JP2018090755A - 導電性組成物及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐水性、耐溶剤性に優れた導電膜。
【解決手段】式(1)で表される構造単位及び前記式のチオフェン骨格のMがなく、チオフェン環を共役カチオンラジカルとする構造単位を含むポリチオフェン(A)を0.001〜10重量%含み、ポリエステル樹脂又は変性ポリビニルアルコール樹脂から選ばれる一種以上のバインダ樹脂(B)を0.001〜10重量%含み、更にシラン化合物又はブロックイソシアネート化合物から選ばれる一種以上の架橋剤(C)を0.001〜10重量%含む、導電性組成物。
Figure 2018090755

【選択図】なし

Description

本発明は、耐水性、耐アルコール性、耐久性(耐酸性、耐湿熱性、耐光性)に優れた塗膜を形成する導電性組成物、並びにそれらを含むコーティング剤に関するものである。
ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール等に代表されるπ共役系高分子に、電子受容性化合物をドーパントとしてドープした導電性高分子材料が開発され、例えば、帯電防止剤、コンデンサの固体電解質、導電性塗料、電磁波シールド、エレクトロクロミック素子、電極材料、熱電変換材料、透明導電膜、化学センサ、アクチュエータ等への応用が検討されている。これらの中でも、化学的安定性の面からポリチオフェン系導電性高分子材料が実用上有用である。
ポリチオフェン系導電性高分子材料としては、ドーパントとなるポリスチレンスルホン酸(PSS)の水溶液中で、3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を重合させることで得られるPEDOT:PSS水分散体溶液や、水溶性の付与とドーピング作用を兼ね備えた置換基(スルホ基、スルホネート基等)を直接又はスペーサを介してポリマー主鎖中に有する、いわゆる自己ドープ型導電性高分子があり、例えば、スルホン化ポリアニリン、PEDOT−S等が知られている(例えば、非特許文献1、2参照)。
導電性高分子の用途としては、特に帯電防止剤や固体電解コンデンサの固体電解質への利用が多く検討されている。例えば、帯電防止剤は非導電性基材を導電性高分子で被覆して導電性を付与するのに使用される。一般に表面保護用の粘着フィルムやキャリヤテープ等にはポリエステルフィルム等の熱可塑性樹脂が基材として広く用いられているが、これら高分子基材は絶縁性のため、成形、加工、使用の際に静電気によるフィルムへの塵や埃の付着やフィルム同士の密着、フィルムカット時やロール状フィルムの巻出し時の帯電により、電子回路や半導体部品等の電子機器を静電破壊する問題がある。これを回避するための方策の一つとして、導電性高分子が帯電防止層に使用されている。導電性高分子系の帯電防止剤は電子伝導性の導電機構のため、界面活性剤型の帯電防止剤のように使用環境の湿度変化による機能低下が小さい利点がある。このような導電性高分子を用いた帯電防止剤としては、PEDOT:PSSと水系バインダ樹脂を含む組成物が報告されているが、水又はアルコールで湿らせたウェス等で導電膜表面を拭くと導電層が剥離する場合があり、耐水性、耐アルコール性が必ずしも十分ではなかった(特許文献1)。またPEDOT:PSSを含む導電膜は、過剰量の親水性のPSSを含むため耐湿性が悪いこと、光で劣化して表面抵抗値が上昇し耐光性に劣ることが知られている(特許文献2)。各種光学部材に使用される帯電防止プロテクトフィルムは部材の最表面に使用されるため、従来より耐水性、耐アルコール性、耐久性に優れた導電膜を与えることが可能な導電性組成物が求められている。
特開2011−152667号公報 特開2015−120337号公報
Journal of American Chemical Society,112,2801−2803(1990) Advanced Materials,Vol.23(38)4403−4408(2011)
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐水性、耐アルコール性、及び耐久性(耐酸性、耐湿熱性、耐光性)に優れた導電膜を提供すること、及び当該導電膜を得るための導電性組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明の導電性組成物が、従来公知のポリチオフェンのみの水溶液では達成困難であった導電膜への耐水性、耐アルコール性の付与が可能であり、さらには優れた耐久性(耐酸性、耐湿熱性、耐光性)をも付与できることを見出した。
すなわち、本発明は以下に示す、下記一般式(1)で表される構造単位及び下記一般式(2)で表される構造単位を含むポリチオフェン(A)を0.001〜10重量%含み、ポリエステル樹脂、及び変性ポリビニルアルコール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種のバインダ樹脂(B)を0.001〜10重量%含み、さらにシラン化合物、及びブロックイソシアネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の架橋剤(C)を0.001〜10重量%含むことを特徴とする導電性組成物、及びその用途に関するものである。
Figure 2018090755
Figure 2018090755
[上記式(1)及び式(2)中、Lは下記式(3)又は(4)を表し、Mは水素イオン、アルカリ金属イオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。]
Figure 2018090755
[上記式(3)中、lは6〜12の整数を表す。]
Figure 2018090755
[上記式(4)中、mは1〜6の整数を表す。Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。]
本発明の導電性組成物を用いることにより、例えばPETフィルム上に塗布して乾燥することによって、耐水性、耐アルコール性、及び耐久性(耐酸性、耐湿熱性、耐光性)に優れる導電膜を得ることが可能である。この導電膜は、例えば光学部材の帯電防止プロテクトフィルムや、耐久性(耐酸性、耐湿熱性、耐光性)が求められる各種デバイスに搭載される帯電防止層として利用することが可能である。
さらに塗布・乾燥後に得られる導電膜は、優れた耐水性、耐アルコール性を有しているため、表面のゴミや印字等を除去する際に水拭きやアルコール拭きを行っても導電膜が剥離しない利点がある。
また、本発明によれば、高分子基材やガラス基材に対してハジキや斑を生じないコーティング液を提供できる。さらに前記導電性組成物又はコーティング液から形成される導電膜は、優れた耐水性と耐アルコール性、並びに耐久性(耐酸性、耐湿熱性、耐光性)を有しているため、各種光学部材の帯電防止プロテクトフィルムとしての使用が期待される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、下記式(1)で表される構造単位及び下記式(2)で表される構造単位を含むポリチオフェン(A)を0.001〜10重量%含み、ポリエステル樹脂、及び変性ポリビニルアルコール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種のバインダ樹脂(B)を0.001〜10重量%含み、さらにシラン化合物、及びブロックイソシアネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の架橋剤(C)を0.001〜10重量%含むことを特徴とする導電性組成物である。
Figure 2018090755
Figure 2018090755
[上記式(1)及び式(2)中、Lは下記式(3)又は(4)を表し、Mは水素イオン、アルカリ金属イオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。]
Figure 2018090755
[上記式(3)中、lは6〜12の整数を表す。]
Figure 2018090755
[上記式(4)中、mは1〜6の整数を表す。Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。]
上記式(1)又は(2)中、Mは、水素イオン、アルカリ金属イオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。
前記のアルカリ金属イオンとしては、特に限定するものではないが、例えば、Liイオン、Naイオン、又はKイオンが好ましい。
前記のアミン化合物の共役酸としては、アミン化合物にヒドロン(H)が付加してカチオン種になったものを示し、スルホン酸基と反応して共役酸を形成するアミン化合物であればよく、特に限定するものではないが、例えば、sp3混成軌道を有するN(Rで表されるアミン化合物[共役酸としては[NH(Rで表される。]、又はsp2混成軌道を有するアミン化合物(例えば、ピリジン類化合物、イミダゾール類化合物)等が挙げられる。
