まず、本実施例1に係るロッカー装置の使用について説明する。図1は、実施例1に係るロッカー装置の使用についての説明図である。本実施例1に係る物品配達システムは、駅や商業施設に設置される複数台のロッカー装置10の中の一つを配達先として選択することができる。
ロッカー装置10は、物品を収納する収納部、所謂ロッカーを複数有し、複数の収納部を個別に施錠可能である。また、ロッカー装置10は、複数箇所の駅等の公共施設にそれぞれ設置することが好適である。
ロッカー装置10が有する複数の収納部は、物品預り用の収納部と、物品配達用の収納部とを含む。図1では、ロッカー装置10は32個の収納部を有し、そのうちの22個の収納部を物品預り用とし、10個の収納部を物品配達用としている。
物品預りは、物品の預入と取出とを同一人物が行うことを想定した機能であり、所謂コインロッカーと同等のサービスを提供する。一方、物品配達は、配達された物品の受け渡しを行なう機能であり、ロッカー装置10を配達先とする物品が配達業者により収納され、受取人が物品の取り出しを行なうことになる。
また、ロッカー装置10は、集中管理ユニットU1を有する。集中管理ユニットU1は、利用者等による操作を受け付けて収納部の施解錠を制御するユニットであり、物品預りと物品配達で共用される。集中管理ユニットU1は、操作を受け付けたならば、当該操作が物品預りに係る操作であるか物品配達に係る操作であるかを識別する。そして、物品預りに係る操作を受け付けた場合には、集中管理ユニットU1は物品預り用の収納部の施解錠を制御し、物品配達に係る操作を受け付けた場合には、集中管理ユニットU1は物品配達用の収納部の施解錠を制御する。
図1では、利用者P1が物品の預入と取出を行なう場合を示している。利用者P1が物品の預入に対応する操作を行なうと、集中管理ユニットU1は、物品預り収納部のいずれかを解錠する。解錠された収納部に利用者P1が物品を収納すると、集中管理ユニットU1は、当該収納部を施錠するとともに、解錠用のデータを利用者P1に提供する。解錠用のデータは、例えば二次元バーコードとしてレシートに印刷し、出力すればよい。
その後、利用者P1が物品の取出を行なう場合には、解錠用のデータを集中管理ユニットU1に読み取らせる。集中管理ユニットU1は、解錠用のデータに対応する物品預り用の収納部を解錠する。このため、利用者P1は、自身が預けた物品の取出が可能となる。
また、図1では、配達業者50が物品の配達を行なう場合を示している。配達業者50が物品の配達に対応する操作を行なうと、集中管理ユニットU1は、物品配達用の収納部のいずれかを解錠する。解錠された収納部に配達業者50が物品を収納すると、集中管理ユニットU1は、当該収納部を施錠するとともに、後述するサーバ経由で解錠用のデータを利用者P2に提供する。
その後、利用者P2が物品の受取を行なう場合には、解錠用のデータを集中管理ユニットU1に読み取らせる。集中管理ユニットU1は、解錠用のデータに対応する物品配達用の収納部を解錠する。このため、利用者P2は、配達業者50により配達された物品の取出が可能となる。
このように、ロッカー装置10は、物品配達用の収納部と物品預り用の収納部とを有し、集中管理ユニットU1は、物品配達と物品預りとで共用される。そして、集中管理ユニットU1は、受け付けた操作を識別し、物品配達用の収納部又は物品預り用の収納部のいずれかの施解錠を制御する。
かかる構成と動作により、ロッカー装置10は、物品配達と物品預りの双方に利用可能である。そのため、物品配達専用のロッカー装置を設ける場合に比して設置と維持にかかるコストを抑制しつつ、物品配達用の収納部の数を確保することができ、もって物品の配達における利便性を向上することができる。
次に、本発明に係る物品配達システムをインターネットショッピングに適用した場合の具体例について説明する。図2は、本発明に係るインターネットショッピングについて説明するための説明図である。
図2に示した例では、サーバ20は、物品を販売する販売サイトを提供する。具体的には、サーバ20は、商店40が販売する物品の情報を表示制御し、物品に対する購入操作、すなわち注文を受け付けることができる。また、サーバ20は、ロッカー装置10から配達先として使用可能な空き状態の収納部を示すデータを取得することができる。
購入者は、端末装置30を操作してサーバ20にアクセスし、所望の物品を購入する(1)。この購入が、配達依頼に対応する。購入した物品の配達先として、ロッカー装置10が有する収納部を希望するならば、サーバ20は、ロッカー装置10の空き状態の収納部を表示制御し、配達先の選択を受け付ける。
サーバ20は、購入が行われたならば、受注番号を発行する(2)。さらに、サーバ20は、配達先がロッカー装置10であるならば、受注番号に対応する配達鍵データを生成する(3)。図2に示したシステムでは、この配達鍵データが伝票データに対応する。
その後、サーバ20は、商店40に対して発注を行う(4)。この発注が、配達指示に対応する。発注では、購入された物品とその配達先を特定する情報に加え、受注番号及び配達鍵データが商店40に通知される。
商店40では、発注に応じて購入された物品を出荷する(5)。物品には、配達鍵データを付する。配達鍵データとして数字列や二次元バーコード等を用いる場合には、伝票に対する印字によって配達鍵データを付すことができる。
配達業者50は、商店40から出荷された物品を指定されたロッカー装置10まで配達する(6)。そして、配達鍵データをロッカー装置10に読み取らせて収納部を解錠して、物品を収納部に収納する。
ロッカー装置10は、配達鍵データを記憶し、物品が収納された収納部を施錠するとともに、当該施錠を解錠するための解錠用データである取出鍵データを生成する(7)。取出鍵データは、購入者が物品を受取るために用いられる。なお、取出鍵データは、購入者が設定された期限内に物品を受取らなかった場合に当該物品を配達業者が回収するために用いることもできる。取出鍵データは、数字列や二次元バーコード等の任意の形式であってよい。
ロッカー装置10は、配達鍵データ及び取出鍵データを含む第1の配達通知をサーバ20に対して送信する(8)。
第1の配達通知を受信したサーバ20は、配達鍵データによって受注番号を特定し、購入者の端末装置30に取出鍵データを含む第2の配達通知を送信する(9)。購入者は、この第2の配達通知により購入した物品が指定したロッカー装置10の収納部に収納されたことを知ることができる。そのため、購入者は、ロッカー装置10の設置場所へ赴き、取出鍵データを読み取らせることによって、収納部を解錠して中から購入した物品を取り出すことができる。購入者によりロッカー装置から物品が取り出されると、取り出された旨の情報がサーバ20へ送信される。
物品をロッカー装置10の収納部に収納してから所定期間以上、購入者による物品の取出しが行われなければ、サーバ20は、配達業者50に対して回収指示を行う(10)。この回収指示には、取出鍵データが含まれる。そのため、配達業者50は、取出鍵データによって物品を取出して回収することができる。この場合には、購入者による取出鍵データの使用を無効化し、その旨を端末装置30に通知してもよい。配達業者50が取出鍵データによって物品を回収可能とすることにより、収納部が長期間に亘って占有される事態を防止することができる。
次に、ロッカー装置10の外観構成について説明する。図3は、ロッカー装置10の外観構成を示す外観構成図である。図3に示すように、ロッカー装置10は、収納部L01b及びL02bを含む複数の収納部と、各収納部に対応するロック機構を有する。例えば、ロック機構L01aは、収納部L01bを施解錠する機構であり、ロック機構L02aは、収納部L02bを施解錠する機構である。さらに、ロッカー装置10は、ユーザインタフェースとして集中管理ユニットU1を有する。
図4は、集中管理ユニットU1の外観構成を示す外観構成図である。図4に示すように、集中管理ユニットU1の前面には、表示操作部11、スピーカ12、コードリーダ13、カードリーダ14、プリンタ15、紙幣処理部16a、硬貨投入口16b及び硬貨返却口16cが設けられる。これらは、操作者に対するインタフェースとして機能するものであり、その詳細については後述する。
図5は、集中管理ユニットU1の内部構成を示すブロック図である。図5に示すように、集中管理ユニットU1は、表示操作部11と、スピーカ12と、コードリーダ13と、カードリーダ14と、プリンタ15と、貨幣処理部16と、通信部17と、記憶部18と、制御部19とを有する。また、集中管理ユニットU1は、各収納部に対応するロック機構(L01a及びL02a等)と接続される。なお、各収納部のロック機構は、原則として施錠待機とされ、必要なとき(物品を出し入れするとき)のみ解錠制御されるものとする。
記憶部18は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部18は、収納管理データ18aを記憶する。
制御部19は、ロッカー装置10を全体制御する制御部であり、収納管理部19a、モード選択部19b、物品配達処理部19c、物品預り処理部19d、ロック制御部19e及び決済処理部19fを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、収納管理部19a、モード選択部19b、物品配達処理部19c、物品預り処理部19d、ロック制御部19e及び決済処理部19fにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
収納管理部19aは、各収納部の状態を管理する処理部である。収納管理部19aは、収納部の状態が変更となった場合に、収納管理データ18aを更新する。また、収納管理データ18aに示された収納部の空き状況を適宜サーバ20に送信する。
