JP2017141425A - オキソカーボン系化合物を含む樹脂組成物及びこれからなる成形体 - Google Patents

オキソカーボン系化合物を含む樹脂組成物及びこれからなる成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】オキソカーボン系化合物を含む樹脂組成物を提供する。【解決手段】式(1)または式(2)で表されるオキソカーボン系化合物、および樹脂成分を含む。[Ra1〜Ra4は夫々独立に、式(3)で表される構造単位;(Rb1〜Rb4はH、アルキル、アルコキシ、アリール、シアノ等能基、互いに結合して環を形成していてもよい;X1及びX2はH、H、アルキル、アルキルオキシカルボニル、シアノ、ニトロ等Yは、H、アルキル、アリール、シアノ、ニトロ等、*は結合部位)]【選択図】なし

Description

本発明は、オキソカーボン系化合物及び樹脂成分を含む樹脂組成物、及びこれからなる成形体に関するものである。
従来、スクアリリウム骨格やクロコニウム骨格を化合物中に有するオキソカーボン系化合物が提供されている。これらのオキソカーボン系化合物は、一般に、スクアリン酸やクロコン酸を原料とし、この原料の両端に複素環基を導入することで製造される(特許文献1〜5)。
数あるスクアリリウム系又はクロコニウム系の化合物のうち、近赤外線領域での吸収特性に優れる化合物として代表的な化合物は、下記式で表されるスクアリリウム系又はクロコニウム系の色素である。
Figure 2017141425
一方、スクアリリウム系又はクロコニウム系の化合物の中で、耐光性に優れるものとしては、例えば、特許文献6〜8に開示される下記の化合物が挙げられる。
Figure 2017141425
また非特許文献1〜4にも、近赤外線領域に極大吸収波長を有する化合物等が各種開示されている。
特開平1−230674号公報 特開2008−308602号公報 特開2011−208101号公報 特開2007−169315号公報 特開2008−1754号公報 特開2001−183522号公報 特表2005−520835号公報 特開2008−184606号公報
Raymond、外2名,"Squaraines based on 2-arylpyrroles", Tetrahedron, August 23(2004), 60, pp 8913-8918 Luca、外14名,"Assessment of Water-Soluble π-Extended Squaraines as One- and Two-Photon Singlet Oxygen Photosensitizers:Design, Synthesis, and Characterization", JACS, January 19(2008), 130, pp 1894-1902 Fabio、外8名,"A squaraine-phthalocyanine ensemble: towards molecular panchromatic sensitizers in solar cells", Chem. Commun., April 20(2009), pp 4500-4502 Michael、外3名,"Redox-Switchable Squaraines with ExtendedConjugation", Org. Lett., July 19(2003), 5(17), pp 2975-2978
オキソカーボン系化合物の共役系が長くなるほど、近赤外領域や赤外領域などの長波長領域に吸収を有するようになり、こうした領域の光を選択的に吸収するのに有利になる。しかし、共役系の長いオキソカーボン系化合物は、まだ十分に研究されておらず、上記のように、まだ少ない化合物しか知られていない。
本発明の課題は、共役系の長い、スクアリリウム骨格またはクロコニウム骨格を有する新規なオキソカーボン系化合物を含む樹脂組成物を提供することである。
すなわち本発明に係るオキソカーボン系化合物は、以下の点に要旨を有する。
[1] 式(1)または式(2)で表されるオキソカーボン系化合物、および樹脂成分を含むことを特徴とする樹脂組成物。
Figure 2017141425
[式(1)及び(2)中、Ra1、Ra2、Ra3およびRa4は、それぞれ独立して、式(3)で表される構造単位である。]
Figure 2017141425
[式(3)中、
b1、Rb2、Rb3およびRb4は、それぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表し、Rb1とRb2或いはRb3とRb4は、それぞれ、互いに結合して環を形成していてもよい。
1およびX2は、それぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表す。
Yは、水素原子、有機基または極性官能基を表す。
*は結合部位を表す。]
[2] 前記Rb1、Rb2、Rb3およびRb4が、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基であり、Rb1とRb2或いはRb3とRb4は、それぞれ、互いに結合して環を形成していてもよい基である[1]に記載の樹脂組成物。
[3] 前記式(3)で表される構造単位が、式(3−1)〜式(3−9)から選ばれる[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
Figure 2017141425
[式(3−1)〜式(3−9)中、*、X1、X2およびYは前記に同じ。
b1、Rb2、Rb3およびRb4は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基を表す。
式(3−1)〜式(3−9)中、Rb1〜Rb4以外の水素原子は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基で置換されていてもよい。]
[4] 前記X1およびX2が、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基であり、
前記Yが、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[5] 更に、ケトン類、グリコール誘導体、アミド類、エステル類、ピロリドン類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類及びエーテル類から選ばれる少なくとも1種以上の溶媒を含む[1]〜[4]のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[6] 前記樹脂成分が、(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、シリコーン樹脂およびフッ素化芳香族ポリマーから選ばれる少なくとも1種以上である[1]〜[5]のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[7] 前記溶媒の使用量が、樹脂組成物100質量%中、50質量%以上である[1]〜[6]のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
[8] [1]〜[7]のいずれか1項に記載の樹脂組成物が硬化してなる成形体。
本発明によれば、共役系の長い、新規なオキソカーボン系化合物を含む樹脂組成物が提供される。また、本発明によれば、耐熱性に優れた樹脂組成物が提供される。
本発明に係る樹脂組成物は、式(1)で表されオキソカーボン系化合物および/または式(2)で表されるオキソカーボン系化合物と、樹脂成分とを含む。オキソカーボン系化合物は、樹脂組成物中に分散又は溶解されていることが好ましい。なお、オキソカーボン系化合物及び樹脂成分は、それぞれ1種で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。以下に、樹脂組成物に含まれる各成分を詳しく説明する。
<オキソカーボン系化合物>
本発明に係るオキソカーボン系化合物は、スクアリリウム骨格を有する式(1)またはクロコニウム骨格を有する式(2)で表されることを特徴とする。
Figure 2017141425
[式(1)及び(2)中、Ra1、Ra2、Ra3およびRa4は、それぞれ独立して、式(3)で表される構造単位である。]
Figure 2017141425
[式(3)中、
b1、Rb2、Rb3およびRb4は、それぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表し、Rb1とRb2或いはRb3とRb4は、それぞれ、互いに結合して環を形成していてもよい。
1およびX2は、それぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表す。
Yは、水素原子、有機基または極性官能基を表す。
*は結合部位を表す。]
なお本発明に係る式(1)または式(2)で表される化合物には、複数の共鳴構造が存在しており、前記共鳴構造としては、式(1a)、式(1b)、式(2a)、式(2b)、及び式(2c)が例示される。以下、本願明細書においては、式(1)で表される化合物(化合物(1)と称する場合がある)及び式(2)で表される化合物(化合物(2)と称する場合がある)を例にとって説明するが、この化合物(1)には、式(1a)及び式(1b)で表される共鳴構造が、化合物(2)には、式(2a)、式(2b)、及び式(2c)で表される共鳴構造が含まれることとする。
Figure 2017141425
Figure 2017141425
本発明において「有機基」とは、炭素原子を含む基を指し、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオオキシ基(アルキルチオ基)、アルコキシアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基、アリールチオオキシ基(アリールチオ基)、アリールオキシカルボニル基、アリールスルホニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロアリール基、アミド基、スルホンアミド基、カルボキシ基(カルボン酸基)、ベンゾチアゾール基、ハロゲノアルキル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシル基またはシアノ基等が挙げられる。これらの有機基は置換基を有していてもよい。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等の直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等の脂環式アルキル基;等が挙げられる。アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜6であり、特に脂環式アルキル基の場合には3以上が好ましい。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ノナデシルオキシ基、イコシルオキシ基等が挙げられる。アルコキシ基の炭素数は、1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜5である。前記アルコキシ基中のアルキル基は、直鎖状であってもよく分岐状であってもよい。
前記アルキルチオオキシ基(アルキルチオ基)としては、例えば、メチルチオオキシ基(メチルチオ基)、エチルチオオキシ基(エチルチオ基)、プロピルチオオキシ基(プロピルチオ基)、ブチルチオオキシ基(ブチルチオ基)、ペンチルチオオキシ基(ペンチルチオ基)、ヘキシルチオオキシ基(ヘキシルチオ基)、ヘプチルチオオキシ基(ヘプチルチオ基)、オクチルチオオキシ基(オクチルチオ基)、ノニルチオオキシ基(ノニルチオ基)、デシルチオオキシ基(デシルチオ基)、ウンデシルチオオキシ基(ウンデシルチオ基)、ドデシルチオオキシ基(ドデシルチオ基)、トリデシルチオオキシ基(トリデシルチオ基)、テトラデシルチオオキシ基(テトラデシルチオ基)、ペンタデシルチオオキシ基(ペンタデシルチオ基)、ヘキサデシルチオオキシ基(ヘキサデシルチオ基)、ヘプタデシルチオオキシ基(ヘプタデシルチオ基)、オクタデシルチオオキシ基(オクタデシルチオ基)、ノナデシルチオオキシ基(ノナデシルチオ基)、イコシルチオオキシ基(イコシルチオ基)等が挙げられる。アルキルチオオキシ基の炭素数は、1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜5である。前記アルキルチオオキシ基中のアルキル基は、直鎖状であってもよいし分岐状であってもよい。
前記アルコキシアルキル基としては、例えば、式(5):
Figure 2017141425
(式中、Z1およびZ2は、それぞれ独立して、アルキレン基を表す。Z3はアルキル基を表す。mは0〜4の整数である)が挙げられる。
1およびZ2は、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、より好ましくは炭素数2〜5のアルキレン基である。好ましいアルキレン基を例示すると、例えば、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH(C25)CH2−、−C(CH32CH2−、−CH2CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−等が挙げられる。中でも−CH2−、−CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−または−CH2CH2CH2−が好ましく、より好ましくは−CH2−または−CH2CH2−である。
3は、炭素数が1〜20のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。好ましいアルキル基を例示すると、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基であり、より好ましくはメチル基またはエチル基である。
nは0〜4の整数であるが、より好ましくは0〜2の整数であり、更に好ましくは0または1である。
アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシエトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、エトキシエトキシエチル基等が好ましい。
前記アルキルオキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基等の無置換アルキルオキシカルボニル基の他、トリフルオロメチルオキシカルボニル基等の置換アルキルオキシカルボニル基が挙げられる。アルキルオキシカルボニル基の炭素数は、2〜20が好ましく、より好ましくは2〜10であり、更に好ましくは2〜5である。前記アルキルオキシカルボニル基中のアルキル基は、直鎖状であってもよく分岐状であってもよい。
