まず、本実施例1に係る物品配達システムの概念について説明する。図1は、実施例1に係る物品配達システムの概念を説明するための説明図である。本実施例1に係る物品配達システムは、駅や商業施設に設置される複数台のロッカー装置10の中の一つを配達先として選択することができる。
ロッカー装置10は、物品を収納する収納部、所謂ロッカーを複数有し、複数の収納部を個別に施錠可能である。また、ロッカー装置10は、複数箇所の駅等の公共施設にそれぞれ設置することが好適である。ロッカー装置10は、物品の預入と取出とを同一人物が行うことを想定したコインロッカー機能を有してもよいが、本実施例1では説明を簡明にするため、物品の配達先としてのみ用いる配達専用のロッカー装置10を例示して説明を行う。
利用者(例えば、後述するように物品の購入者等)は、サーバ20に対して物品の配達依頼を行う(1)。この配達依頼では、配達先としてロッカー装置10を選択することができる。
配達依頼を受けたサーバ20は、配達業者等に配達指示を行なって物品を配達させる(2)。ここで、配達業者は、配達する物品に伝票を付する。この伝票には、配達依頼を一意に識別する識別情報、依頼元、配達先、物品の種別等が記載されている。
ロッカー装置10は、配達業者による物品の収納操作を受け付け(3a)、伝票に記載された情報を伝票データとして読み取る(3b)。そして、物品の収納先として収納部を1つ開錠し(3c)、他の伝票データの読取を禁止する(3d)。また、収納先として開錠した収納部を特定する収納部情報と伝票データとを対応付ける(3e)。
配達業者により収納部に物品が収納され、収納部の扉が閉められたならば、ロッカー装置10は物品が収納された収納部を施錠し(3f)、伝票データ読取り禁止を解除する(3g)。なお、当該ロッカー装置10に収納すべき物品が複数存在する場合には、(3a)〜(3g)の処理を繰り返す。
物品が収納された後、ロッカー装置10は、伝票データと収納部情報とを含む配達通知をサーバ20に対して送信する(4)。ロッカー装置10がサーバ20に対して行う配達通知を、便宜上「第1の配達通知」という。
第1の配達通知を受信したサーバ20は、配達依頼の依頼元である利用者に収納部情報や伝票データを含む配達通知を送信する(5)。サーバ20が利用者に対して行う配達通知を、便宜上「第2の配達通知」という。利用者が、第2の配達通知に含まれていた伝票データをロッカー装置10に読み取らせると(6)、ロッカー装置10は、対応する収納部を開錠するので、利用者は物品の受取が可能となる。
このように、ロッカー装置10は、物品の配達先として利用することが可能である。そして、配達された物品を収納する場合には、一度に1つの収納部のみを開錠し、配達依頼を識別する伝票データと物品が収納された収納部を示す収納部情報との対応付けを行ない、かかる対応付けが行なわれた後に次の伝票データの受付を可能とする。このため、配達依頼と収納部とを正確に対応付けることができ、物品の入れ間違いを防止することができる。
次に、実施例1に係る物品配達システムをインターネットショッピングに適用した場合の具体例について説明する。図2は、実施例1に係るインターネットショッピングについて説明するための説明図である。
図2に示した例では、サーバ20は、物品を販売する販売サイトを提供する。具体的には、サーバ20は、商店40が販売する物品の情報を表示制御し、物品に対する購入操作、すなわち注文を受け付けることができる。また、サーバ20は、ロッカー装置10から配達先として使用可能な空き状態の収納部を示すデータを取得することができる。
購入者は、端末装置30を操作してサーバ20にアクセスし、所望の物品を購入する(1)。この購入が、配達依頼に対応する。購入した物品の配達先として、ロッカー装置10が有する収納部を希望するならば、サーバ20は、ロッカー装置10の空き状態の収納部を表示制御し、配達先の選択を受け付ける。
サーバ20は、購入が行われたならば、受注番号を発行する(2)。さらに、サーバ20は、配達先がロッカー装置10であるならば、受注番号に対応する配達鍵データを生成する(3)。その後、サーバ20は、商店40に対して発注を行う(4)。この発注が、配達指示に対応する。発注では、購入された物品とその配達先を特定する情報に加え、受注番号と配達鍵データとが商店40に通知される。
商店40では、発注に応じて購入された物品を出荷する(5)。物品には、配達鍵データを付する。配達鍵データとして数字列や二次元バーコード等を用いる場合には、伝票に対する印字によって配達鍵データを付すことができる。図2に示したシステムでは、この配達鍵データが伝票データに対応する。
配達業者50は、商店40から出荷された物品を指定されたロッカー装置10まで配達する(6)。そして、配達鍵データをロッカー装置10に読み取らせて収納部を開錠して、物品を収納部に収納する。
ロッカー装置10は、物品が収納された収納部を施錠するとともに、当該施錠を開錠するための開錠用データである取出鍵データを生成する(7)。取出鍵データは、購入者が物品を受取るために用いられる。また、取出鍵データは、ロッカー装置10の収納部を一意に特定できるものであり、収納部情報として用いることができる。なお、取出鍵データは、購入者が設定された期限内に物品を受取らなかった場合に当該物品を配達業者が回収するために用いることもできる。取出鍵データは、数字列や二次元バーコード等の任意の形式であってよい。
ロッカー装置10は、配達鍵データ及び取出鍵データを含む第1の配達通知をサーバ20に対して送信する(7)。
第1の配達通知を受信したサーバ20は、配達鍵データによって受注番号を特定し、購入者の端末装置30に取出鍵データを含む第2の配達通知を送信する(8)。購入者は、この第2の配達通知により購入した物品が指定したロッカー装置10の収納部に収納されたことを知ることができ、取出鍵データによって収納部を開錠して中から購入した物品を取り出すことができる。
物品をロッカー装置10の収納部に収納してから所定期間以上、購入者による物品の取出しが行われなければ、サーバ20は、配達業者50に対して回収指示を行う(9)。この回収指示には、取出鍵データが含まれる。そのため、配達業者50は、取出鍵データによって物品を取出して回収することができる。この場合には、購入者による取出鍵データの使用を無効化し、その旨を端末装置30に通知してもよい。配達業者50が取出鍵データによって物品を回収可能とすることにより、収納部が長期間に亘って占有される事態を防止することができる。
次に、ロッカー装置10の外観構成について説明する。図3は、ロッカー装置10の外観構成を示す外観構成図である。図3に示すように、ロッカー装置10は、収納部L01b及びL02bを含む複数の収納部と、各収納部に対応するロック機構を有する。例えば、ロック機構L01aは、収納部L01bを施解錠する機構であり、ロック機構L02aは、収納部L02bを施解錠する機構である。さらに、ロッカー装置10は、表示操作部11を含むユーザインタフェースを有する。
次に、ロッカー装置10の内部構成について説明する。図4は、ロッカー装置10の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、ロッカー装置10は、表示操作部11と、コードリーダ12と、レシート発行部13と、通信部14と、記憶部15と、制御部16とを有する。また、ロッカー装置10は、収納部L01b及びL02bを含む複数の収納部と、各収納部に対応するロック機構(L01a及びL02a等)を有する。尚、各収納部のロック機構は、施錠待機とされ、必要なとき(物品を出し入れするとき)のみ開錠制御されるものとする。
