JP2017155399A - 繊維含浸用導電性高分子水溶液 - Google Patents

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Abstract

【課題】含浸により導電性繊維を得る製造方法において、十分な導電性と快適性を両立させる繊維含浸用導電性高分子水溶液の提供。【解決手段】式(1)で表される構造単位を含むポリチオフェン(A)を0.01〜10重量%含み、当該ポリチオフェン(A)の粒径(D50)が0.0001〜0.02μmの範囲である、繊維含浸用導電性高分子水溶液。【選択図】なし

Description

本発明は、十分な導電性と快適性を両立させる繊維含浸用水溶液を提供することを目的としたものであり、高い導電性を有する特定の自己ドープ型導電性高分子を含むことを特徴とする水溶液に関するものである。
日常生活により生じる静電気発生抑制のためや、近年では電子デバイスや医療・スポーツ分野での計測や表示などのウェアラブル用途として、電気の通すことのできる衣料すなわち導電性繊維が求められている。これらの導電性繊維は導電性材料として、例えば銀や銅、エナメルといった金属、カーボンナノチューブなどの無機材料に加え、導電性高分子材料などを用いる。これらの各種材料を混練、紡糸、メッキ、含浸等の手法により繊維に付与することで導電性繊維を作製している。
一方、導電性高分子材料は、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール等に代表されるπ共役系高分子に、電子受容性化合物をドーパントとしてドープした材料が開発されたことにより、例えば、帯電防止剤、コンデンサの固体電解質、導電性塗料、電磁波シールド、エレクトロクロミック素子、電極材料、熱電変換材料、透明導電膜、化学センサ、アクチュエータ等への応用が検討されている。これらの中でも、化学的安定性の面からポリチオフェン系導電性高分子材料が実用上有用である。
ポリチオフェン系導電性高分子材料としては、ドーパントとなるポリスチレンスルホン酸(PSS)の水溶液中で、3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を重合させることで得られるPEDOT/PSS水分散体溶液や、水溶性の付与とドーピング作用を兼ね備えた置換基(スルホ基、スルホネート基等)を直接又はスペーサを介してポリマー主鎖中に有する、いわゆる自己ドープ型導電性高分子があり、後者としては例えば、スルホン化ポリアニリン、PEDOT−S等が知られている(例えば、非特許文献1、2参照)。
近年注目を集めている導電性繊維の材料となる導電性高分子には、高い導電率を示すPEDOT/PSS水溶液が用いられ、生体信号検出衣料(特許文献1)などが存在している。また、2種類の高分子からなるPEDOT/PSSに対して、単一成分からなる自己ドープ型の導電性高分子としては、ポリ[3−スルホプロピル−2,5−チエニレン]を用いたもの(特許文献2)が知られている。
WO2015/115441 特開2002−226721号
Journal of American Chemical Society,112,2801−2803(1990) Advanced Materials,Vol.23(38)4403−4408(2011)
上述したPEDOT/PSSは3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)の2つの化合物からなる高分子材料であるため、粒径が大きい特徴を有する。そのため、撚糸や衣料用織布に導電性を付与する為にPEDOT/PSSを含浸させた場合、その大きな粒径のため繊維内部まで含浸されにくい。そのため導電性は市場要求を完全には満足しておらず、更なる改善が求められていた。更に繊維表面に粒径の大きな化合物が存在するため繊維の加工性が悪化し、衣料とした際の快適性が低下する課題が残されていた。
また、前述したポリ[3−スルホプロピル−2,5−チエニレン]の導電率は0.1〜1S/cmと低いため、繊維に十分な導電性を付与できるものではなかった。
また、PEDOT/PSSは中性での安定性に劣るために、基本的に酸性状態のものが用いられる。このため耐酸性の低い撚糸や衣料用織布への利用が制限されていた。
すなわち、本発明の目的は、含浸により導電性繊維を得る製造方法において、十分な導電性と快適性を両立させる繊維含浸用導電性高分子水溶液を提供すること、である。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明の構成によって、十分な導電性と快適性を両立させる繊維含浸用導電性高分子水溶液を提供することができることを見出した。
すなわち、本発明は以下に示すとおりの繊維含浸用導電性高分子水溶液に関するものである。
[1]
下記一般式(1)で表される構造単位及び下記一般式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)を0.01〜10重量%含み、当該ポリチオフェン(A)の粒径(D50)が0.0001μmから0.02μmの範囲であることを特徴とする、繊維含浸用導電性高分子水溶液。
Figure 2017155399
Figure 2017155399
[上記式(1)及び式(2)中、Lは下記一般式(3)又は式(4)を表し、Mは水素イオン、アルカリ金属イオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。]
