる。また、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキル基の置換基としては、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜5のアルコキシ基などが挙げられる。この例は、後述のものと同様であり、具体的には、メトキシ基などが挙げられる。
置換または非置換の炭素数1〜5のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、ペントキシ基などが挙げられる。
また、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられる。これらの中でも、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましい。
また、ニトロ基は、−NOで示される基である。
また、スルホ基は、−SOHで示される基である。ここで、スルホ基は、塩の形態になっていてもよく、その塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩などが挙げられる。
また、スルファモイル基は、−SONHで示される基である。
また、N−置換スルファモイル基は、−SON(R基で示される基である。この際、Rが同時に水素原子である場合を除く。ここで、Rは、それぞれ独立して、水素原子、−(RO)、炭素数1〜12のアルキル基(かかるアルキル基の水素原子は、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ジメチルアミノ基などで置換されていてもよく、炭素数1〜12のアルキル基に含まれるメチレン基は、−O−置換されていてもよい。)、炭素数6〜20アリール基、炭素数7〜20のアラルキル基または炭素数2〜10のアシル基であると好ましい。
「−(RO)」の説明は、上記が同様に妥当する。この際、Rは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、−(RO)が好ましい。Rの好ましい組み合せは、水素原子,炭素数1〜12のアルキル基の組み合せ;−(RO),−(RO)の組み合せである。この際、Rは、エチレン基またはプロピレン基であることが好ましく、rは、1または2であることが好ましく、Rは、メチル基、エチル基またはプロピル基であることが好ましい。
の炭素数1〜12のアルキル基は、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。
のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メチルブチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、メチルヘキシル基(1−メチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基など)、エチルヘキシル基(2−エチルヘキシル基など)、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基(2−メチルシクロヘキシル基など)、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ドデカニル基などがある。置換の炭素数1〜12のアルキル基としては、メトキシエチル基、2−メトキシ−1−メチル基、エチルアルコキシプロピル基(3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基など)、テトラヒドロフラニルアルキル基(2−テトラヒドロフラニルメチル基など)、グリシジル基、ヒドロキシプロピル基(2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基など)などが例示できる。
のアリール基は、非置換でもよく、アルキル基、ヒドロキシル基、スルホ基(ナトリウム塩などのアルカリ金属塩の形態も含む)、などによって置換されていてもよい。
かかるアリール基の炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜10である。
具体例としては、フェニル基、ヒドロキシフェニル基(4−ヒドロキシフェニル基など)、トリフルオロメチルフェニル基(4−トリフルオロメチルフェニル基など)などの置換又は無置換フェニル基などが挙げられる。
のアラルキル基のアルキルは、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。アラルキル基の炭素数は、好ましくは7〜20、より好ましくは7〜10である。このアラルキルとしては、ベンジル基、フェニルプロピル基(1−メチル−3−フェニルプロピル基など)、フェニルブチル基(3−アミノ−1−フェニルブチル基など)などのフェニルアルキル基などが挙げられる。
のアシル基は、無置換であってもよく、脂肪族炭化水素基、アルコキシル基などが置換されていてもよい。アシル基の炭素数は、好ましくは2〜10、より好ましくは6〜10である。前記アシル基は、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、メトキシベンゾイル基(p−メトキシベンゾイル基など)などである。
前記Rは、例えば、それぞれ独立して、水素原子、−(RO)(この際、Rは、エチレン基またはプロピレン基であることが好ましく、rは、1または2であることが好ましく、Rは、メチル基、エチル基またはプロピル基であることが好ましい)、メチルブチル基(1,1,3,3−テトラメチルブチル基など)、メチルへキシル基(1,5−ジメチルへキシル基など)、エチルへキシル基(2−エチルヘキシル基など)、メチルシクロへキシル基(2−メチルシクロヘキシル基など)、フェニルプロピル基(1−メチル−3−フェニルプロピル基など)、フェニルブチル基(3−アミノ−1−フェニルブチル基など)、アルコキシプロピル基(3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基など)などの枝分かれ炭素を有するアルキル基、又はアラルキル基であることが好ましい。
アルコキシカルボニル基は、−COOR10で示される基である。R10は、置換または非置換の炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、この際の置換基は炭素数1〜8のアルコキシ基であることが好ましく、これらの具体例は上記のものが同様に妥当し、例えば、メトキシエチル基などが好ましい。また、R10は、−(RO)で表されるものであってもよく、これらの説明は上記が同様に妥当する。この際、Rは、メチレン基またはエチレン基であることが好ましく、rは、1または2であることが好ましく、Rは、メチル基、エチル基またはプロピル基であることが好ましい。このアルコキシカルボニル基が、アリール基に導入される場合、短波長化により緑色素と組み合わせた場合輝度が向上し、調整液への溶解性も向上するという観点から、2つ以上導入されることも好ましい。
N−置換カルバモイル基は、CON(Rで示される基である。ここで、Rは、Rと同じである。この際、耐熱性および調整液への溶解性の観点から、好ましくは、いずれとも、置換されていても良い炭素数1〜12のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。
置換または非置換のヘテロアリール基は、上記のように、ヘテロアリールは、芳香族炭化水素の環の中に、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含んでいるものをいう。例えば、ピリジン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラゾール、ベンゾピラジン、トリアザベンゼン、ベンゾチアゾールなどが挙げられる。置換基としては、シアノ基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、置換の炭素数1〜12のアルキル基、水酸基などが挙げられる。これらの説明は、上記でしたものが同様に妥当する。
は、水素原子、置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換または非置換の炭素数7〜20のアラルキル基、−(RO)、−COR、あるいは、置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基であり、ここで、Rは炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、rは0〜4の整数であり、Rは、置換または非置換の1〜8のアルキル基である。
置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基としては、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。アルキル基の炭素数としては、1〜12であり、好ましくは1〜11である。炭素数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソn−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、トリオクチル基、トリブチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などが好ましい。中でも、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基が好ましい。
また、置換基としても特に制限はない。例えば、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、水酸基、スルホ基などが好ましい。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などが挙げられる。炭素数1〜8のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペントキシ基、ペントキシ基、n−ヘキトキシ基、シクロヘキトキシ基、n−ペントキシ基、n−オクトキシ基などがある。
よって、置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、メチルブチル基(1,1,3,3−テトラメチルブチル基など)、メチルヘキシル基(1−メチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基など)、エチルヘキシル基(2−エチルヘキシル基など)、メチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基(2−メチルシクロヘキシル基など)、シクロヘキシルアルキル基などで置換されていてもよい。アルキル基としては、アルコキシプロピル基(3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピル基など)、エチルチオエチル基、メチルプロピル基、2−スルホエチル基、エチルメチル基、シクロヘキシル基、iso−プロポキシプロピル、ブチルペンチル基、テトラヒドロフラニルアルキル基(2−テトラヒドロフラニルメチル基など)、グリシジル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基(2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基など)などが例示できる。
また、置換または非置換の炭素数7〜20のアラルキル基としては、直鎖状、分枝鎖状又は環状のいずれでもよい。アラルキル基の炭素数は、7〜20であり、好ましくは7〜10である。このアラルキルとしては、ベンジル基、フェニルプロピル基(1−メチル−3−フェニルプロピル基など)、フェニルブチル基(3−アミノ−1−フェニルブチル基など)などのフェニルアルキル基などが挙げられる。
また、−(RO)における、Rとしては、炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは水素原子または炭素数1〜8のアルキル基である。炭素数1〜3のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、iso−プロピレン基が挙げられる。好ましくは、エチレン基、プロピレン基である。また、炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などが挙げられる。また、rは0〜4の整数であり、好ましくは1〜3の整数である。また、Rとしては、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基である。炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などが例示できる。中でも、溶媒溶解性が高いという観点から、水素原子、メチル基が好ましい。また、rとしては、0〜4の整数であるが、1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。
−CORにおける、Rは、置換または非置換の1〜8のアルキル基であり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などが挙げられ、メチル基が好ましい。なお、置換基としては、置換基としても特に制限はない。例えば、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基などが好ましく、その具体例は、上記のようなものが同様に妥当し、具体的には、メトキシ基などが好ましい。
置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基としては、フェニル基、ヒドロキシフェニル基(4−ヒドロキシフェニル基など)、トリフルオロメチルフェニル基(4−トリフルオロメチルフェニル基など)などが挙げられる。
のうち、特には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基などが好ましい。
は、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換または非置換のアミノ基である。
炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基などが挙げられる。中でも、メチル基、エチル基などが好ましい。特には、黄色素としての色濃度が高いという観点から、メチル基が好ましい。また、この際の置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基や炭素数1〜5のアルコキシ基などが挙げられる。
置換または非置換のアミノ基の、非置換のアミノ基は、−NHで示される。また置換のアミノ基は、−N(R11で示される。R11は、それぞれ独立して、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキル基などが挙げられ、この説明は上記で行ったものが同様に妥当し、例えば、メトキシメチル基などが好ましい。
は、水素原子、−CNまたは−CONHである。中でも、溶媒溶解性が高いという観点から−CNが好ましい。
続いて、式(イ):
で表わされるアゾ系染料またはその塩について説明を行う。
Qは、上記で説明した内容が同様に妥当する。Dは、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換または非置換のアミノ基である。
およびDは、それぞれ独立して、置換または非置換のアミノ基である。DおよびDは、具体的には、以下で示す表で挙げるようなものが好ましい。
なお、上記のアゾ系染料(ア)またはその塩、アゾ系染料(イ)またはその塩は、それぞれ、2つが任意の位置で結合して二量体を形成していてもよい。
上記のうち、本発明の好ましい具体的な黄色系色素を下記にまとめて列挙する。
無論、これらに限定されないのは言うまでもない。
また、本発明で使用できる黄色系色素は、上記だけではなく、例えば、
などであってもよい。
上記のうち、特に、色素46、色素47が、耐熱性が高いという観点で好ましい。また、色素46であれば、トリオクチルアミン塩であることが、溶媒溶解性が高いという観点で好ましく、色素47であれば、溶媒溶解性が高いという観点でトリオクチルアミン塩やトリブチルアミン塩であることが好ましい。また、色素62も、耐熱性が高いという観点で好ましい。また、色素63、色素64も、溶媒への溶解性が高いという観点で好ましい。また、色素65も、耐熱性が高いという観点で好ましい。色素66も、調整液への溶解性が高いという観点で好ましい。
本発明の黄色系色素は、染料分野でよく知られているように、ジアゾニウム塩のカップリング方法を用いることによって製造することができる。また、市販品を購入することによって準備してもよい。
上記ジアゾニウム塩は、例えば、上記Qを含むアミン類(つまり、「Q−NH」)を、亜硝酸、亜硝酸塩又は亜硝酸エステルによりジアゾ化することによって得ることができる。
ジアゾニウム塩のアニオンは、無機又は有機であってもよく、例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、過塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、CH−COO、Ph−COOなどが挙げられる。
よって、本発明の黄色系染料は、かかるジアゾニウム塩と、下記(ア’)または(イ’):
で示される少なくとも1つの化合物とを、反応させることによって製造することができる。ここで、D〜Dは、(ア)〜(イ)で説明したものと同様である。
この際の反応条件は、従来公知の知見を適宜参照し、あるいは組み合わせて設定することができる。
本発明のカラーフィルタ組成物は、上記で説明したフタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含む。
本発明のカラーフィルタ組成物において、本発明のフタロシアニン化合物と、黄色系色素との配合量にも特に制限はないが、本発明のフタロシアニン化合物を100質量部とした際に、黄色系色素は好ましくは0〜300質量部、より好ましくは10〜100質量部、さらに好ましくは15〜80質量部である。
また、以上の黄色アゾ色素は単独でフタロシアニン色素と用いても良いし、あるいは2〜3種類を混合して用いても良い。
2〜3種類の色素を用いると互いの色素の溶解性が向上し、結果としてカラーフィルターとしての色純度が向上したり、輝度が向上する場合がある。
また、混合して用いる場合は、例えば以下に示すようなアゾ色素以外の構造の黄色染料を混合して用いても全く問題ない。
また、必要に応じ、本発明のカラーフィルタ組成物は、さらに分散剤を含むと好ましい。本発明に用いられる分散剤としては、特に限定がない。かかる分散剤の代表例としては、例えば有機溶剤系ではポリウレタン、ポリアクリレートなどのカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボン酸基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩など;水性では(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物;ラウリル硫酸ソーダ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤があげられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
これらのなかでも特に、リン酸系分散剤またはアミン構造を有する分散剤が、分散性に優れており好適に使用される。かかるリン酸系分散剤またはアミン構造を有する分散剤としては、たとえばアビシア社製Solsperseシリーズ、ビックケミー社製Disperbykシリーズ、エフカ社製Efkaシリーズなどが挙げられる。好ましくは酸価20〜170mg KOH、さらに好ましくは100〜150mg/KOHまたは、アミン価1〜100mgKOH/g、さらに好ましくは30〜90mg KOH/gである。
分散剤の量は通常、本発明の黄色系色素100質量部に対して3〜80質量部、好ましくは5〜40質量部とするのが適当である。
必要に応じて、公知の分散助剤等の化合物を添加してもよい。これらの化合物は、顔料と分散剤との仲介をする化合物で、顔料表面と分散剤とに電気的、化学的に吸着し、分散安定性を向上させる機能を持つと考えられている。
このような分散助剤としては例えば、ポリカルボン酸型高分子活性剤、ポリスルホン酸型高分子活性剤等のアニオン性活性剤、ポリオキシエチレン、ポリオキシレンブロロックポリマー等のノニオン系の活性剤があるが、好ましいものとして、アントラキノン系、フタロシアニン系、金属フタロシアニン系、キナクリドン系、アゾキレート系、アゾ系、イソインドリノン系、ピランスロン系、インダンスロン系、アンスラピリミジン系、ジブロモアンザンスロン系、フラバンスロン系、ペリレン系、ペリノン系、キノフタロン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系等の有機顔料を母体とし、水酸基、カルボキシル基、スルホン酸基、カルボンアミド基、スルホンアミド基等の置換基を導入した顔料誘導体が挙げられる。これらの中でもフタロシアニン系及び金属フタロシアニンスルホンアミド化合物は特に有効である。
背景技術の欄でも説明したが、液晶ディスプレーや撮像装置等に用いるカラーフィルタは一般に、ガラスなどの透明基板に、赤、緑、青の三原色画素と、これらの画素間に設けられた遮光層であるブラックマトリックスとを形成することにより製造されている。
本発明においては、フタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含む点に特徴を有するため、カラーフィルタの作製方法は従来公知の知見を適宜参照し、あるいは組み合わせて適用することができる。例えば、特開平10−160921号公報で開示されている方法が、本発明のカラーフィルタを作製する上で好ましいが、無論これらに限定されるわけではない。
まず、ガラス基板上にブラックマトリックを形成する。
次に、本発明のフタロシアニン化合物と、黄色系色素とを含有してなる感光性樹脂組成物をガラス基板上にスピンコート等により塗布し、乾燥する。次に、その後、必要に応じフォトマスクを介し露光する。その後、必要に応じ、アルカリ現像を行い着色パターン(着色層)を得る。その後、必要に応じ、透明なオーバーコート層(保護膜)を形成して着色層の保護と表面の平坦化を行う。さらに、必要に応じ、透明導電膜を形成する。このように、カラーフィルタとすることができる。
以下、より具体的に、本発明のカラーフィルタの作製方法を説明する。
まず、カラーフィルタ組成物を作製する。本発明のカラーフィルタ組成物は、本発明のフタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含むが、さらに、溶媒、感光性樹脂組成物、分散剤等を含むと好ましい。
本発明に用いることのできる溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼン、テトラリン、スチレン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、エチルクロライド、1,1,1−トリクロロエタン、1−クロロブタン、シクロヘキシルクロライド、trans−ジクロロエチレン、シクロヘキサノール、メチルセロソルブ、n−プロパノール、n−ブタノール、2−エチルブタノール、n−ヘプタノール、2−エチルヘキサノール、ブトキシエタノール、ジアセトンアルコール、ベンズアルデヒド、γ−ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジブチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−i−アミルケトン、シクロヘキサン、アセトフェノン、メチラール、フラン、β−β−ジクロロエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸アミル、n−酢酸ブチル、シクロヘキシルアミン、エタノールアミン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ニトロメタン、ニトロエタン、2−ニトロプロパン、ニトロベンゼン、ジメチルスルオキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
中でも、沸点と粘性の観点で好ましくはジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノンなどが好ましい溶媒として挙げられる。
溶媒に対してフタロシアニン化合物は、好ましくは2〜20質量%、さらに好ましくは8〜12質量%であり、黄色系色素は、好ましくは0.1〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%である。
次に、本発明に用いることのできる感光性樹脂組成物は、光の作用によって化学反応を起こし、その結果、溶媒に対する溶解度または親和性に変化を生じたり、液状より固体状に変化するものであればよく、例えば、アクリル系樹脂液をバインダー樹脂(ベースポリマー)とし、これに各種のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルからなる感光性モノマー(光重合性モノマー)、光重合開始剤を加えてなる光重合型の感光性樹脂組成物、あるいは光二量化するアクリル系樹脂液を用いてなる光二量化型の感光性樹脂組成物などが挙げられるが、中でも光重合型の感光性樹脂組成物が好ましい。
