JP6311355B2 - 導電性高分子水溶液、及び導電性高分子膜 - Google Patents

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本発明は、導電性高分子水溶液、及び高い導電性と優れた耐湿性を有する導電性高分子膜に関するものである。
近年、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール等に代表されるπ共役系高分子に、電子受容性化合物をドーパントとしてドープした導電性高分子材料が開発され、例えば、帯電防止剤、コンデンサの固体電解質、導電性塗料、エレクトロクロミック素子、電極材料、熱電変換材料、透明導電膜、化学センサ、アクチュエータ等への応用が検討されている。中でも、化学的安定性の面からポリチオフェンが実用上有用である。
ポリチオフェンとしては、ドーパントとなるポリスチレンスルホン酸(PSS)等の水溶性高分子水溶液中で、3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を重合させることで得られるPEDOT:PSS水分散体溶液や、水溶性の付与とドーピング作用を兼ね備えた置換基(スルホ基、スルホネート基等)を直接又はスペーサを介してポリマー主鎖中に有する、いわゆる自己ドープ型導電性高分子があり、例えば、スルホン化ポリアニリン、PEDOT−S等が知られている(非特許文献1、2)。
特に、近年、自己ドープ型の導電性高分子は、水に可溶であるため扱いやすく、均一な膜質が得られやすいこと、ドーパントのマイグレーションが起こらないので、外部ドープ型導電性高分子によりも熱安定性に優れている等の利点があるため注目されている。しかしながら、その導電率は約30S/cm以下であり(非特許文献1、非特許文献2)、PEDOT:PSS等の外部ドープ型と比較すると低導電率であるため、電気的特性が不十分であることが多く、応用上更なる導電率の改善が必要であった。またその優れた水可溶性のために作製した塗膜の耐湿性が低い等の課題があった。
また、自己ドープ型導電性高分子の導電性を改良する試みとしては、スルホン化ポリアニリンとPEDOT:PSSとアルコールからなる組成物にすることで導電率を改善する試みがなされている(特許文献2)。しかしながら、得られる膜の導電率は向上するものの記載のスルホン化ポリアニリンの導電率が0.1S/cm程度と小さいため、必ずしも十分な導電率ではなく、また耐湿性に関する記載もなく依然改善要求がある。
従って、高導電性、耐湿性の優れた高分子膜を形成できる新規な導電性高分子水溶液が求められていた。
特開2009−209241号公報
Journal of American Chemical Society,112,2801−2803(1990) Advanced Materials,Vol.23(38)4403−4408(2011)
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、
(1)高導電性且つ耐湿性に優れた導電性高分子膜を提供すること、及び
(2)その導電性高分子膜を形成するための新規な導電性高分子水溶液を提供すること、である。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の水溶性自己ドープ型導電性ポリチオフェンと、特定の水分散型の導電性ポリチオフェン、及び特定の水溶性の極性化合物を配合した水溶液から得られる導電性高分子膜は、水溶性自己ドープ型導電性ポリチオフェンのみでは達成困難な高導電性且つ耐湿性に優れた膜であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に示すとおりの導電性高分子水溶液の組成物、並びに導電性高分子膜に関するものである。
[1]下記一般式(1)で表される構造単位及び下記一般式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)、下記一般式(5)で表されるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン誘導体)とポリアニオンとの複合体であるポリチオフェン(B)、並びにヒドロキシ基を有する水溶性化合物及び水溶性スルホキシドからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物(C)を含む導電性高分子水溶液。
Figure 0006311355
Figure 0006311355
[上記一般式(1)及び一般式(2)中、Lは下記一般式(3)又は一般式(4)を表し、Mは水素原子、アルカリ金属原子、又はNH(Rを表す。Rは各々独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。]
Figure 0006311355
[上記一般式(3)中、lは6〜12の整数を表す。]
Figure 0006311355
[上記一般式(4)中、mは1〜6の整数を表す。Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。]
Figure 0006311355
[上記一般式(5)中、Rは水素原子、置換基を有していても良い炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、アルコキシ基を表す。]
