JP6753092B2 - 水溶性導電性共重合体、その製造方法、及びその水溶液 - Google Patents

水溶性導電性共重合体、その製造方法、及びその水溶液 Download PDF

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Description

本発明は、新規なポリチオフェン構造を有する水溶性導電性共重合体、その製造方法、及びその水溶液に関する。
水溶性導電性高分子は、電子線リソグラフィーによる半導体の回路パターン形成時に使用されるレジストの帯電防止膜形成材料及びコンデンサの固体電解質等への応用が検討されている。
これまでに水溶性導電性高分子として、ポリチオフェンアルカンスルホン酸(例えば、特許文献1)、ポリイソチアナフテンスルホン酸(例えば、特許文献2)、直鎖のアルキレンスルホン酸基が置換したポリ(4−(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イルメトキシ)−1−ブタンスルホン酸)(PEDT−S)、分岐のアルキレンスルホン酸が置換したポリチオフェン等が報告されている(例えば、特許文献3及び4、非特許文献1及び2参照)。
特公平8−13873号公報 特許第3182239号明細書 特許第4974095号明細書 国際公開第2014/007299号明細書
Chemisty Materials,21,1815−1821(2009) Advanced Materials,23(38),4403−4408(2011)
背景技術に記載した固体電解コンデンサの用途においては、ポリスチレンスルホン酸(=PSS)等の水溶性高分子ドーパントの存在下に、3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を重合させた導電性ポリチオフェンでPEDOT:PSSの適用が検討されている。しかし、当該PEDOT:PSSは、高導電性を示すものの、粒子径が数十nm〜数百nmの分散溶液であるため、誘電体である酸化アルミナ及び酸化タンタル等が有する当該粒子径より小さい細孔に十分浸透することができず、その結果、静電容量、等価直列抵抗等の点で十分な性能が発揮されないという課題があった。
一方、上述の外部ドープ型であるPEDOT:PSSとは異なる自己ドープ型のポリチオフェンであるPEDT−S、分岐のアルキレンスルホン酸が置換したポリチオフェンは、高導電性でありながら粒子径が0.8nm以下と細孔への浸透性に優れるものの、例えば、高分子基材に塗布した場合、ポリチオフェンが均一に塗布できないという課題があった。
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い導電性を示しながら塗布性に優れた新規なチオフェン共重合体及びその水溶液を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の分岐構造のアルキレンスペーサーを有する水溶性のチオフェン化合物から誘導される繰り返し単位と特定のコモノマーから誘導される繰り返し単位を含む共重合体が導電性と塗布性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に示すとおりチオフェン化合物から誘導される繰り返し単位とコモノマーから誘導される繰り返し単位を含む共重合体、その製造方法、及びその水溶液に関するものである。
より詳細には、本願発明は、下記式(M1)で表される繰り返し単位(以下、「チオフェンモノマー単位」という)、及び下記式(M2)で表される繰り返し単位(以下、「コモノマー単位」という)を含んでなり、チオフェンモノマー単位及びコモノマー単位は自己ドープされていてもよく、且つチオフェンモノマー単位/コモノマー単位(モル/モル)の比が1〜9999であることを特徴とする共重合体、その製造方法、及びその水溶液を提供することを目的とする。
(式中、Rは、繰返し単位ごとに同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜6の鎖状、分岐状、若しくは環状アルキル基、又はフッ素原子を表す。Mは、繰返し単位ごとに異なっていてもよく、水素イオン、アルカリ金属イオン、又はアミン化合物の共役酸を表す。qは、1から4の整数を表す。)