前記アルキルスルホニル基としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基の置換または無置換のアルキルスルホニル基等が挙げられる。アルキルスルホニル基の炭素数は、1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜5である。前記アルキルスルホニル基中のアルキル基は、直鎖状であってもよく分岐状であってもよい。
前記アルキルスルフィニル基としては、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基等の無置換アルキルスルフィニル基;シアノメチルスルフィニル基、メトキシメチルスルフィニル基の置換アルキルスルフィニル基;等が挙げられる。アルキルスルフィニル基の炭素数は、1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜5である。前記アルキルスルフィニル基中のアルキル基は、直鎖状であってもよく分岐状であってもよい。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、インデニル基、アズレニル基、フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、ペンタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基等が挙げられる。アリール基の炭素数は、6〜20が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基等が挙げられる。アラルキル基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ基、ビフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基、フェナントリルオキシ基、ピレニルオキシ基、インデニルオキシ基、アズレニルオキシ基、フルオレニルオキシ基、ターフェニルオキシ基、クオーターフェニルオキシ基、ペンタレニルオキシ基、ヘプタレニルオキシ基、ビフェニレニルオキシ基、インダセニルオキシ基、アセナフチレニルオキシ基、フェナレニルオキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アリールチオオキシ基(アリールチオ基)としては、例えば、フェニルチオオキシ基、ビフェニルチオオキシ基、ナフチルチオオキシ基、アントリルチオオキシ基、フェナントリルチオオキシ基、ピレニルチオオキシ基、インデニルチオオキシ基、アズレニルチオオキシ基、フルオレニルチオオキシ基、ターフェニルチオオキシ基、クオーターフェニルチオオキシ基、ペンタレニルチオオキシ基、ヘプタレニルチオオキシ基、ビフェニレニルチオオキシ基、インダセニルチオオキシ基、アセナフチレニルチオオキシ基、フェナレニルチオオキシ基等が挙げられる。アリールチオオキシ基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、4−メトキシフェニルオキシカルボニル基等の置換または無置換のフェニルオキシカルボニル基;1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基等の置換または無置換のナフチルオキシカルボニル基;等が挙げられる。アリールオキシカルボニル基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アリールスルホニル基としては、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、2−フルオロフェニルスルホニル基、3−メチルフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、3−フルオロフェニルスルホニル基、4−メチルフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等の置換または無置換のフェニルスルホニル基;1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基等の置換または無置換のナフチルスルホニル基;等が挙げられる。アリールスルホニル基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アリールスルフィニル基としては、例えば、フェニルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メトキシフェニルスルフィニル基、2−ブトキシフェニルスルフィニル基、2−フルオロフェニルスルフィニル基、3−メチルフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−メチルフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メトキシフェニルスルフィニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等の置換または無置換のフェニルスルフィニル基;1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基等の置換または無置換のナフチルスルフィニル基;等が挙げられる。アリールスルフィニル基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記ヘテロアリール基としては、例えば、チエニル基、チオピラニル基、イソチオクロメニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラリジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、フラニル基、ピラニル基等が挙げられる。ヘテロアリール基の炭素数は、2〜20が好ましく、より好ましくは3〜15である。
前記アミド基(−NHCOR1)としては、R1が炭素数1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、ハロゲン化炭化水素基であるもの等が挙げられる。
前記スルホンアミド基(−NHSO22)としては、R2が炭素数1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、ハロゲン化炭化水素基であるもの等が挙げられる。
前記ハロゲノアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、3−フルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、6−フルオロヘキシル基、4−フルオロシクロヘキシル基等のモノハロゲノアルキル基;ジクロロメチル基等のジハロゲノアルキル基;1,1−ジヒドロ−パーフルオロエチル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−プロピル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ブチル基、2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロピル基、2,2,2−トリクロロエチル基等のトリハロメチル単位を有するアルキル基;トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基等のパーハロゲノアルキル基;等が挙げられる。ハロゲノアルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜5である。ハロゲノアルキル基のハロゲンとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、特にフッ素原子が好ましい。
前記カルバモイル基としては、例えば、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイル基、N−(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル基等が挙げられる。
前記スルファモイル基としては、例えば、スルファモイル基、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−2−エチルヘキシルスルファモイル基、N−デシルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基、N−2−メチルフェニルスルファモイル基、N−2−クロロフェニルスルファモイル基、N−2−メトキシフェニルスルファモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルスルファモイル基、N−3−クロロフェニルスルファモイル基、N−3−ニトロフェニルスルファモイル基、N−3−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−メトキシフェニルスルファモイル基、N−4−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−ジメチルアミノフェニルスルファモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−メチル−N−フェニルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、N,N−ジフェニルスルファモイル基等が挙げられる。
前記アシル基としては、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜15のアシル基が好ましく、炭素数1〜10のものがより好ましい。
有機基の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルホニル基、アリールスルフィニル基、カルボキシ基(カルボン酸基)、カルバモイル基、スルファモイル基、アシル基、シアノ基、ハロゲノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基等が挙げられ、中でもアルキル基が好ましい。
極性官能基としては、例えば、炭素以外の原子から構成されかつ炭素原子よりも電気陰性度が高い原子(例えば、N、O、F、Cl、Br、Iなど)を含む基が挙げられ、具体的には、ハロゲノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基(スルホン酸基)等が挙げられる。
前記ハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等が挙げられる。
次に式(3)で表される構造単位について説明する。式(3)におけるRb1、Rb2、Rb3およびRb4は、それぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表し、Rb1とRb2或いはRb3とRb4は、それぞれ、互いに結合して環を形成していてもよい。
b1とRb2が形成する環およびRb3とRb4が形成する環は、ピロール環のβ位の2つの炭素原子が他の原子と共に形成する環である。なお以下において、Rb1とRb2が形成する環およびRb3とRb4が形成する環は、ピロール環のβ位に位置する2個の炭素原子を含むものとして説明する。
b1とRb2が形成する環およびRb3とRb4が形成する環は、それぞれピロール環のβ位の2つの炭素原子が他の原子と共に環を形成している限り特に限定されないが、芳香族環、脂環式炭化水素環、複素環または縮合環等が例示される。
前記芳香族環の炭素数は、例えば、6〜20が好ましく、より好ましくは6〜10である。なお炭素数には、ピロール環のβ位の2つの炭素原子も含むものとする。前記芳香族環としては、ベンゼン環が好ましい。
前記脂環式炭化水素環の炭素数は、例えば、6〜20が好ましく、より好ましくは6〜10である。なお炭素数には、ピロール環のβ位の2つの炭素原子も含むものとする。
前記脂環式炭化水素環には、単環または橋架けを有する環式アルカンが含まれる。
単環の脂環式炭化水素環としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の炭素数3〜10のシクロアルカン;シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン(例えば、1,3−シクロヘキサジエン)、シクロヘプテン、シクロヘプタジエン等の炭素数3〜10のシクロアルケン;等が挙げられる。
橋架けを有する脂環式炭化水素環としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ペンタン、ビシクロ[2.2.1]ペンタ−2−エン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン等が挙げられる。
中でも、Rb1とRb2が形成する環およびRb3とRb4が形成する環としては、ベンゼン環、炭素数5〜7のシクロアルカン、炭素数5〜7のシクロアルケン、橋架けを有する炭素数5〜9の環式アルカンが好ましく、
より好ましくは、式(A−1)〜式(A−8)で表される構造単位であり、
更に好ましくは式(A−4)または式(A−6)で表される構造単位である。なお、式(A−1)〜式(A−8)において、*はピロール環のβ炭素原子との結合手を表し、前記結合手はピロール環のβ位に位置する2個の炭素原子と結合して環を形成するものとする。*は2個のβ炭素原子のいずれであってもよい。
Figure 2017141425
前記複素環としては、例えば、前記芳香族環または前記脂環式炭化水素環を構成する炭素原子の少なくとも1個以上(ただし、ピロール環のβ位の2つの炭素原子を除く)が、窒素原子、硫黄原子または酸素原子に置き換わった環が挙げられる。
前記複素環としては、例えば、脂環式炭化水素環を構成する炭素原子の少なくとも1以上が、窒素原子、硫黄原子または酸素原子に置き換わった環が好ましく、
より好ましくは、炭素数5〜7のシクロアルカンまたは炭素数5〜7のシクロアルケンを構成する炭素原子の少なくとも1以上が、窒素原子、硫黄原子または酸素原子に置き換わった環であり、
更に好ましくは、シクロヘキサン、シクロヘキセンまたはシクロヘキサジエンを構成する炭素原子の少なくとも1以上が、窒素原子、硫黄原子または酸素原子に置き換わった環である。
前記複素環における窒素原子、硫黄原子および酸素原子の合計数は、1以上が好ましく、より好ましくは1または2である。なお窒素原子、硫黄原子および酸素原子の合計数が2以上のとき、複素環に含まれる窒素原子、硫黄原子および酸素原子は、同一であっても異なっていてもよい。
