JP2014028759A - チオフェン誘導体、水溶性導電性ポリマー及びその水溶液、並びにそれらの製造方法 - Google Patents

チオフェン誘導体、水溶性導電性ポリマー及びその水溶液、並びにそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導電材料として用いられる新規な水溶性のチオフェン誘導体、及び導電材料として用いられる新規な水溶性のポリチオフェン類の提供。
【解決手段】下記式(1)又は対応するアンモニウム塩で表されるチオフェン誘導体、および該チオフェン類を重合して得られるポリチオフェン類。
Figure 2014028759

[上記式(1)中、Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHSOMを表す。Mは水素原子、Li、Na及びKからなる群より選ばれるアルカリ金属、NH(R又はHNCを表す。Rは各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表す。l、n、mは各々独立して1〜6の整数を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なチオフェン誘導体、ポリチオフェン類、及びそれを用いた水溶性導電性ポリマー水溶液、並びにその製造方法に関する。
ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロールなどに代表されるπ共役二重結合を有するポリマーは、アクセプターやドナーによるドーピングにより導電体(導電性ポリマー)となることが知られており、帯電防止剤、コンデンサの固体電解質、導電性塗料、エレクトロクロミック素子、透明電極、透明導電膜、化学センサ、アクチュエータ等への応用が検討されている。従来、導電性ポリマーは不溶不融のため成型加工性に課題があり、溶解させるには環境負荷の大きい極性有機溶媒(例えばアミド系溶媒)の使用が必要だった。そのため、環境負荷の小さい水に溶解する、水溶性で成型加工が容易な導電性ポリマーが求められていた。近年、導電性ポリマーとしてPEDOT[=ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)]と呼ばれるポリチオフェンが盛んに研究されている(例えば、特許文献1参照)が、その原料モノマーであるEDOT(=3,4−エチレンジオキシチオフェン)の水溶性が乏しいため(2.1g/L−水、0.2重量%)、得られる導電性ポリマーも非水溶性となることが知られている。
このため、水溶性の導電性ポリマーを得る方法として、PSS(ポリスチレンスルホン酸)等の水溶性高分子ドーパントの存在下に、EDOTを重合させる方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。PEDOT−PSSと呼ばれる)。
特許文献2によれば、ポリアニオンがドーパント兼水分散剤として取り込まれることで水溶性となり、成型加工性が向上するとされている。しかしながら、特許文献2に記載の導電性ポリマーは、ドーピングに関与していない導電性の低いポリマー部分を多量に含むため、導電性が低くなること、大過剰のスルホ基があることで耐熱性や耐水性が低いこと、強酸性による装置腐食等の課題がある。
ところで、特許文献2に記載の導電性ポリマーは、良好な導電性と成型加工性を兼ね備えているため、コンデンサの高分子固体電解質やプリンタブルエレクトロニクスへの応用も指向されている。
前者の例として、アルミ固体電解コンデンサの固体電解質があるが、コンデンサ性能として高容量化と低ESR化に課題がある。
また、後者においても例えばインクジェット等の技術を応用する際、導電性ポリマーの水溶液中の粒子径が大きいと、ノズルが詰まる等の問題が懸念される。
一方、水溶性導電性ポリマーを得る別法として、水溶性の付与とドーピング作用を兼ね備えた置換基(例えば、スルホ基、スルホネート基等)を、直接又はスペーサを介してポリマー分子鎖中に共有結合で導入した化合物を重合することで、成型加工性に優れた水溶性の自己ドープ型導電性ポリマーになることが提案されている(例えば、特許文献3〜4、非特許文献1〜2参照)。
これらの文献に記載の水溶性自己ドープ型導電性ポリマーの応用例として、電子線リソグラフィーによる半導体の回路パターン形成時に使用されるレジストの帯電防止膜形成材料の用途がある。これは導電性ポリマーが水溶性のため、脂溶性のレジストにダメージを与えにくく、露光後に水洗できる等の利点があるためである(例えば、非特許文献3参照)。しかしながら、近年の半導体の高集積化に伴い、より微細なパターン形成の要求があり、そのためにより高い導電性(帯電防止能)を有するポリマーが求められていた。
従って、水溶化のために導電性向上に寄与しない他の成分を添加することなく、プロセッサビリティを付与できる自己ドープ型の水溶性導電性ポリマーであって、良好な水溶性と導電性に加えて、水溶液とした場合にポリマーの粒子径が十分に小さいものが求められていた。
特許第2721700号明細書 特許第2636968号明細書 特公平8−13873号公報 特許第3182239号明細書
ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ、1987年、1858−1859頁 ケミストリー・オブ・マテリアルズ、2009年、1815−1821頁 電子材料、1990年2月号、48−55号
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、
(1)導電材料として用いられる新規な水溶性のチオフェン誘導体を提供すること、及び
(2)導電材料として用いられる新規な水溶性のポリチオフェン類を提供すること、
である。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下に示すとおりの新規なチオフェン誘導体、ポリチオフェン類、及びそれを用いた水溶性導電性ポリマー水溶液、並びにその製造方法である。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下に示すとおりのチオフェン誘導体及びその製造方法である。
[1]下記式(1)又は(2)で表されるチオフェン誘導体。
Figure 2014028759
[上記式(1)中、Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHSOMを表す。Mは水素原子、Li、Na及びKからなる群より選ばれるアルカリ金属、NH(R又はHNCを表す。Rは各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表す。l、n、mは各々独立して1〜6の整数を表す。]
Figure 2014028759
[上記式(2)中、R、n、mは上記式(1)と同意義を示す。Zはクロライド、ブロマイド、アイオダイド、アセテート、トリフルオロアセテート又はトリフルオロメタンスルホナートを表す。]
[2]下記式(3)又は(4)で表されるチオフェン誘導体。
Figure 2014028759
[上記式(3)中、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Mは水素原子、Li、Na及びKからなる群より選ばれるアルカリ金属、NH(R又はHNCを表す。Rは各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表す。]
Figure 2014028759
[上記式(4)中、Rは上記式(3)と同意義を示す。Zはクロライド、ブロマイド、アイオダイド、アセテート、トリフルオロアセテート又はトリフルオロメタンスルホナートを表す。]
[3]下記式()で表されるチオフェン誘導体と下記式(6)で表される化合物とを、極性溶媒中、塩基存在下に反応させ、上記式(1)又は式(3)で表されるチオフェン化合物(ただし、Mが水素原子を表すことはない。)を得ることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のチオフェン誘導体の製造方法。
Figure 2014028759
[上記式(5)中、Xはトシレート、メシレート、トリフラート、クロライド、ブロマイド、又はアイオダイドである。nは1〜6の整数を表す。]
Figure 2014028759
[上記式(6)中、Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHSOMを表す。Mは水素原子、Li、Na及びKからなる群より選ばれるアルカリ金属、NH(R又はHNCを表す。Rは各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表す。l、mは各々独立して1〜6の整数を表す。]
[4]上記式(1)又は式(3)で表されるチオフェン誘導体(ただし、Mが水素原子を表すことはない。)に過剰量の酸を反応させ、上記式(2)又は式(4)で表されるチオフェン誘導体を得ることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のチオフェン誘導体の製造方法。
[5]上記式(2)又は式(4)で表されるチオフェン誘導体をアンモニウム塩にした後、加熱下に減圧乾燥し、上記式(1)又は式(3)で表されるチオフェン誘導体(ただし、Mは水素原子を表す。)を得ることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のチオフェン誘導体の製造方法。
[6]下記式(16)で表される構造単位及び下記式(17)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン類。
Figure 2014028759
[上記式(16)中、Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHSOMを表す。Mは水素原子、Li、Na及びKからなる群より選ばれるアルカリ金属、NH(R又はHNCを表す。Zはクロライド、ブロマイド、アイオダイド、アセテート、トリフルオロアセテート又はトリフルオロメタンスルホナートを表す。Rは各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表す。l、n、mは各々独立して1〜6の整数を表す。]
Figure 2014028759
[上記式(17)中、R、n、mは上記式(16)と同意義を示す。]
[7]下記式(18)で表される構造単位及び下記式(19)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン類。
Figure 2014028759
[上記式(18)中、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Mは水素原子、Li、Na及びKからなる群より選ばれるアルカリ金属、NH(R又はHNCを表す。Rは各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表す。]
Figure 2014028759