Figure 2017155399
[上記式(3)中、lは6〜12の整数を表す。]
Figure 2017155399
[上記式(4)中、mは1〜6の整数を表す。Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。]
[2]
(A)に加え、非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の界面活性剤(B)を0.001〜10重量%を含むことを特徴とする上記[1]に記載の繊維含浸用導電性高分子水溶液。
[3]
界面活性剤(B)が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンの共重合体、ポリエチレングリコール型界面活性剤、アセチレングリコール型界面活性剤、多価アルコール型界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記[2]に記載の繊維含浸用導電性高分子水溶液。
[4]
さらに、アルコール及び水溶性樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の水溶性化合物(C)を0.001〜10重量%含むことを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の繊維含浸用導電性高分子水溶液。
[5]
アルコールが、エタノール、2価のアルコール、3価のアルコール、及び糖アルコールからなる群より選択される少なくとも一種のアルコールであることを特徴とする上記[4]に記載の繊維含浸用導電性高分子水溶液。
[6]
水溶性樹脂が、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリエステル、及び水溶性ポリウレタンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記[4]に記載の繊維含浸用導電性高分子水溶液。
[7]
上記[1]乃至[6]のいずれかに記載の繊維含浸用導電性高分子水溶液を繊維に含浸させることによって得られる導電性繊維。
本発明によれば、幅広い材質の繊維に適用可能で、均一浸透性に優れ、十分な導電性と快適性を両立させる繊維含浸用導電性高分子水溶液
を提供できる。この水溶液は繊維に含浸させた際、導電性繊維や導電性織布としてとしての使用が期待できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の繊維含浸用導電性高分子水溶液は、下記一般式(1)で表される構造単位及び下記一般式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)を0.01〜10重量%含み、当該ポリチオフェン(A)の粒径(D50)が0.0001μmから0.02μmの範囲であることを特徴とする、繊維含浸用導電性高分子水溶液。
Figure 2017155399
Figure 2017155399
[上記式(1)及び式(2)中、Lは下記一般式(3)又は式(4)を表し、Mは水素イオン、アルカリ金属イオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。]
Figure 2017155399
[上記式(3)中、lは6〜12の整数を表す。]
Figure 2017155399
[上記式(4)中、mは1〜6の整数を表す。Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。]
前記のアルカリ金属イオンとしては、例えば、Liイオン、Naイオン、Kイオンが好ましい。
前記のアミン化合物の共役酸としては、アミン化合物にヒドロン(H)が付加してカチオン種になったものを示す。
前記の第4級アンモニウムカチオンとしては、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラノルマルプロピルアンモニウムカチオン、テトラノルマルブチルアンモニウムカチオン、テトラノルマルヘキシルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。入手の観点から好ましくは、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオンである。
上記式(3)中、lは6〜12の整数を表し、好ましくは6〜8の整数である。
上記式(4)中、Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。
炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
式(4)のRについては、成膜性の点で、水素原子、メチル基、エチル基、又はフッ素原子であることが好ましい。
上記式(4)中、mは1〜6の整数を表し、好ましくは、mは1〜4の整数であり、より好ましくは2である。
上記式(2)で表される構造単位は、上記式(1)で表される構造単位のドーピング状態を表す。
ドーピングにより絶縁体−金属転移を引き起こすドーパントは、アクセプタとドナーに分けられる。前者は、ドーピングにより導電性ポリマーの高分子鎖の近くに入り主鎖の共役系からπ電子を奪う。結果として、主鎖上に正電荷(正孔、ホール)が注入されるため、p型ドーパントとも呼ばれる。また、後者は、逆に主鎖の共役系に電子を与えることになり、この電子が主鎖の共役系を動くことになるため、n型ドーパントとも呼ばれる。
