JP2016079725A - 建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】吹抜け部を有する建物において、コミュニケーションを容易に図る。【解決手段】建物Xは、1階に設けられたダイニングキッチン12と、2階に設けられた2階居間20と、ダイニングキッチン12及び2階居間20に連通する第一の吹抜け部R1とを有している。第一の吹抜け部R1の床R1fは、ダイニングキッチン12側(南側)よりもダイニングキッチン12側とは反対側(北側)が高い雛壇状に形成されている。これにより、第一の吹抜け部R1の床R1fに座る人又は雛壇の段部に腰掛けている人など第一の吹抜け部R1にいる人と、2階居間20にいる人との高さ方向の距離が近くなる。【選択図】図6

Description

本発明の一側面は、吹抜け部を有する建物に関する。
建物において、1階と2階との間のコミュニケーションの促進を目的として、1階と2階とをつなぐ吹抜け部を設けることがある。このような吹抜け部を有する建物が、例えば特許文献1に記載されている。
特開平11−141148号公報
吹抜け部によって1階と2階とをつないだ場合、1階と2階との間で声を掛け合ったり、気配を感じ取ったりすることが容易となる。しかしながら、1階にいる人と2階にいる人とが互いに顔を合わせるためには、2階にいる人が吹抜け部近傍まで近寄って1階を見下ろす必要がある。或いは、1階にいる人が後方(2階のにいる人から離れる方向)に下がって、2階を見上げる必要がある。このように、吹抜け部を有する建物においても、下階と上階との間のコミュニケーションをより一層図ることが可能な構成が望まれている。
そこで、本発明の一側面は、吹抜け部を有する建物において、コミュニケーションを図ることを目的とする。
本発明の一側面は、第一階層部と、第一階層部の上方に位置する第二階層部と、第一階層部及び第二階層部に隣接するとともに第一階層部及び第二階層部に連通する第一の吹抜け部と、を有する建物であって、第一階層部の床と第一の吹抜け部の床とは連続しており、第二階層部の天井と第一の吹抜け部の天井とは連続しており、第一の吹抜け部の床は、第一階層部側よりも第一階層部側とは反対側が高い雛壇状に形成されている。
この建物において、第一の吹抜け部の床は、第一階層部側よりも第一階層部側とは反対側が高い雛壇状に形成されている。これにより、第一の吹抜け部の床面に座る人又は雛壇の段部に腰掛けている人など第一の吹抜け部にいる人と、第二階層部にいる人との高さ方向の距離が近くなる。従って、第一の吹抜け部にいる人と第二階層部にいる人とが自然に対面しやすくなり、両者が顔を合わせながらコミュニケーションを容易に図ることができる。
第二階層部の床は、第一の吹抜け部側が第一の吹抜け部側とは反対側よりも低い雛壇状に形成されていてもよい。この場合、第一の吹抜け部にいる人と、第二階層部にいる人との高さ方向の距離がより一層近くなる。従って、第一の吹抜け部にいる人と第二階層部にいる人とがより一層自然に対面しやすくなる。
雛壇状に形成された第二階層部の最も床高さが低い部分を最低床部とし、最低床部の直下に位置する第一階層部の天井の高さは、最低床部以外の直下に位置する第一階層部の天井の高さよりも低く、第一階層部における最低床部の直下には、第一の着座装置が設けられていてもよい。第一の着座装置が設けられていることにより、第一階層部における最低床部の直下に位置する空間は、着座を前提とした空間となる。ここで、着座を前提とした空間とは、天井高さを高く確保する必要性が低い。このように、第二階層部の床を雛壇状に形成してコミュニケーションの促進を図りつつ、第一階層部において天井高さが低くなる空間を有効利用できる。
第一の着座装置は、テーブルであるとともに、第一の吹抜け部の雛壇状の床に近接する位置に配置されていてもよい。この場合、雛壇状に形成された第一の吹抜け部の床の段差部分に腰掛けて、テーブルを利用することができる。このように、第一の吹抜け部の床の段差部分を有効利用できる。
第二階層部の床の第一の吹抜け部に面する端縁には、透視性を有する手摺りが設けられていてもよい。この場合、第二階層部の人が第一の吹抜け部近傍まで移動しなくとも、第一の吹抜け部にいる人と第二階層部にいる人との間での視認性を確保できる。
第一の吹抜け部の床の最上段部には、第二の着座装置が設けられていてもよい。第二の着座装置が設けられる位置は、第一の吹抜け部において第二階層部にいる人を最も視認しやすい位置である。従って、第二の着座装置に座ることにより、第一の吹抜け部にいる人と第二階層部にいる人とのコミュニケーションをより一層容易に図ることができる。
