まず、本実施例に係るロッカー装置を物品の配達先として用いる場合における物品の配達について説明する。図1は、ロッカー装置への物品の配達についての説明図である。ロッカー装置を物品の配達先として用いる場合には、配達業者が物品の配達時に使用する配達鍵データが予め生成され、ロッカー装置に記憶されている。また、物品の配達先となる収納部についても予め指定されている。
ロッカー装置は、各収納部を施錠状態として待機しており(ステップS11)、配達鍵データを受け付けたならば(ステップS12)、物品の配達先となる収納部を選択する(ステップS13)。このとき、最初に選択されるのは指定された収納部である。
ロッカー装置は、選択した収納部が利用可能であるか否かを判定する(ステップS14)。具体的には、選択した収納部に異常が検知されておらず、また、物品も残されておらず、施解錠と扉の開閉が適正に行われた状態が、当該収納部が利用可能な状態である。
選択した収納部が利用できない場合(ステップS14;No)、ロッカー装置は、指定された収納部とは異なる予備の収納部を選択し(ステップS17)、ステップS14に移行する。
収納部が利用可能であったならば(ステップS14;Yes)、配達が成立したと判定する(ステップS15)。その後、ロッカー装置は、入庫通知を行って(ステップS16)、処理を終了する。入庫通知は、配達が行われたことを受取人である利用者に知らせるために必要な処理であり、詳細については後述する。
このように、本実施例に係るロッカー装置は、指定された収納部が利用できない場合には、予備の収納部を選択して解錠し、物品の配達先として使用可能とする。
次に、本発明に係る物品配達システムをインターネットショッピングに適用した場合の具体例について説明する。図2は、本発明に係るインターネットショッピングについて説明するための説明図である。
図2に示した例では、サーバ20は、物品を販売する販売サイトを提供する。具体的には、サーバ20は、商店が販売する物品の情報を表示制御し、物品に対する購入操作、すなわち注文を受け付けることができる。また、サーバ20は、ロッカー装置10から配達先として使用可能な空き状態の収納部を示すデータを取得することができる。
購入者は、端末装置30を操作してサーバ20にアクセスし、所望の物品を発注する(1)。この発注が、配達依頼に対応する。発注した物品の配達先として、ロッカー装置10が有する収納部を希望するならば、サーバ20は、ロッカー装置10の空き状態の収納部を表示制御し、配達先の選択を受け付け、受取期限を設定する。このように、購入者がロッカー装置10を配達先として指定した場合には、購入者がロッカー装置10から物品を取り出す利用者となる。なお、本実施例では、購入者と利用者が同一人物である場合を例に説明を行うが、購入者と利用者とは別の人物であってもよい。購入者と利用者が別の人物である場合には、購入者が利用者に受取鍵データを提供することになる。
サーバ20は、発注が行われたならば、受注番号を発行して、端末装置30に受注報告を送信する(2)。さらに、サーバ20は、配達先がロッカー装置10であるならば、受注番号に対応する鍵データを生成する(3)。鍵データには、配達鍵データ、受取鍵データ及び回収鍵データがある。これらの鍵データは、数字列や文字列であってもよいし、二次元コード等であってもよい。本実施例では、数字列を鍵データとして用いる場合を例に説明を行う。
配達鍵データは、配達業者50が物品の配達時に使用する鍵データである。受取鍵データは、購入者が物品の受取時に使用する鍵データである。回収鍵データは、受取が行われないまま受取期間を過ぎた物品を回収する際に使用する鍵データである。
サーバ20は、ロッカー装置10に対して配達予約を行う(4)。配達予約では、配達鍵データ、受取鍵データ、回収鍵データ、配達先の収納部及び受取期限がロッカー装置10に送信される。ロッカー装置10は、配達予約に示された各情報を記憶して予約管理を行う(5)。
その後、サーバ20は、配達業者50に対して配達手配を行う(6)。この配達手配では、配達鍵データ、配達先のロッカー装置10の場所、配達先の収納部及び受取期限が通知される。
配達業者50が配達鍵データをロッカー装置10に入力すると、ロッカー装置10は配達鍵データに対応する収納部を解錠する。解錠された収納部に配達業者50が物品を入庫すると(7)、ロッカー装置10は、サーバ20に入庫通知を送信する(8)。ロッカー装置10がサーバ20に送信する入庫通知を、便宜上、第1の入庫通知という。第1の入庫通知には、入庫日時、配達鍵データ及び入庫先の収納部を特定する情報が含まれる。
第1の入庫通知を受信したサーバ20は、配達鍵データによって受注番号を特定し、購入者の端末装置30に入庫通知を送信する(9)。サーバ20が端末装置30に送信する入庫通知を便宜上、第2の入庫通知という。第2の入庫通知には、受取鍵データ、配達先のロッカー装置10の場所、配達先の収納部及び受取期限を示す情報が含まれる。
購入者は、この第2の入庫通知により購入した物品が指定したロッカー装置10の収納部に収納されたことを知ることができる。そして、購入者は、ロッカー装置10の設置場所へ赴き、受取鍵データを読み取らせることによって(10)、収納部を解錠して中から購入した物品を取り出すことで、物品の受取を行う。
なお、購入者による受取が成立した場合には、ロッカー装置10はサーバ20に受取通知を送信する。受取通知には、受取日時、配達鍵データ、受取が成立した収納部を示す情報が含まれる。
一方、購入者による物品の受取が行われないまま受取期限を超過した場合には、サーバ20は、配達業者50に対して回収指示を行う(11)。この回収指示には、回収鍵データ、ロッカー装置10の場所、収納部を示す情報が含まれる。このため、配達業者50は、回収鍵データによって物品を取出して回収し、収納部が長期間に亘って占有される事態を防止することができる。
なお、配達業者50による回収が成立した場合には、ロッカー装置10はサーバ20に回収通知を送信する。回収通知には、回収日時、配達鍵データ、回収が成立した収納部を示す情報が含まれる。回収通知を受信したサーバ20は、端末装置30に回収を行ったことを通知してもよい。
次に、ロッカー装置10の外観構成について説明する。図3は、ロッカー装置10の外観構成を示す外観構成図である。図3に示すように、ロッカー装置10は、収納部L01及びL02を含む複数の収納部と、各収納部に対応するロック機構を有する。例えば、ロック機構L01aは、収納部L01を施解錠する機構であり、ロック機構L02aは、収納部L02を施解錠する機構である。さらに、ロッカー装置10は、表示操作部11を含むユーザインタフェースを有する。
また、図3に示したロッカー装置10では、複数の収納部は全て同一の形状ではなく、小型の収納部と大型の収納部とがある。大型の収納部は、小型の収納部2つ分の大きさである。ここでは2つの形状の収納部を示したが、3以上の形状の収納部を設けてもよい。
次に、ロッカー装置10の内部構成について説明する。図4は、ロッカー装置10の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、ロッカー装置10は、表示操作部11と、コードリーダ12と、カードリーダ12aと、プリンタ13と、通信部14と、記憶部15と、主制御部16と、収納制御部17とを有する。また、ロッカー装置10は、収納部L01及びL02を含む複数の収納部と、各収納部に対応するロック機構(L01a及びL02a等)と、各収納部に対応する扉開閉センサ(L01b及びL02b等)と、各収納部に対応する物品センサ(L01c及びL02c等)と、を有する。
表示操作部11は、タッチパネルカラー液晶ディスプレイ等からなり、配達業者50や購入者への情報表示や各種入力の受付に用いられる。鍵データとして数字列を用いる場合には、これらの入力も表示操作部11が受け付ける。