収納部の状態には、「空」、「配達待」、「配達通知待機」、「収納中」、「故障中」がある。物品配達用の収納部は、これらのうちのいずれかの状態である。また、物品預り用の収納部は、「空」、「収納中」、「故障中」のいずれかの状態である。
物品配達用の収納部において、「空」は、収納部には物品が収納されておらず、物品が配達される予定も無いため、新規の配達先として選択可能な状態を示す。「配達待」は、配達先として選択されたが、物品を収納していない状態である。「配達通知待機」は、配達先として選択され、物品が収納されたが、他の配達作業が残っているために配達通知の実行を待機している状態である。「収納中」は、配達先として選択され、物品が収納され、配達通知を行った状態である。この状態は、収納部内に物品が存在し、購入者又は配達業者50による取出しを待機している状態である。購入者又は配達業者50による取出が行われれば、収納部の状態は「空」となる。なお、この他にも「故障中」などの状態が設けられる。
物品配達用の収納部において、収納部の状態が「配達待」、「配達通知待機」又は「収納中」であれば、収納部には配達鍵データが対応付けられており、配達鍵データが配達依頼や収納部を一意に識別する情報として機能する。このため、収納部の状態が「配達待」、「配達通知待機」又は「収納中」である場合には、配達鍵データの状態が「配達待」、「配達通知待機」又は「収納中」であるものとして処理することができる。
物品預り用の収納部において、「空」は、収納部には物品が収納されておらず、新規の預入先として選択可能な状態を示す。「収納中」は、物品を預り、利用者による取出を待機している状態である。利用者による取出が行われれば、収納部の状態は「空」となる。なお、この他にも「故障中」などの状態が設けられる。
モード選択部19bは、配達業者や利用者からの操作を受け付けた場合に、当該操作が物品配達に係る操作であるか物品預りに係る操作であるかを識別する。そして、物品配達に係る操作を受け付けた場合には、モード選択部19bは、当該操作に基づく処理を物品配達処理部19cに行なわせる。また、物品預りに係る操作を受け付けた場合には、モード選択部19bは、当該操作に基づく処理を物品預り処理部19dに行なわせる。
物品配達処理部19cは、物品配達に係る処理を行なう処理部であり、物品配達用の収納部の施解錠をロック制御部19eに行なわせる。物品配達処理部19cによる処理の詳細については後述する。
物品預り処理部19dは、物品預りに係る処理を行なう処理部であり、物品預り用の収納部の施解錠をロック制御部19eに行なわせる。物品預り処理部19dによる処理の詳細については後述する。
ロック制御部19eは、ロック機構L01a、L02aなどに施錠指示又は解錠指示を送信することで、収納部の施解錠を制御する処理部である。ロック制御部19eは、基本的には、各収納部を施錠状態で維持する。そして、物品配達処理部19c又は物品預り処理部19dによる指示に基づいて、指定された収納部の施解錠を実行する。
決済処理部19fは、現金やペイメントカードによる決済を行なう処理部である。決済処理部19fによる決済は、物品預りの料金の決済に用いることができる。また、物品配達においても着払いなどの料金の徴収が必要な場合には、決済処理部19fによる決済を利用可能である。具体的には、決済処理部19fは、物品配達処理部19c又は物品預り処理部19dによる指示に基づいて、指定された金額の決済を実行することになる。
図6は、物品配達処理部19c及び物品預り処理部19dの詳細について説明するための説明図である。図6に示すように、物品配達処理部19cは、配達作業受付部19c1、配達鍵データ識別部19c2、解錠用データ生成部19c3、配達通知実行部19c4、取出操作受付部19c5及び解錠用データ識別部19c6を有する。
配達作業受付部19c1は、配達業者50による配達作業を受け付ける処理部である。具体的には、配達作業受付部19c1は、配達作業の開始に対応する操作として、配達業者50に予め付与された業者コードの認証を行う。配達作業の開始後には、配達作業受付部19c1は、配達鍵データの受付を行う。また、1又は複数の配達鍵データの受付後、配達作業の終了を示す操作である配達終了操作を受け付けることができる。なお、配達鍵データの受付によって「配達待」状態のロッカーが無くなった場合には、配達終了操作によらず配達作業の終了を判定可能である。
業者コードの認証については、例えば、入力された業者コードをサーバ20に送信して問い合わせを行い、サーバ20による認証結果を受信すればよい。かかる構成では、サーバ20が業者コードの登録、削除、更新等の管理を行なうことで、業者コードが不正に使用されるリスクを低減することができる。また、サーバ20から最新の業者コードを定期的に受信し、ロッカー装置10の内部に保持しておけば、業者コードの認証時にはサーバ20への問い合わせが不要となるので、通信エラーによって認証が失敗する事態を回避することができる。
配達鍵データ識別部19c2は、受け付けられた配達鍵データが正規のデータであるか否かの識別を行う処理部である。サーバ20が配達鍵データを生成した場合に、ロッカー装置10に配達鍵データを通知する構成であれば、購入成立時等にロッカー装置10がサーバ20から通知された配達鍵データを保持しておき、配達業者50から受け付けた配達鍵データと比較することで配達鍵データを識別可能である。サーバ20が配達鍵データを生成した場合に、ロッカー装置10に配達鍵データを通知しない構成であれば、ロッカー装置10が配達業者50から受け付けた配達鍵データをサーバ20に送信して、正規のデータであるか否かを問い合わせればよい。
配達作業受付部19c1は、配達鍵データ識別部19c2により配達鍵データが正規のデータであると識別されたならば、物品配達用の収納部を1つ解錠するようロック制御部19eに解錠指示を出力する。ロック制御部19eは、解錠指示に基づいて物品配達用の収納部を1つ解錠する。その後、配達業者50によって収納部に物品が収納され、収納部の扉が閉められると、ロック制御部19eは、収納部を施錠する。配達作業受付部19c1は、ロック制御部19eによる施錠が行なわれた場合に、物品の収納が完了した状態とする。そして、配達作業受付部19c1は、配達鍵データを「配達待」状態から「配達通知待機」状態に変更する。
解錠用データ生成部19c3は、配達業者50から受け付けた配達鍵データに対応する解錠用データを生成する処理部である。解錠用データ生成部19c3は、解錠用データとして取出鍵データを生成する。取出鍵データは、購入者が物品を受け取る際に使用される。また、取出鍵データは、購入者が物品を受け取らなかった場合に当該物品を回収するためにも使用される。取出鍵データは、数字列や二次元バーコード等の任意の形式であってよい。この解錠用データは、解錠の対象となる収納部、すなわち、物品が収納部に対応するものであり、物品が収納された収納部を一意に示す収納部情報として用いることができる。
また、解錠用データ生成部19c3は、購入者による取出鍵データの使用に対して有効期限を設定することで、購入者が物品を受取ることの出来る期限である受取期限を定める。さらに、解錠用データ生成部19c3は、配達業者が物品の回収を行なう回収期間を定める。物品の配達から回収期間の開始時点までには待機期間を設けてもよい。
具体的には、待機期間を設けることにより、受取期限と回収期間の開始時点とが一致するように設定することが好適である。この場合には、受取期限までは購入者のみが物品を取り出すことが可能となり、購入者が受取期限内に受取を行わなければ、購入者は物品を取り出せなくなって配達業者50による取出しが可能となる。
なお、受取期限を、回収期間の開始時点よりも後に設定してもよい。この場合には、回収期間に入ると購入者と配達業者50のいずれであっても物品の取出しが可能となる。受取期限を無期限に設定した場合も同様である。また、回収期間には終了時点を定めてもよいし、回収期間の開始以降は無期限に回収可能としてもよい。
配達通知実行部19c4は、配達作業受付部19c1により配達作業が終了したと判定された場合に、「配達通知待機」状態の配達鍵データについて配達通知を実行し、「配達済」状態に変更する処理部である。配達通知実行部19c4による配達通知は、配達鍵データ及び取出鍵データを含み、サーバ20に送信される。
配達通知の実行時に、プリンタ15が配達業者50に対してレシートを発行してもよい。このレシートには、配達日時、ロッカーの扉に付された扉番号、配達鍵データ等を印字し、配達の控えとして用いる。
取出操作受付部19c5は、利用者による受取や配達業者50による回収に係る操作を受け付ける処理部である。利用者による受取を行なう場合には、取出操作受付部19c5は、取出鍵データを受け付けて解錠用データ識別部19c6に出力する。また、配達業者50による回収を行なう場合には、取出操作受付部19c5は、業者コードの認証を行なった上で、取出鍵データを受け付けて解錠用データ識別部19c6に出力する。
解錠用データ識別部19c6は、取出操作受付部19c5により出力された取出鍵データを識別し、対応する収納部を特定する。取出操作受付部19c5は、解錠用データ識別部19c6により特定された収納部を解錠するようロック制御部19eに解錠指示を出力する。ロック制御部19eは、解錠指示に基づいて物品配達用の収納部を解錠する。その後、利用者又は配達業者50によって物品が取り出され、収納部の扉が閉められると、ロック制御部19eは、収納部を施錠する。取出操作受付部19c5は、ロック制御部19eによる施錠が行なわれた場合に、当該収納部を「空」状態に変更する。