[上記式(19)中、Rは上記式(18)と同意義を示す。Zはクロライド、ブロマイド、アイオダイド、アセテート、トリフルオロアセテート又はトリフルオロメタンスルホナートを表す。]
[8]ポリチオフェン類の重量平均分子量が、ポリスチレンスルホン酸換算で1千〜100万の範囲であることを特徴とする上記[6]又は[7]に記載のポリチオフェン類。
[9]上記[6]乃至[8]のいずれかに記載のポリチオフェン類の水溶液からなる水溶性導電性ポリマー水溶液。
[10]水又はアルコール溶媒中、酸化剤の存在下に上記[1]又は[2]に記載のチオフェン誘導体を重合させることを特徴とする上記[6]乃至[8]のいずれかに記載のポリチオフェン類の製造方法。
[11]上記[9]に記載の水溶液を基材に塗布し乾燥することを特徴とする導電性被膜の製造方法。
[12]上記[9]に記載の水溶液の導電性被膜への使用。
本発明によれば、導電材料として用いられる新規なチオフェン誘導体が簡便な製造方法により提供される。
また、本発明によれば、良好な導電性と成型加工に十分な水溶性を兼ね備えた新規なポリチオフェン類が提供される。
実施例4で得られたポリマー(26)のIR分析結果である。 実施例5で得られたポリマー(29)のIR分析結果である。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明のチオフェン誘導体について説明する。
本発明におけるチオフェン誘導体は、上記式(1)又は(2)で表される化合物である。
上記式(1)において、Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHSOMを表す。なお、Rが置換基を有するアルキル基又はアリール基である場合の当該置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基、炭素数6〜20のアリール基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基等が挙げられる。
上記式(1)における置換基Rとしては、上記の定義に該当すれば特に限定されるものではないが、例えば、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、2−エチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロヘキシル基、n−へプチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、トリフルオロメチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;フェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、3−(トリフルオロメトキシ)フェニル基等の炭素数1〜6のアリール基;−(CHSOMを挙げることができる。
これらの中でも、Rとしては、好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基又は−(CHSOM基であり、さらに好ましくは水素原子又はメチル基である。
上記式(1)におけるn、m、lは1〜6の整数を表す。
上記式(1)におけるMは、水素原子、Li、Na及びKからなる群より選ばれるアルカリ金属、NH(R又はHNCを表す。
その際、Rは各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表す。置換基Rとしては、Rと同じものを例示することができ、より好ましくは水素原子、メチル基である。また、Rが置換基を有するアルキル基又はアリール基である場合の当該置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基又はアルコキシ基、炭素数1〜20のアリール基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基等が挙げられる。
上記式(1)で表される化合物としては、具体的には、N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸、N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸ナトリウム、N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸リチウム、N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸カリウム、N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸アンモニウム、N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸ピリジニウム、N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸、N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸ナトリウム、N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸リチウム、N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸カリウム、N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸アンモニウム、N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸ピリジニウム、N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸、N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸ナトリウム、N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸リチウム、N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸カリウム、N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸アンモニウム、N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸ピリジニウム、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸リチウム、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸カリウム、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸アンモニウム、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸ピリジニウム、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸リチウム、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸カリウム、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸アンモニウム、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸ピリジニウム、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸リチウム、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸カリウム、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸アンモニウム、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸ピリジニウム、N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸、N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸ナトリウム、N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸リチウム、N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸カリウム、N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸アンモニウム、N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸ピリジニウム、N−[2−(3−チエニル)エチル]−3−アミノプロパンスルホン酸、N−[2−(3−チエニル)エチル]−3−アミノプロパンスルホン酸ナトリウム、N−[2−(3−チエニル)エチル]−3−アミノプロパンスルホン酸リチウム、N−[2−(3−チエニル)エチル]−3−アミノプロパンスルホン酸カリウム、N−[2−(3−チエニル)エチル]−3−アミノプロパンスルホン酸アンモニウム、N−[2−(3−チエニル)エチル]−3−アミノプロパンスルホン酸ピリジニウム、N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸、N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸ナトリウム、N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸リチウム、N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸カリウム、N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸アンモニウム、N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸ピリジニウム、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸リチウム、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸カリウム、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸アンモニウム、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸ピリジニウム、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−3−アミノプロパンスルホン酸、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−3−アミノプロパンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−3−アミノプロパンスルホン酸リチウム、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−3−アミノプロパンスルホン酸カリウム、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−3−アミノプロパンスルホン酸アンモニウム、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−3−アミノプロパンスルホン酸ピリジニウム、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸リチウム、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸カリウム、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸アンモニウム、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸ピリジニウム等が例示される。