[2]前記ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン誘導体)中、Rが水素原子、又はヒドロキシメチル基であることを特徴とする上記[1]に記載の導電性高分子水溶液。
[3]前記ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸であることを特徴とする上記[1]に記載の導電性高分子水溶液。
[4]前記ヒドロキシ基を有する水溶性化合物が、多価アルコールであることを特徴とする上記[1]に記載の導電性高分子水溶液。
[5]前記多価アルコールが、2価のアルコール、3価のアルコール、及び糖アルコールからなる群より選択される少なくとも一種の化合物であることを特徴とする上記[4]に記載の導電性高分子水溶液。
[6]前記2価のアルコールが、エチレングリコールであることを特徴とする上記[5]に記載の導電性高分子水溶液。
[7]前記糖アルコールが、ソルビトールであることを特徴とする上記[5]に記載の導電性高分子水溶液。
[8]前記水溶性スルホキシドが、ジメチルスルホキシドであることを特徴とする上記[1]に記載の導電性高分子水溶液。
[9]前記ポリチオフェン(A)、ポリチオフェン(B)、化合物(C)の含有量が、0.01<[ポリチオフェン(B)と化合物(C)の総固形分重量]/[ポリチオフェン(A)の固形分重量]<1000の範囲であることを特徴とする上記[1]に記載の導電性高分子水溶液。
[10]上記[1]乃至[9]のいずれかに記載の導電性高分子水溶液を乾燥させて得られることを特徴とする導電性高分子膜。
[11]導電率が35S/cm以上であることを特徴とする上記[10]記載の導電性高分子膜。
本発明によれば、新規な導電性高分子水溶液組成物を提供できる。さらにそれから形成される導電性高分子膜は、高い導電性を有する膜を作製できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の導電性高分子水溶液は、ポリチオフェン(A)とポリチオフェン(B)と化合物(C)とを含み、
当該ポリチオフェン(A)が、上記一般式(1)で表される構造単位及び上記一般式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むこと、
当該ポリチオフェン(B)が、上記一般式(5)で表されるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン誘導体)とポリアニオンとの複合体であること、並びに
当該化合物(C)が、ヒドロキシ基を有する水溶性化合物及び水溶性スルホキシドからなる群より選ばれる少なくも一種の化合物であること、をその特徴とする。
上記一般式(1)又は一般式(2)中、Mは、Mは水素原子、アルカリ金属原子、又はNH(Rを表す。アルカリ金属原原子としては、Li、Na、Kが好ましい。また、置換基Rは各々独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。
炭素数1〜6のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基において、置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基が挙げられる。置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基としては、具体的には、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基等が例示される。
これらのうち、置換基Rとしては、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基が好ましい。
上記一般式(1)又は一般式(2)中、Lは上記一般式(3)又は一般式(4)で表される。
上記一般式(3)中、lは6〜12の整数を表し、好ましくは6〜8の整数である。
上記一般式(4)中、Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。
置換基Rにおいて、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、フッ素原子である。
上記一般式(4)中、mは1〜6の整数を表し、好ましくは、mは1〜4の整数である。
上記一般式(2)で表される構造単位は、上記一般式(1)で表される構造単位のドーピング状態を表す。
ドーピングにより絶縁体−金属転移を引き起こすドーパントは、アクセプタとドナーに分けられる。前者は、ドーピングにより導電性ポリマーの高分子鎖の近くに入り主鎖の共役系からπ電子を奪う。結果として、主鎖上に正電荷(正孔、ホール)が注入されるため、p型ドーパントとも呼ばれる。また、後者は、逆に主鎖の共役系に電子を与えることになり、この電子が主鎖の共役系を動くことになるため、n型ドーパントとも呼ばれる。
本発明におけるドーパントは、ポリマー分子内に共有結合で結びついたスルホ基又はスルホナート基であり、p型ドーパントである。このように外部からドーパントを添加することなく導電性を発現するポリマーは自己ドープ型ポリマーと呼ばれている。
本発明のポリチオフェン(A)は、下記一般式(6)で表されるチオフェンモノマーを、水又はアルコール溶媒中、酸化剤の存在下に重合させることで製造できる。