本発明によるポリチオフェン構造を有する共重合体は、従来の水溶性導電性高分子と比較して、より高い導電性と優れた塗布性を有する。このため、電子線リソグラフィーによる半導体の回路パターン形成時に使用されるレジストの帯電防止膜形成材料及びコンデンサの固体電解質としての使用が可能であり、産業上極めて有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本願の共重合体は、下記一般式(M1)でチオフェンモノマー単位、及び下記一般式(M2)で表されるコモノマー単位を含んでなり、チオフェンモノマー単位及びコモノマー単位は、繰り返し単位毎に自己ドープされていてもよく、且つチオフェンモノマー単位/コモノマー単位(モル/モル)の比が1〜9999であるものである。
(式中、Rは、繰返し単位ごとに同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜6の鎖状、分岐状、若しくは環状アルキル基、又はフッ素原子を表す。Mは、繰返し単位ごとに異なっていてもよく、水素イオン、アルカリ金属イオン、又はアミン化合物の共役酸を表す。qは、1から4の整数を表す。)
上記式(M1)中、Rは、炭素数1〜6の鎖状、分岐状、若しくは環状アルキル基、又はフッ素原子を表す。炭素数1〜6の鎖状、分岐状、若しくは環状アルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基、又はn−オクチル基等が挙げられる。
上記式(M1)中、Mは水素イオン、又はアミン化合物の共役酸を表す。
前記アルカリ金属イオンとしては、特に限定するものではないが、例えば、Liイオン、Naイオン、及びKイオンからなる群より選ばれるアルカリ金属イオンが挙げられる。
前記アミン化合物の共役酸は、アミン化合物にプロトンが付加したカチオン化合物を表す。当該アミン化合物としては、特に限定するものではないが、例えば、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等(以上、一般式N(R)(R)(R)で表されるアミン化合物)のsp混成軌道を有するアミン化合物、ピリジン、2−メチルピリジン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジンピリジン(以上、ピリジン類)、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール(以上、イミダゾール類)等のsp混成軌道を有するアミン化合物等が挙げられる。
なお、当該R〜Rは、各々独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい総炭素数1〜40のアルキル基を表わす。このうち、R〜Rは、各々独立して、水素原子、又は置換基を有していてもよい総炭素数1〜20のアルキル基であることがより好ましく、置換基を有していてもよい総炭素数1〜6のアルキル基であることがより好ましく、各々独立して、水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状、分岐状、若しくは環状アルキル基であることがさらに好ましい。
ここで、置換基を有していてもよい総炭素数1〜40のアルキル基、置換基を有していてもよい総炭素数1〜20のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、ヒドロキシエトキシエチル基、ヒドロキシエトキシエトキシエチル基、ベンジル基、フェネチル基、又はアミノエチル基等が挙げられる。
前記炭素数1〜6の直鎖状、分岐状、若しくは環状アルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、又はシクロヘキシル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよい総炭素数1〜6のアルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基メトキシメチル基、エトキシメチル基、ヒドロキシエトキシエチル基、ヒドロキシエトキシエトキシエチル基、アミノエチル基等が挙げられる。
このうち、置換基R〜Rとしては、より好ましくは水素原子、又はメチル基が挙げられる。また、R〜Rが置換基を有するアルキル基である場合の当該置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜20のアリール基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルエーテル基、アリールエーテル基、チオール基、アルキルスルフィド基、又はカルボキシル基等が挙げることができ、より好ましくは、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基等のヒドロキシ基を有するアルキル基が挙げられる。