コードリーダ12は、鍵データとして二次元コード等を用いる場合に鍵データを読み取るユニットであり、二次元コード等を撮像するカメラと画像処理部によって構成する。カードリーダ12aは、鍵データをカードから読み取る場合等に使用するユニットである。
プリンタ13は、物品の配達時等、必要に応じてレシートを発行するためのユニットである。通信部14は、所定の通信回線を経由してサーバ20等と通信するためのインタフェース部である。記憶部15は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部15は、収納管理データ15aを記憶する。
扉開閉センサ(L01b及びL02b等)は、対応する収納部の扉が開いているか、閉じているかを検知するセンサである。物品センサ(L01c及びL02c等)は、光学センサ等であり、対応する収納部内に所在する物品を検知する。
収納制御部17は、ロック機構(L01a及びL02a等)の動作を制御するとともに、ロック機構(L01a及びL02a等)、扉開閉センサ(L01b及びL02b等)、物品センサ(L01c及びL02c等)からの出力を取得することで、各収納部の状態を制御及び監視する処理部である。
主制御部16は、ロッカー装置10を全体制御する制御部であり、収納管理部16a、予約処理部16b、入出庫処理部16c、施解錠制御部16d、計時部16e、処理状況判定部16f及び予備収納管理部16gを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、収納管理部16a、予約処理部16b、入出庫処理部16c、施解錠制御部16d、計時部16e、処理状況判定部16f及び予備収納管理部16gにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
収納管理部16aは、各収納部の状態を管理する処理部である。収納管理部16aは、収納部の状態が変更となった場合に、収納管理データ15aを更新する。また、収納管理データ15aに示された収納部の空き状況を適宜サーバ20に送信する。
収納部の状態には、「空」、「配達待(空)」、「配達済(収納中)」、「予備割当(空)」、「予備割当(収納中)」がある。「空」は、収納部には物品が収納されておらず、物品が配達される予定も無いため、新規の配達先として選択可能な状態である。「配達待(空)」は、配達先として選択されたが、物品を収納していない状態である。「配達済(収納中)」は、配達先として選択され、物品が収納された状態である。
「予備割当(空)」は、指定された収納部が故障などにより使用できない場合に代替の収納先として使用できるように割り当てられ、物品が収納されていないが新規の配達先としては選択できない状態である。「予備割当(収納中)」は、指定された収納部が故障などにより使用できない場合に代替の収納先として選択され、物品が収納された状態である。
「配達済(収納中)」及び「予備割当(収納中)」は、収納部内に物品が存在し、購入者による受取又は配達業者50による回収を待機している状態となる。受取又は回収が行われれば、収納部の状態は「空」に変更される。なお、この他にも「故障中」などの状態が設けられる。
収納部の状態が「配達待(空)」、「配達済(収納中)」又は「予備割当(収納中)」であれば、収納部には鍵データが対応付けられており、鍵データが配達依頼を一意に識別する情報として機能する。
予約処理部16bは、サーバから配達予約を受け付けて管理する処理部である。予約処理部16bは、サーバ20から配達予約に係る情報として配達鍵データ、受取鍵データ、回収鍵データ、配達先の収納部及び受取期限を受信したならば、指定された収納部に各鍵データと受取期限を対応付けて、収納管理データ15aを更新する。この更新により、収納部の状態は、「空」から「配達待(空)」に変更される。
入出庫処理部16cは、物品の入出庫に係る処理を行う処理部である。すなわち、入出庫処理部16cは、物品の配達、受取、回収に係る処理を行うことになる。具体的には、物品の配達時には、配達業者50が入力した配達鍵データと配達予約により登録された配達鍵データとが一致するか否かにより配達鍵データの認証を行う。
同様に、物品の受取時には、利用者が入力した受取鍵データと配達予約により登録された受取鍵データとが一致するか否かにより受取鍵データの認証を行う。そして、物品の回収時には、配達業者50が入力した回収鍵データと配達予約により登録された回収鍵データとが一致するか否かにより回収鍵データの認証を行う。
また、入出庫処理部16cは、配達、受取、回収などの入出庫が成立した場合には、サーバ20に対して通知を送信する。配達の成立時にサーバ20に送信される通知が第1の入庫通知である。受取の成立時にサーバ20に送信される通知が受取通知である。そして、回収の成立時にサーバ20に送信される通知が回収通知である。
施解錠制御部16dは、鍵データの認証が成功した場合に、当該鍵データに対応付けられた収納部を解錠するよう収納制御部17に指示する処理部である。また、施解錠制御部16dは、物品の入出庫に係る処理が終了し、収納部の扉が閉じられた場合に、当該収納部を施錠する。
このように、入出庫に係る処理が終了した場合には自動的に施錠するので、施錠待機が実現される。ただし、施解錠制御部16dは、入出庫に係る処理の状況が予め定められた所定の状況となった場合には、該収納部の施錠を制限する。
入出庫に係る処理の状況は、物品センサの出力、扉開閉センサの出力、作業の所要時間などを用いて判定する。計時部16eは、作業の所要時間を計測するためのタイマーである。具体的には、解錠してからの経過時間や、扉を開いてからの経過時間などをこの計時部16eにより計測することができる。
処理状況判定部16fは、物品センサの出力、扉開閉センサの出力、計時部16eの出力などを取得し、入出庫に係る処理の状況を判定する処理部である。詳細な処理動作については後述するが、例えば、処理状況判定部16fは、配達鍵データを認証して収納部を解錠した後、物品センサの出力が物品の存在を示し、かつ、所定時間以内に収納扉が閉められた場合に、入庫成立と判定する。また、処理状況判定部16fは、受取鍵データを認証して収納部を解錠した後、物品センサの出力が物品の不在を示し、かつ、所定時間以内に収納扉が閉められた場合に、出庫成立と判定する。
そして、処理状況判定部16fは、入庫や出庫が適正に完了できない状況を上述の「所定の状況」として判定する。このため、入庫や出庫が適正に完了できない場合に施解錠制御部16dによる施錠が制限されることになる。
予備収納管理部16gは、予備収納部の管理を行う処理部である。具体的には、予備収納管理部16gは、収納部の一部を予備収納部に割り当て、指定された収納部が故障などにより使用できない場合に代替の収納先として予備収納部を使用させる。
予備収納管理部16gは、収納部の状態を「予備割当(空)」に設定して収納管理データ15aを更新することで、当該収納部を予備収納部に割り当てる。そして、指定された収納部が使用できない場合には、状態が「予備割当(空)」である収納部、すなわち予備収納部からいずれかを選択し、選択した予備収納部を収納先として使用させる。なお、予備収納部の選択に当たっては、物品の大きさを考慮する。具体的には、注文時に物品の大きさに合わせ、大きいサイズの収納部が指定収納部として選択されていたならば、指定収納部と同じかそれ以上のサイズの収納部から予備収納部を選択する。
予備収納部を収納先として使用する場合には、収納部の状態を「予備割当(収納中)」に変更する。また、元々指定されていた収納部に対応付けていた鍵データや受取期限については、使用する予備収納部に引き継ぐ。
このように、予備収納部を使用する場合には、元々指定されていた収納部と、実際に収納した収納部とが不一致の状態となる。そのため、入出庫処理部16cがサーバ20に対して通知を送信する際には、少なくとも実際に収納した収納部を特定する情報を含めておくことが求められる。