建物は、第一階層部と第二階層部との間を昇降するための主昇降手段と、第一の吹抜け部の床の最上段部と第二階層部との間を昇降するための補助昇降手段と、を更に備えていてもよい。これにより、主昇降手段及び補助昇降手段を用いて、第二階層部と第一階層部とを容易に往来できる。また、補助昇降手段が第一の吹抜け部の最上段部に設けられているので、補助昇降手段を用いて昇降する距離が短くなる。
建物は、第一階層部及び第二階層部に隣接するとともに第一階層部及び第二階層部に連通する第二の吹抜け部を更に備え、第二の吹抜け部は、第二階層部の床における第一の吹抜け部に面する端縁に対して直交する端縁に沿って設けられていてもよい。これにより、第一の吹抜け部にいる人と第二階層部の奥まった位置(第一の吹抜け部から離れた位置)にいる人とが、互いに第二の吹抜け部を介して容易に視認することができる。
建物は、第二階層部の上方に位置する第三階層部と、第二階層部と第三階層部との間を昇降するための直階段と、を更に備え、第二の吹抜け部は、第一階層部、第二階層部及び第三階層部に隣接するとともに第一階層部、第二階層部及び第三階層部に連通し、直階段は、第二の吹抜け部に設けられ、直階段の上り方向は、平面視において、第一の吹抜け部に向かう方向であってもよい。この場合、第一の吹抜け部にいる人と第二階層部にいる人とが第二の吹抜け部を介して互いに視認する際の視認性を、直階段が阻害することを抑制できる。また、第二の吹抜け部の上方の空間を階段スペースとして有効利用できる。
第一の吹抜け部の床には、床下収納が設けられていてもよい。この場合、雛壇状に形成することによってできる床下空間を有効利用することができる。
第一の吹抜け部の天井は、第二階層部側よりも第二階層部側とは反対側が低くてもよい。この場合、第二階層部にいる人の視線方向が自然と下方向を向く。これにより、第二階層部にいる人が第一の吹抜け部にいる人と自然に対面しやすくなる。
本発明の一側面によれば、吹抜け部を有する建物において、コミュニケーションを図ることが可能となる。
実施形態に係る建物の1階の間取りを示す平面図である。 実施形態に係る建物の2階の間取りを示す平面図である。 実施形態に係る建物の3階の間取りを示す平面図である。 図1におけるIV−IV線に沿った断面図である。 図1におけるV−V線に沿った断面図である。 図1におけるVI−VI線に沿った断面図である。 採光窓から至光部に光が導かれる様子を模式的に示す断面図である。 変形例に係る建物を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1〜図6に示すように、建物Xは、平面視で略矩形状に形成された外周壁Wによって囲まれた3階建ての住宅用建物である。本実施形態では、部屋等の配置説明を容易にするため、図1〜図3の方位記号が示す通り、上方向を北側として説明する。
建物Xの1階について説明する。図1及び図4〜図6に示すように、建物Xの1階には、玄関土間10、1階居間11、及びダイニングキッチン(第一階層部)12が設けられている。玄関土間10は、1階の南東の角部に設けられている。玄関土間10の南側には、玄関ドア10aが設けられている。1階居間11は、玄関土間10の北側に隣接し、且つ外周壁Wの東側外周壁W1及び北側外周壁W2に沿って設けられている。1階居間11と玄関土間10との間には、開閉可能な建具10bが設けられている。ダイニングキッチン12は、1階の南西の角部に設けられている。すなわち、ダイニングキッチン12の東側及び北側は、平面視でL字状に設けられた1階居間11によって囲まれている。
図2及び図4〜図6に示すように、建物Xの2階には、2階居間(第二階層部)20、及び寝室21が設けられている。2階居間20は、2階の南側の位置に設けられている。2階居間20の床20fにおける北西の角部と、外周壁Wの西側外周壁W3とは離間している。すなわち、2階居間20の北西の角部と西側外周壁W3との間に第二の吹抜け部R2が設けられている。第二の吹抜け部R2は、1階のダイニングキッチン12の床から3階の天井に亘って設けられている。第二の吹抜け部R2は、ダイニングキッチン12、2階居間20及び後述する3階居室30に隣接するとともに、ダイニングキッチン12、2階居間20及び3階居室30に連通している。第二の吹抜け部R2は、平面視において、南北方向に延びている。