置換基Rは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。
炭素数1〜6のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、アミノ基、又はヒドロキシ基を有する炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、具体的には、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基等が例示される。
これらのうち、置換基Rとしては、独立して、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基が好ましい。
前記sp3混成軌道を有するアミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、ノルマル−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ノルマルブチルアミン、ターシャリーブチルアミン、ヘキシルアミン、エタノールアミン化合物(例えば、アミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、メチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン)、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、又は1,4−ブタンジアミン等が挙げられる。
また、前記sp2混成軌道を有するアミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、イミダゾール化合物(例えば、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、1、2−ジメチルイミダゾール)、ピリジンピコリン、ルチジン等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、エタノールアミン化合物、イミダゾール化合物である。
アミン化合物の共役酸としては、導電性に優れる点で、アンモニウム、モノエタノールアミンの共役酸、ジエタノールアミンの共役酸、トリエタノールアミンの共役酸、又はイミダゾールの共役酸が好ましい。
前記の第4級アンモニウムカチオンとしては、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラノルマルプロピルアンモニウムカチオン、テトラノルマルブチルアンモニウムカチオン、又はテトラノルマルヘキシルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。導電性に優れる点で、テトラメチルアンモニウムカチオン、又はテトラエチルアンモニウムカチオンであることが好ましい。
上記式(3)中、lは6〜12の整数を表し、導電性に優れる点で6、7、又は8であることが好ましい。
上記式(4)中、Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。
炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、2−エチルブチル基、又はシクロヘキシル基等が挙げられる。
式(4)のRについては、成膜性の点で、水素原子、メチル基、エチル基、又はフッ素原子であることが好ましい。
上記式(4)中、mは1〜6の整数を表し、好ましくは、mは1、2、3、又は4であり、より好ましくは2である。
上記式(2)で表される構造単位は、上記式(1)で表される構造単位の自己ドーピング状態を表す。
一般的に、ドーピングにより絶縁体−金属転移を引き起こすドーパントは、アクセプタとドナーに分けられる。前者は、ドーピングにより導電性ポリマーの高分子鎖の近くに入り主鎖の共役系からπ電子を奪う。結果として、主鎖上に正電荷(正孔、ホール)が注入されるため、p型ドーパントとも呼ばれる。また、後者は、逆に主鎖の共役系に電子を与えることになり、この電子が主鎖の共役系を動くことになるため、n型ドーパントとも呼ばれる。
本発明におけるドーパントは、ポリマー分子内に共有結合で結びついたスルホ基又はスルホナート基であり、p型ドーパントである。本発明における導電性ポリマーについては、外部からドーパントを添加することなく導電性を発現することができ、一般的に自己ドープ型導電性高分子と呼ばれている。
本発明のポリチオフェン(A)は、下記式(5)で表されるチオフェンモノマーを、水又はアルコール溶媒中、酸化剤の存在下に重合させることで製造することができる。
Figure 2018090755
[上記式(5)中、Lは上記と同じ定義である。Mは、金属イオンを表わす。]
式(5)におけるMで表される金属イオンとしては、特に限定するものではないが、例えば、遷移金属イオン、貴金属イオン、非鉄金属イオン、アルカリ金属イオン(例えば、Liイオン、Naイオン、又はKイオン)、又はアルカリ土類金属イオン等が挙げられる。
重合後のポリマーは金属塩であるため、必要に応じて、得られたポリマーを酸処理することでMを水素イオンへ変換可能であり、さらにこれをアミン化合物と反応させることで、Mをアミン化合物の共役酸へ変換可能である。
上記式(1)又は式(2)において、Lが上記式(3)で表される、本発明のポリチオフェンを得るためのチオフェンモノマーとしては、特に限定するものではないが、具体的には、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸リチウム、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸カリウム、8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸、8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸ナトリウム、又は8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸カリウム等が例示される。
上記式(1)又は式(2)において、Lが上記式(4)で表される、本発明のポリチオフェンを得るためのチオフェンモノマーとしては、特に限定するものではないが、具体的には、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸カリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−エチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロピル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ペンチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ヘキシル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソプロピル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソブチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソペンチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸カリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸アンモニウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸トリエチルアンモニウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブタンスルホン酸カリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−ブタンスルホン酸カリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、又は4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−ブタンスルホン酸カリウム等が例示される。
本発明においてポリチオフェン(A)の導電率は、特に限定するものではないが、フィルム状態での導電率(電気伝導度)として、10S/cm以上であることが好ましい。
本発明の導電性組成物中のポリチオフェン(A)の濃度は0.001〜10重量%の範囲である。なお、導電率及び操作性に優れる点で、本発明の導電性組成物中のポリチオフェン(A)の濃度は、0.005〜7重量%の範囲であることが好ましく、0.01〜5重量%の範囲であることがより好ましい。