なお、ここでいうアクリル系樹脂液とは、通常、適当な粘度になるようにアクリル系樹脂を使用溶媒に溶解してなる溶液をいうが、無溶媒の液状のアクリル系樹脂液を含むものである。すなわち、本発明の組成物には、溶媒は必ずしも必須ではなく、無溶媒系の組成物であっても、感光性樹脂組成物が液状であり、上述した色素を均一に溶解することができ、かつカラーフィルタ組成物として適当な粘度をもたせることができるものであれば溶媒を用いなくともよい場合もある。この場合は、トルエンあるいはトルエンおよびジエチレングリコールジメチルエーテルを用いて色素の溶解性を予め測定することにより、使用可能な色素を選定できるものである。
アクリル系樹脂は、数平均分子量が3万〜20万の範囲にあることが好ましく、好ましくは4万〜10万の範囲にあることが望ましい。
すなわち、数平均分子量が大きく粘度の大きいアクリル系樹脂中に、従来の顔料分散法に用いられている顔料を分散させたのでは、各種の問題を生ずるものであるが、本発明では先述したような可溶性の色素を用いるために粘度の大きい樹脂中にも相溶させることが可能である。また、アクリル系樹脂は、他のポリイミド等の樹脂に比して、前記色素の樹脂に対する溶解性が高く高濃度で色素を含有でき、その結果、透明性の高い鮮明な色彩の着色層を形成することができ、着色層の耐光性および吸収波長の制御にさらに良い効果を及ぼす。
前記アクリル系樹脂としては、それを構成するモノマー、オリゴマーのうち10質量%以上がアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルから選ばれた1種以上であり、アクリル酸またはメタクリル酸を好ましくは1〜50質量%、さらに好ましくは5〜35質量%、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸を好ましくは10〜90質量部、さらに好ましく30〜80質量%含むものである。
アクリル系樹脂を構成するモノマー、オリゴマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、2一ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、マレイン酸、フマル酸、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのカプロラクトン付加物のヘキサアクリレート、メラミンアクリレート、エポキシアクリレートプレポリマーが例示され、アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、各種アルキル(メタ)アクリレートを重合してなるアクリル樹脂、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、各種アルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、スチレンを重合してなるアクリル樹脂、(メタ)アクリル酸、各種アルキル(メタ)アクリレートを重合してなるアクリル樹脂が好ましい。
また、本発明の感光性樹脂着色組成物の成分となり得る感光性モノマーとしては、前記のアクリル系樹脂を構成するモノマーが挙げられるが、好ましくはトリメチロールプロパントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどの多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、感光性モノマーの使用量は、前記アクリル系樹脂100質量部に対し40〜90質量部が好ましく、60〜70質量部がさらに好ましい。
光重合型の感光性樹脂組成物の組成成分となり得る光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインアルキルエーテル系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、フェニルケトン系化合物、チオキサントン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物およびアントラキノン系化合物などが挙げられる。
より具体的には、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどのアセトフェノン系化合物、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾインアルキルエーテル系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイドなどのベンゾフェノン系化合物、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン2,4−ジイソプロピルチオキサンソンなどのチオキサンソン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4′−メトキシスチリル)−6−トリアジンなどのトリアジン系化合物、2−(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−ビス(3−メトキシフェニル)−イミダゾール二量体、2−(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−ビス(4−メトキシフェニル)−イミダゾール二量体、2−(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−ビス(4−クロロフェニル)−イミダゾール二量体、2−(2,3−ジクロロフェニル)−4,5−ジ(2−フリル)−イミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾールなどのイミダゾール系化合物、イルガキュア369、イルガキュア907(両者ともチバガイギーカ株式会社製、商品名)などのアセトフェノン系化合物などが挙げられる。
光重合開始剤の添加量は、特に限定されるものではないが、アセトフェノン系化合物(イルガキュア369など)については、感光性モノマー(光重合性モノマー;例えば、ジペンタエリスリトールヘキサクリレートなど)を100質量部とした際に、好ましくは1〜30質量部、より好ましくは5〜15質量部の割合で添加されることが望ましい。
なお、本発明の組成物には、必要に応じて、熱重合防止剤等の任意成分を添加することができる。
上記熱重合防止剤は、保存安定性改良の目的で添加されるものであり、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−(メルカプトベンゾイミダゾール)など用いることができる。
また、必要に応じて、光劣化防止剤を添加しても良い。
以下、実施例および比較例を説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、下記化合物の名称において、Pcはフタロシアニン核を、PNはフタロニトリルを表す。
(合成例1−1)フタロニトリル化合物[α−{(2−NO)CO}PN]の合成(中間体1−1)
150mlフラスコに、3−ニトロフタロニトリル(以下、3NOPNと略す)25.10g(0.145モル)と2−ニトロフェノール24.21g(0.174モル)、炭酸カリウム24.05g(0.174モル)、n−テトラブチルアンモニウムブロマイド(以下、TBABと略す)0.47g(0.001モル)、アセトニトリル100.42gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約12時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液に水200gを滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再び水200gを加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約36.1g(3NOPNに対する収率93.9モル%)が得られた。
(合成例1−2)フタロニトリル化合物[α−{(2,6−Cl)CO}PN]の合成(中間体1−2)
150mlフラスコに、3NOPN25.10g(0.145モル)と2,6−ジクロロフェノール26.00g(0.160モル)、炭酸カリウム22.04g(0.160モル)、TBAB0.93g(0.002モル)、アセトニトリル100.42gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール50gと水150gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール200gと水200gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約38.9g(3NOPNに対する収率92.8モル%)が得られた。
(合成例1−3)フタロニトリル化合物[α−{(2−CHO)CO}PN]の合成(中間体1−3)
150mlフラスコに、3NOPN5.19g(0.030モル)と2−メトキシフェノール4.10g(0.033モル)、炭酸カリウム4.56g(0.033モル)、アセトニトリル20.78gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約3時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール10gと水50gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール20gと水100gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約7.03g(3NOPNに対する収率93.6モル%)が得られた。
(合成例1−4)フタロニトリル化合物[α−{(2−Ph)CO}PN]の合成(中間体1−4)
150mlフラスコに、3NOPN3.29g(0.019モル)と2−フェニルフェノール3.56g(0.021モル)、炭酸カリウム2.89g(0.021モル)、TBAB0.12g(0.0004モル)、アセトニトリル19.74gを投入し、内温60℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約28時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール10gと水50gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール20gと水100gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約5.12g(3NOPNに対する収率90.9モル%)が得られた。
(合成例1−5)フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCH)CO}PN]の合成(中間体1−5)
150mlフラスコに、3NOPN2.60g(0.015モル)とサリチル酸メチル2.74g(0.018モル)、炭酸カリウム2.49g(0.018モル)、TBAB0.10g(0.0003モル)、アセトニトリル10.39gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約9時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液からエバポレーション処理により溶媒を溜去し、そこへメチルエチルケトン(以下、MEKと略す)10gを添加した。このようにして得られた溶液をヘキサン100g中へ滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びMEK10gとヘキサン100gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約3.71g(3NOPNに対する収率88.8モル%)が得られた。
(合成例1−6)フタロニトリル化合物[β−{(2−COOCH)CO}PN]の合成(中間体1−6)
150mlフラスコに、4−ニトロフタロニトリル(以下、4NOPNと略す)25.10g(0.145モル)とサリチル酸メチル30.89g(0.203モル)、炭酸カリウム22.04g(0.160モル)、TBAB0.93g(0.003モル)、アセトニトリル100.42gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約40時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール50gと水150gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール200gと水200gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約34.8g(4NOPNに対する収率86.3モル%)が得られた。
(合成例1−7)フタロニトリル化合物[β−{(2−COOCOCH)CO}PN]の合成(中間体1−7)
150mlフラスコに、4NOPN2.60g(0.015モル)と2−(メトキシエチル)カルボキルフェノール3.53g(0.018モル)、炭酸カリウム2.49g(0.018モル)、TBAB0.10g(0.0003モル)、アセトニトリル20.78gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約48時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液からエバポレーション処理により溶媒を溜去し、そこへMEK10gを添加した。このようにして得られた溶液をヘキサン100g中へ滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びMEK10gとヘキサン100gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約4.12g(4NOPNに対する収率85.2モル%)が得られた。
(合成例1−8)フタロニトリル化合物[α−{(2,6−(CH)CO}PN]の合成(中間体1−8)
150mlフラスコに、3NOPN6.06g(0.035モル)と2,6−キシレノール4.70g(0.039モル)、炭酸カリウム5.32g(0.039モル)、TBAB0.23g(0.0007モル)、アセトニトリル24.24gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約20時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール25gと水50gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール50gと水50gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約5.3g(3NOPNに対する収率60.4モル%)が得られた。
(合成例1−9)フタロニトリル化合物[α−{(2−CN)CO}PN]の合成(中間体1−9)
150mlフラスコに、3NOPN6.06g(0.035モル)と2−シアノフェノール4.59g(0.039モル)、炭酸カリウム5.32g(0.039モル)、TBAB0.23g(0.0007モル)、アセトニトリル24.24gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール25gと水50gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール50gと水50gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約5.6g(3NOPNに対する収率65.0モル%)が得られた。
(合成例1−10)フタロニトリル化合物[α−{(2−(CF)CO)PN}の合成(中間体1−10)
150mlフラスコに、3NOPN6.06g(0.035モル)と2−ヒドロキシベンゾトリフルオリド6.24g(0.039モル)、炭酸カリウム5.32g(0.039モル)、TBAB0.23g(0.0007モル)、アセトニトリル24.24gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール25gと水50gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール50gと水50gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約9.7g(3NOPNに対する収率95.7モル%)が得られた。
(合成例1−11)フタロニトリル化合物[α−{(CO)PN}]の合成(中間体1−11)
150mlフラスコに、3NOPN6.06g(0.035モル)とテトラフルオロフェノール7.11g(0.039モル)、炭酸カリウム5.32g(0.039モル)、TBAB0.23g(0.0007モル)、アセトニトリル24.24gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール25gと水50gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール50gと水50gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約9.7g(3NOPNに対する収率89.0モル%)が得られた。
(合成例1−12)フタロニトリル化合物[β−{(2−COOCH−4−I)CO}PN]の合成(中間体1−12)
150mlフラスコに、4NOPN6.93g(0.040モル)と5−ヨードサリチル酸メチル12.23g(0.044モル)、炭酸カリウム6.08g(0.044モル)、TBAB0.26g(0.0008モル)、アセトニトリル27.70gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール28gと水55gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール55gと水55gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約14.3g(4NOPNに対する収率88.5モル%)が得られた。
(合成例1−13)フタロニトリル化合物[β−{(2,6−(CH)CO}PN]の合成(中間体1−13)
150mlフラスコに、4NOPN6.93g(0.040モル)と2,6−キシレノール6.84g(0.056モル)、炭酸カリウム6.08g(0.044モル)、TBAB0.26g(0.0008モル)、アセトニトリル27.70gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約12時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール28gと水55gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール55gと水55gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約9.48g(4NOPNに対する収率95.5モル%)が得られた。
(合成例1−14)フタロニトリル化合物[β−{(2,6−(OCH)CO}PN]の合成(中間体1−14)
150mlフラスコに、4NOPN6.93g(0.040モル)と2,6−ジメトキシフェノール6.78g(0.044モル)、炭酸カリウム6.08g(0.044モル)、TBAB0.26g(0.0008モル)、アセトニトリル27.70gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約3時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール28gと水55gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール55gと水55gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約8.65g(4NOPNに対する収率77.2モル%)が得られた。
(合成例1−15)フタロニトリル化合物[β−{(2−COOCH−5−OMe)CO}PN]の合成(中間体1−15)
150mlフラスコに、4NOPN6.93g(0.040モル)と4−メトキシサリチル酸メチル8.02g(0.044モル)、炭酸カリウム6.08g(0.044モル)、TBAB0.26g(0.0008モル)、アセトニトリル27.70gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約12時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール28gと水55gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール55gと水55gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約11.25g(4NOPNに対する収率91.2モル%)が得られた。
(合成例1−16)フタロニトリル化合物[β−{(2,6−Cl)CO}PN]の合成(中間体1−16)
150mlフラスコに、4NOPN8.66g(0.050モル)と2,6−ジクロロフェノール8.97g(0.055モル)、炭酸カリウム7.60g(0.055モル)、TBAB0.32g(0.001モル)、アセトニトリル34.63gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約24時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール50gと水150gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール200gと水200gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約12.86g(4NOPNに対する収率89.0モル%)が得られた。
(合成例1−17)フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCOCH)C10O}PN]の合成(中間体1−17)
150mlフラスコに、3NOPN8.42g(0.048モル)と3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸2−メトキシエチル12.41g(0.050モル)、炭酸カリウム7.30g(0.053モル)、TBAB0.77g(0.002モル)、アセトニトリル33.24gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約9時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール50gと水150gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール200gと水200gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約15.5g(3NOPNに対する収率86.7モル%)が得られた。
(合成例1−18)フタロニトリル化合物[α−{(4−COO(CO)CH)CO}PN]の合成(中間体1−18)
150mlフラスコに、3NOPN6.93g(0.040モル)とp−ヒドロキシ安息香酸2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル11.94g(0.042モル)、炭酸カリウム6.08g(0.044モル)、TBAB0.41g(0.001モル)、アセトニトリル27.70gを投入し、内温90℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を100℃×1hrの条件にてエバポレーション操作により溶媒を溜去した。得られた結晶を約80℃で一晩真空乾燥し、約16.15g(3NOPNに対する収率98.4モル%)が得られた。
(合成例1−19)フタロニトリル化合物[β−{(2,6−((CHCH)O}PN)の合成(中間体1−19)
200mlフラスコに、4NOPN15g(0.087モル)と2,6−ジイソプロピルフェノール19.31g(0.1083モル)、炭酸カリウム14.97g(0.1083モル)、アセトニトリル50gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約12時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール110gと水110gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール110gと水110gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約24.8g(4NOPNに対する収率93.6モル%)が得られた。
(合成例1−20)フタロニトリル化合物[β−{(2,4−Cl)CO}PN]の合成(中間体1−20)
150mlフラスコに、4NOPN10.39g(0.060モル)と2,4−ジクロロフェノール10.27g(0.063モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル41.55gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約12時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にアセトン100mlと水300mlの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を約80℃で一晩真空乾燥し、約17.1g(4NOPNに対する収率98.6モル%)が得られた。
