JP2017179131A - スクアリリウム化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】極性溶媒中での安定性に優れたスクアリリウム化合物とこれを含む溶液および樹脂組成物を提供する。【解決手段】下記式(1)で表されることを特徴とするスクアリリウム化合物。[式(1)中、R1〜R8はそれぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表し、A1およびA2はそれぞれ独立して、カルボニル基またはスルホニル基を表し、Xは有機連結基を表す。]【選択図】図1

Description

本発明は、スクアリリウム化合物とこれを含む溶液および樹脂組成物に関するものである。
スクアリリウム化合物は可視から近赤外領域に吸収域を有する色素として有用であり、これまで様々な種類のスクアリリウム化合物が知られている。例えば特許文献1,2には、スクアリリウム骨格の両側にベンゼン環が結合した構造を有するスクアリリウム化合物が開示され、特許文献3,4には、スクアリリウム骨格の両側に炭素原子を介して複素環が結合した構造を有するスクアリリウム化合物が開示され、特許文献5には、スクアリリウム骨格の両側にベンゼン環(インドリン環)が結合し、これらのベンゼン環が有機連結基を介して繋がった構造を有するスクアリリウム化合物が開示されている。
スクアリリウム化合物は、可視光や近赤外光のカットフィルタ、近赤外線吸収フィルム、セキュリティーインク等への利用が期待されているが、このような用途にスクアリリウム化合物を適用する場合、スクアリリウム化合物を有機溶媒に溶解させて取り扱い、様々な製品に加工することが望ましく、これによりスクアリリウム化合物を製品中に均一に存在させることができる。スクアリリウム化合物は分子内で分極した構造を有するため、極性溶媒を用いた方が非極性溶媒を用いる場合よりも溶解性が高くなる傾向を示し、高濃度のスクアリリウム化合物溶液を得ることが容易になる。しかし、スクアリリウム化合物は一般に極性溶媒中で速やかに分解する傾向を示すため、従来は非極性溶媒を用いてスクアリリウム化合物溶液を調製せざるを得ない場合が多かった。
特開2012−8532号公報 特開2015−86378号公報 特開2008−308602号公報 特開2014−148567号公報 特開2015−176046号公報
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、極性溶媒中での安定性に優れたスクアリリウム化合物とこれを含む溶液および樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、以下の発明を含む。
[1] 下記式(1)で表されることを特徴とするスクアリリウム化合物。
Figure 2017179131

[式(1)中、R1〜R8はそれぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表し、A1およびA2はそれぞれ独立して、カルボニル基またはスルホニル基を表し、Xは有機連結基を表す。]
[2] 前記R1〜R3およびR5〜R7はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アミノ基またはヒドロキシ基を表し、前記R4およびR8はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アミド基またはヒドロキシ基を表す[1]に記載のスクアリリウム化合物。
[3] 前記R1、R3〜R5およびR7〜R8はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表し、前記R2およびR6はそれぞれ独立して、下記式(2)で表されるアミノ基を表す[1]に記載のスクアリリウム化合物。
Figure 2017179131

[式(2)中、*は式(1)中のベンゼン環との結合部位を表し、R9およびR10はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基または置換基を有していてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し、R9およびR10は互いに連結して環形成していてもよい。]
[4] 前記A1およびA2はカルボニル基を表し、前記Xは、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基、またはこれらの基が単結合、−O−、−CO−、−S−または−NH−で結合した連結基を表す[1]〜[3]のいずれかに記載のスクアリリウム化合物。
[5] 下記式(3)で表されることを特徴とする化合物。
Figure 2017179131

[式(3)中、R1〜R8はそれぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表し、A1およびA2はそれぞれ独立して、カルボニル基またはスルホニル基を表し、Xは有機連結基を表す。]
[6] [1]〜[4]のいずれかに記載のスクアリリウム化合物と極性溶媒とを含むことを特徴とするスクアリリウム化合物溶液。
[7] [1]〜[4]のいずれかに記載のスクアリリウム化合物と樹脂成分とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
本発明のスクアリリウム化合物は、スクアリリウム骨格の両側に結合したフェニル基が連結基を介して繋がった構造を有しているため、耐久性に優れ、極性溶媒中でも安定して存在するものとなる。
スクアリリウム化合物のN,N−ジメチルアセトアミド中での吸光度の経時変化の測定結果を表す。
本発明のスクアリリウム化合物は、下記式(1)で表されるものである。下記式(1)中、R1〜R8はそれぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表し、A1およびA2はそれぞれ独立して、カルボニル基(−CO−)またはスルホニル基(−SO2−)を表し、Xは有機連結基を表す。
Figure 2017179131
本発明のスクアリリウム化合物は、スクアリリウム骨格の両側にフェニル基が結合しており、このフェニル基が連結基Xを介して繋がった構造を有しているため、耐久性に優れ、極性溶媒中でも安定して存在するものとなる。また本発明のスクアリリウム化合物は、比較的容易に合成することができ、生産性に優れるものとなる。
スクアリリウム化合物には、共鳴関係にある化合物が存在している場合がある。式(1)のスクアリリウム化合物と共鳴関係にある化合物としては、例えば、下記式(1a),(1b)で表される化合物が挙げられる。本発明のスクアリリウム化合物はこれら全ての共鳴関係にある化合物を含むものとし、具体的には、式(1)のスクアリリウム化合物には、下記式(1a),(1b)で表されるような共鳴関係にある化合物が含まれる。
Figure 2017179131
式(1)のR1〜R8の有機基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオオキシ基(アルキルチオ基)、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基、アリールチオオキシ基(アリールチオ基)、アリールオキシカルボニル基、アリールスルホニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロアリール基、アミド基、スルホンアミド基、カルボキシ基(カルボン酸基)、シアノ基等が挙げられる。式(1)のR1〜R8の極性官能基としては、ハロゲノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基(スルホン酸基)等が挙げられる。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等の直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等の脂環式アルキル基等が挙げられる。アルキル基の炭素数は1〜20が好ましく、具体的には、直鎖状または分岐状のアルキル基であれば炭素数1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、さらに好ましくは1〜5であり、脂環式のアルキル基であれば炭素数4〜10が好ましく、5〜8がより好ましい。前記アルキル基は置換基を有していてもよく、アルキル基が有する置換基としては、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基等が挙げられる。ハロゲノ基を有するアルキル基としては、モノハロゲノアルキル基、ジハロゲノアルキル基、トリハロメチル単位を有するアルキル基、パーハロゲノアルキル基等が挙げられる。ハロゲノ基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、特にフッ素原子が好ましい。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ノナデシルオキシ基、イコシルオキシ基等が挙げられる。アルコキシ基の炭素数は、1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、さらに好ましくは1〜5である。前記アルコキシ基中のアルキル基は、直鎖状であってもよく分岐状であってもよい。