2階居間20の床20fには、開口部20cが設けられている。開口部20cは、南北方向に延びている。開口部20cは、東側外周壁W1と所定距離離間している。開口部20cの端縁と、1階居間11の床とは、第一の直階段(主昇降手段)S1によって接続されている。第一の直階段S1は、開口部20cを介して1階と2階との間を昇降するための階段である。第一の直階段S1の昇降方向は、南北方向に延びている。第一の直階段S1は、南側から北側に向かって下る向きに設けられている。平面視において、第二の吹抜け部R2と開口部20cとは、南北方向の位置がほぼ同じとなっている。
寝室21は、2階の北東の角部に設けられている。寝室21と西側外周壁W3とは離間している。2階居間20の北西の角部と北側外周壁W2とは離間している。すなわち、寝室21の西側に第一の吹抜け部R1が形成されている。第一の吹抜け部R1は、1階居間11の床から2階の天井に亘って設けられている。すなわち、1階居間11の北西の角部は、第一の吹抜け部R1となっている。
第一の吹抜け部R1と第二の吹抜け部R2とは、西側外周壁W3に沿って、南北方向において互いに連通している。2階居間20の床20fにおける第一の吹抜け部R1に面する端縁を端縁20faとする。第二の吹抜け部R2は、床20fの端縁20faに対して直交する端縁20fbに沿って設けられている。
2階居間20は、基準床部20a、及び低床部(最低床部)20bを有している。低床部20bは、第二の吹抜け部R2と開口部20cとの間に設けられている。基準床部20aは、低床部20bの南側、及び開口部20cの東側に広がっている。低床部20bは、基準床部20aよりも床レベルが低い。
低床部20bにおける開口部20c側(東側)の端縁には、南北方向に延びる手摺り22aが設けられている。手摺り22aは、透光性を有する。低床部20bにおける第一の吹抜け部R1に面する側(北側)の端縁20faには、東西方向に延びる手摺り22bが設けられている。手摺り22bは、透視性を有する。低床部20bにおける第二の吹抜け部R2に面する側(西側)の端縁20fbには、南北方向に延びる手摺り22cが設けられている。手摺り22cは透視性を有する。手摺り22a〜22cとして、例えば、線材を格子状に配置して形成された手摺り、或いは、透明な板材等で形成された腰壁状の手摺り等を用いることができる。
図3及び図4〜図6に示すように、建物Xの3階には、3階居室(第三階層部)30、洗面・浴室31、及びベランダ32が設けられている。3階居室30は、3階の南側の位置に設けられている。3階居室30は、基準床部30a、及び低床部30bを有している。低床部30bは、3階居室30の北東の角部に設けられている。低床部30bは、基準床部30aよりも床レベルが低い。3階居室30の床30fには、開口部30cが設けられている。開口部30cは、西側外周壁W3に隣接し、南北方向に延びている。
建物Xの3階において第二の吹抜け部R2には、第二の直階段(直階段)S2が設けられている。第二の直階段S2は、開口部30cの端縁と、2階居間20の床20fとを接続している。第二の直階段S2は、開口部30cを介して2階と3階との間を昇降するための階段である。第二の直階段S2の昇降方向は、南北方向に延びている。第二の直階段S2は、北側から南側に向かって下る向きに設けられている。すなわち、平面視において、第二の直階段S2の上り方向は、第一の吹抜け部R1側に向かう方向である。第一の直階段S1と第二の直階段S2とは、平面視において、昇降方向が互いに平行であり、昇降方向が互いに逆方向となっている。
平面視において、3階の床30fに設けられた開口部30cと、2階の床20fに設けられた開口部20cとは、南北方向の位置がほぼ同じとなっている。床30fには、開口部30cの東側及び南側の端縁に沿って腰壁33が設けられている。
西側外周壁W3における開口部30cの近傍には、開口部W3aが設けられている。開口部W3aは、3階の床30fから3階の天井に亘って設けられている。開口部W3aには、採光窓34が取り付けられている。本実施形態において、採光窓34は、折れ戸式の窓である。但し、採光窓34の種類は折れ戸式に限定されない。
洗面・浴室31は、3階居室30の北側に設けられている。ベランダ32は、洗面・浴室31の北側に設けられている。