それらの中でも、例えば、N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸、N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸、N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸、N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸、N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−3−アミノプロパンスルホン酸、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸等の上記式(3)で表される化合物が好ましい。
上記式(2)におけるR、R,l、m、nは、式(1)と同意義を表し、Zはクロライド、ブロマイド、アイオダイド、アセテート、トリフルオロアセテート、トリフルオロメタンスルホナートを表す。
上記式(2)で表される化合物としては、具体的には、N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸の塩酸塩、N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸の塩酸塩、N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸の塩酸塩、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸の塩酸塩、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸の塩酸塩、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸の塩酸塩、N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸の塩酸塩、N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸の塩酸塩、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸の塩酸塩、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−3−アミノプロパンスルホン酸の塩酸塩、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸の塩酸塩、N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸のトリフルオロメタンスルホン酸塩、N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸のトリフルオロメタンスルホン酸塩、N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸のトリフルオロメタンスルホン酸塩、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸のトリフルオロメタンスルホン酸塩、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸のトリフルオロメタンスルホン酸塩、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸のトリフルオロメタンスルホン酸塩、N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸のトリフルオロメタンスルホン酸塩、N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸のトリフルオロメタンスルホン酸塩、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸のトリフルオロメタンスルホン酸塩、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−3−アミノプロパンスルホン酸のトリフルオロメタンスルホン酸塩、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸のトリフルオロメタンスルホン酸塩、N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸のトリフルオロ酢酸塩、N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸のトリフルオロ酢酸塩、N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸トリフルオロ酢酸塩、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸トリフルオロ酢酸塩、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸のトリフルオロ酢酸塩、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸のトリフルオロ酢酸塩、N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸のトリフルオロ酢酸塩、N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸のトリフルオロ酢酸塩、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸のトリフルオロ酢酸塩、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−3−アミノプロパンスルホン酸のトリフルオロ酢酸塩、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸のトリフルオロ酢酸塩等が例示される。
それらの中でも、例えば、N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸の塩酸塩、N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸の塩酸塩、N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸の塩酸塩、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸の塩酸塩、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸の塩酸塩、N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸の塩酸塩、N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸の塩酸塩、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸の塩酸塩、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−3−アミノプロパンスルホン酸の塩酸塩、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸の塩酸塩、N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸のトリフルオロ酢酸塩、N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸のトリフルオロ酢酸塩、N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸トリフルオロ酢酸塩、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−2−アミノエタンスルホン酸トリフルオロ酢酸塩、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−3−アミノプロパンスルホン酸のトリフルオロ酢酸塩、N−メチル−N−[3−チエニルメチル]−4−アミノブタンスルホン酸のトリフルオロ酢酸塩、N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸のトリフルオロ酢酸塩、N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸のトリフルオロ酢酸塩、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−2−アミノエタンスルホン酸のトリフルオロ酢酸塩、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−3−アミノプロパンスルホン酸のトリフルオロ酢酸塩、N−メチル−N−[2−(3−チエニル)エチル]−4−アミノブタンスルホン酸のトリフルオロ酢酸塩等の上記式(4)で表される化合物が好ましい。
これらのうち、水溶性導電性高分子の原料モノマーとしては、上記式(3)又は(4)で表されるチオフェン誘導体が好ましい。
上記式(3)において、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Mは水素原子、Li、Na及びKからなる群より選ばれるアルカリ金属、NH(R又はHNCを表す。Rは各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表す。
また、上記式(4)において、Rは上記式(3)と同意義を示す。Zはクロライド、ブロマイド、アイオダイド、アセテート、トリフルオロアセテート又はトリフルオロメタンスルホナートを表す。