表示操作部11は、タッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなり、配達業者50や購入者への情報表示や各種入力の受付に用いられる。配達鍵データ及び取出鍵データとして数字列を用いる場合には、これらの入力も表示操作部11が受け付ける。
コードリーダ12は、配達鍵データ及び取出鍵データを読み取るための読取りユニットである。配達鍵データ及び取出鍵データとして二次元バーコード等を用いる場合には、これらを撮像するカメラと画像処理部によってコードリーダ12を構成する。
レシート発行部13は、物品の配達時や取出時等、必要に応じてレシートを発行するためのプリンタユニットである。通信部14は、所定の通信回線を経由してサーバ20と通信するためのインタフェース部である。記憶部15は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部15は、収納管理データ15aを記憶する。
制御部16は、ロッカー装置10を全体制御する制御部であり、収納管理部16a、配達作業受付部16b、配達鍵データ識別部16c、配達抑制処理部16d、開錠用データ生成部16e、ロック制御部16f、配達通知実行部16gを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、収納管理部16a、配達作業受付部16b、配達鍵データ識別部16c、配達抑制処理部16d、開錠用データ生成部16e、ロック制御部16f及び配達通知実行部16gにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
収納管理部16aは、各収納部の状態を管理する処理部である。収納管理部16aは、収納部の状態が変更となった場合に、収納管理データ15aを更新する。また、収納管理データ15aに示された収納部の空き状況を適宜サーバ20に送信する。
収納部の状態には、「空」、「配達待」、「配達通知待機」、「配達済」、「故障中」がある。「空」は、収納部には物品が収納されておらず、物品が配達される予定も無いため、新規の配達先として選択可能な状態である。「配達待」は、配達先として選択されたが、物品を収納していない状態である。「配達通知待機」は、配達先として選択され、物品が収納されたが、他の配達作業が残っているために配達通知の実行を待機している状態である。「配達済」は、配達先として選択され、物品が収納され、配達通知を行った状態である。この状態は、収納部内に物品が存在し、購入者又は配達業者50による取出しを待機している状態である。購入者又は配達業者50による取出が行われれば、収納部の状態は「空」となる。なお、この他にも「故障中」などの状態が設けられる。
収納部の状態が「配達待」、「配達通知待機」又は「配達済」であれば、収納部には配達鍵データが対応付けられており、配達鍵データが配達依頼や収納部を一意に識別する情報として機能する。このため、収納部の状態が「配達待」、「配達通知待機」又は「配達済」である場合には、配達鍵データの状態が「配達待」、「配達通知待機」又は「配達済」であるものとして処理することができる。
配達作業受付部16bは、配達業者50による配達作業を受け付ける処理部である。具体的には、配達作業受付部16bは、配達作業の開始に対応する操作として、配達業者50に予め付与された業者コードの認証を行う。配達作業の開始後には、配達作業受付部16bは、配達鍵データの受付を行う。また、1又は複数の配達鍵データの受付後、配達作業の終了を示す操作である配達終了操作を受け付けることができる。なお、配達鍵データの受付によって「配達待」状態のロッカーが無くなった場合には、配達終了操作によらず配達作業の終了を判定可能である。
なお、業者コードの認証については、例えば、入力された業者コードをサーバ20に送信して問い合わせを行い、サーバ20による認証結果を受信すればよい。かかる構成では、サーバ20が業者コードの登録、削除、更新等の管理を行なうことで、業者コードが不正に使用されるリスクを低減することができる。また、サーバ20から最新の業者コードを定期的に受信し、ロッカー装置10の内部に保持しておけば、業者コードの認証時にはサーバ20への問い合わせが不要となるので、通信エラーによって認証が失敗する事態を回避することができる。
配達鍵データ識別部16cは、受け付けられた配達鍵データが正規のデータであるか否かの識別を行う処理部である。サーバ20が配達鍵データを生成した場合に、ロッカー装置10に配達鍵データを通知する構成であれば、購入成立時等にロッカー装置10がサーバ20から通知された配達鍵データを保持しておき、配達業者50から受け付けた配達鍵データと比較することで配達鍵データを識別可能である。サーバ20が配達鍵データを生成した場合に、ロッカー装置10に配達鍵データを通知しない構成であれば、ロッカー装置10が配達業者50から受け付けた配達鍵データをサーバ20に送信して、正規のデータであるか否かを問い合わせればよい。
配達抑制処理部16dは、配達鍵データ識別部16cにより1つの配達鍵データが識別された場合に、当該配達鍵データに対応する物品の収納が完了するまで他の配達鍵データの受付を禁止する処理部である。この配達抑制処理部16dの処理により、ロック制御部16fは、一度に1つの収納部のみを開錠することとなる。
開錠用データ生成部16eは、配達業者50から受け付けた配達鍵データに対応する開錠用データを生成する処理部である。開錠用データ生成部16eは、開錠用データとして取出鍵データを生成する。取出鍵データは、購入者が物品を受け取る際に使用される。また、取出鍵データは、購入者が物品を受け取らなかった場合に当該物品を回収するためにも使用される。取出鍵データは、数字列や二次元バーコード等の任意の形式であってもよい。この開錠用データは、開錠の対象となる収納部、すなわち、物品が収納部に対応するものであり、物品が収納された収納部を一意に示す収納部情報として用いることができる。
また、開錠用データ生成部16eは、購入者による取出鍵データの使用に対して有効期限を設定することで、購入者が物品を受取ることの出来る期限である受取期限を定める。さらに、開錠用データ生成部16eは、物品の回収を行なう回収期間を定める。物品の配達から回収期間の開始時点までには待機期間を設けてもよい。
具体的には、待機期間を設けることにより、受取期限と回収期間の開始時点とが一致するように設定することが好適である。この場合には、受取期限までは購入者のみが物品を取り出すことが可能となり、購入者が受取期限内に受取を行わなければ、購入者は物品を取り出せなくなって配達業者50による取出しが可能となる。
なお、受取期限を、回収期間の開始時点よりも後に設定してもよい。この場合には、回収期間に入ると購入者と配達業者50のいずれであっても物品の取出しが可能となる。受取期限を無期限に設定した場合も同様である。また、回収期間には終了時点を定めてもよいし、回収期間の開始以降は無期限に回収可能としてもよい。
ロック制御部16fは、ロック機構L01a、L02aなどに施錠指示又は開錠指示を送信することで、収納部の施解錠を制御する処理部である。ロック制御部16fは、基本的には、各収納部を施錠状態で維持する。そして、配達鍵データ識別部16cにより配達鍵データが識別された場合には、物品の配達先となる収納部を1つ開錠する。配達抑制処理部16dにより、複数の配達鍵データの受付は禁止されるため、配達先となる収納部が複数同時に開錠状態となることはない。
配達業者50によって収納部に物品が収納され、収納部の扉が閉められると、ロック制御部16fは、収納部を施錠し、物品の収納が完了した状態とする。これにより、配達抑制処理部16dは、配達鍵データの受付禁止を解除する。また、配達鍵データは、「配達待」状態から「配達通知待機」状態に変更される。
また、ロック制御部16fは、取出鍵データが読み取られた場合に、対応する収納部を開錠する。このとき、開錠されたロッカーは「空」状態に変更される。
