以下、添付図面を参照して、本発明に係る鍵管理装置及び鍵管理方法の好適な実施例を詳細に説明する。
<鍵管理装置の概念>
まず、本実施例に係る鍵管理装置10の概念について説明する。図1は、本実施例に係る鍵管理装置10の概念を説明する図である。本実施例では、銀行等の金融機関の店舗に配設された貨幣処理装置や金庫等の鍵を鍵管理装置10で管理する場合について説明することとする。
図1に示す鍵管理装置10は、扉10aにて開閉される鍵収納庫10bと、表示操作部11と、カードリーダ12と、レシート取出口15aとを有する。鍵収納庫10bには、複数のホルダー収納部13が設けられている。ホルダー収納部13は、鍵がリングにより繋がれたホルダー14を着脱可能に収納する。各ホルダー収納部13は、ホルダー14の取り出しを許可又は禁止できるように図示しないロック機構が設けられている。鍵管理装置10は、各ホルダー収納部13に対するロック機構を制御することによって、各ホルダー14の取り出しの許可又は禁止を制御する。
各ホルダー収納部13の上部にはホルダーランプ131が設けられており、ランプの青色点灯により取り出し可能である旨が報知され、赤色点灯又はオレンジ色点灯により長時間使用されていることが報知される。
表示操作部11は、タッチパネルディスプレイ等であり、操作員による操作入力を受け付けるとともに、各種情報を表示する。カードリーダ12は、操作員が携帯するカードから識別情報等を読み取る読取装置である。ここではカードを磁気カードとする場合について説明するが、ICカードであってもよい。レシート取出口15aは、図示しないプリンタ15で印刷した用紙が取り出し可能に排出される口である。
操作員がカードリーダ12に対してカードを通すと、カードリーダ12は、該カードからカードIDを読み取り、該カードIDに基づいて操作員の認証を行う。この認証の結果、鍵を取り出す権限が操作員に設定されている場合には、鍵収納庫10bの扉10aが解錠され、扉10aが開放可能となる。鍵収納庫10bには、1又は複数の鍵をリングにより繋いで保持するホルダー14が複数収納されている。それぞれのホルダー14は、それぞれ対応するホルダー収納部13に挿入され、ロックされている。なお、ここでは説明の便宜上、ホルダー14をホルダー収納部13に収納する場合について説明するが、ホルダー14を利用せずに「鍵そのもの」を収納部に収納するよう構成することもできる。この場合の収納部は、鍵そのものを収納するボックス等の形状等とすることができる。
また、各ホルダー収納部13の上部にはそれぞれホルダーランプ131が設けられている。鍵を保持するホルダー14が長時間使用されたならば、該ホルダー14を収納するホルダー収納部13の上部のホルダーランプ131が点灯する。例えば、長時間使用が1回発生した場合にはホルダーランプ131をオレンジ色に点灯させ、長時間使用が2回以上発生した場合にはホルダーランプ131を赤色に点灯させ、長時間使用がなければ消灯させる。なお、長時間使用された鍵がホルダー収納部13に返却されたとしても、ホルダーランプ131の状態は変わらない。
このように、長時間使用される鍵を保持するホルダー14を収納するホルダー収納部13の上部のホルダーランプ131を継続的に点灯させることにより、操作員又は管理者は、どのホルダー14が長時間使用されたかを迅速に確認することが可能となる。具体的には、操作員又は管理者がある時点で鍵収納庫10bを視認すると、消灯されたホルダーランプ131、青色に点灯するホルダーランプ131、オレンジ色に点灯するホルダーランプ131、赤色に点灯するホルダーランプ131を一目で確認することができるため、長時間使用されている鍵の存在を迅速に把握することが可能となる。
また、鍵を保持するホルダー14が長時間使用されたならば、表示操作部11の待機画面に「長時間使用有」を表示する。このようにすることで、操作員は、鍵管理装置10の表示操作部11を確認するだけで、長時間使用された鍵が存在することを確認できる。また、操作員が長時間使用の詳細を確認する場合には、後述する長時間使用確認メニューを選択し、長時間使用した履歴を表示させる。なお、日、週、月、年単位で検索できるようにすることもできる。また、表示操作部11を使用することにより、扉10aの長時間開放の履歴があれば、同様に長時間使用確認メニューを用いて表示させることもできる。
<鍵管理システムのシステム構成>
