JP2016102190A - 共重合体、その製造方法、その導電性ポリマー水溶液、及びその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】高導電性を有する新規な水溶性の共重合体、その水溶液、及びその用途の提供。【解決手段】式(M1)で表される繰り返し単位(「チオフェンモノマー」という)、及び式(M2)、(M3)、及び(M4)から選ばれる少なくとも一つの繰り返し単位(「コモノマー」という)を含んでなり、チオフェンモノマー及びコモノマーは自己ドープされていてもよく、且つチオフェンモノマー/コモノマー(モル/モル)の比が3〜9999である共重合体。【選択図】なし
Description
本発明は、新規なポリチオフェン構造を有する共重合体、その製造方法、その導電性ポリマー水溶液、及び、その用途に関する。
また、本発明は、高分子基材への塗布性と導電性の付与を改善するためになされたものであり、高い導電性を有する特定の自己ドープ型導電性高分子と特定の界面活性剤等を含む新規な導電性組成物の水溶液、及びそれらを乾燥させて得られる導電性高分子膜、並びにその被覆物品に関する。
水溶性導電性高分子は、電子線リソグラフィーによる半導体の回路パターン形成時に使用されるレジストの帯電防止膜形成材料及びコンデンサの固体電解質等への応用が検討されている。これまでに水溶性導電性高分子として、ポリチオフェンアルカンスルホン酸(特許文献1)、ポリイソチアナフテンスルホン酸(特許文献2)、直鎖のアルキレンスルホン酸基が置換したポリ(4−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメトキシ)−1−ブタンスルホン酸)(PEDT−S)、分岐のアルキレンスルホン酸が置換したポリチオフェン等が報告されている(例えば、特許文献3及び4、非特許文献1及び2参照)。
また、自己ドープ型導電性高分子として、本願出願人の出願(特許文献5)等が知られている。
Chemisty Materials,21,1815−1821(2009)
Advanced Materials,Vol.23(38),4403−4408(2011)
背景技術に記載した固体電解コンデンサの用途においては、ポリスチレンスルホン酸(=PSS)等の水溶性高分子ドーパントの存在下に、3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を重合させた導電性ポリチオフェンでPEDOT:PSSの適用が検討されている。しかし、当該PEDOT:PSSは、高導電性を示すものの、粒子径が数十nm〜数百nmの分散溶液であるため、誘電体である酸化アルミナ及び酸化タンタル等の当該粒子径より小さい細孔に十分浸透することができず、その結果、静電容量、等価直列抵抗等の点で十分な性能が発揮されないという課題があった。
また、上述したPEDT−Sについても、特に、アンモニウム塩のような中性塩状態での導電率が最大で80S/cm程度を示すが、近年の半導体の高集積化に伴う微細なパターン形成の要求性能を満たすには、更なる高い導電性が求められるという課題があった。
また、導電性高分子材料については、樹脂基板上に成膜する為に、通常、水溶性樹脂や界面活性剤等を配合する必要があるが、配合量の増加に伴って成膜後の導電性が低下する傾向がある。このため、従来公知の導電性高分子よりも導電性に優れるものが求められている。
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、数十nm〜数百nm以下の細孔に十分浸透し、尚且つ優れた高導電性を示す、新規な水溶性の共重合体及びその水溶液を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の分岐構造のアルキレンスペーサーを有する水溶性のチオフェン化合物から誘導される繰り返し単位と特定のコモノマーから誘導される繰り返し単位との共重合体が高導電性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは、弾きが発生して塗布が困難な高分子基材への塗布性を改善する新規な、顕著に高い導電性を示す導電性高分子水溶液を提供することを見いだした。
すなわち、本発明は以下に示すとおりチオフェン化合物から誘導される繰り返し単位とコモノマーから誘導される繰り返し単位を含む共重合体及びその共重合体を含む導電性ポリマー水溶液、並びに、その導電性ポリマー水溶液を乾燥して得られる導電性被膜及び当該被膜の用途に関するものである。
より詳細には、本願発明は、下記一般式(M1)で表される繰り返し単位(「チオフェンモノマー」という)、及び下記一般式(M2)、(M3)、及び(M4)から選ばれる少なくとも一つの繰り返し単位(「コモノマー」という)を含んでなり、チオフェンモノマー及びコモノマーは自己ドープされていてもよく、且つチオフェンモノマー/コモノマー(モル/モル)の比が3〜9999であることを特徴とする共重合体、その製造方法、及びその用途(導電性ポリマー水溶液、導電性被膜、当該導電性被膜の用途等)を提供することを目的とする。
(式中、Rは、繰返し単位ごとに同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜6の鎖状、分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。Mは、繰返し単位ごとに異なっていてもよく、水素イオン、Liイオン、Naイオン及びKイオンからなる群より選ばれるアルカリ金属イオン、又はアミン化合物の共役酸を表す。)
本発明によるポリチオフェン構造を有する共重合体は、従来の水溶性導電性高分子と比較して、より高い導電性・水溶性、及びより優れた細孔浸透性を有する。このため、電子線リソグラフィーによる半導体の回路パターン形成時に使用されるレジストの帯電防止膜形成材料としての使用や、不織布や紙等に被覆することによって、例えば、帯電防止機能を有するフィルムやコンデンサの固体電解質としての使用が可能であり、産業上極めて有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本願の共重合体は、下記一般式(M1)で表される繰り返し単位(「チオフェンモノマー」という)、及び下記一般式(M2)、(M3)、及び(M4)から選ばれる少なくとも一つの繰り返し単位(「コモノマー」という)を含んでなり、チオフェンモノマー及びコモノマーは自己ドープされていてもよく、且つチオフェンモノマー/コモノマー(モル/モル)の比が3〜9999であるものである。
(式中、Rは、繰返し単位ごとに同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜6の鎖状、分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。Mは、繰返し単位ごとに異なっていてもよく、水素イオン、Liイオン、Naイオン及びKイオンからなる群より選ばれるアルカリ金属イオン、又はアミン化合物の共役酸を表す。)
上記式(M1)中、Rは炭素数1〜6の鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。炭素数1〜6の鎖状若しくは分岐状アルキル基としては、特に限定するものではないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。
上記式(M1)中、Rは炭素数1〜6の鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。炭素数1〜6の鎖状若しくは分岐状アルキル基としては、特に限定するものではないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。
上記式(M1)中、Mは水素イオン、Liイオン、Naイオン及びKイオンからなる群より選ばれるアルカリ金属イオン、又はアミン化合物の共役酸を表す。
前記アミン化合物の共役酸は、アミン化合物にプロトンが付加したカチオン化合物を表す。当該アミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等(以上、一般式N(R1)(R2)(R3)で表されるアミン化合物)のsp3混成軌道を有する化合物、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジンピリジン(以上、ピリジン類)、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール(以上、イミダゾール類)等のsp2混成軌道を有するアミン化合物等が挙げられる。
なお、当該R1〜R3は、各々独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい総炭素数1〜40のアルキル基を表わす。このうち、R1〜R3は、各々独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい総炭素数1〜20のアルキル基であることがより好ましく、各々独立して、水素原子、又は直鎖若しくは分岐の炭素数1〜6のアルキル基であることがさらに好ましい。
ここで、置換基を有していてもよい総炭素数1〜40のアルキル基、又は置換基を有していてもよい総炭素数1〜20のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基メトキシメチル基、エトキシメチル基、ヒドロキシエトキシエチル基、ヒドロキシエトキシエトキシエチル基、ベンジル基、フェネチル基、アミノエチル基等が挙げられる。
このうち、置換基R1〜R3としては、上記置換基Rと同じものを例示することができ、より好ましくは水素原子、又はメチル基が挙げられる。また、R1〜R3が置換基を有するアルキル基である場合の当該置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基、炭素数1〜20のアリール基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基等が挙げることができ、より好ましくは、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基等のヒドロキシ基を有するアルキル基が挙げられる。