前記アルキルチオオキシ基(アルキルチオ基)としては、例えば、メチルチオオキシ基(メチルチオ基)、エチルチオオキシ基(エチルチオ基)、プロピルチオオキシ基(プロピルチオ基)、ブチルチオオキシ基(ブチルチオ基)、ペンチルチオオキシ基(ペンチルチオ基)、ヘキシルチオオキシ基(ヘキシルチオ基)、ヘプチルチオオキシ基(ヘプチルチオ基)、オクチルチオオキシ基(オクチルチオ基)、ノニルチオオキシ基(ノニルチオ基)、デシルチオオキシ基(デシルチオ基)、ウンデシルチオオキシ基(ウンデシルチオ基)、ドデシルチオオキシ基(ドデシルチオ基)、トリデシルチオオキシ基(トリデシルチオ基)、テトラデシルチオオキシ基(テトラデシルチオ基)、ペンタデシルチオオキシ基(ペンタデシルチオ基)、ヘキサデシルチオオキシ基(ヘキサデシルチオ基)、ヘプタデシルチオオキシ基(ヘプタデシルチオ基)、オクタデシルチオオキシ基(オクタデシルチオ基)、ノナデシルチオオキシ基(ノナデシルチオ基)、イコシルチオオキシ基(イコシルチオ基)等が挙げられる。アルキルチオオキシ基の炭素数は、1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、さらに好ましくは1〜5である。前記アルキルチオオキシ基中のアルキル基は、直鎖状であってもよいし分岐状であってもよい。
前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基等の無置換アルコキシカルボニル基の他、トリフルオロメチルオキシカルボニル基等の置換アルコキシカルボニル基が挙げられる。ここで置換基としては、ハロゲノ基等が挙げられる。アルコキシカルボニル基の炭素数は、2〜20が好ましく、より好ましくは2〜10であり、さらに好ましくは2〜5である。前記アルコキシカルボニル基中のアルキル基は、直鎖状であってもよく分岐状であってもよい。
前記アルキルスルホニル基としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基の置換または無置換のアルキルスルホニル基等が挙げられる。アルキルスルホニル基の炭素数は、1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、さらに好ましくは1〜5である。前記アルキルスルホニル基中のアルキル基は、直鎖状であってもよく分岐状であってもよい。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、インデニル基、アズレニル基、フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、ペンタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基等が挙げられる。アリール基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。前記アリール基は置換基を有していてもよく、アリール基が有する置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ヘテロアリール基、ハロゲノ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、チオシアネート基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基等が挙げられる。前記アリール基は、ヘテロアリール基と縮環していてもよい。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基等が挙げられる。前記アラルキル基は置換基を有していてもよく、アラルキル基が有する置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲノ基、シアノ基、ニトロ基、チオシアネート基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基等が挙げられる。アラルキル基の炭素数は、7〜25が好ましく、より好ましくは7〜15である。
前記アリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ基、ビフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基、フェナントリルオキシ基、ピレニルオキシ基、インデニルオキシ基、アズレニルオキシ基、フルオレニルオキシ基、ターフェニルオキシ基、クオーターフェニルオキシ基、ペンタレニルオキシ基、ヘプタレニルオキシ基、ビフェニレニルオキシ基、インダセニルオキシ基、アセナフチレニルオキシ基、フェナレニルオキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アリールチオオキシ基(アリールチオ基)としては、例えば、フェニルチオオキシ基、ビフェニルチオオキシ基、ナフチルチオオキシ基、アントリルチオオキシ基、フェナントリルチオオキシ基、ピレニルチオオキシ基、インデニルチオオキシ基、アズレニルチオオキシ基、フルオレニルチオオキシ基、ターフェニルチオオキシ基、クオーターフェニルチオオキシ基、ペンタレニルチオオキシ基、ヘプタレニルチオオキシ基、ビフェニレニルチオオキシ基、インダセニルチオオキシ基、アセナフチレニルチオオキシ基、フェナレニルチオオキシ基等が挙げられる。アリールチオオキシ基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、4−メトキシフェニルオキシカルボニル基等の置換または無置換のフェニルオキシカルボニル基;1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基等の置換または無置換のナフチルオキシカルボニル基等が挙げられる。アリールオキシカルボニル基の炭素数は、7〜25が好ましく、より好ましくは7〜15である。
前記アリールスルホニル基としては、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、2−フルオロフェニルスルホニル基、3−メチルフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、3−フルオロフェニルスルホニル基、4−メチルフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等の置換または無置換のフェニルスルホニル基;1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基等の置換または無置換のナフチルスルホニル基等が挙げられる。アリールスルホニル基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アリールスルフィニル基としては、例えば、フェニルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メトキシフェニルスルフィニル基、2−ブトキシフェニルスルフィニル基、2−フルオロフェニルスルフィニル基、3−メチルフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−メチルフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メトキシフェニルスルフィニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等の置換または無置換のフェニルスルフィニル基;1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基等の置換または無置換のナフチルスルフィニル基等が挙げられる。アリールスルフィニル基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記ヘテロアリール基としては、例えば、チエニル基、チオピラニル基、イソチオクロメニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラリジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、フラニル基、ピラニル基等が挙げられる。ヘテロアリール基の炭素数は、2〜20が好ましく、より好ましくは3〜15である。前記ヘテロアリール基は置換基を有していてもよく、ヘテロアリール基が有する置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ハロゲノ基、水酸基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、チオシアネート基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基等が挙げられる。前記ヘテロアリール基は、アリール基と縮環していてもよい。
前記アミド基としては、式:−NHCORa1で表され、Ra1がアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基であるもの等が挙げられる。アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基としては上記に例示した置換基が具体的に挙げられ、水素原子の一部がハロゲン原子によって置換されていてもよい。