次に、本実施例に係る鍵管理システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施例に係る鍵管理システムのシステム構成を示す図である。図2に示すように、この鍵管理システムは、鍵管理装置10と、貨幣入出金機40と、重要物管理装置50とがネットワークを介して管理サーバ20に接続される。また、管理サーバ20は、管理者端末30に接続される。
鍵管理装置10は、貨幣入出金機40及び重要物管理装置50の鍵を管理する管理装置である。鍵管理装置10は、取出対象となる鍵の指定操作を受け付けたならば、操作員が正当であることを条件として、指定された鍵を取り出すことが可能となる。なお、ここでは説明の便宜上、鍵管理装置10が、貨幣入出金機40及び重要物管理装置50の鍵を管理する場合について説明するが、店舗内に配設された他の装置(ATM(現金自動預払機;Automatic Teller Machine)、両替機、金庫等)の鍵を管理することもできる。
貨幣入出金機40は、貨幣の入金処理及び出金処理を行う出納機と呼ばれる装置であり、バラ紙幣、所定枚数単位で結束された束紙幣、バラ硬貨及び所定枚数単位で包装された包装硬貨を取り扱う。この貨幣入出金機40は、貨幣の払出指示操作を受け付けたならば、払出指示操作に応じた貨幣の払出処理を行うとともに、貨幣の収納指示操作を受け付けたならば、収納指示操作に応じた貨幣の収納処理を行う。
重要物管理装置50は、通帳、証書及び有価証券等の重要物を保管するための装置である。この重要物管理装置50は、重要物を保管するための複数の収納部を有し、各収納部は、外部からのアクセスを制限するロック機構を有する。重要物管理装置50は、重要物を取り出す旨の操作を受け付けたならば、重要物の種類に応じて対応する収納部のロックを解除して、指定された重要物の取り出しを可能とする。
管理サーバ20は、貨幣入出金機40及び重要物管理装置50の鍵の管理を行うサーバ装置である。具体的には、鍵の属性、ホルダー、使用権限等の鍵の使用に関する各種情報を対応付けた鍵管理マスタを生成して記憶する。なお、必要に応じて鍵管理マスタを鍵管理装置10に配信する。
管理者端末30は、鍵管理マスタの生成や変更を行う権限を有する管理者により使用される装置である。鍵管理マスタの生成や変更を行う場合には、図2に示すように、管理者が管理者端末30を操作して、管理サーバ20に対して鍵管理マスタ登録・更新を要求する(S1)。
管理サーバ20は、管理者端末30から鍵管理マスタ登録・更新の要求を受け付けると、鍵管理マスタの生成又は更新を行って自装置に記憶するとともに、新たな鍵管理マスタを鍵管理装置10に配信する(S2)。鍵管理装置10は、配信された鍵管理マスタを保持し、管理サーバ20は、鍵管理マスタの配信完了を管理者端末30に通知する(S3)。
なお、ここでは管理サーバ20と管理者端末30とが別装置である場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、管理サーバ20と管理者端末30とを一体化し、管理者が管理サーバ20を直接操作する場合に適用することもできる。
<鍵管理装置10の内部構成>
次に、図1に示した鍵管理装置10の内部構成について説明する。図3は、図1に示した鍵管理装置10の内部構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、鍵管理装置10は、扉施錠機構10c、表示操作部11、カードリーダ12、ホルダー収納部13、ホルダーランプ131、プリンタ15、通信部16、記憶部17、制御部18及び時計部19を有する。なお、表示操作部11、カードリーダ12、ホルダー収納部13及びホルダーランプ131については、すでに図1を用いて説明したため、ここではその説明を省略する。
扉施錠機構10cは、鍵収納庫10bの扉10aを施錠する機構である。プリンタ15は、ロール紙に対して情報を印刷する感熱式又はインクジェット式等の印刷部であり、鍵管理装置10で管理される鍵ごとの使用状況等の情報を印刷する。なお、かかるプリンタ15は省略することもできる。
通信部16は、通信線90を介して管理サーバ20とデータ通信するためのインタフェース部である。なお、具体的な通信の手段については、周知の有線通信又は無線通信を用いることができる。