本発明におけるドーパントは、ポリマー分子内に共有結合で結びついたスルホ基又はスルホナート基であり、p型ドーパントである。このように外部からドーパントを添加することなく導電性を発現するポリマーは自己ドープ型高分子と呼ばれている。
本発明のポリチオフェン(A)は、下記式(5)で表されるチオフェンモノマーを、水又はアルコール溶媒中、酸化剤の存在下に重合させることで製造することができる。
Figure 2017155399
[上記式(5)中、Lは上記と同じ定義である。Mは、金属イオンを表わす。]
一般式(5)におけるMで表される金属イオンとしては、特に限定するものではないが、Liイオン、Naイオン、及びKイオン等が挙げられる。
重合後のポリマーは金属塩であるため、必要に応じて、得られたポリマーを酸処理することでMを水素イオンへ変換可能であり、さらにこれをアミン化合物と反応させることで、Mをアミン化合物の共役酸へ変換可能である。
上記式(1)又は式(2)において、Lが上記式(3)で表される、本発明のポリチオフェンを得るためのチオフェンモノマーとしては、具体的には、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸ナトリウム、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸リチウム、6−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)ヘキサン−1−スルホン酸カリウム、8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸、8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸ナトリウム、及び8−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)オクタン−1−スルホン酸カリウム等が例示される。
上記式(1)又は式(2)において、Lが上記式(4)で表される、本発明のポリチオフェンを得るためのチオフェンモノマーとしては、具体的には、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロパンスルホン酸カリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−エチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロピル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ペンチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ヘキシル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソプロピル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソブチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソペンチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸カリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸アンモニウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸トリエチルアンモニウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブタンスルホン酸カリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−ブタンスルホン酸カリウム、4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−ブタンスルホン酸ナトリウム、及び4−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−ブタンスルホン酸カリウム等が例示される。
本発明のアミン化合物の共役酸としては、スルホン酸基と反応して共役酸を形成するアミン化合物であればよく、sp3混成軌道を有するN(Rで表されるアミン化合物[共役酸としては[NH(Rで表される。]、又はsp2混成軌道を有するピリジン類化合物、イミダゾール類化合物等である。
置換基Rは、各々独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、又は置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基を表す。
炭素数1〜6のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
置換基を有する炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、アミノ基、又はヒドロキシ基を有する炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、具体的には、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキシエチル基等が例示される。