(合成例1−21)フタロニトリル化合物[β−{(2−COOCH)CS}PN]の合成(中間体1−21)
150mlフラスコに、4NOPN8.66g(0.050モル)とチオサリチル酸メチル9.25g(0.055モル)、炭酸カリウム7.60g(0.055モル)、TBAB0.32g(0.001モル)、アセトニトリル34.63gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約20時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール50gと水150gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール200gと水200gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約6.14g(4NOPNに対する収率41.7モル%)が得られた。
(合成例1−22)フタロニトリル化合物[β−{(2,6−Cl)CS}PN]の合成(中間体1−22)
150mlフラスコに、4NOPN8.66g(0.050モル)と2,6−ジクロロチオフェノール9.85g(0.055モル)、炭酸カリウム7.60g(0.055モル)、TBAB0.32g(0.001モル)、アセトニトリル34.63gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約20時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール50gと水150gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール200gと水200gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約8.49g(4NOPNに対する収率55.6モル%)が得られた。
(合成例1−23)フタロニトリル化合物[β−{(4−NO)CS}PN]の合成(中間体1−23)
150mlフラスコに、4NOPN8.66g(0.050モル)と4−ニトロチオフェノール8.53g(0.055モル)、炭酸カリウム7.60g(0.055モル)、TBAB0.32g(0.001モル)、アセトニトリル34.63gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約20時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール50gと水150gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール200gと水200gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約3.4g(4NOPNに対する収率24.2モル%)が得られた。
(合成例1−24)フタロニトリル化合物[α−{(4−COO(CO)CH)CO}PN]の合成(中間体1−24)
150mlフラスコに、3NOPN10.39g(0.06モル)とp−ヒドロキシ安息香酸 2−(2−メトキシエトキシ)エチル15.14g(0.063モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、TBAB0.61g(0.002モル)、アセトニトリル41.55gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約4時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール50gと水150gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール200gと水200gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約20.13g(3NOPNに対する収率91.6モル%)が得られた。
(合成例1−25)フタロニトリル化合物[β−COPN]の合成(中間体1−25)
150mlフラスコに、4NOPN10.39g(0.06モル)とフェノール5.93g(0.063モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル41.55gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール50gと水150gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール200gと水200gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約12.8g(4NOPNに対する収率96.9モル%)が得られた。
(参考例1−1)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−COOCH)CO},{β−(2−COOCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−5で得られた中間体1−5 3.51g(0.012モル)、合成例1−6で得られた中間体1−6 3.51g(0.012モル)、ヨウ化亜鉛2.11g(0.007モル)、ベンゾニトリル(以下、BNと略す)24.75gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温185℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約3時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にMEK106.7gを添加し、得られた溶液をヘキサン320.0gに滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びMEK106.7gとヘキサン320.0gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約6.74g(中間体1−5および中間体1−6に対する収率95.3モル%)が得られた。
(最大吸収波長およびグラム吸光係数の測定) 得られたフタロシアニン化合物を分光光度計(島津製作所製:UV−1600Pc)を用いてメチルセルソルブ0.8wt%含有メタノール溶液中で最大吸収波長(λmax)およびグラム吸光係数を測定した。測定手法は以下の通り行なった。
50mlメスフラスコに得られたフタロシアニン化合物0.04gをメチルセルソルブ20gにて溶解し、溶液のメニスカスが50mlメスフラスコの標線と一致するようにメタノールを添加して調製した。次いで、調製した溶液をピペットを用いて1ml分取し、分取した溶液を全て50mlメスフラスコに投入してメタノールにて希釈し、溶液のメニスカスが50mlメスフラスコの標線と一致するように調製した。このようにして調製した溶液を1cm角のパイレックス製セルに入れ、分光光度計を用いて透過スペクトルを測定した。また、測定した吸光度をAとしたとき、グラム吸光係数を以下の式で計算した。
このようにして測定した結果を表1にまとめる。
(耐熱性の評価)
得られたフタロシアニン化合物8.3mgに(株)日本触媒社製ベンジルマレイミド含有アクリル系ポリマー1.48gおよびメチルセルソルブ3.0gを加え、溶解、混合して、樹脂塗料液を調製した。得られた樹脂塗料液をバーコーターを使用して、ガラス板に乾燥膜中の色素濃度1wt%、乾燥膜厚が2μmとなるよう塗布し、80℃にて30分間乾燥させた。このようにして得られたコーティングガラス板の吸収スペクトルを分光光度計(島津製作所製:UV−1600Pc)にて測定し、これを加熱前スペクトルとした。次に、加熱前スペクトルを測定した塗膜ガラス板を200℃にて12時間、加熱処理した。この加熱処理したコーティングガラス板の吸収スペクトルを分光光度計にて測定し、これを加熱後スペクトルとした。このように測定した加熱前、加熱後の各スペクトルにおいて400nm〜1100nmまでの吸光度を積分し、加熱前と加熱後でその吸光度の差を測定した。また、加熱前スペクトルをE、加熱後スペクトルをE、測定した吸光度の差をΔEとしたとき、ΔEを以下の式で計算した。
このようにして測定した結果を以下の表1にまとめる。
(参考例1−2)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−CHO)CO},{β−(2−COOCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−3で得られた中間体1−3 2.25g(0.009モル)、合成例1−6で得られた中間体1−6 2.50g(0.009モル)、ヨウ化亜鉛1.79g(0.005モル)、BN18.56gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温185℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約3時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をMEK74.2gとヘキサン222.7gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びMEK74.2gとヘキサン222.7gの混合溶液を加えて攪拌洗浄した。最後に得られた結晶を吸引ろ過した後、再度メタノール55.7gを加えて攪拌することで精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約5.0g(中間体1−3および中間体1−6に対する収率99.0モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−2のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−3)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2,6−Cl)CO},{β−(2−COOCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−2で得られた中間体1−2 3.76g(0.013モル)、合成例1−6で得られた中間体1−6 3.81g(0.013モル)、ヨウ化亜鉛2.28g(0.007モル)、BN26.81gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温185℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約3時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をMEK115.6gとヘキサン346.7gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びMEK115.6gとヘキサン346.7gの混合溶液を加えて攪拌洗浄した。最後に得られた結晶を吸引ろ過した後、再度メタノール92.5gを加えて攪拌することで精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約7.18g(中間体1−2および中間体1−6に対する収率92.0モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−3のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−4)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−NO)CO},{β−(2−COOCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−1で得られた中間体1−1 7.96g(0.030モル)、合成例1−6で得られた中間体1−6 8.38g(0.030モル)、ヨウ化亜鉛5.27g(0.017モル)、BN61.87gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約16時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール247.5gと水61.9gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール247.5gと水61.9gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約16.0g(中間体1−1および中間体1−6に対する収率92.6モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−4のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−5)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−NO)CO},{β−(2−COOCOCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−1で得られた中間体1−1 1.93g(0.007モル)、合成例1−7で得られた中間体1−7 2.28g(0.007モル)、塩化亜鉛0.52g(0.004モル)、オクタノール18.23gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温155℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にアセトン18.23gを添加し、得られた溶液をヘキサン100gに滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びアセトン10gとヘキサン100gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約3.92g(中間体1−1および中間体1−7に対する収率90.3モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−5のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−6)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−Ph)CO},{β−(2−COOCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−4で得られた中間体1−4 1.50g(0.005モル)、合成例1−6で得られた中間体1−6 1.41g(0.005モル)、塩化亜鉛0.38g(0.003モル)、o−ジクロロベンゼン6.01g、オクタノール1.45gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約4時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にMEK7gを添加し、得られた溶液をヘキサン25gに滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びMEK7gとヘキサン25gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約2.3g(中間体1−4および中間体1−6に対する収率74.8モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−6のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−7)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2,6−(CH)CO},{β−(2−COOCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−8で得られた中間体1−8 3.72g(0.015モル)、合成例1−6で得られた中間体1−6 4.17g(0.015モル)、ヨウ化亜鉛2.63g(0.008モル)、BN30.94gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温185℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約12時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール123.7gと水30.9gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール61.9gと水61.9gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約8.59g(中間体1−8および中間体1−6に対する収率102.4モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−7のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−8)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−CN)CO},{β−(2−COOCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−9で得られた中間体1−9 2.45g(0.01モル)、合成例1−6で得られた中間体1−6 2.45g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、BN20.62gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約12時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール82.5gと水20.6gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール41.2gと水41.2gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約5.21g(中間体1−9および中間体1−6に対する収率93.7モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−8のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−9)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−CF)CO},{β−(2−COOCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−10で得られた中間体1−10 3.75g(0.013モル)、合成例1−6で得られた中間体1−6 3.62g(0.013モル)、ヨウ化亜鉛2.28g(0.007モル)、BN26.81gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約12時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール107.2gと水26.8gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール53.6gと水53.6gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約7.11g(中間体1−10および中間体1−6に対する収率91.3モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−9のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−10)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(CO)},{β−(2−COOCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−11で得られた中間体1−11 4.03g(0.013モル)、合成例1−6で得られた中間体1−6 3.62g(0.013モル)、ヨウ化亜鉛2.28g(0.007モル)、BN26.81gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約12時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール107.2gと水26.8gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール53.6gと水53.6gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約7.38g(中間体1−11および中間体1−6に対する収率91.4モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−10のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−11)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−NO)CO},{β−(2−COOCH−4−I)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−1で得られた中間体1−1 2.65g(0.01モル)、合成例1−12で得られた中間体1−12 4.04g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、BN20.62gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約14時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール82.5gと水20.6gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール41.2gと水41.2gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約6.95g(中間体1−1および中間体1−12に対する収率99.0モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−11のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−12)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−NO)CO},{β−(2,6−(CH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−1で得られた中間体1−1 3.45g(0.013モル)、合成例1−13で得られた中間体1−13 3.23g(0.013モル)、ヨウ化亜鉛2.28g(0.007モル)、BN26.81gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約12時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール107.2gと水26.8gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール53.6gと水53.6gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約7.93g(中間体1−1および中間体1−13に対する収率111.7モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−12のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−13)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−NO)CO},{β−(2,6−(OCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−1で得られた中間体1−1 3.45g(0.013モル)、合成例1−14で得られた中間体1−14 3.64g(0.013モル)、ヨウ化亜鉛2.28g(0.007モル)、BN26.81gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約12時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール107.2gと水26.8gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール53.6gと水53.6gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約7.75g(中間体1−1および中間体1−14に対する収率103.1モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−13のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−14)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−NO)CO},{β−(2−COOCH−5−OCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−1で得られた中間体1−1 