Figure 0006311355
[上記一般式(6)中、M、Lは上記と同じ定義である。]
重合後のポリマーは金属塩であるため、必要に応じて、得られたポリマーを酸性処理することでMを水素原子へ変換可能であり、さらにこれをアミン化合物と反応させることでMがNH(Rで表されるアミン塩への変換が可能である。ここでRは上記と同じ定義である。
上記一般式(1)又は一般式(2)においてLが上記一般式(3)で表される、本発明のポリチオフェンを得るためのチオフェンモノマーとしては、具体的には、
6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸リチウム、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸カリウム、8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸、8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸ナトリウム、8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸カリウム等が例示される。
上記一般式(1)又は一般式(2)においてLが上記一般式(4)で表される、本発明のポリチオフェンを得るためのチオフェンモノマーとしては、具体的には、
3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸カリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−エチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロピル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ペンチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ヘキシル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソプロピル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソブチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソペンチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸カリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸アンモニウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸トリエチルアンモニウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブタンスルホン酸カリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−ブタンスルホン酸カリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−ブタンスルホン酸カリウム等が挙げられる。
本発明におけるポリチオフェン(B)は、上記一般式(5)で表される3,4−エチレンジオキシチオフェン誘導体モノマーをポリマーアニオンの存在下に水中で化学酸化重合させることで得られる。
上記一般式(5)中、Rは水素原子、置換基を有していても良い炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、アルコキシ基を表す。
において、置換基を有していても良い炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基としては、Rと同様のものを例示できる。置換基としてはヒドロキシ基、アルコキシ基が挙げられる。
において、置換基を有していても良い炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。置換基としてはヒドロキシ基、アルコキシ基が挙げられる。好ましくは、水素原子、又はメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヒドロキシメチル基である。さらに好ましくは、水素原子、ヒドロキシメチル基である。これらは単独でも混合して重合に用いても良い。好ましくは、3、4−エチレンジオキシチオフェン単独である。
ポリマーアニオンとしては、水溶性ポリマーアニオンであれば特に限定されないが、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸等、及びそれらの金属塩又はアンモニウム塩やアミン塩が例示できる。より好ましくはポリスチレンスルホン酸である。分子量(GPC分析)は特に限定されないが、数千〜数百万の範囲で選択でき、好ましくは数千〜50万である。さらに好ましくは、1万〜30万である。