前述の通り、本発明の導電性組成物は、ポリエステル樹脂、及び変性ポリビニルアルコール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種のバインダ樹脂(B)を0.001〜10重量%含むものである。
本発明においてバインダ樹脂(B)は、ポリエステル樹脂、変性ポリビニルアルコール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一つである。なお、当該ポリエステル樹脂、及び変性ポリビニルアルコール樹脂については、水又は水とアルコールの混合溶媒に溶解するものが好ましい。前記のアルコールとしては、特に限定するものではないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、又はブチルセロソルブ等が挙げられる。
上記ポリエステル樹脂としては、特に限定するものではないが、ポリマー鎖の末端又は側鎖に水酸基、カルボキシル基、スルホン酸塩基(例えば、−SONa又は−SOK)からなる群より選ばれる少なくとも一つを有しているものが好ましい。当該水酸基やカルボキシル基については、後述する架橋剤との反応に使用できる。当該ポリエステル樹脂としては、特に限定するものではないが、例えば、東洋紡社製のバイロナール(登録商標)、互応化学社製プラスコート、高松油脂社製ペスレジンが挙げられる。
上記ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwは、特に限定されないが、例えば1,000以上、1,000,000以下が好ましい。より好ましくは5,000以上、100,000以下である。
上記ポリエステル樹脂のTg(ガラス転移温度)は、特に限定するものではないが、例えば10℃以上、200℃以下であることが好ましい。より好ましくは40℃以上、160℃以下である。
上記ポリエステル樹脂の軟化点は特に限定するものではないが、例えば70℃以上、250℃以下であることが好ましい。より好ましくは100℃以上、210℃以下である。
上記ポリエステル樹脂の鉛筆硬度は、例えばHから6Hであれば特に限定されるものではないが、基材との密着性の観点からはHから4Hの範囲にあることが好ましい。
上記ポリエステル樹脂の耐水性に関しては特に限定されないが、PETフィルム上にコートして100℃×10分加熱処理後に、24時間25℃水に浸漬して外観に変化がないものが好ましい。
上記ポリエステル樹脂の耐エタノール性に関しては特に限定されないが、PETフィルム上にコートして100℃×10分加熱処理後に、エタノールを染込ました脱脂綿やウェスで擦り外観に変化がないものが好ましい。
上記変性ポリビニルアルコール樹脂としては、分子中に架橋性基を有するものであることが好ましく、特に限定するものはないが、例えば、水酸基、酢酸基、又はカルボキシル基等を有するアニオン変性型や、一部アセタール化やベンザール化反応を利用して変性したアセタール変性型、ベンザール変性型、又はアセトアセチル基変性型を挙げることがでる。当該変性ポリビニルアルコール樹脂としては、特に限定するものではないが、例えば、日本酢ビ・ポバール社製のAシリーズ、積水化学社製のエスレック(登録商標)KW−10、エスレックKX−5、日本合成化学社製のゴーセネックス(登録商標)等が挙げられる。なお、導電膜の耐水性の観点からアセタール変性型、又はベンザール変性型のポリビニルアルコール樹脂であることが好ましい。
上記変性ポリビニルアルコール樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、例えば1,000以上、1,000,000以下が好ましい。より好ましくは、5,000以上、100,000以下である。
上記バインダ樹脂(B)の導電性組成物中の含有量は、0.001〜10重量%である。なお、導電膜の導電性及び耐久性に優れる点で、前記のバインダ樹脂(B)の導電性組成物中の含有量は、0.005〜7重量%であることが好ましく、0.01〜5重量%であることがより好ましい。
なお、上記バインダ樹脂(B)については、例示したものを単独で使用してもよいし、例示したもの2種類以上を併用して使用してもよい。
前述の通り、本発明の導電性組成物は、シラン化合物、及びブロックイソシアネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の架橋剤(C)を0.001〜10重量%含むものである。なお、導電膜の導電性及び耐久性に優れる点で、前記の架橋剤(C)の導電性組成物中の含有量は、0.005〜7重量%であることが好ましく、0.01〜5重量%であることがより好ましい。
本発明において架橋剤(C)は、シラン化合物、ブロックイソシアネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である。これらは2種類以上を併用して使用してもよい。
上記シラン化合物としては、特に限定するものではないが、グリシジル基又はアミノ基を有するアルコキシシラン化合物であることが好ましく、例えば、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、8−グリシドキシオクチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、又は3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。これらはアルコール溶液として使用してもよく、また2種類以上を併用してもよい。
上記ブロックイソシアネート化合物としては、特に限定されないが、加熱によりブロック剤が解離し、生成したイソシアネート基がバインダの水酸基やカルボキシル基等と反応するものが好ましい。当該ブロックイソシアネート化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、ヘキサメチレンジイソシナネート3量体の各種アミンブロック型(例えば、ジイソプロピルアミンなど)、明成化学工業社製のSU−268A、村山化学研究所社製フィキサーシリーズ、又は第一工業製薬社製のエラストロン(登録商標)BNシリーズなどが挙げられる。
上記ブロックイソシアネートのブロック剤解離温度は、特に限定されないが、100℃以上、200℃以下であることが好ましい。高分子基材への適用を考えた場合、耐熱性の点から、より好ましくは100℃以上、150℃以下である。
本発明の導電性組成物は、前記の(A)、(B)、及び(C)に加えて、水又は水とアルコールの混合溶媒を含んでいてもよい。前記アルコールとしては特に限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ブチルセロソルブ、又はエチレングリコール等が挙げられる。
本発明の導電性組成物のpHとしては、10以下が好ましい。さらに当該pHについては、1.5以上9.5以下の範囲が好ましく、1.5以上9以下の範囲内がより好ましい。ここで、pHを調整する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、本発明の導電性組成物にアミン化合物(F)を添加する方法が挙げられる。
前記のアミン化合物(F)としては、特に限定するものではないが、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、ノルマル−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ノルマルブチルアミン、ターシャリーブチルアミン、ヘキシルアミン、アミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、メチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジアミン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、1、2−ジメチルイミダゾール、ピリジン、ピコリン、又はルチジン等が挙げられる。前記アミン化合物(F)を添加する際には、ニートでも水溶液でも良い。
本発明の導電性組成物については、界面活性剤(D)0.0001〜1重量%をさらに含んでいてもよい。なお、導電膜の導電性及び耐久性に優れる点で、前記の界面活性剤(D)の導電性組成物中の含有量は、0.0005〜0.7重量%であることが好ましく、0.001〜0.5重量%であることがより好ましい。
本発明において界面活性剤(D)としては、特に限定するものではないが、例えばアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、又はシリコーン系界面活性剤等を挙げることができる。これらのうち、導電性組成物の塗布性に優れる点で、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、フッ素系界面活性剤であることがより好ましい。