又、前記のイミダゾール類としては、総炭素数3〜20のイミダゾール化合物が好ましく、特に限定するものではないが、例えば、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール等が挙げられる。
前記のピリジン類としては、総炭素数3〜20のピリジン化合物が好ましく、特に限定するものではないが、例えば、ピリジン、ピコリン、ルチジン等を挙げることができる。これらのうち、より好ましくは、イミダゾールである。
すなわち、Mは、共重合体の水溶性と塗布性の観点から、水素イオン、アルカリ金属イオン、又はアンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、3−アミノ−1,2−プロパンジオール,N−メチル−3−アミノ−1,2−プロパンジオール,ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、メチルピリジン、イミダゾール、及びメチルイミダゾールからなる群から選ばれるアミンの共役酸であることが好ましく、水素イオン、Liイオン、Naイオン、Kイオン、又は、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ピリジン、及びイミダゾールからなる群から選ばれるアミンの共役酸であることがより好ましい。
本願の共重合体は、チオフェンモノマー単位/コモノマー単位(モル/モル)の比が1〜9999である。チオフェンモノマー単位/コモノマー単位(モル/モル)の比が1より小さい場合は、共重合体は水溶性が低下する傾向があり、本願特有の発明の効果を十分に発揮できない為、避けるべきである。また、チオフェンモノマー単位/コモノマー単位(モル/モル)の比が9999より大きい場合は、塗布性が劣る傾向があり本願特有の発明の効果を十分に発揮できない為、避けるべきである。
なお、共重合体の水溶性と塗布性の観点から、チオフェンモノマー単位/コモノマー単位(モル/モル)の比は1〜999であることがより好ましく、2〜99であることがより好ましい。
本願の共重合体において、qは、1から4の整数を表す。なお、共重合体の水溶性と塗布性の観点から、qは2から4であることが好ましく、3であることがより好ましい。
本願の共重合体は、下記式(1)で表されるチオフェン化合物と下記式(2)で表されるチオフェン化合物との共重合体である。本願の共重合体は、更に具体的には、上記式(1)で表されるチオフェン化合物の側鎖のスルホ基又はスルホナート基がp型ドーパントとして作用した自己ドープ型の導電性コポリマーであり、例えば、下記一般式(3)のように表すことができる。
(式中、R、M及びqは上記式(M1)及び(M2)と同義を示す。m、nは繰り返し単位の存在比率を表し、3≦m/n≦9999を満たす実数である。)
上記式(3)において、上記式(C)は、下記式(2)で表されるチオフェン化合物に由来するものであり、上記式(D)は、側鎖のスルホ基又はスルホナート基により上記式(C)が酸化された状態を表す。また、上記式(A)は、下記式(1)で表されるチオフェン化合物に由来するものであり、上記式(B)は上記式(A)の酸化状態を表す。
すなわち、上記式(3)において、上記(A)又は(B)で表される繰り返し単位(所謂、チオフェンモノマー単位)と、(C)又は(D)で表される繰り返し単位(所謂、コモノマー単位)とを含む共重合体を表し、必ずしもその単位を連続して含む共重合体に限定されず、所望の導電性を有する限りにおいては、ランダム共重合体のようにπ共役系主鎖に不連続に繰り返し単位を含む共重合体であってもよい。
本願の共重合体は、下記一般式(1)で表されるチオフェン化合物と上記式(2)で表されるチオフェン化合物を、水又はアルコール溶媒中、酸化剤の存在下に重合させることによって製造することができる。
[上記式(1)中、R、qは一般式(M1)及び(M2)のR、qと同義。]
また、本発明の共重合体において、上記式(1)、(2)で表されるチオフェン化合物の比率は特に限定されないが、前記チオフェンモノマー単位/前記コモノマー単位(モル/モル)の比が1〜9999となるものであり、基本的には、式(1)で表されるチオフェン化合物/式(2)で表されるチオフェン化合物(モル/モル)の比が1〜9999であることが好ましい。なお、共重合体の水溶性と塗布性の観点から、上記式(2)で表されるチオフェン化合物の量が、上記式(1)及び(2)で表されるチオフェン化合物の総和量に対して、0.01mol%以上50mol%以下であることがより好ましい。
本発明の共重合体の重量平均分子量は、特に限定するものではないが、ポリスチレンスルホン酸換算で通常1千〜100万の範囲であることが好ましく、水溶性導電性ポリマー用途として好ましくは1千〜20万の範囲である。ポリマーから未反応のモノマーや低分子不純物及び無機塩を除去する観点から、より好ましくは1.5千〜10万の範囲である。