記憶部17は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、鍵管理マスタ17a、鍵貸出履歴データ17b、長時間使用履歴データ17c及び長時間使用回数カウンタ17d等を記憶する。
鍵管理マスタ17aは、ホルダーの属性、貸出時間上限、使用権限など、ホルダーの使用に関する各種情報を対応付けたデータである。この鍵管理マスタ17aを参照することにより、各ホルダーの貸出時間上限、使用権限等を確認することができる。図4は、図3に示した鍵管理マスタ17aの一例を示す図であり、図4に示すように、各ホルダー収納部番号について、属性、貸出時間上限及び使用権限が対応付けられている。属性には、鍵の名称と鍵の本数が含まれ、使用権限には、操作員の氏名及びカードIDごとの権限の有無が含まれている。例えば、ホルダー収納部番号「01」には、鍵の名称「金庫鍵」、鍵の本数「1」、貸出時間上限「60分」が設定され、また、氏名「A B」、カードID「1001」に対して、ホルダー収納部番号「01」の使用権限「有」、ホルダー収納部番号「02」の使用権限「有」、ホルダー収納部番号「03」の使用権限「有」、ホルダー収納部番号「04」の使用権限「有」等が設定されている。
鍵貸出履歴データ17bは、鍵の貸出の履歴を示すデータである。図5は、図3に示した鍵貸出履歴データ17bの一例を示す図である。図5に示すように、鍵貸出履歴データ17bは、貸出日時、返却日時、カードID、ホルダー収納部番号、ホルダー14の長時間使用目的、使用時間及び長時間使用フラグが含まれる。例えば、貸出日時「2016 07/16 10:40」にカードID「1101」である操作員によってホルダー収納部番号「03」に対応するホルダー14が取り出され、返却日時「2016 07/16 10:53」に返却され、使用時間が13分であり、長時間使用フラグは「0」(長時間使用ではない)状況が示されている。また、貸出日時「2016 07/16 12:21」にカードID「1102」である操作員によってホルダー収納部番号「07」に対応するホルダー14が取り出され、使用時間は104分経過であるが、長時間使用目的として「ATMメンテナンス」が入力されており、長時間使用フラグは「1」(長時間使用)である状況が示されている。さらに、貸出日時「2016 07/16 13:00」にカードID「1005」である操作員によってホルダー収納番号「03」に対応するホルダー14が取り出され、使用時間が79分経っているが返却日時が入っていないので、未だ返却がされておらず、長時間使用フラグは「1」(長時間使用である)である状況が示されている。
長時間使用履歴データ17cは、貸出時間の上限を超えた長時間使用の履歴を示すデータである。図6は、図3に示した長時間使用履歴データ17cの一例を示す図である。図6に示すように、長時間使用履歴データ17cは、貸出日時、返却日時、操作員カードID、ホルダー収納部番号、使用時間、長時間使用理由及び理由入力カードIDが含まれている。例えば、貸出日時「2016 07/15 18:00」にカードID「1101」である操作員によってホルダー収納部番号「03」に対応するホルダー14が取り出され、返却日時「2016 07/15 19:30」に返却され、使用時間は「90分」であり、長時間使用理由は「ATMメンテナンス」であり、長時間使用時間の理由がカードID「1002」の操作員によって入力された状況が示されている。
長時間使用回数カウンタ17dは、ホルダー収納部番号毎の長時間使用された鍵の長時間使用回数を示すデータである。図7は、図3に示した長時間使用回数カウンタ17dの一例を示す図である。この長時間使用回数カウンタ17dは、鍵貸出履歴データ17bに基づいてカウントされたホルダー収納部番号毎の長時間使用回数が含まれている。
制御部18は、鍵管理装置10の全体を制御する制御部であり、鍵管理マスタ処理部18a、貸出処理部18b、ホルダー指定操作受付部18c、鍵属性出力部18d及び長時間使用管理部18eを有する。実際には、鍵管理マスタ処理部18a、貸出処理部18b、ホルダー指定操作受付部18c、鍵属性出力部18d及び長時間使用管理部18eに対応するプログラムを不揮発性メモリや磁気ディスク装置などの記憶装置に記憶しておき、これらのプログラムをメモリにロードして、CPU(Central Processing Unit)で実行することで、対応するプロセスを実行させることになる。