前記スルホンアミド基としては、式:−NHSO2a2で表され、Ra2がアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基であるもの等が挙げられる。アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基としては上記に例示した置換基が具体的に挙げられ、水素原子の一部がハロゲン原子によって置換されていてもよい。
前記ハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等が挙げられる。
前記アミノ基としては、式:−NRa3a4で表され、Ra3およびRa4がそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基であるもの等が挙げられる。アルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基としては上記に例示した置換基が具体的に挙げられ、アルケニル基とアルキニル基としては、上記に例示したアルキル基の炭素−炭素単結合の一部が二重結合または三重結合に置き換わった置換基が挙げられ、これらの置換基は水素原子の一部がハロゲン原子によって置換されていてもよい。また、Ra3とRa4は互いに連結して環形成していてもよい。
式(1)の置換基R1〜R8としては、上記の中でも、R1〜R3およびR5〜R7がそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アミノ基またはヒドロキシ基であり、R4およびR8がそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アミド基またはヒドロキシ基であるものが好ましい。このようなスクアリリウム化合物は製造が比較的容易であり、置換基R1〜R8を適宜選択することで、最大吸収波長を所望の波長域に制御したり、溶媒への溶解性を高めることができる。中でも、スクアリリウム化合物のπ共役系を安定的に広範囲に広げることができる点から、R2およびR6はアミノ基であることが好ましい。また、スクアリリウム化合物の安定性や製造容易性の点から、R1、R3〜R5およびR7〜R8はそれぞれ独立して、水素原子またはアルキル基であることが好ましい。特に、後述するように式(3)で表されるジアミド化合物をスクアリン酸と反応させる際に、所望の付加反応が起こるようにして、式(1)で表されるスクアリリウム化合物を効率的に製造する点から、R2およびR6がアミノ基であり、R3およびR7がアルキル基であり、R1、R4、R5およびR8が水素原子であることが好ましい。
2およびR6のアミノ基としては、下記式(2)で表されるアミノ基が好ましい。下記式(2)において、*は式(1)中のベンゼン環との結合部位を表し、R9およびR10はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基または置換基を有していてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し、R9およびR10は互いに連結して環形成していてもよい。R2およびR6にこのようなアミノ基が結合していれば、スクアリリウム化合物の最大吸収波長が長波長側(例えば700nm前後やそれ以上)にシフトして、スクアリリウム化合物を近赤外線カットフィルタの吸収色素として好適に用いやすくなる。また、スクアリリウム化合物の製造が容易になり、例えば特許文献5に記載されるスクアリリウム化合物よりも少ないステップ数で合成することが可能となる。さらに、特許文献5に記載されるスクアリリウム化合物は、アミノ基がベンゼン環と縮環した構造のため分子の平面性が高く、分子どうしが集合したときに規則的に集まった結晶性の高い集合体構造を取りやすいが、R2およびR6がアミノ基である式(1)のスクアリリウム化合物は、アミノ基がベンゼン環から単独して連結した構造をとるため、分子の平面性を緩和することが容易になり、分子どうしが集合したときに不規則的に集まった結晶性の低い集合体構造を取りやすくなり、溶媒との親和性が高まることも期待できる。
Figure 2017179131
式(2)のR9およびR10の脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が具体的に挙げられる。脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分枝鎖状、環状のいずれであってもよい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基(例えば、n−プロピル基やイソプロピル基)、ブチル基(例えば、n−ブチル基やtert−ブチル基)、ペンチル基(例えば、n−ペンチル基やネオペンチル基)、へキシル基、ヘプチル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。アルキル基の炭素数は1〜8が好ましく、より好ましくは1〜5であり、さらに好ましくは1〜3である。アルケニル基としては、例えば、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、シクロペンテニル基、シクロへキセニル基等が挙げられる。アルケニル基の炭素数は2〜8が好ましく、より好ましくは2〜5であり、さらに好ましくは2〜3である。アルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、シクロペンチニル基、シクロへキシニル基等が挙げられる。アルキニル基の炭素数は2〜8が好ましく、より好ましくは2〜5であり、さらに好ましくは2〜3である。
式(2)のR9およびR10の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。芳香族炭化水素基の炭素数は、6〜12が好ましく、6〜10がより好ましい。
式(2)のR9とR10が互いに連結した環構造としては、炭素数2〜8の直鎖状アルキレン基の両末端が式(2)の窒素原子に結合した構造や、当該アルキレン基に含まれる−CH2−の一部が−O−、−CO−、−S−、−NH−で置換された構造が挙げられ、例えば下記式(2−1)〜(2−10)に示した構造が挙げられる。
Figure 2017179131
上記に例示したR9とR10の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、R9とR10が互いに連結した環構造は、水素原子の一部が、例えばアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基等によって置換されていてもよい。これらの中でも、好ましい置換基としては、アルキル基(R9およびR10が脂肪族炭化水素基である場合を除く)、アリール基(R9およびR10が芳香族炭化水素基である場合を除く)、ハロゲノ基、カルボキシ基、アルコキシ基、水酸基が挙げられる。
2およびR6のアミノ基としては、式(1)で表されるスクアリリウム化合物の製造容易性の点から3級アミノ基が好ましく、式(2)のアミノ基ではR9とR10が水素原子以外であることが好ましい。中でも、R2およびR6のアミノ基としては、式(2)のR9とR10が連結して環構造を形成した環状アミノ基であることが好ましく、環状アミノ基は、炭素数2〜8(好ましくは炭素数3〜6)の直鎖状アルキレン基の両末端が窒素原子に結合した構造を有するものが好ましい。そのような環状アミノ基としては、具体的には下記式(2−11)で表されるアミノ基が挙げられる。下記式(2−11)においてmは2〜8の整数を表し、3〜6の整数がより好ましい。式(2)または式(2−11)の環状アミノ基には、アルキル基、アリール基、ハロゲノ基、カルボキシ基、アルコキシ基、水酸基等の置換基が結合していてもよい。
Figure 2017179131
式(1)のスクアリリウム骨格の両側のベンゼン環を繋ぐ連結基Xとしては、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、これらの基(同種または異種であってもよい)が単結合、−O−、−CO−、−S−または−NH−で結合された連結基等が挙げられ、これらの連結基は置換基を有していてもよい。連結基Xの有する置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、ハロゲノ基、水酸基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、チオシアネート基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基等が挙げられる。式(1)のスクアリリウム骨格の両側のベンゼン環が連結基Xを介して繋がることで、スクアリリウム化合物の耐久性(特に極性溶媒中での耐分解性)が格段に向上する。
式(1)のXの有機連結基としては、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基、またはこれらの基が単結合、−O−、−CO−、−S−または−NH−で結合した連結基であることが好ましく、これらの連結基に結合していてもよい置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲノ基および水酸基よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。例えば式(1)のスクアリリウム化合物の製造容易性の点から、連結基Xとしては、置換基を有していてもよいアルキレン基が好ましく、具体的には、置換基を有していてもよい炭素数6〜12(好ましくは炭素数7〜10)の直鎖状アルキレン基が好ましい。また、連結基Xが、置換基を有していてもよい複数のアリーレン基が単結合、−O−、−CO−、−S−または−NH−で結合したものも好ましい。このような連結基Xであれば、後述するように式(3)で表されるジアミド化合物をスクアリン酸と反応させる際に、スクアリン酸がジアミド化合物の両端のベンゼン環と結合して環構造を形成して、式(1)で表されるスクアリリウム化合物を製造することが容易になる。