本発明の共重合体は、上記式(1)で表されるチオフェン化合物と、上記式(2)で表されるチオフェン化合物とを、水又はアルコール溶媒中、酸化剤の存在下に重合させることにより製造できる。
なお、上記式(1)で表されるチオフェン化合物と上記式(2)で表されるチオフェン化合物は、特に限定されないが、[上記式(1)で表されるチオフェン化合物の量/上記式(2)で表されるチオフェン化合物の総量]=1〜9999(モル比)の割合で重合させることが、共重合体の塗布性及び水溶性の観点から好ましい。
上記式(1)で表されるチオフェン化合物としては、具体的に、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−エチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−プロピル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ブチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ペンチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−ヘキシル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソプロピル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソブチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−イソペンチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−フルオロ−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸カリウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸アンモニウム、3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸トリエチルアンモニウム等が挙げられる。
なお、上記式(1)に例示したチオフェン化合物は、公知の方法(例えば、引用文献4)に従い、チエノ[3,4−b]−1,4−ジオキシン−2−メタノールと分岐したスルトン化合物から容易に合成できる。
本重合反応に用いる溶媒は、水又はアルコール溶媒である。水としては、例えば、純水が挙げられ、蒸留水、イオン交換水でもよい。アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類が挙げられる。これらのアルコール溶媒は、単独でも使用しても、水と併用してもよい。これらの溶媒のうち、好ましくは水又はメタノールであり、より好ましくは水である。また、溶媒を脱気や窒素等の不活性ガスで置換していてもよい。
本重合反応に用いる溶媒量は、例えば、上記式(1)で表されるチオフェン化合物と、上記式(2)で表されるチオフェン化合物とが溶解する量であり、特に限定するものではないが、上記式(1)で表されるチオフェン化合物と上記式(2)で表されるチオフェン化合物の総仕込量に対して0.1〜100重量倍の範囲が好ましく、1〜20重量倍の範囲がより好ましい。
本重合反応に用いる酸化剤は、酸化的脱水素化反応による酸化重合を進行させるものであり、特に限定するものではないが、例えば、過硫酸類、鉄塩(III)、過酸化水素、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、硫酸セリウム(IV)、酸素等が挙げられ、これらを単独で又は二種以上を混合して使用しても良い。
ここで、過硫酸類としては、具体的には、過硫酸、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等が例示される。
また、鉄塩(III)としては、具体的には、FeCl、Fe(SO、過塩素酸鉄、パラ−トルエンスルホン酸鉄(III)等が例示される。これらは無水物を使用しても、水和物を使用してもよい。
また、過マンガン酸塩としては、具体的には、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸マグネシウム等が例示される。
また、重クロム酸塩としては、具体的には、重クロム酸アンモニウム、重クロム酸カリウム等が例示される。