又、前記のイミダゾール類としては、総炭素数3〜20のイミダゾール化合物が好ましく、特に限定するものではないが、例えば、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール等が挙げられる。前記のピリジン類としては、総炭素数3〜20のピリジン化合物が好ましく、特に限定するものではないが、例えば、ピリジン、ピコリン、ルチジン等を挙げることができる。これらのうち、より好ましくは、イミダゾールである。
本願の共重合体は、チオフェンモノマー/コモノマー(モル/モル)の比が3〜9999である。チオフェンモノマー/コモノマー(モル/モル)の比が3より小さい場合は、共重合体は水溶性が低下し、本願特有の発明の効果を奏することができない為、避けなければならない。また、チオフェンモノマー/コモノマー(モル/モル)の比が9999より大きい場合は、十分に高い誘電率が得られず、本願特有の発明の効果を奏することができない為、避けなければならない。
なお、共重合体の水溶性と誘電率の観点から、チオフェンモノマー/コモノマー(モル/モル)の比は3〜999であることがより好ましく、4〜99であることがさらに好ましい。
本願の共重合体は、下記式(1)で表されるチオフェン化合物と下記式(2)、(3)及び(4)から選ばれる少なくとも一種のチオフェン化合物との共重合体である。本願の共重合体は、更に具体的には、上記式(1)で表されるチオフェン化合物の側鎖のスルホ基又はスルホナート基がp型ドーパントとして作用した自己ドープ型の導電性コポリマーであり、例えば、下記一般式(5)のように表すことができる。
(式中、R、Mは上記式(M1)と同義を示す。又、Zは、上記式(M2)、(M3)又は(M4)に示したコモノマーの置換基部分を表す。m、nはm+n=100及び3≦m/n≦9999を満たす実数である。)
上記式(5)において、上記式(C)は、夫々、下記式(2)、(3)及び(4)から選ばれる少なくとも一つのチオフェン化合物に由来するものであり、上記式(D)は、側鎖のスルホ基又はスルホナート基により上記式(C)が酸化された状態を表す。また、上記式(A)は、下記式(1)で表されるチオフェン化合物に由来するものであり、上記式(B)は上記式(A)の酸化状態を表す。
上記式(5)において、上記式(C)は、夫々、下記式(2)、(3)及び(4)から選ばれる少なくとも一つのチオフェン化合物に由来するものであり、上記式(D)は、側鎖のスルホ基又はスルホナート基により上記式(C)が酸化された状態を表す。また、上記式(A)は、下記式(1)で表されるチオフェン化合物に由来するものであり、上記式(B)は上記式(A)の酸化状態を表す。
すなわち、上記式(5)において、上記(A)又は(B)で表される繰り返し単位と、(C)又は(D)で表される繰り返し単位とを含む共重合体を表し、必ずしもその単位を連続して含む共重合体に限定されず、所望の導電性を有する限りにおいては、ランダム共重合体のようにπ共役系主鎖に不連続に繰り返し単位を含む共重合体であってもよい。
本願の共重合体は、下記一般式(1)で表されるチオフェン化合物と上記式(2)、(3)及び(4)から選ばれる少なくとも一種のチオフェン化合物を、水又はアルコール溶媒中、酸化剤の存在下に重合させることによって製造することができる。
[上記式(1)中、Rは一般式(M1)のRと同義。]
また、本願発明の共重合体は、上記一般式(1)で表されるチオフェン化合物と、上記式(2)又は(3)から選ばれる少なくとも一種のチオフェン化合物に、更に上記式(4)で表されるチオフェン化合物を加えて重合させて製造することもできる。
また、本願発明の共重合体は、上記一般式(1)で表されるチオフェン化合物と、上記式(2)又は(3)から選ばれる少なくとも一種のチオフェン化合物に、更に上記式(4)で表されるチオフェン化合物を加えて重合させて製造することもできる。
また、本発明の共重合体において、上記式(1)、(2)、(3)、及び(4)で表されるチオフェン化合物の比率は特に限定されないが、上記式(1)で表されるチオフェン化合物の量が、上記式(1)〜(4)で表されるチオフェン化合物の総和量に対して、0.01mol%以上25mol%以下であることが好ましい。
上記式(1)で表されるチオフェン化合物の量が0.01mol%未満の場合、その導電率は上記式(1)で表されるチオフェン化合物のみから合成されるホモポリマーのものと比較して大差なく、また、25mol%を超える場合、得られる共重合体は水に対して難溶解性となる。
本発明の共重合体の重量平均分子量は、特に限定するものではないが、ポリスチレンスルホン酸換算で通常1千〜100万の範囲であり、水溶性導電性ポリマー用途として好ましくは1千〜20万の範囲である。ポリマーから未反応のモノマーや低分子不純物及び無機塩を除去する観点から、より好ましくは1.5千〜10万の範囲である。
本発明の共重合体は、上記式(1)で表されるチオフェン化合物と、上記式(2)、(3)、及び(4)から選ばれる少なくとも一種のチオフェン化合物とを、水又はアルコール溶媒中、酸化剤の存在下に重合させることにより製造できる。
なお、上記式(1)で表されるチオフェン化合物と上記式(2)〜(4)で表されるチオフェン化合物は、特に限定されないが、[上記式(1)で表されるチオフェン化合物の量/上記式(2)〜(4)で表されるチオフェン化合物の総量]=3〜9999(モル比)の割合で重合させることが、共重合体の導電率及び水溶性の観点から好ましい。
上記式(1)で表されるチオフェン化合物としては、具体的に、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−エチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロピル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ペンチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ヘキシル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソプロピル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソブチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソペンチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸カリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸アンモニウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸トリエチルアンモニウム等が挙げられる。
なお、上記式(1)に例示したチオフェン化合物は、公知の方法(例えば、引用文献4)に従い、チエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン−2−メタノールと分岐したスルトン化合物から容易に合成できる。
本重合反応に用いる溶媒は、水又はアルコール溶媒である。水としては、例えば、純水が挙げられ、蒸留水、イオン交換水でもよい。アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類が挙げられる。これらのアルコール溶媒は、単独でも使用しても、水と併用してもよい。これらの溶媒のうち、好ましくは水又はメタノールであり、より好ましくは水である。また、溶媒を脱気や窒素等の不活性ガスで置換していてもよい。
本重合反応に用いる溶媒量は、例えば、上記式(1)で表されるチオフェン化合物と、上記式(2)、(3)、及び(4)から選ばれる少なくとも一種のチオフェン化合物とが溶解する量であり、特に限定するものではないが、上記式(1)で表されるチオフェン化合物と上記式(2)〜(4)で表されるチオフェン化合物の総仕込量に対して0.1〜100重量倍の範囲が好ましく、1〜20重量倍の範囲がより好ましい。
本重合反応に用いる酸化剤は、酸化的脱水素化反応による酸化重合を進行させるものであり、特に限定するものではないが、例えば、過硫酸類、鉄塩(III)、過酸化水素、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、硫酸セリウム(IV)、酸素等が挙げられ、これらを単独で又は二種以上を混合して使用しても良い。
ここで、過硫酸類としては、具体的には、過硫酸、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等が例示される。
また、鉄塩(III)としては、具体的には、FeCl3、Fe2(SO4)3、過塩素酸鉄、パラ−トルエンスルホン酸鉄(III)等が例示される。これらは無水物を使用しても、水和物を使用してもよい。
また、過マンガン酸塩としては、具体的には、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸マグネシウム等が例示される。
また、重クロム酸塩としては、具体的には、重クロム酸アンモニウム、重クロム酸カリウム等が例示される。
これらの酸化剤のうち、FeCl3、Fe2(SO4)3、又は過硫酸塩と鉄塩(III)との併用系が特に好ましい。
本重合反応に用いる酸化剤の量としては、特に限定するものではないが、上記チオフェン化合物と上記コモノマーの仕込モル数に対して、0.5〜50倍モルである。より好ましくは、1〜20倍モルである。更に好ましくは、1〜10倍モルである。
本重合反応の圧力は、常圧、減圧、加圧のいずれであってもよい。
本重合反応の反応雰囲気は、大気中であっても、窒素やアルゴン等の不活性ガス中であってもよい。より好ましくは不活性ガス中である。
本重合反応の反応温度は、例えば、上記式(1)〜(4)で表されるチオフェン化合物を酸化重合できる温度であり、特に限定するものではないが、−10〜150℃の範囲が好ましく、5〜100℃の範囲が更に好ましい。
本重合反応の反応時間は、例えば、上記式(1)で表されるチオフェン化合物と、上記式(2)、(3)、及び(4)から選ばれる少なくとも一種のチオフェン化合物との酸化重合が十分進行する時間であり、特に限定するものではないが、0.5〜200時間の範囲が好ましく、0.5〜80時間の範囲が更に好ましい。