次に、図4に示した収納管理データ15aについて説明する。図5は、図4に示した収納管理データ15aについての説明図である。図5に示すように、収納管理データ15aは、基本データに加え、予約データ及び処理データを有する。
収納管理データ15aは、基本データとして、収納部ID、扉番号及び状態を含む。収納部IDは、収納部を一意に特定する識別情報である。扉番号は、収納部の扉に付された番号である。状態は、「0:空」、「1:配達待(空)」、「2:配達済(収納中)」、「3:予備割当(空)」、「4:予備割当(収納中)」、「9:故障中」等の値により、収納部の状態を示す。
ここで、扉番号は、収納部を収納部IDと同一としてもよい。この場合には、扉番号を収納部IDとして使用可能である。以下の実施例では、扉番号を収納部IDとして使用する場合を例として説明を行う。
さらに、収納管理データ15aは、基本データとして配置と最大収納寸法とを含む。配置は、当該収納部がどの位置に配置されているか、特に下から何段目に位置するかを示す。最大収納寸法は、当該収納部に収納可能な物品の寸法の最大値を示す。
収納管理データ15aは、予約データとして、指定扉番号、配達鍵データ、受取鍵データ、回収鍵データ、受取期限を含む。これらのデータは、サーバ20からの配達予約に示されたものであり、予約処理部16bにより書き込まれる。
指定扉番号は、配達予約において収納部を特定する情報として用いられている。すなわち、配達予約に係る情報をサーバ20から受信したならば、そのうちの指定扉番号に示された扉番号から対応する収納部を特定し、該特定した収納部の予約データとして配達予約に係る各情報を管理することになる。
このため、基本データの扉番号と予約データの指定扉番号とは基本的には一致する。ただし、指定扉番号に示された収納部が何らかの利用で使用できず、予備収納部が使用された場合には、不一致となる。基本データの扉番号は予備収納部の扉番号となり、予約データの指定扉番号には変更がないためである。
また、指定扉番号は、複数の扉番号を含むことがある。これは、1つの配達依頼で複数の物品の配達が依頼され、複数の物品の配達先として複数の収納部が選択された状態である。この場合には、複数の収納部に同一の予約データがそれぞれ対応付けられることになる。すなわち、基本データの扉番号が、複数の指定扉番号のいずれかと一致する状態となる。
収納管理データ15aは、処理データとして、入庫日時、入庫成否、受取日時、受取成否、回収日時、回収成否を含む。入庫日時は、当該収納部に物品が収納された日時を示す。また、入庫成否は、当該収納部に係る物品の配達が成立したか否かを示す。
指定扉番号に1の扉番号が示されている場合、当該収納部への物品の収納が完了した時点で配達成立となり、サーバ20に第1の入庫通知が送信される。指定扉番号に複数の扉番号が示されている場合、複数の扉番号に対応する全ての収納部への物品の収納が完了した時点で配達成立となり、サーバ20に第1の入庫通知が送信される。
受取日時は、利用者が物品を取り出した日時を示す。また、受取成否は、当該収納部に係る物品の受取が成立したか否かを示す。同様に、回収日時は、配達業者50が物品を取り出した日時を示す。また、回収成否は、当該収納部に係る物品の回収が成立したか否かを示す。受取成否及び回収成否については、当該収納部を解錠して扉が開かれた時点で成立とする。
次に、サーバ20の内部構成について説明する。図6は、サーバ20の内部構成を示すブロック図である。図6に示すように、サーバ20は、表示部21及び入力部22と接続され、通信部23、記憶部24及び制御部25を有する。
表示部21は、液晶パネルやディスプレイ装置等である。入力部22は、キーボードやマウス等である。通信部23は、通信回線を介してロッカー装置10、端末装置30及び配達業者50等とデータ通信するためのインタフェース部である。記憶部24は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、ロッカー装置データ24a及び注文管理データ24bを記憶する。
制御部25は、サーバ20を全体制御する制御部であり、ロッカー状態取得部25a、受注処理部25b、鍵データ生成部25c、配達予約処理部25d、配達手配処理部25e、入庫通知処理部25fを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、ロッカー状態取得部25a、受注処理部25b、鍵データ生成部25c、配達予約処理部25d、配達手配処理部25e、入庫通知処理部25fにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
ロッカー状態取得部25aは、必要に応じてロッカー装置10から収納部の状態を取得する処理部である。受注処理部25bは、物品の注文に関する処理を行う処理部である。具体的には、受注処理部25bは、販売する物品の情報を表示制御し、物品に対する購入操作、すなわち注文を受け付ける。また、注文された物品の配達先として、ロッカー装置10が有する収納部が希望されたならば、受注処理部25bは、ロッカー装置10の空き状態の収納部を表示制御し、配達先の選択を受け付け、受取期限を設定する。そして、受注処理部25bは、発注が行われたならば、受注番号を発行して、端末装置30に受注報告を送信する。また、受注処理部25bは、受注した注文に関して注文管理データ24bを生成して記憶部24に格納し、管理する。
鍵データ生成部25cは、受注処理部25bがロッカー装置10の収納部を配達先とする配達依頼を受け付けた場合に、配達鍵データ、受取鍵データ及び回収鍵データの3つの鍵データを生成する処理部である。鍵データ生成部25cは、生成した鍵データを注文管理データ24bに対応付けて管理する。
配達予約処理部25dは、受注処理部25bがロッカー装置10の収納部を配達先とする配達依頼を受け付けた場合に、ロッカー装置10に対して配達予約を行う処理部である。配達予約では、配達鍵データ、受取鍵データ、回収鍵データ、配達先の収納部及び受取期限を示す。
また、配達予約処理部25dは、第1の入庫通知の受信や受取通知の受信が行われた場合に、対応する注文管理データ24bの状態を更新する。また、受取期限を超過した注文については、配達業者50に回収指示を行う。回収指示には、回収鍵データ、ロッカー装置10の場所、収納部を示す情報を含めておく。配達予約処理部25dは、回収通知を受信したならば、対応する注文管理データ24bの状態を更新する。
配達手配処理部25eは、受注処理部25bがロッカー装置10の収納部を配達先とする配達依頼を受け付けた場合に、配達業者50に対して配達手配を行う処理部である。配達手配では、配達鍵データ、配達先のロッカー装置10の場所、配達先の収納部及び受取期限が通知される。
入庫通知処理部25fは、ロッカー装置10から第1の入庫通知を受信し、端末装置30に第2の入庫通知を送信する処理部である。第1の入庫通知には、入庫日時、配達鍵データ及び入庫先の収納部を特定する情報が含まれる。入庫通知処理部25fは、第1の入庫通知の配達鍵データによって受注番号を特定し、第2の入庫通知を送信する。第2の入庫通知には、受取鍵データ、配達先のロッカー装置10の場所、配達先の収納部及び受取期限を示す情報を含める。また、収納先が予備収納部に変更になった場合には、収納先が変更されたことを合わせて通知することが望ましい。
次に、図6に示したロッカー装置データ24aについて説明する。図7は、図6に示したロッカー装置データ24aについての説明図である。図7に示すように、ロッカー装置データ24aは、当該ロッカー装置の場所を示す場所データと、各収納部の状態とを関連付けたデータである。なお、収納部の識別情報としては扉番号を使用し、状態は「0:空」、「1:配達待(空)」、「2:配達済(収納中)」、「3:予備割当(空)」、「4:予備割当(収納中)」、「9:故障中」等の値をとる。
