JP2017171759A - 自己ドープ型ポリチオフェンの製造方法 - Google Patents

自己ドープ型ポリチオフェンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の製法よりも高い導電率を有する自己ドープ型ポリチオフェンを製造する方法の提供。【解決手段】少なくとも水を含む溶媒中、酸化剤の存在下、式(4)で表される側鎖にスルホン酸塩基を有するチオフェンモノマーを酸化重合させることによりポリチオフェンを製造する方法であって、酸化重合開始時におけるチオフェンモノマーの濃度が5〜20重量%の範囲である製造方法。(MはH+、アルカリ金属イオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムイオン;R2はH、C1〜6の直鎖/分岐状アルキル基又はハロゲン;mは1〜6の整数)【選択図】なし

Description

本発明は、自己ドープ型ポリチオフェンの製造方法に関する。更に詳しくは、従来の化学酸化重合法に比べてモノマー濃度が高濃度であることを特徴とする重合反応に基づく製造方法であり、導電率の高い自己ドープ型ポリチオフェンを製造する方法に関する。
ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール等に代表されるπ共役系高分子に、電子受容性化合物をドーパントとしてドープした外部ドープ型導電性高分子が開発されているが、不溶不融であるために精製が困難であることや、安定したドーピングを維持することが難しいという課題があった。そこで、水溶性の付与とドーピング作用を兼ね備えた置換基(スルホ基、スルホネート基等)を直接又はスペーサを介してポリマー主鎖中に有する、いわゆる自己ドープ型導電性高分子が開発され、例えば、スルホン化ポリアニリン、スルホン化ポリチオフェン等が知られている(例えば、非特許文献1、2参照)。これらの中でも直鎖のアルキレンスルホン酸基が置換したポリ(4−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメトキシ)−1−ブタンスルホン酸)(PEDT−S)は、比較的高い導電率を示すことが報告されている(例えば特許文献1、非特許文献3、4参照)。また本出願人はこれまでに高い導電性と優れた水溶性を兼ね備えた自己ドープ型導電性高分子を報告している(例えば、特許文献2参照)。
上述した通り、様々な自己ドープ型導電性高分子の開発がなされているが、重合の条件による導電率への影響についてはあまり着目されておらず、特に水性溶媒中での酸化重合におけるモノマー濃度が自己ドープ型導電性高分子の導電性に与える影響についてはほとんど報告されていない。酸化重合におけるモノマー濃度としては3重量%のものが非特許文献2に開示されている。3重量%より高いモノマー濃度における酸化重合の報告例が無い理由としては、モノマーの高濃度化にともなって重合反応の制御が困難になり、重合が不均一になったり、不溶性ポリマーが多量に生成し、一般的な用途の使用に耐えられる導電性ポリマーを取得できないという例が多く、そのほとんどが失敗例となって報告されていないものと考えられる。したがって、本技術分野においては、酸化重合時のモノマーを低濃度にし、重合反応を制御しながら好ましい導電性高分子を得るべきであることが当業者の常識となっている。
特許第4974095号 国際公開第2014/007299号
Journal of the American Chemical Society, 117, 10055−10062(1995) Journal of the Chemical Society, Chemical Communications, 23, 1694−1695(1990) Chemistry of Materials, 21, 1815−1821(2009) Advanced Materials, 23, 4403−4408(2011)
自己ドープ型導電性高分子は帯電防止材、コンデンサの固体電解質、透明電極、透明導電膜、導電性塗料等への応用が可能である。自己ドープ型導電性高分子の導電性が更に向上すれば、これら応用製品の性能が向上させることが可能である。本発明の目的は、従来公知の製法よりも高い導電率を有する自己ドープ型ポリチオフェンを製造する方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、酸化重合におけるチオフェンモノマーの濃度を、当業者が通常検討し得ない領域まで高めて自己ドープ型ポリチオフェンを製造することより、従来にない高伝導率を有する自己ドープ型ポリチオフェンが得られ、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、以下に示す通りの自己ドープ型ポリチオフェンの製造方法に関するものである。