次に、建物の1階と2階との上下方向の関係について説明する。主に図6に示すように、ダイニングキッチン12の上方には、2階居間20が位置している。第一の吹抜け部R1は、ダイニングキッチン12及び2階居間20に隣接するとともに、ダイニングキッチン12及び2階居間20に連通している。ダイニングキッチン12の床12fと第一の吹抜け部R1の床R1fとは連続している。2階居間20の天井と第一の吹抜け部R1の天井とは連続している。第一の吹抜け部R1の床R1fは、ダイニングキッチン12側(南側)よりも、ダイニングキッチン12側とは反対側(北側)が高い雛壇状に形成されている。
建物Xの2階において、低床部20bは、基準床部20aよりも床レベルが低い。すなわち、第一の吹抜け部R1、低床部20b及び基準床部20aを通るように2階居間20を南北方向に沿って見たときに、2階居間20の床20fは、第一の吹抜け部R1側(北側)が第一の吹抜け部R1側とは反対側(南側)よりも低い雛壇状に形成されている。
ダイニングキッチン12の天井のうち、低床部20bの直下に位置する部分の天井12aの高さは、基準床部20aの直下に位置する部分の天井12bの高さよりも低い。ダイニングキッチン12において、低床部20bの直下には、テーブル(第一の着座装置)12cが設けられている。すなわち、テーブル12cは、ダイニングキッチン12において天井高さが低い位置に設けられている。テーブル12cは、雛壇状に形成された第一の吹抜け部R1の床R1fの段差部分に近接する位置に配置されている。テーブル12cの周囲に、椅子12dが設けられていてもよい。
第一の吹抜け部R1の床R1fの最上段部には、着座装置(第二の着座装置)11aが設けられている。着座装置11aは、例えば、ソファー、ベンチ、堀座卓等、着座が可能な装置である。
第一の吹抜け部R1の床R1fには、床下収納R1aが設けられている。床下収納R1aは、雛壇状に形成された床R1fの段差部分を利用して、側面に開口を有し横方向に収納部を引き出し可能な引き出し式の収納であってもよい。また、床下収納R1aは、上面の蓋が開閉可能に設けられた掘り込み式の収納であってもよい。
図1、図2及び図6に示すように、第一の吹抜け部R1には、床R1fの最上段部と2階の寝室21との間を昇降するための梯子(補助昇降手段)11bが設けられている。なお、寝室21における第一の吹抜け部R1に面する側の壁21aには、開口部21bが設けられている。寝室21と第一の吹抜け部R1の床R1fとは、梯子11bを用いて開口部21bを介して往来することができる。寝室21と第一の吹抜け部R1の床R1fとの間を昇降可能な装置であれば、梯子11b以外の装置(例えば固定式の階段)を用いてもよい。
次に、建物Xの採光について説明する。ここでは、3階の西側外周壁W3に設けられた採光窓34から取り込んだ光を、1階に導く場合について説明する。ここで、図1に示すように、1階において光が導かれる領域を至光部A3とする。図7に示すように、至光部A3は、2階の床20fに設けられた開口部20cよりも下方に位置している。至光部A3は、採光窓34と、開口部20cとをつなぐ直線上に位置している。すなわち、至光部A3は、1階居間11において第一の直階段S1の東側の領域である。
なお、3階の床30fに設けられた開口部30cは、採光窓34と、2階の床20fに設けられた開口部20cとをつなぐ直線上に位置している。すなわち、採光窓34、3階の床30fに設けられた開口部30c、2階の床20fに設けられた開口部20c、及び至光部A3は、平面視において、南北方向の位置がほぼ同じとなっている。
図2に示すように、平面視において、2階の床20fにおける開口部20cよりも至光部A3側(東側)の領域を至光部側床領域A2とする。また、平面視において、2階の床20fにおける開口部20cよりも採光窓34側(西側)の領域を採光部側床領域A1とする。採光部側床領域A1とは、低床部20bの床部分である。上述したように、低床部20bは、基準床部20aよりも床レベルが低い。すなわち、採光部側床領域A1は、至光部側床領域A2よりも床レベルが低い。採光部側床領域A1は、平面視において、3階の床30fに設けられた開口部30cと、2階の床20fに設けられた開口部20cとの間に位置している。
西側外周壁W3における開口部W3aの端縁のうち、採光窓34の下端に位置する端縁には、図7に示すように断面視において、採光窓34から至光部A3へ向かう光の進行方向に略並行な(進行方向に沿った)面取り部W3bが設けられている。なお、断面視における断面とは、建物Xを鉛直方向に切った場合の断面である。至光部側床領域A2における開口部20c側(西側)の端縁には、図7に示すように断面視において、採光窓34から至光部A3へ向かう光の進行方向に略並行な面取り部A2aが設けられている。3階の床30fにおける開口部30cの端縁のうち、至光部A3側に位置する端縁には、図7に示すように断面視において、採光窓34から至光部A3へ向かう光の進行方向に略並行な面取り部30dが設けられている。