非イオン界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリエチレングリコール型界面活性剤、アセチレングリコール型界面活性剤、多価アルコール型界面活性剤、又は高分子型非イオン界面活性剤等が挙げられる。
ポリエチレングリコール型界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、又はポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
アセチレングリコール型界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、サーフィノール(登録商標、エアプロダクツ社製)、又はオルフィン(登録商標、日信化学工業社製)等が挙げられる。
多価アルコール型界面活性剤としては、例えば、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、高アルコールのアルキルエーテル、又はアルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。
高分子型非イオン界面活性剤としては、特に限定するものではないが、ポリビニルピロリドン及びポリビニルピロリドンの共重合体等が挙げられる。本発明に使用されるポリビニルピロリドンの平均分子量は、1千〜200万であることが好ましく、より好ましくは1万〜150万である。ポリビニルピロリドンの共重合体としては、特に限定するものではないが、親水性部と疎水性部をポリマー鎖中に併せ持つものが好ましく、例えば、ポリビニルピロリドンをポリビニルアルコールにグラフトしたコポリマーや、[ビニルピロリドン−酢酸ビニル]ブロック共重合体、[ビニルピロリドン−メチルメタクリレート]共重合体、[ビニルピロリドン−ノルマルブチルメタクリレート]共重合体、又は[ビニルピロリドン−アクリルアミド]共重合体などが例示できる。
両性界面活性剤としては、特に限定するものではないが、例えば、ベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。ベタイン型両性界面活性剤としては特に限定するものではないが、例えば、アルキルジメチルベタイン、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、又はラウリルジヒドロキシエチルベタイン等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキル基を有するものであることが好ましく、特に限定するものではないが、例えば、パーフルオロアルカン、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸、又はパーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。例えば、互応化学社製のプラスコートRY−2等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルエステル変性ポリジメチルシロキサン、ヒドロキシル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、アクリル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、又はシリコーン変性アクリル化合物などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤はレベリング剤として塗膜の平坦性を改善するのに有効である。
本発明において、界面活性剤(D)は、水への溶解度が0.01重量%以上であり、且つHLBが7〜20の範囲であることが好ましい。
ここで、界面活性剤(D)の水への溶解度は80℃以下での測定値であり、好ましくは10℃〜30℃での測定値である。また、グリフィン法HLB(Hydrophile−Lipophile Balance)は界面活性剤の親水性を表す数値である。値が大きいほど親水性が大きいことを示し、次式で表される。
非イオン界面活性剤のグリフィン法HLB
=(親水基部分の分子量)/(界面活性剤の分子量)×100/5
=(親水基重量)/(疎水基重量+親水基重量)×100/5
=(親水基の重量%)/5。
例えば、親水基がないパラフィンではHLB=0、親水基のみで疎水基のないポリエチレングリコールはHLB=20となり、非イオン界面活性剤のHLBは0〜20の間にある。
上記界面活性剤(D)としてより好ましくは、フッ素系界面活性剤、アセチレングリコール型界面活性剤、又は高分子型界面活性剤である。
上述の通り、本発明の導電性組成物が界面活性剤(D)を含む場合、ポリチオフェン(A)を0.001〜10重量%含み、バインダ樹脂(B)を0.001〜10重量%含み、架橋剤(C)を0.001〜10重量%含み、さらに界面活性剤(D)を0.0001〜1重量%含むことが好ましい。
本発明の導電性組成物は、前記の(A)、(B)、及び(C)に加えて、さらに滑材(E)を0.001〜10重量%含んでもよい。なお、導電膜の導電性及び耐久性に優れる点で、前記の滑材(E)の導電性組成物中の含有量は、0.005〜7重量%であることが好ましく、0.01〜5重量%であることがより好ましい。
当該滑材(E)としては、特に限定するものではないが、例えば、脂肪族炭化水素系化合物、高級脂肪族系アルコール・脂肪酸、脂肪酸エステル系化合物、脂肪酸アマイド化合物、又はシリコーン系化合物が挙げられる。
前記の脂肪族炭化水素系化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、流動パラフィン、ワセリン、石油系ワックス、合成パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、塩素化パラフィン、石油炭化水素樹脂、又はモンタンワックス等が挙げられる。導電膜の滑り性に加え、耐水性、耐アルコール性の観点から、ポリエチレンワックス系が好ましい。より好ましくはポリエチレンワックスのディスパージョン、酸性HDポリエチレンワックスのノニオン系エマルション、酸性HDポリエチレンワックスのアニオン系エマルションなどが挙げられる。具体的には、BYK社製のAQUAMATシリーズ、AQUACERシリーズなどが挙げられる。
前記の高級脂肪族系アルコール・高級脂肪酸化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、C10以上の飽和脂肪族一価アルコール、又はC12〜C22の高級飽和脂肪酸等が挙げられる。
前記の飽和脂肪酸エステル化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、一価及び多価アルコール、トリグリセライドワックス系としてカルナウバワックス、蜜ロウ、又は水添ヒマシ油が挙げられる。
前記の脂肪酸アマイド化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、高級脂肪酸のアマイド系、又はビスアマイド系等が挙げられ、オレイン酸アミドやエルシン酸アミドが入手の観点からも好ましい。
前記のシリコーン系化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アルキル変性シロキサン、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、又はメルカプト変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
本発明のコーティング液は、上述の導電性組成物を含むものである。
本発明のコーティング液は、上記のポリチオフェン(A)、ポリエステル樹脂、及び変性ポリビニルアルコール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種のバインダ樹脂(B)、並びにシラン化合物、及びブロックイソシアネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の架橋剤(C)を含むこと必須とした、塗布性に優れる液体であり、水、アルコール、界面活性剤(D)、及び/又は滑剤(E)等をさらに含んでいてもよい。
本発明のコーティング液は、任意の方法で、少なくともポリチオフェン(A)、ポリエステル樹脂、及び変性ポリビニルアルコール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種のバインダ樹脂(B)、並びにシラン化合物、及びブロックイソシアネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の架橋剤(C)の成分を混合することによって、調整することができる。
さらに、水、アルコール、界面活性剤(D)、及び/又は滑材(E)を任意の方法で追加混合することによって、調整することもできる。