[1] 少なくとも水を含む溶媒中、酸化剤の存在下、下記式(1)で表されるチオフェンモノマーを酸化重合させることにより下記式(2)で表される構造単位及び下記式(3)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェンを製造する方法であって、酸化重合開始時におけるチオフェンモノマーの濃度が5〜20重量%の範囲であることを特徴とする製造方法。
Figure 2017171759
[上記式(1)、(2)及び(3)中、Mは水素イオン、アルカリ金属イオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はハロゲン原子を表す。mは1〜6の整数を表す。]
[2] 少なくとも水を含む溶媒が水又は水とアルコール化合物の混合物であることを特徴とする、[1]に記載の製造方法。
[3] 酸化剤が、硫酸系酸化剤、塩酸系酸化剤、硝酸系酸化剤、及び金属系酸化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化剤と金属系酸化剤を含む混合物であることを特徴とする、[1]に記載の製造方法。
[4] 界面活性化合物共存下で酸化重合を行うことを特徴とする[1]に記載の製造方法。
本発明によれば、高い導電性を有する自己ドープ型ポリチオフェンを製造することができる。本発明の方法で製造される自己ドープ型ポリチオフェンは従来の自己ドープ型ポリチオフェンに比べて高い導電性を示す為、前述した用途製品の性能を向上させることができ、産業上極めて有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、少なくとも水を含む溶媒中、酸化剤の存在下、上記式(1)で表されるチオフェンモノマーを酸化重合させることにより上記式(2)で表される構造単位及び上記式(3)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェンを製造する方法であって、酸化重合開始時におけるチオフェンモノマーの濃度が5〜20重量%の範囲であることを特徴とする。
なお、ここでいう「チオフェンモノマーの濃度」とは、チオフェンモノマーの重量/(チオフェンモノマー+溶媒+酸化剤)の重量×100(重量%)で表される値である。
本発明において、チオフェンモノマーの濃度は5〜20重量%であるが、6〜15重量%であることが好ましい。
上記式(1)、(2)及び(3)中、Mは水素イオン、アルカリ金属イオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はハロゲン原子を表す。mは1〜6の整数を表す。
前記のアルカリ金属イオンとしては、例えば、Liイオン、Naイオン、Kイオンが好ましい。
前記のアミン化合物の共役酸としては、アミン化合物にヒドロン(H)が付加してカチオン種になったものを示し、当該アミン化合物としてはスルホン酸基と反応して共役酸を形成するものであればよく、例えば、sp3混成軌道を有するN(Rで表されるアミン化合物[共役酸としては[NH(Rで表される。]、又はsp2混成軌道を有するアミン化合物(例えば、ピリジン類化合物、イミダゾール類化合物等)が挙げられる。
置換基Rは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。
炭素数1〜6のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、ハロゲン原子、アミノ基、又はヒドロキシ基を有する炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、具体的には、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基等が例示される。
これらのうち、置換基Rとしては、独立して、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基が好ましい。
アミン化合物の共役酸を形成するN(Rで表されるアミン化合物としては、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、ノルマル−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ノルマルブチルアミン、ターシャリーブチルアミン、ヘキシルアミン、エタノールアミン化合物(例えば、アミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、メチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン)、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジアミン等が挙げられる。sp2混成軌道を有するアミン化合物としては、例えば、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、1、2−ジメチルイミダゾール、ピリジンピコリン、ルチジン等が例示される。これらのアミン化合物のうち、好ましくは、エタノールアミン化合物、又はイミダゾール化合物である。