これらの酸化剤のうち、FeCl、Fe(SO、又は過硫酸塩と鉄塩(III)との併用系が特に好ましい。
本重合反応に用いる酸化剤の量としては、特に限定するものではないが、上記チオフェン化合物と上記コモノマーの仕込総モル数に対して、0.5〜50倍モルが好ましい。より好ましくは、1〜20倍モルである。更に好ましくは、1〜10倍モルである。
本重合反応の圧力は、常圧、減圧、加圧のいずれであってもよい。
本重合反応の反応雰囲気は、大気中であっても、窒素やアルゴン等の不活性ガス中であってもよい。より好ましくは不活性ガス中である。
本重合反応の反応温度は、例えば、上記式(1)及び(2)で表されるチオフェン化合物を酸化重合できる温度であり、特に限定するものではないが、−10〜150℃の範囲が好ましく、5〜100℃の範囲が更に好ましい。
本重合反応の反応時間は、例えば、上記式(1)で表されるチオフェン化合物と、上記式(2)で表されるチオフェン化合物との酸化重合が十分進行する時間であり、特に限定するものではないが、0.5〜200時間の範囲が好ましく、0.5〜80時間の範囲が更に好ましい。
本重合反応の反応方法は、特に限定するものではないが、例えば、上記式(1)で表されるチオフェン化合物と、上記式(2)で表されるチオフェン化合物をあらかじめ水に溶解させ、これに酸化剤を一度に又はゆっくりと滴下してもよく、逆に酸化剤の固体又は水溶液に上記式(1)で表されるチオフェン化合物と、上記式(2)で表されるチオフェン化合物の水溶液を一度に又はゆっくりと滴下してもよい。また、2種以上の酸化剤を用いる場合には、各酸化剤を順次添加してもよい。
本重合反応で得られた本発明の共重合体の精製法としては、特に限定するものではないが、例えば、溶媒洗浄、再沈殿、遠心沈降、限外ろ過、透析、イオン交換樹脂処理等が挙げられる。それぞれ単独で行っても又は組み合わせても良い。
本発明の共重合体の典型的な単離精製方法は、例えば、以下のとおりである。
まず、重合反応後の水溶液をアセトン等の貧溶媒に添加し、共重合体を沈殿させた後、減圧ろ過で得た共重合体を当該貧溶媒でろ液が無色透明になるまで洗浄する。この共重合体に、水に不溶なFe塩が含まれている場合、一度水酸化ナトリウム水溶液中に添加し、水に溶解し、MがNaイオンであるNa塩型共重合体に変換することが好ましい。
次に、これをアルコール等の貧溶媒に添加して共重合体を沈殿させるとともに、アルカリ分を除去し、減圧濾過により得た固体をアルコール等の貧溶媒で洗浄する。次いでアセトン等の貧溶媒で洗浄し、Na塩型共重合体を得る。
得られたNa塩型共重合体を、引き続き、Mが水素イオンであるH型共重合体に変換する場合には、陽イオン交換樹脂で処理する。処理方法としては、例えば、得られたNa塩型共重合体の水溶液を陽イオン交換樹脂が充填されたカラムに通液させる方法や、陽イオン交換樹脂を水溶液に添加するボディーフィード法等が挙げられる。
又、別の方法として、重合後の水溶液を、限外ろ過により過剰の無機塩、未反応のモノマーを除去したのち、得られたNa型ポリマーを陽イオン交換処理することでもH型共重合体を得ることができる。更に、微量の陰イオンの除去を目的に陰イオン交換処理してもよい。
このようにして得られた水溶液を粗濃縮し、アセトン等の貧溶媒に添加して沈殿させ、減圧ろ過して得た固体を当該貧溶媒でよく洗い、減圧乾燥してH型共重合体が得られる。
更に、各種アンモニウム塩との塩を形成させる場合には、例えば、H塩型共重合体の水溶液に、各種アミン化合物又はアンモニウム塩の原液若しくはその水溶液又はその他適当な溶媒で希釈したものを加えることで容易にMがNH であるアンモニウム塩型共重合体に変換することができる。例えば、アンモニア水で処理した場合には、反応液を粗濃縮し、その水溶液をアセトン等の貧溶媒に添加して共重合体を沈殿させた後、減圧濾過により得た固体を当該貧溶媒で洗浄し、減圧乾燥することでアンモニウム塩型共重合体が得られる。
重合後処理の各工程では必要に応じて、遠心沈降、ホモジナイズ処理を行ってもよい。これにより、ろ過効率の改善を図ることができる。更に、重合酸化剤として過硫酸塩を使用した場合には、無機塩の除去として限外ろ過や透析、陽・陰イオン交換樹脂混合処理を行う。
本発明の共重合体を含む水溶性導電性ポリマー水溶液にすることで、各種用途への成型加工が可能となる。
水溶性導電性ポリマー水溶液の調製方法は、特に限定するものではないが、室温や加温下(100℃以下が好ましい)で水と混合溶解させることで達成される。その際、スターラーチップや攪拌羽根による一般的な混合溶解操作を用いることもできるし、その他の方法として、超音波照射、ホモジナイズ処理(例えば、メカニカルホモジナイザー、超音波ホモジナイザ−、高圧ホモジナイザー等の使用)を行ってもよい。ホモジナイズ処理する場合には、ポリマーの熱劣化を防ぐため、冷温しながら行うことが好ましい。