複素環としては、式(B−1)〜式(B−17)で表される構造単位が好ましい。なお、式(B−1)〜式(B−17)において、*はピロール環のβ炭素原子との結合手を表し、前記結合手はピロール環のβ位に位置する2個の炭素原子と結合して環を形成するものとする。*は2個のβ炭素原子のいずれであってもよい。
Figure 2017141425
前記縮合環としては、前記芳香族環、前記脂環式炭化水素環および前記複素環から選ばれる2または3以上の環が、2個または3個以上の原子を共有して一体となっている環が例示できる。縮合環であれば、得られるオキソカーボン系化合物を長波長化できるため、化合物の色調に応じた分子設計を行い易くなる。
前記縮合環には、縮合多環炭化水素および縮合ヘテロ多環化合物が含まれ、中でも式(C−1)〜式(C−9)で表される構造単位が好ましく、より好ましくは式(C−5)で表される構造単位である。なお、式(C−1)〜式(C−9)において、*はピロール環のβ炭素原子との結合手を表し、前記結合手はピロール環のβ位に位置する2個の炭素原子と結合して環を形成するものとする。*は2個のβ炭素原子のいずれであってもよい。
Figure 2017141425
なおRb1とRb2が形成する環およびRb3とRb4が形成する環に存在する水素原子は、置換基で置換されていてもよい。前記置換基としては、有機基または極性官能基が挙げられ、より好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基またはtert−ブチル基であり、より更に好ましくはtert−ブチル基である。
式(3)におけるRb1、Rb2、Rb3およびRb4は、例えば、水素原子、有機基または極性官能基を表す。
b1、Rb2、Rb3およびRb4は、好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基であり、Rb1とRb2或いはRb3とRb4は、それぞれ、互いに結合して環を形成していてもよい基であり、
より好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、Rb1とRb2或いはRb3とRb4は、それぞれ、互いに結合して環を形成していてもよい基であり、
更に好ましくは、水素原子、エチル基または式(C−5)で表される構造単位である。
b1とRb2が環を形成しない場合、或いはRb3とRb4が環を形成しない場合には、Rb1およびRb2、Rb3およびRb4は、それぞれ共に水素原子であってもよく、共に水素原子以外の基(例えば、共に有機基または共に極性官能基)であってもよい。
b1とRb2或いはRb3とRb4のいずれか一方が環を形成するときは、Rb3とRb4が環を形成し、Rb1とRb2が環を形成しないことが好ましい。
オキソカーボン系化合物を長波長化できる観点から、Rb1とRb2およびRb3とRb4は、共に環を形成していることが好ましい。
式(3)におけるX1およびX2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基であることが好ましく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基またはシアノ基がより好ましく、水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基が更に好ましい。
式(3)におけるYは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基であることが好ましい。なおYが置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基またはシアノ基またはハロゲノ基であれば、Yが水素原子のオキソカーボン系化合物に比べて単離が容易となる場合がある。そのため、オキソカーボン系化合物の単離容易性の観点からは、Yは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基またはハロゲノ基がより好ましく、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基が更に好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基またはプロポキシカルボニル基がより更に好ましく、メチル基、tert−ブチル基またはエトキシカルボニル基が特に好ましい。
式(3)で表される構造単位としては、例えば、式(3−1)〜(3−9)で表される構造単位が好ましい。
Figure 2017141425
[式(3−1)〜式(3−9)中、*、X1、X2およびYは前記に同じ。
b1、Rb2、Rb3およびRb4は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基を表す。
式(3−1)〜式(3−9)中、Rb1〜Rb4以外の水素原子は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基で置換されていてもよい。]
b1〜Rb4以外の水素原子を置換しうる置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、またはハロゲノ基としては、「有機基」および「極性官能基」の欄で例示した基が採用でき、中でも、置換基を有していてもよいアルキル基が好ましく、具体的には炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基またはtert−ブチル基であり、更に好ましくはtert−ブチル基である。式(3−1)〜式(3−9)中にこれらの基が2以上存在する場合、これらの基は、同一であっても互いに異なっていてもよい。
特に、式(3−6)〜式(3−9)においては、式(3−6)〜式(3−9)におけるアセナフト環中の6個の水素原子のうち、置換されている水素原子は、より好ましくは0〜4個であり、更に好ましくは0〜2個であり、特に好ましくは2個である。アセナフト環における置換位置は、例えば、式(4)で表される構造単位において、Rc1〜Rc6のうち少なくとも1以上が好ましく、より好ましくはRc2、Rc3、Rc4およびRc5のうち少なくとも1以上であり、更に好ましくはRc2およびRc5である。
Figure 2017141425
[式(4)中、*1はスクアリリウム骨格またはクロコニウム骨格に近い結合部位を表し、*2は前記*1以外の結合部位を表す。XはX1またはX2である。Rc1、Rc2、Rc3、Rc4、Rc5およびRc6は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基を表す。]
化合物自体の分解温度が高く、耐熱性に優れたオキソカーボン系化合物が得られることから、本発明では、式(3−6)〜式(3−9)で表されるアセナフトビピロール系の構造単位が好ましく、式(3−9)がより好ましい。
式(1)で表されるオキソカーボン系化合物としては、例えば、式(1−1)で表される化合物〜式(1−104)で表される化合物が例示でき、
好ましくは式(1−17)で表される化合物〜式(1−104)で表される化合物であり、
より好ましくは式(1−49)で表される化合物〜式(1−104)で表される化合物であり、
更に好ましくは式(1−81)で表される化合物〜式(1−104)で表される化合物である。
なお、本明細書において、略号は下記の意味で使用する。
式中「R」は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基またはハロゲノ基を表す。Rとして好ましい基は、置換位置毎に、前記X1〜X2、前記Rb1〜Rb4及び前記Yと同様である。
式中「R」は、アセナフテン環におけるベンゼン環部位の置換基を表し、具体的には、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基を表し、好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基またはtert−ブチル基、より更に好ましくはtert−ブチル基を表す。
式中「n」は、0〜3の整数を表し、好ましくは1または2、より好ましくは2を表す。
Figure 2017141425
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式(2)で表されるオキソカーボン系化合物としては、例えば、式(2−1)で表される化合物〜式(2−104)で表される化合物が例示でき、
好ましくは式(2−17)で表される化合物〜式(2−104)で表される化合物であり、
より好ましくは式(2−49)で表される化合物〜式(2−104)で表される化合物であり、
更に好ましくは式(2−81)で表される化合物〜式(2−104)で表される化合物である。
Figure 2017141425
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本発明のオキソカーボン系化合物は、例えば、式(6)で表される化合物(以下、「化合物(6)」と称する場合がある)を、スクアリン酸またはクロコン酸と反応させることにより製造することができる。
Figure 2017141425
[式(6)中、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4、X1、X2およびYは、前記に同じである。]
原料として用いる化合物(6)は、公知の合成手法を適宜採用することによって合成できる。スクアリン酸またはクロコン酸と化合物(6)との反応において、化合物(6)の使用量は、スクアリン酸またはクロコン酸に対し、1倍mol以上が好ましく、より好ましくは1.3倍mol以上であり、更に好ましくは1.5倍mol以上であり、また5倍mol以下が好ましく、より好ましくは4倍mol以下であり、更に好ましくは3倍mol以下である。
スクアリン酸またはクロコン酸と化合物(6)との反応は、溶媒存在下に実施することが好ましい。使用できる溶媒としては、例えば、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;等が挙げられる。これらの溶媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記溶媒の総使用量は、スクアリン酸またはクロコン酸に対して、1質量倍以上が好ましく、5質量倍以上がより好ましく、10質量倍以上が更に好ましく、また100質量倍以下が好ましい。
スクアリン酸またはクロコン酸と化合物(6)との反応において、反応温度は適宜設定すればよく、例えば30℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、80℃以上が更に好ましく、また170℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましい。当該反応は還流状態で行うことが好ましい。反応時間は特に限定されず、反応の進行状況に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.5時間以上が好ましく、1時間以上がより好ましく、また24時間以下が好ましく、12時間以下がより好ましい。反応時の雰囲気は、不活性ガス(窒素、アルゴン等)雰囲気にしてもよい。
式(1)で表されるスクアリリウム化合物は、化合物(6)とスクアリン酸とを反応させる公知の合成手法を適宜採用することによって合成できる。例えば、次の論文に記載の合成法によってスクアリリウム化合物を合成することができる:Serguei Miltsov et al.,“New Cyanine Dyes:Norindosquarocyanines”, Tetrahedron Letters, Vol.40, Issue21, p.4067-4068 (1999)。
式(2)で表されるクロコニウム化合物の合成方法は特に限定されないが、化合物(6)とクロコン酸とを反応させる公知の合成手法を適宜採用することによって合成できる。例えば、特開2002−286931号公報、特開2007−31644号公報、特開2007−31645号公報、特開2007−169315号公報に記載されている方法でクロコニウム化合物を合成することができる。
上記の反応により得られたオキソカーボン系化合物は、必要に応じて、ろ過、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、アルミナカラムクロマトグラフィー、昇華、再結晶、晶析など公知の精製手段によって適宜精製することができる。得られたオキソカーボン系化合物の化学構造は、質量分析法、単結晶X線構造解析法、フーリエ変換赤外分光法、核磁気共鳴分光法などの公知の分析方法により解析することができる。
樹脂組成物に含まれるオキソカーボン系化合物は、スクアリリウム化合物であってもよいし、クロコニウム化合物であってもよいし、両者が含まれていてもよい。樹脂組成物に含まれるオキソカーボン系化合物は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記オキソカーボン系化合物は一種の色素とみなすことができるが、本発明の樹脂組成物は、オキソカーボン系化合物とともに他の色素を含有していてもよい。樹脂組成物に含まれていてもよい色素としては、例えば、前記オキソカーボン系化合物以外のスクアリリウム系色素やクロコニウム系色素、中心金属イオンとして銅(例えば、Cu(II))や亜鉛(例えば、Zn(II))等を有していてもよい環状テトラピロール系色素(ポルフィリン類、クロリン類、フタロシアニン類、コリン類等)、シアニン系色素、クアテリレン系色素、ナフタロシアニン系色素、ニッケル錯体系色素、銅イオン系色素、ジインモニウム系色素、サブフタロシアニン系色素、キサンテン系色素、アゾ系色素、ジピロメテン系色素等が挙げられる。これら他の色素は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の樹脂組成物が他の色素をも含有する場合、他の色素の含有量は、前記オキソカーボン系化合物と他の色素の合計100質量%に対し、60質量%以下が好ましく、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下であり、特に好ましくは、他の色素を実質的に含まないことである。
樹脂組成物中の前記オキソカーボン系化合物の含有量は、所望の光学特性を発揮させる点から、樹脂組成物の固形分100質量%中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。また、樹脂組成物の成形性や成膜性等を高める点から、樹脂組成物中の前記オキソカーボン系化合物の含有量は、樹脂組成物の固形分100質量%中、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。樹脂組成物が他の色素も含有する場合は、前記オキソカーボン系化合物と他の色素との合計含有量が上記範囲にあることが好ましい。