これらのうち、置換基Rとしては、独立して、水素原子、メチル基、エチル基、2−ヒドロキシエチル基が好ましい。
アミン化合物の共役酸を形成するN(Rで表されるアミン化合物としては、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、ノルマル−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ノルマルブチルアミン、ターシャリーブチルアミン、ヘキシルアミン、エタノールアミン化合物(例えば、アミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、メチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン)、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジアミン等があり、N(Rで表されるアミン化合物以外の化合物としては、イミダゾール化合物(例えば、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール)、ピリジンピコリン、又はルチジン等が例示される。これらのうち、好ましくは、エタノールアミン化合物、又はイミダゾール化合物である。
本発明においてポリチオフェン(A)の粒径は小さいほど水溶性が良好であり、導電性や含浸時の繊維への均一な浸透の観点からも望ましい。例えば、室温又は加温下で調製した導電性高分子水溶液の固形分濃度が10重量%以下の場合、本願発明については、固形分の平均粒子径(D50)が0.0001μm〜0.02μmの範囲である。このうち、固形分の平均粒子径(D50)が0.001μm〜0.02μmの範囲が好ましい。
当該粒子径のポリチオフェン(A)については、従来公知の方法で製造されたポリチオフェンをホモジナイズ処理によって製造することができる。ホモジナイズ処理の方法としては、特に限定するものではないが、例えば、高圧ホモジナイザーや超音波ホモジナイザー等が挙げられる。
本発明においてポリチオフェン(A)の導電率は、特に限定するものではないが、フィルム状態での導電率(電気伝導度)として、10S/cm以上であることが好ましい。
本発明において界面活性剤(B)としては、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、又はシリコーン系界面活性剤等が使用できるが、より好ましくは非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種である。
非イオン界面活性剤としては特に限定するものではないが、例えば、ポリエチレングリコール型界面活性剤、アセチレングリコール型界面活性剤、多価アルコール型界面活性剤、高分子型非イオン界面活性剤等が挙げられる。
前記のポリエチレングリコール型界面活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、又はポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
アセチレングリコール型界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、サーフィノール(エアプロダクツ社製)、オルフィン(日信化学工業社製)等が挙げられる。
多価アルコール型界面活性剤としては、例えば、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、高アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。
高分子型非イオン界面活性剤としては、特に限定するものではないが、ポリビニルピロリドン及びポリビニルピロリドンの共重合体等が挙げられる。本発明に使用されるポリビニルピロリドンの平均分子量は1千〜200万のものが好ましく、より好ましくは1万〜150万である。ポリビニルピロリドンの共重合体としては、特に限定するものではないが、親水性部と疎水性部をポリマー鎖中に併せ持つものが好ましく、例えば、ポリビニルピロリドンをポリビニルアルコールにグラフトしたコポリマーや、[ビニルピロリドン−酢酸ビニル]ブロック共重合体、[ビニルピロリドン−メチルメタクリレート]共重合体、[ビニルピロリドン−ノルマルブチルメタクリレート]共重合体、[ビニルピロリドン−アクリルアミド]共重合体などが例示できる。