水溶性導電性ポリマー水溶液中の、本発明の共重合体の濃度は、特に限定するものではないが、通常50重量%以下、好ましくは20重量%以下、粘性の観点からより好ましくは10重量%以下である。
本発明の共重合体を用いて導電性被膜を製造することができる。例えば、上記した水溶性導電性ポリマー水溶液を、基材に塗布・乾燥することで導電性被膜が簡単に得られる。基材としては、例えば、ガラス、プラスチック、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、レジスト基板等が挙げられる。塗布方法としては、例えば、キャスティング法、ディッピング法、バーコード法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スプレーコート法、インクジェット印刷法等が挙げられる。膜厚としては特に限定するものではないが、10−2〜10μmの範囲が好ましい。得られる塗膜の表面抵抗値としては特に限定するものではないが、1〜10Ω/□の範囲のものが好ましい。
なお、本発明において、各種用途への成型加工に十分な水溶性とは、室温又は加温下で調製した10重量%以下のポリマー水溶液において、粒度分布測定装置で測定した粒子径(D50)が5nm以下であり、且つ0.02μmのフィルターを通液する程度の水溶性をいう。
また、本発明において、良好な導電性とは、フィルム状態での導電率(電気伝導度)が50S/cm以上の導電性をいう。
以下に本発明のポリチオフェン及びチオフェンモノマーに関する実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定して解釈されるものではない。なお、本実施例で用いた分析機器及び測定方法を以下に列記する。
[GPC測定]
装置:東ソー社製GPC8020
カラム:TSKGel SuperAW5000+SuperAW3000+SuperAW2500+ガードカラムSuperAW−H
検出器:UV−8020
溶離液:0.2M燐酸緩衝液(pH=7)/CHCN=9/1
流 速:0.5mL/min
検出器:UV(220nm)
注入量:100μL(約500ppm)
温 度:40℃
[HPLC測定]
カラム:TSK−GEL ODS−120T(250mm×4.6mmID)
溶離液:50mMリン酸緩衝液(pH=2.8)/ CH3CN=1/11
流 速:1.0mL/min
検出器:UV(257nm)
温 度:40℃
[表面抵抗率測定]
装置:三菱化学社製ロレスタGP MCP−T600
[膜厚測定]
装置:BRUKER社製 DEKTAK XT
[粒子径測定]
装置:日機装社製 Microtrac Nanotrac UPA−UT151
[NMR測定]
装置:VARIAN製VXR−300S
[粘度測定]
コンプリート型粘度計/BROOKFIELD VISCOMETER DV−1 P
rime
[導電率測定]
自己ドープ型導電性ポリマーを含む水溶液0.5mLを30mm角の無アルカリガラス板に塗布し、室温で一晩乾燥した後、ホットプレート上で150℃にて30分加熱して導電性高分子膜を得た。膜厚及び表面抵抗値から、以下の式に基づき算出した。
導電率[S/cm]=10/(表面抵抗率[Ω/□]×膜厚[μm])
[塗布性&帯電防止評価]
本発明の導電性高分子水溶液をPETフィルム(東レ社製ルミラーT60)にバーコーター(オーエスジーシステムプロダクト社製セレクトローラーOSP−22)を用いて一定速度で塗布した後、乾燥器で90℃、3分乾燥して積層フィルムを得たのち、表面抵抗値を測定した。表面抵抗値が安定していれば塗布性良好とした。
合成例1 (2−(2−(2−((2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール(以下、TEG3OHと略す)の合成[下記(4)式参照])
1Lセパラブルフラスコに、(クロロエトキシ)エトキシエタノール 25.0g(148mmol)、3,4−ジヒドロピラン 24.9g(296mmol)、アンバーライト IR120B(酸型)60g、及びクロロホルム 593mLを加えたのち、窒素気流下、一晩反応液を還流した。アンバーライト IR120B(酸型)は、事前に、対応するNa型を7%塩酸水溶液で酸型に変換後、アセトン及びクロロホルムで洗浄したものを使用した。冷却後、反応液を濾過・濃縮することにより、57.6gの淡黄色油成物(以下、「化合物A」という)を合成した。尚、該化合物Aは精製せずに、そのまま次の反応に用いた。
