JP6379523B2 - 導電性高分子水溶液、及び導電性高分子膜 - Google Patents

導電性高分子水溶液、及び導電性高分子膜 Download PDF

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本発明は、導電性高分子水溶液、及び高い導電性と耐湿性を有する導電性高分子膜に関する。
近年、ポリパラフェニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン等のπ共役系高分子物質に、電子受容性化合物をドーパントとしてドープした導電性高分子材料が開発され、例えば、キャパシタ電極材料、電池電極材料、帯電防止材料等に応用されている。
これらの中でも、化学的安定性の面からポリチオフェンが実用上有用であり、例えば、水中でポリスチレンスルホン酸(PSS)の存在下に3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を化学酸化重合することで得られる水分散ポリチオフェン誘導体(PEDOT:PSS)が、導電性高分子材料として注目されている。
上記したPEDOT:PSSの水溶液から得られる導電性高分子膜の導電率は高いものの、導電性高分子組成物内に導電性高分子にドープされていないポリ陰イオン由来の親水性官能基を多数有しているため、例えばコンデンサの固体電解質(陰極材料)に用いた場合、耐湿性(耐水性)が悪く、電気的特性の劣化を引き起こす恐れがあった。
このため、ポリスチレンスルホン酸イオンをドーパントとした導電性高分子ポリエチレンジオキシチオフェンと、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基を1つ持つ化合物とを含有する導電性高分子懸濁溶液を反応させ、溶液を乾燥させることで耐水性に優れた導電性高分子組成物膜が得られることが報告されている(特許文献1参照)。しかしながら、エポキシ基を1つ持つ化合物を含有させることで導電性高分子組成物膜の導電率が低下してしまうという問題があった。更に、PEDOT:PSSは、元来数十nm以上の水分散体溶液であることから、例えば、アルミ電解固体コンデンサの誘電体であるアルミナの細孔に浸透しづらいため高容量化・低ESR(Equivalent Series Resistance;等価直列抵抗)化に課題があった。
また、ポリ(2−スルホ−5−メトキシ−1,4−イミノフェニレン等の可溶性導電性ポリマーと、PVA等の架橋性化合物とからなる架橋性導電性組成物を成膜し、該膜を架橋させ不溶化させることで耐水性に優れた架橋性導電体が得られることが報告されている(特許文献2参照)。しかしながら、架橋性化合物を含有させることで架橋性導電体の導電率が低下してしまうという問題があった。
従って、浸透性の良好な水可溶性の自己ドープ型導電性ポリマーにおいて、高導電性をと耐湿性を兼ね備えた導電性高分子膜を形成できる導電性高分子水溶液の組成物が求められていた。
特開2010−095580号公報 国際公開第97/07167号
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、
(1)高導電性、高耐湿性(耐水性)及び浸透性を兼ね備えた導電性高分子膜を提供すること、及び
(2)その導電性高分子膜を形成するための新規な導電性高分子水溶液を提供すること、である。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のポリチオフェンと、多価アルコール及びエポキシ化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物とを含有する水溶液から形成された導電性高分子膜は、導電性、耐湿性及び浸透性を著しく改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に示すとおりの導電性高分子水溶液の組成物、並びに導電性高分子膜に関するものである。
[1]下記式(1)で表される構造単位及び下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェンと、多価アルコール及びエポキシシラン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含む導電性高分子水溶液。
Figure 0006379523
Figure 0006379523
[上記式(1)、(2)中、Mは水素原子、アルカリ金属原子、又はNH(Rを表す。Rは各々独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。Lは下記式(3)〜(6)のいずれかを表す。]
Figure 0006379523
[上記式(3)中、lは6〜12の整数を表す。]
Figure 0006379523
[上記式(4)中、mは1〜6の整数を表す。Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。]
Figure 0006379523
[上記式(5)中、nは1〜6の整数を表す。Rは水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基を表す。]
Figure 0006379523
[2]上記式(1)中のMが、NH(Rである[ここで、Rは各々独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。]ことを特徴とする上記[1]に記載の導電性高分子水溶液。
[3]多価アルコールが、2価のアルコール、3価のアルコール、及び糖アルコールからなる群より選択されることを特徴とする上記[1]に記載の導電性高分子水溶液。
[4]多価アルコールが、エチレングリコールであることを特徴とする上記[1]に記載の導電性高分子水溶液。
[5]上記式(1)で表される構造単位及び上記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェンと、多価アルコール及びエポキシシラン化合物の含有量が、0.01<[多価アルコールとエポキシシラン化合物の合計重量]/[ポリチオフェンの重量]<500の範囲であることを特徴とする上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の導電性高分子水溶液。
[6]上記[1]乃至[4]に記載の導電性高分子水溶液を乾燥させることを特徴とする導電性高分子膜の製造方法。
[7]上記[1]乃至[4]に記載の導電性高分子水溶液を乾燥させて得られる導電性高分子膜であって、かつその導電率が20S/cm以上であることを特徴とする導電性高分子膜。
本発明によれば、新規な導電性高分子水溶液組成物を提供できる。さらにそれから形成される導電性高分子膜は、高い導電性と良好な耐湿性を兼ね備えた膜を作製できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の導電性高分子水溶液は、上記式(1)で表される構造単位及び上記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(以下、「本発明のポリチオフェン」と称する場合がある。)と、多価アルコール及びエポキシ化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含む。
上記式(2)で表される構造単位は、上記式(1)で表される構造単位のドーピング状態を表す。
ドーピングにより絶縁体−金属転移を引き起こすドーパントは、アクセプタとドナーに分けられる。前者は、ドーピングにより導電性ポリマーの高分子鎖の近くに入り主鎖の共役系からπ電子を奪う。結果として、主鎖上に正電荷(正孔、ホール)が注入されるため、p型ドーパントとも呼ばれる。また、後者は、逆に主鎖の共役系に電子を与えることになり、この電子が主鎖の共役系を動くことになるため、n型ドーパントとも呼ばれる。
本発明におけるドーパントは、ポリマー分子内に共有結合で結びついたスルホ基又はスルホナート基であり、p型ドーパントである。このように外部からドーパントを添加することなく導電性を発現するポリマーは自己ドープ型ポリマーと呼ばれている。
