JP6452247B2 - オキソカーボン系化合物ならびにこれを含む樹脂組成物および成形体 - Google Patents

オキソカーボン系化合物ならびにこれを含む樹脂組成物および成形体 Download PDF

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Description

本発明は、所謂スクアリリウム骨格又はクロコニウム骨格を有する新規のオキソカーボン系化合物ならびにこれを含む樹脂組成物および成形体に関するものである。
スクアリリウム骨格やクロコニウム骨格を化合物中に有するオキソカーボン系化合物は、可視・近赤外領域に吸収を有する色素として有用であり、例えば、可視光や赤外光のカットフィルター、近赤外線吸収フィルム、セキュリティーインク等としての利用が期待されている。
スクアリリウム骨格又はクロコニウム骨格を有するオキソカーボン系化合物は、一般に、スクアリン酸やクロコン酸を原料とし、この原料の両端に複素環基を導入することで合成される。複素環基としてはピロール環含有基、特にインドール環含有基がよく知られており、かかるインドール系スクアリリウム化合物又はインドール系クロロニウム化合物として例えば以下のような報告がある。
特許文献1には、下記式に示すスクアリリウム化合物が開示されている(請求項2)。
特許文献2には、下記式に示すスクアリリウム化合物が開示されている(実施例14)。
さらに特許文献2には、下記式に示すクロコニウム化合物も開示されている(実施例17)。
非特許文献1には、下記式に示すスクアリリウム化合物が開示されている(化合物3a−g)。
非特許文献2には、下記式に示すクロコニウム化合物が開示されている(化合物3a−g)。
特開2008−308602号公報 特開平6−25165号公報
Tetrahedron Letters, 1999, vol40, 4067-4068 Tetrahedron Letters, 2002, vol43, 8391-8393
上記のように、これまでに報告されているインドール系スクアリリウム化合物又はインドール系クロコニウム化合物は、スクアリリウム骨格又はクロコニウム骨格と窒素含有環(インドール環、ジヒドロカルバゾール環)とを1個の(環構造を形成しない)メチン基を介して結合することにより、窒素含有環とスクアリリウム骨格又はクロコニウム骨格とを共役させたものであった。
そして、特許文献1、非特許文献1及び非特許文献2に開示されたスクアリリウム化合物又はクロコニウム化合物はいずれも、波長吸収スペクトルを測定したときに吸収極大波長よりも低波長側に大きなショルダーピークが認められていた(特許文献1の図1〜図3、非特許文献1のFigure 1、非特許文献2のFigure 1参照)。そのため、このようなショルダーピークを無くして(又は低減して)分光能をさらに高めることが求められる。なお、特許文献2には、波長吸収スペクトルの測定結果は開示されていないが、特許文献2に記載のスクアリリウム化合物及びクロコニウム化合物も、窒素含有環(ジヒドロカルバゾール環)がスクアリリウム骨格又はクロコニウム骨格に結合する時に、環構造を形成しないメチン基を介している点で、特許文献1、非特許文献1及び非特許文献2に開示された化合物と同様であり、出願人の結果に照らせば、分光能は悪いものと推察される。
この様な状況下、本発明は、スクアリリウム骨格又はクロコニウム骨格に窒素含有5員環(ピロール環)含有基が結合したオキソカーボン系化合物においてスクアリリウム骨格又はクロコニウム骨格に結合する炭素原子が炭化水素環を形成するよう分子設計することにより、新規のオキソカーボン系化合物を提供することを課題として掲げた。また該新規なオキソカーボン系化合物において可視・近赤外領域の吸収スペクトルにおけるショルダーピークを低減することを別の課題として掲げた。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、スクアリリウム骨格又はクロコニウム骨格に炭素原子を介して窒素含有5員環を結合する場合に、窒素含有5員環とスクアリリウム骨格又はクロコニウム骨格とを結合するメチン基が環構造になるよう分子設計することより、従来知られていなかった新たなオキソカーボン系化合物を得ることが可能になること、そして該化合物は、可視・近赤外領域の吸収スペクトルにおいて吸収極大波長よりも低波長側に現れるショルダーピークが従来のオキソカーボン系化合物(スクアリリウム化合物又はクロコニウム化合物)に比べ低減されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係るオキソカーボン系化合物は、下記式(1)又は下記式(2)で表されることを特徴とする。
[式(1)及び式(2)中、Ra1〜Ra4はそれぞれ独立して下記式(3)で示される構造単位である。
(式(3)中、
環Aは4〜9員の不飽和炭化水素環である。
X及びYはそれぞれ独立して有機基又は極性官能基である。
nは0〜6の整数であり、かつm以下(ただし、mは環Aの構成員数から3を引いた値である)であり、nが2以上である場合、複数のYは同じであってもよいし異なっていてもよい。
環Bは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、芳香族複素環又はこれら環構造を含む縮合環である。
なお*は式(1)中の4員環又は式(2)中の5員環との結合部位を表す。)]
本発明に係るオキソカーボン系化合物の好ましい態様においては、前記環Bはベンゼン環又はナフタレン環であり、前記Yはアルキル基又は水酸基であり、前記Xは、アルキル基又はアリール基である。
本発明は、上記本発明のオキソカーボン系化合物と、樹脂成分とを含む樹脂組成物をも包含する。
本発明に係る樹脂組成物においては、更に、ケトン類、グリコール誘導体、アミド類、エステル類、ピロリドン類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類及びエーテル類から選ばれる少なくとも1種以上の溶媒を含むことが好ましく、特に前記アミド類の使用量は、樹脂組成物100質量%中、60質量%以下であることが好ましい。また本発明に係る樹脂組成物において、前記樹脂成分は、ポリ(アミド)イミド樹脂、フッ素化芳香族ポリマー、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂及びポリシクロオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。
さらに本発明は、上記本発明の樹脂組成物からなる成形体および面状成形体をも包含する。
なお、本明細書において、スクアリリウム骨格とは上記式(1)中Ra1およびRa2を取り除いた構造をいい、クロコニウム骨格とは上記式(2)中Ra3およびRa4を取り除いた構造をいうものとする。
本発明によれば、可視・近赤外領域の吸収スペクトルにおいて吸収極大波長より低波長側に現れるショルダーピークが無い(又は大幅に低減された)新規なオキソカーボン系化合物が得られる。かかるオキソカーボン系化合物およびこれを含む樹脂組成物とその成形体は、吸収極大領域の光をより選択的に吸収することが可能であり、光学用途において好適に使用できる。
実施例1−1で得られたスクアリリウム化合物01のMSスペクトル(ポジティブ、ネガティブモード)を示す図である。 吸収スペクトルにおける面積比Xを説明するための模式図である。 実施例1−1、比較例1−1及び比較例1−2で得られたスクアリリウム化合物の吸収スペクトルを補正して示した図である。 実施例2−1、比較例2−1及び比較例2−2で得られた樹脂組成物の吸収スペクトルを補正して示した図である。
1.オキソカーボン系化合物
本発明にかかる新規のオキソカーボン系化合物は、化学構造中にオキソカーボン骨格を有する化合物であり、具体的にはスクアリリウム骨格を有する下記式(1)又はクロコニウム骨格を有する下記式(2)で表される。ここで、式(1)及び式(2)中のRa1〜Ra4はそれぞれ独立して、下記式(3)で示される特定の構造単位である。
式(3)中、*は式(1)で示されるスクアリリウム骨格又は式(2)で示されるクロコニウム骨格との結合部位を表しており、本発明では、スクアリリウム骨格又はクロコニウム骨格に結合する炭素原子(上記式(3)中、矢印で示す炭素原子)が炭化水素環(環A)を形成している点に特徴を有する。かかる構造上の特徴によって、本発明のオキソカーボン系化合物(スクアリリウム化合物又はクロコニウム化合物)は、可視・近赤外領域の吸収スペクトルにおいて吸収極大波長より低波長側のショルダーピークを無くす(もしくは大幅に低減する)ことが可能であるため、吸収極大波長領域の光を色純度良く効率的に吸収可能となる。
式(3)中、環Aは、構成員数が4〜9員である不飽和炭化水素環である。環Aは、スクアリリウム骨格又はクロコニウム骨格に結合する炭素原子(上記式(3)中、矢印で示す炭素原子)とピロール環を構成する炭素原子との間に少なくとも1個の二重結合を有する不飽和炭化水素環であればよく、当該二重結合以外にも不飽和結合(好ましくは二重結合)を有するものであってよいが、好ましくは環Aが有する二重結合は1個である。環Aは、好ましくは5〜8員環であり、より好ましくは6〜8員環である。
環Aの構造としては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シクロヘプテン、シクロヘプタジエン、シクロヘプタトリエン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、シクロオクタトリエン、シクロノネン、シクロノナジエン、シクロノナトリエン、シクロノナテトラエン等のシクロアルケン構造が挙げられる。中でも、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等のシクロアルカンモノエンが好ましい。
式(3)中、nは、0〜6の整数であり、かつm以下(ただし、mは環Aの構成員数から3を引いた値である)である。nは、好ましくは0〜5の整数であり、より好ましくは0〜3の整数であり、さらに好ましくは0〜2の整数である。nが1以上である場合、環Aを構成する炭素原子に結合する水素原子はYで置換されることになる。
式(3)中、X及びYは有機基又は極性官能基である。
X及びYの例である有機基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオオキシ基(アルキルチオ基)、アルキルオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基、アリールチオオキシ基(アリールチオ基)、アリールオキシカルボニル基、アリールスルホニル基、アリールスルフィニル基、アミド基(−NHCOR)、スルホンアミド基(−NHSO2R)、カルボキシ基(カルボン酸基)、ベンゾチアゾール基、ハロゲノアルキル基、シアノ基等が挙げられる。また極性官能基としては、ハロゲノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基(スルホン酸基)等が挙げられる。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等の直鎖状又は分岐状のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等の脂環式アルキル基;等が挙げられる。アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、さらに好ましくは1〜6であり、特に脂環式アルキル基の場合には3以上が好ましい。前記アルキル基は置換基を有していてもよく、アルキル基が有する置換基としては、ハロゲノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ノナデシルオキシ基、イコシルオキシ基等が挙げられる。アルコキシ基の炭素数は、1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、特に好ましくは1〜5である。前記アルコキシ基中のアルキル基は、直鎖状であってもよいし分岐状であってもよい。
前記アルキルチオ基(アルキルチオオキシ基)としては、例えば、メチルチオオキシ基(メチルチオ基)、エチルチオオキシ基(エチルチオ基)、プロピルチオオキシ基(プロピルチオ基)、ブチルチオオキシ基(ブチルチオ基)、ペンチルチオオキシ基(ペンチルチオ基)、ヘキシルチオオキシ基(ヘキシルチオ基)、ヘプチルチオオキシ基(ヘプチルチオ基)、オクチルチオオキシ基(オクチルチオ基)、ノニルチオオキシ基(ノニルチオ基)、デシルチオオキシ基(デシルチオ基)、ウンデシルチオオキシ基(ウンデシルチオ基)、ドデシルチオオキシ基(ドデシルチオ基)、トリデシルチオオキシ基(トリデシルチオ基)、テトラデシルチオオキシ基(テトラデシルチオ基)、ペンタデシルチオオキシ基(ペンタデシルチオ基)、ヘキサデシルチオオキシ基(ヘキサデシルチオ基)、ヘプタデシルチオオキシ基(ヘプタデシルチオ基)、オクタデシルチオオキシ基(オクタデシルチオ基)、ノナデシルチオオキシ基(ノナデシルチオ基)、イコシルチオオキシ基(イコシルチオ基)等が挙げられる。アルキルチオ基の炭素数は、1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、特に好ましくは1〜5である。前記アルキルチオ基中のアルキル基は、直鎖状であってもよいし分岐状であってもよい。
前記アルキルオキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基等の無置換アルキルオキシカルボニル基のほか、トリフルオロメチルオキシカルボニル基等の置換アルキルオキシカルボニル基が挙げられる。ここで置換基としては、ハロゲノ基等が挙げられる。アルキルオキシカルボニル基の炭素数は、2〜20が好ましく、より好ましくは2〜10であり、特に好ましくは2〜5である。前記アルキルオキシカルボニル基中のアルキル基は、直鎖状であってもよいし分岐状であってもよい。