次に、1Lセパラブルフラスコに、アセトン 445mLとヨウ化ナトリウム 55.5g(370mmol)の混合溶液と上記化合物Aの全量を加え、還流下、一晩加熱攪拌した。室温まで冷却後、反応液を濃縮し、ジクロロメタン 500mL及び水 300mLを加え抽出した。水層は、再度ジクロロメタン 100mLで抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムによる乾燥後、濃縮することにより黄色油状物を得た。更に、シリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン/トルエン=10/1〜5/1)を用いて精製し、29.6gの淡褐色油状物を単離した(収率=58mol%)。13C−NMRにより中間体Aであることを確認した。
13C−NMR(CDCl):δ(ppm) 98.86,71.97、70.60、70.25,66.62、62.14,30.55,25.41,19.45,2.96
次に、窒素雰囲気下、300mLナス型フラスコに60%水素化ナトリウム 5.13g(128mmol)、及びジメチルホルムアミド 150mLを仕込んだ後、室温下、14.75gの(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノール[HMEDOTと略す]を撹拌しながら添加した。その後、同温度で15分保持したのち、反応液を60℃まで昇温させ、引き続き、同温度で1時間攪拌した。室温まで冷却後、上記中間体A 29.3gを反応温度が35℃を超えないように滴下した。次いで、一晩、反応液を熟成したのち、酢酸エチル 400mL及び飽和食塩水 500mLで抽出した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン/トルエン=5/1〜1/1)を用いて精製することにより7.5gの淡褐色油状物を単離した(収率=23%)。13C−NMRにより中間体Bであることを確認した。
13C−NMR(CDCl):δ(ppm) 141.61,141.52、99.66,99.57,98.98,72.65,71.26,70.72,70.64,70.59,69.67,66.67,66.16,62.25,30.59,24.45,19.51
次に、200mLナス型フラスコに上記中間体B 7.5g(19.3mmol)、アンバーライト IR120B(酸型)16g、及びメタノール 70mLを加えたのち、窒素気流下、室温で一晩反応液を撹拌した。アンバーライト IR120B(酸型)は、事前に、対応するNa型を7%塩酸水溶液で酸型に変換後、アセトン及びクロロホルムで洗浄したものを使用した。反応液を濾過・濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン/トルエン=4/6〜0/10)を用いて精製することにより4.5gの粘調な淡黄色油状物を単離した(収率=76mol%,HPLC純度=99.5%)。H−NMR、及び13C−NMRによりTEG3OHであることを確認した。
TEG3OHは、30℃以下において、水100重量部に対して10重量部以上、溶解することがわかった。
13C−NMR(CDCl):δ(ppm) 141.57,141.46、99.70,99.62,72.62,72.54,71.18,70.70,70.52,70.36,69.66,66.12,61.77
H−NMR(CDCl): δ(ppm) 6.33(m,2H),4.24〜4.36(m,2H),4.07(dd,1H),3.60〜3.80(m,14H),2.57(br s,1H)
実施例1 下式(5)で表される共重合体(H型ポリマーA)の合成
国際公開第2014/007299号明細書記載の方法により合成した3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4,−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 6.02g(18.2mmol)、上記記載のTEG3OH 0.57g(1.9mmol)、及び水 50gを、メカニカルスターラーを装着した100mL丸底フラスコに加えたのち、窒素雰囲気下、撹拌しながら無水塩化鉄(III) 1.77g(10.9mmol)を加えた。室温下、20分攪拌したのち、過硫酸ナトリウム 8.64g(36.3mmol)と25gの水からなる混合溶液を反応液温度が30℃以下を保持するように滴下した。滴下終了後3時間攪拌したのち、蒸留水 510gを加えて、濃度約1重量%のポリマー水溶液を調製した。