上記式(1)又は(2)中、Mは、水素原子、アルカリ金属原子、又はNH(Rを表す。アルカリ金属原原子としては、Li、Na、Kが好ましい。また、置換基Rは各々独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。
炭素数1〜6のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基において、置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基が挙げられる。置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基としては、具体的には、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基等が例示される。
これらのうち、置換基Rとしては、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基が好ましい。
上記式(1)又は(2)中、Lは上記した上記式(3)〜(6)のいずれかで表される。
上記式(3)においてlは6〜12の整数を表し、好ましくは6〜8の整数である。
上記式(4)において、Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。mは1〜6の整数を表す。
上記式(5)において、nは1〜6の整数を表す。Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基を表す。
置換基R、Rにおいて、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、フッ素原子である。
本発明のポリチオフェンは、下記式(7)で表されるチオフェンモノマーを、水又はアルコール溶媒中、酸化剤の存在下に重合させることで製造できる。
Figure 0006379523
[上記式(7)中、M、Lは上記と同じ定義である。]
重合後のポリマーは金属塩であるため、必要に応じて、得られたポリマーを酸性処理することでMを水素原子へ変換可能であり、さらにこれをアミン化合物と反応させることでMがNH(Rで表されるアミン塩への変換が可能である。ここでRは上記と同じ定義である。
上記式(1)又は(2)においてLが上記式(3)で表される、本発明のポリチオフェンを得るためのチオフェンモノマーとしては、具体的には、
6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸リチウム、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸カリウム、
8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸、8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸ナトリウム、8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸カリウム等が例示される。
上記式(1)又は(2)においてLが上記式(4)で表される、本発明のポリチオフェンを得るためのチオフェンモノマーとしては、具体的には、
3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸カリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−エチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロピル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ペンチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ヘキシル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソプロピル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソブチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソペンチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸カリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸アンモニウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸トリエチルアンモニウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブタンスルホン酸カリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−ブタンスルホン酸カリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−ブタンスルホン酸カリウム等が挙げられる。
上記式(1)又は(2)においてLが上記式(5)で表される、本発明のポリチオフェンを得るためのチオフェンモノマーとしては、具体的には、
N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−2−アミノエタンスルホン酸、N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−2−アミノエタンスルホン酸ナトリウム、N−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−2−アミノエタンスルホン酸カリウム、N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−ビス(2−アミノエタンスルホン酸ナトリウム)、N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−ビス(2−アミノエタンスルホン酸カリウム、
N−メチル−N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−2−アミノエタンスルホン酸、N−メチル−N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−2−アミノエタンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−2−アミノエタンスルホン酸カリウム、
N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−3−アミノプロパンスルホン酸、N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−3−アミノプロパンスルホン酸ナトリウム、N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−3−アミノプロパンスルホン酸カリウム、N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−ビス(3−アミノプロパンスルホン酸ナトリウム)、N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−ビス(3−アミノプロパンスルホン酸カリウム)、
N−メチル−N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−3−アミノプロパンスルホン酸、N−メチル−N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−3−アミノプロパンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−3−アミノプロパンスルホン酸カリウム、