ポリチオフェン(B)は、水中、ポリアニオンの存在下に、下記一般式(7)で表される3,4−エチレンジオキシチオフェン誘導体モノマーを、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等の過硫酸塩と第二鉄塩とで化学酸化重合させることで、ポリスチレンスルホン酸をポリアニオンとするポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン誘導体)との複合体を水分散体として得ることができる。より好ましくは、下記式(8)で表されるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸からなる複合体である(以後、「PEDOT:PSS」と呼ぶ)。PEDOT:PSSは市販のものを使用することも可能である。
Figure 0006311355
Figure 0006311355
上記一般式(7)中、Rは水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルカリ基、又はアルコキシ基を表す。
ポリチオフェン(B)を製造する際の酸化重合反応で使用されるポリアニオンの使用量は、上記3,4−エチレンジオキシチオフェン誘導体モノマー100重量部に対して50〜2,000重量部の範囲が好ましく、より好ましくは100〜500重量部であり、最も好ましくは150〜300重量部の範囲である。
本発明の酸化重合反応に用いる触媒としては、過硫酸塩及び第二鉄塩等の一般的なものを用いることができる。過硫酸塩としては、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等が用いられ、また、第二鉄塩としては、例えば、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、トルエンスルホン酸第二鉄等が用いられるが、過硫酸アンモニウムと硫酸第二鉄が特に好ましい。
酸化重合触媒の使用量は上記3,4−エチレンジオキシチオフェン誘導体モノマーに対し、1〜5倍モルの範囲が好ましく、更に1〜1.5倍モルの範囲が特に好ましい。
本発明は水中で実施される。その使用量は3,4−エチレンジオキシチオフェン誘導体モノマーが分散する量であれば特に限定されないが、モノマー重量に対して1〜1000倍量の範囲である。よりこのましくは、50〜500倍量である。
尚、補助溶媒の使用量としては、特に限定されるものではなく、好ましくは原料のスチレンスルホン酸モノマー又はポリマーに含有される繰り返し単位中のスチレンスルホン酸(ポリスチレン換算での数平均分子量Mnから推定。)に対し、0.2〜100倍モルの範囲が好ましく、更に好ましくは0.5〜2倍モルの範囲である。
本酸化重合法において反応温度は、水系溶媒を取り扱うことが可能な反応温度であれば特に限定するものではなく、0〜100℃であり、濃度変化をさせずに反応を進行させるため、好ましくは0〜50℃、さらに好ましくは0〜30℃の範囲である。
本発明における化合物(C)は、ヒドロキシ基を有する水溶性化合物及び水溶性スルホキシドの群から選ばれる少なくとも一つの化合物である。ヒドロキシ基を有する水溶性化合物としては、多価アルコールが挙げられる。多価アルコールとしては、特に限定するものではないが、2価アルコール、3価アルコール、糖アルコールが好ましい。これらは単独で使用しても、2種以上を混合してよい。
2価アルコールとしては、特に限定するものではないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が好ましい。
3価アルコールとしては、特に限定するものではないが、例えば、グリセロールが好ましい。
糖アルコールとしては、特に限定するものではないが、例えば、エリトリトール、ソルビトール、アラビトール等が好ましい。より好ましくはソルビトールである。
化合物(C)のより好適な例としては、エチレングリコール、ジメチルスルホキシドである。
水溶性スルホキシドとしては、ジアルキルスルホキシド類が良く、より好ましくはジメチルスルホキシドである。
本発明の上記導電性高分子水溶液において、上記ポリチオフェン(A)、ポリチオフェン(B)、及び化合物(C)の含有量は、0.01<[ポリチオフェン(B)と化合物(C)の総固形分重量]/[ポリチオフェン(A)の固形分重量]<1000の範囲であることが好ましい。
本発明の導電性高分子水溶液を調製する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、本発明のポリチオフェン(A)の水溶液又は固体と、ポリチオフェン(B)の水溶液、ヒドロキシ基を有する水溶性化合物、又は水溶性スルホキシドの群から選ばれる少なくとも一つの化合物(C)を任意の順で混合することにより調製できる。好ましくは、ポリチオフェン(A)の水溶液を使用することが望ましい。また、予め化合物(C)をポリチオフェン(A)の水溶液又は、ポリチオフェン(B)の水溶液に添加しておいても良い。混合する際の温度は、特に限定されないが、室温〜加温下で行うことができる。好ましくは0℃以上100℃以下が好ましい。混合する際の雰囲気は特に限定されないが、大気中、不活性ガス中でも良い。本発明の導電性高分子水溶液のpHは1.5〜9.0までの間で任意に調整することができる。pHを調整する手順としては、ポリチオフェン(A)、ポリチオフェン(B)、化合物(C)を混合した後、アンモニア水又はアミン系化合物を添加することにより調整できる。アミン系化合物としては、特に限定されないが、エチレンジアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン水溶液、イミダゾール、ピリジン、エタノールアミン、N、N−ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。より好ましくはアンモニア水である。