両性界面活性剤としては特に限定するものではないが、例えば、ベタイン型両性界面活性剤が挙げられる。ベタイン型両性界面活性剤としては特に限定するものではないが、例えば、アルキルジメチルベタイン、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキル基を有するものであれば特に限定されないが、パーフルオロアルカン、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸、又はパーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては特に限定されないが、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルエステル変性ポリジメチルシロキサン、ヒドロキシル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、アクリル基含有ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、アクリル基含有ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエステル変性ポリジメチルシロキサン、又はシリコーン変性アクリル化合物などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤はレベリング剤として塗膜の平坦性を改善するのに有効である。
界面活性剤(B)の繊維含浸用導電性高分子水溶液への添加方法は、固体で添加しても良く、あらかじめ水溶液として調整したものを添加しても良い。単独で使用しても、2種以上を混合してよい。
本発明の導電性高分子水溶液は、さらにアルコール及び水溶性樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の水溶性化合物(C)を含んでもよい。
アルコールとしては、特に限定するものではないが、例えば、エタノール、2価のアルコール、3価のアルコール、及び糖アルコールからなる群より選択される少なくとも一種のアルコールが挙げられる。
2価アルコールとしては特に限定するものではないが、入手の観点から、エチレングリコールが好ましい。3価アルコールとしては、特に限定するものではないが、例えば、グリセロールが好ましい。糖アルコールとしては、特に限定するものではないが、例えば、エリトリトール、ソルビトール、アラビトール等が好ましい。より好ましくはソルビトールである。
また、水溶性樹脂としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、水溶性ポリエステル、又は水溶性ポリウレタン等が好ましい。なおこれらの水溶性樹脂については、金属量低減の観点から、顆粒状、膜状の陽イオン交換樹脂、ゼータ電位を利用した金属除去フィルター処理を行ったものを用いることが好ましい。
水溶性樹脂の分子量は、水溶性が良好であれば特に制限されないが、好ましくはMw=1千〜200万、より好ましくは1万〜150万、更に好ましくはMw=1千〜25万、更に好ましくは1千〜5万の範囲である。
本発明の導電性高分子水溶液が、界面活性剤(B)及び/又は水溶性化合物(C)を含む場合、ポリチオフェン(A)を0.1〜10重量%、及び/又界面活性剤(B)を0.001〜10重量%、及び/又水溶性化合物(C)を0.001〜10重量%含むことが好ましい。
本発明の導電性高分子水溶液を調製する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、本発明のポリチオフェン(A)の水溶液又は固体と、界面活性剤(B)と、必要に応じて水溶性化合物(C)と、必要に応じて水とを使用する。これらを任意の順で混合することにより本発明の導電性高分子水溶液を調製することができる。
ここで、混合する際の温度は、特に限定するものではないが、例えば、室温〜加温下で行うことができる。好ましくは0℃以上100℃以下が好ましい。
混合する際の雰囲気は、特に限定するものではないが、大気中でも、不活性ガス中でも良い。
この水溶液のpHは10以下であることが好ましく、9以下であることがより好ましい。さらに、この水溶液のpHは、1.5以上9.5以下の範囲が好ましく、1.5以上9以下の範囲内がより好ましい。ここで、pHを調整する手順としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリチオフェン(A)と界面活性剤(B)とを混合した後、アミン化合物(D)を添加することにより調整することができる。また、ポリチオフェン(A)、界面活性剤(B)及び水溶性化合物(C)を混合した後、アミン化合物(D)を添加することにより調整することができる。さらには、ポリチオフェン(A)の水溶液を予めアミン化合物(D)で中和した後に、界面活性剤(B)、必要に応じて水溶性化合物(C)を添加してもよい。
アミン化合物(D)としては、特に限定するものではないが、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、トリエチルアミン、ノルマル−プロピルアミン、イソプロピルアミン、ノルマルブチルアミン、ターシャリーブチルアミン、ヘキシルアミン、アミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、メチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、3−メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジアミン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、1、2−ジメチルイミダゾール、ピリジン、ピコリン、又はルチジン等が挙げられる。添加する際には、ニートでも水溶液でも良い。
本発明の繊維含浸用導電性高分子水溶液を混合する際には、スターラーチップ、攪拌羽根等による一般的な混合溶解操作に加えて、超音波照射、ホモジナイズ処理(例えば、メカニカルホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等の使用)を行ってもよい。ホモジナイズ処理する場合には、ポリマーの熱劣化を防ぐため、冷却しながら行うことが好ましい。