2.65g(0.01モル)、合成例1−15で得られた中間体1−15 3.08g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、BN20.62gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約7時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール82.5gと水20.6gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール41.2gと水41.2gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約5.7g(中間体1−1および中間体1−15に対する収率94.0モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−14のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−15)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−NO)CO},{β−(2,6−Cl)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−1で得られた中間体1−1 3.18g(0.012モル)、合成例1−16で得られた中間体1−16 3.47g(0.012モル)、ヨウ化亜鉛2.11g(0.007モル)、BN24.75gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール99.0gと水24.7gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール49.5gと水49.5gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約6.9g(中間体1−1および中間体1−16に対する収率モル101.4%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−15のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−16)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−CN)CO},{β−(2−COOCH−5−OCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−9で得られた中間体1−9 2.94g(0.012モル)、合成例1−15で得られた中間体1−15 3.70g(0.012モル)、ヨウ化亜鉛2.11g(0.007モル)、BN24.75gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール99.0gと水24.7gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール49.5gと水49.5gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約6.4g(中間体1−9および中間体1−15に対する収率モル91.0%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−16のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−17)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−CN)CO},{β−(2,6−Cl)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−9で得られた中間体1−9 2.94g(0.012モル)、合成例1−16で得られた中間体1−16 3.47g(0.012モル)、ヨウ化亜鉛2.11g(0.007モル)、BN24.75gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール99.0gと水24.7gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール49.5gと水49.5gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約6.5g(中間体1−9および中間体1−16に対する収率モル95.5%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−17のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−18)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−NO)CO}2.5,{β−(2−COOCH)CO}1.512]の合成
150mlフラスコに、合成例1−1で得られた中間体1−1 4.97g(0.01875モル)、合成例1−6で得られた中間体1−6 3.13g(0.01125モル)、ヨウ化亜鉛2.63g(0.008モル)、BN30.94gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約16時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール123.7gと水30.9gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール123.7gと水30.9gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約9.0g(中間体1−1および中間体1−6に対する収率104.1モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−18のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−19)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−NO)CO},{β−(2−COOCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−1で得られた中間体1−1 5.97g(0.0225モル)、合成例1−6で得られた中間体1−6 2.09g(0.0075モル)、ヨウ化亜鉛2.63g(0.008モル)、BN30.94gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約16時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール123.7gと水30.9gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール123.7gと水30.9gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約9.4g(中間体1−1および中間体1−6に対する収率108.8モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−19のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−20)フタロシアニン化合物[CuPc−{α−(2−NO)CO},{β−(2−COOCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−1で得られた中間体1−1 3.18g(0.012モル)、合成例1−6で得られた中間体1−6 3.34g(0.0012モル)、塩化銅0.71g(0.007モル)、o−ジクロロベンゼン14.11g、1−オクタノール6.25gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をMEK81.5gとヘキサン244.4gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール61.1gを加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約6.2g(中間体1−1および中間体1−6に対する収率89.8モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−20のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−21)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−CN)CO},{β−(2,6−((CHCH))CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−9で得られた中間体1−9 3.19g(0.013モル)、合成例1−19で得られた中間体1−19 3.96g(0.017モル)、ヨウ化亜鉛2.28g(0.007モル)、BN26.81gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール160.9gと水40.2gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール53.6gと水53.6gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約6.35g(中間体1−9および中間体1−19に対する収率83.9モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−21のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−22)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−COOCOCH)C10O},{β−(2−COOCOCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−17で得られた中間体1−17 3.72g(0.01モル)、合成例1−7で得られた中間体1−7 3.22g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、BN20.62gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約14時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール123.7gと水30.9gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール41.2gと水41.2gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約6.85g(中間体1−17および中間体1−7に対する収率94.2モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−22のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−23)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COO(CO)CH)CO},{β−(2,4−Cl)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−18で得られた中間体1−18 4.51g(0.011モル)、合成例1−20で得られた中間体1−20 3.18g(0.011モル)、ヨウ化亜鉛1.93g(0.006モル)、BN22.69gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約12時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール90.7gと水90.7gの混合溶液を加えてデカンテーション処理を行った。上澄み液を捨てて得られた固形分に、再びメタノール90.7gと水90.7gの混合溶液を加えてデカンテーション処理を行った。上澄み液を捨てて得られた結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約7.9g(中間体1−18および中間体1−20に対する収率98.1モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−23のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−24)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−CN)CO},{β−(2−COOCH)CS}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−9で得られた中間体1−9 3.19g(0.013モル)、合成例1−21で得られた中間体1−21 3.83g(0.013モル)、ヨウ化亜鉛2.28g(0.007モル)、BN26.81gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約10時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール160.9gと水40.2gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール53.6gと水53.6gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約5.95g(中間体1−9および中間体1−21に対する収率80.0モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−24のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−25)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−CN)CO},{β−(2,6−Cl)CS}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−9で得られた中間体1−9 3.19g(0.013モル)、合成例1−22で得られた中間体1−22 3.97g(0.013モル)、ヨウ化亜鉛2.28g(0.007モル)、BN26.81gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約10時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール160.9gと水40.2gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール53.6gと水53.6gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約7.53g(中間体1−9および中間体1−22に対する収率99.3モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−25のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−26)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−CN)CO},{β−(4−NO)CS}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−9で得られた中間体1−9 2.94g(0.012モル)、合成例1−23で得られた中間体1−23 3.38g(0.012モル)、ヨウ化亜鉛2.11g(0.007モル)、BN24.75gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約7時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール148.5gと水37.1gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール49.5gと水49.5gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約5.6g(中間体1−9および中間体1−23に対する収率83.4モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−26のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(参考例1−27)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COO(CO)CH)CO},{β−CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−24で得られた中間体1−24 2.93g(0.008モル)、合成例1−25で得られた中間体1−25 1.76g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、BN16.50gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール99.0gと水24.7gの混合溶液に滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール33.0gと水33.0gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約4.64g(中間体1−24および中間体1−25に対する収率93.7モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を参考例1−27のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(比較参考例1−1)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−COOCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−5で得られた中間体1−5 4.17g(0.015モル)、ヨウ化亜鉛1.32g(0.004モル)、BN30.94gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温185℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール123.7gと水30.9gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール123.7gと水30.9gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約3.3g(中間体1−5に対する収率74.2モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を比較参考例1−1のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
(比較参考例1−2)フタロシアニン化合物[ZnPc−{β−(2−COOCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例1−6で得られた中間体1−6 4.17g(0.015モル)、ヨウ化亜鉛1.32g(0.004モル)、BN30.94gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温185℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール123.7gと水30.9gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール123.7gと水30.9gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約3.8g(中間体1−6に対する収率84.9モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例1−1のフタロシアニン化合物を比較参考例1−2のフタロシアニン化合物に置き換えた以外、参考例1−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表1にまとめた。
比較参考例1−1で合成したα位4置換フタロシアニン化合物は、比較参考例1−2で合成したβ位4置換フタロシアニン化合物に比べ、グラム吸光係数εgは約2倍であったが、加熱による吸光度の差ΔEが大きく、耐熱性が悪化した。一方、参考例1−1〜27で合成したフタロシアニン化合物は、加熱による吸光度の差ΔEが比較参考例1−2で合成したβ位4置換フタロシアニン化合物に近く、グラム吸光係数εgは比較参考例1−1で合成したα位4置換フタロシアニン化合物と同等以上であった。そのため、表1で示したようにα位置換フタロシアニンとβ位置換フタロシアニン両者のそれぞれの優位的特長をあわせもつ、参考例1−1〜27のようなα、β位混合置換フタロシアニン化合物が得られた。
(合成例2−1)フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO}PN](中間体2−1)の合成
150mlフラスコに、3−ニトロフタロニトリル3.72g(0.022モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ4.26g(0.022モル)、炭酸カリウム3.27g(0.024モル)、アセトニトリル14.89gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約4時間反応させた。冷却後、アセトン20gにて残渣をかけ洗いしながら吸引ろ過して得た溶液に蒸留水100gを滴下して結晶を析出させた。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約6.07g(3−ニトロフタロニトリルに対する収率87.6モル%)が得られた。
(合成例2−2)フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCOCH)CO}PN](中間体2−2)の合成
150mlフラスコに、3−ニトロフタロニトリル6.93g(0.04モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルカルビトール10.09g(0.042モル)、炭酸カリウム6.08g(0.044モル)、アセトニトリル27.7gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約24時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約14.32g(テトラクロロフタロニトリル収率97.7モル%)が得られた。
(合成例2−3)フタロニトリル化合物[α−{(4−CN)CO}PN](中間体2−3)の合成
150mlフラスコに、3−ニトロフタロニトリル25.10(0.145モル)と4−シアノフェノール17.79g(0.149モル)、炭酸カリウム22.04g(0.16モル)、n−テトラブチルアンモニウムブロマイド0.41g(0.001モル)、アセトニトリル100.42gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約4時間反応させた。冷却後、アセトン20gにて残渣をかけ洗いしながら吸引ろ過して得た溶液に蒸留水200gを滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再び蒸留水200gを加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約34.05g(3−ニトロフタロニトリルに対する収率95.8モル%)が得られた。
(合成例2−4)フタロニトリル化合物[α−{(2,6−Cl)CO}PN](中間体2−4)の合成
150mlフラスコに、3−ニトロフタロニトリル25.10g(0.145モル)と2,6−ジクロロフェノール26.0g(0.16モル)、炭酸カリウム22.04g(0.160モル)、n−テトラブチルアンモニウムブロマイド0.93g(0.002モル)、アセトニトリル100.42gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール50gと蒸留水150gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール200gと蒸留水200gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約38.9g(3−ニトロフタロニトリルに対する収率92.8モル%)が得られた。
(合成例2−5)フタロニトリル化合物[α−{(4−C)CO}PN](中間体2−5)の合成