本発明の上記式(1)又は(3)で表されるチオフェン誘導体(ただし、Mが水素原子を表すことはない。)は、上記式(5)で表されるチオフェン誘導体と上記式(6)で表される化合物とを、極性溶媒中、塩基存在下に反応させることにより簡便に得ることができる。
上記式(5)で表される化合物において、Xは、トシレート、メシレート、トリフラート、クロライド、ブロマイド、又はアイオダイドである。nは1〜6の整数を表す。
上記式(5)で表される化合物としては、具体的には、2−(3−チエニル)−エチルクロライド、2−(3−チエニル)−エチルブロマイド、2−(3−チエニル)−エチルアイオダイド、2−(3−チエニル)−エチルメタンスルホネート、2−(3−チエニル)−エチルトシレート、2−(3−チエニル)−エチルトリフラート、3−(3−チエニル)−プロピルクロライド、3−(3−チエニル)−プロピルブロマイド、3−(3−チエニル)−プロピルアイオダイド、3−(3−チエニル)−プロピルメタンスルホネート、3−(3−チエニル)−プロピルトシレート、3−(3−チエニル)−プロピルトリフラート、4−(3−チエニル)−ブチルクロライド、4−(3−チエニル)−ブチルブロマイド、4−(3−チエニル)−ブチルアイオダイド、4−(3−チエニル)−ブチルメタンスルホネート、4−(3−チエニル)−ブチルトシレート、4−(3−チエニル)−ブチルトリフラート等が例示される。
上記式(6)で表される化合物において、Rは上記式(1)と同じものを例示できる。
上記式(6)で表される化合物としては、具体的には、2−アミノエタンスルホン酸、2−アミノエタンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−2−アミノエタンスルホン酸、N−メチル−2−アミノエタンスルホン酸ナトリウム、3−アミノプロパンスルホン酸、3−アミノプロパンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−3−アミノプロパンスルホン酸、N−メチル−3−アミノプロパンスルホン酸ナトリウム、4−アミノブタンスルホン酸、4−アミノブタンスルホン酸ナトリウム、N−メチル−4−アミノブタンスルホン酸、N−メチル−4−アミノブタンスルホン酸ナトリウム等が例示される。
本反応に用いる極性溶媒としては、反応が進行する溶媒であれば特に限定はなく、例えば、N,N−ジメチルアミノホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、メタノール、アセトン、水等が挙げられる。これらのうち、より好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドである。これらは単一で使用しても任意に混合して使用してもよい。
極性溶媒の使用量としては、原料となる上記式(5)及び(6)で表される化合物が溶解する量であれば特に限定はなく、例えば、上記式(5)及び(6)で表される化合物の仕込量の0.1〜200重量倍が好ましく、より好ましくは1〜100重量倍である。
本反応に用いる塩基としては、反応が進行する溶媒であれば特に限定はなく、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化カルシウム、水素化ナトリウム、ピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等が挙げられる。より好ましくは、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムである。
塩基の使用量としては、上記式(5)及びは(6)で表される化合物の総モル数に対して1〜100倍モルが好ましく、より好ましくは1〜10倍モルであり、さらに好ましくは2〜5倍モルである。
本反応の反応温度は、反応が進行する温度であれば特に限定はなく、−20〜200℃が好ましく、より好ましくは0〜100℃であり、さらに好ましくは30〜80℃である。
本反応の反応雰囲気は、大気中、又は窒素若しくはアルゴン中が好ましく、より好ましくは、窒素中である。
本反応の反応圧力は、常圧系であっても加圧系であってもよく、好ましくは常圧系である。
本発明の上記式(1)又は式(3)で表されるチオフェン誘導体(ただし、Mが水素原子を表すことはない。)を上記方法により得た後、過剰量の酸(以下、「HZ」と称する場合がある。)で処理することにより、フリーのスルホン酸とし、同時に分子内の窒素部とそれぞれ対応する上記式(2)又は式(4)で表されるチオフェン誘導体を簡便に得ることができる。
過剰量の酸(HZ)としては、特に限定はなく、例えば、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、ヨウ化水素(HI)、硫酸(HSO)、酢酸(CHCOOH)、トリフルオロ酢酸(CFCOOH)、トリフルオロメタンスルホン酸(CFSOH)等が挙げられ、より好ましくは塩酸である。
酸の量としては、上記式(1)又は(3)中の−SOMと窒素原子のモル数の総和に対して、等倍モル以上が好ましく、さらに好ましくは1〜500倍モル、より好ましくは1〜100倍モルである。
酸と反応させる温度としては、反応が進行すれば特に限定されないが、0〜100℃であり、好ましくは0〜60℃、より好ましくは10〜40℃である。酸と反応させる際の反応系の雰囲気下は、大気中であっても良く、より好ましくは窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気である。酸と反応させる際の反応系の圧力は、常圧であっても加圧系であっても良く、好ましくは常圧系である。
上記式(2)又は式(4)で表される化合物を製造する際には溶媒を使用しても良い。上記式(1)又は(3)で表される化合物が溶解し、使用する酸に対して安定であり、反応が進行する溶媒であれば特に限定するものではないが、例えば、水、アルコール、トルエン、キシレン、アセトン、ジオキサン、テトラヒドロフランな等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、水、アルコール、トルエン、アセトンであり、より好ましくは水である。溶媒の使用量としては、上記式(1)又は(3)で表される化合物が溶解する量であれば特に限定はなく、1〜500重量倍量が好ましく、さらに好ましくは1〜100重量倍量、より好ましくは2.5〜50重量倍量である。
上記式(2)又は式(4)で表される化合物の単離は、例えば、濃縮、洗浄、中和、再結晶等の一般的な後処理操作で得られる。塩酸塩の場合には、反応液を濃縮することで目的物が得られる。
得られた上記式(2)又は式(4)で表されるチオフェン誘導体を、例えば、アンモニア水を用い、強アルカリ性(アンモニウム塩)とすることで、下記式(7)で表される化合物が得られ、さらに、加熱下に減圧乾燥させることで、上記式(1)又は式(3)で表されるチオフェン誘導体(ただし、Mは水素原子を表す。)[下記式(8)で表される化合物]を簡便に得ることができる。
アンモニア水の使用量としては、含まれるアンモニアが上記式(2)又は(4)中のZに対して等モル量以上であれば良く、また、アルカリ性となれば特に限定はなく、好ましくは1〜500倍モル、より好ましくは1〜100倍モルである。
アンモニア水で処理する温度としては、反応が進行すれば特に限定はなく、0〜100℃が好ましく、さらに好ましくは0〜60℃、より好ましくは10〜40℃である。
アンモニア水で処理する際の反応系の雰囲気下は、大気中であっても良く、より好ましくは窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気である。アンモニア水で処理する際の反応系の圧力は、常圧であっても加圧系であっても良く、好ましくは常圧系である。
アンモニア水で処理する際には溶媒を使用しても良い。上記式(2)又は式(4)の化合物が溶解し、使用する酸に対して安定であり、反応が進行する溶媒であれば特に限定するものではなく、例えば、水、アルコール、トルエン、キシレン、アセトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらのうち、好ましくは水、アルコール、トルエン、アセトンであり、より好ましくは水である。
溶媒の使用量としては、上記式(2)又は式(4)で表される化合物が溶解する量であれば特に限定するものではないが、1〜500重量倍量が好ましく、さらに好ましくは1〜100重量倍量、より好ましくは2.5〜50重量倍量である。
本反応における脱アンモニア反応は、加熱した減圧乾燥することにより行われる。減圧条件は、アンモニアを留去できる減圧度であれば特に限定されない。加熱温度は、アンモニアがスルホン酸から脱離する温度であれば特に限定はなく、40〜200℃が好ましく、より好ましくは80〜150℃である。
以上の反応スキームを以下にまとめて示す。
Figure 2014028759
本発明のチオフェン誘導体としては、当該化合物が水に室温下又は加温下に0.5重量%以上溶解する程度の水溶性を示すものがより好ましい。
次に、本発明のポリチオフェン類について説明する。
本発明におけるポリチオフェン類は、上記式(16)で表される構造単位及び上記式(17)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン類である。
上記式(16)において、R、M、n、mは上記式(1)と同意義を示す。
また、上記式(17)中、R、n、mは上記式(16)と同意義を示す。上記式(17)で表される構造単位は、上記式(16)で表される構造単位のドーピング状態を表す。
ドーピングにより絶縁体−金属転移を引き起こすドーパントは、アクセプタとドナーに分けられる。
前者は、ドーピングにより導電性ポリマーの高分子鎖の近くに入り主鎖の共役系からπ電子を奪う。結果として、主鎖上に正電荷(正孔、ホール)が注入されるため、p型ドーパントとも呼ばれる。具体的には、ハロゲン類(Br、I、Cl)、ルイス酸(BF、PF、AsF)、プロトン酸(HSO、HCl、CFSOH)、遷移金属ハライド(FeCl)、有機物質(TCNQ)等が例示される。
また、後者は、逆に主鎖の共役系に電子を与えることになり、この電子が主鎖の共役系を動くことになるため、n型ドーパントとも呼ばれる。具体的には、アルカリ金属(Li、Na、K、Cs)、アルキルアンモニウムイオン等が例示される。
本発明におけるドーパントは、ポリマー分子内に共有結合で結びついたスルホ基又はスルホナート基であり、p型ドーパントである。このように外部からドーパントを添加することなく導電性を発現するポリマーは自己ドープ型ポリマーと呼ばれている。
本発明におけるポリチオフェン類は、具体的には、上記式(18)で表される構造単位、及び上記式(19)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むことが好ましい。
上記式(18)において、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Mは水素原子、Li、Na及びKからなる群より選ばれるアルカリ金属、NH(R又はHNCを表す。Rは各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表す。]