式(1)のA1およびA2としては、式(1)のスクアリリウム化合物の製造容易性の点から、カルボニル基であることが好ましい。
式(1)のスクアリリウム化合物の好ましい一例として、例えば、下記式(1−1)および式(1−2)で表される化合物が具体的に挙げられる。下記式(1−1)および式(1−2)において、R1、R3、R5およびR7は水素原子またはアルキル基を表し、R9およびR10はそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し、R9およびR10は互いに連結して環形成していてもよく、nは6〜12の整数を表す。なお、2つのR9は互いに同一または異なっていてもよく、2つのR10は互いに同一または異なっていてもよい。特に−NR910のアミノ基は、上記式(2−11)で表される環状アミノ基であることが好ましい。
Figure 2017179131
Figure 2017179131
本発明のスクアリリウム化合物は、下記式(3)で表されるジアミド化合物を、スクアリン酸と反応させることにより製造することができる。下記式(3)中、R1〜R8、A1、A2およびXは上記の式(1)における意味と同じである。R1〜R8、A1、A2およびXの好適態様も上記に説明した通りである。式(3)のジアミド化合物に含まれるアミド基は、カルボン酸アミドであってもよく、スルホンアミドであってもよく、これら両者をまとめてアミドと称される。
Figure 2017179131
式(3)で表されるジアミド化合物は、本発明のスクアリリウム化合物の原料として好適に用いられ、これにより、本発明のスクアリリウム化合物を容易に製造することができる。すなわち、式(3)のジアミド化合物をスクアリン酸と反応させ、式(1)で表されるスクアリリウム化合物を得る工程を有する製造方法により、本発明のスクアリリウム化合物を製造することができる。
ジアミド化合物をスクアリン酸と反応させる際のジアミド化合物の使用量は、スクアリン酸に対し、0.6倍mol以上が好ましく、0.8倍mol以上がより好ましく、また1.8倍mol以下が好ましく、1.5倍mol以下がより好ましく、1.2倍mol以下がさらに好ましい。
スクアリン酸とジアミド化合物との反応は、溶媒存在下で実施することが好ましい。使用できる溶媒としては、例えば、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロトルエン、ジクロロベンゼン等の塩素系芳香族類;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。前記溶媒の使用量(合計)は、スクアリン酸に対して、1質量倍以上が好ましく、5質量倍以上がより好ましく、10質量倍以上がさらに好ましく、また100質量倍以下が好ましい。
スクアリン酸とジアミド化合物との反応において、反応温度は適宜設定すればよく、例えば30℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましく、また170℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましい。当該反応は還流下で行うことが好ましい。反応時間は特に限定されず、反応の進行状況に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.5時間以上が好ましく、1時間以上がより好ましく、また48時間以下が好ましく、24時間以下がより好ましい。反応時の雰囲気は、不活性ガス(窒素、アルゴン等)雰囲気とすることが好ましい。
式(3)のジアミド化合物は、下記の反応式に示すように、アミノベンゼン(式(4−1)および式(4−2)の化合物)と、ジカルボン酸クロリド、ジスルホン酸クロリドまたは一分子中にカルボン酸クロリドとスルホン酸クロリドを有する化合物(式(5)の化合物)とを反応させることにより得ることができる。下記反応式において、R1〜R8、A1、A2およびXは上記の式(1)における意味と同じである。式(4−1)のアミノベンゼンと式(4−2)のアミノベンゼンは同一の化合物であってもよい。
Figure 2017179131
式(3)のジアミド化合物をスクアリン酸と反応させることにより得られたスクアリリウム化合物は、必要に応じて、ろ過、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、アルミナカラムクロマトグラフィー、昇華、再結晶、晶析など公知の精製手段によって適宜精製することができる。得られたスクアリリウム化合物の化学構造は、質量分析法、単結晶X線構造解析法、フーリエ変換赤外分光法、核磁気共鳴分光法などの公知の分析方法により解析することができる。
なお上記では、スクアリリウム骨格の両側に結合したフェニル基が連結基Xを介して繋がったスクアリリウム化合物について説明したが、スクアリリウム化合物と同じオキソカーボン系化合物に属し、スクアリリウム化合物と類似するクロコニウム化合物においても、クロコニウム骨格の両側にフェニル基を結合し、このフェニル基を連結基を介して繋げることで、耐溶剤性が高まることが期待できる。
本発明のスクアリリウム化合物は、極性溶媒と混合して、スクアリリウム化合物溶液とすることができる。スクアリリウム化合物溶液に含まれるスクアリリウム化合物は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。本発明のスクアリリウム化合物溶液は、溶媒として極性溶媒を用いているため、スクアリリウム化合物を高濃度で溶解させることができ、しかも極性溶媒中でスクアリリウム化合物を安定して存在させることができる。
極性溶媒は、非プロトン性の極性溶媒であることが好ましく、例えば、ニトリル類、アミド類、スルホキシド類、ケトン類等が挙げられる。ニトリル類としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリル、マロノニトリル等が挙げられる。アミド類としては、ホルムアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ベンズアミド、アセトアニリド等の非環状アミド類;2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−ビニルピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム等の環状アミド類が挙げられる。スルホキシド類としては、ジメチルスルホキシド、ジブチルスルホキシド、メチルフェニルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、ジベンジルスルホキシド等が挙げられる。ケトン類としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。これらの中でも、極性が比較的高いニトリル類、アミド類、スルホキシド類が好ましく、溶媒としての取り扱い性を考慮すると、その炭素数は1〜5が好ましく、1〜4がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。
スクアリリウム化合物溶液中のスクアリリウム化合物の濃度は特に限定されず、使用目的に応じて適宜調整すればよく、例えば0.01質量%〜10質量%とすればよい。
本発明のスクアリリウム化合物は、樹脂成分と混合して、樹脂組成物とすることができる。樹脂組成物は、本発明のスクアリリウム化合物と樹脂成分を少なくとも含むものである。樹脂組成物に含まれるスクアリリウム化合物は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
本発明のスクアリリウム化合物は一種の色素と見なすことができるが、本発明の樹脂組成物は、用途に応じた所望の性能が確保される限り、本発明のスクアリリウム化合物とともに他の色素を含有していてもよい。樹脂組成物に含まれていてもよい色素としては、例えば、本発明のスクアリリウム化合物以外のスクアリリウム系色素、クロコニウム系色素、中心金属イオンとして銅(例えば、Cu(II))や亜鉛(例えば、Zn(II))等を有していてもよい環状テトラピロール系色素(ポルフィリン類、クロリン類、フタロシアニン類、コリン類等)、シアニン系色素、クアテリレン系色素、ナフタロシアニン系色素、ニッケル錯体系色素、銅イオン系色素、ジインモニウム系色素、サブフタロシアニン系色素、キサンテン系色素、アゾ系色素、ジピロメテン系色素等が挙げられる。これら他の色素は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明の樹脂組成物が他の色素をも含有する場合、他の色素の含有量は、本発明のスクアリリウム化合物と他の色素の合計100質量%に対し、60質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、他の色素を実質的に含まないことが特に好ましい。