本重合反応の反応方法は、特に限定するものではないが、例えば、上記式(1)で表されるチオフェン化合物と、上記式(2)、(3)、及び(4)から選ばれる少なくとも一種のチオフェン化合物をあらかじめ水に溶解させ、これに酸化剤を一度に又はゆっくりと滴下してもよく、逆に酸化剤の固体又は水溶液に上記式(1)で表されるチオフェン化合物と、上記式(2)、(3)、及び(4)から選ばれる少なくとも一種のチオフェン化合物の水溶液を一度に又はゆっくりと滴下してもよい。また、2種以上の酸化剤を用いる場合には、各酸化剤を順次添加してもよい。
本重合反応で得られた本発明の共重合体の精製法としては、特に限定するものではないが、例えば、溶媒洗浄、再沈殿、遠心沈降、限外ろ過、透析、イオン交換樹脂処理等が挙げられる。それぞれ単独で行っても又は組み合わせても良い。
本発明の共重合体の典型的な単離精製方法は、例えば、以下のとおりである。
まず、重合反応後の水溶液をアセトン等の貧溶媒に添加し、共重合体を沈殿させた後、減圧ろ過で得た共重合体を当該貧溶媒でろ液が無色透明になるまで洗浄する。この共重合体に、水に不溶なFe塩が含まれている場合、一度水酸化ナトリウム水溶液中に添加し、水に溶解し、MがNaイオンであるNa塩型共重合体に変換することが好ましい。
次に、これをアルコール等の貧溶媒に添加して共重合体を沈殿させるとともに、アルカリ分を除去し、減圧濾過により得た固体をアルコール等の貧溶媒で洗浄する。次いでアセトン等の貧溶媒で洗浄し、Na塩型共重合体を得る。
得られたNa塩型共重合体を、引き続き、Mが水素イオンであるH型共重合体に変換する場合には、陽イオン交換樹脂で処理する。処理方法としては、例えば、得られたNa塩型共重合体の水溶液を陽イオン交換樹脂が充填されたカラムに通液させる方法や、陽イオン交換樹脂を水溶液に添加するボディーフィード法等が挙げられる。この場合、処理後にろ紙で陽イオン交換樹脂を除去することが好ましい。このようにして得られた水溶液を粗濃縮し、アセトン等の貧溶媒に添加して沈殿させ、減圧ろ過して得た固体を当該貧溶媒でよく洗い、減圧乾燥してH型共重合体が得られる。
更に、各種アンモニウム塩との塩を形成させる場合には、例えば、H塩型共重合体の水溶液に、各種アミン化合物又はアンモニウム塩の原液若しくはその水溶液又はその他適当な溶媒で希釈したものを加えることで容易にMがNH4 +であるアンモニウム塩型共重合体に変換することができる。例えば、アンモニア水で処理した場合には、反応液を粗濃縮し、その水溶液をアセトン等の貧溶媒に添加して共重合体を沈殿させた後、減圧濾過により得た固体を当該貧溶媒で洗浄し、減圧乾燥することでアンモニウム塩型共重合体が得られる。
重合後処理の各工程では必要に応じて、遠心沈降、ホモジナイズ処理を行ってもよい。これにより、ろ過効率の改善を図ることができる。更に、重合酸化剤として過硫酸塩を使用した場合には、無機塩の除去として限外ろ過や透析、陽・陰イオン交換樹脂混合処理を行う。
本発明の共重合体を含む導電性ポリマー水溶液にすることで、各種用途への成型加工が可能となる。
導電性ポリマー水溶液の調製方法は、特に限定するものではないが、室温や加温下(100℃以下が好ましい)で水と混合溶解させることで達成される。その際、スターラーチップや攪拌羽根による一般的な混合溶解操作を用いることもできるし、その他の方法として、超音波照射、ホモジナイズ処理(例えば、メカニカルホモジナイザー、超音波ホモジナイザ−、高圧ホモジナイザー等の使用)を行ってもよい。ホモジナイズ処理する場合には、ポリマーの熱劣化を防ぐため、冷温しながら行うことが好ましい。
導電性ポリマー水溶液中の、本発明の共重合体の濃度は、特に限定するものではないが、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下、粘性の観点からより好ましくは10重量%以下である。
本発明の共重合体を用いて導電性被膜を製造することができる。例えば、上記した導電性ポリマー水溶液を、基材に塗布・乾燥することで導電性被膜が簡単に得られる。基材としては、例えば、ガラス、プラスチック、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、レジスト基板等が挙げられる。塗布方法としては、例えば、キャスティング法、ディッピング法、バーコード法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、インクジェット印刷法等が挙げられる。膜厚としては特に限定するものではないが、10−2〜102μmの範囲が好ましい。得られる塗膜の表面抵抗値としては特に限定するものではないが、1〜1.0E+9Ω/□の範囲のものが好ましい。
なお、本発明において、各種用途への成型加工に十分な水溶性とは、室温又は加温下で調製した10重量%以下のポリマー水溶液において、粒度分布測定装置で測定した粒子径(D50)が5nm以下であり、且つ0.02μmのフィルターを通液する程度の水溶性をいう。
また、本発明において、良好な導電性とは、フィルム状態での導電率(電気伝導度)が50S/cm以上の導電性をいう。
本発明においてポリチオフェン(A)の導電率は、特に限定するものではないが、フィルム状態での導電率(電気伝導度)として、50S/cm以上であることが好ましい。
本発明において界面活性剤(B)としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤等が使用できるが、より好ましくは非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
非イオン界面活性剤としては特に限定するものではないが、例えば、ポリエチレングリコール型界面活性剤、アセチレングリコール型界面活性剤、多価アルコール型界面活性剤、高分子型非イオン界面活性剤等が挙げられる。
前記のポリエチレングリコール型界面活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、又はポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
アセチレングリコール型界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、サーフィノール(エアプロダクツ社製)、オルフィン(日信化学工業社製)等が挙げられる。
多価アルコール型界面活性剤としては、例えば、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、高アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。
高分子型非イオン界面活性剤としては、特に限定するものではないが、ポリビニルピロリドン及びポリビニルピロリドンの共重合体等が挙げられる。本発明に使用されるポリビニルピロリドンの平均分子量は1千〜200万であり、好ましくは1万〜150万である。ポリビニルピロリドンの共重合体としては、特に限定するものではないが、親水性部と疎水性部をポリマー鎖中に併せ持つものが好ましく、例えば、ポリビニルピロリドンをポリビニルアルコールにグラフトしたコポリマーや、[ビニルピロリドン−酢酸ビニル]ブロック共重合体、[ビニルピロリドン−メチルメタクリレート]共重合体、[ビニルピロリドン−ノルマルブチルメタクリレート]共重合体、[ビニルピロリドン−アクリルアミド]共重合体などが例示できる。
両性界面活性剤としては特に限定するものではないが、例えば、ベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。ベタイン型両性界面活性剤としては特に限定するものではないが、例えば、アルキルジメチルベタイン、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン等が挙げられる。
本発明において、高分子型界面活性剤以外の界面活性剤(B)は、水への溶解度が0.01重量%以上であり、且つHLBが7〜20の範囲である界面活性剤であることが好ましい。
ここで、界面活性剤(B)の水への溶解度は80℃以下での測定値であり、好ましくは10℃〜30℃での測定値である。また、グリフィン法HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)は界面活性剤の親水性を表す数値である。値が大きいほど親水性が大きいことを示し、次式で表される。
非イオン界面活性剤のグリフィン法HLB
=(親水基部分の分子量)/(界面活性剤の分子量)×100/5
=(親水基重量)/(疎水基重量+親水基重量)×100/5
=(親水基の重量%)/5。
=(親水基部分の分子量)/(界面活性剤の分子量)×100/5
=(親水基重量)/(疎水基重量+親水基重量)×100/5
=(親水基の重量%)/5。
例えば、親水基がないパラフィンではHLB=0、親水基のみで疎水基のないポリエチレングリコールはHLB=20となり、非イオン界面活性剤のHLBは0〜20の間にある。
界面活性剤(B)としてより好ましくは、アセチレングリコール型界面活性剤、又は高分子型界面活性剤である。
界面活性剤(B)の導電性高分子水溶液への添加方法は、固体で添加しても良く、あらかじめ水溶液として調整したものを添加しても良い。単独で使用しても、2種以上を混合してよい。
本発明の導電性高分子水溶液は、さらにアルコール類及び水溶性樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の水溶性化合物(C)を含んでもよい。
アルコールとしては、特に限定するものではないが、例えば、エタノール、2価のアルコール、3価のアルコール、及び糖アルコールからなる群より選択される少なくとも一種のアルコールが挙げられる。
2価アルコールとしては特に限定するものではないが、入手の観点から、エチレングリコールが好ましい。3価アルコールとしては、特に限定するものではないが、例えば、グリセロールが好ましい。糖アルコールとしては、特に限定するものではないが、例えば、エリトリトール、ソルビトール、アラビトール等が好ましい。より好ましくはソルビトールである。
また、水溶性樹脂としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリNビニルアセトアミド等が好ましい。