N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−4−アミノブタンスルホン酸、N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−4−アミノブタンスルホン酸ナトリウム、N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−4−アミノブタンスルホン酸カリウム、N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−ビス(4−アミノブタンスルホン酸ナトリウム)、N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−ビス(4−アミノブタンスルホン酸カリウム)、N−メチル−N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−4−アミノブタンスルホン酸、
N−メチル−N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−4−アミノブタンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−4−アミノブタンスルホン酸カリウム等が例示される。
上記式(1)又は(2)においてLが上記式(6)で表される、本発明のポリチオフェンを得るためのチオフェンモノマーとしては、具体的には、
O−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−4−フェノールスルホン酸、O−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−4−フェノールスルホン酸ナトリウム、O−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−4−フェノールスルホン酸カリウム等が挙げられる。
本発明において、「多価アルコール」とは、分子中に水酸基を2個以上有する化合物を意味する。このような多価アルコールとしては、特に限定するものではないが、2価アルコール、3価アルコール、糖アルコールが好ましい。これらは単独で使用しても、2種上を混合してよい。
2価アルコールとしては、特に限定するものではないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等が好ましい。
3価アルコールとしては、特に限定するものではないが、例えば、グリセロールが好ましい。
糖アルコールとしては、特に限定するものではないが、例えば、エリトリトール、ソルビトール、アラビトール等が好ましい。
より好ましくはエチレングリコールである。
本発明において、「エポキシシラン化合物」とは、分子中にエポキシ基と加水分解性ケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物のことである。加水分解性ケイ素基としては特に限定されないが、例えば、クロロシリル基、アシルシリル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。取扱い性がよいという点でアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。具体的には、2−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。これらは、単独で使用しても、2種以上を混合してよい。
本発明の導電性高分子水溶液において、本発明のポリチオフェン、多価アルコール、及びエポキシシラン化合物の含有量は、特に限定するものではないが、次の式を満たすことが好ましい。
0.01<[多価アルコールとエポキシシラン化合物の合計重量]/[本発明のポリチオフェンの重量]<500。
より好ましくは、0.01<[多価アルコールとエポキシシラン化合物の合計重量]/[本発明のポリチオフェンの重量]<50である。
本発明の導電性高分子水溶液を調製する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、本発明のポリチオフェンの固体を、室温〜加温下(100℃以下が好ましい)で水に撹拌溶解させた水溶液に、多価アルコール又はエポキシシラン化合物を添加して混合溶解させることで達成される。また、上記式(7)で表されるポリチオフェンモノマーを水溶液中で重合させることで得た本発明のポリチオフェンの水溶液を精製及び濃度調製して得られる水溶液に、多価アルコール又はエポキシシラン化合物を添加して混合溶解させることで達成される。
本発明のポリチオフェンの固体を撹拌溶解させる際には、スターラーチップや攪拌羽根による一般的な混合溶解操作に加えて、超音波照射、ホモジナイズ処理(例えば、メカニカルホモジナイザー、超音波ホモジナイザ−、高圧ホモジナイザー等の使用)を行ってもよい。ホモジナイズ処理する場合には、ポリマーの熱劣化を防ぐため、冷温しながら行うことが好ましい。
本発明の導電性高分子水溶液から導電性高分子膜を形成する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、本発明の導電性高分子水溶液を、基材に塗布し乾燥することで導電性被膜が簡単に得られる。
基材としては、例えば、ガラス、プラスチック、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、レジスト基板等が挙げられる。
塗布方法としては、例えば、キャスティング法、ディッピング法、バーコード法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、スピンコート法、インクジェット印刷法等が挙げられる。
塗膜の乾燥温度は、均一な導電膜が得られる温度であれば特に限定されないが、室温300℃の範囲であり、好ましくは室温〜250℃の範囲であり、さらに好ましくは室温〜200℃の範囲である。
乾燥雰囲気は大気中、不活性ガス中、真空中、又は減圧下のいずれであってもよい。高分子膜の劣化抑制の観点からは、窒素、アルゴン等の不活性ガス中が好ましい。
塗膜の膜厚としては特に限定するものではないが、10−2〜10μmの範囲が好ましい。得られる塗膜の表面抵抗値としては特に限定するものではないが、1〜109Ω/□の範囲のものが好ましい。
本発明で得られる導電性高分子膜の導電率としては、特に限定するものではないが、フィルム状態での導電率(電気伝導度)が20S/cm以上であることが好ましい。
本発明における良好な耐湿性とは、上記した方法で得られた導電性高分子膜を流水中で1分間洗浄しても基材から剥離・溶解せず、さらに再度乾燥した後の導電率の変化がほとんどない程度の耐湿性をいう。
以下に本発明に関する実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定して解釈されるものではない。なお、本実施例で用いた分析機器及び測定方法を以下に列記する。
[GC測定]
装置:Shimadzu製、GC−2014。
[NMR測定]
装置:VARIAN製、Gemini−200。
[表面抵抗率測定]
装置:三菱化学社製ロレスタGP MCP−T600。
[膜厚測定]
装置:BRUKER社製 DEKTAK XT。
[導電率測定]
0.5重量%の導電性ポリマーを含む水溶液0.5mlを25mm角の無アルカリガラス板に塗布し、室温で一晩乾燥した後、ホットプレート上で120℃にて20分、さらに160℃にて10分加熱して導電性高分子膜を得た。膜厚及び表面抵抗率から、以下の式に基づき算出した。
導電率[S/cm]=10/(表面抵抗率[Ω/□]×膜厚[μm])
[浸透性試験]
約2重量%の導電性ポリマーを含む水溶液1gに、球状γ―アルミナ(住友化学製NKHO−24、比表面積=170m/g、細孔容積=0.62ml/g、平均細孔径=11nm)を15分〜1時間浸漬した。その後、120℃で30分乾燥したのち、γ−アルミナの断面を観察し、目視により導電性ポリマーの浸透性を観察した。
[耐湿性試験]
約0.5重量%の導電性ポリマーを含む水溶液0.5mlを25mm角の無アルカリガラス板に塗布し、室温で一晩乾燥した後、ホットプレート上で120℃にて20分、さらに160℃にて10分加熱して導電性高分子膜を得た。得られた導電性高分子膜に流水を1分間流し、膜の溶解又は剥離を観察した。膜の溶解又は剥離が観察された場合、耐湿性結果を×とした。
合成例1 6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)−1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム(9)の合成.