ロッカー装置データ24aは、ロッカー装置ごとに設けられる。従って、購入者は、複数のロッカー装置データ24aについて場所データを比較し、所望の配達場所に所在するロッカー装置10を選択することができる。また、購入者が希望するロッカー装置10の収納部に空きがなければ、近傍に所在する他のロッカー装置を配達先として選択することも可能である。
次に、図6に示した注文管理データ24bについて説明する。図8は、図6に示した注文管理データ24bについての説明図である。図8に示すように、注文管理データ24bは、基本データに加え、予約データ及び処理データを有する。
注文管理データ24bは、基本データとして、受注番号、受注品目データ、購入者データ、発注先データ、配達先データ及び状態を含む。受注番号は、受注処理部25bによって発行され、注文を一意に識別する識別情報である。受注品目データは、注文された物品の種類や数を特定するデータである。購入者データは、購入者の氏名や住所などを示すデータである。発注先データは、配達手配先である配達業者50を特定するデータであり、配達先データは、物品の配達先を示すデータである。
状態は、「1:受注済」、「2:発注済」、「3:配達済」、「4:受取済」、「5:回収済」等の値により、注文の状態を示す。「1:受注済」は、注文番号が発行されており、配達業者50への配達手配前であることを示す。「2:発注済」は、配達業者50への配達手配が行われており、配達が完了していないことを示す。「3:配達済」は、物品をロッカー装置10に収納し、取り出されていないことを示す。「4:受取済」は、物品が購入者によって取り出されたことを示す。「5:回収済」は物品が配達業者50によって取り出されたことを示す。
注文管理データ24bは、予約データとして指定扉番号、配達鍵データ、受取鍵データ、回収鍵データ、受取期限を含む。指定扉番号及び受取期限は、受注処理部25bにより設定される。また、各鍵データは、鍵データ生成部25cにより生成される。
1つの配達依頼で複数の物品の配達を依頼し、複数の物品の配達先としてロッカー装置の複数の収納部を選択する場合には、予約データの指定扉番号は複数の扉番号を有することになる。
注文管理データ24bは、処理データとして、入庫日時、入庫成否、受取日時、受取成否、回収日時、回収成否を含む。入庫日時は、当該収納部に物品が収納された日時を示す。また、入庫成否は、当該収納部に係る物品の配達が成立したか否かを示す。
受取日時は、利用者が物品を取り出した日時を示す。また、受取成否は、当該収納部に係る物品の受取が成立したか否かを示す。同様に、回収日時は、配達業者50が物品を取り出した日時を示す。また、回収成否は、当該収納部に係る物品の回収が成立したか否かを示す。
次に、ロッカー装置10の処理手順を説明する。図9は、ロッカー装置10の処理手順を示すフローチャートである。ロッカー装置10は、初期状態において、表示操作部11に待機画面を表示している(ステップS101)。この待機画面には、利用者による受取操作を受け付ける受取ボタンと、配達業者50が配達又は回収を行うための業者用ボタンとが表示されている。
利用者による受取操作を受け付けたならば(ステップS102;Yes)、入出庫処理部16cは受取処理を実行する(ステップS109)。受取処理の実行後、ロッカー装置10は、再び待機画面の表示に戻って(ステップS108)、処理を終了する。
利用者による受取操作を受け付けず(ステップS102;No)、業者用ボタンの操作を受け付けたならば(ステップS103;Yes)、ロッカー装置10は、業者用画面を表示する(ステップS104)。なお、業者用ボタンの操作も受け付けていなければ(ステップS103;No)、待機画面の表示が維持される(ステップS101)。
ステップS104の業者用画面では、配達を選択するボタンと回収を選択するボタンとが表示される。業者用画面で配達が選択されたならば(ステップS105;Yes)、入出庫処理部16cは配達処理を実行する(ステップS110)。配達処理の実行後、ロッカー装置10は、再び待機画面の表示に戻って(ステップS108)、処理を終了する。
配達が選択されず(ステップS105;No)、回収が選択されたならば(ステップS106;Yes)、入出庫処理部16cは回収処理を実行する(ステップS111)。回収処理の実行後、ロッカー装置10は、再び待機画面の表示に戻って(ステップS108)、処理を終了する。
配達も回収も選択されなければ(ステップS106;No)、入出庫処理部16cは、業者用画面の表示がタイムアウトしたか(業者用画面の表示開始から所定時間が経過したか)否かを判定する(ステップS107)。タイムアウトしていなければ(ステップS107;No)、業者用画面表示を継続し(ステップS104)、タイムアウトしたならば(ステップS107;Yes)、ロッカー装置10は、再び待機画面の表示に戻って(ステップS108)、処理を終了する。
次に、ステップS110に示した配達処理の詳細について説明する。図10〜図12は、配達処理の詳細について説明するフローチャートである。配達処理が開始すると、入出庫処理部16cは、表示操作部11に配達鍵認証画面を表示する(ステップS201)。配達鍵認証画面では、配達鍵データの入力を受け付けることができる。
入出庫処理部16cは、入力された配達鍵データと収納管理データ15aに登録された配達鍵データとが一致するか否かにより配達鍵データの認証を行う(ステップS202)。認証が失敗した場合には(ステップS202;No)、入出庫処理部16cは、認証の失敗回数が所定内(例えば2回以内)であるか否かを判定する(ステップS207)。
認証の失敗回数が規定内であるならば(ステップS207;Yes)、入出庫処理部16cは認証失敗画面を表示し(ステップS208)、その後、配達鍵認証画面を表示する(ステップS201)。
認証の失敗回数が規定を超えたならば(ステップS207;No)、入出庫処理部16cは認証失敗ロック画面を表示し(ステップS209)、配達処理を終了する。この結果、表示操作部11には待機画面が表示されることになる。
配達鍵の認証が成功したならば(ステップS202;Yes)、入出庫処理部16cは、入庫期間外であるか否かを判定する(ステップS203)。この入庫期間は、物品の配達に関して時間的な制限を設ける場合に指定される。入庫期間外であるならば(ステップS203;Yes)、入出庫処理部16cは期間外警告画面を表示し(ステップS210)、配達処理を終了する。この結果、表示操作部11には待機画面が表示されることになる。
入庫期間外でなければ(ステップS203;No)、入出庫処理部16cは、配達鍵データの指定扉番号として複数の扉番号が指定されているか否かを判定する(ステップS204)。
指定扉番号として1つの扉番号が指定されていれば(ステップS204;No)、入出庫処理部16cは、その扉番号を入庫処理の対象収納部として決定する(ステップS206)。また、指定扉番号として複数の扉番号が指定されていれば(ステップS204;Yes)、入出庫処理部16cは、収納部選択画面を表示し(ステップS205)、複数の扉番号からの選択を配達業者50に行わせることで、入庫処理の対象収納部を決定する(ステップS206)。
対象収納部の決定後、図11に示すように、入出庫処理部16cは、対象収納部の故障判定を行う(ステップS301)。故障判定により対象収納部が正常であると判定されたならば(ステップS302;Yes)、施解錠制御部16dは、対象収納部を解錠する(ステップS303)。なお、この時点では、収納部の中には物品が存在しないのが正常な状態である。従って、故障判定の時点で物品センサが物品の存在を示す出力を行っているならば、正常な状態ではないと判定されることになる。具体的には、物品センサの故障により物品センサの出力が異常となっているケースや、収納部内に以前に収納された物品が残置されているケースで正常な状態ではないとの判定が行われる。