本発明の繊維含浸用導電性高分子水溶液の濃度調整は、組成物の配合比によって調整しても良いし、配合後に濃縮により調整しても良い。濃縮の方法は、減圧下に溶媒を留去する方法であっても、限外ろ過膜を利用する方法であっても良い。
本発明の繊維含浸用導電性高分子水溶液の粘度(20℃)は、200mPa・s以下であることが好ましく、より好ましくは100mPa・s以下、さらに好ましくは50mPa・s以下である。
本発明の繊維含浸用導電性高分子水溶液から導電性繊維を形成する方法としては、特に限定するものではないが、例えば、本発明の繊維含浸用導電性高分子水溶液を用い、水溶液中に支持体を沈み込ませ水溶液を浸透させた後乾燥する、または支持体に塗布後乾燥することで簡便に支持体を導電性繊維とすることが可能である。
支持体としては、本発明の繊維含浸用導電性高分子水溶液が含浸・塗布等できるものであれば特に限定するものではないが、例えば、ポリマー又は天然基材(例えば、植物繊維、動物繊維、鉱物繊維)等が挙げられる。ポリマーとしては、既知の方法で繊維化できるポリマーであれば特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系繊維、レーヨン、アセテート等の化学繊維、およびポリエステル、ナイロン等の合成繊維等が挙げられる。天然基材としては、特に限定するものではないが、木綿、麻、亜麻、羊毛、絹、カシミヤ、石綿、パルプ等の天然繊維が挙げられる。その他の例として、セルロースナノファイバーが挙げられる。
支持体の乾燥温度は、基材の耐熱温度以下であれば特に限定するものではないが、室温〜200℃の範囲が好ましく、より好ましくは室温〜150℃の範囲であり、さらに好ましくは室温〜100℃の範囲である。
乾燥雰囲気は大気中、不活性ガス中、真空中、又は減圧下のいずれであってもよい。導電性高分子材料の劣化抑制の観点からは、窒素、アルゴン等の不活性ガス中が好ましい。
また、得られる導電性繊維の表面抵抗値としては特に限定するものではないが、1.0E+11Ω/□以下が好ましく、より好ましくは1.0E+10Ω/□以下である。表面抵抗値を測定する際の印加電圧は特に限定されないが、10V又は500Vで測定する。
以下に本発明に関する実施例を示す。
なお、本実施例で用いた分析機器及び測定方法を以下に列記する。
[表面抵抗率測定]
装置:三菱化学社製ロレスタGP MCP−T600。
装置:三菱化学社製ハイレスタUX MCP−HT8000。
[粘度測定]
コンプリート型粘度計/BROOKFIELD VISCOMETER DV−1 Prime。
[粒度分布測定装置]
装置:日機装株式会社製マイクロトラックUPA−UT151。
[自己ドープ型導電性高分子の導電率測定]
自己ドープ型導電性ポリマーを含む水溶液0.5mlを25mm角の無アルカリガラス板に塗布し、室温で一晩乾燥した後、ホットプレート上で120℃にて20分、さらに160℃にて10分加熱して導電性高分子膜を得た。膜厚及び表面抵抗値から、以下の式に基づき算出した。
導電率[S/cm]=1.0E+4/(表面抵抗率[Ω/□]×膜厚[μm])。
[導電性繊維の表面抵抗値測定]
繊維含浸用導電性高分子水溶液をポリエステル布(敷島カンバス社製、T−81、表面抵抗値1.3E+12Ω/□)に含浸させ乾燥させた後、2.5cm角に切断し試験片を作製し、試験片の表面抵抗値についてハイレスタを用いて測定した。
合成例1.
ポリチオフェン(A)[下記式(6)又は下記式(7)で表される構造単位を含む重合体]の合成.
500mlセパラブルフラスコに、従来公知の製造方法に準じて合成した3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 10g(30mmol)と水150gを加えた。溶解後、室温下、無水塩化鉄(III) 2.94g(18.1mmol)を加えて20分攪拌した。次いで、反応液温度30℃以下を保持しながら、過硫酸ナトリウム 14.5g(60.4mmol)と水 100gからなる混合溶液を滴下した。滴下完了後、室温で3時間攪拌したのち、反応液を800gのアセトンに滴下させ、黒色のNa型のポリマーを析出させた。ポリマーを濾過・真空乾燥することで、18.0gの3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウムの粗ポリマーを得た。
次に、この粗ポリマー14.5gに水を加え2重量%溶液に調製した水溶液 700gを、陽イオン交換樹脂Lewatit MonoPlus S100(H型) 200mlを充填したカラムに通液(空間速度=1.1)することによりH型のポリマー水溶液を 738g得た。更に、本ポリマー水溶液をクロスフロー式限外ろ過(ろ過器=ビバフロー200、分画分子量=5,000、透過倍率=5)により精製することにより下記式(6)又は式(7)で表される構造単位を含む重合体の濃群青色水溶液を 698g合成した。本ポリマー(ポリチオフェン(A))水溶液に含まれるポリマー量は 0.74重量%であった。又、本ポリマー水溶液は、鉄イオン及びナトリウムイオンを、各々44ppm及び12ppm(対ポリマー)含んでいた。
Figure 2017155399
Figure 2017155399
合成例2.