以下の方法で、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)−1−ヘキサンスルホン酸ナトリウムの原料となる6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)−1−ヘキセン(8)を合成した。
冷却管、温度計挿入管、攪拌羽根、窒素導入管を備えた500mLセパラブルフラスコに、市販の3,4−ジメトキシチオフェン20.0g(97.0GC%、134.5mmol)、7−オクテン−1、2−ジオール23.3g(161.5mmol)、パラ−トルエンスルホン酸ナトリウム・1水和物(5.3g、30.9mmol)、及びトルエン400mLを仕込み、90℃で42時間反応させた。放冷後、分液ロートに移し、水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、さらにジクロロメタンで抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ液を濃縮して淡黄色液を得た。引き続き、シリカゲルクロマトグラフィーにて精製し(溶離液:ヘキサン/トルエン=4/1)、目的の化合物を淡黄色オイルとして14.9g(収率49%)で得た。NMR測定から、これが下記式(8)で表される化合物(8)であることを確認した。
H−NMR(200MHz,CDCl,TMS)δ(ppm)6.29(2H,s)、5.91−5.70(1H,m)、5.07−4.92(2H,m)、4.15−4.03(2H,m)、3.84(1H,dd, J=10.6Hz,8.4Hz)、2.13−2.03(2H,m)、1.70−1.43(6H,m)。
13C−NMR(50MHz,CDCl,TMS)δ(ppm)24.45、28.68、30.49、33.49、68.34、73.63、99.12、99.18、114.54、141.53、141.99。
Figure 0006379523
上記の製造した6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)−1−ヘキサンスルホン酸ナトリウムを使用して、以下の方法で、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)−1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム(9)を合成した。
冷却管、温度計挿入管、攪拌羽根、窒素導入管を備えた500mLセパラブルフラスコに、合成例(1−1)で得られた上記式(8)で表される化合物14.9g(98.0GC%、65.1mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(0.98mmol)140.8mg、及びメタノール150mLを仕込み、室温で溶解させ、そこへ別途調製した亜硫酸水素ナトリウム10.2g(97.6mmol)と亜硫酸ナトリウム2.1g(16.3mmol)を水130mLに溶解した水溶液を室温で滴下した。白濁した反応液を還流条件下44時間反応させた。反応の進行とともに、白濁液から不溶物が一旦析出した後、再溶解して均一液として得られた。放冷後、濃縮して得た白色固体にエタノールを添加して室温で一晩攪拌抽出した。引き続き、減圧ろ過で不溶物を除去し、得られた無色ろ液を濃縮して目的の化合物を白色固体として11.9g(収率56%)で得た。NMR測定から、これが下記式(9)で表される化合物であることを確認した。
H−NMR(200MHz,DO,2,2,3,3−d(4)−3−(トリメチルシリル)プロピオン酸ナトリウム)δ(ppm)6.34(2H,s)、4.20−4.14(2H,m)、3.90−3.84(1H、m)、2.88(2H、t、J=8.2Hz)、1.73−1.37(10H、m)。
13C−NMR(50MHz,DO,2,2,3,3−d(4)−3−(トリメチルシリル)プロピオン酸ナトリウム)δ(ppm)26.85、27.07、30.56、53.84、70.92、76.91、102.51、102.58、143.66、143.95。
Figure 0006379523
合成例2 ポリマーAの合成[下記式(10)又は下記式(11)で表される構造単位を含む重合体].
Figure 0006379523
合成例1で得られた上記式(9)で表される化合物0.50g(1.52mmol)を水5.9mLに溶解させてモノマーの水溶液を得た。次に、窒素ラインを備えた30mL反応管中に予め仕込んでおいたFeCl3 1.98g(12.2mmol)に対して、このモノマーの水溶液をゆっくり添加した。その後、窒素下に80℃で48時間攪拌した。得られた黒色液を攪拌下にアセトン150mLにゆっくり添加し、得られた沈殿物を減圧ろ過により回収した(0.45g、黒色固体)。この固体を水5mLに懸濁させて激しく攪拌しながら、0.1NのNaOH水溶液60g加えると、濃青色液が得られた。ろ過により不溶物を除去した後、攪拌下にエタノール350mLにこの液をゆっくり添加した。さらに、遠心沈降(3000rpm)させて上澄みを除去し、黒色沈殿物を減圧ろ過で回収した。引き続き、水100gに再溶解して得たポリマー水溶液を減圧ろ過して水酸化鉄を除去した。ろ液を濃縮、乾燥して目的のNa塩型ポリマーを0.27g(黒色固体)得た。このポリマーの重量平均分子量は11,000だった。このポリマーを水50gに希釈溶解させ、陽イオン交換樹脂アンバーライト(IR120H型)を添加して一晩攪拌した。減圧ろ過でアンバーライトを除去して濃青色H型ポリマー水溶液を得た。粗濃縮液をアセトン中に添加して得られた沈殿物を減圧ろ過で回収した。乾燥後、目的のH型の黒色ポリマーAを0.19g得た。
合成例3 3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(12)の合成.