配達通知実行部16gは、配達作業受付部16bにより配達作業が終了したと判定された場合に、「配達通知待機」状態の配達鍵データについて配達通知を実行し、「配達済」状態に変更する処理部である。配達通知実行部16gによる配達通知は、配達鍵データ及び取出鍵データを含み、サーバ20に送信される。
配達通知の実行時に、レシート発行部13が配達業者50に対してレシートを発行してもよい。このレシートには、配達日時、ロッカーの扉に付された扉番号、配達鍵データ等を印字し、配達の控えとして用いる。
次に、図4に示した収納管理データ15aについて説明する。図5は、図4に示した収納管理データ15aについての説明図である。図5に示すように、収納管理データ15aは、基本データに加え、配達、取出に関するデータを有する。
収納管理データ15aは、基本データとして、収納部ID、扉番号及び状態を含む。収納部IDは、収納部を一意に特定する識別情報である。扉番号は、収納部の扉に付された番号である。状態は、「0:空」、「1:配達待」、「2:配達通知待機」、「3:配達済」、「7:故障中」等の値により、収納部の状態を示す。
収納管理データ15aは、配達に関するデータとして配達鍵データ、配達日時を含む。配達鍵データは、当該収納部を配達先とする配達依頼に対応する配達鍵データである。配達日時は、状態が「3:配達済」となったときの日時を示す。
収納管理データ15aは、取出に関するデータとして取出鍵データ、受取期限、回収期間、取出日時、取出種別を含む。取出鍵データは、開錠用データ生成部16eにより生成されて格納される。受取期限及び回収期間は、開錠用データ生成部16eにより設定されて格納される。取出日時は、取出鍵データによって収納部が開錠されたときの日時を示す。取出鍵データによって収納部が開錠されたときには、収納部の状態は「0:空」となる。
取出種別は、「0:取出待」、「1:受取済」、「2:回収済」のいずれかの値をとる。状態が「3:配達済」となると、まず取出し種別は「0:取出待」に設定される。その後、購入者により取出鍵データが使用され、収納部が開錠されたならば取出種別を「1:受取済」に設定する。そして、配達業者50により取出鍵データが使用され、収納部が開錠されたならば取出種別を「2:回収済」に設定する。取出鍵データが購入者と配達業者50のいずれにより使用されたかは、例えば、配達業者50の業者コードを受け付けたか否かにより識別可能である。
次に、サーバ20の内部構成について説明する。図6は、サーバ20の内部構成を示すブロック図である。図6に示すように、サーバ20は、表示部21及び入力部22と接続され、通信部23、記憶部24及び制御部25を有する。
表示部21は、液晶パネルやディスプレイ装置等である。入力部22は、キーボードやマウス等である。通信部23は、通信回線を介してロッカー装置10、端末装置30、商店40及び配達業者50等とデータ通信するためのインタフェース部である。記憶部24は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、注文管理データ24a及び事業者登録データ24bを記憶する。
制御部25は、サーバ20を全体制御する制御部であり、ロッカー状態取得部25a、注文受付部25b、配達鍵データ生成部25c、発注処理部25d、配達鍵データ確認部25e、配達通知実行部25f及び回収指示部25gを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、ロッカー状態取得部25a、注文受付部25b、配達鍵データ生成部25c、発注処理部25d、配達鍵データ確認部25e、配達通知実行部25f及び回収指示部25gにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
ロッカー状態取得部25aは、必要に応じてロッカー装置10から収納部の状態を取得する処理部である。注文受付部25bは、端末装置30からのアクセスに応答して商店40が販売する物品の情報を表示制御し、注文の受付を行う処理部である。
注文受付部25bは、受け付けた注文について、受注番号を発行する。また、受け付けた注文の配達先としてロッカー装置10の収納部を指定する場合には、ロッカー状態取得部25aにロッカー装置10の収納部の状態を取得させ、空状態の収納部から配達先の選択を受け付ける。
配達鍵データ生成部25cは、注文受付部25bがロッカー装置10を配達先とする注文を受け付けた場合に、受注番号に対応する配達鍵データを生成する処理部である。配達鍵データは任意の方法で生成することができる。例えば、受注番号と、配達業者50の業者コードとを組合せて配達鍵データとすればよい。配達業者50の業者コードは、事業者登録データ24bに登録されており、適宜更新されている。そこで、注文受付部25bが発行した受注番号と当該注文の配達を担当する配達業者50の業者コードを組み合わせることにより、配達依頼を一意に特定する配達鍵データを得ることができる。発注処理部25dは、注文受付部25bが受け付けた注文に基づいて、商店40への発注を行う処理部である。発注では、購入された物品とその配達先を特定する情報に加え、受注番号と配達鍵データとが商店40に通知される。
配達鍵データ確認部25eは、ロッカー装置10から配達通知を受信した場合に、配達通知に含まれる配達鍵データによって受注番号を特定する処理部である。また、配達鍵データ確認部25eは、ロッカー装置10から配達鍵データが正規のデータであるかの問い合わせを受けた場合に、当該配達鍵データが自身の生成したデータであるか否かを確認し、その結果をロッカー装置10に応答することができる。さらに、配達鍵データ確認部25eは、ロッカー装置10から業者コードの問い合わせを受けたならば、当該業者コードが事業者登録データ24bに登録されているか否かによって業者コードの認証を行い、認証結果をロッカー装置に送信する。また、配達鍵データ確認部25eは、ロッカー装置10に対して最新の業者コードを定期的に送信することもできる。
配達通知実行部25fは、ロッカー装置10から配達通知を受信した場合に、配達鍵データ確認部25eが特定した注文番号に基づいて、購入者の端末装置30に配達通知を送信する処理部である。この配達通知には、取出鍵データを含めておく。
回収指示部25gは、購入者による受取が行われないまま回収期間に入った取出鍵データが存在する場合に、配達業者50に対して回収指示を行う処理部である。この回収指示には、取出鍵データを含めておく。
次に、図6に示した注文管理データ24aについて説明する。図7は、図6に示した注文管理データ24aについての説明図である。図7に示すように、注文管理データ24aは、基本データに加え、配達、取出に関するデータを有する。
注文管理データ24aは、基本データとして、受注番号、受注品目データ、購入者データ、発注先データ、配達先データ及び状態を含む。受注番号は、注文受付部25bによって発行され、注文を一意に識別する識別情報である。受注品目データは、注文された物品の種類や数を特定するデータである。購入者データは、購入者の氏名や住所などを示すデータである。発注先データは、商店40を特定するデータであり、配達先データは、物品の配達先を示すデータである。
状態は、「1:受注済」、「2:発注済」、「3:配達済」、「4:受取済」、「5:回収済」等の値により、注文の状態を示す。「1:受注済」は、注文番号が発行されており、商店40への発注前であることを示す。「2:発注済」は、商店40へ発注が行われており、配達が完了していないことを示す。「3:配達済」は、物品をロッカーに収納し、取り出されていないことを示す。「4:受取済」は、物品が購入者によって取り出されたことを示す。「5:回収済」は物品が配達業者50によって取り出されたことを示す。