<樹脂成分>
本発明に係る樹脂組成物には、樹脂成分が含まれる。樹脂成分としては、前述した各種オキソカーボン系化合物を十分に溶解又は分散できるものが好ましい。このような目的に適した樹脂成分を選択することにより、透過させたい波長域における高透過率と、遮断したい波長域における高吸収性を両立させることができる。
前記樹脂成分としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリルウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂)、ポリシクロオレフィン樹脂、メラミン系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド樹脂(例えば、ナイロン)、アラミド樹脂、ポリイミド系樹脂、アルキド系樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等)、ブチラール樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体);(メタ)アクリルシリコーン系樹脂、アルキルポリシロキサン系樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンウレタン樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、シリコーンアクリル樹脂等の変性シリコーン樹脂;フッ素化芳香族ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、フッ素化ポリアリールエーテルケトン(FPEK)、フッ素化ポリイミド(FPI)、フッ素化ポリアミド酸(FPAA)、フッ素化ポリエーテルニトリル(FPEN))等のフッ素系樹脂;等が挙げられる。
本発明に係る樹脂組成物は、射出成形等の成形に用いることのできる熱可塑性樹脂組成物であってもよく、スピンコート法や溶媒キャスト法等により塗工できるよう塗料化された樹脂組成物であってもよい。
前記熱可塑性樹脂組成物を用いることで、射出成形、押出成形、真空成形、圧縮成形、ブロー成形等により、樹脂組成物が硬化してなる成形体を得ることができる。この方法では、前述した樹脂の中のうち熱可塑性樹脂にオキソカーボン系化合物を混練し、加熱成形することにより成形体が得られる。すなわちベース樹脂の粉体又はペレットにオキソカーボン系化合物を添加し、150〜350℃に加熱、溶解させた後、成形するとよい。成形体の形状は特に限定されるものではないが、厚さ200μm以下のフィルム、厚さ200μm以上の板状物等の面状成形体;異形品等の成形体;が好ましい。また樹脂を混練する際に、紫外線吸収剤、可塑剤等の通常の樹脂成形に用いる添加剤を加えてもよい。
また、塗料化された樹脂組成物とは、オキソカーボン系化合物を含む液状又はペースト状の組成物であり、この塗料化された樹脂組成物を、樹脂板、フィルム、ガラス板上等に塗工することで、厚さ200μm以下のフィルム、厚さ200μm以上の板状物等の面状成形体を形成することができる。塗料化された樹脂組成物は、例えば、オキソカーボン系化合物を、ベース樹脂を含む溶媒に溶解させて塗料化したものや、オキソカーボン系化合物を数μm以下に微粒化してベース樹脂のエマルジョン中に分散したもの、等が挙げられる。
ベース樹脂となる樹脂成分は、オキソカーボン系化合物を高濃度に溶解又は分散できるよう、オキソカーボン系化合物に対する分散性が高い必要がある。また、本発明の樹脂組成物を用いて、スピンコート法や溶媒キャスト法等による膜の形成も可能なように、塗工性も良好なことが好ましい。これらの観点から、樹脂成分としては、有機溶剤に可溶な溶剤可溶性樹脂、溶剤可溶性樹脂原料及び液状樹脂原料からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく用いられる。これらの樹脂であれば比較的低温条件下であっても膜の形成が可能となるためより好ましい。オキソカーボン系化合物の構造によっては、重合時の存在する不純物(例えば、分解を促進させる未反応物、反応性末端、イオン性基、触媒、酸・塩基性基等)によりオキソカーボン系化合物の一部又は全部が分解し、耐光性が悪化することがあるため、そのようなオキソカーボン系化合物には、既に重合(必要に応じて精製)が完結している溶剤可溶性樹脂を組み合わせることが望ましい。
なお前記「溶剤可溶性樹脂」は、有機溶剤に可溶な樹脂を意味し、例えば後述する各種有機溶剤100質量部に対し、1質量部以上溶解する樹脂が好ましい。
また前記「溶剤可溶性樹脂原料」とは、有機溶剤に可溶な樹脂原料、すなわち樹脂原料であって溶剤可溶性であるものを意味し、例えば、後述する各種有機溶剤100質量部に対し、1質量部以上溶解するものが好ましい。
更に前記「液状樹脂原料」とは、液状の樹脂原料、すなわち樹脂原料であって液状であるものを意味する。物が「液状である」とは、その物自体の粘度が、常温(25℃)において100Pa・s以下であることを意味する。粘度は、B型粘度計により測定することができる。
なお本明細書において、「樹脂原料」には、樹脂の前駆体や該前駆体の原料、更に、樹脂を形成するための単量体(硬化性モノマー等)が含まれるものとする。
前記溶剤可溶性樹脂としては、例えば、ポリ(アミド)イミド樹脂、フッ素化芳香族ポリマー、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂等が挙げられる。
上記溶剤可溶性樹脂はまた、架橋反応(硬化反応)することが可能な反応性基(例えば、エポキシ基やオキセタン環、エチレンスルフィド基等の開環重合性基や、アクリル基、メタクリル基、ビニル基等のラジカル硬化性基及び/又は付加硬化性基)を有するものであってもよい。
上記樹脂成分として溶剤可溶性樹脂を用いる場合、該溶剤可溶性樹脂がそのまま、上記樹脂層を構成する樹脂成分となっていてもよいし、該溶剤可溶性樹脂が架橋反応等により変化したものが、上記樹脂層を構成する樹脂成分となっていてもよい。
なお、架橋可能な反応性基の量や成膜時の架橋反応をどの程度進めるかは特に限定されるものではないが、樹脂の溶剤可溶性が維持できる程度であることが好ましい。
樹脂成分としては、(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、シリコーン樹脂およびフッ素化芳香族ポリマーから選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。
2−1.ポリ(アミド)イミド樹脂
溶剤可溶性樹脂であるポリ(アミド)イミド樹脂とは、狭義のポリイミド樹脂(イミド結合を含み、アミド結合を含まない樹脂を意味し、ここでいうアミド結合とは、アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得ないアミド結合を意味する。)、及び、ポリアミドイミド樹脂(アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得ないアミド結合とイミド結合とを含む樹脂を意味する。)のいずれをも包含する。
ポリイミド樹脂におけるイミド結合は、通常、アミド結合とそれに隣接するカルボキシル基とを有する結合鎖(本発明では、該結合鎖をアミック酸ともいう。通常は、アミド結合が結合した炭素原子に隣接する炭素原子にカルボキシル基が結合した構造である。)におけるアミド結合とカルボキシル基との脱水反応による形成される。ポリアミック酸から脱水反応によりポリイミド樹脂を生成させる際、分子内に若干量のアミック酸は残存し得る。したがって、本発明で「ポリイミド樹脂」という場合は、イミド結合を含み、アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得ないアミド結合は含まないが、アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得るアミド結合は含まないか若干量含んでいてもよい。ポリイミド樹脂におけるイミド結合含有率(イミド化反応によりイミド化し得るアミド結合数とイミド結合数の合計量100モル%に対するイミド結合数の割合)が80モル%以上であるポリイミド樹脂が好ましい。より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モル%以上、特に好ましくは98モル%以上である。
またポリアミドイミド樹脂とは、アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得ないアミド結合とイミド結合とを含むが、アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得るアミド結合は含まないか若干量含んでいてもよい。アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得るアミド結合を含む場合、アミド結合数(脱水反応によりイミド結合を形成し得ないアミド結合数と脱水反応によりイミド結合を形成し得るアミド結合数との和)とイミド結合数との合計量100モル%に対する、アミック酸の脱水反応によりイミド結合を形成し得るアミド結合の含有率は、20モル%未満が好ましい。より好ましくは10モル%未満、更に好ましくは5モル%未満、特に好ましくは2モル%未満である。
上記ポリ(アミド)イミド樹脂は、多価カルボン酸化合物と、多価アミン化合物及び/又は多価イソシアネート化合物との反応により得られるポリ(アミド)イミド樹脂の原料(ポリ(アミド)イミド前駆体とも称す。)を、イミド化反応して得ることができる。
上記ポリ(アミド)イミド樹脂はまた、透明性を有することが好ましい。透明性向上のためには、芳香環が少ないほうが好ましい。中でも、芳香環を脂環又は脂肪鎖等で置き換えた構造を有することが好適である。より好ましくは、全重量100%中の芳香環の重量が65%以下、更に好ましくは45%以下、特に好ましくは30%以下である。
上記ポリ(アミド)イミド樹脂としては、イミド結合を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、式(10):
Figure 2017141425
(式中、Rp1は、同一又は異なって、有機基を表す。)で表される繰り返し単位を有する化合物が好適である。上記式(10)におけるRp1としては、2価の有機基が好ましく、中でも、炭素数2〜39の2価の有機基が好ましい。また、当該有機基は1種又は2種以上の炭化水素骨格を含むものが好ましい。炭化水素骨格としては、脂肪族鎖状炭化水素、脂肪族環状炭化水素又は芳香族炭化水素であることが好ましい。当該有機基はまた、複素環骨格を有するものであってもよい。
上記式(10)におけるRp1としてはまた、上記の炭化水素骨格及び/又は複素環骨格から選ばれる、同一又は異なる2種以上を有し、それらが炭素−炭素結合を介して、又は、炭素−炭素結合とは異なる結合基を介して、結合した骨格を含むものが好ましい。結合基としては、例えば、−O−、−SO2−、−CO−、−Si(CH32−、−C24O−、−S−等が挙げられる。なお、上記式(10)で表される繰り返し単位におけるそれぞれのRp1としては、同一であっても異なるものであってもよい。
上記Rp1で表される有機基は窒素原子に直接結合していてもよいし、結合基として、−O−、−SO2−、−CO−、−CH2−、−C(CH32−、−Si(CH32−、−C24O−、−S−等を有していてもよい。なお、式(10)におけるシクロヘキシル環における水素原子の一部又は全部が置換されていてもよいが、無置換(全て水素原子である形態)であるものが好ましい。上記式(10)で表される繰り返し単位は、同一でも異なっていてもよく、ブロック状、ランダム状等の何れの形態であってもよい。
上記ポリ(アミド)イミド樹脂の中で好ましいものとしては、例えば、式(10−1):
Figure 2017141425
で表される繰り返し単位を有する化合物が挙げられる。
2−2.フッ素化芳香族ポリマー
次に、溶剤可溶性樹脂として使用可能なフッ素化芳香族ポリマーについて説明する。前記フッ素化芳香族ポリマーとしては、少なくとも1以上のフッ素基を有する芳香族環と、エーテル結合、ケトン結合、スルホン結合、アミド結合、イミド結合及びエステル結合の群より選ばれた少なくとも1つの結合とを含む繰り返し単位により構成された重合体等が挙げられ、具体的には、例えば、フッ素原子を有するポリイミド、ポリエーテル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドエーテル、ポリアミド、ポリエーテルニトリル、ポリエステル等が挙げられる。これらの中でも、少なくとも1つ以上のフッ素基を有する芳香族環と、エーテル結合とを含む繰り返し単位を必須部位として有する重合体であることが好ましく、式(11−1)又は(11−2)で表される繰り返し単位を含む、フッ素原子を有するポリエーテルケトンがより好ましい。中でも特に、フッ素化ポリエーテルケトン(FPEK)が好適である。なお、式(11−1)又は(11−2)で表される繰り返し単位は、同一でも異なっていてもよく、ブロック状、ランダム状等の何れの形態であってもよい。
Figure 2017141425
上記式(11−1)中、Rq1は炭素数1〜150の芳香族環を有する2価の有機鎖を表す。Zは2価の鎖又は直接結合を表す。x及びyは0以上の整数であり、x+y=1〜8を満たし、同一又は異なって、芳香族環に結合しているフッ素原子の数を表す。nは、重合度を表し、2〜5000の範囲内が好ましく、5〜500の範囲内がより好ましい。
また上記式(11−2)中、Rq2は、置換基を有していてもよい、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数6〜20のアリールアミノ基又は炭素数6〜20のアリールチオ基を表す。Rq3は、炭素数1〜150の芳香族環を有する2価の有機鎖を表す。zは、芳香族環に結合しているフッ素原子の数であり、1又は2である。nは、重合度を表し、2〜5000の範囲内が好ましく、5〜500の範囲内がより好ましい。
上記式(11−1)において、x+yは2〜8の範囲内が好ましく、4〜8の範囲内がより好ましい。また、エーテル構造部分(−O−Rq1−O−)が芳香族環に結合する位置としては、Zに対してパラ位であることが好ましい。
上記式(11−1)及び(11−2)において、Rq1及びRq3は2価の有機鎖であるが、例えば、下記の構造式群(11−3)で表されるいずれか一つ、又は、その組み合わせの有機鎖であることが好ましい。
Figure 2017141425
上記構造式群(11−3)中、Y1〜Y4は、同一若しくは異なって、水素基又は置換基を表し、該置換基は、ハロゲン原子、又は、置換基を有していてもよい、アルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアミノ基若しくはアリールチオ基を表す。