図6に示すように、物品預り処理部19dは、預入操作受付部19d1、料金徴収処理部19d2、解錠用データ生成部19d3、預り期間管理部19d4、取出操作受付部19d5及び解錠用データ識別部19d6を有する。
預入操作受付部19d1は、利用者による預入操作を受け付ける処理部である。具体的には、預入操作受付部19d1は、物品預り用の収納部の空き状況を表示操作部11に表示制御し、預入先となる収納部の指定を受け付ける。
料金徴収処理部19d2は、物品預りの料金を徴収する処理部である。料金徴収処理部19d2は、預入操作受付部19d1により預入操作が受け付けられた場合に、所定期間分、例えば1日分の料金を基本料金として決済処理部19fに通知し、決済させる。また、料金徴収処理部19d2は、預かった物品の取出し時に超過料金の徴収が必要であれば、超過料金を決済処理部19fに通知し、決済させる。
預入操作受付部19d1は、基本料金の決済が完了した場合に、指定された物品預り用の収納部を解錠するようロック制御部19eに解錠指示を出力する。ロック制御部19eは、解錠指示に基づいて物品預り用の収納部を解錠する。その後、利用者によって収納部に物品が収納され、収納部の扉が閉められると、ロック制御部19eは、収納部を施錠する。預入操作受付部19d1は、ロック制御部19eによる施錠が行なわれた場合に、物品の収納が完了した状態とする。そして、預入操作受付部19d1は、当該収納部の状態を「空」状態から「収納中」状態に変更する。
解錠用データ生成部19d3は、指定された物品預り用の収納部に対応する解錠用データを生成する処理部である。解錠用データ生成部19d3は、解錠用データとして取出鍵データを生成する。取出鍵データは、利用者が預けた物品を取り出す際に使用される。取出鍵データは、数字列や二次元バーコード等の任意の形式であってよい。解錠用データ生成部19d3は、生成した取出鍵データをプリンタ15に印刷させ、レシートとして出力する。
なお、カードリーダ14により、カードを一意に特定可能な識別情報であるカードIDを読み取った場合には、解錠用データ生成部19d3は、カードIDを取出鍵データとして用いることができる。例えば、電子マネーを関連付けたカードを基本料金の決済に用いた場合には、このカードのカードIDを取出鍵データとして使用可能である。カードIDを取出鍵データとして用いる場合には、取出鍵データを印刷したレシートの出力は不要である。
解錠用データ生成部19d3は、生成した取出鍵データ若しくは取出鍵データとして用いるカードIDを、指定された物品預り用の収納部に対応付けて収納管理データ18aを更新する。
預り期間管理部19d4は、物品預り用の収納部における物品の預り期間を管理する処理部である。具体的には、預り期間管理部19d4は、物品預り用の収納部の状態が「空」状態から「収納中」状態に変更された場合に、その時点の日時を預り日時として当該収納部に対応付けて収納管理データ18aを更新する。そして、物品預り用の収納部の状態が「収納中」状態から「空」状態に変更された場合に、当該収納部の預り日時をリセットして、収納管理データ18aを更新する。
取出操作受付部19d5は、物品預り用の収納部に対する取出操作を受け付ける処理部である。具体的には、取出操作受付部19d5は、取出鍵データを受け付けて解錠用データ識別部19d6に出力する。
解錠用データ識別部19d6は、取出操作受付部19d5により出力された取出鍵データを識別し、対応する収納部を特定する。取出操作受付部19d5は、解錠用データ識別部19d6により特定された収納部の預り日時と取出操作を受け付けた日時とを比較し、超過料金の徴収が必要であるか否かを判定する。超過料金の徴収が必要である場合には、取出操作受付部19d5は、料金徴収処理部19d2に超過料金の決済を指示する。
超過料金が不要であるか、若しくは超過料金が決済されたならば、取出操作受付部19d5は、解錠用データ識別部19d6により特定された収納部を解錠するようロック制御部19eに解錠指示を出力する。ロック制御部19eは、解錠指示に基づいて物品預り用の収納部を解錠する。その後、利用者によって物品が取り出され、収納部の扉が閉められると、ロック制御部19eは、収納部を施錠する。取出操作受付部19d5は、ロック制御部19eによる施錠が行なわれた場合に、当該収納部を「空」状態に変更する。
次に、図5に示した収納管理データ18aについて説明する。図7は、図5に示した収納管理データ18aについての説明図である。図7に示すように、収納管理データ18aは、基本データに加え、物品配達及び物品預りに関するデータを有する。
収納管理データ18aは、基本データとして、収納部ID、扉番号、用途設定及び状態を含む。収納部IDは、収納部を一意に特定する識別情報である。扉番号は、収納部の扉に付された番号である。用途設定は、収納部が物品配達用と物品預り用のいずれに割り当てられているかを示す。具体的には、用途設定は「1.物品配達」又は「2.物品預り」のいずれかの値を取る。状態は、「0:空」、「1:配達待」、「2:配達通知待機」、「3:収納中」、「7:故障中」等の値により、収納部の状態を示す。
収納管理データ18aは、物品配達に関するデータとして、配達鍵データ、配達日時、取出鍵データ、受取期限、回収期間、取出日時及び取出種別を含む。これらのデータは、用途設定が「1.物品配達」である場合に使用される。
配達鍵データは、当該収納部を配達先とする配達依頼に対応する配達鍵データである。配達日時は、状態が「3:収納中」となったときの日時を示す。取出鍵データは、解錠用データ生成部19c3により生成されて格納される。受取期限及び回収期間は、解錠用データ生成部19c3により設定されて格納される。取出日時は、取出鍵データによって収納部が解錠されたときの日時を示す。取出鍵データによって収納部が解錠されたときには、収納部の状態は「0:空」となる。
取出種別は、「0:取出待」、「1:受取済」、「2:回収済」のいずれかの値をとる。状態が「3:収納中」となると、まず取出種別は「0:取出待」に設定される。その後、利用者により取出鍵データが使用され、収納部が解錠されたならば取出種別を「1:受取済」に設定する。そして、配達業者50により取出鍵データが使用され、収納部が解錠されたならば取出種別を「2:回収済」に設定する。取出鍵データが利用者と配達業者50のいずれにより使用されたかは、例えば、配達業者50の業者コードを受け付けたか否かにより識別可能である。
収納管理データ18aは、物品預りに関するデータとして、預り日時及び取出鍵データを含む。これらのデータは、用途設定が「2.物品預り」である場合に使用される。預り日時は、収納部の状態が「空」状態から「収納中」状態に変更された場合に、預り期間管理部19d4によって設定され、収納部の状態が「収納中」状態から「空」状態に変更された場合にリセットされる。取出鍵データは、解錠用データ生成部19d3により生成されて格納される。
次に、集中管理ユニットU1のインタフェース等について説明する。図8は、集中管理ユニットU1のインタフェース等についての説明図である。図8に示すように、表示操作部11、スピーカ12、コードリーダ13、カードリーダ14、プリンタ15、貨幣処理部16及び通信部17は、物品配達を行なう場合と物品預りを行なう場合とで機能の用途が異なる。
まず、物品配達において配達業者が物品の配達や回収を行なう場合には、表示操作部11は、配達業者用のメニュー画面などを表示出力し、配達業者からの操作を受け付ける。また、スピーカ12は、配達業者用のガイダンス音声の出力を行なう。コードリーダ13は、配達時には配達鍵データの読取を行い、回収時には取出鍵データの読取を行なう。カードリーダ14は、配達業者コードの読取を行なう。プリンタ15は、配達時や回収時の控えレシートの印刷を行なう。貨幣処理部16は使用されず、通信部17は、サーバ20への配達通知や回収通知に用いられる。
物品配達において配達された物品の取出を利用者が行なう場合には、表示操作部11は、利用者用のメニュー画面などを表示出力し、利用者からの操作を受け付ける。また、スピーカ12は、利用者用のガイダンス音声の出力を行なう。コードリーダ13は、取出鍵データの読取を行なう。カードリーダ14は、ペイメントカードによる追加料金の支払いや着払い料金の支払いに用いられる。プリンタ15は、利用レシートの印刷を行なう。貨幣処理部16は、現金による追加料金の支払いや着払い料金の支払いに用いられる。通信部17は、サーバ20への受取通知に用いられる。
物品預りにおいて利用者が物品の預入を行なう場合には、表示操作部11は、利用者用のメニュー画面などを表示出力し、利用者からの操作を受け付ける。また、スピーカ12は、利用者用のガイダンス音声の出力を行なう。コードリーダ13は、使用されない。カードリーダ14は、ペイメントカードによる基本料金の支払いやカードIDの取出鍵データへの設定に用いられる。プリンタ15は、取出鍵データを印刷したレシートの出力を行なう。貨幣処理部16は、現金による基本料金の支払いに用いられる。通信部17は、カードを用いた決済に所定の通信先との通信が必要である場合に用いられる。
物品預りにおいて利用者が預け入れた物品の取出を行なう場合には、表示操作部11は、利用者用のメニュー画面などを表示出力し、利用者からの操作を受け付ける。また、スピーカ12は、利用者用のガイダンス音声の出力を行なう。コードリーダ13は、レシートからの取出鍵データの読取に用いられる。カードリーダ14は、取出鍵データに設定されたカードIDの読取や、超過料金の支払いに用いられる。プリンタ15は、利用レシートの出力を行なう。貨幣処理部16は、現金による超過料金の支払いに用いられる。通信部17は、カードを用いた決済に所定の通信先との通信が必要である場合に用いられる。