樹脂組成物中の本発明のスクアリリウム化合物の含有量は、所望の性能を発現させる点から、樹脂組成物の固形分100質量%中、0.01質量%以上であることが好ましく、0.3質量%以上がより好ましく、1質量%以上がさらに好ましい。また、樹脂組成物の成形性や成膜性等を高める点から、樹脂組成物中の本発明のスクアリリウム化合物の含有量は、樹脂組成物の固形分100質量%中、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、15質量%以下がさらに好ましい。樹脂組成物が他の色素も含有する場合は、本発明のスクアリリウム化合物と他の色素との合計含有量が上記範囲にあることが好ましい。
樹脂組成物に含まれる樹脂成分は、公知の樹脂を用いることができる。樹脂成分としては、透明性が高く、本発明のスクアリリウム化合物を溶解または分散できるものが好ましい。他の色素を併用する場合は、樹脂成分は、他の色素も溶解または分散できるものが好ましい。このような樹脂成分を選択することにより、透過させたい波長域における高透過率と、遮断したい波長域における高吸収性を両立させることができる。
樹脂成分としては、重合が完結した樹脂のみならず、樹脂原料(樹脂の前駆体、当該前駆体の原料、樹脂を構成する単量体等を含む)であって、樹脂組成物を成形する際に重合反応または架橋反応して樹脂に組み込まれるものも用いることができる。本発明においては、いずれの樹脂も樹脂成分に含まれる。なお後者の場合は、重合反応で得られた反応液中に存在する、未反応物、反応性末端官能基、イオン性基、触媒、酸・塩基性基等により、スクアリリウム化合物の構造の一部または全部が分解してしまうこともあり得る。従って、そのような懸念がある場合には、重合が完結した樹脂にスクアリリウム化合物を配合して、樹脂組成物を形成することが望ましい。
樹脂成分としては、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリルウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂)、シクロオレフィン系樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド樹脂(例えば、ナイロン)、アラミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキド樹脂、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル樹脂(例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等)、ポリスルホン樹脂、ブチラール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル系樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂(例えば、(メタ)アクリルシリコーン系樹脂、アルキルポリシロキサン系樹脂、シリコーンウレタン樹脂、シリコーンポリエステル樹脂、シリコーンアクリル樹脂等)、フッ素系樹脂(例えば、フッ素化芳香族ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、フッ素化ポリアリールエーテルケトン(FPEK)、フッ素化ポリイミド(FPI)、フッ素化ポリアミド酸(FPAA)、フッ素化ポリエーテルニトリル(FPEN)等)等が挙げられる。
樹脂成分は透明性が高いことが好ましく、これにより樹脂組成物を光学用途に好適に適用しやすくなる。樹脂成分は、例えば、厚さ0.1mmでの全光線透過率が75%以上であることが好ましく、80%以上がより好ましく、85%以上がさらに好ましい。樹脂成分の前記全光線透過率の上限は特に限定されず、全光線透過率は100%以下であればよいが、例えば95%以下であってもよい。全光線透過率は、JIS K 7105に基づき測定する。
樹脂成分はガラス転移温度(Tg)が高いことが好ましく、これにより、樹脂組成物やこれから得られる各種成形体の耐熱性を高めることができる。樹脂成分のガラス転移温度は、例えば、110℃以上が好ましく、120℃以上がより好ましく、130℃以上がさらに好ましい。樹脂成分のガラス転移温度の上限は特に限定されないが、樹脂組成物の成形加工性を確保する点から、例えば380℃以下が好ましい。
樹脂組成物は、射出成形や押出成形等の成形に用いることのできる熱可塑性樹脂組成物であってもよく、スピンコート法、溶媒キャスト法、ロールコート法、スプレーコート法、バーコート法、ディップコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、インクジェット法等により塗工できるよう塗料化された樹脂組成物であってもよい。
樹脂組成物が熱可塑性樹脂組成物である場合は、当該樹脂組成物を、射出成形、押出成形、真空成形、圧縮成形、ブロー成形等をすることにより成形品を得ることができる。この方法では、樹脂成分として熱可塑性樹脂を用い、当該熱可塑性樹脂にスクアリリウム化合物を配合し、加熱成形することにより成形品が得られる。例えば、ベース樹脂の粉体またはペレットにスクアリリウム化合物を添加し、150℃〜350℃程度に加熱し、溶解させた後、成形するとよい。成形品の形状は特に限定されるものではないが、厚さ200μm以下のフィルムや厚さ200μm超の板状物等の面状成形体;異形品等の成形体等が挙げられる。また樹脂を混練する際に、紫外線吸収剤、可塑剤等、通常の樹脂成形に用いる添加剤を加えてもよい。
樹脂組成物が塗料化された樹脂組成物である場合は、スクアリリウム化合物を含む液状またはペースト状の樹脂組成物を、透明基板(例えば、樹脂板、フィルム、ガラス板等)上に塗工することで、厚さ200μm以下のフィルムや、厚さ200μm超の板状物等の面状成形体を形成することができる。塗料化された樹脂組成物は、例えば、スクアリリウム化合物を樹脂成分を含む溶媒に溶解させたり、スクアリリウム化合物を数μm以下に微粒化して樹脂のエマルジョン中に分散することにより得ることができる。
樹脂組成物が塗料化された樹脂組成物である場合は、樹脂成分としては、有機溶剤に可溶な溶剤可溶性樹脂を用いることが好ましい。なお溶剤可溶性樹脂とは、有機溶剤に可溶な樹脂を意味し、有機溶剤100質量部に対し、1質量部以上溶解する樹脂が好ましい。樹脂成分が溶剤可溶性樹脂であれば、例えばスピンコート法や溶媒キャスト法等により成膜することで、厚みの薄いフィルムを容易に作製することができる。溶剤可溶性樹脂は、架橋反応(硬化反応)することが可能な反応性基(例えば、エポキシ基やオキセタン環、エチレンスルフィド基等の開環重合性基や、アクリル基、メタクリル基、ビニル基等のラジカル硬化性基および/または付加硬化性基)を有するものであってもよい。
溶剤可溶性樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素化芳香族ポリマー、(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、耐光性に優れる観点から、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素化芳香族ポリマー、(メタ)アクリル系樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂が好ましい。
ポリイミド樹脂は、主鎖の繰り返し単位にイミド結合を含む重合体であり、例えば、テトラカルボン酸2無水物とジアミンとを重合させてポリアミド酸を得て、これを脱水・環化(イミド化)させることにより製造することができる。ポリイミド樹脂としては、芳香族環がイミド結合で連結された芳香族ポリイミドを用いることが好ましい。ポリイミド樹脂は、例えば、デュポン社製のカプトン(登録商標)、三井化学社製のオーラム(登録商標)、サンゴバン社製のメルディン(登録商標)、東レプラスチック精工社製のTPS(登録商標)TI3000シリーズ等を用いることができる。
ポリアミドイミド樹脂は、主鎖の繰り返し単位にアミド結合とイミド結合を含む重合体である。ポリアミドイミド樹脂は、例えば、ソルベイアドバンストポリマーズ社製のトーロン(登録商標)、東洋紡社製のバイロマックス(登録商標)、東レプラスチック精工社製のTPS(登録商標)TI5000シリーズ等を用いることができる。
フッ素化芳香族ポリマーは、1以上のフッ素原子を有する芳香族環と、エーテル結合、ケトン結合、スルホン結合、アミド結合、イミド結合およびエステル結合よりなる群から選ばれる少なくとも1つの結合とを含む繰り返し単位を有する重合体であり、これらの中でも、1以上のフッ素原子を有する芳香族環とエーテル結合とを含む繰り返し単位を必須的に含む重合体であることが好ましい。フッ素化芳香族ポリマーは、例えば、特開2008−181121号公報に記載されたものを用いることができる。