前記アルキルスルホニル基としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基の置換又は無置換のアルキルスルホニル基等が挙げられる。アルキルスルホニル基の炭素数は、1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、特に好ましくは1〜5である。前記アルキルスルホニル基中のアルキル基は、直鎖状であってもよいし分岐状であってもよい。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、インデニル基、アズレニル基、フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、ペンタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基等が挙げられる。アリール基の炭素数は、6〜20が好ましく、より好ましくは6〜15である。前記アリール基は置換基を有していてもよく、アリール基が有する置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲノ基、シアノ基、ニトロ基、チオシアネート基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基等が挙げられる。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基等が挙げられる。前記アラルキル基は置換基を有していてもよく、アラルキル基が有する置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲノ基、シアノ基、ニトロ基、チオシアネート基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基等が挙げられる。アラルキル基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ基、ビフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基、フェナントリルオキシ基、ピレニルオキシ基、インデニルオキシ基、アズレニルオキシ基、フルオレニルオキシ基、ターフェニルオキシ基、クオーターフェニルオキシ基、ペンタレニルオキシ基、ヘプタレニルオキシ基、ビフェニレニルオキシ基、インダセニルオキシ基、アセナフチレニルオキシ基、フェナレニルオキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アリールチオオキシ基(アリールチオ基)としては、例えば、フェニルチオオキシ基、ビフェニルチオオキシ基、ナフチルチオオキシ基、アントリルチオオキシ基、フェナントリルチオオキシ基、ピレニルチオオキシ基、インデニルチオオキシ基、アズレニルチオオキシ基、フルオレニルチオオキシ基、ターフェニルチオオキシ基、クオーターフェニルチオオキシ基、ペンタレニルチオオキシ基、ヘプタレニルチオオキシ基、ビフェニレニルチオオキシ基、インダセニルチオオキシ基、アセナフチレニルチオオキシ基、フェナレニルチオオキシ基等が挙げられる。アリールチオオキシ基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、4−メトキシフェニルオキシカルボニル基等の置換又は無置換のフェニルオキシカルボニル基;1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基等の置換又は無置換のナフチルオキシカルボニル基;等が挙げられる。アリールオキシカルボニル基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アリールスルホニル基としては、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、2−フルオロフェニルスルホニル基、3−メチルフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、3−フルオロフェニルスルホニル基、4−メチルフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等の置換又は無置換のフェニルスルホニル基;1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基等の置換又は無置換のナフチルスルホニル基;等が挙げられる。アリールスルホニル基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アリールスルフィニル基としては、例えば、フェニルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メトキシフェニルスルフィニル基、2−ブトキシフェニルスルフィニル基、2−フルオロフェニルスルフィニル基、3−メチルフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−メチルフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メトキシフェニルスルフィニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等の置換又は無置換のフェニルスルフィニル基;1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基等の置換又は無置換のナフチルスルフィニル基;等が挙げられる。アリールスルフィニル基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アミド基(−NHCOR)としては、Rが炭素数1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルアリール基、ハロゲン化炭化水素基であるもの等が挙げられる。
前記スルホンアミド基(−NHSO2R)としては、Rが炭素数1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルアリール基、ハロゲン化炭化水素基であるもの等が挙げられる。
前記ハロゲノアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、3−フルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、6−フルオロヘキシル基、4−フルオロシクロヘキシル基等のモノハロゲノアルキル基;ジクロロメチル基等のジハロゲノアルキル基;1,1−ジヒドロ−パーフルオロエチル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−プロピル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ブチル基、2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロピル基、2,2,2−トリクロロエチル基等のトリハロメチル単位を有するアルキル基;トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基等のパーハロゲノアルキル基;等が挙げられる。ハロゲノアルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、特に好ましくは1〜5である。ハロゲノアルキル基のハロゲンとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、特にフッ素原子が好ましい。
前記ハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等が挙げられる。
Xの例である有機基又は極性官能基としては、上記の中でも、アルキル基、アルキルオキシカルボニル基、アリール基が好ましく、より好ましくはアルキル基又はアリール基である。この場合、アルキル基の炭素数は、直鎖状又は分岐状のアルキル基であれば1〜6が好ましく、より好ましくは1〜4であり、脂環式のアルキル基であれば4〜7が好ましく、より好ましくは5〜6である。アリール基の炭素数は6〜10が好ましく、より好ましくは6〜8である。具体的には、Xの例である有機基又は極性官能基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基等が好ましく挙げられる。
Yの例である有機基又は極性官能基としては、上記の中でも、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲノ基、フェニル基、アルコキシカルボニル基(エステル基)、アミド基、スルホンアミド基、水酸基が好ましく、より好ましくはアルキル基又は水酸基である。この場合、アルキル基の炭素数は1〜5が好ましく、より好ましくは1〜3であり、さらに好ましくは1〜2である。具体的には、Yの例である有機基又は極性官能基としては、メチル基、エチル基、水酸基等が好ましく挙げられる。
前記nが2以上であり、Yが複数存在する場合には、各Yは同じであってもよいし異なっていてもよい。また前記nが2以上である場合、複数のYは各々別の炭素原子に結合していてもよいし、2個のYが1個の炭素原子に結合していてもよい。
式(3)中、環Bは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、芳香族複素環又はこれら環構造を含む縮合環である。環Bとしては、例えば、下記式(A−1)〜(A−14)の構造を有する環、及びこれら環の水素原子の1つ以上が任意の置換基で置換された環が挙げられる。これらの中でも、ベンゼン環(A−1)、ナフタレン環(A−2、A−3)、キノリン環(A−8、A−13、A−14)又はこれらに上記置換基が置換した環が好ましい。ここで置換基としては、X及びYの例である有機基又は極性官能基として上述した基が挙げられるが、それらの中でも特に、アルキル基(特に好ましくは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルキル基)、アリール基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基)、アルキルチオ基(特に好ましくは炭素数1〜2)、アミノ基、アミド基、スルホンアミド基、芳香族複素環基、水酸基、チオール基、ベンゾチアゾール基などの電子供与性基、ハロゲノ基(特に好ましくは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基)、ハロゲノアルキル基(好ましくは炭素数1〜3のパーハロゲノアルキル基)、シアノ基、アルコキシカルボニル基(エステル基)、カルボキシ基(カルボン酸基)、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、スルホ基(スルホン酸基)、ニトロ基等の電子吸引性基が好ましく、電子吸引性基が好ましい。環Bの置換基の数は1つでもよいし2つ以上でもよい。また置換基を有さなくてもよい。置換基を有する場合、その数は、好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2、特に好ましくは1である。
なお、上記式(A−1)〜(A−14)は、環Bをピロール環の一部を含んで表したものであり、例えば式(A−1)は、下記図中aの矢印で示されるピロール環のβ位の炭素原子と、下図中bの矢印で示されるピロール環のα位の炭素原子とを含んで表記されている。
なお、スクアリリウム骨格を有する化合物(1)中の特定の構造単位であるRa1とRa2は、同一構造であっても異なっていてもよい。製造が容易なことから、Ra1とRa2は、同一構造であることが好ましい。同様にクロコニウム骨格を有する化合物(2)中の特定の構造単位であるRa3とRa4は同一構造であっても異なっていてもよく、同一構造であることがより好ましい態様である。
特に好ましいオキソカーボン系化合物は、式(1)のスクアリリウム骨格を有すると共に、前記式(3)の構造単位において、環Aがシクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、又はシクロオクテン(最も好ましくはシクロヘキセン)であり、Xが炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、又は炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基であり、環Bがベンゼン環(A−1)、ナフタレン環(A−2、A−3)、キノリン環(A−8、A−13、A−14)である化合物である。この特に好ましいオキソカーボン系化合物において、環Bが置換基を有する場合、置換基としては、アリール基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキルチオ基、ニトロ基、炭素数1〜4のハロゲノアルキル基(特にパーフルオロアルキル基)、カルボキシ基、ハロゲノ基、シアノ基、ベンゾチアゾール基が好ましい。この置換基がハロゲノ基である場合、1〜3個のハロゲノ基が環Bに置換しているのが好ましい。置換基のうち少なくとも一つは、環Bであるベンゼン環において、ピロール環のNH基が結合する部位に対して、パラ位となる炭素原子に結合していることが好ましい。特にこのパラ位にニトロ基、炭素数1〜4のハロゲノアルキル基(特にパーフルオロアルキル基)、カルボキシ基、ハロゲノ基、シアノ基等の電子吸引性基が結合していると、吸収極大領域の光をより選択的に吸収可能となる。
また、可視光領域に高い透過性を有する樹脂組成物を得たい場合には、環Bにおける上記置換基は電子供与性基以外であることが好ましく、より好ましくは、アルキル基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、ハロゲノ基、カルボキシ基、ニトロ基、シアノ基から選ばれる少なくとも1種である。これらの置換基はさらに別の置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。
一方、樹脂組成物の最大吸収波長を大きくしたい場合には、環Bにおける上記置換基は電子供与性基であることが好ましく、より好ましくは、アルコキシ基、チオアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アミド基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフトキシ基、芳香族複素環基、アミノ基、水酸基、チオール基から選ばれる少なくとも1種である。これらの置換基はさらに別の置換基を有していてもよく、無置換であってもよい。
以上のような式(3)で示される特定の構造単位が、式(1)で示されるスクアリリウム骨格又は式(2)で示されるクロコニウム骨格に結合してなる本発明のオキソカーボン系化合物は、互変異体が存在する。詳しくは、式(1)で示されるスクアリリウム骨格に結合した場合には、下記(1)で示される化合物のほか、(1a)又は(1b)で示される互変異体が存在する。一方、式(2)で示されるクロコニウム骨格に結合した場合には、下記(2)で示される化合物のほか、(2a)、(2b)又は(2c)で示される互変異体が存在する。本発明のオキソカーボン系化合物は、(1)又は(2)で示される化合物のみならず、それぞれに対応する互変異体をも包含するものとする。
2.オキソカーボン系化合物の製造方法
本発明に係るオキソカーボン系化合物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、下記式(4):
(式(4)中、環A、環B、X、Y及びnは式(3)に同じ)で表されるピロール環含有化合物を中間原料とし、これをスクアリン酸又はクロコン酸と反応させることにより製造することができる。
中間原料として用いるピロール環含有化合物は、公知の合成手法を適宜採用することによって合成できる。例えば、環Aがシクロヘキセン、環Bがベンゼン環、n=0である場合(すなわち、4a−置換−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)は、フェニルヒドラジン塩酸塩と2−置換シクロヘキサノンとの反応により合成でき、Xとなる置換基をシクロヘキサノンの2位に導入しておけばよい。さらに、シクロヘキサノンの3位、4位、5位、6位をYとなる置換基で修飾しておけば、nが1以上で環AがYを有する化合物にアレンジすることができる。このほか、環Bの構造は、フェニルヒドラジン塩酸塩を他の芳香族ヒドラジン塩酸塩に変更することによりアレンジすることができるし、環Aの構成員数は、2−置換シクロヘキサノンを環構成炭素数が異なる他の2−置換シクロアルカノンに変更することによりアレンジすることができる。
スクアリン酸又はクロコン酸とピロール環含有化合物との反応において、ピロール環含有化合物の使用量は、スクアリン酸又はクロコン酸に対し、1倍mol以上が好ましく、より好ましくは1.5倍mol以上であり、更に好ましくは2倍mol以上であり、5倍mol以下が好ましく、より好ましくは4倍mol以下であり、更に好ましくは3倍mol以下である。
スクアリン酸又はクロコン酸とピロール環含有化合物との反応は、溶媒存在下に実施することが好ましく、使用できる溶媒としては、例えば、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;THF、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記溶媒の使用量(合計)は、スクアリン酸又はクロコン酸に対して、1倍質量以上が好ましく、より好ましくは5倍質量以上であり、さらに好ましくは10倍質量以上であり、上限は、例えば100倍質量以下である。
スクアリン酸又はクロコン酸とピロール環含有化合物との反応において、反応温度は適宜設定すればよく、例えば80℃以上が好ましく、より好ましくは100℃以上であり、170℃以下が好ましく、より好ましくは140℃以下である。本反応は特に、還流状態で行うとよい。また反応時間も特に限定されず、例えば、0.5時間以上が好ましく、より好ましくは1時間以上であり、24時間以下が好ましく、より好ましくは12時間以下である。また反応時の雰囲気は、不活性ガス(窒素、アルゴン等)雰囲気とすることが好ましい。
上記反応により得られたオキソカーボン系化合物は、必要に応じて、濾過、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、アルミナカラムクロマトグラフィー、昇華精製、再結晶、晶析など公知の精製手段によって適宜精製することができる。