窒素雰囲気下、100mlナス型フラスコに60%水素化ナトリウム0.437g(10.9mmol)、トルエン37mlを仕込んだ後、(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノール1.52g(8.84mmol)を添加した。その後、反応液を還流温度に昇温させ同温度で1時間攪拌した。その後、2,4−ブタンスルトン1.21g(8.89mmol)とトルエン10mlとからなる混合液を滴下し、同温度で2時間攪拌した。冷却後、得られた反応液をアセトン160mlに滴下し再沈を行った。得られた粉末を濾過し、真空乾燥させることで1.82gの淡黄色粉末を収率62%で得た。NMR測定から、これが下記式(12)で表される3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウムであることを確認した。
H−NMR(DO)δ(ppm);6.67(s,2H),4.54−4.60(m,1H),4.45(dd,1H,J=12.0,2.2Hz),4.26(dd,1H,J=12.0,6.8Hz),3.90−3.81(m,4H),3.10−3.18(m,1H),2.30−2.47(m,1H),1.77−1.92(m,1H),1.45(d,3H)。
13C−NMR(DO)δ(ppm);14.91,31.22,53.13,66.18,69.18,73.29,73.36,100.81,100.94,140.88,141.06。
Figure 0006379523
合成例4 ポリマーBの合成[下記式(13)又は下記式(14)で表される構造単位を含む重合体].
窒素雰囲気下、50mlシュレンク管に3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム0.505g(1.52mmol)と水7.5mlを加え、室温下、無水塩化鉄(III)0.153g(0.93mmol)を加えて20分攪拌した。その後、過硫酸ナトリウム0.724g(3.05mmol)と水5mlからなる混合溶液をシリンジで滴下した。室温で3時間攪拌したのち、反応液を100mlのアセトンに滴下させ黒色のポリマーを析出させた。ポリマーを濾過・真空乾燥することで、0.88gの3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウムのポリマーを得た。次に、このポリマーに水を加え1重量%溶液に調製した水溶液に、陽イオン交換樹脂Lewatit MonoPlus S100(H型)9.2gを加え、室温下、13時間攪拌した。濾過によりイオン交換樹脂を分離することで濃群青色水溶液を得た。得られた濃群青色水溶液は、さらに、透析(透析膜:Spectra/Por MWCO=3500)により無機塩を除去した。さらに、得られた濃群青色水溶液を6.3gまで濃縮し、アセトン120mlに再沈させ、目的のポリマーBを353mgの黒色粉末を得た(収率=69%)。
Figure 0006379523
合成例5 ポリマーCの合成[下記式(15)又は下記式(16)で表される構造単位を含む重合体].
500mlセパラブルフラスコに、合成例3に準じて合成した3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 10g(30mmol)と水150gを加えた。溶解後、室温下、無水塩化鉄(III)2.94g(18.1mmol)を加えて20分攪拌した。その後、過硫酸ナトリウム14.5g(60.4mmol)と水100gからなる混合溶液を反応液温度が30℃以下を保持しながら滴下した。室温で3時間攪拌したのち、反応液を800gのアセトンに滴下させ黒色のNa型のポリマーを析出させた。ポリマーを濾過・真空乾燥することで、18.0gの3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウムの粗ポリマーを得た。 次に、この粗ポリマー14.5gに水を加え2重量%溶液に調製した水溶液700gを、陽イオン交換樹脂Lewatit MonoPlus S100(H型)200mlを充填したカラムに通液(空間速度=1.1)することによりH型のポリマー水溶液を738g得た。更に、本ポリマー水溶液をクロスフロー式限外ろ過(ろ過器=ビバフロー200,分画分子量=5,000、透過倍率=5)により精製することにより上記式(13)又は下記式(14)で表される構造単位を含む重合体の濃群青色水溶液を698g合成した。本ポリマー水溶液に含まれるポリマー量は0.74重量%であり、又、不純物と考えられる鉄イオン、ナトリウムイオンはICP−MS分析により、各々44ppm,12ppm(対ポリマー)であった。
次に、ポリマー量が2重量%になるよう調整した濃縮液50gを200ml三角フラスコに仕込んだ後、モノエタノールアミン4gを室温下加え一晩攪拌した。反応液を濃縮後、アセトン250mlに滴下することでポリマーを析出させた。濾過・真空乾燥することにより、下記式(15)又は下記式(16)で表される構造単位を含む黒色重合体を1.2g単離した。本ポリマーの導電率は79S/cmであった。
Figure 0006379523
合成例6 ポリマーDの合成[下記式(17)又は下記式(18)で表される構造単位を含む重合体].
モノエタノールアミンをN,N−ジメチルエタノールアミンに変え、合成例5と同様な操作を行い、下記式(17)又は下記式(18)で表される構造単位を含む黒色重合体を1.4g単離した。本ポリマーの導電率は、63S/cmであった。
Figure 0006379523
合成例7 ポリマーEの合成[下記式(19)又は下記式(20)で表される構造単位を含む重合体].
モノエタノールアミンをジエタノールアミンに変え、合成例5と同様な操作を行い、下記式(19)又は下記式(20)で表される構造単位を含む黒色重合体を1.0g単離した。本ポリマーの導電率は、52S/cmであった。
Figure 0006379523
合成例8 3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(21)の合成.