水溶性樹脂の分子量は、水溶性が良好であれば特に制限されないが、好ましくはMw=1千〜200万、より好ましくは1万〜150万、更に好ましくはMw=1千〜25万、更に好ましくは1千〜5万の範囲である。
本発明の導電性高分子水溶液が、水溶性化合物(C)を含む場合、ポリチオフェン(A)を0.1〜10重量%、界面活性剤(B)を0.001〜10重量%、及び水溶性化合物(C)を0.001〜10重量%含むことが好ましい。
本発明の導電性高分子水溶液を調製する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、本発明のポリチオフェン(A)の水溶液又は固体と、界面活性剤(B)と、必要に応じて水溶性化合物(C)と、必要に応じて水とを使用する。これらを任意の順で混合することにより本発明の導電性高分子水溶液を調製することができる。
ここで、混合する際の温度は、特に限定するものではないが、例えば、室温〜加温下で行うことができる。好ましくは0℃以上100℃以下が好ましい。
混合する際の雰囲気は、特に限定するものではないが、大気中でも、不活性ガス中でも良い。
本発明の導電性高分子水溶液のpHは10以下であることが好ましく、9以下であることがより好ましい。さらに、本発明の導電性高分子水溶液のpHは、1.5以上9.5以下の範囲が好ましく、1.5以上9以下の範囲内がより好ましい。ここで、pHを調整する手順としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリチオフェン(A)と界面活性剤(B)とを混合した後、アミン化合物(D)を添加することにより調整することができる。また、ポリチオフェン(A)、界面活性剤(B)及び水溶性化合物(C)を混合した後、アミン化合物(D)を添加することにより調整することができる。さらには、ポリチオフェン(A)の水溶液を予めアミン化合物(D)で中和した後に、界面活性剤(B)、必要に応じて水溶性化合物(C)を添加してもよい。
アミン系化合物(D)としては、特に限定するものではないが、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、ノルマル−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ノルマルブチルアミン、ターシャリーブチルアミン、ヘキシルアミン、アミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、メチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジアミン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、1、2−ジメチルイミダゾール、ピリジン、ピコリン、ルチジン等が挙げられる。添加する際には、ニートでも水溶液でも良い。
本発明の導電性高分子水溶液を混合する際には、スターラーチップ、攪拌羽根等による一般的な混合溶解操作に加えて、超音波照射、ホモジナイズ処理(例えば、メカニカルホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等の使用)を行ってもよい。ホモジナイズ処理する場合には、ポリマーの熱劣化を防ぐため、冷温しながら行うことが好ましい。
本発明の導電性高分子水溶液の濃度調整は、配合比で調整しても良いし、配合後に濃縮により調整しても良い。濃縮の方法は、減圧下に溶媒を留去する方法であっても、限外ろ過膜を利用する方法であっても良い。
本発明の導電性高分子水溶液の中のポリチオフェン(A)の濃度は0.001重量%以上であれば特に限定するものではないが、好ましくは0.01重量%〜10重量%の範囲である。
本発明の導電性高分子水溶液中の固形分の粒径は、特に限定するものではないが、小さいほど水溶性が良好であり、導電性や成膜時の均一な膜形成の観点からも望ましい。例えば、室温又は加温下で調製した導電性高分子水溶液の固形分濃度が10重量%以下の場合、固形分の粒子径(D50)が0.02μm以下であれば、水溶性がより良好となる。
本発明の導電性高分子水溶液の粘度(20℃)は、500mPa・s以下であれば特に限定されないが、好ましくは300mPa・s以下、さらに好ましくは100mPa・s以下である。
本発明の導電性高分子水溶液から導電性高分子膜を形成する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、本発明の導電性高分子水溶液を、支持体に塗布し乾燥することで支持体上に導電性高分子膜が簡便に得られる(以下、その支持体と導電性高分子膜を合わせて「被覆物品」と称する。)
支持体としては、本発明の導電性高分子水溶液が塗布可能なものであれば特に限定するものではないが、例えば、高分子基材又は無機基材が挙げられる。高分子基材としては、例えば、熱可塑性樹脂、不織布、紙、レジスト膜基板等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート等が挙げられる。不織布としては、例えば、天然繊維、合成繊維、又はガラス繊維製のいずれでもよい。紙としては一般的なセルロースを主成分とするものでよい。無機基材としては、ガラス、セラミックス、酸化アルミニウム、酸化タンタル等が挙げられる。
支持体としては、本発明の導電性高分子水溶液が塗布可能なものであれば特に限定するものではないが、例えば、高分子基材又は無機基材が挙げられる。高分子基材としては、例えば、熱可塑性樹脂、不織布、紙、レジスト膜基板等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート等が挙げられる。不織布としては、例えば、天然繊維、合成繊維、又はガラス繊維製のいずれでもよい。紙としては一般的なセルロースを主成分とするものでよい。無機基材としては、ガラス、セラミックス、酸化アルミニウム、酸化タンタル等が挙げられる。
導電性高分子水溶液の塗布方法としては、例えば、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ディスペンサ法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、スピンコート法、インクジェット法等が挙げられる。好ましくはスピンコート法である。
塗膜の乾燥温度は、均一な導電性高分子膜が得られる温度及び基材の耐熱温度以下であれば特に限定するものではないが、室温〜300℃の範囲であり、好ましくは室温〜250℃の範囲であり、さらに好ましくは室温〜200℃の範囲である。
乾燥雰囲気は大気中、不活性ガス中、真空中、又は減圧下のいずれであってもよい。高分子膜の劣化抑制の観点からは、窒素、アルゴン等の不活性ガス中が好ましい。
得られる導電性高分子膜の膜厚としては特に限定するものではないが、10−3〜102μmの範囲が好ましい。より好ましくは10−3〜10−1μmである。この導電性高分子膜の導電率としては特に限定するものではないが高い方が好ましい。また、得られる導電性高分子膜の表面抵抗値としては特に限定するものではないが、1.0E+11Ω/□以下が好ましく、より好ましくは1.0E+9Ω/□以下であり、さらに好ましくは1.0E+7Ω/□以下である。表面抵抗値を測定する際の印加電圧は特に限定されないが、10V又は500Vで測定する。
本発明の被覆物は、例えば、帯電防止フィルム、固体電解コンデンサ用の固体電解質、巻回型アルミ固体電解コンデンサ用のセパレータとして使用される。
以下に本発明のポリチオフェン及びチオフェンモノマーに関する実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定して解釈されるものではない。なお、本実施例で用いた分析機器及び測定方法を以下に列記する。
[GPC測定]
装置:東ソー社製,
カラム:TSKGel SuperAW5000+SuperAW3000+SuperAW2500+ガードカラムSuperAW−H
検出器:UV−8020。
[GPC測定]
装置:東ソー社製,
カラム:TSKGel SuperAW5000+SuperAW3000+SuperAW2500+ガードカラムSuperAW−H
検出器:UV−8020。
溶離液:0.2M燐酸緩衝液(pH=7)/CH3CN=9/1
流 速:0.5ml/min
検出器:UV(220nm)
注入量:100μl(約500ppm)
温 度:40℃
[表面抵抗率測定]
装置:三菱化学社製ロレスタGP MCP−T600。
[膜厚測定]
装置:BRUKER社製 DEKTAK XT。
[粒子径測定]
装置:日機装社製 Microtrac Nanotrac UPA−UT151。
流 速:0.5ml/min
検出器:UV(220nm)
注入量:100μl(約500ppm)
温 度:40℃
[表面抵抗率測定]
装置:三菱化学社製ロレスタGP MCP−T600。
[膜厚測定]
装置:BRUKER社製 DEKTAK XT。
[粒子径測定]
装置:日機装社製 Microtrac Nanotrac UPA−UT151。
[GC測定]
装置:Shimadzu製、GC−2014。
装置:Shimadzu製、GC−2014。
[NMR測定]
装置:VARIAN製、Gemini−200。
[粘度測定]
コンプリート型粘度計/BROOKFIELD VISCOMETER DV−1 Prime。
[導電率算定式]
導電率[S/cm]=104/(表面抵抗率[Ω/□]×膜厚[μm])
[自己ドープ型導電性高分子の導電率測定]
自己ドープ型導電性ポリマーを含む水溶液0.5mlを25mm角の無アルカリガラス板に塗布し、室温で一晩乾燥した後、ホットプレート上で120℃にて20分、さらに160℃にて10分加熱して導電性高分子膜を得た。膜厚及び表面抵抗値から、以下の式に基づき算出した。
装置:VARIAN製、Gemini−200。
[粘度測定]
コンプリート型粘度計/BROOKFIELD VISCOMETER DV−1 Prime。
[導電率算定式]
導電率[S/cm]=104/(表面抵抗率[Ω/□]×膜厚[μm])
[自己ドープ型導電性高分子の導電率測定]
自己ドープ型導電性ポリマーを含む水溶液0.5mlを25mm角の無アルカリガラス板に塗布し、室温で一晩乾燥した後、ホットプレート上で120℃にて20分、さらに160℃にて10分加熱して導電性高分子膜を得た。膜厚及び表面抵抗値から、以下の式に基づき算出した。
[塗布性&帯電防止評価]
(1)高分子基材(熱可塑性樹脂)への塗布性評価.
