JP2015147834A - 導電性高分子水溶液、及び導電性高分子膜 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)低粘度域で固形分濃度の増加が可能な新規な導電性高分子水溶液の組成物を提供すること、及び
(2)高い導電性と優れた耐湿性を有する導電性高分子膜を提供すること、である。
[2]化合物(B)が、構造中にヒドロキシ基を3つ以上有する多価アルコールであることを特徴とする上記[1]に記載の導電性高分子水溶液。
重合後のポリマーは金属塩であるため、必要に応じて、得られたポリマーを酸性処理することでMを水素原子へ変換可能であり、さらにこれをアミン化合物と反応させることでMがNH(R1)3で表されるアミン塩への変換が可能である。ここでR1は上記と同じ定義である。
6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸リチウム、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸カリウム、8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸、8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸ナトリウム、8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸カリウム等が例示される。
3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸カリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−エチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロピル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ペンチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ヘキシル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソプロピル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソブチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソペンチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸カリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸アンモニウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸トリエチルアンモニウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブタンスルホン酸カリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−ブタンスルホン酸カリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−ブタンスルホン酸カリウム等が例示される。
装置:Shimadzu製、GC−2014。
装置:VARIAN製、Gemini−200。
装置:三菱化学社製ロレスタGP MCP−T600。
装置:BRUKER社製 DEKTAK XT。
コンプリート型粘度計/BROOKFIELD VISCOMETER DV− 1 Prime。
[導電率測定]
導電性ポリマーを含む水溶液0.5mlを25mm角の無アルカリガラス板に塗布し、室温で一晩乾燥した後、ホットプレート上で120℃にて20分、さらに160℃にて10分加熱して導電性高分子膜を得た。膜厚及び表面抵抗率から、以下の式に基づき算出した。
装置:日機装社製、Microtrac Nanotrac UPA−UT151。
導電性ポリマーを含む水溶液0.5mlを25mm角の無アルカリガラス板に塗布し、室温で一晩乾燥した後、ホットプレート上で120℃にて20分、さらに160℃にて10分加熱して導電性高分子膜を得た。得られた導電性高分子膜に流水を1分間流し、膜の溶解又は剥離を目視で観察した。さらに、再度塗膜を乾燥して導電率を測定することで試験前後に導電率が変化していないかを調べた。
窒素雰囲気下、100mlナス型フラスコに60%水素化ナトリウム0.437g(10.9mmol)、トルエン37mlを仕込んだ後、1.52gの(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノール1.52g(8.84ml)を添加した。その後、反応液を還流温度に昇温させ同温度で1時間攪拌した。その後、2,4−ブタンスルトン1.21g(8.89mmol)とトルエン10mlとからなる混合液を滴下し、同温度で2時間攪拌した。冷却後、得られた反応液をアセトン160mlに滴下し再沈を行った。得られた粉末を濾過し、真空乾燥させることで1.82gの淡黄色粉末を収率62%で得た。NMR測定から、これが下記式(6)で表される3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウムであることを確認した。
500mlセパラブルフラスコに、合成例1に準じて合成した3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 10g(30mmol)と水150gを加えた。溶解後、室温下、無水塩化鉄(III)2.94g(18.1mmol)を加えて20分攪拌した。その後、過硫酸ナトリウム14.5g(60.4mmol)と水100gからなる混合溶液を反応液温度が30℃以下を保持しながら滴下した。室温で3時間攪拌したのち、反応液を800gのアセトンに滴下させ黒色のNa型のポリマーを析出させた。ポリマーを濾過・真空乾燥することで、18.0gの3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウムの粗ポリマーを得た。
合成例2で得られたポリチオフェン(A)水溶液を攪拌下、アンモニア水で中和した後、固形分がそれぞれ2重量%、4重量%になるように調整した。下記本ポリマーの導電率はいずれも54S/cmだった。導電性水溶液中の固形分の粒径(D50)は図1に示すように約0.001μmだった。
合成例3で得られたポリチオフェン(A)を2重量%含む水溶液1.50gに、化合物(B)としてソルビトールを15mg加えてよく攪拌混合して固形分濃度を3重量%に増加させた。この導電性高分子水溶液の粘度は5.9mPa・s(20℃)だった。この溶液をガラス上に0.5mLキャストし、室温で一晩乾燥した後、ホットプレート上で120℃にて20分、さらに160℃にて10分加熱して導電性高分子膜を得た。この塗膜の導電率は49S/cmであり、良好な導電率を示した。引き続き、耐湿性試験としてこの塗膜を1分間流水で洗い流して溶解・剥離を観察した結果、溶解、剥離はなく、さらに乾燥後に測定した導電率に低下は無く、耐湿性の向上が見られた。また導電性水溶液中の固形分の粒径(D50)は、図2に示す様に約0.001μmであり、良好な水溶性を示した。結果を表1に示す。
実施例1において、導電性高分子水溶液の組成を変化させた以外は実施例1に準拠して行った。導電性水溶液中の固形分の粒径(D50)を、図3及び図4に示す様に約0.001μmであり、良好な水溶性を示した。その結果を表1に示す。
合成例3で得た2重量%ポリチオフェン(A)水溶液のみから高分子膜を作製した以外は実施例1と同じ条件で導電性高分子膜。その高分子膜では、耐湿性試験で膜の溶解又は剥離が一部見られた。
合成例3で得た4重量%ポリチオフェン(A)水溶液の粘度は153mPa・sとなり、著しい導電性の低下が見られた。またこれらから得られた高分子膜は耐湿性試験で膜の溶解又は剥離が一部見られた。
Claims (9)
- 下記式(1)で表される構造単位及び下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)と、構造中にヒドロキシ基を3つ以上有する水溶性化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物(B)とを含む導電性高分子水溶液。
- 化合物(B)が、構造中にヒドロキシ基を3つ以上有する多価アルコールであることを特徴とする請求項1に記載の導電性高分子水溶液。
- 構造中にヒドロキシ基を3つ以上有する多価アルコールが、糖アルコールであることを特徴とする請求項2に記載の導電性高分子水溶液。
- 糖アルコールが、ソルビトールであることを特徴とする請求項3に記載の導電性高分子水溶液。
- ポリチオフェン(A)と化合物(B)の含有量が、0.01<[化合物(B)の固形分重量]/[ポリチオフェン(A)の固形分重量]<100の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の導電性高分子水溶液。
- 導電性高分子水溶液中の固形分濃度が、0.1〜20重量%の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の導電性高分子水溶液。
- 導電性高分子水溶液の粘度が100mPa・s以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の導電性高分子水溶液。
- 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の導電性高分子水溶液を乾燥させて得られることを特徴とする導電性高分子膜。
- 導電性高分子膜の導電率が10S/cm以上であることを特徴とする請求項8に記載の導電性高分子膜。
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