鍵管理マスタ処理部18aは、管理サーバ20から受信した鍵管理マスタを記憶部17に格納することで鍵管理マスタ17aを更新し、管理サーバ20に対して更新完了を通知する処理を行う。
貸出処理部18bは、鍵の貸出と返却に関する処理を行う処理部である。具体的には、この貸出処理部18bは、カードリーダ12によって操作員が所持するカードのカードIDを読み取った場合に、該カードIDの認証処理を行う。この認証の結果、操作員に鍵を取り出す権限が設定されていれば、貸出処理部18bは、扉施錠機構10cを解錠制御する。そして、貸出可能なホルダー14の上部にあるホルダーランプ131を青色点灯させる。ホルダー収納部13からホルダー14が抜き取られている時間が所定の時間以内であれば、ホルダーランプ131は青色点灯のままとなるが、所定の時間を超えた場合には、ホルダーランプ131がオレンジ色又は赤色に点灯される。例えば、長時間使用が1回発生した場合はホルダーランプ131をオレンジ色にて点灯させ、長時間使用が2回以上発生した場合にはホルダーランプ131を赤色にて点灯させ、長時間使用がなければオレンジ色及び赤色の点灯はさせない。なお、扉10aが閉鎖されている間はホルダーランプ131が消灯され、扉10aが開放されていることを条件として、ホルダーランプ131が青色、赤色又はオレンジ色に点灯される。なお、ホルダー14がホルダー収納部13に返却されたとしても、ホルダーランプ131の状態は変化しない。
また、貸出処理部18bは、カードIDの認証後、ホルダー14がホルダー収納部13に返却されたならば、ホルダー収納部13をロックする。また、貸出処理部18bは、その時点の日時を時計部19より読み出して返却日時とし、返却日時にカードIDとホルダー収納部13の識別情報を対応付けて鍵貸出履歴データ17bに登録する。
なお、ホルダー収納部13には、ホルダー14の有無を検知するセンサとホルダー14の押し込みを検知するセンサとが設けられている。そして、ホルダー14が収納されていない状態からホルダー14が収納された状態に変化した場合には、ホルダー14の押し込みの有無に関わらず、ホルダー14が返却されたものと判定する。
また、貸出処理部18bは、鍵の貸出時間の管理を行う。具体的には、ホルダー収納部13には、貸出時間の上限が設定されており、貸出日時から返却日時までの貸出時間が上限を超過した場合には警報を出力する。そして、貸出日時、実行者カードID,ホルダー収納部13の識別情報等を対応づけて長時間使用履歴データ17cに登録するとともに、長時間使用があった場合に長時間使用回数カウンタ17dをカウントアップする。
ホルダー指定操作受付部18cは、属性の表示対象となるホルダー14を指定する操作を受け付ける処理部である。具体的には、扉施錠機構10cの解錠前からホルダー14が収納されている状態で、ホルダー14の押し込み操作が行われたならば、該操作を属性の表示対象となるホルダー14を指定する操作として受け付ける。
また、操作員が表示操作部11に対してホルダー14を特定する識別情報を入力した場合には、該操作を属性の表示対象となるホルダー14を指定する操作として受け付ける。
この他、あらかじめ他の装置から属性の表示対象となるホルダー14の通知を受け付けることもできる。例えば、貨幣入出金機40にカードIDを読み取らせ、鍵の使用を予約する操作が行われると、貨幣入出金機40から管理サーバ20経由で属性の表示対象となるホルダー14の通知を受けるようにしてもよい。貨幣入出金機40の鍵がどのホルダー14に保持されているかは、管理サーバ20で判定しても良いし、貨幣入出金機40で判定してもよい。貨幣入出金機40がホルダー14を特定する場合には、あらかじめ管理サーバ20から貨幣入出金機40に鍵管理マスタが配信されることになる。
また、表示操作部11を介して長時間使用目的の入力を受け付ける。ホルダーランプ131がオレンジ色又は赤色に点灯した場合に、操作員又は管理者は、長時間使用された理由を把握することが望ましいためである。ただし、ここでは、ホルダー14が長時間使用された場合には、長時間使用目的が入力されているか否かを問わず、ホルダーランプ131は点灯し、表示操作部11の待機画面には「長時間使用有」が表示されるものとする。
鍵属性出力部18dは、ホルダー指定操作受付部18cが受け付けた操作等によってホルダー14が指定された場合に、指定されたホルダー14の属性を鍵管理マスタ17aから読み出して表示操作部11に表示する処理部である。