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル酸またはその誘導体由来の繰り返し単位を有する重合体であり、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂等の(メタ)アクリル酸エステル由来の繰り返し単位を有する樹脂が好ましく用いられる。(メタ)アクリル系樹脂は主鎖に環構造を有するものも好ましく、例えば、ラクトン環構造、無水グルタル酸構造、グルタルイミド構造、無水マレイン酸構造、マレイミド環構造等のカルボニル基含有環構造;オキセタン環構造、アゼチジン環構造、テトラヒドロフラン環構造、ピロリジン環構造、テトラヒドロピラン環構造、ピペリジン環構造等のカルボニル基非含有環構造が挙げられる。なお、カルボニル基含有環構造には、イミド基などのカルボニル基誘導体基を含有する構造も含む。カルボニル基含有環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂は、例えば、特開2004−168882号公報、特開2008−179677号公報、国際公開第2005/54311号、特開2007−31537号公報等に記載されたものを用いることができる。
ポリスルホン樹脂は、芳香族環とスルホニル基(−SO2−)と酸素原子とを含む繰り返し単位を有する重合体である。ポリスルホン樹脂は、例えば、住友化学社製のスミカエクセル(登録商標)PES3600PやPES4100P、ソルベイスペシャルティポリマーズ社製のUDEL(登録商標)P−1700等を用いることができる。
シクロオレフィン系樹脂は、モノマー成分の少なくとも一部としてシクロオレフィンを用い、これを重合して得られる重合体であり、主鎖の一部に脂環構造を有するものであれば特に限定されない。シクロオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプラスチック社製のトパス(登録商標)、三井化学社製のアペル(登録商標)、日本ゼオン社製のゼオネックス(登録商標)およびゼオノア(登録商標)、JSR社製のアートン(登録商標)等を用いることができる。
エポキシ系樹脂は、エポキシ化合物(プレポリマー)を硬化剤や硬化触媒の存在下で架橋化することで硬化させることができる樹脂である。エポキシ化合物としては、芳香族エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、水添エポキシ化合物等が挙げられ、例えば、大阪ガスケミカル社製のフルオレンエポキシ(オグソール(登録商標)PG−100)、三菱化学社製のビスフェノールA型エポキシ化合物(JER(登録商標)828EL)や水添ビスフェノールA型エポキシ化合物(JER(登録商標)YX8000)、ダイセル社製の脂環式液状エポキシ化合物(セロキサイド(登録商標)2021P)等を用いることができる。
樹脂組成物は、溶媒を含有するものであってもよく、例えば、樹脂組成物が塗料化された樹脂組成物である場合は、溶媒を含むことにより樹脂組成物の塗工が容易になる。溶媒としては、スクアリリウム化合物の溶媒(溶剤)として機能するものであっても、分散媒として機能するものであってもよい。溶媒としては、上記に説明した極性溶媒に加え、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;シクロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジプチルエーテル等のエーテル類;PGMEA(2−アセトキシ−1−メトキシプロパン)、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート等のグリコール誘導体類(エーテル化合物、エステル化合物、エーテルエステル化合物等);酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル類等が挙げられる。これらの溶媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶媒の含有量としては、樹脂組成物100質量%中、50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上がより好ましく、また100質量%未満が好ましく、95質量%以下がより好ましい。溶媒の含有量をこのような範囲内に調整することにより、スクアリリウム化合物濃度の高い樹脂組成物を得ることが容易になる。
樹脂組成物は、例えば、350〜400nmの波長域に吸収能を有する化合物(紫外線吸収剤)を含んでいてもよい。これらの化合物の存在により、350〜400nm波長域の光に起因する樹脂組成物の劣化を抑制することができる。350〜400nmの波長域に吸収能を有する化合物を併用する場合、350〜400nmの波長域に吸収能を有する化合物としては、例えば、BASF社製のTINUVIN(登録商標)シリーズを用いることができる。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、可塑剤、界面活性剤、分散剤、表面張力調整剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、比抵抗調整剤、密着性向上剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。
本発明の樹脂組成物は、オプトデバイス用途、表示デバイス用途、機械部品、電気・電子部品等の様々な用途で用いられるフィルタ形成用の樹脂組成物として好ましく使用できる。本発明の樹脂組成物は、例えば、近赤外カットフィルタ等の光学フィルタに好適に適用することができる。このようなフィルタは、単層の樹脂成形体から形成されてもよく、支持体と一体化されて形成されてもよい。
支持体と一体化されたフィルタは、例えば、樹脂組成物を、支持体表面(または、支持体と樹脂層との間にバインダー層等の他の層を有する場合は、当該他の層の表面)にスピンコート法や溶媒キャスト法により塗布し、乾燥または硬化することにより形成することができる。また、支持体に対して、樹脂組成物から形成された面状成形体を熱圧着することによりフィルタを形成してもよい。樹脂組成物から形成された樹脂層は、支持体の一方面のみに設けられてもよく、両面に設けられてもよい。
樹脂組成物から形成された樹脂層の厚さは、例えば、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、2μm以上がさらに好ましく、また500μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、100μm以下がさらに好ましい。支持体上に塗料化された樹脂組成物を塗工するなどして樹脂層を形成する場合は、支持体によってフィルタの強度を確保することができるため、樹脂層の厚さをさらに薄くすることができる。支持体上に樹脂層を形成する場合の樹脂層の厚さは、例えば、50μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下がさらに好ましく、5μm以下が特に好ましい。
支持体としては、樹脂板、樹脂フィルム、ガラス板等の透明基板を用いることが好ましい。支持体に用いられる樹脂板または樹脂フィルムは、例えば、上記に説明した樹脂成分から形成されたものが好ましく用いられる。光学フィルタの耐熱性を高める観点からは、支持体としてガラス基板を用いることが好ましく、このように形成された光学フィルタは、例えば、半田リフローにより電子部品に実装することが可能となる。またガラス基板は、高温にさらされても割れや反りが起こりにくいため、樹脂層との密着性を確保しやすくなる。支持体としてガラス基板を用いる場合は、支持体と樹脂層の間に、例えばシランカップリング剤から形成されたバインダー層を設けることが好ましい。これにより樹脂層とガラス基板との密着性を高めることができる。なお、樹脂層を形成する樹脂組成物に、密着性向上剤としてシランカップリング剤を含めるようにしても、樹脂層とガラス基板との密着性を高めることができる。
ガラス基板の厚みは、例えば、強度を確保する点から、0.05mm以上が好ましく、0.1mm以上がより好ましく、また薄型化の点から、0.4mm以下が好ましく、0.3mm以下がより好ましい。
本発明の樹脂組成物から光学フィルタを形成する場合、光学フィルタは、蛍光灯等の映り込みを低減する反射防止性や防眩性を有する層(反射防止膜)、傷付き防止性能を有する層、その他の機能を有する透明基材等を有していてもよい。
光学フィルタは、樹脂層上に近赤外線反射膜(例えば、700〜800nmの波長域の反射膜)を有していてもよい。近赤外線反射膜は、樹脂層よりも入光側に設けられていることが好ましい。近赤外線反射膜としては、アルミ蒸着膜、貴金属薄膜、酸化インジウムを主成分とし酸化スズを少量含有させた金属酸化物微粒子を分散させた樹脂膜、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に積層した誘電体多層膜等を用いることができる。光学フィルタに近赤外線反射膜が設けられていれば、光学フィルタの透過光から近赤外線をよりカットすることができる。なお、近赤外線反射膜は、紫外線反射機能を兼ね備えるものであってもよい。
近赤外線反射膜や反射防止膜(可視光反射防止膜)は、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に積層した誘電体多層膜から構成することができる。高屈折率材料層を構成する材料としては、屈折率が1.7以上の材料を用いることができ、屈折率の範囲が通常1.7〜2.5の材料が選択される。高屈折率材料層を構成する材料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化錫、酸化ビスマス等の酸化物;窒化ケイ素等の窒化物;前記酸化物や前記窒化物の混合物やそれらにアルミニウムや銅等の金属や炭素をドープしたもの(例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO))等が挙げられる。低屈折率材料層を構成する材料としては、屈折率が1.6以下の材料を用いることができ、屈折率の範囲が通常1.2〜1.6の材料が選択される。低屈折率材料層を構成する材料としては、例えば、二酸化ケイ素(シリカ)、アルミナ、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、六フッ化アルミニウムナトリウム等が挙げられる。