3.樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、上記本発明のオキソカーボン系化合物と、樹脂成分とを含む。さらに本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、溶媒、各種添加剤等を含有させることができる。
3.1.オキソカーボン系化合物
本発明の樹脂組成物に含まれる本発明のオキソカーボン系化合物は、スクアリリウム系化合物であってもよいし、クロコニウム系化合物であってもよいし、両者の混合物であってもよい。またオキソカーボン系化合物は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
本発明のオキソカーボン系化合物は色素として機能するものであるが、本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明のオキソカーボン系化合物とともに公知の他の色素を含有させることができる。本発明の樹脂組成物に含まれていてもよい色素としては、例えば、本発明のオキソカーボン系化合物以外のスクアリリウム系色素やクロコニウム系色素、中心金属イオンとして銅(例えば、Cu(II))や亜鉛(例えば、Zn(II))等を有していてもよい環状テトラピロール系色素(ポルフィリン類、クロリン類、フタロシアニン類、コリン類等)、シアニン系色素、クアテリレン系色素、ナフタロシアニン系色素、ニッケル錯体系色素、銅イオン系色素、ジインモニウム系色素、サブフタロシアニン系色素、キサンテン系色素、アゾ系色素、ジピロメテン系色素等が挙げられる。これら他の色素は、本発明の効果を損なわないよう、400〜1100nmの波長域に吸収極大波長を有していることが望ましい。これら他の色素は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
本発明の樹脂組成物が他の色素をも含有する場合、他の色素の含有量は、本発明のオキソカーボン系化合物と他の色素の合計100質量%に対し、60質量%以下が好ましく、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下であり、特に好ましくは、他の色素を実質的に含まないことである。
樹脂組成物中に占める上記オキソカーボン系化合物の含有量は、上記他の色素との合計量(全色素量)が所定の範囲になるようにすることが好ましい。具体的には、本発明のオキソカーボン系化合物と他の色素との合計量が、樹脂組成物の固形分100質量%中、0.01質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上である。また本発明のオキソカーボン系化合物と他の色素との合計量の上限は、均一な成膜を容易にする上で、樹脂組成物の固形分100質量%中、25質量以下であることが好ましく、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。
本発明の樹脂組成物は、樹脂溶液の保管時や塗布膜の乾燥時・熱硬化時に酸素が存在すると、オキソカーボン系化合物の構造変化、分解物の発生による吸光特性の変化、可視光透過率の低下などの理由により、樹脂組成物の耐久性が低下するおそれがある。そのため、樹脂溶液の保管時や塗布膜の乾燥工程・熱硬化工程時には酸素濃度が低い方が好ましい。酸素濃度は、10体積%以下が好ましく、より好ましくは1体積%以下であり、さらに好ましくは0.1体積%以下であり、最も好ましくは0.05体積%以下である。
3.2.樹脂成分
本発明の樹脂組成物に含まれる樹脂成分は、上記オキソカーボン系化合物を十分に溶解又は分散できるものであれば、特に制限されず、公知の樹脂を用いることができる。また樹脂成分としては、重合が完結した樹脂のみならず、樹脂原料(樹脂の前駆体や該前駆体の原料、樹脂を構成する単量体などを含む)であって、樹脂組成物を成形する際に重合反応または架橋反応して樹脂に組み込まれることとなるものを用いることもできる。ただし、本発明のオキソカーボン系化合物の構造または他の色素を用いる場合には他の色素の構造によっては、重合反応で得られた反応液中に存在する、未反応物、反応性末端官能基、イオン性基、触媒、酸・塩基性基等により、その構造の一部又は全部が分解してしまうこともあり得るので、そのような場合には、重合が完結し、単離(必要に応じて精製)された樹脂を用いることが望ましい。
樹脂成分として用いることのできる樹脂としては、例えば、ポリ(アミド)イミド樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリルウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂)、ポリシクロオレフィン樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド樹脂(例えば、ナイロン)、アラミド樹脂、ポリイミド系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、ポリスルホン樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等)、ブチラール樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体);(メタ)アクリルシリコーン系樹脂、アルキルポリシロキサン系樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンウレタン樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、シリコーンアクリル樹脂等の変性シリコーン樹脂;フッ素化芳香族ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、フッ素化ポリアリールエーテルケトン(FPEK)、フッ素化ポリイミド(FPI)、フッ素化ポリアミド酸(FPAA)、フッ素化ポリエーテルニトリル(FPEN))等のフッ素系樹脂;等が挙げられる。これら樹脂成分は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
樹脂成分として用いることのできる樹脂としては、上記の中でも、溶剤可溶性樹脂が好ましい。樹脂成分が溶剤可溶性樹脂であれば、得られた樹脂組成物を塗料化でき、例えばスピンコート法や溶媒キャスト法等により成膜することで、面状成形体(フィルム等を含む)を容易に作製することが可能になる。なお、本明細書において溶剤可溶性樹脂とは、有機溶剤に可溶な樹脂を意味し、例えば用いる有機溶媒100質量部に対し、1質量部以上溶解する樹脂が好ましい。
溶剤可溶性樹脂としては、熱可塑性樹脂を用いてもよく、硬化性樹脂を用いてもよく、特に熱可塑性樹脂が好ましい。樹脂の貯蔵安定性、乾燥工程での透過率変化の抑制の観点からは、可塑性樹脂が好ましく、塗膜の耐熱性、硬度、耐溶剤性の観点からは、硬化性樹脂が好ましい。
溶剤可溶性樹脂としては、例えば、ポリ(アミド)イミド樹脂、フッ素化芳香族ポリマー、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂などが挙げられ、溶剤可溶性樹脂として用いられる硬化性樹脂としては、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、フェノール系樹脂などが挙げられる。溶剤可溶性樹脂は、ポリ(アミド)イミド樹脂、フッ素化芳香族ポリマー、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種が好ましく、より好ましくは、ポリ(アミド)イミド樹脂、フッ素化芳香族ポリマー、(メタ)アクリル系樹脂から選ばれる少なくとも1種である。以下、これらの樹脂について詳述する。
3.2.1.ポリ(アミド)イミド樹脂
まず、本明細書で言うポリ(アミド)イミド樹脂は、狭義のポリイミド樹脂(イミド結合を含み、アミド結合を含まない樹脂を意味し、ここでいうアミド結合とは、アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得ないアミド結合を意味する)、及び、ポリアミドイミド樹脂(アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得ないアミド結合とイミド結合とを含む樹脂を意味する)の両方を包含する。
ポリイミド樹脂におけるイミド結合は、通常、アミド結合とそれに隣接するカルボキシル基とを有する結合鎖(本発明では、該結合鎖をアミック酸ともいう。通常は、アミド結合が結合した炭素原子に隣接する炭素原子にカルボキシル基が結合した構造である)におけるアミド結合とカルボキシル基との脱水反応により形成される。ポリアミック酸から脱水反応によりポリイミド樹脂を生成させる際、分子内に若干量のアミック酸は残存し得る。したがって、本発明で「ポリイミド樹脂」という場合は、イミド結合を含み、アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得ないアミド結合は含まないが、アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得るアミド結合は含まないか若干量含んでいてもよい。ポリイミド樹脂におけるイミド結合含有率(イミド化反応によりイミド化し得るアミド結合数とイミド結合数の合計量100モル%に対するイミド結合数の割合)が80モル%以上であるポリイミド樹脂が好ましい。より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上、特に好ましくは98モル%以上である。
ポリアミドイミド樹脂は、アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得ないアミド結合とイミド結合とを含むものであるが、アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得るアミド結合については、含まないか若干量含んでいてもよい。アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得るアミド結合を含む場合、アミド結合数(脱水反応によりイミド結合を形成し得ないアミド結合数と脱水反応によりイミド結合を形成し得るアミド結合数との和)とイミド結合数との合計量100モル%に対する、アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得るアミド結合の含有率は、20モル%未満が好ましい。より好ましくは10モル%未満、さらに好ましくは5モル%未満、特に好ましくは2モル%未満である。
ポリ(アミド)イミド樹脂は、芳香環が少ないことが、高い透明性を得られる点で好ましく、例えば、ポリ(アミド)イミド樹脂の全質量100%中の芳香環の質量は、65%以下であることが好ましく、より好ましくは45%以下、さらに好ましくは30%以下である。
ポリ(アミド)イミド樹脂としては、例えば、下記式(10):
(式中、Rp1は、同一又は異なって、有機基を表す。)で表される繰り返し単位を有する化合物が好適である。
上記式(10)におけるRp1としては、2価の有機基が好ましく、中でも、炭素数2〜39の2価の有機基が好ましい。また、当該有機基は1種又は2種以上の炭化水素骨格を含むものが好ましい。炭化水素骨格としては、脂肪族鎖状炭化水素、脂肪族環状炭化水素、芳香族炭化水素であることが好ましい。また当該有機基は複素環骨格を有するものであってもよい。
上記式(10)におけるRp1としてはまた、上記の炭化水素骨格及び/又は複素環骨格から選ばれる、同一又は異なる2種以上を有し、それらが炭素−炭素結合を介して、又は、炭素−炭素結合とは異なる結合基を介して、結合した骨格を含むものが好ましい。結合基としては、例えば、−O−、−SO2−、−CO−、−Si(CH32−、−C24O−、−S−等が挙げられる。なお、上記式(10)で表される繰り返し単位におけるそれぞれのRp1は、同一であっても異なるものであってもよい。
上記Rp1で表される有機基は窒素原子に直接結合していてもよいし、結合基として、−O−、−SO2−、−CO−、−CH2−、−C(CH32−、−Si(CH32−、−C24O−、−S−等を有していてもよい。なお、式(10)におけるシクロヘキシル環における水素原子の一部又は全部が置換されていてもよいが、無置換(全て水素原子である形態)であるものが好ましい。上記式(10)で表される繰り返し単位は、同一でも異なっていてもよく、ブロック状、ランダム状等の何れの形態であってもよい。
上記ポリ(アミド)イミド樹脂の中で好ましいものとしては、例えば、下記式(10−1):
で表される繰り返し単位を有する化合物が挙げられる。
ポリ(アミド)イミド樹脂は、多価カルボン酸化合物と、多価アミン化合物及び/又は多価イソシアネート化合物との反応により得られるポリ(アミド)イミド樹脂の原料(「ポリ(アミド)イミド前駆体」と称すこともある)を、イミド化反応して得ることができる。
3.2.2.フッ素化芳香族ポリマー
フッ素化芳香族ポリマーとしては、少なくとも1以上のフッ素原子を有する芳香族環と、エーテル結合、ケトン結合、スルホン結合、アミド結合、イミド結合及びエステル結合の群より選ばれた少なくとも1つの結合とを含む繰り返し単位により構成された重合体等が挙げられ、具体的には、例えば、フッ素原子を有する芳香族環を持つポリイミド、ポリエーテル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドエーテル、ポリアミド、ポリエーテルニトリル、ポリエステル等が挙げられる。これらの中でも、少なくとも1つ以上のフッ素原子を有する芳香族環と、エーテル結合とを含む繰り返し単位を必須単位として有する重合体であることが好ましく、下記式(11−1)又は(11−2)で表される繰り返し単位を含む、フッ素原子を有するポリエーテルケトンがより好ましい。中でも特に、フッ素化ポリエーテルケトン(FPEK)が好適である。なお、式(11−1)又は(11−2)で表される繰り返し単位は、同一でも異なっていてもよく、ブロック状、ランダム状等の何れの形態であってもよい。
上記式(11−1)中、Rq1は炭素数1〜150の芳香族環を有する2価の有機鎖を表す。Zは2価の鎖又は直接結合を表す。x及びyは0以上の整数であり、x+y=1〜8を満たし、同一又は異なって芳香族環に結合しているフッ素原子の数を表す。nは、重合度を表し、2〜5000の範囲内が好ましく、5〜500の範囲内がより好ましい。
上記式(11−2)中、Rq2は、置換基を有していてもよい、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数6〜20のアリールアミノ基又は炭素数6〜20のアリールチオ基を表す。Rq3は、炭素数1〜150の芳香族環を有する2価の有機鎖を表す。zは、芳香族環に結合しているフッ素原子の数であり、1又は2である。n1は、重合度を表し、2〜5000の範囲内が好ましく、5〜500の範囲内がより好ましい。
上記式(11−1)において、x+yは2〜8の範囲内が好ましく、4〜8の範囲内がより好ましい。また、エーテル構造部分(−O−Rq1−O−)が芳香族環に結合する位置としては、Zに対してパラ位であることが好ましい。
上記式(11−1)及び(11−2)において、Rq1及びRq3は2価の有機鎖であるが、例えば、下記の構造式群(11−3)で表されるいずれか一つ、又は、その組み合わせの有機鎖であることが好ましい。
上記構造式群(11−3)中、Y1〜Y4は、同一若しくは異なって、水素原子又は置換基を表し、該置換基は、ハロゲン原子、又は、置換基を有していてもよい、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアミノ基若しくはアリールチオ基を表す。
上記Rq1及びRq3のより好ましい具体例としては、下記の構造式群(11−4)で表される有機鎖が挙げられる。
上記式(11−1)において、Zは、2価の鎖又は直接結合していることを表す。当該2価の鎖としては、例えば、下記構造式群(11−5)で表される鎖であることが好ましい。