採光窓34から建物X内に入射した光は、3階の床30fに設けられた開口部30c、2階の床20fに設けられた開口部20cを介して至光部A3に到達する。
本実施形態は以上のように構成され、例えば図6に示すように、第一の吹抜け部R1の床R1fは、ダイニングキッチン12側(南側)よりもダイニングキッチン12側とは反対側(北側)が高い雛壇状に形成されている。これにより、第一の吹抜け部R1の床R1fに座る人又は雛壇の段部に腰掛けている人など第一の吹抜け部R1にいる人と、2階居間20にいる人との高さ方向の距離が近くなる。従って、第一の吹抜け部R1にいる人と2階居間20にいる人とが自然に対面しやすくなり、両者が顔を合わせながらコミュニケーションを容易に図ることができる。
2階居間20には、第一の吹抜け部R1側の領域に低床部20bが設けられている。この場合、第一の吹抜け部R1にいる人と、2階居間20の低床部20bにいる人との高さ方向の距離がより一層近くなる。従って、第一の吹抜け部R1にいる人と2階居間20の低床部20bにいる人とがより一層自然に対面しやすくなる。
ダイニングキッチン12において、2階居間20の低床部20bの直下には、テーブル12cが設けられている。これにより、テーブル12cが設けられた空間は、着座を前提とした空間となる。着座を前提とした空間は、天井高さを高く確保する必要性が低い。従って、2階居間20に低床部20bを形成してコミュニケーションの促進を図りつつ、ダイニングキッチン12において天井高さが低くなる空間を有効利用できる。
テーブル12cは、雛壇状に形成された第一の吹抜け部R1の床R1fに近接する位置に配置されている。この場合、雛壇状に形成された床R1fの段差部分に腰掛けて、テーブル12cを利用することができる。このように、第一の吹抜け部R1の床R1fの段差部分を有効利用できる。
2階の低床部20bにおける第一の吹抜け部R1側の端縁20faには、透視性を有する手摺り22bが設けられている。これにより、低床部20bの人が第一の吹抜け部R1側に移動しなくとも、第一の吹抜け部R1にいる人と低床部20bにいる人との間での視認性が確保できる。
第一の吹抜け部R1の床R1fの最上段部には、着座装置11aが設けられている。着座装置11aが設けられる位置は、第一の吹抜け部R1において2階居間20にいる人を最も視認しやすい位置である。従って、着座装置11aに座ることにより、第一の吹抜け部R1にいる人と2階居間20にいる人とのコミュニケーションをより一層容易に図ることができる。
建物Xは、1階と2階との間を昇降するための第一の直階段S1と梯子11bとを備えている。また、梯子11bは、第一の吹抜け部R1の床R1fの最上段部に設けられている。これにより、建物Xの1階と2階とを第一の直階段S1又は梯子11bを用いて容易に往来できる。また、梯子11bが第一の吹抜け部R1の床R1fの最上段部に設けられているので、梯子11bを用いて昇降する距離が短くなる。
第二の吹抜け部R2は、2階の低床部20bの床における端縁20fbに沿って設けられている。これにより、第一の吹抜け部R1にいる人と2階居間20の奥まった位置(第一の吹抜け部R1から離れた位置)にいる人とが、互いに第二の吹抜け部R2を介して容易に視認することができる。
建物Xは、2階と3階との間を昇降するための第二の直階段S2を備えている。第二の直階段S2の上り方向は、平面視において、第一の吹抜け部R1に向かう方向である。この場合、第一の吹抜け部R1にいる人と2階居間20にいる人とが第二の吹抜け部R2を介して互いに視認する際の視認性を、第二の直階段S2が阻害することを抑制できる。また、第二の吹抜け部R2の上方の空間を階段スペースとして有効利用できる。