150mlフラスコに、3−ニトロフタロニトリル3.29g(0.019モル)と4−フェニルフェノール3.56g(0.021モル)、炭酸カリウム2.89g(0.021モル)、n−テトラブチルアンモニウムブロマイド0.12g(0.0004モル)、アセトニトリル19.74gを投入し、内温60℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約28時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール10gと蒸留水50gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール20gと蒸留水100gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約5.12g(3−ニトロフタロニトリルに対する収率90.9モル%)が得られた。
(合成例2−6)フタロニトリル化合物[α−{(4−NO)CS}PN](中間体2−6)の合成
150mlフラスコに、3−ニトロフタロニトリル9.52g(0.055モル)と4−ニトロチオフェノール8.96g(0.058モル)、炭酸カリウム8.36g(0.061モル)、アセトニトリル38.09gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約22時間反応させた。冷却後、アセトン20gにて残渣をかけ洗いしながら吸引ろ過して得た溶液に蒸留水200gを滴下して結晶を析出させた。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約8.7g(3−ニトロフタロニトリルに対する収率56.2モル%)が得られた。
(合成例2−7)フタロニトリル化合物[α−(CO)PN](中間体2−7)の合成
150mlフラスコに、3−ニトロフタロニトリル8.66g(0.05モル)とペンタフルオロフェノール10.12g(0.055モル)、炭酸カリウム7.6g(0.055モル)、n−テトラブチルアンモニウムブロマイド0.32g(0.001モル)、アセトニトリル34.63gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約10時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール50gと蒸留水150gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール200gと蒸留水200gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約14.6g(3−ニトロフタロニトリルに対する収率94.1モル%)が得られた。
(合成例2−8)フタロニトリル化合物[α−{(2−NO)CO}PN](中間体2−8)の合成
150mlフラスコに、3−ニトロフタロニトリル25.10g(0.145モル)と2−ニトロフェノール24.21g(0.174モル)、炭酸カリウム24.05g(0.174モル)、アセトニトリル100.42g、n−テトラブチルアンモニウムブロマイド0.47g(0.001モル)、を投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約25時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液に蒸留水200gを滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再び蒸留水200gを加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約36.1g(3−ニトロフタロニトリルに対する収率93.9モル%)が得られた。
(合成例2−9)フタロニトリル化合物[α−{(2−CN)CO}PN](中間体2−9)の合成
150mlフラスコに、3−ニトロフタロニトリル25.10g(0.145モル)と2−シアノフェノール19.0g(0.16モル)、炭酸カリウム22.04g(0.16モル)、アセトニトリル100.42gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約3時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール100gと蒸留水200gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール200gと蒸留水200gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約32.6g(3−ニトロフタロニトリルに対する収率91.7モル%)が得られた。
(合成例2−10)フタロニトリル化合物[α−{(4−Cl)CO}PN](中間体2−10)の合成 150mlフラスコに、3−ニトロフタロニトリル10.39g(0.06モル)と4−クロロフェノール8.1g(0.063モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル41.55gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約1時間反応させた。冷却後、アセトン20gにて残渣をかけ洗いしながら吸引ろ過して得た溶液に蒸留水200gを滴下して結晶を析出させた。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約14.7g(3−ニトロフタロニトリルに対する収率96.2モル%)が得られた。
(合成例2−11)フタロニトリル化合物[α−(OCOCOCH)PN](中間体2−11)の合成
150mlフラスコに、3−ニトロフタロニトリル7g(0.04モル)とエチレングリコールモノメチルエーテル25g(0.202モル)、フッ化カリウム2.82g(0.048モル)を投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を蒸留水200gに滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再び蒸留水150gにて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約50℃で一晩真空乾燥し、約6.46g(3−ニトロフタロニトリルに対する収率65.0モル%)が得られた。
(合成例2−12)フタロニトリル化合物[α−(OCH(CH)CHOCH)PN](中間体2−12)の合成
150mlフラスコに、3−ニトロフタロニトリル7g(0.04モル)と1−メトキシ−2−プロパノール18.5g(0.202モル)、フッ化カリウム2.82g(0.048モル)を投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、反応液にメチルイソブチルケトン(以降、MIBKと略す)200mlを投入し、分離したMIBK相を抽出した。その後、抽出したMIBK溶液をエバポレーション処理により溶媒を溜去して、取り出した結晶を約50℃で一晩真空乾燥し、約6.58g(3−ニトロフタロニトリルに対する収率75.3モル%)が得られた。
(合成例2−13)フタロニトリル化合物[β−{(4−COOCOCOCH)CO}PN](中間体2−13)の合成
150mlフラスコに、4−ニトロフタロニトリル7.01g(0.041モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルカルビトール10.22g(0.043モル)、炭酸カリウム6.16g(0.045モル)、アセトニトリル28.04gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約16時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約14.53g(4−ニトロフタロニトリル収率97.9モル%)が得られた。
(合成例2−14)フタロニトリル化合物[β−{(4−COOCOCH)CO}PN](中間体2−14)の合成
150mlフラスコに、4−ニトロフタロニトリル6.93g(0.04モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ8.24g(0.042モル)、炭酸カリウム6.08g(0.044モル)、n−テトラブチルアンモニウムブロマイド0.41g(0.001モル)、アセトニトリル27.70gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約16時間反応させた。冷却後、アセトン20gにて残渣をかけ洗いしながら吸引ろ過して得た溶液に、蒸留水200gを滴下して結晶を析出させた。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約11.23g(4−ニトロフタロニトリルに対する収率87.1モル%)が得られた。
(合成例2−15)フタロニトリル化合物[β−{(4−CN)CO}PN](中間体2−15)の合成
150mlフラスコに、4−ニトロフタロニトリル13.85g(0.08モル)と4−シアノフェノール10.48g(0.088モル)、炭酸カリウム12.16g(0.088モル)、アセトニトリル55.4gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約4時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール50gと蒸留水100gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール100gと蒸留水100gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約18.5g(4−ニトロフタロニトリルに対する収率94.3モル%)が得られた。
(合成例2−16)フタロニトリル化合物[β−{(2,6−Cl)CO}PN](中間体2−16)の合成
150mlフラスコに、4−ニトロフタロニトリル8.66g(0.05モル)と2,6−ジクロロフェノール8.97g(0.055モル)、炭酸カリウム7.6g(0.055モル)、n−テトラブチルアンモニウムブロマイド0.32g(0.001モル)、アセトニトリル34.63gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約24時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール50gと蒸留水150gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール200gと蒸留水200gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約12.86g(4−ニトロフタロニトリルに対する収率89.0モル%)が得られた。
(合成例2−17)フタロニトリル化合物[β−{(4−NO)CO}PN](中間体2−17)の合成
150mlフラスコに、4−ニトロフタロニトリル13.85g(0.08モル)と4−ニトロフェノール12.24g(0.088モル)、炭酸カリウム12.16g(0.088モル)、アセトニトリル55.4gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール50gと蒸留水100gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール100gと蒸留水100gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約100℃で一晩真空乾燥し、約20.4g(4−ニトロフタロニトリルに対する収率96.1モル%)が得られた。
(合成例2−18)フタロニトリル化合物[β−(CO)PN](中間体2−18)の合成
150mlフラスコに、4−ニトロフタロニトリル8.66g(0.05モル)とペンタフルオロフェノール10.12g(0.055モル)、炭酸カリウム7.6g(0.055モル)、n−テトラブチルアンモニウムブロマイド0.32g(0.001モル)、アセトニトリル34.63gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約48時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール50gと蒸留水150gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール200gと蒸留水200gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約12.8g(4−ニトロフタロニトリルに対する収率82.5モル%)が得られた。
(合成例2−19)フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}2−aClPN](0≦a<2)(中間体2−19)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル10.64g(0.04モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ15.70g(0.08モル)、炭酸カリウム12.16g(0.088モル)、アセトニトリル42.55gを投入し、内温75℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約23.09g(テトラクロロフタロニトリル収率98.6モル%)が得られた。
なお、上記化合物の名称において、「α−(置換基A),β−(置換基A)x−aPN(0≦a<x)」と、記載されるのは、得られるフタロニトリル化合物あるいはフタロシアニン化合物は、α位に平均a個およびβ位に平均x−a個の置換基Aが導入されていることを意味し、即ち、α位及びβ位に合計x個の置換基Aが導入されていることを意味する。このため、例えば、合成例2−19のフタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}2−aClPN](0≦a<2)は、フタロシアニン骨格とした際の、α位に相当する位置に平均a個の(4−COOCOCH)CO基が、β位に相当する位置に平均2−a個の(4−COOCOCH)COが、および残位に塩素原子が導入された構造を有することを表わす。以下のフタロニトリル化合物の記載についても同様である。
(合成例2−20)フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCOCOCH)CO},β−{(2−COOCOCOCH)CO}2−aClPN](0≦a<2)(中間体2−20)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル10.64g(0.04モル)とサリチル酸メチルカルビトール19.22g(0.08モル)、炭酸カリウム12.16g(0.088モル)、アセトニトリル42.55を投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約12時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約25.89g(テトラクロロフタロニトリル収率96.1モル%)が得られた。
(合成例2−21)フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCOCH)CO}2−aClPN](0≦a<2)(中間体2−21)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル5.32g(0.02モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルカルビトール9.61g(0.04モル)、炭酸カリウム6.08g(0.044モル)、アセトニトリル21.27gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約12時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約11.3g(テトラクロロフタロニトリル収率96.5モル%)が得られた。
(合成例2−22)フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCHOC)CO},β−{(4−COOCHOC)CO}2−aClPN](0≦a<2)(中間体2−22)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル5.32g(0.02モル)とp−ヒドロキシ安息香酸テトラヒドロフルフリルアルコール8.33g(0.04モル)、炭酸カリウム6.08g(0.044モル)、アセトニトリル21.27gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約3時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約12.4g(テトラクロロフタロニトリル収率97.3モル%)が得られた。
(合成例2−23)フタロニトリル化合物[α−{(3−COOCOCH)CO},β−{(3−COOCOCH)CO}2−aClPN](0≦a<2)(中間体2−23)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル10.64g(0.04モル)とm−ヒドロキシ安息香酸エチル15.70g(0.08モル)、炭酸カリウム12.16g(0.088モル)、アセトニトリル42.55を投入し、内温60℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。
冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約20.95g(テトラクロロフタロニトリル収率96.7モル%)が得られた。
(合成例2−24)フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}3−aClPN](0≦a<3)(中間体2−24)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル7.98g(0.03モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ17.66g(0.09モル)、炭酸カリウム13.68g(0.099モル)、アセトニトリル31.91を投入し、内温70℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約22g(テトラクロロフタロニトリル収率98.4モル%)が得られた。
(合成例2−25)フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCH)CO},β−{(2−COOCH)CO}2−aClPN](0≦a<2)(中間体2−25)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル7.98g(0.03モル)とサリチル酸メチル9.13g(0.06モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル31.91を投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約14.35g(テトラクロロフタロニトリル収率96.2モル%)が得られた。
(合成例2−26)フタロニトリル化合物[α−{(2,6−Cl)CO},β−{(2,6−Cl)CO}1−aClPN](0≦a<1)(中間体2−26)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル8g(0.03モル)と2,6−ジクロロフェノール4.9g(0.03モル)、炭酸カリウム4.16g(0.03モル)、アセトン25gを投入し、内温50℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約4時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液に蒸留水200gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール100gと蒸留水100gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約11.64g(テトラクロロフタロニトリルに対する収率98.9モル%)が得られた。
(合成例2−27)フタロニトリル化合物[α−{(2,6−Cl)CO},β−{(2,6−Cl)CO}2−aClPN](0≦a<2)(中間体2−27)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル7.18g(0.027モル)と2,6−ジクロロフェノール8.8g(0.054モル)、炭酸カリウム8.21g(0.059モル)、アセトニトリル28.72gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約4時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液に蒸留水200gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール100gと蒸留水100gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約13.63g(テトラクロロフタロニトリルに対する収率97.3モル%)が得られた。
(合成例2−28)フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(4−COOCOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}1−a,β−{(4−COOCOCOCH)CO}1−bClPN](0≦a<1、0≦b<1)(中間体2−28)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル7.98g(0.03モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルカルビトール7.21g(0.03モル)、p−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ5.89g(0.03モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約3.5時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約18.07g(テトラクロロフタロニトリル収率97.9モル%)が得られた。
(合成例2−29)フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(2,6−Cl)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}1−a,β−{(2,6−Cl)CO}1−bClPN](0≦a<1、0≦b<1)(中間体2−29)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル7.18g(0.027モル)と2,6−ジクロロフェノール4.84g(0.03モル)、炭酸カリウム4.10g(0.03モル)、アセトニトリル28.72gを投入し、内温60℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約10時間反応させた。途中、2,6−ジクロロフェノールが反応により消失した時点で、p−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ5.83g(0.03モル)、炭酸カリウム4.10g(0.03モル)を新たに追加して、p−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブが反応により消失するまで反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約9.85g(テトラクロロフタロニトリル収率95.5モル%)が得られた。
(合成例2−30)フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(4−CN)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}2−a,β−{(4−CN)CO}1−bClPN](0≦a<2,0≦b<1)の(中間体2−30)合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル7.98g(0.03モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ11.77g(0.06モル)、炭酸カリウム13.68g(0.099モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約7時間反応させた。途中、p−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブが反応により消失した時点で、4−シアノフェノール3.57g(0.03モル)を新たに追加して、4−シアノフェノールが反応により消失するまで反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約18.34g(テトラクロロフタロニトリル収率98.0モル%)が得られた。