上記Rq1及びRq3のより好ましい具体例としては、下記の構造式群(11−4)で表される有機鎖が挙げられる。
Figure 2017141425
上記式(11−1)において、Zは、2価の鎖又は直接結合していることを表す。当該2価の鎖としては、例えば、下記構造式群(11−5)で表される鎖であることが好ましい。
Figure 2017141425
上記構造式群(11−5)中、Xは、炭素数1〜50の2価の有機鎖であるが、例えば、上述した構造式群(11−4)で表される有機鎖が挙げられ、その中でもジフェニルエーテル鎖、ビスフェノールA鎖、ビスフェノールF鎖、フルオレン鎖が好ましい。
上記式(11−2)中のRq2において、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基等が好適である。
上記アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、フルフリルオキシ基、アリルオキシ基等が好適である。
上記アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基等が好適である。
上記アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、iso−プロピルチオ基等が好適である。
上記アリール基としては、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、o−、m−又はp−トリル基、2,3−又は2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニリル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、ピレニル基等が好適である。
上記アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、ヒドロキシ安息香酸及びそのエステル類(例えば、メチルエステル、エチルエステル、メトキシエチルエステル、エトキシエチルエステル、フルフリルエステル及びフェニルエステル等)由来の基、ナフトキシ基、o−、m−又はp−メチルフェノキシ基、o−、m−又はp−フェニルフェノキシ基、フェニルエチニルフェノキシ基、クレソチン酸及びそのエステル類由来の基等が好適である。
上記アリールアミノ基としては、アニリノ基、o−、m−又はp−トルイジノ基、1,2−又は1,3−キシリジノ基、o−、m−又はp−メトキシアニリノ基、アントラニル酸及びそのエステル類由来の基等が好適である。
上記アリールチオ基としては、フェニルチオ基、フェニルメタンチオ基、o−、m−又はp−トリルチオ基、チオサリチル酸及びそのエステル類由来の基等が好適である。
上記Rq2としては、これらのうち、置換基を有していてもよい、アルコキシ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基が好ましい。但し、Rq2には、二重結合又は三重結合が含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
上記式(11−2)中のRq2における置換基としては、上述のような炭素数1〜12のアルキル基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子;シアノ基、ニトロ基、カルボキシエステル基等が好適である。また、これら置換基の水素がハロゲン化されていてもよいし、されていなくてもよい。これらの中でも、好ましくは、ハロゲン原子、水素がハロゲン化されていてもよいし、されていなくてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基及びカルボキシエステル基である。
2−3.(メタ)アクリル系樹脂
次に、溶剤可溶性樹脂として使用できる(メタ)アクリル系樹脂を説明する。本明細書において(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル単位および/または(メタ)アクリル酸単位を必須の構成単位として有し、(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸の誘導体に由来する構成単位を有していてもよい。なお「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」および/または「メタクリル」を意味するものとする。
(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸エステル誘導体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等の(メタ)アクリル酸とヒドロキシ炭化水素とのエステル類((メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸アラルキル等)、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニルオキシエチル等のエーテル結合導入誘導体;(メタ)アクリル酸クロロメチル、(メタ)アクリル酸2−クロロエチル等のハロゲン導入誘導体;及びヒドロキシ基導入誘導体が挙げられる。前記ヒドロキシ基導入誘導体には、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸2,3,4,5−テトラヒドロキシペンチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル類;2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸アルキル(例えば、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸イソプロピル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸n−ブチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸tert−ブチル等)、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸アルキル(例えば、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチル等)の2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸アルキルが含まれる。
(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等の(メタ)アクリル酸類;クロトン酸等のアルキル化(メタ)アクリル酸類;2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸等のヒドロキシアルキル化(メタ)アクリル酸類等が挙げられる。これらの中でも特に、耐熱性及び透明性の観点からは、メタクリル酸メチルが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル(単位)、(メタ)アクリル酸(単位)およびこれらの誘導体(単位)は、それぞれ1種のみ有していてもよいし2種以上有していてもよい。
(メタ)アクリル系樹脂は、上述した(メタ)アクリル酸系モノマーを他のモノマーと共重合することによって導入される他の構成単位を有していてもよい。このような他のモノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、α−ヒドロキシメチルスチレン、α−ヒドロキシエチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタリルアルコール、アリルアルコール、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、酢酸ビニル、2−ヒドロキシメチル−1−ブテン、メチルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等の重合性二重結合を有する単量体が挙げられる。これら他のモノマー(構成単位)は1種のみを有していてもよいし2種以上有していてもよい。
(メタ)アクリル系樹脂の全構成単位における、(メタ)アクリル酸系モノマーに由来する構成単位(すなわち、(メタ)アクリル酸エステル単位、(メタ)アクリル酸単位およびこれら誘導体に由来する構成単位)の合計割合は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。上限は特になく、最も好ましくは100質量%である。
(メタ)アクリル系樹脂を構成する主鎖には、環構造が含まれていることが好ましい。(メタ)アクリル系樹脂における主鎖環構造は、特に限定されないが、例えば、ラクトン環構造、無水グルタル酸構造、グルタルイミド構造、無水マレイン酸構造、N−置換マレイミド構造等が挙げられる。より好ましくは、ラクトン環構造、無水グルタル酸構造、グルタルイミド構造のいずれかであり、特に好ましくはラクトン環構造である。
前記ラクトン環構造は、特に限定されず、例えば、4員環から8員環のいずれであってもよいが、環構造の安定性に優れることから5員環または6員環であることが好ましく、6員環であることがより好ましい。6員環であるラクトン環構造としては、例えば、特開2004−168882号公報に開示されている構造が挙げられるが、ラクトン環構造の導入が容易であること、具体的には、前駆体(ラクトン環化前の重合体)の重合収率が高いこと、前駆体の環化縮合反応におけるラクトン環含有率を高めることができること、メタクリル酸メチル単位を構成単位として有する重合体を前駆体にできること、等の理由から式(12−1)に示される構造が特に好ましい。
Figure 2017141425
上記式(12−1)において、Rs1、Rs2およびRs3は、互いに独立して、水素原子または炭素数1から20の有機残基であり、当該有機残基は酸素原子を含んでいてもよい。
式(12−1)における有機残基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1から20の飽和脂肪族炭化水素基(アルキル基等)、エテニル基、プロペニル基等の炭素数2から20の不飽和脂肪族炭化水素基(アルケニル基等)、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6から20の芳香族炭化水素基(アリール基等)のほか、これら飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基における水素原子の一つ以上が、ヒドロキシ基、カルボキシル基、エーテル基およびエステル基から選ばれる少なくとも1種類の基により置換された基等が挙げられる。
ラクトン環構造は、例えば、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸系モノマーAと、(メタ)アクリル酸系モノマーBとを重合(好ましくは共重合)して分子鎖にヒドロキシ基とエステル基またはカルボキシル基とを導入した後、これらヒドロキシ基とエステル基またはカルボキシル基との間で脱アルコールまたは脱水環化縮合を生じさせることにより形成できる。重合成分として、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸系モノマーAは必須であり、(メタ)アクリル酸系モノマーBは前記モノマーAを包含する。モノマーBはモノマーAと一致していてもよいし、一致しなくてもよい。モノマーBがモノマーAと一致する時には、モノマーAの単独重合となる。
ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸系モノマーAとしては、上述の(メタ)アクリル酸エステルのヒドロキシ基導入誘導体、ヒドロキシアルキル化(メタ)アクリル酸類等が挙げられ、好ましくはヒドロキシアリル部位を有するモノマーが含まれる。ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸系モノマーAの具体例としては、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸アルキル(例えば、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸イソプロピル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸n−ブチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸tert−ブチル)、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸アルキル(例えば、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸エチル)等が挙げられ、好ましくは、ヒドロキシアリル部位を有するモノマーである2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸や2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸アルキルが挙げられる。特に好ましくは2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルが例示できる。(メタ)アクリル酸系モノマーBとしては、ビニル基とエステル基またはカルボキシル基とを有するモノマーが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキル(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等、好ましくはメタクリル酸メチル)、(メタ)アクリル酸アリール(例えば、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等)、2−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸アルキル(例えば、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸イソプロピル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸n−ブチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸tert−ブチル等の2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸アルキル、2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸メチル等の2−(ヒドロキシエチル)アクリル酸アルキル等)等が挙げられる。