本発明のコーティング液を調製する方法の一例としては、例えば、ポリチオフェン(A)の水溶にバインダ樹脂(B)、界面活性剤(D)、及び滑剤(E)を加え、最後に架橋剤(C)を加えることが挙げられる。
基材へ塗工する際には、本発明のコーティング液を水、アルコール、又は水及びアルコールの混合溶媒を用いて、本発明の範囲内で任意に希釈してもよい。なお、ポットライフの点から、本発明のコーティング液については、塗工直前に架橋剤を添加することが好ましい。
ここで、混合する際の温度は、特に限定するものではないが、例えば、室温〜加温下で行うことができる。好ましくは0℃以上100℃以下が好ましい。
混合する際の雰囲気は、特に限定するものではないが、大気中でも、不活性ガス中でもよい。
本発明のコーティング液を調製する際には、スターラーチップ、攪拌羽根等による一般的な混合溶解操作に加えて、超音波照射、ホモジナイズ処理(例えば、メカニカルホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等の使用)を行ってもよい。ホモジナイズ処理する場合には、ポリマーの熱劣化を防ぐため、冷温しながら行うことが好ましい。
本発明のコーティング液中の固形分の粒径は、特に限定するものではないが、小さいほど水溶性が良好であり、導電性や成膜時の均一な膜形成の観点からも望ましい。
本発明のコーティング液の粘度(20℃)は、200mPa・s以下であれば特に限定されないが、好ましくは100mPa・s以下、さらに好ましくは50mPa・s以下である。
本発明の導電性組成物又はコーティング液から導電膜を形成する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、本発明の導電性組成物又はコーティング液を、基材に塗布し乾燥することが挙げられる。
前記の基材としては、特に限定するものではないが、例えば、高分子基材又は無機基材が挙げられる。高分子基材としては、特に限定するものではないが、例えば、熱可塑性樹脂、不織布、紙、又はレジスト膜基板等が挙げられる。前記の熱可塑性樹脂としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリレート、又はポリカーボネート等が挙げられる。前記の不織布としては、例えば、天然繊維、合成繊維、又はガラス繊維等が挙げられる。前記の紙としては一般的なセルロースを主成分とするものが挙げられる。前記の無機基材としては、ガラス、セラミックス、酸化アルミニウム、又は酸化タンタル等が挙げられる。
本発明の導電性組成物又はコーティング液の塗布方法としては、例えば、キャスティング法、ディッピング法、バーコート法、ディスペンサ法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、スピンコート法、又はインクジェット法等が挙げられる。好ましくはバーコート法、スピンコート法である。
本発明の導電性組成物又はコーティング液を塗布して得られたウエット塗膜について、乾燥させることによって、本発明の導電膜が得られる。前記ウエット塗膜の乾燥温度は、均一な導電膜が得られる温度及び基材の耐熱温度以下であれば特に限定するものではないが、室温〜300℃の範囲が好ましく、より好ましくは室温〜200℃の範囲であり、さらに好ましくは90℃〜150℃の範囲である。
乾燥雰囲気は大気中、不活性ガス中、真空中、又は減圧下のいずれであってもよい。高分子膜の劣化抑制の観点からは、窒素、アルゴン等の不活性ガス中が好ましい。
得られる導電膜の膜厚としては特に限定するものではないが、10−3〜10μmの範囲が好ましい。より好ましくは10−3〜10−1μmである。
得られる導電膜の表面抵抗値としては特に限定するものではないが、1.0×10Ω/□〜1.0×1011Ω/□以下であることが好ましい。表面抵抗値を測定する際の印加電圧は特に限定されないが、10V〜500Vの範囲が好ましい。
本発明の導電性組成物、及びそれを含むコーティング液は、帯電防止フィルムの作製に使用される。得られた塗工フィルムは耐水性、耐アルコール性、耐久性(耐酸性、耐湿熱性、耐光性)に優れる。
以下に本発明に関する実施例を示す。
なお、本実施例で用いた分析機器及び測定方法を以下に列記する。
[GC測定]
装置:Shimadzu製、GC−2014。
[NMR測定]
装置:VARIAN製、Gemini−200。
[表面抵抗率測定]
・装置:三菱化学社製ロレスタGP MCP−T600。
・装置:三菱化学社製ハイレスタUX MCP−HT8000。
[膜厚測定]
装置:BRUKER社製 DEKTAK XT。
[粘度測定]
コンプリート型粘度計/BROOKFIELD VISCOMETER DV−1 Prime。
[粒径測定]
装置:日機装社製、Microtrac Nanotrac UPA−UT151。
[透過率&ヘイズ率]
装置:日本電色社製 ヘイズメーター NDH4000
条件:基材ブランク
<自己ドープ型導電性高分子の導電率測定>
自己ドープ型導電性ポリマーを含む水溶液0.5mlを25mm角の無アルカリガラス板に塗布し、室温で一晩乾燥した後、ホットプレート上で120℃にて20分、さらに160℃にて10分加熱して導電性高分子膜を得た。膜厚及び表面抵抗値から、以下の式に基づき算出した。
導電率[S/cm]=10/(表面抵抗率[Ω/□]×膜厚[μm])
<導電膜の耐水性評価>
導電性組成物を含むコーティング液をPETフィルム(未処理品)にバーコータで塗布し、熱風乾燥器で130℃×5分乾燥して導電膜を得た。放冷後、水で湿らせたウェスで塗膜表面を10回擦り、剥離具合を目視で確認した。また試験前後の表面抵抗値の変化が5倍より小さい場合に◎、5倍以上10倍未満の場合に○、10倍以上及び目視で剥離が確認できた場合には×とした。
<導電膜の耐アルコール評価>
導電性組成物を含むコーティング液をPETフィルム(未処理品)にバーコータで塗布し、熱風乾燥器で130℃×5分乾燥して導電膜を得た。放冷後、エタノールで湿らせたウェスで塗膜表面を10回擦り、剥離具合を目視で確認した。また試験前後の表面抵抗値の変化が5倍より小さい場合に◎、5倍以上10倍未満の場合に○、10倍以上及び目視で剥離が確認できた場合には×とした。
<導電膜の耐久性評価>
・耐熱性評価
装置:ETTAS社製 定温乾燥機 EOP−450B(自然対流方式)
条件:80℃、300時間
評価:自己ドープ型導電性ポリマーを含む水溶液0.5mlを25mm角の無アルカリガラス板に塗布し、室温で一晩乾燥した後、ホットプレート上で120℃にて20分、さらに160℃にて10分加熱して導電膜を得、表面抵抗値を測定した。次いで、上記条件で当該導電膜の耐熱性試験を実施し、再度、表面抵抗値を測定した。試験前に対する試験後の表面抵抗率の上昇率を算出し、当該上昇率が10倍未満である場合を○とした。10倍以上を×とした。
評価:導電性組成物を含むコーティング液をPETフィルム(未処理品)にバーコータで塗布し、熱風乾燥器で130℃×5分乾燥して導電膜を得、表面抵抗値を測定した。次いで、再度、表面抵抗値を測定した。試験前に対する試験後の表面抵抗率の上昇率を算出し、当該上昇率が10倍未満である場合を○とした。10倍以上を×とした。
・耐湿性評価
装置:ESPEC社製 SH−241
条件:60℃、95%RH、300時間
評価:上記条件で導電膜の耐湿性試験を実施し、試験前後の表面抵抗値を測定した。試験前に対する試験後の表面抵抗率の上昇率を算出し、当該上昇率が10倍未満である場合を○とした。10倍以上を×とした。
・耐光性試験(1)
方法:30日間蛍光灯下にフィルムを放置して表面抵抗値の経時変化を調べた。
評価:上記条件で導電膜の耐光性試験を実施し、試験前後の表面抵抗値を測定した。試験前に対する試験後の表面抵抗率の上昇率を算出し、当該上昇率が10倍未満である場合を○とした。10倍以上を×とした。
・耐光性試験(2)
・装置:スガ試験機社製 紫外線フェードメーター U48B
・評価条件 :JIS A1415(高分子系建築材料の実験室光源による暴露試験方法)に準拠
波長388nm、ブラックパネル温度 63±3℃、相対湿度 50±5%RH 96時間
評価:上記条件で導電膜の耐光性試験を実施し、試験前後の表面抵抗値を測定した。試験前に対する試験後の表面抵抗率の上昇率を算出し、当該上昇率が100倍未満である場合を○とした。100倍以上を×とした。
<導電膜の耐酸性評価>
後述する実施例に記載の方法で得られた塗膜を40℃の60%リン酸/2%硝酸/15%酢酸含有水溶液に100秒浸漬した後、流水で30秒洗浄した。窒素ブロー後、再度塗膜を150℃で5分乾燥した。試験前後で塗膜に剥がれがないか目視で確認した。さらに試験前後での表面抵抗値の変化が5倍より小さい場合に◎、5倍以上10倍未満の場合に○、10倍以上及び目視で剥離が確認できた場合には×とした。
合成例1. 3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム[下記式(6)で表される化合物]の合成.