上記構造式群(11−5)中、Xは、炭素数1〜50の2価の有機鎖であるが、例えば、上述した構造式群(11−4)で表される有機鎖が挙げられ、その中でもジフェニルエーテル鎖、ビスフェノールA鎖、ビスフェノールF鎖、フルオレン鎖が好ましい。
上記式(11−2)中のRq2において、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基等が好適である。
上記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、フルフリルオキシ基、アリルオキシ基等が好適である。
上記アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基等が好適である。
上記アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、iso−プロピルチオ基等が好適である。
上記アリール基としては、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、o−、m−又はp−トリル基、2,3−又は2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニリル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、ピレニル基等が好適である。
上記アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、ヒドロキシ安息香酸及びそのエステル類(例えば、メチルエステル、エチルエステル、メトキシエチルエステル、エトキシエチルエステル、フルフリルエステル及びフェニルエステル等)由来の基、ナフトキシ基、o−、m−又はp−メチルフェノキシ基、o−、m−又はp−フェニルフェノキシ基、フェニルエチニルフェノキシ基、クレソチン酸及びそのエステル類由来の基等が好適である。
上記アリールアミノ基としては、アニリノ基、o−、m−又はp−トルイジノ基、1,2−又は1,3−キシリジノ基、o−、m−又はp−メトキシアニリノ基、アントラニル酸及びそのエステル類由来の基等が好適である。
上記アリールチオ基としては、フェニルチオ基、フェニルメタンチオ基、o−、m−又はp−トリルチオ基、チオサリチル酸及びそのエステル類由来の基等が好適である。
上記Rq2としては、これらのうち、置換基を有していてもよい、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基が好ましい。但し、Rq2には、二重結合又は三重結合が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
上記式(11−2)中のRq2における置換基としては、上述のような炭素数1〜12のアルキル基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;シアノ基、ニトロ基、カルボキシエステル基等が好適である。また、これら置換基の水素がハロゲン化されていてもよいし、されていなくてもよい。これらの中でも、好ましくは、ハロゲン原子、水素がハロゲン化されていてもよいし、されていなくてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基及びカルボキシエステル基である。
3.2.3.(メタ)アクリル系樹脂
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルおよび/または(メタ)アクリル酸由来の単位を必須の構成単位として有し、(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸の誘導体に由来する構成単位を有していてもよい。なお「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および/または「メタクリル」を意味するものとする。
(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸エステル誘導体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等の(メタ)アクリル酸とヒドロキシ炭化水素とのエステル類((メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸アラルキル等)、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルオキシエチル等のエーテル結合導入誘導体;(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル等のハロゲン導入誘導体;ヒドロキシ基導入誘導体;アリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;ビニル基含有(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等の(メタ)アクリル酸類;メタクリル酸メチル、クロトン酸等のアルキル化(メタ)アクリル酸類;2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸等のヒドロキシアルキル化(メタ)アクリル酸類等が挙げられる。これらの中でも特に、耐熱性及び透明性の観点からは、メタクリル酸メチルが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル(単位)、(メタ)アクリル酸(単位)およびこれらの誘導体(単位)は、それぞれ1種のみ有していてもよいし2種以上有していてもよい。
前記ヒドロキシ基導入誘導体には、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル類;2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸アルキル(例えば、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸イソプロピル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸n−ブチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸t−ブチル等)、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸アルキル(例えば、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチル等)の2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸アルキルが含まれる。
(メタ)アクリル系樹脂は、上述した(メタ)アクリル酸系モノマーを他のモノマーと共重合することによって導入される他の構成単位を有していてもよい。(メタ)アクリル酸系モノマーを他のモノマーと共重合することによって、(メタ)アクリル系樹脂のガラス転移温度を高めることができる。他のモノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、α−ヒドロキシメチルスチレン、α−ヒドロキシエチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタリルアルコール、アリルアルコール、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、酢酸ビニル、2−ヒドロキシメチル−1−ブテン、メチルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等の重合性二重結合を有する単量体が挙げられる。これら他のモノマー(単位)は1種のみを有していてもよいし2種以上有していてもよい。
(メタ)アクリル系樹脂の全構成単位における、(メタ)アクリル酸系モノマーに由来する構成単位(すなわち、(メタ)アクリル酸エステル単位、(メタ)アクリル酸単位およびこれら誘導体に由来する構成単位)の合計割合は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。上限は特になく、最も好ましくは100質量%である。
(メタ)アクリル系樹脂を構成する主鎖には、環構造が含まれていることが好ましい。(メタ)アクリル系樹脂における主鎖環構造は、特に限定されず、−(C=O)N−結合、(C=O)−O−結合などのカルボニル基含有結合を利用した環構造であってもよく、カルボニル基を含まない環構造であってもよい。カルボニル基を含む環構造としては、例えば、ラクトン環構造、無水グルタル酸構造、グルタルイミド構造、無水マレイン酸構造、N−置換マレイミド構造等が挙げられる。より好ましくは、ラクトン環構造、無水グルタル酸構造、グルタルイミド構造のいずれかであり、特に好ましくはラクトン環構造である。
前記ラクトン環構造は、特に限定されず、例えば、4員環から8員環のいずれであってもよいが、環構造の安定性に優れることから5員環または6員環であることが好ましく、6員環であることがより好ましい。6員環であるラクトン環構造としては、例えば、特開2004−168882号公報に開示されている構造が挙げられるが、ラクトン環構造の導入が容易であること、具体的には、前駆体(ラクトン環化前の重合体)の重合収率が高いこと、前駆体の環化縮合反応におけるラクトン環含有率を高めることができること、メタクリル酸メチル単位を構成単位として有する重合体を前駆体にできること、等の理由から下記式(12−1)に示される構造が特に好ましい。
上記式(12−1)において、Rs1、Rs2およびRs3は、互いに独立して、水素原子または炭素数1から20の有機基であり、当該有機基は酸素原子を含んでいてもよい。
式(12−1)における有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1から20の飽和脂肪族炭化水素基(アルキル基等)、エテニル基、プロペニル基等の炭素数2から20の不飽和脂肪族炭化水素基(アルケニル基等)、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から20の芳香族炭化水素基(アリール基等)のほか、これら飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基における水素原子の一つ以上が、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エーテル基およびエステル基から選ばれる少なくとも1種類の基により置換された基等が挙げられる。
前記ラクトン環構造は、例えば、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸系モノマーAと、(メタ)アクリル酸系モノマーBとを重合(好ましくは共重合)して分子鎖にヒドロキシ基とエステル基またはカルボキシル基とを導入した後、これらヒドロキシ基とエステル基またはカルボキシル基との間で脱アルコールまたは脱水環化縮合を生じさせることにより形成できる。重合成分として、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸系モノマーAは必須であり、(メタ)アクリル酸系モノマーBは前記モノマーAを包含する。モノマーBはモノマーAと一致していてもよいし、一致しなくてもよい。モノマーBがモノマーAと一致する時には、モノマーAの単独重合となる。
詳しくは、主鎖にラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系重合体は、例えば、特開2006−96960号公報、特開2006−171464号公報、特開2007−63541号公報に記載の方法により製造できる。
前記無水グルタル酸構造または前記グルタルイミド構造としては、例えば、下記式(12−2)に示される構造(下記式(12−2)において、Xs1が酸素原子である場合には無水グルタル酸構造となり、Xs1が窒素原子である場合にはグルタルイミド構造となる)が好ましく挙げられる。
上記式(12−2)におけるRs4、Rs5は、互いに独立して、水素原子またはメチル基であり、Xs1は酸素原子または窒素原子である。Xs1が酸素原子であるとき、Rs6は存在せず、Xs1が窒素原子のとき、Rs6は、水素原子、炭素数1から6の直鎖アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基)、シクロペンチル基、シクロヘキシル基またはフェニル基である。
上記式(12−2)におけるXs1が酸素原子である無水グルタル酸構造は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体を分子内で脱アルコール環化縮合させることにより形成できる。
上記式(12−2)におけるXs1が窒素原子であるグルタルイミド構造は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル重合体をメチルアミン等のイミド化剤によりイミド化することにより形成できる。
詳しくは、主鎖に無水グルタル酸構造あるいはグルタルイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、WO2007/26659号公報、WO2005/108438号公報に記載の方法により製造できる。
前記無水マレイン酸構造または前記N−置換マレイミド構造としては、例えば、下記式(12−3)に示される構造(下記式(12−3)において、Xs2が酸素原子である場合には無水マレイン酸構造となり、Xs2が窒素原子である場合にはN−置換マレイミド構造となる)が好ましく挙げられる。
上記式(12−3)におけるRs7、Rs8は、互いに独立して、水素原子またはメチル基であり、Xs2は酸素原子または窒素原子である。Xs2が酸素原子であるとき、Rs9は存在せず、Xs2が窒素原子のとき、Rs9は、水素原子、炭素数1から6の直鎖アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基)、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基またはフェニル基である。
上記式(12−3)におけるXs2が酸素原子である無水マレイン酸構造は、例えば、無水マレイン酸を(メタ)アクリル酸エステル等とともに重合に供することにより形成できる。
上記式(12−3)におけるXs2が窒素原子であるN−置換マレイミド構造は、例えば、N−フェニルマレイミド等のN−置換マレイミドを(メタ)アクリル酸エステル等とともに重合に供することにより形成できる。
詳しくは、主鎖に無水マレイン酸構造あるいはN−置換マレイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、特開昭57−153008号公報、特開2007−31537号公報に記載の方法により製造できる。
3.3.溶媒
本発明に係る樹脂組成物には、塗工操作を簡便に実施する観点から、溶媒を含有させることができる。
使用できる溶媒としては、樹脂成分の種類等に応じて適宜選択すればよいが、例えば、メチルエチルケトン(2−ブタノン)(双極子モーメント:2.76D)、メチルイソブチルケトン(4−メチル−2−ペンタノン)(双極子モーメント:2.56D)、シクロペンタノン、シクロヘキサノン(双極子モーメント:3.01D)等のケトン類;PGMEA(2−アセトキシ−1−メトキシプロパン)、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(双極子モーメント:2.08D)、エチレングリコールモノエチルエーテル(双極子モーメント:2.08D)、エチレングリコールエチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体(例えば、エーテル化合物、エステル化合物、エーテルエステル化合物等);N,N−ジメチルアセトアミド(双極子モーメント:3.72D)等のアミド類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;N−メチル−ピロリドン(より具体的には、1−メチル−2−ピロリドン(双極子モーメント:4.08D))等のピロリドン類;トルエン(双極子モーメント:0.37D)、キシレン等の芳香族炭化水素類;シクロヘキサン、ヘプタン(双極子モーメント:0.0D)等の脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン(双極子モーメント:1.70D)、ジオキサン、ジエチルエーテル(双極子モーメント:1.12D)、ジブチルエーテル(双極子モーメント:1.22D)等のエーテル類;クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン(双極子モーメント:2.27D)等の含ハロゲン芳香族炭化水素類から選ばれる少なくとも1種以上が好ましく挙げられる。オキソカーボン系化合物は双極子モーメントが小さい溶媒に対して高い耐久性を有する。そのため、双極子モーメントが4D以下である溶媒が好ましく、双極子モーメントが3.5D以下である溶媒がより好ましく、3D以下である溶媒が特に好ましい。このような溶媒の具体例として、例えば、o−ジクロロベンゼン、シクロペンタノン、PGMEA、エチルシクロヘキサン、キシレン、トルエン、トリメチルベンゼン、リモネンなどが挙げられる。