ポリチオフェン(A)[下記式(8)又は下記式(9)で表される構造単位を含む重合体]の合成.
合成例1に準じて得られたポリチオフェン(A)[前記式(6)および(7)で表される構造単位を含む重合体]の水溶液を攪拌下、50%N,N―ジメチルエタノールアミン水溶液で中和した後(pH7.8)、固形分が2重量%になるように濃度調整した。
Figure 2017155399
Figure 2017155399
実施例1.
合成例1に準じて得たポリチオフェン(A)[前記式(6)又は、前記式(7)で表される構造単位を含む重合体][導電率54S/cm]を2重量%含む導電性高分子水溶液を調製し、超音波ホモジナイザーを用いてホモジナイズ処理を実施した。得られた導電性高分子水溶液(「導電性高分子水溶液(A−1)」とする)のpHは1.6であった。当該導電性高分子水溶液(A−1)におけるポリチオフェン(A)の粒度分布を測定したところ、D50粒子径が0.001μmを示した。この導電性高分子水溶液(A−1)を10g計り取り、バットに展開した。
前記バットに5cm×5cmにカットしたポリエステル布(敷島カンバス社製、T−81、表面抵抗値1.3E+12Ω/□)を浸し、完全に水中に没した。十分浸漬し含浸された後バットから取り出し、大気下、室温で乾燥させ導電性繊維を作製した。得られた導電性繊維は斑の無い均一状態を示し、且つ当該繊維の表面抵抗値は、測定箇所によらず安定的に2.5E+10Ω/□を示した。
実施例2.
合成例2に準じて得たポリチオフェン(A)[前記式(8)又は、前記式(9)で表される構造単位を含む重合体][導電率119S/cm]を2重量%含む導電性高分子水溶液を調製し、超音波ホモジナイザーを用いてホモジナイズ処理を実施した。得られた導電性高分子水溶液(「導電性高分子水溶液(B−1)」とする)のpHは6.8であった。当該導電性高分子水溶液(B−1)におけるポリチオフェン(A)の粒度分布を測定したところ、D50粒子径が0.002μmであった。実施例1と同様の作業を行い、導電性繊維を作製した。得られた導電性繊維は斑の無い均一状態を示し、且つ当該繊維の表面抵抗値は、測定箇所によらず安定的に3.1E+9Ω/□を示した。
実施例3.
実施例1で得られた導電性高分子水溶液(A−1) 3.753gに、ポリビニルピロリドンK90(界面活性剤、BASF社製 SokalanK90 分子量140万)2.5重量%水溶液 0.301g、及び水 0.951gを加え、撹拌混合して導電性高分子水溶液(A−2)を得た。当該導電性高分子水溶液(A−2)を用いて実施例1と同様の作業を行い、導電性繊維を作製した。得られた導電性繊維は斑の無い均一状態を示し、且つ当該繊維の表面抵抗値は、測定箇所によらず安定的に5.2E+10Ω/□を示した。
実施例4.
実施例2で得られた導電性高分子水溶液(B−1) 3.751gに、ポリビニルピロリドンK90(界面活性剤、BASF社製 SokalanK90 分子量140万)2.5重量%水溶液 0.296g、及び水 0.948gを加え、撹拌混合して導電性高分子水溶液(B−2)を得た。当該導電性高分子水溶液(B−2)を用いて実施例1と同様の作業を行い、導電性繊維を作製した。得られた導電性繊維は斑の無い均一状態を示し、且つ当該繊維の表面抵抗値は、測定箇所によらず安定的に7.4E+9Ω/□を示した。
実施例5.
実施例1で得られた導電性高分子水溶液(A−1) 3.748gに、ポリビニルピロリドンK90(界面活性剤、BASF社製 SokalanK90 分子量140万)2.5重量%水溶液 0.299g、エタノール 0.374g、及び水 0.572gを加え、撹拌混合して導電性高分子水溶液(A−3)を得た。当該導電性高分子水溶液(A−3)を用いて実施例1と同様の作業を行い、導電性繊維を作製した。得られた導電性繊維は斑の無い均一状態を示し、且つ当該繊維の表面抵抗値は、測定箇所によらず安定的に4.5E+10Ω/□を示した。
実施例6.