また、上記式(19)において、Rは上記式(18)と同意義を示す。上記式(19)で表される構造単位は、上記式(18)で表される構造単位のドーピング状態を表す。
本発明のポリチオフェン類の重量平均分子量は、特に限定するものではないが、ポリスチレンスルホン酸換算で通常1千〜100万の範囲であり、水溶性導電性ポリマー用途として好ましくは1千〜20万の範囲である。ポリマーから未反応のモノマーや低分子不純物及び無機塩を除去する観点から、より好ましくは3.5千〜10万の範囲である。
本発明のポリチオフェン類を水溶液にすることで、水溶性導電性ポリマー水溶液として、各種用途への成型加工が容易となる。水溶性導電性ポリマー水溶液の調製方法は、特に限定するものではないが、室温や加温下(100℃以下が好ましい)で水と混合溶解させることで達成される。その際、スターラーチップや攪拌羽根による一般的な混合溶解操作を用いることもできるし、その他の方法として、超音波照射、ホモジナイズ処理(例えば、メカニカルホモジナイザー、超音波ホモジナイザ−、高圧ホモジナイザー等の使用)を行ってもよい。ホモジナイズ処理する場合には、ポリマーの熱劣化を防ぐため、冷温しながら行うことが好ましい。
水溶性導電性ポリマー水溶液中のポリチオフェン類の濃度は、特に限定するものではないが、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下、粘性の観点からより好ましくは10重量%以下である。
なお、本発明において、各種用途への成型加工に十分な水溶性とは、室温または加温下で調製した10重量%以下のポリマー水溶液において、粒度分布測定装置で測定した粒子径(D50)が20nm以下であり、且つ0.05μmのフィルターを通液する程度の水溶性をいう。
また、本発明において、良好な導電性とは、フィルム状態での導電率(電気伝導度)が10−1S/cm以上の導電性をいう。
次に、本発明のポリチオフェン類の製造方法について説明する。
本発明のポリチオフェン類の製造方法は、水又はアルコール溶媒中、酸化剤の存在下に、上記した本発明のチオフェン化合物を重合させることをその特徴とする。チオフェン化合物としては、一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
本重合反応に用いる溶媒は、水又はアルコール溶媒である。水としては、純水であればよく、蒸留水、イオン交換水でもよい。アルコール溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類が挙げられる。これらのアルコール溶媒は、単独でも使用しても、水と併用してもよい。本発明において、好ましくは水又はメタノールであり、より好ましくは水である。また、溶媒を脱気や窒素等の不活性ガスで置換していてもよい。
本重合反応に用いる溶媒量は、本発明のチオフェン化合物が溶解する量であれば特に限定されないが、本発明のチオフェン化合物の仕込量に対して0.1〜100重量倍が好ましく、より好ましくは1〜20重量倍である。
本重合反応に用いる酸化剤としては、酸化的脱水素化反応による酸化重合を進行させるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、過硫酸類、鉄塩(III)、過酸化水素、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、硫酸セリウム(IV)、酸素等が挙げられ、単独で又は二種以上を混合して使用しても良い。
ここで、過硫酸類としては、具体的には、過硫酸、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等が例示される。
また、鉄塩(III)としては、具体的には、FeCl、Fe(SO、過塩素酸鉄、パラ−トルエンスルホン酸鉄(III)等が例示される。これらは無水物を使用しても、水和物を使用してもよい。
また、過マンガン酸塩としては、具体的には、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸マグネシウム等が例示される。
また、重クロム酸塩としては、具体的には、重クロム酸アンモニウム、重クロム酸カリウム等が例示される。
これらの酸化剤のうち、好ましくは、FeCl、Fe(SO、又は過硫酸塩と鉄塩(III)の併用系である。
本重合反応に用いる酸化剤の量としては、特に限定するものではないが、本発明のチオフェン化合物の仕込モル数に対して、0.5〜50倍モルである。より好ましくは、1〜20倍モルである。さらに好ましくは、1〜10倍モルである。
本重合反応の圧力は、常圧、減圧、加圧のいずれであってもよい。
本重合反応の反応雰囲気は、大気中であっても、窒素やアルゴン等の不活性ガス中であってもよい。より好ましくは不活性ガス中である。
本重合反応の反応温度は、本発明のチオフェン化合物を酸化重合できる温度であれば特に限定されないが、−10〜150℃が好ましく、さらに好ましくは20〜100℃の範囲である。
本重合反応の反応時間は、本発明のチオフェン化合物を酸化重合が十分進行する時間であれば特に限定されないが、0.5時間〜200時間が好ましく、さらに好ましくは0.5〜80時間である。
本重合反応の反応方法は、特に限定されないが、例えば、本発明のチオフェン化合物を水溶液にして、これに酸化剤を一度に又はゆっくりと滴下してもよく、逆に酸化剤の固体又は水溶液に本発明のチオフェン化合物の水溶液を一度に又はゆっくりと滴下してもよい。
本重合反応で得られた本発明のポリチオフェン類の精製法としては、特に限定するものではないが、例えば、溶媒洗浄、再沈殿、遠心沈降、限外ろ過、透析、イオン交換樹脂処理等が挙げられる。それぞれ単独で行っても又は組み合わせても良い。
例えば、本発明のポリチオフェン類の典型的な単離精製方法は、以下のとおりである。
まず、重合反応後のポリマー水溶液をアセトン等の貧溶媒に添加し、ポリマーを沈殿させた後、減圧ろ過で得たポリマーを当該貧溶媒でろ液が無色透明になるまで洗浄する。このポリマーに、水に不溶なFe塩が含まれている場合、一度水酸化ナトリウム水溶液中に添加し、水に溶解するNa塩型ポリマーに変換することが好ましい。
次に、これをアルコール等の貧溶媒に添加してポリマーを沈殿させるとともに、アルカリ分を除去し、減圧濾過により得た固体をアルコール等の貧溶媒で洗浄する。次いでアセトン等の貧溶媒で洗浄し、Na塩型ポリマーを得る。
得られたNa塩型ポリマーを、引き続き、H型ポリマーに変換する場合には、陽イオン交換樹脂で処理する。処理方法としては、例えば、得られたNa塩型ポリマーの水溶液を陽イオン交換樹脂が充填されたカラムに通液させる方法や、陽イオン交換樹脂を水溶液に添加するボディーフィード法等が挙げられる。この場合、処理後にろ紙で陽イオン交換樹脂を除去することが好ましい。このようにして得られた水溶液を粗濃縮し、アセトン等の貧溶媒に添加して沈殿させ、減圧ろ過して得た固体を当該貧溶媒でよく洗い、減圧乾燥してH型ポリマーが得られる。
さらに、各種アミンとの塩を形成させる場合には、例えば、H塩型ポリマーの水溶液に、各種アミンの原液若しくはその水溶液又はその他適当な溶媒で希釈したものを加えることで容易にアミン塩型ポリマーに変換することができる。例えば、アンモニア水で処理した場合には、反応液を粗濃縮し、その水溶液をアセトン等の貧溶媒に添加してポリマー沈殿させた後、減圧濾過により得た固体を当該貧溶媒で洗浄し、減圧乾燥することでアンモニウム塩型ポリマーが得られる。
重合後処理の各工程では必要に応じて、遠心沈降、ホモジナイズ処理を行ってもよい。これにより、ろ過効率の改善を図ることができる。さらに、重合酸化剤として過硫酸塩を使用した場合には、無機塩の除去として限外ろ過や透析、陽・陰イオン交換樹脂混合処理を行う。
本発明のポリチオフェン類を用いて導電性被膜を製造することができる。例えば、上記した水溶性導電性ポリマー水溶液を、基材に塗布・乾燥することで導電性被膜が簡単に得られる。基材としては、例えば、ガラス、プラスチック、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、レジスト基板等が挙げられる。塗布方法としては、例えば、キャスティング法、ディッピング法、バーコード法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、インクジェット印刷法等が挙げられる。膜厚としては特に限定するものではないが、10−2〜10μmの範囲が好ましい。得られる塗膜の表面抵抗値としては特に限定するものではないが、1〜10Ω/□の範囲のものが好ましい。
以下に本発明のチオフェン誘導体に関する実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定して解釈されるものではない。なお、本実施例で用いた分析機器及び測定方法を以下に列記する。
[GC測定]
装置:Shimadzu製、GC−2014。
[NMR測定]
装置:VARIAN製、Gemini−200。
[赤外分光分析]
装置:パーキンエルマー製、System2000 FT IR,
測定方法:KBr法。
本実施例においては、化合物(9)〜化合物(14)を下記スキームに従って合成した。
Figure 2014028759
なお、化合物(9)から化合物(11)を合成してもよい。その際、化合物(10)から合成するのと同条件で合成できる。
合成例1 化合物(9)の合成.
300mLナス型フラスコに、3−チオフェンエタノール7.05g(55.0mmol)、ピリジン10ml及びジクロロメタン100mlを加えた後、氷浴下、p−トシルクロリド15.75g(82.6mmol)を固体のまま分割添加した。水50mlを加えて反応を終了した後、ジエチルエーテル150mlを加えて抽出した。2N塩酸水溶液50mlで2回、更に5%炭酸水素ナトリウム50mlで2回、有機層を洗浄した。更に飽和食塩水50mlで有機層を洗浄した後、硫酸マグネシウムで有機層を乾燥した。濾過・濃縮の後、得られた濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製することで、12.8gの化合物(9)を得た(白色結晶、収率83%)。
合成例2 化合物(10)[上記式(5)で表される化合物]の合成.
300mLナス型フラスコに、ヨウ化ナトリウム24.2g(161.2mmol)、アセトン100mLを加えた後、合成例1で得た化合物(9)12.8g(45.3mmol)のアセトン20mL溶液を室温下5分で添加した後、同温度で18時間熟成させた。反応後、ろ過して得たろ液を濃縮し、水50mLで洗浄した。次に、酢酸エチル100mLで抽出し、さらに飽和食塩水50mLで洗浄した後、硫酸マグネシウムで有機層を乾燥した。濃縮して得られた粗体をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製することで、8.0gの化合物(10)を得た(淡黄色油状物、収率77%)。
実施例1 化合物(11)[上記式(1)においてMが水素以外の化合物]の合成.