さらに詳しくは、主鎖にラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系重合体は、例えば、特開2006−96960号公報、特開2006−171464号公報、特開2007−63541号公報に記載の方法により製造できる。
(メタ)アクリル系樹脂が主鎖にラクトン環構造を有する場合、当該樹脂におけるラクトン環構造の含有率は、特に限定はされないが、例えば5〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜80質量%、さらに好ましくは10〜70質量%、特に好ましくは20〜60質量%である。
なお、(メタ)アクリル系樹脂におけるラクトン環構造の含有率は、ラクトン環化に関与する単量体(ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸系モノマーAおよび(メタ)アクリル酸系モノマーB)の共重合量と、ラクトン環化率とから求めることができる。すなわち、ラクトン環化率の分だけラクトン環化反応が行われたものと仮定して、式:
ラクトン環構造の含有率(質量%)=Z1×Z2×M/M
(式中、Z1は、ラクトン環化前の重合体における、ラクトン環化に関与する原料単量体(ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸系モノマーAおよび(メタ)アクリル酸系モノマーB)由来の構造単位の質量含有割合であり、Mは生成するラクトン環構造単位の式量(具体的には、ラクトン環形成元素と、ラクトン環に結合する主鎖以外の基の合計式量)であり、Mはラクトン環化に関与する原料単量体(ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル酸系モノマーAおよび(メタ)アクリル酸系モノマーB)の分子量(合計)であり、Z2はラクトン環化率である)により、算出することができる。
前記ラクトン環化率は、例えば、重合で得られた重合体組成からすべてのヒドロキシ基がアルコールまたは水として脱アルコールまたは脱水した際に起こる質量減少量を基準にし、ダイナミックTG測定において質量減少が始まる前の150℃から重合体の分解が始まる前の300℃までの脱アルコール反応による質量減少から求めることができる。すなわち、ラクトン環構造を有した重合体のダイナミックTG測定において150℃から300℃までの間の質量減少率の測定を行い、得られた実測質量減少率を(X)とする。他方、当該重合体の組成から、その重合体組成に含まれる全ての水酸基がラクトン環の形成に関与するため脱アルコールまたは脱水すると仮定した時の理論質量減少率(すなわち、その組成上において100%脱アルコールまたは脱水反応が起きたと仮定して算出した質量減少率)を(Y)とする。なお、理論質量減少率(Y)は、より具体的には、重合体中の脱アルコールまたは脱水反応に関与する構造(ヒドロキシ基)を有する原料単量体のモル比、すなわち当該重合体組成における前記原料単量体の含有率から算出することができる。これらの値(X、Y)を式:1−(実測質量減少率(X)/理論質量減少率(Y))に代入してその値を求め、「%」で表記すると、ラクトン環化率(脱アルコールまたは脱水反応率)が得られる。
前記無水グルタル酸構造または前記グルタルイミド構造としては、例えば、式(12−2)に示される構造(式(12−2)において、Xs1が酸素原子である場合には無水グルタル酸構造となり、Xs1が窒素原子である場合にはグルタルイミド構造となる)が好ましく挙げられる。
Figure 2017141425
上記式(12−2)におけるRs4、Rs5は、互いに独立して、水素原子またはメチル基であり、Xs1は酸素原子または窒素原子である。Xs1が酸素原子であるとき、Rs6は存在せず、Xs1が窒素原子のとき、Rs6は、水素原子、炭素数1から6の直鎖アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基)、シクロペンチル基、シクロヘキシル基またはフェニル基である。
上記式(12−2)におけるXs1が酸素原子である無水グルタル酸構造は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体を分子内で脱アルコール環化縮合させることにより形成できる。
上記式(12−2)におけるXs1が窒素原子であるグルタルイミド構造は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル重合体をメチルアミン等のイミド化剤によりイミド化することにより形成できる。
さらに詳しくは、主鎖に無水グルタル酸構造あるいはグルタルイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、WO2007/26659号公報、WO2005/108438号公報に記載の方法により製造できる。
(メタ)アクリル系樹脂が主鎖に無水グルタル酸構造あるいはグルタルイミド構造を有する場合、当該重合体における無水グルタル酸構造あるいはグルタルイミド構造の含有率は、特に限定はされないが、例えば5〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜70質量%、さらに好ましくは10〜60質量%、特に好ましくは20〜50質量%である。
なお、(メタ)アクリル系樹脂における無水グルタル酸構造およびグルタルイミド構造の含有率は、例えば、特開2006−131689号公報に記載の手法により求めることができる。
前記無水マレイン酸構造または前記N−置換マレイミド構造としては、例えば、式(12−3)に示される構造(式(12−3)において、Xs2が酸素原子である場合には無水マレイン酸構造となり、Xs2が窒素原子である場合にはN−置換マレイミド構造となる)が好ましく挙げられる。
Figure 2017141425
上記式(12−3)におけるRs7、Rs8は、互いに独立して、水素原子またはメチル基であり、Xs2は酸素原子または窒素原子である。Xs2が酸素原子であるとき、Rs9は存在せず、Xs2が窒素原子のとき、Rs9は、水素原子、炭素数1から6の直鎖アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基)、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基またはフェニル基である。
上記式(12−3)におけるXs2が酸素原子である無水マレイン酸構造は、例えば、無水マレイン酸を(メタ)アクリル酸エステル等とともに重合に供することにより形成できる。
上記式(12−3)におけるXs2が窒素原子であるN−置換マレイミド構造は、例えば、フェニルマレイミド等のN−置換マレイミドを(メタ)アクリル酸エステル等とともに重合に供することにより形成できる。
さらに詳しくは、主鎖に無水マレイン酸構造あるいはN−置換マレイミド構造を有する(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、特開昭57−153008号公報、特開2007−31537号公報に記載の方法により製造できる。
(メタ)アクリル系樹脂が主鎖に無水マレイン酸構造あるいはN−置換マレイミド構造を有する場合、当該樹脂における無水マレイン酸構造あるいはN−置換マレイミド構造の含有率は、特に限定はされないが、例えば5〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜70質量%、さらに好ましくは10〜60質量%、特に好ましくは20〜50質量%である。
なお、(メタ)アクリル系樹脂における無水マレイン酸構造あるいはN−置換マレイミド構造の含有率は、無水マレイン酸あるいはN−置換マレイミドの共重合量から求めることができる。
2−4.ポリシクロオレフィン系樹脂
上記ポリシクロオレフィン系樹脂としては、環状アルケンに由来する繰り返し単位を有する樹脂であれば特に限定されないが、例えば、式(13):
Figure 2017141425
で表されるノルボルネンに由来する繰り返し単位を有する樹脂が好ましい。
ポリシクロオレフィン系樹脂は、環状アルケンに由来する繰り返し単位を有する限り、ホモポリマーであっても共重合体であってもよい。ポリシクロオレフィン系樹脂は、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、α−ヒドロキシメチルスチレン、α−ヒドロキシエチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタリルアルコール、アリルアルコール、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、酢酸ビニル、2−ヒドロキシメチル−1−ブテン、メチルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾール等の重合性二重結合を有する単量体に由来する繰り返し単位を有していてもよく、これらの繰り返し単位は、1種のみでも2種以上でもよい。中でも、ポリシクロオレフィン系樹脂は、環状アルケンに由来する繰り返し単位、及びエチレン、プロピレン等の鎖式不飽和炭化水素に由来する繰り返し単位を有していることが好ましく、より好ましくは、ノルボルネンに由来する繰り返し単位、及びエチレンに由来する繰り返し単位を有していることが望ましい。
ポリシクロオレフィン系樹脂の全構成単位における、環状アルケンに由来する繰り返し単位および鎖式不飽和炭化水素に由来する繰り返し単位の合計割合は、50質量%以上が好ましく、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、よりさらに好ましくは80質量%以上である。
2−5.溶剤可溶性樹脂原料及び液状樹脂原料
次に、溶剤可溶性樹脂原料及び液状樹脂原料について説明する。溶剤可溶性樹脂原料又は液状樹脂原料としては、例えば、エポキシ樹脂の原料となるエポキシ化合物、ビニル重合体樹脂の原料であるビニル系化合物((メタ)アクリル系化合物、スチレン系化合物等)、ポリ(アミド)イミド前駆体等が挙げられる。好ましくは、エポキシ化合物、ビニル系化合物である。
上記エポキシ樹脂とは、エポキシ基を有する化合物(エポキシ化合物)を含む硬化性組成物の硬化物である。硬化物の形態としてはエポキシ化合物をカチオン硬化触媒の存在下で光及び/又は熱硬化してなる形態、エポキシ化合物を付加的硬化剤と反応させることにより得られる硬化物の形態等が挙げられる。後者において硬化反応促進のため従来公知の硬化促進剤を併用することもできる。付加的硬化剤としては、例えば、酸無水物、多価フェノール化合物、多価アミン等が例示されるが、中でも酸無水物が好ましい。
上記エポキシ化合物としては、芳香族エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、水添エポキシ化合物等が好適であり、例えば、大阪ガスケミカル社製のフルオレンエポキシ(オンコートEX−1);ジャパンエポキシレジン社製のビスフェノールA型エポキシ化合物(エピコート828EL);ジャパンエポキシレジン社製の水添ビスフェノールA型エポキシ化合物(エピコートYX8000);ダイセル工業社製の脂環式液状エポキシ化合物(セロキサイド2021)等が好ましく使用できる。なお、本明細書中、エポキシ基とは、3員環のエーテルであるオキシラン環を含むものであり、狭義のエポキシ基の他、グリシジル基(グリシジルエーテル基及びグリシジルエステル基を含む)を含むものを意味する。
上記エポキシ化合物を含む硬化性組成物は、可撓性を有する成分(可撓性成分)を含むことが好適である。可撓性成分を含むことにより、成形時や基板、型等からはずすときに割れない、形が崩れない、剥がれやすい、柔軟性がある等の一体感のある樹脂組成物とすることができる。上記可撓性成分としては、上記エポキシ化合物とは異なる化合物であってもよいし、上記エポキシ化合物の少なくとも1種が可撓性成分であってもよい。
上記ビニル重合体樹脂とは、重合原料としてビニル系化合物を(共)重合して得られる重合体であり、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル−スチレン樹脂等が例示される。アクリル樹脂とは、(メタ)アクリロイル基を有する化合物((メタ)アクリロイル基含有化合物又は(メタ)アクリル系化合物とも称す。)を含む硬化性組成物の硬化物であり、スチレン樹脂とは、スチレンやジビニルベンゼン等のスチレン系モノマー(スチレン系化合物とも称す。)を含む硬化性組成物の硬化物であり、アクリル−スチレン樹脂とは、(メタ)アクリロイル基含有化合物及びスチレン系モノマーを含む硬化性組成物の硬化物である。上記ビニル重合体樹脂の中でも、アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂が好ましい。
上記(メタ)アクリロイル基含有化合物として好ましくは、(メタ)アクリレートモノマー、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が例示される。(メタ)アクリレートモノマーを(共)重合した(メタ)アクリレート(共)重合体(ただし(メタ)アクリロイル基を有する)も好適に使用できる。塗膜を容易に形成できる点で、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート(共)重合体等の重合性オリゴマーと、(メタ)アクリレートモノマーとを含む組成物をアクリル樹脂原料として用いることが好ましい。上記アクリル−スチレン樹脂原料としては、上記アクリル樹脂原料の好適な形態において更にスチレン系モノマーを用いた組成物が好ましい。
上記ポリ(アミド)イミド前駆体とは、ポリ(アミド)イミド樹脂を形成するための原料、すなわちイミド化反応に供される化合物であり、例えば、ポリアミック酸等が好適である。具体的には、例えば、日立化成工業社製のHPC−7000−30等が好ましく使用される。
<溶媒>
本発明に係る樹脂組成物は、その後の塗工操作を簡便に実施するために、溶媒(有機溶剤)で希釈された組成物(すなわち、溶媒を含むもの)であってもよい。使用できる溶媒は特に限定されず、樹脂成分等の種類に応じて適宜選択可能であるが、例えば、メチルエチルケトン(2−ブタノン)、メチルイソブチルケトン(4−メチル−2−ペンタノン)、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン類;PGMEA(2−アセトキシ−1−メトキシプロパン)、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体(エーテル化合物、エステル化合物、エーテルエステル化合物等);N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類;N−メチル−ピロリドン(より具体的には、1−メチル−2−ピロリドン等)等のピロリドン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジプチルエーテル等のエーテル類;等が好適である。中でもケトン類または芳香族炭化水素類が好ましい。