前記の第4級アンモニウムカチオンとしては、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラノルマルプロピルアンモニウムカチオン、テトラノルマルブチルアンモニウムカチオン、テトラノルマルヘキシルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。入手の観点から好ましくは、テトラメチルアンモニウムカチオン、又はテトラエチルアンモニウムカチオンである。
は炭素数1〜6の鎖状、分岐状アルキル基、又はハロゲン原子を表す。
炭素数1〜6の鎖状、分岐状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子等が挙げられる。
については、成膜性の点で、水素原子、メチル基、エチル基、又はフッ素原子であることが好ましい。
mは1〜6の整数を表し、好ましくは、mは1〜4の整数であり、より好ましくは2である。
上記式(3)で表される構造単位は、上記式(2)で表される構造単位のドーピング状態を表す。
ドーピングにより絶縁体−金属転移を引き起こすドーパントは、アクセプタとドナーに分けられる。前者は、ドーピングにより導電性ポリマーの高分子鎖の近くに入り主鎖の共役系からπ電子を奪う。結果として、主鎖上に正電荷(正孔、ホール)が注入されるため、p型ドーパントとも呼ばれる。また、後者は、逆に主鎖の共役系に電子を与えることになり、この電子が主鎖の共役系を動くことになるため、n型ドーパントとも呼ばれる。
本発明におけるドーパントは、ポリマー分子内に共有結合で結びついたスルホ基又はスルホナート基であり、p型ドーパントである。このように外部からドーパントを添加することなく導電性を発現するポリマーは自己ドープ型高分子と呼ばれている。
上記式(1)で表されるチオフェンモノマーとしては、例えば、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−エチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロピル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ペンチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ヘキシル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソプロピル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソブチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソペンチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸カリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸アンモニウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸トリエチルアンモニウム等が挙げられる。
尚、上記に例示したチオフェンモノマーは、公知の方法(例えば、Journal of Electroanalytical Chemistry,443,217−226(1998))に従い、チエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン−2−メタノールと分岐したスルトン化合物から容易に合成できる。更に、必要に応じて、下記式(4)で表されるチオフェンモノマーは、酸処理によりMが水素原子であるスルホン酸へと誘導できる。更に、このスルホン酸をアミン処理することでアンモニウム塩を得ることができる。
Figure 2017171759
[上記式(4)中、Rは上記式(1)で表されるRと同義語であり、Mはアルカリ金属を表す。]
本製造方法に用いる少なくとも水を含む溶媒としては、特に限定するものではないが、例えば、水又は水とアルコール化合物の混合物が挙げられる。
水としては、重合反応を阻害する成分を含むものでなければ特に支障はないが、例えば、純水、蒸留水、又はイオン交換水を用いることができる。
アルコール化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、又はブタノール等が挙げられる。これらのアルコール化合物は、水と併用する。
これらの溶媒のうち、好ましくは水又はメタノール水溶液であり、より好ましくは水である。また、溶媒を脱気や窒素等の不活性ガスで置換していてもよい。
本製造方法に用いる酸化剤としては、酸化的脱水素化反応による酸化重合を進行させるものを用いることができ、特に限定するものではないが、例えば、硫酸系酸化剤、塩酸系酸化剤、硝酸系酸化剤、金属系酸化剤、過酸化水素、酸素等が挙げられ、これらを単独で又は二種以上を混合して使用しても良い。
ここで、硫酸系酸化剤としては、具体的には、過硫酸、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等が例示される。