本発明の導電性高分子水溶液を混合する際には、スターラーチップや攪拌羽根による一般的な混合溶解操作に加えて、超音波照射、ホモジナイズ処理(例えば、メカニカルホモジナイザー、超音波ホモジナイザ−、高圧ホモジナイザー等の使用)を行ってもよい。ホモジナイズ処理する場合には、ポリマーの熱劣化を防ぐため、冷温しながら行うことが好ましい。
本発明の導電性高分子水溶液から導電性高分子膜を形成する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、本発明の導電性高分子水溶液を、基材に塗布し乾燥することで導電性被膜が簡単に得られる。
基材としては、例えば、ガラス、プラスチック、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、レジスト基板等が挙げられる。
塗布方法としては、例えば、キャスティング法、ディッピング法、バーコード法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、スピンコート法、インクジェット印刷法等が挙げられる。
塗膜の乾燥温度は、均一な導電膜が得られる温度であれば特に限定されないが、室温300℃の範囲であり、好ましくは室温〜250℃の範囲であり、さらに好ましくは室温〜200℃の範囲である。
乾燥雰囲気は大気中、不活性ガス中、真空中、又は減圧下のいずれであってもよい。高分子膜の劣化抑制の観点からは、窒素、アルゴン等の不活性ガス中が好ましい。
塗膜の膜厚としては特に限定するものではないが、10−2〜10μmの範囲が好ましい。得られる塗膜の表面抵抗値としては特に限定するものではないが、1〜10Ω/□の範囲のものが好ましい。
本発明で得られる導電性高分子膜の導電率としては、特に限定するものではないが、フィルム状態での導電率(電気伝導度)が35S/cm以上であることが好ましい。
本発明における良好な耐湿性とは、上記した方法で得られた導電性高分子膜を流水中で1分間洗浄しても基材から剥離・溶解せず、さらに再度乾燥した後の導電率の変化がほとんどない程度の耐湿性をいう。
以下に本発明に関する実施例を示す。
なお、本実施例で用いた分析機器及び測定方法を以下に列記する。
[GC測定]
装置:Shimadzu製、GC−2014。
[NMR測定]
装置:VARIAN製、Gemini−200。
[表面抵抗率測定]
装置:三菱化学社製ロレスタGP MCP−T600。
[膜厚測定]
装置:BRUKER社製 DEKTAK XT。
[導電率測定]
導電性ポリマーを含む水溶液0.5mlを25mm角の無アルカリガラス板に塗布し、室温で一晩乾燥した後、ホットプレート上で120℃にて20分、さらに160℃にて10分加熱して導電性高分子膜を得た。膜厚及び表面抵抗率から、以下の式に基づき算出した。
導電率[S/cm]=10/(表面抵抗率[Ω/□]×膜厚[μm])
[耐湿性試験]
導電性ポリマーを含む水溶液0.5mlを25mm角の無アルカリガラス板に塗布し、室温で一晩乾燥した後、ホットプレート上で120℃にて20分、さらに160℃にて10分加熱して導電性高分子膜を得た。得られた導電性高分子膜に流水を1分間流し、膜の溶解又は剥離を観察した。膜の溶解又は剥離が観察された場合、耐湿性結果を悪とし、いずれも観察されない場合、耐湿性結果を良とした。さらに試験後の膜を再乾燥して導電率を測定し、試験後に導電率が低下していないか検証した。
合成例1 (3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(9)の合成.
窒素雰囲気下、100mlナス型フラスコに60%水素化ナトリウム0.437g(10.9mmol)、トルエン37mlを仕込んだ後、1.52gの(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノール1.52g(8.83mmol)を添加した。その後、反応液を還流温度に昇温させ同温度で1時間攪拌した。その後、2,4−ブタンスルトン1.21g(8.89mmol)とトルエン10mlとからなる混合液を滴下し、同温度で2時間攪拌した。冷却後、得られた反応液をアセトン160mlに滴下し再沈を行った。得られた粉末を濾過し、真空乾燥させることで1.82gの淡黄色粉末を収率62%で得た。NMR測定から、これが下記式(9)で表される3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウムであることを確認した。
Figure 0006311355
H−NMR(DO)δ(ppm);6.67(s,2H),4.54−4.60(m,1H),4.45(dd,1H,J=12.0,2.2Hz),4.26(dd,1H,J=12.0,6.8Hz),3.90−3.81(m,4H),3.10−3.18(m,1H),2.30−2.47(m,1H),1.77−1.92(m,1H),1.45(d,3H)。
13C−NMR(DO)δ(ppm);14.91,31.22,53.13,66.18,69.18,73.29,73.36,100.81,100.94,140.88,141.06。
合成例2 ポリチオフェン(A)の合成[下記式(10)又は下記式(11)で表される構造単位を含む重合体].