窒素中500mLの四つ口フラスコに、合成例2で得た化合物(10)5.00g(21.0mmol)、2−アミノエタンスルホン酸(式(6)の化合物)2.63g(21.0mmol)、炭酸カリウム(塩基)8.71g(63.0mmol)、N、N−ジメチルホルムアミド(極性溶媒)210mLを仕込み、60℃で24時間反応させた。TLC分析及びGC分析から化合物(10)の消失を確認した。放冷後、析出物をろ過し、酢酸エチルで洗浄した。得られたろ液を粗濃縮し、塩化メチレン/ヘキサン混合溶媒で洗浄し、減圧濾過して目的の化合物(11)を白色固体として5.7g得た。この化合物は水溶性を示した。
H−NMR(200MHz,d−DMSO)δ(ppm)7.43(1H,s)、7.18(1H,s)、7.02(1H,s)、3.10−3.36(2H、m)、2.64−2.89(7H、m)。
13C−NMR(50MHz,d−DMSO)δ(ppm)27.46、48.05、48.87、54.00、120.49、125.16、128.36、140.43
IR(KBr)3441、3092、2936、2850、1656、1462、1191、1050、779、611、537。
実施例2 化合物(14)[上記式(1)においてMが水素の化合物]の合成.
200mLの四つ口フラスコに、実施例1で得た化合物(11)1.00g(3.70mmol)、純水20mLを入れて溶解させた後、濃塩酸を15.6g(153.6mmol)を加えて室温で19時間反応させた。反応後、濃縮して得たオレンジ固体をアセトン200mLで洗浄抽出し、白色沈殿物をろ過により除去した。濃縮後、褐色オイルとして化合物(12)[上記式(2)で表される化合物]が得られた。引き続き、29%アンモニア水29.6g(504.7mmol)を化合物(12)に加えて室温で3時間攪拌すると、反応液は無色透明となり、化合物(13)が生成した。この溶液を減圧下90℃で3時間濃縮乾固して白色固体を690mg得た。この固体をアセトンで洗浄抽出し、不溶分を減圧濾過で除去した後、濃縮して得られた淡黄色固体をエーテル/アセトン混合溶媒で洗浄した。減圧濾過後、乾燥して目的の化合物(14)を淡黄色固体として390mg得た(収率45%)。この化合物は水溶性を示した。NMR及びIR分析からフリーのスルホン酸であった。
H−NMR(200MHz,d−DMSO)δ(ppm)7.54(1H,d,J=4.8Hz)、7.38(1H,s)、7.12(1H,s,J=4.8Hz)、3.49−3.01(9H、m)。
H−NMR(200MHz,d−DMSO,DO)δ(ppm)7.54(1H,d,J=4.8Hz)、7.38(1H,s)、7.12(1H,s,J=4.8Hz)、3.47−3.06(8H、m)。
13C−NMR(50MHz,d−DMSO)24.12、44.61、49.55、52.72、122.23、126.19、128.13、136.42
IR(KBr)3443、2928、2748、1465、1414、1212、1045、785、610、527。
実施例3 化合物(15)[上記式(1)においてMが水素以外の化合物]の合成.
Figure 2014028759
窒素中500mLの四つ口セパラブルフラスコに、合成例2で得た化合物(10)3.16g(12.6mmol、純度95.0%)、N−メチルタウリンスルホン酸ナトリウムの65%水溶液[上記式(6)の化合物]3.13g(12.6mmol)、炭酸カリウム(塩基)5.23g(37.8mmol)、N、N−ジメチルホルムアミド(極性溶媒)130mLを仕込み、70℃で21時間反応させた。TLC分析及びGC分析から化合物(10)の消失を確認した。放冷後、析出物をろ過し、ジメチルホルムアミドで洗浄した。得られたろ液を粗濃縮し、塩化メチレン/ヘキサン混合溶媒で洗浄し、減圧濾過して目的の化合物(15)を淡黄色固体として3.2g得た。この化合物は水溶性を示した。
H−NMR(200MHz,DO,2,2,3,3−d(4)−3−(トリメチルシリル)プロピオン酸ナトリウム)δ(ppm)7.45−7.41(1H,m)、7.19(1H,s)、7.09(1H,d,5.0Hz)、3.15−2.75(8H、m)、2.32(3H、s)。
13C−NMR(50MHz,DO,2,2,3,3−d(4)−3−(トリメチルシリル)プロピオン酸ナトリウム)δ(ppm)29.57、43.51、49.90、53.56、59.26、124.01、128.86、131.06、142.80。
なお、実施例において、「水溶性を示した」とは、当該化合物が水に室温下又は加温下に0.5重量%以上溶解したことをいう。
次に、本発明のポリチオフェン類に関する実施例を以下に示すが、本発明はこれら実施例に限定して解釈されるものではない。なお、本実施例で用いた分析機器及び測定方法を以下に列記する。
[UV−Vis−NIR分析]
装置:SHIMADZU製、UV−3100。
[GPC測定]
装置:東ソー社製,
カラム:α−6000+α−3000,
検出器:UV−8020。
[IR分析]
装置:パーキンエルマー社製、System2000 FT−IR。
[表面抵抗率測定]
装置:三菱化学社製、ロレスタGP MCP−T600。
[膜厚測定]
装置:BRUKER社製,DEKTAK XT。
[粒径測定]
装置:日機装社製,Microtrac Nanotrac UPA−UT151。
[フィルター通液試験]
フィルター:日本インテグリス社製、オプチマイザー V−47 ディスポーザブルフィルター(新水性)、除粒子径0.05μm
実施例4 ポリマー(26)の合成[下記式(24)又は下記式(25)で表される構造単位を含む重合体].
攪拌羽根、冷却管、温度計挿入管を備えた500mLのセパラブルフラスコに、実施例1で得られた上記式(11)で表される化合物を10.0g(36.6mmol)入れ、293gの水に溶解させた後、FeClを1.19g(7.3mmol)、Naを34.8g(146.3mmol)を加えた後、70℃で21時間重合させた。放冷後、アセトンに注ぎ入れ、沈殿物を減圧濾過で回収した。得られたNa塩型ポリマーを純水に再溶解し、限外ろ過(分画分子量1万)で洗浄した。その後、陽イオン交換樹脂(LewatitS100、H型)を加えて室温で4時間処理した後、減圧濾過で樹脂を除去して得られたろ液を濃縮し、アセトンで洗浄した。減圧乾燥後、2.3gの水溶性ポリマーを得た[Mw/Mn=12731/10002(ポリスチレンスルホン酸基準)]。尚、本ポリマーのIR分析チャートを図1に示した。さらにこのポリマーの1%水溶液を調製し、ガラス上にキャストして得た膜の導電率は2.0S/cmだった。0.5重量%水溶液におけるポリマーの粒径(D50)は検出限界(0.8nm)以下であり、また0.05μmフィルターを通液した。
Figure 2014028759
Figure 2014028759
実施例5 ポリマー(29)の合成[下記式(27)又は下記式(28)で表される構造単位を含む重合体].
攪拌羽根、冷却管、温度計挿入管を備えた500mLのセパラブルフラスコに、実施例3で得られた上記式(15)で表される化合物を1.00g(3.69mmol)入れ、30gの水に溶解させた後、FeClを60mg(0.37mmol)、Naを3.51g(14.7mmol)を加えた後、70℃で17時間重合させた。放冷後、アセトンに注ぎ入れ、沈殿物を減圧濾過で回収した。得られたNa塩型ポリマーを純水に再溶解し、限外ろ過(分画分子量1万)で洗浄した。その後、陽イオン交換樹脂(LewatitS100、H型)を加えて室温で4時間処理した後、減圧濾過で樹脂を除去して得られたろ液を濃縮し、アセトンで洗浄した。減圧乾燥後、1.5gの水溶性ポリマーを得た引き続き、純水に再溶解させて得た3%ポリマー水溶液を透析膜(Spectra/Por MWCO=0.1−0.5K)で無機塩の除去を行い、精製した水溶液を濃縮した。アセトンで洗浄した後、減圧乾燥して目的の酸型ポリマーを80mg得た[Mw/Mn=6095/5319(ポリスチレンスルホン酸基準)]。尚、本ポリマーのIR分析チャートを図2に示した。さらに、得られた酸型ポリマーの1%水溶液を調製し、ガラス上にキャストして得た膜の導電率は1.3S/cmだった。0.5重量%水溶液におけるポリマーの粒径(D50)は検出限界(0.8nm)以下であり、また0.05μmフィルターを通液した。
Figure 2014028759
Figure 2014028759
比較例1 ポリマー(36)の合成[下記式(34)又は下記式(35)で表される構造単位を含む重合体].