(合成例2−31)フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(4−CN)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}1.5−a,β−{(4−CN)CO}0.5−bClPN](0≦a<1.5,0≦b<0.5)(中間体2−31)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル7.98g(0.03モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ8.83g(0.045モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約7時間反応させた。途中、p−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブが反応により消失した時点で、4−シアノフェノール1.79g(0.015モル)を新たに追加して、4−シアノフェノールが反応により消失するまで反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約16.11g(テトラクロロフタロニトリル収率98.2モル%)が得られた。
(合成例2−32)フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},α−{(4−CN)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}1−a,β−{(4−CN)CO}1−bClPN](0≦a<1,0≦b<1)(中間体2−32)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル7.98g(0.03モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ5.89g(0.03モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温60℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約4時間反応させた。途中、p−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブが反応により消失した時点で、4−シアノフェノール3.57g(0.03モル)を新たに追加して、4−シアノフェノールが反応により消失するまで反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約15.03g(テトラクロロフタロニトリル収率98.6モル%)が得られた。
(合成例2−33)フタロニトリル化合物[α−{(4−CN)CO},β−{(4−CN)CO}2−aClPN](0≦a<2)(中間体2−33)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル7.98g(0.03モル)と4−シアノフェノール7.15g(0.06モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約14.6g(テトラクロロフタロニトリル収率95.7モル%)が得られた。
(合成例2−34)フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCOCH)CO},β−{(2−COOCOCH)CO}2−aClPN](0≦a<2)(中間体2−34)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル10.64g(0.04モル)とサリチル酸メチルセルソルブ15.70g(0.08モル)、炭酸カリウム12.16g(0.088モル)、n−テトラブチルアンモニウムブロマイド0.26g(0.001モル)、アセトニトリル42.55gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約10時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約22.8g(テトラクロロフタロニトリル収率97.4モル%)が得られた。
(合成例2−35)フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCH)CO},β−{(4−COOCH)CO}2−aClPN](0≦a<2)(中間体2−35)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル13.30g(0.05モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチル15.22g(0.1モル)、炭酸カリウム15.20g(0.11モル)、アセトニトリル53.18gを投入し、内温70℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約24.3g(テトラクロロフタロニトリル収率97.7モル%)が得られた。
(合成例2−36)フタロニトリル化合物[α−{(4−COOCOCH)CO},β−{(4−COOCOCH)CO}3−aClPN](0≦a<3)(中間体2−36)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル5.32g(0.02モル)とp−ヒドロキシ安息香酸メチルセルソルブ11.77g(0.06モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル21.27gを投入し、内温70℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約14.11g(テトラクロロフタロニトリル収率94.7モル%)が得られた。
(合成例2−37)フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCH)CO},β−{(2−COOCH)CO}3−aClPN](0≦a<3)(中間体2−37)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル10.64g(0.04モル)とサリチル酸メチル18.26g(0.12モル)、炭酸カリウム18.24g(0.132モル)、アセトニトリル42.55gを投入し、内温70℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約2時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約23.55g(テトラクロロフタロニトリル収率96.0モル%)が得られた。
(合成例2−38)フタロニトリル化合物[α−{(4−CN)CO},β−{(4−CN)CO}3−aClPN](0≦a<3)(中間体2−38)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル15.95g(0.06モル)と4−シアノフェノール21.44g(0.18モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル63.82gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約30.01g(テトラクロロフタロニトリル収率97.3モル%)が得られた。
(合成例2−39)フタロニトリル化合物[α−{(3−COOC)CO},β−{(3−COOC)CO}3−aClPN](0≦a<3)(中間体2−39)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル7.98g(0.03モル)とm−ヒドロキシ安息香酸エチル14.96g(0.09モル)、炭酸カリウム13.68g(0.099モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を約110℃×1時間の条件にてエバポレーション処理を施した。さらに、約110℃で一晩真空乾燥し、約18.9g(テトラクロロフタロニトリル収率96.2モル%)が得られた。
(合成例2−40)フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCH)CO}PN](中間体2−40)の合成
150mlフラスコに、3−ニトロフタロニトリル2.60g(0.015モル)とサリチル酸メチル2.74g(0.018モル)、炭酸カリウム2.49g(0.018モル)、n−テトラブチルアンモニウムブロマイド0.10g(0.0003モル)、アセトニトリル10.39gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約9時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液からエバポレーション処理により溶媒を溜去し、そこへメチルエチルケトン10gを添加した。このようにして得られた溶液をヘキサン100g中へ滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメチルエチルケトン10gとヘキサン100gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約3.71g(3−ニトロフタロニトリルに対する収率88.8モル%)が得られた。
(合成例2−41)フタロニトリル化合物[β−{(2−COOCH)CO}PN](中間体2−41)の合成
150mlフラスコに、4−ニトロフタロニトリル25.10g(0.145モル)とサリチル酸メチル30.89g(0.203モル)、炭酸カリウム22.04g(0.16モル)、n−テトラブチルアンモニウムブロマイド0.93g(0.003モル)、アセトニトリル100.42gを投入し、内温80℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約40時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液にメタノール50gと水150gの混合溶液を滴下して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール200gと水200gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約34.8g(4−ニトロフタロニトリルに対する収率86.3モル%)が得られた。
(合成例2−42)フタロニトリル化合物[α−{(2−COOCOCH)C10O},β−{(2−COOCOCH)C10O}2−aClPN](0≦a<2)(中間体2−42)の合成
150mlフラスコに、テトラクロロフタロニトリル7.98g(0.03モル)と3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸メチルセルソルブ18.46g(0.06モル)、炭酸カリウム9.12g(0.066モル)、アセトニトリル31.91gを投入し、内温85℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、合成例2−39と同じ工程にて処理を行い、約23.1g(テトラクロロフタロニトリルに対する収率112.3モル%)が得られた。
(参考例2−1)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO}2+x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−xCl](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−1で得られた中間体2−1、2.58g(0.008モル)、合成例2−19で得られた中間体2−19、4.68g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル16.50gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約16時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をベンゾニトリルの6倍量のメタノール(99.0g)中に滴下し、30分攪拌した。その後、メタノールの1/4倍量の蒸留水(24.7g)を滴下しながら加え、さらに1時間攪拌して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再び1回目の1/3の質量のメタノール(33.0g)、およびそのメタノールと同量の蒸留水(33.0g)の混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約6.00g(中間体2−1および中間体2−19に対する収率79.8モル%)が得られた。
なお、上記化合物の名称において、「α−(置換基A),β−(置換基A)x−aPc(0≦a<x)」と、記載されるのは、得られるフタロニトリル化合物あるいはフタロシアニン化合物は、α位に平均a個およびβ位に平均x−a個の置換基Aが導入されていることを意味し、即ち、α位及びβ位に合計x個の置換基Aが導入されていることを意味する。このため、例えば、参考例2−1の[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO}2+x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−xCl](0≦x<4)は、フタロシアニン骨格の、α位に2+x個の(4−COOCOCH)CO基が、β位に4−x個の(4−COOCOCH)CO基が、4個に塩素原子が、残位に水素原子6個が導入された構造を有することを表わす。即ち、参考例2−1のフタロシアニン化合物の16個の置換基は、6個の(4−COOCOCH)CO基、4個のハロゲン原子、及び6個水素原子から構成される。以下のフタロシアニン化合物の記載についても同様である。
(最大吸収波長およびグラム吸光係数の測定)
得られたフタロシアニン化合物を分光光度計(日立製作所(株)社製:U−2910)を用いてメチルセルソルブ0.8wt%含有メタノール溶液中で最大吸収波長(λmax)およびグラム吸光係数を測定した。測定手法は以下の通り行なった。
50mlメスフラスコに得られたフタロシアニン化合物0.04gをメチルセルソルブ20gにて溶解し、溶液のメニスカスが50mlメスフラスコの標線と一致するようにメタノールを添加して調製した。次いで、調製した溶液をピペットを用いて1ml分取し、分取した溶液を全て50mlメスフラスコに投入してメタノールにて希釈し、溶液のメニスカスが50mlメスフラスコの標線と一致するように調製した。このようにして調製した溶液を1cm角のパイレックス製セルに入れ、分光光度計を用いて透過スペクトルを測定した。また、測定した吸光度をAとしたときの1gあたりの吸光度(グラム吸光係数とする)を以下の式で計算した。
このようにして測定した結果を表2にまとめる。
(耐熱性の評価)得られたフタロシアニン化合物0.125gに(株)日本触媒社製バインダーポリマー0.42gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと略す)1.22g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.112g、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製(IRGACURE369)0.01gを加え、溶解、混合して、樹脂塗料液を調製した。得られた樹脂塗料液をバーコーターを使用して、ガラス板に乾燥膜中の色素濃度30wt%、乾燥膜厚が2μmとなるよう塗布し、80℃にて30分間乾燥させた。このようにして得られたコーティングガラス板の吸収スペクトルを分光光度計(日立製作所(株)社製:U−2910)にて測定し、これを加熱前スペクトルとした。次に、加熱前スペクトルを測定した塗膜ガラス板を220℃にて20分間、加熱処理した。この加熱処理したコーティングガラス板の吸収スペクトルを分光光度計にて測定し、これを加熱後スペクトルとした。このように測定した加熱前、加熱後の各スペクトルにおいて380nm〜900nmまでの吸光度を積分し、加熱前と加熱後でその吸光度の差を測定した。また、加熱前スペクトルをE、加熱後スペクトルをE、測定した吸光度の差をΔEとしたとき、ΔEを以下の式で計算した。
このようにして測定した結果を以下の表2にまとめる。
(溶解性の評価)
得られたフタロシアニン化合物0.1gにPGMEA0.9gを加え、色素が10wt%含有した調製液を作製した。調製液をマグネチックスターラーにより1時間攪拌した後、全量を注射器にて採取し、メンブレンフィルター(φ=0.45μm)を用いてろ過した。調製液がメンブレンフィルターにより目詰まりせず通過できる場合、調製液に色素が溶解していると判断するろ過テストを実施し、全て問題なくろ過できた場合を○、ろ過できたが一部溶け残りが見られた場合を△、フィルターの目詰まりを起こした場合を×として溶解性の評価とした。
(参考例2−2)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCOCH)CO},{α−(2−COOCOCOCH)CO},{β−(2−COOCOCOCH)CO}4−xCl](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−2で得られた中間体2−2、2.59g(0.007モル)、合成例2−20で得られた中間体2−20、4.72g(0.007モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル14.44gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例2−1と全く同様の操作を行い約6.42g(中間体2−2および中間体2−20に対する収率85.5モル%)が得られた。このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−3)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(2−COOCOCOCH)CO},{β−(2−COOCOCOCH)CO}4−xCl](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−3で得られた中間体2−3、1.72g(0.007モル)、合成例2−20で得られた中間体2−20、4.71g(0.007モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル14.44gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約9時間反応させた。冷却後、参考例2−1と全く同様の操作を行い約5.95g(中間体2−3および中間体2−20に対する収率89.3モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−4)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}4−xCl](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−3で得られた中間体2−3、2.45g(0.01モル)、合成例2−19で得られた中間体2−19、5.85g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル20.62gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約3時間反応させた。冷却後、参考例2−1と全く同様の操作を行い約6.4g(中間体2−3および中間体2−19に対する収率74.1モル%)が得られた。このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−5)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2,6−Cl)CO},{α−(4−COOCOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCOCH)CO}4−xCl](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−4で得られた中間体2−4、2.31g(0.008モル)、合成例2−21で得られた中間体2−21、5.16g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル8.26gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約3時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を中間体2−の質量の合計とヨウ化亜鉛の質量の合計を21倍した質量のメタノール(186.3g)中に滴下し、30分攪拌した。その後、メタノールの半分量の蒸留水(93.1g)を滴下しながら加え、さらに1時間攪拌して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再び1回目の半分量のメタノール(93.1g)と蒸留水(46.6g)の混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約7.05g(中間体2−4および中間体2−21に対する収率91.1モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−6)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−C)CO},{α−(4−COOCOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCOCH)CO}4−xCl](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−5で得られた中間体2−5、2.37g(0.008モル)、合成例2−21で得られた中間体2−21、5.16g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル8.26gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約10時間反応させた。冷却後、参考例2−5と全く同様の操作を行い約6.56g(中間体2−5および中間体2−21に対する収率84.1モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−7)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(4−COOCHOC)CO},{β−(4−COOCHOC)CO}4−xCl](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−3で得られた中間体2−3、2.94g(0.012モル)、合成例2−22で得られた中間体2−22、7.65g(0.012モル)、ヨウ化亜鉛2.11g(0.007モル)、ベンゾニトリル12.24gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約10時間反応させた。冷却後、参考例2−5と全く同様の操作を行い約8.42g(中間体2−3および中間体2−22に対する収率115.0モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−8)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(3−COOCOCH)CO},{β−(3−COOCOCH)CO}4−xCl](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−3で得られた中間体2−3、2.45g(0.01モル)、合成例2−23で得られた中間体2−23、6.24g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル9.98gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、参考例2−5と全く同様の操作を行い約5.0g(中間体2−3および中間体2−23に対する収率55.4モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−9)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}6−xCl](0≦x<6)の合成