500mlセパラブルフラスコに、合成例1に準じて合成した3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 10g(30mmol)と水150gを加えた。溶解後、室温下、無水塩化鉄(III)2.94g(18.1mmol)を加えて20分攪拌した。その後、過硫酸ナトリウム14.5g(60.4mmol)と水100gからなる混合溶液を反応液温度が30℃以下を保持しながら滴下した。室温で3時間攪拌したのち、反応液を800gのアセトンに滴下させ黒色のNa型のポリマーを析出させた。ポリマーを濾過・真空乾燥することで、18.0gの3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウムの粗ポリマーを得た。 次に、この粗ポリマー14.5gに水を加え2重量%溶液に調製した水溶液700gを、陽イオン交換樹脂Lewatit MonoPlus S100(H型)200mlを充填したカラムに通液(空間速度=1.1)することによりH型のポリマー水溶液を738g得た。更に、本ポリマー水溶液をクロスフロー式限外ろ過(ろ過器=ビバフロー200,分画分子量=5,000、透過倍率=5)により精製することにより下記式(10)又は下記式(11)で表される構造単位を含む重合体の濃群青色水溶液を698g合成した。本ポリマー水溶液に含まれるポリマー量は0.74重量%であり、又、不純物と考えられる鉄イオン、ナトリウムイオンはICP−MS分析により、各々44ppm,12ppm(対ポリマー)であった。本ポリマーの導電率は54S/cmだった。
Figure 0006311355
Figure 0006311355
合成例3 ポリチオフェン(B)の合成[上記式(8)で示される重合体/PEDOT:PSS相当].
(ポリスチレンスルホン酸の製造例)
冷却管、温度計、撹拌翼を装着した200mlの四つ口フラスコに、25℃下、スチレンスルホン酸ナトリウム10.0g(東ソー株式会社製スピノマーNaSS、純度87%)と水40.0gを仕込んで溶解させ、90℃に加熱し過硫酸アンモニウム0.05gを添加し2時間重合させた。得られた反応液に水50.0gを加え、陽イオン交換樹脂(オルガノ社製アンバーライトIR120B)50mlを充填したカラムを用いて1ml/分で通液処理した後、同カラムに洗浄水50mlを1ml/分で通液処理した。更に、その全処理液を陰イオン交換樹脂(オルガノ社製アンバーライトIRA96SB)50mlを充填したカラムを用いて1ml/分で通液処理した後、同カラムに洗浄水50mlを1ml/分で通液処理し、ポリスチレンスルホン酸塩水溶液を得た。得られたポリスチレンスルホン酸塩水溶液をGPCで分析した結果、低分子のスチレンスルホン酸塩は検出されなかった。また、標準ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを基準とした重量平均分子量は34万であった。更に、塩素、臭素、ナトリウム含有量はイオンクロマトグラフィー及び誘導結合プラズマ発光分光分析の測定から、全て、ポリスチレンスルホン酸塩に対して50ppm以下であった。
(PEDOT:PSSの製造例)
冷却管、温度計、撹拌翼を装着した200mlの四つ口フラスコに、25℃で、上記ポリスチレンスルホン酸の製造例で得られたポリスチレンスルホン酸の5%水溶液18.6g、ジメチルスルホキシド0.26g、過硫酸アンモニウム0.77g、硫酸第二鉄0.02gを仕込み、水を加えて全量を100gとし撹拌溶解させた。続いて強撹拌下で3,4−エチレンジオキシチオフェン0.47gを添加し、25℃で24時間重合させた。得られた重合液を、超音波ホモジナイザー(日本精機社製UT−300T)で20分間分散処理した後、陽イオン交換樹脂(オルガノ社製アンバーライトIR120B)10gと陰イオン交換樹脂(オルガノ社製アンバーライトIRA96SB)10gを加え、1時間撹拌した。その後、この分散液をろ紙(東洋濾紙社製No.2)でろ過してイオン交換樹脂を陽イオン、陰イオンと共に除去した。次に、このろ液に水400mlを加え、限外ろ過装置(アドバンテック東洋社製撹拌型ウルトラフィルター、分画分子量1万)を用いて約400mlの水溶液を除去した。この操作を3回繰り返し、遊離の低分子成分を除去した。更に、この処理液をメンブランフィルター(孔径0.45μm)に通し、ポリマー固形分を1.2重量%含有する導電性の高分子分散液を得た。
実施例1.