本発明の導電性高分子水溶液を各種基材にバーコーター又はスピンコーターを用いて成膜した後、表面抵抗値を測定した。表面抵抗値が安定していれば塗布性良好とし、さらに得られた導電性高分子膜の表面抵抗値が1.0E+9Ω/□以下であれば帯電防止能が良好と判断した。尚、バーコーターを使用する際には、PETフィルム(東レ社製ルミラーT60)にバーコーター(オーエスジーシステムプロダクト社製セレクトローラーOSP−22)を用いて一定速度で塗布した後、乾燥器で90℃3分乾燥して積層フィルムを得た。スピンコーターを使用する場合、導電性高分子水溶液をPETフィルム(東レ社製ルミラーT60/3.0cm角)全体に広がるようにキャストした後、スピンコート(MIKASA社製:MS−A150、条件:1000〜3000rpm×80秒→100℃×60秒乾燥)して成膜した。
(1)高分子基材(熱可塑性樹脂)への塗布性評価.
本発明の導電性高分子水溶液を各種基材にバーコーター又はスピンコーターを用いて成膜した後、表面抵抗値を測定した。表面抵抗値が安定していれば塗布性良好とし、さらに得られた導電性高分子膜の表面抵抗値が1.0E+9Ω/□以下であれば帯電防止能が良好と判断した。尚、バーコーターを使用する際には、PETフィルム(東レ社製ルミラーT60)にバーコーター(オーエスジーシステムプロダクト社製セレクトローラーOSP−22)を用いて一定速度で塗布した後、乾燥器で90℃3分乾燥して積層フィルムを得た。スピンコーターを使用する場合、導電性高分子水溶液をPETフィルム(東レ社製ルミラーT60/3.0cm角)全体に広がるようにキャストした後、スピンコート(MIKASA社製:MS−A150、条件:1000〜3000rpm×80秒→100℃×60秒乾燥)して成膜した。
(2)高分子基材(紙)への塗布性評価.
横1cm×縦4cmの中性紙を2秒間導電性高分子水溶液に浸漬した。その後、紙を垂直にしたまま引き上げて数秒保持した後、乾燥して状態を目視で観察した。塗布斑(濃淡)がない均一なものを塗布性が良好とし、斑のあるものを塗布性が不良とした。
横1cm×縦4cmの中性紙を2秒間導電性高分子水溶液に浸漬した。その後、紙を垂直にしたまま引き上げて数秒保持した後、乾燥して状態を目視で観察した。塗布斑(濃淡)がない均一なものを塗布性が良好とし、斑のあるものを塗布性が不良とした。
実施例1 下式(6)で表される水溶性導電性高分子(H型ポリマーA1)の合成.
メカニカルスターラーを装着した100ml丸底フラスコに、窒素雰囲気下、3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、EDOTと略す)0.159g(1.05mmol)、水 100gを攪拌しながら加えた。EDOTが溶解したことを確認後、攪拌しながら3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 5.0g(15.1mmol)を加え、反応液が均一になるまで攪拌した。
次に、室温下、無水塩化鉄(III)1.49g(9.2mmol)を加えて20分攪拌し、引続き、過硫酸ナトリウム7.21g(30.2mmol)と25gからなる混合溶液を反応液温度が30℃以下を保持しながら滴下した。滴下終了後3時間攪拌したのち、反応液を400gのアセトンに滴下させて黒色のポリマーを得た。ポリマーを濾過・真空乾燥することで、9.08gのNa型の粗ポリマーを得た。
更に、Na型の粗ポリマー9.0gは、水を加えて780gとした後、日本精機製US−300T超音波ホモジナイザーを用いて均一溶液とした。得られた均一溶液を、陽イオン交換樹脂Lewatit MonoPlus S100(H型)150mlを充填したカラムに通液(空間速度=1.1)することによりH型に変換し、更にクロスフロー式限外ろ過(ろ過器=ビバフロー200,分画分子量=10,000、透過倍率=15)により精製することによりH型ポリマーA1を0.3重量%含む1.0kgの濃青色水溶液を得た。
上記H型ポリマーA1の水溶液を無アルカリガラス板(25mm×75mm)にキャスト後、120℃、30分アニール処理して膜を作製した。得られた膜の表面抵抗、膜厚及び導電率は、夫々41Ω/□、1.5μm、162S/cmであった。
実施例2 M=NH4 +であるポリマーA2の合成.
実施例1で得られたH型ポリマーA1を含む水溶液 333gを100gまで減圧濃縮した後、得られた濃縮液に5mlのアンモニア水を加えて一晩攪拌した。次に、反応液を50gまで濃縮後、500mlのアセトンに再沈し、ろ過・乾燥することにより対応するポリマーAのアンモニウム塩を黒色粉末として1.26g得た。
実施例1で得られたH型ポリマーA1を含む水溶液 333gを100gまで減圧濃縮した後、得られた濃縮液に5mlのアンモニア水を加えて一晩攪拌した。次に、反応液を50gまで濃縮後、500mlのアセトンに再沈し、ろ過・乾燥することにより対応するポリマーAのアンモニウム塩を黒色粉末として1.26g得た。
得られたアンモニウム塩 400mgが入った30mlサンプル瓶に水を加えて20gとした。次に、超音波ホモジナイザーを用いて均一化し、2重量%のアンモニウム型のポリマーA2を含む水溶液を合成した。
2重量%のアンモニウム型ポリマーA2を含む水溶液について、0.5重量%水溶液に調製後、無アルカリガラス板(25mm角)にキャストして膜を作製した。得られた膜の表面抵抗、膜厚及び導電率は、夫々51Ω/□、1.7μm、131S/cmであった。
実施例3 M=HC3H4N2 +(1H−イミダゾール−3−カチオン)であるポリマーA3の合成
実施例1で得られたH型ポリマーA1を0.3重量%含む水溶液に、室温下、水溶液を撹拌しながら、pHが7になるまでイミダゾールを添加した。得られた水溶液を用いて、実施例1記載の方法で膜を作製し、得られた膜の導電率を測定したところ、150S/cmであった。
実施例3 M=HC3H4N2 +(1H−イミダゾール−3−カチオン)であるポリマーA3の合成
実施例1で得られたH型ポリマーA1を0.3重量%含む水溶液に、室温下、水溶液を撹拌しながら、pHが7になるまでイミダゾールを添加した。得られた水溶液を用いて、実施例1記載の方法で膜を作製し、得られた膜の導電率を測定したところ、150S/cmであった。
実施例4 下式(7)で表される水溶性導電性高分子(H型ポリマーB)の合成.