次に、サーバ20の内部構成について説明する。図9は、サーバ20の内部構成を示すブロック図である。図9に示すように、サーバ20は、表示部21及び入力部22と接続され、通信部23、記憶部24及び制御部25を有する。
表示部21は、液晶パネルやディスプレイ装置等である。入力部22は、キーボードやマウス等である。通信部23は、通信回線を介してロッカー装置10、端末装置30、商店40及び配達業者50等とデータ通信するためのインタフェース部である。記憶部24は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、ロッカー管理データ24a、注文管理データ24b及び事業者登録データ24cを記憶する。
制御部25は、サーバ20を全体制御する制御部であり、ロッカー状態取得部25a、注文受付部25b、配達鍵データ生成部25c、発注処理部25d、配達鍵データ確認部25e、配達通知実行部25f及び回収指示部25gを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、ロッカー状態取得部25a、注文受付部25b、配達鍵データ生成部25c、発注処理部25d、配達鍵データ確認部25e、配達通知実行部25f及び回収指示部25gにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
ロッカー状態取得部25aは、必要に応じてロッカー装置10から収納部の状態を取得し、物品配達用の収納部の空き状況を管理する処理部である。注文受付部25bは、端末装置30からのアクセスに応答して商店40が販売する物品の情報を表示制御し、注文の受付を行う処理部である。
注文受付部25bは、受け付けた注文について、受注番号を発行する。また、受け付けた注文の配達先としてロッカー装置10の収納部を指定する場合には、ロッカー状態取得部25aにロッカー装置10の配達用の収納部の状態を取得させ、空状態の収納部から配達先の選択を受け付ける。
配達鍵データ生成部25cは、注文受付部25bがロッカー装置10を配達先とする注文を受け付けた場合に、受注番号に対応する配達鍵データを生成する処理部である。配達鍵データは任意の方法で生成することができる。例えば、受注番号と、配達業者50の業者コードとを組合せて配達鍵データとすればよい。配達業者50の業者コードは、事業者登録データ24cに登録されており、適宜更新されている。そこで、注文受付部25bが発行した受注番号と当該注文の配達を担当する配達業者50の業者コードを組み合わせることにより、配達依頼を一意に特定する配達鍵データを得ることができる。
発注処理部25dは、注文受付部25bが受け付けた注文に基づいて、商店40への発注を行う処理部である。発注では、購入された物品とその配達先を特定する情報に加え、受注番号及び配達鍵データが商店40に通知される。
配達鍵データ確認部25eは、ロッカー装置10から配達通知を受信した場合に、配達通知に含まれる配達鍵データによって受注番号を特定する処理部である。また、配達鍵データ確認部25eは、ロッカー装置10から配達鍵データが正規のデータであるか問い合わせを受けた場合に、当該配達鍵データが自身の生成したデータであるか否かを確認し、その結果をロッカー装置10に応答することができる。さらに、配達鍵データ確認部25eは、ロッカー装置10から業者コードの問い合わせを受けたならば、当該業者コードが事業者登録データ24cに登録されているか否かによって業者コードの認証を行い、認証結果をロッカー装置に送信する。また、配達鍵データ確認部25eは、ロッカー装置10に対して最新の業者コードを定期的に送信することもできる。
配達通知実行部25fは、ロッカー装置10から配達通知(第1の配達通知)を受信した場合に、配達鍵データ確認部25eが特定した注文番号に基づいて、購入者の端末装置30に配達通知(第2の配達通知)を送信する処理部である。この配達通知には、取出鍵データを含めておく。
回収指示部25gは、購入者による受取が行われないまま回収期間に入った取出鍵データが存在する場合に、配達業者50に対して回収指示を行う処理部である。この回収指示には、取出鍵データを含めておく。
次に、図9に示したロッカー管理データ24a及び注文管理データ24bについて説明する。図10は、図9に示したロッカー管理データ24a及び注文管理データ24bについての説明図である。
図10に示すように、ロッカー管理データ24aは、ロッカー装置10を一意に識別するロッカー装置IDと、ロッカー装置10の所在地と、物品配達用に割り当てられた収納部の数である物品配達用収納部数と、物品配達用収納部数のうちの使用中の収納部の数である使用中収納部数とを関連付けたデータである。ここで、使用中の収納部とは、配達待から収納中までの状態にある収納部である。注文受付部25bは、物品配達用収納部数から使用中収納部数を減算して空き状態の収納部の数を算出し、ロッカー装置10を配達先に指定した注文を受け付け可能であるか否かを判定する。
図10に示すように、注文管理データ24bは、基本データとして、受注番号、受注品目データ、購入者データ、発注先データ、配達先データ及び状態を含む。受注番号は、注文受付部25bによって発行され、注文を一意に識別する識別情報である。受注品目データは、注文された物品の種類や数を特定するデータである。購入者データは、購入者の氏名や住所などを示すデータである。発注先データは、商店40を特定するデータであり、配達先データは、物品の配達先を示すデータである。
状態は、「1:受注済」、「2:発注済」、「3:配達済」、「4:受取済」、「5:回収済」等の値により、注文の状態を示す。「1:受注済」は、注文番号が発行されており、商店40への発注前であることを示す。「2:発注済」は、商店40へ発注が行われており、配達が完了していないことを示す。「3:配達済」は、物品をロッカー装置10に収納し、取り出されていないことを示す。「4:受取済」は、物品が購入者によって取り出されたことを示す。「5:回収済」は物品が配達業者50によって取り出されたことを示す。
注文管理データ24bは、配達に関するデータとして配達鍵データ、配達日時を含む。配達鍵データは、当該注文に対応する配達鍵データである。配達日時は、状態が「3:配達済」となったときの日時を示す。
注文管理データ24bは、取出に関するデータとして取出鍵データ、受取期限、回収期間、取出日時を含む。取出鍵データ、受取期限及び回収期間は、ロッカー装置10からの配達通知に含まれたものである。取出日時は、取出鍵データによってロッカーが解錠されたときの日時を示す。
次に、ロッカー装置10の処理手順について説明する。図11は、ロッカー装置10の処理手順を示すフローチャートである。ロッカー装置10のモード選択部19bは、まず、物品配達(物品の配達、あるいは配達された物品の受取り、回収)に係る操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、モード選択部19bは、表示操作部11が物品配達を示す操作を受け付けた場合、コードリーダ13が配達鍵データや物品配達の受取鍵データを読み取った場合、カードリーダ14が配達業者コードを読み取った場合に物品配達に係る操作を受け付けたと判定する。
物品配達に係る操作を受け付けたと判定したならば(ステップS101;Yes)、モード選択部19bは、以降の処理を物品配達処理部19cに行なわせる。物品配達処理部19cは、配達業者からの操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、物品配達処理部19cは、カードリーダ14が配達業者コードを読み取った場合に配達業者からの操作を受け付けたと判定する。
配達業者からの操作を受け付けたと判定したならば(ステップS102;Yes)、物品配達処理部19cは、配達又は回収の処理を行ない(ステップS103)、処理を終了する。一方、配達業者からの操作ではなく(ステップS102;No)、利用者からの操作を受け付けた場合には、物品配達処理部19cは、利用者による取出である受取の処理を行なって(ステップS104)、処理を終了する。
物品配達に係る操作を受け付けていなければ(ステップS101;No)、モード選択部19bは、物品預り(物品の預入あるいは取出)に係る操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS105)。具体的には、モード選択部19bは、表示操作部11が物品預りを示す操作を受け付けた場合、コードリーダ13が物品預りの受取鍵データを読み取った場合、カードリーダ14がペイメントカードのカードIDを読み取った場合に物品預りに係る操作を受け付けたと判定する。
物品預りに係る操作を受け付けたと判定したならば(ステップS105;Yes)、モード選択部19bは、以降の処理を物品預り処理部19dに行なわせる。物品預り処理部19dは、預入の操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS106)。具体的には、物品預り処理部19dは、表示操作部11が物品の預入を指定する操作を受け付けた場合、受取鍵データに設定されていないカードIDをカードリーダ14が読み取った場合に物品の預入を示す操作を受け付けたと判定する。
物品の預入を示す操作を受け付けたと判定したならば(ステップS106;Yes)、物品預り処理部19dは、物品の預入処理を行ない(ステップS107)、処理を終了する。一方、物品の預入操作ではなく(ステップS106;No)、預け入れた物品を取り出す取出操作を受け付けた場合には、物品預り処理部19dは、利用者による取出の処理を行なって(ステップS108)、処理を終了する。