溶媒の使用量は、通常、樹脂組成物(溶媒を含む全量)100質量%中、50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは70質量%以上であり、97質量%以下であることが好ましい。溶媒使用量が前記範囲内であれば、上記オキソカーボン系化合物濃度が十分に高い樹脂組成物を得ることが可能となる。特に、溶媒としてアミド類を単独又は他の溶媒と併用して用いる場合には、アミド類が上記オキソカーボン系化合物を分解する虞があるため、アミド類の使用量は少ない方が好ましく、特に好ましいのは含まないことである。具体的には、アミド類の使用量は、樹脂組成物(溶媒を含む全量)100質量%中、60質量%以下が好ましく、より好ましくは40質量%以下であり、更に好ましくは20質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以下であり、最も好ましくは0質量%である(すなわち、アミド類を含まない)。
3.4.各種添加剤
本発明に係る樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、紫外線吸収剤、可塑剤、界面活性剤、分散剤、表面張力調整剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、比抵抗調整剤、密着性向上剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。
4.成形体、面状成形体
本発明に係る成形体および面状成形体は、上記本発明の樹脂組成物からなる。例えば、本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物を射出成形、押出成形、真空成形、圧縮成形、ブロー成形、溶媒キャスト法などの公知の方法で所定の形状に成形することにより得られる。本発明においては、特に、フィルム状もしくは板状に成形されたものを「面状成形体」という。さらに本発明における「面状成形体」には、支持体上に形成された膜状の本発明の樹脂組成物成形物と支持体とが一体となったもの(「積層シート」と称することもある)も包含される。
本発明に係る成形体または面状成形体の形状は、特に限定されるものではないが、面状成形体であれば、例えば、厚さ200μm未満のフィルム、厚さ200μm以上の板状物が挙げられる。
前記積層シートは、例えば、塗料化した樹脂組成物を支持体上にスピンコート法や溶媒キャスト法により塗布し、乾燥又は硬化させることにより形成する方法や、支持体に対して樹脂組成物から形成された樹脂フィルムを熱圧着することにより形成する方法のほか、練込法等により製造できる。樹脂組成物により形成される部分の膜厚は特に限定されないが、例えば0.5μm以上、5μm以下であることが好適であり、より好ましくは1μm以上、3μm以下である。支持体としては、樹脂板、フィルム、ガラス板等を用いることができるが、好ましくはフィルムである。支持体フィルムは、例えば、好適な樹脂成分として上述した樹脂で形成されたものが好ましい。このような積層シートは、例えば、オプトデバイス用途、表示デバイス用途、機械部品、電気・電子部品等の様々な用途で用いられるフィルターとして好ましく使用できる。
5.吸収スペクトルにおける特徴
本発明のオキソカーボン系化合物およびこれを含む本発明の樹脂組成物とその成形体は、可視・近赤外領域の吸収スペクトルにおけるショルダーピークが無い(又は大幅に低減された)ものであり、それにより吸収極大領域の光をより選択的に吸収する。
本発明のオキソカーボン系化合物およびこれを含む本発明の樹脂組成物とその成形体は、可視・近赤外領域の吸収スペクトルを吸収極大の吸光度が1.000となるように補正したチャートにおいて、吸光度が0.1となるときの波長(λ0.1)から吸光度が0.5となるときの波長(λ0.5)までのピーク面積(図2中のS1)をS1とし、吸光度が0.5となるときの波長(λ0.5)から吸光度が1となるときの波長(λ1)までのピーク面積(図2中のS2)をS2としたときに、下記式:X=S2/S1で示される面積比Xが128以上であることが好ましく、より好ましくは130以上である。ショルダーピークは、通常、ピークの立ち上がりから吸光度が0.5となるまでの吸収領域(面積S1の領域)に見られるものであり、この吸収領域の面積(面積S1)が小さいほど(換言すれば、面積比Xが大きいほど)、ショルダーピークが低減されていることを示し、吸収極大領域の光をより選択的に吸収するのに有利となる。
本発明におけるオキソカーボン系化合物の極大吸収波長(λmax)は、スクアリリウム系化合物の場合、好ましくは550〜1000nm(より好ましくは600〜900nm)であり、クロコニウム系化合物の場合、好ましくは700〜1200nm(より好ましくは750〜1100nm)である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
なお、合成された化合物は以下の方法で分析し、その構造を特定した。すなわち、得られた化合物約1mgをガラス棒に塗布して付着させ、直接イオン化ユニット(DART)(島津製作所社製「DART−OS」、ヒーター温度500℃)にてイオン化し、質量分析計(島津製作所社製「LCMS−2020」、M/Z=50−2000、ポジティブ,ネガティブ同時スキャン)により、得られた化合物のMSスペクトルを測定した。
(実施例1−1)
以下のスキームに基づきスクアリリウム化合物01を合成した。詳細は、以下の通りである。
1)中間原料01(4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
300mLの四口フラスコに、フェニルヒドラジン塩酸塩14.46g(0.100mol)及び2−メチルシクロヘキサノン11.22g(0.100mol)からなる原料組成物と、溶媒として酢酸130gとを加え、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら還流条件にて2時間反応させた。反応終了後、分液漏斗に反応液と酢酸エチル200mL及び水300mLとを加えて激しく攪拌して有機相のみを抽出し、抽出した有機相に硫酸マグネシウム(無水)を加えて脱水した。この有機相から固形物(無機分)をろ別した後、エバポレーターを用いて溶媒を溜去した。溶媒溜去後、真空乾燥機を用いてさらに60℃で12時間乾燥し、中間原料01(4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を12.50g(フェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:67.5mol%)得た。
2)スクアリリウム化合物01の合成
500mLの四口フラスコに、上記で得られた12.50g(0.068mol)の中間原料01、スクアリン酸3.31g(0.029mmol)、1−ブタノール130g、及びトルエン130gを加え、窒素流通下(10mL/min)、マグネチックスターラーを用いて攪拌し、かつディーンスターク装置を用いて溶出してくる水を取り除きながら、還流条件にて3時間反応させた。反応終了後、エバポレーターにより溶媒を溜去した後、メタノール50gを加えて還流条件にて30分間攪拌しながら晶析・洗浄処理を行った。溶液を室温まで冷却した後、ろ過によって得られたケーキを真空乾燥機を用いて60℃で12時間乾燥し、目的物であるスクアリリウム化合物01を8.0g(スクアリン酸に対する収率:62.3mol%)得た。
得られた化合物について上記方法でMSスペクトルを測定したところ、図1に示すようにポジティブ、ネガティブモードともに目的物由来のシグナルが検出され、表1に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−2)
1)中間原料02(4a−(sec−ブチル)−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、フェニルヒドラジン塩酸塩4.34g(0.03mol)及び2−sec−ブチルシクロヘキサノン4.63g(0.03mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料02(4a−(sec−ブチル)−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を3.57g(フェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:52.3mol%)得た。
2)スクアリリウム化合物02の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料02を0.28g(0.001mol)用い、スクアリン酸の量を0.06g(0.001mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物02を0.15g(スクアリン酸に対する収率:46.4mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−3)
1)中間原料03(4a−イソプロピル−2−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−2−オール)の合成
原料組成物として、フェニルヒドラジン塩酸塩0.45g(0.004mol)及び5−ヒドロキシ−2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサノン0.70g(0.004mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料03(4a−イソプロピル−2−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−2−オール)を0.51g(フェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:50.9mol%)得た。
2)スクアリリウム化合物03の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料03を0.43g(0.002mol)用い、スクアリン酸の量を0.10g(0.001mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物03を0.02g(スクアリン酸に対する収率:4.0mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−4)
1)中間原料04(4a−イソプロピル−2−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、フェニルヒドラジン塩酸塩2.16g(0.020mol)及び2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサノン3.09g(0.020mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料04(4a−イソプロピル−2−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を4.05g(フェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:89.1mol%)得た。
2)スクアリリウム化合物04の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料04を4.05g(0.018mol)用い、スクアリン酸の量を1.03g(0.009mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物04を0.51g(スクアリン酸に対する収率:10.6mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−5)
1)中間原料05(2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4a−カルボン酸エチル)の合成
原料組成物として、フェニルヒドラジン塩酸塩4.34g(0.03mol)及び2−オキソシクロヘキサンカルボン酸エチル5.11g(0.03mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料05(2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−4a−カルボン酸エチル)を5.44g(フェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:74.5mol%)得た。
2)スクアリリウム化合物05の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料05を1.32g(0.005mol)用い、スクアリン酸の量を0.27g(0.002mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物05を0.32g(スクアリン酸に対する収率:21.3mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−6)
1)中間原料06(4a−フェニル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、フェニルヒドラジン塩酸塩4.09g(0.028mol)及び2−フェニルシクロヘキサノン4.93g(0.028mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料06(4a−フェニル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を5.71g(フェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:81.5mol%)得た。
2)スクアリリウム化合物06の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料06を3.46g(0.014mol)用い、スクアリン酸の量を0.80g(0.007mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物06を1.12g(スクアリン酸に対する収率:28.0mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−7)
1)中間原料07(6,8−ジフルオロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、2,4−ジフルオロフェニルヒドラジン塩酸塩3.97g(0.022mol)及び2−メチルシクロヘキサノン4.94g(0.044mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料07(6,8−ジフルオロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を4.63g(2,4−ジフルオロフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:95.1mol%)得た。