対象収納部の解錠に成功したならば(ステップS304;Yes)、入出庫処理部16cは、入庫を案内する画面である入庫画面を表示する(ステップS305)。その後、処理状況判定部16fは、対象収納部内に物品が存在することを物品センサにより検知し、かつ、所定時間以内に扉が閉められたか否かを判定する(ステップS306)。
対象収納部内に物品が存在することを物品センサにより検知し、かつ、所定時間以内に扉が閉められたならば(ステップS306;Yes)、施解錠制御部16dは、対象収納部を施錠する(ステップS307)。
対象収納部の施錠に成功したならば(ステップS308;Yes)、入出庫処理部16cは、入庫を証明するレシートをプリンタ13に印刷出力させる(ステップS309)。また、処理状況判定部16fは、配達が成立したと判定し(ステップS310)、入出庫処理部16cは、配達完了画面を表示する(ステップS311)。そして、入出庫処理部16cは、サーバ20に第1の入庫通知を送信し(ステップS312)、処理を終了する。なお、指定扉番号に複数の扉番号が指定されている場合には、複数の扉番号に対応する複数の収納部への配達が全て完了した場合に、第1の入庫通知が送信される。
故障判定により対象収納部が正常ではないと判定された場合(ステップS302;No)、対象収納部の解錠に失敗した場合(ステップS304;No)、そして、対象収納部の施錠に失敗した場合(ステップS308;No)、入出庫処理部16cは、故障通知画面を表示する(ステップS313)。そして、予備収納管理部16gが予備収納部を1つ選択し(ステップS314)、選択した予備収納部を対象収納部としてステップS301に移行する。
このように、故障判定により対象収納部が正常ではないと判定された場合(ステップS302;No)、対象収納部の解錠に失敗した場合(ステップS304;No)、そして、対象収納部の施錠に失敗した場合(ステップS308;No)は、「収納部が利用できない状態」であり、他の収納部が選択されることになる。
対象収納部内において物品の存在を検知できない、もしくは所定時間以内に扉が閉められなかった場合(ステップS306;No)、処理状況判定部16fは、図12に示すように、物品センサが物品の存在を検知しているか否かを判定する(ステップS401)。
物品センサが物品の存在を検知していなければ(ステップS401;No)、入出庫処理部16cは、未入庫警告画面を表示する(ステップS408)。その後、入出庫処理部16cは、未入庫警告画面の表示がタイムアウトしたか(未入庫警告画面の表示開始から所定時間が経過したか)否かを判定する(ステップS409)。タイムアウトしていなければ(ステップS409;No)、ステップS401に移行し、物品センサが物品の存在を検知しているか否かを判定する。
物品センサが物品の存在を検知しているならば(ステップS401;Yes)、入出庫処理部16cは、扉開警告画面を表示する(ステップS402)。その後、入出庫処理部16cは、扉開閉センサが扉閉を検知したか否かを判定する(ステップS403)。扉開閉センサが扉閉を検知したならば(ステップS403;Yes)、図11のステップS307に移行し対象収納部を施錠する。
扉開閉センサが扉閉を検知しなければ(ステップS403;No)、入出庫処理部16cは、扉開警告画面の表示がタイムアウトしたか(扉開警告画面の表示開始から所定時間が経過したか)否かを判定する(ステップS404)。タイムアウトしていなければ(ステップS404;No)、ステップS401に移行し、物品センサが物品の存在を検知しているか否かを判定する。
ステップS404又はステップS409でタイムアウトした場合(ステップS404;Yes、又は、ステップS409;Yes)、施解錠制御部16dは、対象収納部の解錠状態を維持する(ステップS405)。そして、入出庫処理部16cは、入庫タイムアウト画面を表示し(ステップS406)、配達処理を終了する。この結果、表示操作部11には待機画面が表示されることになる。
なお、ステップS404やステップS409においてタイムアウトの判定に用いる「所定時間」は、同一である必要はなく、適宜個別に設定することができる。この他、本実施例におけるタイムアウトの判定には、それぞれ個別の所定時間を設定可能である。
また、ステップS404やステップS409のタイムアウトが近づいた場合に警告音を出力してもよい。なお、タイムアウトして入庫タイムアウト画面を表示する際には、警告音を停止する。ここで、タイムアウトの時点では、配達業者は対象収納部の前に居て表示操作部11の表示に気付かない可能性がある。そのため、警告音の停止前に表示操作部11を確認するようガイダンス音声を出力することが望ましい。
次に、ステップS109に示した受取処理の詳細について説明する。図13〜図14は、受取処理の詳細について説明するフローチャートである。受取処理が開始すると、入出庫処理部16cは、表示操作部11に受取鍵認証画面を表示する(ステップS501)。受取鍵認証画面では、受取鍵データの入力を受け付けることができる。
入出庫処理部16cは、入力された受取鍵データと収納管理データ15aに登録された受取鍵データとが一致するか否かにより受取鍵データの認証を行う(ステップS502)。認証が失敗した場合には(ステップS502;No)、入出庫処理部16cは、認証の失敗回数が所定内(例えば2回以内)であるか否かを判定する(ステップS507)。
認証の失敗回数が規定内であるならば(ステップS507;Yes)、入出庫処理部16cは認証失敗画面を表示し(ステップS508)、その後、受取鍵認証画面を表示する(ステップS501)。
認証の失敗回数が規定を超えたならば(ステップS507;No)、入出庫処理部16cは認証失敗ロック画面を表示し(ステップS509)、受取処理を終了する。この結果、表示操作部11には待機画面が表示されることになる。
受取鍵の認証が成功したならば(ステップS502;Yes)、入出庫処理部16cは、受取期限を超過しているか否かを判定する(ステップS503)。受取期限を超過しているならば(ステップS503;Yes)、入出庫処理部16cは期限切れ警告画面を表示し(ステップS510)、受取処理を終了する。この結果、表示操作部11には待機画面が表示されることになる。
受取期限内であれば(ステップS503;No)、入出庫処理部16cは、受取鍵データの指定扉番号として複数の扉番号が指定されているか否かを判定する(ステップS504)。
指定扉番号として1つの扉番号が指定されていれば(ステップS504;No)、入出庫処理部16cは、その扉番号を出庫処理の対象収納部として決定する(ステップS506)。また、指定扉番号として複数の扉番号が指定されていれば(ステップS504;Yes)、入出庫処理部16cは、収納部選択画面を表示し(ステップS505)、複数の扉番号からの選択を利用者に行わせることで、出庫処理の対象収納部を決定する(ステップS506)。
対象収納部の決定後、図14に示すように、施解錠制御部16dは、対象収納部を解錠する(ステップS601)。対象収納部の解錠に失敗したならば(ステップS602;No)、入出庫処理部16cは、解錠失敗画面を表示して(ステップS608)、受取処理を終了する。この結果、表示操作部11には待機画面が表示されることになる。
対象収納部の解錠に成功したならば(ステップS602;Yes)、入出庫処理部16cは、受取を案内する画面である受取画面を表示する(ステップS603)。その後、処理状況判定部16fは、対象収納部内に物品が存在しないことが物品センサにより示され、かつ、所定時間以内に扉が閉められたか否かを判定する(ステップS604)。
対象収納部内に物品が存在しないことが物品センサにより示され、かつ、所定時間以内に扉が閉められたならば(ステップS604;Yes)、施解錠制御部16dは、対象収納部を施錠する(ステップS605)。
一方、対象収納部内に物品が存在することが物品センサにより示されたままであるか、もしくは、所定時間以内に扉が閉められなければ(ステップS604;No)、入出庫処理部16cは、受取警告画面を表示する(ステップS609)。