物品預りに係る操作を受け付けていない場合には(ステップS105;No)、モード選択部19bは、ロッカー装置10の管理を行なう管理処理を収納管理部19aに行なわせて(ステップS109)、処理を終了する。
次に、サーバ20の処理手順を説明する。図12は、サーバ20の処理手順を示すフローチャートである。まず、注文受付部25bは、注文の受付を行ったか否かを判定する(ステップS201)。
注文の受付を行ったならば(ステップS201;Yes)、注文受付部25bは、ロッカー管理データ24aを読み出し、配達先のロッカー装置10の物品配達用収納部数から使用中収納部数を減算し、0よりも大きいかを判定する(ステップS202)。
物品配達用収納部数から使用中収納部数を減算した結果が0となったならば(ステップS202;No)、注文受付部25bはロッカー装置10への配達ができないことを購入者(の端末装置)へ通知する(ステップS214)。
物品配達用収納部数から使用中収納部数を減算した結果が0よりも大きいならば(ステップS202;Yes)、注文受付部25bが受注番号を発行し(ステップS203)、配達鍵データ生成部25cが配達鍵データを生成する(ステップS204)。その後、注文受付部25bは、使用中収納部数を1増加し(ステップS205)、発注処理部25dが商店40への発注を行う(ステップS206)。
ステップS206の終了後、ステップS214の後、若しくは注文の受付を行っていない場合(ステップS201;No)、配達鍵データ確認部25eは、ロッカー装置10から(第1の)配達通知を受信したか否かを判定する(ステップS207)。
ロッカー装置10から配達通知を受信したならば(ステップS207;Yes)、配達鍵データ確認部25eは、配達通知に含まれる配達鍵データによって受注番号を特定する(ステップS208)。そして、配達通知実行部25fは、特定した注文番号に基づいて、購入者の端末装置30に(第2の)配達通知を送信する(ステップS209)。
ステップS209の終了後、若しくはロッカー装置10から配達通知を受信していない場合(ステップS207;No)、回収指示部25gは、購入者による受取が行われないまま回収期間に入った取出鍵データが存在するか否か、すなわち、購入者による受取が行われないまま回収期間に入った配達依頼が存在するか否かを判定する(ステップS210)。
購入者による受取が行われないまま回収期間に入った取出鍵データが存在するならば(ステップS210;Yes)、回収指示部25gは、配達業者50に対して回収指示を送信する(ステップS211)。
ステップS211の後、若しくは購入者による受取が行われないまま回収期間に入った取出鍵データが存在しなければ(ステップS210;No)、ロッカー状態取得部25aはロッカー装置10から受取又は回収完了の通知を受けたか否かを判定する(ステップS212)。
受取又は回収完了の通知を受けていなければ(ステップS212;No)、そのまま処理を終了する。一方、受取又は回収完了の通知を受けたならば(ステップS212;Yes)、ロッカー状態取得部25aは、対応するロッカー装置10の使用中収納部数を1減算し(ステップS213)、処理を終了する。
次に、ロッカー装置10の管理処理における画面例について説明する。図13は、ロッカー装置10の管理処理における画面例についての説明図である。ロッカー装置10の収納管理部19aは、管理者からの操作を受け付けてロッカー装置10の状態を管理するための管理処理を実行可能である。
図13(a)は、操作者が管理権限を有する管理者であることを認証するための認証画面である。認証画面において、管理者名とパスワードが適正に入力されたならば、収納管理部19aは、管理処理の実行を許可する。図13(a)では、管理処理を選択する操作ボタンとして、扉管理、設定、故障解除、電源、物品預り、物品配達に対応する操作ボタンを示している。
図13(b)は、扉管理の操作ボタンが操作された場合の画面例である。この画面例では、物品配達用の収納部と物品預り用の収納部をロッカー装置10における配置にあわせて表示するとともに、各収納部の扉番号を表示している。また、各収納部が物品配達用と物品預り用のいずれに割り当てられているかを表示態様の違いにより示している。同様に、各収納部の状態についても表示態様の違いにより示している。そして、各表示態様と割り当て及び状態との対応関係を凡例として示している。
さらに、図13(b)は、状況詳細と履歴の操作ボタンを表示している。管理者が扉番号を選択し、これらの操作ボタンを操作すれば、選択した収納部の状況の詳細や使用の履歴を表示させることができる。
上述してきたように、本実施例1にかかる物品配達システムでは、ロッカー装置10は、物品配達用の収納部と物品預り用の収納部とを有し、集中管理ユニットU1は、物品配達と物品預りとで共用される。そして、集中管理ユニットU1は、受け付けた操作を識別し、物品配達用の収納部又は物品預り用の収納部のいずれかの施解錠を制御する。
かかる構成と動作により、ロッカー装置10は、物品配達と物品預りの双方に利用可能である。そのため、物品配達専用のロッカー装置を設ける場合に比して設置と維持にかかるコストを抑制しつつ、物品配達用の収納部の数を確保することができ、もって物品の配達における利便性を向上することができる。
なお、本実施例1では、ロッカー装置10が有する複数の収納部を物品預り用と物品配達用の2つの用途に固定的に割り当てる場合を例に説明を行なった。このように収納部の用途を固定的に割り当てる場合には、収納部の扉などに用途を示す表記、例えば用途を印字したステッカーの貼付を行なうこととしてもよい。
また、収納部の用途の割り当ては、変更可能としてもよい。収納部の用途の割り当ては、収納管理部19aによる管理処理で変更することができる。また、サーバ20等の上位の装置からの用途の割り当ての変更指示を受け付けてもよい。
さらに、所定の条件に基づいて、ロッカー装置10が収納部の用途の割り当てを自動的に変更するように構成してもよい。例えば、収納部の利用状況を条件として、収納部の用途の割り当てを変更することができる。具体的には、物品配達用の収納部に最低限の数(例えば5)を割り当て、残りの収納部を物品預り用に割り当てる。そして、物品配達用の収納部が「1:配達待」や「3:収納中」になったならば、物品配達用の収納部の数を増やす。その後、物品配達用の収納部が「0:空き」となった場合に、物品配達用の収納部の数を減らせばよい。
また、時期、曜日、時間帯を条件として、収納部の用途の割り当てを変更することもできる。例えば、年末などの物品の配達が多く利用される時期には、物品配達用に多くの収納部を割り当てるように変更すればよい。
さらに、本実施例1では、全ての収納部を物品配達用と物品預り用のいずれかに割り当てる場合を例示したが、物品配達用と物品預り用の収納部にそれぞれ最低限の数(例えば物品配達用に5、物品預り用に10)を割り当て、他の収納部は用途を未設定で待機させてもよい。この場合には、物品配達用の収納部が「3:収納中」となったときに未設定で待機中の収納部のうちの1つを物品配達用の収納部に割り当て、物品預り用の収納部が「3:収納中」となったときに未設定で待機中の収納部のうちの1つを物品預り用の収納部に割り当てる。そして、いずれかの収納部が「0:空」となったときには、当該収納部を未設定として待機させればよい。
このように、利用状況や時期などに応じて収納部の用途の割り当てを変更することにより、ロッカー装置10の収納部全体の利用効率を向上し、利便性の向上を実現することが可能となる。
上述の実施例1では、物品配達と物品預りの双方に利用可能なロッカー装置を含む物品配達システムについて説明したが、本実施例2では、温度管理が不要な物品の配達と温度管理が必要な物品の配達の双方に利用可能なロッカー装置を含む物品配達システムについて説明する。
まず、実施例2に係るロッカー装置の使用について説明する。図14は、実施例2に係るロッカー装置の使用についての説明図である。実施例2に係る物品配達システムは、駅や商業施設に設置される複数台のロッカー装置110の中の一つを配達先として選択することができる。
ロッカー装置110は、物品を収納する収納部、所謂ロッカーを複数有し、複数の収納部を個別に施錠可能である。また、ロッカー装置110は、複数箇所の駅等の公共施設にそれぞれ設置することが好適である。
ロッカー装置110が有する複数の収納部は、温度管理の不要な物品である常温物品の配達用の収納部と、温度管理が必要な物品である要冷蔵物品の配達用の収納部とを含む。図14では、ロッカー装置110は32個の収納部を有し、そのうちの22個の収納部を常温物品配達用とし、10個の収納部を要冷蔵物品配達用としている。
また、ロッカー装置110は、集中管理ユニットU101を有する。集中管理ユニットU101は、収納部の施解錠を制御するユニットであり、常温物品配達用の収納部の制御と要冷蔵物品配達用の収納部の制御の双方に使用できる。集中管理ユニットU101は、配達業者50の操作を受け付けたならば、当該操作が常温物品の配達に係る操作であるか要冷蔵物品の配達に係る操作であるかを識別する。そして、常温物品の配達に係る操作を受け付けた場合には、集中管理ユニットU101は常温物品配達用の収納部の施解錠を制御し、要冷蔵物品の配達に係る操作を受け付けた場合には、集中管理ユニットU101は要冷蔵物品配達用の収納部の施解錠を制御する。
なお、解錠された収納部に配達業者50が物品を収納すると、集中管理ユニットU101は、当該収納部を施錠するとともに、解錠用のデータを利用者に提供する。その後、利用者が物品の受取を行なう場合には、解錠用のデータを集中管理ユニットU101に読み取らせる。集中管理ユニットU101は、解錠用のデータに対応する収納部を解錠する。このため、利用者は、配達業者50により配達された物品の取出が可能となる。