2)スクアリリウム化合物07の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料07を4.43g(0.020mol)用い、スクアリン酸の量を1.14g(0.010mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物07を0.80g(スクアリン酸に対する収率:15.6mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−8)
1)中間原料08(6,8−ジクロロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、2,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩1.71g(0.008mol)及び2−メチルシクロヘキサノン1.08g(0.01mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料08(6,8−ジクロロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を2.07g(2,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:89.7mol%)得た。
2)スクアリリウム化合物08の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料08を1.91g(0.008mol)用い、スクアリン酸の量を0.43g(0.004mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物08を0.80g(スクアリン酸に対する収率32.6mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−9)
1)中間原料09(5,7−ジクロロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、3,5−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩1.93g(0.009mol)及び2−メチルシクロヘキサノン1.22g(0.011mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料09(5,7−ジクロロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を2.09g(3,5−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:91.0mol%)得た。
2)スクアリリウム化合物09の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料09を1.27g(0.005mol)用い、スクアリン酸の量を0.29g(0.003mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物09を0.30g(スクアリン酸に対する収率:19.8mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−10)
1)中間原料10−1(2,4,5−トリクロロフェニルヒドラジン塩酸塩)の合成
500mLの四口フラスコに塩酸100mLを加え氷水浴で内温を5℃以下に冷却した。次いで、内温が5℃を超えないように、2,4,5−トリクロロアニリン8.64g(0.044mol)を加えて溶解させた。発熱が収まった後に、内温5℃以下を維持したまま、亜硝酸ナトリウム3.28g(0.048mol)と蒸留水25gとの混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに塩化スズ・2水和物49.64g(0.220mol)と塩酸50mLの混合液を、内温5℃以下を維持したまま1時間かけて滴下した。反応終了後、ろ別して得たケーキを真空乾燥機を用いて60℃で12時間乾燥し、中間原料10−1(2,4,5−トリクロロフェニルヒドラジン塩酸塩)を8.50g(2,4,5−トリクロロアニリンに対する収率:78.0mol%)得た。
2)中間原料10−2(5,6,8−トリクロロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、上記で得られた中間原料10−1(2,4,5−トリクロロフェニルヒドラジン塩酸塩)3.69g(0.015mol)及び2−メチルシクロヘキサノン3.34g(0.030mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料10−2(5,6,8−トリクロロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を4.09g(2,4,5−トリクロロフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:95.1mol%)得た。
3)スクアリリウム化合物10の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料10−2を4.33g(0.015mol)用い、スクアリン酸の量を0.86g(0.008mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物10を1.30g(スクアリン酸に対する収率:26.3mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−11)
1)中間原料11−1(2,4−ジブロモフェニルヒドラジン塩酸塩)の合成
2,4,5−トリクロロアニリンに代えて、2,4−ジブロモアニリンを用いたこと以外は、実施例1−10(中間原料10−1の合成)と同様の手法により、中間原料11−1(2,4−ジブロモフェニルヒドラジン塩酸塩)を10.20g(2,4−ジブロモアニリンに対する収率:84.3mol%)得た。
2)中間原料11−2(6,8−ジブロモ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、上記で得られた中間原料11−1(2,4−ジブロモフェニルヒドラジン塩酸塩)12.10g(0.040mol)及び2−メチルシクロヘキサノン6.73g(0.060mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料11−2(6,8−ジブロモ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を10.81g(2,4−ジブロモフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率78.8mol%)得た。
3)スクアリリウム化合物11の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料11−2を10.63g(0.031mol)用い、スクアリン酸の量を1.77g(0.016mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物11を3.70g(スクアリン酸に対する収率:31.2mol%)を得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−12)
1)中間原料12−1(4−メチルチオフェニルヒドラジン塩酸塩)の合成
2,4,5−トリクロロアニリンに代えて、4−メチルチオアニリンを用いたこと以外は、実施例1−10(中間原料10−1の合成)と同様の手法により、中間原料12−1(4−メチルチオフェニルヒドラジン塩酸塩)を5.50g(4−メチルチオアニリンに対する収率:65.7mol%)得た。
2)中間原料12−2(4a−メチル−6−(メチルチオ)−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、上記で得られた中間原料12−1(4−メチルチオフェニルヒドラジン塩酸塩)2.86g(0.015mol)及び2−メチルシクロヘキサノン1.68g(0.015mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料12−2(4a−メチル−6−(メチルチオ)−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を2.52g(4−メチルチオフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:72.6mol%)得た。
3)スクアリリウム化合物12の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料12−2を2.31g(0.010mol)用い、スクアリン酸の量を0.57g(0.005mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物12を0.50g(スクアリン酸に対する収率:17.4mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−13)
1)中間原料13(4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボン酸)の合成
原料組成物として、2−カルボキシフェニルヒドラジン塩酸塩4.53g(0.024mol)及び2−メチルシクロヘキサノン2.69g(0.024mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料13(4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−8−カルボン酸)を4.93g(2−カルボキシフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:89.6mol%)得た。
2)スクアリリウム化合物13の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料13を3.44g(0.015mol)用い、スクアリン酸の量を0.86g(0.008mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物13を2.40g(スクアリン酸に対する収率:58.6mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−14)
1)中間原料14(4a−メチル−6−ニトロ−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、4−ニトロフェニルヒドラジン塩酸塩4.45g(0.023mol)及び2−メチルシクロヘキサノン5.16g(0.046mol)を用いたこと、および、溶媒として、酢酸と塩酸との混合液(混合比率は質量比で1:1)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料14(4a−メチル−6−ニトロ−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を5.05g(4−ニトロフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:95.4mol%)得た。
2)スクアリリウム化合物14の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料14を4.00g(0.017mol)用い、スクアリン酸の量を0.99g(0.009mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物14を3.10g(スクアリン酸に対する収率:65.5mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−15)
1)中間原料15(6b−メチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6bH−ベンゾ[a]カルバゾール)の合成
原料組成物として、1−ナフチルヒドラジン塩酸塩2.00g(0.01mol)及び2−メチルシクロヘキサノン2.31g(0.021mol)を用いたこと、および、溶媒として、酢酸と塩酸との混合液(混合比率は質量比で1:1)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料15(6b−メチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6bH−ベンゾ[a]カルバゾール)を1.50g(1−ナフチルヒドラジン塩酸塩に対する収率:62.0mol%)得た。
2)スクアリリウム化合物15の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料15を1.41g(0.006mol)用い、スクアリン酸の量を0.34g(0.003mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物15を0.40g(スクアリン酸に対する収率:23.1mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−16)
1)中間原料16(8b−シクロペンチル−1,2,3,8b−テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール)の合成
原料組成物として、フェニルヒドラジン塩酸塩4.34g(0.030mol)及び2−シクロペンチルシクロペンタノン4.57g(0.030mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料16(8b−シクロペンチル−1,2,3,8b−テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール)を1.57g(フェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:23.2mol%)得た。
2)スクアリリウム化合物16の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料16を0.94g(0.004mol)用い、スクアリン酸の量を0.24g(0.002mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物16を0.495g(スクアリン酸に対する収率:22.5mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−17)
1)中間原料17−1(2−メチルシクロヘプタノン)の合成
300mLの四口フラスコに、水酸化カリウム7.21g(0.120mol)およびジメチルスルホキシド150ccを加え、室温下で30分間攪拌した。次いで、ヨードメタン5.68g(0.040mol)とシクロヘプタノン4.49g(0.040mol)の混合液を滴下して、内温が40℃となるよう加温し、2時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、分液漏斗に反応液と酢酸エチル200mL及び水300mLとを加えて激しく攪拌し、有機相のみを抽出し、抽出した有機相に硫酸マグネシウム(無水)を加えて脱水した。この有機相から固形分(無機分)をろ別した後、エバポレーターを用いて溶媒を溜去した。溶媒溜去後、真空乾燥機を用いてさらに40℃で12時間乾燥し、中間原料17−1(2−メチルシクロヘプタノン)を2.85g(シクロヘプタノンに対する収率:56.5mol%)得た。
2)中間原料17−2(10a−メチル−6,7,8,9,10,10a−ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール)の合成