注文管理データ24aは、配達に関するデータとして配達鍵データ、配達日時を含む。配達鍵データは、当該注文に対応する配達鍵データである。配達日時は、状態が「3:配達済」となったときの日時を示す。
注文管理データ24aは、取出に関するデータとして取出鍵データ、受取期限、回収期間、取出日時を含む。取出鍵データ、受取期限及び回収期間は、ロッカー装置10からの配達通知に含まれたものである。取出日時は、取出鍵データによってロッカーが開錠されたときの日時を示す。
次に、ロッカー装置10の処理手順を説明する。図8は、ロッカー装置10の処理手順を示すフローチャートである。ロッカー装置10は、まず、収納管理部16aにより収納管理データ15aを更新し、収納部の状態をサーバ20に通知する(ステップS101)。次に、配達作業受付部16bが配達業者50による配達作業受付処理を行い(ステップS102)、ロック制御部16fが購入者又は配達業者50による物品の取出受付処理を行って(ステップS103)、処理を終了する。
図9は、図8に示した配達作業受付処理の詳細を説明するフローチャートである。まず、配達作業受付部16bは、配達開始操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。配達開始操作は、タッチパネル上に配達開始ボタン等を設けておいてもよいし、業者コードの読取を配達開始操作とみなしてもよい。
配達開始操作を受け付けていなければ(ステップS201;No)、配達作業受付部16bは、配達作業受付処理を終了する。配達開始操作を受け付けたならば(ステップS201;Yes)、配達作業受付部16bは、業者コードの認証を行う(ステップS202)。業者コードがステップS201で読み取られていなければ、配達業者50に業者コードの入力を求める表示出力を行う。読み取った業者コードの認証に失敗した場合には(ステップS202;No)、業者コード認証失敗を通知して、配達作業受付処理を終了する。なお、業者コードの認証には、例えば3回の猶予を設定しておき、3回までは業者コードの再入力を受け付けることとしてもよい。
業者コードの認証に成功したならば(ステップS202;Yes)、配達抑制処理部16dは、全ての収納部が施錠されているか否かを判定する(ステップS203)。その結果、開錠されている収納部がある場合には(ステップS203;No)、配達抑制処理部16dは、配達業者50に対して警告の報知を行ない(ステップS204)、ステップS203に移行することで、開錠状態の収納部が施錠されるまで待機する。警告の報知には、開錠されている収納部のIDもしくは位置情報を含んでもよい。なお、開錠状態の収納部は、配達業者50が閉じることとしてもよいし、自動で閉止する機構を設けてもよい。
全ての収納部が施錠されているならば(ステップS203;Yes)、配達鍵データ識別部16cは、配達業者50から受け付けた配達鍵データを識別する(ステップS205)。識別の結果、正規の配達鍵データでなければ(ステップS206;No)、ステップS203に移行して、新たな配達鍵データを識別する。
識別の結果、正規の配達鍵データであったならば(ステップS206;Yes)、ロック制御部16fは、物品の配達先となる収納部を1つ開錠し(ステップS207)、配達抑制処理部16dは、他の配達鍵データの受付を禁止する(ステップS208)。収納部が開錠された際に、扉がポップアップする構造をとると、配達業者が認識しやすくなる。
配達業者は、開錠された収納部に物品をいれ、扉を閉める。また、開錠用データ生成部16eは、配達鍵データ識別部16cにより識別された配達鍵データに対応付けて取出鍵データを生成する(ステップS209)。そして、ロック制御部16fは、物品が収納された収納部を施錠し(ステップS210)、配達鍵データの状態を「配達通知待機」状態に設定する(ステップS211)。また、配達抑制処理部16dは、配達鍵データの受付禁止を解除する(ステップS212)。なお、収納部が開錠されるとタイマー監視を開始し、所定時間以内に施錠されなければ警告報知(表示やブザー等)を行い、さらに時間が経過すると強制的に扉を閉じて施錠する構成をとってもよい。
ステップS212の後、配達作業受付部16bは、配達作業の終了を示す操作である配達終了操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS213)。配達終了操作を受け付けていなければ(ステップS213;No)、ステップS203に移行し、次の配達鍵データを識別する。
配達終了操作を受け付けた場合(ステップS213;Yes)、あるいは所定時間以内に次の配達鍵データが識別されない場合、配達通知実行部16gは、「配達通知待機」状態の配達鍵データについて配達通知を実行し、「配達済」状態に変更して(ステップS214)、配達作業受付処理を終了する。
図10は、図8に示した取出受付処理の詳細を説明するフローチャートである。ロック制御部16fは、まず、業者コードの認証が行なわれたか否かを判定する(ステップS301)。業者コードが読み取られ、その認証に成功した場合には(ステップS301;Yes)、ロック制御部16fは、業者用のメニュー画面を表示部21に表示制御する(ステップS307)。
業者コードが読み取られていないか、若しくは、業者コードの認証に失敗した場合(ステップS301;No)、ロック制御部16fは、購入者により使用されるメニュー画面を表示した状態で、取出鍵データの認証が行なわれたか否かを判定する(ステップS302)。具体的には、取出鍵データが読み取られ、当該取出鍵データが正規のデータであり、かつ有効期限内であるかを認証する。取出鍵データが読み取られていないか、若しくは取出鍵データの認証に失敗したならば(ステップS302;No)、ロック制御部16fは取出受付処理を終了する。取出鍵データの認証に成功したならば(ステップS302;Yes)、ロック制御部16fは、取出鍵データに対応する収納部を開錠する(ステップS303)。ここで、購入者は物品を取り出す。ロック制御部16fは、収納管理データ15aの取出日時をその時点の日時に設定すると共に取出種別を「受取済」に設定し(ステップS304)、状態を「空」に設定する(ステップS305)。その後、ロック制御部16fは、受取完了をサーバ20に通知して(ステップS306)、取出受付処理を終了する。
一方、ステップS307で業者用のメニュー画面を表示部21に表示制御した後、物品の回収処理が選択されると、ロック制御部16fは、取出鍵データの認証が行なわれたか否かを判定する(ステップS308)。具体的には、取出鍵データが読み取られ、当該取出鍵データが正規のデータであり、かつ回収期間内であるかを認証する。取出鍵データが読み取られていないか、若しくは取出鍵データの認証に失敗したならば(ステップS308;No)、ロック制御部16fは取出受付処理を終了する。
取出鍵データの認証に成功したならば(ステップS308;Yes)、ロック制御部16fは、取出鍵データに対応する収納部を開錠する(ステップS309)。そして、収納管理データ15aの取出日時をその時点の日時に設定すると共に取出種別を「回収済」に設定し(ステップS310)、状態を「空」に設定する(ステップS311)。その後、ロック制御部16fは、回収完了をサーバ20に通知して(ステップS312)、取出受付処理を終了する。
次に、サーバ20の処理手順を説明する。図11は、サーバ20の処理手順を示すフローチャートである。まず、注文受付部25bは、注文の受付を行ったか否かを判定する(ステップS401)。
注文の受付を行ったならば(ステップS401;Yes)、注文受付部25bが受注番号を発行し(ステップS402)、配達鍵データ生成部25cが配達鍵データを生成する(ステップS403)。そして、発注処理部25dが商店40への発注を行う(ステップS404)。