このように、ロッカー装置110は、常温物品配達用の収納部と要冷蔵物品配達用の収納部とを有し、集中管理ユニットU101は、常温物品の配達と要冷蔵物品の配達とで共用される。そして、集中管理ユニットU101は、受け付けた操作を識別し、常温物品配達用の収納部又は要冷蔵物品配達用の収納部のいずれかの施解錠を制御する。
かかる構成と動作により、ロッカー装置110は、常温物品の配達と要冷蔵物品の配達の双方に利用可能である。このように、取扱いが異なる物品を識別してそれぞれ収納することにより、物品の配達における利便性を向上することができる。
図15は、実施例2の集中管理ユニットU101の内部構成を示すブロック図である。ロッカー装置110が有する収納部のうち、常温物品配達用の収納部には、ロック機構が設けられている。例えば、収納部L01bにはロック機構L01aが設けられており、収納部L02bにはロック機構L02aが設けられている。
一方、要冷蔵物品配達用の収納部には、ロック機構に加えて温度調節機構が設けられている。例えば、収納部L11bにはロック機構L11a及び温度調節機構L11cが設けられており、収納部L12bにはロック機構L12a及び温度調節機構L12cが設けられている。
集中管理ユニットU101は、これらのロック機構及び温度調節機構と接続され、ロック機構の施解錠と温度調節機構の制御とを行なう。また、集中管理ユニットU101は、表示操作部11と、スピーカ12と、コードリーダ13と、カードリーダ14と、プリンタ15と、貨幣処理部16と、通信部17と、記憶部18と、制御部119とを有する。
表示操作部11、スピーカ12、コードリーダ13、カードリーダ14、プリンタ15、貨幣処理部16及び通信部17の構成及び動作は実施例1に示した集中管理ユニットU1と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
記憶部18は、収納管理データ118aを記憶する。この収納管理データ118aは、温度管理に関する項目を有する点で実施例1に示した収納管理データ18aと異なる。収納管理データ118aの具体例については後述する。
制御部119は、ロッカー装置110を全体制御する制御部であり、収納管理部119a、物品配達処理部119c、温度制御部119d、ロック制御部119e及び決済処理部119fを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより収納管理部119a、物品配達処理部119c、温度制御部119d、ロック制御部119e及び決済処理部119fにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
収納管理部119aは、各収納部の状態を管理する処理部である。収納管理部119aは、収納部の状態が変更となった場合に、収納管理データ118aを更新する。また、収納管理データ118aに示された収納部の空き状況を適宜サーバ120に送信する。ここで、収納管理部119aは、各収納部について温度調節が可能であるか否かを含めて収納部を管理しており、温度調節ができない常温物品配達用の収納部の空き状況と、温度調節が可能な要冷蔵物品配達用の収納部の空き状況とをサーバ120に送信する。
なお、収納部の状態に、「空」、「配達待」、「配達通知待機」、「収納中」、「故障中」がある点については実施例1と同様である。
物品配達処理部119cは、物品配達に係る処理を行なう処理部であり、物品配達用の収納部の施解錠をロック制御部119eに行なわせる。物品配達処理部119cによる処理の詳細については後述する。
温度制御部119dは、要冷蔵物品配達用の収納部に設けられた温度調節機構L11c、L12cなどを制御し、要冷蔵物品配達用の収納部の内部温度を要冷蔵物品の保管に適した温度に保つ処理を行なう。
ロック制御部119eは、ロック機構L01a、L02a、L11a、L12aなどに施錠指示又は解錠指示を送信することで、収納部の施解錠を制御する処理部である。ロック制御部119eは、基本的には、各収納部を施錠状態で維持する。そして、物品配達処理部119cによる指示に基づいて、指定された収納部の施解錠を実行する。
決済処理部119fは、現金やペイメントカードによる決済を行なう処理部である。決済処理部119fによる決済は、物品配達における着払いなどの料金の徴収が必要な場合に利用される。具体的には、決済処理部119fは、物品配達処理部119cによる指示に基づいて、指定された金額の決済を実行することになる。
図16は、物品配達処理部119cの詳細について説明するための説明図である。図16に示すように、物品配達処理部119cは、配達作業受付部19c1、配達鍵データ識別部19c2、配達種別選択部119c1、解錠用データ生成部19c3、配達通知実行部19c4、取出操作受付部19c5及び解錠用データ識別部19c6を有する。
配達作業受付部19c1は、配達業者50による配達作業を受け付ける処理部である。具体的には、配達作業受付部19c1は、配達作業の開始に対応する操作として、配達業者50に予め付与された業者コードの認証を行う。配達作業の開始後には、配達作業受付部19c1は、配達鍵データの受付を行う。また、1又は複数の配達鍵データの受付後、配達作業の終了を示す操作である配達終了操作を受け付けることができる。なお、配達鍵データの受付によって「配達待」状態のロッカーが無くなった場合には、配達終了操作によらず配達作業の終了を判定可能である。
配達鍵データ識別部19c2は、受け付けられた配達鍵データが正規のデータであるか否かの識別を行う処理部である。サーバ120が配達鍵データを生成した場合に、ロッカー装置110に配達鍵データを通知する構成であれば、購入成立時等にロッカー装置110がサーバ120から通知された配達鍵データを保持しておき、配達業者50から受け付けた配達鍵データと比較することで配達鍵データを識別可能である。サーバ120が配達鍵データを生成した場合に、ロッカー装置110に配達鍵データを通知しない構成であれば、ロッカー装置110が配達業者50から受け付けた配達鍵データをサーバ120に送信して、正規のデータであるか否かを問い合わせればよい。
配達種別選択部119c1は、配達鍵データに対応付けられた物品の配達種別を読み取り、当該物品が常温物品であるか要冷蔵物品であるかを識別する。そして、常温物品であると識別した場合には、常温物品用の収納部を選択し、要冷蔵物品であると識別した場合には要冷蔵物品配達用の収納部を選択する。
配達作業受付部19c1は、配達鍵データ識別部19c2により配達鍵データが正規のデータであると識別されたならば、配達種別選択部119c1により選択された収納部を1つ解錠するようロック制御部119eに解錠指示を出力する。ロック制御部119eは、解錠指示に基づいて収納部を1つ解錠する。その後、配達業者50によって収納部に物品が収納され、収納部の扉が閉められると、ロック制御部119eは、収納部を施錠する。配達作業受付部19c1は、ロック制御部119eによる施錠が行なわれた場合に、物品の収納が完了した状態とする。そして、配達作業受付部19c1は、配達鍵データを「配達待」状態から「配達通知待機」状態に変更する。
解錠用データ生成部19c3は、配達業者50から受け付けた配達鍵データに対応する解錠用データを生成する処理部である。解錠用データ生成部19c3は、解錠用データとして取出鍵データを生成する。取出鍵データは、購入者が物品を受け取る際に使用される。また、取出鍵データは、購入者が物品を受け取らなかった場合に当該物品を回収するためにも使用される。取出鍵データは、数字列や二次元バーコード等の任意の形式であってよい。この解錠用データは、解錠の対象となる収納部、すなわち、物品が収納部に対応するものであり、物品が収納された収納部を一意に示す収納部情報として用いることができる。取出鍵データの有効期限についても、実施例1と同様に設定する。
配達通知実行部19c4、取出操作受付部19c5及び解錠用データ識別部19c6の動作については、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、図15に示した収納管理データ118aについて説明する。図17は、図15に示した収納管理データ118aについての説明図である。図17に示すように、収納管理データ118aは、基本データに加え、物品配達に関するデータを有する。
収納管理データ118aは、基本データとして、収納部ID、扉番号、機能及び状態を含む。収納部IDは、収納部を一意に特定する識別情報である。扉番号は、収納部の扉に付された番号である。機能は、収納部に温度調節機構が設けられているか否かを示す。具体的には、機能は「1.温度調節なし」又は「2.温度調節あり」のいずれかの値を取る。「1.温度調節なし」の収納が常温物品配達用の収納部であり、「2.温度調節あり」の収納が要冷蔵物品配達用の収納部である。状態は、「0:空」、「1:配達待」、「2:配達通知待機」、「3:収納中」、「7:故障中」等の値により、収納部の状態を示す。
収納管理データ118aは、物品配達に関するデータとして、配達鍵データ、配達種別、配達日時、取出鍵データ、受取期限、回収期間、取出日時及び取出種別を含む。
配達鍵データは、当該収納部を配達先とする配達依頼に対応する配達鍵データである。配達種別は、配達する物品が常温物品であるか要冷蔵物品であるかを示す。具体的には、配達種別は、「1:常温」又は「2:要冷蔵」のいずれかの値を取る。