原料組成物として、フェニルヒドラジン塩酸塩2.54g(0.024mol)及び上記で得られた中間原料17−1(2−メチルシクロヘプタノン)2.97g(0.024mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料17−2(10a−メチル−6,7,8,9,10,10a−ヘキサヒドロシクロヘプタ[b]インドール)を4.11g(フェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:87.6mol%)得た。
3)スクアリリウム化合物17の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料17−2を2.09g(0.011mol)用い、スクアリン酸の量を0.60g(0.005mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法で反応を行い、得られた反応液をエバポレーターで濃縮し、得られた固形物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、精製された単離物をさらにメタノール中で再結晶して、目的物であるスクアリリウム化合物17を0.04g(スクアリン酸に対する収率:1.5mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−18)
1)中間原料18−1(2−メチルシクロオクタノン)の合成
シクロヘプタノンに代えて、シクロオクタノン5.55g(0.044mol)を用いたこと以外は、実施例1−17(中間原料17−1の合成)と同様の手法により、中間原料18−1(2−メチルシクロオクタノン)を5.75g(シクロオクタノンに対する収率:92.7mol%)を得た。
2)中間原料18−2(11a−メチル−7,8,9,10,11,11a−ヘキサヒドロ−6H−シクロオクタ[b]インドール)の合成
原料組成物として、フェニルヒドラジン塩酸塩4.30g(0.040mol)及び上記で得られた中間原料18−1(2−メチルシクロオクタノン)5.58g(0.040mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料18−2(11a−メチル−7,8,9,10,11,11a−ヘキサヒドロ−6H−シクロオクタ[b]インドール)を7.00g(フェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:82.5mol%)得た。
3)スクアリリウム化合物18の合成
中間原料17−2に代えて、上記で得られた中間原料18−2を3.52g(0.017mol)用い、スクアリン酸の量を0.94g(0.008mol)としたこと以外は、実施例1−17(スクアリリウム化合物17の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物18を0.04g(スクアリン酸に対する収率:0.9mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
(比較例1−1:比較スクアリリウム化合物1の合成)
中間原料01に代えて、2,3,3−トリメチル−3H−インドールを6.98g(0.044mol)用い、スクアリン酸の量を2.5g(0.022mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物である比較スクアリリウム化合物1を7.63g(スクアリン酸に対する収率:87.8mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
(比較例1−2:比較スクアリリウム化合物2の合成)
中間原料01に代えて、2−エチル−3,3−ジメチル−3H−インドールを2.43g(0.014mol)用い、スクアリン酸の量を0.80g(0.007mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物である比較スクアリリウム化合物2を2.30g(スクアリン酸に対する収率:76.1mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表1に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−19)
1)中間原料19(6−クロロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、4−クロロフェニルヒドラジン塩酸塩5.37g(0.030mol)及び2−メチルシクロヘキサノン3.37g(0.030mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料19(6−クロロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を4.73g(4−クロロフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:71.8mol%)得た。
2)スクアリリウム化合物19の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料19を4.61g(0.021mol)用い、スクアリン酸の量を1.20g(0.011mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物19を2.1g(スクアリン酸に対する収率:39.4mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−20)
1)中間原料20(4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−6−カルボン酸)の合成
原料組成物として、4−カルボキシフェニルヒドラジン塩酸塩5.97g(0.031mol)及び2−メチルシクロヘキサノン3.48g(0.031mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料20(4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−6−カルボン酸)を7.06g(4−カルボキシフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:99.3mol%)得た。
2)スクアリリウム化合物20の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料20を3.44g(0.015mol)用い、スクアリン酸の量を0.86g(0.008mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物20を2.0g(スクアリン酸に対する収率:49.7mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−21)
1)中間原料21(4a,6−ジメチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、4−メチルフェニルヒドラジン塩酸塩4.53g(0.028mol)及び2−メチルシクロヘキサノン3.14g(0.028mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料21(4a,6−ジメチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を3.20g(4−メチルフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:57.3mol%)得た。
2)スクアリリウム化合物21の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料21を2.85g(0.010mol)用い、スクアリン酸の量を0.57g(0.005mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物21を1.1g(スクアリン酸に対する収率:46.2mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−22)
1)中間原料22(6−ブロモ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、4−ブロモフェニルヒドラジン塩酸塩5.25g(0.023mol)及び2−メチルシクロヘキサノン2.58g(0.023mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料22(6−ブロモ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を5.68g(4−ブロモフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:93.5mol%)得た。
2)スクアリリウム化合物22の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料22を5.66g(0.015mol)用い、スクアリン酸の量を0.86g(0.008mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物22を2.7g(スクアリン酸に対する収率:60.0mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−23)
1)中間原料23−1(4−トリフルオロメチルフェニルヒドラジン塩酸塩)の合成
2,4,5−トリクロロアニリンに代えて、4−トリフルオロメチルアニリンを用いたこと以外は、実施例1−10(中間原料10−1の合成)と同様の手法により、中間原料23−1(4−トリフルオロメチルフェニルヒドラジン塩酸塩)を8.0g(4−トリフルオロメチルアニリンに対する収率:62.4mol%)得た。
2)中間原料23−2(6−トリフルオロメチル−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、上記で得られた中間原料23−1(4−トリフルオロメチルフェニルヒドラジン塩酸塩)3.47g(0.016mol)及び2−メチルシクロヘキサノン1.79g(0.016mol)を用いたこと以外は、実施例1−14(中間原料14の合成)と同様の手法により、中間原料23−2(6−トリフルオロメチル−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を4.00g(4−トリフルオロメチルフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:98.7mol%)得た。
3)スクアリリウム化合物23の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料23−2を4.00g(0.016mol)用い、スクアリン酸の量を0.90g(0.008mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物23を0.20g(スクアリン酸に対する収率:4.5mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−24)
1)中間原料24−1(2−フェニルフェニルヒドラジン塩酸塩)の合成
2,4,5−トリクロロアニリンに代えて、2−フェニルアニリンを用いたこと以外は、実施例1−10(中間原料10−1の合成)と同様の手法により、中間原料24−1(2−フェニルフェニルヒドラジン塩酸塩)を13.0g(2−フェニルアニリンに対する収率:99.2mol%)得た。
以下のスキームに基づきスクアリリウム化合物24を合成した。詳細は、以下の通りである。
200mLの四口フラスコに、上記で得られた中間原料24−1(2−フェニルフェニルヒドラジン塩酸塩)5.08g(0.023mol)及び2−メチルシクロヘキサノン2.58g(0.023mol)からなる原料組成物と、溶媒として1−ブタノール58gとを加え、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら内温80℃にて6時間反応させた。反応終了後、溶液を室温まで冷却した後、ろ過によって得られたろ液を300mLの四口フラスコに移し、そこへスクアリン酸2.00g(0.018mol)とトルエン92gを加えて、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて攪拌し、かつディーンスターク装置を用いて溶出してくる水を取り除きながら、還流条件にて6時間反応させた。反応終了後、溶液を室温まで冷却した後、ろ過によって得られたケーキをメタノール50gでかけ洗い洗浄した。得られた洗浄ケーキを真空乾燥機を用いて60℃で12時間乾燥し、目的物であるスクアリリウム化合物24を2.45g(スクアリン酸に対する収率:23.2mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−25)
1)中間原料25(6−メトキシ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、4−メトキシフェニルヒドラジン塩酸塩4.99g(0.028mol)及び2−メチルシクロヘキサノン3.14g(0.028mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料25(6−メトキシ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を3.20g(4−メトキシフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:53.1mol%)得た。
2)スクアリリウム化合物25の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料25を2.46g(0.008mol)用い、スクアリン酸の量を0.46g(0.004mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物25を0.30g(スクアリン酸に対する収率:14.7mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−26)
1)中間原料26−1(5−ヒドラジニルキノリン塩酸塩)の合成
2,4,5−トリクロロアニリンに代えて、5−アミノキノリンを用いたこと以外は、実施例1−10(中間原料10−1の合成)と同様の手法により、中間原料26−1(5−ヒドラジニルキノリン塩酸塩)を6.5g(5−アミノキノリンに対する収率:95.6mol%)得た。
2)中間原料26−2(6b−メチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6bH−ピリド[3,2−a]カルバゾール)の合成
原料組成物として、上記で得られた中間原料26−1(5−ヒドラジニルキノリン塩酸塩)6.5g(0.033mol)及び2−メチルシクロヘキサノン3.70g(0.033mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料26−2(6b−メチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6bH−ピリド[3,2−a]カルバゾール)を4.69g(5−ヒドラジニルキノリン塩酸塩に対する収率:60.1mol%)得た。
3)スクアリリウム化合物26の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料26−2を4.25g(0.018mol)用い、スクアリン酸の量を1.03g(0.009mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物26を0.77g(スクアリン酸に対する収率:15.5mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−27)
1)中間原料27−1(8−ヒドラジニルキノリン塩酸塩)の合成