EDOTを0.068g(0.049mmol)に変更して、実施例1と同様な操作を行うことにより、H型ポリマーBを0.80重量%含む濃青色水溶液を444.0g合成した。
H型ポリマーBを0.80重量%含む水溶液を無アルカリガラス板(25mm×75mm)にキャスト後、120℃、30分アニール処理して膜を作製した。得られた膜の表面抵抗、膜厚及び導電率は、夫々15Ω/□、4.4μm、151S/cmであった。
実施例5 M=NH4 +であるポリマーBの合成.
実施例4で得られたH型ポリマーBを0.80重量%含む水溶液125gを50gまで減圧濃縮した後(固形分濃度=2重量%)、得られた濃縮液に5mlのアンモニア水を加えて一晩攪拌した。次に、水を30g添加し攪拌した後、再度、全量が34gになるまで濃縮した。得られた濃縮液を350mlに再沈し、ろ過・乾燥することにより対応するポリマーBのアンモニウム塩を黒色粉末として1.19g合成した。
実施例4で得られたH型ポリマーBを0.80重量%含む水溶液125gを50gまで減圧濃縮した後(固形分濃度=2重量%)、得られた濃縮液に5mlのアンモニア水を加えて一晩攪拌した。次に、水を30g添加し攪拌した後、再度、全量が34gになるまで濃縮した。得られた濃縮液を350mlに再沈し、ろ過・乾燥することにより対応するポリマーBのアンモニウム塩を黒色粉末として1.19g合成した。
得られたアンモニウム塩400mgが入った30mlサンプル瓶に水を加えて20gとした。次に、超音波ホモジナイザーを用いて均一化し、2重量%のアンモニウム型のポリマーBを含む水溶液を合成した。
2重量%のアンモニウム型のポリマーBを含む水溶液を0.5重量%水溶液に調製後、無アルカリガラス板(25mm角)にキャストし、120℃、30分アニール処理して膜を作製した。得られた膜の表面抵抗、膜厚及び導電率は、夫々36Ω/□、2.2μm、126S/cmであった。
実施例6 下式(8)で表される水溶性導電性高分子(H型ポリマーC)の合成.
メカニカルスターラーを装着した100ml丸底フラスコに、窒素雰囲気下、ヒドロキシメチル−3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、HMEDOTと略す)0.267g(1.56mmol)、水 100gを攪拌しながら加えた。HMEDOTが溶解したことを確認後、攪拌しながら3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 3.0g(9.09mmol)を加え、反応液が均一になるまで攪拌した。
次に、室温下、無水塩化鉄(III)0.88(5.4mmol)を加えて20分攪拌し、引続き、過硫酸ナトリウム4.32g(18.1mmol)と15gからなる混合溶液を反応液温度が30℃以下を保持しながら滴下した。滴下終了後3時間攪拌したのち、反応液を240gのアセトンに滴下させて黒色のポリマーを得た。ポリマーを濾過・真空乾燥することで、5.93のNa型の粗ポリマーを得た。
更に、Na型の粗ポリマー5.9gに水を加えて500gとした後、日本精機製US−300T超音波ホモジナイザーを用いて均一溶液とした。得られた均一溶液を、陽イオン交換樹脂Imberlite 120(H型)150mlを充填したカラムに通液(空間速度=1.1)することによりH型に変換し、更にクロスフロー式限外ろ過(ろ過器=ビバフロー200,分画分子量=10,000、透過倍率=15)により精製することによりH型ポリマーCを0.69重量%含む311gの濃青色水溶液を得た。
H型ポリマーCを0.69重量%含む水溶液を無アルカリガラス板(25mm×75mm)にキャスト後、120℃、30分アニール処理して製膜した。得られた膜の表面抵抗、膜厚及び導電率は、夫々20Ω/□、4.0μm、125S/cmであった。
実施例7 M=NH4 +であるポリマーCの合成
実施例6で得られたH型ポリマーCを0.69重量%含む水溶液 147gを100gまで減圧濃縮した後、得られた濃縮液に5mlのアンモニア水を加えて一晩攪拌した。次に、反応液を50gまで濃縮後、500mlのアセトンに再沈し、ろ過・乾燥することにより対応するポリマーCのアンモニウム塩を黒色粉末として1.26g得た。
実施例6で得られたH型ポリマーCを0.69重量%含む水溶液 147gを100gまで減圧濃縮した後、得られた濃縮液に5mlのアンモニア水を加えて一晩攪拌した。次に、反応液を50gまで濃縮後、500mlのアセトンに再沈し、ろ過・乾燥することにより対応するポリマーCのアンモニウム塩を黒色粉末として1.26g得た。
得られたアンモニウム塩 400mgが入った30mlサンプル瓶に水を加えて20gとした。次に、超音波ホモジナイザーを用いて均一化し、2重量%のアンモニウム型のポリマーCを含む水溶液を合成した。
2重量%のアンモニウム型のポリマーCを含む水溶液を0.5重量%水溶液に調製後、無アルカリガラス板(25mm角)にキャストし、120℃、30分アニール処理して膜を作製した。得られた膜の表面抵抗、膜厚及び導電率は、夫々48Ω/□、2.0μm、104S/cmであった。
実施例8 下式(9)で表される水溶性導電性高分子(H型ポリマーD)の合成.
メカニカルスターラーを装着した100ml丸底フラスコに、窒素雰囲気下、HMEDOT 0.249g(1.45mmol)、ヒドロキシ−3,4−プロピレンオキシチオフェン 0.018g(0.10mmol)及び水100gを攪拌しながら加えた。HMEDOT及びヒドロキシ−3,4−プロピレンオキシチオフェンが溶解したことを確認後、攪拌しながら3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 3.0g(9.09mmol)を加え、反応液が均一になるまで攪拌した。
その後、実施例6と同様な重合反応及び精製操作を行い、H型ポリマーDを0.55重量%含む354gの濃青色水溶液を得た。
H型ポリマーDを0.55重量%含む水溶液を無アルカリガラス板(25mm×75mm)にキャスト後、120℃、30分アニール処理して製膜した。得られた膜の表面抵抗、膜厚及び導電率は、夫々41Ω/□、1.8μm、135S/cmであった。
実施例9 M=NH4 +であるポリマーDの合成.
実施例8で得られたH型ポリマーDを0.55重量%含む水溶液を用いて、実施例7の同様の操作を行いに2重量%のアンモニウム型のポリマーDを含む水溶液を合成した。2重量%のアンモニウム型のポリマーDを含む水溶液を0.5重量%水溶液に調製後、無アルカリガラス板(25mm角)にキャストし、120℃、30分アニール処理して膜を作製した。得られた膜の表面抵抗、膜厚及び導電率は、夫々38Ω/□、2.3μm、114S/cmであった。
実施例8で得られたH型ポリマーDを0.55重量%含む水溶液を用いて、実施例7の同様の操作を行いに2重量%のアンモニウム型のポリマーDを含む水溶液を合成した。2重量%のアンモニウム型のポリマーDを含む水溶液を0.5重量%水溶液に調製後、無アルカリガラス板(25mm角)にキャストし、120℃、30分アニール処理して膜を作製した。得られた膜の表面抵抗、膜厚及び導電率は、夫々38Ω/□、2.3μm、114S/cmであった。
実施例10.M=HOCH2CH2NMe3H+であるポリマーA3の合成.
実施例1で得られたH型ポリマーA1を0.3重量%含む水溶液 340gを127.5gまで濃縮することにより0.8重量%のH型ポリマーA1水溶液を127.5g得た。その内、72.5gを用いて、攪拌下、50重量%のN,N−ジメチルエタノール水溶液を、水溶液がpH=7.0になるまで加え、ポリマーA3のN,N−ジメチルエタノール塩水溶液を得た。
実施例1で得られたH型ポリマーA1を0.3重量%含む水溶液 340gを127.5gまで濃縮することにより0.8重量%のH型ポリマーA1水溶液を127.5g得た。その内、72.5gを用いて、攪拌下、50重量%のN,N−ジメチルエタノール水溶液を、水溶液がpH=7.0になるまで加え、ポリマーA3のN,N−ジメチルエタノール塩水溶液を得た。
得られたポリマーA3のN,N−ジメチルエタノール塩水溶液について、0.5重量%水溶液に調製後、無アルカリガラス板(25mm角)にキャストし、120℃、30分アニール処理して膜を作製した。得られた膜の表面抵抗、膜厚及び導電率は、夫々53Ω/□、1.4μm、146S/cmであった。
実施例11.