長時間使用管理部18eは、貸出時間の上限を超えた長時間使用の履歴を管理する処理部である。貸出時間の上限を超えた場合に、該当するホルダー14に対応するホルダー収納部13の上部のホルダーランプ131を点灯させる。例えば、所定期間に長時間使用が1回の場合にはオレンジ色点灯し、2回以上の場合にはオレンジ色点灯し、0回の場合は消灯させる。
また、長時間使用管理部18eは、貸出時間の上限を超えてからホルダー収納部13にホルダー14が返却された場合に、その理由の入力を要求し、長時間使用の履歴に対応付けて長時間使用履歴データ17cに登録する。ホルダー14が長時間使用された理由を確認できるようにするためである。なお、長時間使用の理由が入力される場合に、所定の管理者権限を有する操作員による承認を求めることもできる。また、長時間使用の理由は、所定の管理者権限を有する操作員により入力させることもできる。長時間使用の理由は、予め規定したリストから選択して入力させることもできる。
また、長時間使用管理部18eは、貸出時間の上限を超える所定時間を経過する前に予告報知を行うこともできる。かかる予告報知は、音声による報知とすることにより貸出時間の上限を徒過した場合の警報とは異ならせることが望ましい。なお、予告報知についての履歴を残さないようにすることもできる。予告報知に気付いた操作員がホルダー14を返却すれば、通常の使用となり、長時間使用の発生を防ぐことができるからである。
長時間使用管理部18eは、長時間使用履歴データ17cをプリンタ15により印刷することができる。かかる印刷を行う場合には、長時間使用履歴データ17cに含まれる長時間使用の理由を印刷対象に含めることが望ましい。また、通信部16により長時間使用履歴データ17cを他の装置に送信することによって、他の装置が長時間使用履歴データ17cを表示や印刷することもできる。
次に、図1に示したホルダーランプ131による長時間使用時の表示の一例について説明する。図8は、図1に示したホルダーランプ131による長時間使用時の表示の一例を示す図である。同図に示すように、ホルダー14を着脱可能に収納する各ホルダー収納部13の上部にはホルダーランプ131が設けられている。そして、ホルダー14がホルダー収納部13から抜き取られた状態では、ホルダーランプ131は消灯しているが、抜き取られた状態のままで所定の時間が経過すると、ホルダーランプ131がオレンジ色に点灯する。そして、オレンジ色点灯状態のときに更に長時間使用がされた場合には赤色点灯に変わる。オレンジ色点灯は、所定の期間に1回の長時間使用がされたことを示し、赤色点灯は、所定の期間内に2回以上の長時間使用がされたことを示している。
次に、図1に示した表示操作部11による長時間使用時の表示の一例について説明する。図9は、図1に示した表示操作部11による長時間使用時の表示の一例を示す図である。
図9(a)に示す待機画面では、「カードをリードしてください」等のメッセージが表示されることとなるが、この待機画面において「長時間使用有」とのメッセージを表示することにより、いずれかのホルダー14すなわち鍵が長時間使用されていることを報知する。この状態で、操作員のカードIDをカードリーダ12により読み取り、カードIDの認証を終えた後に、扉10aの解錠が行われる。
ここで、操作員が、表示操作部11の「長時間使用有」のメッセージ部をタッチすると、図9(b)に示す長時間使用確認画面を表示操作部11に表示する。ここでは、長時間使用が発生しているホルダー番号と使用時間を表示することとしている。
操作員が、この長時間使用確認画面の「ID順」ボタンにタッチすると、図9(c)に示すように、カードID順に長時間使用が発生しているホルダー番号と使用時間が表示される。図9(c)に示す長時間使用確認画面において、操作員が「ホルダー順」のボタンにタッチすると、図9(b)に示す長時間使用確認画面を表示する。図9(b)又は図9(c)に示す長時間使用確認画面において、操作員が「戻る」ボタンをタッチすると、図9(a)に示した待機画面に移行する。また、操作員が「印刷」ボタンにタッチすると、表示画面の内容がプリンタ15によりレシート印字される。
次に、図9に示した待機画面において「モード」ボタンがタッチされた場合の一例について説明する。図10は、図9に示した待機画面において「モード」ボタンがタッチされた場合の一例を示す図である。