受取警告画面の表示後、対象収納部内に物品が存在しない状態で扉が閉められたならば(ステップS610;Yes)、施解錠制御部16dは、対象収納部を施錠する(ステップS605)。
一方、対象収納部内に物品が存在することが物品センサにより示されたままであるか、扉が閉められなければ(ステップS610;No)、入出庫処理部16cは、受取警告画面の表示がタイムアウトしたか(受取警告画面の表示開始から所定時間が経過したか)否かを判定する(ステップS611)。タイムアウトしていなければ(ステップS611;No)、ステップS609に移行し、受取警告画面の表示を継続する。そして、タイムアウトしたならば(ステップS611;Yes)、施解錠制御部16dは、対象収納部の解錠状態を維持する(ステップS612)。
ステップS605又はステップS612の後、処理状況判定部16fは、受取が成立したと判定する(ステップS606)。そして、入出庫処理部16cが受取通知をサーバ20に送信し(ステップS607)、受取処理を終了する。
図9のステップS111に示した回収処理は、図13〜図14に示した受取処理と次の点で異なる。まず、使用する鍵データは回収鍵データである。次に、各種表示画面は、配達業者向けの回収用の画面となる。そして、受取期限のチェックは不要である。その他の動作については、図13〜図14に示した受取処理と同様であるので、回収処理の詳細についての説明は省略する。
次に、サーバ20の処理手順について説明する。図15は、サーバ20の注文管理に係る処理手順を示すフローチャートである。まず、受注処理部25bは端末装置30から注文を受け付け(ステップS701)、注文番号を発行する(ステップS702)。発行した注文番号は、受注報告として端末装置30に送信される。
鍵データ生成部25cは、受注処理部25bが受け付けた注文について配達鍵データ、受取鍵データ及び回収鍵データの3つの鍵データを生成する(ステップS703)。そして配達予約処理部25dは、ロッカー装置10に対して配達予約を行う(ステップS704)。この配達予約により、各鍵データ、配達先の収納部及び受取期限がロッカー装置10に送信される。
そして、配達手配処理部25eは、配達業者50に対して配達手配を行う(ステップS705)。配達手配では、配達鍵データ、配達先のロッカー装置10の場所、配達先の収納部及び受取期限が通知される。
配達手配の後、入庫通知処理部25fは、ロッカー装置10から第1の入庫通知を受信したか否かを判定する(ステップS706)。第1の入庫通知を受信していなければ(ステップS706;No)。ステップS706に移行することで、第1の入庫通知を待機する。
第1の入庫通知を受信したならば(ステップS706;Yes)、入庫通知処理部25fは、入庫通知に示された入庫先の扉番号と、元々の指定扉番号とが一致するか否かを判定する(ステップS707)。
入庫通知に示された入庫先の扉番号と、元々の指定扉番号とが一致するならば(ステップS707;Yes)、入庫通知処理部25fは、購入者の端末装置30に第2の入庫通知を送信して(ステップS708)、処理を終了する。
そして、入庫通知に示された入庫先の扉番号と、元々の指定扉番号とが一致しないならば(ステップS707;No)、入庫通知処理部25fは、入庫先が変更されたことの連絡を含む第2の入庫通知を購入者の端末装置30に送信して(ステップS709)、処理を終了する。
図16は、サーバ20の入庫後の物品に係る処理手順を示すフローチャートである。まず、配達予約処理部25dは、ロッカー装置10から受取通知を受信したか否かを判定する(ステップS801)。受取通知を受信したならば(ステップS801;Yes)、受取通知に示された配達鍵データから注文を特定し、対応する注文管理データ24bの「受取日時」及び「受取成否」を更新する受取完了処理を行って(ステップS802)、処理を終了する。
受取通知を受信していない場合(ステップS801;No)、配達予約処理部25dは、受取が行われないまま受取期限を越えた注文管理データが存在するか否かを判定する(ステップS803)。受取が行われないまま受取期限を越えた注文管理データが存在しない場合(ステップS803;No)、配達予約処理部25dは、そのまま処理を終了する。
受取が行われないまま受取期限を越えた注文管理データが存在するならば(ステップS803;Yes)、配達予約処理部25dは、配達業者50に対して回収指示を送信する(ステップS804)。
ステップS804の後、配達予約処理部25dは、ロッカー装置10から回収通知を受信したか否かを判定する(ステップS805)。回収通知を受信していなければ(ステップS805;No)、ステップS805を繰り返し、回収通知の受信を待機する。
回収通知を受信したならば(ステップS805;Yes)、回収通知に示された配達鍵データから注文を特定し、対応する注文管理データ24bの「回収日時」及び「回収成否」を更新する回収完了処理を行う(ステップS806)。その後、配達予約処理部25dは、購入者に回収を行ったことを通知して(ステップS807)、処理を終了する。
これまでの説明では、予備収納部の管理をロッカー装置側で行う構成を例示して説明を行ったが、予備収納部の管理はサーバ側で行ってもよい。図17は、予備収納部の管理を行うサーバについての説明図である。
図17に示すサーバ120は、制御部25に予備収納割当部125aをさらに備える点が図6に示したサーバ20と異なる。その他の構成及び動作については、図6に示したサーバ20と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
予備収納割当部125aは、ロッカー装置から予備収納の割り当てを求める予備収納割当依頼を受信した場合に、当該ロッカー装置の他の収納部を予備収納部として選択し、ロッカー装置に通知する処理を行う。
なお、各ロッカー装置が有する複数の収納部について、その一部を予め予備収納部用に割り当てておき、予備収納割当依頼の受信時には、割り当てておいた予備収納部から使用する収納部を選択して通知してもよい。また、その時点で使用の予定のない「空」状態の収納を予備収納部に割り当てて通知してもよい。ここで、予備収納部の選択に当たっては、物品の大きさを考慮する。具体的には、注文時に物品の大きさに合わせ、大きいサイズの収納部が指定収納部として選択されていたならば、指定収納部と同じかそれ以上のサイズの収納部から予備収納部を選択する。
予め割り当てた予備収納部が全て使用中であるなど、予備収納割当依頼を受信したにも関わらず、通知可能な収納部が存在しない場合には、予備収納割当部125aは、依頼元のロッカー装置に対して使用できる収納部がないことを示す通知を行うことになる。または、近傍に所在する他のロッカー装置の収納部を予備収納部として割り当ててもよい。
図18は、サーバが予備収納部の割り当てを行う場合の動作の説明図である。図18に示すロッカー装置110は、配達処理のステップS314で予備収納部が必要となった場合に、サーバ120に対して予備収納割当依頼を送信する(1)。
サーバ120は、予備収納割当依頼を受信して予備収納部を選択し(2)、ロッカー装置110に予備収納部を通知する(3)。この後、ロッカー装置110は、通知された予備収納部を選択して配達処理を継続することになる。
これまでの説明では、物品の配達先としてロッカー装置を利用する場合を例に説明を行ったが、ロッカー装置は単体で運用することもできる。図19は、単体で運用するロッカー装置の構成図である。
図19に示すロッカー装置210は、物品の配達先として用いられるのではなく、物品の一時預かりを行う装置である。そのため、ロッカー装置210は、通信部14を有さず、また、主制御部16に予約処理部16bを有さない。この点が図4に示したロッカー装置10と異なる。そして、記憶部15が記憶する収納管理データ215aが図4に示した収納管理データ15aと異なっている。