窒素雰囲気下、100mLナス型フラスコに60%水素化ナトリウム 0.437g(10.9mmol)、トルエン 37mLを仕込んだ後、1.52gの(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノール 1.52g(8.84mL)を添加した。その後、反応液を還流温度に昇温させ同温度で1時間攪拌した。その後、2,4−ブタンスルトン 1.21g(8.89mmol)とトルエン 10mLとからなる混合液を滴下し、還流温度で2時間攪拌した。冷却後、得られた反応液をアセトン 160mLに滴下し再沈を行った。得られた粉末を濾過し、真空乾燥させることで1.82gの淡黄色粉末を収率62%で得た。NMR測定から、これが下記式(6)で表される3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウムであることを確認した。
Figure 2018090755
1H−NMR(DO)δ(ppm);6.67(s,2H),4.54−4.60(m,1H),4.45(dd,1H,J=12.0,2.2Hz),4.26(dd,1H,J=12.0,6.8Hz),3.90−3.81(m,4H),3.10−3.18(m,1H),2.30−2.47(m,1H),1.77−1.92(m,1H),1.45(d,3H)。
13C−NMR(D2O)δ(ppm);14.91,31.22,53.13,66.18,69.18,73.29,73.36,100.81,100.94,140.88,141.06。
合成例2. ポリチオフェン(A1)[下記式(7)及び下記式(8)で表される構造単位を含む重合体]の合成.
500mlセパラブルフラスコに、合成例1に準じて合成した3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 10g(30mmol)と水 150gを加えた。溶解後、室温下、無水塩化鉄(III) 2.94g(18.1mmol)を加えて20分攪拌した。その後、過硫酸ナトリウム 14.5g(60.4mmol)と水 100gからなる混合溶液を反応液温度が30℃以下を保持しながら滴下した。室温で3時間攪拌したのち、反応液を800gのアセトンに滴下させ黒色のNa型のポリマーを析出させた。ポリマーを濾過・真空乾燥することで、18.0gの3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウムの粗ポリマーを得た。
次に、前記粗ポリマー 14.5gに水を加え2重量%溶液に調製した水溶液のうち700gを、陽イオン交換樹脂Lewatit MonoPlus S100(H型)200mLを充填したカラムに通液(空間速度=1.1)することによりH型のポリマー水溶液を738g得た。更に、本ポリマー水溶液をクロスフロー式限外ろ過(ろ過器=ビバフロー200、分画分子量=5,000、透過倍率=5)により精製することにより下記式(7)又は式(8)で表される構造単位を含む重合体の濃群青色水溶液を698g合成した。本ポリマー水溶液に含まれるポリマー量は0.74重量%であり、ICP−MS分析により、鉄イオンを44ppm(対ポリマー)、ナトリウムイオンを12ppm(対ポリマー)含有することを確認した。本ポリマーの導電率は54S/cmだった。
Figure 2018090755
Figure 2018090755
合成例3. ポリチオフェン(A2)[下記式(9)及び下記式(10)で表される構造単位を含む重合体]の合成.
合成例2で得られたポリチオフェン(A)[前記式(7)及び前記式(8)で表される構造単位を含む重合体]水溶液を攪拌下、50%N,N―ジメチルアミノエタノール水溶液で中和した後(pH7.8)、固形分が2重量%になるように調整した。本ポリマーの導電率は44S/cmだった。
Figure 2018090755
Figure 2018090755
合成例4. 6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)−1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム(11)の合成.
次の操作によって、(1−1) 6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)−1−ヘキセン(11)を合成した。
冷却管、温度計挿入管、攪拌羽根、窒素導入管を備えた500mLセパラブルフラスコに、市販の3,4−ジメトキシチオフェン 20.0g(97.0GC%、134.5mmol)、7−オクテン−1、2−ジオール 23.3g(161.5mmol)、パラ−トルエンスルホン酸ナトリウム・1水和物(5.3g、30.9mmol)、及びトルエン 400mLを仕込み、90℃で42時間反応させた。放冷後、分液ロートに移し、水と飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、さらにジクロロメタンで抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ液を濃縮して淡黄色液を得た。次いで、シリカゲルクロマトグラフィーにて精製し(溶離液:ヘキサン/トルエン=4/1)、目的の化合物を淡黄色オイルとして14.9g(収率49%)で得た。NMR測定から、これが下記式(11)で表される化合物であることを確認した。
H−NMR(200MHz,CDCl,TMS)δ(ppm)6.29(2H,s)、5.91−5.70(1H,m)、5.07−4.92(2H,m)、4.15−4.03(2H,m)、3.84(1H,dd, J=10.6Hz,8.4Hz)、2.13−2.03(2H,m)、1.70−1.43(6H,m)
13C−NMR(50MHz,CDCl,TMS)δ(ppm)24.45、28.68、30.49、33.49、68.34、73.63、99.12、99.18、114.54、141.53、141.99。
Figure 2018090755
次の操作によって、(1−2) 6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)−1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム(12)を合成した。
冷却管、温度計挿入管、攪拌羽根、窒素導入管を備えた500mLセパラブルフラスコに、上記の化合物(11) 14.9g(98.0GC%、65.1mmol)、アゾビスイソブチロニトリル(0.98mmol) 140.8mg、及びメタノール 150mLを仕込み、室温で溶解させた。得られた溶液に、別途調製した亜硫酸水素ナトリウム 10.2g(97.6mmol)と亜硫酸ナトリウム 2.1g(16.3mmol)を水 130mLに溶解した水溶液を室温で滴下した。白濁した反応液を還流条件下44時間反応させた。反応の進行とともに、白濁液から不溶物が一旦析出した後、再溶解して均一液として得られた。放冷後、濃縮して得た白色固体にエタノールを添加して室温で一晩攪拌抽出した。引き続き、減圧ろ過で不溶物を除去し、得られた無色ろ液を濃縮して目的の化合物を白色固体として11.9g(収率56%)で得た。NMR測定から、これが下記式(12)で表される化合物であることを確認した。
H−NMR(200MHz,DO,2,2,3,3−d(4)−3−(トリメチルシリル)プロピオン酸ナトリウム)δ(ppm)6.34(2H,s)、4.20−4.14(2H,m)、3.90−3.84(1H,m)、2.88(2H,t,J=8.2Hz)、1.73−1.37(10H,m)。
13C−NMR(50MHz,DO,2,2,3,3−d(4)−3−(トリメチルシリル)プロピオン酸ナトリウム)δ(ppm)26.85、27.07、30.56、53.84、70.92、76.91、102.51、102.58、143.66、143.95。
Figure 2018090755
合成例5. ポリチオフェン(A3)の合成[下記式(13)及び下記式(14)で表される構造単位を含む重合体].
