JP6753092B2 - 水溶性導電性共重合体、その製造方法、及びその水溶液 - Google Patents
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Description
上記式(M1)中、Rは、炭素数1〜6の鎖状、分岐状、若しくは環状アルキル基、又はフッ素原子を表す。炭素数1〜6の鎖状、分岐状、若しくは環状アルキル基としては、特に限定するものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−へキシル基、2−エチルブチル基、シクロヘキシル基、又はn−オクチル基等が挙げられる。
上記式(3)において、上記式(C)は、下記式(2)で表されるチオフェン化合物に由来するものであり、上記式(D)は、側鎖のスルホ基又はスルホナート基により上記式(C)が酸化された状態を表す。また、上記式(A)は、下記式(1)で表されるチオフェン化合物に由来するものであり、上記式(B)は上記式(A)の酸化状態を表す。
また、本発明の共重合体において、上記式(1)、(2)で表されるチオフェン化合物の比率は特に限定されないが、前記チオフェンモノマー単位/前記コモノマー単位(モル/モル)の比が1〜9999となるものであり、基本的には、式(1)で表されるチオフェン化合物/式(2)で表されるチオフェン化合物(モル/モル)の比が1〜9999であることが好ましい。なお、共重合体の水溶性と塗布性の観点から、上記式(2)で表されるチオフェン化合物の量が、上記式(1)及び(2)で表されるチオフェン化合物の総和量に対して、0.01mol%以上50mol%以下であることがより好ましい。
このようにして得られた水溶液を粗濃縮し、アセトン等の貧溶媒に添加して沈殿させ、減圧ろ過して得た固体を当該貧溶媒でよく洗い、減圧乾燥してH型共重合体が得られる。
[GPC測定]
装置:東ソー社製GPC8020
カラム:TSKGel SuperAW5000+SuperAW3000+SuperAW2500+ガードカラムSuperAW−H
検出器:UV−8020
溶離液:0.2M燐酸緩衝液(pH=7)/CH3CN=9/1
流 速:0.5mL/min
検出器:UV(220nm)
注入量:100μL(約500ppm)
温 度:40℃
[HPLC測定]
カラム:TSK−GEL ODS−120T(250mm×4.6mmID)
溶離液:50mMリン酸緩衝液(pH=2.8)/ CH3CN=1/11
流 速:1.0mL/min
検出器:UV(257nm)
温 度:40℃
[表面抵抗率測定]
装置:三菱化学社製ロレスタGP MCP−T600
[膜厚測定]
装置:BRUKER社製 DEKTAK XT
[粒子径測定]
装置:日機装社製 Microtrac Nanotrac UPA−UT151
[NMR測定]
装置:VARIAN製VXR−300S
[粘度測定]
コンプリート型粘度計/BROOKFIELD VISCOMETER DV−1 P
rime
[導電率測定]
自己ドープ型導電性ポリマーを含む水溶液0.5mLを30mm角の無アルカリガラス板に塗布し、室温で一晩乾燥した後、ホットプレート上で150℃にて30分加熱して導電性高分子膜を得た。膜厚及び表面抵抗値から、以下の式に基づき算出した。
[塗布性&帯電防止評価]
本発明の導電性高分子水溶液をPETフィルム(東レ社製ルミラーT60)にバーコーター(オーエスジーシステムプロダクト社製セレクトローラーOSP−22)を用いて一定速度で塗布した後、乾燥器で90℃、3分乾燥して積層フィルムを得たのち、表面抵抗値を測定した。表面抵抗値が安定していれば塗布性良好とした。
合成例1 (2−(2−(2−((2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ)エトキシ)エトキシ)エタノール(以下、TEG3OHと略す)の合成[下記(4)式参照])
1Lセパラブルフラスコに、(クロロエトキシ)エトキシエタノール 25.0g(148mmol)、3,4−ジヒドロピラン 24.9g(296mmol)、アンバーライト IR120B(酸型)60g、及びクロロホルム 593mLを加えたのち、窒素気流下、一晩反応液を還流した。アンバーライト IR120B(酸型)は、事前に、対応するNa型を7%塩酸水溶液で酸型に変換後、アセトン及びクロロホルムで洗浄したものを使用した。冷却後、反応液を濾過・濃縮することにより、57.6gの淡黄色油成物(以下、「化合物A」という)を合成した。尚、該化合物Aは精製せずに、そのまま次の反応に用いた。
13C−NMR(CDCl3):δ(ppm) 98.86,71.97、70.60、70.25,66.62、62.14,30.55,25.41,19.45,2.96
次に、窒素雰囲気下、300mLナス型フラスコに60%水素化ナトリウム 5.13g(128mmol)、及びジメチルホルムアミド 150mLを仕込んだ後、室温下、14.75gの(2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−2−イル)メタノール[HMEDOTと略す]を撹拌しながら添加した。その後、同温度で15分保持したのち、反応液を60℃まで昇温させ、引き続き、同温度で1時間攪拌した。室温まで冷却後、上記中間体A 29.3gを反応温度が35℃を超えないように滴下した。次いで、一晩、反応液を熟成したのち、酢酸エチル 400mL及び飽和食塩水 500mLで抽出した。得られた有機層を濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン/トルエン=5/1〜1/1)を用いて精製することにより7.5gの淡褐色油状物を単離した(収率=23%)。13C−NMRにより中間体Bであることを確認した。