ステップS404の終了後、若しくは注文の受付を行っていない場合(ステップS401;No)、配達鍵データ確認部25eは、ロッカー装置10から配達通知を受信したか否かを判定する(ステップS405)。
ロッカー装置10から配達通知を受信したならば(ステップS405;Yes)、配達鍵データ確認部25eは、配達通知に含まれる配達鍵データによって受注番号を特定する(ステップS406)。そして、配達通知実行部25fは、特定した注文番号に基づいて、購入者の端末装置30に配達通知を送信する(ステップS407)。
ステップS407の終了後、若しくはロッカー装置10から配達通知を受信していない場合(ステップS405;No)、回収指示部25gは、購入者による受取が行われないまま回収期間に入った取出鍵データが存在するか否か、すなわち、購入者による受取が行われないまま回収期間に入った配達依頼が存在するか否かを判定する(ステップS408)。
購入者による受取が行われないまま回収期間に入った取出鍵データが存在しなければ(ステップS408;No)、そのまま処理を終了する。そして、購入者による受取が行われないまま回収期間に入った取出鍵データが存在するならば(ステップS408;Yes)、回収指示部25gは、配達業者50に対して回収指示を送信して(ステップS409)、処理を終了する。
上述してきたように本実施例1にかかる物品配達システムでは、ロッカー装置10を物品の配達先として利用し、配達された物品を収納する場合には一度に1つの収納部のみを開錠する。そして、伝票データに対応する配達鍵データと収納部情報に対応する開錠用データとの対応付けを行ない、かかる対応付けが行なわれた後に次の配達鍵データの受付を可能とする。このため、配達依頼と収納部とを正確に対応付けることができ、物品の入れ間違いを防止することができる。
なお、これまでの説明では、本発明に係る物品配達システムをインターネットショッピングに適用した場合について説明したが、本発明はインターネットショッピングなどに限定されるものではなく、ロッカー装置10を配達先として利用する物品配達システムに広く用いることができる。
例えば、宅配業者が依頼人から集荷し、依頼人に指定された受取人に物品を届ける配達サービスに本発明を適用することもできる。図12は、実施例1に係る物品の配達サービスの場合について説明する説明図である。
図12に示すように、物品の配達を依頼する依頼人は、配達業者50に対して配達依頼を行う(1)。この配達依頼では、配達先としてロッカー装置10を選択することができる。また、依頼人は、物品を受け取る人物である受取人と、その連絡先を指定する。
配達依頼を受けた配達業者50は、配達する物品に伝票を付する。この伝票には、配達依頼を一意に識別する識別情報、依頼元、配達先、受取人、受取人の連絡先、物品の種別等が記載されている。
配達業者50は、伝票を付した物品をロッカー装置10まで配達し(2)、物品の収納操作を行なう。ロッカー装置10は、配達業者50による物品の収納操作を受け付けると(3a)、物品の収納先として収納部を1つ開錠し(3b)、他の収納部の開錠を禁止する(3c)。配達業者50は、開錠された収納部に物品を収納し、例えば伝票の控を取って扉を閉め、ロッカー装置10に伝票の控を読み取らせる。ロッカー装置10は、伝票の控に記載された情報を伝票データとして読み取る(3d)。そして、収納先として開錠した収納部を特定する収納部情報と伝票データとを対応付ける(3e)。
その後、ロッカー装置10は物品が収納された収納部を施錠し(3f)、収納部の開錠禁止を解除する(3g)。なお、当該ロッカー装置10に収納すべき物品が複数存在する場合には、(3a)〜(3g)の処理を繰り返す。
物品が収納された後、ロッカー装置10は、伝票データと収納部情報とを含む第1の配達通知をサーバ20に対して送信する(4)。第1の配達通知を受信したサーバ20は、伝票データに示された受取人に収納部情報や伝票データを含む第2の配達通知を送信する(5)。受取人が、第2の配達通知に含まれていた伝票データをロッカー装置10に読み取らせると(6)、ロッカー装置10は、対応する収納部を開錠するので、受取人は物品の受取が可能となる。
このように、物品の配達サービスにおいても、ロッカー装置10を配達先として利用することが可能である。そして、ロッカー装置10が配達された物品を収納する場合には、一度に1つの収納部のみを開錠し、配達依頼を識別する伝票データと物品が収納された収納部を示す収納部情報との対応付けを行ない、かかる対応付けが行なわれた後に次の収納部を開錠可能とする。このため、配達依頼と収納部とを正確に対応付けることができ、物品の入れ間違いを防止することができる。
実施例1では、ロッカー装置が配達依頼と収納部とを対応付ける構成を例に説明を行なったが、配達依頼と収納部との対応付けはサーバにより行ってもよい。本実施例2では、配達依頼と収納部との対応付けをサーバが行なう構成について説明する。図13は、実施例2に係る物品配達システムの概念を説明するための説明図である。
利用者は、サーバ120に対して物品の配達依頼を行う(1)。この配達依頼では、配達先としてロッカー装置110を選択することができる。配達依頼を受けたサーバ120は、物品の収納先を割り当てる(2)。具体的には、ロッカー装置110のどの収納部に物品を収納するかを決定する。サーバ120は、決定した収納先を示す収納部情報と配達依頼に対応する伝票データとを対応付けて配達先となるロッカー装置110に通知する。この通知を収納先通知という(3)。
収納先通知を受けたロッカー装置110は、伝票データと収納先とを対応付けて記憶する(4)。一方、サーバ120は、収納先通知を行なった後、配達業者等に配達指示を行なって物品を配達させる(5)。ここで、配達業者は、配達する物品に伝票を付する。この伝票には、伝票データと同様の内容が記載される。具体的には、配達依頼を一意に識別する識別情報、依頼元、配達先、物品の種別等が記載されている。
配達業者は、ロッカー装置110に物品を収納する(6)。このとき、配達業者は、まず伝票をロッカー装置110に読み取らせる。ロッカー装置110は、伝票に記載された情報を伝票データとして読み取る(6a)と、他の伝票データの受付を禁止する(6b)。そして、伝票データに対応する収納部として収納先通知に示された収納部を開錠する(6c)。
その後、配達業者により収納部に物品が収納され、収納部の扉が閉められたならば、ロッカー装置110は物品が収納された収納部を施錠し(6d)、伝票データの受付禁止を解除する(6e)。なお、ロッカー装置110に収納すべき物品が複数存在する場合には、(6a)〜(6e)の処理を繰り返す。
物品が収納された後、ロッカー装置110は、伝票データを含む配達通知をサーバ120に対して送信する(7)。ロッカー装置110がサーバ120に対して行う配達通知を、便宜上「第1の配達通知」という。伝票データへの収納先の割当はサーバ120が行なっているため、第1の配達通知には収納部情報を含めなくともよい。
第1の配達通知を受信したサーバ120は、配達依頼の依頼元である利用者に収納部情報や伝票データを含む配達通知を送信する(8)。サーバ120が利用者に対して行う配達通知を、便宜上「第2の配達通知」という。利用者が、第2の配達通知に含まれていた伝票データをロッカー装置110に読み取らせると(9)、ロッカー装置110は、対応する収納部を開錠するので、利用者は物品の受取が可能となる。
このように、サーバ120は、配達依頼に対して収納先を割り当ててロッカー装置110に通知する。ロッカー装置110は、配達依頼を識別する伝票データを読み取ると、サーバ120にて割り当てられた収納部のみを開錠し、他の収納部の開錠を禁止する。このため、配達依頼と収納部とを正確に対応付けることができ、物品の入れ間違いを防止することができる。