上記溶媒の使用量としては、樹脂組成物100質量%中、50質量%以上であることが好ましく、また、100質量%未満が好ましい。より好ましくは、70質量%以上であり、また、95質量%以下であってもよい。溶媒の含有量をこのような範囲内に調整することにより、オキソカーボン系化合物濃度の高い樹脂組成物を得ることが容易になる。
なお、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等は、オキソカーボン系化合物を分解するおそれがあるため、使用量は少ない方が好ましい。そのためアミド類の含有量は、樹脂組成物100質量%中、60質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、5質量%以下がさらにより好ましく、0質量%が特に好ましい(すなわち、アミド類を含まない)。
また本発明に係る樹脂組成物は、例えば、350〜400nmの波長域に吸収能を有する化合物を含んでいてもよい。これらの化合物の存在により、350〜400nm波長域の光(ほぼ紫光)に起因する樹脂シート(及び光選択透過フィルター)の劣化を充分に抑制することができる。350〜400nmの波長域に吸収能を有する化合物を併用する場合、350〜400nmの波長域に吸収能を有する化合物としては、例えば、TINUVIN P、TINUVIN 234、TINUVIN 329、TINUVIN 213、TINUVIN 571、TINUVIN 326(BASF社製)等の紫外線吸収化合物の1種又は2種以上を使用することができる。
また本発明に係る樹脂組成物には、界面活性剤、分散剤、表面張力調整剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、比抵抗調整剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。
<用途>
本発明に係る樹脂組成物は、オプトデバイス用途、表示デバイス用途、機械部品、電気・電子部品等の様々な用途で用いられるフィルター形成用の樹脂組成物として好ましく使用できる。
通常これらの用途で使用されるフィルターは、支持体と一体化され樹脂シートとして使用される。前記樹脂シートは、例えば、樹脂組成物を、支持体表面(又は、支持体と樹脂層との間に他の層を有する場合は、当該他の層の表面)にスピンコート法や溶媒キャスト法により塗布し、乾燥又は硬化することにより形成する方法(塗布法又はコーティング法と称す)や、支持体に対して、樹脂組成物から形成された樹脂フィルムを熱圧着することにより形成する方法の他、練込法等により製造できる。塗工厚(膜厚)は特に限定されないが、耐光性のよい部材を得るには薄膜であることが好ましいため、塗工厚(膜厚)は、例えば、5μm以下であることが好適であり、より好ましくは3μm以下である。また、0.5μm以上であることが好ましく、より好ましくは1μm以上である。
なお前記支持体としては、フィルム形状のもの(支持体フィルム)が好ましい。支持体フィルムとしては、透明性に優れる樹脂を用いることが好適であり、具体的には、例えば、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素化芳香族ポリマー、ポリ(アミド)イミド樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、シクロオレフィン樹脂等を用いることができる。これらの中でも、反射層を蒸着形成する際の耐熱性に優れる点で、フッ素化芳香族ポリマー、ポリ(アミド)イミド樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、エポキシ樹脂及び/又はアクリル樹脂が好ましい。より好ましくは、ポリ(アミド)イミド樹脂を少なくとも用いることである。
なお本発明に係る樹脂組成物は、新規なオキソカーボン系化合物を含んでいるため、耐熱性に優れる。例えば、実施例の欄に記載する方法によって得られた塗膜の耐熱性試験後の保持率Xは、好ましくは87%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上を達成できる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
<合成例1>
2,5−ジ−tert−ブチル−9−ヨード−8H−アセナフト[1,2−c]ピロール−7−カルボン酸エチル(2.0g、4.00mmol)、2−(ジヒドロキシボリル)−1H−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチル(3.00mmol)、Na2CO3(560mg、5.28mmol)、H2O(4.5ml)、dioxane(45ml)を反応容器に加えた。凍結脱気を三回行い、Pd(PPh34(154mg、0.133mmol)を加えた。窒素置換し、19時間還流した。室温に戻し、水を加え、1M HClでクエンチした。その後エーテルで抽出し、水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。反応容器にTHF(9ml)、EtOH(9ml)、LiOH・H2O(900mg)加え、2時間撹拌し減圧濃縮した。その後エーテルで抽出し、水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム,Rf=0.2)で精製し、2,5−ジ−tert−ブチル−9−(1H−ピロール−2−イル)−8H−アセナフト[1,2−c]ピロール−7−カルボン酸エチルを得た(収量:1.12g(2.53mmol)、収率:84%)。
なお原料の2,5−ジ−tert−ブチル−9−ヨード−8H−アセナフト[1,2−c]ピロール−7−カルボン酸エチルは、T. Okujima et al., “Acenaphthylene-Fused Cyclo[8]pyrroles with Intense Near-IR-Region Absorption Bands”, Chem. Eur. J., 19, p. 13970-13978 (2013)に記載される方法により合成できる。
Figure 2017141425
Mol.Form.: C29H32N2O2(Exact Mass:440.25, Mol.Wt.: 440.58)
Appearance: yellow powder
1H-NMR (CDCl3) δ = 9.99 (br, 2H), 8.21 (s, 1H), 7.97 (1H), 7.75 (s, 1H) 7.68 (s, 1H), 6.91(br, 2H), 6.45(m, 1H) 4.56 (q, J = 7.1Hz, 2H), 1.66 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.50 (s, 9H), 1.49(s,9H)
13C NMR (SOC2D6, 400MHz): δ= 160.6, 150.4, 150.3, 133.5, 131.7, 130.9, 129.4, 124.5, 123.5, 123.1, 121.4, 121.3, 120.5, 119.9, 119.7, 117.3, 113.7, 109.5, 108.7, 60.3, 35.2, 35.1, 31.4, 31.3, 14.8
IR: ν max/cm-1: 3325, 2954, 2903, 2868, 1651
decomp. temp.: 235℃
MS(DI MS): 440, 441 (M, M+1)
Anal.Calcd for C29H32N2O2:C, 79.06; H, 7.32; N, 6.36, C29H32N2O2 + 1/2EtOH C, 77.72; H, 7.61; N, 6.04
Found; C29H32N2O2 + 1/2EtOH: C, 77.59; H, 7.92; N, 6.18
2,5−ジ−tert−ブチル−9−(1H−ピロール−2−イル)−8H−アセナフト[1,2−c]ピロール−7−カルボン酸エチル(104mg、0.23mmol)、スクアリン酸(16.8mg、15mmol)、ブタノール(1.5ml)、トルエン(1.5ml)を加え、窒素置換せず8時間還流した。エバポレートした後、重曹水、水、Brineで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、吸引濾過した。濾紙上の茶色固体を、水、メタノール、クロロホルムで洗浄することにより、式(1−67−a)で表される化合物を得た。
また、濾液をBrineで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮、クロロホルム/メタノール95%(Rf=0.4)でシリカゲルクロマトグラフィーを行うことによっても式(1−67−a)で表される化合物を得た。合計の収量は37mg、収率は35%であった。
Figure 2017141425
式(1−67−a)で表される化合物:
Mol.Form.: C62H62N4O6(Exact Mass: 958.46694, Mol.Wt.: 959.17888)
Appearance: Brown powder or Green Powder
1H NMR (C2D2Cl4, 400MHz): δ=11.04(br, s, 1H), 9.89(br, s, 1H), 8.31 (s, 1H), 8.10 (s,1H), 7.81 (s, 2H), 7.60 (s, 1H), 7.15 (s, 1 H), 4.55 (q, J=7.1 Hz, 2H). 1.60(s, 9H), 1.58 (t,J = 7.1Hz, 3H) , 1.54 (s, 9H).
13C NMR (CDCl3, 400MHz): Can’t measured
IR : ν max/cm-1:3493, 3348, 2953, 2905, 2868, 1667, 1597
decomp. Temp. 349℃
MS(FAB MS):959(M+), 960 (M++1)
Anal.Calcd for C62H62N4O6:C, 77.64; H, 6.52; N, 5.84, C12H13NO3+1/2CHCl3: C, 73.68; H, 6.18; Cl, 5.22; N, 5.50,
Found; C, 77.68; H, 6.39; N, 5.63, (C12H13NO3+1/2CHCl3)
<合成例2>
反応容器にオキシ塩化リン62μl(0.665mmol)、DMF9ml(116mmol)を加え、30分撹拌した。その後、2,2’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−8H,8’H−7,7’−ビアセナフト[1,2−c]ピロール400mg(0.662mmol)をジクロロメタン10mlに溶解させ、反応容器に滴下し、3時間撹拌した。重曹水を加えクエンチし、塩化メチレン抽出、重曹水、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥した。アルミナカラム(塩化メチレン100%、Rf0.2)で精製することで9−ホルミル−2,2’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−8H,8’H−7,7’−ビアセナフト[1,2−c]ピロールを得た(収量394mg(0.614mmol)、収率:93%)。
なお原料の2,2’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−8H,8’H−7,7’−ビアセナフト[1,2−c]ピロールは、T. Okujima et al., “Acenaphthylene-Fused Cyclo[8]pyrroles with Intense Near-IR-Region Absorption Bands”, Chem. Eur. J., 19, p. 13970-13978 (2013)に記載される方法により合成できる。
Figure 2017141425
Mol.Form.: C45H48N2O (Exact Mass: 632.37666, Mol.Wt.: 632.87542)
Appearance: yellow powder
1H-NMR (CDCl3) δ = 10.16 (s, 1H), 9.65 (br, 1H), 8.89 (br, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.82 (m, 1H), 7.79(m, 1H), 7.70(m, 1H) 7.65 (m, 2H), 7.61 (m, 1H), 1.52 (s, 9H), 1.50(s,9H), 1.33 (s, 18H)
9−ホルミル−2,2’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−8H,8’H−7,7’−ビアセナフト[1,2−c]ピロール101mg(0.160mmol)を、THF3mlに溶解し、氷浴上でDIBAL−H/THF(1M)溶液を1ml滴下し、2.5時間還流した。水酸化ナトリウム水溶液でクエンチし30分撹拌後、酒石酸カリウムナトリウム水溶液を加え30分撹拌した。ジクロロメチレンで抽出後、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンに溶解させ、アルミナカラムに通し、濃縮することで9−メチル−2,2’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−8H,8’H−7,7’−ビアセナフト[1,2−c]ピロールを得た(収量86mg(0.1408mmol)、収率:88%)。
Figure 2017141425
Mol.Form.: C45H50N2 (Exact Mass: 618.39740, Mol.Wt.: 618.89190)
Appearance: Brown powder
1H NMR (C2D2Cl4, 400MHz): δ=8.25(br, 1H), 8.00(br, 1H), 7.67 (m, 1H), 7.56 (m,1H), 7.54 - 7.51 (m, 4H), 7.47 (m, 1H), 7.07 (m, 1 H), 2.55 (s, 3H). 1.43(s, 9H),1.43(s, 9H), 1.31 (s, 9H) , 1.30 (s, 9H).