塩酸系酸化剤としては、具体的には、過塩素酸、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、塩素酸、塩素酸アンモニウム、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム等が例示される。
硝酸系酸化剤としては、具体的には、硝酸、発煙硝酸等が例示される。
金属系酸化剤としては、具体的には、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、バナジン酸塩、ビスマス酸塩、鉄(III)塩、セリウム(IV)塩等が例示される。
また、鉄(III)塩としては、具体的には、FeCl、Fe(SO、過塩素酸鉄、パラ−トルエンスルホン酸鉄(III)、ヘキサシアノ鉄(III)塩等が例示される。これらは無水物を使用しても、水和物を使用してもよい。
また、過マンガン酸塩としては、具体的には、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸マグネシウム等が例示される。
また、重クロム酸塩としては、具体的には、重クロム酸アンモニウム、重クロム酸カリウム等が例示される。
これらの酸化剤のうち、好ましくは、硫酸系酸化剤、塩酸系酸化剤、硝酸系酸化剤、及び金属系酸化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化剤と金属系酸化剤を含む混合物であることが好ましく、硫酸系酸化剤、塩酸系酸化剤、硝酸系酸化剤、及び金属系酸化剤(いずれも、標準酸化還元電位が1.0〜5.0ボルトの範囲)からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化剤と鉄(III)塩を含む混合物であることがより好ましく、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、塩素酸ナトリウム、及び塩素酸カリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化剤とFeCl、及びFe(SOからなる群より選ばれる少なくとも1種の鉄(III)塩を含む混合物であることがより好ましい。鉄塩(III)単独系、又は過硫酸塩と鉄塩(III)との併用系であり、鉄塩(III)としては、特に限定するものではないが、例えば、FeCl、Fe(SOが好ましい。
本重合反応に用いる酸化剤の量としては、特に限定するものではないが、上記式(1)で表されるチオフェンモノマーの仕込モル数に対して、0.5〜50倍モルである。より好ましくは、1〜20倍モルである。更に好ましくは、1〜10倍モルである。
本重合反応に用いる酸化剤が、例えば、鉄(III)塩単独系の場合、原料として用いられるチオフェンモノマーの仕込みモル数に対して、鉄(III)塩が等倍モル以上であり、且つ溶媒に対する鉄濃度が10重量%以上となるように用いて重合させることが好ましい。より良好な導電性を発現させるために必要なドーピングの観点からは、溶媒に対する鉄濃度が20重量%以上であることがさらに好ましい。なお、ここでいう「鉄濃度」とは、鉄塩/(鉄塩+水)×100(重量%)で表される値であり、鉄塩は無水物として計算する。
また、本重合反応に用いる酸化剤が、例えば、過硫酸塩と鉄(III)塩との併用系である場合には、原料として用いられるチオフェンモノマーの仕込みのモル数に対して、過硫酸塩が0.5〜20倍モルの範囲であり、且つ鉄(III)塩が0.01〜10倍モルの範囲であることが好ましく、過硫酸塩が1.5〜10倍モルの範囲であり、且つ鉄(III)塩が0.05〜5倍モルの範囲であることがより好ましい。
本製造方法の圧力は、常圧、減圧、加圧のいずれであってもよい。
本製造方法の反応雰囲気は、大気中であっても、窒素やアルゴン等の不活性ガス中であってもよい。より好ましくは不活性ガス中である。
本製造方法の反応温度は、例えば、上記式(1)で表されるチオフェンモノマーを酸化重合できる温度であり、特に限定するものではないが、−10〜150℃の範囲が好ましく、10〜100℃の範囲が更に好ましい。
本製造方法の反応時間は、例えば、上記式(1)で表されるチオフェンモノマーの酸化重合が十分進行する時間であり、特に限定するものではないが、0.5〜200時間の範囲が好ましく、0.5〜80時間の範囲が更に好ましい。
本製造方法の反応方法は、特に限定するものではないが、例えば、本重合反応に用いる酸化剤が、鉄(III)塩単独系の場合、原料として用いられるチオフェンモノマーを水溶液にして、これに酸化剤を一度に又はゆっくりと滴下してもよく、逆に酸化剤の固体又は水溶液に本発明のチオフェンモノマーの水溶液を一度に又はゆっくりと滴下してもよい。
また、過硫酸塩と鉄(III)塩との併用系である場合には、チオフェンモノマーの水溶液中に過硫酸塩と鉄(III)塩とを固体又は水溶液として、同時に又は順次添加してもよく、また逆に過硫酸塩と鉄(III)塩の水溶液中にチオフェンモノマーの水溶液を添加してもよい。