次に、200mLナス型フラスコに上記中間体B 7.5g(19.3mmol)、アンバーライト IR120B(酸型)16g、及びメタノール 70mLを加えたのち、窒素気流下、室温で一晩反応液を撹拌した。アンバーライト IR120B(酸型)は、事前に、対応するNa型を7%塩酸水溶液で酸型に変換後、アセトン及びクロロホルムで洗浄したものを使用した。反応液を濾過・濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:ヘキサン/トルエン=4/6〜0/10)を用いて精製することにより4.5gの粘調な淡黄色油状物を単離した(収率=76mol%,HPLC純度=99.5%)。1H−NMR、及び13C−NMRによりTEG3OHであることを確認した。
1H−NMR(CDCl3): δ(ppm) 6.33(m,2H),4.24〜4.36(m,2H),4.07(dd,1H),3.60〜3.80(m,14H),2.57(br s,1H)
国際公開第2014/007299号明細書記載の方法により合成した3−[(2,3−ジヒドロチエノ[3,4,−b]−[1,4]ジオキシン−2−イル)メトキシ]−1−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム 6.02g(18.2mmol)、上記記載のTEG3OH 0.57g(1.9mmol)、及び水 50gを、メカニカルスターラーを装着した100mL丸底フラスコに加えたのち、窒素雰囲気下、撹拌しながら無水塩化鉄(III) 1.77g(10.9mmol)を加えた。室温下、20分攪拌したのち、過硫酸ナトリウム 8.64g(36.3mmol)と25gの水からなる混合溶液を反応液温度が30℃以下を保持するように滴下した。滴下終了後3時間攪拌したのち、蒸留水 510gを加えて、濃度約1重量%のポリマー水溶液を調製した。
TEG3OHを0.16g(0.5mmol)使用した以外は、実施例1に準じて濃度0.9重量%の共重合体(H型ポリマーB)水溶液を得た。さらに、実施例1と同様にH型ポリマーBの膜を作成し、得られた膜の表面抵抗、膜厚及び導電率を測定した結果、夫々11.0Ω/□、3.9μm、233S/cmであった。又、H型ポリマーBの粒子径D50は、検出限外の0.8nmを示し、濃度0.9重量%水溶液の粘度は23mPa・s(20℃)であった。
TEG3OHを1.38g(4.54mmol)使用した以外は、実施例1に準じて濃度0.9重量%の共重合体(H型ポリマーC)水溶液を得た。さらに、実施例1と同様にH型ポリマーCの膜を作成し、得られた膜の表面抵抗、膜厚及び導電率を測定した結果、夫々12.0Ω/□、4.0μm、208S/cmであった。又、H型ポリマーCの粒子径D50は、検出限外の0.8nmを示し、濃度0.9重量%水溶液の粘度は55mPa・s(20℃)であった。
TEG3OHを6.0g(19.7mmol)使用した以外は、実施例1に準じて共重合体水溶液の合成を試みた。しかし、凝集性が高いため、イオン交換時に閉塞してしまった。そのため、目的とする水溶液を得ることはできなかった。
上記実施例1から3で得られた水溶液について、それぞれバーコーターを用いてPET基材に塗布した。乾燥後に得られた積層膜の表面抵抗値を測定した結果、いずれの塗膜についても、測定箇所によらず安定的に102Ω/□レベルを示し、塗布性良好であった。
Claims (5)
- 下記式(M1)で表される繰り返し単位(以下、「チオフェンモノマー単位」という)、及び下記式(M2)で表される繰り返し単位(以下、「コモノマー単位」という)を含んでなり、チオフェンモノマー単位及びコモノマー単位は自己ドープされていてもよく、且つチオフェンモノマー単位/コモノマー単位(モル/モル)の比が2〜99であることを特徴とする共重合体。
- アミン化合物が、N(R1)(R2)(R3)で表される化合物(当該R1〜R3は各々
独立して水素原子、又は置換基を有していてもよい総炭素数1〜6のアルキル基を表す)、ピリジン、又は炭素数1〜6の鎖状、分岐状、若しくは環状アルキル基を有していてもよいイミダゾール化合物であることを特徴とする、請求項1記載の共重合体。 - チオフェンモノマー単位/コモノマー単位(モル/モル)の比が4.01〜36.4であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の共重合体。
- 下記式(1)で表されるチオフェン化合物と下記式(2)で表されるチオフェン化合物を、水又はアルコール溶媒中、酸化剤の存在下に重合させることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の共重合体の製造方法。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の共重合体を含む水溶液。
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