次に、実施例2に係る物品配達システムをインターネットショッピングに適用した場合の具体例について説明する。図14は、実施例2に係るインターネットショッピングについて説明するための説明図である。
図14に示した例では、サーバ120は、受注番号に対応する配達鍵データを生成した場合(3)に、当該配達鍵データに対してロッカー装置110の収納部を割り当てて、ロッカー装置110に通知する(3a)。ロッカー装置110は、収納先通知に示された収納部を「配達待」状態とし、配達鍵データと対応付けて記憶し、配達が行なわれた場合には配達鍵データに対応する収納部を開錠する。その他の構成及び動作は、図2に示した具体例と同様であるので、説明を省略する。
次に、ロッカー装置110の内部構成について説明する。図15は、図14に示したロッカー装置110の内部構成を示すブロック図である。図15に示すように、ロッカー装置110の制御部116は、収納先通知処理部116aをさらに備える点が図4に示したロッカー装置10の制御部16と異なる。
収納先通知処理部116aは、サーバ120から収納先通知を受信した場合に収納管理データ15aを更新する処理部である。具体的には、収納先通知処理部116aは、収納先通知に示された収納部を「配達待」状態とし、収納先通知に示された配達鍵データを対応付けて収納管理データ15aを更新する。
また、ロック制御部16fは、配達鍵データ識別部16cにより配達鍵データが識別された場合には、収納管理データ15aを参照して配達先となる収納部を特定し、開錠する。その他の構成及び動作は、図4に示したロッカー装置10と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
次に、サーバ120の内部構成について説明する。図16は、サーバ120の内部構成を示すブロック図である。図16に示すように、サーバ120は、記憶部124にロッカー装置管理データ124aをさらに記憶し、制御部125に収納部割当処理部125aをさらに有する。
ロッカー装置管理データ124aは、ロッカー装置110が有する収納部の状態を管理するデータである。ロッカー装置管理データ124aを参照することで、物品が収納されておらず、配達される予定もない空状態の収納部を特定することができる。このロッカー装置管理データ124aは、ロッカー状態取得部25aが取得した情報により更新される。
収納部割当処理部125aは、配達鍵データに対して配達先となる収納部を割り当ててロッカー装置110に通知する処理部である。具体的には、注文受付部25bがロッカー装置10を配達先とする注文を受け付け、配達鍵データ生成部25cが配達鍵データを生成した場合に、配達鍵データに対して配達先となる収納部を割り当てる。また、割り当てる収納部は、ロッカー装置管理データ124aに空状態であることが示された収納部から選択する。なお、選択可能な収納部を端末装置30に送信し利用者に選択させることとしてもよい。収納部割当処理部125aは、配達鍵データと割り当てた収納部とを含む収納先通知をロッカー装置110に送信する。
その他の構成及び動作は、図6に示したサーバ20と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
次に、図16に示したロッカー装置管理データ124aについて説明する。図17は、図16に示したロッカー装置管理データ124aについての説明図である。図17に示すように、ロッカー装置管理データ124aは、基本データと収納部データとを有する。
ロッカー装置管理データ124aの基本データは、ロッカー装置110を一意に識別する装置ID、ロッカー装置110の設置場所など、ロッカー装置110全体についてのデータである。
ロッカー装置管理データ124aの収納部データは、ロッカー装置110が収納する複数の収納部それぞれについてのデータである。収納部データは、1つの収納部について、収納部ID、扉番号、状態、配達鍵データ等の項目を有する。収納部IDは、収納部を一意に特定する識別情報である。扉番号は、収納部の扉に付された番号である。状態は、「0:空」、「1:配達待」、「3:配達済」、「7:故障中」等の値により、収納部の状態を示す。配達鍵データは、当該収納部を配達先とする配達依頼に対応する配達鍵データである。
配達鍵データは、収納部割当処理部125aによる割り当てが行なわれた場合に対応付けられ、状態は「1:配達待」となる。そして、物品の取出しが行なわれた場合、すなわち状態が再び「0:空」となった場合には、配達鍵データの項目はクリアされる。
次に、サーバ120の処理手順を説明する。図18は、サーバ120の処理手順を示すフローチャートである。まず、注文受付部25bは、注文の受付を行ったか否かを判定する(ステップS501)。
注文の受付を行ったならば(ステップS501;Yes)、注文受付部25bが受注番号を発行し(ステップS502)、配達鍵データ生成部25cが配達鍵データを生成する(ステップS503)。
収納部割当処理部125aは、配達鍵データに対して配達先となる収納部を割り当てて(ステップS504)、配達鍵データと割り当てた収納部とを含む収納先通知をロッカー装置110に送信する(ステップS505)。その後、発注処理部25dは、商店40への発注を行う(ステップS506)。
ステップS506の終了後、若しくは注文の受付を行っていない場合(ステップS501;No)、配達鍵データ確認部25eは、ロッカー装置110から配達通知を受信したか否かを判定する(ステップS507)。
ロッカー装置110から配達通知を受信したならば(ステップS507;Yes)、配達鍵データ確認部25eは、配達通知に含まれる配達鍵データによって受注番号を特定する(ステップS508)。そして、配達通知実行部25fは、特定した注文番号に基づいて、購入者の端末装置30に配達通知を送信する(ステップS509)。
ステップS509の終了後、若しくはロッカー装置110から配達通知を受信していない場合(ステップS507;No)、回収指示部25gは、購入者による受取が行われないまま回収期間に入った取出鍵データが存在するか否か、すなわち、購入者による受取が行われないまま回収期間に入った配達依頼が存在するか否かを判定する(ステップS510)。
購入者による受取が行われないまま回収期間に入った取出鍵データが存在しなければ(ステップS510;No)、そのまま処理を終了する。そして、購入者による受取が行われないまま回収期間に入った取出鍵データが存在するならば(ステップS510;Yes)、回収指示部25gは、配達業者50に対して回収指示を送信して(ステップS511)、処理を終了する。
次に、実施例2におけるロッカー装置110の配達作業受付処理について説明する。図19は、実施例2におけるロッカー装置110の配達作業受付処理を説明するフローチャートである。
まず、収納先通知処理部116aは、サーバ120から収納先通知を受信したか否かを判定する(ステップS601)。サーバ120から収納先通知を受信したならば(ステップS601;Yes)、収納先通知処理部116aは、収納先通知に示された収納部を「配達待」状態とし(ステップS602)、収納先通知に示された配達鍵データを対応付ける(ステップS603)。
ステップS603の後、若しくは収納先通知を受信していない場合(ステップS601;No)、配達作業受付部16bは、配達開始操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS604)。配達開始操作は、タッチパネル上に配達開始ボタン等を設けておいてもよいし、業者コードの読取を配達開始操作とみなしてもよい。