図10(a)に示す待機画面は、図9(a)に示す待機画面に対応するものである。この待機画面において、操作員が「モード」ボタンをタッチすると、図10(b)の管理メニュー画面が表示操作部11に表示される。この管理メニュー画面には、「1.精査」ボタン、「2.登録」ボタン、「3.削除」ボタン、「4.時刻設定」ボタン及び「5.長時間使用確認」ボタンが含まれる。
この管理メニュー画面において、操作員が「5.長時間使用確認」ボタンにタッチすると、図10(c)に示した検索期間を入力する長時間使用確認画面が表示される。ここで、図中に示す開始年月日、終了年月日を入力することにより図10(d)に示すホルダー番号及び使用時間からなる長時間使用確認画面又は図10(e)に示すカードID、ホルダー番号及び使用時間からなる長時間使用確認画面が表示される。なお、図中の矢印に示すように、「戻る」ボタンにタッチすること等により表示画面が移動する。また、図10(d)又は図10(e)に示す「印刷」ボタンにタッチされたならば、画面の内容が印字される。
次に、図11は、図10(b)に示す管理メニューで「1.精査」のメニューの中で印刷される精査印字の一例を示している。備記の欄で長時間使用理由及び「?」により長時間使用であることが示されている。
<管理サーバの構成>
次に、図2に示した管理サーバ20の内部構成について説明する。図12は、図2に示した管理サーバ20の内部構成を示す機能ブロック図である。図12に示すように、管理サーバ20は、表示部21、入力部22、通信部23、記憶部24及び制御部25を有する。
表示部21は、液晶ディスプレイ装置等の表示デバイスである。入力部22は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。通信部23は、鍵管理装置10、管理者端末30、貨幣入出金機40及び重要物管理装置50等と通信を行うための通信インタフェースである。記憶部24は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、鍵管理マスタ24aを記憶する。
制御部25は、管理サーバ20の全体を制御する制御部であり、鍵管理マスタ生成部25a、鍵管理マスタ更新部25b及び更新完了処理部25cを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、鍵管理マスタ生成部25a、鍵管理マスタ更新部25b及び更新完了処理部25cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
鍵管理マスタ生成部25aは、管理者端末30からの鍵管理マスタ登録要求に基づき鍵管理マスタ24aを生成し、生成した鍵管理マスタ24aを記憶部24に記憶するとともに、該鍵管理マスタ24aを鍵管理装置10などに配信する。
鍵管理マスタ更新部25bは、管理者端末30からの鍵管理マスタ更新要求に基づき、記憶部24の鍵管理マスタ24aを更新し、更新後の鍵管理マスタ24aを鍵管理装置10などに配信する。
更新完了処理部25cは、鍵管理マスタ生成部25a又は鍵管理マスタ更新部25bが鍵管理マスタ24aを配信した後、配信先の鍵管理装置10などから更新完了通知を受信した場合に、鍵管理マスタの配信完了を管理者端末30に通知する処理を行う。
<鍵管理装置の処理>
次に、図3に示した鍵管理装置10の処理手順について説明する。図13は、図3に示した鍵管理装置10の処理手順を示すフローチャートである。ここでは、鍵管理装置10の記憶部17にあらかじめ鍵管理マスタ17aが記憶されているものとする。
図13に示すように、まず、鍵管理装置10の貸出処理部18bは、カードリーダ12がカードIDを読み取ったか否かを判定し(ステップS101)、カードIDを読み取っていなければ(ステップS102;No)、そのまま処理を終了する。これに対して、カードリーダ12がカードIDを読み取ったならば(ステップS102;Yes)、貸出処理部18bは、カードIDの認証処理を行う(ステップS103)。この認証処理では、カードIDが鍵管理マスタ17aに登録され、いずれかのホルダー収納部番号について使用権限「有」である場合に認証成功となる。そして、認証が成功しなければ(ステップS104;No)、鍵管理装置10はそのまま処理を終了する。