光学フィルタの厚みは、例えば、1mm以下であることが好ましい。これにより、例えば、撮像素子の小型化への要請に十分に応えることができる。光学フィルタの厚みは、より好ましくは500μm以下、さらに好ましくは300μm以下、さらにより好ましくは150μm以下であり、また30μm以上が好ましく、50μm以上がさらに好ましい。
光学フィルタは、撮像素子の構成部材の一つとして用いることができる。撮像素子は、固体撮像素子やイメージセンサチップとも称され、被写体の光を電気信号等に変換して出力する電子部品である。撮像素子は、通常、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の検出素子(センサ)を有し、レンズを有していてもよい。撮像素子は、携帯電話用カメラ、デジタルカメラ、車載用カメラ、監視カメラ、表示素子(LED等)等に用いることができる。撮像素子は、上記の光学フィルタを1または2以上含み、必要に応じて、さらに他のフィルタ(例えば、可視光線カットフィルタ、赤外線カットフィルタ、紫外線カットフィルタ等)を有していてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(1)化合物の合成
(1−1)合成例1(スクアリリウム化合物1の合成)
300mLの2口フラスコに、3−ブロモ−4−メチルアニリン11.91g(0.064mol)、ピロリジン13.66g(0.192mol)、ヨウ化銅1.22g(0.006mol)、炭酸カリウム17.69g(0.128mol)、L−プロリン1.47g(0.13mol)、ジメチルスルホキシド42gを仕込み、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて撹拌しながら、還流下で24時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、反応液をイオン交換水に加えて酢酸エチルで抽出操作を行った。得られた有機相をエバポレーターで濃縮し、濃縮液をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル)によって精製処理を行い、中間体1−1(4−メチル−3−(ピロリジン−1−イル)アニリン)8.7gを得た。3−ブロモ−4−メチルアニリンに対する収率は77.1mol%であった。次いで、300mLの4口フラスコに、中間体1−1を3.0g(0.17mol)、セバコイルクロライド2.03g(0.0085mol)、トリエチルアミン2.58g(0.0255mol)、クロロホルム80gを入れ、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて撹拌しながら、室温にて18時間反応させた。反応終了後、反応液をイオン交換水に加えて酢酸エチルで抽出操作を行った。得られた有機相をエバポレーターで濃縮し、濃縮液をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル)によって精製処理を行い、中間体1−2を2.5g得た。中間体1−1に対する収率は56.7mol%であった。次いで、100mLの3口フラスコに、中間体1−2を1.04g(0.002mol)、スクアリン酸0.23g(0.002mol)、1−ブタノール3.11g、シクロヘキサン21gを加え、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて撹拌し、ディーンスターク装置を用いて溶出してくる水を取り除きながら、還流下で3時間反応させた。反応終了後、反応液をエバポレーターで濃縮して溶媒を留去後、メタノール50gを加えて晶析を行った。析出した結晶をろ過により取得し、得られた結晶をメタノールでリンスしてウェットケーキを得た。このウェットケーキを真空乾燥機を用いて60℃で12時間乾燥し、スクアリリウム化合物1を0.28g得た。スクアリン酸に対する収率は23.5mol%であった。
Figure 2017179131
(1−2)合成例2(スクアリリウム化合物2の合成)
200mLの2口フラスコに、3−フルオロニトロベンゼン7.06g(0.050mol)、モルホリン13.07g(0.150mol)を仕込み、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて撹拌しながら、還流下で12時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、反応液をイオン交換水に加えて酢酸エチルで抽出操作を行った。得られた有機相をエバポレーターで濃縮し、濃縮液をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル)によって精製処理を行い、中間体2−1(1−(3−ニトロフェニル)モルホリン)8.25gを得た。3−フルオロニトロベンゼンに対する収率は79.2mol%であった。200mLの2口フラスコに、中間体2−1を8.25g(0.040mol)、塩化スズ・2水和物40.91g(0.181mol)、濃塩酸204gを入れ、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて撹拌しながら、フラスコ内の温度を100℃に維持して30分間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、ろ過することにより、白色結晶を得た。得られた結晶を20質量%水酸化ナトリウム水溶液に加えて中和した後、酢酸エチルを加えて抽出操作を行った。得られた有機相をエバポレーターで濃縮し、濃縮液をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル)によって精製処理を行い、中間体2−2(1−(3−アミノフェニル)モルホリン)2.28gを得た。中間体2−1に対する収率は32.3mol%であった。次いで、200mLの2口フラスコに、中間体2−2を1.38g(0.008mol)、トリフルオロ酢酸無水物3.19g(0.015mol)、トリエチルアミン1.74g(0.017mol)、クロロホルム40gを入れ、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて撹拌しながら、室温にて12時間反応させた。反応終了後、反応液をイオン交換水に加えて酢酸エチルで抽出操作を行った。得られた有機相をエバポレーターで濃縮し、濃縮液をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル)によって精製処理を行い、中間体2−3(2,2,2−トリフルオロ−N−(3−モルホリノフェニル)アセトアミド)2.0gを得た。中間体2−2に対する収率は96.0mol%であった。次いで、300mLの3口フラスコに、中間体2−3を2.0g(0.007mol)、スクアリン酸0.43g(0.004mol)、1−ブタノール23g、トルエン23gを加え、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて撹拌し、ディーンスターク装置を用いて溶出してくる水を取り除きながら、還流下で3時間反応させた。反応終了後、反応液をエバポレーターで濃縮して溶媒を留去後、メタノール50gを加えて晶析を行った。析出した結晶をろ過により取得し、得られた結晶をメタノールでリンスしてウェットケーキを得た。このウェットケーキを真空乾燥機を用いて60℃で12時間乾燥し、表1に示すスクアリリウム化合物2を0.64g得た。スクアリン酸に対する収率は23.7mol%であった。
(1−3)合成例3(スクアリリウム化合物3の合成)
300mLの2口フラスコに、3−ブロモ−アニリン8.6g(0.05mol)、ピロリジン10.66g(0.15mol)、ヨウ化銅0.95g(0.005mol)、炭酸カリウム13.82g(0.100mol)、L−プロリン1.15g(0.10mol)、ジメチルスルホキシド30gを仕込み、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて撹拌しながら、還流下で24時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、反応液をイオン交換水に加えて酢酸エチルで抽出操作を行った。得られた有機相をエバポレーターで濃縮し、濃縮液をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル)によって精製処理を行い、中間体3−1を7.3g得た。3−ブロモ−アニリンに対する収率は90.1mol%であった。次いで、300mLの4口フラスコに、中間体3−1を4.06g(0.025mol)、4,4−オキシビス(ベンゾイルクロライド)3.69g(0.0125mol)、トリエチルアミン3.79g(0.0375mol)、クロロホルム110gを入れ、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて撹拌しながら、室温にて22時間反応させた。反応終了後、反応液をろ過して固体の中間体3−2を2.3g得た。中間体3−1に対する収率は42.6mol%であった。次いで、100mLの3口フラスコに、中間体3−2を1.09g(0.002mol)、スクアリン酸0.23g(0.002mol)、1−ブタノール22g、トルエン22gを加え、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて撹拌し、ディーンスターク装置を用いて溶出してくる水を取り除きながら、還流下で3時間反応させた。反応終了後、反応液をエバポレーターで濃縮して溶媒を留去後、メタノール50gを加えて晶析を行った。析出した結晶をろ過により取得し、得られた結晶をメタノールでリンスしてウェットケーキを得た。このウェットケーキを真空乾燥機を用いて60℃で12時間乾燥し、スクアリリウム化合物3を1.0g得た。スクアリン酸に対する収率は83.3mol%であった。