実施例1で得られた共重合体の水に対する溶解性を検討するため、共重合体を2重量%含む水溶液 4mlを日本インデグリシス社製のディスポーザブルフィルター(除粒子径=0.02μm)を装着したシリンジに充填し、フィルター通過が可能かを検討した。その結果、ろ過液の透過液は濃青色を呈していたことから、フィルター通過が可能であることを確認し、共重合体の粒径は20nm以下であることがわかった。又、粒径測定を行ったところ、粒子径(D50)は、1nmであった。
実施例1で得られた共重合体の水に対する溶解性を検討するため、共重合体を2重量%含む水溶液 4mlを日本インデグリシス社製のディスポーザブルフィルター(除粒子径=0.02μm)を装着したシリンジに充填し、フィルター通過が可能かを検討した。その結果、ろ過液の透過液は濃青色を呈していたことから、フィルター通過が可能であることを確認し、共重合体の粒径は20nm以下であることがわかった。又、粒径測定を行ったところ、粒子径(D50)は、1nmであった。
比較例3
PEDOT:PSS(黒色の水分散性)について、実施例11と同様に、フィルター通過試験を行った。得られたろ液は無色透明であったことから、PEDOT:PSSはフィルター通過できず、PEDOTの粒径は20nm以上であることがわかった。
PEDOT:PSS(黒色の水分散性)について、実施例11と同様に、フィルター通過試験を行った。得られたろ液は無色透明であったことから、PEDOT:PSSはフィルター通過できず、PEDOTの粒径は20nm以上であることがわかった。
実施例12.
実施例2〜10で得られた共重合体の2重量%水溶液と調製後、粒子径測定及び実施例9と同様のろ過検討をおこなった。その結果、D50は全て1nmであり、又、いずれも20nmフィルターを透過できることを確認した。
実施例2〜10で得られた共重合体の2重量%水溶液と調製後、粒子径測定及び実施例9と同様のろ過検討をおこなった。その結果、D50は全て1nmであり、又、いずれも20nmフィルターを透過できることを確認した。
実施例13 M=HC3H4N2 +(1H−イミダゾール−3−カチオン)であるポリマーA4の合成.
実施例1で得られたH型ポリマーA1を0.3重量%含む水溶液を2.0%まで減圧濃縮した後、得られた濃縮液95.8g(pH1.9)に50%のイミダゾール水溶液を(計2.41g)を少しずつ加えてpH7.8に調整し、2.0重量%のイミダゾール型のポリマーA4を含む水溶液を合成した。
実施例1で得られたH型ポリマーA1を0.3重量%含む水溶液を2.0%まで減圧濃縮した後、得られた濃縮液95.8g(pH1.9)に50%のイミダゾール水溶液を(計2.41g)を少しずつ加えてpH7.8に調整し、2.0重量%のイミダゾール型のポリマーA4を含む水溶液を合成した。
2.0重量%のイミダゾール型のポリマーA4を含む水溶液について、0.5重量%水溶液に調製後、無アルカリガラス板(25mm角)にキャストして膜を作製した。得られた膜の表面抵抗、膜厚及び導電率は、夫々53Ω/□、2.0μm、94S/cmであった。
比較例1.
国際公開第2014/007299号公報に従い、下式(10)で表されるアンモニウム塩型のホモポリマーを合成した。導電率を測定したところ、80S/cmであった。
国際公開第2014/007299号公報に従い、下式(10)で表されるアンモニウム塩型のホモポリマーを合成した。導電率を測定したところ、80S/cmであった。
比較例2 下式(11)で表される共重合体の合成.
メカニカルスターラーを装着した100ml丸底フラスコに、窒素雰囲気下、ヒドロキシメチル−3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、HMEDOTと略す) 0.536g(3.14mmol)、水 100gを攪拌しながら加えた。HMEDOTが溶解したことを確認後、攪拌しながら3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 3.0g(9.09mmol)を加え、反応液が均一になるまで攪拌した。
次に、室温下、無水塩化鉄(III)0.88(5.4mmol)を加えて20分攪拌し、引続き、過硫酸ナトリウム4.32g(18.1mmol)と15gからなる混合溶液を反応液温度が30℃以下を保持しながら滴下した。滴下終了後3時間攪拌したのち、反応液を240gのアセトンに滴下させて黒色のポリマーを得た。ポリマーを濾過・真空乾燥することで、6.40gのNa型の粗ポリマーを得た。
更に、Na型の粗ポリマー6.4gに水を加えて500gとした後、日本精機製US−300T超音波ホモジナイザーを用いて均一溶液とした。得られた均一溶液を、陽イオン交換樹脂Lewatit MonoPlus S100(H型)150mlを充填したカラムに通液(空間速度=1.1)することによりH型に変換した640gの黒色水溶液を得た(この時点で、固形分濃度は約0.3重量%)。しかし、0.45μmシリンジフィルターを用いたろ過試験では、上記黒色水溶液を通液することができなかった。
又、上記黒色水溶液を一晩放置すると、ゼリー状物質が析出していたことから、下式(11)で示される共重合体は、十分な水溶性がないことがわかった。そのため、導電率の測定は行なわなかった。
以下の表1に、実施例1〜10及び比較例1〜2での共重合体製造時のチオフェン化合物及びコモノマーの仕込み量(mol%)、得られた共重合体の導電率、ろ過性を示す。
この表1において、比較例1及び比較例2と比較して、実施例1〜10の共重合体は、導電率が大きく、且つ、ろ過性が良好なものである。
実施例14.
実施例10で得られたポリマーA3(A)を1.6重量%含む水溶液6.21gに、界面活性剤(B)として、非イオン界面活性剤の一種であるアセチレングリコール型界面活性剤(日信化学工業社製 オルフィンEXP.4200:HLB=10〜13)を0.5%水溶液として2.03g、高分子界面活性剤ポリビニルピロリドンK90(BASF社製 SokalanK90 分子量140万)を1.0重量%含む水溶液2.76g、さらに水溶性化合物(C)としてエタノールを1.08g、水2.02gを加えてよく攪拌混合して本発明の導電性高分子水溶液を得た。本配合液の組成は、0.70重量%のポリチオフェン(ポリマーA3)と0.23重量%のポリビニルピロリドンK90を含む。引き続き7.5%エタノール水溶液で10倍に希釈してコーティング液を作製しし、バーコーターを用いてPET基材に塗布した。乾燥後に得られた積層膜の表面抵抗値を測定した結果、測定箇所によらず安定的に1.8E+5Ω/□を示し、均一性と良好な帯電防止能を有していることが分かった。
実施例10で得られたポリマーA3(A)を1.6重量%含む水溶液6.21gに、界面活性剤(B)として、非イオン界面活性剤の一種であるアセチレングリコール型界面活性剤(日信化学工業社製 オルフィンEXP.4200:HLB=10〜13)を0.5%水溶液として2.03g、高分子界面活性剤ポリビニルピロリドンK90(BASF社製 SokalanK90 分子量140万)を1.0重量%含む水溶液2.76g、さらに水溶性化合物(C)としてエタノールを1.08g、水2.02gを加えてよく攪拌混合して本発明の導電性高分子水溶液を得た。本配合液の組成は、0.70重量%のポリチオフェン(ポリマーA3)と0.23重量%のポリビニルピロリドンK90を含む。引き続き7.5%エタノール水溶液で10倍に希釈してコーティング液を作製しし、バーコーターを用いてPET基材に塗布した。乾燥後に得られた積層膜の表面抵抗値を測定した結果、測定箇所によらず安定的に1.8E+5Ω/□を示し、均一性と良好な帯電防止能を有していることが分かった。
実施例15.
実施例14で非イオン界面活性剤の一種であるアセチレングリコール型界面活性剤(日信化学工業社製 オルフィンEXP.4200:HLB=10〜13)を添加しなかった以外は、実施例1に準拠して行った結果、得られた塗膜の表面抵抗値は、測定箇所によらず安定的に2.3E+5Ω/□を示し、均一性と良好な帯電防止能を有していることが分かった。
実施例14で非イオン界面活性剤の一種であるアセチレングリコール型界面活性剤(日信化学工業社製 オルフィンEXP.4200:HLB=10〜13)を添加しなかった以外は、実施例1に準拠して行った結果、得られた塗膜の表面抵抗値は、測定箇所によらず安定的に2.3E+5Ω/□を示し、均一性と良好な帯電防止能を有していることが分かった。
比較例3.