150mlフラスコに、合成例2−3で得られた中間体2−3、1.96g(0.008モル)、合成例2−24で得られた中間体2−24、5.96g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.64gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例2−5と全く同様の操作を行い約6.70g(中間体2−3および中間体2−24に対する収率81.9モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−10)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−NO)CS},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}4−xCl](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−6で得られた中間体2−6、1.97g(0.007モル)、合成例2−19で得られた中間体2−19、4.10g(0.007モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル6.56gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液を中間体2−の合計質量の20倍のメタノール(121.3)中に滴下し、30分攪拌した。その後、メタノールの半分量の蒸留水(60.7g)を滴下しながら加え、さらに1時間攪拌して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再び1回目の半分量のメタノール(60.7g)と蒸留水(30.3g)の混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約5.29g(中間体2−6および中間体2−19に対する収率84.0モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−11)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−CO},{α−(2−COOCH)CO},{β−(2−COOCH)CO}4−xCl](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−7で得られた中間体2−7、2.17g(0.007モル)、合成例2−25で得られた中間体2−25、3.48g(0.007モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル14.44gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約10時間反応させた。冷却後、参考例2−1と全く同様の操作を行い約4.7g(中間体2−7および中間体2−25に対する収率79.9モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−12)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−NO)CO},{α−(2,6−Cl)CO},{β−(2,6−Cl)CO}2−xCl](0≦x<2)の合成
150mlフラスコに、合成例2−8で得られた中間体2−8、2.12g(0.008モル)、合成例2−26で得られた中間体2−26、4.15g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル16.50gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール66.0g中に滴下し、30分攪拌した。その後、蒸留水16.5gを滴下しながら加え、さらに1時間攪拌して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール33.0g、蒸留水33.0gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約5.43g(中間体2−8および中間体2−26に対する収率83.1モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−13)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(2−CN)CO},{α−(2,6−Cl)CO},{β−(2,6−Cl)CO}4−xCl](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−9で得られた中間体2−9、2.94g(0.012モル)、合成例2−27で得られた中間体2−27、6.23g(0.012モル)、ヨウ化亜鉛2.11g(0.007モル)、ベンゾニトリル24.75gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、参考例2−1と全く同様の操作を行い約9.2g(中間体2−9および中間体2−27に対する収率96.2モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−14)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}6−xCl](0≦x<6)の合成
150mlフラスコに、合成例2−3で得られた中間体2−3、0.80g(0.003モル)、合成例2−19で得られた中間体2−19、6.12g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.15g(0.004モル)、ベンゾニトリル9.78gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約10時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール220.2g中に滴下し、30分攪拌した。その後、蒸留水110.1gを滴下しながら加え、さらに1時間攪拌して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール110.1g、蒸留水55.0gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約6.19g(中間体2−3および中間体2−19に対する収率86.8モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−15)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}6−xCl](0≦x<6)の合成
150mlフラスコに、合成例2−1で得られた中間体2−1、0.64g(0.002モル)、合成例2−19で得られた中間体2−19、3.51g(0.006モル)、ヨウ化亜鉛0.70g(0.002モル)、ベンゾニトリル5.62gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約10時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール126.4g中に滴下し、30分攪拌した。その後、蒸留水42.1gを滴下しながら加え、さらに1時間攪拌して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール63.2g、蒸留水21.1gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約3.72g(中間体2−1および中間体2−19に対する収率88.1モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−16)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−Cl)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(4−COOCOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}2−x,{β−(4−COOCOCOCH)CO}2−yCl](0≦x<2,0≦y<2)の合成
150mlフラスコに、合成例2−10で得られた中間体2−10、2.08g(0.008モル)、合成例2−28で得られた中間体2−28、5.02g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.43g(0.004モル)、ベンゾニトリル8.02gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、参考例2−5と全く同様の操作を行い約6.5g(中間体2−10および中間体2−28に対する収率88.3モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−17)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(2,6−Cl)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(2,6−Cl)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}2−yCl](0≦x<2,0≦y<2)の合成
150mlフラスコに、合成例2−1で得られた中間体2−1、3.22g(0.010モル)、合成例2−29で得られた中間体2−29、5.52g(0.010モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル8.83gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、参考例2−5と全く同様の操作を行い約7.40g(中間体2−1および中間体2−29に対する収率81.5モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−18)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−CN)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−yCl]](0≦x<2,0≦y<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−3で得られた中間体2−3、2.45g(0.010モル)、合成例2−30で得られた中間体2−30、6.24g(0.010モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル9.98gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、参考例2−5と全く同様の操作を行い約6.91g(中間体2−3および中間体2−30に対する収率76.6モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−19)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−CN)CO}1−x,{β−(4−COOCOCH)CO}3−yCl](0≦x<1,0≦y<3)の合成
150mlフラスコに、合成例2−3で得られた中間体2−3、2.45g(0.010モル)、合成例2−31で得られた中間体2−31、5.47g(0.010モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル8.75gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、参考例2−5と全く同様の操作を行い約6.47g(中間体2−3および中間体2−31に対する収率78.5モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−20)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−CN)CO}2−x,{β−(4−COOCOCH)CO}2−yCl](0≦x<2、0≦y<2)の合成
150mlフラスコに、合成例2−1で得られた中間体2−1、2.90g(0.009モル)、合成例2−32で得られた中間体2−32、4.57g(0.009モル)、ヨウ化亜鉛2.15g(0.007モル)、ベンゾニトリル2.49gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例2−10と全く同様の操作を行い約6.05g(中間体2−1および中間体2−32に対する収率77.9モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−21)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO}1+x,{α−(4−CN)CO}1+y,{β−(4−COOCOCH)CO}2−x,{β−(4−CN)CO}2−yCl](0≦x<2、0≦y<2)の合成
150mlフラスコに、合成例2−1で得られた中間体2−1、1.61g(0.005モル)、合成例2−3で得られた中間体2−3、1.23g(0.005モル)、合成例2−19で得られた中間体2−19、2.93g(0.005モル)、合成例2−33で得られた中間体2−33、2.16g(0.005モル)、ヨウ化亜鉛1.76g(0.006モル)、ベンゾニトリル2.64gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例2−10と全く同様の操作を行い約7.6g(中間体2−1および中間体2−3、中間体2−19、中間体2−33に対する収率92.1モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−22)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−COOCOCH)CO}1+x,{α−(4−CN)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}4−xCl](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−1で得られた中間体2−1、1.45g(0.005モル)、合成例2−3で得られた中間体2−3、1.10g(0.005モル)、合成例2−19で得られた中間体2−19、5.27g(0.009モル)、ヨウ化亜鉛1.58g(0.005モル)、ベンゾニトリル2.61gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約10時間反応させた。冷却後、参考例2−10と全く同様の操作を行い約6.55g(中間体2−1および中間体2−3、中間体2−19に対する収率80.7モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−23)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(OCOCOCH)},{α−(2−COOCOCH)CO},{β−(2−COOCOCH)CO}4−xCl](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−11で得られた中間体2−11、0.42g(0.002モル)、合成例2−34で得られた中間体2−34、1.0g(0.002モル)、ヨウ化亜鉛0.3g(0.001モル)、ベンゾニトリル2.85gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、125℃×1hrの条件にてエバポレーション処理により溶媒を溜去した後、約60℃で一晩真空乾燥し、取り出した結晶を約1.67g(中間体2−11および中間体2−34に対する収率113.0モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−24)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(OCH(CH)CHOCH)},{α−(2−COOCOCH)CO},{β−(2−COOCOCH)CO}4−xCl](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−12で得られた中間体2−12、0.41g(0.002モル)、合成例2−34で得られた中間体2−34、1.1g(0.002モル)、ヨウ化亜鉛0.33g(0.001モル)、ベンゾニトリル2.85gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、125℃×1hrの条件にてエバポレーション処理により溶媒を溜去した後、約60℃で一晩真空乾燥し、約1.7g(中間体2−12および中間体2−34に対する収率108.4モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−25)フタロシアニン化合物[ZnPc−{β−(4−COOCOCOCH)CO},{α−(2−COOCOCOCH)CO},{β−(2−COOCOCOCH)CO}4−xCl](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−13で得られた中間体2−13、2.56g(0.007モル)、合成例2−20で得られた中間体2−20、4.71g(0.007モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル14.44gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例2−1と全く同様の操作を行い約6.39g(中間体2−13および中間体2−20に対する収率83.9モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−26)フタロシアニン化合物[ZnPc−{β−(4−COOCOCH)CO}},{α−(4−CN)CO},{β−(4−CN)CO}4−xCl](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−14で得られた中間体2−14、3.35g(0.01モル)、合成例2−33で得られた中間体2−33、4.48g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.83g(0.006モル)、ベンゾニトリル2.61gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、参考例10と全く同様の操作を行い約7.38g(中間体2−14および中間体2−33に対する収率90.3モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−27)フタロシアニン化合物[ZnPc−{β−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}6−xCl](0≦x<6)の合成
150mlフラスコに、合成例2−15で得られた中間体2−15、0.65g(0.003モル)、合成例2−19で得られた中間体2−19、5.01g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛0.94g(0.003モル)、ベンゾニトリル1.88gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約10時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール179.7g中に滴下し、30分攪拌した。その後、蒸留水89.9gを滴下しながら加え、さらに1時間攪拌して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール89.9g、蒸留水44.9gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約5.0g(中間体2−15および中間体2−19に対する収率85.9モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−28)フタロシアニン化合物[ZnPc−{β−(2,6−Cl)CO},{α−(4−COOCH)CO},{β−(4−COOCH)CO}6−xCl](0≦x<6)の合成
150mlフラスコに、合成例2−16で得られた中間体2−16、1.25g(0.004モル)、合成例2−35で得られた中間体2−35、6.46g(0.013モル)、ヨウ化亜鉛1.52g(0.005モル)、ベンゾニトリル2.57gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール232.7g中に滴下し、30分攪拌した。その後、蒸留水116.4gを滴下しながら加え、さらに1時間攪拌して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール116.4g、蒸留水58.2gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約7.59g(中間体2−16および中間体2−35に対する収率94.9モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−29)フタロシアニン化合物[ZnPc−{β−(4−NO)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}4−xCl](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−17で得られた中間体2−17、2.39g(0.009モル)、合成例2−19で得られた中間体2−19、5.27g(0.009モル)、ヨウ化亜鉛1.58g(0.005モル)、ベンゾニトリル2.55gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約10時間反応させた。冷却後、参考例2−10と全く同様の操作を行い約6.9g(中間体2−17および中間体2−19に対する収率86.8モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−30)フタロシアニン化合物[ZnPc−{β−CO},{α−(2−COOCH)CO},{β−(2−COOCH)CO}4−xCl](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−18で得られた中間体2−18、2.17g(0.007モル)、合成例2−25で得られた中間体2−25、3.48g(0.007モル)、ヨウ化亜鉛1.23g(0.004モル)、ベンゾニトリル14.44gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約10時間反応させた。冷却後、参考例2−1と全く同様の操作を行い約4.2g(中間体2−18および中間体2−25に対する収率71.4モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−31)フタロシアニン化合物[ZnPc−{β−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}6−xCl](0≦x<6)の合成
150mlフラスコに、合成例2−15で得られた中間体2−15、1.96g(0.008モル)、合成例2−36で得られた中間体2−36、5.96g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.64gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約7時間反応させた。冷却後、参考例2−5と全く同様の操作を行い約7.2g(中間体2−15および中間体2−36に対する収率88.0モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−32)フタロシアニン化合物[ZnPc−{β−(2,6−Cl)CO},{α−(2−COOCH)CO},{β−(2−COOCH)CO}6−xCl](0≦x<6)の合成
150mlフラスコに、合成例2−16で得られた中間体2−16、2.31g(0.008モル)、合成例2−37で得られた中間体2−37、4.90g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.40g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.41gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例2−5と全く同様の操作を行い約5.6g(中間体2−16および中間体2−37に対する収率74.9モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−33)フタロシアニン化合物[ZnPc−{β−(4−COOCOCH)CO},{α−(4−CN)CO},{β−(4−CN)CO}6−xCl](0≦x<6)の合成
150mlフラスコに、合成例2−14で得られた中間体2−14、3.35g(0.01モル)、合成例2−38で得られた中間体2−38、5.34g(0.01モル)、ヨウ化亜鉛1.83g(0.006モル)、ベンゾニトリル2.90gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例2−10と全く同様の操作を行い約7.5g(中間体2−14および中間体2−38に対する収率83.0モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−34)フタロシアニン化合物[ZnPc−{β−(4−CN)CO},{α−(3−COOC)CO},{β−(3−COOC)CO}6−xCl](0≦x<6)の合成