配達日時は、状態が「3:配達済」となったときの日時を示す。取出鍵データは、解錠用データ生成部19c3により生成されて格納される。受取期限及び回収期間は、解錠用データ生成部19c3により設定されて格納される。取出日時は、取出鍵データによって収納部が解錠されたときの日時を示す。取出鍵データによって収納部が解錠されたときには、収納部の状態は「0:空」となる。
取出種別は、「0:取出待」、「1:受取済」、「2:回収済」のいずれかの値をとる。状態が「3:配達済」となると、まず取出種別は「0:取出待」に設定される。その後、利用者により取出鍵データが使用され、収納部が解錠されたならば取出種別を「1:受取済」に設定する。そして、配達業者50により取出鍵データが使用され、収納部が解錠されたならば取出種別を「2:回収済」に設定する。取出鍵データが利用者と配達業者50のいずれにより使用されたかは、例えば、配達業者50の業者コードを受け付けたか否かにより識別可能である。
次に、サーバ120の内部構成について説明する。図18は、サーバ120の内部構成を示すブロック図である。図18に示すように、サーバ120は、表示部21及び入力部22と接続され、通信部23、記憶部24及び制御部125を有する。表示部21、入力部22及び通信部23については、実施例1に示したサーバ20と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
記憶部24は、ロッカー管理データ124a、注文管理データ124b及び事業者登録データ24cを記憶する。ロッカー管理データ124aは、各ロッカー装置について、常温物品配達用の収納部の状況と、要冷蔵物品配達用の収納部の状況と個別に管理している点が実施例1に示したロッカー管理データ24aと異なる。また、注文管理データ124bは、温度管理に関する項目を有する点で実施例1に示した注文管理データ24bと異なる。ロッカー管理データ124a及び注文管理データ124bの具体例については後述する。
制御部125は、サーバ120を全体制御する制御部であり、ロッカー状態取得部125a、注文受付部125b、配達鍵データ生成部125c、発注処理部125d、配達鍵データ確認部25e、配達通知実行部25f及び回収指示部25gを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、ロッカー状態取得部125a、注文受付部125b、配達鍵データ生成部125c、発注処理部125d、配達鍵データ確認部25e、配達通知実行部25f及び回収指示部25gにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
ロッカー状態取得部125aは、必要に応じてロッカー装置110から収納部の状態を取得し、物品配達用の収納部の空き状況を管理する処理部である。ここで、ロッカー状態取得部125aは、常温物品配達用の収納部の状況と、要冷蔵物品配達用の収納部の状況とを個別に取得し、管理する。
注文受付部125bは、注文の受付を行う処理部である。注文受付部125bは、受け付けた注文について、受注番号を発行する。また、受け付けた注文の配達先としてロッカー装置110の収納部を指定する場合には、ロッカー状態取得部125aにロッカー装置110の配達用の収納部の状態を取得させ、空状態の収納部から配達先の選択を受け付ける。
ここで、注文受付部125bは、注文された物品が常温物品であるならば、常温物品配達用の収納部から配達先の選択を受け付け、注文された物品が要冷蔵物品であるならば、要冷蔵物品配達用の収納部から配達先の選択を受け付ける。要冷蔵物品の注文を受け付け、かつ要冷蔵物品配達用の収納部に空きが無い場合には、注文受付部125bは、ロッカー装置110への配達が不可能である旨の通知を行なう。この通知を受けた購入者は、注文の取り消しや配達先の変更を行なうことができる。
配達鍵データ生成部125cは、注文受付部125bがロッカー装置110を配達先とする注文を受け付けた場合に、受注番号に対応する配達鍵データを生成する処理部である。配達鍵データは、実施例1と同様に、任意の方法で生成することができる。さらに、配達鍵データ生成部125cは、生成した配達鍵データに配達種別を対応付ける。配達種別は、注文された物品が常温物品であるならば「1:常温」、注文された物品が要冷蔵物品であるならば「2:要冷蔵」である。
発注処理部125dは、注文受付部125bが受け付けた注文に基づいて、発注を行う処理部である。発注では、購入された物品とその配達先を特定する情報に加え、受注番号、配達鍵データ及び配達種別が通知される。
配達鍵データ確認部25e、配達通知実行部25f及び回収指示部25gの動作は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、図18に示したロッカー管理データ124a及び注文管理データ124bについて説明する。図19は、図18に示したロッカー管理データ124a及び注文管理データ124bについての説明図である。
図19に示すように、ロッカー管理データ124aは、ロッカー装置110を一意に識別するロッカー装置IDと、ロッカー装置110の所在地と、物品配達用に使用可能な収納部の数である物品配達用収納部数と、物品配達用収納部数のうちの使用中の収納部の数である使用中収納部数とを関連付けたデータである。使用中の収納部とは、配達待から収納中までの状態にある収納部である。
ロッカー管理データ124aでは、物品配達用収納部数及び使用中収納部は、常温用と要冷蔵用に区別して管理される。注文受付部125bは、受け付けた注文の配達種別、すなわち注文された物品が常温物品であるか要冷蔵物品であるかを選択し、選択した配達種別の物品配達用収納部数から使用中収納部数を減算して空き状態の収納部の数を算出し、ロッカー装置110を配達先に指定した注文を受け付け可能であるか否かを判定する。
図19に示すように、注文管理データ124bは、配達に関するデータとして配達種別をさらに有する点が実施例1に示した注文管理データ24bと異なる。配達種別は、配達鍵データ生成部125cによって、配達鍵データに対応付けられ、「1:常温」又は「2:要冷蔵」のいずれかの値を取る。
次に、ロッカー装置110の処理手順について説明する。図20は、ロッカー装置110の処理手順を示すフローチャートである。ロッカー装置110の物品配達処理部119cは、まず、物品配達(物品の配達、あるいは配達された物品の受取や回収)に係る操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS301)。具体的には、物品配達処理部119cは、表示操作部11が物品配達を示す操作を受け付けた場合、コードリーダ13が配達鍵データや物品配達の受取鍵データを読み取った場合、カードリーダ14が配達業者コードを読み取った場合に物品配達に係る操作を受け付けたと判定する。
物品配達に係る操作を受け付けたと判定したならば(ステップS301;Yes)、物品配達処理部119cは、配達業者からの操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS302)。具体的には、物品配達処理部119cは、カードリーダ14が配達業者コードを読み取った場合に配達業者からの操作を受け付けたと判定する。
配達業者からの操作を受け付けたと判定したならば(ステップS302;Yes)、物品配達処理部119cは、配達業者からの操作が配達の操作であるか回収の操作であるかを判定する(ステップS303)。具体的には、物品配達処理部119cは、コードリーダ13が配達鍵データを読み取った場合に配達の操作であると判定し、コードリーダ13が受取鍵データを読み取った場合に回収の操作であると判定する。
配達業者から配達の操作を受け付けた場合には(ステップS303;Yes)、物品配達処理部119cは、配達鍵データに対応付けられた配達種別により、配達される物品が要冷蔵物品であるか否かを判定する(ステップS304)。
配達される物品が要冷蔵物品であるならば(ステップS304;Yes)、物品配達処理部119cは、要冷蔵物品の配達処理を行なって(ステップS305)、処理を終了する。要冷蔵物品の配達処理では、要冷蔵物品配達用の収納部を解錠し、物品の収納を受け付けることになる。
配達される物品が要冷蔵物品でなければ(ステップS304;No)、物品配達処理部119cは、常温物品の配達処理を行なって(ステップS306)、処理を終了する。常温物品の配達処理では、常温物品配達用の収納部を解錠し、物品の収納を受け付けることになる。
配達業者から回収の操作を受け付けた場合には(ステップS303;No)、物品配達処理部119cは、物品の回収処理を行なって(ステップS307)、処理を終了する。物品の回収処理では、受取鍵データに対応付けられた収納部を解錠し、物品を取出し可能とすることになる。
配達業者からの操作ではなく(ステップS302;No)、利用者からの操作を受け付けた場合には、物品配達処理部119cは、利用者による取出である受取の処理を行なって(ステップS308)、処理を終了する。受取の処理では、受取鍵データに対応付けられた収納部を解錠し、物品を取出し可能とすることになる。
物品配達に係る操作を受け付けていなければ(ステップS301;No)、収納管理部119aがロッカー装置110の管理を行なう管理処理を行なって(ステップS309)、処理を終了する。
次に、サーバ120の処理手順を説明する。図21及び図22は、サーバ120の処理手順を示すフローチャートである。まず、図21に示すように、注文受付部125bは、注文の受付を行ったか否かを判定する(ステップS401)。