2,4,5−トリクロロアニリンに代えて、8−アミノキノリンを用いたこと以外は、実施例1−10(中間原料10−1の合成)と同様の手法により、中間原料27−1(8−ヒドラジニルキノリン塩酸塩)を11.27g(8−アミノキノリンに対する収率:96.0mol%)得た。
2)中間原料27−2(6b−メチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6bH−ピリド[2,3−a]カルバゾール)の合成
原料組成物として、上記で得られた中間原料27−1(8−ヒドラジニルキノリン塩酸塩)4.99g(0.025mol)及び2−メチルシクロヘキサノン2.80g(0.025mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料27−2(6b−メチル−7,8,9,10−テトラヒドロ−6bH−ピリド[2,3−a]カルバゾール)を3.37g(8−ヒドラジニルキノリン塩酸塩に対する収率:57.0mol%)得た。
3)スクアリリウム化合物27の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料27−2を2.13g(0.009mol)用い、スクアリン酸の量を0.51g(0.005mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物27を1.19g(スクアリン酸に対する収率:48.0mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−28)
1)中間原料28(6−シアノ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、4−シアノフェニルヒドラジン塩酸塩5.43g(0.032mol)及び2−メチルシクロヘキサノン3.59g(0.032mol)を用いたこと以外は、実施例1−14(中間原料14の合成)と同様の手法により、中間原料28(6−シアノ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を1.82g(4−シアノフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:25.9mol%)得た。
2)スクアリリウム化合物28の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料28を1.68g(0.008mol)用い、スクアリン酸の量を0.046g(0.004mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物28を0.15g(スクアリン酸に対する収率:7.2mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−29)
1)中間原料29(6−フルオロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)の合成
原料組成物として、4−フルオロフェニルヒドラジン塩酸塩5.09g(0.031mol)及び2−メチルシクロヘキサノン3.51g(0.031mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料29(6−フルオロ−4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール)を6.15g(4−フルオロフェニルヒドラジン塩酸塩に対する収率:96.7mol%)得た。
2)スクアリリウム化合物29の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料29を6.15g(0.030mol)用い、スクアリン酸の量を1.79g(0.016mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物29を2.7g(スクアリン酸に対する収率:38.9mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
(実施例1−30)
1)中間原料30−1(2−(4−アミノフェニル)ベンゾチアゾール)の合成
200mLの四口フラスコに、2−アミノチオフェノール6.26g(0.05mol)及び4−アミノ安息香酸6.86g(0.05mol)からなる原料組成物と、溶媒としてポリリン酸125gとを加え、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら内温が195℃となるよう加温し、約5時間反応させた。反応終了後、反応液を3M水酸化ナトリウム水溶液約1Lに投入して晶析を行った。析出してきた目的物をろ別し、ケーキを蒸留水約500mlで水洗した。得られたウェットケーキを40℃で12時間乾燥し、中間原料30−1(2−(4−アミノフェニル)ベンゾチアゾール)を10.8g(2−アミノチオフェノールに対する収率:95.3mol%)得た。
2)中間原料30−2(2−(4−ヒドラジニルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール塩酸塩)の合成
2,4,5−トリクロロアニリンに代えて、2−(4−アミノフェニル)ベンゾチアゾールを用いたこと以外は、実施例1−10(中間原料10−1の合成)と同様の手法により、中間原料30−2(2−(4−ヒドラジニルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール塩酸塩)を10.0g(2−(4−アミノフェニル)ベンゾチアゾールに対する収率:81.3mol%)得た。
3)中間原料30−3(2−(4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−6−イル)ベンゾ[d]チアゾール)の合成
原料組成物として、上記で得られた中間原料30−2(2−(4−ヒドラジニルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール塩酸塩)5.56g(0.015mol)及び2−メチルシクロヘキサノン2.96g(0.030mol)を用いたこと以外は、実施例1−1(中間原料01の合成)と同様の手法により、中間原料30−3(2−(4a−メチル−2,3,4,4a−テトラヒドロ−1H−カルバゾール−6−イル)ベンゾ[d]チアゾール)を1.45g(2−(4−ヒドラジニルフェニル)ベンゾ[d]チアゾール塩酸塩に対する収率:30.8mol%)得た。
4)スクアリリウム化合物30の合成
中間原料01に代えて、上記で得られた中間原料30−3を1.45g(0.003mol)用い、スクアリン酸の量を0.24g(0.002mol)としたこと以外は、実施例1−1(スクアリリウム化合物01の合成)と同様の手法により、目的物であるスクアリリウム化合物30を0.9g(スクアリン酸に対する収率:71.6mol%)得た。
得られた化合物を上記方法で分析したところ、表2に示す構造を有することを確認した。
以上で得られたオキソカーボン系化合物(スクアリリウム化合物01〜30)及び比較スクアリリウム化合物1、2の吸収極大波長を以下の方法で測定した。具体的には、得られた化合物約1mgをクロロホルム約3gに溶解して測定用溶液を調製し、この測定用溶液を1cm角の石英製セルに入れ、吸収極大の吸光度が0.950から1.050の範囲に収まるよう必要に応じてクロロホルムを追加して濃度を調整した上で、分光光度計 ((株)島津製作所社製「UV−1800」)を用いて吸収スペクトルを測定した。そして、得られた吸収スペクトルを、吸収極大の吸光度が1.000となるように補正した吸収スペクトルを得た。各化合物の吸収極大波長と面積比Xを表3に示す。また、スクアリリウム化合物01及び比較スクアリリウム化合物1、2の吸収スペクトルを図3に示す。
(実施例2−1)
1)脂環式ポリイミドのジメチルアセトアミド溶液の調製
1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸(東京化成社製:純度98%、Mw=260.20)5質量部と無水酢酸(和光純薬社製)44質量部とをフラスコに仕込み、攪拌しながら反応器内を窒素ガスで置換した。窒素ガス雰囲気下で昇温し、10分間還流させた。次いで、攪拌しながら室温まで冷却して結晶を析出させ、析出した結晶を固液分離、乾燥して、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物の結晶を得た。
次に、温度計、撹拌器、窒素導入管、側管付き滴下ロート、ディーンスターク、冷却管を備えたフラスコに、窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(和光純薬社製:Mw=200.24)8.9質量部と、溶剤としてジメチルアセトアミド76質量部とを仕込み、溶液とした後、上記で得た1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(Mw=224.17)10質量部を、室温下で固体のまま1時間かけて分割投入し、室温下2時間撹拌した。次いで、共沸脱水剤としてトルエン26質量部を添加して、130℃で3時間反応を行い、ディーンスタークで還流して共沸する生成水を分離した。次いで、194℃に昇温しながらキシレンを留去した後、冷却し、脂環式ポリイミドのジメチルアセトアミド溶液を得た。
2)樹脂組成物の調製および面状成形体の作製
上記で得た脂環式ポリイミドのジメチルアセトアミド溶液を、ジメチルアセトアミドで希釈し、樹脂固形分濃度を8質量%に調整した。この8質量%溶液12.31質量部に、実施例1−1で得られたスクアリリウム化合物01を0.015質量部混合し、溶解させた後、得られた溶液をろ過して不溶分等を取り除いて、樹脂組成物01とした。
次に、得られた樹脂組成物をガラス基板上にスピンコートにて塗布し、150℃で20分間焼成して、厚み2μmの塗膜(面状成形体)を作製した。
(実施例2−2〜実施例2−30および比較例2−1〜比較例2−2)
スクアリリウム化合物01に代えて、スクアリリウム化合物02〜スクアリリウム化合物30、比較スクアリリウム化合物1または比較スクアリリウム化合物2を用いたこと以外、実施例2−1と同様にして、樹脂組成物02〜30および樹脂組成物C1、C2を調製し、それぞれ得られた樹脂組成物を用いて、実施例1と同様に面状成形体(塗膜)を作製した。
以上で得られた樹脂組成物01〜30及び樹脂組成物C1、C2の吸収極大波長を以下の方法で測定した。具体的には、各樹脂組成物より作製した面状成形体(塗膜)について、分光光度計((株)島津製作所社製「UV−1800」)を用いて吸収スペクトルを測定した。そして、得られた吸収スペクトルを、吸収極大の吸光度が1.000となるように補正した吸収スペクトルを得た。各樹脂組成物の吸収極大波長と面積比Xを表3に示す。また、樹脂組成物01及び樹脂組成物C1、C2の吸収スペクトルを図4に示す。
図3より、比較スクアリリウム化合物1、2(図中、「比較化合物1」、「比較化合物2」と表記)では、吸収極大波長よりも短波長側に大きなショルダーピークが認められるが、本発明のスクアリリウム化合物01(図中、「化合物01」と表記)では同様のショルダーピークはほぼ消失し、滑らかな吸収波形が得られることが分かる。これは、図中に付したショルダーピークの接線の傾きからも明らかである。このような本発明に係るスクアリリウム化合物01は、比較スクアリリウム化合物1、2に比べ、吸収極大領域の光をより選択的に吸収できる。また比較スクアリリウム化合物1、2とスクアリリウム化合物01との構造比較から、スクアリリウム化合物01のような滑らかな吸収波形は、本発明の化合物群のようにスクアリリウム骨格又はクロコニウム骨格とインドール環との結合部位が環構造の一部となるように構造設計することで初めて発現されると言える。
また表3の通り、本発明の化合物群(スクアリリウム化合物01〜30)の面積比Xは、比較スクアリリウム化合物1、2の面積比Xよりも大きい。したがって、本発明の化合物群は、吸収極大領域の光をより選択的に吸収可能であることが分かる。
図4より、比較用の樹脂組成物C1、C2(図中、「比較化合物1」、「比較化合物2」と表記)では、吸収極大波長よりも短波長側に大きなショルダーピークが認められるが、本発明の樹脂組成物01(図中、「化合物01」と表記)では同様のショルダーピークはほぼ消失し、滑らかな吸収波形が得られることが分かる。
また表3の通り、本発明の樹脂組成物群(樹脂組成物01〜30)の面積比Xは、比較用の樹脂組成物C1、C2の面積比Xよりも大きい。したがって、本発明の樹脂組成物群は、吸収極大領域の光をより選択的に吸収可能であることが分かる。
以上のことから、上述した本発明の化合物群の効果(吸収極大領域の光の選択的吸収)は、樹脂組成物とした場合も同様に発揮されると言える。
本発明にかかる新規のオキソカーボン系化合物は、可視・近赤外領域の吸収スペクトルのピークに現れるショルダーが無い(又は大幅に低減されている)ため、可視光及び近赤外線を吸収する色素として、可視光及び近赤外線を吸収・カットする機能を有する半導体受光素子用の光学フィルター;省エネルギー用に熱線を遮断する近赤外線吸収フィルムや近赤外線吸収板;セキュリティーインクや不可視バーコードインクとしての情報表示材料;可視光及び近赤外光を利用した太陽電池用材料;プラズマディスプレイパネル(PDP)やCCD用の特定波長吸収フィルター;レーザー溶着用の光熱変換材料;加圧や加熱による不具合の生じにくい光を利用した光定着法(フラッシュ定着法用の静電荷現像用トナー);等に用いることができる。

Claims (10)

  1. 下記式(1)又は下記式(2)で表されることを特徴とするオキソカーボン系化合物。

    [式(1)及び式(2)中、Ra1〜Ra4はそれぞれ独立して下記式(3)で示される構造単位である。

    (式(3)中、
    環Aは4〜9員の不飽和炭化水素環である。
    X及びYはそれぞれ独立して有機基又は極性官能基である。
    nは0〜6の整数であり、かつm以下(ただし、mは環Aの構成員数から3を引いた値である)であり、nが2以上である場合、複数のYは同じであってもよいし異なっていてもよい。
    環Bは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環、芳香族複素環又はこれら環構造を含む縮合環である。
    なお*は式(1)中の4員環又は式(2)中の5員環との結合部位を表す。)]
  2. 前記環Bは、ベンゼン環又はナフタレン環である請求項1に記載のオキソカーボン系化合物。
  3. 前記Yは、アルキル基又は水酸基である請求項1又は2に記載のオキソカーボン系化合物。
  4. 前記Xは、アルキル基又はアリール基である請求項1〜3のいずれか1項に記載のオキソカーボン系化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のオキソカーボン系化合物と、樹脂成分とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
  6. 更に、ケトン類、グリコール誘導体、アミド類、エステル類、ピロリドン類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類及びエーテル類から選ばれる少なくとも1種以上の溶媒を含む請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 前記樹脂成分が、ポリ(アミド)イミド樹脂、フッ素化芳香族ポリマー、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂及びポリシクロオレフィン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上である請求項5又は6に記載の樹脂組成物。
  8. 前記アミド類の使用量が、樹脂組成物100質量%中、60質量%以下である請求項6又は7に記載の樹脂組成物。
  9. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなる成形体。
  10. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなる面状成形体。
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