これに対して、認証が成功したならば(ステップS104;Yes)、貸出処理部18bは、鍵管理マスタ17a及び長時間使用回数カウンタ17dを参照してホルダーランプ131の点灯及び表示操作部11の表示をし(ステップS105)、そして扉施錠機構10cを解錠制御し(ステップS106)、鍵脱着処理を行う(ステップS107)。なお、鍵脱着処理の説明については後述する。鍵脱着処理の後、貸出処理部18bは、扉10aが閉じられたか否かを判定する(ステップS108)。扉10aが閉じられてなければ(ステップS108;No)、ステップS107に移行する。そして、扉10aが閉じられたならば(ステップS108;Yes)、貸出処理部18bは、扉施錠機構10cを施錠制御し(ステップS109)、ホルダーランプ131及び表示操作部11の表示をオフにして(ステップS110)、処理を終了する。
次に、図13に示した鍵脱着処理の処理手順について説明する。図14は、図13に示した鍵脱着処理の処理手順を示すフローチャートである。ホルダー指定操作受付部18cは、鍵属性の表示対象となるホルダー14を指定する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。その結果、鍵属性の表示対象となるホルダー14を指定する操作を受け付けた場合には(ステップS201;Yes)、鍵属性出力部18dは、指定されたホルダー14の鍵属性を鍵管理マスタ17aから読み出して表示操作部11に表示する(ステップS202)。なお、鍵属性の表示対象となるホルダー14を指定する操作を受け付けていない場合には(ステップS201;No)、そのままステップS203に移行する。
その後、貸出処理部18bは、鍵使用操作を受け付けたか否かを判定し(ステップS203)、鍵使用操作を受け付けたならば(ステップS203;Yes)、鍵使用操作により指定されたホルダー14に対応するホルダー収納部13について使用権限「有」が設定されているか否かを判定する(ステップS204)。
その結果、ホルダー収納部13について使用権限「有」に設定されている場合には(ステップS204;Yes)、貸出処理部18bは、指定されたホルダー14のロックを解除する(ステップS205)。
その後、ホルダー14の取り出しを検知したならば、貸出処理部18bは、その時点の日時を貸出日時とし、貸出日時にカードIDとホルダー収納部13の識別情報を対応付けて鍵貸出履歴データ17bを更新する(ステップS206)。なお、ホルダー14のロック解除後、ホルダー14が取り出されずに所定時間が経過した場合には、ホルダー14をロックし、鍵貸出履歴データ17bの更新は行わない。
上記のステップS203において、鍵使用操作を受け付けていない場合(ステップS202;No)、又は、使用権限「無」に設定されている場合には(ステップS204;No)、貸出処理部18bは、ホルダー14の返却を検知したか否か判定する(ステップS207)。
そして、ホルダー14の返却を検知したならば(ステップS207;Yes)、貸出処理部18bは、ホルダー収納部13をロックする(ステップS208)。その後、その時点の日時を返却日時とし、返却日時にカードIDとホルダー収納部13の識別情報を対応付けて鍵貸出履歴データ17bを更新して(ステップS209)、処理を終了する。なお、ホルダー14の返却を検知していない場合には(ステップS207;No)、貸出処理部18bはそのまま鍵脱着処理を終了する。
なお、ここでは説明の便宜上、操作員が予定の時間を超えて鍵を長時間使用した場合の長時間使用理由の入力についての説明を省略したが、操作員が所定の時間を超えて鍵を長時間使用した場合に、所定の操作を行うことで、長時間使用理由を入力することができる。
次に、ホルダーランプ131の点灯制御手順について説明する。図15は、ホルダーランプ131の点灯制御手順を示すフローチャートである。なお、このホルダーランプ131の点灯制御手順は定期的に実行されることになる。
図15に示すように、まず、所定のホルダー収納部番号について以下の処理を行う。具体的には、鍵貸出履歴データ17bを参照してホルダーの使用時間を取得するとともに(ステップS301)、鍵管理マスタ17aを参照してホルダーの貸出時間上限を取得する(ステップS302)。そして、使用時間が貸出時間上限を超えているか否かを判定し(ステップS303)、使用時間が貸出時間上限を超えていない場合には(ステップS303;No)、長時間使用フラグに「0」をセットし(ステップS304)、ステップS308に移行する。