本製造方法で得られた本発明のポリチオフェンの精製法としては、特に限定するものではないが、例えば、溶媒洗浄、再沈殿、遠心沈降、限外ろ過、透析、イオン交換樹脂処理等が挙げられる。それぞれ単独で行っても又は組み合わせても良い。
本発明のポリチオフェンの典型的な単離精製方法は、例えば、以下のとおりである。
まず、重合反応後のポリマー水溶液をアセトン等の貧溶媒に添加し、ポリマーを沈殿させた後、減圧ろ過で得たポリマーを当該貧溶媒でろ液が無色透明になるまで洗浄する。このポリマーに、水に不溶なFe塩が含まれている場合、一度水酸化ナトリウム水溶液中に添加し、水に溶解するNa塩型ポリマーに変換することが好ましい。
次に、これをアルコール等の貧溶媒に添加してポリマーを沈殿させるとともに、アルカリ分を除去し、減圧濾過により得た固体をアルコール等の貧溶媒で洗浄する。次いでアセトン等の貧溶媒で洗浄し、Na塩型ポリマーを得る。
得られたNa塩型ポリマーを、引き続き、H型ポリマーに変換する場合には、陽イオン交換樹脂で処理する。処理方法としては、例えば、得られたNa塩型ポリマーの水溶液を陽イオン交換樹脂が充填されたカラムに通液させる方法や、陽イオン交換樹脂を水溶液に添加するボディーフィード法等が挙げられる。この場合、処理後にろ紙で陽イオン交換樹脂を除去することが好ましい。このようにして得られた水溶液を粗濃縮し、アセトン等の貧溶媒に添加して沈殿させ、減圧ろ過して得た固体を当該貧溶媒でよく洗い、減圧乾燥してH型ポリマーが得られる。
更に、各種アミンとの塩を形成させる場合には、例えば、H塩型ポリマーの水溶液に、各種アミンの原液若しくはその水溶液又はその他適当な溶媒で希釈したものを加えることで容易にアミン塩型ポリマーに変換することができる。例えば、アンモニア水で処理した場合には、反応液を粗濃縮し、その水溶液をアセトン等の貧溶媒に添加してポリマー沈殿させた後、減圧濾過により得た固体を当該貧溶媒で洗浄し、減圧乾燥することでアンモニウム塩型ポリマーが得られる。
重合後処理の各工程では必要に応じて、遠心沈降、ホモジナイズ処理を行ってもよい。これにより、ろ過効率の改善を図ることができる。更に、重合酸化剤として過硫酸塩を使用した場合には、無機塩の除去として限外ろ過や透析、陽・陰イオン交換樹脂混合処理を行う。
本発明の製造方法は、上記式(1)で表されるチオフェンモノマー、水性溶媒及び酸化剤以外に界面活性剤を含んでいても良い。界面活性剤は原料として用いられるチオフェンモノマー及び生成されるチオフェンポリマーの水性溶媒に対する溶解性や分散性を改善するのに有効である。
界面活性剤としては特に限定するものではないが、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤又は両性界面活性剤等が使用できるが、より好ましくはアニオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
アニオン界面活性剤としては特に限定するものではないが、例えば、カルボン酸型、スルホン酸型、硫酸エステル型、リン酸エステル型等が挙げられる。
前記のカルボン酸型としては、例えば、オクタン酸ナトリウム、デカン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム等が挙げられる。
前記のスルホン酸型としては、例えば、ヘキサンスルホン酸ナトリウム、デカンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
前記の硫酸エステル型としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
前記のリン酸エステル型としては、例えば、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸カリウム等が挙げられる。
非イオン界面活性剤としては特に限定するものではないが、例えば、ポリエチレングリコール型界面活性剤、アセチレングリコール型界面活性剤、多価アルコール型界面活性剤、高分子型非イオン界面活性剤等が挙げられる。
前記のポリエチレングリコール型界面活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、又はポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
前記のアセチレングリコール型界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、サーフィノール(エアプロダクツ社製)、オルフィン(日信化学工業社製)等が挙げられる。
前記の多価アルコール型界面活性剤としては、例えば、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、高アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。