次に、前記ポリマー水溶液を中空糸膜(スペクトラム製、分画分子量=10,000,膜面積=0.079m)を用いて限外ろ過を行ったのち、更に、得られた水溶液を事前に希塩酸にて酸型に変換済みのアンバーライト 120B 250mL(オルガノ製)を用いて空間速度=1hr−1の条件下、通液し、H型ポリマー水溶液を得た。
更に、前記H型ポリマー水溶液を前記と同じ中空糸膜を用いて限外ろ過することによって濃縮し、濃度0.9重量%の共重合体(H型ポリマーA)水溶液を得た。
前記H型ポリマーAの水溶液(濃度0.9重量%)を無アルカリガラス板(30mm×30mm)にキャスト後、150℃、30分アニール処理して膜を作製した。得られた膜の表面抵抗、膜厚及び導電率は、夫々10.9Ω/□、4.3μm、213S/cmであった。又、H型ポリマーAの粒子径D50は、検出限外の0.8nmを示し、濃度0.9重量%水溶液の粘度は42mPa・s(20℃)であった。
実施例2 下式(6)で表される共重合体(H型ポリマーB)の合成
TEG3OHを0.16g(0.5mmol)使用した以外は、実施例1に準じて濃度0.9重量%の共重合体(H型ポリマーB)水溶液を得た。さらに、実施例1と同様にH型ポリマーBの膜を作成し、得られた膜の表面抵抗、膜厚及び導電率を測定した結果、夫々11.0Ω/□、3.9μm、233S/cmであった。又、H型ポリマーBの粒子径D50は、検出限外の0.8nmを示し、濃度0.9重量%水溶液の粘度は23mPa・s(20℃)であった。
実施例3 下式(7)で表される共重合体(H型ポリマーC)の合成
TEG3OHを1.38g(4.54mmol)使用した以外は、実施例1に準じて濃度0.9重量%の共重合体(H型ポリマーC)水溶液を得た。さらに、実施例1と同様にH型ポリマーCの膜を作成し、得られた膜の表面抵抗、膜厚及び導電率を測定した結果、夫々12.0Ω/□、4.0μm、208S/cmであった。又、H型ポリマーCの粒子径D50は、検出限外の0.8nmを示し、濃度0.9重量%水溶液の粘度は55mPa・s(20℃)であった。
比較例
TEG3OHを6.0g(19.7mmol)使用した以外は、実施例1に準じて共重合体水溶液の合成を試みた。しかし、凝集性が高いため、イオン交換時に閉塞してしまった。そのため、目的とする水溶液を得ることはできなかった。
実施例4
上記実施例1から3で得られた水溶液について、それぞれバーコーターを用いてPET基材に塗布した。乾燥後に得られた積層膜の表面抵抗値を測定した結果、いずれの塗膜についても、測定箇所によらず安定的に10Ω/□レベルを示し、塗布性良好であった。

Claims (5)

  1. 下記式(M1)で表される繰り返し単位(以下、「チオフェンモノマー単位」という)、及び下記式(M2)で表される繰り返し単位(以下、「コモノマー単位」という)を含んでなり、チオフェンモノマー単位及びコモノマー単位は自己ドープされていてもよく、且つチオフェンモノマー単位/コモノマー単位(モル/モル)の比が2〜99であることを特徴とする共重合体。
    [式中、Rは、繰返し単位ごとに同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜6の鎖状、分岐状、若しくは環状アルキル基、又はフッ素原子を表す。Mは、繰返し単位ごとに異なっていてもよく、水素イオン、アルカリ金属イオン、又はアミン化合物の共役酸を表す。qは、1から4の整数を表す。]
  2. アミン化合物が、N(R)(R)(R)で表される化合物(当該R〜Rは各々
    独立して水素原子、又は置換基を有していてもよい総炭素数1〜6のアルキル基を表す)、ピリジン、又は炭素数1〜6の鎖状、分岐状、若しくは環状アルキル基を有していてもよいイミダゾール化合物であることを特徴とする、請求項1記載の共重合体。
  3. チオフェンモノマー単位/コモノマー単位(モル/モル)の比が4.0136.4であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の共重合体。
  4. 下記式(1)で表されるチオフェン化合物と下記式(2)で表されるチオフェン化合物を、水又はアルコール溶媒中、酸化剤の存在下に重合させることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の共重合体の製造方法。
    [式中、Rは炭素数1〜6の鎖状、分岐状、若しくは環状アルキル基、又はフッ素原子を表す。Mは水素イオン、アルカリ金属イオン、又はアミン化合物の共役酸を表す。qは、1から4の整数である。]
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の共重合体を含む水溶液。
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