これに対して、使用時間が貸出時間上限を超えている場合には(ステップS303;Yes)、長時間使用フラグに「1」をセットし(ステップS305)、前回使用時間が貸出時間上限を超えた場合と貸出日時が同一であるか否かを判定する(ステップS306)。その結果、前回使用時間が貸出時間上限を超えた場合と貸出日時が同一でない場合には(ステップS306;No)、長時間使用回数カウンタ17dをインクリメントする(ステップS307)。
そして、長時間使用回数カウンタ17dが2以上である場合には(ステップS308;Yes)、ホルダーランプ131を赤色点灯させ(ステップS309)、長時間使用回数カウンタ17dが1である場合には(ステップS308;No、ステップS310;Yes)、ホルダーランプ131をオレンジ色点灯させ(ステップS311)、長時間使用回数カウンタ17dが0である場合には(ステップS308;No、ステップS310;No)、ホルダーランプ131の赤色及びオレンジ色を消灯させる(ステップS312)。
その後、未処理のホルダー収納部番号が存在する場合には(ステップS313;Yes)、ステップS310に移行して同様の処理を繰り返し、全てのホルダー収納部番号についての処理を終えたならば(ステップS313;No)、処理を終了する。
なお、ここでは説明の便宜上、ホルダーランプ131の点灯制御について説明したが、表示操作部11に表示する場合には、長時間使用履歴データ17c及び長時間使用回数カウンタ17dを参照して長時間使用に関する表示を行うことができる。
このように、長時間使用の回数がホルダーランプ131の点灯色で判明するため、鍵管理装置の扉10aを開けるだけで、長時間使用の回数を簡単に確認することが可能となる。また、色に加えて点灯パターンを変えることにより、視覚確認を容易にすることが可能となる。
また、ホルダー14を借り出して鍵を長時間使用した場合に、長時間使用の理由を入力させることにより、どのような作業を行う場合に長時間使用が発生するか、いずれの操作員が鍵を長時間保有しているかを容易に確認することができる。長時間使用履歴データ17cを表示する場合には、長時間使用の理由の有無を区別可能にすることもできる。また、ボタンを操作された際に、長時間使用の理由のないものを表示するようにしてもよい。また、長時間使用履歴データ17cの表示を実行者カードID毎にまとめて出力をすることにより、人的な鍵の使用傾向を把握することができる。
上述してきたように、本実施例によれば、どの鍵が長時間使用されたかを迅速に確認することが可能となる。本実施例によれば、鍵管理装置10のホルダーランプ131及び待機画面におけるアラート表示など目に入りやすい箇所で報知が行われるため、長時間使用の履歴の存在を容易に確認することができる。また、図11に示すレシートに印字された精査印字において長時間使用を示すマーク(実施例では「?」)をチェック時に意識して探すことができる。また、日中の任意のタイミングや精査印字前にホルダー14の長時間使用の有無がホルダーランプ131で容易に確認できるため、印字結果を確認する際の抜け漏れを防ぐことができる。
なお、本実施例では、鍵がリングにより繋がれたホルダー14をホルダー収納部13に収納する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、鍵そのものを収納部に収納する場合に適用することもできる。
また、本実施例では、長時間使用目的が入力されているか否かを問わず、ホルダーランプ131を点灯させることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、事前に長時間使用目的が入力されている場合に、ホルダーランプ131を点灯させないように制御することもできる。これにより、正当な理由がある場合を除外することが可能となる。
また、上記の一連の説明では、鍵管理装置10が長時間使用の有無を判定してホルダーランプ131の点灯制御を行う場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、管理サーバ20が、長時間使用の有無を判定し、鍵管理装置10に対してホルダーランプ131の点灯指示を行うよう構成することもできる。
また、上記の実施例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。