前記の高分子型非イオン界面活性剤としては、特に限定するものではないが、ポリビニルピロリドン及びポリビニルピロリドンの共重合体等が挙げられる。ポリビニルピロリドンの共重合体としては、特に限定するものではないが、親水性部と疎水性部をポリマー鎖中に併せ持つものが好ましく、例えば、ポリビニルピロリドンをポリビニルアルコールにグラフトしたコポリマーや、[ビニルピロリドン−酢酸ビニル]ブロック共重合体、[ビニルピロリドン−メチルメタクリレート]共重合体、[ビニルピロリドン−ノルマルブチルメタクリレート]共重合体、[ビニルピロリドン−アクリルアミド]共重合体などが例示できる。
以下に、本発明の実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されて解釈されるものではない。なお、本実施例で用いた分析機器及び測定方法を以下に列記する。
[表面抵抗率測定]
装置:三菱化学社製ロレスタGP MCP−T600。
[膜厚測定]
装置:BRUKER社製 DEKTAK XT。
[自己ドープ型導電性高分子の導電率測定]
自己ドープ型導電性高分子を含む溶液0.5mlを25mm角の無アルカリガラス板に塗布し、室温で一晩乾燥した後、ホットプレート上で120℃にて20分、さらに160℃にて10分加熱して導電性高分子膜を得た。膜厚及び表面抵抗値から、以下の式に基づき算出した。
導電率[S/cm]=10/(表面抵抗率[Ω/□]×膜厚[μm])
実施例1
窒素雰囲気下、200mlナス型フラスコに、下記式(5)で表される3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 6.00g(18.2mmol)と水 30mlを加え、室温下、無水塩化鉄(III) 1.77g(10.9mmol)を加えて20分攪拌した。その後、過硫酸ナトリウム 8.65g(36.3mmol)と水 15mlからなる混合溶液を添加した。この時のモノマーの濃度は9.8重量%である。次いで、混合液を室温で3時間攪拌したのち、得られた反応液を大過剰のアセトンに滴下させ黒色のポリマーを析出させた。析出したポリマーを濾別し、真空乾燥することで、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウムのポリマーの固体を得た。次に、得られたポリマーに水を加えて1重量%溶液を調製した。当該1重量%溶液 600gに陽イオン交換樹脂{Lewatit MonoPlus S100(H型)} 60gを加え、室温下、12時間攪拌した。次いで、濾過によりイオン交換樹脂を分離することで濃群青色水溶液を得た。得られた濃群青色水溶液については、更に、透析(透析膜:Spectra/Por MWCO=3500)を行って無機塩を除去した。更に、透析した濃群青色水溶液を減圧下、脱水濃縮し、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸[下記式(6)で表される構造単位及び下記式(7)で表される構造単位]の2重量%濃群青色水溶液を148g得た(ポリマー収率=53%)。
更に、前記の3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸[下記式(6)で表される構造単位及び下記式(7)で表される構造単位]の2重量%濃群青色水溶液に水を加えて、0.5重量%水溶液を調製し、当該0.5重量%水溶液を無アルカリガラス板(25mm角)にドロップキャストして導電性高分子の膜を作製した。得られた膜の導電率は183S/cmであった。この値は、特許文献2に記載されている自己ドープ型ポリチオフェンの導電率より3.4倍程度高かった。結果は表1に纏める。
Figure 2017171759
実施例2〜3
実施例1において、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、無水塩化鉄(III)及び過硫酸ナトリウムの仕込量を表1の通りに調製した以外は、実施例1と同様の操作を行い、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸[上記式(6)で表される構造単位及び上記式(7)で表される構造単位]の水溶液を製造し、成膜後の導電率を測定した。結果を表1に纏める。
なお、表1に記載の通りであるが、モノマー濃度については6.6重量%(実施例2)及び12.9重量%(実施例3)とした。
実施例4