ロッカー装置210の入出庫処理部16cは、物品の入庫時に受取鍵データを設定し、収納管理データ215aに登録する。そして、出庫時には、受取鍵データの認証を条件に収納部の解錠を許可する。その他の構成及び動作は、図4に示したロッカー装置10と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図20は、図19に示した収納管理データ215aについての説明図である。図20に示すように、収納管理データ215aは、基本データと預りデータを有する。
収納管理データ215aは、基本データとして、収納部ID、扉番号及び状態を含む。収納部IDは、収納部を一意に特定する識別情報である。扉番号は、収納部の扉に付された番号である。状態は、「0:空」、「2:収納中」、「3:予備割当(空)」、「4:予備割当(収納中)」、「9:故障中」等の値により、収納部の状態を示す。
ここで、扉番号は、収納部を収納部IDと同一としてもよい。この場合には、扉番号を収納部IDとして使用可能である。以下の実施例では、扉番号を収納部IDとして使用する場合を例として説明を行う。
さらに、収納管理データ215aは、基本データとして配置と最大収納寸法とを含む。配置は、当該収納部がどの位置に配置されているか、特に下から何段目に位置するかを示す。最大収納寸法は、当該収納部に収納可能な物品の寸法の最大値を示す。
収納管理データ215aは、預りデータとして、受取鍵データ、預り期限、入庫日時、受取日時を含む。受取鍵データは、物品の入庫、すなわち預り開始時に設定される。この受取鍵データは、利用者が指定した数字列や文字列であってもよいし、ロッカー装置210が生成した数字列や文字列であってもよい。また、二次元コードを用いてもよいし、利用者が携行する記録媒体の識別情報を読み取って受取鍵データとして用いるようにしてもよい。
預り期限は、物品の入庫、すなわち預り開始時に設定される。預り期限は、利用者が指定してもよいし、例えば「当日限り」のように、ロッカー装置210が設定するようにしてもよい。入庫日時は、当該収納部に物品が収納された日時を示す。そして、受取日時は、利用者が物品を取り出した日時を示す。
次に、ロッカー装置210の処理手順を説明する。図21は、ロッカー装置210の処理手順を示すフローチャートである。ロッカー装置210は、初期状態において、表示操作部11に待機画面を表示している(ステップS901)。この待機画面には、利用者による預入操作を受け付ける預入ボタンと、利用者による受取操作を受け付ける受取ボタンとが表示されている。
利用者による預入操作を受け付けたならば(ステップS902;Yes)、入出庫処理部16cは預入処理を実行する(ステップS904)。預入処理の実行後、ロッカー装置210は、再び待機画面の表示に戻って(ステップS906)、処理を終了する。
利用者による預入操作を受け付けず(ステップS902;No)、受取操作を受け付けたならば(ステップS903;Yes)、入出庫処理部16cは受取処理を実行する(ステップS905)。受取処理の実行後、ロッカー装置210は、再び待機画面の表示に戻って(ステップS906)、処理を終了する。
利用者による預入操作を受け付けず(ステップS902;No)、受取操作も受け付けていなければ(ステップS903;No)、ロッカー装置210はそのまま処理を終了する。この場合には、待機画面の表示がそのまま継続されることになる。
次に、ステップS904に示した預入処理の詳細について説明する。図22は、預入処理の詳細について説明するフローチャートである。預入処理が開始すると、入出庫処理部16cは、受取鍵データを取得し(ステップS1001)、預り期限を設定する(ステップS1002)。
また、入出庫処理部16cは、収納部選択画面を表示し(ステップS1003)、扉番号の選択を利用者に行わせることで、入庫処理の対象収納部を決定する(ステップS1004)。
対象収納部の決定した後、図11に示した処理に移行し、物品の入庫を受け付ける。ただし、入庫通知の送信(ステップS312)は不要である。また、受取処理については、ロッカー装置10と同様の処理を行うことになるが、受取通知の送信(ステップS607)は不要である。
次に、ロッカー装置にサーバの機能を持たせた構成について説明する。図23は、ロッカー装置にサーバの機能を持たせた構成の説明図である。この図23では、宅配業者が依頼人から集荷し、依頼人に指定された受取人に物品を届ける配達サービスに本発明を適用する場合の構成である。この構成では、受取人がロッカー装置の利用者となる。
図23に示すように、物品の配達を依頼する依頼人は、配達業者350に対して配達依頼を行う(1)。この配達依頼では、配達先としてロッカー装置310を選択することができる。また、依頼人は、物品を受け取る人物である受取人と、その連絡先を指定する。
配達依頼を受けた配達業者350は、配達依頼を一意に特定するデータとして伝票データを生成する(2)。その後、配達業者350は、物品に伝票データを対応付けて配達する(3)。例えば、これらのデータの内容を伝票に記載して、配達する物品に貼付すればよい。
ロッカー装置310は、配達業者350から伝票データを受け付けると、受取鍵データ及び回収鍵データを生成し(4)、伝票データに対応づけて管理する(5)。この配達に関する管理は、物品が取り出されるまで行うものであり、ロッカー装置10の予約管理に相当する
ロッカー装置310は、回収鍵データを配達業者350に提供する。また、ロッカー装置310は、伝票データと受取鍵データを受取人に通知する入庫通知を行う(6)。この入庫通知は、例えば電子メールなどによって行えばよい。また、所定のサーバを経由してもよい。
入庫通知を受けた受取人は、ロッカー装置310の設置場所へ赴き、受取鍵データをロッカー装置310に入力する。ロッカー装置310は、受取鍵データの入力を受けて対応する収納部を解錠するので、受取人は配達された物品を取り出して受け取ることができる(7)。
このように、ロッカー装置310が鍵データの生成などを行なう構成においても、ロッカー装置10と同様に、所定の状況となった場合の解錠維持や、予備収納部への収納を行うことができる。
次に、物品預り用の収納部と、物品配達用の収納部との共用について説明する。図24は、物品預り用の収納部と、物品配達用の収納部との共用についての説明図である。図24に示したロッカー装置410は、物品を収納する収納部、所謂ロッカーを複数有し、複数の収納部を個別に施錠可能である。
ロッカー装置410が有する複数の収納部は、物品預り用の収納部と、物品配達用の収納部とを含む。図24では、ロッカー装置410は32個の収納部を有し、そのうちの22個の収納部を物品預り用とし、10個の収納部を物品配達用としている。
物品預りは、物品の預入と取出とを同一人物が行うことを想定した機能であり、所謂コインロッカーと同等のサービスを提供する。一方、物品配達は、配達された物品の受け渡しを行なう機能であり、ロッカー装置410を配達先とする物品が配達業者により収納され、受取人が物品の取り出しを行なうことになる。
物品預り用の収納部と、物品配達用の収納部とは分けられており、配達時の指定扉は、物品配達用の収納部から選択されることになる。しかし、指定扉に対応する収納部に配達を行う場合(1)に、異常が発生し(2)、配達が完了できないケースでは、物品預り用の収納部を予備収納部として利用可能とする(3)。
このように、物品預り用の収納部を予備収納部として利用可能とすることで、ロッカー装置410の収納部を効率的に運用することができる。また、かかるロッカー装置410においても、ロッカー装置10と同様に、所定の状況となった場合の解錠維持を行うことができる。
次に、予備収納部の指定に係る変形例について説明する。図25は、予備収納部の指定に係る変形例についての説明図である。ロッカー装置10では、配達鍵データとは独立に予備収納部を用意しており、指定の収納部に配達できなかった場合に配達鍵データに予備収納部を割り当てていた。これに対し、図25に示すシステムでは、サーバ520が鍵データの生成時に配達先の収納部とともに予備収納部を設定しており、ロッカー装置510は、配達鍵データに設定された予備収納部を用いることになる。なお、予備収納部の設定に当たっては、指定収納部と同じかそれ以上のサイズの収納部から予備収納部を設定する。