150mlフラスコに、合成例2−15で得られた中間体2−15、1.23g(0.005モル)、合成例2−39で得られた中間体2−39、3.06g(0.005モル)、ヨウ化亜鉛0.88g(0.003モル)、ベンゾニトリル1.43gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、参考例2−5と全く同様の操作を行い約4.01g(中間体2−15および中間体2−39に対する収率90.0モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−35)フタロシアニン化合物[ZnPc−{β−(4−CN)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(4−CN)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}4−x,{β−(4−CN)CO}2−yCl](0≦x<4,0≦y<2)の合成
150mlフラスコに、合成例2−15で得られた中間体2−15、1.96g(0.008モル)、合成例2−30で得られた中間体2−30、5.34g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.92g(0.006モル)、ベンゾニトリル2.44gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約8時間反応させた。冷却後、参考例2−5と全く同様の操作を行い約6.1g(中間体2−15および中間体2−30に対する収率80.6モル%)が得られた。このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−36)フタロシアニン化合物[ZnPc−{β−(2,6−Cl)CO},{α−(4−COOCOCH)CO},{α−(4−CN)CO},{β−(4−COOCOCH)CO}4−x,{β−(4−CN)CO}2−yCl](0≦x<4,0≦y<2)の合成
150mlフラスコに、合成例2−16で得られた中間体2−16、2.31g(0.008モル)、合成例2−30で得られた中間体2−30、5.34g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.92g(0.006モル)、ベンゾニトリル2.55gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、参考例2−5と全く同様の操作を行い約5.65g(中間体2−16および中間体2−30に対する収率71.3モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−37)フタロシアニン化合物[CuPc−{α−(4−COOCOCH)CO}2+x,{β−(4−COOCOCH)CO}4−xCl](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−1で得られた中間体2−1、3.22g(0.01モル)、合成例2−19で得られた中間体2−19、5.85g(0.01モル)、塩化銅0.54g(0.004モル)、o−ジクロロベンゼン11.76g、オクタノール5.21gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約6時間反応させた。冷却後、吸引ろ過して得た溶液をメタノール210.7g中に滴下し、30分攪拌した。その後、蒸留水105.4gを滴下しながら加え、さらに1時間攪拌して結晶を析出させた。得られた結晶を吸引ろ過した後、再びメタノール105.4g、および蒸留水52.7gの混合溶液を加えて攪拌洗浄することで洗浄および精製を行った。吸引ろ過後、取り出した結晶を約60℃で一晩真空乾燥し、約6.9g(中間体2−1および中間体2−19に対する収率73.4モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数、および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−38)フタロシアニン化合物[ZnPc−{α−(4−CN)CO},{α−(2−COOCOCH)C10O},{β−(2−COOCOCH)C10O}4−xCl](0≦x<4)の合成
150mlフラスコに、合成例2−3で得られた中間体2−3、1.96g(0.008モル)、合成例2−42で得られた中間体2−42、5.14g(0.008モル)、ヨウ化亜鉛1.32g(0.004モル)、ベンゾニトリル2.78gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温160℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約10時間反応させた。
冷却後、参考例2−5と全く同様の操作を行い約7.3g(中間体2−3および中間体2−42に対する収率94.2モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(参考例2−39)
参考例2−1で得られたフタロシアニン化合物を、耐熱性の評価を以下の耐熱性評価方法2の方法で実施した。その結果を表2に示す。なお、表2において耐熱性の評価以外は、参考例2−1と同じ値である。
(耐熱性評価方法2)
得られたフタロシアニン化合物0.125gに(株)日本触媒社製バインダーポリマー0.42gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと略す)20.0g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート0.112g、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社製(IRGACURE369)0.01gを加え、溶解、混合して、樹脂塗料液を調製した。得られた樹脂塗料液をバーコーターを使用して、ガラス板に乾燥膜中の色素濃度30wt%、乾燥膜厚が0.1μmとなるよう塗布し、80℃にて30分間乾燥させた。このようにして得られたコーティングガラス板の吸収スペクトルを分光光度計(日立製作所(株)社製:U−2910)にて測定し、これを加熱前スペクトルとした。次に、加熱前スペクトルを測定した塗膜ガラス板を220℃にて20分間、加熱処理した。この加熱処理したコーティングガラス板の吸収スペクトルを分光光度計にて測定し、これを加熱後スペクトルとした。このように測定した加熱前、加熱後の各スペクトルにおいて380nm〜900nmまでの吸光度を積分し、加熱前と加熱後でその吸光度の差を測定した。また、加熱前スペクトルをE、加熱後スペクトルをE、測定した吸光度の差をΔEとしたとき、ΔEを以下の式で計算した。
(参考例2−40)
参考例2−39において、参考例2−1で得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−3で得られたフタロシアニン化合物に置き換えた以外は、参考例2−39と全く同様にして耐熱性を測定し、その結果を表2に示す。なお、表2において耐熱性の評価以外は、参考例2−3と同じ値である。
(参考例2−41)
参考例2−39において、参考例2−1で得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−10で得られたフタロシアニン化合物に置き換えた以外は、参考例2−39と全く同様にして耐熱性を測定し、その結果を表2に示す。なお、表2において耐熱性の評価以外は、参考例2−10と同じ値である。
(参考例2−42)
参考例2−39において、参考例2−1で得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−16で得られたフタロシアニン化合物に置き換えた以外は、参考例2−39と全く同様にして耐熱性を測定し、その結果を表2に示す。なお、表2において耐熱性の評価以外は、参考例2−16と同じ値である。
(参考例2−43)
参考例2−39において、参考例2−1で得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−21で得られたフタロシアニン化合物に置き換えた以外は、参考例2−39と全く同様にして耐熱性を測定し、その結果を表2に示す。なお、表2において耐熱性の評価以外は、参考例2−21と同じ値である。
(参考例2−44)
参考例2−39において、参考例2−1で得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−23で得られたフタロシアニン化合物に置き換えた以外は、参考例2−39と全く同様にして耐熱性を測定し、その結果を表2に示す。なお、表2において耐熱性の評価以外は、参考例2−23と同じ値である。
(参考例2−45)
参考例2−39において、参考例2−1で得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−28で得られたフタロシアニン化合物に置き換えた以外は、参考例2−39と全く同様にして耐熱性を測定し、その結果を表2に示す。なお、表2において耐熱性の評価以外は、参考例2−28と同じ値である。
(参考例2−46)
参考例2−39において、参考例2−1で得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−33で得られたフタロシアニン化合物に置き換えた以外は、参考例2−39と全く同様にして耐熱性を測定し、その結果を表2に示す。なお、表2において耐熱性の評価以外は、参考例2−33と同じ値である。
(比較参考例2−1)フタロシアニン化合物[ZnPc−{β−(2−COOCH)CO}12]の合成
150mlフラスコに、合成例2−41で得られた中間体2−41、4.17g(0.015モル)、ヨウ化亜鉛1.32g(0.004モル)、ベンゾニトリル30.94gを投入し、窒素流通下(10ml/min)、内温185℃、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら約5時間反応させた。冷却後、参考例2−5と全く同様の操作を行い約3.8g(中間体2−41に対する収率84.9モル%)が得られた。
このようにして得られたフタロシアニン化合物を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
(比較参考例2−2)
特開2008−50599号公報の参考例2−18に記載のあるフタロシアニン化合物{ZnPc(3−CHOOCPhO)(3−HOOCPhO)}を、参考例2−1と全く同じ操作により最大吸収波長、グラム吸光係数および耐熱性を測定し、その結果を表2にまとめた。
参考例2−1〜38で合成したフタロシアニン化合物は、比較参考例2−1で合成したβ位4置換フタロシアニン化合物,比較参考例2−2で合成したβ位8置換フタロシアニン化合物と比べてグラム吸光係数(εg)に優勢性はみられないものの、耐熱性については、比較参考例2−1で合成した高耐熱性を有するβ位4置換フタロシアニン化合物に比べて2倍以上向上した。また、比較参考例2−1、2に比べ、参考例2−1〜38のフタロシアニン化合物は格段に優れた溶媒溶解性を示した。
続いて、フタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含む、カラーフィルタ組成物の実施例を説明する。
[アゾ色素中間体(a)の合成例]
スルファニル酸37.0部を水150部、および濃塩酸32.0部と共に十分撹拌した後、4N亜硝酸ナトリウム25.0部を用いて5〜10℃でジアゾ化し、次いで1−エチル−1,2−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−4−メチル−2−オキソ−3−ピリジンカルボニトリル42.0部に水370部を加え、さらに2N水酸化ナトリウムでpH8に調製した溶液をカップリング成分中に10℃以下の温度に保持して添加した。水酸化ナトリウムでpH5.0に調製してカップリング反応を完結させ、反応終了後塩化ナトリウム100部を用いて塩析させ、析出した生成物を濾別し、乾燥させて下記で表されるアゾ色素中間体(a)を60.4部(78%)得た。
[アゾ色素(1)の合成例]
アゾ色素(1):
の合成例
アゾ色素中間体(a)50.0部を0.1N水酸化ナトリウム水溶液に溶解し、トリオクチルアミン51.2部とクロロホルムを加えて撹拌した。これに濃硫酸を加えてpH1.0に調製した後、有機層を分離して濃縮し、乾燥してアゾ色素(1)を77.0部(収率78%)得た。
[アゾ色素(2)の合成例]
アゾ色素(2):
の合成例
アゾ色素の合成例1のトリオクチルアミンをトリブチルアミン(26.9部)に変えた以外は同様にして操作し、アゾ色素(2)を54.4部(収率72%)得た。
[アゾ色素(3)の合成例]
アゾ色素(3):
の合成例
アゾ色素の合成例1のスルファニル酸を4−クロロアニリン−3−スルホン酸(33.8部)に変えた以外は同様にして操作し、アゾ色素(3)を47.9部(収率75%)得た。
[スルホン酸塩化物(b)の合成例]
アゾ色素中間体(a)35.0部をジメチルホルムアミド15.6部、およびアセトニトリル215.5部の混合溶媒中、氷冷下撹拌して懸濁させている中に、塩化チオニルを滴下した。しばらくしたら40℃に昇温し、さらに4時間撹拌した。その後、懸濁液を525部の水へ撹拌しながら注ぎ込み、さらに10分間撹拌した。生じた沈殿物を濾取し、60℃で数時間真空乾燥することによりスルホン酸塩化物(b)を29.2部(アゾ色素中間体(a)に対して80モル%)得た。
[アゾ色素(4)の合成例]
アゾ色素(4):
スルホン酸塩化物(b)29.2部をクロロホルム中に氷冷下懸濁し、2−エチルヘキシルアミン14.9部、およびトリエチルアミン38.9部の混合溶液をゆっくり滴下した。室温まで昇温し、10分間撹拌した後、反応溶液を濃縮した。濃縮液をアセトン150部に溶解した後、1M塩酸600部に注ぎ込み、生じた沈殿物を濾取した。この沈殿物をメタノール400部に加熱還流下溶解し、ゆっくり室温まで冷却した。生じた沈殿物を濾取した後、60℃で数時間真空乾燥することによりアゾ色素(3)を28.4部(スルホン酸塩化物(b)に対して78モル%)得た。
アゾ色素(5):
アゾ色素(6):
アゾ色素(4)〜(6)は、アゾ色素(3)と同様の経路で合成した。
[N,N−ジ(2−エチルヘキシル)−4−ニトロ安息香酸アミドの合成例]
4−ニトロベンゾイルクロリド10部をクロロホルム200部に溶解し、ジ(2−エチルヘキシル)アミン14.3部とトリエチルアミン16.4部の混合溶媒を加えた。室温で30分間撹拌した後、水を加え、分離した。有機層を2M塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾別、濃縮、真空乾燥し、N,N−ジ(2−エチルヘキシル)−4−ニトロ安息香酸アミドを16.8部(80モル%)得た。
[4−アミノ−N,N−ジ(2−エチルヘキシル)安息香酸アミドの合成例]
還元鉄7.22部を酢酸11.6部と水29.6部の混合溶媒に懸濁させ、80℃で1時間撹拌した。この懸濁液にN,N−ジ(2−エチルヘキシル)−4−ニトロ安息香酸アミド12.6部のエタノール(29.2部)溶液を滴下し、10分間撹拌を継続した後に室温まで冷却した。次に炭酸ナトリウム9.38部の水(50部)溶液を加え、ろ過した。濾液を濃縮し、アセトンを加えて撹拌した。その後再び濾過し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濾過、濃縮、乾燥して4−アミノ−N,N−ジ(2−エチルヘキシル)安息香酸アミドを10.6部(91モル%)得た。
[アゾ色素(7)の合成例]
アゾ色素(7):
4−アミノ−N,N−ジ(2−エチルヘキシル)安息香酸アミド2.70部を6.5wt%塩酸45部に溶解し、0℃で亜硝酸ナトリウム0.57部の水(6.70部)溶液を滴下し1時間撹拌した。その後、0℃でこの溶液を1−エチル−1,2−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−4−メチル−2−オキソ−3−ピリジンカルボニトリル1.47部と水酸化ナトリウム0.56部の水(13.9部)溶液に滴下し、30分間撹拌した。沈殿物を濾取後、メタノール50gと水70gで撹拌洗浄し、真空乾燥することによりアゾ色素(7)を3.12部(78%)得た。
[4−ニトロフタル酸ジ(2−メトキシエチル)の合成例]
4−ニトロフタル酸50.0gをトルエン294gと2−メトキシエタノール108gの混合溶液に溶解し、さらに硫酸9.95gを加えて、Dean−Starkトラップを用いて水を除きながら加熱還流させた。5.5時間後、反応液を水に空けて2層分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、濃縮し、減圧乾燥して4−ニトロフタル酸ジ(2−メトキシエチル)を78.5g(101モル%相当)得た。
[4−アミノフタル酸ジ(2−メトキシエチル)の合成例]
還元鉄31.2gを酢酸50gと水132gの混合溶媒に懸濁させ、80℃で1時間撹拌した。この懸濁液に4−ニトロフタル酸ジ(2−メトキシエチル)73.2gのエタノール(104g)溶液を滴下した後、40分間撹拌させた後室温まで冷却した。反応液を0℃に冷却し、炭酸ナトリウム水溶液をゆっくり滴下しpHが7〜8となるよう調節した。縣濁液を濃縮後、アセトンを加えて撹拌し、ろ過して得られた溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過後、濃縮、減圧乾燥して4−アミノフタル酸ビス(2−メトキシエチル)を59.9g(90モル%)得た。
[アゾ色素(8)の合成例]
アゾ色素(8):
4−アミノフタル酸ジ(2−メトキシエチル)25.0gを、9wt%塩酸160gに溶解し、0℃で撹拌させた。この溶液に亜硝酸ナトリウム6.38gの水(13g)溶液をゆっくり滴下し、1時間0℃で撹拌し、スルファミン酸1.63gを加えた(溶液1−A)。また、別途、水酸化ナトリウム4.14gをメタノール108gに溶解して得られた溶液を、1−エチル−1,2−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−4−メチル−2−オキソ−3−ピリジンカルボニトリル15.0gに加えて溶液1−Bを調製した。0℃に冷却した溶液1−Aに対し、溶液1−Bを滴下した。20分撹拌後、沈殿物を濾取し、水で洗浄後、60℃で一晩真空乾燥させてアゾ色素(8)を39.1g(4−アミノフタル酸ジ(2−メトキシエチル)に対する収率:96モル%)得た。
(実施例1)
(1)染料レジスト溶液の調製
下記の組成で混合して溶解し、染料レジスト溶液を調製した。
(2)塗膜板の作製
あらかじめアセトンで表面を拭ったガラス基板に対して、前記(1)で得られた染料レジスト溶液を乾燥後の膜厚が約2μmになるようにスピンコーターを用いて25滴、1500rpm、1秒の条件で塗布し、80℃で30分間プリベークした。その後、UV照射して樹脂を硬化させた後、220℃で20分間ポストベークした。
(3)フィルターの評価
上記で得られた着色フィルターの色度座標値、耐熱性、耐光性およびコントラスト比を評価した。その結果を下記表3に示す。なお、下記表に示した色度座標値、耐熱性、耐光性およびコントラスト比は以下のようにして測定した。
(色素座標値)
日立分光光度計U−2910を用いて吸収波形を測定し、さらにこの波形に定数倍することで色度座標値のy=0.600となるように、色度(x、Y)を求めた。照明にはC光源を用いたとして計算した。
(耐熱性)
80℃でプリベークして得られたコーティングガラス板の吸収スペクトルを分光光度計(日立製作所(株)社製:U−2910)にて測定し、これを加熱前スペクトルとした。次に、このコーティングガラス板を光架橋し220℃にて20分間ポストベークした後、吸収スペクトルを分光光度計にて測定し、これを加熱後スペクトルとした。このように測定した加熱前、加熱後の各スペクトルにおいて380nm〜780nmまでの吸光度を積分し、加熱前と加熱後でその吸光度の差を測定した。また、加熱前スペクトルをE、加熱後スペクトルをE、測定した吸光度の差をΔEとしたとき、ΔEを以下の式で計算した。
このようにして耐熱性を測定した。
(耐光性)
ポストベーク後のコーティングガラスをキセノン耐光性試験機(ATLAS社製サンテストCPS+)を用い、13万ルクスの光を照射し、経時での吸光度の残存率により次の3段階の評価を行った。
◎:10時間後の光照射前後のΔE値が5未満の場合
○:10時間後の光照射前後のΔE値が5〜30の場合
×:10時間後の光照射前後のΔE値が30を超える場合
(コントラスト比)
ポストベーク後のコーティングガラスを2枚の偏向板で挟み、2枚の偏向板の偏向軸が平行のときと直交の時の透過光量の比(コントラスト比)を測定した。その測定結果により次の3段階の評価を行った。
◎:コントラスト比が12000倍を超える場合
○:コントラスト比が10000〜12000倍の場合
×:コントラスト比が10000未満である場合
(実施例2)
染料レジストの配合比を下記のように変更した以外は全て実施例1と同様にして操作し、その結果を表3に示す。
(実施例3)
染料レジストの配合比を下記のように変更した以外は全て実施例1と同様にして操作し、その結果を表3に示す。
(実施例4)
染料レジストの配合比を下記のように変更した以外は全て実施例1と同様にして操作し、その結果を表3に示す。
(実施例5)
染料レジストの配合比を下記のように変更した以外は全て実施例1と同様にして操作し、その結果を表3に示す。
(実施例6)
染料レジストの配合比を下記のように変更した以外は全て実施例1と同様にして操作し、その結果を表3に示す。
(実施例7)
染料レジストの配合比を下記のように変更した以外は全て実施例1と同様にして操作し、その結果を表3に示す。
(実施例8)
染料レジストの配合比を下記のように変更した以外は全て実施例1と同様にして操作し、その結果を表3に示す。
(実施例9)
染料レジストの配合比を下記のように変更した以外は全て実施例1と同様にして操作し、その結果を表3に示す。
通常、染料はポリマー樹脂に溶解するので、分散剤は必須ではないが、カラーフィルタ中では高濃度(約30wt%)になることがあるため、その結晶化を防止するために分散剤を用いると効果がある場合があり、実施例4よりも、分散剤を添加した実施例3の方が、コントラスト比が良好であった。

Claims (3)

  1. フタロシアニン化合物と、黄色系色素と、を含む、カラーフィルタ組成物であって、
    前記フタロシアニン化合物が、
    下記式(1):
    式中、Z〜Z16は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、下記化学式2:
    式中、Xは酸素原子または硫黄原子であり、Aは、フェニル基、1〜5の置換基Rを有するフェニル基または1〜7の置換基Rを有するナフチル基であり、前記置換基Rは、それぞれ独立して、ニトロ基、COOR、OR(Rは炭素数1〜8のアルキル基)、ハロゲン原子、アリール基、シアノ基、またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基であり、この際、Rは、炭素数1〜8のアルキル基(この際、アルキル基は、炭素数1〜8のアルキルオキシ基、ハロゲン原子もしくはアリール基で置換されていてもよい)、または下記化学式3で示される基;
    式中、Rは炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜8のアルキル基であり、nは1〜4の整数である;である:で示される基、または下記化学式2’:
    式中、R’は炭素数1〜3のアルキレン基であり、R”は炭素数1〜8のアルキル基であり、lは0〜4の整数である;で示される基であり、
    この際、Z〜Z16のうち、4〜10個は化学式2または化学式2’で示される基であり、このうち、少なくとも1個は化学式2で示される基であり、3〜12個は水素原子であり、
    〜Z16のうち、4個が化学式2または化学式2’で示される基であり、残りが水素原子の場合には、Z、Z、Z、Z、Z、Z12、Z13及びZ16のうち1〜3個は、化学式2または化学式2’で示される基であり、Z、Z、Z、Z、Z10、Z11、Z14及びZ15のうち3〜1個は、化学式2または化学式2’で示される基であり、
    〜Z16のうち、水素原子が3〜11個の場合には、少なくとも1個はハロゲン原子であり、
    Mは無金属、金属、金属酸化物または金属ハロゲン化物を表わす:で示される、カラーフィルタ組成物。
  2. 前記黄色系色素が、下記式(ア)または下記式(イ)で表わされるアゾ系染料またはその塩である、請求項1に記載のカラーフィルタ組成物:
    上記式中、
    Qは、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換または非置換の炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホ基、スルファモイル基、N−置換スルファモイル基、アルコキシカルボニル基、およびN−置換カルバモイル基よりなる群から選択される少なくとも1種の基を有するアリール基、あるいは、置換または非置換のヘテロアリール基であり、
    は、水素原子、置換または非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換または非置換の炭素数7〜20のアラルキル基、−(RO)、−COR、あるいは、置換または非置換の炭素数6〜20のアリール基であり、ここで、Rは炭素数1〜3のアルキレン基であり、Rは水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、rは0〜4の整数であり、Rは、置換または非置換の1〜8のアルキル基であり、
    は、置換または非置換の炭素数1〜5のアルキル基、置換または非置換のアミノ基であり、
    は、水素原子、−CNまたは−CONHであり、
    およびDは、それぞれ独立して、置換または非置換のアミノ基である。
  3. さらに、分散剤を含む、請求項1または2に記載のカラーフィルタ組成物。
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