第一の吹抜け部R1の床R1fには、床下収納R1aが設けられていている。これにより、雛壇状に形成することによってできる床下空間を有効利用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、図8に示すように、第一の吹抜け部R1の天井には、2階居間20側(南側)よりも2階居間20側とは反対側(北側)が低くなる傾斜部R1gが設けられていてもよい。この場合、2階居間20にいる人の視線方向が傾斜部R1gの傾斜に沿って自然と下方向を向く。これにより、2階居間20にいる人が第一の吹抜け部R1にいる人と自然に対面しやすくなる。なお、2階居間20側よりも2階居間20側とは反対側が低くなっていれば、第一の吹抜け部R1の天井に傾斜部R1gを設けることに限定されない。例えば、第一の吹抜け部R1の天井が、2階居間20側よりも2階居間20側とは反対側が階段状に低くなる天井であってもよい。また、第一の吹抜け部R1の天井が、2階居間20側よりも2階居間20側とは反対側が低くなるように、断面円弧状に湾曲した天井であってもよい。
また、上記実施形態及び変形例では、3階建ての建物Xを例に説明したが、3階建てに限定されない。上記で説明した建物Xの各部屋の用途は一例であり、各部屋の用途は限定されない。
11a…着座装置(第二の着座装置)、11b…梯子(補助昇降手段)、12…ダイニングキッチン(第一階層部)、12c…テーブル(第一の着座装置)、20…2階居間(第二階層部)、30…3階居室(第三階層部)、22b…手摺り、R1…第一の吹抜け部、R2…第二の吹抜け部、S1…第一の直階段(主昇降手段)、S2…第二の直階段(直階段)、R1f…床(第一の吹抜け部の床)、X…建物。

Claims (11)

  1. 第一階層部と、前記第一階層部の上方に位置する第二階層部と、前記第一階層部及び前記第二階層部に隣接するとともに前記第一階層部及び前記第二階層部に連通する第一の吹抜け部と、を有する建物であって、
    前記第一階層部の床と前記第一の吹抜け部の床とは連続しており、
    前記第二階層部の天井と前記第一の吹抜け部の天井とは連続しており、
    前記第一の吹抜け部の床は、前記第一階層部側よりも前記第一階層部側とは反対側が高い雛壇状に形成されている、建物。
  2. 前記第二階層部の床は、前記第一の吹抜け部側が前記第一の吹抜け部側とは反対側よりも低い雛壇状に形成されている、請求項1に記載の建物。
  3. 雛壇状に形成された前記第二階層部の最も床高さが低い部分を最低床部とし、
    前記最低床部の直下に位置する前記第一階層部の天井の高さは、前記最低床部以外の直下に位置する前記第一階層部の天井の高さよりも低く、
    前記第一階層部における前記最低床部の直下には、第一の着座装置が設けられている、請求項2に記載の建物。
  4. 前記第一の着座装置は、テーブルであるとともに、前記第一の吹抜け部の雛壇状の床に近接する位置に配置されている、請求項3に記載の建物。
  5. 前記第二階層部の床の前記第一の吹抜け部に面する端縁には、透視性を有する手摺りが設けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載の建物。
  6. 前記第一の吹抜け部の床の最上段部には、第二の着座装置が設けられている、請求項1から5のいずれか一項に記載の建物。
  7. 前記第一階層部と前記第二階層部との間を昇降するための主昇降手段と、
    前記第一の吹抜け部の床の最上段部と前記第二階層部との間を昇降するための補助昇降手段と、を更に備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の建物。
  8. 前記第一階層部及び前記第二階層部に隣接するとともに前記第一階層部及び前記第二階層部に連通する第二の吹抜け部を更に備え、
    前記第二の吹抜け部は、前記第二階層部の床における前記第一の吹抜け部に面する端縁に対して直交する端縁に沿って設けられている、請求項1から7のいずれか一項に記載の建物。
  9. 前記第二階層部の上方に位置する第三階層部と、
    前記第二階層部と前記第三階層部との間を昇降するための直階段と、を更に備え、
    前記第二の吹抜け部は、前記第一階層部、前記第二階層部及び前記第三階層部に隣接するとともに前記第一階層部、前記第二階層部及び前記第三階層部に連通し、
    前記直階段は、前記第二の吹抜け部に設けられ、
    前記直階段の上り方向は、平面視において、前記第一の吹抜け部に向かう方向である、請求項8に記載の建物。
  10. 前記第一の吹抜け部の床には、床下収納が設けられている、請求項1から9のいずれか一項に記載の建物。
  11. 前記第一の吹抜け部の天井は、前記第二階層部側よりも前記第二階層部側とは反対側が低い、請求項1から10のいずれか一項に記載の建物。
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