9−メチル−2,2’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−8H,8’H−7,7’−ビアセナフト[1,2−c]ピロール47mg(0.076mmol)、スクアリン酸5.6mg(0.049mmol)をトルエン0.4ml、ブタノール0.4mlに溶解させ、80℃で3時間撹拌した。濃縮後、ジクロロメタンで抽出、水、飽和食塩水で洗浄後、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン100%、Rf0.3)で精製することにより式(1−98−a)で表される化合物を得た。(収量10mg(0.0076mol)、収率:20%)
Figure 2017141425
式(1−98−a)で表される化合物:
Mol.Form.: C94H98N4O2 (Exact Mass: 1314.76898, Mol.Wt.: 1315.80952)
Appearance: Brown powder
decomp. Temp. >300℃
1H NMR (C2D2Cl4, 400MHz, 80℃): δ=10.25(br, 1H), 9.57(br, 1H), 8.55(s, 1H), 7.97 (s,1H), 7.89(s, 2H), 7.85 (s, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.70 (s, 2H), 2.84 (s, 3H). 1.71(s, 9H),1.58(s, 9H), 1.49 (s, 9H) , 1.37 (s, 9H).
<合成例3>
9−メチル−2,2’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−8H,8’H−7,7’−ビアセナフト[1,2−c]ピロール27mg(0.044mmol)、クロコン酸3.4mg(0.024mmol)をトルエン0.5ml、ブタノール0.5mlに溶解させ、80℃で1時間撹拌した。濃縮後、ジクロロメタンで抽出、水、重曹水、飽和食塩水で洗浄後、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン100%、Rf0.3)で精製することにより式(2−98−a)で表される化合物を得た(収量21mg(0.0156mmol)、収率:71%)。
Figure 2017141425
式(2−98−a)で表される化合物:
Mol.Form.: C95H98N4O3(Exact Mass: 1342.76389, Mol.Wt.: 1343.81962)
Appearance: Red powder
decomp. Temp. >300℃
1H NMR (C2D2Cl4, 400MHz, 60℃): δ=13.17(br, 1H), 9.69(s, 1H), 8.80(br, 1H), 8.07 (br,2H), 7.90(br, 2H), 7.71 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 2.84 (s, 3H). 1.50(s, 9H),1.48(s, 9H), 1.20 (s, 9H).
m.p. <<400
MS(MALDI):1343(M+1)
Anal.Calcd for C95H98N4O3:C, 84.91; H, 7.35; N, 4.17; O, 3.57. ; C95H98N4O3+ CHCl3: C, 78.80; H, 6.82; Cl, 7.27; N, 3.83; O, 3.28
Found;C95H98N4O3+ CHCl3: C, 78.72; H, 6.85; Cl, 7.27; N, 3.70
<樹脂溶液の作製例>
[樹脂溶液A]
1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸(アルドリッチ製、純度95%)5部と無水酢酸(和光純薬製)44部とを、フラスコに仕込み、攪拌しながら反応器内を窒素ガスで置換した。窒素ガス雰囲気下で溶媒の還流温度まで昇温し、10分間溶媒を還流させた。その後、攪拌しながら室温まで冷却し、結晶を析出させた。析出した結晶を固液分離し、乾燥して目的物(1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物)の結晶を得た。続いて、温度計、撹拌器、窒素導入管、側管付き滴下ロート、ディーンスターク、冷却管を備えたフラスコに、窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(和光純薬製)0.89部と、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン7.6部を仕込んで溶解させた後、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物1部を室温にて固体のまま1時間かけて分割投入し、室温下2時間撹拌した。共沸脱水剤としてキシレンを2.6部添加して180℃で3時間反応を行い、ディーンスタークで還流して共沸する生成水を分離した。190℃に昇温しながらキシレンを留去した後、冷却しポリイミドのN−メチル−2−ピロリドン溶液を得た。このN−メチル−2−ピロリドン溶液をγ−ブチロラクトンでさらに希釈し、固形分3%のポリイミド樹脂溶液とした。このポリイミド樹脂溶液1部に対して、メタノール50部で再沈し、固液分離した。固液分離したポリイミド樹脂をγ―ブチロラクトンで溶解し、再び固形分3%のポリイミド樹脂溶液とし、前記と同様にメタノール50部で再沈し、固液分離した。再沈して得られた樹脂を乾燥してポリイミド樹脂Aを得た。また、示差走査熱量計によりポリイミド樹脂Aのガラス転移温度(Tg)を測定したところ、297℃であった。
製造例で得たポリイミド樹脂Aをシクロペンタノンで希釈し、濃度を6%に調整したものを、樹脂溶液Aとした。
[樹脂溶液B]
ポリシクロオレフィン樹脂(ノルボルネンとエチレンを共重合したシクロオレフィン共重合体、ポリプラスチックス社製「TOPAS(登録商標)5013F04」)が8wt%、トルエンが45wt%、o−キシレンが47wt%となるようにして各材料を混合したものを、樹脂溶液Bとした。
実施例1
樹脂溶液A2.00部と合成例1で得た化合物(1−67−a)0.006部を混合し、化合物を溶解した。この溶液をろ過して不溶分等を除いた後、ガラス基板上にスピンコートし、窒素気流下、100℃で3分間乾燥を行った後、200℃で30分間焼成して塗膜を得た。
実施例2
樹脂溶液B1.63部と合成例1で得た化合物(1−67−a)0.006部を混合し、化合物を溶解した。この溶液をろ過して不溶分等を除いた後、ガラス基板上にスピンコートし、窒素気流下、100℃で3分間乾燥を行った後、200℃で30分間焼成して塗膜を得た。
実施例3
化合物(1−67−a)を化合物(1−98−a)に変更したこと以外は実施例1と同様にして塗膜を得た。
実施例4
化合物(1−67−a)を化合物(1−98−a)に変更したこと以外は実施例2と同様にして塗膜を得た。
実施例5
化合物(1−67−a)を化合物(2−98−a)に変更したこと以外は実施例1と同様にして塗膜を得た。
実施例6
化合物(1−67−a)を化合物(2−98−a)に変更したこと以外は実施例2と同様にして塗膜を得た。
比較例1
化合物(1−67−a)を、下記式で表される比較化合物(1)に変更したこと以外は実施例1と同様にして塗膜を得た。
Figure 2017141425
比較例2
化合物(1−67−a)を、比較化合物(1)に変更したこと以外は実施例2と同様にして塗膜を得た。
<耐熱性試験>
下記実施例および比較例で得た塗膜を窒素気流下、200℃で30分間追加焼成し、焼成前後の吸収極大波長における吸光度の保持率Xを下記式より算出することで耐熱性試験評価を実施した。
保持率X(%)=(追加焼成後塗膜の吸収極大波長における吸光度)
/(追加焼成前塗膜の吸収極大波長における吸光度)×100耐熱性試験前後で得られた保持率Xを表1にまとめた。
Figure 2017141425
実施例1〜6および比較例1〜2の結果より、スクアリリウム骨格にピロール環が結合している化合物において、本発明のビピロール骨格を有する化合物はモノピロール骨格を有する化合物と比較して耐熱性試験後における保持率Xが高く、耐熱性に優れていることが分かる。

Claims (8)

  1. 式(1)または式(2)で表されるオキソカーボン系化合物、および樹脂成分を含むことを特徴とする樹脂組成物。
    Figure 2017141425

    [式(1)及び(2)中、Ra1、Ra2、Ra3およびRa4は、それぞれ独立して、式(3)で表される構造単位である。]
    Figure 2017141425

    [式(3)中、
    b1、Rb2、Rb3およびRb4は、それぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表し、Rb1とRb2或いはRb3とRb4は、それぞれ、互いに結合して環を形成していてもよい。
    1およびX2は、それぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表す。
    Yは、水素原子、有機基または極性官能基を表す。
    *は結合部位を表す。]
  2. 前記Rb1、Rb2、Rb3およびRb4が、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基であり、Rb1とRb2或いはRb3とRb4は、それぞれ、互いに結合して環を形成していてもよい基である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記式(3)で表される構造単位が、式(3−1)〜式(3−9)から選ばれる請求項1または2に記載の樹脂組成物。
    Figure 2017141425
    [式(3−1)〜式(3−9)中、*、X1、X2およびYは前記に同じ。
    b1、Rb2、Rb3およびRb4は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基を表す。
    式(3−1)〜式(3−9)中、Rb1〜Rb4以外の水素原子は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基で置換されていてもよい。]
  4. 前記X1およびX2が、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基であり、
    前記Yが、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 更に、ケトン類、グリコール誘導体、アミド類、エステル類、ピロリドン類、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類及びエーテル類から選ばれる少なくとも1種以上の溶媒を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記樹脂成分が、(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、シリコーン樹脂およびフッ素化芳香族ポリマーから選ばれる少なくとも1種以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記溶媒の使用量が、樹脂組成物100質量%中、50質量%以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物が硬化してなる成形体。
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