合成例2で得られたポリチオフェン(A)を0.5wt%含む水溶液5.00gに、予め合成例3で得たポリチオフェン(B)(1.2wt%PEDOT:PSS水分散体)及びそれに対して5wt%のエチレングリコールを添加して調製した液を0.13g加えてよく撹拌混合した。この導電性高分子水溶液をガラス上に0.5mLキャストし、室温で一晩乾燥した後、ホットプレート上で120℃にて20分、さらに160℃にて10分加熱して導電性高分子膜を得た。この塗膜の導電率は68S/cmであり、導電性向上が見られた。引き続き、耐湿性試験としてこの塗膜を1分間流水で洗い流して溶解・剥離を観察した結果、溶解、剥離はなく、塗膜に変化は見られず耐湿性の向上が見られた。結果を表1に示す。
実施例2〜11.
実施例1において、導電性高分子水溶液の組成を変化させた以外は実施例1に準拠して行った。その結果を表1に示す。
Figure 0006311355
実施例12〜13.
実施例1に準拠して作製した導電性高分子溶液をアンモニア水でpH7〜8に調整した後、塗膜を作製して実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に併せて示す。
実施例14.
実施例1において、化合物(C)としてエチレングリコールとソルビトールの混合物を添加し、導電性高分子水溶液の組成を変化させた以外は実施例1に準拠して行った。その結果を表1に併せて示す。
比較例1.
実施例1において、ポリチオフェン(A)のみで高分子膜を作製した。その高分子膜では、耐湿性試験で膜の溶解又は剥離が一部見られた。
比較例2〜4.
実施例1において、化合物(C)を添加していない1.2重量%PEDOT:PSSを使用した以外は実施例1に準拠して高分子膜を作製した。その結果、高分子膜の耐湿性に改善が見られたが、導電性の低下が見られた。
上記したとおり、本発明の導電性高分子水溶液を使用すれば、高い導電性と耐湿性に優れた導電性高分子膜を提供することができる。
この新規な導電性高分子水溶液は、帯電防止剤、コンデンサの固体電解質、導電性塗料、エレクトロクロミック素子、透明電極、透明導電膜、熱電変換材料、化学センサ、アクチュエータ等への応用が期待できる。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表される構造単位、下記一般式(1b)で表される構造単位、下記一般式(2a)で表される構造単位、及び下記一般式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)、下記一般式(5)で表されるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン誘導体)とポリアニオンとの複合体であるポリチオフェン(B)、並びに2価のアルコール、糖アルコール、及びジメチルスルホキシドからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物(C)を含み、前記ポリチオフェン(A)、ポリチオフェン(B)、化合物(C)の含有量が、0.01<[ポリチオフェン(B)と化合物(C)の総固形分重量]/[ポリチオフェン(A)の固形分重量]<1000の範囲であることを特徴とする導電性高分子水溶液。
    Figure 0006311355
    [上記一般式(1、一般式(1b)、一般式(2a)、及び一般式(2)中、Mは水素原子、アルカリ金属原子、又はNH(Rを表す。Rは各々独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。lは6〜12の整数を表す。mは1〜6の整数を表す。R は水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。
    Figure 0006311355
    [上記一般式(5)中、Rは水素原子、置換基を有していても良い炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、アルコキシ基を表す。]
  2. ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン誘導体)中、Rが水素原子、又はヒドロキシメチル基であることを特徴とする請求項1に記載の導電性高分子水溶液。
  3. ポリアニオンがポリスチレンスルホン酸であることを特徴とする請求項1に記載の導電性高分子水溶液。
  4. 2価のアルコールが、エチレングリコールであることを特徴とする請求項1に記載の導電性高分子水溶液。
  5. 糖アルコールがソルビトールであることを特徴とする請求項に記載の導電性高分子水溶液。
  6. 請求項1乃至のいずれかに記載の導電性高分子水溶液を乾燥させて得られる導電性高分子膜。
  7. 導電率が35S/cm以上であることを特徴とする請求項記載の導電性高分子膜。
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