窒素雰囲気下、300mlナス型フラスコに60%水素化ナトリウム 1.15g(28.8mmol)、トルエン 100mlを仕込んだ後、(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノール 4.00g(23.3mol)とトルエン 68mlからなる混合液を添加した。その後、反応液を60℃に昇温させ同温度で1時間攪拌した。その後、1,3−プロパンスルトン 2.84g(22.1mmol)とトルエン 58mlからなる混合液を滴下し、還流温度に昇温させ同温度で2時間攪拌した。冷却後、得られた反応液をアセトン 300mlに滴下し再沈を行った。得られた粉末を濾過及び真空乾燥させることで7.16gの淡黄色粉末である3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウムを収率97%で得た。NMRから目的物であることを確認した。
13C−NMR(DO)δ(ppm);27.03,50.58,68.36,71.36,72.46,75.52,103.02,103.15,143.09,143.23。
Figure 0006379523
合成例9 ポリマーFの合成[下記式(22)又は下記式(23)で表される構造単位を含む重合体].
窒素雰囲気下、300mlナス型フラスコに3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 4.00g(12.6mmol)と水 63mlを仕込み溶解させた後、塩化鉄(III)1.23g(7.58mmol)を加えて20分攪拌した。その後過硫酸ナトリウム 6.03g(25.3mmol)と水 42mlからなる混合液を反応液温度が30℃以下を保持しながら滴下した。室温で3時間攪拌した後、反応液をアセトン 600mlに滴下し濃青色のNa型ポリマーを析出させた。ポリマーを濾過、真空乾燥することで6.69gの3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウムの粗ポリマーを得た。次に、この粗ポリマーに水を加え1重量%溶液に調製した水溶液0.67kgを、酸型に調製した陽イオン交換樹脂Amberlite IR−120(Na) 250gを充填したカラムに通液(空間速度=1.6)することによりH型のポリマー水溶液を0.83kg得た。更に、本ポリマー水溶液をクロスフロー式限外ろ過(ろ過器=ビバフロー200,分画分子量=5000、透過倍率=16.2)により精製することにより下記式(22)又は下記式(23)で表される構造単位を含む重合体の濃青色水溶液を0.6kg合成した。本ポリマー水溶液に含まれるポリマー量3.4g(0.56重量%)であった。
Figure 0006379523
合成例10 3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−エチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(24)の合成.
窒素雰囲気下、300mlナス型フラスコに60%水素化ナトリウム 1.30g(32.5mmol)、トルエン 100mlを仕込んだ後、(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノール 4.31g(25.0mol)とトルエン 40mlからなる混合液を添加した。その後、反応液を60℃に昇温させ同温度で1時間攪拌した。その後、1−エチル−1,3−プロパンスルトン 3.76g(25.0mmol)とトルエン 40mlからなる混合液を滴下し、還流温度に昇温させ同温度で2時間攪拌した。冷却後、得られた反応液をアセトン 600mlに滴下し室温で2時間攪拌した後、溶媒を除去し、トルエン 300mlを添加して室温で2時間攪拌してトルエンを除去した。その後2−プロパノール 90ml、エタノール 50mlの混合溶液を添加し、得られた固体を濾過及び真空乾燥させることで5.67gの褐色固体である3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−エチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウムを収率66%で得た。NMRから目的物であることを確認した。
13C−NMR(DO)δ(ppm);13.60,25.53,31.47,61.24,68.46,71.44,71.94,75.58,103.09,103.22,143.37,143.47。
Figure 0006379523
合成例11 ポリマーGの合成[下記式(25)又は下記式(26)で表される構造単位を含む重合体].
窒素雰囲気下、300mlナス型フラスコに3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−エチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 5.00g(12.2mmol)と水 100mlを仕込み溶解させた後、塩化鉄(III)1.41g(8.71mmol)を加えて20分攪拌した。その後過硫酸ナトリウム 6.90g(29.02mmol)と水 100mlからなる混合液を反応液温度が30℃以下を保持しながら滴下した。室温で3時間攪拌した後、反応液をアセトン 700mlに滴下し濃青色のNa型ポリマーを析出させた。ポリマーを濾過、真空乾燥することで8.92gの3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−エチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウムの粗ポリマーを得た。次に、この粗ポリマーに水を加え1重量%溶液に調製した水溶液0.50kgを、酸型に調製した陽イオン交換樹脂Amberlite IR−120(Na) 250gを充填したカラムに通液(空間速度=0.68)することによりH型のポリマー水溶液を0.76kg得た。更に、本ポリマー水溶液をクロスフロー式限外ろ過(ろ過器=ビバフロー200,分画分子量=5000、透過倍率=16.1)により精製することにより下記式(25)又は下記式(26)で表される構造単位を含む重合体の濃青色水溶液を0.76kg合成した。本ポリマー水溶液に含まれるポリマー量は3.2g(0.42重量%)であった。
Figure 0006379523
合成例12 4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−ブタンスルホン酸ナトリウム(27)の合成.