Figure 2017179131
(1−4)合成例4(スクアリリウム化合物3の合成)
合成例3と同様に中間体3−1を作製し、得られた中間体3−1を4.06g(0.025mol)、セバコイルクロライド2.99g(0.0125mol)、トリエチルアミン3.79g(0.0375mol)、クロロホルム160gを300mLの4口フラスコに入れ、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて撹拌しながら、室温にて17時間反応させた。反応液をイオン交換水に加えて酢酸エチルで抽出操作を行った。得られた有機相をエバポレーターで濃縮し、濃縮液をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル)によって精製処理を行い、中間体4−2を4.1g得た。中間体3−1に対する収率は67.2mol%であった。次いで、100mLの3口フラスコに、中間体4−2を1.86g(0.0038mol)、スクアリン酸0.43g(0.0038mol)、1−ブタノール37g、トルエン37gを加え、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて撹拌し、ディーンスターク装置を用いて溶出してくる水を取り除きながら、還流下で3時間反応させた。反応終了後、反応液をエバポレーターで濃縮して溶媒を留去後、メタノール50gを加えて晶析を行った。析出した結晶をろ過により取得し、得られた結晶をメタノールでリンスしてウェットケーキを得た。このウェットケーキを真空乾燥機を用いて60℃で12時間乾燥し、スクアリリウム化合物4を1.5g得た。スクアリン酸に対する収率は69.4mol%であった。
Figure 2017179131
(1−5)合成例5(スクアリリウム化合物5の合成)
300mLの2口フラスコに、3−ブロモ−4−メトキシアニリン1.92g(0.0077mol)、4−メチルピペリジン2.29g(0.023mol)、ヨウ化銅0.15g(0.0008mol)、炭酸カリウム2.13g(0.015mol)、L−プロリン0.18g(0.002mol)、ジメチルスルホキシド9gを仕込み、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて撹拌しながら、還流下で48時間反応させた。反応終了後、反応液を室温まで冷却した後、反応液をイオン交換水に加えて酢酸エチルで抽出操作を行った。得られた有機相をエバポレーターで濃縮し、濃縮液をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル)によって精製処理を行い、中間体5−1を1.4gを得た。3−ブロモ−4−メトキシアニリンに対する収率は82.3mol%であった。次いで、300mLの4口フラスコに、中間体5−1を1.1g(0.005mol)、セバコイルクロライド0.60g(0.0025mol)、トリエチルアミン0.76g(0.0075mol)、クロロホルム80gを入れ、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて撹拌しながら、室温にて21時間反応させた。反応液をイオン交換水に加えて酢酸エチルで抽出操作を行った。得られた有機相をエバポレーターで濃縮し、濃縮液をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル)によって精製処理を行い、中間体5−2を0.28g得た。中間体5−2に対する収率は18.7mol%であった。次いで、50mLの3口フラスコに、中間体5−2を0.27g(0.0005mol)、スクアリン酸0.05g(0.0005mol)、1−ブタノール5.6g、トルエン5.6gを加え、窒素流通下(5mL/min)、マグネチックスターラーを用いて撹拌し、ディーンスターク装置を用いて溶出してくる水を取り除きながら、還流下で2時間反応させた。反応終了後、反応液をエバポレーターで濃縮して溶媒を留去後、メタノール20gを加えて晶析を行った。析出した結晶をろ過により取得し、得られた結晶をメタノールでリンスしてウェットケーキを得た。このウェットケーキを真空乾燥機を用いて60℃で12時間乾燥し、スクアリリウム化合物5を0.03g得た。スクアリン酸に対する収率は9.7mol%であった。
Figure 2017179131
Figure 2017179131
(2)耐溶媒試験による評価
(2−1)試験方法
スクアリリウム化合物をN,N−ジメチルアセトアミドに溶解させ、ろ過して溶液をとり、分光光度計(島津製作所社製、UV−1800)を用いて吸収スペクトルを測定し、波長700nm前後の吸収ピークの吸光度が1.0となるように濃度調整した。当該溶液(初期の吸光度1.0の溶液)の吸収スペクトルの経時変化を測定し、N,Nジメチルアセトアミド溶液中での色素の退色を知ることで耐溶媒性を評価した。
(2−2)結果
図1にスクアリリウム化合物1とスクアリリウム化合物2の耐溶媒試験の結果を示す。スクアリリウム骨格の両側に結合したフェニル基が連結基を介して繋がったスクアリリウム化合物1は、吸光度の経時減少はほとんど見られず、極性溶媒中でも安定して存在していた。また、スクアリリウム化合物3〜5も極性溶媒中で安定して存在することが確認された。一方、連結基を有しないスクアリリウム化合物2は、30分程度でほぼ完全に分解する結果となった。
本発明のスクアリリウム化合物は、表示素子や撮像素子等の光学デバイス等、種々の分野において用いることが可能である。例えば、携帯電話用カメラ、デジタルカメラ、車載用カメラ、監視カメラ、表示素子(LED等)等の電子部品に使用できる。

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表されることを特徴とするスクアリリウム化合物。
    Figure 2017179131

    [式(1)中、R1〜R8はそれぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表し、A1およびA2はそれぞれ独立して、カルボニル基またはスルホニル基を表し、Xは有機連結基を表す。]
  2. 前記R1〜R3およびR5〜R7はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アミノ基またはヒドロキシ基を表し、前記R4およびR8はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アミド基またはヒドロキシ基を表す請求項1に記載のスクアリリウム化合物。
  3. 前記R1、R3〜R5およびR7〜R8はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表し、前記R2およびR6はそれぞれ独立して、下記式(2)で表されるアミノ基を表す請求項1に記載のスクアリリウム化合物。
    Figure 2017179131

    [式(2)中、*は式(1)中のベンゼン環との結合部位を表し、R9およびR10はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基または置換基を有していてもよい炭素数6〜12の芳香族炭化水素基を表し、R9およびR10は互いに連結して環形成していてもよい。]
  4. 前記A1およびA2はカルボニル基を表し、前記Xは、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基、またはこれらの基が単結合、−O−、−CO−、−S−または−NH−で結合した連結基を表す請求項1〜3のいずれか一項に記載のスクアリリウム化合物。
  5. 下記式(3)で表されることを特徴とする化合物。
    Figure 2017179131

    [式(3)中、R1〜R8はそれぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表し、A1およびA2はそれぞれ独立して、カルボニル基またはスルホニル基を表し、Xは有機連結基を表す。]
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のスクアリリウム化合物と極性溶媒とを含むことを特徴とするスクアリリウム化合物溶液。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のスクアリリウム化合物と樹脂成分とを含むことを特徴とする樹脂組成物。
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