配達開始操作を受け付けていなければ(ステップS604;No)、配達作業受付部16bは、配達作業受付処理を終了する。配達開始操作を受け付けたならば(ステップS604;Yes)、配達作業受付部16bは、業者コードの認証を行う(ステップS605)。業者コードがステップS604で読み取られていなければ、配達業者50に業者コードの入力を求める表示出力を行う。読み取った業者コードの認証に失敗した場合には(ステップS605;No)、業者コード認証失敗を通知して、配達作業受付処理を終了する。なお、業者コードの認証には、例えば3回の猶予を設定しておき、3回までは業者コードの再入力を受け付けることとしてもよい。
業者コードの認証に成功したならば(ステップS605;Yes)、配達抑制処理部16dは、全ての収納部が施錠されているか否かを判定する(ステップS606)。その結果、開錠されている収納部がある場合には(ステップS606;No)、配達抑制処理部16dは、配達業者50に対して警告の報知を行ない(ステップS607)、ステップS606に移行することで、開錠状態の収納部が施錠されるまで待機する。警告の報知には、開錠されている収納部のIDもしくは位置情報を含んでもよい。なお、開錠状態の収納部は、配達業者50が閉じることとしてもよいし、自動で閉止する機構を設けてもよい。
全ての収納部が施錠されているならば(ステップS606;Yes)、配達鍵データ識別部16cは、配達業者50から受け付けた配達鍵データを識別する(ステップS608)。識別の結果、正規の配達鍵データでなければ(ステップS609;No)、ステップS606に移行して、新たな配達鍵データを識別する。
識別の結果、正規の配達鍵データであったならば(ステップS609;Yes)、ロック制御部16fは、収納管理データ15aを参照して配達先となる収納部を特定し、開錠する(ステップS610)。また、配達抑制処理部16dは、他の配達鍵データの受付を禁止する(ステップS611)。収納部が開錠された際に、扉がポップアップする構造をとると、配達業者が認識しやすくなる。
配達業者は、開錠された収納部に物品をいれ、扉を閉める。また、開錠用データ生成部16eは、配達鍵データ識別部16cにより識別された配達鍵データに対応付けて取出鍵データを生成する(ステップS612)。そして、ロック制御部16fは、物品が収納された収納部を施錠し(ステップS613)、配達鍵データの状態を「配達通知待機」状態に設定する(ステップS614)。また、配達抑制処理部16dは、配達鍵データの受付禁止を解除する(ステップS615)。なお、収納部が開錠されるとタイマー監視を開始し、所定時間以内に施錠されなければ警告報知(表示やブザー等)を行い、さらに時間が経過すると強制的に扉を閉じて施錠する構成をとってもよい。
ステップS615の後、配達作業受付部16bは、配達作業の終了を示す操作である配達終了操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS616)。配達終了操作を受け付けていなければ(ステップS616;No)、ステップS606に移行し、次の配達鍵データを識別する。
配達終了操作を受け付けた場合(ステップS616;Yes)、あるいは所定時間以内に次の配達鍵データが識別されない場合、配達通知実行部16gは、「配達通知待機」状態の配達鍵データについて配達通知を実行し、「配達済」状態に変更して(ステップS617)、配達作業受付処理を終了する。
上述してきたように本実施例2にかかる物品配達システムでは、ロッカー装置110を物品の配達先として利用する場合に、予めサーバ120が配達依頼に対して収納先を割り当てて、ロッカー装置110に通知する。ロッカー装置110は、配達依頼を識別する伝票データを読み取ると、サーバ120にて割り当てられた収納部のみを開錠し、他の収納部の開錠を禁止する。このため、配達依頼と収納部とを正確に対応付けることができ、物品の入れ間違いを防止することができる。
実施例2にかかる物品配達システムも、インターネットショッピングに限定されるものではない。例えば、宅配業者が依頼人から集荷し、依頼人に指定された受取人に物品を届ける配達サービスに適用することができる。図20は、実施例2に係る物品の配達サービスの場合について説明する説明図である。
図20に示すように、物品の配達を依頼する依頼人は、配達業者150に対して配達依頼を行う(1)。この配達依頼では、配達先としてロッカー装置110を選択することができる。また、依頼人は、物品を受け取る人物である受取人と、その連絡先を指定する。
配達依頼を受けた配達業者150は、配達する物品に伝票を付する。この伝票には、配達依頼を一意に識別する識別情報、依頼元、配達先、受取人、受取人の連絡先、物品の種別等が記載されている。
配達業者150は、伝票の記載内容を含む伝票データを生成し、サーバ120に対して収納先の割当依頼を行なう(2)。サーバ120は、配達業者150からの依頼を受けて、伝票データに対して収納先を割り当てる(3)。サーバ120は、決定した収納先を示す収納部情報と伝票データとを対応付けた収納先通知を配達先となるロッカー装置110に送信する(4)。収納先通知を受けたロッカー装置110は、伝票データと収納先とを対応付けて記憶する(5)。
配達業者150は、伝票を付した物品をロッカー装置110まで配達し(6)、物品を収納する(7)。このとき、配達業者150は、まず伝票をロッカー装置110に読み取らせる。ロッカー装置110は、伝票に記載された情報を伝票データとして読み取る(7a)と、他の伝票データの受付を禁止する(7b)。そして、伝票データに対応する収納部として収納先通知に示された収納部を開錠する(7c)。
その後、配達業者150により収納部に物品が収納され、収納部の扉が閉められたならば、ロッカー装置110は物品が収納された収納部を施錠し(7d)、伝票データの受付禁止を解除する(7e)。なお、当該ロッカー装置110に収納すべき物品が複数存在する場合には、(7a)〜(7e)の処理を繰り返す。
物品が収納された後、ロッカー装置110は、伝票データを含む第1の配達通知をサーバ120に対して送信する(8)。伝票データへの収納先の割当はサーバ120が行なっているため、第1の配達通知には収納部情報を含めなくともよい。
第1の配達通知を受信したサーバ120は、伝票データに示された受取人に収納部情報や伝票データを含む第2の配達通知を送信する(9)。受取人が、第2の配達通知に含まれていた伝票データをロッカー装置110に読み取らせると(10)、ロッカー装置110は、対応する収納部を開錠するので、受取人は物品の受取が可能となる。
このように、物品の配達サービスにおいても、ロッカー装置110を配達先として利用することが可能である。そして、ロッカー装置110が配達された物品を収納する場合には、予めサーバ120にて割り当てられた1つの収納部のみを開錠する。このため、配達依頼と収納部とを正確に対応付けることができ、物品の入れ間違いを防止することができる。
実施例1及び実施例2に示したように、駅や商業施設等に設置されるロッカー装置を配達先として利用する場合には、ロッカー装置から物品を取り出した利用者がそのまま物品を持ち帰るのではなく、物品の中身だけを取り出して持ち帰る可能性がある。例えば、インターネットショッピングで購入された商品を配達する場合には、発送や配達の利便性の観点から商品に比して非常に大きい梱包箱が用いられることがある。このような梱包箱は、利用者がそのまま持ち帰るには不便であるため、中身のみを取り出した方が持ち帰りが容易になるのである。
このように、利用者が物品の中身を取り出して持ち帰ろうとする場合には、梱包箱の処分が問題となる。また、受け取った物品あるいはその中身を持ち帰るために手荷物袋の提供が望まれる場合もある。
そこで、本実施例3に係るロッカー装置210には、梱包箱の回収と手荷物袋の提供を行なう機能を持たせている。図21は、実施例3に係るロッカー装置210について説明する説明図である。図21に示すように、実施例3に係るロッカー装置210には、梱包箱回収装置220及び手荷物袋収納装置230が接続されている。