窒素雰囲気下、300mlナス型フラスコに60%水素化ナトリウム 1.03g(25.6mmol)、トルエン 85mlを仕込んだ後、(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノール 3.53g(20.5mol)とトルエン 40mlからなる混合液を添加した。その後、反応液を60℃に昇温させ同温度で1時間攪拌した。その後、1−メチル−1,4−ブタンスルトン 2.99g(19.9mmol)とトルエン 30mlからなる混合液を滴下し、還流温度に昇温させ同温度で2時間攪拌した。冷却後、得られた反応液をアセトン 600mlに滴下し室温で2時間攪拌した後、溶媒を留去した。その後、トルエン 100mlを添加して室温で1時間攪拌し、得られた固体を濾過及び真空乾燥させることで5.22gの黄褐色固体である4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−ブタンスルホン酸ナトリウムを収率76%で得た。NMRから目的物であることを確認した。
13C−NMR(DO)δ(ppm);17.03,28.68,30.29,58.03,68.39,71.21,74.02,75.55,103.00,103.19,143.15,143.25。
Figure 0006379523
合成例13 ポリマーHの合成[下記式(28)又は下記式(29)で表される構造単位を含む重合体].
窒素雰囲気下、300mlナス型フラスコに4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−ブタンスルホン酸ナトリウム 4.19g(12.2mmol)と水 60mlを仕込み溶解させた後、塩化鉄(III)1.18g(7.27mmol)を加えて20分攪拌した。その後過硫酸ナトリウム 5.75g(24.2mmol)と水 40mlからなる混合液を反応液温度が30℃以下を保持しながら滴下した。室温で3時間攪拌した後、反応液をアセトン 700mlに滴下し濃青色のNa型ポリマーを析出させた。ポリマーを濾過、真空乾燥することで5.84gの4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−ブタンスルホン酸ナトリウムの粗ポリマーを得た。次に、この粗ポリマーに水を加え1重量%溶液に調製した水溶液0.58kgを、酸型に調製した陽イオン交換樹脂Amberlite IR−120(Na) 250gを充填したカラムに通液(空間速度=0.85)することによりH型のポリマー水溶液を0.60kg得た。更に、本ポリマー水溶液をクロスフロー式限外ろ過(ろ過器=ビバフロー200,分画分子量=5000、透過倍率=16.1)により精製することにより下記式(28)又は下記式(29)で表される構造単位を含む重合体の濃青色水溶液を0.60kg合成した。本ポリマー水溶液に含まれるポリマー量は3.5g(0.58重量%)であった。
Figure 0006379523
実施例1.
合成例2で得られたポリマーA 10mgを水2gに溶解した溶液にエチレングリコールを20mg添加してよく撹拌混合した。この導電性高分子水溶液をガラス上に0.5mLキャストし、室温で一晩乾燥した後、ホットプレート上で120℃にて20分、さらに160℃にて10分加熱して導電性高分子膜を得た。この塗膜の導電率は33S/cmであった。引き続き、引き続き、耐湿性試験としてこの塗膜を1分間流水で洗い流して溶解・剥離を観察した結果、溶解、剥離はなく、塗膜に変化は見られなかった。さらに、試験後の塗膜を窒素ブロー後の導電率を再評価しても導電性は保持されていた。結果を表1に示す。
Figure 0006379523
実施例2.
実施例1において、ポリマーAを合成例4で得られたポリマーBに変更した以外は、実施例1に準拠して行った。その結果を表1に併せて示す。
実施例3.
実施例2において、エチレングリコールの添加量を増加させた以外は、実施例2に準拠して行った。その結果を表1に併せて示す。
実施例4.
実施例2において、エチレングリコールを、シラン化合物である3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランに変更した以外は、実施例2に準拠して行った。その結果を表1に併せて示す。
実施例5.
実施例4において、シラン化合物の添加量を増加した以外は、実施例4に準拠して行った。その結果を表1に併せて示す。
実施例6.
実施例2において、エチレングリコールの他に、シラン化合物である3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを追加した以外は、実施例2に準拠して行った。その結果を表1に示す。
実施例7.
実施例6において、エチレングリコールの添加量を増加させた以外は、実施例6に準拠して行った。その結果を表1に示す。
比較例1.
合成例2で得られたポリマーA 10mgを水2gに溶解した導電性高分子水溶液をガラスに上に0.5mLキャストし、乾燥して導電性高分子膜を得た。この塗膜の導電率は18S/cmであった。引き続き、この塗膜を1分間流水で洗い流して溶解、剥離を観察する耐湿性試験を行った結果、塗膜が溶解し、剥離した。結果を表1に併せて示す。
表1から明らかなとおり、エチレングリコールを添加しない比較例1と比べ、実施例1では導電率と耐湿性が大きく向上した。
比較例2.
比較例1においてポリマーAを合成例4で得られたポリマーBに変更した以外は、比較例1に準拠して行った。その結果を表1に併せて示す。
実施例8.
2mlサンプル瓶に合成例5で得られたポリマーCを2.0重量%含む水溶液1g、及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 2μlを添加したのち、30分超音波処理して均一水溶液(水溶液A)を得た。水溶液Aを用いて浸透性試験を行った。更に、水水溶液Aを4倍に希釈して0.5重量%水溶液を調整したのち耐湿性試験を行った。
結果を表2に示す。
ポリマーCは、平均細孔径11nmのアルミナに対しても浸透性が良好であり、且つエポキシシラン化合物を添加する前の導電率を保持し、耐湿性が向上することがわかった。
実施例9〜10.
ポリマーCをポリマーD(実施例9)、又はポリマーE(実施例10)に変更して、実施例8と同様な評価を行った。表2に示すように、実施例8と同様、ポリマーD,Eは、平均細孔径11nmのアルミナに対しても浸透性が良好であり、且つエポキシシラン化合物を添加する前の導電率を保持し、耐湿性が向上することがわかった。
比較例3〜5.