窒素雰囲気下、200mlナス型フラスコに上記式(5)で表される3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 3.61g(10.9mmol)とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.27gと水 30mlを加え、室温下、無水塩化鉄(III) 1.06g(6.5mmol)を加えて20分攪拌した。その後、過硫酸ナトリウム 5.21g(21.9mmol)と水 15mlからなる混合溶液を添加した。この時のモノマーの濃度は6.5重量%である。次いで、混合液を室温で3時間攪拌したのち、得られた反応液を大過剰のアセトンに滴下させ黒色のポリマーを析出させた。析出したポリマーを濾別し、真空乾燥することで、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウムのポリマーの固体を得た。次に、得られたポリマーに水を加えて、1重量%溶液を調製した。当該1重量%溶液 360gに、陽イオン交換樹脂{Lewatit MonoPlus S100(H型)} 40gを加え、室温下、12時間攪拌した。次いで、濾過によりイオン交換樹脂を分離することで濃群青色水溶液を得た。得られた濃群青色水溶液については、更に、透析(透析膜:Spectra/Por MWCO=3500)をおこなって無機塩を除去した。更に、透析した濃群青色水溶液を脱水濃縮し、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸[下記式(6)で表される構造単位及び下記式(7)で表される構造単位を含む]ポリマーの2重量%濃群青色水溶液を85g得た(ポリマー収率=51%)。
更に、前記の3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸[下記式(6)で表される構造単位及び下記式(7)で表される構造単位]の2重量%濃群青色水溶液に水を加えて、0.5重量%水溶液を調製し、無アルカリガラス板(25mm角)にドロップキャストして導電性高分子の膜を作製した。得られた膜の導電率は169S/cmであった。結果は表1に纏める。
実施例5
実施例4において、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムをサーフィノール465に変えた以外は、実施例4と同様の操作を行って3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸[上記式(6)で表される構造単位及び上記式(7)で表される構造単位を含む]ポリマーの水溶液を製造し、成膜後の導電率を測定した。結果を表1に纏める。
参考例1
特許文献2に記載の方法で合成した3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸のポリマーの水溶液について、実施例1と同様の方法で成膜し、膜の導電率を測定した。導電率は54S/cmであった。
参考例2
実施例1に準じて、表1に示した仕込み条件で3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸[上記式(6)で表される構造単位及び上記式(7)で表される構造単位を含む]ポリマーの水溶液を製造し、成膜後の導電率を測定した。この時、モノマー濃度は2.4重量%であった。導電率は41S/cmであった。結果を表1に纏める。
Figure 2017171759
本発明の自己ドープ型ポリチオフェンの製造方法は、従来の方法(例えば、特許文献1、2)よりも高い導電性を有する自己ドープ型ポリチオフェンを得ることができる。本発明の製造方法により得られる自己ドープ型ポリチオフェンは、帯電防止剤、コンデンサの固体電解質、並びに帯電防止フィルム、固体電解コンデンサの固体電解質、巻回型アルミ電解コンデンサ用のセパレータへの利用が可能である。その他、エレクトロクロミック素子、透明電極、透明導電膜、熱電変換材料、化学センサ、アクチュエータ、電磁波シールド材等への応用も期待できる。

Claims (4)

  1. 少なくとも水を含む溶媒中、酸化剤の存在下、下記式(1)で表されるチオフェンモノマーを酸化重合させることにより下記式(2)で表される構造単位及び下記式(3)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェンを製造する方法であって、酸化重合開始時におけるチオフェンモノマーの濃度が5〜20重量%の範囲であることを特徴とする製造方法。
    Figure 2017171759
    [上記式(1)、(2)及び(3)中、Mは水素イオン、アルカリ金属イオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はハロゲン原子を表す。mは1〜6の整数を表す。]
  2. 少なくとも水を含む溶媒が水又は水とアルコール化合物の混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 酸化剤が、硫酸系酸化剤、塩酸系酸化剤、硝酸系酸化剤、及び金属系酸化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸化剤と金属系酸化剤を含む混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  4. 界面活性化合物共存下で酸化重合を行うことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
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