合成例4で得られた上記式(12)で表される化合物 0.50g(1.52mmol)を水 5.9mLに溶解させてモノマーの水溶液を得た。次に、窒素ラインを備えた30mL反応管中に予め仕込んでおいたFeCl 1.98g(12.2mmol)に対して、このモノマーの水溶液をゆっくり添加した。その後、窒素下に80℃で48時間攪拌した。得られた黒色液を攪拌下にアセトン 150mLにゆっくり添加し、得られた沈殿物を減圧ろ過により回収した(0.45g、黒色固体)。この固体を水 5mLに懸濁させて激しく攪拌しながら、0.1NのNaOH水溶液 60g加え、濃青色液を得た。ろ過により不溶物を除去した後、攪拌下にエタノール 350mLにこの液をゆっくり添加した。さらに、遠心沈降(3000rpm)して上澄みを除去し、黒色沈殿物を減圧ろ過で回収した。引き続き、水 100gに再溶解して得たポリマー水溶液を減圧ろ過して水酸化鉄を除去した。ろ液を濃縮、乾燥して目的のNa塩型ポリマーを 0.27g(黒色固体)得た。このポリマーの重量平均分子量は11,000だった。このポリマーを水 50gに希釈溶解させ、陽イオン交換樹脂アンバーライト(IR120H型)を添加して一晩攪拌した。減圧ろ過でアンバーライトを除去して濃青色H型ポリマー水溶液を得た。
Figure 2018090755
Figure 2018090755

合成例6. 3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム(15)の合成.
窒素雰囲気下、300mLナス型フラスコに60%水素化ナトリウム 1.15g(28.8mmol)、トルエン 100mLを仕込んだ後、(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノール 4.00g(23.3mol)とトルエン 68mLからなる混合液を添加した。その後、反応液を60℃に昇温させ同温度で1時間攪拌した。その後、1,3−プロパンスルトン 2.84g(22.1mmol)とトルエン 58mLからなる混合液を滴下し、還流温度に昇温させ同温度で2時間攪拌した。冷却後、得られた反応液をアセトン 300mLに滴下し再沈を行った。得られた粉末を濾過及び真空乾燥させることで7.16gの淡黄色粉末である3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウムを収率97%で得た。NMRから目的物であることを確認した。
13C−NMR(DO)δ(ppm);27.03,50.58,68.36,71.36,72.46,75.52,103.02,103.15,143.09,143.23。
Figure 2018090755
合成例7. ポリチオフェン(A4)の合成[下記式(16)及び下記式(17)で表される構造単位を含む重合体].
窒素雰囲気下、300mLナス型フラスコに3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 4.00g(12.6mmol)と水 63mLを仕込み溶解させた後、塩化鉄(III) 1.23g(7.58mmol)を加えて20分攪拌した。その後過硫酸ナトリウム 6.03g(25.3mmol)と水 42mLからなる混合液を反応液温度が30℃以下を保持しながら滴下した。室温で3時間攪拌した後、反応液をアセトン 600mLに滴下し濃青色のNa型ポリマーを析出させた。ポリマーを濾過、真空乾燥することで6.69gの3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウムの粗ポリマーを得た。次に、この粗ポリマーに水を加え1重量%溶液に調製した水溶液0.67kgを、酸型に調製した陽イオン交換樹脂Amberlite IR−120(Na) 250gを充填したカラムに通液(空間速度=1.6)することによりH型のポリマー水溶液を0.83kg得た。更に、本ポリマー水溶液をクロスフロー式限外ろ過(ろ過器=ビバフロー200,分画分子量=5000、透過倍率=16.2)により精製することにより下記式(16)及び下記式(17)で表される構造単位を含む重合体の濃青色水溶液を0.6kg合成した。本ポリマー水溶液に含まれるポリマー量3.4g(0.56重量%)であった。
Figure 2018090755
Figure 2018090755
実施例1.
合成例2で得られたポリチオフェン(A1)[前記式(7)及び前記式(8)で表される構造単位を含む重合体]を2重量%含む水溶液 0.994gに、水 15.187g、エタノール 1.616g、界面活性剤(D)としてフッ素系界面活性剤のプラスコートRY−2(互応化学社製) 0.033g、バインダ樹脂(B)としてベンザール変性型ポリビニルアルコールのエスレックKX−5(積水化学社製)0.480g、架橋剤(C)として1%含有3−グリシジルオキシトリメトキシシランのエタノール溶液 2.012gを加えてよく攪拌混合した。得られた導電性組成物の溶液をさらにエタノールで2倍希釈してコーティング液を得た(X1)。本コーティング液を7cm×14cmにカットしたPETフィルム(東レ社製ルミラーT60/38μm)にバーコーター(オーエスジーシステムプロダクト社製セレクトローラーOSP−22)を用いて一定速度で塗布した後、乾燥器で130℃×5分乾燥して積層フィルムを得た。得られた膜は斑の無い均一状態を示し、且つ当該膜の表面抵抗値は、測定箇所によらず安定的に1.8.1×10Ω/□を示したため、良好な帯電防止能を有していることが分かった。得られた導電膜の評価結果を表1に示す。
実施例2.
実施例1に記載のポリチオフェン(A1)を合成例3で得られたポリチオフェン(A2)[前記式(9)及び前記式(10)で表される構造単位を含む重合体]に変更した以外は実施例1に準拠して行い、コーティング液(X2)を得、さらに実施例1と同様の評価を行った。得られた導電膜の評価結果を表1に示す。
実施例3.
実施例1に記載のポリチオフェン(A1)を合成例4で得られたポリチオフェン(A3)[前記式(13)及び前記式(14)で表される構造単位を含む重合体]に変更した以外は実施例1に準拠して行い、コーティング液(X3)を得、さらに実施例1と同様の評価を行った。得られた導電膜の評価結果を表1に示す。
実施例4.
実施例1に記載のポリチオフェン(A1)を合成例4で得られたポリチオフェン(A4)[前記式(16)及び前記式(17)で表される構造単位を含む重合体]に変更した以外は実施例1に準拠して行い、コーティング液(X4)を得、さらに実施例1と同様の評価を行った。得られた導電膜の評価結果を表1に示す。
実施例5.
合成例2で得られたポリチオフェン(A1)[前記式(7)及び前記式(8)で表される構造単位を含む重合体]を2重量%含む水溶液 3.750gに、水 8.775g、エタノール 27.501g、界面活性剤(D)としてフッ素系界面活性剤のプラスコートRY−2(互応化学社製) 0.125g、バインダ樹脂(B)として水系ポリエステル樹脂のプラスコートRZ−105(互応化学社製)を5%溶液に水で希釈して 6.000g、滑剤(E)として変性ポリエチレンワックスディスパージョンAQUQMAT272(BYK社製) 0.100g、架橋剤(C)として2%含有3−グリシジルオキシトリメトキシシランのエタノール溶液 3.750gを加えてよく攪拌混合した。得られた導電性組成物の溶液をさらに55%含水エタノールで2倍希釈してコーティング液(Y1)を得た。本コーティング液を7cm×14cmにカットしたPETフィルム(東レ社製ルミラーT60/38μm)にバーコーター(オーエスジーシステムプロダクト社製セレクトローラーOSP−22)を用いて一定速度で塗布した後、乾燥器で130℃×5分乾燥して積層フィルムを得た。得られた導電膜は斑の無い均一状態を示し、且つ当該膜の表面抵抗値は、測定箇所によらず安定的に3.0×10Ω/□を示したため、良好な帯電防止能を有していることが分かった。得られた導電膜の評価結果を表1に示す。
実施例6.