注文の受付を行ったならば(ステップS401;Yes)、注文受付部125bは、注文された物品が常温物品であるか否かによって配達種別を選択する(ステップS402)。その後、注文受付部125bは、ロッカー管理データ124aを読み出し、選択した配達種別の物品配達用収納部数から使用中収納部数を減算し、0よりも大きいかを判定する(ステップS403)。
物品配達用収納部数から使用中収納部数を減算した結果が0となったならば(ステップS403;No)、注文受付部125bはロッカー装置110への配達ができないことを購入者(の端末装置)へ通知する(ステップS408)。
選択した配達種別の物品配達用収納部数から使用中収納部数を減算した結果が0よりも大きいならば(ステップS403;Yes)、注文受付部125bが受注番号を発行し(ステップS404)、配達鍵データ生成部125cが配達鍵データを生成する(ステップS405)。その後、注文受付部125bは、選択した配達種別の使用中収納部数を1増加し(ステップS406)、発注処理部125dが発注を行う(ステップS407)。
ステップS407の終了後、ステップS408の後、若しくは注文の受付を行っていない場合(ステップS401;No)、配達鍵データ確認部25eは、図22に示すように、ロッカー装置110から(第1の)配達通知を受信したか否かを判定する(ステップS409)。
ロッカー装置110から配達通知を受信したならば(ステップS409;Yes)、配達鍵データ確認部25eは、配達通知に含まれる配達鍵データによって受注番号を特定する(ステップS410)。そして、配達通知実行部25fは、特定した注文番号に基づいて、購入者に(第2の)配達通知を送信する(ステップS411)。
ステップS411の終了後、若しくはロッカー装置110から配達通知を受信していない場合(ステップS409;No)、回収指示部25gは、購入者による受取が行われないまま回収期間に入った取出鍵データが存在するか否か、すなわち、購入者による受取が行われないまま回収期間に入った配達依頼が存在するか否かを判定する(ステップS412)。
購入者による受取が行われないまま回収期間に入った取出鍵データが存在するならば(ステップS412;Yes)、回収指示部25gは、配達業者50に対して回収指示を送信する(ステップS413)。
ステップS413の後、若しくは購入者による受取が行われないまま回収期間に入った取出鍵データが存在しなければ(ステップS412;No)、ロッカー状態取得部125aはロッカー装置110から受取又は回収完了の通知を受けたか否かを判定する(ステップS414)。
受取又は回収完了の通知を受けていなければ(ステップS414;No)、そのまま処理を終了する。一方、受取又は回収完了の通知を受けたならば(ステップS414;Yes)、ロッカー状態取得部125aは、対応する使用中収納部数を1減算し(ステップS415)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例2にかかる物品配達システムでは、ロッカー装置110は、常温物品配達用の収納部と要冷蔵物品配達用の収納部とを有し、集中管理ユニットU101は、常温物品の配達と要冷蔵物品の配達とで共用される。そして、集中管理ユニットU101は、受け付けた操作を識別し、常温物品配達用の収納部又は要冷蔵物品配達用の収納部のいずれかの施解錠を制御する。
かかる構成と動作により、ロッカー装置110は、常温物品の配達と要冷蔵物品の配達の双方に利用可能である。このように、取扱いが異なる物品を識別してそれぞれ収納することにより、物品の配達における利便性を向上することができる。
なお、本実施例2では、サーバ120が要冷蔵物品の注文を受け付け、指定されたロッカー装置110の要冷蔵物品配達用の収納部に空きが無い場合に、指定されたロッカー装置110への配達ができない旨の通知を行なう構成を説明した。他の構成として、指定されたロッカー装置110の要冷蔵物品配達用の収納部に空きが無い場合に、指定されたロッカー装置110の近隣に所在し、要冷蔵物品配達用の収納部に空きがある他のロッカー装置110を提示するようにしてもよい。
また、ロッカー装置110が要冷蔵物品の配達を受け付ける場合にも、要冷蔵物品配達用の収納部に空きがあるか否かを判定し、要冷蔵物品配達用の収納部に空きがなければ配達業者に通知して持ち帰らせるようにしてもよい。サーバ120が注文を受け付ける際に要冷蔵物品配達用の収納部の空きを確認し、収納部を確保していたとしても、温度調節機構の故障などにより要冷蔵物品配達用として使用できないケースがあるためである。なお、要冷蔵物品配達用の収納部に空きがなく、配達業者に物品を持ち帰らせた場合には、購入者にも配達ができなかった旨の通知を行なうことが望ましい。
また、ロッカー装置110が要冷蔵物品の配達を受け付ける場合に、収納先となる収納部の内部の温度を確認し、内部の温度が適切であることを条件に収納部を解錠する構成としてもよい。かかる構成では、収納部の内部の温度が不適切であれば警告画面を表示制御し、適切な温度に設定されている他の空き収納部に要冷蔵物品を収納させるか、若しくは当該要冷蔵物品を配達業者に持ち帰らせることとなる。
また、要冷蔵物品配達用の収納部に物品を収納している間は、当該収納部の内部の温度等を常時監視し、温度調節機構の故障や設定ミスなどにより内部の温度が上昇する恐れがある場合には、配達業者や購入者に通知し、別途保管するよう促してもよい。
さらに、要冷蔵物品配達用の収納部の内部の温度が不適切となり、所定時間が経過した場合には、収納された要冷蔵物品の品質を担保できないので、発送元に通報し、引き取り処理を行なうことが望ましい。
なお、要冷蔵物品配達用の収納部であっても、空き状態であれば温度調節を行なわず、常温で待機することとしてもよい。この場合には、注文の成立時に要冷蔵物品配達用の収納部を特定して確保し、当該収納部に物品を収納する時点までに適切な温度となるよう予め温度調節機構を作動させる。また、最低限の収納部は要冷蔵物品の収納に適した温度で待機するようにしてもよい。このようにすれば、待機状態における消費電力の低減が見込まれる。
さらに、本実施例2では、温度管理の必要な物品として要冷蔵物品を例示し、冷蔵用の収納部を設ける構成について説明を行なったが、冷蔵用、冷凍用など、異なる温度の収納部を設けてもよい。また、物品毎に保管時の温度を指定可能としてもよい。物品毎に保管時の温度を指定する場合には、注文の成立時に収納部と保管温度を特定し、当該収納部に物品を収納する時点までに指定された温度となるよう予め温度調節機構を作動させることとなる。
また、本実施例2では、配達鍵データに配達種別を対応付けておき、ロッカー装置110が配達種別を読み取って常温物品配達用の収納部と要冷蔵物品配達用の収納部のいずれを解錠するかを選択する構成を説明したが、配達業者50が表示操作部11を操作して常温物品配達用の収納部と要冷蔵物品配達用の収納部のいずれを解錠するかを選択する構成としてもよい。かかる構成では、配達業者50が配達操作を行なう場合に、表示操作部11に「要冷蔵物品です。要冷蔵物品配達用の収納部に配達して下さい」などの確認画面を表示することが好適である。
上述の実施例1では物品預り用の収納部と物品配達用の収納部とを設ける構成を説明し、上述の実施例2では常温物品配達用の収納部と要冷蔵物品配達用の収納部とを設ける構成を説明したが、物品預り用、常温物品配達用、要冷蔵物品配達用のように、用途や配達種別の異なる3以上の収納部を設ける構成としてもよいことは言うまでもない。
また、上述の実施例1及び2では、集中管理ユニットU1、U101に貨幣処理部16を設け、現金による決済が可能な構成について説明したが、決済の方法をペイメントカードに限定し、貨幣処理部16を設けないこととしてもよい。貨幣処理部16が不要となれば、ロッカー装置10、110の小型化、製造コストの削減、メンテナンスの低減が実現できる。
また、上述の実施例1及び2の収納部に、内部に物品が所在するか否かを検知するセンサを設けてもよい。かかるセンサを設ければ、物品が内部に残っているにも関わらず、収納部の状態を誤って「0:空」に変更する事態を回避できる。
また、上述の実施例1及び2では、用途や配達種別の異なる収納部を一体に構成し、集中管理ユニットU1、U101を共用する場合を説明したが、収納部を別体に構成したうえで集中管理ユニットを共用することもできる。
図23は、収納部を別体に構成する場合についての説明図である。図23では、主ロッカー装置210と副ロッカー装置211が通信可能に接続されている。主ロッカー装置210は、複数の収納部と、集中管理ユニットU201を有する。また、副ロッカー装置211は、複数の収納部を有する。集中管理ユニットU201は、主ロッカー装置210が有する複数の収納部と、副ロッカー装置211が有する複数の収納部とで共用される。
図23において、主ロッカー装置210が有する複数の収納部を全て物品預り用に割り当て、副ロッカー装置211が有する複数の収納部を全て物品配達用に割り当ててもよい。また、主ロッカー装置210が有する複数の収納部を全て常温物品配達用とし、副ロッカー装置211が有する複数の収納部を全て要冷蔵物品配達用としてもよい。また、副ロッカー装置211が有する複数の収納部を全て物品配達用に割り当ててもよい。また、主ロッカー装置210が有する複数の収納部を物品預り用と常温物品配達用に割り当て、副ロッカー装置211が有する複数の収納部を全て要冷蔵物品配達用としてもよい。
なお、実施例1及び2に図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
また、実施例1及び2では、駅等に設置されたロッカー装置を物品の配達先として利用する場合について説明を行ったが、集合住宅等に設置された宅配ボックスであっても同様に本発明を適用可能である。