実施例10で得られたポリマーA3を1.6重量%含む水溶液に何も添加せずに実施例14に示した方法で成膜を試みた結果、ハジキ等によりPETフィルム基材上に導電性高分子膜を形成できなかった。
実施例10で得られたポリマーA3を1.6重量%含む水溶液に何も添加せずに実施例14に示した方法で成膜を試みた結果、ハジキ等によりPETフィルム基材上に導電性高分子膜を形成できなかった。
実施例16.
実施例13で得られたポリマーA4(A)を2.0重量%含む水溶液95.8gに、界面活性剤(B)として、高分子型界面活性剤[ビニルピロリドン―酢酸ビニル]ブロック共重合体(BASF社製 SokalanVA64)を1.0%水溶液として4.60g、水7.90gを加えてよく攪拌混合した後、0.45μmのメンブレンフィルターに通液した。本配合液の組成は、0.75重量%のポリチオフェン(ポリマーA4)と0.23重量%の[ビニルピロリドン―酢酸ビニル]ブロック共重合体を含む。
実施例13で得られたポリマーA4(A)を2.0重量%含む水溶液95.8gに、界面活性剤(B)として、高分子型界面活性剤[ビニルピロリドン―酢酸ビニル]ブロック共重合体(BASF社製 SokalanVA64)を1.0%水溶液として4.60g、水7.90gを加えてよく攪拌混合した後、0.45μmのメンブレンフィルターに通液した。本配合液の組成は、0.75重量%のポリチオフェン(ポリマーA4)と0.23重量%の[ビニルピロリドン―酢酸ビニル]ブロック共重合体を含む。
このようにして得られたpH=7.8の導電性高分子水溶液1.0gを、3.0cm角にカットしたPETフィルムにスピンコートして成膜した(3000rpm×80秒、次いで100℃×60秒ホットプレート上で乾燥)。
得られた膜の表面抵抗値は、測定箇所によらず安定的に6.1E+5Ω/□を示し、均一性と良好な帯電防止能を有していることが分かった。
比較例4.
実施例13で得られたポリマーA4を1.6重量%含む水溶液に何も添加せずに実施例15に示した方法で成膜を試みた結果、スピンコーティング時に液全体が基板からハジキ等により飛散し、PETフィルム基材上に導電性高分子膜を形成できなかった。
実施例13で得られたポリマーA4を1.6重量%含む水溶液に何も添加せずに実施例15に示した方法で成膜を試みた結果、スピンコーティング時に液全体が基板からハジキ等により飛散し、PETフィルム基材上に導電性高分子膜を形成できなかった。
実施例17.
実施例2で得られたポリマーA2(A)を2.5重量%含む水溶液8.0gに、界面活性剤(B)として非イオン界面活性剤の一種であるアセチレングリコール型界面活性剤(日信化学工業社製 オルフィンEXP.4200)を0.5%水溶液として1.6gを加えてよく攪拌混合した後、さらに多価アルコールとしてD−ソルビトールを0.1g加えて良く撹拌混合して導電性高分子水溶液を得た。この導電性高分子水溶液中に中性紙を浸漬・乾燥した後の表面状態を観察した結果を図1に示す。
実施例2で得られたポリマーA2(A)を2.5重量%含む水溶液8.0gに、界面活性剤(B)として非イオン界面活性剤の一種であるアセチレングリコール型界面活性剤(日信化学工業社製 オルフィンEXP.4200)を0.5%水溶液として1.6gを加えてよく攪拌混合した後、さらに多価アルコールとしてD−ソルビトールを0.1g加えて良く撹拌混合して導電性高分子水溶液を得た。この導電性高分子水溶液中に中性紙を浸漬・乾燥した後の表面状態を観察した結果を図1に示す。
本導電性高分子水溶液は良好な濡れ性を示し、斑の無い均一状態で得られた。本結果から、セパレータを介して陽極アルミ箔と陰極アルミ箔を巻回して作製する巻回型固体アルミ電解コンデンサの作製において、本導電性高分子水溶液は紙製セパレータへの濡れ性が良く、均一に付着・保持されるため、接する化成済みエッチドアルミ箔にも均一に浸透することができると考えられる。これにより、斑無くエッチングピット内を導電性高分子膜で被覆できるため、コンデンサ特性(静電容量向上、低ESR化)の改善が期待される。
比較例5.
実施例2で得られたポリマーA2を2.5重量%含む水溶液に、界面活性剤を添加せずに、中性紙を浸漬・乾燥した後の表面状態を観察した結果を図1に示す。濡れ性が不十分で濃淡が観測され、均一に塗布できなかった。
実施例2で得られたポリマーA2を2.5重量%含む水溶液に、界面活性剤を添加せずに、中性紙を浸漬・乾燥した後の表面状態を観察した結果を図1に示す。濡れ性が不十分で濃淡が観測され、均一に塗布できなかった。
本発明による新規な共重合体及びその水溶液は、その高い導電性と十分な水溶性のため、電子線リソグラフィー時に、レジストの帯電を抑制するための帯電防止膜形成材料としての使用が期待される。また、水溶液とした場合にポリマー粒子径が非常に小さいことから、例えば、アルミ固体電解コンデンサの化成処理されたエッチドアルミ箔への浸透性が良いことが考えられ、それにより導電性ポリマーによる被覆面積が向上し、静電容量のアップと低ESR化等コンデンサの性能改善が期待される。
Claims (23)
- 下記一般式(M1)で表される繰り返し単位(「チオフェンモノマー」という)、及び下記一般式(M2)、(M3)、及び(M4)から選ばれる少なくとも一つの繰り返し単位(「コモノマー」という)を含んでなり、チオフェンモノマー及びコモノマーは自己ドープされていてもよく、且つチオフェンモノマー/コモノマー(モル/モル)の比が3〜9999であることを特徴とする共重合体。
- アミン化合物が、N(R1)(R2)(R3)で表される化合物(当該R1〜R3は各々独立して水素原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基を表す)、C5H5N(ピリジン)、又はイミダゾール化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の共重合体。
- チオフェンモノマー/コモノマー(モル/モル)の比が3〜99であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の共重合体。
- 共重合体の重量平均分子量が、ポリスチレンスルホン酸換算で1千〜100万の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の共重合体。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の共重合体を含む導電性ポリマー水溶液。
- 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の共重合体(A)を0.01〜10重量%含み、且つ少なくとも一種の界面活性剤(B)を0.001〜10重量%含む、導電性ポリマー水溶液。
- 界面活性剤(B)が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンの共重合体、ポリエチレングリコール型界面活性剤、アセチレングリコール型界面活性剤、多価アルコール型界面活性剤、及びベタイン型両性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種である、請求項11に記載の導電性ポリマー水溶液。
- 界面活性剤(B)が、水への溶解度が0.01重量%以上であり、且つグリフィン法HLB(親水親油バランス)が7〜20の範囲である、請求項12に記載の導電性ポリマー水溶液。
- さらに、アルコール類及び水溶性樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の水溶性化合物(C)を含むことを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれか一項に記載の導電性ポリマー水溶液。
- 水溶性化合物(C)を、0.001〜10重量%含むことを特徴とする請求項14に記載の導電性ポリマー水溶液。
- アルコール類が、エタノール、2価のアルコール、3価のアルコール、及び糖アルコールからなる群より選択される少なくとも一種のアルコールであることを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の導電性ポリマー水溶液。
- 水溶性樹脂が、ポリビニルアルコール、及びポリビニルピロリドン、ポリN−ビニルアセトアミドからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の導電性ポリマー水溶液。
- pHが10以下であることを特徴とする請求項10乃至請求項17のいずれか一項に記載の導電性ポリマー水溶液。
- さらに、アミン化合物(D)を含み、かつpHが9以下に調整されていることを特徴とする請求項10乃至請求項17のいずれか一項に記載の導電性ポリマー水溶液。
- 請求項10乃至請求項19のいずれか一項に記載の導電性ポリマー水溶液を乾燥して得られる導電性被膜。
- 請求項20に記載の導電性被膜を含む帯電防止フィルム。
- 請求項20に記載の導電性被膜を含む固体電解質。
- 請求項20に記載の導電性被膜を含むコンデンサ用のセパレータ。
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