合成例2で得られたポリチオフェン(A1)[前記式(7)及び前記式(8)で表される構造単位を含む重合体]を2重量%含む水溶液 7.500gに、水 37.07g、界面活性剤(D)としてフッ素系界面活性剤のプラスコートRY−2(互応化学社製) 0.250g、バインダ樹脂(B)として水系ポリエステル樹脂のプラスコートRZ−105(互応化学社製)を25%溶液として 4.810g、滑剤(E)としてAQUACER507(BYK社製) 0.200gを加えてよく撹拌した。この溶液に、架橋剤(C)として3−グリシジルオキシトリメトキシシラン 0.150gを加えた後、エタノールで5倍に希釈してコーティング液(Z1)を得た。本コーティング液を7cm×14cmにカットしたPETフィルム(東レ社製ルミラーT60/38μm)にバーコーター(オーエスジーシステムプロダクト社製セレクトローラーOSP−15)を用いて一定速度で塗布した後、乾燥器で130℃×5分乾燥して積層フィルムを得た。得られた導電膜は斑の無い均一状態を示し、且つ当該膜の表面抵抗値は、測定箇所によらず安定的に3.1×10Ω/□を示したため、良好な帯電防止能を有していることが分かった。得られた導電膜の評価結果を表1に示す。
実施例7.
実施例1で得られたコーティング液(X1)を5cm×10cmのガラス基板(UVオゾン処理品)にバーコーター(オーエスジーシステムプロダクト社製セレクトローラーOSP−22)を用いて一定速度で塗布した後、150℃×5分ホットプレート上でベークした。得られた導電膜の表面抵抗値は1.3×1010Ω/□、透過率98.7%、ヘイズ率0.00%であった。その後、耐酸性評価を行った結果、試験後の表面抵抗値は1.6×1010Ω/□であり、透過率98.5%、ヘイズ率0.00%であった。本結果から表面抵抗値の比(試験後/試験前)は1.2倍となり○(良好)であった。
実施例8.
実施例1で得られたコーティング液(X1)の塗膜の耐熱性、耐湿性、及び耐光性試験を実施した。その結果を表2に示す。
実施例9.
実施例5で得られたコーティング液(Y1)の塗膜の耐熱性、耐湿性、及び耐光性試験を実施した。その結果を表2に示す。
比較例1.
実施例1において架橋剤(C)を添加しなかった以外は実施例1に準拠して検討した結果を表1に示す。
比較例2.
実施例5において架橋剤(C)を添加しなかった以外は実施例1に準拠して検討した結果を表1に示す。
比較例3.
比較例1で作製した架橋剤(C)を添加しなかった配合液を用いて実施例6に準拠して行った結果、塗膜の剥離が観測された。
Figure 2018090755
Figure 2018090755
本発明の導電性組成物並びにそれらを含むコーティング液は、高分子基材及びガラス基材への塗布性に優れており、ハジキや斑無く均一な塗布が可能であることから、各種帯電防止用途への応用が考えられる。さらに塗布・乾燥後に得られる導電膜は、優れた耐水性、耐アルコール性を有しているため、ゴミや印字を除去する際に水拭きやアルコール拭きを行っても導電膜が剥離しない利点がある。また、耐久性に関しても、PEDOT:PSS系と異なり、自己ドープ型の導電性高分子を導電材料として使用しているため、耐湿熱性と耐光性に優れていることが分かった。さらには一般的なエッチング液(リン酸/硝酸/酢酸/残部水)に浸漬しても表面抵抗値に変化は見られないことから電極部への使用も期待される。このように良好な導電性膜を形成することから、各種導電性コーティング剤に留まらず、固体電解コンデンサの固体電解質(陰極材料)、エレクトロクロミック素子、透明電極、透明導電膜、熱電変換材料、化学センサ、アクチュエータ、電磁波シールド材等への応用も期待できる。

Claims (12)

  1. 下記式(1)で表される構造単位及び下記式(2)で表される構造単位を含むポリチオフェン(A)を0.001〜10重量%含み、ポリエステル樹脂、及び変性ポリビニルアルコール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種のバインダ樹脂(B)を0.001〜10重量%含み、さらにシラン化合物、及びブロックイソシアネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の架橋剤(C)を0.001〜10重量%含むことを特徴とする導電性組成物。
    Figure 2018090755
    Figure 2018090755
    [上記式(1)及び式(2)中、Lは下記式(3)又は(4)を表し、Mは水素イオン、アルカリ金属イオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。]
    Figure 2018090755
    [上記式(3)中、lは6〜12の整数を表す。]
    Figure 2018090755
    [上記式(4)中、mは1〜6の整数を表す。Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。]
  2. バインダ樹脂(B)が、水酸基、カルボキシル基、若しくはスルホン酸塩基基を有するポリエステル樹脂、アセタール変性ポリビニルアルコール樹脂、及びベンザール変性ポリビニルアルコール樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種のバインダ樹脂(B)であることを特徴とする請求項1に記載の導電性組成物。
  3. 架橋剤(C)が、グリシジル基若しくはアミノ基を有するシラン化合物、及びブロック解離温度が150℃以下であるブロックイソシアネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の架橋剤(C)であることを特徴とする請求項1に記載の導電性組成物。
  4. 界面活性剤(D)0.001〜10重量%をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の導電性組成物。
  5. 界面活性剤(D)がフッ素系界面活性剤であることを特徴とする請求項4に記載の導電性組成物。
  6. 滑剤(E)0.001〜10重量%をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の導電性組成物。
  7. 滑剤(E)が脂肪族炭化水素系化合物、高級脂肪族系アルコール、高級脂肪族系脂肪酸、脂肪酸エステル系化合物、脂肪酸アマイド化合物、及びシリコーン系化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の滑剤(E)であることを特徴とする請求項6に記載の導電性組成物。
  8. 水又は水とアルコールをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の導電性組成物。
  9. pHが10以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電性組成物。
  10. 請求項1に記載の導電性組成物を含むコーティング液。
  11. 請求項1に記載の導電性組成物を含む導電膜。
  12. 請求項1に記載の導電性組成物を基材上に塗布し、100〜150℃に加熱することを特徴とする、導電膜の製造方法。
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