図25に示した例では、サーバ520は、注文管理データにおいて配達鍵データK01に指定扉番号001及び予備扉番号002を設定している。サーバ520が配達予約をロッカー装置510に送信すると、指定の収納部(扉番号001)の収納管理データは、基本データの状態が「1:配達待(空)」となり、予約データの指定扉番号が「001」、配達鍵データが「K01」となる。そして、予備収納部に設定された扉番号002の収納管理データは、基本データの状態が「3:予備割当(空)」となり、予約データの指定扉番号が「001」、配達鍵データが「K01」となる。
この基本データの状態の推移について、さらに説明する。図26は、基本データの状態の推移についての説明図である。なお、図26(a)は、最終的に指定の収納部に物品を収納するケースについて示し、図26(b)は、最終的に予備収納部に物品を収納するケースについて示している。
図26(a)に示すように、初期状態では、指定の収納部も予備収納部も基本データの状態は「0:空」である。配達予約が行われると、指定の収納部の基本データの状態は「1:配達待(空)」となり、予備収納部の基本データの状態は「3:予備割当(空)」となる。そして、最終的に指定の収納部に物品を収納できれば、指定の収納部の基本データの状態は「2:配達済(収納中)」となり、予備収納部の基本データの状態は「0:空」となる。すなわち、配達が完了した時点で、予備収納部であった収納部は、他の注文の配達先や、他の注文の予備収納部として選択可能となる。
図26(b)においても、初期状態では、指定の収納部も予備収納部も基本データの状態は「0:空」である。配達予約が行われると、指定の収納部の基本データの状態は「1:配達待(空)」となり、予備収納部の基本データの状態は「3:予備割当(空)」となる。その後、指定の収納部が故障により使用出来ない場合には、最終的に予備収納部に物品を収納される。その結果、指定の収納部の基本データの状態は「9:故障中」となり、予備収納部の基本データの状態は「4:予備割当(収納中)」となる。
なお、このように、サーバ520が予備収納部を設定する場合には、1の配達鍵データに予備収納部として設定された収納部は、他の配達鍵データの予備収納部に設定できないようにしてもよい。この場合には、確実に予備収納部を確保できる。しかし、予備収納部が実際に使用されることは少ないため、複数の配達鍵データで予備収納部の重複を許可し、ロッカー装置510の収納部を効率的に運用することとしてもよい。
これまでの説明では、ロッカー装置が常に施錠待機である場合について説明を行ったが、解錠待機のロッカー装置が一時的に施錠待機を行う動作モードに移行する構成であっても、本発明は適用可能である。
図27は、解錠待機のロッカー装置が一時的に施錠待機を行う動作モードに移行する場合のフローチャートである。図27では、解錠待機のロッカー装置を物品の配達先として使用する場合に、配達業者が配達に係る操作を行った時点で施錠待機を行う動作モードに移行する処理を示している。
具体的には、ロッカー装置は、初期状態において解錠待機であり、表示操作部11に待機画面を表示している(ステップS1101)。この待機画面には、利用者による受取操作を受け付ける受取ボタンと、配達業者が配達又は回収を行うための業者用ボタンとが表示されている。
利用者による受取操作を受け付けたならば(ステップS1102;Yes)、ロッカー装置は受取処理を実行する(ステップS1109)。受取処理の実行後、ロッカー装置は、再び待機画面の表示に戻って(ステップS1108)、処理を終了する。
利用者による受取操作を受け付けず(ステップS1102;No)、業者用ボタンの操作を受け付けたならば(ステップS1103;Yes)、ロッカー装置は、業者用画面を表示する(ステップS1104)。なお、業者用ボタンの操作も受け付けていなければ(ステップS1103;No)、待機画面の表示が維持される(ステップS1101)。
ステップS1104の業者用画面では、配達を選択するボタンと回収を選択するボタンとが表示される。業者用画面で配達が選択されたならば(ステップS1105;Yes)、ロッカー装置は、施錠待機の動作モードに移行し(ステップS1110)、配達処理を実行する(ステップS1111)。配達処理の実行後、ロッカー装置は、再び待機画面の表示に戻って(ステップS1108)、処理を終了する。
配達が選択されず(ステップS1105;No)、回収が選択されたならば(ステップS1106;Yes)、ロッカー装置は回収処理を実行する(ステップS1112)。回収処理の実行後、ロッカー装置は、再び待機画面の表示に戻って(ステップS1108)、処理を終了する。
配達も回収も選択されなければ(ステップS1106;No)、ロッカー装置は、業者用画面の表示がタイムアウトしたか(業者用画面の表示開始から所定時間が経過したか)否かを判定する(ステップS1107)。タイムアウトしていなければ(ステップS1107;No)、業者用画面表示を継続し(ステップS1104)、タイムアウトしたならば、ロッカー装置は、再び待機画面の表示に戻って(ステップS1108)、処理を終了する。
なお、ステップS1109の受取処理と、ステップS1112の回収処理については、ロッカー装置10と同様の処理となる。配達処理S1111については、図11に示した解錠に係る処理(ステップS303及びS304)が省略される点が異なるが、他の処理は同様である。ここで、配達処理S1111では、ステップS306に先だって扉が開かれたか否かを検知し、扉が開かれたことの検知を条件としてステップS306に移行することが望ましい。すなわち、扉が開状態から閉状態に移行することを、施錠待機における施錠の条件とするのである。
このように、解錠待機のロッカー装置が一時的に施錠待機に移行する場合であっても、ロッカー装置10と同様に、所定の状況となった場合の解錠維持や、予備収納部への収納を行うことができる。
上述してきたように本実施例に係る物品配達システム、ロッカー装置及び収納管理方法では、ロッカー装置等の収納部を事前に指定して施錠待機させ、指定された収納部が利用できない場合には、予備の収納部を選択して解錠し、物品の収納先として使用可能とする。
なお、これまでの説明では、本発明に係る物品配達システム、ロッカー装置及び収納管理方法をインターネットショッピングに適用した場合と一時預りに適用した場合について説明したが、本発明は適宜変形して実施可能である。例えば、集合住宅等に設置された宅配ボックスであっても同様に本発明を適用可能である。また、宅配業者が依頼人から集荷し、依頼人に指定された受取人に物品を届ける配達サービスに本発明を適用することもできる。
また、本実施例では、全ての鍵データの生成を同一の装置が行う構成を例に説明を行ったが、鍵データの生成を異なる装置で分担してもよい。例えばサーバが配達鍵データを生成し、ロッカー装置が受取鍵データ及び回収鍵データを生成する構成とすることができる。このとき、ロッカー装置は、配達予約の時点で鍵データを生成してもよいし、配達を受け付けた時点で鍵データを生成してもよい。
また、本実施例では、受取鍵データと回収鍵データを個別に生成する構成を例示したが、受取鍵データと回収鍵データを同一としてもよい。さらに、1つの鍵データで配達、受取、回収を行うこととしてもよい。
また、本実施例では、1つの注文で複数の収納部を用いる場合に、1つの配達鍵データに複数の収納部を対応付けることとしたが、1つの注文に対して複数の配達鍵データを生成し、配達鍵データと収納部が1対1となるようにしてもよい。
また、本実施例に図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。