実施例2で得られた導電性高分子水溶液(B−1) 3.747gに、ポリビニルピロリドンK90(界面活性剤、BASF社製 SokalanK90 分子量140万)2.5重量%水溶液 0.300g、エタノール 0.377g、及び水 0.578gを加え、撹拌混合して導電性高分子水溶液(B−3)を得た。当該導電性高分子水溶液(B−3)を用いて実施例1と同様の作業を行い、導電性繊維を作製した。得られた導電性繊維は斑の無い均一状態を示し、且つ当該繊維の表面抵抗値は、測定箇所によらず安定的に6.5E+9Ω/□を示した。
比較例1.
市販されているPEDOT/PSS配合液(Sigma Aldrichより購入。high−conductive grade)の粒度分布を測定したところ、1μm以上となり本発明に比べ粒径が大きいことが示された。前記のPEDOT/PSS配合液を用いて実施例1と同様の作業を行い、導電性繊維を作製した。得られた導電性繊維は斑の有る不均一状態を示し、表面抵抗値の測定ができなかった。
比較例2.
比較例1で用いたPEDOT/PSS配合液 3.747gに、ポリビニルピロリドンK90(界面活性剤、BASF社製 SokalanK90 分子量140万)2.5重量%水溶液 0.300g、及び水 0.578gを加え、撹拌混合したところ、ゲル状となり水溶液を得ることができず、繊維へ塗布できなかった。
比較例3.
比較例1で用いたPEDOT/PSS配合液 3.747gに、ポリビニルピロリドンK90(界面活性剤、BASF社製 SokalanK90 分子量140万)2.5重量%水溶液 0.300g、エタノール 0.377g、及び水 0.578gを加え、撹拌混合したところ、ゲル状となり水溶液を得ることができず、繊維へ塗布できなかった。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表される構造単位及び下記一般式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン(A)を0.01〜10重量%含み、当該ポリチオフェン(A)の粒径(D50)が0.0001μmから0.02μmの範囲であることを特徴とする、繊維含浸用導電性高分子水溶液。
    Figure 2017155399
    Figure 2017155399
    [上記式(1)及び式(2)中、Lは下記一般式(3)又は式(4)を表し、Mは水素イオン、アルカリ金属イオン、アミン化合物の共役酸、又は第4級アンモニウムカチオンを表す。]
    Figure 2017155399
    [上記式(3)中、lは6〜12の整数を表す。]
    Figure 2017155399
    [上記式(4)中、mは1〜6の整数を表す。Rは水素原子、炭素数1〜6の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、又はフッ素原子を表す。]
  2. (A)に加え、非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種の界面活性剤(B)を0.001〜10重量%を含むことを特徴とする請求項1に記載の繊維含浸用導電性高分子水溶液。
  3. 界面活性剤(B)が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンの共重合体、ポリエチレングリコール型界面活性剤、アセチレングリコール型界面活性剤、多価アルコール型界面活性剤、ベタイン型両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項2に記載の繊維含浸用導電性高分子水溶液。
  4. さらに、アルコール及び水溶性樹脂からなる群より選ばれる少なくとも一種の水溶性化合物(C)を0.001〜10重量%含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の繊維含浸用導電性高分子水溶液。
  5. アルコールが、エタノール、2価のアルコール、3価のアルコール、及び糖アルコールからなる群より選択される少なくとも一種のアルコールであることを特徴とする請求項4に記載の繊維含浸用導電性高分子水溶液。
  6. 水溶性樹脂が、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性ポリエステル、及び水溶性ポリウレタンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項4に記載の繊維含浸用導電性高分子水溶液。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の繊維含浸用導電性高分子水溶液を繊維に含浸させることによって得られる導電性繊維。
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