マクロモレキュールズ、1995年、975〜984頁を参考に、下記スキームに従って合成した。
Figure 2014028759
(1A)3−アリルチオフェン(31)の合成.
300mLの4つ口フラスコに、3−ブロモチオフェン(30)20.1g(123.4mmol)、ジエチルエーテル(脱水)80mLを仕込み、−78℃に冷却した。その後、1.6Mのノルマル−ブチルリチウム92mL(147.2mmol)を滴下ロートで1時間かけてゆっくりと滴下した。同温度で2時間熟成させた後、アリルブロミド15.0g(123.6mmol)をシリンジでゆっくり添加し、同温度で5時間熟成させた。0℃まで昇温した後、飽和塩化アンモウム水溶液100mLでクエンチして、有機層を抽出した。さらに、水と飽和食塩水で洗浄し、分液して得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過して得た有機層を50℃、<20Torrで濃縮すると、褐色油状物が3.2g得られた。これをKugelrohr蒸留(70−125℃、25Torr)で精製し、無色透明油状物として目的の化合物(31)を2.5g得た(収率16%)。
(1B)3−(3−チエニル)プロパン−1−スルホン酸ナトリウム(32)の合成.
100mLのナスフラスコに、上記(1A)で合成した3−アリルチオフェン(31)3g(24.2mmol)をメタノール37mLに溶解させた後、アゾビスイソブチロニトリル0.05g(0.30mmol)を添加した。さらに、NaHSO 2.9g(27.9mmol)とNa 0.59g(4.60mmol)を水24mLに溶かした液を室温下で加えた後、80℃で一晩攪拌した。その間に反応液は懸濁液から均一溶液に変化した。冷却後、濃縮すると白色固体が7.30g得られた。引き続き、ジエチルエーテル35mLで洗浄し、ろ過して得られた白色固体を乾燥して5.14gの粗体を得た。さらに、エタノール100mLでその固体を抽出洗浄し、減圧ろ過で得たろ液を濃縮乾燥すると、目的の化合物(32)が2.21gの白色結晶として得られた(収率52%)。
(1C)ポリマー(33)の合成.
上記(1B)で得られた化合物(32)を0.85g(3.72mmol)、水7.6からなるモノマーの水溶液を、予め30mLの反応管に仕込んでおいたFeCl 2.40g(14.8mmol)にゆっくり添加した。その後、室温で22時間重合させた。その間に反応液は緑色を帯びた黒色溶液となった。重合後、アセトン150mLにゆっくり攪拌下に注ぎ、ポリマーを沈殿させた。アセトンでよく洗浄した後、黒色ポリマーを0.17g得た。このポリマーを水2gに懸濁させて激しく攪拌しながら、1NのNaOH水溶液1.5mLを添加した。NaOH水溶液を加えることで懸濁液から赤褐色均一溶液に変化した。続いて、メタノール20mLに注ぎ、ポリマーを析出させた。ろ過、乾燥後、目的のNa塩型ポリマー(33)を黒色固体として0.12g得た(収率14%)。
(1D)ポリマー(36)の合成.
30mLの反応管に、上記(1C)で得られたポリマー(33)122mgを15mLの水に懸濁させて2時間攪拌した。その後、減圧ろ過すると濃赤色溶液が得られた。陽イオン交換樹脂(Lewatit S100 H型)2gをその溶液に添加して一晩攪拌した。ろ過により得たろ液を濃縮乾燥して目的の酸型ポリマー(36)を黒色固体として76mg(収率63%)で得た。本ポリマーの0.5重量%水溶液を調製し、無アルカリガラス板にキャストして得た膜の導電率は0.06S/cmだった。0.5重量%水溶液におけるポリマーの粒径(D50)は10nmだった。
比較例2 ポリマー(42)の合成[下記式(40)又は下記式(41)で表される構造単位を含む重合体].
特許第3182239号公報を参考に、下記スキームに従って合成した。
Figure 2014028759
(2A)1、3−ジヒドロイソチアナフテン(38)の合成.
2Lのセパラブルフラスコに、化合物(37)を10.0g(38.0mmol)、テトラ−ノルマル−ブチルアンモニウム硫化水素を25.7g(75.8mmol)、クロロホルム950mLを仕込んだ。窒素バブリング後、別途調製した硫化ナトリウム9水和物13.9g(57.8mmol)、炭酸水素ナトリウム6.4g(75.6mmol)を水700mLに溶解した水溶液を室温で1.5時間かけて滴下し、さらに1時間熟成させた。反応後、有機層を分液し、さらに水250mLで2回洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した有機層を濃縮すると白色固体と油状物の混合物が得られた。引き続き、シリカゲルカラムクロマトグラフィ精製(溶離液:ヘキサン/クロロホルム=4/1)により、目的の化合物(38)を2.8gの無色透明油状物として得た(収率55%)。
(2B)ポリマー(39)の合成.
30mLの反応管に、30%発煙硫酸3.0gを仕込み、氷浴中で冷却した。さらに窒素気流下に、上記(2A)で得た化合物(38)をシリンジで発煙硫酸中へ滴下した。室温で1時間攪拌した後、70℃で1時間反応させた。反応液は滴下直後に褐色から濃群青色に変化した。反応後、0.1N NaOH−メタノール溶液200mLに滴下し、ポリマーを析出沈殿させた。遠心分離(3000rpm)でポリマーを沈降させて、乾燥後1.4gの黒色粉末を得た。引き続き、水100gに溶解させ、透析(透析膜:Spectra/Por MWCO=0.1−0.5K)により無機塩を除去した。精製した水溶液を濃縮乾燥して目的のNa塩型ポリマー(39)を黒色固体として1.1g得た(収率64%)。
(2C)ポリマー(42)の合成.
30mLの反応管に、上記(2B)で得られたNa塩型ポリマー(39)を160mg、水を23g仕込み、水溶液を調製した。そこへ予め酸型化した陽イオン交換樹脂(Lewatit S100)2.5gを添加して一晩攪拌した。ろ過でイオン交換樹脂を除き、得られたろ液を濃縮乾燥して目的の酸型ポリマー(42)を黒色固体として140mg得た(収率89%)。本ポリマーの0.5重量%水溶液を調製し、無アルカリガラス板にキャストして得た膜の導電率は0.1S/cmだった。0.5重量%水溶液におけるポリマーの粒径(D50)は6nmだった。
比較例3 ポリマー(47)の合成[下記式(45)又は下記式(46)で表される構造を含む重合体].
ジャーナル・オブ・エレクトロアナリティカル・ケミストリー、1998年、217〜226頁と、ケミストリー・オブ・マテリアルズ、2009年、1815〜1821頁を参考に、下記スキームに従って合成した。
Figure 2014028759
(3A)化合物(44)の合成.