ロッカー装置210は、利用者による取出鍵データの入力を受け付けると(1)、取出鍵データを確認し(2a)、対応する収納部を開錠する(2b)とともに、梱包箱回収装置220及び手荷物袋収納装置230の使用を所定時間許可する(2c)。
利用者は、梱包箱を取出し(3)、物品の中身を取り出すと(4)、梱包箱を梱包箱回収装置220に投入して回収させる(5)。また、手荷物袋収納装置230から手荷物袋を取り出し(6)、梱包箱から取り出した物品の中身を手荷物袋に収納して(7)、持ち帰る。
このように、梱包箱回収装置220を設けて梱包箱を回収することで、梱包箱が周囲に散乱したり、収納部内に残される事態を防ぐことができる。また、手荷物袋収納装置230から手荷物袋を提供することで、利用者の利便性を向上することができる。
なお、梱包箱回収装置220は、利用者による物品の受取りが行なわれた場合にのみ使用可能としている。これは、第三者によるゴミなどの投入を防ぐためである。同様に、手荷物袋収納装置230も利用者による物品の受取りが行なわれた場合にのみ使用可能としている。これは、第三者による手荷物袋の持ち去りを防ぐためである。
次に、ロッカー装置210の内部構成について説明する。図22は、図21に示したロッカー装置210の内部構成を示すブロック図である。図22に示すように、ロッカー装置210は、梱包箱回収装置220及び手荷物袋収納装置230と接続され、制御部216に梱包箱回収処理部216a及び手荷物袋供給処理部216bをさらに備える点が図4に示したロッカー装置10と異なる。
梱包箱回収装置220は、梱包箱等が挿入される回収口と、当該回収口を閉じるロック付きのシャッタ機構とを有する。梱包箱回収装置220は、基本的には、シャッタ機構により回収口を閉じて施錠した状態を維持しており、ロッカー装置210から使用許可が出力された場合にのみ回収口を開放して梱包箱等を挿入可能とする。
手荷物袋収納装置230は、手荷物袋が取り出される取出口と、当該取出口を閉じるロック付きの扉機構とを有する。手荷物袋収納装置230は、基本的には、扉機構により取出口を閉じて施錠した状態を維持しており、ロッカー装置210から使用許可が出力された場合にのみ開錠して手荷物袋を取り出し可能とする。
梱包箱回収処理部216aは、取出鍵データが読み取られ、対応する収納部が開錠された場合に、梱包箱回収装置220に使用許可を出力する。そして、所定時間経過後に、梱包箱回収装置220の使用を禁止する。
手荷物袋供給処理部216bは、取出鍵データが読み取られ、対応する収納部が開錠された場合に、手荷物袋収納装置230に使用許可を出力する。そして、所定時間経過後に、手荷物袋収納装置230の使用を禁止する。
その他の構成及び動作は、図4に示したロッカー装置10と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
次に、実施例3におけるロッカー装置210の取出受付処理について説明する。図23は、実施例3におけるロッカー装置210の取出受付処理を説明するフローチャートである。
ロック制御部16fは、まず、業者コードの認証が行なわれたか否かを判定する(ステップS701)。業者コードが読み取られ、その認証に成功した場合には(ステップS701;Yes)、ロック制御部16fは、業者用のメニュー画面を表示部21に表示制御する(ステップS710)。
業者コードが読み取られていないか、若しくは、業者コードの認証に失敗した場合(ステップS701;No)、ロック制御部16fは、購入者により使用されるメニュー画面を表示した状態で、取出鍵データの認証が行なわれたか否かを判定する(ステップS702)。具体的には、取出鍵データが読み取られ、当該取出鍵データが正規のデータであり、かつ有効期限内であるかを認証する。取出鍵データが読み取られていないか、若しくは取出鍵データの認証に失敗したならば(ステップS702;No)、ロック制御部16fは取出受付処理を終了する。取出鍵データの認証に成功したならば(ステップS702;Yes)、ロック制御部16fは、取出鍵データに対応する収納部を開錠する(ステップS703)。ここで、購入者は物品を取り出す。ロック制御部16fは、収納管理データ15aの取出日時をその時点の日時に設定すると共に取出種別を「受取済」に設定し(ステップS704)、状態を「空」に設定する(ステップS705)。その後、ロック制御部16fは、受取完了をサーバ120に通知する(ステップS706)。
ステップS706の後、梱包箱回収処理部216a及び手荷物袋供給処理部216bは、梱包箱回収装置220及び手荷物袋収納装置230の使用をそれぞれ許可する(ステップS707)。その後、梱包箱回収処理部216a及び手荷物袋供給処理部216bは、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS708)、所定時間が経過していなければ(ステップS708;No)、ステップS708のまま、所定時間の経過を待機する。
所定時間が経過したならば(ステップS708;Yes)、梱包箱回収処理部216a及び手荷物袋供給処理部216bは、梱包箱回収装置220及び手荷物袋収納装置230の使用をそれぞれ禁止し(ステップS709)、取出受付処理を終了する。
一方、ステップS710で業者用のメニュー画面を表示部21に表示制御した後、ロック制御部16fは、取出鍵データの認証が行なわれたか否かを判定する(ステップS711)。具体的には、取出鍵データが読み取られ、当該取出鍵データが正規のデータであり、かつ回収期間内であるかを認証する。取出鍵データが読み取られていないか、若しくは取出鍵データの認証に失敗したならば(ステップS711;No)、ロック制御部16fは取出受付処理を終了する。
取出鍵データの認証に成功したならば(ステップS711;Yes)、ロック制御部16fは、取出鍵データに対応する収納部を開錠する(ステップS712)。そして、収納管理データ15aの取出日時をその時点の日時に設定すると共に取出種別を「回収済」に設定し(ステップS713)、状態を「空」に設定する(ステップS714)。その後、ロック制御部16fは、回収完了をサーバ120に通知して(ステップS715)、取出受付処理を終了する。
上述してきたように本実施例3にかかるロッカー装置210は、配達された物品の取り出しに連動して梱包箱の回収と手荷物袋の提供を行なうことにより、利用者の利便性を向上することができる。
なお、本実施例3では、梱包箱回収装置220及び手荷物袋収納装置230をロッカー装置210に接続した構成を例に説明を行なったが、ロッカー装置210の収納部の一部を梱包箱の回収用や手荷物袋の収納用に割り当ててもよい。
また、本実施例3では、取出鍵データを読み取ってから所定時間の間であることを条件に梱包箱の回収や手荷物袋の提供を行なう構成について説明したが、パスワード認証などを条件として梱包箱の回収や手荷物袋の提供を行ってもよい。また、梱包箱回収装置220や手荷物袋収納装置230が取出鍵データの確認やパスワードの確認を行なって、梱包箱の回収や手荷物袋の提供を行なう構成であってもよい。
また、本実施例3では、梱包箱回収装置220及び手荷物袋収納装置230の双方を備える構成を例示して説明を行ったが、梱包箱回収装置220あるいは手荷物袋収納装置230の一方のみを備える構成としてもよい。
なお、実施例1、2及び3に図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
また、実施例1、2及び3では、駅等に設置されたロッカー装置を物品の配達先として利用する場合について説明を行ったが、集合住宅等に設置された宅配ボックスであっても同様に本発明を適用可能である。