実施例8〜10において、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを添加しない場合、ポリマーC、D及びEの導電性高分子膜は耐湿性試験で溶解(剥離)した。
結果を表2に示す。
Figure 0006379523
実施例11.
2mlサンプル瓶に合成例5で得られたポリマーCを2.0重量%含む水溶液1g、エチレングリコール20μl及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 2μlを添加したのち、30分超音波処理して均一水溶液(水溶液B)を得た。水溶液Bを用いて浸透性試験を行った。更に、水溶液Bを4倍に希釈して0.5重量%水溶液を調整したのち耐湿性試験を行った。
結果を表3に示す。エチレングリコールの添加により、導電性ポリマーCの浸透性は向上し、更に導電性も向上することがわかった。
Figure 0006379523
実施例12.
実施例1において、ポリマーAを合成例9で得られたポリマーFに変更した以外は、実施例1に準拠して行った。その結果を表1に併せて示す。
実施例13.
実施例1において、ポリマーAを合成例11で得られたポリマーGに変更した以外は、実施例1に準拠して行った。その結果を表1に併せて示す。
実施例14.
実施例1において、ポリマーAを合成例11で得られたポリマーHに変更した以外は、実施例1に準拠して行った。その結果を表1に併せて示す。
比較例6〜8.
実施例12〜14において、エチレングリコールを添加しなかった以外は実験例12〜14に準拠して行った。それらの結果を表1に併せて示す。
エチレングリコール等の多価アルコールを含有する導電性高分子水溶液の導電性、耐水性及び浸透性が向上した理由は明確ではないが、恐らく、塗膜形成の乾燥時にポリマー同士を結び付けながら蒸発することで緻密な膜が形成され、ポリマー粒子間でのホッピングが改善されたために導電性が向上したものと考えられる。また、一部は残存して乾燥時にドーピングに関与していないフリーのスルホン酸と反応して水溶性の低いエステル体への変性又はその架橋体を形成した結果、耐湿性(耐水性)が改善したものと考えられる。
また、3−グリシルオキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン化合物を含有する導電性高分子水溶液でも同様の効果が奏され、導電性を低下させることなく、耐水性が向上した。
さらに、多価アルコールとシラン化合物を併用することで、導電性と耐湿性にさらに優れる導電性高分子膜が得られた。
上記したとおり、本発明の導電性高分子水溶液を使用すれば、高い導電性と耐湿性(耐水性)を兼ね備えた導電性高分子膜を提供することができる。
この新規な導電性高分子水溶液は、帯電防止材、コンデンサの固体電解質、導電性塗料、エレクトロクロミック素子、透明電極、透明導電膜、化学センサ、アクチュエータ等への応用が期待できる。
本発明の導電性高分子水溶液中に含有されるポリチオフェンは、ポリマー鎖中に水溶性付与と自己ドーピングの機能を有するスルホン酸基をモノマー単位当たり一つ有しており、そのため非常に良好な水溶性を示す。したがって、ポリマー粒子径が非常に小さく、例えば、アルミ固体電解コンデンサの化成処理されたエッチドアルミ箔や、タンタル固体電解コンデンサのタンタル焼結体への良好な浸透性(含浸性)が期待されるとともに、当該ポリマーによる被覆面積が向上して、コンデンサの静電容量のアップが期待される。
さらに、塗膜の導電性と耐湿性も改善されていることから、低ESR化や信頼性といったコンデンサの重要な特性改善も期待できる。

Claims (6)

  1. 下記式(1a)で表される構造単位、下記式(1b)で表される構造単位、下記式(2a)で表される構造単位、下記式(2b)で表される構造単位、下記式(3a)で表される構造単位、下記式(3b)で表される構造単位、下記式(4a)で表される構造単位、及び下記式(4b)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェンと、2価のアルコール、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、及び3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物を含む導電性高分子水溶液。
    Figure 0006379523
    [上記式中、Mは水素原子、アルカリ金属原子、又はNH(R を表す。
    は各々独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。
    lは6〜12の整数を表す。
    mは1〜6の整数を表す。
    は水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。
    nは1〜6の整数を表す。
    は水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基を表す。]
  2. 上記一般式(1、(2a)、(3a)、及び(4a)のMがNH(Rである[Rは各々独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。]ことを特徴とする請求項1に記載の導電性高分子水溶液。
  3. 価アルコールが、エチレングリコールであることを特徴とする請求項1に記載の導電性高分子水溶液。
  4. 式(1a)で表される構造単位、式(1b)で表される構造単位、式(2a)で表される構造単位、式(2b)で表される構造単位、式(3a)で表される構造単位、式(3b)で表される構造単位、式(4a)で表される構造単位、及び式(4b)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェンと、2価のアルコール、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、及び3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランエポキシシラン化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物の含有量が、0.01<[価アルコールとエポキシシラン化合物の合計重量]/[ポリチオフェンの重量]<500の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載の導電性高分子水溶液。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載の導電性高分子水溶液を乾燥させることを特徴とする導電性高分子膜の製造方法。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載の導電性高分子水溶液を乾燥させて得られる導電性高分子膜であって、かつその導電率が20S/cm以上であることを特徴とする導電性高分子膜。
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