100mLナスフラスコに、市販の化合物(43)1.83g、トルエン45mL、60%NaHを0.32g(13.2mmol)を仕込み、還流条件下で1時間反応させた。トルエン12mLに溶解した1,4−ブタンスルトン1.46g(10.7mmol)を還流下に滴下した。さらに2時間熟成させた後、室温まで冷却し、アセトン200mLに添加して、ゼリー状固体を沈殿させた。ろ紙でろ過後、減圧乾燥して目的の化合物(53)を淡褐色固体として2.0g得た(収率56%)。
(3B)ポリマー(47)の合成.
50mLシュレンク管に、上記(3A)で得た化合物(44)を0.81g(2.44mmol)、水12mLを仕込んでモノマーの水溶液を得た。そこへ別途調製したNa 1.16g(4.86mmol)とFeCl 0.02g(0.10mmol)を水12mLに溶かして調製した酸化剤水溶液をモノマー水溶液にゆっくり添加した。室温で16時間重合させた後、アセトン160mLに重合液を注ぎ、ポリマーを析出させた。得られたスラリーを遠心沈降(3000rpm)で完全に沈殿させ、1.4gの黒色固体が得られた。引き続き、水で全量80gの水溶液を調製し、透析(透析膜:Spectra/Por MWCO=0.1−0.5K)により無機塩を除去した。精製した水溶液を濃縮乾燥して目的のNa塩型ポリマー(47)を黒色固体として553mg得た(収率69%)。本ポリマーの0.5重量%水溶液を調製し、無アルカリガラス板にキャストして得た膜の導電率は0.3S/cmだった。0.5重量%水溶液におけるポリマーの粒径(D50)は検出限界(0.8nm)以下だった。
本発明のチオフェン誘導体の製造方法によれば、本発明の新規なチオフェン誘導体を簡便に提供することができる。
本発明のチオフェン誘導体は、帯電防止剤、固体電解コンデンサの固体電解質、太陽電池、有機EL、キャパシタ、センサ用途に用いられる導電性高分子ポリチオフェン類のモノマーとして利用できる。また、本発明のチオフェン誘導体は、スルホン酸基を有することから水溶性を示し、さらには分子内にドーパントなるスルホン酸基が存在するため、得られるポリマーは水溶性の自己ドープ可能な導電性高分子となることが期待される。
また、本発明によれば、良好な導電性と成型加工に十分な水溶性を兼ね備えた新規なポリチオフェン類が提供される。この新規なポリチオフェン類は、帯電防止剤、コンデンサの固体電解質、導電性塗料、エレクトロクロミック素子、透明電極、透明導電膜、化学センサ、アクチュエータ等への応用が可能である。特に、水溶性であることから、脂溶性レジストに与えるダメージが小さく、剥離洗浄も容易なため、電子線リソグラフィー時に、レジストの帯電を抑制するための帯電防止膜形成材料としての使用が期待される。また、水溶液とした場合にポリマー粒子径が非常に小さいことから、例えば、アルミ固体電解コンデンサの化成処理されたエッチドアルミ箔への浸透性が良くなり、導電性ポリマーによる被覆面積が向上して、静電容量のアップと低ESR化等コンデンサの性能改善が期待される。

Claims (12)

  1. 下記式(1)又は(2)で表されるチオフェン誘導体。
    Figure 2014028759
    [上記式(1)中、Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHSOMを表す。Mは水素原子、Li、Na及びKからなる群より選ばれるアルカリ金属、NH(R又はHNCを表す。Rは各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表す。l、n、mは各々独立して1〜6の整数を表す。]
    Figure 2014028759
    [上記式(2)中、R、n、mは上記式(1)と同意義を示す。Zはクロライド、ブロマイド、アイオダイド、アセテート、トリフルオロアセテート又はトリフルオロメタンスルホナートを表す。]
  2. 下記式(3)又は(4)で表されることを特徴とする請求項1に記載のチオフェン誘導体。
    Figure 2014028759
    [上記式(3)中、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Mは水素原子、Li、Na及びKからなる群より選ばれるアルカリ金属、NH(R又はHNCを表す。Rは各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表す。]
    Figure 2014028759
    [上記式(4)中、Rは上記式(3)と同意義を示す。Zはクロライド、ブロマイド、アイオダイド、アセテート、トリフルオロアセテート又はトリフルオロメタンスルホナートを表す。]
  3. 下記式(5)で表されるチオフェン誘導体と下記式(6)で表される化合物とを、極性溶媒中、塩基存在下に反応させ、上記式(1)又は式(3)で表されるチオフェン化合物(ただし、Mが水素原子を表すことはない。)を得ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のチオフェン誘導体の製造方法。
    Figure 2014028759
    [上記式(5)中、Xはトシレート、メシレート、トリフラート、クロライド、ブロマイド、又はアイオダイドである。nは1〜6の整数を表す。]
    Figure 2014028759
    [上記式(6)中、Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHSOMを表す。Mは水素原子、Li、Na及びKからなる群より選ばれるアルカリ金属、NH(R又はHNCを表す。Rは各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表す。l、mは各々独立して1〜6の整数を表す。]
  4. 式(1)又は式(3)で表されるチオフェン誘導体(ただし、Mが水素原子を表すことはない。)に過剰量の酸を反応させ、式(2)又は式(4)で表されるチオフェン誘導体を得ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のチオフェン誘導体の製造方法。
  5. 式(2)又は式(4)で表されるチオフェン誘導体をアンモニウム塩にした後、加熱下に減圧乾燥し、上記式(1)又は式(3)で表されるチオフェン誘導体(ただし、Mは水素原子を表す。)を得ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のチオフェン誘導体の製造方法。
  6. 下記式(16)で表される構造単位及び下記式(17)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン類。
    Figure 2014028759
    [上記式(16)中、Rは水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は−(CHSOMを表す。Mは水素原子、Li、Na及びKからなる群より選ばれるアルカリ金属、NH(R又はHNCを表す。Zはクロライド、ブロマイド、アイオダイド、アセテート、トリフルオロアセテート又はトリフルオロメタンスルホナートを表す。Rは各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表す。l、n、mは各々独立して1〜6の整数を表す。]
    Figure 2014028759
    [上記式(17)中、R、n、mは上記式(16)と同意義を示す。]
  7. 下記式(18)で表される構造単位及び下記式(19)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を含むポリチオフェン類。
    Figure 2014028759
    [上記式(18)中、Rは水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。Mは水素原子、Li、Na及びKからなる群より選ばれるアルカリ金属、NH(R又はHNCを表す。Rは各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を表す。]
    Figure 2014028759
    [上記式(19)中、Rは上記式(18)と同意義を示す。Zはクロライド、ブロマイド、アイオダイド、アセテート、トリフルオロアセテート又はトリフルオロメタンスルホナートを表す。]
  8. ポリチオフェン類の重量平均分子量が、ポリスチレンスルホン酸換算で1千〜100万の範囲であることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のポリチオフェン類。
  9. 請求項6乃至請求項8のいずれかに記載のポリチオフェン類の水溶液からなる水溶性導電性ポリマー水溶液。
  10. 水又はアルコール溶媒中、酸化剤の存在下に請求項1又は請求項2に記載のチオフェン誘導体を重合させることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれかに記載のポリチオフェン類の製造方法。
  11. 請求項9に記載の水溶性導電性ポリマー水溶液を基材に塗布し乾燥することを特徴とする導電性被膜の製造方法。
  12. 請求項9に記載の水溶性導電性ポリマー水溶液の導電性被膜への使用。
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